GMはHummer EVのライバルにフォードのBroncoとテスラのCybertruckを想定

この記事の下にある動画では、間もなく発売される電動GMC Hummer(ハマー)がチラリと紹介されている。短いプレビューで、ありきたりのバズワード満載だが引きつけられる。GMがこの新型ハマーのライバルと定めている車は明らかだ。それは、Ford(フォード)のBronco(ブロンコ)とTesla(テスラ)のCybertruck(サイバートラック)の2車種。

Hummer EVが発表されたのは、コロナ禍に襲われる前のスーパーボウルの開催中だった。当時、電動パワートレーンにより1000HP(英馬力)を発生するとGMは確約していた。それ以来、この新型車の話はほとんど聞かれなくなったが、GMは2021年秋の生産開始に向けて、予定通り着実に準備を進めていた。

動画では、期待されている機能や性能のほんの一部を見ることができる。面白いのは、それらがモータリング領域の両端を示していることだ。分類するならば、それらは2つのグループにきっちり分けられる。オンロードの興奮と、オフロードの冒険だ。GMはHummer EVのライバルを、性能とデザインに大きな注目を集めているテスラのCybertruckとフォードのBroncoと定めていることが、この動画から明確に伺える。

Cybertruckに対抗する側面としてGMは、出力1000HP(1014PS)、トルク11500ポンド・フィート(1587kg・m)というHummer EVのパワーをうたっている。ただしこれらの数値は通常とは違う形で算出されている。

また、この巨大なトラックは3秒で時速60マイル(時速約96km)に達するという。これはもう高級スポーツカーの世界だ。さらにこの動画は、Hummer EVには「Adrenalin」(アドレナリン)モードが搭載されていると伝えている。これはテスラの「Ludicrous」(ルディクラス、イカレてるという意味)モードに高度な自動運転機能が付属したみたいなものだと簡単に察しがつく。

Broncoに対抗する側面としては、Hummer EVのオフロード性能を見せている。これには、Broncoの段階的に取り外せる屋根に匹敵する、Open Air Infinity Roof(オープンエアー・インフィニティー・ルーフ)とModular Sky Panel(モジュラー・スカイ・パネル)と呼ばれる機能が含まれる。さらに動画では、「Crab」(クラブ、カニの意味)モードも紹介されている。岩場をよじ登るときのための高トルクモードだ。尋常ではないトルクを発生することで、Hummer EVは相当な急勾配も登れるようだ。

価格と正確な販売時期はまだ発表されていない。それはテスラのCybertruckも同じだ。フォードには電動F-150が控えていることも忘れてはならない。間もなく、電動ピックアップの戦いが始まる。その様子は逐一お知らせしよう。

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(翻訳:金井哲夫)