Nintendo Switchが待望のアップデート、DLゲームをSDカードに転送可能に

任天堂は同社の人気ゲーム機Nintendo Switchのファームウェア「10.0.0」をリリースし、発売以来ユーザーが待ち望んでいた機能をついに追加した。このアップデートにより、ダウンロードしたゲームをSDカードに転送できるようになり、ユーザーにより高い柔軟性と自由度がもたらされる。

ゲーム機のストレージ容量が足りなくなった場合、Nintendo Switchユーザーにはこれまでほとんど選択肢がなかった。最良の方法はゲームを削除して、SDカードに再度ダウンロードすることだが、この手順はスマートではない。そして今回のアップデートでは、ストレージ容量が少なくなってきた場合、ユーザーはゲームをSDカードに直接転送できるようになっている。

現時点でデータ移動に対応しているのは「ダウンロードソフト」「更新データ」「追加コンテンツ」のみで、一部のユーザーセーブポイントやアップデートデータは転送することができない。

物理メディアとダウンロードデータが共存するNintendo Switchにとって、この変更は歓迎すべきものだ。これにより、ユーザーはローカルストレージを利用したり、オンラインでゲームを購入したりしつつ、物理メディアにデータをバックアップできるという安心感が得られる。

また今回のアップデートでは、コントローラのボタンの割り当てが変更可能になり、最大5種類のボタンレイアウトを保存したりする機能も追加された。

10.0.0.0のアップデートはNintendo Switchの設定から行うことができる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ニンテンドースイッチ、改良版の計画は当面なしとの噂。ネットワーク機能の追加や新周辺機器投入でユーザー層を拡大

eng-logo-20152018年3月3日に、発売から2年目に突入するニンテンドースイッチ。この任天堂ハードにつき、当面は本体の改良バージョンを開発する予定がないとの噂が、同社内の事情に詳しい人物からの情報として伝えられています。

任天堂はむしろ、ダンボール工作キット『Nintendo Labo(ニンテンドーラボ)』に大きな期待を持ち、ゲームよりも子供用の教育玩具を求める親世代へのアピールを目指しているとのこと。

スイッチ全体の戦略としては、より広いユーザー層を開拓するステップの一つとして、新たな周辺機器の投入やネットワーク機能の強化により、ハードウェアを変更せずに販売台数をさらに増やそうとしている、と報道されています。

任天堂がスイッチを現状のハードウェア構成のまま販売拡大を目指すことは、たびたび仄めかされていました。2017年末にも同社の君島社長は2018年度の年間販売数量について「2千万台以上にはしたい」と言及しています。

一方ではスイッチの供給は慢性的に不足気味で、さらに増産に力を入れるとの報道もあります。まだ売れる伸びしろが大いにある現状では、本体ハードウェアを改良した「スイッチ2.0」は考えにくいでしょう。

いっそう販売を加速するにあたり、ハードの改良よりもユーザー層の拡大に重きを置くことは、2018年2月、同社の経営方針説明会でも語られていました。

「これまでのところは、どちらかというとゲーム愛好者の⽅々にとって魅⼒的なソフトが多くありました」と、任天堂ゲームのコアなファンに支えられていると現状をまとめています。

次のステージはその認識に立った上で「これからは男⼥問わずより広い年齢層の⽅々にどうNintendo Switchの魅⼒をお伝えするのかが課題だと感じています」とさらなる非ゲームファンの取り込みに意欲を見せています。そのためにも、ニンテンドーラボは戦略的に大事ということなのでしょう。

さらに事情通によれば、2年目のスイッチは追加のネットワーク関連機能や、本体やドックのUSBタイプC端子に接続する形での周辺機器の投入があるとのこと。ファミコンに例えるなら、本体にモデムを外付けしてネットワーク機能を追加した「ファミコンホームトレード」といったところでしょうか。

開発スタッフがハードの能力を最大限に引き出したソフトをつくる上でも、ハードの更新はなるべく少ないことが望ましいはず。

その声を代表するマリオ産みの親・宮本茂氏も、先の説明会の席上で「これまでのハードのライフサイクルは 5 年から 6 年ほどでしたが、それよりもっと続くようにできれば⾯⽩いと思いますので、どうぞご期待ください」とコメントしていました。

​​​​​​スイッチは「持ち運びできる据え置きコンソール」ということで、携帯して外で遊ぶには少し大きくて重すぎという声もあります。改良版やバリエーションがしばらく出る見込みがないのは残念な感もありますが、その分はソフトのラインナップや周辺機器の充実を望みたいところです。

Engadget 日本版からの転載。

ニンテンドースイッチの販売台数が1300万台を突破。任天堂は「Wiiを超える勢い」をアピール

eng-logo-2015任天堂は1月31日、2018年3月期第3四半期決算説明会にて、同社の据え置きゲーム機「ニンテンドースイッチ」が年末商戦で販売台数を大きく伸ばし、現時点では全世界で累計1300万台を突破したことを明らかにしました。今期(2018年3月まで)の販売数量予想は、昨年10月の1400万台から100万台増の1500万台に上方修正されるとのこと。

任天堂はスイッチ売上の好調のみならず、その勢いが最も普及スピードが早かった同社の据え置きハードのWiiと肩を並べるか、地域によっては上回るペースである事実を強調。Wiiが象徴していた任天堂の黄金期が再び到来したことを印象づけています。

すでに1月4日、米任天堂はニンテンドースイッチが北米市場にて発売後10ヶ月で480万台を売上げ、Wiiの400万台を抜いて同社の据え置きゲームハード史上最速の記録を更新したと発表していました。

今回の報告では、北米に合わせてヨーロッパ市場や日本国内市場でのセルスルー(メーカーからの出荷台数ではなく、実際に消費者に販売された台数)推移を公表しています。

いずれの市場でも販売台数を伸ばし、ヨーロッパではWiiと肩を並べ、国内でも「ホリデー商戦にしっかりとした数をお届けすることができ」たとのこと。文面ではWiiとの比較に触れていない日本では、逆にWiiの勢いが凄まじかったと分るのがご愛嬌でしょうか。

続いてソフトについては、発売1年目にして、すでに3タイトルが600万本を超えるセルスルーを記録し、依然として販売を伸ばしているとのこと。

昨年3月発売の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はスイッチ版だけで600万本、4月の『マリオカート8 デラックス』は650万本超え、10月に発売されたばかりの『スーパーマリオ オデッセイ』は750万本以上もの爆発的な大ヒット。

昨年7月発売の『スプラトゥーン』も450万本を超え、すでに前作のWii U用『スプラトゥーン』を上回っているとか。本体装着率(ハード本体一台に対するソフト販売本数の割合)は約60%にもおよび、スイッチ本体との同梱版が売れに売れたようです。

さらに任天堂は、これら上位4タイトルにつき「早期に複数揃えられたこと」と「本体装着率の高さ」を、グラフを駆使して解説。そこで比較される対象は、かつて1億163万台も売れた自社のWiiであり、同社にとって「Wii超え」が悲願であることが伺えます。

提示されたグラフでは、Wii普及の起爆剤となった『Wii Sports』の装着率が90%近くで、スイッチ勢もさすがに及ばず。とはいえ、これは「米欧市場ではWii本体に同梱して販売」したものだからと、『Wii Sports』の本体同梱分を灰色にして除外した別バージョンも用意している周到さです。

こうした適正化を行うと、『Wii Sports』の純粋な(本体とは別にソフトを買った)本体装着率は20%以下に。『はじめてのWii』は40%台、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』は30%以下、『マリオパーティ8』も20%以下に落ち着き、スイッチの上位4タイトルを下回っています。

グラフから推測できるのは、スイッチ本体と同時に数本のソフトを買うか、最初のゲームをクリアした後に次々と他のタイトルも買い集めるユーザーの消費行動でしょう。

任天堂が言う「新ハードの立ち上げ時期に、こうしたヒットタイトルが複数生まれたことは、単に特定のソフトが一定数量売れた、ということ以上の意義がある」とは、スマホアプリの隆盛と裏腹に失われていった「据え置きハードのソフトを買う習慣」の復活を意味しているとも思われます。

しかし、発売1年目には絶好調だったWiiが勢いを落としたのは(2009年をピークに、2010年から下降)しだいに魅力的な新作ソフトが不足していったからでしょう。スイッチの今後は、1年目のブームをさらに加速させるタイトルが2年目、3年目に出続けるかにかかっているのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。