非テック企業のAIアプリ構築を支援するプラットフォームPeakが約82億円調達

人工知能(AI)はますます多くのエンタープライズアプリケーションに組み込まれてきている。そうした中、企業、特に非テック企業がよりカスタマイズされたAI意思決定ツールを構築するのを支援するプラットフォームを手がけるスタートアップが、大幅な成長資金を獲得した。英国・マンチェスターに拠点を置き「Decision Intelligence」プラットフォームを構築しているPeak AIは、7500万ドル(約82億円)の資金を調達した。同社は今後もプラットフォームの構築を続け、新たな市場への進出を図り、来四半期には約200人の新規雇用を行うことを予定している。

シリーズCにはかなりビッグネームの投資家が参加している。SoftBank Vision Fund 2が主導しており、これまでの支援者であるOxx、MMC Ventures、Praetura Ventures、Areteもこれに名を連ねている。このグループはPeakの2100万ドル(約23億円)のシリーズBに参加し、同ラウンドは2021年の2月にクローズした。同社の調達総額は1億1900万ドル(約131億円)に達している。評価額については公表していない。

PeakのCEOであるRichard Potter(リチャード・ポッター)氏は、資金調達の迅速なフォローアップはインバウンドの関心に基づいており、同社が行ってきたことはその一端につながっていると語る。

PeakのいわゆるDecision Intelligenceプラットフォームは、小売業者、ブランド、製造業者などが在庫レベルを監視し、パーソナライズされた顧客エクスペリエンスを構築するために使用している。また、より効率的に機能するある程度の自動化機能を備えたその他のプロセスにも使用されており、異なるファクターを相互に測定してよりインテリジェントなインサイトを提供する洗練性も求められる。現在の顧客リストにはNike、Pepsico、KFC、Molson Coors、Marshalls、Asos、Speedyなどが名を連ね、過去12カ月で売上は2倍以上になった。

Peakは、次のようなことに取り組んでいる。AIは、現代の多くの先進的ITアプリケーションやビジネスプロセスの基盤となっているが、もしあなたが組織であり、特にテクノロジーに依存していない組織であるなら、AIへのアクセスとその利用方法は必ずしも自分に合わせたものではなく、他者が構築したアプリケーションによってもたらされることになる。よりカスタマイズされたソリューションを構築するためのコストは往々にして非常に高くつく。Peakによると、同社のツールを使用するユーザーの平均収益は5%増加し、広告費は2倍になり、サプライチェーンコストは5%、在庫保有(企業にとっては大きなコストだ)は12%減少したという。

Peakのプラットフォームは、その問題を解決するための「ノーコード」のアプローチではないことを指摘しておかなければならない。少なくとも今のところは、そのような組織のデータサイエンティストやエンジニアに向けたものであり、彼らが、AIツールから恩恵を享受できるかもしれないオペレーション内の各種プロセスを容易に特定し、それらを比較的少ない労力で構築できるようにすることを目的としている。

また、重要な役割を果たすさまざまな市場ファクターも存在している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を例にとると、企業における「デジタルトランスフォーメーション」の拡大と、消費者需要の高まりやサプライチェーンの逼迫に対応するためのeコマースプロセスの効率化の両方で、企業はよりオープンになり、自動化をインテリジェントに改善するためのツールへの投資に熱心になっている。

これはPeak AIの収益増加とも相まって、SoftBankが興味を示していることの一部だ。この投資家はしばらく前からAIに注目しており、そのような投資先企業に戦略的サービスを提供することを目的として、自社の投資ポートフォリオの1セクションを構築している。

これにはeコマースやその他の消費者向けビジネスが含まれ、Peakの顧客ベースの主要セグメントの1つを構成している。

特に、この分野に特化した最近の投資の1つが2021年に入ってマンチェスターでも行われており、D2Cビジネスのためのソフトウェアを開発し運営するThe Hut Groupの7億3000万(約803億円)ドルの株式を取得している(将来的にはさらに16億ドル[約1760億円]を取得する可能性もある)。

SoftBank Investment Advisersのシニア投資家Max Ohrstrand(マックス・オーストランド)氏は声明で次のように述べている。「私たちは、将来の企業がバリューチェーン全体を最適化できる集中型AIソフトウェアプラットフォーム上で運営されるという、共通のビジョンを持つパートナーを得ています。これを実現するには新しいタイプのプラットフォームが必要であり、リチャード(・ポッター)氏とその優秀なチームがPeakで構築したものに非常に感銘を受けています。彼らがDecision Intelligenceにおけるカテゴリー定義のグローバルリーダーになるのを支援できることをとても喜ばしく思っています」。

SoftBankの2つのマンチェスター関連会社が協力するかどうかは明らかではないが、そうなれば興味深いシナジー効果が期待できるし、何よりもSoftBankが関心を持っている分野の1つを強調するものになるだろう。

長期的に、Peakがどのように進化し、すでに顧客となっている組織のより幅広いユーザー層にプラットフォームを拡大していくのか、またその展開がどうなるのかを見るのは興味深い。

ポッター氏は、短期的にも中期的にも「技術的な傾向のある人々」が同社製品のユーザーになる可能性が最も高いと考えているという。例えば、マーケティングマネージャーのような人たちはそうしたことをしないだろうと思うかもしれないが、多くのソフトウェアツールの一般的な傾向はまさに、データサイエンティストが使っているのと同じツールのバージョンを構築し、技術に詳しくない人たちが、自分の使いたいものを作るプロセスに関与できるようにすることにある。

「データパイプラインを流す能力を民主化し、それらをアプリケーションで動作するように最適化できることが重要だと考えています」とポッター氏は付け加えた。

画像クレジット:

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

同じ集合住宅に住む人のための超ローカルなソーシャルネットワークを構築するOneRoof

都市部の賃貸市場が回復し、人々が都市に戻ってくると、ロックダウンが開けた生活の新たな活気を受け入れようとしているコミュニティの中で、人々は再びたくさんの新たな隣人に囲まれることになる。

OneRoof(ワンルーフ)は、集合住宅用のソーシャルネットワークを構築している企業だ。郵便番号や近隣地域に基づくコミュニティを組織するNextdoor(ネクストドア)とは異なり、OneRoofは大規模な集合住宅の中に存在感を高め、近隣住民がより小さくて緊密な輪の中でお互いを知ることができるようにしたいと考えている。

「(Nextdoor)は郵便番号に基づいていますが、サンフランシスコやニューヨークのような大都市では、何万人もの人々が含まれます」と、OneRoofのCEOであるSelin Sonmez(セリン・ソンメス)氏は、TechCrunchに語った。「その時点で、人々には共通点が少なくなってしまいます。集合体が大きすぎて、もはや関連がないからです」。

共通点があるということだけでなく、人々はひと握りの隣人とコミュニケーションをとる方が、何千人もの人々とそうするよりも安心できると、ソンメス氏は述べている。

ソンメス氏と共同設立者(で夫でもある)のNikos Georgantas(ニコス・ジョルガンタス)氏は、このアプリによって、人々がビルのエレベーターや廊下で出会う人々とより気軽に話ができるようになり、新型コロナウイルス感染流行によって大都市では困難になったよく知らない者同士の関係が育まれることを期待している。

このビジョンを実現するために、OneRoofは125万ドル(約1億4000万円)の小規模なシード資金調達を実施した。これはGeneral Catalyst(ジェネラル・キャタリスト)が主導し、Kleiner Perkins(クライナー・パーキンス)のディスカバリーファンド、Dream Machine(ドリーム・マシーン)、Script Capital(スクリプト・キャピタル)、Urban US(アーバンUS)が参加した。

このアプリはメッセージ機能を中心に構成されており、ユーザーはSlackのようなハブで近隣の人々とさまざまなトピックについて話し合い、興味に応じて自分のサブコミュニティを組織することができる。なお、OneRoofはビル管理者と深いパートナーシップを築くことは求めていない。過去にビル全体のメッセージボードを作ろうとした際には、ビルの管理者にグループの管理を任せたため、ほとんどが失敗したという。

画像クレジット:OneRoof

このような小規模での運営にはいくつか難しい点がある。OneRoofのモデルでは「スーパーネイバーズ」と呼ばれる人々が、自分たちの住む建物への初期導入作業の多くを担う。ユーザーが自分の住む建物をOneRoofに登録したいと思ったら、OneRoofに依頼して、同じ建物の住人の郵便受けにサービスの宣伝チラシを送ってもらうことで、このプライベートアプリに参加するための独自のコードを住民に教えることができる。また、上の写真のような、参加コードが記載されたドアノブにかける札を送ってもらうことも可能だ。ソンメス氏はこれが特に成功しているという。

このアプリは、ニューヨーク市内にある約400のビルに導入されており、近々、ボストン、マイアミ、ロサンゼルスなど、他の主要都市にも拡げることを計画している。

画像クレジット:OneRoof

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

各アプリの機密情報の取り扱い方を教えてくれるアップルのApp Privacy Reportがベータ版に

Apple(アップル)は「App Privacy Report(アプリ・プライバシー・レポート)」のベータ版の提供を開始した。この新機能は、日常的に使用しているアプリがどれくらいの頻度で機密情報へのアクセスを要求しているか、またその情報がどこで共有されているかといった詳細を、iOSユーザーに提供することを目的としている。この機能は、EメールのトラッキングピクセルをブロックするツールやプライベートVPNなど、プライバシーに焦点を当てた改善が行われているなかで、6月に開催されたAppleの世界開発者会議で初めて紹介された。Appleは当時、この新しいレポートには、アプリがユーザーの位置情報、写真、連絡先などのユーザーデータやセンサーにアクセスした際の詳細や、アプリがコンタクトするドメインのリストが含まれると説明していた。


iOS 15のアップデートの一部として発表されたものの、2021年の秋口に新バージョンのiOSが公表された時点では、App Privacy Reportは利用できなかった。このレポートはまだ一般には公開されていないが、iOS 15.2およびiPadOS 15.2のベータ版のリリースにともない、より広範なベータテストが開始された。

新しいレポートは、アプリがどのような機密データを収集し、それがどのように使用されているかを詳細に示す潜在的に誤る可能性があるApp Privacy(アプリプライバシー)ラベルにとどまらないものだ。開発者は、誤って、あるいはエンドユーザーに誤解を与えようとして、ラベルを正確に記入しないことがあり、AppleのApp Reviewチームがそのような記入漏れを常に見つけられるとは限らない。

関連記事:アップルがアプリのプライバシー方針を明らかにするラベルを全App Storeで公開

その代わりに、新しいApp Privacy Reportは、アプリがどのように振る舞っているかについての情報をより直接的に収集する。

ユーザーがデバイスのプライバシー設定で有効にすると、App Privacy Reportは、アプリの過去7日間のアクティビティのリストを作成する。アプリをタップすると、そのアプリが最後にセンシティブなデータやデバイスのセンサー(例えば、マイクや位置情報など)にアクセスした日時などの詳細が表示される。これらの情報は、各アクセスがタイムスタンプとともに記録されたリストで見ることができる。

別のセクション「App Network Activity(アプリ・ネットワーク・アクティビティ)」では、アプリが過去7日間に通信したドメインのリストを見ることができる。このリストには、アプリ自身が機能を提供するために使用したドメインを含んでいるだけではなく、アプリが分析や広告の目的で提携している第三者のトラッカーや分析プロバイダーのドメインも明らかにする。

「Website Network Activity(ウェブサイト・ネットワーク・アクティビティ)」は、同様のリストを提供しているが、ドメインにコンタクトしたウェブサイトに焦点を当てており、その中にはアプリが提供したものも含まれている。また、最もコンタクトのあったドメインを見たり、いつ、どのトラッカーやアナリティクスが使用しているのか、さらにはどのアプリがいつコンタクトしてきたかを確認するために個別のドメインを掘り下げたりもできる。

ベータ版の公開に先立ち、Appleは「Record App Activity(アプリ・アクティビティの記録)」という機能を提供した。これは、App Privacy Reportが利用可能になったときに、ユーザーに表示される内容を開発者がプレビューできるようにするものだ。このオプションは、アプリが予想どおりに動作していることを確認できるJSONファイルが生成する。この機能は、すでにいくつかの興味深い発見をもたらしている。例えば、中国のスーパーアプリWeChatは、新しい写真を見つけるため数時間ごとにユーザーの携帯電話をスキャンしていることがわかった

App Privacy Reportは、ユーザーにとってデータの宝庫となる一方で、開発者にとっては複雑な問題となる可能性がある。開発者は、これらのデータ要求が、アプリの機能を提供するためのもので、プライバシー侵害ではないということを、ユーザーに説明しなければならなくなるかもしれない。例えば、天気予報アプリでは、旅行の準備のために、嵐の情報など、変化する天気パターンに関するプッシュ通知をユーザーが要求した場合、位置情報を定期的に取得する必要がある。

開発者に提示する際、Appleは、このレポートが、アプリが行っていることについて透明性を提供することで、ユーザーと「信頼関係を築く」機会になると述べた。また、開発者自身がインストールを選択したSDKについて、その動作が開発者の要望や期待に沿ったものであることを確認するための、より良い洞察を与えることができるとしている。

Appleは、この新機能がいつベータ版を終了するかについては言及していないが、iOS 15.2が一般公開されたときに出荷される可能性がある。

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

フェイスブック、独自ARフィルター作成アプリ「Polar」発表

開催したAR/VRに焦点を当てたイベント「Connect」で、Facebookはより多くのクリエイターを拡張現実(AR)の世界に呼び込むことを目的とした新アプリを発表した。

画像クレジット:Facebook

「Polar」と名づけられたこのiOSアプリは、Spark ARプラットフォームを利用して、FacebookやInstagram用に独自のARフィルターを作成することができる。ユーザーは、既存のフレームワークよりもはるかに軽い技術的負担で、テンプレートを使いこれらのフィルターを視覚的に簡単に作成することができる。

nstagramが「Reels」プラットフォームを通じて動画をより強力に推進していることから、ユーザーの間でARフィルターへの関心が高まっており、FacebookがクリエイターにARフィルターを売り込むチャンスになっている。

このアプリはまだかなり初期の段階にあるようで、Facebookによると、2021年後半にクローズドベータを開始し、特定のクリエイターを厳選して参加させる予定だという。最終的には、誰もが自分のARフィルターを作成できる無料アプリとして、広く展開していく予定だ。

I
画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Oculus Storeで2Dアプリ導入可能に、VR空間で仕事をする新世代リモートワーカーのために

Facebookは、同社のヘッドセット「Oculus Quest 2」を、新世代のリモートワーカーの生産性を高めるデバイスにしたいと考えているが、そのためにはアプリが必要となる。

米国時間10月28日、Facebookは、2DアプリをOculus Storeに初めて導入することを発表した。PWA(Progressive Web App)という業界標準に基づいたこの新アプリにより、ユーザーはこれまでヘッドセットを外し、スマホで見る必要があったアプリをそのまま確認できるようになる。

現在のところ、Oculus StoreではFacebook、Instagram、Smartsheet、Spikeなど、一部の2Dアプリが提供されている。の他にも、Dropbox、Monday.com、MURAL、My5(UK)、Pluto TV、Slackなどのアプリが用意されているとのことだ。

Oculus Storeでは、ひと握りのアプリメーカーがVRのネイティブサポートを行っているが、専用のバーチャルリアリティアプリの維持はさまざまな面において複雑で、NetflixやHuluといった企業のアプリが更新されることは非常に稀なことだ。今後、PWAに頼ることで、開発者の負担が大幅に軽減され、Oculusがこれまでアプリメーカーに提供してきたよりも広く採用されることが期待される。

2Dアプリの導入は「Quest」を仕事の場で活用するための幅広い取り組みの一環だ。同社は2021年8月に「Horizon Workrooms」というアプリを発表したが、これは従業員が自分のデスクトップをVRに持ち込んで、共有されたソーシャルVR空間でコミュニケーションをとることができるというものだ。

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

グーグルが大画面デバイス用にUIなどを最適化したAndroid 12Lを発表

米国時間10月27日、GoogleはAndroid 12Lのプレビューを発表した。Androidのニューバージョンのように聞こえるかもしれないが、Googleはこれを「Android 12を大画面向けに機能を限定して最適化したもの」だという。


その目的は、タブレットや折りたたみスマートフォン、Chrome OSを搭載したノートパソコンなど、ディスプレイが600dpi以上のデバイスに、改良されたユーザーインターフェースを提供することだ。

実際に試してみたい開発者には、すでにAndroid 12Lのデベロッパープレビューが提供されており、Android 12LエミュレータとAndroid Studioのサポートもある。

Googleによるとスマートフォンでも12Lを使えるが、誰も混乱する必要はない。というのも、スマートフォンは対象外であるため、その新機能の多くを見ることができない。Pixelデバイスのベータ登録は、プレビューの後半にローンチする。

Googleが今回の発表で「feature drop」と「feature update」という表現を使っていることから呼んでいることから、AppleがiOSとiPadOSを分割したように、これらのデバイス向けにAndroidを完全に分割することはないと考えられる。今回のアップデートでは、マルチタスクツールの追加やユーザーインターフェースの最適化など、大画面端末向けの機能が追加されている。また、Android 12Lでは、デフォルトでアプリの表示が改善されている。

画像クレジット:Google

具体的には、通知やクイック設定、ロック画面、概要、ホーム画面などが、大画面上では洗練されたものになる。システムアプリも、Android 12Lでは最適化される。

おそらく最も興味深いのは、新しいマルチタスキング機能と、そのための、iPadOSにやや似たタスクバーだろう。Androidはすでに、タブレットで分割画面モードをサポートしているが、Googleによると、今度のはもっと発見がしやすい。アイコンをタスクバーから画面上にドラッグ&ドロップするだけで、それが起動する。このことはまた、Android上のすべてのアプリが分割画面モードをサポートできる、という意味だ(前はデベロッパーがオプトインする必要があった)。

画像クレジット:Google

Googleの予定では12Lは2022年の早くにリリースされ「Android 12タブレットと折りたたみスマートフォンの次のブームに間に合うようにする」という。つまり次のMWCは、Androidタブレットとフォルダブルで盛り上がる、ということだ。

Android 12Lだけでなく、Googleは本日、OSとPlayの、やはり大画面向けの新しい機能を発表した。それにはMaterial Designガイダンスの大画面向けアップデートも含まれるが、Jetpack Composeもアップデートされて、これらのマシン用のビルドが容易になり、アプリは画面の異なる方向(縦横)に簡単に適応できるようになった。Android Studioのエミュレータもサイズを変えられるようになり、デベロッパーはアプリをいろいろな画面サイズでテストできる。またレイアウトがおかしいときは、ビジュアルリントツールがUIの警告や提案を出す。

Google Playに関しては、アプリを大画面アプリのクオリティガイドラインに照らしてチェックし、検索結果のランク付けでも、このチェックの結果が反映される。「大画面向けに最適化されていないアプリに関しては、そのようなデバイスをユーザーが使っている場合、アプリのPlay Storeのリスティングページに警告と注記を表示します」とGoogleはいう。

画像クレジット:Google

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップル、iOS 15.1でより多くの純正アプリをApp Storeで評価できるように

Apple(アップル)は、独占禁止法の調査を前に規制当局からの圧力が強まる中、今秋、初めて自社のファーストパーティアプリをユーザーが評価・レビューできるようにすることで、ようやくライバル企業と対等な立場に立った。これまでAppleのアプリの中には個別にダウンロードできるものもあったが、それらを評価することはできなかった。そして蓋を開けてみると、結果的にはあまり評価の良くないものもあった。例えば、メール、News、Podcastのように、星3つ以下でスタートしたものもあった。今回、Appleは、電話アプリ、メッセージ、写真、Safariなど、さらにいくつかの純正アプリをApp Storeで評価・レビューできるようにした。

この変更を最初に見つけて報告したのは、特に詐欺アプリの問題に関してApp Storeの改革を推進してきた著名なデベロッパーのKosta Eleftheriou(コスタ・エレフテリウ)氏だった。

Appfiguresのデータを引用して、エレフテリウ氏は、iOS 15.1で多くのAppleアプリが評価・レビューできるようになったことを指摘している。この中には時計、電話、メッセージ、カメラ、写真、ヘルスケア、Safariなどの標準搭載アプリが含まれている。また、ワークアウト、世界時計、探す、心拍数などのApple Watch対応アプリも含まれている(iOS 14.xのユーザーは、これらのアプリを見ることはできても、評価やレビューはできないとのこと)。


この変更により、Appleは現在のようにiOSのアップデートの際だけでなく、標準アプリを個別にアップデートできるようになるかもしれない。これは、Google(グーグル)がAndroidのコア機能の多くで採用している戦術で、後者はPlay Storeに独自のリストを用意している。

Appfiguresが確認したところ、これらのアプリは、iOSのアップデートとは別に、10月25日に独立したリストとして追加されたようだ。現時点で多くのユーザーはこれらのアプリが加えられたことを知らないため、レビュー件数は少ない。例えば電話アプリには、これまでのところ6件の評価しかない。メッセージアプリにも同様にまだ7件の評価しかないが、星4.7という高い評価を得ている(下図参照)。

グラフはこれまでのグローバルな評価を示す(画像クレジット:Appfigures

奇妙なことに、現在4件の評価を受けているSafariは、ウェブブラウザの年齢レーティングが4才以上となっている。ライバルのブラウザであるChromeやFirefoxの年齢レーティングは17才以上だ。

Appleの標準アプリを評価できることを多くのユーザーが知るようになったとき、これらのアプリがどのような評価を受けるのかは興味深いところだ。願わくば、コンシューマーからのフィードバックを受け入れることで、Appleがユーザーの望む内蔵アプリの変更に意欲的に取り組み、バグが発生した場合には早期にアラートを受けることを期待したい。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

ポケモンGOのナイアンティックが、任天堂と共同開発したスマホアプリ『Pikmin Bloom』(ピクミン ブルーム)の配信を開始しました。

『ピクミン ブルーム』は「歩くことを楽しくする」アプリ。従来の『ピクミン』の移植ではなく、ポケモンGOのように元のゲームを現実世界で再構成したものでもなく、「ゲーム」という言葉も使っていません。

では何かといえば、日々の散歩や通勤通学で歩くこと全般を、「不思議な生き物ピクミンを引き連れて一緒に歩く」世界観と、発見や収集・地図埋めといったゲーム性でもっと楽しめるように支援するアプリ。よく聞く言葉でいえばウォーキングの「ゲーミフィケーション」です。

ピクミンと一緒に花を植えつつウォーキング。コーヒーカップに入ったデコピクミンも

ピクミンと一緒に花を植えつつウォーキング。コーヒーカップに入ったデコピクミンも

具体的な内容は、歩いて苗を育ててピクミンを増やす(要するにポケモンGOのタマゴ)、珍しい種類のピクミンを集める、歩きながら花を植えて地図上を花畑にする(ここが「ブルーム」)、毎日の歩数や発見を記録して振り返るライフログなど。

いわゆるスマホゲームをしない人にも始めやすい一方で、歩くほどにピクミンが増え新たな発見があるなどついつい進めたくなる / 歩きたくなる仕掛けの数々を用意しており、広い意味では間違いなくゲームです。

引き連れて歩けるピクミンが増えるほど拾ってくるものも増え、遠征のような「おつかい」要員も増えるため、最初はただひたすらにピクミンを育てて引っこ抜いて増やすことが目的であり楽しみになります。

ふかそうちならぬバックパック型プランターに苗をセットして育成。基本のピクミンは当初7種

ふかそうちならぬバックパック型プランターに苗をセットして育成。基本のピクミンは当初7種

ポケモンGOと並行しやすい低負荷

「集める・見つける」と聞くとポケモンGOの二番煎じのようですが、ピクミン ブルームの特徴はプレーヤー / ユーザーの注意資源をあまり使わず、好きなタイミングで進められること。

ポケモンGOではプレーヤーがマップを注視して、欲しいポケモンがいたらその場でタップして狙ってボールを投げるなどリアルタイム性があり、いま手が離せないから!とスマホに集中するタイミングがありますが、ピクミン ブルームでは基本的に歩いているうちにピクミンが苗やフルーツなどを見つけたり拾ってくれるため、移動中はスマホを出さなくても別のことに使っていても、後から好きなタイミングで確認して受け取ることで進められます。

花を植えて歩く「ブルーム」

もうひとつの特徴は、タイトルにもなっている花を咲かせる要素。ただ歩くだけでも自分だけの地図上には足跡が残り、ライフログとして振り返ることができますが、 ピクミンの頭から収穫する「花びら」を消費して「花植え」して歩くと、マップ上にほかのプレーヤーからも観られるカラフルな花が咲きます

「花植え」をオンにして歩くことで普段通る道沿いに花を咲かせたり、色の違う花びらを使って装飾的な花畑を作ることも。ピクミン ブルームのプレーヤーが増えるほど街が花で溢れ、多くの人が歩く経路ほど花の道として可視化されることになります。

巨大な花はIngressのポータル、ポケモンGOのポケストップに相当。周囲に花を植えると咲く謎生態系

巨大な花はIngressのポータル、ポケモンGOのポケストップに相当。周囲に花を植えると咲く謎生態系

花植えはただ目に楽しいだけでなく、プランターのなかの苗の成長が加速(タマゴが孵りやすく)、ピクミン苗や果物などの発見率向上、地図上の特定ポイントに生えた大きな植物の成長を加速といったゲーム的な誘引もあります。

(マップ上の巨大な花は、ポケモンGOではポケストップがあるポイントに対応。最初は芽や葉の状態で、近くに花植えすると謎の効果で成長が促進されて巨大な花が咲きます。巨大な花が咲いたポイントでは珍しいアイテムを発見する確率が上昇。咲いているから近くまで歩こう、もう少し育てようと歩く誘引になります)

さらにこの花植えは、オプションの「みんなで花植え」モードも選択可能。みんなで花植え中は花だけでなく自分のアバター(Mii)もリアルタイムにマップに現れ、一緒にウォーキングと花植えが楽しめます。ナイアンティックではこの「みんなで花植え」を使ったイベント「コミュニティ デイ」を毎月実施する予定。

(花植えについて注意。花植えオンのままたとえば駅から徒歩で帰宅すれば、もし他のプレーヤーが少ない場所なら、最寄りから自宅まで分かりやすい一本道がしばらく(数日間)残ることになります。

誰が植えた花かまではアプリから分かりませんが、リアルでピクミン ブルームを遊んでいることを知られているが家までは教えたくない相手など条件が揃えば、少々面倒なことになりかねません。

アプリ上でも注意がありますが、花植えのオンオフは意識的に、跡を残したくない場所では使わない注意が必要になりそうです。といっても花植えには有限の資源を消費するため、切り忘れて永遠に行動範囲に線を引くことにはなりません。もしもの場合は、設定から歩行と花植え履歴を削除することもできます。)ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

デコピクミン、ポストカード、ライフログ、AR

基本は「歩く、たまにアプリを開いてピクミンが拾った苗や果物を回収、苗はプランターにセット、育ったら引っこ抜いて増やす」の繰り返しだけでも、シンプルにピクミンの数や種類が増えてゆくことを楽しめます。

上記の「花植え」のほかさらに楽しむ要素としては、ピクミンが自分の出身地にちなんだアイテムを拾って身につける「デコピクミン」集め、ピクミンが拾ってくる様々な場所の「ポストカード」集めやフレンドとの送りあい、その日の足跡と写真、一言コメントを足したミニ日記のような「ライフログ」をつけて後から振り返るなど。ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

ポケモンGOのようなAR写真ももちろん撮影可能。ピクミンの隊列をまるごと撮影できます。もとのピクミンがリアルな地形のかげに小さな謎の生き物というビジュアルだったため、多数のピクミンが果物やアイテムを抱えて現実に現れるスケール感はなんとも言えない楽しさ。

動画でもマカロンになったピクミンなど見たこともない個体が写っていましたが、ゲーム的に攻略するユーザーには「デコピクミン」集めが熱くなりそうです。

ピクミン ブルームは10月27日から、まずシンガポールとオーストラリアで正式配信を開始。数日間で他の地域にも展開する計画です。

Engadget日本版より転載)

ミームの元画像を検索し、自分で新たなミームが作れるAntimatterのアプリ「Reverse Meme Search」

好むと好まざるとにかかわらず、今やインターネット・ミームは私たちのコミュニケーション手段の一部となっている(我々も見出しに使うほどだ)。しかし、既存のミームを繰り返し使用するためには、必要以上に面倒なユーザーエクスペリエンスが求められる。まずはミームの元になった画像を見つけ、次にテキストを追加する方法を考えなければならない。そのためには、Instagram(インスタグラム)の図案を写真編集ソフトウェアで逆変換する必要さえある。

しかし、最新流行のミームの元画像を探してGoogle(グーグル)画像検索を漁るのも大変だ。代わりに使えるのが、米国時間10月22日にウェブとiOS向けにリリースされたAntimatter(アニマター)の「Reverse Meme Search(リバース・ミーム・サーチ)」アプリだ。ミームをアップロードするだけで、このアプリはテキストの入っていない元画像を探してくれる。あるいはReddit(レディット)やTwitter(ツイッター)などのアプリで写真を長押しし、iOSが画像の共有先を選択する画面を表示したら、このアプリのアイコンをクリックしてもよい。ミームの元となった画像を確認したら、アプリに内蔵されているフォトエディターを使って文字を追加して、文字のフォント、色、サイズ、位置を選ぶことができる。このアプリでは「Comic Sans(コミック・サンズ)」を使うことができないが、これは意図的に排除されたものだろう。

TechCrunchでは、このアプリの機能をテストしてみた。スパイダーマンが指さすミームは簡単に逆変換した元画像を見つけることができたが、Owen Wilson(オーウェン・ウィルソン)のいわゆるディープフライドエフェクトを施したミームでアプリはすぐに躓いてしまった(「deep-fried memes」とGoogleで画像検索すると最初の検索結果で見つかるが、元画像はなかなか見つからないのだ)。しかし、心配いらない。このアプリには無料で利用できる「Meme Concierge(ミーム・コンシェルジュ)」が備わっている。リクエストを送信してから1時間もしないうちに「We found your template(あなたの元画像を見つけました:Owen Wilson Deep Fried Meme)」という件名のメールが届いた。

正直なところ、大学で美術を専攻しその頃からAdobeを利用しているが、Photoshopでディープフライドエフェクトをかけたミームのテキストや絵文字をきれいに編集することはできないだろう(というか、我々には他にやるべきことがある)。たとえ「ミーム・コンシェルジュ」が、メールにあるように「16GBのRAMと2つのUSB-Cポートを持つ人間」であったとしても、これは実際に有用なサービスだ。

TechCrunchによるスクリーンショット(画像クレジット:Antimatter)

Antimatterの創設者であるJonathan Libov(ジョナサン・リボフ)氏は、このアプリが機能する仕組みを教えてはくれなかった。基本的には画像の逆引き検索で、探しているミームを認識して元画像を送り返してくるのでだろうか?それとも、画像からテキストを自動的に消去する技術が使われているのだろうか? ディープフライド・オーウェン・ウィルソンでアプリを悩ませたことを考えると、おそらく逆画像検索だと思われる。だが、ディープフライド・オーウェン・ウィルソンの画像を使ってミームを自分で作ろうとする人は、もうコンシェルジュを使う必要はない。なぜなら、これでディープフライド・オーウェン・ウィルソンの元画像が、Antimatterのシステムに保存されたからだ。筆者は彼らの仕事をチェックして、テキストを追加した画像のコピーをアップロードした。

画像クレジット:TechCrunch

「私たちはこのアプリを、Instapaper(インスタペーパー)とPinterest(ピンタレスト)にFigma(フィグマ)を加えたようなものだと考えています。その2つの重要な機能は、(A)画像を収集し(最終的にはミームの元画像に留まらず、有用で意味のあるあらゆる画像)、(B)ライブラリに保存することです」と、リボフ氏はTechCrunchにメールで語ってくれた。「Antimatterは、実際にはP2Pの学習・教育企業であり、Reverse Meme Searchは、私たちがいち早く世界に利用してもらいたいと思った創造体験の一部なのです」。Antimatterは自社のウェブサイトで「インターネット上の多くのすばらしいミーム学習コミュニティに触発された」と述べている。

Antimatterの新しいリバース・ミームのアプリを試すことができました。

確かに、これはテクノロジーが解決すべき世界で最も重要な問題というわけではない(例えば、たった1滴の血液で何十もの予防的血液検査ができるとしたらどうだろう? )。しかし、ミームは明らかに現実世界の力を持っている。というわけで、あなたも逆検索してみてはいかがだろうか?

画像クレジット:Antimatter

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

タスク管理とメモ帳を組み合わせた新感覚の生産性向上アプリ「Routine」

1日の仕事をより効率的に管理するための生産性向上ツールを開発している新しいスタートアップRoutine(ルーティン)を紹介しよう。「Routine」は、タスクと、実行を必要としないメモ、そしてデイリープランナーを組み合わせた、まったく新しいToDoリストだ。

Routineの共同設立者は、Julien Quintard(ジュリアン・カンタード)氏とQuentin Hocquet(クエンティン・オッケ)氏の2人のフランス人起業家で、私が何度か取り上げたスタートアップであるInfinit(インフィニット)を以前に作った人たちだ。Docker(ドッカー)が、2016年にInfinitを買収した。

彼らが再びチームを組んでRoutineを作っている。今現在、RoutineはmacOSとiOS用のアプリで、Googleアカウントと連携することができる。アカウントを設定後、Routineがどんな時でも「今、自分が何をすべきか」を把握するのを手助けしてくれる。

Routineで最もしっかりしている機能の1つが「ダッシュボード」だ。コンピューターで何をしていようと、キーボードの簡単なショートカットでRoutineのダッシュボードを呼び出すことができる。デフォルトでは「Ctrl」+「Space」がそのショートカットだ。

Routineアプリは、画面上にいくつかのウィジェットをオーバーレイの形で追加する。これは、今は亡きmacOSの機能「Dashboard」に少し似ていると言える。このダッシュボードには、さまざまなものが表示される。左側には、今日中に完了しなければならないタスク。

右側には、次の会議までの残り時間と、その会議に関する情報。日付は、Googleカレンダーのアカウントから直接取得される。

そして画面の中央には「コンソール」と呼ばれる大きな入力エリア。テキストを入力してエンターキーを押すと、そこから新しいタスクを作成することができる。これは、Todoistの「クイック追加」機能に似ている。

画像クレジット:Routine

コンセプトとしては、ToDoアプリを開き、適切なプロジェクトに移動し、タスク追加ボタンをクリックし、フィールドにテキストを入力するという無駄な作業をせずに、タスクを追加することができるというものだ。Routineを使えば「Ctrl」+「Space」を押しながらテキストを入力し、Enterキーを押すだけで完了してしまう。

もちろん、コンソールを使って、自然言語で直接タスクを入力して作成することもできる。例えば「毎週水曜日の午後7時にゴミを出す」と入力すれば、Routineが毎週水曜日に新しいアイテムを作成してくれる。

タスクをRoutineに登録すると、Routineアプリで管理できるようになる。タスクのスケジュール変更や完了のマークなど、通常のToDoアプリのアクションに加えて、大きなタスクに時間を割り当てることができる。「トゥデイ」のインターフェイスからは、タスクをタスクリストからカレンダーに移動させることができる。すると、そのタスクを使ったカレンダーイベントが自動的に作成される。

画像クレジット:Routine

このアプリは、ToDoアプリであると同時にメモアプリでもある。各タスクは1ページを表示する。そのページには、Notionのようなエディタがある。テキストを書いたり、見出しや仕切り、写真を追加したり、箇条書きのリストを作成したりすることができる。

また、タスクの中にさらにタスクを作成すると、自動的に本格的なルーチンタスクに変わる。スケジュールを立てたり、カレンダーに挿入したりすることができる。これは、Evernoteの最近のアップデートで新しくなったタスクと似ている。基本的に、タスクはコンテクストの中に存在する。

Routineはカレンダーと直接統合されているので、各イベントをカレンダーで開き、そこからメモを取ることもできる。つまり、それぞれのイベントは、それ自体がノートでもあるのだ。

画像クレジット:Routine

最後に、Routineではページを作成することもできる。各ページは、タスクやメモを保存できるドキュメントだ。食料品リスト、荷造りリスト、監視リストなど、さまざまなリストを作成することができる。また、レシピやお気に入りのレストランなど、いつでも使える情報の保存にも利用できる。

Routineは現在、限定でベータ版を配信している。本スタートアップは、Y Combinator(Yコンビネーター)のW21バッチに参加し、BoxGroup(ボックスグループ)とTargetGlobal(ターゲットグローバル)から270万ドル(約3億円)のプレシードラウンドを調達した。また、Matt Robinson(マット・ロビンソン)氏、Clément Delangue (クレメント・デランジュ)氏、Ian Hogarth(イアン・ホガース)氏など、複数のビジネス・エンジェルも参加している。

私もこのアプリを使ってみたが、ToDoリストとメモの取り方の両方に興味深いものを感じた。To-Doアプリに大きく依存している人もいるだろうが、それほど簡単にメモを保存することができない。一方、メモアプリにすべてを保存する人もいるだろう。しかし、すべてのタスクを一度に見ることは難しい。Routineはそのギャップを埋めることを目的として作られており、今後、同社がロイヤリティの高いコミュニティを作り上げることができるかどうかに注目している。

画像クレジット:Routine

画像クレジット:Mostafa Mahmoudi / Unsplash

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Akihito Mizukoshi)

原材料欄をスマホで撮影するだけで食材やメニューのアレルギー情報を一元管理できる「アレルギー管理サービス」アプリ

飲食店などでのアレルギー対応をサポートしているCAN EATは10月25日、スマートフォンで原材料ラベルを撮影するだけで食材やメニューのアレルギー情報を一元管理できる「アレルギー管理サービス」を開始したと発表した。今後、アプリ上で登録した、メニューごとのアレルギー情報を印刷・ダウンロードできる機能を追加予定。

アレルギー管理サービスは、飲食店や宿泊施設などがアレルギーについての情報を正しく把握し適切な表示・説明を行いやすくするサービス。同社が従来提供していた「アレルギー表作成代行サービス」を機能性の高いアプリに進化させたもので、日替わりメニューといった素早く情報の確認が必要なメニューにも対応可能になった。

具体的には、原材料ラベルをスマートフォンで撮影し送信するだけで、食品を構成する原材料とどういったアレルギー物質を含んでいるかを判定してくれるサービス。判定はCAN EAT独自の自動アレルギー判定エンジンと専門家による目視チェックで行なわれ、結果をアプリに通知する。

また、アレルギー判定を行なった加工品や生鮮品の情報を組み合わせてメニューを登録すれば、日替わり・週替わりなども含めたすべてのメニューのアレルギー情報を管理し確認できるようになる。

登録したメニューに対しては、特定のアレルギー物質を選択しそのアレルギー物質を含むまたは含まないメニューを検索することも可能。これはマルチアレルギーを持った飲食客に対応する時に役立つとしている。

活用例としては、レストラン・カフェ・ホテルなどの飲食品を提供する店のほか、修学旅行や学校・保育園での給食、パン屋や惣菜店など食品販売店までも含む幅広い状況でアレルギー管理を想定している。さらに百貨店やサービスエリアなど施設のテナントの品質管理や衛生管理、品質保証部の業務効率化も図れるという。

アプリの利用に関しては、事前に管理サービスへの利用者登録が必要。無料トライアルや費用・契約に関する相談は「お問い合わせフォーム」から受け付けている。

2019年4月設立のCAN EATは、「すべての人の食事をおいしく・楽しく・健康的にする」をミッションに掲げている。アレルギー管理サービスのほか、食べられないものがある人の外食を助けるサービス「CAN EAT」、QRコードを元に食事制限情報をゲストから手軽に収集できる「アレルギーヒアリングサービス」などを提供している。

アップルがApp Storeガイドライン更新、アプリ開発者がユーザーに他の支払い方法について連絡することを許可

Apple(アップル)は米国時間10月22日、App Store(アップ・ストア)のガイドラインが更新されたことを発表した。これには3つの重要な変更が含まれている。1つは、先に発表された米国のアプリ開発者グループとの和解合意に基づく変更だ。新しいガイドラインでは、アプリ開発者が、アプリ外で利用可能な他の支払い方法をユーザーに提案できるようになったことが明確に認められている。これに関連して別の項目では、アプリはユーザーに名前やメールアドレスなどの顧客情報を要求することができるが、その要求はユーザーにとって任意のものでなければならず、アプリの使用を妨げるべきではないと説明している。

3つ目の変更は法的措置とは関係ないもので、来週導入されるApp Storeの新機能「App内イベント(アプリ内イベント)」を開発者がどのように利用できるかを説明している。

8月にAppleは、米国のアプリ開発者グループが2019年に同社に対して起こした集団訴訟において、和解案に合意したことを発表。この合意にはいくつかの項目が含まれていたが、最も大きいものは、開発者がiOSアプリやApp Store以外で購入する支払い方法について、ユーザーに情報を伝えることができるようになるということだった。当時、Appleは開発者が「電子メールなどのコミュニケーションを利用して、iOSアプリ以外の支払い方法に関する情報を伝えることができる」ことを、ガイドラインの変更によって明確にすると述べていた。

「これまでどおり、アプリケーションやApp Store以外で行われた購入については、デベロッパがAppleに手数料を支払うことはありません」ともAppleは述べていた

今回、その変更案が正式にApp Storeガイドラインに盛り込まれた。

具体的には、Appleはガイドライン3.1.3の条項を削除した。この条項では、開発者はアプリ外で個々のユーザーに対し、Apple独自のアプリ内課金以外の購入方法を利用するために、アプリ内で得た情報を使うことは認められないとしていた。旧ガイドラインには、ユーザーがアプリにサインアップした際に登録されたアドレスにメールを送信することも、上記の行為に含まれると書かれていた。

この条項が廃止されたことによって、開発者はユーザーとこのようなコミュニケーションを取ることも可能になった。

また、Appleは以下のように、ガイドライン5.1.1 (x)に新しいセクションを追加し、開発者がどのようにユーザーの連絡先情報を要求できるかを詳しく説明している。

Appは、ユーザーの基本的な連絡先情報(たとえば名前やメールアドレスなど)の共有がユーザーの任意の選択であり、いかなる機能やサービスの提供もこれらの情報の共有を条件にしておらず、本ガイドラインのその他の規定(子どもからの情報収集に関する制限を含む)にすべて遵守するものである限り、これらの情報をユーザーにリクエストすることができます。

顧客への連絡を禁止する規則、いわゆる「ステマ防止」ガイドラインは、数カ月前から規制当局の監視対象となっている分野だ。世界中の立法府は、Appleが開発者に対し、ユーザーへの働きかけや、マーケティング、決済システムの選択など、ビジネスを運営する方法を制限することで、独占的な行為を働いているのではないかと突き止めようとしている。

すでにAppleは、いくつかの市場でさまざまな和解に至ったことにより、App Storeの規則の調整を余儀なくされていた。

例えば韓国では、AppleとGoogle(グーグル)が各々の決済システムの使用を開発者に要求することを禁止する新しい法律が最近可決された。また、日本では先月「リーダー」アプリをめぐる公正取引委員会との和解が成立し、アプリ内から自社ウェブサイトへリンクを張ることが可能になった。

一方、米国では、Appleは「Fortnite(フォートナイト)」の開発元であるEpic Games(エピック・ゲームズ)と裁判で争っている。この訴訟は現在控訴中だが、判事の当初の判決では、Appleに開発者がアプリ内で自社のウェブサイトを表示できるようにすることを求めており、そこでユーザーはサービス料や定額料金を直接支払うことができ、その過程においてAppleの決済システムを回避することが可能になるというものだった。

しかし、今回のガイドライン変更では、直接アプリに代替決済システムを組み込むことまでは認めていない。

anti-steering(外部への誘導禁止)の変更は、規制当局の圧力が大手テクノロジー企業に導入を促している新ポリシーの分野の1つに過ぎない。

AppleとGoogleは、それぞれの方法で、開発者の収益から自社の取り分を減らすように、手数料体系を見直している。その対象には特に、小規模ビジネスメディアへのアクセスを提供するアプリ報道機関によるアプリなどが含まれる。Googleは今週、これまで初年度は30%、2年目は15%としていたサブスクリプション型アプリの手数料を、初日から15%に引き下げた。また、特定のメディアアプリに対しては手数料を10%に引き下げた。

関連記事:グーグルがPlayストアの一部手数料をさらに引き下げ、サブスクアプリは15%に、メディアアプリは10%に

画像クレジット:Apple

今回発表されたもう1つの新ルールは「App内イベント」と呼ばれる新機能に関するもので、その使用方法についての単なるガイダンスだ。

WWDCで発表されたApp内イベントは、アプリメーカーにとって、ゲーム対戦、新作映画のプレミア上映、ライブストリーミング体験など、アプリ内で行われるイベントをユーザーに紹介するためのより良い方法となる。App内イベントは10月27日のiOS 15.1アップデートから、App Storeに掲載されるようになる予定だ。

関連記事:アップルがApp Storeに製品ページA/Bテストとアプリ内イベントの宣伝を導入

Appleは今回の新ガイドラインで、開発者に対し、App Store Connectでイベントを設定する際には、入力するメタデータが正確で、直接そのイベントに関連していることを確認するようアドバイスしている。イベントは(複数のストアフロントに関わる場合も含めて)、App Store Connect上で選択した日時に開催される必要がある。また、ディープリンクはタップすると直接イベントが起動しなければならないことや、イベントが収益化できることも明記されている。

これら3つのルール更新は、10月22日より有効となっている。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターが音声会議「スペース」のホスト機能を全ユーザーに公開

1年を通じて絶え間なく機能を拡張してきたTwitter(ツイッター)は、米国時間10月21日、チャットルーム機能のTwitte Spaces(スペース)をiOSとAndroidの全ユーザーに公開すると発表した。同社は2021年5月に、フォロワー600人以上のアカウントにに限定してスペースをホストできるようにし、既存のオーディエンスがいるアカウントは良い体験を提供できる可能性が高いと言っていた。

これで、Twitterのモバイルアプリユーザー全員がこの機能を利用できるようになっる同社は言った。ユーザーはComposeボタン(発表に添えられた画像によると、ツイートの投稿に使うのと同じボタン)をタップするだけで初めてのスペースを開始できる。

以前Twitterは、アプリにスペース専用のタブを設置するテストをしていたが、それが広まることはなく、今回の発表で公開された画像にも見られない。ちなみに、Communities(コミュニティ)という別の機能のベータテストに参加しているTwitterユーザーには、アプリのナビゲーションバーの中央にコミュニティボタンが表示されている。Twitterは、専用のスペースタブは最近iOSの英語ユーザー向けに拡張されたがAndroidではまだ採用されていないと語った。

Twitterは2020年のベータテスト開始以来、頻繁にスペースの改良を繰り返してきた。最近ではスペースホストが共同ホストを2名まで、スピーカーを10名まで設定できる機能を追加して、大きなイベントで多数のモデレーターを配置できるようにした。さらに、同社のストーリー機能であるFleets(フリート)を2021年の夏に終了したため、スペースはTwitterモバイルアプリの最上段に表示される唯一のアプリになった。

スペースが発表されて以来、多くの主要プラットフォームが各自のオーディオネットワーク製品を発表し、パンデミック下の娯楽として人気となったヒットアプリClubhouseに追随した。現在スペースとClubhouseの競合には、FacebookのLive Audio RoomsやSpotifyのGreenroomの他、Discord、Reddit、Public.com(パブリック・コム)などがある。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルがPlayストアの一部手数料をさらに引き下げ、サブスクアプリは15%に、メディアアプリは10%に

Google(グーグル)は米国時間10月21日、Google Playストアで提供されているすべてのサブスクリプション型アプリの手数料を引き下げると発表した。同社は以前、Appleにならい、開発者の収益の100万ドル(約1億1400万円)までは、手数料を30%から15%に引き下げていた。今回は、継続的なサブスクで収益を上げているアプリメーカーに限定して、手数料を引き下げる。開発者に要求する手数料は、初年度は30%、2年目以降は15%という現行の体系に代わり、初日から15%のみになるという。

Googleによると、99%の開発者に15%以下の手数料が適用されるという。また、GoogleはPlay Media Experience Programで特定分野のアプリの料金をさらに引き下げ、10%程度に調整する。

Play Media Experience Programでは、電子書籍やオンデマンドの音楽・映像配信サービスなど、コンテンツにかかる費用が売上の大部分を占めるアプリが対象となる。また、場合によってはGoogleと直接競合するビジネスも対象となる。例えば、YouTube Musicと競合するSpotify(スポティファイ)などだ。

このプログラムは、書籍や動画、オーディオの開発者にAndroid向けのコンテンツ制作を奨励するために2021年初めにスタートし、15%という低い手数料を提示していた。開発者は、関心を表明する際にフォームへの記入を求められる。

画像クレジット:Google

「デジタルサブスクリプションは、開発者にとって最も急速に成長しているモデルの1つですが、サブスクリプションビジネスが顧客の獲得と維持において特定の課題に直面していることを私たちは知っています」とGoogleのプロダクトマネジメント担当副社長であるSameer Samat(サミーア・サマト)氏は説明する。「私たちは、デート、フィットネス、教育などの分野のパートナーと協力して、それぞれのビジネスの微妙な相違を理解してきました。現在、当社の手数料は、12カ月間のサブスクリプション継続後に30%から15%に下がります。しかし、サブスクリプション型のビジネスでは、顧客離れが進んでいるため、そのように下げたとしてもメリットを享受するのは難しいとの声があります。そこで、お客様が確実にその恩恵を受けられるよう、手数料体系を簡素化することにしました」と述べた。

Googleによると、新手数料は2022年1月1日から適用される。

同社は、新料金体系を決定するにあたり開発者コミュニティと話し合い、Anghami、AWA、Bumble、Calm、Duolingo、KADOKAWA、KKBOX、Picsart、Smuleなど、業界や業種を横断し、さまざまな開発者からの意見を取り入れたと述べている。

またGoogleは、メディアアプリの新料金を決定するにあたり、アプリの開発には、テレビ、自動車、時計、タブレットなど、多くのプラットフォームへの対応が必要になっていることに気づいたと述べている。そのため、開発者はアプリを基盤とするビジネスに、より多くの投資をする必要がある。さらに、メディア体験を提供するアプリの料金を引き下げることで、企業はその節約分を、変更の影響を受けるアーティスト、ミュージシャン、作家などのクリエイターに還元できるとGoogleは考えている。

今回の動きは、アプリストアに対する規制当局の監視が強化され、米国で進行中のEpic Gamesとの訴訟を含め、いくつかの反トラスト訴訟が発生している中でのものだ。世界中で、法律家たちは、大手テック企業がアプリストアを利用して、市場支配力を乱用していないかどうかを見極めようとしている。アプリストアがモバイル端末上で動作するソフトウェアの主要な流通経路となっているからだ。例えば韓国では、アプリ内課金の手数料を抑制するための「反Google」法が最近成立した。さらに、テック企業は多くの場合、アプリを配布する開発者と競合するが、開発者は大企業の別部門を通じてアプリを配布していることがあり、問題はさらに複雑になっている。

関連記事
グーグルがEpic Gamesの裁判で反訴状を提出、損害賠償を要求
世界初、韓国がグーグルとアップルのアプリ内課金手数料を抑制する「反グーグル法」可決

さらなる規制を阻止するための巧妙な手口として、Googleは新手数料の発表前に、賛同する開発者を集めることに成功した。BumbleのCEOは、この価格設定により「製品にもっと投資できます」と述べ、DuolingoのCEOであるLuis von Ahn(ルイス・ボン・アン)氏は、手数料の引き下げによって「当社のミッションを加速させることができ」「Googleがエコシステムとのコラボレーションを継続することを歓迎します」と述べた。

Googleは、手数料を引き下げるものの、Android、コマースプラットフォーム、Playストア、セキュリティ、アプリ配信システム、開発者ツールなどへの投資を継続するためには、手数料を徴収する必要があると強調する。同社は、10月27、28日に開催されるAndroid Developer SummitでツールやAPI、その他の技術のアップデートについて詳しく説明するとしている。

画像クレジット:Mika Baumeister / Unsplash

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

トランプ氏が独自SNS「TRUTH Social」立ち上げ、新メディア会社はSPAC上場へ

Donald Trump(ドナルド・トランプ)前米大統領は米国時間10月20日、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「TRUTH Social」を立ち上げることを新会社Trump Media and Technology Group(トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ、TMTG)のプレスリリースを通して発表した。

トランプ氏の新しいソーシャルネットワークは11月にベータ版を立ち上げる予定で、当初は招待されたユーザーのみが利用できる。全国展開は2022年の第1四半期を予定しているという。

トランプ氏は、いくつかのソーシャルメディアプラットフォームから締め出された後、それら大手に対抗するプラットフォームの創設に意欲を示していた。2021年初め、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、YouTube(ユーチューブ)などの主要なソーシャルメディア企業は、1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件の後、トランプ氏が自社のポリシーに違反したとして同氏の利用を禁止または停止した。

関連記事:トランプ大統領はこうしてプラットフォームを失った、テック業界にとって前代未聞の歴史的な1週間を振り返る

「私がTRUTH SocialとTMTGを作ったのは、ビッグテックの暴政に立ち向かうためです。我々は、タリバンがツイッターで大きな存在感を持つ世界に生きているが、皆のお気に入りの米大統領は沈黙させられている」とトランプ氏は声明で述べた。

トランプ氏は、同社の使命は「リベラルなメディアコンソーシアムのライバルを作り、ビッグテック企業に反撃すること」だと述べている。

TRUTH Socialアプリは、その声明によれば、TMTGとNASDAQに上場しているSPACであるDigital World Acquisition Corp(デジタル・ワールド・アクイジション・コープ)が合併して設立された新会社を通じてローンチされる。

(ちなみに、TRUTHのiOSアプリのマーケティング資料には「The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)」「Variety(バラエティ)」「Fox News」「TechCrunch」などの刊行物からの投稿をリストアップしたスクリーンショットが掲載されている。TechCrunchロゴの横に表示されているヘッドラインは、このサイトに掲載されたことはなく、TechCrunchはTRUTHにアカウントを持っていない)

画像クレジット:TMTG

画像クレジット:Michael M. Santiago / Getty Images

原文へ

(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

SpotifyがShopifyと提携、アーティストのプロフィールに商品販売セクションを追加

Spotify(スポティファイ)は米国時間10月20日朝、電子商取引プラットフォームを提供するShopify(ショッピファイ)との新たな提携を発表した。これにより、Spotifyのサービスを利用しているアーティストは、SpotifyのプロフィールとShopifyのストアを結びつけることができ、Spotifyのアプリを通じてファンに直接商品を販売することが可能になる。アーティストは、Spotify for ArtistのアカウントとShopifyのオンラインストアを連携させることで、商品カタログをSpotifyに同期させ、音楽ストリーミングアプリ内のプロフィールに任意の商品を表示することができる。

ファンはそこから商品を閲覧し、購入することができるようになる。この統合により、アーティストの既存のShopifyストアへのアクセスが容易になるだけでなく、まだ商品サイトを開設していないアーティストにとっては新たな収益源となり、すでに他の場所でウェブサイトを開設しているアーティストにとっては、Shopifyのプラットフォームに切り替えるよい理由となるだろう。

Shopifyによると、すでに何千ものアーティストのウェブサイトが運営されており、音楽だけでなく、彼らが「完全に認知される」ブランドを構築するためにビジネスを拡大している。

「今日のアーティストは起業家のようです。彼らは多面的なブランドやビジネスを構築しており、私たちは彼らがファンと出会うことを容易にしています。Spotifyに起業家精神をもたらすことで、アーティストが従来の商品モデルを超えて、収益化のための新しい方法を考えたり、コマースを通じてブランドを試したりすることを可能にしています」と、ShopifyのプロダクトディレクターであるAmir Kabbara(アミール・カバラ)氏は述べている。

画像クレジット:Spotify

また、Shopifyは、アプリのエコシステムが充実していることから、アーティストがオンデマンド印刷や商品発見ツールのような新しいサービスを実現するのにも役立つとしている。Shopifyのインフラは、多くのフォロワーを持つアーティストが新製品を発表したときなどに、大量のトラフィックを管理することもできる。

今回のShopifyとの提携は大きな意味を持つが、Spotifyが他社と提携し、アーティストがアプリを通じて商品を販売できるようにするのは初めてのことではない。Spotifyは、長年にわたり、アーティストのプロフィールを他の商品サービスプロバイダーと統合して提供してきた。現在は、Merchbar(マーチバー)との契約が行われているが、過去にはBandPage(バンドページ)Topspin(トップスピン)との提携もあった。

Merchbarでは、アーティストが自分のプロフィールに掲載する商品を3つ選ぶことができる。今回、Shopifyを利用しているアーティストも同様のことができるようになる。

アーティストは、まずデスクトップでSpotify for Artistの管理画面にログインし「プロフィール」タブを開き「マーチ」をクリックする。そこから、Shopifyのストアから3つのアイテムを選んでプロフィールに掲載する。現在、アーティストは1人のアーティストにつき1つのShopifyストアしか接続することができないようになっている。

Shopifyは、登録を促進するために、Spotifyアーティストが初めて登録した場合、90日間の無料トライアルを提供している。

ただし、Spotifyによると、この機能は現在「ベータ版」だという。世界中のすべてのアーティストがShopifyストアにリンクすることができるが、当面はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、米国のリスナーにのみ商品が表示される仕様になっている。

画像クレジット:Spotify

ShopifyとSpotifyは、新しいクリエイターエコノミーを実現するという点で共通しているが、両者の重点分野は異なる。Shopifyは、自社のeコマースプラットフォームをあらゆる種類のクリエイタービジネスを補足する存在だと考えているのに対し、Spotifyの関心は、アーティスト(現在はポッドキャストクリエイターも含む)の方だ。Spotifyはこれまで、アーティストのビジネス拡大を支援するために、チケット販売チップスーパーファン限定メールなど、クリエイター向けのツールを数多く展開してきた。

2021年初め、SpotifyのCEOであるDaniel Ek(ダニエル・エク)氏とShopifyのCEOであるTobi Lütke(トバイアス・トビ・ルーク)氏は、Clubhouse(クラブハウス)のセッションに参加し、今日のクリエイターがマネタイズ戦略を多様化するさまざまな方法について語った。

その際、エク氏は、多くのアーティストがShopifyのプラットフォームを利用していることに触れ、Shopifyとの連携の可能性を示唆していた。

「今、成功しているほとんどのクリエイターは、オムニタレント(万能型のタレント)であり、オムニチャネルである」と彼は当時語っている。「つまり、YouTubeで動画をアップしたり、Instagramを利用したりしているのです。おそらく、ブランドをまとめてShopifyにアップしているでしょうが、音楽や商品もShopifyにアップし、音楽はもちろんSpotifyにアップして、ツアーもしているでしょう。このように、彼らはさまざまなことをして、さまざまなプラットフォームでファンとつながっているのです」とエク氏は語った。

画像クレジット:Spotify

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)a

マイクロソフトがWindows 11ベータ版でAndroidアプリのテストを開始

Microsoft(マイクロソフト)はWindows 11を発表した際、機能性の低いタスクバーでユーザーを困らせたいということについては何も言わなかったが、新しいOSがAndroidアプリをサポートすることについては話す気満々だった。しかし、わずか数週間前にリリースされた最初のバージョンでは、実際にはAndroidアプリをサポートしていないことがすぐに明らかになった。だが今回、MicrosoftはAmazon(アマゾン)とそのアプリストアとの提携により、約50種類のAndroidアプリの一部をWindows 11 Insider Programに提供することになった。

ベータ版(開発サイクルが異なるため、開発者向けビルドは含まれない)のユーザーは、現在、AmazonのKindleアプリ、Washington Post、Clash of Kings(クラッシュオブキングス)、Coin Master、Lego Duplo Worldなどのアプリをプレビュー体験で試すことができる。

これらはすべて、AMDとIntel(インテル)のデバイスで動作するはずだ。アプリは、Microsoftが「Windows Subsystem for Android」と呼ぶ、IntelのIntel Bridge Technologyを採用したサブシステムで動作する。注目すべきは、MicrosoftがLinuxカーネルとオープンソース版のAndroid 11をベースとしたAndroid OSを使用している点だ。そのため、Androidのほぼすべての機能を利用できるが、Google(グーグル)が開発したAndroidに搭載されているアプリや追加機能の一部は利用できない。Amazonも同様のことを行っているため、AmazonアプリストアのアプリがWindowsサブシステムでも機能するのは当然のことかもしれない。

もちろん、PCが仮想化を有効にしていることと、Windows 11を実行するためのMicrosoftの総合的な要件を満たしている必要がある。また、ストアへのアクセスにはAmazonアカウントが必要だ。

画像クレジット:Microsoft

これはゲームチェンジャーといえるのだろうか?それは不明だ。筆者はウェブでWashington Postを読むことに何の問題もないし、多くの親御さんは、自分の子供が安価なタブレットでLego Duplo Worldをプレイすることを望んでいるのではないだろうか。あなたがClash of KingsやCoin Masterをプレイするのであれば、それ以前に自問すべき別の問題がある。

さてここで、Microsoftがタスクバーを本来あるべき画面の上部に移動させてくれるのなら、もっと嬉しいことなのだが。

画像クレジット:Microsoft

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

移動するだけでお得なポイントゲット、環境に優しい方法ならさらに倍々なアプリ「Miles」が日本上陸

米国シリコンバレー発のアプリ「Miles(マイルズ)」が本日、日本でもローンチされた。2019年に米国でサービスが正式にスタート、現在、140万人以上がアプリに登録したという「Miles」は、1マイル(1.609km)の移動に対して1マイルのポイントを貯めるサービスだ。

「Miles」の特徴として、移動手段で貯まり方に違いがあるという点がある。徒歩やランニングは10倍、自転車は5倍、バス・電車・スキーは3倍と、環境に優しい方法ほどよりより多くポイントが貯まる(ちなみにクルマの相乗りは2倍、クルマは1倍、飛行機は0.1倍)。ユーザーの移動手段はスマホのデータに基づきAIが自動で判定する。

貯まったマイルはギフトカードや割引クーポン(ファミリーマートやJALグループのアンカーやGarminでのプレゼントや割引。Amazonギフトカードへの交換など)や各種サービスの抽選(DAZNの6カ月ギフトコードなど)、そして寄付(森林保護や日本赤十字社などへ)として使うことができる。本稿執筆時で108も用意されている。

また、今後、一定期間内に「徒歩」「ランニング」「自転車」のいずれかで移動を一定距離移動した人を対象に特典を提供するイベントなども予定しているとのこと。さらに自治体と連携、渋谷区の清掃活動参加者にボーナスを付与する取り組みなども行うとのことだ。

新型コロナの流行による緊急事態宣言も解除され、十分な注意は必要であるものの外出しやすくなってきた。リモートワークになり、通勤の機会は少なくなったものの健康のためウォーキングをする人も増えている。「Miles」はその都度アプリで設定しなくても、インストール、登録さえしていれば、スマホを持って移動するだけでマイルを貯めることができるのはうれしい(バックグラウンドでの更新をオンにしている場合)。知らず知らずのうちに貯まることになる。

また、「Miles」はいつ、どこに、どのように行ったのか、トラッカーとしても使うことができる。

アプリはiOSAndroidともに配信中。誰でも無料で利用できる。

ローランドがスマホでマルチトラック録音できるAndorid・iOSアプリ「Zentracker」発表

ローランドがスマホでマルチトラック録音できるAndorid・iOSアプリ「Zentracker」発表
電子楽器のローランドが、いつでもどこでも即興でマルチトラックレコーディングが可能な無料モバイルアプリ「Zentracker」を発表しました。iOSおよびAndoridに対応し、10月20日リリース予定です。

作曲を行う人は一般的に作曲作業をPCやDigital Audio Workstation(DAW)といった機材で行います。しかし、印象的なフレーズ、ループのアイデアが閃くのは自宅やスタジオの中とは限らず、むしろそれ以外の場所の方が多いはず。そんなときにZentrackerが役立ちます。

トラック数はデフォルトでは4トラックですが、自由に追加が可能。さらにプリセットで200種類のループ、16種類のエフェクトを利用可能。ビートマッチングやルーピングといった機能もあります。作成した楽曲はマイクロソフトのOneDriveに保存できるほか、Google Driveにも対応する予定。

Zentrackerは基本無料で利用できますが、エフェクトやループの追加、ステムのエクスポートなどの機能追加はRoland Cloudのサブスクに加入することでアンロックされます。なお、このアプリを最大限に利用するならGO:MIXER PRO-Xのようなミキサーを組み合わせる必要がありそうです。ローランドがスマホでマルチトラック録音できるAndorid・iOSアプリ「Zentracker」発表

(Source:RolandEngadget日本版より転載)

フェイスブックが暗号資産ウォレット「Novi」の試験運用を米国とグアテマラで開始

Facebook(フェイスブック)が「Novi(ノヴィ)」と名づけた暗号資産ウォレットの小規模な試験運用を開始した。現時点では、米国とグアテマラの限られた人々のみが、Noviにサインアップして、使い始めることができる。

Facebookは、Diem(ディエム)協会の創設メンバーだ。しかし今のところ、Noviでは同協会のブロックチェーン(Diemネットワーク)上にある同協会のステーブルコイン(Diem)を活用するのではなく、代わりにFacebookはPaxos(パクソス)やCoinbase(コインベース)と提携。これによってユーザーは、Paxosの米ドルステーブルコイン「USDP」を送ったり受け取ったりでき、これらの暗号資産はCoinbaseが管理(カストディ)することになる。しかし、これはあくまでも中間段階であり、Facebookはいずれ、USDPをDiemに置き換えることを計画しているという。

Facebookは当初、暗号資産プロジェクトに対して大きな計画を立てていた。同社は「Libra Association(リブラ協会)」と呼ばれる暗号資産の運営コンソーシアムを設立し、これに参加する企業とと協力して、不換紙幣や国債のバスケットに連動するまったく新しいデジタル通貨「Libra(リブラ)」を発行する計画だった。本来であればLibraは、単一の現実世界の通貨ではなく、複数の通貨を混ぜ合わせたものがベースになるはずだった。

しかし、Facebookは多くの中央銀行から強い反対を受けることになった。彼らは、Libraが一部の国で準主権的な通貨になることを恐れたのだ。協会は2020年、その野心を抑えて、単一通貨のステーブルコインに注力することを発表した。

ステーブルコインとは、時間の経過によって変動することがない固定の価値を持つ暗号資産のことだ。例えば、Libra Associationが「LibraUSD」を発行するならば、1LibraUSDは常に1米ドルと同じ価値を持つことになる。

数カ月後、Libra Associationは再びいくつかの変更を発表、LibraはDiemに名称が変わり、協会名も「Diem Association(ディエム協会)」になった。同様に、Facebookのウォレットプロジェクトも
「Calibra(カリブラ)」からNoviにブランドが変更された。しかし、DiemもNoviも、まだ準備は整っていなかった。

関連記事
Facebookの暗号通貨プロジェクトLibraがDiemに名称変更
FacebookはLibraウォレットのCalibraをNoviに改名し独立させようとしている
暗号資産のPaxosがステーブルコインをPAXからUSDPに名称変更

そして今、FacebookはNoviの試験を実際の一部ユーザーを使って始めようとしている。同社はまず、米国とグアテマラ間の送金に焦点を合わせることにした。送金したいNoviユーザーは、Noviアプリをダウンロードしてアカウントを作成し、デビットカードなどの支払い方法を使ってNoviに入金する。

入金された米ドルは、手数料なしでUSDPに変換される。Paxosが発行するUSDPは米ドルステーブルコインで、以前はパックスダラー(PAX)と呼ばれていたが、Paxosは最近、USDPにブランド名を変更した。

USDPはその価値を確保するために、現金および現金同等物によって担保されている。Noviユーザーの資金は、Coinbase Custody(コインベース・カストディ)によって管理される。つまり、CoinbaseがNoviのユーザーのためにUSDPの資金を保管するということだ。

Noviユーザーは、他のNoviユーザーにUSDPを送ることができる。繰り返しになるが、送金にかかる手数料は必要ない。しかし、お店での支払いや家賃の支払いにNoviを使うことはできない。そのためにユーザーは、現金の必要な場所では、Noviの残高を引き出したり、銀行口座に残高を送金したりできる。

しかし、NoviはUSDPをグアテマラ・ケツァルに変換する際に手数料がかかるかどうかについては言及していない。米ドルステーブルコインのUSDPをグアテマラの通貨単位に両替するには、為替レートを選択しなければならず、それにはスプレッド、流動性、その他のさまざまな変数が関わってくるからだ。

また、Noviは展開したいと考えるすべての市場で、フィアット / クリプトのオンランプおよびオフランプ(法定通貨と暗号資産の交換サービスを提供する場)を設けなければならない。

Facebookによれば、これはNoviの始まりに過ぎないという。それは第一に、まずはグアテマラと米国(アラスカ、ネバダ、ニューヨーク、米領ヴァージン諸島を除く)の一部のユーザーにのみ試験的に提供されるということ。そして第二に、FacebookとDiem Associationは、いずれ独自の暗号資産を立ち上げる計画を諦めていないということだ。

「我々のDiemに対するサポートに変更はなく、Diemが規制当局の承認を得て発行できるようになれば、NoviにDiemを導入して運用を開始するつもりであることを明確にしておきたい。私たちは相互運用性を重視しており、きちんと行いたいと考えています」と、NoviプロジェクトのリーダーであるDavid Marcus(デヴィッド・マーカス)氏はTwitterで述べている。

Facebookが暗号資産Libraの発行計画を発表したのは、2019年6月のこと。それ以降、暗号資産のエコシステムは大きく変化した。特に、いくつかのステーブルコインが信じられないほどの人気を博しており、Tether(テザー)とUSD Coin(USDコイン)の流通量は現在、合わせて1000億ドル(約11兆5000億円)を超えている。そんな中で、Diemが既存のステーブルコインに追いつき、新たなユースケースを開拓できるかどうか、興味深いことになりそうだ。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)