ネット接続されたローイングマシンでホームフィットネスのゲーム化を目指すAviron

エクササイズ分野のゲーミフィケーション(ゲーム化)はもちろん新しいことではない。フィットネスブランド(さらにはスマートウォッチでも)にとっては事実上初めから不可欠な基本的要素だ。これにはもっともな理由がある。モチベーションと持続のために最適だからであり、Fitbit(フィットビット)であれゲームのBeat Saber(ビートセイバー)であれ同じことだ。

最大手のPeloton(ペロトン)がLanebreak(レーンブレーク)でゲーミング面を積極的に推している今、こうしたプログラムがホームフィットネスコンテンツの鍵となり、苦境に立つ同社が開拓にひと役買った標準的トレーナーコースを今後超えていくと考えることに無理はないだろう。

一方、Aviron(アビロン)は、話題になる前からゲームに取り組んできた。YC出身の同社は、ジム用トレーニングマシンからホームフィットネスへと、パンデミックの中で転換し、ゲーミングを体験の中心に据えた。実際、同社はトレーナーモデルを避け、ボート漕ぎゲームの競争を優先した。

画像クレジット:Aviron

このカナダ、トロント拠点のスタートアップをTechCrunchが最初に取り上げたのは2021年1月だった。その年の8月に同社は450万ドル(約5億円)のシードラウンドを発表、そして米国時間2月23日に1850万ドル(約21億円)のシリーズAを完了し、米国における地盤を拡大するとともにカナダでの小売展開を目指している。ラウンドをリードしたのはStripes(ストライプス)で、Global Founders Capital(グローバル・ファウンダーズ・キャピタル)とFormic Ventures(フォーニック・ベンチャーズ)が参加した。

今、ホームフィットネスのゲーム化への関心が高まっており、ローイングマシンも同様だが、後者についてはPelotonが取り組んでいるという噂がある。もちろん、同社の最近の苦闘ぶりを踏まえると、トレッドミルと自転車に加えてホームローイングマシンを商品ラインナップに加えるのが果たしていつなのか、そもそも実現するのか見当がつかない。

Avironには好調を裏付ける数字があり、有料サブスクライバー数は対前年比2700%となる。これ(と上記の資金調達)によって、従業員数を2名から36名へと増やすことができた。まだ小さい会社だが、新たに堅実な資金注入を得たことで、人員拡大も加速するだろう。雇用といえば、Avironはこの日の発表で、Nike(ナイキ) / Lululemon(ルルレモン) / Burton(バートン)出身のAmy Curry-Staschke(エイミー・カリー・スタシュケ)氏をCOOとして招き入れたことを発表した。

画像クレジット:Aviron

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

イスラエル国防軍出身CTO開発、企業向け標的型攻撃シミュレーション・訓練プラットフォームのAironWorksが9000万円調達

サイバーセキュリティSaaS「AironWorks」を提供するAironWorksは11月12日、第三者割当増資による約9000万円の資金調達の実施を発表した。引受先は、リード投資家のALL STAR SAAS FUND、また日本ベンチャーキャピタル、京都エンジェルファンド。調達した資金により、AironWorksの特徴である企業分析により高度に最適化された標的型攻撃を生成・実行するAIの開発強化と、日本市場でのデファクトスタンダードとなることを目指して事業成長を加速させるとしている。

AironWorksサービスは、イスラエル国防軍「8200部隊」(Unit 8200)出身のエンジニアが開発した、「企業向け標的型攻撃シミュレーション・訓練プラットフォーム」。従来のような標的型メール訓練ではカバーできないSNSやSMS攻撃などの、多様なベクトルからの攻撃に対する訓練が可能。標的に応じて個別最適化された現在のサイバー攻撃に対応できるよう、継続的でより実践的な訓練を行なえるシステムとなっている。

さらに、イスラエル国防軍の教育メソッド+ゲーミフィケーションを活用した「オリジナル教育プログラム」を実装しており、高い教育効果を実現しているという。

AironWorksは、イスラエルと日本を拠点にイノベーションプラットフォーム・アドバイザリーサービスを提供するAniwoによる支援のもと、2021年8月創業。「働く人々・チームをエンパワーメントすること(Enhancing Teams with AI)」 をミッションに掲げ、イスラエルで開発した先進的な技術をコアに、日本から世界市場を目指している。

なお、共同創業者兼CTOのGonen Krak氏は、イスラエル国防軍のインテリジェンス部隊Unit 8200においてサイバーセキュリティ実務に取り組み、複数の重要プロジェクトのマネジメント、若手ハッカーの育成に従事したという。大学在学中に独自アプリ開発、フルスタックエンジニアとしてのスキルも有する。AironWorksでは、コアとなる技術開発、アルゴリズム設計、AIの開発責任者も兼任している。

イスラエル国防軍出身CTOが開発、企業向け標的型攻撃シミュレーション・訓練プラットフォームのAironWorksが9000万円調達

5〜15歳対象のオンライン読書教育「ヨンデミーオンライン」のYondemyが1億円調達、教材拡充・保護者向けアプリを開発

スマートニュース子会社スローニュースがノンフィクション特化のサブスク型サービス「SlowNews」で立花隆作品配信

児童向けオンライン読書教育の習い事サービス「ヨンデミーオンライン」を提供するYondemyは11月9日、第三者割当増資による総額1億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はXTech Ventures、D4V、W ventures、F Ventures。

調達した資金は、ヨンデミーオンラインへの開発投資と人材採用にあて、児童UX・保護者UXそれぞれの改善と組織体制の強化へと活用する予定。具体的には、児童向けウェブアプリにおける新機能開発や動画コンテンツなどの教材拡充、保護者向けウェブアプリの開発、今後の組織拡大を見据えた人材採用などへと投資し、事業基盤・経営基盤を強化することで、中長期的な成長を加速する。

ヨンデミーオンラインは、5~15歳を対象とした月額定額制のオンライン読書教育の習い事サービス。「児童それぞれの興味・読む力に寄り添った選書指導」「『本の楽しみ方』などが学べるチャット形式の対話型学習コンテンツ」「ゲーミフィケーションやコミュニティを活かしたモチベーション設計」の3点を特徴とする。

また同サービスの「AI司書ヨンデミー先生」では、好み・興味に合わせるだけではなく自然にステップアップしていけるように本を薦めるという。独自分析した1000冊以上の児童書データについて、ヨンデミー講師の選書ノウハウを再現した独自開発アルゴリズムにより活用しているそうだ。これにより、読む前の本を手に取るきっかけ作りから、読んだ後のコミュニティでの感想シェアや親子の会話まで、児童の読書体験サイクルを一気通貫で支え、習慣化をサポートする。

さらに、学校では教わることのない本の楽しみ方や感想の書き方を学べるレッスンを提供。レッスンは選択式のクイズ形式になっており、文字入力の必要がない上24時間いつでも受講可能。読書をより楽しくするため、読んだ本の表紙や獲得したバッジを蓄積することで読書へのモチベーションを高めるゲーミフィケーション要素も備える。ヨンデミー生同士による感想シェアにより、読書意欲を刺激すると同時に、新たな本との出会いも生み出すとしている。

2020年4月設立のYondemyは、「日本中の子どもたちへ豊かな読書体験を届ける」というミッションを掲げる、現役東大生によるスタートアップ。「読書を習う」という新しい文化を広めるとしている。習い事の選択肢として「読書」が当たり前にある社会を作ることで、読書教育を通じて日本中の児童を「自立した読み手」へと育て、1人1人の一生にとって読書がかけがえのない武器となることを目指す。

ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

ポケモンGOのナイアンティックが、任天堂と共同開発したスマホアプリ『Pikmin Bloom』(ピクミン ブルーム)の配信を開始しました。

『ピクミン ブルーム』は「歩くことを楽しくする」アプリ。従来の『ピクミン』の移植ではなく、ポケモンGOのように元のゲームを現実世界で再構成したものでもなく、「ゲーム」という言葉も使っていません。

では何かといえば、日々の散歩や通勤通学で歩くこと全般を、「不思議な生き物ピクミンを引き連れて一緒に歩く」世界観と、発見や収集・地図埋めといったゲーム性でもっと楽しめるように支援するアプリ。よく聞く言葉でいえばウォーキングの「ゲーミフィケーション」です。

ピクミンと一緒に花を植えつつウォーキング。コーヒーカップに入ったデコピクミンも

ピクミンと一緒に花を植えつつウォーキング。コーヒーカップに入ったデコピクミンも

具体的な内容は、歩いて苗を育ててピクミンを増やす(要するにポケモンGOのタマゴ)、珍しい種類のピクミンを集める、歩きながら花を植えて地図上を花畑にする(ここが「ブルーム」)、毎日の歩数や発見を記録して振り返るライフログなど。

いわゆるスマホゲームをしない人にも始めやすい一方で、歩くほどにピクミンが増え新たな発見があるなどついつい進めたくなる / 歩きたくなる仕掛けの数々を用意しており、広い意味では間違いなくゲームです。

引き連れて歩けるピクミンが増えるほど拾ってくるものも増え、遠征のような「おつかい」要員も増えるため、最初はただひたすらにピクミンを育てて引っこ抜いて増やすことが目的であり楽しみになります。

ふかそうちならぬバックパック型プランターに苗をセットして育成。基本のピクミンは当初7種

ふかそうちならぬバックパック型プランターに苗をセットして育成。基本のピクミンは当初7種

ポケモンGOと並行しやすい低負荷

「集める・見つける」と聞くとポケモンGOの二番煎じのようですが、ピクミン ブルームの特徴はプレーヤー / ユーザーの注意資源をあまり使わず、好きなタイミングで進められること。

ポケモンGOではプレーヤーがマップを注視して、欲しいポケモンがいたらその場でタップして狙ってボールを投げるなどリアルタイム性があり、いま手が離せないから!とスマホに集中するタイミングがありますが、ピクミン ブルームでは基本的に歩いているうちにピクミンが苗やフルーツなどを見つけたり拾ってくれるため、移動中はスマホを出さなくても別のことに使っていても、後から好きなタイミングで確認して受け取ることで進められます。

花を植えて歩く「ブルーム」

もうひとつの特徴は、タイトルにもなっている花を咲かせる要素。ただ歩くだけでも自分だけの地図上には足跡が残り、ライフログとして振り返ることができますが、 ピクミンの頭から収穫する「花びら」を消費して「花植え」して歩くと、マップ上にほかのプレーヤーからも観られるカラフルな花が咲きます

「花植え」をオンにして歩くことで普段通る道沿いに花を咲かせたり、色の違う花びらを使って装飾的な花畑を作ることも。ピクミン ブルームのプレーヤーが増えるほど街が花で溢れ、多くの人が歩く経路ほど花の道として可視化されることになります。

巨大な花はIngressのポータル、ポケモンGOのポケストップに相当。周囲に花を植えると咲く謎生態系

巨大な花はIngressのポータル、ポケモンGOのポケストップに相当。周囲に花を植えると咲く謎生態系

花植えはただ目に楽しいだけでなく、プランターのなかの苗の成長が加速(タマゴが孵りやすく)、ピクミン苗や果物などの発見率向上、地図上の特定ポイントに生えた大きな植物の成長を加速といったゲーム的な誘引もあります。

(マップ上の巨大な花は、ポケモンGOではポケストップがあるポイントに対応。最初は芽や葉の状態で、近くに花植えすると謎の効果で成長が促進されて巨大な花が咲きます。巨大な花が咲いたポイントでは珍しいアイテムを発見する確率が上昇。咲いているから近くまで歩こう、もう少し育てようと歩く誘引になります)

さらにこの花植えは、オプションの「みんなで花植え」モードも選択可能。みんなで花植え中は花だけでなく自分のアバター(Mii)もリアルタイムにマップに現れ、一緒にウォーキングと花植えが楽しめます。ナイアンティックではこの「みんなで花植え」を使ったイベント「コミュニティ デイ」を毎月実施する予定。

(花植えについて注意。花植えオンのままたとえば駅から徒歩で帰宅すれば、もし他のプレーヤーが少ない場所なら、最寄りから自宅まで分かりやすい一本道がしばらく(数日間)残ることになります。

誰が植えた花かまではアプリから分かりませんが、リアルでピクミン ブルームを遊んでいることを知られているが家までは教えたくない相手など条件が揃えば、少々面倒なことになりかねません。

アプリ上でも注意がありますが、花植えのオンオフは意識的に、跡を残したくない場所では使わない注意が必要になりそうです。といっても花植えには有限の資源を消費するため、切り忘れて永遠に行動範囲に線を引くことにはなりません。もしもの場合は、設定から歩行と花植え履歴を削除することもできます。)ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

デコピクミン、ポストカード、ライフログ、AR

基本は「歩く、たまにアプリを開いてピクミンが拾った苗や果物を回収、苗はプランターにセット、育ったら引っこ抜いて増やす」の繰り返しだけでも、シンプルにピクミンの数や種類が増えてゆくことを楽しめます。

上記の「花植え」のほかさらに楽しむ要素としては、ピクミンが自分の出身地にちなんだアイテムを拾って身につける「デコピクミン」集め、ピクミンが拾ってくる様々な場所の「ポストカード」集めやフレンドとの送りあい、その日の足跡と写真、一言コメントを足したミニ日記のような「ライフログ」をつけて後から振り返るなど。ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

ポケモンGOのようなAR写真ももちろん撮影可能。ピクミンの隊列をまるごと撮影できます。もとのピクミンがリアルな地形のかげに小さな謎の生き物というビジュアルだったため、多数のピクミンが果物やアイテムを抱えて現実に現れるスケール感はなんとも言えない楽しさ。

動画でもマカロンになったピクミンなど見たこともない個体が写っていましたが、ゲーム的に攻略するユーザーには「デコピクミン」集めが熱くなりそうです。

ピクミン ブルームは10月27日から、まずシンガポールとオーストラリアで正式配信を開始。数日間で他の地域にも展開する計画です。

Engadget日本版より転載)

インフラ危機をゲームで解決!? マンホール蓋をスマホで撮影・投稿しポイントを稼ぐ#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り

日本のインフラ危機をゲームで解決!? マンホール蓋をスマホで撮影・投稿しポイントを稼ぐ#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り

市民参画型インフラ情報プラットフォームの構築・提供・運営を行うWhole Earth Foundation(WEF。ホール・アース・ファウンデーション)は10月22日、日本鋳鉄管と共同で開発し提供するゲーム「鉄とコンクリートの守り人」において、東京23区を対象に「#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り〜」を期間限定で開催すると発表した。開催期間は、2021年10月31日まで。対象は17歳以上。全国の方もサポート役で参加できるほか、様々な条件達成により獲得可能な計100万円以上相当分の金券を賞品として用意しており、お祭り要素のあるイベントとしている。

鉄とコンクリートの守り人は、国内のインフラ老朽化の課題に対し、日本にあるすべてのマンホール蓋を守り人(プレイヤー)が力をあわせて撮影・投稿しポイントや特典を得ながら、インフラの安全を確保することを目的とした「社会貢献型位置情報ゲーム」。マンホールコンプというゲーム性を採用し、写真の投稿やレビューによって日本全国のマンホール地図を力を合わせて完成させることを目指す。

日本のインフラ危機をゲームで解決!? マンホール蓋をスマホで撮影・投稿しポイントを稼ぐ#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り

2021年8月開催の第1回「マンホール聖戦IN渋谷」では約700人の参加者が集まり、渋谷区にある1万個のマンホールを3日間でコンプリートした。第3回目となる今回の「#マンホール聖戦」は、ゲームの参加者が協力しながら、過去最大規模の23区のマンホールのコンプリートする。

イベントに参加するには、「公式LINEに登録&詳細確認」を行い、LINE内にあるURLからウェブアプリに登録する。遊び方は、「東京23区 現在位置登録&投稿」「全国マンホール探索」「全国写真レビュー」の3種類。日本のインフラ危機をゲームで解決!? マンホール蓋をスマホで撮影・投稿しポイントを稼ぐ#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り

  • 東京23区 現在位置登録&投稿:近くのマンホールまで行き位置録後、「場所と状況がわかる写真」と「マンホールの蓋の写真」の2つをセットでアップロードする。プレイ時間は午前6時~午後6時まで
  • 全国マンホール探索:アプリ内で衛星写真を使ったマンホール探索を行い位置登録を行う
  • 全国写真レビュー:マンホール現場から投稿された写真をアプリ上でレビューする

WEFは「We Democratize Infrastructure Management」(インフラマネジメントを民主化する)というビジョンのもと、市民参画型のインフラ情報プラットフォームの構築・提供・運営を行うNPO。

人口が減少している日本において、老朽化が進むインフラにかかるメンテナンスコストの大きな負担が未来世代に転嫁されるのは、構造的に避けられない。この現状を打開すべく、WEFはゲーミフィケーションとデータサイエンス技術を活用し、インフラを利用する市民が主体的に参画する形でインフラ産業の革新を進めることに挑戦しているという。

WEFは、日々当たり前のように各種インフラを利用しているのにもかかわらず、その管理・運営体制がどうなっているのかを知るのは困難と指摘。そこで、インフラの実態を可視化することによって、情報の非対称性解消に寄与するとしている。またWEFは、公共の利益に資する情報を提供した市民ユーザーに対してインセンティブを付与し、高効率かつ低コストのインフラ維持管理プラットフォームを構築し、その普及推進に取り組むとしている。日本のインフラ危機をゲームで解決!? マンホール蓋をスマホで撮影・投稿しポイントを稼ぐ#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り

日本のインフラ危機をゲームで解決!? マンホール蓋をスマホで撮影・投稿しポイントを稼ぐ#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り

虫を撃ったりゾンビから逃げるゲーム化されたローイングマシン「Aviron」が約4.9億円調達

コネクテッドフィットネス関連の資金調達が活発化する中、ローイングマシンにもブームが訪れているようだ。2021年4月にはErgattaが3000万ドル(約32億8000万円)の資金調達を発表し、7月にはCityRowがフィットネススタジオおよび家庭用マシンのために1200万ドル(約13億1000万円)の調達を発表、そして米国時間8月11日、Avironが450万ドル(約4億9000万円)の資金調達を発表した。業界にとって今は上げ潮のムーブメントといえるだろう。

今回のラウンドには、Samsung Next、Formic Ventures、GFC、Y Combinator(Yコンビネータ)が参加しており、75万ドル(約7900万円)のアーリーステージ資金調達に続くものだ。2021年1月にご紹介したように、トロントを拠点とするこのスタートアップは、(当然のことながら)パンデミックの多くの期間を、ジム機器からコネクテッドホームフィットネスへとピボットすることに費やした。サイクリングに代わる全身運動として、ランニングよりも膝に優しいローイングに注目する人が増える中、同社はゲーミフィケーションによって差別化を図ろうとしている。

画像クレジット:Aviron

創業者兼CEOのAndy Hoang(アンディ・ホアン)氏は、TechCrunchにこのように語る。「当社はゲーミフィケーションの面で、より一層の努力をしています。この点が、Peloton(ペロトン)やHydroとの最大の違いです。彼らはもっぱらインストラクターによる授業に特化していますが、我々は高強度のレースや、虫を撃ったりゾンビから逃げたりするフルアニメーションのゲームに特化しています」。

しかし2021年7月、Pelotonはゲーム面でより直接的に競争する計画を発表し、2021年後半から2022年前半に展開する予定だという。最初の製品は、Tron風のレースゲームだ。Pelotonは7月のリリースで「『Lanebreak』は、インストラクターによるクラスを補完してメンバーに新鮮な体験を提供し、ワークアウトに夢中になり、モチベーションを維持する方法を増やすために作られました」と書いている。Avironは、より深いものを加えようとしているという。

「Avironが他と違うのは、単にワークアウトの終わりに新しいグラフィックやアチーブメントを追加してフィットネス体験をゲーム化するのではないということです」とホアン氏はいう。「我々がやっているのは、フィットネス体験のゲーム化です。ゲームの楽しさやおもしろさは、チャラチャラした添えものではありません。キャラクターであり、ストーリーであり、新しいものを発見し、アンロックすることなのです」。

画像クレジット:Aviron

同社は、すでに人員の増強に着手している。前回の記事では、Avironのフルタイム従業員は10名だった。同社のスタッフは25名に増え、そのうち約半数がゲーム開発チームに所属している。

「当社は常に人材を探しています。コンテンツに重点を置き、マーケティングとブランディングのために適切な人材を採用しています」とホアン氏は付け加えた。「まったく新しいリブランディングを行っています」とも。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Avironゲームアクティビティ資金調達エクササイズローイングゲーミフィケーション

画像クレジット:Aviron

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

ユーザーが課題をクリアすることで請求書の支払額を減らせるPlay2Payのサービスとは?

決済サービスにゲーミフィケーションを取り入れることは、特に新しい概念というわけではない。

多くの企業がゲーミフィケーションとペイメントを独創的な方法で組み合わせようとしている。米国時間7月15日、そのような企業の1つであるPlay2Pay(プレイツーペイ)が、シリーズAラウンドで1300万ドル(約14億3000万円)の資金を調達した。

マイアミを拠点とするこのスタートアップ企業のミッションは単純明快だ。消費者が、ゲームをしたり、動画を見たり、アンケートに答えたりといったその日の課題をクリアすることで、請求額を減らせるようにしたいと考えたのだ。その減額率は平均30%(!)にもなるという。

Play2Payは、設立から5年間はブートストラップで運営されていたが、2020年6月にシードラウンドで個人のエンジェル投資家から、初めての外部資本となる750万ドル(約8億2000万円)を調達した。今回のシリーズAラウンドはTelesoft Partners(テレソフト・パートナーズ)が主導し、Harbor Spring Capital(ハーバー・スプリング・キャピタル)の他、元AT&T副会長のRalph de la Vega(ラルフ・デ・ラ・ベガ)氏、元Reuters(ロイター)CEOのTom Glocer(トム・グローサー)氏、Madison Dearborn Partners(マディソン・ディアボーン・パートナーズ)の共同創業者でシニアアドバイザーのJim Perry(ジム・ペリー)氏、Virtusa(バートゥサ)の創業者で元CEOのKris Canekeratne(クリス・カネケラトネ)氏などの個人投資家が参加した。

この決済プラットフォームは、企業と消費者の間の「価値交換」を仲介し、注目度やエンゲージメントを請求書の支払いに利用できる通貨に変換するという。その一方でブランド企業は、商品やサービスを宣伝する新しい方法を得られる。

Play2Payの創業者でCEOを務めるBrian Boroff(ブライアン・ボロフ)氏は「プリペイド携帯電話のユーザーには、携帯電話サービスの料金を支払うための代替手段が与えられるべきであり、無線通信事業者は、広告費を使った新たな宣伝モデルを採用するべきである」というビジョンに基づき、2015年に同社を起ち上げた。

そして現在、同社は自らを、大手サービスプロバイダーや金融機関の決済プラットフォームに直接統合された、世界初の「広告支援型決済レール」と位置づけ、ユーザーのエンゲージメントを請求書の支払いに直接変換する唯一の企業であると主張している。

画像クレジット:Play2Pay

この「オプトイン」サービスは、AT&Tメキシコ、米国のCricket(クリケット)、ブラジルのTIM、インドネシアのlndosat Ooredoo(インドサット・オレドー)、英国のLycamobile(ライカモバイル)などの通信事業者と提携し、それらの国々で1億人以上の携帯電話加入者に提供されている。

この報酬型アプローチは、ユーザーの心に響いているようだ。2020年6月から2021年6月の間に、このスタートアップのARR(年間経常収益)は300%近くに急増したと、通信業界のベテランであるボロフ氏は述べている。

同氏によると、プラットフォームに参加したユーザーのうち、約25%が毎日報酬を得ているとのこと。一方でサービスプロバイダーは、Play2Payプラットフォームで加入者にエンゲージメントすることによって、最大17%の収益拡大を実現したという。

「当社の事業モデルはB2B2Cです。世界中のティア1サービスプロバイダーが当社の請求書支払い機能を直接統合しており、その顧客層にサービスを宣伝することで、さらに利用者を増やしています」と、ボロフ氏はTechCrunchに語った。

そしてエンドユーザーは、価値と引き換えに自分のターゲティング設定を共有する。これを利用することで、ブランド企業やモバイルアプリの開発者は、Play2Payのユーザーに自社の製品やサービスを宣伝する際に、より多くの情報を得ることができる。

Play2Payのプラットフォームは、サービスプロバイダーやマーチャントには無料で提供されており、決済にはインターチェンジ、アクワイアラー、チャージバック、ゲートウェイなどのコストや手数料が掛からない。

その代わり、Play2Payはブランド企業やモバイルアプリの開発者から収益を得ている。これらのブランドや企業は、自社の製品やサービスを宣伝するために、Play2Payのモバイルユーザーへのアクセス料を支払うという仕組みだ。例えば、あるモバイルゲーム会社は、Play2Payのアプリから自社のアプリをダウンロードして一定期間(2時間など)ゲームをプレイしたユーザー1人につき、100ドル(約1万1000円)をPlay2Payに支払う。エンドユーザーとモバイルゲーム会社の双方が、目標達成に向けた進捗状況を把握できるように、Play2Payはその技術とパートナーネットワークを通じて、アトリビューション・トラッキングを行っている。それ以外のフォーマットとしては、動画の視聴やアンケートへの回答、そして従来型のネイティブ広告などがある。

これらの収益はすべてPlay2Payによって集約され、その大部分はアプリ内通貨の形でエンドユーザーに還元される。そして残りは、Play2Payプラットフォームを広める無線通信事業者パートナーなどのサービスプロバイダーと、サービスの運営と支払い処理を行うPlay2Payに分配される。Play2Payは、すべての現金を収集し、それに応じて各関係者に支払いを行う。

同社は今回調達した資金を、製品開発、人材採用、パートナー・エンゲージメントなどに活用する予定だ。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Play2Pay資金調達決算ゲーミフィケーション

画像クレジット:Svetlana Borovkova / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

習得したいけど勉強は嫌……外国語が苦手な日本人でもゲーム感覚で言語が学べる無料アプリDuolingo

現在世界で5億人が使用している言語学習アプリ「Duolingo」をご存知だろうか。5分程度の隙間時間で、ゲーム感覚で継続できるよう設計されており、大学1年生レベルまでの言語が学べるようになっている。グアテマラでは学校教育にも取り入れられ、オバマ前大統領やビル・ゲイツ氏も愛用者だそうだ。40種類の言語、100コースを揃えており、なんと「ゲーム・オブ・スローンズ」や「スタートレック」など、エンターテインメントに出てくる独特の言語も学ぶことができるという。

外国語は習得したいが勉強は避けたい日本

2020年に3500万ドル(約38億3000万円)を調達し、海外で知名度を広げているDuolingoだが、日本へは2020年11月に本格参入している。日本でのカントリー・マネジャーに就任した水谷翔氏は、ミクシィ新卒入社後、マーケティングに携わり、2020年8月より日本の第一号社員として参画し、2021年より韓国市場も担当している。

日本在住者男女15~69歳1200人を対象にした「全国英語学習のホンネ調査」では、日本人の70%が「英語に対して苦手意識がある」と回答。また英語に苦手意識があると回答した方の約半数が「中学校在学時」の時点で、すでに苦手意識を感じてしまっているという。

また、同調査では「英語を学習したい」人は80%近くいるが「実際に学習をしている」人は13%にとどまるという。学習環境が整っていない国とはまた違う視点となるが、「英語を習得したいが、勉強したくない層にリーチする」という意味では、日本はブルーオーシャンだと思っていると水谷氏は語る。

適切なマーケティングでDAU増加

楽しく学びやすいUI/UXのDuolingo

そんな日本では、その特性に合わせたマーケティングにより、DAUの増加に成功しているという。2020年末には「ゴロゴロしながら、無料で英語学習ができる」というキャンペーンを実施。年末に来年の目標を立てる人は多いが、実際に年初から勉強する気はなかなか起こらないことから、ゴロゴロしながら勉強している感を得られるようにPRを行い、DAUが前年度比60%増となった。

日本人が関心があるのは英語だけではない。2021年2月には、対応言語に韓国語も追加された。日本の10代、20代における韓国への関心は強く、新型コロナで渡航自粛が続く中で「卒業旅行に行けない学生のみなさまへ…韓国語を学べるアプリDuolingoから『未来で行く卒業旅行券』プレゼントキャンペーン」を行い、 DAUが前年度比70%増になったという。

グローバルに働ける人を増やしたい

共同創業者CEOのLuis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏は「誰もが使える世界最高の教育を開発する、教育を通して経済格差を是正したい」を理念に掲げており、グローバルに英語教育を提供することを目指している。言語を習得した後には、仕事を得られるところまで支援することをネクストステップとして意識しているという。水谷氏も「言語を簡単に楽しく学べるアプリは、意外と今までなかったと感じており、言語を習得してグローバル活躍してくれる人が増えて欲しいと願っています」と語った。

今後は、言語コースの拡充によるユーザ増加を目指す他、既存の英語力テストの代わりとして米国ではすでに受験生の英語力判定に採用しているという「DET(デュオリンゴ・イングリッシュ・テスト)」の普及(オンラインかつ1時間受験可能)や、学校教材としての採用拡大等を検討しているという。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Duolingo語学学習ゲーミフィケーション

推しアイドルが生配信で一緒にエクササイズするアプリ「BAKOON!」のアンバサダーにマジカル・パンチラインが就任

推しアイドルが生配信で一緒にエクササイズするアプリ「BAKOON!」のアンバサダーにマジカル・パンチラインが就任

SBイノベンチャーは6月7日、アイドルの生配信を見ながら一緒にエクササイズできるアプリ「BAKOON!」(バコーン!、iOS版)のアンバサダーにアイドルグループ「マジカル・パンチライン」が就任したと発表した。

「BAKOON!」は、ジムに行くのは面倒だが、家でオンラインのフィットネスサービスを続けるのも難しいと感じている人たちのために、「おうちで楽しく運動を継続できる」仕組みを揃えたエクササイズアプリ。次の特徴がある。

  • エクササイズ動画はアイドルが生配信:アイドルの生配信が見られるだけでなく、他の参加者と時間を共有しながら運動できる。生配信は過去1週間分を視聴可能
  • モーションキャプチャー機能:インカメラで計測した運動量をもとにしたスコアが表示され、上位に入るとアイドルから表彰してもらえる。自分の映像は公開されないため、他人の目を気にせず利用できる
  • コミュニケーション機能:スタンプや身振りでリアクションを送信すると、アイドルが応えてくれることがある。また、ランダムに選ばれた参加者のアイコンや運動量が画面に表示される「バーチャルスタジオ」機能で、モチベーションを維持できる

エクササイズには、高負荷の運動と低負荷の運動を交互に繰り返すHIIT(高強度インターバル・トレーニング)方式を採用。「お腹重点バージョン」「下半身重点バージョン」「全身運動バージョン」など、日替わりメニューが用意されている。

マジカル・パンチラインの生配信は、週3日ほど行われる。初回登録後2週間の無料トライアルを提供中。また割引キャンペーン中は、月額2900円(税込)が月額500円(税込)で利用できる(キャンペーンは予告なく終了する場合がある)。現在はまだ事業検討中のベータ版サービスということで、「今後一定の基準を満たした場合」に正式サービスが提供される予定。

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カテゴリー:ヘルステック
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