テクプロダクトのためのソーシャルニュースサイトProduct Huntは良い製品を下支えする機会均等の場

Product Huntはまだ小規模な実験だが、テクノロジの世界でプロダクト方面の仕事をしている人たちのあいだで、このところ話題が盛り上がっている。まあ、テクプロダクトのRedditとか、プロダクトのローンチをめぐるHacker Newsと呼べるかもしれないが、でも、どちらもProduct Huntの本当の本質をついてはいない。

Product HuntのファウンダRyan Hooverはこう語る: “最初はぼくの友人たちとシリコンバレーの起業家たちで始めたんだ。日常の会話の中で、よく新製品が話題になる。‘今日ローンチしたあのプロダクト見た?’とかね。それはバレーの井戸端会議の定番の話題だが、かんじんのネット上には、新製品について雑談する場がなかった”。

Product Huntは2013年の11月に、リンクを共有するLinky Dinkのメーリングリストとしてスタートした。Hooverが新製品を指すリンク集を編纂して、それを友だちと共有した。毎日、その日のリンク集というメールがやってくる。それは、こんなメールが果たして一般的に必要とされているかを試すためのMVP(Minimum Viable Product)みたいなもんだった。だから、絶対にスケールしないものの完璧な見本でもあった。

“たった20分で作り、二人の投資家、友だち、そしてプロダクト関連の知人たちに送った。そして、クールなプロダクトを見つけたら教えてね、と書いた”。

昨日なんか、Andreessen Horowitzの連中がたくさんうちに登録したよ

— Ryan Hoover

そのMLのメンバーはわずか200名ほどだったが、フィードバックはとてもポジティブだった。そこでHooverは感謝祭の休日にNathan Bashawとタッグを組み、v1を作った。Bashawはすべてをわずか5日で仕上げた。Hooverは少人数のアーリーアドプターを招待して、改良のためのフィードバックをもらった。それから1週間後に、Product Huntは一般公開のWebサイトになった。

その後、活発なユーザと熱心な読者が徐々に増えていった。Hooverのねらいは前と同じで、Product Huntはクールなプロダクトについて誰よりも早く知りたい人たちのためのコミュニティだ。BufferのDailyBarkBuddyNotifyrも、すべて、テクノロジ系のブログに載る前にProduct Huntに登場した。次のSnapchatや次のAirbnbとも呼べる、今後の大物プロダクトが、続々と、真っ先にこのクラウドソースなサイトに現れるか、それが楽しみだけどね。

Product Huntは見た目もなりふりもRedditやHacker News、あるいは前のDiggにとてもよく似ている。リンクを投稿する。それらをLike(親指アップ)する。コメントも書く。すっきりとしたデザインで無限スクロール、そしてAlgoliaによるリアルタイムの検索。でも、仕掛けが一つある。

一日がプロダクトごとに分かれていて、それらのリーダーボード(ハイスコア表)みたいなものができあがる。たとえば、5月2日のトップは誰だったでしょうか? PredictionIOでした。この方式では、すべてのプロダクトにざっと目を通しやすいし、毎日訪れるのが楽しみになる。Hacker NewsやRedditにようにリンクのリストがたえず変わっていかないから、読みやすい。影響力はあるが忙しい、という人も、短時間で簡単にその日のプロダクトを展望できる。

VCのパートナーたちも、数百名がProduct Huntの登録会員だ。ただしVCには信号送出効果という厄介なものがあるから、彼らはコメントやLike(や親指アップ)を控える傾向がある。毎日のようにProduct Huntを読んでいるパートナーは、Greylock PartnersやSV Angel、Redpoint Ventures、そしてBetaworksの連中だ。Y Combinatorや500 Startupsの人たちも、読んでいる。著名なエンジェルたちも会員だそうだ。本誌TechCrunchのライターの中にも、熱心な会員が何人かいる。

“昨日(きのう)なんか、Andreessen Horowitzの連中がたくさんうちに登録したよ”、とHooverは言った。

Product Huntには新しいMLもあり、会員は数万名いる。まだプロダクトをハントしてくるハンターの方は人が少ないが、でもみんな、すごく活発だ。ぼくが本誌の記事でNotifyrを取り上げたときなんか、コメントはProduct Huntの話ばかりが多くて、かんじんの、Joost van Dijkが開発してiPhoneの通知をMacに送る、クールなかわいいアプリのことが、そっちのけになってた。

今HooverはProduct Huntにフルタイムでかかわっている。ほかに、パートタイムのデベロッパが3名、パートタイムのデザイナーが1名いる。彼が愛してやまない小さなプロジェクトは、徐々に会社っぽくなりつつある。プロダクトやVCなどの業界人だけでなく、今では一般のユーザも、Product Huntの記事を読んでプロダクトの評価を決める人が増えてるらしい。そう語る起業家が、今は多い。

“Product Huntは、プロダクトやスタートアップたちにとっての機会の地平を、格差の大きい峻険な光景から、もっとなだらかで機会均等に近いものに変えつつある”、とHooverは言う。“Notifyrを作ったオランダの無名のガキがProduct Huntのコミュニティから220ものLike(親指アップ)をもらうんだから、すごいよ。今は、App Storeのランクを上げるためなら金を使ってもよい、というデベロッパが多い。自己努力でヴァイラルなネットワークを広げているデベロッパもいる。Product Huntでは、そのどちらも要らない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Instagramが6.0にバージョンアップ―シンプルな使い勝手を維持してフィルター機能を大幅強化

“InstagramのCEO、Kevin Systromは私のインタビューに答えて「Instagramには訪問者は多いが、これまでそこで写真を編集しようというユーザーはあまりいなかった」と語った。 そこで今日(米国時間6/3)、Instagram9種類の新たなフィルターとフィルターの適用強度を加減できる機能をリリースした。今やInstagramはCamera+やPhotoshop Express無料版なみの写真編集能力を備えるようになった。Systromは「写真マニアにすてきな遊び場ができたはずだ」と語った。

このInstagram 6.0アップデートはiOSAndroid(4.0 Ice Cream Sandwich以降)向けに本日公開された。

今回Instagramに追加された編集機能は以下のとおりだ。

  • フィルター強度: フィルターをタップして適用する強度を調節
  • 調整: トリミングと傾き修正を同時に実行
  • 明るさ:明暗のコントロール
  • コントラスト:コントラストの調節
  • 色温度: 色温度を選択し、オレンジ色方向、青色方向に調節
  • 彩度:色の濃度を調節(赤をもっと赤くするなど)。
  • ハイライト:写真の明るい部分の明るさを調節
  • シャドウ: 写真の暗い部分の明るさを調節
  • 周辺光量: 画面の中央に注意を集めるために端を暗くする。
  • シャープネス: 輪郭を強調して画像にくっきりした印象を与える。

これらの新フィルターに加えて新しいレンチ・アイコンの設定メニュー、適用強度のスライダーを組み合わせ用いることで非常に高度な編集が可能だ。またプレビュー写真をタップして編集前の写真を表示し、効果を確認することができる(手順は下のデモ動画に詳しい)。

今回の新機能で特に重要なのはフィルターの適用強度を変化させることができるようになった点だ。Systromは「われわれはユーザーがもっと微妙なフィルター効果を望んでいることにしばらく前から気づいていた。今回のアップデートで、たとえばバレンシア・フィルターを使う場合、ほんのわずかセピア色を加えるといったことができるようになる。フィルターを適用した途端にいきなりサイケデリックな色調になってしまうようなことはなくなった」と語った。

新機能はレンチ・アイコンの背後に畳まれており、あまり目立たない配置だが、Systromによればそれが狙いなのだという。メイン画面を混雑させて一般ユーザーを遠ざけるおそれなしに、熱心なユーザーだけが必要に応じてアクセスできるようにデザインしたそうだ。

同様の思想でビデオ編集もシンプル化された。これまでは動画がスタートする前のカバー静止画のフレームをビデオのシーンからいちいち選択する必要があった。新バージョンではカバー・フレームの選択はオプションとなった。Systromは「われわれが調査したデータによると、ほとんどユーザーが最初のフレームをカバーフレームとしていたので、それをデフォールトのカバーフレームにしたという。

つまりこのアップデートでは多くの機能が追加されているものの、Studio DesignPicStitchのように高度写真編集をメインとするという脇道に迷いこまないように慎重に配慮されている。これはInstagramの広いユーザー層を考えれば賢明な方針だろう。

Systromはまた、「われわれは写真アプリを開発するだけでなく、ソーシャル・・ネットワークの構築に力を注いできた。 その結果、2億人以上のユーザーを集め、ソーシャル・ネットワークの構築で大成功を収めることができた。そこで次に写真機能の強化に戻ることにした。しかしソーシャル面でもやるべきことは多々ある。たとえば友だちの投稿の中で反響の大きかった写真がFacebookのニュースフィードのように次々に表示されるような仕組みを作ればユーザーの利用度をさらにアップすることができるだろう」と語った。


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


「匿名アプリケーション」は、「本来の自分」を取り戻す手段となるか?!

SecretWhisperといった匿名アプリケーションが大流行だ。これは考えてみれば「当然」のこととも言えそうだ。主要なソーシャルネットワークが、実名の利用を求めたり推奨したりする中、そうした流れに対して出てきた当たり前の反応であると考えることができると思うのだ。

「実名」推奨の潮流がもたらしたのは、気の抜けた、キレイ事ばかりを共有する風潮であると考える人もいる。誰もがいつもハッピーで、Instagramにぴったりの風景の中でバケーションをとる。子供がいればもちろん子供はいつも笑っていて、赤ん坊は最高に可愛い。楽しい時間は無限に続いていくという様子がネットワークに溢れることとなった。わざわざ言い争いをしたいと思う人はほとんどおらず、言いたいことがあっても「不適切だ」として本音を隠す。そして空港やビーチ、あるいはパーティー会場からの写真を投稿して、幸せを演出して過ごすわけだ。

実のところ、こうした「実名制」の流れができたのは最近のことだ。ネットワーク上では匿名で行動できるというのが以前の常識だった。しかしいつの間にか、内緒で行っていると思っていたコミュニケーションも誰かに傍受されているという時代になってしまっている。NSAだけでなくGoogleや、広告配信サービスなどが、さまざまな情報を収集しようとやっきになっている。

自らの行動がトラッキングされていると知れば、たいていの人は無意識にせよ自らの振る舞いに気を使うようになる。友人や家族が、自分の行動のすべてを知っているとなれば、投稿する写真などにも配慮するようになり、発言内容も吟味するようになるのが普通だ。

そうした部分に注目して、逆を行こうとしたのが匿名アプリケーションだ。「ソーシャル」から煩わしさを取り去って、楽しい部分だけを抜き出そうとする意図があるわけだ。他人の反対意見を気にせずものが言えるようになるし、いつも楽しいバケーションじゃなく、嫌な仕事があるということも書き込むことができる。憂鬱に感じたこと、病気のこと、下品な話やシモネタなども自由に投稿することができる。そしてその投稿に対する、やはりストレートな反応を期待することができるわけだ。

もちろん自由度が増すことによるマイナスもある。たとえば学校の中で、外見上はとてもおとなしい子が、ネット上ではひどいいじめっ子に変貌するということもある。また有益な議論がノイズに邪魔されることも多いだろう。誰もがトラブルに巻き込まれてしまう可能性も増える。こういうことに対してはきちんと(Yik Yakなどのアプリケーション開発者も含めて)対応策を考えておく必要があるだろう。問題になったサービスを閉鎖するという、付け焼刃的対応で済む問題ではないはずだ。

ちなみに、匿名アプリケーションであれば、何をしても個人が特定されないと考える人がいるなら、それは誤解だ。利用者が「ホンネ」を投稿していることから、一般的なSNSなどよりも多くの個人情報を得ているともいえる。直接的にではないにせよ、匿名アプリケーションも個人の情報を利用することで利益をあげようとしているのだ。もちろんサービス側から「秘密を漏らすぞ」などという強迫行為がなされる可能性は少ないだろう。しかし「秘密にしたい個人の情報」こそマネタイズに利用される可能性があるということも意識しておきたい。

現在、4chanなどの匿名掲示板はちょっと使いにくいという人にも、匿名アプリケーションを使う人は多い。少し前のようにネット上の「匿名文化」を楽しんでいる人も多いのだ。いじめやガセ情報などに振り回されることがあっても、「自由」を感じることができるのが魅力なのだろう。GoogleやFacebookなどは、オンライン上でもしっかりとしたアイデンティティを確立し、フィードへの投稿にも気を配って欲しいと考えている。そちらの考えにも一理ある。しかし、当然にそうした考えに対抗する動きも生じてくることになるわけだ。

匿名アプリケーションが人気を集めるのが現段階だ。ここからどのような未来につながるのか、注目していきたい。

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(翻訳:Maeda, H


「半分匿名」のソーシャルメディア、SecretがAndroid版をローンチ―世界中から利用可能に

シリコンバレーの住人としては、当地で人気の「半分匿名」のソーシャルメディア、Secretが アメリカに登場したのがたった4ヶ月だったとは信じられない思いだ。今日(米国時間5/21)、このアプリはiOS版、新登場のAndroid版、ともに世界中でダウンロード可能になった。

Secretというのは、まずiOSアプリとして公開されたが、匿名で感想や意見を共有できるモバイル・アプリだ。

このアプリはユーザーのアドレス帳を検索してそこに載っている友だち、さらに友だちの友だちをリストアップする。そうした知り合いネットワーク中の誰かが投稿するとタイムラインに表示される仕組みだ。投稿自体は匿名だが、知り合いの誰かであることは分かっているので、投稿の内容と合わせて身元が推測されてしまう可能性は十分ある。

今回Android版が登場したのでユーザーはまた飛躍的に増加するだろう。

新機能

iOS版、Android版の双方に今回新機能が追加されている。iOS版では画面遷移の間にときおりSecretに友だちを招待するよう勧める画面や現在の友だちの数など表示される(ちなみに私の友だちは652人でSecretの共同ファウンダーBader-Wechselerの656人のすぐ次だ)。

もう一つの新機能はストリームの途中に時折表示されるIcebreakers〔座をなごやかにするもの、知り合いになるきっかけ〕と呼ばれる質問だ。右のスクリーショットでは「いままであなたがやった一番クレージーなことは何?」と尋ねている。Icebreakersの質問を考えているのはSecretのコミュニティー担当チーム(現在は3名)で、ユーザーは自分で質問に答えてもいいし、自分の友だちに尋ねてもよい。

IcebreakersはすでにSecretのコミュニティーで論じられたテーマをヒントにしてユーザーの参加を促そうというアイディアだ。たとえばこの間の母の日には、ユーザーはママについての秘密のエピソードを多数投稿していた。

国際展開

アメリカに登場した後、Secretはカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスという具合に英語圏の諸国へ徐々にサービス範囲を拡大してきた。しかし今日のAndroid版のローンチを機に、地域制限は完全に取り除かれ、Secretは世界中どこからでも利用できるようになった。

当面は英語版のみだが、Bader-Wechselerは私の取材に対して「今年後半には英語以外のバージョンを順次公開する予定だ」と語った。ただし、現在のバージョンはどんな言語でも投稿できるので、同一言語の投稿がグループ化されるという。つまりスペイン語の投稿がドイツ語の投稿t入り混じって表示されないようにする。この分類はユーザーの投稿地域別に行われるようだ。

世界展開の次にSecretが狙うのは何だろう? 匿名のメッセージ・アプリだろうか?

SecretはGoogle Ventures、Kleiner Perkins、Initialized Capital、Fuel Capital、Vivi Nevo、SV Angel、Ashton KutcherのA-Grade Investments、David Sacks、Bill Lee、Pete Cashmore、Joe Montana、Rob Wiesenthal,、Andrew Chen他から1000万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


自分撮り写真に「いいね!」してもらうために必要ないくつかの配慮

Instagram上で、16万もの自分撮り(selfie)写真を分析した結果が発表されている。分析しているのはHubSportの「Social Media Scientist」であるDan Zarrellaだ。この分野における「分析」は流行りでもある。使われているタグ、色合い、利用しているフィルターなどをチェックして、他の人に気に入って貰える自分撮り写真を撮るヒントとするものだ。ちなみに今回紹介するレポートを見る限り、自分ではよかれと思ったことがほとんど逆に作用していることがわかってしまった。自分撮りも、なかなか奥が深い。

まず、色合いについてだが、自分撮り写真においてはどうやら寒色系の色を多用する方が、暖色系の写真よりも人気を集めるらしい。青い服を着て、青緑系の背景の前に立つのが良いのかもしれない。もしかするとスターバックスのロゴの前に立つのも効果的かもしれない。人気を得るためにはハッシュタグも大切な要素で#pretty、#boy、#daily、#girl、および#hairなどのハッシュタグのついた写真が、人気を集めるケースが多いようだ。また「like」をおねだりするハッシュタグも有効らしい。たとえば#l4l、#likeforlike、#like4likeといったようなハッシュタグが、「like」のおねだり用として利用されている。

尚、ハッシュタグの多様は無駄以外の何物でもないと考えている人にとっては残念なことに、どうやらハッシュタグを多く利用すれば、それだけ「like」を取得する機会も増えるらしい。ハッシュタグの個数が30個に到達する前にグラフ上では谷間があるが、しかしそれでも、より多くのハッシュタグを付けることで、より多くの「like」を獲得するチャンスが生まれているようだ。

フィルターについての分析も行っている。この分野でも、個人的に多用しているものは人気が低いということがわかった。当方で利用しているのは「Valencia」、「Lo-Fi」、「X-Pro II」、「Hudson」、そして「Rise」だが、「like」を集めやすいフィルターは「Willow」、「Normal」、「Toaster」、「Mayfair」、「Sutro」および「Hefe」などであるらしい。ちなみに#NoFilterというハッシュタグが最も人気を集めているようだが、しかし実はそのほぼ3分の1のケースで、フィルターが用いられているようだ。そういうケースでは「Valencia」や「Amaro」が用いられることが多い様子。洗面所の鏡を使ったいかにも自然な自分撮り写真であっても、何らかのフィルター処理が加えられているケースがあるということになる。

ところで、酔っ払っているときにこそセクシーに見えるという自負があるにせよ、#drunkハッシュタグを付すのはやめた方が良いようだ。#drunkハッシュタグを付けてしまうと「like」をもらいにくくなってしまうようなのだ。自分撮りは素面のときに限るということなのだろう。よしんば酔っ払いモードであるにせよ、他の人にはばれないようにしておくのが良いようだ。

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(翻訳:Maeda, H


YouTube上のビデオ作品の話題を主要ソーシャルネットワーク上で広めるためのツールEpoxyが公式ローンチ

YouTubeは若い新人ビデオ作家にとって主要な配布チャネルだが、オーディエンスを見つける場としては唯一ではない。そこで今日(米国時間5/20)ローンチしたロサンゼルスのEpoxyは、YouTube上のビデオ作家たちが様々なソーシャルネットワーク上でファンと会話できるようにしてくれる。

Epoxyのファウンダは元Team DowneyのデジタルチーフJuan Bruceと、財務サービスのProtoを作ったJason Ahmadだ。二人は、YouTube上でオーディエンスを増やしていけるためのプラットホームを作り、そのためにファンと対話できるための総合的なツールを提供したい、と考えた。

EpoxyはFacebookとTwitterとInstagramと、そしてもちろんYouTubeを統合して、ビデオ作家たちがコンテンツの社会的な配布を拡大できる方法を提供し、また同時に、コンテンツに関するファンからのフィードバックがリアルタイムで得られるようにしている。これによってEpoxyのユーザは、ソーシャルな共有行為によって視聴者を増やし、登録会員数も増やすことができる。

CEOのBruceによると、Twitter上のビデオに関する会話で、その中に作者のTwitterユーザ名が出てくるのはわずかに20%である。そこで単純な検索では、会話の3/4あまりが拾われない。

そこでEpoxyはYouTubeのAPIを利用することによって、作者のスクリーンネームが登場しない会話でも、そのビデオ作品が話題になっている会話なら拾えるし、会話に参加できるようにした。

それにEpoxyのツールを使うと、ビデオに関する情報をソーシャルネットワーク上に配布でき、しかもその場合に、各ネットワークのオーディエンスの特性に合わせた情報の提示を行う。たとえば、提供するプレイヤー上の広告は同じでも、それを各ネットワーク上の共有に適した形に最適化できる。

ビデオ作品の、Instagram上の共有の方法が、Epoxyでは独特だ。Epoxyのユーザは、自分のビデオ作品を、Epoxyが提供しているエディタを使ってInstagramのための投稿作品へと変形できるのだ。あとはそれをInstagram上で配布するだけだから、作品本体をモバイルの上へコピーして操作する必要はまったくない。

今日のEpoxyのローンチは一般公開だが、当面はベータだ。ここまで来るまでに同社は、Upfront VenturesやGreycroft Partners、Bertelsmann Digital Media Investments、Advancit Capital、MachinimaのファウンダAllen DeBevoise、Makerの会長Ynon Kreiz、Shine Groupのデジタル担当VP Yoel Flohr、Stradella RoadのCEO Gordon Paddisonらから200万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitterは音楽スタートアップのSoundCloudを買うべきでない[アップデート:買わないらしい]

TwitterがSoundCloudを買収しようとしているという情報が流れた。Re/codeのPeter Kafkaが両者に近い情報源から聞いたという。

SoundCloudは誰でもオーディオファイルをアップロードでき、誰でもストリーミングあるいはダウンロードして再生できるサービスだ。ユーザーは互いにフォローでき(この点はTwitterに似ている)、新人のDJやインディーバンドばかりでなく、大物ミュージシャンもプロモーションのためによく利用している。SoundCloudのビジネスモデルはアップロード、ダウンロード数の制限を外した有料のProアカウントだ。加えてスライドショー形式の画像やフォロー相手の推薦などのネーティブ広告も実験中だ。

SoundCloudはなるほど音楽版のYouTubeになる可能性がある。しかしそのことはGoogleの真似をしてTwitterがこのドイツのスタートアップを買収すべきだということにはならない。株式上場で得た20億ドルの資金の使い道ならもっと他にあるだろう。

[アップデート: ドイツのニュースメディア、SPIEGEL ONLINEが先ほど伝えたところでは、TwitterはSoundCloudを買収しないという。SPIEGELの情報源によれば、TwitterがSoundCloudの買収を検討していたのは事実だが、結局、断念したという。]

2007年の創立以来、SoundCloudはMyspaceが人気を失った後、その穴を埋める形で、セルフ・プロモーションを試みるミュージシャンに高い人気を得ている。2013年7月には登録ユーザーが4000万、非登録聴取者も加えれえば月間ユーザー数は2億人にもなると発表された。2013年10月には月間ユーザー数はさらに2億5000万人に達した。現在では3億人に近いものと推定されている。

SoundCloudは6000万ドルを調達した今年1月のラウンドで7億ドルと評価されている。Twitterが買収するならその額の何倍も支払う必要があるだろう。Twitterは上場によって市場から21億ドルの資金を調達したものの、依然として赤字だ。SoundCloudの買収はTwitterのキャッシュを大きく減少させる。

【中略】


Twitterは拡大の前に本業への集中が必要

私は何人もの音楽系テクノロジー企業のトップに取材したが、SoundCloudの買収がTwitterにとって必須である理由を説明できたものは誰もいなかった。

Twitterはすでに音楽分野への拡大を模索してきた。昨年4月、買収したWe Ar Huntedのテクノロジーをベースにスタンドアローン・アプリの#Musicを発表したものの、不人気のため今年3月にはアプリを取り下げている。音楽は生活の中で非常に重要だが、人々は必ずしもTwitterにそれを求めていないようだ。.

TwitterがSoundCloudを買収しても事情は変わらないだろう。SoundCloudはTwitterのような一般ユーザーの投稿によって成り立つソーシャル・メディアではない。SoundCloudのコンテンツは大部分がプロないしセミプロのミュージシャンによって作られている。

TwitterやVineでも著名ユーザー、インフルエンサーの影響力は大きいが、投稿のほとんどは一般ユーザーによるものだ。しかし一般ユーザーがSoundCloudに音源をアップしても誰も反応はゼロだろう。SoundCloudの圧倒的多数のユーザーはリスナーであり、マネタイズは非常に難しい。Twitterがミュージシャン向けにプロモーション・ツールを作りたいならSoundCloudを買収するより独自に開発する方がはるかに現実的だ。

これに対してInstagramを買収できていたら、Twitterは大量のユーザー投稿コンテンツと大量のPVを確保できただろう。しかしInstagramはとうにFacebookのバスに乗って出発してしまった。

一方でSoundCloud側にはTwitterの傘下に入ろうとする動機が十分にある。Twitterのネットワークを通して音楽をプロモーションし、Twitterのビジネス・チームの力を借りて収益化が図れるからだ。SoundCloudの現在のビジネスモデルでは株式上場を成功させるのは難しいだろう。私が取材した情報源よると、大手レコード会社はSoundCloudに対するライセンス条件を厳しくしており、おそらく一部のレーベルはSoundClouddを叩き潰すつもりだろうという。

そうであればこの時点で買収によるエグジットを狙うのは自然だ。だがユーザー数の急成長が示すとおり、この難局を生き延びることができれば大企業への成長も夢ではないかもしれない。

Twitterがもっと体力のある会社であればこの買収も意味があるかもしれない。YouTubeを買収したときGoogleはすでにAdSenseビジネスが軌道に乗っており、GmailとGoogleマップも初期の欠点を克服しつつあった。当時YouTubeは創業1年で調達した資金総額もわずか1200万ドルだった。それに引き換えTwitterはいまだにコア・ビジネスで安定して利益を出せるようになっていない。広告事業もすばらしいスタートは切ったものの、会社を黒字化させるのはまだ先の話だ。SoundCloudは創立7年で1億2300万ドルを調達している。なるほどSoundCloudは買収候補として有望な企業かもしれないが、現在のTwitter向きではないだろう。

今のTwitterはコア・サービスの充実に務める時期だ。特にまだフォロワーをもっていない新しいユーザーがTwitterを快適に利用できるように機能を強化する必要がある。Twitterは虎の子の資金をコア・サービスを改良できるような人材の採用や会社の買収にあてるべきだと思う。

[画像: Len Peters/Flickr via NHPR]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


自動家計簿「マネーフォワード」のユーザーはカード利用回数が増えるらしい

自動家計簿サービス「マネーフォワード」を使ってみると、クレジットカードや電子マネーの出金履歴を自動入力してくれる便利さのあまり、極力現金払いを避けたくなるほどだ。うちの編集部の西村賢にいたっては、外出先ではドコモの電子マネー「id」しか使いたくないと言い張っている。我々以外にもこうした人は多いようで、カードの利用回数が月間10回未満のユーザーの場合、マネーフォワードにクレジットカードを登録した後は、カードの利用回数が平均1.7倍に増えるなど、日頃の現金支払いをカードに切り替える傾向があるのだという。さて、そんなマネーフォワードが16日、クレディセゾンとの業務提携を発表した。

これに伴い、クレディセゾンが発行するセゾン・UCカードの利用明細データをマネーフォワード上に自動保存するサービスを開始する。セゾン・UCカードの確定済みのウェブ利用明細は過去3カ月分のみ閲覧可能だが、マネーフォワード上では1年間閲覧でき、月額500円のプレミアム会員であれば無期限で閲覧できる。明細の閲覧期間が短すぎて気づいたら消えていた、なんてこともなくなりそうだ。7月には、クレディセゾンのネット会員IDでマネーフォワードにログインできるようにする。クレディセゾンのサイトで最も閲覧数が多い「カード利用明細ページ」では、「過去1年分のカード利用がチェックできる家計簿サービス」というキャッチコピーを掲げてマネーフォワードに誘導している。

金融機関のサービスといえば、各社が独自開発したものをユーザーに届けているわけだけれど、マネーフォワードのような専業ベンチャーと提携することで、サービスレベルと開発スピードが上がるメリットがありそう。クレディセゾンとしては、こうしたサービスが充実することで、紙の明細書をウェブに切り替える会員が増え、紙や郵送コストを削減することも見込んでいるようだ。クレディセゾンから「お墨付き」をもらったかたちのマネーフォワードだが、今後は他のクレジットカード会社や銀行、電子マネーとの提携も視野に入れている。

マネーフォワードは銀行や証券、クレジットカード、電子マネーなどのサイトにログインするIDとパスワードを登録するだけで、自動的に入出金情報を入力してくれるサービス。入出金情報は「食費」「日用品」「交通費」といった項目に自動で分類される。現金払いのぶんは別途、手入力が必要になるけれども、対応している約1400社の金融機関の入出金履歴をマネーフォワード上で一括管理でき、家計簿を付けるのが楽になる。

5月12日にはiPhoneアプリをフルリニューアルしている。デザインを一新し、従来は10個以上に分かれていたメイン機能を4つのタブにまとめて見やすくしたり、面倒な手入力についてもタブからすぐに使えるようにした。通信面ではバックグラウンドで処理する割合を増やすことで、体感速度を大幅にアップさせたという。Android版のリニューアルは未定。現在のユーザー数は明らかにしていないが、夏までに100万ユーザーを目指す。


FacebookとInstagramのコメント欄でショッピングができるサービス、Soldsieが400万ドル調達

マーチャントがFacebookのファンとInstagramのフォロワーにコメント欄を通じて商品を直接販売できるeコマース・サービスのSoldsie〔ソルジーと発音する〕は今朝(米国時間5/15)、First Round Capital他からシリーズAラウンドで400万ドルの資金を調達したと発表した。SoftTech VC、Lerer Ventures、Correlation Ventures、Great Oaks Ventures、e.Ventures、500 Startupsに加えて何人かの個人のエンジェル投資家も今回のラウンドに参加している。

このスタートアップは2012年5月、Facebook上の通販(一部ではf-commerceと呼ばれる)が成功するものかまだ疑問視されている時期に創立された。

SoldsieのFacebookページにマーチャントは商品の写真と説明を投稿する。ファンは通常の投稿と同様、これに感想をコメントしたり「いいね!」を押したり、シェアしたりできる。しかしSoldsieがユニークなのは、コメント欄にファンが“SOLD”と入力すると商品購入プロセスがスタートする点だ。

消費者はSoldsieアプリケーションをインストールするときに一度だけ登録の手続きをすればよい。これによってマーチャントはユーザーのプロフィール・データとメールアドレスを入手する。Soldsieはマーチャントに支払い請求、販売管理、在庫管理などのサービスをi提供する。売り手はSOLDと入力したユーザーにメールで請求書を送る。ユーザーはPayPalまたはクレジットカードで支払いを行う。下はSoldsieが制作したデモビデオだ。

昨年11月にSoldsieは同様のシステムをInstagramにも導入した。ユーザーはアップロードされた写真に対してコメント欄にSOLDというキーワードとメールアドレスを入力する。

現在、Soldsieでは1500のマーチャントが延べ2500万ドルの売上を記録、昨年同期の数字に比べて3倍になっているという。Soldsieではマーチャントに対して取引毎の少額の手数料と毎月150ドルからの出店料を課金しているが、ビジネスモデルについてはさらに検討を重ねるとしている。

Soldsieの共同ファウンダー、CEOのChris Bennettによるとコメント欄にSOLDと書いたユーザーの70%が実際に商品を購入し、支払いを行っているという。購入手続きの60%はSOLDを記入してから30分後に行われ、70%の購入手続きがモバイルからだという。多くのユーザは通勤の生き返りの交通機関の中などでSOLDと記入し、手が空いたときに購入手続きに移るのではないかとBennettは推測している。

今回調達した資金でSoldsieは新たな人員を採用し、さらに2つのソーシャルメディアをプラットフォームとしてサポートする計画だ。現在社員は13人だが、今年の末までに25人に増員される。

ソーシャルメディアを利用するeコマースの分野でSoldsieのライバルとなるのスタートアップにはChirpifyやInstagramのショッピング・サイトHashbagなどがある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ヘアサロンの予約を変えるアプリが登場!髪型投稿SNSオープン

おしゃれ好きな女子にとって、ヘアサロンは飲食店のように地域や店舗で探すものではない。まずはスタイリストを見つけること――。こんな発想から本日リリースされたiPhoneアプリがヘアスナップSNS「HAIR」だ。雑誌やネット上にあるヘアスタイル写真の多くは、カットモデルを一眼レフで撮影し、Macでレタッチした「サロン発信の宣伝写真」ばかり。これに対してHAIRは、周りの友だちがスマホでヘアスナップを投稿するのが特徴。そのため「自分ごと」にとらえることができるのだという。ある意味、リリースから5カ月で200万ダウンロードを突破したファッションコーディネート共有アプリ「WEAR」のヘアスタイル版といえるかもしれない。

HAIRをざっくり言えば、「今日のヘアスタイルを考える」と「あの子をカットしているスタイリストが分かる」という2つを実現するサービスだ。ユーザーは「友達」「スタイリスト」「テーマ(Long、Medium、Bobなどのヘアスタイル)」「人気ユーザー」「キーワード」ごとにヘアスナップを閲覧したり、クリッピングができる。

Facebookアカウントで会員登録すると、気になるユーザーや友だちをフォローしたり、ヘアスナップを投稿することが可能だ。ヘアスナップには、カットを手がけたスタイリスト(美容師)をタグ付けでき、友だちやフォローしている人をカットしたスタイリストのページにアクセスしてカットの予約が行えるようになっている。

スタイリストにしてみれば、カットした人にタグ付けされることで、自分の宣伝にもなるというわけだ。スタイリストは毎月1500円を支払うことで、自らのプロフィールや連絡先を記載したプロフィールページを作成できる。HAIRを運営するリッチメディアの中村武士によれば、まずは青山や表参道、原宿の有名ヘアサロンに所属するスタイリストにアプローチし、徐々に全国のスタイリストを集めていくのだという。

ターゲットとしているコアユーザーは「ヘアスタイルについて遊んだり、悩んでいる18〜25歳の女性」。ベータ版の投稿状況はカットモデル(サロンモデル)やスタイリストが自らのアピールのためにヘアスナップを投稿している状況だが、正式版を公開した5月14日以降は自分撮りに抵抗のない若い女性の投稿を見込んでいるようで、半年後に週間アクティブユーザー9万人を目標に掲げる。「みんなのヘアスナップから、スタイリストとの偶然の出会いを生み出せれば」。


Yahoo、自動消滅型メッセージングサービスのBlinkを(人材目的で)買収

Yahooが、モバイル向け自動消滅型メッセージングサービスのBlinkを買収したようだ。Snapchatが有名で、その他にも最近登場したFranklyや、Confide、あるいはWickrなど、競合となるサービスがひしめいている分野だ。買収の詳細については明らかにされていない。

Blinkは現在7人で運営されており、ファウンダーを含む全員がYahooに加わることとなっているらしい。

Blinkの開発を行ったのはMeh Labsで、元GoogleのKevin StephensおよびMichelle Norganにより設立された。元々は位置情報サービスのKismetを提供していた。SXSW 2012の頃にはHighlightなどとともに話題になっており、Banjoなども同種のサービスを提供しようとしているところだった。しかしKismetは充分な利用者を獲得するにいたらず、結局は別の人気ジャンルで再スタートを切ることとなったのだ。そのジャンルがモバイル向けのプライベートメッセージングの分野だ。

Blinkがリリースされたのは約1年前のことで、iPhone向けアプリケーションとしてリリースされた。現在のアプリケーションではメッセージ、写真、ビデオ、音声などを、個人ないし特定のグループ間で共有することができるようになっている。また有効時間をタイマーで設定できるようになっていて、すなわち送ったメッセージや写真などを、見始めてから何秒間表示するかを設定することができる。

今年になってAndroid版がリリースされたが、その時点でのダウンロード数は10万ほどで、利用者のうちの半数以上がアメリカ在住であった。アメリカ以外では中東での利用者が増加する傾向にあり、大きな成長が期待されていた。

Stephensもアラビア語をサポートするなどして、中東市場に注力していきたい旨を表明していた。またビジネス用途でも利用できるような「プロ版」の提供なども考えていたようだ。

しかしそうした予定についてはご破算ということになる。Blinkのサービスは数週間のうちにも消え去ることになるらしいのだ。すなわち、このBlinkの買収もサービスそれ自体を活用するというよりも、人材の方を目的としたものだということだ。そしてStephensのことだけを考えても、Yahooにとっては良い買収(人材獲得)であると言えるだろう。Boxeeでデバイスプロダクトパートナーシップ部門のディレクターを務め、あるいはGoogleおよびYouTubeでのPMの経験もあり、さらにAppleでもエンジニアとして働いていた。

Kismetを運営していた時代に、Meh Labsはシード資金としてTriple Point、NEA、AngelPad、およびShiva Rajaraman、Steph Hannon、Roham Gharegozlou、Ben Narasinなどのエンジェルから併せて100万ドルを調達していた。今回の買収により、投資家たちにはそれなりの見返りがある模様だ。但し、投資面に限っていえば「大成功」というわけでもないらしい。

尚、YahooのM&Aでは、買収の詳細についてあまり明らかにしてくれないのが最近の状況となっている。人材獲得のための企業買収を行うことについて非難されることも多く、また投資家たちもそうした買収戦略が有効に機能しているのかどうかを疑問に感じ始めているようなのだ。私たちの取材に対して、Blink側も詳細なデータを明かしてはくれなかった。

Blinkのサイトで公開された文章を掲載しておこう。

2014年5月13日付で、BlinkはYahooの傘下に入ることとなりました。私たちはメッセージングを、実際に会話するような自由さで利用できるようにと考えてBlinkの開発を行いました。こうした概念をYahooに持ち込み、その中でできる新しいことを考えていきたいと思っています。

どのようなプロダクトを提供できるかについて、まだ具体的なお話ができる段階ではありません。しかしこれからもぜひ、私たちBlinkチームの活躍に期待していただきたいと考えています。

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(翻訳:Maeda, H


スノーデンの最新文書、Facebookの脆弱性を暴露

ジャーナリストのGlenn Greewaldは今日(米国時間5/13)、いわゆる「スノーデン・アーカイブ」から大量の文書公開した。彼の著書『No Place To Hide』の出版に合わせたものだ。これらの文書には、英国の政府通信本部(GCHQ)によるFacebookユーザーデータの入手に関するプレゼンテーションも含まれている。

プレゼンテーションは「特定情報入手を目的とした受動的環境におけるFacebookトラフィックの利用」と題され、同書籍によると、2011年のFive Eyesカンファレンスで発表された。そこには、Facebook等のソーシャルネットワークは「ターゲットに関する非常に豊富な情報源」であり、個人の詳細情報、人間関係、およじ「生活パターン」等が含まれていると説明されている。

GCHQによると、多くのプロフィールが公開されていないことが課題であるが、「この受動的方法は、Facebookのセキュリティーモデルに内在する弱点を利用することによって、この情報の収集を可能にしている」。スライドには、Facebookがコンテンツ配信ネットワークのAkamaiと提携して写真を配信し、それが政府諜報機関によるFacebook IDと画像を取得する抜け穴になっていることが示されている。上のスライドで見られる他、このPDFの82ページに詳しく書かれている。

ただしこのプレゼンテーションは2011年当時のものであり、誰かがスライドで説明されている方法を実際に使ったかどうかは定かでない(FacebookおよびAkamaiにメールでコメントを求めているので、回答があり次第アップデートする予定)。いずれにせよ、政府がソーシャルネットワークおよびそのプライバシー保護機構の回避に関心を持っていたことを示している点は注目に値する。

最近の発表で、Facebookの最高セキュリティー責任者、Joe Sullivanは、スノーデンによる暴露を機に同社のセキュリティー政策を今まで以上に公開していく方針であると話した。

アップデート:Facebookの広報担当者から以下の声明が届いた:

当社はこれらの主張を裏付ける証拠を持っていない。スライドは数年前のものであり、それ以降当社のセキュリティー技術は様々な形で改善されている。当社は今も、政府はFacebook等の会社に対して行う要求の透明性を高めるべきであり、確立された合法的手段を用いるべきであると信じている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ターゲットは非IT系、Wantedlyが連絡帳アプリ「CONTACT」公開

iPhoneで連絡先を管理している人が感じる不満のひとつが、標準搭載のアプリ単体ではグループ分けができないことだろう。こうしたニーズもあってか、連絡帳をグループ化するiPhoneアプリは100以上存在する。ソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly」を運営するウォンテッドリーが14日に公開したiPhoneアプリ「CONTACT(コンタクト)」もその1つ。FacebookやWantedlyと連携することで、これらのサービスに登録している会社名から連絡先を探せるのが特徴だ。

アプリをインストールするとiPhoneの連絡先が表示され、仕事、友人、家族などとグループ分けが可能。グループのアイコンは120種類以上あり、連絡先をアイコンにドラッグ&ドロップするだけで直感的にグループ分けできる。

ウェブ業界では「連絡はメッセンジャーで十分」という人もいるだろう。そんな人にはFacebookとの連携機能が刺さるかもしれないと、ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子は言う。Facebookは会社名で友人を検索できないが、CONTACTでは「社名は思い出せるのに名前が出てこない……」といった人も社名で探せるほか、連絡先をタップすればそこからFacebookメッセンジャーでやりとりできるようになっている。さらに、WantedlyのプロフィールにTwitter、Google+、GitHubの情報があれば、それらも情報も連絡先に反映される仕様となっている。

ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子

前述の通り、iPhoneの連絡先アプリは山ほどある。ではなぜ、ウォンテッドリーは今さら連絡帳アプリを投入したのか? こう尋ねると仲暁子は、その理由を次のように話した。「既存の連絡帳アプリのほとんどはデザインが洗練されていなくてダサいんですよ。UIも直感的じゃない。私も連絡帳アプリを使っていなかったんですけど、有料版アプリ並みの機能を洗練させればニーズはあるし、私もこれだったら使う」。

最近はウォンテッドリーの顔として講演や取材対応、自社採用に注力してきた仲暁子だが、CONTACTは久々に開発の陣頭指揮をとったプロダクトなのだという。主なターゲットは「ウェブ業界以外のユーザー」。従来はWantedlyと接点がなかったユーザーを確保しようとしているようで、今秋までに15万ダウンロードを目指す。本業のソーシャルリクルーティングサービスは約2800社、約9万人が利用していて、企業数は約230社、ユーザー数は6000〜8000人ペースで毎月伸びているそうだ。


Twitter、ミュートを正式導入―アンフォローせずに特定の相手を非表示にできる

TwitterはAndroid、iPhone、ウェブの各クライアント向けにミュート機能を正式に導入した。ユーザーはこれによってアンフォローせずにフォローしている相手のツイートを一時的に非表示にできる。

ミュートをオンにした場合、相手の投稿はリツイートも含めてタイムラインに表示されず、プッシュ通知やSMSでの通知にも含まれなくなる。ミュートしていることはユーザー本人以外にはわからない。またいつでもミュートを解除できる。

ミュートは個別のツイートの「その他」を開いて選択する。歯車アイコンから「設定、プロフィール」を開いても設定できる。この機能は今日から数週間かけて全ユーザーに公開される予定だ。

ミュートは一部のサードパーティーのクライアントではすでに実装されている。たとえばTweetbotはネーティブ・ウェブ・クライアントとiOSでミュート機能を提供している。Tweetbotのミュートはユーザーだけでなく特定のキーワードやハッシュタグを対象とすることもできる。これだとうるさいチャットグループや興味のない事件がタイムラインを溢れかえらせるのを簡単に防ぐことができて便利だTwitterにもTweetbotのようなハッシュタグ、キーワードのミュート機能を提供してもらいたい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ソシャゲのノウハウは採用に生かせる? CAVとANRIが投資するのはグリー初期メンバーが提供するHR向けサービス

ソーシャルゲームの成功に必要なことの1つはリテンション、つまりいかに既存ユーザーにゲームを継続して遊んでもらうかだ。そのためには、ビッグデータの解析をして、ユーザーの傾向に適した施策を検討することは重要だ。そんなソーシャルゲームで培ったテクノロジーでHR領域、特に採用の改革を進めるのがハッチだ。同社は5月8日、サイバーエージェントベンチャーズおよびANRIから、総額7500万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

ハッチの設立は2013年8月。代表取締役の二宮明仁氏は、新卒でサイバーエージェントに入社して、19番目の社員としてグリーに転職。KDDIとの提携でスタートした「EZ GREE」のディレクションを担当。その後「クリノッペ」や「ハコニワ」、「海賊王国コロンブス」といったゲームに携わり、GREE Internationalの立ち上げにも参画。グリーが買収した米funzioの黒字化を進めたという人物。7年半のグリーでの経験を経てゲーム以外での起業を考えていたとのことだが、「新しい分野で業界の常識をひっくり返したいと思った。当初Edtech(教育×テクノロジー)をテーマにも考えたが、HR(人材)分野もテクノロジーオリエンテッドな会社が少ない。ここで今までのノウハウを生かせないかと考えた」(二宮氏)と、思いを語る。

同社が手がけるのは、HR向けのクラウドサービスブランド「Talentio(タレンティオ)」だ。機械学習やビッグデータ解析を基盤にした人材の管理ツールを展開していくという。その全体像については開発中の部分も多いということで詳細を聞くことができなかったが、4月より、コイニーやnanapi、フリークアウトなど一部の企業に限定して、採用の進捗管理機能を提供している。「データをきちんと蓄積して、スクリーニング、面接、といった人事担当者の作業を見えるようにする管理ツール。将来的には人材版のGoogle Analyticsといったようなものを作りたい」(二宮氏)。

採用の進捗管理や効率化では、すでにジャパンジョブポスティングサービスの「JobSuite」などがある。だがハッチでは、求職者と求人を募集する企業の両社にサービスを提供していくことを考えているようだ。求職者に対しては、自身の能力や才能をより発揮できる仕事やプロジェクトの発見を促し、ビジネスでのつながりを可視化するサービス。また企業に対しては、自社に最適な人材をより効率的かつ低コストで探し出し、採用・人事にまつわる様々なデータを蓄積し解析するサービスを考えているという。「求職者が自分の履歴や経歴を登録して、最適な仕事とマッチングできるようになる。また企業は、どういう人材が一番いい人材なのかといったことや、優秀な人材はどういったソースから来ているのかということが分析できるようになる」(二宮氏)。正直なところサイトが正式公開されていないし、僕も管理画面を1ページを見ただけなのでどこまでサービスが実現するのか分からないところがあるが、求職者から見れば「LinkedIn」のような機能が提供されることになるのだろうか。

同社では今回の調達をもとに、エンジニアの採用を実施。加えてインフラの増強やマーケティング強化を進める。また、サービスに興味のある企業の経営陣や人事限定でのサービス披露イベント「Talentio Secret Release Party」を開催する予定だ。


簡単に解読されてしまったNSAの暗号ツイート

NSAが暗号化されたメッセージをTwitterに流していた。

これはいったいなんだろうか。秘密任務の指示なのかとも話題になったが、Business Insiderの読者が暗号解読に成功した。いわゆる換字式暗号(substitution cypher)で、暗号化技法としてはごく初歩的なものだ。上に掲載したNSAのツイートでは、暗号文中の「c」は実は「t」で、「d」が「o」といった感じになる。

対訳形式でみてみよう。

tpfc [Want] cd [to] lfdt [know] tepc [what] ac [it] cplir [takes] cd [to] tdkl [work] pc [at] frp [NSA]? qeiql [Check] hpql [back] ipqe [each] odfgpw [Monday] af [in] opw [May] pr [as] ti [we] izxndki [explorer] qpkiikr [careers] irrifcapn [essential] cd [to] xkdciqcafm [protecting] dvk [our] fpcadf [nation].

おわかりになっただろうか。NASによるスタッフ募集関連ツイートの前宣伝ツイートであったわけだ。平文のみを抜き出すと次のようになる。

Want to know what it takes to work at NSA? Check back each Monday in May as we explore careers essential to protecting our nation.

この暗号を解読できる程度の実力があれば雇ってくれるということだろうか。期待した人には残念だが、そうではない。この程度の暗号を解読できる程度では、NSAにとって必要な人材であるということを示すことはできないのだ。おそらく換字式暗号についてはミリ秒単位で平文にしてくれるオンラインサービスなどもあると思う。

すなわちNSAがツイートした暗号に実用的な意味はない。暗号について興味をもってもらい、そしてNSAの仕事に関心をもってもらおうということで投稿されたものなのだろう。

IMAGE BY FLICKR USER JD Hancock UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

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(翻訳:Maeda, H


今年のf8でFacebookがローンチしたもののすべて…そしてその背景

今年のf8には、ステージでMark Zuckerbergのパロディを演ずるコメディアンのAndy Sandbergはいなかった。そして、それは賢明だった。今やFacebookは何百万人ものデベロッパの生活を支えているソーシャルネットワークだから、おふざけは似合わない。その代わり今度のf8は、Facebookのプラットホームがデベロッパに対して敵対的で勝手にコロコロ変わるというイメージを払拭し、彼らのアプリケーションの成長と収益に貢献する新しい方法を提供する、という方向に集中した。

それは、一般大衆にとっては、おもしろくなかったかもしれない。Zuckのキーノートには、Timelineが発表された2011年のときのような輝きと情熱がなかった。しかしデベロッパのためのカンファレンスを消費者製品のローンチで濁(にご)すことなく、メッセージは明快だった。Facebookは大人になり、デベロッパに頼りにされる存在でなければならない。

Zuckerbergによると、Facebookは“クロスプラットホームなプラットホーム”になりたいのだそうだ。iOS、Android、Windows Phone、Webなど、すべてのプラットホームを横断する、という意味だ。AppleやGoogleと違って、Facebookは自分自身がモバイルのオペレーティングシステムを持っていないから、このように構えるのが便利である。

しかしFacebookはあくまでもソーシャルのレイヤ(層)にすぎないから、f8で行われた数々の発表も、現実的で自分の立場をよくわきまえている。その多くは、Facebookの目的をデベロッパの目的と合わせる、という努力に関連している。デベロッパの成長を助け、良質なアプリケーションの開発に貢献するものを提供していけば、彼らの信頼と愛着を獲得でき、News Feedのコンテンツや、広告収入という形でFacebookへの大きな貢献が返ってくる。だからこの記事でFacebookがデベロッパの成長を助ける云々と言うときも、それは単純な博愛精神という意味ではない。

今年のf8を取り上げた記事の総覧はここにあるが、ここではf8でローンチされたもの*の概要と、それらのFacebookにとっての意味を見ていこう。〔*: 各プロダクト名は英語の名前のままとします。〕

広告とeコマース

Audience Network(オーディエンス(の)ネットワーク)

広告主がFacebookの個人データを利用して、サードパーティのパブリッシャーのアプリケーション上で、標準のバナー広告でもカスタムのネイティブ広告でもターゲティングができる。Facebookは広告収入の一部を取るが、残りはデベロッパへ行くので、デベロッパは自分のアプリケーション上の広告が収入源になる。

Why? 収入の増大のため。Facebook自身のサイトやアプリケーションをこれ以上広告で混雑させるのではなく、ユーザが自発的に提供している個人データや活動データのデータベースを、ほかのところに出る広告で収益に結びつける。

Autofill With Facebook(Facebookから自動記入)

Facebookは、前にテストしていたAutofillプロダクトを、Ecwidのプラットホームを使ってeコマースのサイトを構築している45万の商業者に対し展開した。Autofillは、ユーザがどこかのeコマースで買い物をしたとき、決済のためのクレジットカード情報などをFacebook上の自分のデータから供給して、はやく買い物ができる、という仕組みだ。

Why? Facebookはマージンを取らないが、Autofillから決済データが行くと、商業者から見て、広告媒体としてのFacebookの価値が上がるのだ。

プラットホームとしてのFacebook

Anonymous Login(匿名ログイン)

“試してから買う”ための方法。Anonymous Login(匿名ログイン)によりユーザは、違うユーザ名やパスワードを作ることなく、また自分の個人データを明け渡すことなく、アプリケーションのデモなどを試せる。そのときの活動はFacebookが記録するから、完全に匿名ではない。またデベロッパは‘匿名優先(anonymous-first)’というタイプのアプリケーションを作れる。それはSecretのクローンのように、ユーザの名前は使わないが、そのユーザの過去の投稿やハイスコア、進捗段階(今どこまで来ているか)などのデータは記録し更新する。

Why? ユーザが新しいアプリケーションを試したいだけのときには、もっと気軽にログインできるようにする。あとでそのユーザが名前や共有許可を与えるとFacebookはそのコンテンツを収益源にでき、フィードにシェアできる。どちらの場合も、デベロッパの利益にもなる。Facebook自身も、アプリケーションを‘匿名優先(anonymous-first)’にできる。

友だちのデータを取り出せないようにする

デベロッパはユーザの友だちのデータ、すなわち顔写真、誕生日、ステータスアップデート、チェックインなどを勝手に取り出せないようになる。

Why? 当人の許可なく個人データを利用できる、という状態は、つねにヤバい。Facebookはプライバシー保護がいいかげん、という世評がますます高まる。でもデベロッパは、アルバム閲覧、検索エンジン、カレンダー、位置マップなど、Facebook自身のプロダクトと競合するようなアプリケーションを作れなくなる。

モバイルのプライバシー許可の選別制

これまでの個人データの共有許可は、‘すべてのデータ’を意味した。今度からデベロッパは、自分が利用したいデータのチェックリストを提出して、許可を求める(友だちリスト、いいね!、メールアドレス、News Feedにポストできる能力、など)。

Why? ユーザがサードパーティのアプリケーションにデータを与えるときの、プライバシー保護と透明性とユーザサイドのコントロールを強化する。Facebookでログインすると安全だ、という信頼感を持っていただく。

中核的APIの2年間安定保証

今回のf8のテーマは”Stable Mobile Platform”(安定したモバイルプラットホーム)になり、スローガンはそれまでの”Move Fast And Break Things”(快足イノベーション)から”Move Fast With Stable Infra”(安定したインフラで快足を)に変わった。コアAPIを変えたり廃止したりするときは、2年以上前に伝達する。

Why? デベロッパが安心してFacebookのAPIでアプリケーションを作れるため。前のように、知らない間に変わっていた、なくなっていた、ということがないように。

Graph API 2.0

アプリケーションスコープのユーザIDによりセキュリティを強化
アプリケーションを試験するためのフレームワーク
Social Context APIによりユーザの友だちの活動にアプリケーション内でアクセス
Tagged Places APIでユーザの位置(場所)を利用、タグの改良、ストーリー中の招待。

Why? より強力なアプリケーションの構築。

FbStart

新人デベロッパにFacebookや11社のサードパーティ企業(UserTesting.comなど)のサービスの3万ドルぶんの無料利用を提供。それらのサービスは、A/Bテスト、デバッグ、Adobe Creative Cloudによるクリエイティブなプロジェクトのためのクラウドストレージ。

Why? Facebookがアプリケーションを始動させることにより、今後の広告収入やコンテンツなどで3万ドルは十分取り返せる。

モバイルのいいね!ボタン

モバイルアプリに埋め込めるいいね!ボタンにより、ユーザはNews Feedでコンテンツを友だちと容易にシェアできる。

Why? Facebookが広告収入を得られるコンテンツを、より多くシェアできるようにする。それと同時にアプリのオーディエンスを増やす。

Send to Mobile

Webアプリケーションのデベロッパがユーザにプッシュ通知で関連のモバイルアプリをダウンロードするよう、おすすめする。

Why? アプリのオーディエンスの増。

Message Dialog

デベロッパがモバイルアプリにこのダイアログを埋め込んでおくと、ユーザは友だちにプライベートでFacebook Messageして、アプリ内コンテンツやアプリそのもののリンクを知らせる。

Why? Messengerのエンゲージメントを強化し、アプリの成長を助ける。

AppLinks

このオープンソースの技術により、デベロッパはアプリ内にクロスプラットホームでほかのコンテンツやアプリへのリンクを張れる。そのリンク(“ディープリンク”)はリンク対象のアプリやコンテンツをブラウザのウィンドウではなくデバイスのスクリーン上に開く。

Why? ディープリンクが普及すると、それを広告内で使用して広告のエンゲージメント、ひいては広告収入を増やせる。たとえばHotelTonightのサイトを訪れなくても、直接、ニューヨークのホテルのディスカウントを利用できるだろう。

メディアのための視覚化API

テレビ番組などのメディアが、Facebook上の最新トレンドなどを視覚化して表示できる。トレンドは個人データを抜いて集計され、またそのトレンドの中心となっている層の特性(例: 10代の女性)も教える。また、特定の話題が言及されている公開ポストや、ハッシュタグの言及を集計できる。

Why? Facebookはメディアに、もっと自分のことを話題~ニュースソースにしてもらいたい。そうすれば、Facebookへのビジターが一層増えることだろう。

Parse

料金の変更

段階的な料金体系をやめて、一律の無料制を導入し、デベロッパが多く使ったぶんは後から請求がいく。無料の範囲内では、毎秒のAPIリクエストが30まで、ファイルストレージは20GB、データベースストレージも20GB、ファイル転送1TB、プッシュ通知は100万まで。

Why? Parseを多くのデベロッパに使ってもらうために、無料化。デベロッパたちを、このモバイルバックエンドサービスのとりこにしたい。

アクセス分析オフラインストレージ

Parseは分析プロダクトをアップデートして、デベロッパがオーディエンスやユーザ維持率に関してより深いインサイトを持てるようにした。オフラインストレージは、デベロッパがアプリケーションのデータをローカルに保存でき、インターネット接続がない状態でもアプリケーションを動かせる。

Why? Parseをよりロバストにして、安心して有料で利用するデベロッパを増やす。

Internet.orgとオープンソース

Internet.org Innovation Lab

FacebookとEricssonが今回初めてその実装を披露したInternet.orgプロジェクトは、地球上の50億の取り残された人びと全員をインターネットに接続できるようにする。デベロッパは、途上国に多い、遅くて途切れがちな接続の上でも使えるアプリを作れるために、そんなシミュレーション環境でアプリを試験できる。

Why? Internet.orgを、単なるお話で終わらせないこと。Facebookの無人機や衛星などが提供する安価なインターネット接続の上で、自分のアプリがまともに使えることを、デベロッパはテストし、必要なデバッグを行うことができる。

DisplayNode

Facebookが近く提供するオープンソースツールDisplay Nodeは、Paperアプリも使っており、アニメーションのレンダリングがよりスムースにできる。

Why? Facebookのモバイル技術の優秀性を見せつけて、優秀な人材を確保。デベロッパのアプリの改良と成長を支援。DisplayNodeの今後の開発を進めるコミュニティの育成。

今回のローンチの数々に感動しなかった人も、もっとビッグなアップデートを経験するために長く待つ必要はない。これまで、任意の間隔で行われていたf8が、これからは例年行事になる。

毎年恒例の行事になれば、打ち上げパーティーも簡素化され、これまでのように3時間ということはなくなるだろう。今回は、派手なライティングを浴びて真打ちのDiploが登場したころには、彼のDJに合わせて踊る、最後まで残った人びとは、Facebookの社員とボランティアの人たちばかりだった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Foursquare、チェックインを廃止して新アプリに移すと発表―Yelp的な推薦と発見に特化へ

Foursquareはコア機能を2つの新しいアプリに分割する計画を発表した。ひとつはレストランや店舗の推薦アプリだ。もうひとつは、ユーザーがチェックインすると付近でチェックインしている友だちが表示されるアプリで、ある種の「ソーシャル・ヒートマップ」ないし「アンビエント位置情報」のサービスだ。

後者の新アプリはSwarm〔昆虫の群、群衆〕という名だが、まだ公開されていない。ファウンダーのDennis Crowleyによれば、このアプリはInstant Messengerが友だちがオンラインかオフラインかを常に表示していることにヒントを得たのだという。Swarmは近所にいる友だちを表示し、会話を始めることができる。この種のアンビエント位置情報サービスは、以前から話題にはなっていたものの、Foursqureのような有力サービスが真剣に取り上げたことはこれまでなかった。

一方、Foursquareはコア部分のアプリもゼロから作り直している。最大の変更はチェックイン機能をSwarmに全面的に移行し、Foursquareアプリからは削除したことだ。新しいFoursquareはレストランや店舗の推薦と発見のサービスに特化する。

Vergeのインタビューで、Croweeyは「われわれの目的は単にチェックイン・ボタンを作ることではない」と述べている。しかしFoursquareが5年前にスタートしたときはチェックイン・ボタンが必要だった。ユーザーがどこに行き、何を共有し、どう評価するかというデータを収集しなければならかったからだ。そのデータは十分に収集できた。だからもうチェックインは必要ない、ということなのだろう。

その代わりに、FoursqareはYelp的な検索機能を提供する。ただし検索の結果はYelpとは全く異なる。単に「近くのピザ屋ベスト10」を表示するのではなく、Foursquareはユーザーやユーザーの友だちが行ったことがある店とその評価を考慮に入れてリストを作る。つまり個々のユーザーの好みとニーズにマッチした検索結果が提供できるというわけだ。

そういうわけでFoursquareは二分されることになった。しかし、当面の印象に過ぎないが、いろいろと懸念が残る。Foursquareを特徴づけてきたチェックインを今後はSwarmが一手に担い、新たに位置情報共有サービスとしてスタートするという。しかしこういうサービスに多くのユーザーが関心を示すだろうという証拠があるわけではない。似たような試みはHighlight、Circleなどが行ってきたが、どれも実験の域を大きく出るものではなかった。

Vergeのインタビューで、Crowley自身さえ、チェックインありのSwarmの素晴らしさよりチェックインなしのFoursquareの素晴らしさの方を熱心に説いていた。

要するにFoursquareはYelpに直接戦いを挑むという道を選択したということだろう。それ自身は理にかなった戦略だ。しかしSwarmは本気でトップクラスのサービスに成長させようと狙ったというより、チェックインをただ路上に投げ捨てる代わりになんとか再利用できないかと考えた結果のように思える。

新アプリはどちらもまだ公開されていないが、数週間後にはリリースされるようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


学習管理プラットフォーム「Studyplus」がAPIを公開–外部教材アプリとの連携を強化

“IT×教育”の分野を指す「EdTech」。その中でも、教育のコンテンツではなく、プラットフォームの提供を進めるスタートアップがスタディプラスだ。

同社が提供する学習管理プラットフォーム「Studyplus」は、受験生を中心に現在約40万人の学生が利用している。Studyplusでは、ユーザーである学生が、自分の勉強の記録をつけてグラフとして可視化したり、勉強仲間を作ってコミュニケーションをしたりする機能を備えている。

ユーザーのサービス満足度は非常に高いようで、App Store、Google Playともにアプリの評価は4以上。レビューも好意的な内容が目立っている。また3月にサービスを見たときなどは、「○○大学に合格しました!」といったメッセージが並んでいるのが印象的だった。最近では、東京・渋谷にあるオフィスに併設するかたちで学習室「STUDY LOUNGE」を設立。オンラインだけでなくリアルに学びの場を提供している(ちなみに数カ月以内にもスペース運営単体での黒字化が実現しそう、とのことだった)。

そんなStudlyplusだが、5月1日よりサービス連携に向けたAPIを一般公開する。このAPIを外部の教材アプリ開発者が利用することで、そのアプリでの学習記録をStudyplusで自動的に記録できるようになる。

すでに複数の外部開発者が対応を予定しているとのことで、同社では年内100以上の教育・学習系サービスとの連携を目指す。また、これとあわせて、APIを利用した自社開発の英単語学習アプリ「ラーニングドラゴン英単語 3300」もiOS向けに提供する。

ラーニングドラゴンは、スマホ向けゲームを模した英単語学習アプリ。単語の学習、4択クイズをこなすことで、敵を倒していくというRPG風のアプリとなる。中学卒業レベルから難関大学入試(TOEIC700点程度)までの単語に対応。基本プレイは無料で200単語までの学習に対応。それ以上のコンテンツを利用する場合、月額500円がかかる。「まずは(API連携の)可能性をこのアプリで見せたい。教育カテゴリのサービスがきちんと儲かって運営できるカテゴリにならないといけないと思っている」(スタディプラス代表取締役の廣瀬高志氏)

なお同社はこれまでストックフォト販売を手がけるアマナホールディングスやミクシィ、ベンチャーキャピタルのジャフコなどから資金調達をしているが、現在次の調達に向けての準備中とのことだ。


Facebookがトレンド情報などメディアが食いつきそうな一連の新API集合を提供開始

テレビのニュースなどのメディアソースが、これからは、Facebook上で、どんな人たちに何が人気かを、話題にすることができる。今日Facebookは、Trending、Topic Insights、Topic Feed、Hashtag Counter、などのAPIをローンチした。それはFacebookのPublic Content Solutions部門からの提供で、Facebookはこの部門の活躍により、メディアの関心を(今もっぱら彼らが集(たか)っている)Twitterから奪いたいのだ。

新しいAPIはこんなのだ:

  • Trending – Facebookで今トレンドになっている話題の一覧を個人情報ぬきで提供する。
  • Topic Insights – 特定の話題を話し合っている人たちの層特性をやはり名前などぬきで提供する。
  • Topic Feed – 特定の話題に関連する公開ポストを気になる言葉で検索し、フィードのランクを見る。
  • Hashtag Counter – 一定の時間内~期間内に特定のハッシュタグが言及された回数を数える。

たとえばテレビ番組Dancing With The Starsが、Facebookのデータを視覚化して見せたいと思ったら、どうするか。Trendingを使って、この番組がFacebook上でも人気があることを視聴者に教え、ついでに世界のニュースなども見せるだろう。Topic Insightsを使えば、この番組の人気が高いのはどの地方のどんな人たち(性別など)で、ほかにどんな関心をもっている連中かを視聴者に伝えられる。Topic Feedを使えば、Dancing With The Starsに関連するすべての公開ポストを見せられる。また、番組に出演している二つのダンスチームのハッシュタグを見せて、視聴者にどっちが好きか投票させ、その結果を比較して話題にすることもできる。

Topic Insights APIは前からあったのでは?と思った方は、それがまさに、去年ローンチしたKeyword Insights APIの進化形だからだ。メディアの連中は、Keyword Insights APIはあまりにも使い辛い、と言いつづけてきた。その話題に関連したものを何でも知りたいのに、利用者は検索するすべてのキーワードのリストを手作業で作らなければならない。これでは結果は“何でも”にならない。新しいAPIでは、利用者(メディアなど)は話題(トピック)の言葉を指定するだけでよい。関連ポストを探すのは、Facebook自身がやってくれる。たとえば”Red Sox”というチーム名のトピックをTopic Insightsで指定すれば、スタジアムのFenway Parkやチームの各選手などに関連したポストも調べられるだろう。

Facebookが、今現在のホットな話題に関するデータをテレビなどのメディアに提供するのは、なぜだろう? ユーザがそれらをテレビで見たら、自分もまた、Facebookへ行って、そのイベントについて投稿したり、誰かとおしゃべりしたくなるからだ。すなわち、Facebookのアクティブユーザ増強策の一環であります。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))