Foursquare、チェックインを廃止して新アプリに移すと発表―Yelp的な推薦と発見に特化へ

Foursquareはコア機能を2つの新しいアプリに分割する計画を発表した。ひとつはレストランや店舗の推薦アプリだ。もうひとつは、ユーザーがチェックインすると付近でチェックインしている友だちが表示されるアプリで、ある種の「ソーシャル・ヒートマップ」ないし「アンビエント位置情報」のサービスだ。

後者の新アプリはSwarm〔昆虫の群、群衆〕という名だが、まだ公開されていない。ファウンダーのDennis Crowleyによれば、このアプリはInstant Messengerが友だちがオンラインかオフラインかを常に表示していることにヒントを得たのだという。Swarmは近所にいる友だちを表示し、会話を始めることができる。この種のアンビエント位置情報サービスは、以前から話題にはなっていたものの、Foursqureのような有力サービスが真剣に取り上げたことはこれまでなかった。

一方、Foursquareはコア部分のアプリもゼロから作り直している。最大の変更はチェックイン機能をSwarmに全面的に移行し、Foursquareアプリからは削除したことだ。新しいFoursquareはレストランや店舗の推薦と発見のサービスに特化する。

Vergeのインタビューで、Croweeyは「われわれの目的は単にチェックイン・ボタンを作ることではない」と述べている。しかしFoursquareが5年前にスタートしたときはチェックイン・ボタンが必要だった。ユーザーがどこに行き、何を共有し、どう評価するかというデータを収集しなければならかったからだ。そのデータは十分に収集できた。だからもうチェックインは必要ない、ということなのだろう。

その代わりに、FoursqareはYelp的な検索機能を提供する。ただし検索の結果はYelpとは全く異なる。単に「近くのピザ屋ベスト10」を表示するのではなく、Foursquareはユーザーやユーザーの友だちが行ったことがある店とその評価を考慮に入れてリストを作る。つまり個々のユーザーの好みとニーズにマッチした検索結果が提供できるというわけだ。

そういうわけでFoursquareは二分されることになった。しかし、当面の印象に過ぎないが、いろいろと懸念が残る。Foursquareを特徴づけてきたチェックインを今後はSwarmが一手に担い、新たに位置情報共有サービスとしてスタートするという。しかしこういうサービスに多くのユーザーが関心を示すだろうという証拠があるわけではない。似たような試みはHighlight、Circleなどが行ってきたが、どれも実験の域を大きく出るものではなかった。

Vergeのインタビューで、Crowley自身さえ、チェックインありのSwarmの素晴らしさよりチェックインなしのFoursquareの素晴らしさの方を熱心に説いていた。

要するにFoursquareはYelpに直接戦いを挑むという道を選択したということだろう。それ自身は理にかなった戦略だ。しかしSwarmは本気でトップクラスのサービスに成長させようと狙ったというより、チェックインをただ路上に投げ捨てる代わりになんとか再利用できないかと考えた結果のように思える。

新アプリはどちらもまだ公開されていないが、数週間後にはリリースされるようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。