PhilipsのHue Tapは、照明を制御するエレガントなスイッチ

Philips Hueシステムを使えば、照明をスマートフォンで制御し、人の位置や時刻アラームに応じて自動化できる。私は今でも物理的スイッチを使って、Hueシステムのオン/オフを行っているが、それはiPhoneをロック解除してHueアプリを立ち上げ、「全消灯」などのシーンボタンを選ぶ方が手間がかかる、というのが大きな理由だ。Philipsもそれに気付いてたようで、新しい物理的スイッチ、Hue Tapは、これまでHueが抱えていた重要な欠陥に対するエレガントな解答だ。

Hue Tapは、ボタンを押すだけで自動的に今使っている照明システムのブリッジを見つけてくれる。私も簡単に接続することができ、その後Tapの特徴ある4つのボタンにカスタム機能を設定するのも比較的簡単だった。埋め込みボタン3つの他、盤面全体もボタンになっている。ボタンを押す力を利用していてバッテリーは不要だ。

ボタンには様々なタスクを設定できる。スマートフォンのHueアプリで作っておいたシーンの一つを選んだり、照明を全部消すこともできる。少々面倒に感じたのが、全消灯のためにボタンを1つ割り当てなくてはいけないことだ ― シーンに割り当てたボタンをもう一度押せば消灯できると思うがそうではない。

Hue Tapには、接着テープ付きの壁かけプレートが付いてくるので、すぐ壁に貼りつけることができる。反時計方向にTapを回せば、マウントから外して持ち歩ける。私は、寝室に昇る階段上に設置することにした。階下の照明スイッチがあればいいなといつも思っていた場所だ。ここからTapを外してベッドに持っていけば、寝る前に照明を消すことができる。

Philipsは、Hueライティングシステムを中心に、巨大なエコシステムを作ることを約束しており、このTapは、彼らが利用者の声を聞き、現在のHueの機能に問題があれば解決しようとする姿勢の現れだ。Hue Tapは、Philipsが新たに提供するすばらしい仲間であり、今使っているHueシステムを一段階アップグレードしてくれるだろう。

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この黒いサイコロがiPhoneの充電器をバッテリーに変える

世界はスマートフォン用の予備バッテリーで溢れている。この上、新しい製品を紹介する必要などなさそうだ。

しかし、このバッテリーのミニマリズム・デザインにはちょっと感心させられた。つまりユーザーはもうひとつ余計にガジェットを持ち歩く必要がない。手持ちのiPhoneの充電器が予備バッテリーに変身するのだ。

慌ただしくホテルの部屋をチェックアウトしようということに忘れ物をする確率がそれだけ減るというものだ。

今朝(米国時間7/30)、以前キーチェーンに取り付けられる超小型のiPhone用充電ケーブルChargeKeyを作ったNomadが発表したNomadPlusは1500mAhのバッテリーで、既存のiOSデバイス用充電器がすっぽりはまるようになっている。

念のために説明しておくと、1500mAhは残量ゼロのiPhone 5Sのバッテリーを70%まで充電できる。ただし出力は5V/1AなのでiPhoneには最適だが、iPadの充電は非常に遅い。

予約価格は40ドルだが、NomadのInstagramへの投稿によると、“nomadplus”というプロモーションコードを入力した場合、20ドルと半額に割引されるそうだ。私も試してみたが、ちゃんと割引された。ただしこのキャンペーンがいつまで続くのかは説明がなかった。

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Motaの99ドル3Dプリンターは「うますぎる話」だった

「手の届く価格で高品質な3Dプリンター」というのは「うますぎる話」だったと判明した。考えてみれば当然だ。

3Dプリンター市場は一種の不完全燃焼状態を続けている。夢を追うアーリーアダプターが熱狂して大金を投じるところまでは来たが、本格的な普及までまだまだ先は長い。特に価格の大幅な低下とプリント過程の簡易化は避けて通れない高いハードルだ。

市場調査会社のGartnerが唱えたハイプ・サイクル理論を借りるなら、現在の3Dプリンター市場はまさしく膨れ上がった過剰な期待が現実によって裏切られるという「幻滅期」に落ち込んでいる。

そこで3Dプリンターのメーカーは困難な選択を強いられる。大量販売が可能な安定期(Gartnerの図で「生産性の大地」とされる)を招くためには、一般ユーザーを取り込めるところまで価格を大幅に切り下げねばならない。高価な部品のコストを下げるにも大量生産しかない。ところが価格の切り下げを急ぎすぎると、製品の品質の低下を招く。ガラクタしか出力できないガラクタの製品になってしまう。

この点で最近、痛い教訓を得たのがMotaだった。7月の始めにMotaはKickstarterでMota 3Dという「誰にも手の届く価格の3Dプリンター」を製造するキャンペーンを開始した。大量生産効果を狙ってMotaは製品に99ドルという破格の値付けをした。おそらくは数千万ドルという規模の投資を集める計画だったのだろう(最近、この種のクラウドファンディングでは例外的な成功を収めたThe Micro 3Dプリンターでさえ数百万ドルの投資を集めるにとどまっている)。

開始後、数日でMotaはKickstarterキャンペーンを中止した。共同ファウンダーのKevin Faroは投資者に対してこう説明している。

われわれは実現不可能な約束をしたくないし、傑出したレベルに達していない製品の出荷もしたくありません。残念ながらわれわれの想定する高い品質を実現するためには大きなコストがかかることは判明しました。ここ数日の皆さんのコメントから多くのことを学びました。われわれは3Dプリンター・テクノロジーの本格的な普及が可能になるような価格引き下げを実現すべくさらに鋭意研究を続けることとしました。 このような次第で、われわれはこのプロジェクトをキャンセルします。

Motaの名誉のために断っておかねばならないが、彼らがプロジェクトをキャンセルしたのは(数日ですでに6万5000ドルが集まっていた)、金を集めたもののいっかな製品が出荷できなかったり、品質の劣った製品を出荷したりするよりずっとましだ(ハードウェアのクラウドファンディングではしばしばそういうことが起きている)。

もうひとつMotaの失敗の原因となったのはクローズドなビジネスモデルだった。Mataは3Dフィラメントに専用カートリッジを利用する。Kickstarterでは「ユーザーを縛り付けて高いカートリッジを売る」商法として批判が集中した。しかしフィラメント・カートリッジを自由に選べるようにすれば、現在のところ、プリンター本体をそう安くすることはできないだろう。

3Dプリンターのような初期のテクノロジーの市場は厳しい場所だ。今後も遠大なビジョンがプラスティックの現実の前に敗れ去ることが繰り返されるに違いない。

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壁面をタッチデバイスに変える、Android搭載プロジェクターのTouchPico

TouchPicoというプロジェクターがIndieGogoでのキャンペーンを開始した。これは、今年のCESにも登場したデバイスだ。ミッドレンジのAndroidデバイスとしての機能を持ち、また投影するスクリーンへのタッチを検知するためのカメラを搭載している。TouchPicoを使えば、壁面も大きなアンドロイドタブレットになってしまうわけだ。

先週、編集部ではこのTouchPicoに触ってみたが、そのレスポンスのはやさには驚かされた。正確に「画面」を操作するには付属のスタイラスを利用する必要があるものの、タップやスワイプへの反応速度は迅速で、またアプリケーションを切り替えることも容易に行える。搭載しているAndroidは最新版ではないものの、しかし慣れ親しんだインタフェースで操作することができる。

試してみた際には、子供向けのゲームやYouTube、そしてPowerPointプレゼンテーションなどを行なってみた。結果から言えばFruit Ninjaなどのレスポンスもまずまずだった。またドローアプリケーションへの反応も上々だったと言って良いだろう。但し部屋の明かりを暗くしてみても、Dawn of the Planet of the Apesの予告編ビデオは、あまり綺麗には見えなかった。尚、PowerPointのプレゼンテーションは、Google Playにあるフリーのアプリケーションをダウンロードして試してみた。当然かもしれないが、ノートPCをプロジェクターにつないで行うのに比べれば、もたつきが感じられた。

使ってみればいろいろと不満に感じるところはあるかもしれないが、しかし面白いデバイスであるのは間違いないところだ。HDMI入力も用意されているのでPCやゲーム、あるいはスマートフォンの出力用デバイスとしても利用できる。暗い色調のものを映し出すのは苦手分野であるようだが、明るい感じのアプリケーションなら不満なく表示することができよう。

IndieGogoでの価格は289ドル(早期割引が完了すれば500ドル)となっている。価格的にはiPad Miniの方が安い。多くの人は通常のアプリケーションが問題なく動くタブレットを購入する方を選ぶだろうと思う。表示も壁に映すよりはディスプレイを使う方が綺麗に決まっている。しかし家族向けなどの用途としてとても面白いのではないかと思う。懐かしのボードゲームを遊ぶように、何人かで集って遊ぶことができそうだ。マルチプレイヤーゲームなども面白いかもしれない。

また小さな場所でプレゼンテーションを頻繁に行うようなビジネスユーザーにも役立つデバイスであるかもしれない。プレゼンテーションのたびに神経質にセットアップを行う必要がないというのはメリットだろう。但し、そうしたニーズを抱えた人がどれほどいるのかはよくわからない。

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(翻訳:Maeda, H


デジタル一眼をスマホで操作するCase Remote

これは、旧世代のテクノロジーを、今やどこにでもあるタッチスクリーンのスマートフォンと融合させるちょっと気の利いたアイデアだ。Case Remoteは、デジタル一眼レフ用のワイヤレスリモコンで、AndroidまたはiOSスマートフォンのアプリと連携する。

なぜそんなことがしたいのか? 例えば、カメラの位置を決めた後、手を触れずにコントロールできる。さらにはビギナーにとって、デジ一の複雑な設定をいじる方法としてもずっと楽だ。カメラのいくつもある物理的ダイヤルやメニューと格闘せずにすむ。要するに、人々は物理的ダイヤルやボタンよりも、スマホのタッチ操作の方を快適に感じるようになった、ということだ。

アプリは、カメラから画像を直接ダウンロードできるので、ベストショットをネットでシェアするためのショートカットもある。

Case Remoteの専用アプリには、ライブビュー、ISO、シャッター速度等の設定、写真のダウンロード、高解像度画像のズーム表示、タイムラプス、HDR、フォーカススタッキング等の機能も塔載されている。

デバイスは、様々なメーカーやカメラ機種に対応している ― 個々のメーカー製の独自アプリよりも、互換性の点で有利。CanonのEOS、PowerShotdシリーズ、NikonのDシリーズおよび1シリーズ等数多くの機種がサポートされている。ただし、SonyとPanasonic製品では安定して動作しないと作者は言っている。

ちなみに、現在のIndiegogoキャンペーンはCase Remoteにとって2度目で、以前キャンペーンを実施したバージョン(未出荷)を機能アップしたものだ。9月の出荷時には、以前の支援者に対しても、最新の多機能版が送られる。

Case Remoteの価格は、Indiegogoの早期支援者には79ドル(以降は、99ドルまたは129ドル)で、ホットシューアダプターおよびストラップが付く。これは200トル以上するライバル製品よりかなり安い。大きさ5 x 5センチ、重さ50グラムは、他のワイヤレスコントローラーより小さくて軽いこともメーカーは強調している。

Case RemoteのIndiegogoキャンペーンは、フレキシブル・ファンディング・キャンペーンと呼ばれるもので、目標金額に達しなくても資金が送られる。初回のクラウドファンデイングには、当初目標の1万5000ドルを大きく上回る3万9000ドルが集まった。今回も24日を残して1万2000ドル以上をすでに集めている。あとは、スケジュール通りに製品を出荷することだけだ。

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曲がり角を振動で教えるスマートシューズ、Lechal

Google GlassもJawbone Upも忘れていい。次に来るウエアラブルの波は、インド生まれのスマートシューズだ。ヒンディー語で「私を連れていって」という意味のLechalは、Bluetooth内蔵のインソールだ。Google Mapsと連動して、指定したルートを行くのにどこで曲がればよいかを振動で教えてくれる。

Ducere Technologies Pvtが作ったこの靴は、専用アプリがGoogle Mapsと同期し、歩数と消費カロリーを記録する。靴本体は町中のジョギングに使える。

この時点で読者はこれを、ランナーのためのハイテクグッズの類だと思っているだろう。しかし、Lechalの応用範囲はもっと幅広い。このインソールは、今持っている靴にも大ていフィットする。運転中にSiriのナビではなく音楽を聞きたい? Lechalが、いつ曲がればよいかを振動で代わりに知らせてくれる。サイクリング、ハイキング、ウォーキングなどをしながら、5秒毎に地図を見たくない人にもぴったりだ。

この靴の元のアイデアは、視覚障害者のナビゲーションに役立てるためだった。世界保健機構(WHO)によると、世界の視覚障害者の約90%は、途上国に住んでいる。インドだけで20%前後だ。

下のビデオにあるように、ユーザーはスマートフォンのマップにピンを立てて、友達と会う場所を決めることもできる。靴は、待ち合わせ場所へ向かうための曲がり角を、触覚フィードバックで案内する。

Lechalには、Smart Assistの呼ばれる機能もあり、携帯電話が近くにないことを知らせてくれる。

スマートシューズのアイデアはこれが初めてではないが、ナビゲーションに取り組んだ製品は初めてだ。Aetrexは、アルツハイマー症などの認知症患者を追跡するスマートシューズを数年前に開発したが、触覚学習やナビゲーション、フィットネス等への応用例はない。

Lechalのアイデアとデザインは、米国で教育を受けたインド人エンジニア、Krispian LawrenceとAnirudh Sharmaの2名から生まれた。幼ない時から友達同志だった2人は、インドに戻ると2011年に、新たに誕生したテランガナ州にDucereを設立した。会社はたちまち大きくなり、現在社員は50名だ。Lechalは、Ducere社初の製品で、今年9月に100~150ドルで発売される予定。

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カフェインのイヤリングはいかが?―Amazon、カスタマイズできる3Dプリント製品ストアをオープン

Amazonは3Dプリント製品のストアをオープンした。このストアでは消費者はサイズ、色、素材、デザインの一部などを好みに応じてカスタマイズすることができる。取り扱い分野は宝飾品、エレクトロニクス製品、おもちゃ、ゲーム、インテリア製品、キッチン用品などで、MixeeSculpteo、3DLTなど多数のパートナーが製品を提供する。

Amazonは「このストアのデビューによって、従来よりはるかに柔軟に消費者の要求に応じることができるようになる」としている。Amazonのマーケットプレイス販売部門のディレクター、Petra Schindler-Carterはプレスリリースで「3Dプリント製品ストアはオンライン通販のパラダイムシフトの開始を告げるものだ。製造業は消費者の要求にこれまでよりはるかに機敏に対応することができる」と述べた。

ストアのオープンにともなってAmazonは3Dプリント製品を消費者が簡単にカスタマイズできるツールもリリースした。このウィジェットでは、基本的なデザインを選択し、色や素材(プラスティック、金属など)を指定すと360°全周方向から3Dでプレビューができる。また顧客は厚さ、直径などデザインのいくつかの部分をカスタマイズできる。

分野や素材によって価格はさまざまだが、安い製品の場合は30ドル台だ。

多くの主要国で最大級の小売企業であるAmazonが、消費者が直接カスタマイズ可能な3Dプリント製品の販売を始めたことは、製造業そのもののターニングポイントとなる可能性を秘めている。受注生産や小ロット生産の製品は3Dプリンターを利用することで製造コストが劇的に下がる。3Dプリント・テクノロジーが今後も発達を続けるなら、カバーされる製品の分野も加速度的に広がっていくだろう。

今のところAmazonは予めカタログに載せた製品しか販売しない。Shapewaysのようにユーザーがアップロードしたデータを3D出力するサービスは提供していない。しかし将来は、その方向へのドアも開かれるかもしれない。

〔日本版〕 カット写真は分子モデルアクセサリーで、写真はカフェインだというが、砂糖、ドーパミン、アスピリンなどいろいろなオプションがある。イヤリングとネックレスがあり、サイズは大中小、素材はナイロンかステンレスが選べる。

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スマートロックとクラウドソーシングが連携するとどうなる?エニタイムズとAKERUNが試験サービス


先日インキュベイトファンドとディー・エヌ・エーからの資金調達を発表した生活密着型クラウドソーシングサービス「Any+Times」運営のエニタイ ムズ。同社がスマートロックシステムの開発を手がけるAKERUN(アケルン:現在法人化準備中)と連携したサービスを9月から試験的に提供することを明らかにした。

Any+Timesは家事代行を中心としたクラウドソーシングサービス。これに、AKERUNが開発するスマートロックシステムを組み合わせることで、家事代行の際のセキュリティの向上や入退室管理、鍵共有の効率化を図るという。

AKERUNが手がけるスマートロックシステムの中核となる「鍵ロボット」は、あらかじめスマートフォンとBluetoothでペアリングしておけば、スマートフォンが扉(というかロック)に近づくだけで自動で鍵を開けることができるというもの。他者のスマートフォンへの開錠権限を付与したり、時間を設定して開錠するといった機能も備える。単三電池1本で1年間利用できるそうだ(電池の残量についてはスマートフォン経由で知らせてくれるらしい)。現時点では詳細を聞けなかったが、特許申請中の新技術でセキュリティも強化しているということだ。

この鍵ロボットを持つAny+Timesユーザーは、家事代行を依頼する際、サポーターズ(Any+Timesで家事代行を請け負うユーザー)のスマートフォンに対して開錠権限を付与できるようになる。これによって、サポーターズは直接依頼人と会う必要なく、スマートフォン1つ持って家事を代行できるようになるというわけだ。以前エニタイムズ代表取締役社長兼CEOの角田千佳氏に聞いたところ、「最近ではAirbnb向けに提供している部屋の掃除などでAny+Timesを利用するユーザーもいる」と話していたのだけれど、そんな場合でもサポーターズ向けに合い鍵を作ることは少しためらわれる。その点、この仕組みがあれば、いらぬトラブルを避けることができる。

AKERUNはハードウェアエンジニアやソフトウェアエンジニアなど9人からなるチーム。エニタイムズのウェブディレクターである小林奨氏もそのメンバーだったことから、今回の連携が実現したという。まずは数人のAny+Timesユーザーに鍵ロボットを無料貸与して、Any+Timesのスマートフォンアプリの提供に合わせて試験的にサービスを開始する。年内にも正式に鍵ロボットを販売するよう準備中とのことで、今後はクラウドファンディングなどを通じて資金を集める予定だという。価格は現時点では未定だが、2万円程度での販売を目指すそうだ。また、Any+Timesで利用する場合は割引購入できるプログラムも用意するとのこと。

これまでにも、「Kevo」や「Lockitron」(現在プレオーダーとなっている)、「Goji」といったスマートロックシステムが海外ではあったようだが、日本発のスマートロックはクラウドソーシングと連携してどのようなイノベーションを起こしてくれるのだろうか。


日本発! デジタルアートワーク作品の活躍場所を広げるFRAMEDが世界を相手に勝負中

本稿で紹介するFRAMEDは、デジタルアートをコンピューター画面から開放し、その活用範囲を広げようということを目的とする。このプロダクトで用いる、ウォルナット材でフレーミングしたフルHDのIPSディスプレイはそれだけでも存在感を持つ。しかしこれを単なるモニターでなく、映し出すアート作品と、モーションセンサーないし音声センサーを通じて「触れ合う」ことができるようにもなっている。

プロダクトを展開しているのは日本のスタートアップであるFRMだ。Kickstarterでプロジェクトを立ち上げたFRAMEDは、目標額の7万5000ドルを軽く突破し、終了日である8月20日までにまだ相当の日数を残しつつ、調達額は26万ドルを超えている。出荷時期は2015年3月を予定している。調達した資金はFRAMED最終的な製品加工に用いることになっているようだ。

ところでFRMは2011年に中村勇吾氏William Lai氏により設立された。中村氏は日本の有名ウェブデザイナーで、ユニクロ、無印良品、およびソニーなどを手がけた経験をもつ。Lai氏は東京のレコードレーベルであるTempleATSのプロデューサー兼ファウンダーだ。

FRMは、今回のKickstarterキャンペーン以前の3年にわたってFRAMEDを開発してきている。またCreative Applicationsを通じてFRMの主催するオープンマーケットプレイスにて流通するアート作品を集めてきている。このマーケットプレイスでは現在32名のアーティストが活躍中だ。マーケットプレイスの運営は3年を数え、サブスクリプションモデルでアート作品の提供を行なっている。今回のFRAMEDでは、デジタルアートの提供範囲をさらに広げたいと狙っている。

「FRAMEDにて、デジタルアートの可能性を感じて欲しいと考えているのです。モーションおよびサウンドセンサーを搭載することで、アーティスト側にとっても、鑑賞者とインタラクトするための仕掛けをいろいろと手に入れることができるわけです。従来のアート作品と比べて、はるかに多くの可能性を実現できると思っているのです」とLai氏は述べている。

FRMのマーケットプレイスで活躍中のアーティスト(作品はFRAMEDに表示することもできる)にはサンフランシスコ在住でソーシャルメディアやトレンド情報のデータをヴィジュアライズする作品などを提供しているAaron Koblinや太極拳マスターで、太極拳の動きを木、水、あるいはコンクリートなどの素材で表現するTai Chiを作成しているUniversal Everythingなどが含まれている。

 

また、フィットネスデータを含めた閲覧者像を画面に表示する「mirror」というプロジェクトも進行中だ。

「さまざまなデータを集め、また各種モーションセンサーからのデータも利用して、さらに睡眠習慣などのデータをビジュアライズして、アート作品を見る人自身の『オーラ』を表現できればと思っているのです」とLai氏は述べている。

FRAMEDに映し出せるフォーマットはGIF、ビデオ、Flash、openFrameworksなど多岐に及ぶ。もちろん外部から入手するアートワーク以外に、自分で用意したデータも表示することができる。24インチのプロダクトが449ドルから、あるいは48インチのものが1500ドルからという価格設定になっている。

尚、デジタルアートに興味を持つ人はElectric Objectsもチェックしておいて損はないだろうと思う。こちらもデジタルアート向けのディスプレイのキャンペーンを展開中で、やはり既に希望調達額を超えている。名前をEO1といい、価格的にはFRAMEDを下回っている。但し、モーションおよびサウンドセンサーを利用することはできない。

FRAMEDについての詳細はKickstarterページをご覧頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H


キーホルダーにも「スマート化」の波?! ― 予定通知、メールチェック機能などを搭載

世の中、「あらゆるもの」がスマート化しつつある。そうであればキーホルダーのみがその例外であると考える必要もないだろう。

登場してきたSmart Keychainは、そのコンパクトなボディに4つの機能を併せ持つデバイスだ。その機能とはUSBドライブ、カレンダーアラート、メール通知、そしてキーホルダーの場所を通知する機能だ。

ただしこれだけクラウドストレージが身近になった時代、携帯用のUSBドライブが必要なのかどうかは微妙なところだと思う。しかし予定のリマインダーやメール通知機能をキーホルダーに搭載するというのはあり得る話だろう。とくに「スマートウォッチはちょっと勘弁」と思っている人には役立つデバイスとなり得るのではなかろうか。

メール通知についてみると、Smart Keychainアプリケーションでは5人までの人を重要人物としてラベル付けできるようになっている。そしてその5人からのメールが届くと、キーホルダーに通知が来るようになっている。但しチェックは15分間隔となっている。寸刻を争うような事例については、スマートフォンを手元において注意を払い続けるしかなさそうだ。

個人的に最も気に入っているのは、電子的な仕組みというわけではないものの、やはり場所通知機能だ。スマートフォン側から操作することにより、キーホルダーに内蔵されたアラームがなるようになっている。

このデバイスは現在Indiegogoキャンペーン中だ。プレオーダー価格は59ドルからとなっており、USBドライブの容量を8GB、16GB、そして32GBの中から選ぶことができるようになっている。

今のところアプリケーションが用意されているのはiOS向けのみだが、Android版も開発中であるとのことだ。また、健康管理機能やポイントカード機能なども付け加えていく予定であるとのことだ。

詳細はこちらのキャンペーンページで見ることができる。

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(翻訳:Maeda, H


「職場エクササイズ」は普及するか? デスク下でペダル運動をするCubii登場

椅子に座った状態でデスクワークばかりを行うのは非常に身体に悪いのだそうだ。しかしスタンディングデスクに移行するのもさほど簡単ではない。自分ではスタンディングデスクを利用しているが、確かに座っている方がらくに感じる。しだいに慣れてくるものではあるが、それでも1日中立っているとふくらはぎや足の裏なども疲れてしまう。

そんなあれこれに対処するために登場してきたのがCubiiだ。オフィスで使っているデスクの下において使う、ペダル型のエクササイズマシンだ。仕事中でも単に座っているのではなく、ペダルを踏んでエクササイズを行おうとするものだ。

このCubii、見かけも仕組みも非常にシンプルなものではあるが、確かに機能デザイン的には十分な配慮もなされているようだ。たとえば一般的なペダル型エクササイズマシンと異なり、あまり膝を高くあげる必要がないようになっている。これはもちろん、仕事用デスクを裏から蹴飛ばしてしまったりしないようにと考えてのことだ。

またBluetoothにも対応していて、専用アプリケーションと通信を行うようにもなっている。すなわち、現代のフィットネスデバイスらしく、行ったエクササイズはきちんと計量できるようになっているのだ。

製作したのはシカゴのメーカーで、Kickstarterでのキャンペーンに持ち込んだ。まだ若干のキャンペーン期間を残しているが、無事に目標出会った8万ドルの資金を調達し、市場投入への第一歩を踏み出している。

Kickstarterでの早期割引は279ドルだったが、これはすべて申し込み終了となっており、現在の価格は299ドルとなっている。出荷開始は来年の1月を予定しているとのことだ。新年の誓いを忘れないうちにフィットネスを始めることができるかもしれない。

技術的にはとくに細かくみておく必要がある部分はなかろう。新しい仕組みを採用しているというわけでもない。ウォーキングデスクの導入は考えられないが、しかし職場でもエクササイズをしたいという人を対象としたデバイスだ。もちろん座り続けることの健康被害は意識しつつ、しかし一日中ずっと立ってはいられないという人にむけたソリューションでもある。

ところで以下は余計な話だ。Cubii製作チームが言うように、スタンディングデスクには高価なものが多い。しかしそれはおしゃれなメーカー品を望むからだとも言える。たとえば19ドルでイケアのコーヒーテーブルを買って、足の長さを調整して既存の机の上に乗せて使ったりしても良いわけだ。これであれば予算はかからず、なかなか快適に使うことができる(写真は私のスタンディングデスクだ)。

スタンディングデスク化すれば、机の下を物置に使うこともできるのが便利な点だ。たまりにたまったガジェット類をダンボールに詰めて、それを置いておくのにベストな場所だと思う。

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(翻訳:Maeda, H


スマートフォンのアンロックを行うためのタトゥーシール登場

実際にありそうなジョークグッズの話だろう、と最初は思った。しかしジョークではなく本当のプロダクトであるようだ。

モトローラがVivaLnkと提携し、スマートフォンをアンロックするのに利用できるタトゥーシールの提供に乗り出したらしい。これを利用すればPINコードの入力も不要になる。肌の上にタトゥーシールを貼り、そこにスマートフォンをかざせばアンロックできるというものだ。

身体埋め込み型アンロックシステムが使えるのならば、ジェスチャーや顔認識によるアンロック機能など無用になるのかもしれない。

どのような仕組みなのか。これは身体には影響のない(とされている)メディカルグレードの3M粘着テープにより、超薄型NFC回路を身体に貼り付けることにより動作させるものだ。

タトゥーシール10枚で10ドルとなっている。モトローラによれば水泳など各種エクササイズでも剥がれることはなく、5日間は皮膚に張り付いているはずだとのこと。つまり10枚組であれば1ヶ月以上にわたって利用できるということになる。

面白そうだとオーダーに走る人もいるかもしれないが、ちょっと注意事項も記しておこう。現在のところ、このタトゥーシール型アンロックシステムは、Motorola Xシリーズのみで利用できるようになっている(このような極限的ニッチプロダクトを、当初から多デバイス対応とするのはあまりにリスクが大きいのだ)。他のAndroidフォンを使っているような場合、このタトゥーシールを使ったアンロックはできない。

(尚、上のビデオではこのタトゥーシールが格好良く見えるように工夫したとも言っているが、どうやら何か病気による痣のように見えるという意見があることも付記しておく)。

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iPhoneを本格的赤外線カメラに変えるFLIR ONEがApple Storeに―明日から予約受付

映画プレデターで謎の生物が見ていたように世界を見ることができるようになる。iPhoneとFLIR ONEケースさえあればよい。FLIR ONEはiPhone 5またはiPhone 5sに取り付けて使用するケースで、本格的な赤外線カメラ(サーマル・イメージャー)機能を持ち、赤外線領域で物体の表面温度を測定して専用アプリでリアルタイムに映像化する。

このガジェットを利用すると相対的温度差で映像化された外界を観察することができる。Apple Store店頭とオンライン・サイトに8月に並ぶ予定だ。また明日からFLIR ONEのウェブサイトで予約を受付を開始する。

今年1月にCESでデモが行われたときに、われわれもFLIR ONEをテストしてみた。ベータ版だったが大いに感心した。FLIR ONEにはさまざまな実用的な用途がある。壁を剥がさずに建物の配管の水漏れやインシュレーターの不具合などを調べることができる。暗闇で迷子になったペットを探したり、夜の森で野生動物を観察するのにもよい。自動車の故障箇所をすばやく見つけるのにも、防犯にも役立つ。暗闇での人々の行動を覗いておもしろがるのにも使える。ビルのメンテナンス、自動車修理などのプロにも一般ユーザーにも使い道の広いガジェットだ。FLIR ONEの付属アプリにはタイムラプス、パノラマ合成などの機能も含まれ、応用範囲が広い。

FLIR ONEケースにはバッテリーが内蔵されており、連続して2時間使用できる。重量は110gほどだ。色は手持ちのiPhoneに合わせてスペースグレイ(これが最初に出荷される)、シルバー、ゴールドが選べる。明日、東部時間午前9時にFLIR ONEのサイトで予約受付が開始される。価格は349.99ドルだ。

〔日本版〕FLIRはForward Looking Infra Redの頭文字。当初は軍用航空機に搭載される赤外線前方監視装置を指したが、現在は赤外線イメージャー一般の名称となっている。発音は「フリア」。

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Google、インバータの小型化コンテスト開催―なんと賞金は100万ドル

今日(米国時間7/22)、Googleは Little Box Challengeの応募受付を開始した。5月に開催が発表されたこのコンテストは、インバーターの小型化、低価格化を競うもので、優勝賞金は100万ドルだ。

インバーターは直流を交流に変換する器具で、太陽電池や車のバッテリーなどの直流電源を交流に変えてさまざまな電気製品が使えるようにする。インバーターを小型化しコストパフォーマンスを高めることは地球上のさまざまな場所に電力を提供するのに役立つ。

応募の締め切りは9月30日で、優勝グループの発表は2016年1月が予定されている。登録チームは技術の概要と器具のサンプルを提出しなければならない。

このコンテストでGoogleはIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)と提携している。コンテストの詳細はこちら。.

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トイレ・パニックを防いでくれるトイレットペーパー残量検知メカ

きっと経験があるだろう。友人たちとの集まりを楽しんでいる最中に、こっそりと席を外してトイレに向かう。ほっと一息ついたのもつかの間、あるべき場所に白い紙がなく、無骨なダンボールの円筒しか見当たらない。作り付けの棚を見ても何もない。貯水タンクの下をのぞきこんでもやはり何もない。もはや何も考えられなくなってしまう。そうこうするうちに時間は経過する。誰かがドアをノックしても恥ずかしさもあって状況を伝えることもできない。

トイレットペーパーの残りが少なくなったことを伝えてくれるメカニズムさえあったなら、そのような窮地に陥ることもないのだ。自分と、そして愛する人を守るために、ぜひとも通知メカニズムが必要なのではないだろうか。

現在Kickstarterキャンペーン中のRollScoutが、まさにそうした状況から救ってくれるデバイスだ。トイレットペーパーの残量が危険レベルになると通知してくれるのだ。

電源は電池からとるようになっている。トイレの壁に据え付けて利用する。内蔵の赤外線センサーが残量低下を検知すると、通知用の円形ライトが点灯し、必要な準備が行えるようになるのだ。

場所が場所だけに外見にも心を配り、光沢あるクローム仕立てやアンティック・ブロンズ、つや消しニッケル、セラミック・ホワイト、あるいは14Kゴールドなどのバリエーションを用意する。

光で教えてくれるのも、確かに役に立つ。しかしたとえば、コンビニなどにいるときにアプリケーションで通知してくれれば一層便利なのではないかと思う人も多いことだろう。こちらの機能は目標調達額の次のゴールに到達すれば実装を考えようとしているそうだ。

キャンペーンの目標調達額は3万7500ドルだ。詳細はこちらののキャンペーンページにて確認できる。

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(翻訳:Maeda, H


Toyotaの最新ミニバンなら、脇見をせずに子供たちを静かにさせられる

最も満足感の高いテクノロジー改善は、時として驚くほど単純だ。

例えば、Toyotaの2015年型 Sienna Minivanには、運転席の親が、後部座席で騒ぐ子供たちを静かにさせるためのマイクロホンが組み込まれている。

後を振り向いて(あるいはバックミラーを大きく動かして ― 私の両親がやっていたように)怒鳴る代わりに、SiennaはDriver Easy Speakという機能を提供する。ドライバーはマイクを通じて、後部座席とコミュニケーションを取ることができる。

Driver Easy Speak機能は、ダッシュボードのタッチスクリーンでオン/オフを切り換えられる。

これは、今時の車が様々なテクノロジーによって、どれだけドライバーの気を散らしているかを考えると、実に賢い機能だ。そして、Siennaに組み込まれる脇見防止機能はこれだけではない。

このミニバンには、「プルダウン対話ミラー」オプションもあり、前部座席から、振り返ることなく後部座席の会話を確認できる。

さらにSiennaには,後部座席用のデュアルビュー・エンターテイメントシステムもあり、同時に2種類の画面を表示することができる。

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iOS 8最新ベータに、(ほぼ)リアルタイム書き起こし機能がついた

つい先ほどAppleのiOS 8 beta 4が公開され、新機能の一つとしてビジュアル化された書き起こし機能が加わった(上のビデオはMacRumorsより)。話した言葉が、ほぼリアルタイムでテキスト変換されているのがわかるだろう。これは以前Siriに登場した機能だが、メッセージその他のテキスト入力ボックスの音声入力オプションとしては初めてで、かなりクールだ。

ライブテキスト変換は、MicrosoftがCortanaで大々的に宣伝しているが、これには誰かを驚かせる以上の価値がある。話した言葉をシステムがどう解釈したかをその場で見られるので、エラーを見つけたり、言い間違えたりしたことがすぐにわかり、しゃべり終えて変換されるのを待つ必要がない。

これでエラーが少なくなり、テキスト変換を使うフラストレーションも減ることが期待できる。これは、見た目がカッコいいという副次効果以上のものだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Microsoft Surface Pro 3用のドッキングステーション、予約受付中

Microsoftは、先月発売したSurface Pro 3最新モデル用に、新しいアクセサリーを発売する。新たなガジェットは、ドッキングステーションと呼ばれ、Surface Pro 3に様々な外部入出力ポートを追加する。USB 3.0ポート、10/100/1000ギガビットイーサーネットポート、セキュリティーロックポート、等々だ。

この新しいドックは、既存のSurface Proドックに代わるもので、新しいSurface Pro 3がぴったり収まるようにデザイン変更され、タブレット型ポータブルPCを、見やすい角度で支える。他に、USB 2.0ポートが2基、Mini DisplayPort(Surface Pro 3本体の1基に加えて)等が追加された。新ドックを使うと、Surpface Pro 3ユーザーはUSB 3.0ポートを計6基を利用できるようになり、ビデオも本体画面以外に外部モニターを2台接続できる。

Surface Pro 3 ドッキングステーションは、現在予約受付中で、出荷予定は2014年8月15日。価格は199ドルと安くはないが、オフィスでもPro 3を活用したいモバイルワーカーにはアピールするかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ゲームボーイにRaspberry Piを突っ込んでエミュレーターを載せてみた

DIYが大好きでゲーマーでもあるJohn Hasslがゲームボーイに新たな生命を宿らせた。35ドルの手のひらサイズコンピューターであるRaspberry Piを埋め込んで再利用するのだ。Piをゲームボーイの筐体に埋め込み、そしてクラシックゲームのエミュレーションソフトウェアをのせて、昔なつかしのゲームをプレイできるようにしている。さらにHasslは背面に新たなボタンも配置し、より新しいエミュレーターにも対応できるように工夫してもいる。

このハックを自分で行うには、もちろんかなりの技術的ノウハウを要する。またハンダで手を汚す覚悟も必要だ。しかし手元にとりあえずでも動作するゲームボーイがあるのなら、費用はさほどかからない。またリペアツールやいろいろなパーツも持っているのなら、ACにつなぐのではなくバッテリーで利用するためのパーツなども見つけられるかもしれない(本体にはPiを入れるので、バッテリーは外部バッテリーが必要となる)。

Haasl同様、うちにもオーダーはしたもののとくに使い道のないRaspberry Piが転がっているし、もちろん(?)ゲームボーイもある。そこまでモノの準備が整っているのなら、試してみるべきなのかもしれない。リスク満載でだれも保証などしてくれはしない。しかしハックしたHaaslの幸せそうな様子をみると、ぜひとも手がけてみたくなるのだ。

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(翻訳:Maeda, H


Google Chromebook、四半期で100万台を売り教育市場向けに躍進中

先日行われた収支報告の席にて、Google、およびそのパートナーはこの四半期で教育機関向けに100万台のChromebooksを販売した旨を発表した。同四半期における世界中でのPC販売台数が7600万台であった(Gartnerレポートによる)ことを考えれば、教育機関限定とした場合での100万台はなかなかの数字だということができよう。

Chrome OSはその登場当初、多くの人が失敗するに違いないと考えていた。ブラウザしか動作しないデバイスを誰が欲しがるだろうか、と言われたものだった。しかし十分な収入を他から得ていたGoogleは、このプロダクトへの予算投入を全く躊躇わなかった。ダメだと言われる時代にも、あくまでもChrome OSプロダクトにこだわっていたのだ。そうこうするうちにウェブアプリケーションでできることは増え続け、Chromebookの使い道も増えていった。今日にいたっては、ほぼすべてのことをウェブアプリケーションで実行することができるようになっている(もちろんPhotoshopなど、従来型のアプリケーションを必要とするものも少なくはない)。「ウェブしか使えない」という制限も、さほど大きな欠点とはみなされなくなってきているのだ。

これまでは、多くの教育機関がiPadを購入してきたし、また生徒たちもChromebookよりもiPadに興味を示すことが多いだろう。しかしChromebookに比較すればiPadの値段は高価であり、管理も難しいとい面もある。Googleは多数のChromebookを一括管理する方法も構築している。少なくともこの面に関していえば、Appleが遅れを取っているといっても過言ではあるまい。

先月のI/Oデベロッパー・カンファレンスでもGoogleは、Google Play for Educationアプリケーションや電子書籍をAndroidタブレットのみならず、Chromebookからも利用できるようにするとアナウンスしていた。これに注目した人は意外に少なかったようだが、Googleの教育分野への本気度を示す発表であったと受け取るべきだろう。Googleは教育機関を、そのエコシステムのひとつとして取り込むことを決意したのだ。

Google Play for Educationのプロダクトマネージャーを務めるRick Borovoyは、カンファレンスの席上で、タブレットとChromebookの双方を用意する学校が多いのだとも話していた。

教育関連マーケットではこれまで、Appleがその強さを発揮していた。しかしハードウェア的な優位性はAppleにあるものの、価格面では他デバイスに軍配が上がっていたことは事実だ。iPadを導入するためには、教育機関としても必死の予算獲得戦略を練る必要があった。しかし200ドル程度のChromebookであれば、はるかに容易に導入できるわけだ。

ちなみにAppleのみならずMicrosoftもGoogleの教育分野への進出意図をうけて対策を練ろうとしていた。Chromebookの悪口を伝えようと努力していて(Pawn Stars広告を打っていた)が、それは結局将来性豊かな教育市場をGoogleに荒らされることを危惧していたわけだ。さらにMicrosoftは、Chromebookへのカウンターとしてローエンドかつロープライスなノートブックを市場に送り出そうとしている。しかし、Chrmebookがアピールする「エコシステム」は、「価格」以上の重要なポイントであり、これが教育機関におけるChromebookの存在感を増すことにつながったものと思われる。Microsoftも教育機関向けの教材アプリケーションを提供しようとしているものの、GoogleはGoogle Play内に教育専門の猟奇を設ける等、教員ないし生徒に対しても、アプリケーションや書籍の充実ぶりをアピールし続けている。

MicrosoftおよびAppleの双方ともに、Googleの教育分野での成長ぶりを意識していることは間違いない。このままGoogleが教育分野における存在感をましていけば、Googleの利用を第一に考える成人の比率をあげることにつながってしまう。AppleやMicrosoftはそうした面での意識は十分に備えていて、これまでは教育機関向けの割引などをいろいろと用意して対処してきていた。しかしどうやらGoogleはAppleやMicrosoftのやり方に学び、本気で両者に対抗しようとする意志を固めたのだというようにも見える。

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(翻訳:Maeda, H