Appleは2020年に没落, 3位の座も無理–USVのFred Wilsonが大胆予言

テク系VCのトップ企業の一つであるニューヨークのUnion Square Venturesの協同ファウンダFred Wilsonが、今日(米国時間5/5)のTechCrunch Disrupt NYCのステージに登場して、2020年にはAppleは今のような最大かつ最重要なテク企業ではなく、トップスリーにすら入っていないだろう、と語った。

彼の予言によると、2020年における三大テク企業は、GoogleとFacebook、そしてあと一つは“今は無名もしくはまだ存在していない企業だ”そうだ。

なぜか? Appleは、彼によると、“ハードウェアへの依存度が大きすぎる。クラウドが弱い。今のままでこれからも進化を続けることは、あまりにも難しい”。

“今後ハードウェアはますます、ブランド品ではなくジェネリックなコモディティ(commodity, 無印日用品)になっていく。今Appleがクラウドでやってることは、どれも良くない。彼らがデータやクラウドについて真剣に考えているとは、思えない”。

一方Twitterは、彼の考えでは、“4位か5位か6位か7位、2位3位は無理かもしれない”。

Appleの株価は過去12か月で31% も上がっているし、iPhoneやiPadの売上も好調だ。Wilsonの説は、これに真っ向から反している。

でもまた同時に、今ではスマートフォン市場でAndroidがiOSに大差をつけてトップだ。SamsungなどAndroid陣営の上位ハードウェアメーカーも、新規ユーザの獲得数ではAppleを抜こうとしている。

たった6年で彼の言うように形勢が逆転するとしたら、たしかに驚きだが、人気企業が急に没落する例は過去にもあった。そして結局盛り返せなかったYahooは、今年はついにFortune 500企業からも脱落、と予想されている。今年のリストの発表は6月だ。

今やどこへ行ってもワンパターンで言われるようになった言葉: “ソフトウェアが世界を食べ尽くす”も、もう一人のトップVC、Marc Andreessenの作だ。この言葉はこれから何年にもわたって、ますます真実味を増していくだろう。そしてハードウェアに関しては誰もが、単なるコモディティとしか思わなくなるのだ。

ステージで本誌TechCrunchのファウンダMichael Arrington(彼も今はVC)と対談したWilsonは、3位がどこになるかは分からないけど、“うちが筆頭投資家であってほしいね”、と言った。

〔余計な訳注: ちょっとドギツイことを言って、メディアに取り上げてもらうのが、このような談話での定石。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Oracleがクラウド上のマーケティング総合ショップMarketing Cloudを立ち上げ, 顧客のクラウド移行促進を積極化

Oracleが今日(米国時間4/30)、マーケティングの何でもあり総合ショップOracle Marketing Cloudを立ち上げた。そこには同社がこれまで買収した各社…EloquaCompendiumResponsysBlueKaiなどなどの技術が盛られている。

これらの顔ぶれからも分かるように、Marketing Cloudが提供する機能は相当幅広くて、ユーザは自社自店のマーケティングキャンペーンをWeb上、ソーシャルメディア上、モバイル上、それにメール利用で展開・管理できる。Oracleの既存のSocial Cloudとも統合されていて、コンテンツマーケティングのためのツールもある。

とくに重要なのは、これまでばらばらに提供してきたいろいろなマーケティング機能を、Marketing Cloudという傘の下にまとめたことだろう。プレスリリースでOracleは、三つの重要なセールスポイント… 単純性、エンタプライズ対応、顧客中心主義…を強調している。

とくに上の最後の点については、Marketing Cloudはマーケターに、顧客データの統一、多様なメディアからの最適オーディエンスの動員、パフォーマンスの分析(マーケティングキャンペーンの成績)などに関し、もっとも進んだクラウドベースのソリューションを提供する、と言っている。

また、同じく同社によれば、Marketing Cloudの初期のユーザはすでに成果を上げている。すなわちThomson Reutersはキャンペーンの成果と見なせる売上増が175%と報告し、Golden State WarriorsはTwitterのフォロワー数が300%増加した。そしてZurich NAでは、顧客リテンション(維持率)が10%増加した。

Oracleはこのプロダクトをニューヨークのイベントでローンチする。SVPのReggie Bradford(Oracleに買収されたVitrueのCEOだった人)に事前に聞いたところによると、今後は、顧客に対する移行費用の援助も含む、彼らの従来システムからの(クラウドへの)マイグレーション促進策を強力に進めていく。

Marketing CLoudに関する詳細はここに。

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Red HatがCephベースのストレージサービスInktankを買収, ビッグデータ時代の超巨大クラウドストレージでトップをねらう

オープンソースソフトウェアのプロバイダRed Hatが、ストレージの市場でAmazonなどと張り合う気のようだ。同社は今日(米国時間4/30)、オープンソースのストレージシステムを開発しているInktankをキャッシュ1億7500万ドルで買収する、と発表した。Red Hatによると、同社はInktankの主製品であるInktank Ceph Enterpriseと同社のGlusterFSによるストレージ製品を併合させる、そして今回の買収により同社は、オブジェクトやブロック、ファイルシステムといった多様な高レベルのストレージシステムを支えるオープンなソフトウェア定義ストレージの、最大のプロバイダになる。

Red HatのEVPでCTOのBrian Stevensは、声明文の中で次のように述べている: “Inktankが作り上げたきわめて活気あるコミュニティを今後も尊重し、ソフトウェア定義ストレージのデファクトのチョイスをよりオープンにしていく仕事に、共に取り組んでいきたい。Inktankは、Cephを軸とする強力なエコシステムを組み立てるという、すばらしい仕事を成し遂げた。今後われわれは彼らと一緒になって、この成功をさらに拡大していきたい。これらの強力でワールドクラスのオープンストレージ技術は、顧客がソフトウェアベースの、スケールアウト*可能なストレージシステムに移行していくときに、無視することのできない能力をを提供するだろう”。〔*: scale-out, 分散化による規模拡大。〕

これは、公開企業であるRed Hatの9つめの買収だ。これまでで最大の買収はミドルウェアのベンダJBossを4億2000万ドルで買ったときだが、Inktankはこれに次ぐ。そのほか、オンラインストレージのGluster、1億3600万ドルも、大きな買収だった。Glusterは、Red Hatの現在のストレージサービスのベースになっていると思われる。

Ceph EnterpriseのベースであるCephは、レガシーのストレージシステムをリプレースするものとして開発されたが、実際にはAmazon S3など既存のストレージサービスに代わるもの、あるいはそれらと競合するものとも見られている。AmazonのS3やElastic Block Storageなどのように、各種のオプションを通じてユーザが構成を決めるのではなく、Cephではサービスプロバイダや企業などのユーザが独自のストレージシステムを組み立てられる。Cephのねらいは、エクサバイト級あるいはそれ以上の巨大なストレージシステム/ファイルシステムを、高いコスト効率で提供することにある。

Inktankの顧客はCisco、CERN、Deutsche Telekomなどで、パートナーはDell、Alcatel-Lucentなどだ。今後彼らは、Red Hatの顧客およびパートナーとしてCeph Enterpriseとの関係を持続する。

サンフランシスコに本社を置くInktankは、2012年の創業以来、およそ1440万ドルの資金を獲得してきた。主な投資家は、(Ubuntuの)CanonicalのファウンダMark ShuttleworthとクラウドホスティングDreamHostのオーナー企業New Dream Networkだ。後者の協同ファウンダSage Weil(Cephのデベロッパの一人)が、InktankのファウンダでCTOだ。

今回の買収によってInktankの主製品がRed HatのRHELなどと最初からセットになって売られる可能性が生じるため、Inktankにとっては大きな成長の機会になる。〔*: Ceph本体は最近のLinuxカーネルにデフォルトで含まれている。〕

Weilは、声明文の中で次のように述べている: “Red Hatとわれわれは、かねてから、オープンソースとオープンスタンダードと顧客の成功へのコミットメントを共有している。この二者がこのたび合体したことは、きわめてエキサイティングな事件である。われわれのオープンストレージテクノロジは、これからのクラウドコンピューティングの時代におけるデータ管理業務にとって、必須の技術になると確信している。Red Hatとの協働により、さらに重要なイノベーションを推進できるようになり、業界全体に大きな貢献を果たしていけるものと信ずる。とくに、OpenStackのような既存及び近未来のデータセンターのアーキテクチャが、オープンストレージのソリューションを統合していくことは確実であり、われわれはその需要にお応えしていきたい”。

Cephという奇妙な名前は、同社の注記によれば、ペットの蛸(たこ)のニックネームだ。社名やプロダクト名は、そこから派生している:

“Ceph”は、ペットの蛸、すなわちcephalopod(頭足動物)によくつけられる名前だ。Cephは最初、弊社のCTO Sage Weilの、UC Santa Cruz(カリフォルニア大学サンタクルーズ校)における博士論文のためのプロジェクトとして始められた。UCSCには前から、Sammyという名のウミウシのペットがいたが、蛸も軟体動物として、大人気のSammyの仲間である。蛸は複数の足を高度に並列で動かすことができるので、このプロジェクトの名前としても合っていた。そしてCephのプロダクトを作っていく企業を作ったときには、蛸が出す“インク”にあやかって、その社名をInktankとした。いわばわれわれInktankの社員一人々々は、Cephが放出するインクの一滴のようなものである。

買収の完了は、2014年5月と予定されている。

画像: Flickr

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ストリーミング機能ありで容量無制限のクラウドストレージサービスStreemがY Combinatorを卒業して本番ローンチ

大きなメディアファイルをたくさん保存したい、と願っていた人にとっては、Streemが理想のクラウドストレージサービスかもしれない。

Y Combinatorから巣立った同社は先週、そのメインプロダクトであるStreem Driveをローンチし、87万5000ドルのシード資金を得たことを発表した。

協同ファウンダでCEOのRitik Malhotraは、Streemをメディアファイルの保存のためによく使われる外付けハードディスクと比較する。これまでのクラウドストレージサービスは、外付けドライブのようにローカルな感覚で気軽に使えない、と彼は言う。ハードドライブにあるものをすべてコピーしておこうと思っても(コピーだけならできるが)、大量のHDビデオを抱えている者にとってはクラウドの容量が小さすぎる。たとえばDropboxなら、無料アカウントでは2GB、Proプランは100、200、500GB(ほぼ10ドル、20ドル、50ドル/月)だ。

しかしStreemなら、月額20ドルで容量は無制限だ。同社にそれができるのは、Malhotraによると、重複排除と圧縮を併用しているからだ。“重複排除のスペース節約効果はとても大きい”、と彼は言う。

ファイルの使い方などは自分のハードディスク上のファイルと同じだが、クラウドだからローカルなスペースはまったく消費しない。Malhotraによると、その技術はメディア向けに最適化されており、たとえばビデオストリーミングのクォリティはユーザの帯域に合わせて調整される。

Streemのアプリケーション/アプリは、Mac、Windows、Linux、iOS、Android、そしてWeb用がそれぞれある。

資金は、YC、500 Startups、Start Fund、IronFire Capital、Arbor Ventures、Grooveshark/OnswipeのファウンダAndres Barreto、そのほか多くのエンジェル投資家たちから出ている。

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Aereoの最高裁の戦い, いよいよ明日始まる…CEO Chet Kanojiaインタビュー

昨年、テレビ放送をストリーミングするサービスAereoは、同社を空から締め出そうとする放送業界と三つの州の法廷で戦った。“空から”というのは、つまり…。

明日(米国時間4/22)、この訴訟はいよいよ、最高裁判所という大舞台に移り、まず双方の弁護士が口頭弁論を行う。

この訴訟はきわめて複雑で、放送企業側は、Aereoに自分たちに著作権のあるコンテンツをストリーミングする権利はない、と主張し、Aereoはコンテンツの受信や録画の仕方は消費者が自由に選べる、同社はその選択肢の一つとしてリモートのアンテナを提供しているにすぎない、と反駁する。

この訴訟には多くの関連判例があり、たとえばSonyのBetamaxに関する裁定は、消費者にテレビ放送をVCRに記録する権利を与えた。最近のCablevisionの判例では、著作権のあるコンテンツを合法的に取得するのであれば、消費者には自分が選んだ方法でそれをストリーミングあるいは記録する権利がある、コンテンツそのものがリビングの箱の中に保存されているかクラウドにあるかは、問われない、と裁定した。

またこの訴訟の結果は、DropboxやGoogle Driveのようなストレージサービスにも影響を及ぼすだろう

多くの要素が複雑に絡み合っている問題なので、ここではAereoのCEO Chet Kanojiaに登場していただき、彼自身の言葉でこの訴訟を説明していただくことにした。

Aereoの技術を間近で見てみたい方は、このボストンのビルの屋上の写真をご覧いただきたい。明日は、法廷でたっぷり取材するつもりなので、お楽しみに。

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ホスティングのLinodeが$45Mを投じて全面SSD化、ユーザRAMを倍増

ホスティングの世界はDigitalOceanなど新人の登場によりこのところ競争が激しくなっており、おかげでユーザはさまざまな漁夫の利を得ている。今日(米国時間4/17)は中堅のLinodeが4500万ドルを投じて、そのサービスの基盤であるハードウェアとネットワーキングインフラストラクチャを改良する、という競合対策を発表した

具体的には、全ユーザのRAMを一律に倍増し、ハードディスクをやめてSSDに切り替え、料金は据え置く。また各サーバのネットワークスループットを2Gbpsから40Gbpsに拡大する。

SSDへの移行は、このところホスティング屋さんたちのスタンダードになりつつあるから、それほど意外ではない。DigitalOceanはそれをマーケティングの軸にしているし、MediaTempleも大きな投資をしている。Linodeによると、SSDを使うと新たなサーバの準備と立ち上げが1分以下でできるし、アプリケーションのレスポンスタイムもよくなる。

同社はさらに、プロセッサを更新した(Intel Xeon E5 2680v2 Ivy Bridge)。これによりLinode上の典型的な仮想マシンは、パフォーマンスを落とさずに仮想CPUの数を減らせるし、コンテンションも少なくなる。

Linodesの料金は前と変わらず、最低が月額20ドル(または1時間0.03ドル)だ。最低レベルのサーバは、RAM 2GB、SSD 48GB、仮想CPUコア2、データ転送量3TB、アウトバウンド帯域250Mbps、という仕様だ。

同社によると、今回のアップデート によってLinodeは単なるVPSプロバイダから、AWSやRackspace、IBMなどと横並びできる本格的なクラウドホスティングプロバイダになる。料金は月額制から従量制に移行し、実際にサーバを動かした時間に対して課金される(上表の月額は‘上限額’)。それはクラウドサービスのプロバイダのほぼスタンダードだが、サービスの内容が今の単なる標準サーバの提供以上に濃くなるのか、そこらはまだ明らかでない。

Linodeの既存のユーザは自分のダッシュボードからアップグレードできるが、その間、約20分のダウンタイムが生じる。ただし32ビットのカーネルを使っているユーザは、切り替えが2か月後になる。新規ユーザのサーバは、最初から新しいハードウェアの上で動く。

画像クレジット: Bob Mical, CC 2.0のライセンスによる

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Red HatがEnterprise LinuxとPaaSプラットホームOpenShiftでDockerをサポートへ

Red HatとDocker.ioの今日(米国時間4/15)の発表によると、両社の協働により、DockerのコンテナテクノロジがRed Hat Enterprise Linuxの招待制ベータと、Red HatのPaaSプラットホームサービスOpenShiftに導入されることになった。

Dockerの最初のリリースは約1年前だったが、またたくまに人気が拡大し、従来の仮想化技術に代わってソフトウェアコンテナを使いたいと願うデベロッパたちのツールとして広まった。商用レベルでDockerプロジェクトの面倒をみている組織が、Docker.io だ。

Red Hat Enterprise Linux 7は現在ベータで、コンテナとしてはDockerをメインにサポートしている。Dockerの側では、企業がRed Hat Enterprise LinuxとOpenShiftをベースとしてパイロット事業を作っていくためのサービス、JumpStartを発表した。このサービスは企業にDockerに関する教育訓練と、Docker Registryのインストール、そしてDockerの商用サポートを提供する。

Red HatのCTO Brian Stevensは今日の発表声明の中で次のようにのべている: “Red HatにはLinux Containersをはじめ、革新的な技術の開発と投資と育成に貢献してきた伝統があり、またオープンソースの世界に対しても長年、数多くの寄与貢献を果たしてきた。Dockerの技術は、企業のコンテナ採用を阻んでいたバリヤを取り除くものであり、その使いやすさと、アプリケーションのパッケージングとインフラストラクチャの統合ぶりは、われわれにとってきわめてエキサイティングである”。

Red HatとDockerの協働は、これが初めてではない。両社は昨年、Red HatのLinuxディストリビューションFedora LinuxにDockerをパッケージングすることと、ファイルシステムのディペンデンシーおよびコンテナのプロビジョニングで協働することを発表した。また先月Red Hatは、そのアプリケーション認定事業を拡大して、コンテナ化されたアプリケーションも含む、と発表した。そのときの同社の声明では、Red Hat Enterprise Linuxを使って構築されコンテナ化されたアプリケーションが、複数の認定コンテナホストで動く、とされた。

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最高裁で死ぬか生きるか風前の灯のAereoがChromecastのサポートを発表

最高裁にサービスの合法性を確信させなければならないという、たいへんな状況を今抱えているAereoは、それでも前進をやめない。

Aereoの名を初めて見る読者もいるかもしれないが、同社は、(アメリカ人の標準である)ケーブルテレビ経由でテレビを見たくない人のために、小さなアンテナを月額8ドルで貸し出し、そのアンテナが受信した内容をインターネット経由でユーザに送ったり、あるいはユーザの指示で番組を録画したりする。ケーブル企業は、彼らがテレビ局に払っている再送信料をAereoは払っていないから違法だ、と主張している。Aereoは連邦地裁レベルの二度の裁判にどちらも勝訴したが、4月22日には最高裁の審理が始まる。

同社はこのほど、12月に予告したとおり、5月29日からChromecastのサポートを開始する、と公式に発表した。

なお、AereoのChromecastサポートは当面Androidのみだ。AereoのiOSアプリはもちろんあるが、それはまだChromecastをサポートしない。

そしてもちろん、これはAereoが最高裁で勝訴したら、という前提がつく。Aereoのメインの投資家であるBarry Dillerは、最高裁で敗訴したらほぼ終わりだ、と覚悟を述べている。

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Dropbox、Microsoft Officeで共同作業ができるツール、Project Harmonyを開発中

昨日(米国時間4/9)、サンフランシスコで開催されたプレスイベントでDropboxはProject Harmonyという新し共同作業ツールの開発を行っていることを発表した。DropboxのユーザーはMicrosoft OfficeのPowerpoint、Word、Excelを使って他のユーザーと共同作業ができるようになる。

今年中にローンチされる予定のProject Harmonyは、ユーザーがDropboxの他のユーザーとMicrosoft Officeの各文書を共有し、共同で編集し、チャットができるようにする。

Dropbox CEO、Drew Houstonはプレスイベントの壇上で、「これまで共同して一つの文書を作るとき、ユーザー間でメールにファイルを添付してやりとりするなどし、その結果『プレゼン』、『プレゼンv2』、『プレゼンv3』などと際限なくバージョンが増えていた。Project Harmonyはそういう問題を無くす」と説明した。詳細は今週金曜〔日本時間土曜日〕に発表されるDropboxの公式ブログに掲載されるという。

一見したところ、このような共同作業ツールはGoogleドキュメントや中止されたGoogle Waveなどに近い機能のように思える。しかし運営者がDropboxでMicrosoft Officeが対象というのは画期的だ。技術的に見ると、異なるユーザーが異なるOSで異なるバージョンのOfficeを使っていても同期させることができるようにするのは大事業だ。

世界中で膨大な数の企業がMicrosoft Officeを使っていることを考えればProject Harmonyが予定どおり開発にり成功すればその影響は図り知れない。

DropboxはHarmonyの対象を将来さらに拡大していくという。Dropboxの社員はプレスイベントの壇上でプロトタイプのデモする際に「われわれはHarmonyを〔Microsoft Officeだけでなく〕他の多くのアプリケーションでも動作するようにしていく」と語った。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleジャパン卒業生が手がけるクラウド予約管理サービス「Coubic」

クービックは4月10日、クラウド予約管理サービス「Coubic(クービック)」を公開した。

Coubicは、スモールビジネス向けのクラウド予約管理サービス。ホームページ作成から予約・顧客管理までの機能をワンストップで提供する。作成したいページのURLやメールアドレスなどを登録するだけでページの作成が可能。あとはショップの紹介文を書き、予約の登録をすればいい。スマートフォンアプリを利用すれば予約をプッシュ通知で知ることもできる。

無料プランのほか、予約数や表示件数にあわせて月額980円の「ベーシックプラン」、月額4980円の「プレミアムプラン」を用意する。7月までの期間限定ですべての機能を無料で利用できる。

クービックによると、これまで50社でのトライアル運用を続けてきたとこのことで、ヨガスタジオからネイルサロン、エステサロン、マッサージ、英会話教室、試乗会、セミナー、採用活動など多様なビジネスシーンをサポートするとしている。こちらのテスラモーターズの試乗会予約ページもCoubicを利用したものだ。

クービックは2013年10月の設立。Google、グリー、クックパッドなどで開発に携わってきたメンバーが創業した。代表取締役の倉岡寛氏もGoogleの出身だ。

実はこのクービック、本日記者説明会を開催する予定だったが、入居するビルで火事があり、説明会がキャンセルされてしまった(幸い同社の社員などに被害はなかったと聞いている。本当によかった)。というわけで、是非とも近日中に詳細を聞いてみたいと思っている。


パワポキラーPreziがユーザ数4000万に–急成長は今も続く

Dropboxのユーザ数が2億7500万に達し、昨年11月の2億からの急速な増加を見た、というニュースは、SaaSのスタートアップがあちこちで古い世界を破壊しつつあることの、さらなる証拠だ。同じく、PowerPointのような古いプレゼンテーションソフトウェアも、クラウド上のプラットホームに徐々に侵食されている。今日(米国時間4/9)はその一つ、Preziが、ユーザ数が4000万に達したと発表した。

昨年10月の発表では 3000万だったから、半年足らずで1000万も稼いだことになるが、立ち上げ当初の2009年には、わずか20万だった。

2007年に創業されたEvernoteは5歳でユーザ数6500万に達したが、でもそれはほとんど合衆国だ。同社の国際展開はずっと遅く、2013年にやっとドイツ進出を果たしたばかりだ。

Preziは今年で5歳だが、すでにスペインや韓国、日本、ポルトガル、フランス、ドイツで使われている。だから今後は、さらに伸びるだろう。過去半年間、毎日の新規登録ユーザ数は約55000だった、と同社は公言している。

今後のPreziに関しては、その一種独特なユーザ体験(UX)で本当にPowerPointを追い越せるのか、それとも、やがて成長は停滞してユーザ数が横ばいになるのか、そのあたりが見どころだ。

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Dropbox、ユーザーの写真すべてを保存・共有するアプリ、Carouselを発表

Dropboxは今朝(米国時間4/9)、サンフランシスコで開催したプレスイベントでユーザーが2億7500万人に達したこを明らかにする同時に、Carouselという野心的なアプリを公開した。これは写真とビデオのアーカイブと共有のためのプラットフォームで、この分野の新たなデフォールト・サービスとなることを狙っている。

アプリはiOS版とAndroid版が用意され、どちらもCarousel.comからアクセスできる。Dropboxによると、このアプリはユーザーが契約しているDropboxの容量の限界まで、いくらでも写真やビデオを保管でき、デスクトップからもiOS、Androidデバイスからも自由にアクセスできる。

Mailboxのファウンダーで、Dropboxの幹部であるGentry UnderwoodがCarouselの発表プレゼンを行った。Underwoodによれば、このアプリを使えば非公開で写真やビデオを共有する場合にメールの添付ファイルのサイズ制限を気にする必要がないという。Carouselアプリの共有ツールはメールアドレスだけでなく電話番号も認識する。また受け取り相手はDropboxのアカウントを持っている必要がない。

DropboxはCarouselを「すべての思い出を一箇所に保存できる」サービスだとしている。アプリから写真を読み出すスピードはデバイスのオリジナルの写真ギャラリーより高速なぐらいだという。

Carouselは非常に巨大なビジネスになりそうだが、一方、高い技術力を持つ巨大企業が写真の保管と共有アプリの分野にはいくつも存在する。CarouselのリリースでDropboxはFacebook、Yahoo、Googleなどのライバルとの直接対決に踏み出したことになる。

アップデート:この記事ではCarouselのストレージ容量について「それぞれのユーザーのDropboxのストレージ容量を上限とする」という意味の記述を加えた。

写真:Flickr Lloyd Morgan CC by-SA 2.0 license

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Dropbox、1億ドルで買収した人気のメール整理アプリ、MailboxのAndroid版を発表

iOS向けメール管理アプリMailbox1億ドル前後で買収してから1年後、今日(米国時間4/9)、DropboxはMailbox for Androidをリリースした。同時にデスクトップ(Mac)向けのプレビュー版も公開された。また、読む必要のないメールをアーカイブするだけでなく、同様のメールをその後自動的にアーカイブするオートスワイプ(Auto-swipe)機能も発表された。

Dropboxは今日、サンフランシスコで大がかりなプレスイベントを開催し、ユーザーが2億7500万人に達したことを明らかにした。またDropboxを使ってMicrosoftのWord、Excel、Powerpointで共同作業ができるサービス 、Project Harmonyなどいくつかの重要な新しいプロダクトが発表された。

Android版MailboxはオリジナルのiOS版とほとんど同様の機能で、Google Playからすでにダウンロードできる。

〔日本版:日本のPlay Store。Android版Mailboxを利用するには事前に最新版Dropboxのインストールが必要。Playストアの説明は日本語化されているが最初の起動時に表示されるガイドツアーを含めてアプリ自体のUIは英語〕

Mac版のデザインはシンプル極まりない。モバイル版ではアーカイブや削除などの動作はすべてスワイプで行うが、デスクトプではトラックパッドをジェスチャーに利用できる。Macのプレビュー版を試したいユーザーはこのページの一番下からダウンロードできる。

こちらがデスクトップ版のスクリーショット。

オートスワイプ機能についてMailboxチームは「一度タップするだけで明日から確実にメールの数を減らせる」と説明した。われわれは毎日毎日同じようなスパムを受け取り、そのつどアーカイブしている。しかしスパム・メールの「配信停止」ボタンはわかりにくいところに隠されていたり、実際には機能しないことも多い。

Mailboxのオート・スワイプは広告や勧誘などの迷惑メールを簡単に退治できる。Mailboxはユーザーがメールをアーカイブしたり「後で読む」に分類したりするパターンを学習して不要メールを識別する。やがてユーザーに代わって自動的に不要メールをアーカイブしてくれるようになる。ユーザーの選択パターンはDropboxに保存され、どのデバイスでも共通に適用される。オートスワイプは現在Android版のみだが、iOS版にもすぐに追加される。またデスクトップ版も正式公開時にはオートスワイプをサポートしているはずだ。

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大企業におけるクラウド利用の一元管理(コスト削減など)を助けるCloudyn

ITをクラウドに移行させつつある企業はとても多いが、クラウドのモニタリングと最適化サービスを提供しているCloudynに言わせると、クラウドは各部の勝手な差配で使われている場合が多く、それらの支出額も含めて総合的に管理されていないことが圧倒的に多い。しかしクラウド全盛の今日では、トップが企業全体のクラウド利用を詳細に把握して無駄を防止し、また、個々の部などの視野からは防げないセキュリティ事故などを、未然に防ぐべきである。

Cloudynが今日(米国時間4/8)ローンチするEnterprise Chargeback Editionサービスは、企業のIT部門と財務部門が協力して、各部が使用しているクラウドの費用や展開配置の現状を総覧できるようにする。それによりITと財務の双方がそれぞれの立場から、クラウド利用の全社的な最適化を企画推進できるようになる。

このツールを使うと、企業の各部が自分のクラウドアカウントの状況を一望でき、その使い方やコストを管理できる。また財務やITや管理部門は、各部ごとに費用を分析して、無駄の防止などを指摘指導できる。

CloudynのCEO Sharon Wagnerは曰く、“クラウドの料金体系はベンダによってまちまちだから、全社的なコスト管理が難しい。したがってぜひ、この業界初のソリューションをお使いいただき、明確な現状把握のもとに、クラウドへの投資を最適化していただきたい”。

 

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本格的な産業用利用に特化したRaspberry PiモジュールCompute Moduleが6月に発売

Raspberry Piに、企業や工業系のユーザのためのハードウェアモジュールが加わる。

Compute Moduleと呼ばれるそのモジュールは発売予定が6月以降で、PiのBCM2835プロセッサと512MbのRAM、4GbのeMMC Flashデバイスが67.6x30mmのボードに載り、DDR2 SODIMM規格のコネクタ端子がつく(上図)。

Raspberry Pi Foundationの技術者チームによると、このCompute Moduleは主に、PCB製作のために利用されることをねらっている。しかし同時にI/OボードCompute Module IO Board(下図)もリリースされ、これが電源と、Compute ModuleのFlashメモリをプログラミングする能力を備える。またHDMIやUSBなどの接続性も提供するから、このハードウェアの実験が容易にできる。

最初、2000台ぐらい売れれば、と想定されていたRaspberry Piだが、誕生から2年後の3月に、全世界の売上は250万台を超えた。教育目的だけでなく、いろんな技術者やメーカーがいろんな目的に利用しているので、Pi Foundationとしても遅まきながら、それらへの前向きの対応を考えざるをえなくなった。

Piの企業利用も多様化しており、たとえばこんなネットワークモニタツールも作られている。

今回のCompute Moduleは、Piのそういった多様なビジネス利用に、Foundationとして奉仕しよう、というものだ。Raspberry Pi Foundationはこう言っている:

今では相当数のユーザがRaspberry Piをさまざまなシステムに組み込んだり、また商用製品にすら利用していることを、われわれは承知している。したがって、Piのそのような実用技術的な利用を、従来と同程度の価格で、ユーザがもっと自由かつ柔軟にできるためのフォームファクタが必要だ、とわれわれは考えた。

Compute Module Piのお値段は100個のバッチで買うなら単価30ドル、個買いの価格は、それよりやや高くなる、という。

最初に提供される荷姿は、Compute ModuleとIO BoardのセットがRaspberry Pi Compute Module Development Kitという名称で提供される。発売は、これまでのPiのディストリビュータ、RSやelement14などから6月に。そしてそのすぐ後、Compute Moduleの単体販売が開始される。

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Red Hat Enterprise Linuxのユーザはインストールをパブリッククラウド(Google Compute Engineなど)に自由に移せる

[筆者: Ron Miller]

Red Hatの本日(米国時間4/7)の発表によると、Red Hat Enterprise Linuxの顧客は、その利用権をGoogle Compute Engineなどのクラウドサービス上に移せる。そしてこれはRed HatとGoogle両社にとって有利な措置となる。

Red Hatが提供している“利用権移動(bring your own subscription)”プランにより、Red Hat Linuxのユーザはオンプレミスのインストールを、Google Compute Engineなど、Red Hatが承認しているクラウドベンダのパブリッククラウドへ移せる。

GCEなどへの移動にはRed Hatが提供しているツールを使用し、ユーザは今後もRed Hatのサポートを引き続き受けられる。ただしその場合、対象は単一のベンダでなければならない(複数のベンダがからむ問題はノー)。複数のベンダがからむと、問題の原因の同定などが困難になるからだ。

Google Cloud PlatformのプロダクトマネージャMartin Buhrは、今回の措置を、Googleのプラットホームの評価が定着した証(あかし)と見ている。“Red Hatの発表は、Googleのクラウドプラットホームへの信頼の表れだ。とくに、エンタプライズアプリケーションの展開に適したプラットホームと見なされている。これまでも、RHELをGCEの上で展開したいというリクエストは多かった。うちがこのプログラムに含まれる二番目のクラウドプロバイダであったことを、嬉しく思っている”、とBuhrは語った*。〔*: 利用権移動(bring your own subscription)”プラン承認プロバイダ)、(日本語ページプロバイダリスト)。〕

Red Hatにとってこのプログラムは、展開の仕方を各社自由にする、という方針の表れだ。各顧客の要件に応じて、物理的な展開(オンプレミス)と仮想(クラウド)のどちらでも認め、また両者の混成も認めていく。

Red Hatのクラウド部長Mike Ferrisによると、これによりエンタプライズユーザがパブリッククラウドを使いやすくなる。

彼はこう言う、“コンピューティングとネットワーキングとストレージとマネージメントの技術革新により、Google Compute Engineのようなエンタプライズ級の大規模なクラウドサービスが可能になった。顧客のビジネスニーズやオペレーションのニーズに柔軟に対応していくためには、オンプレミスとオフプレミスの臨機応変な使い分けが可能な環境を提供していかなければならない”。

オープンソース方面の長年の常連ライターSteven J. Vaughan-Nicholsは、これは両社にとって得だ、と言う。“Red Hatは今後ますますRHELのクラウド顧客を増やしたいし、GoogleはGCEの企業ユーザを増やしたい。これは、オープンソースの天国で結ばれた結婚だ”。

GoogleがRed Hatの認定クラウドプロバイダ事業に参加したのは、Google Compute Engineが一般公開される1か月前だった。先月末にGoogleは、AWS対抗策として、サービスの大幅値下げに踏み切った。

画像: Flickr/Karen Ka Ying Wong; CC BY-SA 2.0のライセンスによる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


特定のクラウドインフラに縛られたくないエンタプライズ開発を柔軟にサポートするElasticBoxが$9Mを調達

ElasticBoxは、アプリケーションをどんなクラウドインフラストラクチャの上でも容易に展開配置できる(デプロイできる)、というサービスだ。同社は今日、Nexus Venture PartnersとIntel CapitalからのシリーズAの投資ラウンドにより、900万ドルを調達したと発表した。その前の340万ドルのシードラウンドは、A16Z SeedとSierra Venturesが主宰した。

ElasticBoxのCEO Ravi Srivatsavによると、新資金は研究開発の継続と、主にヨーロッパとアジアにおける営業の拡大に充てられる。

ElasticBoxは、デベロッパたちの最大の頭痛のたねを取り除く。それは、アプリケーションを特定のクラウドインフラストラクチャサービス(IaaS)に幽閉することなく、自由にいろんなクラウドアーキテクチャ上で展開したいのだが、それが意外と難しいことだ。ElasticBoxは、ユーザ(デベロッパ)のアプリケーションの各部位をそれぞれ、完全に構成したうえで、同社が“ボックス”と呼ぶものの中へカプセル化し、それらのボックスをクラウド上で結びつけることによってアプリケーションを作り、動かす。

今では、インフラストラクチャのプロビジョニング(準備、セットアップ)はとても容易だ、とSrivatsavは言う。でも、仮想マシンを10も立ち上げて動かすとなったら、どうか? アプリケーションを構成するためには、大量のデータベースやランタイム、フレームワーク、などなどの部位(コンポーネント)をインストールしなければならない。そして個々のマシンを立ち上げたら、今度はそれら全体の同期や管理をしなければならない。

Srivatsavは曰く、“ElasticBoxでは、構成済みのボックスを組み合わせてアプリケーションを作るだけだから、デベロッパの仕事がとても楽になり、自由な発想も可能だ。それはDJがビートやサンプルを混ぜて新曲を作るのと同じで、企業のアプリケーション開発にDr. Dre的なクリエティビティを持ち込むのだ”。

たしかに、ChefPuppetのようなツールによって、その仕事は前よりもやりやすなっているが、そのプロセス全体を企業内で何度も反復する場合、どうするか? たとえば、VMWare上のHadoopのセットアップを、AWSを使っている別の社内グループと共有したい。AWSへの移行を、自分がやんなきゃいけない。そんなときElasticBoxを使うと、社内の誰もがボックスを使えるようになり、ElasticBox自身がボックスを数ダースも提供する。

このサービスはユーザのアプリケーションのアーキテクチャに関する情報をできるかぎり多く集めて、そのデータを特定のプラットホームにあまり限定されない形でとりまとめ、アーキテクチャの複製を作る。

Nexus Venture PartnersのマネージングディレクターJishnu Bhattacharjeeは、今日の声明文の中でこう言っている:“これまで、企業のインフラストラクチャの開発には、二つの転換点があった。ひとつは仮想マシンを作ること、もうひとつはクラウドサービスの勃興だ。その次にはElasticBoxが、このクラウド内のエンタプライズアプリケーションの開発と展開と管理をオーバホールする。それはVMwareとAmazon Web Services以来の、クラウドの第三の大きなイノベーションだ。この新しい技術カテゴリを構築している優れたチームとパートナーできることに、大きな興奮を感じている”。

この“ボックス”という言葉を聞くと、Dockerを思い出してしまうが、ElasticBoxによると、両者はむしろお互いに補完的であり、目的がそれぞれ異なる。

同社は今、そのサービスのSaaSバージョンを無料で提供しており、AWSとRackspaceとGoogle Computeへの展開をサポートしている。SaaSバージョンのユーザは同社が作って提供している50あまりのボックスにアクセスできる。エンタプライズバージョンは、さらにHP CloudとOpenStackとvSphereをサポートし、仮想アプライアンスとしての利用ができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、スヌーズボタンなど、Gmailの新機能をテスト中

大事なメールがやってきたとしよう。すべてを差し置いて処理しなければならないという緊急性はないが、ともかく返事はした方が良いというレベルの重要度だ。しかしそういうメールに直ちに対処できるとは限らない。「明日になってから処理しよう」と置いておくケースはよくあるはずだ。

だがメールは次々にやってきて、返信しようと思っていたメールは受信箱のずっと下の方に移動してしまう。目につかなくなってしまったメールのことをつい忘れてしまう。そんな経験は誰にでもあるのではないかと思う。

2013年1月にスタートして、先日Dropboxに買収されたMailboxが対処しようとしたものもこれだった。目覚ましにある「スヌーズ」風の機能を備えることで、指定したメールを再度受信箱のトップに表示するというものだった。

どうやら、Googleもこのスヌーズ機能に興味を示しているようなのだ。

Geek.comの記事によれば、GoogleはGmailにてスヌーズ機能を含む各種新機能をテスト中だとのことだ。

記事によると、スヌーズ以外にも次のような機能をテスト中だとのこと。

  • 現在の「ソーシャル」「プロモーション」「新着」などに加え「Travel」や「Purchase」(注文確認メールや請求金額通知などをまとめたもの)、そして「Finance」(銀行取引関連のもの)などのタブ
  • メールのピン止め機能。ピン止めを解除するまで、受信箱の一番上に表示され続けることとなる(上のスクリーンショットでも、メールの横に押しピンのアイコンが表示されている)。

目覚ましのスヌーズ同様、スヌーズボタンはいったん既読として処理して後にまた未読として表示されるようになる。ピン止めの方は起きるまでベルを鳴らし続けるようなものだと言えようか。頻繁に参照するメールなどをピン止めしておくという使い方も考えられる。

Mailboxが買収されたことからもわかるように、こうした機能は利用者にとって役立つものだ。役立つものであったからこそ、大手がMailbox類似の機能を実装し始めるのは時間の問題だったとも言えるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


企業が社員たちにDropbox, Box, Gmailなどを安心して使わせるためのコンテンツセキュリティサービスSookasaが$5Mを調達

Sookasa は企業がDropboxやGmailのような一般によく使われているクラウドサービスを使えるようにするコンサル企業だが、そのときユーザには気づかれない形で機密データを暗号化し、情報関連のさまざまな規制や法律などに対する企業のコンプライアンスを確実なものにする。同社が今日(米国時間4/1)、Accel Partners率いるシリーズAのラウンドにより500万ドルを獲得したことを発表した。既存の投資家First Round CapitalとSV Angel、およびそのほかのエンジェル投資家たちもこのラウンドに参加した。

最近の企業のIT部門は、コンプライアンスを確実に維持しつつ、社員たちが持つ複数のデバイス上でDropboxやBox、Gmailなどにアクセスさせなければならない、という頭痛のたねを抱えている。そこでSookasaは企業に、“セルフサービス方式でかつターンキー方式の暗号化技術を提供して、社員が自分の好きなモバイルデバイスを使ってクラウドサービスを安全に利用できるようにする”、と同社は言う。ファイルは、どのデバイス上にあってもつねに暗号化され、外部と共有されるときでもデバイス上では暗号化される。

Sookasaは2012年にIsrael Cidon/Asaf Cidonの親子コンビが創業し、AsafがCEOだ。二人が着目したのは、企業とその社員が共有するファイルは複数のクラウドサービスと複数のデバイスにまたがって置かれたり利用されたりするが、そういう危険な動態環境を一元管理する方法がないことだった。

Asafは曰く、“従来のセキュリティ企業はネットワークやエンドポイントなどのインフラストラクチャを保護するが、Sookasaはもっぱら、ユーザ体験を損なわずにコンテンツそのものを保護することに集中する。うちが提供するクラウドコンプライアンスサービスは、あらゆるクラウドサービスと、ありとあらゆるコンピュータやモバイルデバイスをすべて串刺しにした状態で運用される”。

今日ローンチする同社の最初のプロダクトであるSookasaクラウドコンプライアンスサービスは、企業が複数のクラウドサービス/ユーザ/デバイスにまたがってファイルを制御し監査することを可能にし、またファイルをバックエンドで自動的に暗号化する。

今回の投資ラウンドの一環として、Accel PartnersのSameer GandhiがSookasaの取締役会に加わる。また、VMwareやEqualLogicの役員だったKirk Bowmanが、社外取締役として同社を支援する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


IntelがClouderaに$740Mを投じて18%の大株主に

今月(3月)の初めにClouderaは、Google Venturesなどを含む中核的投資家グループから1億6000万ドルを調達した。そのとき本誌は、同社の調達資金総額が3億ドルになった、と報じた。今日はそのすべてを忘れよう。Clouderaは今日(米国時間3/31)、Intelからさらに7億4000万ドルを投資された、と発表した。Intelも、これを確認している。

Clouderaのプレスリリースによると、これでIntelは同社の18%を持つことになる。ということは、同社の評価額はおよそ41億ドルだ。Clouderaさん、10桁クラブ入り、おめでとう。

ClouderaはHadoopを使って大きなデータ集合の分析や合成をやっている。本誌TechCrunchのオーナーAOLも、Clouderaの顧客だ。

CrunchBaseはこれを、二つの部分から成るシリーズF、と呼んでいる。前回のラウンドから間がないことと、Clouderaがこれを一つのトランシュ(区分)と呼んでいるから、それは妥当だ。しかし同社の評価額はこの短い期間に大きく変わったようだ。ForbesのDan Primackはこう言っている:

Clouderaが驚異的なのは、Intelのときの評価額がT RoweやVCたちのときより相当大きかったことだ。

これでClouderaのこれまでの調達総額は計10億ドルを超えることになる。

画像: FLICKR/huangjiahui; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))