ユーザー行動分析ツールを提供するpLuckyがCAVから資金調達を実施

Webサービスやアプリを運営する上で、ユーザーの行動を分析することは重要だ。ログイン後にある特定のアクションをしたユーザーの継続率が上がるとわかるのであれば、そのアクションへ誘導した方が良いだろう。ゲームであれば、登録3日後の利用率が激減してしまっているのであれば、その前に継続的に利用してもらうためのボーナスを与えるのも良いかもしれない。

このようにデータを取得し、サービスの改善に繋げることは現代では当たり前になっているが、自前でツールを作成することは時間がかかるし、難しい。だから米国ではmixpanelのようなツールが人気だし、その需要を見込んでSequoia Capitalなどが出資をしている。そして、日本でも同様にユーザー行動分析ツール「SLASH-7 」を提供するpLuckyがサイバーエージェント・ベンチャーズから資金調達を実施したことを発表している。額面は非公開だ。

SLASH-7はクローズドβで運営されているので、まだ知らない方も多いだろう。このサービスはユーザーの属性と行動を紐づけて、詳細に分析してくれるものだ。特徴的なのはユーザー1人1人を区別し、彼らの行動を細かく追って分析する点だ。

Google Analyticsでは全体的なユーザーのフローや、DAU、MAU、PVといった基本的な指標は分析できるものの、ユーザーのアクションを分析することに関しては適していない。一方SLASH-7では個々のユーザーに焦点を当てている。

例えば、ゲームの場合、レベルごとにユーザーの行動を分析することもできる。レベルが10と50のユーザーがログイン後にどのような行動をするのか、レベル10のユーザーはレベルアップのためにすぐにミッションを行い、レベル50のユーザーはミッションにはもう興味がなく、仲間とコミュニケーションを取りたがっているかもしれない。

こうした行動を分析した上で、最終的にどのタイミングでユーザーが課金しているのか、どのくらいの頻度・期間で利用してもらえれば課金へ繋がるのかといった最重要指標のコンバージョンを向上させるための施策を考えることが重要だという。

また、SLASH-7では流入経路ごとの分析も可能だ。Facebook上でのキャンペーンやゲーム情報サイトに広告を打ったりなど、様々なプロモーション方法があるが、どの媒体から獲得したユーザーが一番継続的に使ってくれるのかを知ることでその後の戦略に役立てることができる。

こうした機能の多くは前述のmixpanelでも提供されているが、差別化の要因としてはSLASH-7は料金が安いことがあげられるとpLucky代表取締役社長の林宜宏氏はいう。SLASH-7はGoogleの「Google BigQuery」というビックデータの分析テクノロジーを導入することで、ソーシャルゲームのように大量のデータを取扱うサービスでも低価格で利用できるようにしているという。

料金体系は月額9,800円、29,800円、128,000円とデータ量応じて変わるが、多くのサービスは9,800円のプランで足りるそうだ。

今後は一般公開に向け、人材を強化し、サービスの開発を進めていく。


和製githubなどエンジニア向けのコラボレーションサービスcodebreak;がオープン

高所得者層向けの転職サイトを運営するビズリーチが、新たにエンジニア向けのコラボレーションサービス「codebreak;(コードブレイク)」をオープンした。codebreak;にはGitホスティングサービスのgitBREAKや招待制のミートアップ・交流会を開催できるcafeTERIAといったサービスが用意されている。

codebreak;には今後もエンジニアに役立つサービスを追加していく予定だが、第一弾として上記の2つのサービスがリリースされた。

gitBREAKはgithubbitbucketのようなgitレポジトリを提供する。特徴的なのは、サービスの利用は全て無料という点だ。githubはプライベートレポジトリ数に制限をかけているし、bitbucketはオープンなレポジトリの人数に制限をかけ、制限を越えると有料としているが、gitBREAKでは利用料を払う必要は無い。また、このサービスに関しては今のところマネタイズする予定はないそうだ。

ビズリーチは今までに高所得者層向けの転職サイトBIZREACH、昨年ジャフコから5億円を調達した高所得者層向けECサイトのLUXA*といったサービスを提供してきたが、なぜ今回エンジニア向けのサービスを提供することになったのか。(*LUXAはビズリーチから分社化された)

ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏は「自分がインターネット企業を作る上で一番苦労したのは良いエンジニアと出会うことだ。ITが普及してきているのに、良いエンジニアの数はあまり増えていなことは問題だと感じ、解決したいと思った。」と語る。

南氏はエンジニアがもっと情報共有をして、コラボレーションすることで、さらに良いITエンジニアが増えるのではないかという。

エンジニア向けのサービスではQiitaのような知識を共有するものもあるが、gitレポジトリを始めに選んだのは「自分たちが一番困っていることは他のエンジニアも困っていると思ったからだ。」とビズリーチCTOの竹内真氏はいう。既述の通り、世界のサービスを見ても成果物を無料で保存できる場所がないため、自分たちで作ったのだそうだ。

またcafeTERIAは企業等の主催者がエンジニアを招待してミートアップを開催するためのサービスだ。オープンな勉強会は参加者の中で一番スキルの低い人に合わせることが多く、スキルの高い人にとって有益な情報というのはあまり無いことがある。だから、招待制にすることでエンジニアのレベルに合ったミートアップを開催し、価値の高い情報を提供してもらいたいという。

今後はgitBREAKやcafeTERIAの他にも、エンジニアを支援するサービスを提供し、エンジニアが集まりコラボレーションできる場を作り上げていく予定だ。


来月、クラウド写真編集サービスのAviaryが日本支社オープンへ―月刊アクティブ・ユーザー5000万を達成して世界展開を狙う

クラウド写真編集プラットフォームAviaryはiOS、Android、Windows Phone、HTML5の各アプリと親和性が高く、モバイル・アプリのデベロッパーのお気に入りとなっている。最近Aviaryは大きな指標を達成し、さらに成長を加速させようと狙っている。

今日(米国時間5/28)、Aviaryは「先月の月間アクティブ・ユーザー(MAU)は5000万人に達した。これは独自のアプリに加えて、Aviaryの編集機能を利用しているFlickrのようなパートナーを通じての訪問者を合計した数字だ。またわれわれは国際展開の準備を進めており、来月、東京にオフィスをオープンする予定だ」と発表した。

今日公式ブログに掲載された新任のCEOTobias Peggsの投稿によると、「MAUは過去半年で100%の伸びを示した。Aviaryのプラットフォームはこれまでに40億枚の写真を処理した(3月以降のみで3分の1も増加した)」という。

ニューヨークに本拠を置くAviaryはこれまでの成功に満足することなく、国際展開を急いでいる。最初のオフィスがオープンするのは東京だ。Peggsによれば、Aviaryはアジア全体で強い需要があり、東京オフィスはアジア進出の橋頭堡となる。私の取材に対し、Peggsは「来月は自分で東京に行き、人員の採用などオフィス開設の準備する」と語った。

「写真共有疲れが広がっている」などという業界の噂話とは裏腹に、写真共有サービスは画像の生成と共有は人類発生以来の本能だということを裏付けるような盛況だ。特別な知識や技能がなくても簡単に写真の編集ができるスマートなテクノロジーがユーザーを失うことはない。Aviaryはこの分野の新たな世界的プラットフォームになる可能性を十分に秘めている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


これは便利―Google+/Picasa Webにアップロードした写真が画像認識によってキーワード検索できるようになった

先週Google+の写真セクションが完全リニューアルされた。しかしなぜかGoogleは発表イベントで、そのいちばんクールな新機能を紹介しなかった。 Googleはコンピュータ画像認識と機械学習を利用して、ユーザーが「夕陽」とか「料理」とか「花」とかをキーワードにして自分の写真を検索できるようにした。私は「自動車」、「砂浜」、「自転車」などのキーワードも試してみたが、Googleは常に正しい結果を返してきた。この写真検索機能はGoogle+に組み込まれているが、通常のGoogle検索ボックスからでも[my photos of xyz]というフォーマットを使って検索できる。

これはGoogleの写真検索にとって非常に大きな前進だ。Googleが指摘するとおり、大量の写真から目的の1枚を探し出すのは骨の折れる作業だ。私のように撮った写真にいちいちタグづけするような勤勉ではない人間にとっては特にありがたい機能だ。検索してみると私が大昔にPicasaウェブにアップした思わぬ写真がヒットする。

先週のGoogle I/OイベントでGoogle+の新しい写真機能が発表されたときVic Gundotraは「ユーザーが写真を管理するのを助けるのがわれわれの目的だ。写真の整理というのは厄介な作業だ」と語っていた。しかし奇妙なことにその場では写真のキーワード検索機能については触れなかった。

〔日本版〕 写真のキーワード検索機能は日本語のGoogle+でも有効になっている。ただし有効なキーワードはまだ英語だけのようだ。全体に驚くほど正確で、Yosemite、LasVegas、Fisherman’s Wharfなどのキーワードでそこで撮った写真がヒットする。catと入力してみたところ、店頭に飾られた招き猫が含まれていた。

下はelephantで検索したところだが、Evernoteのフィル・リビンにもらった木のゾウの栓抜きが入っている。これをよくゾウと認識したもの。しかしサイを知らなくてゾウと誤認している。方向として見当はずれではない。検索ボックスからの検索は訳者の環境では作動せず。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoftの新Xbox Oneはオールインワンのホーム・エンタテインメント・システム―ネット常時接続は要求せず

先ほど、Microsoftは現行Xbox360の後継となるゲームコンソール、Xbox Oneを発表した。この新世代ゲーム機はそれ自身として強力であるだけでなく、家庭のデジタル・エンタテインメントのハブとなることを明確に目指している。単なるゲーム機というよりむしろライフスタイル・デバイスと呼ぶべきプロダクトだ。

MicrosoftのDon Mattrickはプレスイベントで「すべてのエンタテインメントを一つにまとめて活性化させる舞台」と表現した。イベントではオンラインストリーミングを提供するテレビのセットトップボックスなどゲーム以外のあらゆるメディアとしての役割が強調された。

音声コントロール

新しいKinectが今回の発表の目玉の一つだ。これには最初の電源オンから始まってあらゆる命令に対応できる音声コントロールが組み込まれている。Xboxは音声で個別ユーザーを認識し、それぞれのユーザー・プロフィールを読み込む。その結果、XboxOneはApple TVにSiriが組み込またらこうもあったろうかというような存在になった。

Xbox Oneに音声でタスクの切り替えを命じると、驚くほど素早く反応する。私の家のセットトップボックスでチャンネルを切り替えるより速いくらいだ。さらに音声認識だけでなく、手のジェスチャーによる命令もサポートされている。

スナップ・モード

このスナップ・モードはMicrosoftのWindows 8のUIに似ており、2つの活動を同時に実行できる。映画を見ながらインターネットの映画サイトで関連情報を検索するなどということができる。あるいはゲームをしながら、今回Xbox Oneで新しくサポートされたSkypeで友だちと会話することもできる。

スナップ・モードではこれまでゲーム・コンソールではできなかったセカンド・スクリーンが自由に使えるようになった。テレビをライブで見ながらインターネットに接続しブラウザを開いて関連情報を読んだりできるのが新しいXboxOneの大きなセールスポイントだろう。番組提供者にとっても伝統的なCMに飽きた視聴者に新たにリーチする方法となる可能性がある。

スペック

Xbox Oneは8GBのRAM、ブルーレイ・ドライブ、8コアCPU、ネーティブ64-bitアーキテクチャ、500GB内蔵HDD、HDMI入出力(既存のホームシアターに組み込むためのパススルーも含まれる)、802.11nWi-Fi、USB 3.0を備えている。これはだいたい事前に予想されたとおりだが、実際きわめて強力なハードウェアだ。

しかしMicrosoftのMarc Whittenによれば「Xbox Oneの強みはむしろソフトウェアにある」という。Whittenは「ゲーム、アプリ、ライブ・ストリーミングをシームレスに提供するためにわれわれは3つのOSを組み込んだ。XboxOneのアーキテクチャはネーティブOSに加えてWindowsとさらにマルチタスクを素早く切り替えるための第3のOSが内蔵されている」と説明した。

Kinectとコントローラー

Kinectもアップデートされた。1080pの高精細度ビデオを入力の他に、人体の認識点も増え、いっそう正確な認識ができるようになった。音声とジェスチャーの認識ソフトウェアも改良されている。運動中のユーザーの心拍も計測することができるという。

全体としてMicrosoftは今回Kinectの改良に大きな努力をしたようだ。小さな不具合も解消され非常にスムーズなもの仕上がっている。

コントローラーはお馴染みのデザインを踏襲しているが、バッテリー・コンパートメントがPS Dual-Shockのようなスリムなデザインになった。Wi-Fi Directと高精細度のD-Padが備えられる。トリガーの機能も強化されているという。

DVR、クラウドにゲームをセーブ、ライブラリー

新しいクラウド・ベースの機能により、メディア・コンテンツやゲームのプレイ記録などをクラウドに保存できるようになった。またゲームのプレイ経過を録画するDVR機能もサポートされる。

Xboxの新機能の多くはインターネット接続を必要とする。これが長らく話題になっていた「新Xboxは常時インターネット接続を要求する」という噂の元になったのだろう。Microsoftは「XboxOneは常時インターネット接続を必須としているわけではない」と述べた。ブルーレイ、ライブTVの視聴、ゲームのプレイはインターネット接続がオフでも可能だということだ。

注目すべき製品

SonyがPlayStation 4をリリースしたときの私の印象はあまりにゲームに偏りすぎ、単なるコンソール機にとどまったというものだった。その点、Microsoftのアプローチは正反対だ。熱狂的なゲーマーからゲームをしないユーザーまで家族全員がリビング・ルームで楽しめるハブになっている。これはゲーム業界にも大きな影響を与えそうだ。

Xbox Oneは今年中に発売される予定だが、Microsoftは出荷の期日や価格については明らかにするのを避けた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google+の写真機能、大幅強化―全自動で色調・露出補正、GIF、パノラマ、HDR、 グループ写真の合成などを実行

Google+の重要なセールスポイントは写真だったが、I/Oカンファレンスで発表されたGoogle+のリニューアルでも写真に重点が置かれていた。

今回Googleが発表したGoogle+写真のアップグレードには昨年11月に買収したNik Softwareのテクノロジーが多用されている。画像の補正と共有の自動化だ。たとえばホワイトバランスや肌色の調整、エッジのシャープ化、ノイズ除去などがワンクリックで自動的にできるようになった。画像処理はすべてクラウド上で実行される。

GoogleのVic Gundotraが事前のわれわれに取材で対して語った(そしてI/Oでも繰り返した)ところによれば、写真というのはもはや「撮影」するものではなく「作り上げる」ものなのだという。ユーザーは写真のハードとソフトに何千ドルも投じているが、写真を整理し、補正する作業は依然として高度に労働集約的で時間のかかる作業だ。「しかし普通のユーザーにはそんな時間がない。それならGoogleのデータセンターがユーザーのデジタル暗室になればどうだろう?」とGundotraは言う。

Googleが今回ローンチしたのはユーザーがアップロードしたデータを解析して、ユーザーにさまざまなフィードバックを提供する仕組みだ。ひどいブレや重複している写真などには印をつけて注意を促す。露出不足の写真は修正する。有名なランドマークが写っている良い写真があればチェックする。顔を認識して笑っているかどうか、ユーザーのGoogle+サークルに含まれている人物かどうかを判断する。これまでユーザーが何時間もかけていた写真の整理がクラウド上で文字通り数秒のうちに処理されてしまう。

そこでGoogle+システムは緑を鮮やかに、肌を魅力的に、湖をブルーにし、コントラストを強くし、等々の画像処理を自動的に行う。またフラッシュによる人物の赤目も自動的に修正してくれる。ユーザーはこうした補正処理を一括して適用することも、個別のフィルタだけを適用することもできる。

すべて非破壊処理なので元の画像ファイルはオリジナルの状態に保たれる。ユーザーはオリジナルと補正後の画像をワンタッチで往復して比較ができる。Googleは今や全ユーザーに無料で15GBの記憶容量を提供しているのでユーザーはフルサイズの画像を大量にアップロードできる。

オートAwesome機能

アニメの人気を反映してGoogle+チームはGIFファイルの制作もサポートすることにしたが、その手法がなかなかユニークだ。Awesomeと名付けられたシステムはアニメに合成可能な一連の写真を見つけ出して自動的にGIFファイルを作成する。Gundotoraは「ユーザーがバーストモードであれ手動であれ短時間に連射した写真があれば、自動的にアニメを作成できる。システムは背景が動いていないこともチェックする」と述べた。

オート“Awesome機能はGIFファイルを作るだけではない。人物が笑っている写真を集めて切り貼りし、全員が笑っているグループ写真を合成したり、風景写真の場合、継ぎ合わせてパノラマ写真を作れる また露出ブラケット撮影した写真があればHDR写真を合成することもできる。しかもこうした処理はGoogleの巨大データセンター内で実行されるので非常に短時間ですむ。

以上の機能はすでに公開ずみで、Googleはユーザーの既存の写真からいろいろすばらしい写真をせっせと作っているところだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Now、リマインダや音楽等、新しく6種類の「カード」を追加


GoogleからGoogle Nowについてもアップデートの発表があった。AndroidおよびiOSで利用する自動情報提示インテリジェントツールである「カード」に、新たに6種類が加わることとなった。加わったのは位置情報を活用するリマインダ、公共交通機関情報、本、音楽、テレビ、そしてゲームに関するものだ。いずれもこれまで同様に利用者にとってタイムリーに表示される。

たとえば新しいリマインダカードは時間、一緒にいる人、位置情報に基いて情報を表示する。また自然言語処理を行うことができ、簡単に音声コマンドでセットすることもできる。AppleがiOS環境で提供しているリマインダーに似ているとも言えるかもしれない。ただ、Google Nowのナレッジグラフと連動することで、一層便利に使える可能性がありそうだ。また、ReminderはNowに対して自ら情報提供のタイミングを指示するものという意味もある。これまでNow側からの自動情報提供であまり有益な情報が得られないと感じていた人も、このリマインダ機能により、新たな可能性を感じることになるかもしれない。

他に提供されることとなった新カードも、外出時などにいろいろと役立ちそうだ。ただ透けて見えるのはGoogle Playの売り上げを伸ばそうとするGoogleの意図だ。Nowと連動させていくという方向性は、なるほど頭の良いやり方というべきだろう。本格的モバイル時代が到来し、デスクトップにおける検索広告の収益性がますます低くなっていくものと思われる。そのような中、新たな収益源として機能しそうに思われる。

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(翻訳:Maeda, H)


Googleが新料金、新ツールとともにCloud Platformを一般公開―いよいよAmzon AWSと激突へ

今日(米国時間5/15)、 Googleは開催中のGoogle I/Oカンファレンスで Google Cloud Platformを一般公開したと発表した。これでいよいよ従量制クラウド・コンピューティング市場でAmazon Web Services (AWS)と本格的に競争できる巨大プレイヤーが登場したことになる。

現在Cloud Platformはあらゆるデベロッパー、企業に対して公開ずみだ。さらにGoogleは料金、利用できるインスタンスの種類などに改定を行った。

  • 分単位課金 インスタンスに対する課金は10分を最低時間として1分単位で計算される。これによりデベロッパーは実際の利用時間分だけに支払いを行えばよく、無駄がなくなった。
  • 共有コアインスタンス 低速、小規模な処理のために小型のインスタンスが提供される。
  • 高度なルーティング デベロッパーがオンプレミスのネットワークとGoogleのクラウドを直結するゲートウェイとVPNサーバーを構築するのを助ける高度なルーティングが提供される。
  • 大型パーシステント・ディスク 1基10TBの大型ディスクを提供する。Googleは「業界標準の10倍の容量」と表現している。

Googleはまた非リレーショナルなデータのための新しいDBMS、PHPのランタイムも新たに提供する。

昨年Googleはデベロッパーが自分のアプリをGoogleのインフラ上のLINUXバーチャル・マシンで走らせることができるというクラウド・コンピューティングのベータテストを実施した。これに参加するには招待を受けるか、Googleの営業チーム経由で申し込んで承認される必要があった。

続いて今年4月から、Compute Engineの月額400ドルのゴールド・サポート・プランに加入しているユーザーは招待や承認を受けなくてもベータテストに参加できるようになった。

Googleはまたインスタンスの利用料金を4%下げた(ストレージ料金は昨年11月に20%下げている)。

今年、GoogleはCloud Platformの普及に本腰を入れる構えだ。Google I/OではCloud Platform関連が25セッションも用意されている。これよりセッションの数が多いのはChromeとAndroidだけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


間もなく開幕のGoogle I/O。会場では数百台のArduinoを使って騒音レベルや空気汚染度などの環境データを測定予定

間もなくGoogle I/Oが開幕となる。参加するのであれば、自動的にGoogle Cloud Platform Developer Relationsチームによる実験に参加することにもなる。Google I/Oの開催されるMoscone Center周辺の環境情報を種々吸い上げてみようとするプランがあるようなのだ。

Developer Programs EngineerのMichael Manoochehriによるブログ記事によると、Arduinoを使った環境情報取得センサーをあちこちに配置する予定なのだとのこと。そしてリアルタイムで温度、騒音、湿度、空気汚染度などの情報を取得するのだそうだ。そもそもの目的は、カンファレンス会場のどこが最も人気のエリアとなっているのかなどを知るためのものだ。得られたデータをGoogleがどのように分析するのかはなかなか楽しみだ。

気味が悪いと感じる人もいるかもしれない。しかしこれは施設内の温度に応じて空調の調整を行うのとさほど変わらない意味しかない。将来、屋内でのエンタテインメントやビジネスについて役立つ情報を集めるための準備をしておくという、いかにもGoogleらしいプロダクトのひとつだと言える。

各種情報収集センサーをネットワーク化することにより、ロジスティクス、都市設計、その他コンシューマープロダクトの開発などに革命をもたらす可能性もあるのです。今回のデータ収集の成果は、Data Sensing LabでGoogle I/O出席者の皆さんと共有していこうと思っています。Google Cloud Platformと、オープンなハードウェアを組み合わせることで、誰にでも利用可能で有効なコンピューティング環境が構築できることを示したいと考えているのです。

オープンハードウェアとGoogleのCloud Platformを使ってデータが収集できるというのはわかった。しかし具体的にはどのような形でビジネスに役立つのだろう。たとえばどの洋服店では来客数や商品を見て回った人のカウントができるようになりそうだ。また、店舗内のどこに人が集まるのかも測定できる。店内のディスプレイの状況により、どういう動きが生まれるのかを確認するのに使えるかもしれない。言ってみればリアル世界での広告トラッキングシステムのような使い方ができるかもしれないわけだ。あくまでも将来的な可能性ではあるが、いろいろと面白いアイデアが生まれてきそうだ。

ちなみに、こういう環境データ的なものは、個別に見ていてはほとんど意味を持たず、全体を把握してこそ判断の役に立つものとなってくる。

騒音のレベルを測定する機器もあれば、また付近での足音数をカウントするものもあります。こうしたデータを総合して、測定場所での動向を把握したいと考えているのです。

こうした情報が個人情報とタグ付けされることはない。足音や、他の日常的な振る舞いを統合してデータとして活用するというアイデアは、多少の気味悪さはあるものの、確かに面白さは感じる。

もしこうして収集したデータを、簡単かつわかりやすい形でデータ提供を行えるとなると、多くのビジネスがセンサー導入に積極的になるだろう。そうした際に必要とされるのは安価に提供されるプラットフォームであり、そのプラットフォーム上にデータが集約されていくことになる。Googleはもちろんプラットフォーム提供者としての成功を目指していくことになるわけだ。

データの収集を行いつつ、Data Sensing Labと名付けたワークショップも開催されることとなっている。周囲の環境データを読み込んでどのような解析を行なっているのかに興味があれば、ぜひ参加してみると良いだろう。また、会場内に設置するモニターでも、収集したデータをリアルタイムで表示することになっている。

Googleに追尾されつつ、Google I/Oの様子はいろいろと伝えて行きたいと思っている。

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(翻訳:Maeda, H)


Googleが無料ストレージを15GBに拡大―ドライブ、Gmail、Google+写真で容量を共通利用へ(Google Appユーザーは30GBに)

これまでユーザーはGoogleのストレージ容量を個別に管理しなければならなかった。今日(米国時間5/13)、Googleは「ユーザーはドライブ、Gmail、Google+写真で共通に15GBの無料ストレージ容量を利用できるようになる」と発表した

容量を有料で追加すれば、Gmailでも利用もできるのでGmailの25GBという容量上限は撤廃されたことになる。Google Appsの契約ユーザーはDriveとGmailを合わせて容量が30GBにアップした

これはGoogleがユーザーのすべてのデータを巨大なクラウド上に保持するChromebookという大胆なプロジェクトを推し進めていることの一環でもあるだろう。同時に、ストレージの統合により、オンラインのハードディスクともいうべきGoogleドライブの使い勝手と知名度を向上させる狙いもある。ユーザーにメールも“Googleドライブに格納されていることを知らせようというわけだ。

次のスクリーンショットは、すぐに公開される予定の新しいストレージ容量のダッシュボードだ。

こちらは現在のダッシュボードで、新ダッシュボードの200GBプランは表示されていない。逆に現行のGmailの25GBボーナス・プランは新ダッシュボードからは消えている。

新しい無料ストレージ・プランはAndroidユーザーにも適用される。すべてのサービスを通じて単一のストレージ容量が適用されるというのはある意味でAppleのiCloudの方式に似ている。またこの容量増加はGoogle+に写真をアップロードするのを助けるだろう。プロやハイ・アマチュアの写真家の場合、ファイルサイズが大きく高精細度の写真を安心してアップロードできるようになる。現在の容量では数百枚の写真で容量を使い果たすことになりかねない。メールの容量はさほど使っていないが、写真は大量にアップするユーザーにとってはストレージの共通化はありがたい。

ビジネスとして考えると、月額9.99ドルの200GBの契約にユーザーを勧誘するところにGoogleの狙いがある。一般ユーザーがオンラインに200GBものファイルをアップロードすることはほとんどないはずだが、容量を気にせずにすむという気楽さが10ドルで買えるなら安いと考えるユーザーも多いことだろう。Googleはさまざまなサービスの統合を進めているので、オンライン記憶容量の重要性は今後ますます大きくなる。また多くのユーザーを抱える大企業のGoogle App管理者にとってもメンバーの利用できる記憶容量の拡大はありがたい話だ。

[写真:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Docs(Drive)の入力フォーム、ついに日付・時刻の入力フィールドに対応

Google DocsはDriveという名前になったが、Docs時代から簡単に入力フォームを作成する機能が実装されていた。フォームへの入力結果は自動的にスプレッドシートに流しこむこともできる。なかなか便利なものだったのだが、日付や時間を問いたい場合には少々問題があった。

いろいろと理由はあったのだろうが、これまではフォームから日付・時刻を入力するための機能が提供されていなかったのだ。しかしついに入力フィールドのオプションに日付や時刻を指定できるようになった。Form機能があまり宣伝されて来なかったのも、日付および時刻の入力オプション指定ができなかったためと思われる。

これまでは誕生日などの入力をしてもらうフォームを用意するのも大変なことだった。おまけに何とか工夫して日付入力フォームらしきものを用意しても、それを標準的な形でスプレッドシートに取り込むこともできなかった。つまり、日付入力をしてもらう入力フォームはほとんど実用に耐えない状態だったのだ。今回の変更により、ようやく実用的なものが作れるようになったわけだ。


ちなみに入力時にはカレンダー形式の日付ピッカーが表示されることとなる。

Google Driveの入力フォームを使って得たデータを集計する役割を担う人も、今回のリリースで大いに安心することだろう。これからは日付および時間データをきちんとした形式で扱うことができるようになるわけだ。小さく見えるが非常に大きな進歩だ。利便性が大いに増すことは間違いない。

[Photo credit: Flickr]

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(翻訳:Maeda, H)


グッドバイ、Creative Suite―Adobe、定期課金によるクラウド・モデルに全面移行、CS6は当面販売を続けるものの新規開発は中止

Adobeはソフトウェアの将来は定期課金ベースのネットワーク配信にあると信じ、それに社運を賭けるつもりのようだ。今日(米国時間5/6)、ロサンゼルスで開催されたAdobe のMaxカンファレンスで同社はすべてのリソースをCreative Cloudの開発に振り向けることを発表した。

AdobeがCreative Cloudをスタートさせたのはほぼ1年前だ。 先週、AdobeのCreative cloudの責任者Scott Morrisは私の取材に答えて「Creative Cloudはやがてわれわれの各種ツールにアクセスする唯一の方法になるだろう」と語った。Adobeは当面CS6の販売を続けるが、それがいつまで続くかは明らかでない。新しいCreative Cloudは6月17日に公開される。

Maxカンファレンスの参加者の大部分はここでCS7が発表されるものと思っていたはずだ。ところが意外にもCreative Suiteのブランド名は消えていくことが判明した。新しいCreative Cloudには今までのようなバージョン番号は付かない。これにともなって当然ながらAdobeのビジネスモデルも一変する。箱入りのソフトウェアやダウンロードのライセンスを売ることはなくなり、完全に定期課金モデルが取って代わる。

昨年のローンチ以来、Creative Cloudは50万の有料ユーザーと200万の無料ユーザーを集めている。AdobeのDavid Wadhwaniが今日の基調講演でCreativeCoudこそ正しい方向だと確信していると述べた。

Scott Morrisが私に語ったところでは、AdobeはCreative Cloudが意外なほどの好評だったことから、Photoshop、Dreamweaver、PremiereProなどアプリを個別に開発、販売することを止めてネット上のCreative Cloudに一本化し連続的なアップデートを行い、ビジネスもCreative Cloudに一本化することを決断したのだという。

Morrisは「いくつものバージョンを管理するのはきわめてわずらわしい。Creative Cloudへの統合でAdobeの開発チームの負担は大幅に軽減される。この変革でイノベーションが加速され、新機能をいち早くユーザーに届けられるようになる」と語った。

Adobeでは今後Creative Suiteの新バージョンを開発する予定はない。ただしCS6のアプリ全種類をOS XとWindowsの今後のアップデートに対応させることを約束している。またバグ修正やセキュリティ・パッチの提供は今後とも続ける。ただし新機能の追加は一切行われない。

Morrisは私の取材に対して、この方針転換がかなりの冒険であることを認めた。「多くのユーザーはこういう転換が起こるとしても数年後のことだと考えていただろう。しかしそれが今日だったことはショックだったかもしれない。しかしわれわれがこの決断をしたのはCreative Cloudの登録ユーザーのほとんど全員が気に入ってくれていることを発見したからだ。AdobeのオンラインストアでCreative Cloudの満足度はPhotoshopより高い。これは前代未聞だ」とMorrisは言う。

一方、Morrisは一部のユーザーはCreative Cloudに乗り換えることができないという点を認め、「政府機関や学校、一部の大企業はクラウド版の一部の機能、Behanceコミュニティーでのコンテンツ共有やクラウド・ストレージ機能などを好まない(あるいは利用を許されない)だろう。そこでAdobeはこうしたユーザーのためにCreative Cloudの特別ライセンス版を用意している。 ソフトウェアをオンライン配信する点は同じだが、ユーザーの好まないクラウド機能を削除してある」と説明した。

定期課金制への転換を容易にするため、AdobeはCS3以降のCSライセンスの保有者に対してCreative Cloudを月額29.95ドルの特別料金で提供する(期間限定)。また同様の割引をPhotoshopなどの単体ソフトの購入者に対しても適用するという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ファイルやデータを複数のクラウド間で移動するサービスKloudless

今日(米国時間4/29)Disrupt NY 2013でデビューしたKloudlessは、異なるクラウドを結びつけるコネクタサービスで、ユーザはメールを使ってクラウド間のデータ移動ができる。

このサービスを利用するためには、Outlookでは専用のプラグインを、 Gmailなどではブラウザのエクステンションを使う。Kloudless自身にはデータやファイルは保存されない。あくまでもコネクタないしパイプとして機能するだけだ。

Kloudlessはiftttなどのサービスに似ているが、しかしそれほどきびしい自動化はせず、メールからクラウドサービスへのデータフローをユーザがかなりカスタマイズできる。つまり、データ移動に関しユーザに自由、柔軟性を与えることがねらいだ。たとえばSalseforce.comにデータを放り込むときには、その前にそれなりのカスタマイズが必要だろう。CEOのEliot Sunによると、同サービスはたとえば、アクセス分析ツールからのデータをYammerのようなサービスのディスカッションに持ち込むこともできる。

VC企業Draper Fisher JurvetsonのTim DraperとYammerの協同ファウンダDavid Sacksはこのアイデアをとても気に入り、同社にシード資金を提供した。同社のこれまでの資金調達額は90万ドル弱だ。Draperらは、Kloudlessが市場に打ち込まれる楔となり、企業が必要としていた自動化と柔軟性を提供する、と見ている。またこのサービスは、カスタマイズを伴うデータガバナンスを提供する。企業が必要とするコンプライアンスのために何らかの統合化を行う場合でも、そのほかの自動化システムにできない自由性がある。

Kloudlessは、技術的にはクラウドのための“メッセージバス”だ。メッセージバスはシステムに常在するレイヤで、イベント駆動型で動くミドルウェアだ。イベント、たとえば何かのリクエストが発生すると、メッセージバスを起動して正規化されたデータが目的の場所へ、適切なコンテキストで送られる。Tibcoのように、メッセージバス技術で財を成した企業もある。

またMulesoftやSnapLogicはトップダウンのシステムを提供している。しかしKloudlessは、ボトムアップ方式だ。消費者向けアプリケーションのようにダッシュボードを管理職たちやチームリーダー、IT部門などに提供して、データのオーナーシップやワークフローを分かりやすく可視化し、また複数のアプリケーションにまたがるポリシーの設定機能も提供する。

Kloudlessは、料金体系も消費者アプリ的だ。無料版があり、機能のより充実した有料版は月額3ドルからだ。そのネットワーキングの基盤は既存のメールサービス/アプリケーションだから、企業の管理職たちにとって買いやすくて使いやすいサービスだといえる。

Sunは、消費者向けアプリケーションも構想している。最初はクラウド検索を考えたが、あまり売れなかった。しかしKloudlessのようなファイル移動サービスには、需要がありそうだ。今ではベイエリアで行われるイベントや、あるいは大企業のデータ設計担当者たちに売り込みをかけている。

Kloudlessの経営者たちは、CEOも含めて、見た目にはまるで高校の同窓会ふうだが、でもGlideのCEO Eli Rubelが先週、同社についてこう言った: “データは嘘をつかないからね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleドライブにGoogle+アバター、ワンクリック・チャット導入、匿名ユーザーは動物名で表示

GoogleはGoogle+を他のあらゆるサービスとますます密接に連携させる努力を続けている。今日(米国時間4/25)発表されたのは、Googleドライブとの連携だ。

ユーザーがドライブのファイルを開くと、他の閲覧者に対してGoogle+のプロフィール写真が画面トップ右側に表示される。マウスを乗せるとユーザーのプロフィール写真、カバー写真とどのサークルにそのユーザーが入っているかを示したGoogle+カードがポップアップする。〔現在は色分けされた四角形が表示され、マウスを乗せるとユーザー名がポップアップする〕。Googleは「Googleドキュメントを誰と共有しているのかがすばやく確認できるようになる」としている。

またドライブでグループチャットを始めるのが少し簡単になった。画面トップ右側に新設されたチャット・ボタンを押すだけでよい。従来は「他の閲覧者」をクリックするとドロップダウンメニューが開き、一番下にチャットウィンドウが表示される仕組みになっていた。

匿名閲覧者には動物名が付く

匿名のユーザーがドキュメントを閲覧している場合(これはGoogleアカウントを持たないか、Googleアカウントでログインしていないユーザーにリンクを通知して共有した場合に起こる)、 Googleはこうしたユーザーを 「匿名+動物名」で表示するようになった。.”

動物名のリストはきわめて豊富なようだ。Google Operating SystemのAlex Chituが先週試してみたところでは、オオアリクイ、ダイナソー、クラーケン〔海の怪物〕、チュパカブラ〔南米の怪物〕からウォンバットまで多種多様な動物名が表示されたそうだ。

Googleによれば、この新機能はここ数日のうちに全ユーザーに公開されるという。ただし、Chituによればこの機能が当面適用されるのはPDF、写真、ビデオなどGoogleドキュメントのアプリで編集できないファイルのみだという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+