YouTubeがNewswireをスタート―ビデオの信頼性を専門家が検証して配信するニュースチャンネル

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今日(米国時間6/18)、YouTubeはビデオ共有とジャーナリズムのあり方に新しい風を吹き込むべく3つの新サービスをスタートさせた。そのメインとなるのは事実だと検証ずみのビデオを配信するYouTube Newswireという新しいニュース・チャンネルだ。このチャンネルはYouTubeにアップロードされたビデオから報道する価値があるものを選び、ジャーナリストが事実性を検証するソーシャル通信社Storyfulとの提携によって生まれた。

YouTubeのブログ記事によると、2011年のエジプト革命の発端となったタハリール広場での抗議集会を機に、YouTubeはその前年からYouTubeビデオの事実検証と背景情報の収集を始めたStoryfulと提携するようになったという。Storyfulのチームはこれまでに10万本以上のYouTubeビデオを検証してきた。

GoogleのYouTubeとNews Corpの子会社、StoryfulはこれまでもCitizenTube、YouTube Politics、YouTube Human Rights Channelなどのチャンネルで提携している。

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今回のYouTube Newswireでは、提携をさらに一歩進め、 そのビデオに関連ある情報に詳しい世界中のジャーナリストやビデオの目撃者に直接連絡を取って証言を求めることとしている。

Storyfulのファウンダー、イノベーション担当ディレクターのMark Littleは新サービスのスタートを告げる声明の中で「インターネット上のノイズはますます大量になっており、それにともなって適切なキュレーションの必要性もこれまでになく強まっている。われわれのチームは最良のソーシャル・ジャーナリズムを目指して献身的に努力していく」と 述べている。Littleによれば、Storyfulが2011年にYouTubeとの協力を始めたときには48時間分のビデオが毎分アップロードされていたが、現在は毎分300時間にもなっているという。.

YouTube Newswireは世界的なニュースだけでなく、ローカルニュースも扱う。またTwitterメール・ニュースレターでもビデオを配信する。テーマとしては最新ニュースの他に政治と天気が扱われる。

Storyfulは昨年FacebookがFB Newswireをローンチしたときに、Facebookとも同様の協力をしている。FB NewswireはFacebookに投稿された記事のうち、情報源に信頼がおけて社会的に価値が高いものを選んで掲載するキュレーション・ページだ。

Storyfulの重要な役割は、単に記事を選んで見やすく整理するだけではなく、信頼性を検証し他のニュースメディアやジャーナリストが安心して引用できるようにする点にある。ソーシャルネットワークが普及した後のいわゆるリアルタイム・ジャーナリズムの時代にはTwitter、Facebook、 YouTubeへの投稿がメディアやジャーナリストによって引用され、事実化どうか確認される前に瞬時にニュースとして世界に拡散してしまう。Storyfulは話題のビデオがインチキであることを何度も暴いてきた。 この中にはトワーキング・ダンスしている女性がロウソクの上に倒れて火に包まれるというビデオトリック撮影によるものだという検証も含まれる。

リアルタイムニュースメディアとしてYouTubeに最近手強いライバルが現れている。TwitterはPeriscopeというニュースのライブストリーミングを開始したし、Meerkatにもかなりのファンがいる。どちらもユーザー投稿のニュースビデオを公開しており、最近はAmtrakの脱線事故、ニューヨークのビル崩壊ロサンゼルスのカーチェイス 政治論争の内幕などが話題になっている。

こうした動きに対抗して「信頼できるニュース」の提供によって差別化を図ろうとしたのがYouTube Newswireだといえる。YouTubeは投稿ビデオの信頼性を向上させるためにさらに2つのサービスをスタートさせた。

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その一つがThe First Draft Collectionで、これはソーシャルメディア・ジャーナリストのグループがこの秋に立ち上げを目指しているサービスで、ビデオの信頼性を検証するさまざまなリソースの提供を目指している。これには報道倫理の学習、検証のツールとノウハウの提供、詳細なケーススタディーの紹介などが含まれる。このチームにはEyewitness Media HubStoryfulBellingcat、First Look MediaのReported.lyMeedanEmergentSAM DeskVerification Junkieなどのサイトから検証のエキスパートが参加している。たとえばBellingcatのEliot Higginsはトレーラーで輸送される軍用車両の写真をGoogleストリートビューと付きあわせてロシアからウクライナに向けて送られる途中であることを突き止めた過程を説明している。

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またYouTubeはWITNESS Media Labと協力して公民権や政治的権利への侵害の問題を深く掘り下げた情報を掲載するWITNESSというサイトをスタートさせた。 新しいサイトはすでに公開されており、Twitterフィードも配信中だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

マガジンの作者が多様な付加的コンテンツでニュースコンテンツをより賑やかにするFlipboardの新機能…Apple Newsに対して差別化

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人気最大のモバイルニューズマガジンFlipboardは、今度のiOS 9で、実質的にFlipboardクローンと言われている強敵Newsアプリが出たって平気らしい。でももちろん、何百万というiPhoneに搭載される内蔵アプリに負けないためには、絶えざるイノベーションが欠かせない。そこで今朝(米国時間6/16)同社は、AppleのNewsに対して強力に差別化できると思われる、ある方法を発表した。それは、マガジンの作者たちが自分の出版物に自分の声を加えて、これから共有しようとしているニュースに対する意見や考えを述べたり、読者に質問したり、テキストを引用したり、リンクや個人的な写真などで自分のマガジンをカスタマイズできる、という機能だ。

これまでFlipboardのユーザは、いろんなソースから記事を引っぱり込んで自分のマガジンを作り、自分の関心を軸とする、世界に一つしかないコレクションを提供できた。しかし大手メディア企業などが提供している派手なマガジンと違って、このデジタルコンテンツの集合体には、編集者の生(なま)の声が欠けていた。それが、これからは変わる。これからはマガジンの作者が、テキストやリンクや画像などを自分のマガジンに添付できるのだ。

Flipboardが提案しているこの機能の使い方は、質問をする、読者と会話する、コンテンツ提供者にリクエストする、マガジンの変更について注記する、などだ。コンテンツの中で自分が感動したフレーズを、引用してもよいし、記事に対する感想や意見をシェアしてもよい。作者〜編集者によるこれらの付加物によって、記事のコンテキストがより豊かになる(より多面的立体的になる)。

記事をリンクや自分が撮った写真などで修飾してもよい。するとマガジンに(願わくば良い意味での)個人性が加わるだろう。

Apple製のNewsアプリも、人間の編集チームが制作に関与し、地域ニュース、全国ニュース、世界のニュースの各レベルでニュースをふるいにかけるらしい。Newsアプリの編集者もコンテンツを大小さまざまなソースから取り込むが、ときにはマイナーなミニコミみたいなものから素材を拾うこともあるらしい。

だから二つのニューズマガジンは、体裁や美観だけでなく、その内容でも競合することになる。多くの読者にとって、おもしろい、センスが良い、と感じられるのは、どちらの編集姿勢だろうか。Flipboardがこれから行う、作者によるマガジンの個人化の強化は、吉と出るか凶と出るか、はたして?

Flipboardによると、この新しい機能はまずとりあえずiOSでローンチするが、じきにAndroidにも行く。このオプションを利用するためには、表紙にある”compose”アイコンをタップするとよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Blendleはドイツメディアと提携し、記事ごとに購入できるジャーナリズムのためのマーケットプレイスを拡張

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Blendleはオランダのスタートアップで、ジャーナリズムをNetflix形式のマーケットプレイスにしようとしている。Blendleはドイツの主要な発行元と契約し、ユーザーが単一の記事から購入できるBlendleのマーケットプレイスに加わった。本日からドイツ国内の主要な新聞と雑誌は、Blendleのウェブサイトから個別記事の販売を開始すると発表した。これにはドイツで有名な媒体であるBild、Die Welt、National、Der Spiegel、Die Zeitなどが含まれている。

Blendleは2014年4月にオランダでサービスをローンチし、昨年の10月の時点では13万人だった登録ユーザー数は、現在30万人以上にまで急伸している。発行元に関しては、これまで14の出版社が発行する、18の日刊紙と15の週刊誌と契約を結んだ。現在はオランダとドイツの2カ国でサービスを展開しているが、次はアメリカの英語メディアをターゲットとしている。

Blendleのマーケットプレイスは、ユーザーが個別記事ごとに支払うマイクロペイメント方式だ。記事辺りの価格はそれぞれの出版社が決定している。ユーザーは自分のアカウントに金額を選んで(10ユーロや20ユーロといった具合に)入金し、後はその分好きなように記事を購入することができる。どの出版社のどの新聞や雑誌からでも読みたい記事を購入することができるということだ。またこのサイトは、平均20ユーロセントの価格に記事が相当しないと感じた場合は、返金にも応じている。

このスタートアップは、昨年の秋に行ったシリーズAの資金調達ラウンドで、340万ドルを調達した。ヨーロッパの大手出版社Axel Springerのデジタル投資部門と、New York Times Companyがラウンドに参加した。Axel Springerは、Blendleが契約したばかりのドイツの出版物のいくつかを手がけているのは、当然のことだろう。最適な投資家を選択したことで、戦略的な価値がBlendleにもたらされている。3月には、New York Times、The Wall Street Journal とWashington Postと契約を締結した。しかし今の所、アメリカのコンテンツは、彼らが運営しているオランダ市場のみで展開する予定だ。

Blendleの事業モデルは、英語圏のメディア市場で検証されていないが、アメリカでのローンチを押し進めるなら、彼らは直にそれに取り組むことになる。英語圏では、大量に存在する無料のオンラインコンテンツと競合するのは避けられないだろう。彼らがどの程度収益をあげられるかに注目したい。

彼らのモデルがアメリカでどのようなパフォーマンスを期待できるかと尋ねたところ、共同ファウンダーのAlexander Klöppingは、発行元はこれまでペイウォール方式(有料登録で記事を閲覧できる)を利用してきたことは、より手軽に読者に品質の高いコンテンツを提供できるマーケットプレイスアプローチを後押しすることだと話した。

「発行元(WSJ、FT、Time Magazineなど)は、さらに多くのコンテンツをペイウォールの分厚い高額な壁で囲っています。Blendleは全ての発行元にアクセスし、ジャーナリズムに触れる、決済機能の付いた定期券となります。多くの発行元がマーケットプレイスに参加することで、始めて意味を成します」とTechCrunchの取材にそう話した。

「記事を発見できることも重要です。Apple Newsと似ているのかもしれませんが、Blendleも記事をレコメンドします。アルゴリズムと人の手により、記事を選別しています。編集者を雇い、ユーザーが読みたいと思うような新聞や雑誌の記事が発見されるようにしています。優れたコンテンツを簡単に購入できることとコンテンツが見つけられること。この2つの組み合わせで、Blendleはとてもうまく行っています。アメリカ市場でも成功できると考えています」。

「発行元にとってマイクロペイメントは、既存の広告収入に加わる収入源になると考えています。また、ユーザーにサブスクリプションを促す動線としても機能します(ユーザーはBlendleからクリック一つで特定の雑誌や新聞に有料登録し、無制限にその媒体の記事を読むことができる)」と続けた。

Blendleの記事に対する返金の割合は、少し上昇していたが、それはさほど驚くことでもないだろう。昨年の10月、彼らと話をした際、Klöppingは返金率は3%程度だと話していた。現在は少し上がり、平均で5%辺りだという。そして、特定の種類のメディアは明らかに他のメディアより返金の問い合わせが多いと話した。Blendleが「ゴシップ雑誌」と称す出版物は、「質の高い新聞」より返金率が高いとしたが、どの程度高いかは明示しなかった。

これがBlendleの最も興味深い要素だろう。マーケットプレイスモデルが、コンテンツのあり方を決めることになるかもしれないからだ。クリック数を追求する品質の低いクリックベイト記事にペナルティーを課し、「良質」な報道記事を推奨するなら、多くの市場で問題となっている「底辺への競争」をする広告収益に支えられたメディアコンテンツモデルに対する、実現可能なソリューションとなるかもしれない。(このスタートアップが編集者を雇って、コンテンツの発見を促す仕組みなのも興味深いが。)

「私たちのシステムは、クリックベイト記事ではなく、良質な記事の執筆を促します」とBlendleは説明する。「現在のインターネットは、クリック量産記事を推奨しています。クリックだけを追い求めれば、クリックは得られます。人の役には立っていませんが、クリックを得ることはできるのです。私たちのシステムでは、ユーザーは料金の支払いを拒むことができるので、そのようなクリックベイト記事にペナルティーを与えられる唯一のシステムです。そうすることで、良質なジャーナリズムを推奨することができます」。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

WWDC:Apple、Beats1グローバル・ラジオを発表―日本でも近日スタート

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今日(米国時間6/8)、WWDCでBeats Electronicsの共同ファウンダーで現在はAppleに所属するJimmy Iovineは、世界初の24時間年中無休のグローバル・ライブ・ラジオがAppleミュージック内に開局されることを発表した。

「(Nine Inch Nailsの)Trent Reznorが『いい考えがある。世界で最初の24時間年中無休のライブ・ラジオ局を作らないか?』と 電話をかけてきた」とIovineはステージで述べた。

「Reznorが独特のしゃがれ声で説明したところによると、『アルゴリズムではなくて本物の人間が選んだ曲がアメリカの三大都市から放送されるんだ。それぞれの局を1人のマスター・ディスクジョッキーが仕切る』というアイディアだった。そこで私は『どうしてアーティストってのはいつも実現が不可能に近いクレージーなアイディアばかり思いつくんだ』と不平を言った。しかすすぐに『いや待て、こういうクレージーなアイディアを実現するためにわれわれはAppleに加わったんじゃないか!』と気づいた」とIovineは発端を語った。

このグローバル・ラジオはロンドン、ロサンゼルス、ニューヨークから全世界100地域に向けてインターネットを通じて放送を行う。

ロサンゼルス局の音楽マスターはZane Loweで、Ebro Dardenがニューヨーク局から、Julie Adenugaがロンドンから放送する。番組にはアーティストの独占インタビューやゲスト出演が含まれる。

AppleはiTunes RadioもIovineの下でリニューアルする。IovineはBeatsが30億ドルでAppleに買収された後、その音楽部門の指揮を取っている。

有名DJによるラジオ番組の放送はAppleの1年がかりで準備された新しい音楽サービスの柱の一つをなすものとなる。Spotify、Pandora、Rdioなど既存のサービスには強力なライバルの出現だ。

Apple musicは6月30日スタートで、個人は月9.99ドル、家族パスは月14.99ドルだ。

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〔日本版〕Apple Japanサイトには新しいMusicを予告するページがすでに作られている。その中でBeats 1 Radioも詳しく紹介されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

The New York TimesとFacebookのファウスト的契約…ニュースのビジネスモデルはどう変わるべきか?

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[筆者: Tom Goodwin]
編集者注記: Tom GoodwinはHavas Mediaのストラテジー/イノベーション担当SVP。

高級紙は今、突然落ちてきた巨大な岩に押しつぶされそうになっている。これまでで二番目に最悪の意思決定は、自分たちのコンテンツをFacebookに無料でホストさせることだったが、しかし一番の最悪はそれをしないことだろう。

2006年に音楽業界がストリーミングサービスと契約を交わしたときを思い出す。それは彼らにもっと多くの人びとに到達する機会を与え、アルバムを買わない人たちにも音楽を提供できるだろうが、同時にそこには、コンテンツの価値を下げるリスクが伴うだろう。音楽へのアクセスがあまりに容易に、そして安易になるためだ。

The New York Timesをはじめ、多くのレガシー企業が、自分たちが未来に生き延びるために構築し投資してきたつもりのものから、その意図を裏切る現実をつきつけられている。それは、高級紙だけではない。タクシーの営業免許を持つ企業、BordersBlockbustersのようなお店、Kodakのようなメーカー企業…彼らが生産と流通のために築きあげてきた複雑で高価な資産が、今やデジタルの大洪水に襲われてその価値を下げ、無形の損失と化している。

The New York Timesは今でも、世界クラスのコンテンツを書くジャーナリストたちに高給を払い、それらのコンテンツは一晩で印刷されて全国に広まる。その過程を、複雑なロジスティクスが支えている。一方Facebookは、何も作っていない。彼らは大量のデータをそのサーバの上でホストし、それが抱える史上最良の個人情報で収益を稼ぎ出し*、そのすべてのお金はカスタマインタフェイスで作られている。〔*: 広告等のターゲティング、個人化のこと。〕

それらのレガシー企業は、愚かしい間違いを犯した。Uberがタクシーというレガシービジネスを殺しているのは、業界が、規制という幻想の壁で守られた成功の歴史の上にあぐらをかいていたからだ。KodakとBlockbusterは傲慢のあまり、誰でも自分たちを追いぬくことができる、という考えを封殺した。Appleよりも前からスマートフォンを作っていたNokiaは、その価値が、ハードウェアではなくソフトウェアと優れたユーザ体験にあることを見抜けなかった。旅行や音楽などそのほかの業界も、今世界を食べつくそうとしているソフトウェアとデジタル化の波に呑まれてしまった。もはや、変わるべきか・べきでないかの時代は遠く去り、どのように変わるべきかがメインの問(とい)になっている。

Facebookで無料で読まれることは、The New York TimesやBildのような高級紙にとっては、読者が増えるだけでなく、有料制という基本的な経営基盤を崩すことになる。

広告だけを収入源とするメディアにとって、コンテンツがFacebookでホストされることは、それほどの難題ではない。ネイティブオンリーのBuzzFeedでも、あるいはGuardianやBBCでも、それは広告収入が多くなる方法であり、読者が増えてコンテンツへの反応がより広範に分かる機会だ。しかしThe New York TimesやBildのような高級紙にとっては、読者が増えるだけでなく、有料制という基本的な経営基盤を崩すことになる。有料読者を増やすための拡販努力は彼らのメインの成長源であり、もしかすると、彼らの明るい未来の基盤かもしれない。

では、The New York TimesはFacebookへのコンテンツ提供を、未来の読者増のための無料購読マーケティングキャンペーンと見るのか、それとも広告収入の増加策と見るのか? それは、まだ分からない。彼らにも、分かっていないのではないか。

NYTにとってそれが何を意味するかはともかくとして、確実なのは、これからがジャーナリズムにとって厳しい時代になることだ。

ニュースの高級ブランドの死

これまでのニュースは、ニュースの専門企業が作って編集して消費者に届けるものだった。私たちは、Times(==NYT)を買ってその紙の上をナビゲートする。それは、消費者とブランドとの関係だった。私たちはニュースのプロバイダという公共性を信じて、さまざまな話題を読む。

でも現代社会の‘新聞の一面’はTwitterでありFacebookだ。紙面というより、個々の記事を読み、その話題や、見解を知る。メディアではなく、ライターがブランドだ。放送メディアのニュース番組も、重要性が薄れている。この記事でTechCrunchがTom Goodwin(私)をホストしたことは、吉か凶か? ソーシャルメディアでこれを見たとき、何かが変わるだろうか?

音楽やテレビでも、同じことが始まっている。かつては、アルバムを買い、土曜の夜にはNBCを視た。今では、個々の具体的な曲や歌が好きなのであり、〔TV番組では〕Breaking Badは好きだけど、どの局かは知らない。コンテンツがそのプロバイダから切り離され、プロバイダはコントロールを失う。

時代は変わる

このコントロールの喪失は、Facebookにとって好機になり、コンテンツが無料でホストされ広告収入がプロバイダへ行く形が、ニュース消費の究極の標準形として定着するのか?

Facebookはこれまでも、ブランドをあまり厚遇していない。無料でやって長続きしなかったものを、有料に切り替えたことはある。FacebookがWebへの一般的なポータルになり、世界へのポータルにもなりそうな今日、ニュースの高級ブランドは絶滅危惧種になる。それから先は、どうなるのか?

今は、ニュースコンテンツにとっておもしろい時代だ。ニュースを作り、収益化し、配布する方法が、変わろうとしている。ネイティブがいちばん良い、という結論になるのか? マイクロペイメント(小額支払)や独占形式(メディアとの再結合)が、価値あるコンテンツからブランドが収益を得る方法になるのか? 誰かが考えているように、eコマースなどそのほかの収益源や、商業的パートナーシップが、ニュースブランドを救う大きな力になるのか?

一つだけ確かなのは、FacebookにとってもThe New York Timesにとっても、これが実験であること。しかし後者がこの契約をキャンセルしても、消費者のビヘイビアはキャンセルできない。魂を悪魔に売ったファウストは、それを買い戻すことができない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

CEO ティム・アームストロング ― AOLはコンテンツ事業を続ける(TechCrunchを売るつもりはない)

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AOLにとって気になる一日だった。

おそらくご存じの通り、VerizonがAOLを44億ドルで買収することが決まった。この取引は主としてAOLの広告ビジネスが目的だと言われている(VerizonのJohn Strattonは「主な関心事は広告技術プラットフォーム」と言った)― ではAOLが所有するウェブサイトにとって何を意味するのか? Huffington Postや(ゴクリ)TechCrunchを含めて。
Re/codeのKara Swisherによると、AOLはHuffington Postのスピンオフを検討していた。そして私がArmstrongをインタビューした際、彼はその可能性を完全には否定しなかった:「われわれは常に様々なアプローチを受けている」と彼は言い、自分の仕事は「あらゆる可能性を考えることだ」と言った(今年2月に買収の噂について尋ねた時の答と似ている)。

しかしArmstrongはこう付け加えた、「一つ考慮の余地のない選択肢がある ― われわれはコンテンツビジネスの世界にいて自分たちのブランドを愛しているので、今後はコンテンツビジネスにもっともっと重点を置くだろう」。

これは、ニュースに関するインタビューのつもりだったが、最後に「CEO対社員」の会話が入り込んでしまった ― なんといっても、私のボスのボスのボスのボスに、TechCrunchの将来を聞くチャンスなのだから。

「TechCrunchを売るつもりはない」と彼は言った。「編集の独立性は続く。そして配信形態やリソースの観点から見て、考え得る最もすばらしい取引ができたたと思う」。

Tim Armstrong

インタビューの全文はここで読める。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MicrosoftのAzure Media Servicesにライブエンコーディングやプレーヤ機能などが加わる

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Microsoftの/ビデオストリーミングプラットホームAzure Media Servicesに今日(米国時間4/13)、いくつかの新しい機能が加わった

このアップデートの最大の呼び物は、ライブエンコーディングだ(今はまだプレビュー)。これはMicrosoftの既存のライブビデオ機能をサービスとして独立させたものだが、Microsoftの社員の説明によると、この機能によりAzureのメディア方面の顧客は“真のクラウドDVR体験”をユーザに提供できる。ライブエンコーディングでAzureのユーザは、自分のライブのワークフローを、複数のフォーマットのライブトランスコーディングで構築し、アーカイブし、ジャストインタイムでパッケージングし(今リクエストされているデバイス用だけにストリームを作ればよい)、動的な(==ランタイムの)暗号化ができる。

このLive Encodingはまだ非公開ベータだが、Microsoftは今日(米国時間4/13)、Azure Media Playerもローンチした。これはコンテンツのオーナーにオンラインの自動プレーヤーを提供するもので(自作する必要がない)、HTML5ビデオやMedia Source ExtensionsEncrypted Media Extensionsによる権利管理などをサポートしている。ねらいはw3cのオープンスタンダードだが、古いブラウザではプレーヤーはFlashやSilverlightを使える。

そのほかの新機能としてはAzureの発話書き起こしによる音声インデクシングサービスにスペイン語のサポートが加わり、またコンテンツオーナーのためにContent Delivery Security Associationからの証明、コンテンツのセキュアな保存(海賊版防止)を伴うデリバリサポートなども加わった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

LINE元社長・森川氏の次なる挑戦は動画メディア——5億円を調達し、女性向けの「C Channel」で世界を視野に

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4月1日にLINEの代表取締役社長CEOの座を退いたばかりの森川亮氏。LINEを取締役COOだった出澤剛氏に託し、自身はスタートアップの起業家として新たにサービスを立ち上げる。

新会社の名称は「C Channel」。設立にあわせてアイスタイル、アソビシステムホールディングス、グリー、GMO VenturePartners、ネクシィーズ、B Dash Ventures、MAKコーポレーション、楽天などから約5億円を調達する。今後は社名と同名の動画配信プラットフォーム(同社では「動画ファッション雑誌」とうたっている)「C Channel」のベータ版を展開する。現時点ではウェブのみでのサービス提供となるが、今夏にもスマートフォンアプリも提供する予定。

C Channelでは、「クリッパー」と呼ぶ約100人のモデルやタレントが、独自の動画を配信する。動画では、「カワイイ」「クール」といった切り口で、日本のファッションやフード、トラベル情報など紹介する。動画の長さは1本1分で、1つの店舗やスポットのみを紹介。位置情報とも連携する。お気に入りのクリッパーをフォローするといった機能も備える。ターゲットにするのは10代〜30代の女性。動画は日本語のほか、英語でも提供していく。

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Pinterestライクなクリッパーページ ※クリックで拡大

動画はクリッパーの自撮り、もしくはプロのカメラマンが撮影。そのあとプロが編集している。デモ動画を見せてもらったが、1分でも情報量はそれなりにあるし、クオリティは非常に高い。

もちろんネットにもともとあるようなストリーミングの垂れ流し動画だってライブ感があって面白いのだけれども、それとはちょっと方向性が違う。テレビ番組に近いクオリティだ。

このあたりの理由を森川氏に聞いたのだけれども、C Channelには現在タレントやカメラマン、動画編集者やエンジニアなど約10人のスタッフがおり、SPA(製造から小売りまでを統合・内製)モデルでコンテンツを制作しているため、安価かつ速いスピードで高品質の動画を提供できるのだそうだ。テレビや映画など、映像制作の“職人”的な経験者も多いという。

動画はベータ版のスタート時点で100本程度を用意。今後は毎日アップデートしていく予定だ。「映像のプロとITのプロが集まっている。ちょっとやそっとじゃマネできないと思う」(森川氏)

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動画のイメージ

 

10年かけてタイム・ワーナーのような会社に

「グローバルなメディアを作りたい。マスメディアはまだまだ変わっていないので、その変化の中で大きな流れを作ることに挑戦したい。日本のメディアが海外に成功した事例はないので、10年かけてタイムワーナーのような会社を作りたい」——森川氏はC Cannelについてこう語る。

では森川氏はどうしてLINEの代表退任後のチャレンジとして動画の事業を選んだのか? 森川氏は「起業するのであれば、『自分がやるべき領域』でやろうと思った」と説明する。

新卒で日本テレビ放送網に入社し、その後ソニーを経てLINEの代表となった森川氏は、放送とネット両方のメディアを経験してきた人物。若いスタートアップがメディア事業を立ち上げることについては、「しんどいと思う。資金も人も必要になるので、バイラル的、ワイドショー的なものになりがち」と分析する。だが世界を見てみるとメディアは変革の時期。「(テレビなどマスメディアの)最前線の人は、メディアの中でも問題意識を持っている」と語り、メディアビジネスへの注目度を説く。

また動画メディア事業について、「映像と技術が分からないとできない難易度の高い事業。映像だけだと職人の世界になるし、技術だけだとPVなどを意識しすぎる」と語る。

ではその両方を経験してきた森川氏のサービスがすぐに成功するのかというとそこは慎重で、「ビジネス的には相当厳しい。C Channelは、最初の1年程度は売上ゼロでもユーザー拡大に注力する」のだそう。

ECと広告でマネタイズ、海外展開も積極的に

C Channelでは今後、ECと広告でのマネタイズを進める。ECについては、C Channelブランドの商品を販売する予定。所属タレントによるプロモーションを行うほか、リアルイベントでの販売なども予定する。4月16日には東京・原宿にスタジオ兼オフィスをオープンする予定で、週末などはそこでクリッパーなどを呼んだイベントを積極的に展開していく。また出資するアソビシステムを通じて、所属するアーティストなどとも連携したイベントを検討しており「今後はきゃりーぱみゅぱみゅなどが参加するイベントもやっていきたい」(森川氏)とのことだった。

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スタジオを兼ねた原宿のオフィス

 

直近にはブランド広告を中心に展開する予定。「今まではナショナルスポンサーがつくようなブランド価値の高いような動画メディアがなかった。C ChannelのCはコミュニケーション、キュレーション。質の高いブランドを作りたい。そのためには『選ばれている感』や『憧れ』をどう出していくかが重要」(森川氏)。

また将来的には「アドテクの会社にしたい」(森川氏)とのこと。ユーザーの属性にあわせてリアルタイムに動画広告を編集・生成するシステムを開発中だそうだ。「YouTubeなどに乗らずに自分たちで(インフラまで)抱え込めばいろいろとできることがある。将来的にはそのエンジンを外部に提供することも検討する」(森川氏)。そのほか海外展開もすでに予定中。年内にはニューヨークにスタジオを作り、試験的に動画の制作を開始していく。

48歳での挑戦、「ビジネスはタイミングが大事」

ところで森川氏は今年48歳。この年齢での新しい挑戦を「遅い」と感じなかったのだろうか。

「ビジネスはタイミングが大事。早すぎても遅すぎてもダメ。IoTもITとハードウェアの組み合わせだが、ITと動画という違うモノを組み合わすようなビジネスは難易度が高い。『スケールさせること』と『いいものを作ること』の両方考えないといけない」(森川氏)

森川氏いわく、タイミングの重要性はLINEの時にもさんざん経験した話なんだとか。

「例えば検索(NAVER検索。2013年12月にサービス終了)もそう。どれだけすごい人が最高のものを作っても、タイミングが合わないとダメ。LINEも原型をたどればただのメッセンジャー。(先進性という意味では)大したものじゃない。そう考えていく中で、今のタイミングであれば『動画』だと思った。本当は教育なんかもやりたいが、まだ早い。技術があるか? 市場が熟したタイミングか? そしてビジネスモデルが見えるか? の3点が重要」(森川氏)

新しい産業を生み出す

前述の通り、映像と技術の組み合わせは難易度が高いという話があったので、森川氏に「若手のメディア系スタートアップを蹴散らしていくような感覚を受けた」と話したのだけれど、森川氏は笑いながらそれを否定して、「どちらかというと海外のメディアと戦っていきたい」と語る。

また森川氏は「やるなら正直ゲームのほうが儲かるし、(動画メディアは)あまり若いスタートアップがやらない領域だと思っている。だからこそ選んだ」とも説明。また、「秋元さん(秋元康氏)にも相談したら『応援する』と言ってもらった。メディアも変わるべきところにきている意識がある」とマスメディア側の見方も語ってくれた。

ちなみにLINE退任についても少し話を聞いたのだけれども、一昨年くらいから社内では話をしていたのだそう。

「LINEの次に何をやるか——この年齢になるといつ死ぬか分からないから、社会的に何かを残したいと思った。そこで考えた日本の課題は高齢化に伴う衰退。ではそこで大事なのは何かというと、新しい産業を生み出すこと。それが今は動画だった。そこを考えつつ、また別の軸で教育や投資などもできることをやっていきたい」(森川氏)。実はエンジェルとしても「結構多い数投資している」とのことだった。

ツイキャスが1000万ユーザー突破、動画サービスからプラットフォームへ

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モイが提供する動画ストリーミングサービス「TwitCasting(ツイキャス)」が1000万ユーザーを突破した。4月8日に同社が明らかにした。

2010年2月のサービス開始から5年弱での達成となる。以下がユーザー数を示すグラフだが、サービス開始から順調にユーザー数を増やしていたが、2013年後半からはユーザーが急増。女子高生を中心にしてサービスを拡大してきた。

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また、当初はノンプロモーションながら、海外ではブラジルを中心に局地的にユーザーが増加。現在海外ユーザーの割合は全体の2割ほどだが、その半数(つまり全体の1割程度)はブラジルのユーザーなんだそうだ。そんなこともあって、現在は米国・ブラジルでもユーザーサポートを行っている。

2013年頃まではアクティブユーザー(ユーザー数400万人でMAU200万人程度だったと聞いている)を公開していたが、現在は非公開。ただし、関係者から聞く限り、いい数字を出しているようだ。

おしゃべりツールからプラットフォームに

もう10代だけのサービスではなくなってきた——モイの丸吉宏和氏は語る。海外での利用はさておき(ブラジルでは初期からアーティストが音楽ライブの配信などをしていた)、日本では「女子高生のおしゃべりツール」からスタートしたツイキャス。高画質配信にも対応してからは、政党やスポーツチーム、アーティストなど、さまざまな組織の公式配信ツールとしての役割も担いつつあるのだそう。その結果、ユーザーの属性も(詳細は非公開だったが)30、40代まで広がったという。

特に2014年10月、法人利用を前提として高画質配信に対応してからはその動きが顕著になっている。アーティストが新譜を発売する際などは、ミニライブなどをツイキャスで配信することも増えたそうだ。

すでにPC版の広告やギフト用のアイテムなどで課金をしているツイキャスだが、1000万ユーザーを迎えていよいよ本格的なマネタイズを始める。具体的な話は今後発表していくということだったが、「ライブ配信はPRには使えても、それだけでは(配信でPRする商品の)売上にはそんなに影響はない、と言われるのは苦しかった」(丸吉氏)と語っていることから、マーケティングやコマース関連の機能を実装していくことが予想される。

実際、ツイキャスで女性誌のモデルがおすすめした化粧品が翌日にはAmazonで売り切れになるといった現象も起きているらしいし、法人のキャス主(配信者)を中心に、コマース機能の連携ニーズは高いらしい。このあたりは今春中にもまた発表すると聞いている。

TwitterのPeriscope買収の影響は?

3月にはTwitterがツイキャスの競合サービスであるPeriscope買収し、さらに別の競合サービスであるMeerkatに対して、ソーシャルグラフの使用を禁止するといったことが起きている。ツイキャスには影響はないのだろうか? 丸吉氏は「(ソーシャルグラフの使用制限など)何もないとは言えないが、ツイキャスではすでに独自IDを用意しており、その数も増えている。またAPIの利用なども適切に行っている」と説明した。

[速報]DeNAがキュレーションメディアをさらに強化——Find Travelを買収、6月には自社で2サービスを開始

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これまで住まい・インテリア特化の「iemo」と女性向けファッションの特化「MERY」と2つのキュレーションメディアを買収し、さらに自社で飲食特化の「CAFY」を立ち上げたディー・エヌ・エー(DeNA)が「DeNAパレット」と銘打ってキュレーションメディアのプラットフォームを拡大する。

DeNAは4月6日、旅行特化のキュレーションメディア「Find Travel」を手がけるFind Travelを2月に買収し子会社化したことを明らかにした。あわせて男子ファッションの「JOOY」、妊娠・出産。子育ての「cuta」の2つのキュレーションメディアを6月にも立ち上げる。2015年12月末までには合計10サービスまで拡大するとしている。

DeNAは現在サービスに関する発表会を開催中。詳細は追ってレポートする。

Facebook、360度ビデオをニュースフィードとOculusでサポート


Facebookはニュースフィードへの360度ヒデオのアップロードをサポートし、OculusゴーグルではOculus VRを体験できるようにする。Facebook CEOのMark Zuckerbergは、今日の年次F8デベロッパーカンファレンスでこの新機能を発表した。没入型ビデオ体験では将来ライブ中継もサポートするとZuckerbergは言った。
これは同社が先に「テレポーテーション」機能について漏らした際に指していたものだ ― その意味について多くの人々が憶側したが、F8のキーノートに基づけば、Oculusベースの360度没入型ビデオのようだ。

最近、他社もこの種の全周ビデオのサポートへの動きを見せている。GoogleはYouTubeへの360度ビデオのアップロードをサポートし、ChromeとAndroidアプリで再生すればヒデオで周囲を見回すことができる。、

Zuckerbergは、Facebookが360度ビデオをエンドユーザーに公開する時期については具体的に話しなかったが、実際の使い方については、ユーザーがパースペクティブをカーソルでコントロールするところを簡単に披露した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


アメブロの再発明ではない-サイバーの新サービス「Ameba Ownd」はお手軽なサイト作成サービス

サイバーエージェントのブログサービス「アメーバブログ(アメブロ:Ameblo)」と言えば、芸能人や著名人の公式ブログを筆頭に——「改行がありすぎ」なんて揶揄されるような若い世代の日記などが話題になったこともあるが、そんなブログもひっくるめて——幅広い層に支持されているブログサービスの1つだ。

そんなAmebloを提供しているサイバーエージェントが3月に入り、「Ameba Ownd(アメーバオウンド)」なるブログ風なサービスのスタイリッシュなティザーサイトを公開している。同サービスがいよいよ3月18日、正式オープンした。

このAmeba Ownd、ブログのような日記も、企業紹介のような静的なページも作れるし、TwitterやInstagram、Facebookなどのソーシャルメディアと連携して、サイト上に集約して表示できる。ではこれはブログサービスと考えていいのか? サイバーエージェントでAmeba事業を統括する堀浩輝氏いわく、Ameba Owndは「誰でも無料でオウンドメディアを作れるサービス」なのだそう。

シンプルなUIでブログから企業サイトまでを作成可能

Ameba Owndでは、3ステップでサイトの開設が可能。カラーバリエーションを含めて100点以上のデザインから好みのものを選択し、サイト名などを入力してやればよい。Ameba Ownd上でブログのようなフロー型のコンテンツを書くこともできるし、Amebloと連携して、Owndのページ上にAmebloで書いているブログを表示することもできる。レスポンシブデザインでサイトを作成するため、スマートフォンでの閲覧にも対応している。

投稿画面は非常にシンプルにしており、1つの画面で前述のブログライクなページの投稿も、TwitterやFacebookの投稿も可能。ただしInstagramは外部サービスからの投稿ができないため、連携してもOwnd上での投稿はできない。また、正式サービスの開始に合わせて、サイトの作成、更新、閲覧が可能なスマートフォンアプリも提供する。簡易的な解析機能を自前で提供するだけでなく、Google アナリティクスにも対応。さらにEC向けのカート機能なども今夏をめどに提供する予定だ。

堀浩輝氏

「ブログの再発明」ではなく「ウェブサイト」

サイバーエージェントらしい点なのだけれども、著名人やアーティスト、クリエイター、企業などに対しても利用を促しているそうで、正式公開前からスターバックス コーヒーやヘアサロンのSHIMAがサイトを開設していたほか、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏、ディレクターの夏木マリさん、俳優の水嶋ヒロさん、ミュージシャンのZeebra、MISIA、ゲスの極み乙女。など約50のサイトが開設される。

Ameba Owndで作成されたスターバックスのサイト

ほかにもサイト開設は進んでおり、4月中にも100サイトを突破する見込みだそうだ。ただし著名人に関しては「Amebloとあまりかぶらないようにしている。アーティスト、クリエーター、美容サロンなどを中心に打診している」(堀氏)ということだった。

これまで芸能人をはじめとした著名人ブログが1つの価値になっていたAmeblo。でもAmebloのサービスだけでは、自己紹介のような静的ページを作るのは難しいし、デザインこそ変えても、サイト構造を大きく変えることはできない。またソーシャルメディアのフォロー数を増やすような施策をしたくても、そこまできっちり連携できるわけでもない。

そういった既存サービスで実現しないことの課題感、それと同時にmediumStrikinglyのような海外で新しいCMS、ブログシステムが台頭してきている一方で、国内からはその手のイケてるサービスがまだ登場していないといった背景もあってサービスを開発するに至ったのだそう。

ただ、Ameba OwndはAmebloの次、次世代のブログサービスという位置づけではないと堀氏は強調する。「Owndはブログサービスでなく、ウェブサイト。Amebloと連携して補完できるものだし、ブログサービスの再発明ではない。もちろんデザイン性が高いブログを使いたい人にとってはブログサービスと思ってもらって構わないが、ライトな層にとっては機能が多すぎる。それならば引き続きAmebloを使ってもらいたい」(堀氏)

単体でマネタイズしなくたっていい

Ameba Owndのマネタイズはまず、「とにかく規模を作る」ということだそう。とにかくユーザーを増やし、トラフィックを増やしさえすれば、サイバーエージェントグループで広告商品を作ってマネタイズしていけるという。すでに企業の利用も始まっているが、何かしらのキャンペーンと合わせてOwndのサイトを開設するということでもビジネスになるという考えだ。

また、「そもそもOwnd単体で黒字化する必要はない」という考えもあるそう。AmebloやOwnd、ゲームなどを含むサイバーエージェントのコンシューマ向けサービス群を指す「Ameba」は、会員数が約4000万人(2014年8月時点)、月間流入数が約6億セッション。スマートフォンだけでも見ても会員数が約2400万人(2015年2月時点)、MAUが約460万人(同月)という数字だ。このトラフィックを生かしてOwndに集客したり、逆にOwndから何かしらのマネタイズエンジンとなるサービスに送客したりすればいいと考えているそうだ。

サイバーエージェントと言えば、2014年夏に体制変更を発表し、Ameba事業の従業員数を1600人から800人に半減。Ameba事業から離れる800人で新規事業を立ち上げるとしていた。その新規事業部門やAmeba事業部から、新規サービスが続々リリースされる予定なのだそう。これらとOwndがどう連携していくのだろうか。


Outernetは宇宙からインターネットへのアクセシビリティ向上を図る


地球上のおよそ40億の人は、インターネットに繋がっていない、あるいはアクセスができない状況にいる。彼らにインターネットを届けるべく人工衛星の打ち上げを始めとする宇宙からの開発競争が始まっている。そこに参戦できるのは億万長者や世界最大のインターネット企業に限ったことではないようだ。

Outernetは独立系の小さなメディア企業だ。彼らはラジオ放送のようにインターネットのコンテンツを配信することを目標に掲げている。彼らは「cubesat」つまり小型人工衛星の製造を行う為、イギリス宇宙機関とスコットランドの衛星の設備を製造するClyde Spaceと組み、資金を出し合って開発に当たっている。

情報を放送するOuternetのCOOを務めるThane Richardは、2016年の初めに3つの超小型人工衛星を打ち上げる予定であると話した。この提携によりOuternetは人工衛星を手に入れることができ、イギリス宇宙機関とClyde Spaceは、よりコスト面で効率の良い小型人工衛星の開発に取り組むことができる。

「私たちの関心は一つです。それは最も低価格で最も効率的な方法で情報を届けることです。」とRichardは話す。現在、彼らはKuバンド上の専用周波数帯においてキュレートしたコンテンツを配信している。

来年打ち上げる人工衛星は地球低軌道に乗せる予定で、この人工衛星から複数の異なる周波数での配信が可能となる。これにより、Outernetは受信機をより一般的な部品から作ることができ、経済的に貧しい彼らのターゲット層に安価にそれを提供することができる。

Outernetは、現代版の短波放送です。世界が知識主導型の経済に移行するほど、コスト、地理、法制の制約により、30億人以上の人がその世界から取り残されてしまいます。

— Syed Karim

2014年1月の下旬にローンチされたOuternetは、Media Development Investment Fundが投資する最初のプロジェクトだ。Outernetは、Facebookのinternet.orgやGoogle のProject Loonが実現しようとするインターネットと全てがつながるユビキタス世界とはまた別の方法で情報の配信を目指している。

会社の立ち上げ時にファウンダーのSyed Karimは、「Outernetは、現代版の短波放送です。」と話していた。「世界が知識主導型の経済に移行するほど、コスト、地理、法制の制約により、30億人以上の人がその世界から取り残されてしまいます。Outernetは、全ての人にニュースや情報を放送します。今より遥かに多くのチャンスと教育を届けることができるのです。」と語った。

最初の資金はMDIFから受けた金額とIndiegogoで行ったクラウドファンディングのキャンペーンで集めた。このキャンペーンで彼らの最初のプロダクトである受信機の「Lantern」が50万ドルを売り上げた。

一つ169米ドルのこのデバイスは、今まで届かなかったところに知識という名の光を当てることを目標としている。デバイスの名前「Lantern」はその目標を表している。このデバイスは、Outernetの専用衛星ネットワークから配信される電波を継続的に受信することができる。受信した電波は、受信機の中でデジタルファイルに変換される。彼らは、ウェブサイト、電子書籍、記事、動画、音楽といった幅広いコンテンツを配信している。デジタルファイルは内蔵されたドライブに保存され、Lanternのホットスポットと他のWi-Fi対応の端末を繋ぐことで、その情報にアクセスできる。

「私たちは、1日に1ギガビット分の情報を受信でき、20ドル以下で手に入る端末を作りたいと考えています。」とRichardは言う。

Outernetのコンテンツは、集められたものの中から自社の編集者が厳選して配信を行っている。ある特定の情報がほしいといった要望を誰でも、どこからでも受け付けている。現在、北アメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカ北部と、サハラ砂漠より南のサブサハラで配信している。北アメリカ、ヨーロッパ、中東、北アフリカでの配信は2014年8月に始まり、サブサハラでは12月に始まった。

アジア向けのコンテンツ配信も今後3ヶ月以内に開始する予定であるとRichardは話した。「年内には、毎日10ギガバイト分の世界中の情報をカバーすることが目標で、その目標に向かって順調に進んでいます。」と言う。

LoonとNetと次世代ラジオ放送

インターネットへのコネクティビティを改善しようと、ヨーロッパで有力なパートナーを探していたのはOuternetだけではない。プライバシーの懸念をよそに、Googleは展開するProject Loonにおいてフランス国立宇宙研究センター(CNES) の協力を得ることができた。

CNESはこれまでも高層大気への風船の打ち上げを行ってきた。(ジュール・ヴェルヌ著の「八十日間世界一周」の風船も彼らのだったのかもしれない。)彼らは、Googleがニュージーランドの郊外で行った初の実験の成果に胸を踊らせている。

そう、GoogleのLoonプロジェクトは、ついに日の目を見ようとしているのだ。高層大気にルーターを結びつけた無数の風船を上げることで、 ロードアイランド州程の広さの地域 にインターネットを提供することができる。全ての人をインターネットにつなげようとするGoogleの野望は、今まさに大きなビジネスとして立ち上がろうとしている。Googleの役員は、Loonプロジェクトは何百億円規模のビジネスになると言う。それが空想に過ぎないのか、それとも未来を予見した発言なのかは、そのうち分かることになるだろう。

プロジェクトリーダーのMike Cassidyは、The VergeのBen Popperにこのように話していた。

「考えてもみてください。40から50億人はまだインターネットへのアクセスがありません。その5%でも2億5000万人です。」と彼は言った。月々の収入からほんの少し、例えば5ドルを支払ったとしたら、「月に10億ドルが見込めます。年間にしたら100億ドルを超えます。そう考えたら良いビジネスでもあるのです。」

コネクティビティの改善を競う企業から一歩抜きん出ようとするGoogleのLoonプロジェクトはFacebookが力を入れているInternet.orgとよく対比される。先週バルセロナで開催されたMobile World Congress でMark Zuckerbergは、コネクティビティについての彼の見解を話した。

コネクティビティに着目したLoonのハードウェアとは違い、ZuckerbergとFacebookは、インターネット利用者を増やすためのプロモーションにおいて、携帯キャリアが果たすべき役割が重要であると考えている。

私たちのライターの一人、Josh ConstineはZuckerbergの話を以下のように記事に書いて いる。

Zuckerbergは、「世界の90%の人は、インターネットの届く範囲に暮らしています。人工衛星やレーザー、他のハイテクな方法でインターネットを届けることはかっこいい話ではありますが、ここから変わるべきなのです。」と言った。こことは、Mobile World Congressのことを指している。

データ通信料の引き下げとインターネットの重要性を教えていくことが肝心だという主旨だ。Zuckerbergは、本当に投資を行い、インターネット普及に労力をかけているのは、internet.orgのパートナーとして活動する携帯電話会社だと話した。

では、Googleがコネクティビティを目指して空飛ぶデバイスを作り、Facebookが特定の地域でキャリアと組み、コストを削減、あるいは無料でデータ通信ができるように動いているなら、Outernetには何が残されているのだろうか?

Outernetはそもそもメディア企業であったことから、コネクティビティの向上もこの企業の計画にはあるが、コンテンツの配信とそれにアクセスする方法の改善に重きを置いている。彼らのサービスは、オンラインを閲覧するというよりは、次世代のラジオを目指していると言った方が近いだろう。ただし配信するのは音声に限らない。

Richardによると、ラジオのように受動的に情報を受け取る方法が良い場合もあると言う。権威主義の国で、情報へのアクセスが制限されているような地域では、どのような情報に誰がどこからアクセスしたかがトラックされずに有益な情報が得られるこの方法が適していると言う。

コンテンツの質についてはどうだろう?

この会社は、ユーザーからのリクエストを自社でキュレートし、配信している。そのため、誰が情報の重要度を判断するかによって、受け取るコンテンツはユーザーにとって必読のものからそうでないものまで混在することになる。

コンテンツの問題とさらに共通言語の問題もある。Outernetが配信しているコンテンツの多くは英語であることから、誰もが英語を理解できない新興地域では、その情報の影響力は限定的だ。

「私たちは、全ての地域とコミュニケーションを民主化したいと考えています。これからプレーヤーが多ければ市場も活性するでしょう。」とRichardは言う。「放送を止めることはできないのです。とても基本的でシンプルであるからこそ、必要不可欠なものであると考えています。」と語った。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook


Amazonのクラウド・ライティング・プラットフォーム、Write Onが一般公開

Amazonには、Write Onというクラウド執筆プラットフォームがある。セルフ出版したい著者がコンテンツを無料で提供し、コミュニティーのフィードバックを作品に取り入れるためのソーシャルネットワークで、Wattpadと直接競合する。Amazonのサービスは昨年10月に招待制ベータとしてスタートしたが、このたびベータのラベルを外し一般公開された。

このAmazonプラットフォームでは、誰もが自由にどんな段階の文章でもシェアすることができる。作品全体、章、アウトライン、曖昧な登場人物設定や、文の断片ひとつでも公開してコミュニティーのフィードバックを受けられる。参加するために自分が書く必要もない ― 読みたいだけの人にも、山ほどのコンテンツがジャンル別に分けられているので自由に探して読みかじったり、「シャッフル」機能でランダムに読んだりできる。

AmazonがWattpadの実績に対抗するためにはやるべきことがたくさんある。Wattpadは9年の歴史を持ち、毎月4000万人のアクティブユーザーから毎日24時間分の作品が投稿されると最新の公表データに書かれている。

読者のためにクラウドソースを利用しようというAmazonサービスはWrite Onだけではない ― 最近同社が公開したKindle Scoutは、著者が完成した原稿を投稿してユーザーコミュニティーに読んでもらい、クラウドの反響に応じてKindleの出版部門がデジタル書籍化する可能性があるというシステムだ。理論的には、著者はWrite Onで本を書いて微調整してから、Scoutに投稿して販売することができることになる ― すべてAmazonの愛情のこもった抱擁の中で。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


「ムゲンブックス」はAmazonや書店で買える紙の本を無料で出版できる


ブログを書くように執筆した原稿を、紙の本として出版できるウェブサービス「∞books(ムゲンブックス)」が始まった。売れた分だけオンデマンド印刷する仕組みで、出版にかかる費用は無料。著者の印税は10%。できあがった本は、Amazonや全国の書店から買える。

専用の入力画面でタイトルと本文を入力するだけで、紙の本の出版に必要な目次やページ番号、文字組みなどを自動的に設定してくれる。完成した本にはISBNが付与され、出版社である「デザインエッグ」を通じて出版する。

ムゲンブックスは、KDDIが手がけるベンチャー育成プログラム「KDDI∞Labo」第7期プログラム採択案件。代表を務める佐田幸宏氏はかつて、4980円で紙の本が出版できる「MyISBN」を開発し、リリース1年半で250タイトルの本を出版している。

MyISBNは、PDFファイルをアップロードするだけで本を作れるのが特徴。しかし、一般ユーザーの中には、PDFを作成するのが技術的に難しい人も多かったと、佐田氏は振り返る。「文字を打つだけで出版できるムゲンブックスは、技術的なハードルをほぼゼロにした」。

出版社の「お墨付き」がなくても本を出すニーズは?

著者としては無料で出版できるのは魅力だけれど、表紙のデザインや文章の編集、誤字脱字のチェックなどは、全部自ら行う必要がある。ぼくには、知名度の高い出版社の「お墨付き」がなくても、紙の本にしたい需要がどれくらいあるのかは未知数に思える。

ムゲンブックスははどんなユーザーを想定しているのか? 佐田氏によれば、大きくわけて2つのターゲット層があると言う。

1つ目は、ニッチなノウハウを持つコミュニティだ。MyISDNでは、マシジミを飼うための本や、ライフルの弾道学について書いた本が好評だったといい、ムゲンブックスでも、一定のファンがいるコミュニティに出版需要があると見ている。

2つ目は、自分の想いや記憶を残したいと考える、50歳以上のユーザーを想定している。こうした層は自費出版を通じて本を出したりするが、費用は数十万円から数百万円と高いことから、無料で出版できることをアピールしていけるのかもしれない。

ムゲンブックスを通じて出版した本


ユーザベースがNewsPicksを分社化–詳細は「後日発表」

ユーザベースは、同社が提供するビジネス特化のニュースサービス「NewsPicks」を分社化する。新設分割で新会社ニューズピックスを立ち上げ、NewsPicksの事業を移管する。

NewsPicksはビジネス系ニュースサイトの閲覧や記事へのコメント投稿、ソーシャルでのシェアが可能なサービス。月額1500円で有料コンテンツの閲覧も可能。サービスをリリースした2013年9月当初は、SmartNewsやGunosyといったニュースサービスと比較されていたが、2014年7月に元東洋経済オンラインの編集長の佐々木紀彦氏をNewsPicks編集長として招聘。9月には編集部を設立し、独自コンテンツを配信すると発表。広告ビジネスをスタートさせた。

なおユーザーベースでは直近のダウンロード数や課金ユーザー数を公開していないが、2014年9月時点でのダウンロード数は21万件。SmartNewsやGunosyと比較すると小さい数字だが、20〜40代のビジネスマンが中心。

ユーザベース広報は分社化について「官報にあるとおり事実だが、詳細については後日公式に発表する」とコメントするにとどめており、現時点詳細については明らかにしていない。


Amazon、P. K. ディックの傑作SF『高い城の男』のテレビシリーズ化を正式決定

Amazonがやってくれた! Amazonはフィリップ・K. ディックの傑作SF『高い城の男』を原作にしたテレビドラマを1シーズン製作することにゴーサインを出した。

われわれSFファンに朗報なのはもちろん、Amazonが力を入れているオリジナル・テレビドラマ・シリーズの将来にとってもグッド・ニュースだ。Amazonがこれまで製作したパイロット番組の中で『高い城の男』は断トツに視聴された作品だった。作品の完成度は非常に高かかったが、それだけにAmazonにとっても製作コストも撮影の技術的困難さもトップだったに違いない。

Amazonは同時に 最近のパイロット番組から4作をシリーズ化することとした。イギリスのテレビ番組をベースにしたMad Dogs、ドキュメンタリーのThe New Yorker Presents、それに子供向け番組が2本、Just Add Magiche Stinky & Dirty Showはいずれも優れた作品だと思うが、正直に言えば『高い城の男』はこれまでAmazonが製作した中で文句なしに最高傑作だと思う。

お気づきのとおり、私はだいぶバイアスがある。私が当初から『高い城の男』を激賞し、あちこちでそのことを告げてまわっていたことは同僚がよく知っている。ディックの原作は第二次大戦で枢軸側が連合国側に勝利し、その結果アメリカが日本とナチ・ドイツに分割占領されたパラレルワールドを異様なリアリティーで描いている。

しかしディックの原作を読んでいなくともテレビシリーズはよく出来ており、十分に楽しめる。パイロット版を見るかぎり、出演者は役柄に合っており演技も的確だった。シリーズを通してこの高い水準が維持されることを期待したい。とにかく私は良いSFテレビドラマには目がないのだ。

〔日本版〕主役の一人、サンフランシスコ日本大使館の書記官、田上信輔を東京生まれのベテラン日系人俳優ケイリー・ヒロユキ・タガワが演じる。Kindle版、高い城の男(早川書房) 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


TechCrunchへの掲載は100万円――スタートアップがこんなPR会社と付き合う必要はない

少し前の話だが、とあるPR会社の営業マンが成長中のスタートアップ企業に以下のような提案を持ってやってきたそうだ。

こういった営業の提案自体はよくある話。ただその提案資料には成果報酬(媒体で放送されたり、記事が掲載されたりすることで報酬を支払う)で日本経済新聞とワールドビジネスサテライト(WBS)が180万円、日経ビジネス、ダイヤモンド・オンライン、東洋経済オンラインなどが150万円、ITmedia、CNET Japan、ITProなどが100万円と、具体的な金額が並んでいた。TechCrunchも100万円なのだそうだ。380万円で4社掲載のパッケージプランもある。

お金を払えばあなたの手掛けるサービスが記事になります!お手軽!素晴らしい!――そんなわけがない。PRノウハウのないスタートアップがこんな提案を受け入れるのはやめたほうがいい。

複数のPR会社が「高い」と答える価格設定

そう思う理由は大きく2つあるのだけれど、まずは価格だ。複数のPR・広報関係者にこれらのプランについて聞きまわったのだけれども、誰もが一様に「高い」と声を揃えた。中には「この価格でやれるなら、今頃大金持ちですよ」なんて笑って語るPRの会社のスタッフもいた。

もう1つ、やめたほうがいいと思った理由がある。この提案書にロゴが掲載されている媒体数社の「中の人」に話を聞いてみたのだけれど、そもそもこの提案を持ってきたPR会社のことを知っているという人がいなかったのだ。

ちなみに提案書に名前のあったテレビ番組、ワールドビジネスサテライトのサイトには次のような注意書きが掲載されている。

最近、「ワールドビジネスサテライト」の制作会社を名乗り、番組に取り上げるよう計らうので一定の費用を払え、という売り込みをする会社がある、との情報が寄せられました。「ワールドビジネスサテライト」を始めとする報道番組は、あくまで報道番組の視点から番組が独自に取材対象の選定にあたっており、当社や番組制作会社が取材対象者から金銭を受け取って番組を制作することはありません。

まずはプロダクトへ注力すべき

僕はPR会社も広告代理店も否定しているつもりはないし、そもそもメディアビジネスとは切っても切れないものだと思っている。ただスタートアップが冒頭のようなPR会社を使うべきでないと言いたいのだ。

成果報酬ということだし、いくら関係者が高いと言おうがこれが「スタートアップを対象にした詐欺である」なんてことはないだろう。だからといって、媒体と接点のないPR会社に対して言われるままに数百万円を払い、1回限りになるかもしれない掲載実績を作ろうなんて思わないで欲しい。例えばTechCrunchにアプローチしてくれるのならば、サイト上のタレコミ欄からコンタクトを取ってくれればいい。タレコミは1円もかからない。

そんなことよりもまずスタートアップが注力すべきなのは、世の中に求められるいい企画、いいプロダクトを作ることだ。まずはプロダクトありき。そうすればうんざりするほど取材依頼も来るだろうし、ユーザーだって就職希望者だって集まってくる。

定量的な成果を求められるPR会社の悩み

この記事を書くまでに、提案書の内容をもとにかなりのPR・広報関係者に話を聞いてきた。その中では、今PR会社(特にオンラインメディアをカバーしている部隊だ)が抱えている悩みも知ることになった。

実はここ最近、クライアントがPR会社に対して、掲載媒体数やその数字をもとにした「広告費換算でいくら」というような定量的な成果を求める傾向が以前にも増して強くなっているのだそうだ。ようはPR会社も、「関係性を作るがどうかよりも、媒体に掲載されてナンボ」。そんな注文が来るのだという。特にマーケティング部門がお金を出す場合にこの傾向が強いのだとか。そりゃあ部署の役割としても、PRと広告とを同じように考えるのだろう。「広告費換算」なんて言葉でPRを語る人もいるのだけれど、さまざまな媒体のさまざまな枠が広告としてどれくらいの価値があるかで考えられていたりする。

こういうクライアントのニーズに対して、あるPR会社の役員は「特定の媒体に出すことだけを求められる場合、『PRとは何か』という話をし、特定の媒体だけに露出することが価値になるかよく話してからでないと案件を引き受けない」と語る。また別のPR会社のスタッフは、「記事広告やネイティブアドを発注するような、広告代理店的な動きを求められることがあるのは事実。だが結局はクライアントのニーズありき。ビジネスとしては正しいかも知れない」なんていう愚痴をこぼした。ほかには「あの媒体の○○という枠は、いくら払えば大体出せますよ」なんて生々しい話も聞いた。また別の関係者は「PR会社もクライアントも、パブリシティとパブリックリレーションズの違いを理解していないのではないか」と嘆いた。そんな背景もあって、冒頭のような提案が出てきたのかも知れない。

スタートアップのPRはどうすべきか

では優れたプロダクトを作り、いよいよ大々的にPRをする、という必要性が出てきたときにはどういうことをすればいいのか?「いいやり方」のヒントが見つかるコンテンツをいくつか紹介しておく。

まずは米国TechCrunchの記事だ。紹介しているサービスは日本ではまず関わりがないが、この中で筆者のRomain Dilletは「スタートアップについて誰なら興味をもってくれそうか、それをまず見つける。そして、短い、おいしそうなメールを送るのだ」なんて言っている。これはまさにそのとおりだと思う。TechCrunch Japanでもサイト上から投稿できる「タレコミ募集」のメールはチェックしているし、僕はソーシャルメディアでも声をかけてもらうのも歓迎だ(とはいえ最近はメッセージの洪水に流されそうになっていることもある)。

また、Impress Watchの編集記者を経て現在CerevoでPRを担当している甲斐祐樹氏のブログも非常に参考になると思う。これはプレスリリースを出す際のコミュニケーションについて書いたものだが、オンラインメディアとPRの両方を経験している同氏のエントリーは非常に具体的だ。参考にできるスタートアップも多いと思う。僕もスタートアップ向けに何度かPRの話をしたことがある。

工数はもちろんかかるが、タダでできる施策だっていくらでもある。スタートアップでPRを考えるなら、まずそんなところから始めればいい。そしていよいよPR会社などに依頼するときは、掲載実績ばかりをうたうようなところでなく、長いスパンでの戦略を共に考えられる文字どおりの「パートナー」を見つけて欲しい。


GoPro、NHLとタイアップして新しい視点からのアイスホッケー中継にチャレンジ

アイスホッケーのファンは、アメリカやカナダに限らず世界中にいると思う。そこに注目したのだろう。GoProはNHLおよびNHLPAと提携し、試合のライブ中継にGoPro映像を加えることとしたようだ。GoProにとって、メジャーなプロスポーツ団体と正式に提携するのはこれが初めてとなる。つい先日発表となったVislinkと共同で開発したLive Broadcast Solutionを用いることになるらしい。

GoProを使ったライブ中継は2015 NHL All-Star Weekendから開始される予定で、実際にプレイヤーにGoProを取り付けてプレイヤー視点のライブHD映像を見ることができる予定だ。GoProは2015年シーズンを通してHD映像を撮影していく予定で、レギュラーシーズンおよびプレイオフについても、これまでと違う視点からみたアイスホッケーを楽しめることとなりそうだ。

今回の話のみならず、スポーツ中継のシーンではこれまで以上に臨場感をもたらすカメラへのニーズが高まっている。ESPNはWinter X Gmaeにドローンを採用したいとアナウンスしているし、またGoPro Professional Broadcast SolutionもWinter X Gameでの可能性をテストしているところだ。スノーモビルのスピード&スタイル部門で優勝したColton MoorがGoProを装着していた。ちなみにNFLでは、しばらく前からワイヤ上を走るリモートコントロールカメラが利用されている。GoProはスノーボードやマウンテンバイク、スケートボードなどで利用される機会が増えており、そうした話題の技術を取り込むことで、NHLとしても若年層の興味を取り込むメリットがあるのだろう。

GoProとしても、より広いマーケットに自社プロダクトの魅力を訴える機会となる。NHLの「オフィシャルパートナー」となり、ブロードキャストやNHL.com、あるいはNHLの運営するソーシャルメディア上での露出を通じて、さまざまな場面にプロダクトの魅力をアピールする機会を得ることとなる。

GoProとしては、「メインストリーム」層への進出を狙って行きたいところだろう。今回のNHLに続いて、他のプロスポーツ組織への働きかけにつながっていくのかもしれない。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google TVのデベロッパサポートを終了してGoogleはAndroid TVへ全面移行

Google TVのずるずる引きずったさよならもやっと終わりに到達し、今日(米国時間1/6)Googleは、その後継者であるAndroid TVのローンチを機にGTVのサポートを終了する、と発表した

Googleは声明文の中で、既存のGoogle TVデバイスとアプリは今後も動作するが、Google TVデバイスのごく一部はAndroid TVにアップグレードされ、そのほかの多くのGoogle TVデバイスは新たなプラットホームをサポートしない、と言っている。この春にはSonyとSharpとPhilipsからAndroid TV内蔵のテレビが発売されるので、それを買ってください、ということだ。

Google TVのデベロッパリソースはもはや提供されないが、Googleは、Android TVとChromeCast対応機への移行はきわめて容易である、とゴリ押し的に言っている。

Google TVがローンチしたのは2010年だが、ユーザ数は一貫して少なかった。その理由の一端としてHulu Plusなどのストリーミング屋さんが、テレビの独自の有料ストリーミングサービスに固執したことが挙げられる。Android TVもその成功を左右するのはデベロッパたちからの支持と、十分な数のOEMが存在することだが、ストリーミングビデオアプリを内蔵、ゲームをサポート、Google Playのいろんな(有料/無料)コンテンツへのアクセスなど、GTVになかった魅力もいくつかある

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))