Googleが開発を中止した自律動作する運搬用電動6輪車ロボ、スピンオフのCartkenから復活へ

短命に終わったGoogle Bookbot(グーグル・ブックボット)を開発したチームが、後継ロボットを復活させようとしている。BookbotはGoogleのインキュベーター制度であるArea 120(エリア120)で開発されていた実験的プロダクトだった。Googleはグループの収益性を改善するため赤字のプロジェクトを多数閉鎖した。このため開発を行っていたエンジニアはスピンオフして独自に宅配ロボットの開発を始めた。

2019年創立のステルススタートアップであるCartken(カートケン)が開発したのは歩道を進む宅配ロボットだ。同社共同創業者にはBookbotを開発したエンジニアに加えて、現在Googleショッピングとして提供されているサービスの運営責任者だったロジスティックス専門家も加わった。

Area 120は有名なGoogle Xプログラムなど、ムーンショットと呼ばれる野心的事業に比べれば地味だったが、小人数のチームが短期間で新しいプロダクトを開発する場所として作られた。2016年からArea 120ではクラウドソースの乗り換えアプリ、教育向けビデオプラットフォーム、スモールビジネス向けバーチャル顧客サポート、絵文字利用ゲームなど10数件のアプリやサービスが生まれている

BookbotはArea120から最初に生まれたプロダクトで、2018年に自立的に作動する電動6輪車の開発を始めた。2018年後半、地元のマウンテンビューではGoogleと協力して配送プログラムの実験を開始することとした。Area120のBookbotは2019年の2月から週1回マウンテンビュー市図書館で書籍の処理を行った。

書籍運搬に加えてBookbotはAmazon(アマゾン)やStarship Technologiesなどの同様の各種配送業務ができた。下の写真がこのGoogle Bookbotだが、高さ82センチで各種のセンセーを備え、自立作動に加えて必要な場合は人間による遠隔操縦も可能だった。積載重量は22キロ、歩道を最大時速7.2キロ程度で進むことができた。

Bookbot image from website

Google Bookbot(写真:Google)

ユーザーが図書館のウェブサイトから本を返却したいと知らせるとBookbotはユーザーの家まで自立走行し、家に到着するとチャットで着いたと知らせることができた。ユーザーがBookbotの荷物棚の蓋を開き、本を入れるとロボットは図書館に戻りそこで図書館の職員が内容をチェックした。

Googleの開発チームのリーダー、Christian Bersch(クリスチャン・バーシュ)氏が、当時、SilconValley.comの語ったところによると、パイロットプログラムは9カ月続くはずだった。「我々はこのロボットが現実の環境でどのように動くのか確かめているところだ。どんな問題があるるかをチェックした」ということだった。

マウンテンビュー市の図書館システムの責任者、Tracy Gray(トレイシー・グレイ)氏がTechCrunch に語ったところによると、Bookbotが歩道に姿を現したとき人々は大喜びしたと言う 。「(Bookbotを)見た人はみんなクールだと思ってカメラを取り出して写し始めた。これという事故もなかったし、技術的な問題もなければいたずらで壊されるというようなこともなかった」という。

最大の問題はユーザーの反応でもなく技術的な課題でもなく、Googleそのものだった。Bookbotの実験は当初の9カ月の予定を大幅に下回った。パイロットプログラムは6月の終わりにあっけなく幕を閉じた。4カ月も経っていなかった。Bookbotロボットがマウンテンビュー市で実際に稼働したのはわずか12日に過ぎなかった。ロボットは100回近く走行し、36人のユーザーにサービスを提供したという。

Bookbotは図書館システムにとってもユーザーにとっても大変役に立っていにも関わらず、グレイ氏はArea 120がなぜBookbotプロジェクトを中止したのか、まったく理由を告げられなかった。今もGoogleこの件についてコメントしようとしない。

しかしBookbotプロジェクトが葬られたたのはGoogleの戦略変更の時期と一致していた。Bookbotが放棄される1月前、Googleはオンライン・マーケットプレイスと宅配サービスのGoogle ExpressをGoogle Shoppingに統合した。つまりリテール分野ではAmazonやWalmart(ウォルマート)のような巨人に対抗できないことを認めたわけだ。リテール分野への熱意が薄れるにつれ、Googleはロボット配送システムに対する興味も失った。

しかしこれがBookbotの最期ではなかった。 Linkedinの記録をチェックすると、Bookbotプロジェクトが棚上げされた翌月の7月にバーシュ氏はJake Stelman(ジェイク・ステルマン)氏をはじめとするArea 120でロボットを開発していたエンジニアとともにGoogleを去ったことがわかる。10月にははCartkenが創立された。チームには、Amazon、Google Expressでリテールビジネスのマネージャーを務めていたRyan Quinlan(ライアン・クィンラン)氏も加わった。

Cartkenの運営は現在でもステルスモードであり、Googleと同様に同社はこの記事へのコメントは避けている。しかし同社は韓国のシリコンバレー視察団に対し「AI利用により自動走行可能な宅配ロボットを開発した」と語っている

Cartkenのサイトには「自動走行宅配ロボットを低価格で提供できる」とあり、初期バージョンは商品の戸口ヘの配送、いわゆる「ラストワンマイル」をターゲットにしたものだ。ステルス企業らしく、一部しか写っていないが、マットブラックのBookbotタイプの車輪移動ロボットには蓋があり前後にライトが装備されているようだ。

今のところGoogle、CartkenともにGoogleがスタートアップを支援しているのか、Area 120由来のテクノロジーが利用されているのかなどについて明らかにしていない。

GoogleはWaymo(ウェイモ)のように自動走行車メーカーをグループ内の企業として独立させている一方、Googleの自動走行プロジェクトの元責任者Chris Urmson(クリス・アー、ムソン)氏らがGoogleを離れて立ち上げたAurora(オーロラ)は今や25億ドル(約2746億円)に評価される企業となっている。ソフトバンクが支援する宅配ロボットのNuroは先週、公道を走行することを許可されて注目を集めているが、これもGoogleのエンジニア2人が創立した会社だ。

ただしGoogleから独立したチームがすべて順調というわけではない。2016年にGoogleを離れて独自の自動走行ロボットによるロジスティクスの改革を目指したAnthony Levandowski(アンソニー・レバンドフスキー)氏は創立したOttoをUberに買収させたものの、企業秘密をめぐる歴史的な法律紛争に巻き込まれ現在も訴訟が続いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アフリカの物流スタートアップLori Systemsが、中国の投資家主導でシリーズA調達を実施

アフリカのオンデマンドトラック運送会社Lori Systems(ロリ・システムズ)は、中国の投資家Hillhouse CapitalとCrystal Stream Capitalが主導するシリーズA調達を行った。

他の参加投資家には、ナイジェリアと米国に拠点を置くEchoVC、Flexport CEOのRyan Petersen(ライアン・ピーターセン)氏、ナイジェリア出身の起業家のIyinoluwa Aboyeji(アイノルワ・アボジジ)氏が含まれている。

Lori SystemsはシリーズAの調達額を明らかにしていない。金曜日にDealStreet Asiaが、ラウンド額を3000万ドル(約32億8000万円)と報告したが、Lori SystemsのCEOであるJosh Sandler(ジョシュ・サンドラー)氏は、その内容を追認してはいない。彼はTechCrunchに対して、その数字は「翻訳の何かの間違い」であり「調達の性質を誤って伝えるものだ」と語った。

同社はMediumの投稿の中で初期報告に対する明確化を発表した。調達額を公開しない理由として、Lori Systemsの共同創業者であるJean-Claude Homawoo(ジャン=クロード・ウマゥー)氏は「Loriは調達の詳細を明かすことはありません。それは最も大切なことです。未開の市場の商品コストを下げようとしている私たちのミッションから目をそらす虚栄の指標だと考えているからです」と語った。

最近出たFinancial Timesの記事は、Loriの総資金調達額を2000万(約21億9000万円)ドルとしている6月のSEC Form Dファイリングによれば、Lori Systemsは2900万ドル(約31億7000万円)の株式資本を発行しているが、どこにどれくらいという詳細は与えられていない。

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2016年にケニアで設立された同社は、Uberのようなドライバーと提携業者のネットワークを通して、モバイルベースのオンデマンドトラックサービスを提供している。Lori Systemsは、東アフリカびケニアとウガンダで事業を展開している。

同社は2019年9月にナイジェリアに進出し、トラック運送会社Kobo360との競合に直面している。

「私たちは今回の調達資金を用いて、物流の世界的な革命を推進するために、運用を強化し、技術開発を行い、最高のチームを雇用します」とLori SystemsのCEOであるジョシュ・サンドラー氏は語った。

同社は最近、ナイジェリア出身のUche Ogboi(ウチェ・オグボイ)氏をEchoVCからCFOとして採用し、また元Quona CapitalのアソシエイトであるEfayomi Carr(エファヨミ・カー)氏も雇用した。Lori Systemsは2017年にStartup Battlefield Africaで優勝している。

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(翻訳:sako)

ウォルマートがAI活用大型スーパーをオープン、Amazon Goとは別戦略

米国時間4月25日、Walmart(ウォルマート)はニューヨーク州レビットタウンに「スーパーマーケットの未来形」をオープンした。この店舗はAIカメラ、対話的商品陳列など次世代テクノロジーの実験場となる。コンセプトはインテリジェントリテールラボ、頭文字でIRLだという。

このスーパーはWalmartが展開する生鮮食品、日用品に特化したネイバーフッドマーケットの1つで、取り扱うアイテムは3万点と発表されている。新テクノロジーを現実の店舗環境でテストできる規模だ。

Amazonの次世代コンビニと同様、Walmart IRL店も天井に多数のカメラが設置されている。Amazonの新コンビニの目玉はキャッシャーレスチェックアウトで、ユーザーは欲しいものを棚から取り出して店を出れば購入が完了する。一方、新しいWalmart IRL店は売り場面積4645平方メートル、スタッフも100人以上の大型スーパーだ。

またWalmart店舗の天井のAIカメラは、Amazon Goのように消費者が何を購入したかをモニターするためではない。IRLには従来どおり支払いのためのチェックアウトカウンターがある。IRLのカメラは在庫管理の効率化が目的だ。例えば肉が売り切れそうだったら冷蔵室から補充しなければならない。一部の生鮮食品は一定時間を過ぎれば売り場から回収する必要がある。

いつ、どこで、どんなアイテムを補充ないし回収しなければならないかを正確に知ってこのプロセスの効率化することがAI利用の狙いだ。食品の鮮度管理の徹底やアイテムの欠品の防止は同時に消費者にも大きなメリットとなる。

しかしこれを実現するのは簡単ではなかった。Walmartによれば、IRLでは非常に高度なAIテクノロジーが用いられているという。まずシステムは棚のアイテムを正しく認識しなければならない(牛ひき肉500gと合い挽き1kgを確実に見分ける必要がある)。次に陳列棚の商品量と季節、時間帯によって予想される需要量を比較する。

現在売り場スタッフは担当の棚を常に見回ってアイテムの残量を監視し、補充のタイミングを見極めている。これに対してAIストアでは、朝、売り場のドアが開く前に補充のタイミングと量を知ることができる。

カメラその他のセンサーは毎秒1.6TBのデータを吐き出す。2TBのハードディスクが1秒ちょっとでフルになってしまうほどの量だ。つまりデータの処理はローカルで実行しなければならない。
カメラとサーバーの列というのは一般ユーザーを気後れさせる組み合わせだが、Walmartでは「データは1週間以内に消去される」としている。

上の写真はIRLストアのデータセンターだ。青い照明に照らされたサーバー群は消費者から見える場所にレイアウトされている。店内のインフォメーションセンターなどのコーナーでは消費者にAIを説明している。

あるコーナーではAIがユーザーを撮影して姿勢を推測してみせる。これらはすべて新テクノロジーを少しでも親しみしやすいものにしようという努力だ。

IRLのCEOであるMike Hanrahan氏は「IRLの新テクノロジーとWalmartの50年以上の店舗運営経験を組み合わせれば、カスマーにも店舗側にも非常に有益な非常に改善が得られる」という。

WalmartはAIを効率化のために用いることに力を入れており、CEOは(遠回しに)Amazon Goとの重点の違いを語った。

「ピカピカの要素をならべて人目を引こうとするのはわれわれの目的ではない。そういう人目を引く要素は長期的な視点から役に立たず、顧客にも我々にも有益とは言えない場合が多い」という。

Walmart IRLストアが店舗のキャッシャーレス化ではなく、ひき肉パックの在庫補充や欠品の防止というような地味な分野にAIテクノロジーを利用する理由はここにあるようだ。効率化によって浮いた人員をチェックアウトカウンターの稼働の拡大に回せば消費者にとって大きなメリットとなる。

 WalmartではBosa Nova Roboticsの他のロボットを大量に導入したときと同様、「新テクノロジーは人間を代替するものではなく、機械ができる仕事から従業員を解放して顧客との対話に振り向けるものだ」としている。しかし長期的に見れば、効率的な店舗運営に必要な人員は減っていくはずだ。

IRLのコンセプトはグループ内の先進テクノロジー開発インキュベーター、 Store No8によるものだ。このチームは店舗運営に新テクノロジーを適用する試みをいくつか実行してきた。2017年には個人向けショッピングサービス、Code Eightをニューヨークで実験した。今年に入ってからはショッピング体験を強化するVRツアーをスタートさせている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

機械視覚を備えたIAMのモバイルロボが倉庫業務の改革を目指す

最新のロボットは非常に高度な能力を発揮するようになった。人工知能と機械視覚を備えたロボットは人間がやりたくない単調、汚い、あるいは危険な作業を一手に引き受けて今後のオートメーションの原動力となるに違いない。フルフィルメントセンターなどを含む倉庫業務がロボット化の最前線となっているのは驚くにあたらない。

先週、AmazonはCanvasを買収することを発表した。これによって現在25か所のフルフィルメントセンターで稼働してい10台のロボットがAmazonのポートフォリオに追加される。 先進的なロボティクスの実験に集中していたBostonDynamicsも機械視覚スタートアップを買収してHandleロボットを倉庫業務に参入させようとしている。

ピッツバーグは世界のロボティクスの中心地の1つであり、ロジスティクスのオートメーション化でも重要な役割を果たしている。ピッツバーグでも最も重要なロボットスタートアップのひとつがIAM Roboticsだ。われわれは最近この会社を訪問して取材するチャンスがあった。本社は郊外の小さなオフィスだったが、IAMのアプローチはロボットアームとモバイルシステムを組み合わせて倉庫業務のオートメーションを図るというユニークなものだった。

TechCrunchの取材に対してIAMのCEOであるJoel Reed氏はこう述べた。

倉庫内を自由に動き回れるモバイル・ロボットでなおかつ多様な荷物の処理できるのがIAM Roboticsの製品のユニークなところだ。サイズの小さい商品であってもわれわれのロボットは人手を借りることなくサ認識して取扱うことができる。これを可能にしているのは人口知能と機械視覚のテクノロジーだ。ロボットは何をすべきか自ら判断することができる。自分の視覚を用いて自由に移動する。つまり完全に自律的だ。

昨年末にKCKが主導した2000万ドルのベンチャーラウンドにもかかわらず、スタートアップはほとんど静かに運営されてきた。オフィスでの簡単なデモの後は、初期の投資家がどのように会社に期待を寄せているかがわかりやすくなりました。それでも、このデモは、私たちが前日過ごしたBossa Nova倉庫とはかなり対照的です。

IAMは昨年、KCKがリードしたラウンドで2000万ドルの資金を調達しているが、どちらかといえば脚光を浴びることを避けてきた。しかしオフィスでロボットのデモを見て投資家がなぜこの会社を有望と考えたのか理解できた。しかし、その前日ピッツバーグで訪問したWallmart(ウォルマート)の倉庫業務の効率化を目指すロボティクス企業、Bossa Nova Roboticsの大型施設とはいろいろな意味で対照的だった。

IAMのオフィスの一角に商品を並べた棚が数列並んでいたが、スタッフがデスクを並べているスペースとは1メートルと離れていなかった。同社のSwiftロボットが急ごしらえの通路の間を忙しく行き来して自力で目指す商品を探していた。目指すアイテムを発見すると多関節のアームを伸ばしてつかみ、自分が持ち運んでいる箱に収めた。ロボットハンドの先端には真空吸引式のカップがあり、関節は巧妙に旋回して狭い隙間からも巧みにアイテムを取り出していた。

Swiftはうまく使えば人手不足を解消して倉庫業務の効率を大きく高めることができそうだ。Reed氏は「われわれは顧客のコスト削減だけでなく、労働者を集めるのが困難な作業を自動化することを目指している」と述べた。同氏によれば若い世代の労働者はUberやLyftのようなギグエコノミー(共有経済)的の仕事を好む傾向があり、作業が単調で時間に縛られる倉庫業務は人手不足に悩まされているのだという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Boston Dynamicsが恐竜的2輪ロボットで倉庫業務をデモ

Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)がHandleロボットの最初のバージョンをデビューさせたのは2年前になる。しかしその後は横置き2輪で移動できるHandleは脇に置かれ、同社はもっと華々しい2脚、ないし4脚で移動するロボットの開発に力を入れる方向に向かった。

エンジニアリングの見地からはHandleleは同社の他のロボットに決して見劣りするものではなかったが、同社が発表するビデオはほとんどがAtlasとSpotないしSpot Miniだった。

しかし米国時間3月28日、Handleのバージョン2が活躍するビデオが公開された。もっとも、環境はやや地味だ。このビデオでは倉庫の設定でHandleロボットのパッケージ処理能力がデモされている。当初のビデオでHandleは45キログラムの荷物を運ぶことができたが、新しいバージョンは現実のロジスティクスに応用した場合が検討されている。

アップデートされたHandleは一見してオリジナルと大きく異なる。まずオリジナルよりずっと小型化され、2本のアームの代わりに先端に吸引カップを装備したグリッパーが恐竜の首のように延びている。今回のモデルでは持ち上げられる最大重量は14キロ程度で、ビデオで扱っている箱は5.5キロほどだという。それでもこのロボットの器用さ、作動範囲、自立性の高さは驚くべきものだ。

Boston Dynamicsによれば、「HandleはSKU(販売商品単位の箱)をパレットからピックアップし、移動して別のパレットに積み上げるなどの動作を自立的に遂行する。Handleにはカメラが搭載され、人工知能によるコンピュータービジョンでパレットのマーキングを読み取って箱を適切な場所に移動することができる」という。

去年TechCrunchがバークレーで開催したロボティスクス・イベントで、Boston DynamicsはSpot Miniロボットを商用化する計画があることを発表した。これによれば、同社のロボットは今年後半には一般に購入可能になるという。これは親会社がGoogleからソフトバンクに変わったこともあり、ロボットのビジネス化に力を入れていくという努力の一環なのだろう。

Handleのようなハイスペックなロボットの価格は一般的な倉庫で働かせるためには高価すぎるだろうし、このビデオはBoston Dynamicsがプロダクトの商用化を目指す動きとはいちおう別に考えたほうがいいだろう。そうではあっても、現在、倉庫で利用されているロボットはルンバのような動く台車にすぎないのに比べて、倉庫の棚から荷物をピックアップし、自分で所定の位置に運んでいくHandleの能力は驚くべきものだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

国際物流支援のFlexport、SoftbankのVision Fund等から10億ドル調達

サンフランシスコに本拠を置く物流支援のスタートアップ、FlexportはSoftBankのVision Fundがリードするラウンドで10億ドルを調達したことを発表した。同社は5年半前に設立されたスタートアップで、海上、航空双方の分野で国際的物流を助けるフルサービスのフォワーダーだ。

Founders Fund、DST Global、Cherubic Ventures、Susa Ventures、SF Expressなど当初からの投資者はすべて今回のラウンドにも参加している。同社のポストマネー会社評価額は32億ドルとなったという。

最初に記事を掲載したForbesによれば、Flexportには昨年4億71700万ドルの収入があった。これは2017年の2億4480万ドルから大きくアップしている。 同社はこの原因の一つとして、一部の顧客が国際的サプライチェーンを維持するために年間1000万ドル以上をFlexportに支払ったことを挙げている。

Flexportは急激に成長しており、会社概要のアップデートが追いついていないようだ。同社のサイトの会社概要では社員は600人とされているが、CEOのRyan Petersenは、Forbesのインタビューに対して「世界各地の11箇所のオフィスと4箇所の倉庫で合計1066人が働いている」と述べている。

先週、AxiosはFlexportがSoftBankがリードするラウンドで会社評価額30億ドル程度の資金調達を行う交渉を進めていると報じた。

Crunchbaseによると、直近のラウンドは 2018年の4月に実施されており、過去5回のラウンドで3億500万ドルを調達している。

Flexportの当面のライバルは多数のオンライン・フォワーダーだ。これらのマーケットプレイスでは簡単に最安の運送手段を発見でき、運送の予約や追跡をモニターするサービスも提供している。しかしFlexportの本当の目標は、単なるフォワーダーに留まらず、DHL、FedEx、UPSのような巨大ロジスティクス企業と直接対決できるようになることにあるようだ。たとえば2017年末、同社は航空機をチャーターして独自の空輸サービスを開始したことを発表している。Forbesの記事でPetersenが世界4個所で独自の倉庫を保有していることを明かしたのも興味深い。

画像:anucha sirivisansuwan / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

BlueCargoがコンテナの配置方法を最適化する

港湾ターミナルに焦点を当てる物流スタートアップ、BlueCargoを紹介しよう。同社はY Combinatorの最新卒業生であり、300万ドルの調達ラウンドを、1984 VenturesGreen Bay VenturesSound VenturesKima Venturesなどから行ったばかりだ。

港湾ターミナルを撮影してみると、積み上げられた沢山のコンテナたちが目に入ることになるだろう。しかし、現在の整理方法は効率的ではない。作業ヤードのクレーンは、そうした山の底に置かれているコンテナにアクセスするためだけに、大量のコンテナを動かす必要に迫られている。

BlueCargoはコンテナを適切な場所に保管することを支援することで、そうした動きを最適化しようとしている。ターミナルから出ていく最初のコンテナが、最上段に積まれているようになるということだ。

「ターミナルは、非生産的または望ましくない動きのために多くの時間を費やしています」と語るのは共同創業者兼CEOのAlexandra Griffonだ。「にもかかわらず、ターミナルが収益を得ることができるのは、コンテナを受け取ったり出荷したりする場合だけなのです」。

現状では、ERPのようなソリューションは、コンテナのタイムラインを考慮せず僅かなビジネスルールに従って、コンテナを管理しているだけである。例えば、空のコンテナはすべて1つのエリアに保管し、危険物を収納したコンテナは別のエリアに保管するといった具合だ。

スタートアップは、コンテナごとのデータを可能な限り活用する。それがどこからやってきたのか、コンテナのタイプは、満杯なのか空なのか、それを積み込む貨物船はどれかなどだ。

BlueCargoは新しいターミナルで作業を行うたびに、過去のデータを収集し、それを処理してモデルを作成する。こうすることで、チームはBlueCargoがターミナルを最適化する方法を予測できる。

「サン・ナゼール(フランス西岸の港町)では、コンテナの移動を22%節約できました」と、Griffonは私に語った。

同社は12月にサン・ナゼールでソリューションをテストする。既存のERPソリューションと直接統合を行うのだ。クレーンはすでにコンテナ識別番号をスキャンしている。BlueCargoは、関連情報を即座にクレーンオペレーターにプッシュして、彼らがコンテナをどこに置くべきかを知ることができるようにする。

サンナゼールはヨーロッパ最大の港に比べて比較的小さな港である。しかし同社はすでに、米国最大のコンテナ港の一つであるロングビーチのターミナルと話を始めている。

BlueCargoはまた、慎重に振る舞う必要があることも理解している。これまでにも多くの企業が魔法のようなITソリューションを約束してきたからだ。だが、それは港湾をあまり変化させることはなかった。

これがスタートアップができるだけシームレスにやりたいと考えている理由だ。それは、単に節約できた移動量に基いて請求を行う。古いモデルに従っていたら余計にかかったはずのコストの30%を請求するというものだ。そしてターミナルで作業する人びとのワークフローを変えることもしようとはしていない。単に作業を迅速化してれる目に見えないクレーンのように働くのだ。

世界には、港湾ターミナルを管理する主要なプレイヤーが6社存在している。もしBlueCargoがこれらの企業に、その作業の価値を認めさせることができるなら、良いビジネスチャンスが得られるだろう。

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(翻訳:sako)

Starshipのロボットが商品のオンデマンド配送を始めた――年内にサンフランシスコにも展開

Skypeの共同ファウンダー、Ahti HeinlaとJanus Friisが2014年に設立したStarship Technologiesがイギリスのミルトン・キーンズで自動運転ロボットによる商品配送を開始した。住民は商品の到着に合わせて自分の予定を変えたり、ドアの前に荷物を置かれて盗難を心配したりする必要がなくなった。

このロボットによるオンデマンド配送を利用するためには、まず商品の配送を受けたい場所として自宅の代わりに最寄りのStarshipの拠点を入力する。商品がStarshipの拠点に到着すると専用アプリから通知が届く。ユーザーは自分の都合のいいタイミングでStarshipのロボットに配送を指示する。アプリにはパッケージがどこを移動中かモニターする機能がある。ロボットが到着するとアプリを使ってカバーを開いてパッケージを取り出すことができる。

現在ロボットによる配送が可能なのは拠点から半径3.6キロの距離だが、Starshipではこの範囲を拡大していく計画だ。Starshipによるとロボットのバッテリーには問題がなく、配送に要する時間を最小限にする努力をしているという。

Starshipは年内にサンフランシスコ周辺でサービスを開始する考えだ。アメリカでの配送料金は未定だが、イギリスでは最初の月は無料、以後毎月7.99ポンド(1153円))となっている。配送個数に制限はない。Starshipはこう述べている。

自分の生活が注文した商品の到着時間に振り回されるというのは過去のものになる。勤務先から早退したり、人と会う時間を変えたり、郵便局その他の受け取り場所に出向いたり、行方不明の荷物について配送業者に問い合わせたりする必要はなくなる。 消費者に代わってStarshipがパッケージを受け取り、オンデマンドで配送する。こうしたサービスを提供できるのは世界でStarshipだけだ。われわれは消費者のライフスタイルを快適にする。

数ヶ月前、StarshipはMatrix PartnersとMorpheus Venturesから2500万ドルの資金調達に成功している。このときの投資家にはAirbnbの共同ファウンダー、Nathan Blecharczyk,、Skypeのファウンダー、Jaan
Tallinnらが含まれていた。Starshipの資金調達額は合計4220万ドルとなっている。

Starshipは食品配送サービスのDoorDash、Postmatesと提携してロボット配送の実験を行ってきた。昨年1月には前述の企業と提携して、カリフォルニア州のレッドウッドシティーとワシントンD.Cでパイロット・プログラムをスタートさせている。現在までにStarshipのロボットは20カ国の100都市で延べ20万キロを走破しているちう。

〔日本版〕以下のビデオは2015年に公開されたものでSkypeの共同ファウンダーでStarshipの共同ファウンダー、CTOのAhti Heinlaがシステムを詳しく紹介している。


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滑川海彦@Facebook Google+

CommonSense Robotics、最初の超小型自動出荷センターを開設

イスラエルのスタートアップ、CommonSense Roboticsは、初めての全自動マイクロ出荷センターをテルアビブに開設した。6000平方フィート(557平米)の小さな倉庫には床から天井まで製品が積まれている。製品の配送が決まったらあとはロボットが重労働を引き受ける。。

TechCrunchはCommonSense Roboticsのテスト用配送センターのビデオを撮影した。今日の新しい倉庫はこれよりもずっと大きいが、Amazonの倉庫よりはずっと小さい。同社初の顧客はイスラエル最大の薬局チェーン、Superpharmだ。

CommonSense Roboticsは、都市部の食料雑貨小売業者に対して、注文から1時間以内で配送できると売り込んでいる。現在の小売業者は、店舗を活用するか、郊外に巨大な倉庫を持つかのどちらかだ。

CommonSense Roboticsを利用すれば、都市内のそう遠くない場所に小さな配送センターを複数配置することが考えられる。注文が入るとロボットがすぐに倉庫内の棚を移動して商品を取り出す。中央サーバーが全ロボットをリアルタイムに制御して経路を最適化する。こうすることで人間はスキャニングステーションに居て、自分は移動することなく注文をさばくことができる。

CommonSense Roboticsは出荷センターの仕事を受け持つ。Eコマース小売業者は同社に料金を払って出荷センターの開設と管理を依頼する。こうして小売業者は在庫管理と配送のラストワンマイル(最終区間)に集中することができる。

すでに同社は、イスラエルの食料雑貨小売業者、Rami Levyと12箇所の配送センターを作る契約を結んでいる。さらに、2019年には米国でも複数のセンター設立を計画している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

楽しげに倉庫作業を擁護する、このTwitter上の奇妙なAmazonの軍団は何だろう?

ここに困惑させるような小さなオンラインコミュニティがある。Amazonが人を怯えさせるような、個性を持たない存在をTwitter上に生み出したのだ。それは、教えられたことをただ繰り返すように語り、悪名高い同社の倉庫業務が素晴らしいものであることを世界に対して請け合う、実際のフロア作業者のように見える複数のアカウントの形態をとっているのだ。

Flamboyant Shoes Guyがこの現象を声高に取り上げたことを受けて、私は15のアカウントを発見した(攻撃はしないように。既に十分に攻撃を受けている)。すべてのアカウントで「Amazonスマイル」がヘッダ画像として設定されており、何人かは動物の写真をプロフィールとして使っている。すべてが同じプロフィール構造を持っている:((役職)@(倉庫の場所の略称)) 。(何年間)Amazonで働いているか。(好きなことを2,3項目)。全員がその名前に”FC Ambassador ”を付けている(FCとはフルフィルメントセンター=発送センターの略、Ambassadorとは「大使」という意味)。全てに、Amazon倉庫ツアーサービスへのリンクがある。

また、全てのアカウントが、Amazonの倉庫で働くことが如何に素晴らしいのか、そして強制されて仕事をしているひとはいないということを保証する楽しげなメッセージを、絶え間なく発信している。これらのメッセージは、すべて同じ布から切り取られたように見えるが、しばしば全く同じパターンに沿っている。

こんにちは!私はWA(ワシントン州)のAmazon FCで働いています。私たちの賃金と福利厚生はとても良いものです。Amazonは従来の小売店に比べて30%以上高くFCの従業員たちに払っていますし、勤務初日から完全な医療給付を受けることができます。作業環境は非常に良いです ― きれいで/明るい ― 安全は施設での最優先事項です!

Amazonは倉庫の労働者に、他の小売業者よりも30%多く支払っていることを知っていますか?私はAmazonのために働くことを誇りに思っています ― 会社は私のことを気にかけてくれています。私の以前のいくつかの雇用主たちよりもはるかに優れています。

それどころか、私たちAmazonの従業員は非常に良い収入を得ています。
実際、Amazonはフルフィルメントセンターの従業員たちに対して、従来の小売店よりも30%も多く支払っています。さらに、歯科と眼科を含む健康への完全な医療給付も得られます!言い忘れるところでした…株式も手に入りますよ!

従業員たちは、「大使」になったことによる報酬は受けていないと語る。これは「完全にオプションの役割で」自発的に行っていることだと言うのだ(更新:これを行うために報酬は支払われていることがわかった)。 彼らはまた、普通の意味での倉庫従業員であると主張している。もしそうであるとするなら、時間をかけて、何をやっているかについて毎時間長いつぶやきを書き込むために時間をとることで、彼らは自分のノルマに危険が及んでいることだろう。

会話の中の最も頻繁に出る話題は、トイレ休憩、倉庫の快適な気温、素晴らしい福利厚生と適切な賃金、フレンドリーな管理職、そして仕事が単調なものでなく、まったく疲れないといった事だ。たとえば、 FC AmbassadorのCarolは、ピッカーであることを正に誇りに思っており、明らかにベゾスの崇拝者だ。

実際に彼女の表情の上に笑い声を聞き取ることができるだろう。

私には、しばらくの間ピッカーとして働いていた友人がいる、まあ数年前のことではあるが。彼はそれが、これまでにやってきたことの中で、最も精神を麻痺させ肉体的にも要求の厳しい仕事だったと語る。私は、十分な給与と福利厚生を得て、ただ幸福を感じている人たちもいることは理解している。私は誰も妬んでいるわけではない、そういうことも確かに感じはしたが ―― しかしこれらの大使カウントたちの中に見られる、ディスプレイ上の満場一致で極めて高いポジティブさは、なにか別のもののように思わせる。

結局のところ、労働ということに関して言えば、Amazonがイメージ問題を抱えていることは、秘密でも何でもない。こうした「フルフィルメントセンター」での過酷な労働に関して、沢山の報告書が何年にも渡って書かれている。例えば靴ストアの従業員は常に上がり続ける日々の目標を達成しなければならず、時間の管理は厳格で、昇進のチャンスは少ない。つい最近、GizmodoのBrian Menegusが、Amazonの現在の(過去ではない)労働条件に関するいくつかすごい話を記事にした。もちろんそこには沢山の搾取の詳細や、ここ数年にわたる一般的に劣悪な条件が語られている。そしてそれは、米国だけで起きていることではない。

確かにAmazonはこうした条件を改善して来たかもしれない。そして確かに彼らはメッセージを出したいと思うだろう。しかし、これらのアカウントは、どれも装おうとしているような草の根擁護ではあり得ない(当然ながら、既にパロディアカウントがあり、 おそらく大使の1人は辞めてしまったようだ)。

私はAmazonに、このプログラムが本当は誰で構成されているのか、そして倉庫労働者たちがTwitterをモニタするために報酬を受けていないのはなぜなのかを尋ねた。批判に対して、明らかに事前準備された統計値と一種の型にはまったユーモアで反論する様子は、なにか裏があるのではないかと想像させる。もし回答があった場合にはこの記事を更新する。

更新:Amazonは「FC大使は、フルフィルメントセンターで働いた経験がある従業員たちです。フルフィルメントセンター内の実際の環境について、人びとを教育することは重要なことです。FC大使プログラムは、フルフィルメントセンターのツアーとともに大きな役割を果たしています」と回答して来た。

そして、もちろん彼らはこれを行うことで報酬を受け取っていた。「FC大使」はフルタイムの仕事だと思われる。私はさらなる詳細を尋ねた。なぜなら「大使」たちは、他の人たちに教えるのが好きなので、通常の職務に対して少し余計な責任を負うこの作業をしていると暗示しているように見えるからだ。

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(翻訳:sako)

Amazonがラストマイル配送ビジネスの起業支援プログラムを開始

Amazonはこれまで、そのクラウドソーシングによる「ラストマイル」配送ドライバーたちが直面する問題に対して、多くの苦情を受けてきた。しかし、このたびそうしたドライバーたちに対して、より多くの起業家的野心を満たすオプションの提供を始めた。ギグワーク(一時雇い仕事)に応募する代わりに、ドライバーたちは自身の配送ビジネスの起業をAmazonが支援してくれる、新しいプログラムを選ぶことができる。

Amazonによれば、このプログラムには、Amazonの配送技術へのアクセス、ハンズオントレーニング、自動車リースや保険といった、資産とサービスに関する割引が含まれているという。

これは、Amazon Flexとして知られるクラウドソーシング配送プログラムとは違い、ドライバーは自分の車を使う必要がないことを意味する。これにより、荷物を整理するためのスペースが増え、配送車両用の駐車スペースを利用できるようになり、固定用ストラップや台車も持ち運ぶことができるようになる。

Amazonによれば、仮に40台の車両を運用する場合、成功したオーナーの年間利益は30万ドルに達する可能性があると言う。同社は、時間が経つに連れて、数百もの中小企業オーナーが、数万人以上の配送ドライバーを米国内で雇用してくれると予想していると語る。

言い換えれば、Amazonは、UberではなくAmazonのために運転したい人に向けて、車のリース、トレーニング、そしてリソースを提供することで、UPS(米国の宅配サービス)の競合相手を立ち上げたということだ。

Amazonによれば、わずか1万ドルの資金で、Amazon配送ビジネスを開始することができるという。退役軍人ならその1万ドルの払い戻しを受けることができる。Amazonが、そうした人たちのスタートアップ費用を賄うためのプログラムに100万ドルを投資しているからだ。

ビジネスオーナーたちには(流通業の経験は不要とAmazonは指摘している)、Amazonが事前交渉済の、カスタム配送車両、ブランドユニフォーム、ガソリン、そして包括的な保険などの割引が提供される。

これは、ギグワークであるFlexのドライバーたちが直面していた問題のいくつかにもアプローチしている。例えば、ガソリン代がしばしば利益を大きく損なうこと、保険がないこと、そして無印の小さい車両を使って荷物を配送することに伴う様々な困難などがこれまで問題になっていた。

「私たちは従来の配送業者の中にも偉大なパートナーを抱えていますが、流通産業の発展が続くことをとても楽しみにしています」とプログラムの発表声明の中で語るのは、AmazonのシニアバイスプレジデントであるDave Clarkだ。「顧客の皆さまからの需要はこれまで以上に高く、私たちは運送能力を増やす必要に迫られています。成長を支える方法を検討した結果、私たちはルーツに戻って、中小企業のみなさまとチャンスを分け合うことにしたのです。私たちは、電子商取引におけるパッケージ配送の成長する機会を活用するために、新しい小規模ビジネスの立ち上げの支援を強化するつもりです」。

この変化はそもそも、Amazonによる米国郵政公社へ​​の財政的影響についての議論が行われたときに、種がまかれたものだ。この新しいプログラムの中では、その規模が拡大するにつれて、Amazonは特定の外部パートナーへの依存を減らすことができる。

とはいえAmazonは、暫くの間は、郵政公社やより小規模のラストマイルパートナーたちに加えて、UPSやFedExを含む既存のパートナーたちとの協業を続けていくことになるだろう。Amazonのビジネスが成長し続ける中、顧客に荷物を届けるにはそうしたパートナーたちの協力が必要なのだ。リースされたPrime車両の一群だけではとても全てをまかなうことはできないからだ。

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(翻訳:sako)

自動運転車からヒントを得た大型コンテナ船の自律航行化プロジェクトMassterly

ロジスティクスは自動運転車のもっともエキサイティングな応用技術ではないかもしれないが、もっとも重要な、に入ることは確実だ。とくに、想像するかぎり世界で最古の産業と言われる海運業は、それを待っている。いや少なくともノルウェーの大手海運企業二社は、Massterlyと名付けられた海運自律化ベンチャーを無から立ち上げようとしている。

“Massterly”は単にmass(大量輸送)の駄洒落ではない。“Maritime Autonomous Surface Ship”(海運用自動航行水上艦)はWilhelmsonとKongsbergの二社が、明日の海を行き来する自己統率船を言い表すために作った言葉だ。

彼らのビデオによると、二社は合わせて360年の経験を有し、今、海運業の次のフェーズへ跳躍しようとしている。その手始めは、世界初の全電動自律航行コンテナ船Yara Birkelandの建造だ。それは全長250フィート(76メートル)、積載量コンテナ120基とほどほどの大きさだが、荷積みと航行と荷下ろしを無人で行う。

(万一の事故等に備えて少数の人間が同乗または随航する。上部に手すりがあるのも、そのためだよね?)

大型のレーダーとライダーがあり、可視光カメラとIRカメラがある。通信衛星に、接続している。

コントロールセンターは陸上にあり、航空管制の場合と同じく、船はそこから管理される。船を人間による操船に切り替えることも、可能である。

もちろん最初は小規模な試行だ。Yara Birkelandはノルウェーの海岸から12海里以内にとどまり、Larvik, Brevik, そしてHerøyaを行き来する。速度はわずか6ノットだから、翌日配達は無理だね。

“ノルウェーは世界一の海運国だから、自動航行船の開発でも先頭に立ちたい”、とWilhelmsonグループのCEO Thomas Wilhelmsonがプレスリリースで語っている。“次のステップとして、設計と操船のためのインフラストラクチャおよびサービスを確立し、また、海運の自律運用にふさわしい、ロジスティクスの高度なソリューションにも取り組みたい。Massterlyはあらゆるレベルのコストを削減し、輸送を必要とするすべての企業の利益になる”。

Yara Birkelandの実配備は2020年になるが、そのときはMassterlyも独立の企業になっているはずだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Jeff Bezosが完全招待制のロボット・カンファレンスでAmazonロジスティクスの未来を模索?

今日(米国時間3/19)から、Amazonが秘密秘密と大声で言っていた例年のMARS Conference(火星会議)がパームスプリングスで行われる。その意味は二つある:

  1. あなた(人間)は招待されていない。
  2. これから数日間、Jeff Bezosが彼の最愛のロボットたちと歩き回っている写真が大量にメディアに配信される。

昨年、このロボットが大好きな億万長者は、重量1.5トンのメカスーツに搭乗して現れ、その恐ろしげな出で立ちでインターネットを騒がせた。そうやって自分をEllen Ripleyに擬した彼なら、地球上の全生命の終わりを告げる黙示録的未来の大氷河を破れるだろう。しかし今年の最初のショットはやや穏やかで、Bezosが“新しい愛犬”を散歩させている。それはBoston Dynamicsの最新の四脚ロボット、SpotMiniだ。

もちろんそのロボットは、Bezosに飼われるまでは、芝生の上で昼寝するしか、やることがなかった。しかしBezosとその仲間たちは、着実にAmazon Roboticsを立ち上げ、ロジスティクスの自動化のために買収するつもりだったが、Boston Dynamicsは今年初めに、GoogleからSoftbankへとオーナーを変えてしまった

しかしこの完全招待制のカンファレンスには、ほかにもたくさんのロボットが、億万長者の歓心を買うべく集まっている。Bezosは瓶投げゲームでロボットアームに挑戦し、さらに、配達ロボットPiaggio Gita2台が、BezosのSpotMiniBezos自身を追う。おまけに、空にはドローンが飛んでいる。

もしもあなたが、Amazonの億万長者オーナーなら、あなたも、月曜日の朝の散歩を愛犬ならぬ愛ロボと一緒にしているはずだ。

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Amazonが自前の配達サービスを立ち上げてUPSやFedExと料金で競合する

最新のWall Street Journalの報道によると、AmazonはUPSやFedExなどと直接競合する態勢を準備している。その“Shipping with Amazon”(Amazonが配送)事業は、エンドツーエンドの配送ソリューションで、片方のエンド(企業)から荷受けし、もう片方のエンド(消費者)に届ける、とその記事は述べている。

展開のタイムフレームは早い。ロサンゼルスでの最初の立ち上げは“数週間後”で、最初は、AmazonのWebサイトで売っている企業から集荷する。さらにその後は、早くも年内に他の都市に展開していく予定だ。

Amazonが、同社のeコマースプラットホーム上で売っているサードパーティの商業者にそのサービスを提供するのは当然だが、しかし将来的にはどんな企業にもその配送サービスを提供して、しかもUPSやFedExよりも料金を安くする、とAmazonは言っている。

Amazonはすでに自前のジェット輸送機集団や倉庫、クーリエサービス、海運企業まで持っているから、そのロジスティクス部門をさらに拡大することに不思議はない。FedExやUPSにも、それぐらいの陣容はある。Amazonが、長年お世話になった宅配パートナーたちともいずれ競合する、という噂はかなり前からあった。

UPSとFedExはWSJの記事の中にコメントがないので、とくに驚いてはいないようだ。Amazonも、少なくとも当面は、事業の継続のためにその配送パートナーたちのお世話にならざるを得ないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

1兆ドルの物流業界の未来を、ブロックチェーン技術に賭けるUPS

【編集部注】執筆者のDeep Patelは、連続起業家、マーケター、そしてA Paperboy’s Fable: The 11 Principles of Successの著者である。

世界は取引(トレード)で運営されている。米国だけでも、貨物と物流にかかる費用は毎年約1.5兆ドル( 2015年のデータ )にも及んでいる。世界の経済規模が拡大するにつれて、その数字は増加の一途をたどることが予想されている、私たちが製品やサービスに関して、国際的なサプライチェーンにさらに依存するようになるからだ。

しかしながら、物流業界そのものは、その成長に耐えられる構造になっていない。現状では、構造的な非効率性と不正行為に晒されやすい、脆弱な基盤の上に載っているからだ。数え切れないほどの仲介業者が手数料を徴収し、輸送価格を引き上げている。問題は、こうしたプロセスの複雑さと不透明さが、適切な価格を算出することを困難にしているということだ。

FBIの推定によれば、貨物盗難により、米国では毎年約300億ドルの損害が発生していて、その平均盗難額は19万ドルに及んでいる。実際に、貨物盗難により、消費者にとっての製品コストは最大20%も増加しているのだ。こうした問題に関しては既に何十年にわたって、十分にレポートされているが、責任が分散していることよって、業界のステークホルダーたちには説明責任がほとんど生じていない。

しかし、いまやブロックチェーンテクノロジーの形で、大変革が業界に起きようととしている。この技術によって、より安く、より効率的な物流システムの登場が約束されているのだ。主要な既存企業たちだけでなく、革新的なスタートアップたちが、ブロックチェーンの開発に膨大な時間とリソースを投入している。

最近UPSは、ブロックチェーン技術標準の開発と貨物業界向けの啓蒙のためのフォーラムであるBlockchain in Transport Alliance(BiTA:輸送業向けブロックチェーン同盟)に参加することを表明した。BiTAは、セキュアなブロックチェーンシステムを導入することにより、運送業界全体向けの標準の開発を促進することを狙っている。

なぜ今なのだろう?なぜUPSは他の何百もの主要企業とともに、ブロックチェーンに賭けているのだろうか?

答:彼らは革命の一部になりたいから。彼らは、将来のスマートな物流ネットワークが構築される中で、重要な役割を果たすことを望んでいるのだ。そして彼ら自身が、自分たちで手を下さなければ、誰かがその役割を果たしてまうことを理解しているからだ。

物流と貨物の将来は、ブロックチェーンに大きく依存することになる。

ブロックチェーン技術の主な魅力は、分散されていて改竄(かいざん)されない台帳を作成できる能力にある。これは単一障害点を持たず、複数の関係者によって維持され、情報がハックされたり破損したりすることのないネットワークである。これにより、1つのトランザクションのライフサイクル全体が1つのブロックチェーンに格納されて、それら全ての情報に対するセキュリティと透明性が向上することになる。

現在貨物および物流業界は、大勢のブローカーと、複雑なサプライチェーンの中に隠された情報を、大量に抱え込んでいる。このチェーンのすべての側面にアクセスすることができる単一の事業者は存在しない。現在、貨物および物流業界は、荷主から運送業者への荷物の引き渡しを、円滑かつ容易にするために存在する、貨物ブローカーたちによって支配されている。ブローカーは荷物を探し出し、利ざやを乗せて、運送業者へと引き渡す。これは、運送業者のコストを上げるだけでなく、消費者に直接影響を与える下流価格の上昇にもつながっている。

現行のグローバルネットワーク全体にわたる効率性、透明性、セキュリティの欠如は、まさにブロックチェーンテクノロジーが解決するのにうってつけの問題なのだ。もしブロックチェーンが適切に活用されれば、より自由で透明性の高い世界的取引に参加する機会が顧客たちに与えられ、ブローカーの必要性が減り、仲介コストが削減される可能性がある。

こうした理由から、UPSのエンタープライズアーキテクチャならびにイノベーションディレクターLinda Weaklandは、ブロックチェーンにとても期待している。彼女は「物流業界の中での沢山の応用が考えられます。特にサプライチェーン、保険、支払い、監査、通関業務などがその対象となります」と語っている。この技術は、荷主、運送業者、ブローカー、消費者、ベンダー、その他のサプライチェーン関係者の間で、透明性と効率性を高める可能性を秘めていいる。

透明性と効率性を向上させる効果的な方法の1つが、Ethereumブロックチェーンを支える重要なイノベーションであるスマートコントラクトを活用することだ。スマートコントラクトは、本質的に、所定の規約が満たされたときに履行される自己実行型契約である。これによって、関連する仲介業者を排除または制限することが可能になり、途中で発生する利ざやを抑え、エスクロー(預託金)の運用効率性を向上させ易くなる。

ブロックチェーンはまた、サプライチェーンの追跡と透明性を高めることができる。荷主は、サプライチェーン全体の可視性を高めることができ、荷重、通過地点、そして基本的なコンプライアンス情報などの重要な情報を、運送業者との間で共有することができる。

一度出荷が確認され、ブロックチェーンに記録されると、それは不変である。つまり、誰も取引の正当性に異議を唱えたり、記録を不正に操作したりすることはできない。トランザクションがログに記録されると、スマートコントラクトはエスクローからの支払いを即座に行い、仲介処理に関連する時間とコストを削減する。

ブロックチェーンテクノロジーはまだ萌芽期であるため、世界中の企業やコンソーシアムが、商用化に先立ってソリューションをテストするために、実証技術を開発しているスタートアップたちに投資したり協業を始めたりしている。こうしたことに取り組むスタートアップの一例がShipChainだ。同社はブロックチェーン技術を物流業界に適用することを目指している。

BiTAの一員である同社は、現在物流プロセスの各段階についての洞察を与える、完全に統合されたサプライチェーン管理システムを構築している。さらに同社は、分散型の仲介システム(本質的に、荷主と運送業者のための公開市場)を構築することを目指している。ブロックチェーン上の情報の透明性を利用することで、荷主は各出荷のコストと時間を、公開市場の中で最適化できるようになる。

言い換えれば、荷主は、市場での決定を下す前に、特定の貨物について異なるルートの許容量、コスト、および推定納期を追跡することができるということだ。同時に、運送業者たちは、所有する輸送車両と輸送航路の、輸送能力に関する情報を継続的に入力し、供給と需要に基づいて最も公平な価格設定を動的に調整することができる。ブロックチェーンによってもたらされる透明性と効率性は、利潤を追求するブローカーによる人為的な利ざやを排除することで、最も効果的な方法でリソースを割り当て、すべての関係者に利便性をもたらす。

現行のグローバルネットワーク全体にわたる効率性、透明性、セキュリティの欠如は、まさにブロックチェーンテクノロジーが解決するのにうってつけの問題なのだ。

このプロセス全体を通しての可視性の向上は、業界を悩ましている盗難やハッキングを大幅に減少させる。ブロックチェーンテクノロジーと切り離せない特徴が、重要な輸送データの全てを記録する、分散型で暗号化された台帳を作成できる能力である。重要な情報を変更または削除することが誰にもできないため、ハッカーによって改変することもできないのだ。

ブロックチェーンの特徴は、非効率のはびこる業界に対しては有望だが、そのテクノロジーはまだ初期段階に過ぎない。現時点の実装では、東アフリカからヨーロッパへの出荷には、最大30箇所の異なる業者たちからの承認が必要となる可能性があり、また目的地に到達するまでには、最大200回の異なる相互作用が発生する可能性がある。

これらの相互作用の多くは、荷主と運送業者との間だけでなく、規制当局、小売業者、卸売業者、さらには顧客との間でさえも発生する。グローバルな物流ブロックチェーンネットワークが効果的に機能するためには、すべてのステークホルダーの参加が必要だ。

物流と貨物の将来は、ブロックチェーンに大きく依存することになる。世界各地の荷主たちは、現在でも、とりあえず輸送コンテナを追跡するための既存の手段は持っているし、ブロックチェーンに批判的な人びとは貨物輸送業界の追跡機能を完全に作り変えることは、大変過ぎる作業だと主張している。それでも業界のリーダーたちは、サプライチェーンを追跡するためのブロックチェーンの可能性を、既に認識している。

世界最大のコンテナ運送会社Maersk Lineは、既にIBMを提携を行い、それぞれの出荷に伴う膨大な事務処理を削減するために、貨物輸送の追跡へブロックチェーンを適用しようとしている。

荷主と運送業者たちは、ブロックチェーン技術の進歩が、この先何年もの間業界の成長を支えてくれるだろうと、楽観視している。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES

1億1000万ドルを調達して貨物輸送帝国を夢見るFlexportの壮大な計画

「 私たちはベンチャーキャピタルのお金をただ使っているわけではありません。価値を創造しようとしているのです」こう語るのはFlexportのCEO、Ryan Petersenだ。「直観に反するかもしれませんが。ビジネスが拡大するほど、必要な現金が増えるのです」。

これはFlexportが情報ではなく物質を運んでいるためだ。しかも膨大に。Flexportは貨物輸送物流ネットワークである。もし中国で数トンの商品を生産し、それを米国中の商店に届けようと考えたなら、同社が商品を届けるためのトラック、港湾、飛行機、船舶などを手配してくれる。旧来の貨物運送業者は依然として紙の積荷目録に依存しているが、Flexportは個々の経路を最適化するために、すべてのデータを追跡している。

一見しただけではFlexportはそれほど「セクシー」とは思えない。しかしそこには数兆ドルの市場規模の可能性があり、それが有名な投資家たちを引きつけている。Flexportは既に1ヶ月7000個のコンテナを動かし、1個あたり2000ドルの運賃から15%を徴収し、船便だけでおおよそ月に210万ドルの収益を上げている。航空便、トラック便、通関代行、貨物保険などを加味すると、昨年の収益はその3.7倍に達する。「ユニットエコノミクス(顧客単位の収益性)は、私たちがまだ小規模のときにも、常にうまくいっていました。私たちは常にそれを意識して来たのです」とPetersenは言う。

「私たちにはAmazonのような要素があるのです」

– Ryan Petersen、Flexport CEO

情報筋からのタレコミでTechCrunchが先月報じた、Flexportの事前評価8億ドルに対する1億1千万ドルのシリーズC資金調達を、同社は本日(10月6日)付けで正式に認めた。事後評価9億1000万ドルとなったラウンドは、DST Globalによって主導され(そのパートナーであるRahul Mehtaは取締役オブザーバーになった)、Founders FundとSusa Ventures、その他の既存投資家が加わった。そしてFlexportの大胆な新しいビジネスモデルにとって重要なのは、Wells Fargo Strategic Capitalの参加である。

Flexportは、単に出荷するだけでなく、顧客の貨物に対するファイナンスを提供したいと考えているのだ。

貨物輸送+ファイナンス

企業は自社製品を生産するために工場に対して前もって支払を行なう必要があるが、実際に売上を手にするまでには、それを出荷して在庫を売りさばく数ヶ月という時間が必要となる。Flexportは、Wells Fargoのような大手銀行が資金を提供する、貿易金融を提供する予定なのだ。基本的に、Flexportはすべての出荷データを使ってリスクを計算してそれを最小化し、1800の顧客にその金額と返済利率を提示する。

Petersenは「これは本当に大きなビジネスで、素晴らしい拡張なのです」とTechCrunchに語った。WTOによれば、世界の貿易の80%から90%は、貿易金融に依存している。 「私たちははその信用調査に必要な全てのデータを保有しているのです」とFlexportがその調査を行うスピードを自慢するように、CEOは語る。「これまでの銀行ではお金を得るまでには時間がかかりがちです。1〜2ヵ月位かかるかもしれません。しかし、ビジネスはもっと素早く動いています。Wells Fargoのお金であれ、他の誰かのお金であれ、私たちは顧客に貸し出すことができるのです」。

Wells Fargo Strategic Capitalのマネージングディレクター、Matt Raubacherは、次のように語る「Flexportは既に、Wells Fargoとの間に銀行取引があり、信用関係を構築していました。Strategic Capitalグループは次のステップに進み、優れたリーダーシップを誇る急成長するビジネスに株主として投資できることに興奮しています」。

Ring、Osmo、Le Toteのような顧客は、配送手配と貿易融資の両者を同時に申し込むことが可能になり、物流の悩みを軽減することができる。また同時にFlexportが運賃と融資に対してより柔軟に対応してくれるのである。「これは相当に魅力的です。もしこのプラットフォーム上で、資金ぐりを行なうようになったら、他の手段に切り替えようとは思わないでしょう」とPetersenは語る。「私たちは貨物でお金を稼ぐのですから、ローンを安く提供できますし、あるいは融資で金を稼げるのですから、輸送費を安くすることができるのです」。

倉庫も保有する

Flexportはお金と物流だけに拘るわけではない。新しく得た1億1000万ドルの資金を使い、世界中で倉庫を購入する予定だ。それらの倉庫を同社は「クロスポート」と呼ぶ。Petersenは、Flexportは「私たちのソフトウェアと私たちの倉庫内プロセス」によって、さらなる「コントロール」を手にすることができる、と語っている。

Flexport CEO、Ryan Petersen

通常、コンテナがその巨大な船から降ろされると、それらは港にある第三者の倉庫に入れられる。しかし、Flexportがそれらの倉庫を所有している場合には、その間に賢いことをいくつか行なうことができる。「全ての荷物の寸法と重量を測定し、荷物のモデルを作ります。こうしておけば次に誰がが同じものを出荷しようとするときには、私たちはそれについてのデータは既に手にしているということになります」。また、異なるクライアントからの貨物を効率的に混載したり、商品の配送先を途中で変更したりすることも可能だ。

Flexportは2ヶ月前に香港で、最初の1万2000平方フィートのクロスポートを開設したが、既に満杯の状態である。そこで彼らはさらに大きい、例えばロスアンゼルスに所有する10万平方フィートの場所を使おうとしている。Petersenによると、現在500人の従業員を擁する9つの事務所以外に、25の事業所を開く計画だという。このことで私は、彼らが帝国を名乗る資格ができたと思っている。

「まだまだ課題は多いのです」とPetersenは認める。「決して解決することのない3つの挑戦が残っています。それらは皆”C”で始まりますが、別に私が胡散臭い(cheesy)人物だからというわけではありません」。

  1. 複雑さ(Complexity)–「正しいものを正しい順序で構築する」。そしてやりすぎることもなく、少なすぎることもないようにする。
  2. 文化(Culture)–楽しく働ける場所である続けること。従業員たちは一所懸命に働いている。なので、高く評価され、学び、キャリアを形成できているように感じさせなければならない。
  3. コンプライアンス(Compliance)–厳しく規制されている業界であるため「いつでも全てのルールに従うことを確実にすること」。

最後のものは、保険スキャンダルのZenefitsから不正血液検査のTheranosに至るまで、これまでに多くのスタートアップを破滅に追い込んできた。

「私たちの関わる規制はもっと厳しいものです。相手は税関や国境警備に関わる人たちですから。それはタクシーやリムジンの手数料といった話ではないのです」とPetersenは語りながら、言うことを聞かないUberを、容認した都市に対するあてこすりを行った。「危険な物品では、実際の人間の生命が脅かされます。可燃物を旅客機で輸送するといったら、だれもそれを気軽に扱うことはできません。  グレーゾーンは多くはないのです」 。Petersenは規則に従って進むことを喜んでいるのだ。

貿易のソーシャルネットワーク、あるいはAmazonか?

Flexportは、現代のトップテック企業からインスピレーションを受けている。「私たちにはAmazonのような要素があるのです」とPetersonは語る。「まるでAmazonで自分のカートに商品を入れているような気持ちになると思いますよ。そして商品が積載された10個のコンテナが表示されるというわけです」。また彼は同時に「私たちは、貿易は本質的にソーシャルなものだと考えている」と言う。なぜなら、新しいクライアントと契約をするたびに、Flexportはその取引相手もまたシステムに引き込むようにするからだ。「彼ら同士をつなげることはとても論理的です。私たちはFacebookからインスピレーションを借りてきました」。

今、貨物輸送が「クール」かどうかについては、Petersenは微笑んでこう答えた「私にはそれがセクシーなのか退屈なのかは分かりませんね。ウォールストリートは私にとってはとても●●●●(自粛)で退屈です。お金を動かすだけなのですから。まあきっとお金はセクシーなのでしょう」と彼は言うや否や、真剣な面持ちで彼の会社について語った。「これは大変な仕事です。一夜にして成功するものではありません」。

成長しつつある帝国にもかかわらず、Flexportはまだ23番目に大きい貨物運送業者に過ぎない。しかし、それを侮辱と受け取るのではなく、投資家たちはそれを機会だと捉えている。「他のトップ25企業は、Netscapeの創業以前に設立された会社ばかりです」とPetersen氏は言いたがった。彼らは単に技術を利用しているだけだが、Flexportは技術の中に生まれたのだ。

Flexportのサンフランシスコ本社で、彼のビジネスの偶発的サイクルを図示している、CEOのRyan Petersen

Petersenは「スタートアップの競合相手は心配していません」と述べた。営業プロセスの中で、顧客がFlexportをライバルになるスタートアップ企業と比べたことはないからだ。「むしろ報道関係者に対して話をしているときの方が心配です。大企業が私たちを、箸にも棒にもかからない奴らだと思うことをやめることを心配しているのです」。

彼は、FedExやDHL、そしてExpeditorsなどの大企業たちが、テクノロジーを手にするために、Freightos、Haven、Fleetなどのスタートアップを買収する可能性があると考えている。しかし、Flexportはオファーを受け付けていない。実際、Flexportは、このラウンドで評価額を10億ドル以上引き下げて、収拾がつかなく事や、投資家たちに過度の力を与える事態を避けたのだ。

「ただ楽しんでいるだけです。本当に面白いですよ。ビジネスを売ってしまったら、単なるその他大勢のお金持ちの1人になるだけですからね」とPetersenは笑う。「私はビジネスを売るつもりは決してありません。上手く行かなくならない限り、売るつもりはありませんね」。

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(翻訳:Sako)

Amazonは独自の配送サービスをアメリカでテスト中――2018年にはサービスを拡大へ

Amazonはサードパーティー向け配送サービスを実験している。Bloombergによれば、販売者はAmazonのSeller Flexと呼ばれるプラットフォームを使って商品の配送ができるようになる。このプロジェクトは2年前にインドで開始されたが、Amazonは今年に入って西海岸を皮切りにアメリカでも密かにテストを開始していたという。Bloombergの記事は「2018年にはアメリカのサービスを拡張する計画がある」としている。

このサービスではAmazonは消費者の販売者への注文、販売者の倉庫からの集荷、顧客への配送まで一貫して処理する。ただしAmazonは独自に契約した運送者に加えてUPSやFedExのような大規模運送事業者を引き続き使用する。ただこれまではどの運送業者に配送を依頼するか荷主である販売者が決めていたが、Seller Flexでは配送者、配送方法の決定権がAmazonに移るわけだ。

Bloombergも指摘するとおり、この実験はAmazonがロジスティクスにさらに一歩踏み込んできた証拠でもある。これまで商品在庫の管理においてAmazonにとって不透明な部分が存在した。Amazonは販売業者が管理する在庫にについては十分な情報が得られなかった。しかしSeller Flexではさらに立ち入ってサプライチェーン全体を管理することになる。これにより消費者にとってPrime配送が一層速くなるだろう。Amazonは配送時間を最小にするために、マクロな観点から誰が何をどこへ配送するのかを最適化できるようになる。

Amazonの実験はPrimeに参加するメンバーの拡大を図ると同時にロジスティクスをAmazonに集中させ効率化する効果を狙っている。またサードパーティーの荷主の増加によってフルフィルメント・センターに入ってくる商品も増加し、処理能力が食われる心配をしなくてすむようになることも目指しているのだろう。Seller Flexでは実際の配送業者としてUPSやFedExをシステムから排除するわけではない。しかし長期的にみてAmazonの影響力を拡大させることになるはずだ。

画像: David Ryder/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon、5万人規模の第2本社建設計画を発表――自治体の立候補受付け開始

Amazonはすでにeコマース、ロジスティクス、クラウドサービスの各分野で世界的な巨人だ。そのAmazonが企業としての存在をさらに一段と拡大する動きを見せている。今日(米国時間9/7)、同社は北米地区に第2の本社を建設するために適切な都市を選ぶための調査を開始したことを発表した

Amazonによればこの第2本社はワシントン州シアトルの既存の本社(上の画像)と「あらゆる点で同等の施設となる」といいう。

新本社はそのサイズもシアトル本社と同等かそれ以上となるもようだ。Amazon本社はシアトルのビジネス地区の中心的施設の一つだ。4万人の社員が75ヘクタールの土地に建てられた33棟のビルで働いており、レストランだけでも24箇所ある。Amazonによれば、HQ2と呼ばれる第2本社では5万人が働くことになり、投資額は50億ドルに上るという。

Amazonのファウンダー、CEOのジェフ・ベゾスは声明で「Amazn HQ2はあらゆる面でシアトル本社と同等のものとなる。HQ2は当初でも数十億ドルの投資先となる。この投資はその後も継続され、数万人の給与の高い職が創出される。われわれは第2の家〔に適切な場所〕を見つけようと張り切っているところだ」と述べた。

TechCrunchではHQ2建設のスケジュールについてAmazonに問い合わせ中だ。

Amazonの新本社建設の発表は興味深いタイミングで行われた。Appleはクパチーノの新キャンパスの建設をほぼ完了したところだ。来週にはメイン・ビルディングに隣接する新しいスティーブ・ジョブズ・シアターで最初のイベントを開催する。ここでは最新版のiPhoneが発表されるものとみられている。リング状の巨大建築はAppleのパワーを象徴するものとして長いあいだ話題になってきた。Appleが新キャンパスでiPhoneイベントを開催する直前にHQ2建設計画が発表されたことは、こうしたビッグプロジェクトを実施できるのはiPhone/Macの巨人だけではないと知らせるAmazon一流のやり方かもしれない。

面白いことに、Amazonは社員がどちらの本社ないしどの都市で働くことを希望するか各種調査を行う計画も明らかにしている。ここでAmazonは適切な候補地となるべき条件をいくつか挙げている。候補都市は人口が100万人以上であること、ビジネスフレンドリーな安定した都市環境であること、テクノロジーに関して才能ある人材を引き寄せる魅力がある都市ないし都市近郊であること、などだ。また都市、地域の選定にあたっては「ものごとを大きなスケールで考える創造的なコミュニティーを持つこと」も条件としている。

またAmazonは新本社は現在のシアトル本社同様、都市型の施設となり、都市中心部に建設されること、すでにデベロッパーによって開発が進められていてもよいことなどを明らかにしている。

AmazonではHQ2建設の第一歩として都市ないし州による提案の受付(RFP=Request for Proposal)を開始しており、Amazonは自治体に対し同社へのコンタクトを呼びかけている。一度HQ2の建設予定地に選定されれば都市側のメリットは巨大だ。Amazonの推計によれば、同社は2010年から2016までの期間にシアトル市の経済に寄与した額は380億ドルになるという。Amazonの投資1ドルについてシアトル市は1.40ドルの経済効果を生み出してきた。

社員38万人というのは、Amazonをテクノロジー分野における世界最大の雇用者の一つとしている。テクノロジーは現在アメリカの主要産業とみられいるものの、以前の主要産業と比較すると直接雇用者の数が目立って少ない。Amazonは例外的に巨大な雇用者だが、ロジスティクスの分野における雇用が大きいのもひとつの理由だ。事実、Amazonはアメリカでもその他の世界でもフルフィルメント・センターを開設するつど、地域の雇用と収入の増大に貢献することになると発表してきた。

Amazonはまたアメリカ国外でも急ピッチで拡大を続けている。

今年夏、AmazonはEU離脱で揺れるイギリスの首都、ロンドンの金融地区に新しい本社を開設している。

下の画像はAmazonのシアトル本社に関する詳細だ。

画像:Amazon

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WalmartがAmazonのアイデアに刺激を受けて、ドローン発着飛行船の特許を申請した

Walmartは、明らかな模倣に見える動きでAmazonへ挑戦しようとしている、ドローンの母艦となる小型飛行船の特許を申請したのだ。

1年前にAmazonが、ドローンを顧客のドアに向けて送り出す空飛ぶ倉庫の特許を取得したことを思い出すかもしれない。Walmartは今、Amazonのアイデアを取り込みたいと考えているようだ。

ブルームバーグが最初に報告したこの特許出願書には、人間が制御するドローンと自律ドローンの両方が配達のために発着することができる複数の発射台を備えて、約150メートルから300メートルの空中に浮遊するWalmartの飛行船が記載されている。

この移動可能な倉庫飛行船は、Walmartにとって土地代と、通常サードパーティ配送会社によって扱われる「ラストマイル」配送コストの両者を節約する役にたつだろう。

この浮遊式倉庫の動きは、買い物客のドルを激しく奪い合う両社による、シリーズ最新版なのだ。Amazonは急速にWalmartの競合相手として台頭しつつある、安価な商品をいち早く、ドアの外に1歩も出る必要なく届けることによって。しかし、Walmartは依然として世界最大の小売業者であり、米国中に根を張った実店舗たちは仮想的「なんでもストア」に比べて物理的な利点を持っている。

しかし機会を見逃さないAmazonは、より多くの顧客を引き込むために、自分自身の物理店舗群の構築を開始した。Amazonは、Whole Foodsの高級小売店舗群を完全に取得するために、137億ドルを支払うことを既に同意しており、更にAmazonFreshを通じて、地元における食料品配送を拡大している。

しかし、Walmartは挑戦に尻込みするような会社ではない。Amazonの配送ビジネスプランに挑戦するための他の計画を携えているはずだ。

Walmartは既に、自動機械を使用したドライブスルーピックアップをテスト中だ。必須アイテムを揃えた飛行倉庫を所有することで、物理的な場所と自動ピックアップ、そして幅広い選択肢を生かした本当にスピーディな出荷を行うことができ、Amazonを出し抜くために必要な競争力を身につけることができるかもしれない。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: BLOOMBERG / CONTRIBUTOR/GETTY IMAGES

Amazonがアパートなどに設置できる宅配ロッカー”Hub”の運営を開始

Amazonは、メディアコンテンツやクラウドサービスといった仮想的製品の取扱範囲をさらに広げているが、電子商取引とマーケットプレイス、そしてそれを支える巨大な物流機構に対しても、そのビジネスの日々の収益を守るために機能の追加を続けている。

本日(米国時間7月27日)Amazonは、Hubという新しいサービスを静かに発表した。これは集合住宅内に設置されるロッカーで、居住者たちが大きな荷物を自由な時間に受け取ることができるようにするものだ。このサービスの特徴は、Amazon自身やその提携相手以外からの荷物も、ここへ配達できるようにしているということだ。

「どんな送り手からでも、そしてどんな小売業者からでも、いつでも好きなときに荷物を受け取ることができます」。サイト上のプロモーションビデオの中ではAmazonやZappos(Amazonの子会社)から以外の荷物を受け取る様子も描かれている。

このHubサービスは、現在はAmazon Lockersと呼ばれている、これまでAmazonが数年に渡って運営を行ってきたサービスの上に構築されたものだ。Amazon Lockersは公共の場所や小売店などに設置される配送ロッカーで、Amazonからの荷物をより便利に受け取ることを可能にするサービスだ。

重要なのは、Lockersと今回のHubは、これまでAmazonが手を付けて来られなかった物流ならびに配送経路上の部分へ焦点を合わせる、Amazonの大きな野望を表しているということだ。すなわち配送のラストマイル(より正確にはラストフィート)区間への対応だ。

この野望は、これまでもAmazonの行ってきた新しいサービスの動機となっていた。例えばドローンで荷物を届けるPrimeAirの開発や、特定の市場向けの配送サービスである、フランスのColis Priveの買収などだ。

これらのすべての努力は、荷物が顧客のもとへどのように到着するかを、Amazonがよりコントロールできるようにする。そうすることで届けるためのコストを更にカットすることが可能になるかもしれない。これは沢山のアイテムの無料配送(と大量の特典)を与える、Amazon Primeのような会員制度の中で、より高い利益を得るためには特に重要なことだ。

Hubの発表に先立ち行われた、Amazonの四半期決算発表によれば、純利益は約6億5000万ドル減少し、1株当りの利益予想も1ドル以上も減少した。この理由の一部は投資金額の増大によるものだ。マージンの改善はいずれ行わなければならないことであり、今日のサービスの発表はそこへ向けてのAmazonからの微妙なサインなのかもしれない。

そして過小評価しないようにしたいのは、Hubのような努力が、Amazon自身を越えて与える大きなインバクトについてだ。AmazonがHubを自身の荷物だけでなく、誰からの荷物に対しても使えるようにすることで、AmazonはかつてのパートナーたちであるFedExやUPS、そしてDHLとの真正面からの競争に晒されることにもなる。

DHLは、既に居住者のためのロッカーシステム、Packstationを運営している。そして、こうした動きを行なっているのは1社だけではない。Amazonがこれまで強引に割り込んできた、多くの分野と同様に、同じ問題を解決しようとビジネスを進めてきたいくつかのスタートスタートアップが存在する。例えばPackage ConciergeLuxer Oneなどだ。Googleは競合相手になる可能性のあったBufferBoxを2012年に買収したが、その後事業は停止している。

Amazon Lockersの場合と同様に、Hubは、消費者、配送会社、そしてAmazon自身などにとっても大きな問題を解決する。普通の場合、通常のメールボックスには届かない大きなものを購入すると、様々なパターンが発生する。もしアパートにコンシェルジュがいない場合には、荷物は営業所に持ち帰られるか、隣人の厚意に頼って受け取って貰うか、いつでも開いているとは限らないビルの管理室に届けて貰う、といった対応を考えなければならない。

「AmazonのHubは、セルフサービス、信頼できるカスタマーサポートの組み合わせによって、頼れるパッケージ管理ソリューションを提供します」と、Amazonはそのプロモーション資料の中で述べている。

現時点では、AmazonのHubは個人居住者向けにデザインされていて、屋内屋外それぞれのバージョンがあり、デジタルキーパッドの入力によって開くことができる。自身の所有する建物へHubの設置を申請した場合、そのアパート、オフィス、もしくは家の持ち主であるか否かが尋ねられる。アパートの所有者であることを示さない限り、その先のページに進むことはできないようだ。しかし他のオプションを指定することで、違う種類の場所への設置は可能になるようだ。

Hubは「さまざまな建物に簡単にインストールできるモジュラーシステム」だと、説明されている。2つのサイズが用意されている。Starter Hubは幅約180センチで42のコンパートメント(小区画)に分けられている。そしてExpander Segmentは23のコンパートメントを追加する。「モジュールは、あなたの建物のニーズに適した容量を提供するために、相互にリンクされます」とAmazonは説明している。「コンパートメントのサイズとレイアウトはすべて事前に設定されているため、必要なコンパートメントの種類を考える必要はありません」。

価格などの詳細についてはAmazonに尋ねている、詳細が判明したら更新する予定だ。

Hacker News 経由)

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(翻訳:Sako)