Starshipのロボットが商品のオンデマンド配送を始めた――年内にサンフランシスコにも展開

Skypeの共同ファウンダー、Ahti HeinlaとJanus Friisが2014年に設立したStarship Technologiesがイギリスのミルトン・キーンズで自動運転ロボットによる商品配送を開始した。住民は商品の到着に合わせて自分の予定を変えたり、ドアの前に荷物を置かれて盗難を心配したりする必要がなくなった。

このロボットによるオンデマンド配送を利用するためには、まず商品の配送を受けたい場所として自宅の代わりに最寄りのStarshipの拠点を入力する。商品がStarshipの拠点に到着すると専用アプリから通知が届く。ユーザーは自分の都合のいいタイミングでStarshipのロボットに配送を指示する。アプリにはパッケージがどこを移動中かモニターする機能がある。ロボットが到着するとアプリを使ってカバーを開いてパッケージを取り出すことができる。

現在ロボットによる配送が可能なのは拠点から半径3.6キロの距離だが、Starshipではこの範囲を拡大していく計画だ。Starshipによるとロボットのバッテリーには問題がなく、配送に要する時間を最小限にする努力をしているという。

Starshipは年内にサンフランシスコ周辺でサービスを開始する考えだ。アメリカでの配送料金は未定だが、イギリスでは最初の月は無料、以後毎月7.99ポンド(1153円))となっている。配送個数に制限はない。Starshipはこう述べている。

自分の生活が注文した商品の到着時間に振り回されるというのは過去のものになる。勤務先から早退したり、人と会う時間を変えたり、郵便局その他の受け取り場所に出向いたり、行方不明の荷物について配送業者に問い合わせたりする必要はなくなる。 消費者に代わってStarshipがパッケージを受け取り、オンデマンドで配送する。こうしたサービスを提供できるのは世界でStarshipだけだ。われわれは消費者のライフスタイルを快適にする。

数ヶ月前、StarshipはMatrix PartnersとMorpheus Venturesから2500万ドルの資金調達に成功している。このときの投資家にはAirbnbの共同ファウンダー、Nathan Blecharczyk,、Skypeのファウンダー、Jaan
Tallinnらが含まれていた。Starshipの資金調達額は合計4220万ドルとなっている。

Starshipは食品配送サービスのDoorDash、Postmatesと提携してロボット配送の実験を行ってきた。昨年1月には前述の企業と提携して、カリフォルニア州のレッドウッドシティーとワシントンD.Cでパイロット・プログラムをスタートさせている。現在までにStarshipのロボットは20カ国の100都市で延べ20万キロを走破しているちう。

〔日本版〕以下のビデオは2015年に公開されたものでSkypeの共同ファウンダーでStarshipの共同ファウンダー、CTOのAhti Heinlaがシステムを詳しく紹介している。


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滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

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