長寿スタートアップのLongevicaが長期研究に基づくサプリメントを発売予定

LongevicaのCEOであるアイナル・アブドラフマノフ氏

人間の寿命を延ばすサプリメントの研究に11年を費やしてきたバイオテクノロジー企業Longevicaは、2021年後半にサプリメントを発売する計画を立てている。Longevicaによると、同社は長寿技術に投資を行い同社の社長でもあるAlexander Chikunov(アレクサンダー・チクノフ)氏を含む投資家から合計1300万ドル(約14億円)を集めたという。

Longevicaによると、同社は実験用マウスの寿命を研究した後に、バイオテクノロジーのプラットフォームを立ち上げた。Longevicaは今後、延命のための医薬品と食餌療法サプリメント、食料品を生産していくとのことだ。

長寿はテクノロジースタートアップにとっても成長市場だ。Googleもこの分野でCalicoの立ち上げを支援した。2020年はHumanity Inc.がボストンのファンドOne Way Venturesがリードするラウンドで250万ドル(約2億7000万円)を調達しているが、その資金は、AIを使って人の健康期間を延ばす同社の長寿技術企業を支える。

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LongevicaのCEOであるAynar Abdrakhmanov(アイナル・アブドラフマノフ)氏は、長生きしたいという人たちの欲求に奉仕する彼の企業について、次のように述べている。「WHOによると、2050年には60歳以上の人が20億人に達する。2019年には17兆ドル(約1834兆4000億円)だったが、2026年までにはこの年齢層の人たち向けのサービスとプロダクトの売り上げがは約27兆ドル(約2913兆4000億円)になります」。

調査会社CB Insightsによると、寿命延長サービスのスタートアップは2018年だけで過去最高の8億ドル(約863億2000万円)を調達した。一部の高名な投資家および投資企業も、この投資に加わっている。

PayPalの共同創業者Peter Thiel(ピーター・ティール)氏は、加齢にともなう疾病の治療薬を開発するUnity Biotechnologyに投資している。Ethereumの創業者Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏は、若返りのためのバイオテクノロジーを開発している非営利団体SENS Research foundationに、240万ドル(約2億6000万円)相当のEtherを投資した。SENS Researchは、Aubrey de Grey(オーブリー・デ・グレイ)氏が最高科学責任者を務め、若返り技術のバイオテクノロジーを開発していることで知られている。

Longevicaのプラットフォームは、科学者であるアレクサンダー・チクノフ氏の業績に基づいている。彼は米国の特許を10件持ち、タンパク質生合成細胞の統制に関して長年、研究している。

「この分野でよく知られている科学者を集めて、問題への彼らのアプローチを議論したことがありあmす。そのときAlexey Ryazanov(アレクセイ・リアザノフ)氏が、長寿のマウスにある既知の薬理学的物質をすべて大規模にスクリーニングして、生命を延ばしているものを発見するという画期的なアイデアを提案しました」とチクノフ氏は語る。

Longevicaによると、同社はリアザノフ氏の指導の下、2万匹の長寿の雌のマウスと、62の薬理学的クラスの合成物質を表している1033種の薬品を使って、統計的に寿命を16〜22%と大きく延ばしているイヌリン、ペンテト酸、クロフィブラート、プロシラリジンA、D-バリンというた5つの物質を発見した。

この研究から、彼らは特定の重金属を体内から排除するという見解を形成し、体内の毒素を除去する能力を向上させた。

カテゴリー:バイオテック
タグ:Longevicaサプリメント長寿資金調達健康

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)

eコマースのグローバルな荷物追跡プラットフォームを提供する香港AfterShipが71.2円調達

AfterShipは2012年に、主に中小のネットショップのための荷物追跡サービスとしてローンチしたが、その後同社は、メールによるマーケティングや顧客維持対策などのツールなどショッピング体験の一部始終をカバーする一連のデータ分析ツールを作った。香港に本社を置く同社は米国時間4月22日、Tiger GlobalのリードによるシリーズBのラウンドで6600万ドル(約71億2000万円)を調達したことを発表した。これにはHillhouse CapitalのGL Venturesが参加した。

AfterShipのこの前のラウンドは、2014年の100万ドル(約1億1000万円)のシリーズAだった。共同創業者のAndrew Chan(アンドリュー・チャン)氏によると、同社はローンチ直後から利益があり、主に口コミによる人気とパートナーシップで成長した。特にShopifyの統合で知名度が上がった。しかし同社は最近営業チームを作り、今回の資金も営業のための国際的な雇用とカスタマーサポートに充てるつもりだ。また同社は、新しいプロダクトのローンチを進めると同時に、すでにAfterShipの顧客の約70%がいる米国へさらに拡張していきたい、という。

同社のソフトウェアでセラーは、740社以上もの運送業者に対して荷物を追跡でき、同社は年間60億以上の荷物を扱っている。同社のパートナーは約1万社いて、中には5万店の出店者を抱えるShopifyやMagento、Squarespace、Amazon、eBay、Etsy、Groupon、Rakuten(楽天)、Wish、それにリテールブランドのDysonやInditexなど大物の名もある。

荷物追跡ページはブランドごとにあり、AfterShipのソフトウェアがメールを作る。(画像クレジット:AfterShip)

AfterShipのメインのプロダクトは荷物追跡プラットフォームだが、その他にセルフサービスの返品処理と顧客のためのパッケージ追跡、営業とマーケティングなどのツールも提供していて、マーチャントは荷物からのデータをさらに有効利用できる。チャン氏の説明によると、パッケージ追跡はセラーにとってユーザーエンゲージメントツールでもあり、いろんな商品の推奨や宣伝ができる。AfterShipのツールでマーチャントは、自分のブランド専用の追跡ページや通知を作れる。その他、各輸送業者のパフォーマンスを調べたり、メールによるマーケティングキャンペーンを展開したり、顧客の維持確保を増大したりできる。

CRM的な能力もあるので、AfterShipは他の荷物追跡情報集積企業とは一味違う。

「ビジョンを考えるときは、Salesforceがやってることを見ます。そして、営業の人たちが実際に使えるような、eコマースのためのSalesforceはあるだろうか、と考えます」とチャン氏はいう。

Tiger GlobalのグローバルパートナーであるPengfei Wang(ペンファイ・ワン)氏は、プレス向けの声明で次のように述べている。「AfterShipは、配送のプロセスを消費者と企業の両方にとってもっと透明かつ信頼性の高いものにすることで先頭を走っています。現在、eコマースの成長は急上昇しているため、AfterShipとパートナーできたことはありがたいし、特にそのリーダーシップチームは、この重要かつ拡大を続けている業界で、常にその技術が進歩していることがすばらしい」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AfterShip香港Tiger Globaleコマース資金調達

画像クレジット:athima tongloom/Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

自動走行車両の遠隔操作ソフトウェアOttopiaが住友商事のVCなどから9.7億円調達

イスラエル空軍やイスラエルの諜報機関、Microsoftでのサイバーセキュリティプロダクト開発の責任者など、ミッションクリティカルな環境でキャリアの大部分を送った後、Amit Rosenzweig(アミット・ローゼンツワイグ)氏は自動走行車両に注意を向けた。

この技術には、他のミッションクリティカルなシステムに必要なもの、つまり人間が必要だとすぐに気づいた。

「AIや機械学習で完全に解決されない境界ぎりぎりのケースが数多くあり、人間参加型の介入のようなものがあるべきだと考えています」とローゼンツワイグ氏は最近のインタビューで語った。「人間による監視のないミッションクリティカルなシステムは1つもありません。原子力発電所や飛行機も然りです。自動走行モビリティが存在するには、人間が必ずループに加わっているか、何らかのかたちでそこにいなければなりません。10年後、20年後でもそうです」。

その「ヒューマン・イン・ザ・ループ(人間参加)」の結論は、ローゼンツワイグ氏が2018年に遠隔操作のスタートアップOttopia(オットピア)を設立することにつながった(同氏の兄弟であるOren Rosenzweig[オレン・ローゼンツワイグ]氏もまた自ら創業したInnovizというLiDARの会社を通じて自動走行車両業界に携わっている)。Ottopiaの初のプロダクトは、人間のオペレーターがあらゆるタイプの車両を何千マイルも離れたところからモニター・操作できるユニバーサルな遠隔操作プラットフォームだ。遠隔操作センターを作るために、Ottopiaのソフトウェアはモニターやカメラなどすぐに購入可能なハードウェア製品と組み合わされている。同社のソフトウェアにはアシスト機能も搭載されていて、遠隔から車両を操作することなくAVに「道順」を示す。

立ち上げ以来、従業員25人の小さな会社はBMWや固定ルートAVスタートアップのMay MobilityBestmileなどの投資家やパートナーを獲得してきた。Ottopiaは米国時間4月23日、Hyundai Motor Group(現代自動車グループ)やMaven、イスラエルのスタートアップ投資にフォーカスしている住友商事のベンチャーキャピタル部門IN Ventureなどから900万ドル(約9億7000万円)を調達したと発表した。既存投資家のMizMaaとイスラエル企業NextGearも参加した。

HyundaiとIN Ventureは取締役の座席も確保した。Hyundaiの自動運転センターの代表を務めるWoongjun Jang(チャン・ウンジュン)氏と、IN VentureのマネージングパートナーEyal Rosner(エヤル・ロスナー)氏は現在、Ottopiaの取締役会に名を連ねている。

Ottopiaはこれまでに1200万ドル(約13億円)を調達し、そしてローゼンツワイグ氏はすでに会社の成長の資金を確保しようとさらに大きなラウンドに目を向けている。

差し当たって、同氏は2021年末までに従業員を50人に倍増させ、米国にオフィスを開設することにフォーカスしている。また、国防や鉱業、ロジスティックなど他の分野へと遠隔操作ソフトウェアの応用を拡大させていると同氏は述べた。しかしOttopiaのリソースの大半は引き続き自動車業界、特に自動走行の乗用車、トラック、シャトルの展開に向けられている。

「モチベーションは極めてシンプルです。シンプルですが、行うのは難しいのです。そのモチベーションとは、安価な自動走行輸送を実現に近づけることです」とローゼンツワイグ氏は述べた。「もちろん問題はAVがいかなるバックアップ、あるいは遠隔操作というかたちでのいかなる種のセーフティネットも持たずにな立ち往生したとき、乗客は『一体どうなっているんだ、なぜだ、なぜこれは動かないのか』と不安になるということです」。

別の問題は、AVが効率的な運輸サービスと組み合わされる必要があることだと同氏は指摘した。同社の最新パートナー企業である、オンデマンドシャトルと輸送ソフトウェアのViaが取り組んでいる分野だ。

今週発表されたこの提携の下、Viaは車両管理ソフトウェアをOttopiaの遠隔操作プラットフォームと組み合わせた自動走行車両を提供する。Viaは自前の自動運転ソフトウェアシステムを開発していない。2020年11月に同社は、オンデマンドの乗車シェアリング、公共交通、アクセスのしやすさを要する乗客のための交通機関の選択肢を統合した自動走行車両プラットフォームを立ち上げるためにMay Mobilityと提携したと発表した

カテゴリー:モビリティ
タグ:自動運転Ottopia資金調達

画像クレジット:Ottopia

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

SoftBankが米国のヒスパニック系移民向けサービスに大型投資

ロサンゼルスを拠点とするスタートアップWelcome Techは移民コミュニティを対象とした大規模なデジタル・プラットフォームを構築中だ。このほどTTV Capital、Owl Ventures、SoftBank Groupが立ち上げた1億ドル(約107億9000万円)のSB OpportunityFundが共同でリードしたシリーズBのラウンドで3500万ドル(約37億8000万円)の資金を調調達した。

Crosscut Ventures、Mubadala Capital、Next Play Capital、Owl Capitalもラウンドに参加しており、2010年のWekcome Techの創立以来の調達総額は総額は5000万ドル(約53億9000万円)に達した。同社はテキサス州サンアントニオにもオフィスがあるが、2020年3月に800万ドル(約8億6000万円)のシリーズAラウンドを実施している。

移民によって、移民のために作られたWelcome Techは、その名が示すとおり、米国への移民を歓迎し社会に慣れることを助け、大きな成功を収めるために役立つプラットフォームとなることを目的としている。

こうしたサービスでは金融商品をリリースして移民の便宜を図り、その結果移民コミュニティの信頼を得ようとすることが多い。しかしWelcomeのアプローチは逆で、地域社会のニーズを理解するために全力を上げ、まずコミュニティの信頼を得ようと努力するという点で異なっている。

具体的には、Welcomeは設立後1年間「新しい国で成功するために必要な情報、サービス、教育リソース」を提供するプラットフォームの構築に注力してきた。当初の対象は米国におけるヒスパニック系コミュニティだった。

このプラットフォームはSABER es PODER(スペイン語で「知は力なり」)と名づけられた。目的はヒスパニック系コミュニティのメンバーに「広く認知されて信頼される」リソースとなることだった。

Welcome Techは、その後蓄積した知識、データを元に、半年前にバイリンガルで利用できるモバイルアプリとデビットカードを含む銀行サービスを開始した。さらに2021年1月には病院や歯科医院などのリソースを割引価格で利用できる月額制のサービスを開始している。

TTVキャピタルの共同ファウンダーでパートナーのGardiner Garrard(ガーディナー・ガラード)氏はヒスパニック市場は、人口6280万人という米国最大のマイノリティコミュニティだと指摘し、次のように述べた。

しかしヒスパニック系世帯の半数は銀行サービスをフルに利用できていません。口座を開設することができないためクレジカードやデビットカードなどのサービスを利用できない世帯が多数あるのです。これほど大きなコミュニティにサービスを提供していないのは記録的な失敗です。Welcome Techはこの問題に正面から取り組んでいます。

Welcomeの共同ファウンダーでCEOのAmir Hemmat(アミール・ヘマット)によれば、同社のプラットフォームには現在300万人弱のアクティブユーザーを持っているという最終的な目標は「デジタル・エリス島 」だという。ニューヨークの自由の女神の近くの小島、エリス島には移民局が置かれていたことがあり、米国社会において移民歓迎の象徴となっている。

ヘマット氏はTechCrunchの取材に対し「移民の成功を運任せにするやり方はバカげています。企業が魅力的な人材を確保しようとあらゆる努力を払っていることを考えてみましょう。国の場合はほとんど逆のことをしています」と語った。

画像クレジット:Welcome Tech

特に、ヘマット氏と共同ファンダーのRaul Lomeli-Azoubel(ラウル・ロメリ・アズベル)氏は移民の成功には金融サービスへのアクセスが不可欠だと以前から認識していた。

「我々は最終的な目的は移民のためのより良い未来とより幅広いプラットフォームの構築ですが、そのための基盤、第1歩は間違いなく金融サービスの提供です」とヘマット氏は述べた。

Welcomeはヒスパニック系コミュニティのために英語・スペイン語バイリンガルの無料の銀行口座を提供する。この口座は「コミュニティのニーズに合わせて高度にカスタマイズ」されているという。

最近、TomoCreditGreenwoodなど、ヒスパニック系コミュニティを対象とした新しいデジタル・バンキングが数多く登場している。Welcomeは、さらに広範囲なプラットフォームを提供することでライバルとの差別化をを図っている。月額10ドルのサービスをサブスクリプションすれば、医療の割引やテレビの無料のテレビチャンネルのなどのサービスを受けることができる。へマット氏はこう述べた。

この点を検討した結果、移民に対してはデータをコンピュータで処理した「お勧め」が十分提供されていないことがわかりました。多くの移民は試行錯誤や口コミに頼っており、こうした情報源は場合によっては詐欺的であったりするのです。移民が置かれているこうした厳しい状況を改善するには、これまでばらばらだった人々をプラットフォームに集約することが必要です。これがさまざまなカテゴリーの消費者により良いサービスや製品、有利な価格、優れた体験などを提供するための大きな一歩となると考えています。

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今回の大型ラウンドで得た資金は、こうした目的を実現するためにより多くのパートナーの確保すると同時にWelcomeの認知度を高めるために用いられるという。

SoftBankのOpportunity Fundで投資ディレクター、グロースステージ投資責任者を務めるGosia Karas(ゴシャ・カラス)氏は、TechCrunchの取材に対し「米国では、移民人口が急増しているにもかかわらず、十分にサービスは提供されていません。このギャップにより、新たな参入者が金融サービスを提供する絶好のチャンスが生まれています」と述べた。

SoftBankはターゲットとなる市場を真に理解し着実にデータを収集するWelcomeのアプローチにに特に魅力を感じたといいう。カラス氏はこう述べた。

フィンテックサービスの分野に飛び込む前にWelcomeのファウンダーたちは十分に準備を重ね、経験を積んでいました。何年もかけて、移民というオーディエンスに対する理解を深め、コミュニティにおける信頼関係を構築してきました。これによりターゲットを絞りこみ、そのニーズに適合したコンテンツの構築ができました。これはがバイリンガルの銀行アプリ、デビットカードなどのサービスを展開するための優れたバックボーンとなっているのです。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Welcome Tech移民SoftBank Group資金調達アメリカ

画像クレジット:Nattanitphoto / Shutterstock

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:滑川海彦@Facebook

航空業界の水素燃料電池普及を目指すUniversal HydrogenがシリーズAで約22億円調達

脱炭素化に向けた競争がアースデイ(4月22日)に加速した。ロサンゼルスに本拠を置き、民間航空機用の水素貯蔵ソリューションと変換キットの開発を目指すUniversal Hydrogen(ユニバーサル・ハイドロジェン)というスタートアップ企業が、シリーズA投資ラウンドで2050万ドル(約22億1200万円)を調達したと発表したのだ。

同社創業者でCEOを務めるPaul Eremenko(ポール・エレメンコ)氏は、TechCrunchによるインタビューに「水素は航空業界にとって、パリ協定の目標を達成し、地球温暖化防止に貢献するための唯一の手段です」と語った。「私たちは、航空用のエンド・ツー・エンドの水素バリューチェーンを、2025年までに構築するつもりです」。

今回の投資ラウンドは、Playground Global(プレイグランド・グローバル)が主導し、Fortescue Future Industries(フォーテスキュー・フューチャー・インダストリーズ)、Cootue(クートゥー)、Global Founders Capital(グローバル・ファウンダーズ・キャピタル)、Plug Power(プラグ・パワー)、Airbus Ventures(エアバス・ベンチャーズ)、Toyota AI Ventures(トヨタAIベンチャーズ)、双日株式会社、Future Shape(フューチャー・シェイプ)などの投資家シンジケートが参加した。

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    700マイルまでのリージョナルフライトが可能なターボプロップ機
  2. Universal-Hydrogen-Module

    「グリーン水素」を輸送するための軽量モジュール式カプセル
  3. Universal-Hydrogen-Conops

Universal Hydrogenの最初の製品は、水素燃料電池を搭載した航空機に、再生可能エネルギーで製造された「グリーン水素」を輸送する軽量なモジュール式カプセルになる。このカプセルは最終的に、VTOL(垂直離着陸機)エアタクシーから長距離用の単通路機まで、さまざまなサイズの航空機に対応する予定だ。

「現在の民生用電池のように、航空機のクラスごとに互換性を持たせたいと考えています」と、エレメンコ氏は語る。

このカプセルの市場を立ち上げるため、Universal Hydrogenは、40~60人乗りのターボプロップ機を改造して、700マイル(約1127キロメートル)までのリージョナルフライトが可能な飛行機を自身で開発している。この取り組みは、シード投資家で水素と燃料電池を供給するPlug Power(プラグ・パワー)と、電動航空機用モーターを開発するmagniX(マグニックス)との共同で行われている。

エレメンコ氏は、2025年までに50席以上の大型機で乗客を乗せて飛行させ、最終的にはリージョナル航空会社が自社の航空機を改造するためのキットを製造したいと考えている。

「Boeing(ボーイング)とAirbus(エアバス)が2030年代初頭に製造する航空機を決定する前に、水素の認証と乗客の受け入れにおけるリスクの顕在化を回避するため、2、3年はサービスを提供したいと考えています」と、エレメンコ氏はいう。「少なくとも両社のどちらかが水素航空機を作らなければ、航空業界は気候変動対策の目標を達成できないでしょう」。

水素に賭けているのはUniversal Hydrogenだけではない。英国のZeroAvia(ゼロアヴィア)は、より野心的なスケジュールで独自の燃料電池リージョナル航空機を開発しており、エアバスは水素航空機のコンセプトに取り組んでいる。

エレメンコ氏は、シンプルで安全な水素ロジスティックスのネットワークを構築すれば、新たに参入する企業を呼び込むことになるのではないかと期待している。

「Nespresso(ネスプレッソ)システムのようなものです。私たちがまず、最初にコーヒーメーカーを作らなければ、私たちのカプセル技術に誰も興味を持ちません。しかし、私たちはコーヒーメーカーの製造をビジネスにしたいと思っているわけではありません。私たちのカプセルを使って、他の人たちにコーヒーを作ってもらいたいのです」。

Universal Hydrogenは、今回のシリーズAラウンドで調達した資金を使って、現在12人のチームを40人程度まで拡大し、技術開発を加速させたいと考えている。

Plug Powerの水素燃料電池とMagniXのモーターを搭載したUniversal Hydrogenの航空用パワートレインの30kW縮小デモンストレーション。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Universal Hydrogen水素燃料電池資金調達飛行機脱炭素

画像クレジット:Universal Hydrogen

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(文:Mark Harris、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

若者がビットコインのかけらに少額投資できる印CoinSwitchをTiger Globalが540億円超の評価で支援

インドの若年層ユーザーが暗号資産(仮想通貨)に投資できるようにするスタートアップCoinSwitch Kuber(コインスイッチ)は、世界第2位のインターネット市場であり、今のところ民間の暗号資産の将来が不透明な場所でもある同国での事業拡大に向けて、新たな資金調達ラウンドで2500万ドル(約27億円)を獲得したとインド時間4月22日に発表した。

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Tiger Global(タイガー・グローバル)は、CoinSwitch KuberのシリーズB資金調達ラウンド全額を出資し、設立3年になるインドの同スタートアップを5億ドル(約540億円)以上と評価した。シリーズBの発表は、CoinSwitchがRibbit Capital、Sequoia Capital India、Kunal Shahから出資を受けた1500万ドル(約16億2000万円)のシリーズAラウンドをクローズしてからわずか3カ月後に行われた。バンガロールを拠点とするCoinSwitchは、これまでに総額4150万ドル(約44億9000万円)を調達している。

TechCrunchは先日、ニューヨークに本社を置くテクノロジーヘッジファンドであるTiger Globalが、CoinSwitchを含む多くのインドのスタートアップへの投資をすでに主導したか、あるいは主導する交渉が進んでいると報じた。

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CoinSwitch Kuberは現在、暗号資産分野で活動しているひと握りのスタートアップの1つだ。この暗号資産取引所では、ユーザーはいくつかの人気のある暗号資産の小片を購入することができる。例えばCoinSwitchのユーザーは、ビットコインなどの小袋を100インドルピー(約140円)という低価格で購入できる。

同社は450万人以上のユーザーを集めており、その半数以上は25歳以下だという。過去11カ月間で、CoinSwitch Kuberは50億ドル(約5406億円)以上の取引を処理した。

しかし、2021年末までに550万人のユーザーを増やすことを目標としているこのスタートアップが今後どのように業績を上げていくかは、完全に同社次第というわけではない。

インドでは現在、Bitcoin(ビットコイン)といった民間の暗号資産の取引が合法とされているが、政府当局が民間暗号資産をすべて禁止する法律を導入することが広く予想されている。

CoinSwitch Kuberの共同創業者兼CEOであるAshish Singhal(アシシュ・シンハル)氏は、インドが民間暗号資産を禁止しないことを楽観視しているとしながらも、同社がTiger Globalとの資金調達ラウンドをクローズしたのは、政府が法律の策定を示唆する前だったと述べている。

「今回の投資ラウンドにより、当社は世界で最も注目されている暗号資産企業と肩を並べることができ、長期的な展望を持つことができました」とシンハル氏は述べている。

ここ数カ月、インドの一部の暗号資産スタートアップは、同国が国内での暗号資産取引を禁止することになった場合の緊急時対策を検討し始めた。多数のスタートアップが現在インドで事業を展開しているが、その多くは海外の顧客へのサービスに重点を置いている。

Tiger GlobalのパートナーであるScott Shleifer(スコット・シュライファー)氏は、声明の中で次のように述べた。「CoinSwitchは、インドを代表する暗号資産プラットフォームを構築しており、個人投資家の間で高まっている暗号資産への多大な関心をとらえる態勢を整えています。当社は、CoinSwitchがこの新興資産クラスで革新を起こす際にパートナーとなれることを楽しみにしています」。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:CoinSwitch Kuberインド暗号資産資金調達Tiger Global

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

スポーツ選手のNFTと独占コンテンツを販売するSportsIconが「7桁」ドルの資金調達

スポーツ選手の関連品は、主にその信奉者が支払う価格によって価値が決まる投機的資産の一種だ。非代替性トークン(NFT)は、このスポーツ・メモラビリアと相性が良い。新規スタートアップ企業のSportsIcon(スポーツアイコン)は、スポーツに特化したNFTを通じて、さらに多くの価値を提供することを目指しており、アスリートとの直接のコラボレーションや、プロスポーツ選手によるレッスンを、1品物のデジタルグッズに添えて提供する。

SportsIconは、Dapper Labs(ダッパー・ラボ)のCEOであるRoham Gharegozlou(ロハム・ガーレゴズルー)氏から支援を受けている。NFTの流行を牽引する同社は、「NBA Top Shot(NBAトップショット)」という人気ゲームサービスを展開している企業だ。他にも、ラッパーのNas(ナズ)氏(彼の投資先には、数々の新規企業に対する予見的な賭けが含まれている)や、元NBA選手のAndrew Bogut(アンドリュー・ボーガット)氏、Eniac Ventures(エニアック・ベンチャーズ)のパートナーであるNihal Mehta(ニハール・メフタ)氏などがSportsIconに出資している。同社は事業開始と合わせて初回の資金調達を発表したが、総額は明らかにせず「7桁台(数億円)」とだけ述べている。

SportsIconはまず最初に、アスリートたちとのコラボレーションにより、彼らのスポーツキャリアの歴史的な瞬間を記念して作成された15〜20のNFTを公開する予定だ。これらのNFTには「2時間のマスタークラス」が付属し「ファンは、彼らのメンタルとフィジカルのトレーニング方法、テクニック、ベスト・プラクティスを学ぶことができます」と、同社はプレスリリースで述べている。

このマスタークラスを提供するというやり方は、同社共同設立者であるChris Worsey(クリス・ウォージー)氏が、Coursematch(コースマッチ)をはじめとする数々の教育テクノロジー系スタートアップを起ち上げた経歴に由来する。この取り組みで重要なことは、市場に投入するNFTと一緒にパッケージ化される独占コンテンツであることだと、ウォージー氏はTechCrunchに語っている。このコンテンツは、アスリートと一緒に2日間の撮影を行って制作され、1日目は「彼らの道のりや過去についてのインタビュー」、2日目はトレーニングフィールドでの撮影となっている。このような独自コンテンツを作ることによって、SportsIconは差別化を図ると、ウォージー氏は述べている。

「これが重要なポイントです。コンテンツには希少性が備わっていることが魅力になります」と、ウォージー氏はいう。「私たちは、このコンテンツを他の場所で公開することはありません」。

「アイコン的なアスリートとの長期的な関係を築くことを望んでいる」と、ウォージー氏は語っているが、金銭的な詳細や分配は契約ごとに異なるという。場合によっては、アスリートが自分の選んだ慈善団体に収益を寄付することもある。各々の作品はオークションにかけられ、1パックあたり10ドル(約1080円)から999ドル(約10万7800円)で販売される見込みだ。ウォージー氏によると、より高価なパックは「アイコンが最高の瞬間を語っているような、本当に貴重なもの」になるという。パックの中には、サイン入りの記念品や試合のボックス席など、現実世界の物品も含まれる。

ウォージー氏によれば、SportsIconの真の差別化は、コンテンツに力を入れ、独自であるだけでなく、高品質なものを作ることだという。

「SportsIconが他と違うのは、私たちがコンテンツに投資しているからです」と、ウォージー氏はTechCrunchに語った。「私たちは世界レベルのディレクターを雇って、世界レベルのコンテンツを制作しています」。

このスタートアップ企業は、デビューとなるNFTで一緒に仕事をするアスリートについてはまだ明らかにしていないが、同社のプラットフォームに登場する最初のスポーツスターは、サッカー、テニス、MMA、バスケットボール、野球の選手で、それぞれの分野におけるスターとの契約交渉が現在進行中であると、述べている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:SportsIconNFTスポーツ資金調達NBA

画像クレジット:Patrik Giardino / Getty Images

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

車内を仮想空間と現実を融合したエンターテイメントの場にするHolorideが約13億円調達

没入型の車内XRメディアプラットフォームを開発しているHoloride(ホロライド)は現地時間4月22日、シリーズAラウンドで1000万ユーロ(約13億円)を調達し、評価額は3000万ユーロ(約39億円)となったことを発表した。

スウェーデンのADASソフトウェア開発会社Terranet(テラネット)が320万ユーロ(約4億円)を拠出してラウンドをリードし、中国の金融や自動車テクノロジーの投資家が参加した。投資専門家のJingjing Xu(ジンジン・シュー)氏と教育・エンターテインメントゲーム開発企業Schell Gamesがこの中国の投資家グループをまとめた。Schell Gamesはコンテンツ制作でHolorideと提携している。

Holorideは欧州や米国、アジアなどグローバルマーケットへの進出に備え、そして2022年夏のプライベート乗用車向けのローンチを前に、調達した資金を新しいデベロッパーと人材探しに使う計画だ。

「コンテンツクリエイターコミュニティを重んじています。そして今夏には、コンテンツクリエイターが当社のプラットフォームでクルマ向けのコンテンツを制作できるよう、多くのツールをリリースします」とHolorideの創業者でCEOのNils Wollny(ニルス・ヴォルニー)氏はTechCrunchに語った。

ミュンヘン拠点の同社は2019年にCESでプロダクトを発表した。TechCrunchは車内バーチャル・リアリティシステムをテストする機会を得た。TechCrunchのチームはHolorideが乗車とVRヘッドセットの使用による車酔いをどのように抑えるかを解決したかを知って驚き、そして喜んだ。鍵となることは?ユーザーのヘッドセット内での体験を車両の動きに合わせることだ。プロダクト展開では、ユーザーはHolorideアプリをスマホやVRヘッドセットのような他のデバイスにダウンロードできる。デバイスは車とワイヤレス接続し、現実を拡大する。

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「当社のテクノロジーは2つの面を持っています」とヴォルニー氏は話した。「1つは、ローカライゼーション、あるいは車からデータポイントを取り出してリアルタイム同期を行うポジショニングソフトウェアです。もう1つは、Elastic Software Development Kitと我々が呼んでいるものです。コンテンツクリエイターは移動時間やルートに合わせた弾力のあるコンテンツを制作できます。Terranetとのコラボレーションは、正確なキャプチャやより速いスピードで高精度での環境解釈を可能にするTerranetのセンサーやソフトウェアスタックが、将来さらなる可能性をもたらすことができることを意味する。

元々ADASアプリケーション用にデザインされたTerranetのVoxelFlowソフトウェアはHolorideがリアルタイムの車内XRエンターテインメントを高度化するのをサポートする。TerranetのCEOであるPar-Olof Johannesson(パー−オロフ・ヨハンソン)氏はVoxelFlowをコンピュータービジョンと物体認知における新たなパラダイムだと表現し、VoxelFlowでは距離や方角、物体のスピードを計算するために複数のセンサー、イベントカメラ、レーザースキャナーがクルマのフロントガラスとヘッドランプに統合されている。

TerranetのVoxelFlowは複数のセンサー、イベントカメラ、レーザースキャナーを通じたコンピュータービジョンと物体認知を活用している。VoxelFlowは距離や方角、物体のスピードを計算するために複数のセンサー、イベントカメラ、レーザースキャナーがクルマのフロントガラスとヘッドランプに統合されている(画像クレジット:Terranet)

メーカーにとらわれないHolorideは、もしTerranetのソフトウェアが統合されて製造されたクルマでHolorideが使われていれば、VoxelFlowがリアルタイムで計算したデータポイントを使うことができる。しかしより重要なのは、Holorideが3DイベントデータをXRアプリのために再使用できる能力だ。これにより、クリエイターは最もインターラクティブなエクスペリエンスを作ることができる。TerranetはまたVoxelFlowを活用する新たな分野を開拓することを楽しみにしている。

「もちろん我々はHolorideの広いパイプラインへのアクセスも熱望しています」とヨハンソン氏は述べた。「この取引は獲得可能な最大市場規模を大きく拡大し、自動車産業の核心に踏み込むものです。自動車産業では通常、リードタイムとターンアラウンドタイムがかなり長くなります」。

Holorideはクルマでの退屈な時間をゲームや教育、生産性、マインドフルネスなどに使えるインターラクティブなエクスペリエンスに変えることで、乗車体験に革命を起こすことをミッションとしている。例えば2019年のハロウィンの時期に、Holorideは飛び出してくるモンスターやライダーに課すタスクなどで、「Bride of Frankenstein(フランケンシュタインの花嫁)」の恐ろしい世界に乗客をどっぷりと浸からせるためにFord、Universal Picturesとタグを組んだ

ヴォルニー氏は、Holorideが常に次のステップに目を向けてきたと話したが、プロダクトはまだ市場投入されていない。同氏は、将来は自動走行車両が行き交い、みんなが乗客という未来のクルマの未来のテックスタックの重要な要素を構築したいと考えている。

「自動車メーカーはいつもクルマを購入する人やドライバーにフォーカスしていますが、乗客に対してはそれほどではありません。乗客はHolorideが真にフォーカスしたい人たちです。我々はあらゆる車両を動くテーマパークに変えたいのです」とヴォルニー氏は話した。

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Holoride資金調達自動車

画像クレジット:holoride

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Kandjiがアップル製デバイス管理プラットフォームの急成長を追い風にシリーズBで64.8億円調達

パンデミック期間中、Apple(アップル)デバイスの導入とアップデートをリモートで行う自動化ソリューションは不可欠となっている。米国時間4月22日、企業のIT部門のためにまさしくそれをやっているスタートアップKandji(カンジ)が、6000万ドル(約64億8000万円)の大型シリーズBラウンドを発表した。

Felicis Venturesがラウンドをリードし、他にSVB Capital、Greycroft、Okta Ventures、およびThe Spruce House Partnershipが参加した。本日のラウンドは、先の2100万ドル(約22億7000万円)のシリーズAからわずか7カ月後のことであり、3回のラウンドで調達した資金総額は8850万ドル(約95億5000万円)に上る、と同社は言っている。

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CEOのAdam Pettit(アダム・ペティット)氏は、2020年10月の資金調達以来、会社は飛躍的に成長していると語った。

「これは当初の期待さえもはるかに上回る顧客の増加です。どれだけ速く成長できるか目標を掲げるたびに、それを追い越しています」と彼は言った。成長の理由の1つは、パンデミックによる在宅勤務への急速な変化だと同氏はいう。

「現在、当社は40以上の業界の顧客と仕事をしていて、海外からも顧客が来ているので、今はひたすらリモートワークの支援に専念し、リモート作業者がエレガントな形で仕事をする環境を提供していきます」と彼は言った。

ペティット氏は売上の正確な数値を明らかにすることを拒んだが、シリーズAの発表以来3倍に増えたことは話した。その原動力の一部は、大企業の関心を呼んでいることであり、2021年はもっと多くを顧客に変えることを目指すとペティット氏は語った。

売上を伸ばし、顧客を増やすとともに、新たな従業員も迎え2020年10月以来40名から100名へと増えた。ペティット氏は、同社は多様で包括的なカルチャーを会社で育むことを誓約しており、そのための重要な要素として、多様な候補者の中から採用者を選ぶことを大切にしている。

「結局は、自分にとって重要であり、会社にとって重要である決定を下すこと、それをやってきました。そこから一歩ずつ前進して行き、採用にあたっては多様性のある候補者から選びます」。

これは、採用パートナーに対して、多様な候補者集団を望んでいることを明確に伝えていることを意味している。1つの方法は、リモートを実践し、幅広い人材集団を確保しておくことだ。「私たちの誓約を守るためには、サンディエゴやサンフランシスコの中心市場にこだわるのが非常に難しいことに気づきました。そこで海外へも進出した結果、優れた人材の新たな集団を数多く発掘することができました」と同氏は言った。

たった今ペティット氏は、戻れるようになった時に自社オフィスをどう動かしていくかを真剣に考えている。特に、主要なテックハブ以外に住んでいる一部の社員についてだ。ある程度リモートワークが続くことはわかっているが、難しいのはオフィスに来ない人たちがチームの一員として完全に溶け込めるかどうかだと同氏は話した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Kandji資金調達Appleリモートワーク

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Excelを誰でもアクセスできる水平的なプロダクトにするCausalが4.5億円調達

Causalの創業者たち

ExcelやGoogleスプレッドシートにできるのは、限られた方法で行う純粋な数値演算だけだ。英国の新進スタートアップCausalはこの制約を取り除きたいと一念発起し、ついに高名なVCであるAccelからの420万ドル(約4億5000万円)のシードラウンドを調達した。これまでの投資家であるCoatueとPassion Capital、Verissimo Ventures、Naval Ravikant、そしてVaradh Jain(バラド・ジャイン)氏らも参加した。これでCausalの資金調達総額は550万ドル(約5億9000万円)になり、同社はその資金で技術者を増員し、2021年5月にProduct Huntでローンチしたいと考えている。

スプレッドシートは企業の日常に欠かせないものになっているが、その使われ方は営業、財務など部署によって大きく違う。Causalは基本的な使い方を統一することによって、データドリブンでコラボレーションも可能な使い方を導入しようとしている。

2019年にTaimur Abdaal(タイムール・アブダール)氏とLukas Köbis(ルーカス・ケービス)氏が創業したCausalは、Excelを超えるものを志向し、手始めにスプレッドシートの基本である「式」に手をつけた。Causalによると、同社の式は「Profit = Revenue – Costs(利益=売り上げー原価)」のように「やさしい英文」のように読むことができる。さらに同社は、Excelと同じモデルを作るために必要な式の数が、CausalではExcelの100分の1で済むと主張している。

CEOで共同創業者のタイムール・アブダール氏は声明で次のように述べている。「事業計画や予測は企業のすべてのチームが関与すべきですが、スプレッドシートが複雑すぎるため財務だけの仕事になっていることが多い。私たちはそのプロセスを、すべてのナレッジワーカーが使える真に水平的な全員参加型のプロダクトでできるようにしたいと考えています。私たちの旅路の次の段階にAccelが参加してくれたことは、とてもうれしい」。

さらにアブダール氏は電話インタビューで次のように語っている。「Causalを始めたのは、スプレッドシートで数を扱うことが非常に難しいことを、いろんなところで見てきたからです。理解困難な難解な式がたくさんあるため、スプレッドシートの80%にエラーがあります。また実のところ、スプレッドシートは企業が使っている他のツールとまったく接続していません。多くの場合、財務チームは社内のあちこちで数日手作業してからやっと会計システムからデータを取り出せるようになります。これが、私たちが解決しようとしている問題の一部です。現在はわずか5名の、技術者ばかりの小さなチームですが、注力しているのは、企業のすべてのチームが数値演算に利用できる極めて水平的なプロダクトです。シード資金はとてもありがたいものであり、これまでやってきたことにさらに傾注できるようになります」。

一方、AccelのパートナーであるSeth Pierrepont(セス・ピエールポン)氏は次のような見解だ。「複数のチームと複数の一次データソースにまたがるような巨大なスプレッドシートは、作るのも管理するのも大変です。タイムール(・アブダール)とルーカス(・ケービス)には才能があり、プロダクトにフォーカスした創業者で、彼らは誰もがよく知っているExcelのような直感的なインタフェイスをデータの統合とコラボレーションの機能および高品質な視覚化でパワーアップしました。さらに、彼らはデータサイエンスと数学の能力を生かして、ユーザーがさまざまな高度なモデルを最初から利用できるようにしています。そのため、すべてのユーザーが、強力な予測能力を装備し利用することができるのです」。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Causal資金調達スプレッドシート

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)

衛星画像を使った農地の遠隔監視技術で収穫量を増やすOneSoilが約5.4億円調達

農家が畑を監視して収穫量を増やすための技術を提供しているOneSoil(ワンソイル)は、国際的な投資家であるAlmaz Capital(アルマズ・キャピタル)とPortfoLion(ポートフォリオン)から500万ドル(約5億4000万円)を調達した。

OneSoilの技術は、衛星画像をモバイルやデスクトップのアプリケーションに統合して農業分析を行うもので、遠隔地からの作物モニタリングや、可変レートによる種子・肥料の散布によって、農地における作業時間を短縮し、インプットに対する効率を向上させることができる。

OneSoilがサービスを開始してからまだ2年半だが、すでに180カ国以上の国々で20万人以上の農家やコンサルタントが同社のサービスを利用している。

世界の耕地面積(1億9700万エーカー)の約5%をOneSoilのユーザーがカバーしていると同社は主張しており、その中にはBASF(バスフ)やKrone(クローネ)などの大手農業関連企業も含まれる。

AlmazとPortfoLionから調達した資金は、米国や欧州におけるOneSoilの市場ポジションを拡大するために使用されるという。

「私たちは、農家の方々が十分な情報に基づいた意思決定を農業経営の中で行い、投入物の無駄を削減して、利益を上げられるように支援することを目指しています。そのために、リアルタイムでグローバルな規模の衛星画像処理を組み合わせたデジタルツールを提供し、ユーザーが最高の分析と洞察を行えるようにします」と、OneSoilのCEOであるSlava Mazai(スラバ・マザイ)氏は声明の中で述べている。「私たちの目標は、情報に基づくソリューションと精密農業のための最大のデジタルプラットフォームを構築することです。そのための道をより早く進むために、欧州とCIS(独立国家共同体)では技術とマーケティングの専門家を雇う予定です。北米と南米では農学分野のコンサルタントとビジネスパートナーを探しています」。

Almazの投資家であるPavel Bogdanov(パベル・ボグダノフ)氏によれば、彼らにOneSoilのラウンドへの投資を確信させたのは、農家における同社技術の印象的な採用率の高さだったという。「農家が新しいツールを導入することは、製品の複雑さやコスト、リスク回避の観点から、なかなか進まないものです。少なくともOneSoilを知るまで、その採用は遅れていると思っていました。しかし、OneSoilは農家にとても人気があり、世界的な利用者の増加は目覚ましいものがありました。そこで私たちは、農家にとってより価値のあるソリューションを提供するために、OneSoilへの投資を決めたのです」と、ボグダノフ氏は声明で述べている。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:OneSoil資金調達農業

画像クレジット:Pgiam / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

IoTデバイスのセキュリティインフラ提供のThistle Technologiesが2.7億円のシード資金調達

モノのインターネット(IoT)は、セキュリティ上の問題を抱えている。この10年で、センサーからウェブカメラ、スマートホーム機器に至る、インターネットに接続された新しい機器が次々と登場してきた。その多くが大量生産品でありながら、一方ではほぼ何のセキュリティも考慮されてこなかった。さらに悪いことに、多くの機器メーカーはセキュリティ上の欠陥を修正する努力をせず、パッチを提供するためのソフトウェアアップデートの仕組みの提供も完全に放棄している。

こうしたことから、安全性に欠け、パッチも当てられないまま問題を起こす機器が広まり、一度故障したり避けられないハッキング被害を受けた際には、廃棄されてしまうことになる。

このような状況の中で、セキュリティ技術のベテランであるWindow Snyder(ウィンドウ・スナイダー)氏は、もっと良い方法があるはずだと考えている。彼女の新しいスタートアップであるThistle Technologies(シスル・テクノロジー)は、True Venturesから250万ドル(約2億7000万円)のシードファンディングを受けた。同社の目的は、IoTメーカーが確実かつ安全にソフトウェアアップデートをデバイスに配信できるようにすることを支援することだ。

スナイダー氏がThistleを創業したのは2020年のことだが、動物に食べられないように鋭いトゲを持っている植物(Thistle、アザミ)にちなんでその名が決められた。スナイダー氏が「それはディフェンスメカニズムなのです」とTechCrunchに語ったように、その名はディフェンステクノロジー企業にふさわしいネーミングだ。このスタートアップの目的は、人手やリソースのないデバイスメーカーたちが、それぞれのデバイスのソフトウェアにアップデートメカニズムを組み込み、セキュリティアップデートを受信したり、セキュリティ脅威に対する防御を強化したりできるようにすることだ。

「私たちは、個別の企業がそうしたセキュリティ対応作業を自身で行わなくても良くなるような手段を開発しているのです。メーカー企業は、とにかく顧客向けの機能の構築に時間を費やしたいものですから」とスナイダー氏はいう。Thistleを創業する前、スナイダー氏はApple(アップル)、Intel(インテル)、Microsoft(マイクロソフト)でサイバーセキュリティの上級職を務め、Mozilla(モジラ)、Square(スクエア)、Fastly(ファストリー)ではチーフセキュリティオフィサーを務めた。

Thistleは、IoTが最もセキュリティを必要としているタイミングで登場した。ボットネットの運用者は、デフォルトのパスワードが脆弱な機器をインターネット上でスキャンし、そのインターネット接続を乗っ取ることで、その先の被害者に大量のインターネットトラフィックを浴びせかけ、ウェブサイトやネットワーク全体をオフラインにすることで知られている。2016年には、Mirai(ミライ)ボットネットが、インターネットインフラ大手のDyn(ディン)に対して仕かけた記録的な分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)によって、Shopify(ショッピファイ)、SoundCloud(サウンドクラウド)、Spotify(スポティファイ)、Twitter(ツイッター)などの大手ウェブサイトが数時間にわたってアクセス不能になった。Miraiは、攻撃開始の時点で、数千台のIoT機器をそのネットワークの中に取り込んでいた。

また、被害者のネットワークに足を踏み入れて、内部から攻撃を仕かけたり、マルウェアを仕込んだりするための手段として、IoTデバイスを標的にするような悪質なハッカーもいる。

機器メーカーが、こうしたセキュリティ問題を自分たちの中でほとんど解決してこなかったため、議員たちは、怠惰なメーカーたちが引き起こす重大な間違いを阻止するための立法化を検討している。たとえばデフォルトのパスワード(多くの場合変更不可能)を使用したり、セキュリティアップデートを配信する手段を持たない機器を販売するといったことの禁止だ。

カリフォルニア州は2018年にIoTセキュリティ法を成立させてこのための道を開き、英国はその直後の2019年に同様の立法を行った。なお米国には、IoTの基本的なセキュリティ基準を定めた連邦法は存在していない。

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スナイダー氏は、こうしたIoTサイバーセキュリティ法の導入を推進することが、個別にセキュリティエンジニアを雇わなくても「人々がコンプライアンスを遵守できる簡単な方法」になると述べている。遠隔アップデートの仕組みがあれば、修正プログラムや新機能の提供が可能になるため、IoTデバイスを(おそらく数年単位で)より長く利用することができるようになるだろう。

スナイダー氏は「ソフトウェアを使って、そうした機器の耐障害性を高め、新機能を提供し続けることのできるインフラストラクチャーを構築することは、機器メーカーにとって大きなチャンスとなります。そのセキュリティニーズをサポートするために、私はセキュリティインフラストラクチャーの会社を創業したのです」と語る。

スナイダー氏は、今回のシード資金を使って、デバイスやバックエンドのエンジニアやプロダクトマネージャーを採用し、デバイスメーカーとの新たなパートナーシップの構築に注力するという。

Thistleのシードラウンドに投資した、True Venturesの共同創業者であるPhil Black(フィル・ブラック)氏は、同社のことを「セキュリティ技術における、抜け目のない自然な次のステップだ」と評している。また彼は「ウィンドウ(・スナイダー)さんは、私たちが創業者に求める資質をたくさん持っています。彼女は対象分野の深い専門知識を持っていますし、セキュリティコミュニティでとても尊敬されています。なによりこの業界を進化させたいという強い情熱を持っているのです」と付け加えた。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Thistle Technologies資金調達IoT

画像クレジット:Jorge Sanz / SOPA Images/ Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:sako)

自分に合った治療情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

自分に合った情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

不妊治療データ検索サービス「cocoromi」(ココロミ)を手がけるvivola(ビボラ)は4月22日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による3000万円の資金調達を発表した。引受先は、ANRI、DEEPCORE。またスマートフォンアプリ版cocoromi(Android版iOS版)の提供開始を明らかにした。

調達した資金は、「アプリの改善・マーケティング費用」「企業への福利厚生導入支援費用」「オンライン診療システムの開発費用」にあてる。

アプリの改善・マーケティング費用では、cocoromiのさらなるユーザビリティ向上に向けた開発や、医師や企業との合同イベント、キャンペーンなどのマーケティング強化費用に利用。また、不妊治療をしている社員を支えるための職場環境の構築を目的に、医師やNPOとともに動画・リーフレットの啓発コンテンツの制作費用として使用する。通院負荷を低減するため、地域医療ネットワークを活かした新しい不妊治療の診療システムの開発費用にも用いるとしている。

今後cocoromiアプリでは、薬の服用アラーム機能や病院情報などユーザーからリクエストがあった機能を順次追加していく予定。より詳細な分析が可能な個別分析レポート(有料)や、オンラインでの医師のセカンドオピニオンなどのサポート機能も提供を予定している。

またユーザーがcocoromiアプリを活用することで、2年間で3万人の体外受精のデータを取得することを目標とし、収集データの分析により、個別最適化された治療プロトコールの提供の一助となる、医療機関向けの同質症例DBの開発へ取り組む。

不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」

国内における少子化は加速しており、2020年の出生数は87万人で過去最少となり、深刻度を増している。一方で、子供を産みたくても産めない、不妊治療をしている女性が50万人以上おり、vivolaは早急に解決すべき社会課題と考えているという。

また不妊治療を取り巻く課題として、体外受精1回あたり平均約50万円かかるという費用経済的負担のみならず、「自分に合った情報が得られない」「通院頻度が多く仕事との両立が難しい」「治療の長期化により、経済的・身体的・心理的負担が大きい」などが挙げられるとしている。

そこでvivolaは、まずは「自分に合った情報が得られない」という課題を解決すべく、不妊治療を経て妊娠した人のデータをわかりやすく可視化し、誰もが自分に合った治療情報を得られるようなデータ検索サービス「cocoromi」を開発し、2020年6月よりウェブサイトサービスとして提供。

そして今回のスマートフォン向けアプリでは、通院スケジュール管理や治療ログといった新機能追加やUIUXの改善を行い、正式リリースした。

これによりcocoromiユーザーは、分析データの閲覧に加えて日常的に自分の治療ログを残すことで、より自分に合った治療データ(=同質データ)が表示されるようになる。またユーザーのみならず、不妊治療の患者を担当する医師は、cocoromiを通じて、患者の治療知識の向上により、診療におけるコミュニケーションの円滑化が可能になるとしている。

通院頻度が高い不妊治療について、通院スケジュールや治療ログ管理

cocoromiアプリのカレンダーは、Googleカレンダーとの連携が可能となっており、通院頻度が高い不妊治療の通院スケジュールを管理しやすいという。

毎回の診療内容も、採卵・移植・検査などカテゴリーごとに記録していくと、周期ごとの治療サマリー表示が可能。どのような治療をして、どのようにホルモン値が変化したのかを一覧で振り返ることができる。転院をする際には、このサマリーをコピーして医師に提出することでコミュニケーションが円滑に行えるとしている。

自分に合った情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

データから不妊治療を徹底分析

過去に不妊治療で妊娠した方の統計データに加えて、女性の年齢やAMH(抗ミュラー管ホルモン)、妊孕性に影響のある疾患(男女)などから同質性を定義し、データべースから自分と似た人の同質データが閲覧可能。このため、マイデータと比較しながら今後の治療計画を立てられる。治療ログを記録するほど、ユーザーと似た人の参考になる同質データを表示しやすくなる。

自分に合った情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

トークルームや病院検索で必要な情報を収集

不妊治療に関する専門用語や病院による治療方針の違いなど、カテゴリーごとに悩みや疑問を患者同士で共有して情報交換が可能なトークルームを用意。また病院検索では、土日診療や夜間診療などの条件を指定して全国の病院検索が行える。

今後は、セカンドオピニオンやオンライン診療可能な病院検索、病院ごとの治療成績や保有設備などの情報も追加予定。

自分に合った情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

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カテゴリー:フェムテック
タグ:資金調達(用語)妊娠(用語)vivola(企業)日本(国・地域)

組織や企業の教育コンテンツに特化したAIビデオ生成プラットフォームSynthesiaが13.5億円調達

Alが進歩し、テクノロジーを活用して私たちにできることは急激に増えている(良くも悪くも)。Alビデオ生成プラットフォームのSynthesiaは、動画コンテンツ制作をできるだけシンプルに効率良くすることを目指している。そしてFirstMark Capitalは、Synthesiaが世の中を悪くするのではなく良くすることに賭けている。

SynthesiaはFirstMark Capitalが主導したシリーズAを1250万ドル(約13億5000万円)で完了したと発表した。このラウンドにはNetlifyのCEOであるChristian Bach(クリスチャン・バッハ)氏やTwilioのVPでコミュニケーション担当のMichael Buckley(マイケル・バックリー)氏といったエンジェル投資家、そしてこれまでにも投資してきたLDV CapitalMMC VenturesSeedcamp、Mark Cuban(マーク・キューバン)氏、Taavet Hinrikus(ターベット・ヒンリクス)氏、Martin Varsavsky(マーティン・バルサフスキー)氏、TinyVCも参加した。

Synthesiaのテクノロジーには多くの使い道があるが、同社は今のところ組織や企業の教育コンテンツに特化している。トレーニングビデオや、企業や部署の最新情報を伝えるビデオを制作するようなケースだ。

使い方はこんな感じだ。ユーザーは、用意されている俳優から登場人物を選んだり(俳優には登場するビデオに応じてギャラが支払われる)、自身のビデオをアップロードしてアバターを作ったりする。ユーザー自身の声やアバターを使うにはどのようなビデオやオーディオを送信すればいいか、ユーザーに対して手順が示される。

その後、ユーザーは台本を入力し、テキストや画像、図形などのコンポーネントを追加する。すると最終的にはビデオ制作や編集のスキルをまったく使わずに、ビデオが生成される。ビデオのアップデートや編集も従来のようなビデオ編集の作業をする必要はなく、とても簡単だ。

Synthesiaはこのプラットフォームが悪用されかねないことを十分に承知した上で、セキュリティと認証のレイヤーを複数組み込み、自分のアバターがビデオ内でどのように使われるのかをユーザーが確認し、生成や公開の前に台本やビデオをチェックできるようにしている。

このプラットフォームは企業が毎年提供するトレーニングや教育用のビデオに使うだけでなく、もっとクリエイティブな用途で使うこともできる。一般に、ビデオコンテンツはテキストやその他のコンテンツよりも説得力と魅力がある。そこで、上司やCEOから最新情報を知らせる毎週のメールがビデオのかたちで送られてくるとしたらどうだろうか。Synthesiaを使えば、そのようなビデオをとても簡単に安いコストで迅速に制作することができる。

Synthesiaには1シートで1カ月30ドル(約3200円)のエントリーレベルプランがあり、1カ月に10分間のビデオを作ることができる。1カ月500ドル(約5万4000円)からのエンタープライズレベルプランも用意され、もっと長時間のビデオを作ることができて追加の機能もある。

同社は調達した資金で顧客獲得と製品開発を加速させる計画だ。

Synthesiaはエンタープライズビデオプラットフォームからさらに拡張して、組織がSynthesiaのテクノロジーを自社のシステムに組み込み、さらにビデオの配布もできるようにするAPIも開発している。共同創業者でCEOのVictor Riparbelli(ビクター・リパーベル)氏は、ユーザーが株式の銘柄を選択して自分の電話番号を関連づけると、自動で毎日の株価情報を示すビデオが作られて指定した電話番号に送られるという例を示した。

エンタープライズ向け製品のSTUDIOは2020年夏にパブリックベータが公開され、それ以降1000社を超える企業に使用されている。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Synthesia動画制作資金調達

画像クレジット:Synthesia

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(文:Jordan Crook、翻訳:Kaori Koyama)

貨物船にコンピュータービジョンを後付けして衝突事故を防ぐOrca AIがシリーズAで約14億円調達

テルアビブのOrca AIは、貨物船に後付け搭載して航行や衝突回避を改善できるコンピュータービジョンのスタートアップだ。同社はこのたびシリーズAラウンドで1300万ドル(約14億円)の資金を調達し、調達総額を1550万ドル(約16億7500万円)以上に引き上げた。ほとんどの貨物船には防犯カメラが搭載されているが、コンピュータービジョンカメラは珍しい存在だ。Orca AIは同社のソリューションによって、すでに海上にいる船舶に自律的な誘導方法を導入できると期待している。

海難事故は年間4000件以上発生しており、その主な原因はヒューマンエラーだ。同社によると、新型コロナウイルスのパンデミックにより定期的な乗組員の交代が難しくなっているため、この状況は悪化しているという。最近のスエズ運河での事故は、この業界がいかに重要であるかを浮き彫りにした。

今回の資金調達はOCV Partnersが主導し、同社プリンシパルのZohar Loshitzer(ゾハール・ロシッツァー)氏がOrca AIの取締役に就任した。Mizmaa VenturesとPlayfair Capitalも本ラウンドに参加した。

この会社は、海軍技術のエキスパートであるYarden Gross(ヤルデン・グロス)氏とDor Raviv(ドル・ラヴィヴ)氏によって設立された。後者は、元イスラエル海軍のコンピュータービジョンの専門家だ。同社の顧客には、Kirby、Ray Car Carriers、NYKなどがある。

Orca AIのAIベースのナビゲーションと船舶追跡システムは、ビジョンセンサー、赤外線カメラ、サーマル・低照度カメラに加え、環境を見て危険な状況を乗組員に知らせるアルゴリズムを使い、航行が困難な状況や混雑した水路で船舶をサポートする。

今回の発表にあたり、共同創業者兼CEOのグロス氏は次のように述べた。「海運業界は、技術革新の面で航空産業に比べまだ大きく遅れています。船舶は、ますます混雑する水路、悪天候、視界の悪い状況に対処し、しばしば高価な貨物を積んで困難な航海を強いられています。当社のソリューションは、世界中のあらゆる船舶にユニークな洞察力とデータを提供し、将来的にこのような困難な状況や衝突を減らすのに役立ちます」。

OCVのプリンシパルであるロシッツァー氏はこう述べた。「商業海運は歴史的に規制が厳しく、伝統的な産業でした。しかし現在では、安全性と効率性を高めるための技術的なソリューションの導入に前向きな変化が見られるようになりました」。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Orca AIコンピュータービジョン資金調達イスラエル海運業

画像クレジット:Orca AI

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

新型コロナ後のリモート採用をサポートするDeelが約168億円調達、2020年に20倍成長しユニコーンへ

世界の組織の多くが新型コロナウイルスパンデミックのためにリモートワークにシフトした。しかし人々がワクチンを接種し、オフィスが再開を計画していても、一部の組織ではリモートワークがしばらく続くのは明らかだ。

事業者がリモート雇用するのをサポートしようと、給料支払いやコンプライアンスのツール、その他のサービスを提供しているスタートアップDeel(ディール)はこのシフトの結果、需要増に直面した。

そして米国時間4月21日、サンフランシスコ拠点の同社はYC Continuity Fundと既存投資家のAndreessen Horowitz、Spark CapitalがリードしたシリーズCラウンドで1億5600万ドル(約168億円)を調達したと発表した。UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏、Stripeの元決済リーダーLachy Groom(レイシー・グルーム)氏、Jeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏、Jeff Wilke(ジェフ・ウィルケ)氏、Anthony Schiller(アンソニー・シラー)氏も参加した。

この資金調達はいくつかの理由で注目に値する。まず、DeelがシリーズBで3000万ドル(約32億円)を調達してまだ7カ月しか経っていないことだ。シリーズCはシリーズBの5倍超だ。また、創業3年のDeelを12億5000万ドル(約1349億円)という評価額でユニコーン企業に押し上げた点でも大きなディールだ。同社が7カ月前にはポストマネーで2億2500万ドル(約243億円)という評価額だったことを考えるとなおさら意義がある。また今回の資金調達は、Deelが前年に大きく成長したことに続くものだ。現在1800超の顧客企業を抱え、2020年の売上高は20倍超となった、と同社は話す。前回資金調達した2020年9月時点の顧客企業は500社だった。

MIT(マサチューセッツ工科大学)の卒業生であるAlex Bouaziz(アレックス・ブアジズ)氏とShuo Wan(シュオ・ワン)氏が共同で創業したDeelは事業者が「規則などに沿った方法で誰でも、どこでも採用」できるようにすることを目指している。同社のサービスを使うと事業者は国外の社員あるいは契約社員を5分もせずに採用できる、という。現地企業を要することなく、そしてクリックするだけで120超の通貨で社員に給与を支払うこともできるという。

Deelは新たに調達した資金を海外展開の継続と、新規のDeel所有する事業体80社を世界中に設置するのに使う。同社はまた、自社の採用とプロダクトの拡大も計画している。Deelのチームは完全にリモートで、2020年1月以来、従業員は7人から26カ国にまたがる120人に増えた。CB Insightsは、Deelのようなテクノロジープラットフォームが事業者のリモート第一の働き方へのトランジッションをサポートするなかで、バーチャルHRソフトウェア産業は2026年までに430億ドル(約4兆6443億円)に成長すると予想している。

資金調達の一環としてDeelの役員メンバーに加わったYC ContinuityのAli Rowghani(アリ・ロウガニ)氏は、Deelがすでにパンデミック前にリモートワークの先頭に立っていたと考えている。

「人々の働き方は根本的に変わりつつあります。Deelのチームは企業が最も近いロケーションにいる人ではなく世界で最も優秀な人材を採用できるよう、リモートワークの障害を独自のやり方でなくします」と同氏は声明で述べた。

TechCrunchが以前報じたように、Deelはすでに給与支払いサービスや税務コンプライアンス情報、契約アシスト、インボイス発行サービス、健康や就業に関連する他のエリアをカバーする各種保険など、さまざまなツールを雇用主や組織に提供している。

そして今、労働者と雇用主向けにさらにサービスを拡大する計画だ。ここには、給料に基づく労働者のためのローン、保険や福利厚生のオプションなどが含まれる。

カテゴリー:HRテック
タグ:Deel資金調達ユニコーン

画像クレジット:Cattallina / Shutterstock

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

自然の成分を含みクリーンで科学的な健康サプリで業界の改革を進めるFeelが6.7億円調達

2021年初め、TechCrunchでは、サプリメントという最近ますます人気分野のスタートアップHeightsのローンチを取り上げた。今回取り上げるFeelは、英国で1年前に創業された同分野のスタートアップで、純粋な栄養サプリメントという独自のポリシーを持っている。同社はこのほど、Fuel Venturesのリードにより620万ドル(約6億7000万円)の投資ラウンドを完了した。これにはTMT InvestmentsとSova VCであるRichard Longhurst(リチャード・ロングハースト)氏(LoveHoney.comの創業者)、そしてIgor Ryabenkiy(イゴール・リャベンキイ)氏(Alair Capitalの創始者でゼネラルパートナー)が参加した。

関連記事:科学的なデータを基に脳に栄養を与える「ブレインケア」用サプリを販売するHeightsが2.4億円調達

Feelの創業者でCEOのBoris Hodakel(ボリス・ホダケル)氏によると、彼はGrazeやTesco、Bulk Powders、Simba Sleepなど英国の大手健康ブランドやリテールのブランドをよく調べてから自分のスタートアップを立ち上げたという。

サプリは郵便受けにちょうど入るぐらいの箱に入って届き、多様なパッケージから選んでサブスクする点では、Feelは健康食のGrazeに近い。「Grazeはナッツだけど、うちはサプリだ」とホダケル氏はいう。

Feelは、D2Cのサブスクリプションだ。最初の1年で60倍に成長し、アクティブな会員つまり休眠でない会員は2万1000名いる。

ホダケル氏の主張では、Feelはグレードの高いサプリを消費者に提供するが、その生産コストは高い。そこで消費者時点での費用を抑えるためにD2Cのビジネスモデルを採用している。

「いろいろなビタミン剤がありますが、そこらのお店の棚にあるのはほとんど正しい処方でなく、体に吸収されにくく、自然の成分を欠いたものです。私たちは市場で最もクリーンで科学的な製品を提供しています。また継続的な投資により、消費者が買いやすい価格に抑えつつ、より服用効果の高い処方を開発しています」とホダケル氏はいう。

彼がFeelを創業したのは、自身が皮膚のトラブルを抱えてサプリが必須という生活を送るようになったからだ。そして市販の一般的なサプリは無意味な増量剤が多いことを知ったとき、起業を決意した。「私たちの処方はすべて、弊社自身の研究開発の成果であり自家製の処方です。しかも絶えずアップデートに努めているため、うちのフラグシップ製品であるマルチビタミンなどは2年ですでに3度のバージョンを行っています」と彼はいう。

Fuel VenturesのマネージングパートナーであるMark Pearson(マーク・ピアソン)氏は、投資家として何と言っているか。ピアソン氏は「Feelの製品は成長と拡大が続いており、現在、同社は実にエキサイティングな時期にあります。私たちは、同社がいずれ健康サプリの市場をディスラプトする重要な企業になるために投資をしています」という。

さらにSova VCのパートナーであるAlexander Chikunov(アレクサンダー・チクノフ)氏は「Feelは今、消費者のビタミンの摂り方に革新をもたらしつつあります。そして顧客に最高品質の製品と、非の打ちどころのないフレンドリーなサービスを提供して、この1440億ドル(約15兆6000億円)の市場を変えつつあります」と付け加えた。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Feel資金調達サプリメントイギリス

画像クレジット:Feel supplements

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)

NFLのスター、トム・ブレイディらも投資するZoom対応のオンライン学習スタートアップ「Class」

Zoomと統合してリモート教育をもっと洗練させるEdTechスタートアップのClassが、新たに1225万ドル(約13億2500万円)を調達した。このラウンドではSalesforce VenturesとSound Ventures、そしてアメフトのスーパースターで2021年のスーパーボウルでMVPを獲得したTom Brady(トム・ブレイディ)氏が投資した。

Classの創業者でCEOのMichael Chasen(マイケル・チェイスン)氏は、SalesforceのCEOであるMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏がClassに投資を持ちかけてきたと語る。Classが起業した1カ月後の2020年10月に、Salesforce VenturesはEdTech企業やクラウドエンタープライズ企業を支援する1億ドル(約108億円)のインパクトファンドを立ち上げた。

トム・ブレイディ氏がEdTechの世界に参入していることについてチェイスン氏は、ブレイディ氏は過去にもテック業界に投資をしており「3児の父として教育を通じて人々を支援することに情熱を持っている」と述べた。

チェイスン氏は「トム・ブレイディも私も子どもが3人いて、どの親もそうだと思いますが、我々も教えたり学んだりするためのツールをZoomに追加する必要があると感じています」と補足した。

Classは1年未満で5800万ドル(約62億7000万円)を調達した。2020年9月のシードラウンドでは1600万ドル(約17億3000万円)、2021年2月のシリーズAでは3000万ドル(約32億4300万円)を調達している。今回の資金調達はシリーズAより小規模だが、これは必要に迫られてというよりは戦略的に投資家を呼び込む意図が大きかったと見られる。

調達した資金はClassを世界中のK-12や高等教育機関に展開するために使われる。ClassのソフトウェアはMac版が数カ月前に公開され、Windows、iPhone、Android、Chromebook版は今後数週間以内にベータ版を提供する予定だとチェイスン氏は述べた。提供される製品が増えれば、Classの採用に興味を示している約7500校をさらに増やすのに有利に働くだろう。

Classにとって、そしてeラーニングのソリューションを教育機関に販売するスタートアップにとっての高いハードルは、コロナ禍収束以降の実用性だ。教育機関の慣習として形式主義によりソフトウェアの採用に時間がかかるが、チェイスン氏によればClassの顧客はK-12も高等教育機関も積極的に同社のツールに予算を取っているという。Classの価格は児童・生徒・学生数に応じて年間1万ドル〜6万5000ドル(約108万円〜700万円)だ。

関連記事:Zoomアドオンのオンライン教育ソリューションを開発するClassが約31.7億円を調達

チェイスン氏は2021年2月に「予算の問題にぶつかったことは一度もありません。高等教育機関はすでにオンライン学習への第一歩を踏み出して次に歩を進めようとしていますが、K-12は第一歩を踏み出しつつあるところです」と述べていた。Classの顧客は125校 / 社以上となっており、K-12と高等教育機関が半々で、顧客のうち10%は企業だ。

Zoomユニバーシティ、つまりZoomなどを使ったオンライン授業を変えようとしているスタートアップはClassだけではない。多くの企業が、せいぜいギャラリー表示でおしゃべりをしている程度の現在のビデオ会議ソリューションに疲れている学生と教員の市場に寄与しようとしている。トラクションを獲得している企業としては、Engageli、Top Hat、InSpaceの3社がある。

それぞれのスタートアップが独自の戦略と製品を有しているが、スタートアップの創業者たちはみんな、同じ質問に答えなくてはならない。コロナ禍の収束後、デジタル学習を単なる予備の手段ではなく、教育と理解のための望ましいあり方にすることができるだろうか?

この問いかけに対する追求は続いているが、Classはその答えがイエスであると信じる人々を採用するのに苦労していないことを示すニュースが発表されている。わずか9カ月で同社の従業員は2人から150人以上に増加した。

カテゴリー:EdTech
タグ:Class資金調達オンライン学習Zoom投資

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Kaori Koyama)

経費管理スタートアップのPleoがシリーズCで約110億円調達、新請求書支払いサービスを開始

経費管理ツールや「スマート」なカンパニー向けのMastercardを提供しているフィンテックの後発企業であるPleoは、2021年夏にシリーズCラウンドの資金調達を予定している。また今週中には、B2Bの請求書支払いサービスを開始する。

共同創業者でCEOのJeppe Rindom(ジェッペ・リンドム)氏は、電話で「私達はは2022年までの資金がありましたが、ここ数四半期で信じられないほどの勢いがあり、また多くのインバウンドからの関心が寄せられているので、夏にシリーズCでの資金調達を行い、1億ドル(約110億円)程度を調達する予定です」と語っている。

Pleoはこれまでに7880万ドル(約85億円)を調達している。前回の資金調達は2019年5月の5600万ドル(約61億円)で、主な投資家はSeedcamp、Creandum、Kinnevik、Stripes、Foundersなどだった。

PleoはDext、Soldo、Spendesk、Expensifyなどといくつかのレベルで競合している。

そしてPleoは米国時間4月21日、企業間の請求書支払いとサプライヤーの利用規約を統合し、追跡し、支払うためのプラットフォーム「Bills」をローンチした。このプラットフォームでは、国内送金を無料で行うことができる。

請求書はPleoのOCR技術を用いて自動的に処理され、重複していないかどうかを相互に参照し、真正性を確認した上で支払いが承認される。

さらに、管理者の承認管理や国内送金の無料化も実現する。

リンドム氏は「請求書の処理と請求書の有効性の確認に半分の時間を費やしていると管理者の66%が回答していることから、この複雑なプロセスを単純化し、エンド・ツー・エンドで概要を把握できるようにすることが私達の使命となりました」と付け加えた。

Pleoは、Tradeshiftの初期チームメンバーであったリンドム氏とNiccolo Perra(ニッコ・ロペラ)氏によって、2015年にコペンハーゲンで設立されだ。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Pleo経費資金調達コペンハーゲン

画像クレジット:Pleo founders

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(文:Mike Butcher、翻訳:塚本直樹 / Twitter

アクセス許可APIサービス開発のAuthzedが4.2億円のシード資金を調達

開発者がアプリケーションにパーミッション(アクセス許可)を組み込むことを容易にすることを狙うアーリーステージのスタートアップAuthzed(オースゼッド)は、米国時間4月21日、390万ドル(約4億2000万円)のシードラウンドを発表した。今回のラウンドは、Work-Benchが主導し、Y CombinatorとAmplify Partnersが参加している。

CEOで共同創業者のJake Moshenko(ジェイク・モシェンコ)氏によれば、同社のサービスは、開発者がアプリケーションにパーミッションをすばやく追加できるように設計されたAPIだという。モシェンコ氏は「Authzed はアプリケーションのパーミッションを登録、計算、検証するためのプラットフォームです。私たちはGoogle(グーグル)、Red Hat(レッドハット)、Amazon(アマゾン)での経験から、このやり方が、企業がアプリケーションパーミッションを行う際の適切な方法だと考えています」と語る。

サービスの仕組みは、まずユーザーのグループを定義し、そのグループのメンバー資格に基いて、どのようなデータを見ることができるか、どのような機能にアクセスする権限があるかを定義することだ。パーミッショングループの基盤としてActive Directory(アクティブ・ディレクトリ)やLDAPに依存する場合もあるが、モシェンコ氏によれば、実際のパーミッションの実装をシンプルにすることができるのだという。

「Active Directory単体では、実は問題を完全に解決できません。また、そのグループのメンバーシップに、それが意味する一連のパーミッションを結びつける必要があるからです。私たちのシステムを使えば、権限とグループメンバーの両方について考える方法を統一することができます」とモシェンコ氏はいう。

同社はこのサービスのフレームワークを構築したところだが、モシェンコ氏はActive Directoryやその他のディレクトリサービスとの連携はロードマップ上にあるという。これまで、設計パートナーと協力して製品の基本を固めてきたが、米国時間4月21日以降、同社はこのサービスを利用したいと考える開発者に向けて公開を行う。

当初は無料だが、将来的には有料プランの導入を考えている。モシェンコ氏はこのサービスを、コミュニケーションのTwilioや、決済のStripeのような、API企業に例えている。つまりアプリケーションの運用を始めたばかりの頃はコストが低く、時間が経ち、人気が出てきてパーミッションをより定期的にチェックする必要が出てくるに従って、コストが上がっていくと予想している。

会社は設立されたばかりで、共同創業者の3人以外の社員は1人だけだ。今回のラウンドで得た資金を使って、エンジニアを増員するとともに、開発者コミュニティ内でのプロダクトの人気を高めることを目指していく予定だ。モシェンコ氏は新しく雇用する従業員の数は、プロダクトがどれくらい市場に受け入れられるかによるという。

創業者たちは以前、Docker(ドッカー)コンテナのプライベートレジストリであるQuay(クエイ)を創業し、それを2014年にCoreOS(コアOS)に売却した。そのCoreOSをRed Hat(レッドハット)が2018年1月に2億5000万ドル(約270億3000万円)で買収した。そして同年末にはRed HatをIBMが340億ドル(約3兆7000億円)で買収している

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Authzed資金調達API
画像クレジット:Yagi Studio / Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:sako)