アップルが独自のブッククラブ「Strombo’s Lit」を米国などのApple Booksアプリ内に立ち上げ

Oprah、そしてReese、では次はAppleか?iPhoneのメーカーがこのほど、そのApple Booksアプリの中に直接、独自のブッククラブを立ち上げた。米国とカナダと英国とオーストラリアの読者に、Appleが選んだフィクションやノンフィクションが提供される。ただしApple PodcastsやApp StoreにあるAppleのその他の編集者的サービスと違って、無名の編集者たちが本を選ぶのではなく、カナダ人のメディアパーソナリティでApple Music HitsのホストであるGeorge “Strombo” Stroumboulopoulos(ジョージ・ストロンボロ・ストロンボロポロス)氏が選ぶ。

そのため実はこのブッククラブは「Strombo’s Lit」と呼ばれている。

ストロンボロポロス氏はApple Musicのチームにいるが、ブッククラブは音楽関連の本を優先しない。むしろStrombo’s Litのテーマはかなり幅広くて、世界をもっとよく見るためのレンズを提供する、とApple(アップル)はいう。読者層の定義は漠然としており、世界の最良の著者のコンテンツを読んで勉強したいと思っている人なら誰でもとなっている。

画像クレジット:Apple

ネット上のブロードキャストとラジオを長年やってきたストロンボロポロス氏は、パンデミックの最中の2020年8月にAppleに入った。彼は今、ライブのApple Music Hitsの「Strombo」という番組で、アーティストとリスナーをつなごうとしている。米国時間2月8日に放送された最近の番組で彼は、Strombo’s Litのローンチを発表した。

このブッククラブは、生涯の本好きであるストロンボロポロス氏が新型コロナウイルスの蔓延によるロックダウンの間に大量の本を読み、好きな本のことを友だちに話したくなって始めたものだという。もちろんクラブでは、彼が個人的に選んだ本にもっと多くの読者がアクセスできる。この新しいブッククラブに関心がある人は、iPhoneやiPadやiPodタッチ、Apple WatchなどのApple Booksアプリで見つけるか、ユーザーネーム@stromboで彼自身のソーシャルチャンネルからジョージをフォローするとよい。クラブでは、彼が選んだ本にアクセスできるだけでなく、インタビューなど、その他のコンテンツもあり、その一部をソーシャルメディア上で共有もできる。

やあ、みなさん、元気かな。すごいことがあるんだ。これから、ブッククラブでお友だちを作るのさ。会話もある。つながりができる。プレゼントもある。ぜひ、来て見てちょうだい。最初の本はNeal Stephensonの「Termination Shock」です。

最初の「Strombo’s Lit」のおすすめは、Neal StephensonのSFスリラー「Termination Shock」だ。彼はベストセラーの「Seveneves」や「Anathem」「Reamde」などを書いてる。これらは、Apple Booksにもある。

Appleは新しいブッククラブによって、今あるApple Booksの本の選択がなくなるわけではない、と明言している。Apple Booksの編集者たちは本の選択を続行し、それらをApple Booksアプリの「Book Store」タブにある多様なコレクションに収める。クラブの方は、ストロンボロ氏が個人的に選んだ本が単純に提供される。

しかし、Appleがなぜ、こんなブッククラブを立ち上げるのだろう?それは、ブッククラブの成功が個人の人気や個人崇拝に基づいていることが多いからだ。そんな個人とは、たとえばOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏やJenna Bush Hager(ジェンナ・ブッシュ)氏だ。ストロンボロ氏はオンラインのフォロワーが多く、Twitterのフォロワーは86万人いる。彼は、誰もが知っているというタイプのキャラクターではない。しかしそれでも、Appleのような巨大テクノロジー企業がブッククラブをやる例は他にもある。Netflixは10月に、は連続ドラマや映画の原作になった本を紹介するためのブッククラブを発表している。

画像クレジット:egal/iStock

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルのVR/ARヘッドセットに搭載されるOSは「realityOS」か?ソースコードがリーク

MacRumorsの報道によると、Apple(アップル)が開発中と噂されているVR/ARヘッドセットに搭載されるOSは「realityOS」と呼ばれるかもしれないという。この用語は、最近のGitHubのオープンソースコードやApp Storeのアップロードログで複数の情報源によって発見された。iOS開発者のRens Verhoeven(レンス・バーホーベン)氏は、「Appleの『realityOS』がApp Storeのアップロードログで何をしているんだ?」とツイートしている。著名な開発者であるSteve Troughton-Smith(スティーブ・トロートン=スミス)氏は、「これは少なくとも、[realityOSが]1)独自のOSとバイナリを持ち、2)realityOSシミュレータを持っていることを裏付けるものだ」と述べている

このようなOSの存在は、2017年にBloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏が「rOS」として初めて報じたもので、Appleの社内では「Oak」と呼ばれているという。「OS」とつける命名法は、AppleのOSである「iOS」「macOS」「iPadOS」「tvOS」「watchOS」の名前を考えれば、理に適っている。

AppleによるAR/VRヘッドセットの開発は、何年も前から噂されていた。Appleは2017年にVR企業のVRvanaを買収し、同技術を追求していることを示唆していた。The Informationは2019年に、AR/VRの混合型ヘッドセットが2022年に登場し、ARグラスは2023年に発売されるだろうと報じた

しかし、Bloombergによる最新の噂では、オーバーヒートなどの開発上の問題から、ヘッドセットは2023年まで遅れるとされている。アナリストのMing-chi Kuo(ミンチー・クオ)氏によると、これらの製品は、M1 Macと同等のコンピューティングパワーを備え、テザリングを必要としないスタンドアロン型になる可能性があると言われている。

もしこの話が本当であれば、開発者がこのOSにすでにアクセスしている、あるいは近くアクセスできるようになることを示唆していることになる。しかし、トロートン=スミス氏が警告しているように、これらの情報は「誰かが偽のアカウントから行ったプルリクエストの残骸である可能性もある」ので、リークは適当な懐疑心をもって受け止めてほしい。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

アップル、オランダのデートアプリの決済に関する命令で再び罰金を食らう

デートアプリの支払い方法をめぐって、オランダでApple(アップル)の反トラスト法違反が続いている法案が、さらに500万ユーロ(約6億6000万円)増えて1500万ユーロ(約19億8000万円)になったことを同国の消費者保護・市場監督局(Authority for Consumers and Markets、ACM)が認めた。

このペナルティは消費者保護・市場監督局の命令に関わるもので、それによるとAppleは同国のデートアプリがデジタルコンテンツを販売した場合、その代金の支払いに関して、Appleに手数料をもたらすApple自身の決済インフラの使用を強制するのではなく、サードパーティの決算プロバイダーの使用を容認しなければならない。

iPhoneのメーカーであるAppleは2021年以来、オランダの命令に逆らい、控訴を続けてきた。しかし2022年1月、最初のコンプライアンスの締切とペナルティ執行の脅威が近づくにともない同社は、アプリがApple以外の決済技術に接続することに合意し、オランダのApp Store上にあるデートアプリに限り、2つの「オプション的資格」を導入するとした。それによりアプリは、命令が指示しているように別の決済処理の選択肢をユーザーに提供できる。

しかしAppleの1月のコンプライアンスの主張を、ACMはただちに無効として罰金を科した。どうやら規制当局は、Appleが命令のすべての要求に従うことをためらっている点を問題にしたようだ。

ACMの命令に対するAppleの抵抗に関する裁判所命令は、まだ一部しか公表されていないため、消費者保護・市場監督局は、現在、言えることに限界があると述べている。

一方、Appleは命令に逆らうことをPRに活かそうとしている。そして1月の声明では「複数の決済サービスを使えることによりユーザー体験が損なわれ、プライバシーとデータのセキュリティに新たな脅威が作り出される」と主張している。

自分たちのデートアプリにApple以外の決済技術を使いたいと思っている開発者にAppleが提供した情報も、できる限りその決定に二の足踏ませようとしている。つまりAppleの主張では「ユーザーはApp Storeの機能の一部を使えなくなり、そのような販売方法によって発生する返金や購入履歴やサブスクリプションの管理といったサポートの欠如により、ユーザー自身がそれらの責任を負うことになる」という。

の新たな打撃でAppleは、Apple以外の決済技術を使うデートアプリからの販売に関しては27%の手数料を課すと発表した。これはAppleが通常、アプリ内購入に課している30%とほぼ同額だ。

つまり、標準料金のわずかな割引と、カスタマーサービスの責任、および技術的な諸経費を追加するだけでは対象となるアプリの収益が増えるとは思えない。これは、Appleが、ローカル開発者がサードパーティの決済システムを使用することをできるだけ難しく、そのハードルを高くしようとしていることを示唆している。

関連記事:アップル、オランダのマッチングアプリの代替決済システム使用に手数料27%を請求へ

しかしこれは、Appleのアプローチが偽りのコンプライアンスを選択することであることを意味している。ACMの命令の字面ではなくその精神に反して、同社は外部決済を使うことを開発者にとってほとんど魅力のないものにしている。しかしながらACMの最新のペナルティは、Appleが規制当局が命令で強制していることの中核にさえ達していないことを示唆している。

懸案のコンプライアンス問題の詳細を尋ねたところ、競争当局は、Appleが完全な情報を提供していないと答えた。これはおそらく、Appleがコンプライアンスに従っているかどうかを正しく評価できないと感じていることを意味する。

「ACMは、Appleが定期的な違約金支払いを条件とする命令を遵守するために既に実施したとする変更について、Apple自身からまだ何らの情報も受け取っていません。当該命令に基づき、Appleはこれを行うことが要求されています。Appleは、そのような情報を適時に、また完全な形で提供していないため、Appleは引き続き同命令に定められた要件を遵守していないことになります。そのため、Appleは3回目の違約金を支払わなければならず、Appleが支払わなければならない総額は現在1500万ユーロに達しています」と広報担当者は述べている。

「Appleのウェブサイトに掲載されている情報だけでは、同社が定期的なペナルティ支払いを条件とする命令で定められた実質的な要件を遵守しているかどうかを評価することはできない。ACMは、Appleの行動と行為に失望しています。私たちは、Appleが最終的にACMの要求事項を遵守することを望んでいます。しかも、これらの要件は裁判所によって支持されています」と付け加えた。

Appleにコメントを求めたが、本稿を書いている時点では返事はない。

金儲け主義の巨大企業にとって、比較的小さな欧州の単一市場のアプリのサブセットなど大した問題ではないかもしれないが、同社のApp Store手数料モデルは現在、世界中の開発者からの苦情や規制の圧力にさらされている。

つまり、Appleは市場ごとに足を引っ張り、現地の開発者に複雑さと疑念をもたらし、一般的にこのプロセスを遅くて辛いものに空回りさせるよりも、App Storeの中核的な収益モデルを切り崩すような大規模で意味のある変更をすばやく行うことの方が、ビジネスにとってはるかに大きなリスクとなると考えているだ。

ACMによると、Appleのノン・コンプライアンスの罰金は毎週上昇し、最大の5000万ユーロ(約66億円)に達するまで上がり続ける。しかしそれは、時価総額2兆8170億ドル(約325兆円)の企業にとってポケットの小銭であるため、この問題を困難で不快なものにし続けても問題ない。

とはいえ、ヨーロッパの市場の一部は現在、競争法の改定に取り組み、テクノロジー大手からの途方もないチャレンジに対応しようとしている。たとえばEUのDigital Markets Actは、インターネットのいわゆるインターネットの「門番たち」のための先取り的ルールの提案だ。またドイツの、すでに法律として成立した規則は「すべての市場で重要な意義を持つ」プラットフォームに対する権力の迅速な介入について定めている。現在、その対象企業はGoogleだ

ドイツ連邦カルテル事務局はAppleのApp Storeの捜査に関してオープンな手続きをとっているが、こちらも同社のやり方が競争に関するローカルな限度を超えそうなときは、規制のギアをさらに上げるだろう。

英国でも、競争保護促進のためのリフォームが進んでいる。こちらも議会の判断で「大きな市場ステータス」を持つとされるテクノロジー大手に対する特別法を導入できる。

このように各国の議会は、気に入らないルールを単純に無視しようとするプラットフォームをターゲットとする権力を急速に強化している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップル、iPhoneで非接触型決済を可能にする「Tap to Pay」機能を発表

Apple(アップル)は、iPhoneを非接触型決済端末にする新機能「Tap to Pay」の導入計画を発表した。同社によると、2022年後半に米国の事業者はiPhoneとパートナーが対応したiOSアプリを使ってApple Payやクレジットカード、デビットカードといったその他の非接触型決済を受け付けられるようになる。

この機能は、iPhone XS以降のモデルで利用できる。iPhoneを使ったTap to Payは、決済プラットフォームやアプリの開発者が、顧客の決済オプションとして自社のiOSアプリに組み込むことができる。Stripeは、新しいShopifyアプリでTap to Payを顧客に提供する最初の決済プラットフォームとなる。Appleによると、別の決済プラットフォームやアプリは2022年後半に加わる予定だ。

Tap to Payの提供が始まれば、事業者は対応するiOSアプリを通じて非接触型決済を利用できるようになる。会計時に、顧客にiPhoneまたはApple Watchを事業者のiPhoneに近づけてもらうと、NFC技術を使用して支払いが安全に完了する。非接触型決済を受け入れるために追加のハードウェアは必要ない。Appleはまた、iPhoneでのTap to Payでは顧客の決済データは保護され、この機能を通じて行われる取引はすべて暗号化されるとしている。

同社は、Apple Payはすでに米国の小売店の90%以上で利用されており、この新機能を使って顧客はよりシームレスに精算できるようになるとしている。Tap to Payは2022年後半に米国内のApple Storeの店舗でも導入される。Appleは、決済プラットフォームやアプリ開発者と緊密に連携し、米国内のより多くの事業者にTap to Payを提供する。Tap to Payは、American Express、Discover、Mastercard、Visaなど多くの決済ネットワークによる非接触クレジット / デビットカードで利用できる。

Apple PayおよびApple Wallet担当副社長のJennifer Bailey(ジェニファー・ベイリー)氏は「デジタルウォレットやクレジットカードで支払いをする消費者が増えている中、iPhoneでのTap to Payは、安全かつプライベート、そして簡単に非接触型決済を受け入れ、iPhoneのパワー、セキュリティ、便利さを活かした新しい精算体験を企業に提供します」と声明で述べた。

Appleによると、Tap to Payは今後リリースされるiOSソフトウェアのベータ版で、参加する決済プラットフォームとそのアプリ開発者パートナーが利用できるようになる。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロソフトがMac版OneDriveの苦情に対応、全ファイルをローカル保持する方法を説明

マイクロソフトがMac版OneDriveの苦情に対応、全ファイルをローカル保持する方法を説明

マイクロソフトがmacOS 12.1以降のOneDriveアプリにつき「ファイルのローカル保存」オプションをなくし、実質的にファイルオンデマンドを強制したことで、ユーザーから様々な苦情が寄せられていました

この件につきMSが「Files On-Demand Experience(ファイルオンデマンド経験」を紹介するブログ記事を更新し、全てのOneDriveファイルをMacローカルに保持しておく方法などを説明しています。

現在テスト中のmacOS 12.3ベータでは、OneDriveが同期機能に使っていたKernel拡張が利用できなくなり、代わりにアップルのFile Providerフレームワーク使用が必須となりました。これを受けてMSはOneDriveアプリを更新したところ、ファイルオンデマンド機能を強制することになったわけです。

ファイルオンデマンド機能とは、全てのファイルをローカルに保存してストレージを圧迫することなく、必要になったときにクラウドからダウンロードして使えるようにする仕組みのこと。

最新版のOneDriveアプリでは本機能を無効にするオプションが削除されており、基本的にファイルはローカル保存されません。アプリ更新後には、同期済みのファイルがMacローカルから消されたとの声もありました。

なぜ、ファイルオンデマンドを事実上の強制としたのか。MSはブログで同機能をWindowsでは2017年に、Macでは2018年から提供しており、初めはオプトイン(ユーザーの同意を得てから有効にする)のみだったのが、デフォルトでオンに切り替える上で、どのぐらいのユーザーがオフにするかを慎重に監視してきたいきさつを説明。そしてWindowsとMacともに本機能を無効にしてるユーザーは非常に少数だったことを語っています。

そして「お客様のセットアップで何か問題が発生した場合は、サポート担当者にご連絡いただき、問題を診断させていただきます」とのことです。つまりMacでのトラブルは以前より劇的に減っており、それでも苦情があれば個別に対応すると示唆しているようです。

その一方でMSは、全ファイルをMacローカルに保持しておくことが「一部のユーザーにとって重要なシナリオ」だと認めており、そのための最良の方法は、「常にこのデバイス上に保持する」を選んでファイルをピン留めすることだと述べています。

さらにフォルダをピン留めしておくと「現在その中にある全コンテンツと、新たに追加されたコンテンツが端末に保持されます」として、ファイルをフォルダごとローカル保存する(1つずつピン留めしなくてもいい)方法を教えています。

このやり方を使えば、OneDriveの全ファイルをローカルに保持できます。まずFinder上でOneDriveフォルダを参照し、アイコン表示に切り替え、アイコン間の空白を右クリックして「このデバイスで常に保持」を選ぶという手順です。

マイクロソフトがMac版OneDriveの苦情に対応、全ファイルをローカル保持する方法を説明

Microsoft

これで当面は凌げる見込みですが、MSは「macOSとWindowsの両方で、この機能をより簡単に設定できる方法を積極的に検討しています」と付け加えています。

さらにMSは、一部ユーザーがOneDriveフォルダを閲覧する際に表示が遅いと経験した理由や、その回避策についても説明しています。詳しくはブログ記事をご確認ください。

最後にApp Store版アプリでのオートセーブに関する問題にも言及されていますが、こちらは最新版の「(バージョン)22.002.0201.0005で修正されています」と追記されています。

ともあれ、当面は「Finder上でOneDriveフォルダごとピン留め」により全ファイルをMacローカルに保持できるわけです。今後、よりMacユーザーに寄り添ったアップデートがやって来ると期待したいところです。

(Source:Microsoft。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)

アップルの次期ハードウェアイベントは3月上旬か、新iPhone SE、iPad Air、27インチiMac Pro登場のウワサ

Bloombergによると、Appleは3月8日前後に次のハードウェアイベントを開催する予定だ。このイベントでは、第3世代のiPhone SE2020年のiPad Airの後継モデル、Apple Siliconチップを搭載した新しいMacが発表されるという。BloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏は、この日程は以前AppleがSEのデビューのために設定した3月から4月のタイムフレームと一致するが、潜在的な生産の遅れにより、同社が計画を変更せざるを得なくなる可能性があると警告している。

これまでどおり、記事ではiPhone SEシリーズとしては初となる5Gに対応すると報じられている。また、より高速なプロセッサやより優れたカメラも搭載されると予想されているが、現行モデルのiPhone 8時代のデザインは維持されるという。新型iPad Airにはプロセッサが刷新され、5G接続が追加される。Bloombergは、Appleが同イベントで発表するかもしれない新型Macについて多くを語らなかったが、最近のほとんどの報道では、同社が27インチのiMac Proの新モデルを発表すると指摘している。

新しいiPhone SEの話がいまいち盛り上がらなかった人への朗報は、AppleがiOS 15.4も2022年3月前半にリリースするとBloombergが報じていることだ。このアップデートでは、マスクを着用していてもFace IDでiPhoneのロック解除できる機能が追加される予定だ。

関連記事:ついにマスク姿でもiPhoneのロック解除可能に!アップルの最新ベータ版OSはマスク着用に対応したFace IDや待望のユニバーサルコントロールを提供

編集者注:本記事の初出はEngadget。執筆者のIgor BonifacicはEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップル、オランダのマッチングアプリの代替決済システム使用に手数料27%を請求へ

裁判所の命令により、マッチングアプリの開発者はオランダでApple(アップル)のアプリ内課金システムを使用する必要はなくなった。また、これらの課金決済はAppleによって処理されないため、Appleはデジタル購入の際に通常の30%の手数料を取ることはない。しかし、サードパーティの決済システムを利用する開発者は、依然として手数料を支払わなければならない。Appleは27%の手数料を請求する予定だ。

オランダの反トラスト法問題を把握していない人のために説明すると、オランダ消費者市場庁はもともと、Appleが非常に特殊なケース、つまりマッチングアプリ開発者が販売する「superlike」や「boost」といったデジタルコンテンツでオランダの競争規則に違反していると指摘していた。

これは、Appleのアプリ内課金システムにとって、別の新たな脅威となる。韓国では、デジタル決済に関する新法に基づき、Appleはサードパーティーの決済システムを認めることに同意した。また、米国と欧州では、いくつかの訴訟が進行中だ。

オランダに関しては、Appleは外部決済を認めることはユーザーの利益にならないと主張し、反トラスト法に基づく決定について上訴している。

「これらの命令がユーザーの最善の利益になるとは思えません。当社はACM(消費者市場庁)の決定を受け、高等裁判所に上訴しました。これらの変更がユーザーの体験を損ない、プライバシーとデータセキュリティに新たな脅威をもたらすことを懸念しています。一方、当社は本日開始する、義務付けられた変更を行う義務があり、近日中にさらなる情報を提供する予定です」と同社は1月に述べた。

オランダの競争当局は、Appleが裁判所命令に従う最初の期限を過ぎていることからすでに500万ユーロ(約6億5000万円)の罰金を科しており、同社に選択の余地はあまりない。

Appleは現地時間2月4日、マッチングアプリの開発者がオランダで代替決済システムを利用する方法を説明するドキュメントページを更新した。これはかなり技術的なものに関する文書で、開発者がどのように代替支払いオプションを提供できるかを説明している。

しかし、Appleがアプリ開発者に手数料を請求する予定であることも書かれている。基本的に、Appleが取引を扱わないため、開発者はApp Storeの手数料を3%カットされる。しかし同社は、提供するさまざまなサービスに対して27%の手数料を請求することは、まだ正当だと考えている。

ACMの命令に従い、サードパーティのアプリ内決済プロバイダをリンクアウト、または使用する権利を付与されたマッチングアプリは、取引にかかる手数料をAppleに支払うことになります。Appleは、付加価値税控除後のユーザが支払う価格に対して27%の手数料を請求します。これは、決済処理および関連する活動に関連する価値を除いた率です。開発者は、サードパーティの決済プロバイダーによって処理された売上について、オランダの付加価値税(VAT)など、適用される税金の徴収と送金に責任を負います。

アプリ開発者は毎月、App Storeでホストされているアプリに関連するデジタル売上を報告する必要がある。その後、Appleは27%の手数料の請求書を送付する。

つまり、開発者はAppleの決済システムを回避することで、追加でかなりの収益を得ることはない。しかし、それだけではない。サードパーティの決済システムには技術的な費用もいくらか発生する。

マッチングアプリではよくあることだが、複数の国にユーザーを持つアプリ開発者の場合、同じアプリのバイナリを提出することはできない。開発チームは、オランダ語のアプリとオランダ語ではないアプリの2種類のバイナリをまとめて提出しなければならない。

Appleは、サードパーティの決済システムを使用することを可能な限り難しく、高価にしたいと考えている。ほとんどの開発者は、Appleのアプリ内課金APIを使い続ける可能性がある。

「Appleのアプリ内課金システムを使い続けたいマッチングアプリの開発者は、そうすることができ、追加で何かを行う必要ありません」とAppleは書いている。

しかし、それは同社がただ時間を稼いでいるように感じられる。App Storeは依然として、さまざまな管轄区域で独占禁止法の厳しい監視下に置かれている。Appleは、最初の裁判所命令や競争促進的な改革を回避する方法を見つけるだろう。しかし、規制当局が本当にAppleのアプリ開発者向け手数料を下げたいのであれば、もっと賢くなるはずだ。

 画像クレジット:TechCrunch

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple News、初のデイリーローカルニュースレターをベイエリアの読者向けに配信開始

Apple News(アップル・ニュース)は、初のデイリーローカルニュースレターをベイエリア向けに導入した。他の都市への提供拡大も積極的に検討している。ベイエリアのデイリーローカルニュースレターは、日刊の地方紙を思わせるもので、地元ニュース、スポーツ、政治、食事などの分野にわたって主な最新ニュースを掲載している。これらの記事はSan Francisco Chronicle(サンフランシスコ・クロニクル)、SF Gate(SFゲート)、Eater SF(イーターSF)、KQED、The Oaklandside(オークランドサイド)など、数多くの出版物から編集されたものだ。

このニュースレターに掲載される記事はすべて、アルゴリズムによって選択されるのではなく、Apple Newsの編集者によって監修されている。これは、クリックベイトのような価値の低いコンテンツの再循環を減らすためだ。Apple Newsは、このベイエリア向けニュースレターを、地域における1日の終わりのダイジェストとして、注目すべきニュースや身の回りで起こっていることに関する情報を伝えるものだと考えている。デイリーローカルニュースレターは、より多くの読者に全米のニュースを配信するApple Newsのデイリーニュースレターに追加される。

Twitter(ツイッター)のRevue(レヴュー)買収や、Facebook(フェイスブック)のニュースレタープラットフォーム「Bulletin(ブレティン)」など、多くのテクノロジー系企業がニュースレターをサービスの一環として追加している時期に、アップルはこのサービスを開始した。ニュースレタープラットフォームのトップ企業であるSubstack(サブスタック)がシリーズBの時点で6億5000万ドル(約743億円)の評価を受けたことでも、旧来型のニュースメディアの市場規模が大きいことがわかる。これには、新聞社のウェブサイトの使い勝手が低下していることも、少なくとも部分的な原因になっている。

もしアップルがより多くのデイリーローカルニュースレターを展開することになれば、いくつかの市場から選ばれることになるだろう。現在、Apple Newsはサンフランシスコ、ベイエリア、ニューヨーク、ヒューストン、ロサンゼルス、サンディエゴ、サクラメント、マイアミ、シャーロット、サンアントニオ、ワシントンD.C.という11の市場でローカルニュースを提供している。アップルは、今後さらに多くの都市でローカルニュース機能を開始する予定だと述べている。

アップルがローカルニュース機能に力を入れるということは、Flipboard(フリップボード)やSmartNews(スマートニュース)のような、米国の何千もの都市でローカルニュースを提供している他のニュースアグリゲーターサービスとのさらなる競争に、目を向けていることを示している。

関連記事:スマートニュースのローカルニュース機能が米国6000以上の都市で利用可能に

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米国35州・マイクロソフト・電子フロンティア財団がEpic支持を表明、アップル対Epic裁判はまだまだ続く

アップル対Epic裁判、米国35州・マイクロソフト・電子フロンティア財団がEpic支持を表明

CHRIS DELMAS/AFP via Getty Images

アップルとEpic Gamesが『フォートナイト』のアプリ内課金をめぐって揉めている訴訟はいったんは判決が下されました。が、両社とも判決を不服として控訴したため、法廷での戦いはまだまだ続く見通しです。

この訴訟については、米国35州の司法長官とマイクロソフト、そして電子フロンティア財団が、Epicを支持することを表明しました。各州の弁護士が控訴裁判所に提出した準備書面では「アップルによるApp Storeの管理は独占禁止法に違反しない」とする先の判決を覆すべきだと主張されています。

Epic Gamesがアップルに対して起こした「App Storeの管理が独占禁止法に違反する」ことを問う裁判では、アップルにはアプリ開発者がユーザーを独自の決済システムに誘導することを認めなければならないとの判決が下されました。

その一方でアップルが反訴した「問題は独禁法違反かどうかではなく、EpicがApp Store開発者としての契約に違反して独自の決済システムを使ったこと」に関してはアップルの主張が認められ、Epic側にはアップルが本来得るべきだった手数料の支払いが命じられています

これによりEpicは金銭的には敗北を喫した一方で、アップルに対して「12月9日までに開発者がアプリ内でユーザーを他の決済システムに誘導できるようにしなければならない」との判決が下されたことで、一定の勝利を勝ちえたはずでした。

アップルはこの命令に対して期日延期を要請し、一度は却下されたものの、12月には控訴裁判所が延期に合意したことで先送りに成功しています。つまりアップルとEpicとの控訴審が終わるまで、App Storeアプリ内に外部決済リンクを認めることは何年も先延ばしにされるかもしれないわけです。

さて今回、35の州政府が提出した準備書面では「アップルはiPhone向けのアプリ配信とアプリ内課金ソリューションを独占し続け、競争を抑圧し、年間ほぼ1兆ドル規模のスマートフォン業界で超競争的利益(競争の激しい市場で維持できる利益を超えた利益)を蓄積しています」と簡潔に書かれています。

またMSも準備書面を提出し、同社が隣接する市場で「競争を封じるためにiOSを支配する」ことを可能にすると主張。「アップルがオンラインサービスを持つ全ての企業とiPhoneユーザーの間に介入することが許されるなら、巨大なモバイル経済のほとんどはアップルの干渉と最終的な支配から逃れられられない」と述べられています。

MSは自社のクラウドゲーミングサービスをiPhone向けに展開する上で大きな制約を受けたこともあり、以前からアップルを遠回しに批判していました

アップルはEpicとの訴訟について「(先の)判決が控訴で肯定されることを楽観視している」として、勝利を確信しているとの趣旨をコメント。さらに我々は、App Storeは消費者のための安全で信頼できる市場であり、開発者のための絶好の機会であることを保証するために引き続き取り組んでいきます」と述べています。この声明は、米上院で審議されているアプリストア規制法案へのけん制も兼ねていると思われます。

しかしアプリ課金については、アップルに対して自社システム以外の決済方法を認めるようオランダや韓国ほか世界各国で圧力が高まりつつあります。そこに米国の35州も加わるとなれば、アップルもいつまでも現状を守り続けるのは厳しいかもしれません。

(Source:CNETFOSS PATENTEngadget日本版より転載)

アップル、iPhoneの販売台数がサプライチェーンの不足を克服し過去最高に

全世界的なパンデミックが始まった直後にガイダンスをやめていたAppleが、四半期の売上高で過去最大の売上を記録したことには、笑顔になるべき理由がたくさんある。パンデミックの不確実性とサプライチェーンの制約に直面しても、ハードウェアの巨人は投資家の予想を上回り、売上高が11%増加した。

iPadの売上が予想を下回り、前年同期比14%減となったことを除けば、ハードウェア部門は全体的にバラ色だった。iPhoneは、2021年9月下旬に発売されたiPhone 13シリーズに続き、堅調な伸びを示した。スマートフォンの売上は716億3000万ドル(約8兆2710億円)で、前年同期の656億ドル(約7兆5740億円)から9%増加している。

世界的なサプライチェーンのボトルネックとチップ不足を考慮すると、この結果はより顕著になる。Tim Cook(ティム・クック)氏は決算説明会で、サプライチェーンの問題は今後、緩和される見込みであると言及している。

「過去最高となった当四半期の業績は、これまでで最も革新的な製品およびサービスのラインアップによって実現された。接続することがかつてないほど重要な時代に、世界中のお客さまから反響があったことをうれしく思います」とCEOはいう。さらに彼は、Appleが現在進めているカーボンニュートラルへの取り組みについても言及した。

このニュースは、私たちが以前から知っていたことを確認するものだ。Appleのスマートフォンが大ヒットしたこの四半期は、主に最近の中国における成功のおかげだ。Counterpoint Researchの発表によると、Appleは世界最大のスマートフォン市場である中国でシェア1位を獲得している(Vivo、Oppo、Honor、Xiaomiなどがそれぞれ2位から5位であることを考えると、これは小さな成果ではない)。

一方、Huawei(ファーウェイ)は、制裁措置により重要な技術へのアクセスが遮断されているため、自国でも苦戦が続いている。

2021年1月初め、Canalysは、他のメーカーもサプライチェーンのボトルネックやチップ不足に悩まされ続けている中、Appleは世界第1位に躍り出たと指摘している。同社は、特定の市場における需要に対応するのに苦労していた前四半期に比べて、大幅な伸びを示した。

サプライチェーンの制約により、一部の市場において需要を満たすことが困難な状況が続いていることは事実だが、こうした状況は、サプライヤー間の影響力が弱い中小メーカーに対して過度に影響を与える傾向がある。

上述したようにiPadが目標を下回った一方で、Macの売上高は前年比25%増の108億5000万ドル(約1兆2550億円)を記録した。これは主にiMacとMacBook Proのここ数年で最も有意義なアップデートを含む、M1モデルのリフレッシュが主な要因だ。Apple WatchやAirPodsなどを含むウェアラブル、ホーム、アクセサリーは147億ドル(約1兆7000億円)に成長し、サービス部門は195億2000万ドル(約2兆2570億円)を記録している。

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ついにマスク姿でもiPhoneのロック解除可能に!アップルの最新ベータ版OSはマスク着用に対応したFace IDや待望のユニバーサルコントロールを提供

Appleは新たなOSのベータ版を大量にリリースし、待望の機能を2つ提供する。iOS 15.4はマスクをしたままFace IDでiPhoneのロックを解除できる機能を搭載、さらにiPadOSとMacOS 12.3のバージョンベータ15.4では、遅れていたユニバーサルコントロールを提供する。

マスク着用時のFace IDは、当然のことながらパンデミックになった当初から熱望されていた機能だった。2020年4月に報道されたのは、iPhoneがマスクを発見すると、パスワード入力画面にユーザーに表示するもので、2021年2月には、iOS 14.5のデベロッパーベータ版に、接続したApple Watchを介してiPhoneのロックを解除する機能(巧妙な回避策だ)が追加された。

新しいOSのベータ版のOSは、多くの人が求めてきた機能をついに提供する。有効にすると、iPhoneは目の周りで正しいユーザーであるかどうかを判断する。しかし、顔全体がないと、読み取りの精度が低くなり、安全性も定価するため、オプトイン方式になっている。

画像クレジット:Apple

iPadとMacOSでは、ついにユニバーサルコントロールのベータ版を提供されることになった。
macOS 12 Montereyと同時に発表されたこの機能は、2021年に期待されていたが、その後、著しく遅れていた。現在のところ、春頃と予想されているが、デベロッパーベータのテスターはすぐにそれを手に入れることができる。

この機能は、Sidecarに代わるものだ。SidecarはiPadを追加ディスプレイに変えるが、、ユニバーサルコントロールは自動的にMacとiPadの間でマウスカーソルとキーボードを共有する。一方のデバイスでコンテンツを選択し、マシン間でドラッグ&ドロップすることもできる。

また、iOSの新機能として、ハートの手、唇を噛む、妊婦/男性など、多数の絵文字が追加されている。ベータ版は本日から利用可能。最終的な一般へのリリース時期は未定だ。

画像クレジット:Nora Tam/South China Morning Post / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

近くiPhone単体を非接触決済端末として使える可能性、iOS 15.4で提供開始か

近い将来、小規模ビジネスはハードウェアを追加することなく、iPhoneを使って支払いを受け付けられるようになるかもしれない。Bloombergによると、Apple(アップル)は今後数カ月のうちにソフトウェアアップデートを通じてこの機能の提供を開始する可能性があり、おそらく2022年春にリリースされるiOS 15.4の最終バージョンで提供されることになるだろうとのこと。Appleはスマホを決済ポータルに変える技術を開発したことで知られるカナダのスタートアップ、Mobeewaveを2020年に買収しており、その頃からこのサービスに取り組んできたと言われている。

Mobeewaveの技術は、外部ハードウェアの使用を必要とするSquare(スクエア)のようなサービスとは異なり、アプリと携帯電話のNFCだけで動作する。ユーザーは請求したい金額を入力するだけ、顧客はクレジットカードを端末の背面にタッチするだけでよい。AppleはBloombergからのコメント要請を拒否したため、iPhoneに内蔵される機能が同じように動作するかどうかは不明だ。

また、Bloombergの情報筋は、この機能がApple Payの一部としてブランド化されるかどうかについては言及できなかった。ただし、この機能を開発しているチームは、AppleがMobeewaveを買収して以来、同テック大手の決済部門と協力してきたと報じられている。Appleが既存の決済ネットワークでサービスを開始するかどうかも、現時点ではわかっていない。

Mobeewaveは、買収される前にSamsung(サムスン)と提携し、後者の携帯電話をコンタクトレス決済端末にした。この機能をカナダで試験的に導入し、Samsung POSと名付けられた同社のPOSサービスをカナダで広く展開したこともある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Mariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(文:Mariella Moon、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがiOS 15.3をリリース「活発に悪用された可能性がある」iPhoneの脆弱性を修正

Apple(アップル)は米国時間1月26日、iOS 15.3とmacOS Monterey 12.2のリリースにより、数十件のセキュリティ問題を修正した。

iOS 15.3では、同社が活発に悪用された恐れがあるとしている不具合を含む、合計10件のセキュリティバグが修正されている。CVE-2022-22587として追跡されているこの脆弱性は、IOMobileFrameBuffer(デバイスのメモリが画面表示を処理する方法を開発者が制御できるようにするカーネル拡張)のメモリ破壊バグで、悪意のあるアプリによるカーネルコードの実行につながる可能性がある。

また、AppleはmacOS Monterey 12.2をリリースした。ユーザーの最近のブラウジング履歴やGoogleアカウント情報が、Safari 15やサードパーティ製のウェブブラウザから流出する可能性があるというWebKitの不具合を研究者が発見し公表していたが、macOS 12.2ではそのバグに対する修正が含まれている。

この脆弱性は、ブラウザのフィンガープリンティングと不正行為の検出サービスを提供するFingerprintJSによって最初に発見されたもので、ブラウザにデータを保存するアプリケーションプログラミングインターフェース(API)であるIndexedDBのAppleによる実装に不具合があったという。

CVE-2022-22594として追跡されているこの不具合は、IndexedDBを使用しているウェブサイトが自分のドメインのみならず、ユーザーのブラウジングセッション中に他のウェブサイトが生成したIndexedDBデータベース名にアクセスすることを可能にし、ひいては、ユーザーが別のタブやウィンドウで訪れた他のウェブサイトを追跡することも可能にする。また、IndexedDBのデータベース名にユーザー固有の識別子を使っているGoogleなどのウェブサイトでは、攻撃者がユーザーのGoogleアカウント情報にアクセスできる可能性があるとFingerprintJSは警告している。

また、iOS 15.3には、アプリがルート権限を取得する可能性があるセキュリティ問題、カーネル権限で任意のコードを実行する問題、およびアプリがiCloudを通じてユーザーのファイルにアクセスできる問題の修正が含まれている。

一方、macOS Monterey 12.2では、合計13件の脆弱性が修正されている。後者は、以前に報告されたSafariでのスクロールの問題を修正し、MacBookにスムーズなスクロールをもたらすことも約束している。

また、レガシーバージョンのmacOS Big SurおよびCatalinaのセキュリティ修正プログラムもリリースされた。

今回の最新セキュリティアップデートの公開は、HomeKitを介して悪用され、持続的なサービス拒否(DoS)攻撃の標的となる可能性があるiOSおよびiPadOSの脆弱性が確認されたのを受けて、それを修正するためにAppleがiOS 15.2.2をリリースしてからわずか2週間後に行われた。

関連記事:アップルがAirTagストーカー問題に対応、「Personal Safety User Guide」を改定

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがiOS 15.3をリリース「活発に悪用された可能性がある」iPhoneの脆弱性を修正

Apple(アップル)は米国時間1月26日、iOS 15.3とmacOS Monterey 12.2のリリースにより、数十件のセキュリティ問題を修正した。

iOS 15.3では、同社が活発に悪用された恐れがあるとしている不具合を含む、合計10件のセキュリティバグが修正されている。CVE-2022-22587として追跡されているこの脆弱性は、IOMobileFrameBuffer(デバイスのメモリが画面表示を処理する方法を開発者が制御できるようにするカーネル拡張)のメモリ破壊バグで、悪意のあるアプリによるカーネルコードの実行につながる可能性がある。

また、AppleはmacOS Monterey 12.2をリリースした。ユーザーの最近のブラウジング履歴やGoogleアカウント情報が、Safari 15やサードパーティ製のウェブブラウザから流出する可能性があるというWebKitの不具合を研究者が発見し公表していたが、macOS 12.2ではそのバグに対する修正が含まれている。

この脆弱性は、ブラウザのフィンガープリンティングと不正行為の検出サービスを提供するFingerprintJSによって最初に発見されたもので、ブラウザにデータを保存するアプリケーションプログラミングインターフェース(API)であるIndexedDBのAppleによる実装に不具合があったという。

CVE-2022-22594として追跡されているこの不具合は、IndexedDBを使用しているウェブサイトが自分のドメインのみならず、ユーザーのブラウジングセッション中に他のウェブサイトが生成したIndexedDBデータベース名にアクセスすることを可能にし、ひいては、ユーザーが別のタブやウィンドウで訪れた他のウェブサイトを追跡することも可能にする。また、IndexedDBのデータベース名にユーザー固有の識別子を使っているGoogleなどのウェブサイトでは、攻撃者がユーザーのGoogleアカウント情報にアクセスできる可能性があるとFingerprintJSは警告している。

また、iOS 15.3には、アプリがルート権限を取得する可能性があるセキュリティ問題、カーネル権限で任意のコードを実行する問題、およびアプリがiCloudを通じてユーザーのファイルにアクセスできる問題の修正が含まれている。

一方、macOS Monterey 12.2では、合計13件の脆弱性が修正されている。後者は、以前に報告されたSafariでのスクロールの問題を修正し、MacBookにスムーズなスクロールをもたらすことも約束している。

また、レガシーバージョンのmacOS Big SurおよびCatalinaのセキュリティ修正プログラムもリリースされた。

今回の最新セキュリティアップデートの公開は、HomeKitを介して悪用され、持続的なサービス拒否(DoS)攻撃の標的となる可能性があるiOSおよびiPadOSの脆弱性が確認されたのを受けて、それを修正するためにAppleがiOS 15.2.2をリリースしてからわずか2週間後に行われた。

関連記事:アップルがAirTagストーカー問題に対応、「Personal Safety User Guide」を改定

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがAirTagストーカー問題に対応、「Personal Safety User Guide」を改定

AppleのAirTagsがストーカー目的使われていることを伝える報道が最近数多くあったことを受け、米国時間1月25日同社は、現行の「Personal Safety User Guide」を改定し、近くにある未知のAirTagを発見したり、AirTagが音を発しているのに気づいた際に消費者が何をすべきかに関する新たな情報を追加した。同ガイドはAirTagのアラートの意味や、AirTagあるいはその他の「Find My(探す)」のネットワークアクセサリーが自分を追跡しているとき何をすべきかを具体的に説明している。Androidユーザー向けの説明も書かれている。

ガイドの改定を最初に見つけたのは、9to5MacAppleInsiderの両サイトだ。AppleはTechCrunchに対し、米国時間1月25日にユーザーガイドを改定し、AirTag関連の情報を追加したことを正式に認めた。

しかし、ガイド自体は新しいものではない。同じマニュアルは以前、個人の安全が脅かされていることを心配する人たちや、Apple製品を通じて何らかの方法でストーカー行為を受けたり追跡されたりする可能性を懸念する人たちに向けた情報を提供していた。総じてこのマニュアルは、以前パートナーと情報を共有していたが、今後は自分のアカウントやデータ、位置情報などを相手がアクセスできないことを確実にしたい人たちを手助けすることが主な目的だった。

しかしAirTagの場合、ストーカーに発つながるのはパートナーによる虐待行為に限らない。たとえばThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ紙)のある記事は、自動車泥棒が盗もうとしている高価な車の位置を突き止めるためにAirTagデバイスを使う様子を報じている。他にも、地元のスポーツジムなどの公共施設を離れたあと、AirTagに追跡されていることを示すアラートを受けたと言っている人がいた。ティーンエージャーの子どもを追跡するために本人に伝えることなくAirTagを使う親もいると記事は伝えている。

Appleは、紛失物トラッカー業界の中で、近くにある未知のBluetooth追跡デバイスに関する事前警告を実装した最初の主要テック企業であることから、こうしたストーカー状況が白日に晒らされることになった。NYTが指摘するように、研究者の中には、AppleのAirTagは、テクノロジー由来のストーカー問題を必ずしも生み出していないと主張する人もいる。むしろ、AirTag固有のアラート・システムによって、すでにまん延していた問題が暴露されたとも考えられる。しかしAppleにとって不幸なことに、ユーザーの安全とプライバシーに焦点を当てていることを会社として強く宣伝してきたことから、状況は対外的責任問題になっている。

AirTagストーカー問題について、何人ものApple広報担当者が声明を発表しているが、新しいガイドは本件に関するより公式な書類だと考えられる。

同ガイドはユーザーに対し、どんな時にアラートを受けるのか、なぜAirTagが音を鳴らすのが聞こえることがあるのか、新しいAndroid用Tracker Detect(トラッカー検出)アプリをどうやって使うかなどを説明している。中でも重要なのは、未知のAirTagに追跡された時にどうすればよいか、見つけられないときに音を鳴らす方法などが書かれたAppleのサポートページが紹介されていることだ。

関連記事:アップル、正体不明のAirTagを発見するAndroidアプリ「Tracker Detect」をリリース

今回の改定にともない、ユーザーガイドはPDFではなく検索可能なウェブサイトで公開されている。これによってGoogle(グーグル)などの検索エンジンによるコンテンツのインデック化が改善され、検索クエリにもとづいてユーザーが目的のページに到達しやすくなる。また、新しい個人の安全に関する文書やガイダンスが発行された際のガイド改定も容易になる。

AirTag情報以外にも、改定されたガイドには、当初発行された時にはなかったAppleの新しい機能に関する情報が入っている。AppleのApp Privacy Report(アプリ・プライバシー・レポート)や復旧用連絡先の設定方法などだ。他にもHome KitとHome App、プライベート・ブラウジング・モード、メッセージや電話、FaceTime、メールなどで相手をブロックする方法、不審な活動の証拠を記録するためにスクリーンショットを撮る方法、アカウント復旧用連絡先を設定する方法などを扱うセクションが追加された。

アカウントのセキュリティとプライバシーの管理に関する既存の情報と合わせることで、今回改定されたガイドは、従来バージョンよりも包括的な文書になっている。

しかし、AirTagをめぐる問題は、情報の不足や消費者が取るべき行動に関する混乱ではなく、AirTag自身が簡単にストーカー目的に使えてしまうことだ。安価で入手しやすいことに加えて、警告音の大きさは気づくのに十分なほどではなく、クルマの下やナンバープレートの裏などに仕かけられた時はなおさらだ。そして、未知のAirTagに関するアラートが発信される頻度はあまりにも少ない、とプライバシー擁護派は指摘する。

Appleは上記やその他の不満に対して、AirTagの機能を変更することによる対応はしていないが、今回のガイドの公開は、同社が少なくとも問題を認識し、消費者に何らかの情報を提供しようとしていることを示している。

画像クレジット:James D. Morgan / Contributor / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップル、パンデミックの影響を受け続ける一部デベロッパーに対してアプリ内購入免除の特例措置を再度延長

パンデミックはまだ終わっていない、とAppleはいう。同社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のためにバーチャル開催を強いられた一部サービスのための、アプリデベロッパーがアプリ内購入システムを回避することを認めるというCOVID時代のApp Store猶予措置を再び延長した。具体的にAppleは「有料オンライングループサービス」を提供するアプリはアプリ内購入を利用しなければならないとするApp Store Reviewガイドライン3.1.1の適用を引き続き延期する。

影響を受けているデベロッパー(元来のビジネスモデルが、バーチャルではなく、対面イベントを中心に作られていた)は、パンデミック中、アプリ内購入を使用しなくてはならないというAppleの要件に従わずにすんでいる。

当初Appleは,1対1のサービスに限りアプリ内購入要件を免除した。医者と患者による医療相談や、教師と生徒の個人指導、不動産屋と顧客の物件ツアー、トレーナーと顧客のフィットネストレーニングなどだ。しかしAppleはその後すぐ、グループサービスのイベントから手数料の徴収を続けることは世界的パンデミック下で小企業に害を及ぼすとMeta(Facebook)から批判された

もちろんFacebookには別の思惑があった。自社の決済システムで手数料を免除していたFacebook Pay(フェイスブック・ペイ)を、Appleのアプリ内購入の代わりに使うことをAppleに認めさせたかったのだ。一時的にせよ、Appleがそれを認めれば、Facebookは何千何万人のユーザーを自社の決済エコシステムに引き込むことができる。

そうではなく、Appleは自社の手数料をオンライングループサービスに対しても一時的に免除した。オンラインセミナーやグループ・ヨガクラスなど、1対少人数や1対多人数のイベントも含まれる。これによってAppleは、パンデミックの打撃を受けている小企業から利益を上げているというMetaの批判に答え、かつFacebook Payには何の利益も与えない。

しかしパンデミックが長引くにつれAppleは、猶予期間が過ぎて対象企業がAppleのアプリ内購入システムに戻る期限を延期せざるを得なくなった。2020年11月、Appleは猶予期間を2021年6月までに延長した。そして2021年4月、同社は期限を2021年12月31日まで延期した。2021年11月、Appleは期限が迫っていることをデベロッパーに再通知した。

悲しいかな、オミクロン株の影響によってAppleは再度期限を延ばすことになった。

現在同社は、対象デベロッパーは2022年6月30日まで、Appleのアプリ内購入システムに戻ることを猶予されるとしている。この日は、失った収入源を取り戻し始められることが確実だとAppleが期待している日付に違いない。

さらに同社は、アカウント作成が可能なアプリ内にアカウント削除機能を実装する期限も延長したことを示した。「この要件の実装の複雑さ」が理由だ。つまり、もともと時間がかかり実装が困難な変更が、店舗の閉鎖や新型コロナによる従業員の病休や子どもの家庭でのバーチャル授業などによって、いっそう大変になっているということだ。

この延長は、先週末Appleのデベロッパーサイトの投稿で静かに発表された。それはAppleのアプリ内購入ビジネスモデルがさまざまな角度から攻撃されているさなかだった。同社のEpic Games(エピックゲームズ)と裁判は現在上訴中であり、つい最近オランダ規制当局からは、デベロッパーのサードパーティー決済に自社のアプリ内購入インフラストラクチャーの使用を強制していることは反トラスト法に違反しているとして罰金を課された。さらに同社は、最近韓国でもアプリ内決済をめぐる同様の規則に従わざるを得なかった

関連記事:オランダ当局がアップルに約6.4億円の罰金、出会い系アプリの独占禁止法違反で

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

オランダ当局がアップルに約6.4億円の罰金、出会い系アプリの独占禁止法違反で

オランダの競争当局は、同国の出会い系アプリがサードパーティの決済技術を利用できるようにするよう求めた命令に従わなかったとして、Apple(アップル)に500万ユーロ(約6億4000万円)の罰金を科した。

来週までに当局が求める要件を満たさなければ、同社はさらに500万ユーロの罰金が科される可能性があり、その後も毎週、数カ月にわたって、この命令に関連して最大5000万ユーロ(約64億円)の罰金が課される可能性がある。

この罰金は、オランダの監視機関である消費者・市場庁(ACM)が2021年に出した命令に関連するものだ。当局はAppleが独占禁止法に違反していると判断し、出会い系アプリプロバイダーに押し付けている条件を見直すよう命じていた。

独占禁止法上の問題となっているのは、デジタルコンテンツの販売にApple独自のアプリ内決済インフラ(別名IAP API)を使用することを義務付けるApp Storeの規約で、AppleはこのAPIを通じて手数料を徴収している。

Appleの規約では、出会い系アプリが代替決済システムを利用することも禁止している。

当局は、出会い系アプリがアプリ内で他の支払い方法に言及することをAppleが禁止していることも問題視した。

ACMは1月24日、Appleが命令に従っておらず、出会い系アプリに関する規則を命令に沿うよう修正しなければならないと発表した。

「出会い系アプリのプロバイダーがApp StoreでApple以外の決済システムも利用できるようにしなければならない。加えて、出会い系アプリのプロバイダーは、アプリ外の決済システムを参照できなければならない」と発表にはある。

現在も続くAppleの違反の全容は、明確に述べられていない。しかし、重要なのは、Appleが求められていることをまだ行っておらず、実際に出会い系アプリのプロバイダーが他の決済システムを利用できるようにしていないことのようだ。

オランダ当局はまた、出会い系アプリのプロバイダーがApple以外の決済インフラを利用することを難しくするためにAppleが構築したと示唆する障壁を批判している。

「Appleはいくつかの点で要件を満たしていない」とACMは書いている。最も重要なのは、Appleが条件を見直さなかったことであり、その結果、出会い系アプリのプロバイダーはいまだに他の決済システムを利用できないでいる。現時点では、出会い系アプリのプロバイダーは、単に「関心」を表明することしかできない。

「加えてAppleは、出会い系アプリのプロバイダーがサードパーティの決済システムを利用することに対して、いくつかの障壁を設けた。これもACMの要求と相反する。例えば、Appleはアプリプロバイダーに対して、アプリ外の決済システムを参照するか、代替の決済システムを参照するかの選択を迫っているようだ。これは許されない。プロバイダーはどちらの選択肢も選ぶことができなければならない」。

ACMは2021年に下した決定で、出会い系アプリに対する条件を修正する必要があるとAppleに伝えた。しかし、TechCrunchが報道したように、Appleは差止命令を求め、命令への対応を遅らせることに成功した(命令の一部はまだ封印されたままだ)。

また、同社はこの命令の適用を1月中旬まで遅らせることもできた。

Apple以外の決済インフラで処理されたデジタルコンテンツの販売について、同社はオランダの出会い系アプリから依然として手数料を徴収する意向があることが先週明らかになった。開発者向けサポートノートには「ACMの命令に従い、リンクアウトまたはサードパーティのアプリ内決済プロバイダーを使用する資格を与えられた出会い系アプリは、取引にかかる手数料をAppleに支払う」と記されている。

本稿執筆時点では、その主張はAppleの「StoreKit External Purchase Entitlement」(ACM命令に言及している)に関する投稿にまだ掲載されている。そして、封印されたままの命令の一部は手数料に関係している可能性がある。しかし、詳細を確認することはできていない。

Apple以外の決済システムを使用するアプリにも手数料を課すことができるというAppleの主張について、TechCrunchは先週ACMに問い合わせたが、当局の広報担当者は回答を却下した。「裁判所が支持し、公表を許可した命令の部分しか言及できない」とのことだ。

一方、Appleのサポートサイトは、Apple以外の決済手段を導入するための明確なプロセスを提供する代わりに、関心のあるデベロッパーに「developer interest form」を紹介するにとどまっている。

説明文も「間もなく」詳細情報が提供される、という曖昧な表現にとどまっている。

オランダの出会い系アプリが代替決済手段を導入するための手続きの実装遅れによってAppleに500万ユーロの罰金が発生した(そして増えている)。

もちろん、数百万ドル(数億円)の罰金、あるいは5000万ユーロ(約64億6000万円)の罰金でも、Appleは騒ぎはしないだろう。

しかしいま、App Storeの規約に対する複数の競争法上の苦情や調査はAppleにとってはるかに大きな懸念となっている。これらはアプリ内課金で徴収する手数料を攻撃していて、EU英国アジア米国ではデベロッパー向けの契約条件について当局が調査し、命令が出されているところもある。

短期的には、そして(または)AppleがApp Storeの競争に関する苦情をなくすような実のあるグローバルな競争改革の提案をしない場合、各市場 / 地域の規制当局がAppleの規約の評価に注意を向けるため、iOSアプリ開発者のための規制のパッチワークが迫っている。

差し当たり、iOSアプリの競争と価格設定に関する消費者と開発者の勝利は、しぶしぶもたらされる可能性が高く、苦労して勝ち取るもののようだ。

しかし、Appleの契約条件の事前規制は現在多くの市場で検討されており、その明確な目的は、行動修正を加速させることにある。つまり、故意に遅らせるという戦略は、将来的にもっと高くつくことになりそうだ。

ACMの罰金についてAppleにコメントを求めている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

友だちと写真をホーム画面で共有できるアプリ「Locket Widget」、米App Store上位にランクイン中

新ソーシャルアプリLocket Widget(ロケットウィジェット)が、1月10日あたりから米App Storeのチャートで上位に躍り出ている。このアプリは、iOSのホーム画面のウィジェットに友人のライブ写真を表示するという巧妙なものである。つまり、通常ならニュースや天気、励みになる格言、iPhoneギャラリーからの写真などが表示されるAppleのウィジェットシステムを、プライベートなソーシャルネットワークプラットフォームにしてしまうのだ。

Apple Worldwide Developer Conference(アップル世界開発者会議)の学生奨学金受賞者で、カリフォルニア大学サンタバーバラ校を卒業したばかりのMatt Moss(マット・モス)氏が考案したこのアプリ。Hawkeye Labs(ホークアイ・ラボ)というユーザーリサーチとテストのためのプラットフォームを構築していたときに思いついたものだという。

Locketはもともと個人的なサイドプロジェクトであり、メインフォーカスではなかったと同氏は認めている。

「2021年の夏、彼女の誕生日プレゼントとして作ったものです。彼女は秋には学校に戻る予定で、遠距離になってしまうところだったため、自分のホーム画面に彼女の小さな写真が表示できれば、繋がりを持つという意味でも良い方法だなと感じたのです」。

1〜2週間でこのアプリを作り上げた同氏は、その後半年間にわたって恋人と1日平均5枚の写真を送り合うなど、かなり頻繁にアプリを使用した。Locketでは送受信した写真が履歴に残るため、写真を振り返って見る楽しみもある。

やがて2人の友人たちがこれに気づき、自分たちも恋人や家族、友人同士で使いたいと言い出したため、モス氏はLocketをApp Storeで一般公開することにした。

元旦に発表されて以来、今朝の時点での登録ユーザー数は200万人を超えている。Apptopia(アプトピア)のApp Storeのデータによると、米国時間1月9日の時点でLocketは米国のApp Storeで総合1位となり、その前日にはソーシャルネットワーキングアプリ部門で1位となっている。Apptopiaの報告によると、これまでのところ全世界でのインストール数は約100万で、そのうち約31%が米国からのものだという。ただしこのデータは1月11日までのものである。

Locketが急速に普及したのは、TikTok(ティックトック)のおかげだとモス氏は考えている。Locketの企業アカウントに動画を公開し、アプリを実際に使用している様子をアピールした結果、同氏の動画はわずか数日で10万回もの再生回数を記録。その後、他のTikTokユーザーも、同アプリとLocketのオリジナルビデオで使用されたカスタムサウンドを使った独自のコンテンツを作り始めたのである。

@locketcamera

Link in bio #locket #widget #2021 #2022

♬ original sound – Locket

その結果、同アプリは若いTikTokユーザー層の間で爆発的に広がった。実際、英国のTikTokユーザーが作ったある動画は、1日で500万回再生を突破したとモス氏は話している。

アプリ開発者がローンチ時にTikTokを活用してインストールを促進するというのはよくあることだが、同アプリでは有料のインフルエンサーを起用してのマーケティング活動は一切行われておらず、またTikTokなどで有料広告を出したこともないとモス氏は伝えている。

TikTokでの露出のおかげで、現在LocketはiPhoneの無料アプリチャートで1位を維持しており、またアーリーアダプターらがアプリをダウンロードするよう友人たちにも呼びかけたため、さらなるインストール数を獲得し続けている。

アプリの利用を開始するには、App StoreからLocketをダウンロードした後、電話番号の認証とサインアップが必要だ。

するとアプリがiPhoneの連絡先とカメラへのアクセスを要求してくるのだが、理想的にはアドレス帳へのアクセスなしで、独立型の招待システムから友人を招待できるようにすることができたら、よりプライバシーに配慮したアプローチとなるだろう。アプリをより使いやすくするためにもこの仕組みの変更を検討しているとモス氏は話しているが、Locketが連絡先を保存したり、電話番号を使って自動的に招待を送信したりするようなことはなく、友人に送るテキストをカスタマイズできるiMessageのウィンドウがポップアップ表示されるだけだという。

しかし、連絡先を取り込むという要求を拒否した場合、アプリがまったく使えなくなるということが判明した。

Locketで友達を招待して追加したら、iOSのホーム画面に同アプリのウィジェットを追加する。友人が画像を追加するたびに、それが自分のウィジェットに表示される。逆も同様で、アプリを起動して自分の写真を追加すれば、いつでも友人のウィジェットに送ることができる。

画像クレジット:Locket

このアプリは、ただこれだけのことなのである。派手なカメラフィルターやエフェクトはなく、Camera Rollから画像をアップロードすることもできない。最大5人までの友人や恋人と、写真をリアルタイムで共有するためだけに設計されているのである。

App Storeでトップの座を掴んだモス氏は現在、次のステップを検討中だ。サブスクリプションモデルの導入、ウィジェットの追加の他、いずれはAndroid版もサポートする予定である。外部からの投資を受けるかどうかはまだわからない。

「いろいろと検討しています。どうなるか楽しみです」と同氏。

しかし同氏は、Locketは現在の写真ウィジェットという体験を超えていく可能性もあると考えている。ユーザーが今後より多くの写真を共有することで、時間をかけてアプリ内の機能も成長していくのだろう。

「親しい友人や家族だけの空間というのは、かなり有意義なものだと感じています。特に若い人たちは、広告中心、指標中心のアプリに少し疲れているようです」。

「Instagram(インスタグラム)で1000人の友だちがいたり、Snapchat(スナップチャット)で100人の友だちと画像を送ったりしなければならなかったりと、アプリの巨大なソーシャルサークルにはまってしまい、結局は疲れきってしまうのです。そのため5人、10人の親しい友人だけに向けたものを作り、スマートフォンをアプリではなく人のための、よりパーソナルなものすることができれば、そこには大きなニーズが存在すると感じています」。

ウィジェットでの写真共有エクスペリエンスを提供しているのはLocketが初めてではない。2020年に登場したMagnets(マグネッツ)というアプリも同様のアイデアだが、ここではウィジェットを介して友人にテキストメッセージを送ることもできる。この分野で競合するアプリには、Ekko(エコー)、Widgetgram(ウィジェットグラム)、Lettie(レティ)、Tile Widget(タイルウィジェット)、Fave(フェーブ)などがあるが、どれもまだマイナーである。

Locketは現在iOSで無料でダウンロードが可能だ。一部のユーザーがウィジェットの動作方法を理解していなかったり、開始プロセスに戸惑ったりしていたようで、星3.4つの評価しか得られていない。同アプリの話題が絶頂に達していたころに問題が発生し、後者の問題が頻発していたようだが、我々はその後Locketをテストし、問題が解決されていることを確認している。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

テック大企業をターゲットにした米国初の独禁法案が現実味を帯びてきた

テック企業が自社の製品やサービスを優遇することを防ぐ米上院の大型の法案が、議会における重要なハードルを通過し、法制定に一歩近づいた。

上院司法委員会は米国時間1月20日「American Innovation and Choice Online Act(米国のオンラインでのイノベーションと選択のための法案)」を採決し、注目を集める反トラスト法案を上院本会議での採決へと前進させた。この法案は、5人の共和党議員が上院民主党議員に加わって法案を推進し、16対6で委員会を通過した。

同法案は、テックプラットフォームが「自社の製品やサービスを優遇したり、ライバル企業に不利益を与えたり、プラットフォーム上の競争に重大な損害を与えるような形でプラットフォームを利用する企業を差別したり」することを禁止する。また、支配的なプラットフォームが他のサービスとの相互運用性を妨げたり、プラットフォーム上の他社のデータを活用して競合することも禁じられる。

こうした目的を達成するため「American Innovation and Choice Online Act」は、反トラスト法執行機関に「強力で柔軟な手段」を与え「民事罰、広範な差止命令、緊急暫定措置、役員報酬の没収の可能性」などを認めている。

上院司法委員会競争政策・反トラスト・消費者権利小委員会の委員長Amy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)上院議員(民主・ミネソタ州選出)は、この法案を「インターネットの夜明け以来」上院議場に向かう初のテック大企業競争法案だと称賛している。この法案は、1月20日には進行を妨げなかったものの、最終的な文言に影響を与える可能性がある、いくつかの修正で変更が見られるかもしれない。

混み合い、ほとんど失速している立法議題に盛り込むために上り坂をのろのろと進んでいる一方で、法案の勢いは顕著で、これを受けてGoogle(グーグル)とApple(アップル)は今週初めにコメントで意見を述べている。

「毎日、何百万人もの米国人が新しい情報を見つけて、物事を成し遂げるためにGoogle検索、Maps、Gmailのようなオンラインサービスを使用しています」と Alphabet(アルファベット)のグローバル問題担当社長兼最高法務責任者Kent Walker(ケント・ウォーカー)氏はブログ投稿に書いた。「……下院と上院で議論されている法案は、そうしたサービス、他の人気オンラインサービスを壊す可能性があり、その結果、今ほどに有用かつ安全なものでなくなり、そして米国の競争力を損ないます」。

Appleはまた、上院司法委員長Dick Durbin(ディック・ダービン)氏、共和党の有力委員Chuck Grassley(チャック・グラスリー)氏、反トラスト小委員会委員長クロブチャー氏と小委員会の有力メンバーMike Lee(マイク・リー)氏に手紙を書き、介入を模索した。

「ソーシャルメディアに関する複数の論争、長い間無視されてきた子どもへのリスクに関する内部告発、重要なインフラを妨害するランサムウェア攻撃を目撃した激動の年を経て、議会が米国人の個人デバイスのプライバシーとセキュリティの保護をはるかに困難にする措置を取るとしたら、それは皮肉です」とAppleの政府問題担当シニアディレクターのTim Powderly(ティム・パウダリー)氏は書いている。「残念ながら、これらの法案はそうなりそうなものです」。

2社は、別の法案「Open App Markets Act(オープンアプリ市場法)」とともに、この法案が消費者セキュリティに害を及ぼすと主張した。オープンアプリ市場法案は、OSを管理する企業にサードパーティーのアプリやアプリストアを認めさせ、開発者が消費者に対して、同じソフトをより安い価格で入手できる場所を教えることを認めるというものだ。

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1月17日の週に、Yelp(イェルプ)、DuckDuckGo(ダックダックゴー)、Sonos(ソノス)、Spotify(スポティファイ)、Proton(プロトン)、Match Group(マッチグループ)、スタートアップアクセラレーターのY Combinator(Yコンビネーター)を含むテック企業グループと、ベンチャーキャピタル企業のInitialized Capital(イニシャライズド・キャピタル)が、反自社優遇法案への賛成を表明した。

「米国や世界各国の政府の調査から、支配的なテック企業が、競争、消費者、イノベーションを阻害するゲートキーパーの地位を獲得して市場に定着させるために、多くの反競争的な自己優遇戦術を使用していることが明らかになっています」と、各社は記している。「The American Innovation and Choice Online Actは…デジタル市場の競争を回復し、消費者が望むサービスを選択できるよう、障壁を取り除くために自社優遇をターゲットにしています」。

テック産業の規制は、議会で超党派の協力を促す珍しい問題であり、そうした法案の進捗がまだ這うようなものだとしても、テック産業がそのビジネスに対する新しい規制を予想すべきものだ。

この法案は、上院議員のエイミー・クロブシャー氏(民主・ミネソタ州選出)とチャック・グラスリー氏 (共和・アイオワ州選出)が提出し、Dick Durbin氏 (ディック・ダービン、民主・イリノイ州選出)、Lindsey Graham氏(リンゼイ・グラハム、共和・サウスカロライナ州選出)、Richard Blumenthal氏(リチャード・ブルーメンソール、民主・コネチカット州選出)、John Kennedy氏(ジョン・ケネディ、共和・ ルイジアナ州選出)、Cory Booker氏(コリー・ブッカー、民主・ニュージャージー州選出)、Cynthia Lummis氏(シンシア・ルミス、共和・ワイオミング州選出)、Mark Warner氏(マーク・ウォーナー、民主・バージニア州選出)、Mazie Hirono氏(メイジー・ヒロノ、民主・ハワイ州選出)、Josh Hawley氏(ジョシュ・ホーリー、共和・ミズーリ州選出)、Sheldon Whitehouse氏(シェルダン・ホワイトハウス、民主・ロードアイランド州選出)およびSteve Daines氏(スティーブ・デインズ、共和・モンタナ州選出)が共同スポンサーになっている。

下院版の法案は、下院反トラスト小委員会の委員長David N. Cicilline氏(デイビッド・シシリー二、民主・ロードアイランド州選出)と有力委員のKen Buck氏(ケン・バック、共和・コロラド州選出)が主導し、すでに委員会を通過して投票の準備が整っている。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

「App Storeの詐欺師」と非難された音楽アプリAmpMeが週10ドルの料金を引き下げ

Apple(アップル)がApp Storeの収益の大幅な増加を喧伝していたのとほぼ同じ時期に、開発者であり著名なApp Store批評家でもあるKosta Eleftheriou(コスタ・エレフテリオ)氏は、App Storeに潜む新たな詐欺師と思われる存在を明らかにした。エレフテリオ氏はTwitter(ツイッター)で、音楽同期アプリ「AmpMe(アンプミー)」の利益に言及する投稿を行った。同アプリは、ユーザーの音楽を複数のデバイス、例えば友人たちのスマートフォンやBluetoothスピーカー、コンピュータースピーカーとの間で同期させることで、音楽のボリュームを高めるとうたっている。AmpMeはこの基本的なサービスに週10ドル(約1150円)という信じがたい金額を請求しており、App Storeでフェイクレビューを使ったプロモーションを展開していた。

AmpMeのiOSアプリは、一部の機能の利用にはサブスクリプションを必要としないが、音楽を他のデバイスと同期させたい場合には必要になる。ユーザーがこのアプリをダウンロードした主な理由はおそらく後者であろう。

エレフテリオ氏は、このサービスが同氏のいう「不合理な週10ドル(年間約520ドル[約6万円])」で価格設定されていることを指摘している。ほとんどのアプリ内サブスクリプションと同じように、このサブスクリプションも自動更新される。また、Appleはサブスクリプションの簡単な登録と継続を可能にしているが、キャンセルについては、App StoreまたはiPhoneの設定アプリからアクセスできるアカウントページの「サブスクリプション」セクションからのみ可能となっている。アプリ自体の中でキャンセルすることはできない。

AmpMeは少なくとも料金についてはユーザーを欺こうとしていなかった。登録ページには、無料トライアル提供期間は3日間であり、その後は週9.99ドルのサブスクリプションで提供されることが明記されている。

だがこのアプリがApp Storeのルールに抵触した部分は、潜在顧客へのマーケティングの仕方にあった。

AmpMeは大量のフェイクレビューを購入していた。それはナンセンスな名前に関連する5つ星の評価が多いことからも明らかである。例えば、Nicte VidelerqhjgdやElcie Zapaterbpmtlのような名前は、誰かがキーボードのボタンをマッシュ(ランダムに打つこと)したような感じがある。だがこうしたレビュアーが「すごくいい!」とか「超便利」あるいは「他の音楽アプリは要らない!」などのポジティブなフィードバックを残したことは確かである。

(興味深いことに、これらのレビュアーは他のアプリにも5つ星のレビューを残しているが、すべて同じ日に投稿されていた。実に疑わしい)

フェイクレビューによって同アプリのApp Storeでの総合評価は星4.3となり、まともで便利な音楽同期ツールのような印象を与えた。一方で、本物のレビューは、App Storeの正規ユーザーが法外な価格や基本機能、あるいは明らかなフェイクレビューについて不満を述べていたが、スパムによってかき消された。

Appleは何年もの間、この見かけ倒しのアプリに対策を講じてこなかった。さらに悪いことに、App Storeのエディトリアルコレクションを通じて何度もプロモーションを行っていたとエレフテリオ氏は指摘している。

同氏が今回の件から導き出した結論は、AppleはApp Storeの詐欺師の取り締まりに手ぬるいだけではなく、詐欺アプリの収益のポテンシャルのために、実際にそうする意欲を削がれている可能性があるというものである(これ以外に考えられる結論は、App Storeを消費者のために安全に保つことに関してAppleは無能であるというものだが、これも実によろしくない様相である)。

エレフテリオ氏はAppfiguresのデータを引用し、App StoreでのAppleの手数料控除後の生涯収益として、AmpMeがこれまでに1300万ドル(約14億8900万円)を得ていることを伝えている。

別の企業はこの数字をさらに高くしている。Apptopia(アップトピア)はTechCrunchに対し、2018年10月にアプリ内課金による収益化を開始して以来、1600万ドル(約18億3300万円)の収益を上げたと語っている。そのうち1550万ドル(約17億7600万円)がApp Store経由で、50万ドル(約5730万円)がGoogle Play経由であった。アプリ内購入収益の大部分(75%)は米国の消費者からのもので、これまでに3350万のライフタイムインストールを記録しており、そのうちの38%は米国からとなっている。

TechCrunchに寄せられた回答の中で、AmpMeは今回提起された主張の一部に異議を唱えた。

同社によると、ユーザーは年間520ドル、つまり週10ドルのサブスクリプション料金の合計に相当する金額を支払っていないという。有料ユーザー全体の平均年間サブスクリプション収益は約75ドル(約860円)であると同社は説明する。これは、ユーザーが無料トライアルを利用した後、ある程度の時間を置いて購読をキャンセルしていることを示している。AmpMeはまた、内部的には、このことが自社の価格設定の透明性とオプトアウト手続きの容易さに対する信念を強めたことにも言及した。

しかし同社は、なぜApp Storeのリスティングがフェイクレビューで埋め尽くされたのかについて適切な回答を示さず、代わりに匿名のサードパーティに責任を転嫁した。

「私たちは、多くのスタートアップがそうであるように、マーケティングとアプリストアの最適化を支援する外部のコンサルタントを何年にもわたって雇ってきました。さらなる監視が必要であり、それが私たちが現在取り組んでいることです」と匿名のAmpMe担当者から送られた声明文には記されている(eメールの署名は「AmpMeチーム」となっていた)。

さらに同社は、この最近のフィードバックに対応するものとして、同アプリの新バージョンをより低い価格でリリースすることを明らかにした。

「私たちは常にAppleのサブスクリプションガイドラインを遵守しており、その高い基準が確実に満たされるように継続的に取り組んでいます」とメールには書かれている。「また、コミュニティからのフィードバックを尊重し、その価値を重んじています。したがって、より低価格の新しいバージョンのアプリは、すでにレビュー用としてApp Storeに提出されています」。

このバージョンは現在公開されており、毎週のサブスクリプション料金は9.99ドルから4.99ドル(約570円)に引き下げられている。

エレフテリオ氏は米国時間1月13日、フェイクレビューが手動で削除されているようであるとTechCrunchに語った。

米国時間1月10日の午前11時に、同氏はこのアプリのレビュー数が5万4080件であったことを伝えていた。AmpMeかなり悪評立った後、11日午後9時までに同アプリのレビュー数は5万3028件に減少した。12日の午前7時までにレビュー数は再び減少し、5万693件になった。しかし、アプリ全体の評価はあまり影響を受けていない。これは、偽のApp Storeユーザーが投稿したレビューが削除されている一方で、5つ星の評価が付けられているがレビュー内容やレビュワーの名前が表示されていないレビューは削除されていないことが考えられる。つまり、クリーンアッププロセスは、同アプリがフェイクレビューを購入したことを明らかにするものではないということである。

また同じように興味深いのは、AmpMeのCEOであるカナダのテクノロジー起業家Martin-Luc Archambault(マルタン=リュック・アルシャンボー)氏である。同氏が開発し、ソフトウェアからアドウェアに転換した「Wajam(ワジャム)」は、カナダのプライバシーコミッショナー事務局(OPC)によって過去に調査され、同意なしにユーザーデータを収集してカナダのインターネットプライバシー法に違反したことが判明した。また、複数の方法を用いてウイルス対策ソフトウェアによる検出を回避したと当時の報道は伝えている。OPCが調査結果を発表した際、アルシャンボー氏は問題のカナダのユーザーデータは破棄され、Wajamはその資産を中国企業に売却したと主張していた。OPCの報告書によると、同アドウェアはその存続期間中に何百万回もインストールされたという。

つまり、これはフェイクレビューを買うことに反対する人の話とは思えない。

AmpMeは当初の声明以降の追加質問に回答しておらず、Appleにもコメントを求めているが回答は得られていない。

Crunchbase(クランチベース)のデータによると、AmpMeはこれまでに1000万ドル(約11億4600万円)のVC資金を調達している。

画像クレジット:AmpMe

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)