アップルが独自のブッククラブ「Strombo’s Lit」を米国などのApple Booksアプリ内に立ち上げ

Oprah、そしてReese、では次はAppleか?iPhoneのメーカーがこのほど、そのApple Booksアプリの中に直接、独自のブッククラブを立ち上げた。米国とカナダと英国とオーストラリアの読者に、Appleが選んだフィクションやノンフィクションが提供される。ただしApple PodcastsやApp StoreにあるAppleのその他の編集者的サービスと違って、無名の編集者たちが本を選ぶのではなく、カナダ人のメディアパーソナリティでApple Music HitsのホストであるGeorge “Strombo” Stroumboulopoulos(ジョージ・ストロンボロ・ストロンボロポロス)氏が選ぶ。

そのため実はこのブッククラブは「Strombo’s Lit」と呼ばれている。

ストロンボロポロス氏はApple Musicのチームにいるが、ブッククラブは音楽関連の本を優先しない。むしろStrombo’s Litのテーマはかなり幅広くて、世界をもっとよく見るためのレンズを提供する、とApple(アップル)はいう。読者層の定義は漠然としており、世界の最良の著者のコンテンツを読んで勉強したいと思っている人なら誰でもとなっている。

画像クレジット:Apple

ネット上のブロードキャストとラジオを長年やってきたストロンボロポロス氏は、パンデミックの最中の2020年8月にAppleに入った。彼は今、ライブのApple Music Hitsの「Strombo」という番組で、アーティストとリスナーをつなごうとしている。米国時間2月8日に放送された最近の番組で彼は、Strombo’s Litのローンチを発表した。

このブッククラブは、生涯の本好きであるストロンボロポロス氏が新型コロナウイルスの蔓延によるロックダウンの間に大量の本を読み、好きな本のことを友だちに話したくなって始めたものだという。もちろんクラブでは、彼が個人的に選んだ本にもっと多くの読者がアクセスできる。この新しいブッククラブに関心がある人は、iPhoneやiPadやiPodタッチ、Apple WatchなどのApple Booksアプリで見つけるか、ユーザーネーム@stromboで彼自身のソーシャルチャンネルからジョージをフォローするとよい。クラブでは、彼が選んだ本にアクセスできるだけでなく、インタビューなど、その他のコンテンツもあり、その一部をソーシャルメディア上で共有もできる。

やあ、みなさん、元気かな。すごいことがあるんだ。これから、ブッククラブでお友だちを作るのさ。会話もある。つながりができる。プレゼントもある。ぜひ、来て見てちょうだい。最初の本はNeal Stephensonの「Termination Shock」です。

最初の「Strombo’s Lit」のおすすめは、Neal StephensonのSFスリラー「Termination Shock」だ。彼はベストセラーの「Seveneves」や「Anathem」「Reamde」などを書いてる。これらは、Apple Booksにもある。

Appleは新しいブッククラブによって、今あるApple Booksの本の選択がなくなるわけではない、と明言している。Apple Booksの編集者たちは本の選択を続行し、それらをApple Booksアプリの「Book Store」タブにある多様なコレクションに収める。クラブの方は、ストロンボロ氏が個人的に選んだ本が単純に提供される。

しかし、Appleがなぜ、こんなブッククラブを立ち上げるのだろう?それは、ブッククラブの成功が個人の人気や個人崇拝に基づいていることが多いからだ。そんな個人とは、たとえばOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏やJenna Bush Hager(ジェンナ・ブッシュ)氏だ。ストロンボロ氏はオンラインのフォロワーが多く、Twitterのフォロワーは86万人いる。彼は、誰もが知っているというタイプのキャラクターではない。しかしそれでも、Appleのような巨大テクノロジー企業がブッククラブをやる例は他にもある。Netflixは10月に、は連続ドラマや映画の原作になった本を紹介するためのブッククラブを発表している。

画像クレジット:egal/iStock

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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