芝刈りロボットのRobinが、専用自動ドアを発売

遡って2016年、TechCrunchのスタートアップ・バトルフィールドの壇上に登ったRobinは、単に売るだけではないサービスとしてのロボティック芝刈機の可能性をデモした。彼らは今も元気に活動中で、言われてみれば実に明白なアイデアを導入して特許も取得した。それは、前庭と裏庭の間を芝刈機が行き来できるようにする自動ドアだ。

裏庭を木製や金網の塀で前庭と仕切って、犬や子供を安心して遊ばせされるようにしておくのはよく見られる光景だ。しかし、幸運にもロボット芝刈機を持っている人にとっては、双方に持ち運ぶの面倒だ。そもそも持ち上げたり、操作したりしなくすむことが本質だったのではなかろうか?

Justin CrandallとRobinのチームがたどり着いたアイデアは単純明快、芝刈機だけを通すサイズの自動ドアだ。

「テキサスでは90%以上の家の裏庭に塀があり、シャーロットやクリーブランドのような都会でも25~30%に上るので、この種のテクノロジーは必須だ」とCrandallが私に言った。「通常ロボットは防犯上裏庭で保管する。前庭の芝を刈る時になると、われわれが塀に設置したドアに向かって進む。ロボットがドアに近づくと、地面に置いたセンサーを通過する。センサーがドアを解錠し、ロボット芝刈機を通す。

単純? そのとおり。ワイヤレスやIRセンサーではなく、磁気センサーを使っているのは誤検出を避けるためだ。価格は100~150ドルで、ロボットやベースをもう1台買うよりずっと安いし、ロボットを持ち運ばなくてすむことに3回か4回気づくころには元がとれるだろう。

特許をとっているが、ライバル(たとえば最近芝刈機を発売したiRobot)が(特許に触れない程度に)違うものを作る可能性はもちろんある。

Robinはいくつかの州とフランチャイズ(当初から計画していた)に販売範囲を拡大し、この全て込みの「サービスとしてのロボット」方式が、自分で買って所有するよりもよいという立場を貫いている。広い庭があって、芝刈りしてくれる若者がいない人は、住んでいる地域でRobinが利用できるかどうか調べてはいかが?

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MITのロボットはAI学習でジェンガがプレイできる

ロボットに自律的にジェンガをプレイさせるのは非常に複雑な作業であることがわかった。なにしたくさんの不確定な要素がある。MITの研究者はABB IRB 120ロボットハンドをベースに積み木からブロックを抜くポピュラーな家庭向きゲームに取り組んでいる。

ロボットにはソフトな素材のグリッパーとセンサー、また微妙が動作が可能な手首関節、積み木のタワーを倒さずにどのブロックを抜けるか判断するための外部カメラなどが組み込まれた。

このロボットは、ブロックを押すときにそのブロックを抜くのが安全そうか触覚フィードバックで判断することができる。通常ロボットに新しい動作を行わせるときには数千回の試行を繰り返すが、このロボットの場合は300回だった。MITのAlberto Rodriguez准教授はこう説明する。

チェスや囲碁などのゲームは完全に知的な認知処理だが、ジェンガというゲームをプレイするには、触って試す、ブロックを押したり引いたりするなどの物理的操作のスキルの習得が必要になる。これを当初からシミュレートするのは非常に困難なので、ロボットは実物のジェンガをプレイすることによって実世界で戦略を学ぶ必要がある。重心、安定性などに関する既知の物理学的ルールと常識を活用して比較的少数の実験から適切な戦略を学ばせることがポイントだ。

なるほどこのロボットは一部の操作では非常に巧みに動作できるようになったが、経験豊富な人間のプレイヤーに対抗できるところまでは来ていない。ことに難しいのは相手プレイヤーを妨害するために重要なブロックを抜いてタワーの安定性を低下させることだ。ロボットはまだ有効な妨害戦略を考え出せるレベルにはなっていないという。

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滑川海彦@Facebook Google+

アメリカがHuaweiを刑事告訴、カナダ政府にCFOの身柄引き渡しを求める

【抄訳】
アメリカ司法省は今日(米国時間1/28)の記者発表で、中国のモバイル大手Huaweiを起訴することを明かした。今月(2019/1月)初めのThe Wall Street Journalの報道に続いて本誌TechCrunchも、 起訴は近いとと報じていた

シアトルの大陪審はHuaweiを、企業秘密窃盗の共同謀議、企業秘密窃盗未遂、7件の通信詐欺、および複数の証人候補を中国に帰国させたとする司法妨害で告訴することを決めた。この起訴の起源は、2014年の民事訴訟に遡り、そのときはT-MobileがHuaweiを、“Tappy”という名で知られていたスマートフォン試験ロボットに関わる企業秘密を盗んだとして告訴した。

司法長官代理Matthew Whitakerは次のように述べた: “8月に中国の政府当局に言ったように中国は、法の遵守に関して説明責任のある一般国民と中国企業を拘束すべきである”。

同社だけでなく、HuaweiのCFO Meng WanzhouとHuaweiの系列企業Skycom Huawei Device USAも、ニューヨークの大陪審による13件の起訴kに直面している。Huaweiの創業者の娘であるMengは、銀行詐欺、通信詐欺、銀行および通信詐欺の共同謀議で起訴される。

参考記事: アメリカがHuaweiを企業秘密窃盗で告訴か

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

関税はロボットにどのような影響を与えたか?

先の7月、ティム・クックははOval Officeでドナルド・トランプ大統領と会い、シンプルなメッセージを伝えた。「私たちは、関税が最終的には消費者の負担となり、経済成長を抑制することになると思っています」というのがクックがトランプに伝えたメッセージである「そして時には、意図しない結果を招く重大なリスクもたらす可能性があります」と彼は付け加えた。

クックの説得は成功し、トランプはAppleの製品の一部に対する関税に対して、土壇場で猶予を与えた。だがそれにもかかわらず、同社が最新の決算報告を行った際には、クックは比較的低調だった同社の決算の理由を、双方向の関税と迫り来る貿易戦争のためであるとした。

関税の影響はきわめて広範囲に及び、その影響はソーラーパネルから大豆までを含む全てに及んでいる。Harley Davidsonが昨年、そのコストを4000万ドル以上と予想したことはよく知られている。昨日ニューヨークタイムズ紙は、輸入製品に対してかかる20%から始まる関税のおかげで、洗濯機業界の売上高と株価が下落したことを記事にした

家庭用電化製品は非常に幅広い部品調達を行っていることが多いため、非常に大きな影響を受けている。

CTAの会長兼CEOであるGary Shapiroは、TechCrunchに対して「現在の関税のコストは依然として問題です。潜在的により多くの関税が輸出規制と組み合わされることの不確実性は、5G、人工知能、ロボットの世界的なリーダーシップに対する真の脅威なのです」と語った。「米国のGDPの10%、1500万人以上の雇用を生み出しているハイテク産業は、今年すでに関税によって大きな打撃を受けています。私たちの業界は、毎月10億ドルの追加関税を支払うことはできません。関税は税金なのです」。

ここ数ヶ月、製造業者たちは価格を上げるかコストを吸収するかの選択に直面してきたが、どちらも不安定な経済状況においては特に優れた選択肢ではない。このことによって、消費者向けロボットの主要な推進力となってきた、マサチューセッツ州を拠点とするiRobotが、困難な立場に立たされている。

CEOであるColin AngleはTechCrunchに対し、同社のプレミアム価格のRoombaデバイスは価格に対しての影響はあまりないものの、依然として大きな危機を感じていると語った。

「関税は最低です」とAngleは言う。「第4四半期に、私たちは関税分のコストを吸収しました。価格改定はしていません、そして私たちは、昨年の利益に対する影響を500万ドルと見積もっていたと思います。2019年には、他のすべてのロボットメーカーやほとんどの消費財メーカーと同様に、価格を引き上げました。なぜなら私たちのビジネスモデルではもう影響を吸収しきれなかったからです。それが意味することは、業界の成長が阻害されるということです」。

より工業的な側面では、ロボット産業は鉄鋼輸入価格の高騰に強い打撃を受けている。「最近中国から輸入される多くの鉄鋼に課されている関税は、Eckhartだけでなく、競合する多くの同業他社にも影響を与えています。そしてもちろん顧客にも」と、協働ロボットメーカーであるEckhartのCEO Andrew Stormは、Fox Businessに対する最近のインタビューで語った

中国を拠点とするドローン大手DJIのことはあまりはっきりしていない。「部品と様々な機材に関しては、ある程度の関税の影響が出ていますが、私たちのドローンビジネスそのもに影響は出ていません」と広報担当者はTechCrunchに語った。「私たちは常に関税、通貨の変動、その他の要素を、世界中の国々の価格設定の中で考慮していなければならないので、ここでその影響を誇張したくはありません。私たちは状況を注意深く観察しています。私たちはこうした貿易問題に直接手を出すことはできませんから、私たちは引き続き皆様に買っていただける最高のドローン作りに集中するだけです」。

現在のところ、中国との迫り来る貿易戦争でさえ、少なくともロボットとオートメーションの必然的な流れを止めることはできないように見える。とはいえ、成長が阻害される可能性はある。

「私たちに課されている関税は、これまで産業用ロボットや自動化技術の主要な買い手であった自動車製造業などの製造業に影響を与えていいます」とTechCrunchに語るのはIDCのリサーチディレクターで商業用サービスロボットを担当するJohn Santagateである。「2018年には自動車製造業からのロボットの受注がやや減少しましたが、一方他の業界からのロボットの受注は大幅に増加しました。他の産業分野におけるロボットは力強い成長を示しており、いずれにせよそれは続くことでしょう」。

画像クレジット: Luis Castaneda Inc.

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(翻訳:sako)

4分の1の職業がオートメーション化の’高リスク’あり

将来、誰もがオートメーションから完全に逃れることはできないだろうが、ブルッキングス研究所の新たな分析によると、米国の職業の25%がオートメーションに取って代わられるリスクが高いのだという。これは、完全に立ち直っていない求人市場にとって、やや恐々とした予示だ。

中でもリスクが高いのは交通、食品調理、製造、事務の分野だ。分析によると、ロボティクスや人工知能により、業務の70%近くが自動化される恐れがあるという。予想できることだが、処理、データ収集、肉体労働はリスクが最も高い。

オートメーションは特定の地域と教育をあまり受けていない労働者に、より大きな影響を及ぼすことが予想される。同様に、異なるセグメントの人々に異なる形で影響を及ぼすことも見込まれる。

分析では「若年層で教育をあまり受けていない労働者は、過小評価された他のグループとともに今後、オートメーションによってかなり差し迫った状況に直面するだろう」としている。「若い労働者とヒスパニックは特にそうしたリスクにさらされる」。

これはある種、不可避であるようだ。こうしたシナリオは実際に繰り返し展開されてきた。ただ、地方自治体や産業界は労働者を教育したりスキルを向上させたりすることで労働者がオートメーションの影響に備えるのを手伝うことができる、と同研究所は指摘している。

イメージクレジット: Sean Gallup

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IntelがロボティクスやAR/VRハードウェア用のインサイドアウトトラッキングカメラを発表

このほどIntelが発表したRealSenseカメラは、主にハードウェアメーカーに、彼らの製品が今世界のどこにいるかを自分で理解する能力を提供する。そのRealSense Tracking Camera T265(上図)で、ロボティクスやAR/VRのハードウェアにインサイドアウトトラッキングの能力を簡単に与えることができる。

このトラッキングカメラはSLAM(simultaneous localization and mapping)の技術を利用してデバイスの向きを制御し、同時に今自分が歩いている環境の詳しい空間レイアウトを作りだす。そして当然ながらコンピュータービジョンチップセットMovidius Myriad 2を搭載し、カメラのデータ処理をさせる。

インサイドアウトトラッキングはますます、計算集約的ではなくなりつつある。そしてこれこそが、IntelがT265で大きく進歩しつつある分野だ。

T265は2月末に199ドルで発売される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonが自社製配達ロボットをテスト中

Amazonが配達ロボットを採用するのはもちろん時間の問題だった。世間の注目は倉庫の物流管理に集まっていたが、同社には何年も前からロボティクス部門がある。そして今日(米国時間1/23)、Scoutのベールが剥がされた。

この6輪ロボットは、すでに世界中の歩道をテスト走行しているいくつかの配達ロボットとよく似ている。しかし、これはAmazonの社内で開発されたようだ。同社の発表によると、大きさはビーチ用のクーラーボックス程度で、人が歩くくらいの速さで走行する。

ボットのパイロットテストは、ワシントン州シアトルのあるキング郡に隣接するスノホミッシュ郡で行われる。同社としては、ふだん静かな近隣を巡回する小さな青いロボットに住民が困惑する前に告知したかったことは間違いない。さらにはしゃれた音楽の入った広告まで作って怖がる必要がないことを人々に訴えている。

パイロットプログラムは6台のScoutでスタートする。ロボットは無人で目的地に到着するように作られているが、これらの初期モデルにはAmazon社員が同行してすべてが計画通りに進むことを確認する。AmazonがScoutをもっと広く展開することになれば、いずれはUPS、FedEx、USPSなどの運送会社の「ラストワンマイル」を補完することができるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソニーのロボット犬、Aiboがアップデートで賢くなった

Aiboが出たときは大いに期待した。犬もロボットも大好きなのだ。しかし実際にテストしてみると、3000ドルもするわりに機能は限定的だった。ロボット犬が本当に家族の一員になるのはだいぶ遠いようだとため息をついたものだ。

それから数ヶ月、ソニーはいくつかのアップデートを実施した。これでまた私の関心が呼び覚まされた。われわれの姉妹メディア、engadgetによればAiboの「チョコ・エディション」は焦げ茶と茶色の塗装のおかげで見ためが今までより犬らしくなった。現行の白バージョンと価格は変わらない。

しかしもっと重要なのはAiboに新しい芸が用意されたことだろう。当面一番役に立ちそうな芸のパッケージは内蔵センサーを利用した見守り機能だ。「aiboのおまわりさん」はソニーが以前から準備していたものだが、ロボット犬の顔認識と3Dマッピング・テクノロジーをセキュリティー監視に利用している。
日本では大手警備保障会社のSecomと提携したパッケージの提供も検討しているという。「おまわりさん」その他のaiboの新しい芸の利用は有料で、月額1480円のプレミアムプランのサブスクリプションが必要だ。またサードパーティーが利用できる開発プラットフォームも夏までに公開されるという。

本体価格を考えると、これで購入者が殺到するようになるかどうかわからないが、少なくともソニーがロボット犬のサポートに力を入れていく姿勢がはっきりしたのはグッド・ニュースだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

aiboが「操作できるロボット」に、ソフトウェアAPI公開へ

eng-logo-2015ソニーは、ペットロボット「aibo」の開発環境を2019年夏を目処に公開すると発表しました。

aiboの開発環境は、Web APIとして公開され、開発者やユーザー(aiboオーナー)が無償で利用できるようになる予定。開発環境を通して、aiboをロボットとして操作できます。23日に実施された発表会では、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」と連携してアイボにティッシュペーパーを引き抜かせるデモンストレーションが披露されました。

aiboは犬のように自由に動き回って、触れ合いによって性格が変わっていくペットロボット。今回のAPI公開はそのコンセプトに反しているようにも思えますが、たとえば「玄関ベルの音を効くと玄関に駆けていく」といった動きはオーナーがプログラミングした方が手っ取り早く実現できるかもしれません。

なお、aiboはユーザーの顔を撮影したり、家の間取りを地図化したりする機能を備えていますが、Web APIではそのデータそのものにはアクセスできないようにするとしています。

ソニーでは今後、企業や団体、教育機関向けに連携機能のライセンス提供を行うとしています。

Engadget 日本版からの転載。

小松菜栽培ロボ開発のレグミンがインキュベイトファンドから1億円を調達

レグミンは1月22日、インキュベイトファンドを引き受け先とする1億円の第三者割当増資を実施した。レグミンは、自律走行型ロボットを活用して農業の効率化を目指すスタートアップ。

レグミンで代表取締役を務める成勢卓裕氏(写真左から2番目)と野毛慶弘氏(写真左から3番目)、インキュベイトファンドの代表パートナーを務める赤浦 徹氏(写真右から2番目)

農業ロボットの開発および、AIを活用した生産者向け経営プラットフォームを提供しており、第1弾として小松菜の栽培コストを75%カットすることを目標とした、葉物野菜の種まきから農薬・肥料の散布、収穫までを全自動化するロボットを開発。ロボットによる野菜や障害物位置の自動認識やAI画像解析による農作物の成長状況の把握などによって、農業機械費および人件費の削減に貢献することを目指しているという。そのほか遊休農地の「調達」および、スーパーなどへの「流通・販売」までを一貫して担うことで、生産・流通の両課程の効率化を実現。日本の農業は販売農地が18年前対比で50%減少しているなど深刻な労働力不足に陥っていることから、同社はロボットを活用して日本の農業の持続的な発展に取り組んでいるという。

小松菜などの葉物野菜の収穫を効率化するロボットを開発するレグミン

レグミンの代表取締役を務める成勢卓裕氏は「『日本の美味しい野菜を次の世代にも残したい』という想いで農業界の抱える課題にチャレンジしたいと起業いたしました。若手就農者を増やし、テクノロジーを活用する事で日本の素晴らしい農業を次の世代に、更には世界中に広めていきたいと考えております」。同じく代表取締役を務める野毛慶弘氏は「私は祖父母共に農家の家系で幼少期より農業の手伝いをして過ごしました。静岡銀行で農業関連企業を複数支援した後、退職後は日本中(九州、四国、関東、東海)の農地を巡りました。その後、農業に従事すると同時に地場優良スーパーの青 果部門で働き農業に関する知識を深めました。日本中の農地を巡って洗い出した課題や農業従事や青果部門での勤務による知識を踏まえ、日本の農業をより良くするために起業しました。」とコメントしている。

第三者割当増資の引き受け先であるインキュベイトファンドは、シードスタートアップへの投資に特化した独立系ベンチャーキャピタル。代表パートナーである赤浦 徹氏は「野毛さん、成勢さんの農業にかける想いと人柄に惹かれ、ビジネスモデルの設計からご一緒し、投資させていただきまし た。レグミン社の事業は後継者不足や耕作放棄地の増加など、日本の農業が直面する問題を解決する社会的意義の大き な事業になると考えており、共に事業成長に取り組んでまいります」とコメントしている。

野菜の収穫といえば、TechCrunch Tokyo 2018のスタートアップバトルのファイナリストであるinahoが開発している、アスパラガス、きゅうり、ピーマン、トマト、ナスなどに対応したロボットもある。人工知能とロボットで日本の農業の深刻な問題を解決するスタートアップの動向については、TechCrunchとしても継続して追いかけていきたい。

Amazonの電子ベストは労働者とロボットの安全な共同作業を支える

昨年Amazonは、25あまりの倉庫等で、労働者の安全性のための新しい着衣を採用した。そのRobotic Tech Vestと呼ばれる着衣は、一見すると二本のサスペンダーを電子回路を内蔵するベルトにくっつけたもののようだ。このAmazon Roboticsが設計した製品は、労働者がロボットシステムを修理したり、落下した品物を回収したりするときの安全を確保することが目的だ。Amazonのロボットシステムのセンサーが着用者を感知すると、動きを遅くして衝突を避けようとする。

つまりこのベストは、ロボットの障害物回避検出機能と協働する。

Amazon RoboticsのVP Brad Porterはこう語る: “われわれのロボットシステムは全体的に、複数の安全システムを採用している。それには、訓練素材もあれば、入り口の物理的なバリヤー、プロセス制御、オンボードなどさまざまだ。過去には、人間が自分が作業しているセルのグリッドをマークすると、ロボットのトラフィックプランナーがその区域の方向へルートを回していた。しかしこのベストで可能になったのは、ロボットが遠くからでも人間を検出して、その旅程プランをスマートにアップデートする。人間がそのゾーンを明示的にマークしなくてもよい”。

仕事の現場に人間とロボットの対話があるときには、言うまでもなく安全が重要な課題になる。労働安全衛生局OSHA(Occupational Safety and Health Administration)はこう言っている: “調査によれば、ロボット事故の多くがルーチン以外の運用条件で起きている。それらは、プログラミング、メンテナンス、試験、セットアップ、調整などだ。このような運用の間に、労働者が一時的にロボットの作業圏域に入ってしまうことがある。そしてそこで、意図せざる操作が傷害を招くことがある”。

12月には、Amazonの20数名の倉庫労働者が病院に搬送された。その、熊撃退スプレーの爆発事故には、ロボットが関与していた疑いがある。ロボットと人間のコラボレーションが一般的になるに伴い、安全を最優先して、これらの巨大な金属製マシンと付き合うことが重要だろう。

Porterによると、ベストのテストは“大成功”だったそうだ。ベストの総起動回数は100万回を超え、その結果がすべて、システムのログと共に記録された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ANYmalはシミュレーションで起き上がり方を学んだ――チューリヒ工科大学、ロボット訓練システムを開発

高機能なロボットの開発はコストのかかる作業だ。新たに複雑な動作を教え込もうとすればおそろしく時間がかかる。しかし適切なシミュレーション・システムがあれば、マシンを訓練する費用も時間も大きく節約できる。スイスのチューリヒ工科大学のRobotic Systemsラボはこれが可能であることを実証する論文を発表した。

Robotic Systemsのサイトによれば、犬型4脚ロボット、ANYmalを訓練できるニューラルネットワークを利用したシミュレーション・システムを開発したという。TechCrunchではANYmalが倒れても起き上がれることを紹介したが、このアルゴリズムもシミュレーションによって実現した。

このシステムでは同時に2000台のANYmalの作動をリアルタイムでシミュレーションすることができるという。つまりどんなアルゴリズムがどんな結果をもたらすか、短時間に極めて多数の可能性を調べることができるわけだ。

収集されたデータは現実のロボットのソフトウェアにフィードバックされる。Popular Scienceによれば、多くのメーカーが自動運転車を開発する際にもこうした方法を用いているといいう。

チューリヒ工科大学の研究チームは、「シミュレーションによって得られた戦略を用いることにより、われわれの4脚ロボットは転倒してどんな姿勢になっても起き上がることができる能力を獲得した。これは従来の方法では不可能だった。ANYmalシステムでは無駄なエネルギーを使わず各パーツを正確にコントロールする高度な作動コマンドが発行される。これによって走る速度もアップし、困難な姿勢に転倒しても立ち上がることができるようになった」と述べている。

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【以上】

ロボットはそっとつかんだり、倒れても起き上がれるようになった――適切なユースケースを考えよう

現在のロボットの能力は驚異的レベルに達しているが、特定の分野を除いて活用は進んでいない。ここではロボットの物理的柔軟性ではなく、人間の頭の柔軟性が何より求められるところだ。この記事では新たな能力を獲得した3種類のロボット・テクノロジーを紹介する。最初のロボットは複雑、微妙な作業ができる手を備える。2番目は倒れても自力で起き上がれる。3番目は過去に一度も見たことがない視覚的指示に基づいて行動できる。

これらのロボットは別々の組織で独立に開発されたものだが、今日(米国時間1/16)、 Science誌のロボティクス特集号で一堂に会して紹介されている。テクノロジーとして興味深いだけでなく、それぞれにロボットが現実世界で活躍できる場面を拡大するものと思う。

マジック・ハンド…

それぞれの仕事にはそれに適したツールを使う必要がある。人間の腕の端には非常に万能性が高いツールが付属している。われわれは対象を指先でそっとつついたり、柔らかく持ち上げたりできる。この能力があるのでわれわれは対象の重さや硬さを知り、卵を割ったり、他の道具を使ったりできる。

これまでのロボットの「手」にはこうしたことができる能力がなく、これがロボットの応用範囲を狭める大きな原因となってきた。カリフォルニア大学バークレー校で開発されたロボットはピンセット式に加えて真空吸引式で対象をつかむことができる手を備える。これによって対象の性質を認識し分類することが可能になる。

この両方の能力を備えたロボットは、ニューラルネットワークによりその場の試行錯誤でどちらか適した方式を選択できる(位置認識には3D画像認識が用いられている)。これによりロボットはこれまでに見たことがない対象に対しても適切に対処できる。.

下のGIFではロボットはぬいぐるみを吸引カップでつかもうとして失敗すると即座にピンセット式に切り替えてつまみ上げることに成功している。このシステムはロボットの対象物のハンドリング能力を飛躍的に拡大する。さまざまなアイテムが混在する倉庫でロボットと作動させる場合などを考えれば重要性がわかるだろう。

バークレー校でロボティクスを教えるKen Goldberg教授は、取材に対して「ニューラルネットワークにはブラックボックス的部分が残るため、Dex-Net 4.0ロボットがどのような基準で手を使い分けるのか完全に知ることはできない。しかし一定の傾向は認められる」とメールで答えている。

倒れても起き上がれるANYmal

すでに4脚ロボットはあらゆる地表条件で安定して歩行できる能力を備えている。しかもつまづいても(意地悪な人間に蹴られた場合でさえ)態勢を立て直すことができる。しかしひどく倒れた場合は起き上がることができなかった。

これはロボットの脚が直立した状態に適したメカニズムになっているためだ。しかしわれれわれも紹介したANYmalはスイスのチューリヒ工科大学(ETH Zurich)で開発されたロボットでさらに高い柔軟性を備えている(Continentalは宅配サービスへの利用を考えている)

もちろんロボットの柔軟性が高くなればもっとも適したユースケースを決めるはそれだけ難しくなる。そこでどんな応用が効果があるかを決定するシミュレーション・システムを使う方法が提案されている。

もちろんすべての状況をシミュレーションすることはできない。現在ある種の対象はシミュレーター内で正確に再現することが困難だ。しかしシミュレーターを使うことで今まで考えられなかった新しい適用分野が発見されることもあるし、効率化が大きく進むこともある。たとえば下の画像を見てみよう。

robot

どんな倒れ方をした場合でも脚を自由に動かせる空間がありさえすればANYmalは同じ方法を用いて難なく立ち上がる。しかしこれは最初からこのようにアルゴリズムを組んだ結果ではない。シミュレーションを無数に繰り返し、そのつどアルゴリズムにフィードバックさせていくうちにこのような洗練された動作ができるようになったのだという。

イケアの家具を組立てられるようになる…?

眼の前に3つのトレイが置かれているところを想像してみよう。左右のトレイは空だが中央のトレイには赤いボールと緑のボールがいくつか並べられている。そこで下の図のような紙を渡されたとしよう。

普通の知性を備えた人間ならこの紙を操作の指示として解釈を試みるだろう。赤丸の下に左向き矢印、緑の丸の下に右向き矢印がある。では赤いボールは左のトレイに、緑のボールは右のトレイに移せばよいと考えるのが普通だ。

われわれは普段何気なくこうした結論に達している。しかしこの種の直感的解釈には膨大な情報処理が行われている。紙に印刷された赤い丸が現実空間の赤いボールを意味しているとどうやったら判断できるのか? 形の類似だろうか? 矢印についてはだろうだろう? どうやって矢の向きを判断しているのか、またその向きがボールを移動するときの方向だと分かるのはなぜだろう? そもそも渡された紙が作業指示書だと判断できる理由は? 疑問は無数に出てくる。ロボットに初めて見る指示書を見せて動作を行わせるのがいかに困難か想像がつくと思う。

Vicarious AIのMiguel Lázaro-Gredilla のチームは「赤い丸、緑の丸」のようなできるだけ単純化した例を用いて、抽象的な指示でロボットを正しく作動させる研究に取り組んでいる。

もちろん実験はまだ初歩的な段階だ。しかしロボットに直感や常識をもたせることが可能であれば、やがて製品に付属する指示書を解読してイケアの家具を組み立てることだってできるはずだ。その段階に到達するまでにはまだかなりの期間が必要らしいが、それを言うならロボットが倒れたら最後起き上がれなかったのはそんなに昔のことではない。もちろん当時はロボットが対象物をつかむのに真空カップを使うかピンセットを使うかその場で判断することもできなかった。

ここで紹介したロボットのコンセプトやデモの詳細についてはScience Roboticsサイトで知ることができる。

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CES 2019:自動車運転車からロボット犬が降りてくる――Continentalが新宅配システムを発表

犬好きには朗報だ。タイヤ、自動車部品のメーカー、Continentalの新しいパッケージ配達システムでは最後のステップをロボット犬が担う。今日(米国時間1/7)、CES 2019の開催を明日に控えて、ContinentalはSF的な黒と黄色の自動車運転車とロボット犬を組み合わせた宅配システムを発表した。

クールでちょっとばかり人を驚かせる見た目だが、自動配達の安全性、効率性、適用範囲を大きく拡大しようという試みだ。パッケージ配送のラストワンマイルの前半はCUbE(Continentalアーバン・モビリティー・エクスペリエンス)と呼ばれるワンボックス型の自動運転車が実施する。この自動運転車は配送の最終段階を担当する多数のロボット犬を搭載している。つまりCUbEが家の前に停まるとロボット犬が降りてきてパッケージを玄関に届けてくれるわけだ。

Continentalのシステムズ・テクノロジー・シャーシー・セーフティー部門の責任者、Ralph Lauxmannはプレスリリースでこう述べている。

Continentalは戸口までのパッケージ配送全体をシームレスに実現するモビリティー・システムの実現を目指している。われわれはロボットと自動運転車を階層的に用いることにより、効率的な配送チームを実現できると考えている。双方とも電動かつ自律的に動作する。両者は同じテクノロジー・プラットフォーム上にあり、規模の拡大が容易だ。 目的達成のために各ステップごとに最適のテクノロジー・ソルーションを用いることはホーリスティックな未来型配送システムを実現する上で大きな効果が期待される。 このシステムを基盤としてさらに多様なバリューチェーンが展開できれるものと考えている。

このシステムがいつ、どのように実際に利用されるようになるのかは明らかではない。それでも印象的な未来像であることは確かだ。SegwayもCES向けに新型電動スクーターと無人配送ロボットを発表している。

画像:Continental

CES 2019 coverage - TechCrunch

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四足ロボットANYmalがチューリッヒの地下の下水路を冒険旅行する

CheetahbotやSpotのような複数脚のロボットの多様な用途については、すでに多くが語られてきたが、でも実際にそれらが実現するためには、分野ごとに多くの困難がある。そして、下水道の点検という重要な仕事の訓練のために、このスイス製の四足ロボットは地下深くへと下(お)りていった。今後の実際の仕事には、人命救助もありうるだろう。

ETH Zurich / Daniel Winkler

このロボットはANYmalと呼ばれ、スイス国立工科大学、略称ETH Zurichと、そこからのスピンオフANYboticsの長期的なコラボレーションだ。その最新の冒険は、大学のあるチューリッヒ市の地下にある下水道の旅で、最終的には、検査や修理の自動化を目指している。

多くのロボットプラットホームと同様、ANYmalも長年の開発史を抱えている。でもカメラや、ライダーのようなセンサー類が小型化高性能化したのはごく最近のことなので、暗闇の中での作業も可能になり、第一候補として下水管という汚い場所でテストされることになった。

多くの都市が延々と長い々々地下構造を抱えており、しかもそれらの点検は専門家にしかできない。危険でかったるい仕事だから、自動化の最右翼候補だ。人間がやると1年に1度しかできない点検を、ロボットなら楽々、一週間に一度できる、としたらどうだろう。おかしい箇所を見つけたときだけ、人間を呼べばよい。災害で人が行けなくなった場所や、小さすぎて人が入れない場所でも、活躍してくれるだろう。

関連記事: MIT’s Cheetah 3 robot is built to save lives(未訳)

しかしもちろん、ロボット軍団が(前に何かで見たように)下水路に住めるためには、その環境を経験し学習しなければならない。最初は最小限の自動化にとどめ、徐々にやれることを増やしていくのだ。

ANYboticsの協同ファウンダーPeter Fankhauserが、ETHZのストーリーでこう言っている: “研究室でうまくいっても、現実世界でうまくいくとは限らない”。

ロボットのセンサーやスキルを現実世界の状況でテストすると、エンジニアたちが取り組むべき新しい知見と大量のデータが得られる。たとえば、完全に暗い環境でもレーザーを利用する画像タスクなら行えるが、大量の水蒸気や煙が充満していたらどうか? ANYmalは、そんな環境でも正しい感知能力を発揮できなければならない。それが、最初からの設計目標だった。

ETH Zurich / Daniel Winkler

彼らはまず、脚にセンサーを付ける方式を試した。良い結果とまずい結果の両方が得られた。次に試したのが、ANYmalが手のひらを壁に触れてボタンを見つけたり、温湿度や壁の質感を得る方法だ。この方法は、操縦者の即興や機転が必要で、完全自動化にはほど遠かった。まず、ロボットにやらせることを、リストアップしよう!。

下のビデオで、チューリッヒの地下を旅する下水道検査官ANYmalをウォッチできる。

画像クレジット: ETH Zurich

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ルンバを使って自宅のDoomレベルを作る「DOOMBA」

クリスマスに新しいロボット掃除機をもらったラッキーな人もいることだろう。実はこれ、あなたが思っている以上に役に立つ。家をきれいにしてくれるだけでなく、周囲をスキャンして我が家のDoomのレベルを作ることもできるのだ。新年を迎えるにふさわしい!

残念ながらこれはiRobotの公式機能ではなく、ベテランのゲームエンジニアRich Whitehouseが成し遂げたハックだ。彼はRoombaがセンサーを使って非常に詳細な周辺データを集めていることを知り、この能力を25年続くビデオゲームに応用すべきだと当然のごとく思った。

DoomとRoombaを組み合わせることによって、Whitehouseはちょっと面白い何かを作るだけでなく、「人類を悩ませる本当にひどいダジャレを放てる」ことに気がついた:その名もDOOMBA。

しくみこうだ、ただしあなたがRoomba 980を持っていなければ、一切動く保証はない。特別なツールを使ってパソコンがワイヤレスネットワークの中でRoombaを見つけると、移動を追跡してデータを収集する。ロボットが仕事を終えると、データはファイルに保存され、Whitehouseの画像/モデル変換アプリNoesisのプラグイン、DOOMBA経由でDoom WADに変換できる。

レベルの形状はあなたの場所に基づいて作られるが、もちろん見た目は少々異なる。おそらくモンスターの数が多い。乱数の設定によって、新しい地獄のようなバージョンの我が家にどんな武器やモンスターが登場するかが決まる。

DoomとRoomba以外は完全無料なので、両方持っている人は今すぐ始めよう。この楽しい暇つぶしを作ってくれたRichに感謝!

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Postmatesの自動走行配達ロボServeはフレンドリー

サンフランシスコは部分的に配達ロボットを禁止している。というのも、ロボットが歩行者の進行を妨げるからだ。そこでPostmatesは、目や方向指示シグナル、道を譲る能力を持つタイプを作った。Serveというのが、Postmatesのクールで自動走行する新ストローラーだ。コストを削減し、配達をスピードアップすることが期待されている。このセミ自動走行ローバーには、歩道を通るのにカメラやLidarが活用されているが、もし何か問題が発生したときに対応できるよう、常に人が遠隔からServeをモニターしている。Serveにはまた、客や歩行者が助け求められるよう、“ヘルプ”ボタンやタッチスクリーン、ビデオチャットディスプレイすら搭載されている。

Serveはまずロサンゼルスで導入され、来年にかけてさまざまな都市で展開されることになっている。Serveは客に物を運び、客はスマホまたはパスコードで荷物入れのハッチを開錠できる。Serveはまた、渋滞するエリアでレストランから料理を受け取り、Postmatesの配送ハブに運び込んだりもする。そこからのラストマイルを配達スタッフが引き受ける。これによりPostmatesは配達にかかる人件費を節約できるかもしれないが、Postmatesは配達スタッフの他業務への配置転換をどのようにサポートするのかについては何も示さなかった。

「社会的には、我々が重量2トンの車で2ポンドのブリトーを運ぶことはオーケーだ。全てのエネルギーはブリトーを運ぶためではなく、車を動かすために使われる。その結果生まれるのが、渋滞だ」とPostmatesでこの特別プロジェクトを担当するAli Kashaniは語る。そうしてPostmatesはオンデマンド配達に使用するのに適切なロボットはどちらか、StarshipとRobbyが製造したそれぞれの自動走行ローバーを過去数年にわたって試験した。

この小さなロボットと歩道を共有する準備はできてる?

Serveはフル充電で最大50ポンドのものを積んで25マイル走行できるー1日に12件ほどの配達で走り回るのには十分だ。キャシーの底にバッテリーを組み込んだことで重心が低くセンター寄りになり、バタッと倒れることはそうなさそうだ。進行方向の決定にはVelodyne社のLidarと、NVIDIA社のXAVIERプロセッサを活用している。Postmatesの広報は、ローバーの大規模展開と効率性に関して、「究極的には、我々は商品がコストゼロで消費者の元に素早く届けられる世界があると信じている」と話す。

「我々はローバーと歩行者が相互作用するのにどんな言葉があるのかを理解するのに時間をかけた。もしロボットが歩道にいて通りを渡りたいのなら、渡りたいという意思を示す必要がある」とKashaniは話す。上部の周囲にあるリング状のライト、そしてどの方向に進もうとしているのかを示すことができる方向指示のシグナル、そして目が付いているおかげで、Serveは周囲に注意を払うことができ、都市環境になじむとKashaniは考えている。

PostmatesはServeを客の元へだけでなく、配達を外部に委託しているInstacartのような企業へも展開できる。そうしたビジネスは、4200万ドルもの資金を調達したStarshipや、1000万ドル調達したMarble、そして500万ドル調達したRobbyといった配達ロボットスタートアップとServeを競合させることになる。

良いロボ市民

もし行政がServeのようなロボットの展開を許可するなら、高齢者や子ども、車椅子利用者の邪魔にならないようにするのは必須だ。12月、サンフランシスコは企業1社につきロボット3台まででトータル9台、走行場所は人が少ないエリアのみ、走行距離は1時間あたり3マイル以下、遠隔から人が監視するという制限を設け、ロボットを禁止したも同然だった。

Postmatesは、Norman Yeeを含むサンフランシスコ管理委員会、そしてロジスティック企業の連合と、限定された自動走行配達を認める許可の発行についての規制フレームワークの作成を共に進めてきた。Postmatesの許可申請はサンフランシスコ市当局がレビュー中だ。Postmatesはサンフランシスコの先端技術ワーキンググループ、地元の商業組合、歩行者安全グループとともに、地元の小売売り上げ増と交通の抑制につながるかもしれない革新的なツールと、歩行者の歩く権利とのバランスをいかにとるかを模索している。


また、Serveが仕事を奪うことになる労働力がどうなるのか、という疑問もある。Postmatesの広報は、Serveは現在の労働力に取って代えるというより、強力なパワーでもって労働力を増やそうとしている、と主張する。Postmatesは550超の都市で、1カ月あたり計400万件の配達をこなしていて、それらのうちのいくらかはロボットが請け負える範疇ではない。しかしPostmatesがトレーニングコースをスピンアップしたり、次第に居場所がなくなる配達人に裏方の業務やカスタマーサービスなどへの配置転換を提案すると素晴らしい。

面白いことには、KashaniはPostmatesがいかに“Uber XとUber Black Car”モデルになるか、ほのめかした。それは、人間に階段を上がって直接玄関先まで配達してもらうのにはよりお金がかかるが、もしあなたがオーダーしたものを沿道でServeから受け取るのをいとわなければ支払いは少なくて済む、というものだ。本質的には、PostmatesのServeの出現で人による配達はぜいたくなものになる。

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(翻訳:Mizoguchi)