印フィンテックZetaがシリーズDラウンドに向けソフトバンクと交渉中、ユニコーン目前か

デジタル銀行プラットフォームのフィンテックスタートアップZeta(ゼータ)は、新たなラウンドに向けて投資家らと最終的な交渉を行っており、ユニコーンの地位に少しずつ近づいていると、この件に詳しい情報筋がTechCrunchに語った。

情報筋によれば、SoftBank Vision Fund 2(SVF2、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2)は、設立5年目のZetaに2億5000万ドル(約272億3000万円)規模のシリーズDラウンドを提案しているとのこと。この投資提案では、著名な起業家であるBhavin Turakhia(バヴィン・ターアクヒア)氏が共同設立したインドの同スタートアップを、2019年に行われた初の外部資金調達(シリーズC)の際の3億ドル(約327億円)から大きく引き上げた10億ドル(約1090億円)以上に評価している。

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このラウンドはまだ終了していないと、3人目の情報筋は指摘した。

ソフトバンクの広報担当者はコメントを差し控えた。

5年前に設立されたZetaは、銀行が最新のリテールおよびフィンテック商品を立ち上げることを支援している。そのテーゼは、銀行は主として時代遅れの技術で運営されており、今日、何億人もの顧客やフィンテック企業に最高の体験を提供するための時間や専門知識を持ち合わせていないというもの。

Zetaは、銀行が同社のクラウドネイティブでAPIファーストのバンキングスタックをコアフレームワークとして使用するか、またはその上にサービスを構築して、モバイルアプリやデビット・クレジット機能の改善など、すべての顧客に優れた体験を提供できるよう支援しようとしている。また、銀行がフィンテック企業とより効率的に連携できるよう、API、SDK(ソフトウェア開発キット)、決済ゲートウェイも提供している。

同社は、アジアやラテンアメリカのいくつかの市場で多くのクライアントを獲得している。

ターアクヒア氏は、弟のDivyank(ディビャンク・ターアクヒア)氏とともに、1998年に最初のベンチャー企業を立ち上げた。その過程で、ウェブ企業4社をEndurance(エンデュランス)に1億6000万ドル(約174億3000万円)で売却している。Zetaは、バヴィン・ターアクヒア氏が共同設立した3社目のスタートアップで、彼が立ち上げた他の企業にはビジネスメッセージプラットフォームのFlockとRadixがある。

最終的に確定すれば、Zetaは2021年4月だけで7社目のインド発ユニコーンになる可能性がある。先週は、同じくSoftBank Vision Fund 2の支援を受けたソーシャルコマースのMeesho、フィンテック企業のCRED、e薬局のPharmEasy、ミレニアル世代に特化した投資アプリのGroww(グロウ)ビジネスメッセージプラットフォームのGupshup、そしてソーシャルネットワークのShareChat(シェアチャット)がユニコーンの地位を獲得した。

【更新】本記事はラウンドがまだ終了していないことを明確化して更新された。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Zeta資金調達インドSoftBank Vision Fund

画像クレジット:Zeta

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

バナジウムイオン電池開発の韓国Standard Energyがソフトバンクから約9.7億円調達

バナジウムイオン電池を開発しているStandard Energyは、SoftBank Ventures Asia(ソフトバンク ・ベンチャー・アジア、SBVA)の出資により890万ドル(約9億7000万円)のシリーズCを調達したと発表した。韓国を拠点とする同社は、リチウムイオン電池と比較して発火の危険性が少ないことや、バナジウムの調達が容易であることなどを利点として挙げている。特に後者は、電気自動車メーカーがリチウムイオン電池の不足に直面していることから、重要なセールスポイントとなる。

しかし、Standard EnergyのCEOであるBu Gi Kim(キム・ブギ)氏は「リチウムイオン電池の代替ではなく、お互いに補完し合う関係にある」と述べている。バナジウムイオン電池は、高エネルギー、高性能、安全性を備えているが、リチウムイオン電池ほどコンパクトではない。

リチウムイオン電池はEVやスマートフォンなどのコンシューマデバイスのような、移動が必要なハードウエアには今後も使用されるだろうが、バナジウムイオン電池は、風力・太陽光発電所やEVの超高速充電ステーションなど「定置型」の顧客に適している(キム氏によると、Standard Energyは近々、ソウルの超高速充電ステーションに同社の電池を出荷する予定だという)。

韓国科学技術院(Korea Advanced Institute of Science and Technology、KAIST)とマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちによって2013年に設立されたStandard Energyは、これまでに総額2250万ドル(約24億5000万円)を調達している。同社の主な潜在顧客の1つはエネルギー貯蔵システム(ESS)分野で、同社によるとESSS市場は、今後5年間で現在の80億ドル(約8714億円)から350億ドル(約3兆8123億円)への成長が見込まれているという。

「リチウムイオンの不安定な電池性能のために、多くの再生可能エネルギープロジェクトが各地でスローダウン、あるいは中断されています。VIB(バナジウムイオン電池)は、リチウムイオンのようにコンパクトにすることはできません。しかし、再生可能エネルギー発電所を含むESSプロジェクトやソリューションでは、当社の製品をシステムに組み込むスペースが十分にあります」とキム氏はいう。

Standard Energyは実験室、認証された電池性能試験場、実際の運用を含めて、すでに合計100万時間以上の電池試験を行っている。キム氏は、この性能データによりバナジウムイオン電池の採用を検討する顧客を説得できる、と同社は確信していると述べた。

SoftBank Ventures AsiaのシニアパートナーであるDaniel Kang(ダニエル・カン)氏は、プレスリリースの中でこう述べた。「既存のESS市場は、急速に拡大する需要と、製品の安全性や効率性の問題により、インバランス状態にありました。Standard Energyは、革新的な素材と大規模な製造能力をともなう設計技術により、世界のESS市場に新たな基準をもたらすと期待されています」。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Standard Energyバナジウムイオン電池バッテリー韓国ソフトバンクグループ資金調達再生可能エネルギー

画像クレジット:Standard Energy

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(文:Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

G7のうち5カ国の政府が使う暗号化メッセージングアプリ「Wire」が約22.9億円調達

エンド・ツー・エンド暗号化されたメッセージングアプリおよびサービスを提供するWire(ワイヤ)は、UVC Partnersが主導するシリーズBラウンドで2100万ドル(約22億9000万円)の資金を調達した。数年前に同社が語ったように、Wireはこれまで以上にエンタープライズ市場に注力しているという。

Wireは消費者向けアプリとしてスタートしたが、他のメッセージングアプリのように何億人もの顧客を獲得することはできなかった。だからといって、Wireが悪い製品というわけではない。

このアプリでは、テキストメッセージ、写真、ビデオ、音声メッセージにより、他のユーザーと安全に会話することができる。また、他のユーザーとビデオ通話を開始したり、ファイルを送信することも可能だ。Wireは1対1の会話だけでなく、ルームでのグループチャットにも対応している。

デフォルト設定では、すべてがエンド・ツー・エンド暗号化されている。これは、同社がユーザーの会話を解読できないこと、裁判所に引き渡せないこと、会話が潜在的なハッカーにさらされないことを意味する。安全性を確認できるよう、ソースコードはGitHubで公開されている。

2019年、同社はTechCrunchの取材に対し、資金調達のために米国に持株会社を設立すると語った。その目的は、企業顧客にさらに力を入れ、収益性に向けた明確な道筋を見つけることだった。そして、この焦点は当時から変わっていない。

WireのCEOであるMorten Brogger(モーテン・ブロガー)氏は、筆者にこう語った。「ビジネスの進化を振り返ってみると、3年前は収益も顧客もゼロでしたが、今日はBラウンドを発表し、Gartner(ガートナー)のような企業に使われるエンタープライズブランドとして明確に認知されるようになりました。これは、私が非常に誇りに思っていることの1つです」。

「また、収益を生み出すエンタープライズビジネスに焦点を当てることで、WhatsApp(ワッツアップ)のように、最終的にデータを収益化するモデルにしか頼れないという状況を回避できると思います」と同氏は付け加えた。

そして、収益拡大に関してはこれが功を奏しているようだ。現時点で、Wireの顧客数は1800人。この1年で同社の顧客数は50%近く増加している。

同社は大企業や政府機関など、潜在的なユーザー数が多い大規模顧客に焦点を当てている。現在、G7のうち5カ国の政府がWireを使用している。全体として、2020年には収益が3倍になった。

メッセージングレイヤーセキュリティ(Messaging Layer Security、MLS)への取り組みに加えて、Wireは電話会議やリアルタイムのインタラクションの改善にも注力している。同社は、メッセージングアプリやリアルタイムコラボレーションアプリは徐々に集約されていくと考えている。そしてこのスタートアップは、さまざまなシーンでうまく機能するサービスを提供したいと考えている。

コラボレーション分野でも、エンド・ツー・エンド暗号化サービスがこれから増えることが予想される。Wireは従業員数90名とまだ比較的小規模であり、それは成長とイテレーションの余地があることを意味する。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Wire資金調達メッセージングアプリ暗号化

画像クレジット:Wire

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

低コストの小型静止通信衛星スタートアップAstranisが約272億円調達

宇宙スタートアップのAstranis(アストラニス)が、同社のユニークなMicroGEO衛星の製造を拡大する原資にしようと、シリーズCで2億5000万ドル(約272億円)を調達した。MicroGEO衛星は、地球上の特定の場所に通信と接続を提供するための軌道バンドで使われる、巨大で高価なことが多い通常のものよりもずっと小型の静止通信衛星だ。

AstranisのシリーズCはBlackRockが管理するファンドがリードし、Baillie Gifford、Fidelity、Koch Strategic Platformsなど多くの新規投資家が参加した。既存投資家からはAndreessen HorowitzやVenrockが参加し、Astranisの評価額はポストマネーで14億ドル(約1524億円)となった。

今回のラウンドにより、株と借入による調達も含めAstranisの累計調達額は3億5000万ドル(約381億円)超となる。Astranisは2016年に創業され、YCの2016年冬季プログラムに参加した1社だった。他社の多くが低コストのブロードバンドを地上で提供するために低軌道(LEO)に衛星コンステレーションを築こうとしているが、共同創業者でCEOのJohn Gedmark(ジョン・ゲドマルク)氏が率いるAstranisはGEO(静止軌道)バンドにフォーカスしている。GEOバンドでは大型で古い通信衛星が現在稼働していて、固定されたポジションで地球を周回しながら地上の設定されたエリアに接続を提供している。

ゲドマルク氏は以前筆者に、同社のサービスはSpaceXなどの企業が打ち上げて運用しているLEOコンステレーションとかなり異なる、と話した。というのも、それらは本質的にはかなりターゲットを絞っていて、既存の地上インフラを利用する手軽なソリューションだからだ。特定の地域に絞って接続を確保したい顧客は、Astranisを使って従来のGEO通信衛星よりもかなり安いコストで衛星を打ち上げることができる。たとえば老朽化した既存の衛星ネットワークインフラを交換したりアップグレードしたりするために打ち上げる。

今回のラウンドをリードしたBlackRockはロケット打ち上げ会社Astraが合併した有名宇宙スタートアップSPAC(特別買収目的会社)のPIPE(上場企業の私募増資)の主要参加者だったことは注目に値する。今回のラウンドではAstranisがエグジット計画を準備しているとはいわないが、何か検討していることは確かだろう。

関連記事:ロケットスタートアップAstraがSPAC経由でNASDAQに上場の予定、ステルスから現れて1年

カテゴリー:宇宙
タグ:Astranis人工衛星資金調達衛星コンステレーション

画像クレジット:Astranis

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

放課後クラスのマーケットプレイスOutschoolがEdTech界で最も新しいユニコーン企業に

子どもの仮想校外活動を行う小さなグループのためのマーケットプレイスOutschool(アウトスクール)は、CoatueとTiger Global Managementが主導する7500万ドル(約82億円)のシリーズC投資を調達した。TechCrunchでは、この取り引きに詳しい筋から初めてこのラウンドについて聞かされていたが、同社はTechCrunchに対して、米国時間4月14日遅く、その事実を認めた。

この新たな資金により、Outschoolの評価額は13億ドル(約1400億円)に達し、1年も経たない前に確定した評価額およそ3億2000万ドル(約350億円)のほぼ4倍に跳ね上がった。

現在までにOutschoolは、今回のものを含め、ベンチャー投資1億3000万ドル(約140億円)を調達した。

関連記事:新型コロナ禍で急成長、小グループのバーチャル教育クラスを展開するOutschoolが47億円調達

同社の評価額の成長曲線は、パンデミックの間に大きな成長を遂げたEdTech企業であることを加味しても、どのスタートアップよりも急勾配になっている。しかしCEOで共同創設者のAmir Nathoo(アミール・ナテュー)氏は、同社の新しい評価額では、昨今の資金調達熱に影響された部分は小さいと話す。今回の資金調達は、収益の安定性がおもな要因だと彼は考えている。

新たにユニコーン企業となった同社の主力製品は、娯楽や補習のための放課後の校外活動だ。継続的なクラスもあれば、単独のクラスもある。会社が大きくなるにつれて、継続的なクラスが事業全体に占める割合は、10パーセントから50パーセントに伸びた。これは、時とともにより安定した収益が増えていることを示唆している。

単独のクラスから継続的な利用へ移行することは、同社にとっても生徒たちにとっても良いことだ。前者の場合、経常収益は投資家の耳に心地よく響く。後者の場合、その活動やグループとの親密性を高める上で、繰り返しの参加は重要だ。ディベートや毎週末のゾンビダンスといった活動を行う継続的なクラスは、子どもたちにまたやりたいという気持ちを起こさせる。

最も人気の高いクラスはどれかと聞かれることが多いナテュー氏は、常に変化していると答えるようにしている。常連客、つまり子どもたちの興味はどんどん移っていくからだ。ある週は算数であっても、別の週はマインクラフトや建築だったりもする。

収益プロファイルが変わったことで、Outschoolは2020年の予約で1億(約108億円)ドル以上を生み出した。2019年は600万ドル(約6億5000万円)、2017年にはわずか50万ドル(約5400万円)だった。2021年に関してナテュー氏は「積極的な成長を予測している」と答えるに留めた。

Outschoolは2020年、予約の大量増加により一時的に正のキャッシュフローを達成したが、ナテュー氏によれば、その後変化したという。

「私の目標は、収益に手の届く距離を常に保つことです」と彼はいう。「しかし、市場の変化は激しく、長期的に採算が取れると思われる機会に積極的に投資することは、理に適っています」

次は何か

ナテュー氏は、2021年末までにOutschoolのスタッフを110人から200人に増やしたいと考えている。特に国際的な成長を見据えてのことだ。2020年、Outschoolはカナダ、ニュージーランド、オーストラリア、英国でもローンチされた。そのため、それぞれの現地やその他の地域での人材募集は続く。

反対に、Outschoolの教師の数は、パンデミック最盛期と同じように伸びているわけではない。パンデミックが始まったころ、Outschoolのプラットフォームには1000人の教師がいた。数カ月のうちに1万人を抱えるまでになったが、採用審査の過程で大量のリソースを消費した。しかし、それが不可欠だったとナテュー氏は説明する。Outschoolは、フルタイムの教師が増えれば収益も上がる。教師は、クラスごとに自分で設定した料金の70パーセントを報酬として受け取り、残りの30パーセントがOutschoolの収入となる。だがナテュー氏は、同社のプラットフォームを従来型の教育を補完するものと見ている。教師を説得してフルタイムで雇い入れ収益を拡大するよりも、プラットフォームにパートタイムの教師を増やすことで成長したいと考えているのだ。

Airbnb(エアービーアンドビー)がプラットフォーム作りに貢献する人たちと収益を分かち合うホスト救済基金を立ち上げたのと同じように、Outschoolは調達した資金の2パーセントを同様のプログラムに割り当て、流動性リスクに備えることを決めた。

Outschoolの目標の中でも、最も野心的なものに、皮肉に聞こえるが学校に入り込むというものがある。一部のスタートアップは、パンデミックの最中に学校に販売を行って成功しているが、学区内での販売サイクルと限られた予算のため、拡大を目標にするならばかなり厳しい事業となる。それでもOutschoolは、学校とその職員と契約を交わすことで生徒の生活と関わり合う道筋を付けたいと考えている。そうすれば、低収入の家庭でも同社のプラットフォームが利用できるようになる。ナテュー氏によれば、企業向けの販売は事業のほんの一部分であり、新型コロナ対策として2020年に始めたばかりの戦略に過ぎないという。現在同社は、B2Bサービスのパイロット事業を、いくつもの学校を相手に開始している。

Outschoolは、国際市場で消費者向け学習に焦点を当てたアーリーステージのスタートアップを買収することも検討している。まだ1つも実行されていないが、EdTech分野では、今や広範囲にわたって企業統合が熱い。

ナテュー氏は、Outschoolの成長は続くと強調する。たとえ学校が再開しても、パンデミック後の不安に対処する方策がすでに固まっている。

「人と直接対面する活動には、大きなスパイクが起きるはずです。みんなが今すぐやりたいことだからです」と彼はいう。「しかしその後は、今よりも分散した形に落ち着くでしょう。教育の未来はハイブリッドですから」。

さらに彼は、Outschoolのオンライン学習に対する信念は、創設前の構想段階から変わっていないと話す。同社は、単位取得のための、専門分野のデジタル学習にはチャンスを求めたことがない。ずっと、放課後の補完的活動で子どもたちを援助することに集中してきた。

「これは、教育システムのなかでも、あまり手の届かなかった、見落とされがちだった部分です」と彼は話す。「オンライ学習の利点は、利便性、コスト、そして地域によっては機会が得られないような学習内容の豊富さという面で、今後も存続します」。

カテゴリー:EdTech
タグ:Outschool資金調達ユニコーン企業コラム

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:金井哲夫)

研究以外の業務で疲弊する日本の研究業界の効率化を図るバイオインフォマティクス解析「ANCAT」が4000万円調達

研究以外の業務で疲弊する日本の研究業界の効率化を図るバイオインフォマティクス解析プラットフォームの「ANCAT」が4000万円調達

バイオインフォマティクス解析プラットフォーム「ANCAT」を開発・提供するアンプラットは4月15日、第三者割当増資による総額4000万円の資金調達を発表した。引受先はANRI、DEEPCORE。また現在ANCATのβ版ユーザーを募集中で、多種多様な研究領域に対応するため、様々な領域の研究者からの問い合わせを受け付けている。

アンプラットによると、海外では実験設備の共用化や、PIとは別に管理運営を主業とするラボマネージャーの存在など、日本にはあまり取り入れられていない方法で研究の効率化がなされているという。同社は、こういった、研究者が研究に没頭できる環境を整えることが研究成果に直結すると指摘。

2021年2月設立のアンプラットは、ANCATを通して研究以外の業務で疲弊する日本の研究業界の効率化を図るとともに、海外へ事業を展開することで、日本の研究者と海外研究者とのつながりを強化し、研究環境のグローバルスタンダードの普及を目指すとしている。

研究以外の業務で疲弊する日本の研究業界の効率化を図るバイオインフォマティクス解析プラットフォームの「ANCAT」が4000万円調達

アンプラットは、研究業界における叡智創出のエコシステムの形成をミッションに掲げ、急速なIT化による研究者の専門性の希薄化や、労働効率の低下、業界特有の人材流動性の高さによるノウハウ継承の困難性の解消にコミットするソリューションカンパニー。

ANCATでは、各研究チームで所有している解析手法を登録しクラウド上で管理することで、解析の簡便化を図れるという。また、遺伝子解析という大規模になりがちなストレージやコンピューティングのランニングコストを抑えるとともに、任意の公開設定によって施設間連携も可能だ。

解析プラットフォーム「ANCAT」のダッシュボード(左)と解析登録画面(右)

解析プラットフォーム「ANCAT」のダッシュボード(掲載画像左)と解析登録画面(掲載画像右)

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カテゴリー:バイオテック
タグ:アンプラット(企業)資金調達(用語)バイオインフォマティクス / 生命情報科学(用語)日本(国・地域)

マッシュルームでできた栄養価の高い代替肉をMeatiが2021年夏から展開

菌糸体(真菌類の構造繊維)を消費者向けの健康的な代替肉に変えるMeati(ミーティ)は2021年夏からの大々的な展開に向け準備中だ。

共同創業者のTyler Huggins(タイラー・ハギンズ)氏は、米国各地の選ばれたレストランにホールカットステーキと鶏肉プロダクトのサンプルを、初の商品であるジャーキーとともに提供することを予定している。

ハギンズ氏にとってプロダクトの立ち上げは、従来の肉より優れた代替物として機能性菌類食品を商業分野で幅広く受け入れられるようにする、長い道のりにおける1歩だ。

「これを会話の始まりに使いましょう。2オンス(約56グラム)であなたが毎日摂取すべきタンパク質の50%、食物繊維の50%、亜鉛の半分が摂れます。栄養という点でこのプロダクトに匹敵するものはありません」とハギンズ氏は話した。

そして肉からマッシュルームへの移行も地球にとっては良いものだ。

Meatiは今夏、試験プラントを稼働させ、Perfect Dayのミルク代替品、Atlastの肉代替品、EcovativeMycoWorksの革代替品など、マッシュルームを活用する一連の動きに加わる。

菌糸体を活用したプロダクトをマーケットに持ち込もうとしている他のテック企業について「私たちは間違いなく同じ動きをとっています」とハギンズ氏は述べた。

しかしながら、すべての菌糸体が同じように作られているわけではない、と同氏は指摘した。ハギンズ氏がユニークと言った、「最もハッピーな状態にキープして」菌を成長させる方法をMeatiは持っている、と同氏は話した。同社によると、それは最高の栄養価と最高の成長効率を意味する。

両親がバイソン牧場を所有し、畜牛地帯で育ったハギンズ氏にとって、目標はTボーンやリブアイに取って代わるのではなく、高級ブリトーや他の迅速にサーブする肉の切り身に使う肉や鶏肉とすることだ。

バインミーに使われているMeatiマッシュルームミート(画像クレジット:Meati)

「同じ種のカット肉に対して、我々は勝ちます。挑むための時間をいま稼いでいます。超高級路線でいこうとは思っていません」とハギンズ氏は話した。

同社の投資家のキャップテーブルにはかなり勇足の料理会社がすでに含まれている。Barack Obama(バラク・オバマ)元大統領の栄養政策担当上級顧問、Michelle Obama(ミッシェル・オバマ)夫人の「Let’s Move!」キャンペーンのエグゼクティブディレクターを務めたSam Kass(サム・カス)氏で知られるAcre Venture Partnersや、シカゴの高級料理店Alineaもそうだ。

しかしハギンズ氏はMeatiが日々使う代替肉となることを望んでいる。「これは毎日のタンパク質だと人々が思うようになって欲しいのです」と述べた。

Meatiは未来の代替肉が従来の牛肉や鶏肉と価格的に競争力を持つと考えているが、消費者の食欲を刺激するために同社はまずジャーキーから始める。

「Meatiのおいしいジャーキーは白紙のキャンバスです。当社はビーフジャーキーのような味をつけて提供を始めます。しかし、展開を初めてすぐに菌糸体のジャーキーだと言おうと思います」とハギンズ氏は話した。

同社は現在、ハギンズ氏と共同創業者のJustin Whiteley(ジャスティン・ホワイトリー)氏が30人のスタッフを率いている。創業者2人は当初、バッテリー代替品としてMeatiに取り組み始めた。調査に基づき(ハギンズ氏が菌糸体、ホワイトリー氏が高度なバッテリーを担当)、2人はリチウムイオンバッテリーのための菌糸体ベースの電極で助成金を受け取った。

「我々はより良いバッテリーを作るために菌糸体の化学組織を微調整しようとしていました。そして何か栄養価があり、食べることができるものを作っていることに我々は気づいたのです」とハギンズ氏は話した。

また、バッテリー会社はそれを欲しなかった。

Acre、Prelude Ventures、Congruent Ventures、Tao Capitalから調達した2800万ドル(約30億円)を手に、Meatiは市場参入する準備ができている。また、同社は菌糸体を育てる施設の広大なネットワークを構築するために借入資金へのアクセスも持っている。TrinityとSilicon Valley Bankから1800万ドル(約19億円)を借り入れたばかりだ。

「2年前、この業界のほとんどの企業には、施設を建てるために借金する能力はありませんでした。VCから資金を調達できることができ、そして負債による資金調達をするだけのマーケットがあることを考えたとき、フードテック業界にいられるのはエキサイティングです。これまで以上に開発は急展開するはずです」とハギンズ氏は話した。

Meatiの共同創業者であるタイラー・ハギンズ氏とジャスティン・ホワイトリー氏(画像クレジット:Meati)

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カテゴリー:フードテック
タグ:Meati代替肉菌類タンパク質資金調達

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

独立系ピザ屋のデジタル化をサポートするSliceが43.5億円調達

独立経営のピザ屋がオンライン事業を構築するのをサポートしているスタートアップSlice(スライス)がシリーズDラウンドで4000万ドル(約43億5700万円)を調達した。

本ラウンドはCross Creekがリードし、KKR、GGV Capital、Primary Ventures、そしてTwitterの元CEO、Dick Costolo(ディック・コストロ)氏と元COO、Adam Bain(アダム・ベイン)氏が運営する会社01 Advisorsを通じて参加した。

2020年春、Sliceは4300万ドル(約46億8400万円)のシリーズCを発表した。今回なぜそれ以上の額を調達しなかったのか?創業者でCEOのIlir Sela(イリアール・セラ)氏はコストロ氏とベイン氏を投資家に取り込むための「クイックラウンド」だと説明した。セラ氏はまた、そう遠くない将来、追加の資金調達の動きがあるかもしれないと示唆した。

「Sliceは何十年も我々のコミュニティにサービスを提供している小規模事業者を支えるリーダーとして出現しました」とベイン氏は声明で述べた。「我々が持つ事業運営・拡大に関する多くの経験を、この分野で経済成長を可能にしようというSliceの焦点に融合させるために、イリアール(・セラ)そしてSliceのすばらしいチームと協業することを楽しみにしています」。

Sliceは地域のピザ屋からの注文を受けてモバイルアプリやウェブサイトを作ってきた。しかし同社は、ピザ屋が自分たちで自前のウェブサイトを構築して販促キャンペーンを展開し、検索エンジンの最適化を改善したりするためのツールも提供している。Sliceはそうしたピザ屋に1回の利用あたり2.25ドル(約245円)の固定料金を課しているが、2020年秋に10ドル(約1090円)以下の利用については手数料なしとした

同社は最近立ち上げたSlice Registerというピザ屋のためのPOSシステムや、Slice Rewardsという複数のピザ屋にまたがるロイヤルティ・プログラムなど、プロダクトとサービスを引き続き拡大している。

関連記事:ピザ店向けオンライン注文プラットフォームのSliceがPOSシステムの提供を開始

ピザ屋のためのPOSシステム?と、少しニッチなものに思えるかもしれない。しかし筆者がこの質問をセラ氏にぶつけると、こう答えた。「そういう風に言われるのは好きです。常道をまだ外れているということですから」。

すでにピザ屋1万5000店がSliceのプラットフォームを利用しており、同社はこの数を年末までに2万店に増やす計画だ。現在の獲得可能な最大市場規模は独立店、小規模チェーンの5万7000店から構成されているが、Slice Accelerateプログラム(Sliceが選んだピザ屋に1万5000ドル[約163万円]分のテクノロジーとサービスを提供する)で「米国の最大市場規模は10万店になり得る」とセラ氏は付け加えた。

「Accelerateプログラムで当社は、主にオフラインの非効率なピザ屋が自分たちのブランドについてのビジョンを認識するのをサポートしています」と同氏は続けた。これは、既存の店舗を改善したり、新しい店舗を開店したりすることを意味するかもしれない。実際、新しいプログラムはすでにスタテン島のPizza Miaの改修をサポートし、クラウンハイツのBilly’s Pizza & Pastaが2店舗目をオープンするのを手伝う。

「長期的には、当社のかなりユニークなモデルが他の分野にも応用できるのかという大きな疑問があると考えています。おそらく応用できます。しかし存在しているチャンスはピザという分野においてであり、いま他の分野に足を踏み込むのは間違いでしょう」と話した。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Slice資金調達ピザ

画像クレジット:Slice

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

廃棄木材を活用し二酸化炭素を大規模に除去するCarbo Cultureが6.7億円を調達

農業や林業から出る廃棄木材を使った大規模な二酸化炭素除去を構築するための工業工程に取り組んでいるCarbo Culture(カーボ・カルチャー)が、シリコンバレーVCのTrue Venturesがリードするシードラウンドで620万ドル(約6億7500万円)を調達した。本ラウンドは欧州のアーリーステージベンチャーファームCherry Venturesと共同でリードし、スイスの気候投資家Übermorgen Venturesも参加した。調達した資金はチームとプロダクト開発の拡大、そして欧州最大の二酸化炭素除去施設を建設するのに使われる。

太陽からのエネルギーは植物に光合成を促し、CO2を最終的に分解されて大気に再び戻る植物性物質に変える。Carbo Cultureはこの既存のプロセスを模倣していて、ただし早く行われるようにしている。

Carbo Cultureは自社のプロセスを「超急速コンバージョン」と表現する。このプロセスでは木質残留物が極めて高温で機能的なバイオカーボンに変わる。そして二酸化炭素を1000年間は分解されない木炭のようなものに「閉じ込める」。

木からCO2を除去するのと同様、廃棄木材からこのバイオカーボンを生み出す全プロセスは、文字どおり住宅を温めるのに使ったり発電するためにタービンを回したりするのに使うことができる再生可能な熱を生み出す。バイオカーボンの残りはバイオマテリアルや環境工学に使うことができ、他の汚染物質に置き換えたりガス化装置に使ったりし、また温室効果ガスの削減やおそらく土壌を改善するために農業で活用したりもできる。

このように、Carbo Cultureは主要プロダクトとして2つのものを販売する。二酸化炭素除去クレジットとバイオカーボンそのものだ。

CEOで共同創業者のHenrietta Moon(ヘンリエッタ・ムーン)氏は次のように述べた。「何十億トンという二酸化炭素を分離するために我々は時間との戦いを繰り広げています。そして我々は世界最大の削減メカニズムの1つである自然の炭素循環を完全に利用してすらいません。Carbo Cultureではバイオマスで二酸化炭素を分離し、1000年閉じ込めるものに変える画期的なテクノロジーで取り組んでいます」。

ラウンドをリードしたTrue VenturesのパートナーであるToni Schneider(トニ・シュナイダー)氏はこう語った。「ベンチャーキャピタルは持続可能な地球を作り出すという点で大きな役割を果たすべきだと信じています。そしてCarbo Cultureは地球が抱えている最も差し迫っている問題の1つを解決するために正しい要素を多く持っています。二酸化炭素の回収に対する需要は高まっていて、こうした需要に応えるには再考が必要です。ヘンリエッタと彼女のチームは経験、テクノロジー、情熱、そしてこの大きなアイデアを真に影響力のあるものに変える明白なビジョンを持っています」。

Cherry VenturesのパートナーであるSophia Bendz(ソフィア・べンズ)氏は次のように述べた。「Carbo Cultureは特許を取得したテクノロジーを通じて最も効果的なネガティブエミッション技術(二酸化炭素の排出を削減し、また過去に排出され蓄積している分も回収・除去する技術)の1つを作り出しました。同社が事業を拡大し、大量の二酸化炭素を大気から除去するのを心待ちにしています。ヘンリエッタとクリス、そしてチーム全体が創作力、テクノロジー面のノウハウ、スケール展開するのに必要な度胸、そして最も重要なものとして皆に影響を及ぼす大きな環境問題に取り組むという意思を持っています。このすばらしいチームと提携し、CO2を除去するという彼らのミッションをサポートすることにこの上なく心を躍らせています」。

Carbo Cultureの競合相手としてはClimeworks (1億4500万ドル、約158億円を調達)、Carbon Engineering、CarbFix、Charm Industrial、CarboFexなどがいる。

CTOで共同創業者のChristopher Carstens(クリストファー・カーステン)氏は「我々はなんとか生産能力をボリュームで8倍に拡大し、システムをさらに開発し、そして民間研究機関、顧客、大学とともにテストを開始することができました。現在、輸送用コンテナ規模のパイロットプラントをカリフォルニア州のセントラルバレーで動かしています。そこでは1時間あたり200ポンド(約90kg)超のバイオマスを処理できます」と述べた。

共同創業者2人は2013年にNASAのエイムズ研究センターであったシンガラリティ大学の3カ月のプログラムで出会った。

基礎的なテクノロジーはハワイ大学からライセンス提供されてきたが、共同創業者らはカーボンネガティブマーケットプレイスのPuro.earthによって独立して承認されてきたと話す。

Carbo Cultureはこのほど、初となるSouth Poleによる二酸化炭素除去クレジットの大規模(プレ)購入を発表した。

ムーン氏は「当社の二酸化炭素除去にかかるコストは現在、1トンあたり600ドル(約6万5000円)を上回っていて、2022年末までに400ドル(約4万3000円)に下げ、2024年までに200ドル(約2万1000円)を達成することを目指しています。当社は今後18カ月で大規模な施設を建設し、それは欧州最大の二酸化炭素除去施設の1つとなります」と説明した。

Carbo Cultureの新たな投資家にはAlbert Wenger(アルベルト・ウェンガー)氏、Gold&Green Foodsの創業者Maija Itkonen(マイヤ・イトコネン)氏、Geltor副社長Alex Patist(アレックス・パティスト)氏、既存投資家にはDavid Helgason(デビッド・ヘルガソン)氏、Moaffak Ahmed(モアファック・アーメド)氏、Lifeline Ventures、Paul Bragiel(ポール・ブラギエル)氏とDan Bragiel(ダン・ブラジエル)氏がいる。

科学者の大半は、二酸化炭素排出を抑制しながら大気から二酸化炭素を除去し、グローバルの気温上昇を摂氏2度以下に抑えて壊滅的な気候変動を避けるために2050年までにネットゼロエミッションを達成する必要があると信じている。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Carbo Culture資金調達木材二酸化炭素温室効果ガス

画像クレジット:Carbo Cultureの共同創業者。写真:Miikka Pirinen Copyright © 2021 Miikka Pirinen / Carbo Culture /

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

レストランの迅速会計フローを開発するSundayが26.1億円のシードラウンドを実施

Sunday(サンデー)をご紹介しよう。この新しいスタートアップは2400万ドル(約26億1000万円)のシードラウンドを実施し、1億4000万ドル(約152億5000万円)のポストマネー評価額となったことで、ちょっとした話題を集めている。これは数カ月前にスタートしたばかりの会社にしては大金だが、それはSundayが迅速に行動したいと考えているからだ。

Sundayが注目されているのは、Victor Lugger(ビクター・ラガー)氏、Tigrane Seydoux(ティグラン・セドゥ)氏、Christine de Wendel(クリスティーヌ・ドゥ・ウェンデル)氏の3人が設立したからだ。ラガー氏とセドゥ氏はBig Mamma(ビッグ・マンマ)の創業者であり、数年前から一緒に仕事をしている。またウェンデル氏は、フランスのZalando(ザランド)を率いた後、ManoMano(マノマノ)のCOOに就任した人物だ。

Big Mammaをご存じない方のために説明すると、彼らはフランスで十店舗以上のイタリアンレストランを立ち上げた企業だ。また、フランスのスタートアップキャンパスStation Fの、フードコートLa Felicità(ラ・フェリシタ)の運営も行っている。

料理が美味しくて、比較的リーズナブルなので、それらのお店のファンもいる。だがBig Mammaは特に長蛇の列で知られており、次のグループのために早く食べなければならないという圧力を常に感じるため、嫌っている人もいる。しかし、ここ数年にわたってうまくやってきたことは明らかだ。

パンデミックの中でBig Mammaの運営を行う中で、スピンオフ企業Sundayが米国で創業された。Sundayはメニュー検索や会計を無接触で行う手段を提供しようとしている。多くのレストラン同様に、テーブルにQRコードを置いて、顧客が携帯電話で読み取るとウェブサイトが表示されるようにするのだ。

しかし、Sundayは単にメニューを表示するだけではなく、レジシステムにも直結している。Sundayは、Oracle Micros(オラクル・マイクロ)、Brinks(ブリンクス)、Tiller(タイラー)、Zelty(ゼルティ)、Revo(レボ)、CashPad(キャッシュパッド)などをサポートしてる。顧客はまた、QRコードをスキャンして勘定を確認し、携帯電話から直接支払うことができる。食べ終わったら、その場でセルフで支払い、立ち上がって帰るだけだ。

Big MammaのレストランでそのSundayのシステムを試した結果、彼らはある程度有望な結果を得ることができた。顧客の80%がQRコードでの支払いを選択し、その結果レストランでは平均15分の待ち時間が短縮され、テーブルの回転率が向上したのだ。

そして、これがSundayを理解するための鍵だ。もし新しい決済システムを導入することで売上が上がるのなら、それをレストランに売り込むのは簡単だ。空きテーブルを探すのに苦労するような人気のあるレストランは、Sundayから大きな恩恵を受けることができるだろう。

また、新しい可能性も広がる。例えば、顧客全員がSundayをインストールして支払うことで、テーブルで直接割り勘を済ませることができる。現在Sundayは、QRコードをベースにしているが、特にQRコードに依存しているわけではない。RFIDチップやタブレットなどを使って勘定書を読み込むことも想像できる。

そのビジョンは明確だ、Sundayはレストラン向けのFast Checkout(迅速会計)システムを作りたいのである。スタートアップは、オンライン決済が、実店舗での会計システムとこの先融合すると考えている。

関連記事:オンライン決済各社への巨額投資が続くなかFastが105.8億円調達

Sundayの顧客は、月々の利用料やセットアップ費用を支払う必要はない。使用量に応じた処理手数料のみを支払うことになる。そしてその手数料は、現在店舗が使用しているクレジットカードよりも低い場合が多い。

今回のスタートアップのシードラウンドは、Coatueが主導し、New Waveが参加した。New Waveは、Pia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏が率いるヨーロッパの新しいシードファンドで、Xavier Niel(ザビエ・ニエール)氏がバックアップしている。複数のホスピタリティならびにテック系の投資家も参加している。

その狙いは、パンデミックによるチャンスがある今のうちに、多くの資金を集め、多くのレストランと契約し、市場を掌握しようというものだ。すでに40人を雇用し、ヨーロッパではまだほとんどのレストランが閉店しているにもかかわらず、レストランとの契約を進めている。

Sundayは何らかの技術的な達成そのものではなく、実行そのものなのだ。こうした会計体験を他社よりも早く展開できた会社が、市場を制することになるだろう。

レストランの営業が再開されたときには、フランス国内のEataly(イータリー)、PNY、Paris Society(パリ・ソサイエティ)、Eric Frechon(エリック・フレション)、Groupe Bertrand(ベルトラン・グループ)のレストラン(Burger King France(バーガーキングフランス)、Hippopotamus(ヒポポタマス)、Groupe Flo(フロー・グループ)などでも、SundayのQRコードを見かけるようになるだろう。Sundayは、同様に英国でも、JKSグループ(Hoppers(ホッパース), Brigadiers(ブリガディエ)、 Gymkhana(ジムカーナ)やCorbin & King(コービン&キング)などと提携している。また、米国やスペインの企業とも交渉を進めている。

現在、Sundayを採用しているレストランは全体で1000店以上ある。

Sundayの共同創業者でCEOのビクター・ラガー氏は「私たちは、Big Mammaでレストランを立ち上げた時と同じモデルを採用しています。7年前、固定費を圧縮してより良い製品を提供するために、他社の3倍の投資を行いました」と語る。

スタートアップは、すでに野心的な製品ロードマップを持っている。最終的には、過去の請求書を記録しておいたり、アレルギーを追跡したり、お気に入りの支払い方法を登録したりすることのできる、個人Sundayアカウントを持つことが想像できる。繰り返すが、これは着実に実行に向かっているのだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Sunday資金調達レストランフランスQRコード

画像クレジット:Sunday

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

レストランの迅速会計フローを開発するSundayが26.1億円のシードラウンドを実施

Sunday(サンデー)をご紹介しよう。この新しいスタートアップは2400万ドル(約26億1000万円)のシードラウンドを実施し、1億4000万ドル(約152億5000万円)のポストマネー評価額となったことで、ちょっとした話題を集めている。これは数カ月前にスタートしたばかりの会社にしては大金だが、それはSundayが迅速に行動したいと考えているからだ。

Sundayが注目されているのは、Victor Lugger(ビクター・ラガー)氏、Tigrane Seydoux(ティグラン・セドゥ)氏、Christine de Wendel(クリスティーヌ・ドゥ・ウェンデル)氏の3人が設立したからだ。ラガー氏とセドゥ氏はBig Mamma(ビッグ・マンマ)の創業者であり、数年前から一緒に仕事をしている。またウェンデル氏は、フランスのZalando(ザランド)を率いた後、ManoMano(マノマノ)のCOOに就任した人物だ。

Big Mammaをご存じない方のために説明すると、彼らはフランスで十店舗以上のイタリアンレストランを立ち上げた企業だ。また、フランスのスタートアップキャンパスStation Fの、フードコートLa Felicità(ラ・フェリシタ)の運営も行っている。

料理が美味しくて、比較的リーズナブルなので、それらのお店のファンもいる。だがBig Mammaは特に長蛇の列で知られており、次のグループのために早く食べなければならないという圧力を常に感じるため、嫌っている人もいる。しかし、ここ数年にわたってうまくやってきたことは明らかだ。

パンデミックの中でBig Mammaの運営を行う中で、スピンオフ企業Sundayが米国で創業された。Sundayはメニュー検索や会計を無接触で行う手段を提供しようとしている。多くのレストラン同様に、テーブルにQRコードを置いて、顧客が携帯電話で読み取るとウェブサイトが表示されるようにするのだ。

しかし、Sundayは単にメニューを表示するだけではなく、レジシステムにも直結している。Sundayは、Oracle Micros(オラクル・マイクロ)、Brinks(ブリンクス)、Tiller(タイラー)、Zelty(ゼルティ)、Revo(レボ)、CashPad(キャッシュパッド)などをサポートしてる。顧客はまた、QRコードをスキャンして勘定を確認し、携帯電話から直接支払うことができる。食べ終わったら、その場でセルフで支払い、立ち上がって帰るだけだ。

Big MammaのレストランでそのSundayのシステムを試した結果、彼らはある程度有望な結果を得ることができた。顧客の80%がQRコードでの支払いを選択し、その結果レストランでは平均15分の待ち時間が短縮され、テーブルの回転率が向上したのだ。

そして、これがSundayを理解するための鍵だ。もし新しい決済システムを導入することで売上が上がるのなら、それをレストランに売り込むのは簡単だ。空きテーブルを探すのに苦労するような人気のあるレストランは、Sundayから大きな恩恵を受けることができるだろう。

また、新しい可能性も広がる。例えば、顧客全員がSundayをインストールして支払うことで、テーブルで直接割り勘を済ませることができる。現在Sundayは、QRコードをベースにしているが、特にQRコードに依存しているわけではない。RFIDチップやタブレットなどを使って勘定書を読み込むことも想像できる。

そのビジョンは明確だ、Sundayはレストラン向けのFast Checkout(迅速会計)システムを作りたいのである。スタートアップは、オンライン決済が、実店舗での会計システムとこの先融合すると考えている。

関連記事:オンライン決済各社への巨額投資が続くなかFastが105.8億円調達

Sundayの顧客は、月々の利用料やセットアップ費用を支払う必要はない。使用量に応じた処理手数料のみを支払うことになる。そしてその手数料は、現在店舗が使用しているクレジットカードよりも低い場合が多い。

今回のスタートアップのシードラウンドは、Coatueが主導し、New Waveが参加した。New Waveは、Pia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏が率いるヨーロッパの新しいシードファンドで、Xavier Niel(ザビエ・ニエール)氏がバックアップしている。複数のホスピタリティならびにテック系の投資家も参加している。

その狙いは、パンデミックによるチャンスがある今のうちに、多くの資金を集め、多くのレストランと契約し、市場を掌握しようというものだ。すでに40人を雇用し、ヨーロッパではまだほとんどのレストランが閉店しているにもかかわらず、レストランとの契約を進めている。

Sundayは何らかの技術的な達成そのものではなく、実行そのものなのだ。こうした会計体験を他社よりも早く展開できた会社が、市場を制することになるだろう。

レストランの営業が再開されたときには、フランス国内のEataly(イータリー)、PNY、Paris Society(パリ・ソサイエティ)、Eric Frechon(エリック・フレション)、Groupe Bertrand(ベルトラン・グループ)のレストラン(Burger King France(バーガーキングフランス)、Hippopotamus(ヒポポタマス)、Groupe Flo(フロー・グループ)などでも、SundayのQRコードを見かけるようになるだろう。Sundayは、同様に英国でも、JKSグループ(Hoppers(ホッパース), Brigadiers(ブリガディエ)、 Gymkhana(ジムカーナ)やCorbin & King(コービン&キング)などと提携している。また、米国やスペインの企業とも交渉を進めている。

現在、Sundayを採用しているレストランは全体で1000店以上ある。

Sundayの共同創業者でCEOのビクター・ラガー氏は「私たちは、Big Mammaでレストランを立ち上げた時と同じモデルを採用しています。7年前、固定費を圧縮してより良い製品を提供するために、他社の3倍の投資を行いました」と語る。

スタートアップは、すでに野心的な製品ロードマップを持っている。最終的には、過去の請求書を記録しておいたり、アレルギーを追跡したり、お気に入りの支払い方法を登録したりすることのできる、個人Sundayアカウントを持つことが想像できる。繰り返すが、これは着実に実行に向かっているのだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Sunday資金調達レストランフランスQRコード

画像クレジット:Sunday

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

デザイナーズカンナビスをより多くの州で展開、Connected Cannabisが約33億円調達

Connected Cannabis Co.は2009年に設立され、その後にデザイナーズカンナビスのリーディングカンパニーとして成長してきた。そして米国時間4月14日に同社は、3000万ドル(約33億円)の負債および株式による資金調達を発表した。Connected Cannabisは2019年にシリーズAで2500万ドル(約27億円)を調達しており、今回のラウンドはNavy CapitalやOne Tower Groupなどの既存の投資家が主導し、Bryant Park Capitalの系列会社であるEmerald Park CapitalとPresidio View Capitalも参加した。

Connected Cannabisは現在、カリフォルニア州とアリゾナ州で栽培施設と小売施設を運営している。そして今回の追加の資金調達により、他の地域にも拡大していく予定だ。同社によると、ネバダ州やミシガン州などの大麻の文化が強く、成長が期待できる州に注力する計画だという。

「Emerald Park CapitalとPresidioをConnectedのファミリーに加え、創業当初から当社のミッションを支えてくれた長期的なパートナーを歓迎します」と、Connected CannabisのSam Ghods(サム・ゴーズ)CEOは語る。「私たちはクラス最高の新しい遺伝学を開発し、最高品質の花を生産することで、目覚ましい成長と揺るぎない顧客ロイヤルティを獲得しました。私たちが初日から誇りに思ってきたこのコミットメントと品質は、他の州に進出しても変わらないでしょう。当社の真の製品とブランドを新しい市場の消費者に提供できることを、楽しみにしています。これは、事業拡大を検討する際の最優先事項です」。

Connected Cannabisは特定の地域以外への事業拡大に先駆けて資金調達を行う、増えつつある大麻に特化した企業の中の1社だ。米国で大麻を合法化する州が増えるにつれて、より多くの企業が事業拡大の選択肢を模索している。しかし連邦政府の規制が厳しいため、Connected Cannabisのような大麻栽培企業はプロセスを遅らせ、異なる州で事業を展開することになる。州によって規制が異なり、連邦法では州間取引が禁止されているためだ。

大麻の栽培は簡単だ。そして丈夫で心が広く、寛大だ。しかし大麻を大規模に栽培することは、決して容易なことではない。だからこそConnected Cannabisは、国内での成長を促すために追加の資金を調達したのだ。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Connected Cannabis資金調達大麻アメリカ

画像クレジット:Konstantinos Tsakalidis/Bloomberg / Getty Images

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(文:Matt Burns、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ベトナムのヘルスケア予約アプリDocosanが1億円以上のシード資金を獲得

ホーチミン市に拠点を置くDocosan(ドコサン)は、アプリで医師を検索・予約できるようにすることで、患者が長い待ち時間を回避できるようにする。同社はベトナム時間4月14日、100万ドル(約1億1000万円)以上のシード資金を調達したことを発表した。これは、ベトナムのヘルステック企業としては過去最大規模のシードラウンドであるという。今回の投資は、台湾を拠点とするアーリーステージへの投資やアクセラレータープログラムを提供するAppWorks(アップワークス)が主導し、加えてDavid Ma(デビッド・マー)氏とHuat Venturesが参加している。

共同創業者で最高経営責任者のBeth Ann Lopez(ベス・アン・ロペス)氏がTechCrunchに語ったところでは、2020年に創業したこのアプリは、約5万人の患者が予約に利用していて、現在では小規模な家族経営の小児科クリニックから大規模な私立病院の神経外科まで、300以上の個別医療機関が登録されている。医療機関は、プラットフォームに登録される前に審査されているが、平均して18年の臨床経験を持っている。

ロペス氏によると、ベトナムでは医師の事前予約は一般的ではないという。ロペス氏は「(一般的に、民間の医療機関を利用する人々は)価格や質に大きな差がある3万以上の民間の病院や診療所の中から自分で選ばなければなりません。そのため、人びとは医療機関を選ぶ際に、家族や友人からの口コミによる推薦を利用しているのです。そして、病院やクリニックに足を運び、時には何時間も列に並んで待つのです」という。

関連記事:データは米国の不公平なヘルスケア問題を解決できるだろうか?

Docosanのユーザーは、所在地や専門分野などの条件で医療機関を絞り込み、価格情報や認証済みのカスタマーレビューを見ることができる。最近、オンライン決済機能や保険との連携機能が追加された。ハーバード大学のLaunch Lab X(ローンチ・ラボX)に参加した同社は、今後、遠隔医療サービスや薬局サービスも開始する予定だ。

アプリに登録された医療機関にとっては、Docosanが予約と待ち時間の緩和のためのソフトウェアを提供してくれることが1つの重要なセールスポイントとなっている。これは、新型コロナウイルスのパンデミック下では、混雑した待合室に座ることを嫌がる人が多いからだ。ロペス氏は、医師が行わなければならないマーケティングや管理業務の量が減ることで、患者さんに接する時間を増やせるというメリットもあるという。

スタートアップは、他国への進出も計画している。ロペス氏は「Docosanは、大規模で互いにうまく連携していない民間医療システムがある場所ならば、どこでもうまく機能するソリューションです」という。「まるでGrabタクシーを予約するように、名医を簡単に見つけられる世の中になれば、私たち全員が恩恵を受けることができます」。

AppWorksのパートナーであるAndy Tsai(アンディ・サイ)氏は以下のように語る「DocosanがAppWorks Acceleratorに参加してくれたおかげで、同社の可能性に早くから注目できていました。Docosanの創業者たちは、地域のヘルスケア問題に対する豊富な経験を持ち献身的な姿勢を示しています。私たちは、すべての人がより良い医療を受けられるようにしたいというDocosanのビジョンをサポートできることを誇りに思います」。

関連記事:バングラデシュの医療の質を遠隔医療と物理的な診療所で向上させるPraava Healthが11.5億円調達

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Docosanベトナム資金調達医療

画像クレジット:Docosan

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

Pancake Bunnyを開発したDeFiスタートアップのMOUNDが約1.8億円調達

Pancake Bunnyで知られる分散型金融スタートアップのMOUNDは、Binance Labsが主導するシードラウンドで160万ドル(約1億8000万円)を調達した。他の参加者にはIDEO CoLab、SparkLabs Korea、Handshakeの共同ファウンダーであるAndrew Lee(アンドリュー・リー)氏などがいた。

高性能DeFiアプリ開発用のブロックチェーンであるBinance Smart Chainをベースに構築されたPancake Bunnyの現在の1日平均ユーザー数は3万人を超え、2020年12月のローンチ以来、総額21億ドル(約2300億円)以上のトータルバリューロック(TVL)を蓄積していると、MOUNDは述べている。

今回調達した資金は、Pancake Bunnyの拡大と新製品の開発に充てられる。MOUNDは最近Smart Vaultsを発表し、約1カ月後にはCross-Chain Collateralizationを発表する予定で、農業、融資、スワップを含む幅広いDeFiのユースケースをカバーするという同スタートアップの目標に近づいている。

Smart Vaultsは、レバレッジドローン商品の単一資産利回りを管理するためのものだ。また、レバレッジのコストが予想されるリターンを上回るかどうかを自動的にチェックし、MOUNDのクロスチェーンファーミングのために積極的に資産を貸し出すことができる。

Cross-Chain Collateralizationは、ブリッジトークンに頼らず、ユーザーがネイティブのブロックチェーン上にオリジナルの資産を保持できるようにするクロスチェーンイールドファーミングだ。BunnyプロトコルがイールドファーミングのためにBinance Smart Chain上の資産を借りるとき、ユーザーのオリジナルの資産は担保として機能する。これにより、ユーザーはネイティブなブロックチェーン上の資産を維持しながら、Binance Smart Chainの収益を生み出すための流動性を得ることができる。

Binance(バイナンス)のCFOであり、Binance LabsとM&Aの責任者を務めるWei Zhou(ウェイ・チャウ)氏は声明で「Pancake Bunnyの成長と実行に対するMOUNDのコミットメントはすばらしいものです。MOUNDのチームのライブ製品のデザインとサービスに関する専門知識が、私たちが投資を決定した主な要因でした。私たちは、MOUNDとともにDefiの視野を広げることを楽しみにしています」と述べた。

カテゴリー:フィンテック
タグ:MOUNDDeFi資金調達

画像クレジット:Vicki Jauron, Babylon and Beyond Photography / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:塚本直樹 / Twitter

野菜・果物など生ゴミ活用のオーガニックポリマー開発で水問題解決を目指すOIST発EF Polymerが4000万円調達

ビル&ミリンダ・ゲイツ財団も支援、生ゴミ活用のポリマー開発で水問題解決を目指すEF Polymerが4000万円を調達

野菜・果物の不可食部分の残渣など有機性廃棄物から開発したオーガニックポリマーを手がける「EF Polymer」(EFポリマー)は4月14日、シードラウンドにおいて、総額4000万円の資金調達を発表した。引受先は、MTG Ventures、Yosemite、Beyond Next Ventures、エンジェル投資家の鈴木達哉氏(Giftee代表取締役)。2018年から始まった沖縄科学技術大学院大学(OIST)のスタートアップアクセラレータープログラムから生まれたスタートアップとしては、初めての大型資金調達事例となる。

EF Polymerは、OISTの2019年度スタートアップ・アクセラレーター・プログラムを通じ、当時22歳のインド人起業家兼CEOのNarayan Lal Gurjar(ナラヤン・ラル・グルジャール)氏らが設立。

生分解性廃棄物(生ゴミ)を新興国でも利用しやすい低コスト・持続可能な農業資材に変換することで、水不足など農業に関わるグローバルな環境問題を解決することをミッションとして掲示しており、野菜・果物の不可食部分の残渣をアップサイクルした環境に優しいオーガニックポリマーの開発を行っている。

EF Polymerが開発するオーガニックポリマーとは?

現在オムツなどに使われ一般的に流通しているポリマーは、アクリル系ポリマーなど化学合成されたものが大多数であり、生分解せず土壌を汚染することや、土壌成分と化学反応し吸水力を失うことから農業利用に適していないという。

これに対してEF Polymerのポリマーは、柑橘系の果物やバナナの皮、サトウキビのバガスなど有機性廃棄物を基に開発を行っているそうだ。このポリマーは、自重の80~100倍の水を保持でき、土壌投入すると保水力と肥料保持力が高まり、40%の節水と20%の肥料削減が期待できるという。また100%オーガニックのため6カ月で完全生分解される。

インドではすでに累計1700kgを販売しており、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などの支援を受けながら、500人以上の農家の協力の下パイロットテストを実施しているそうだ。

農業用水不足などの「水問題」を、生ゴミを「資源」として活用し解決

今日の地球上に存在する水のうち人類が利用可能な淡水は約0.01%しかなく、そのうち約7割が農業セクターにおいて消費されているという。これに加え、気候変動や環境汚染などに起因する農業用水の不足など、農家が直面している「水問題」は乾燥地域では特に深刻な課題となっているそうだ。

また、膨大に生み出される生ゴミも社会問題化しており、世界では毎年約2~3億トンの生ゴミを排出しているという。この生ゴミは、全体の30~40%しか利活用が進んでおらず、焼却インフラの少ない新興国では土壌埋設処分による汚染問題を引き起こしている。

そこでEF Polymerは、世界が抱える「水」と「生ゴミ」における社会課題を同時に解決するべく、生ゴミを「資源」として活用することでオーガニックポリマーを開発した。

またナラヤン・ラル・グルジャールCEOは、現在日本の有機農園は0.5%ヘクタールの土地しかなく、農林水産省は今後30年間で25%にまで有機農園を増やそうとしている点を指摘。バイオ廃棄物をリサイクルし、有機農産物を変換する同社のアプローチは、これらオーガニック農業の促進に役立つという。同社のEF Polymerは、有機農園を増やすというプロジェクトに貢献し得る大きな可能性を秘めているとした。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:農業 / アグリテック(用語)EF Polymer(企業)沖縄科学技術大学院大学 / OIST(組織)資金調達(用語)気候変動(用語)ビル&メリンダ・ゲイツ財団(企業)水(用語)日本(国・地域)

ローカルの観光や体験をパッケージ商品化するBandwangoが3.3億円調達

主な顧客が観光案内所であるスタートアップにとって2020年はかなり厳しい年だったとあなたは思うかもしれない。しかしCEOのMonir Parikh(モニール・パリク)氏は、Bandwango(バンドワンゴ)の顧客ベースが75から200へと倍以上に増えたと話した。

パリク氏によると、ユタ州に本社を置くスタートアップMurray(ムレイ)は「事業所とコミュニティをつなげる」ためのDestination Experience Engineと呼ばれるプラットフォームを構築した。これは、地元のレストランや小売業者、ワイナリー、ビール醸造所、州立公園などを「Newport Beach Dine Pass」「Travel Iowa State Passport」といったパッケージディールにまとめ、観光案内所がそれを販売する。

パンデミックが観光業界に大打撃を与えたことは疑う余地はない。しかしそれに応じて観光業界の組織の多くは、地元の人を近所の事業者やアトラクションをサポートしようかという気にさせるかもしれないディールに注力するようになった。パンデミックが収まった後でも観光案内所は「ローカルに照準を当てた観光が取り組むべきことの一部で、地元の人が大使となり、そうした人々は最良のオーガニックマーケットチャンネルだ」と考え続ける、とパリク氏は予想した。

加えて、パリク氏は新しいプライバシー規則がオンラインビジターについてのデータ収集を困難にしていて、観光案内所にとって「経済的影響力を持っていることを出資者に証明する」のはますます難しくなる、と話した。そのため、かつてお得な情報を広告し、実際に購入するサイトに顧客をつなげる役目を担っていた観光局にとって、情報そのものを販売することは自らの価値を証明する新たな方法となった。

Bandwangoの創業者でCEOのモニール・パリク氏(画像クレジット:Bandwango)

2020年の成長を元に、BandwangoはNext Frontier Capitalがリードするシードラウンドで310万ドル(約3億3700万円)を調達した。本ラウンドにはKickstart、Signal Peak Ventures、SaaS Ventures、Ocean Azul Partnersも参加した(Bandwangoが本ラウンド以前に調達した資金はわずか70万ドル、7600万円だ)。

今までBandwangoは主にフルサービスオプションだったとパリク氏は話した。結局のところ、セールスポイントは観光案内所がすでに「ローカルの事業者と良い関係を築いていること」だ。しかしBandwangoはお得な情報を提供し、そうした情報を店舗で受け入れるために「地元の200もの事業者を説き伏せる」困難な仕事をさばくことができる。

「我々のモットーは、当社はあなたのバックオフィスになります、というものです」とパリク氏は付け加えた。しかし新たに調達した資金で、セルフサービス式のプロダクトも構築したいと考えている。「私がチームに話すことはこういうことです。12歳のティーンエイジャーと同様、90歳のおばあさんも当社のプラットフォームに訪れて、『ローカルのセービングプログラム、あるいはエールトレイルを作りたい。それを手伝いなしにエンド・ツー・エンドでやりたい』と言えるべきだと」。

Bandwangoは現在、顧客にホワイトラベルのソリューションを提供することに主眼を置いている一方で、ゆくゆくは自前の「プライベートラベルブランド」を構築することでこうしたディールを広範に展開するつもりだとパリク氏は話した。

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カテゴリー:その他
タグ:Bandwango観光資金調達

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

機械学習モデルの作成とメンテナンスを支援するCometがシリーズAで14.1億円調達

機械学習のスタートアップへの投資が最近とても多いのは、多様な企業が多様な事業にその応用を見出そうとしているからだ。そうした顧客企業におけるモデルの長期の継続的開発を、最後にはプロダクション(本番稼働)に行き着く実験的なプロセスで支援するCometが、米国時間4月8日にシリーズAで1300万ドル(約14億1000万円)を獲得したことを発表した。

Scale Venture Partnersがそのラウンドをリードし、これまでの投資家であるTrilogy Equity PartnersとTwo Sigma Venturesがこの投資を支援した。Crunchbaseのデータによると、Cometの調達総額はこれで2000万ドル(約21億8000万円)近くになる。

投資家たちの目に映じたものは、売上が前年比で500%ほど伸びた企業だ。そう語る共同創業者でCEOのGideon Mendels(ギデオン・メンデルス)氏は、次のように述べる。「このところ、追い風が吹いていた。プロダクトに関しては、弊社が実験管理と呼んでいるものに注力して、実際にモデルの追跡調査を行ってきた。そこで調べるものは、モデルに入ってくるデータと、学習のプロセスをコントロールするハイパーパラメータであり、それらを調べることによってチームのデバッグとモデルの現状理解を助ける」。

今回の資金調達に加えて同社は、モデルをポストプロダクションまで見届ける同社プラットフォームの拡張プロダクト、Comet Model Production Monitoring(Comet MPM)を発表した。

これに関してメンデルス氏は「モデルのプロダクションをモニタリングするプロダクトは、要するにモデルのポストプロダクションにフォーカスするものです。私たちの最初のプロダクトは、訓練の間に複数のオフライン実験がモデルとしてどのようにして作られるかに着目したが、このMPMではこれらのモデルが初めてプロダクションに入って以降にフォーカスする」と説明する。

関連記事:機械学習のモデルの管理を効率化するComet.mlが約5億円を調達

Scale Venture PartnersのパートナーであるAndy Vitus(アンディ・ヴィータス)氏は、Cometのようなライフサイクルを管理するツールには今後、大きな市場があると考えている。「エンタープライズソフトウェアの未来を牽引するものは機械学習とAIだ。そうなれば、企業がモデルのライフサイクルに対する完全な視野とコントロールを確保することが絶対的に欠かせない」とヴィータス氏は声明で述べた。

同社は成長にともなって、ニューヨークのオフィスに加えてイスラエルに新たなエンジニアリングハブを開設した。オフィスは現在、閉鎖しているが、メンデルス氏によると、パンデミックが落ち着いたら、リモートと通勤の両方を混ぜたハイブリッドオフィスにしたいという。

「オフィスはニューヨークとテルアビブの両方に置く計画だが、オフィスで仕事するのが嫌な人はそれでも良いし、週に2日だけオフィスに来るのでもいい。いずれにしても、世界中からの雇用は続けていく」とメンデルス氏は語った。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Comet機械学習資金調達

画像クレジット:Westend61/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

新型コロナ需要で好調の在宅フィットネスTempoがソフトバンクなどから240億円調達

2020年、パンデミックによって人々が家に閉じこもることを余儀なくされたとき、ジム通いをしていた多くの人が有酸素運動と筋力アップのトレーニングの欠如を埋めようと在宅フィットネスメーカーに目を向けた。

そうした需要に対応しようと、Moawia Eldeeb(モアーウィア・エルディーブ)氏とJosh Augustin(ジョッシュ・オーガスティン)氏が5年前に創業したフィットネススタートアップTempo(テンポ)はソフトバンクがリードした2億2000万ドル(約240億円)のシリーズCラウンドをクローズした。Tempoは調達した資金でサプライチェーンを補強し、増大する消費者の需要に対応し、またR&Dやコンテンツなどの取り組みも促進する。同ラウンドにはBling Capital、DCM、General Catalyst、Norwest Venture Partners、Steadfast Capital Venturesなどが参加した。

Tempoが2020年2月に発売した自立型キャビネットには42インチのタッチスクリーンがある。絶えずスキャンし、運動するユーザーを追跡してコーチする3Dモーショントラッキングカメラを備える。

同社は現在3種のハードウェアパッケージを販売している。価格は2495ドル(約27万円)からで、バーベルやダンベル、折り畳み式ベンチ、ケトルベルシステム、スクワットラック、運動マット、リカバリー用フォームローラー、心拍モニターなどのアクセサリーから選べる。ユーザーはまた、オンデマンドとライブのクラスに参加するのに月額39ドル(約4250円)のサブスク料金を払う。

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Tempoのコンセプトは、エルディーブ氏とオーガスティン氏がSmartSpotを開発した2015年に生まれた。SmartSpotは、トレーニング中にトレーナーがクライアントのフォームを分析して改善するのをサポートする、ジムに販売していたコンピュータービジョンの拡張スマートスクリーンだ。SmartSpotが生成・収集したデータの山を活用して、エルディーブ氏とオーガスティン氏はフィットネスユーザーの最も共通する動きのエラーを特定し、各ユーザーにユニークなレコメンデーションを提供するのに機械学習を使ったプログラムを開発した。このプログラムがTempoの基礎の一部となった。

「私はかつてパーソナルトレーナーだったのですが、1時間あたり150ドル(約1万6000円)の料金だったと覚えています」とエルディーブ氏は説明する。「より良いエクスペリエンスを作り、多くの人にかなり安価で提供したいのです。つまり、それを可能にするコアなテクノロジーに引き続き投資することを意味します」。

Tempoのサービス開始はかなり良いタイミングだった。パンデミックで在宅フィットネスソリューションに対する需要は空前の勢いだった。2020年初めにプレオーダー受付を始めて以来、売り上げは1000%増となり、納入は現在5〜7週遅れている。納入遅れはPeloton、Tonal、Echelonといった他のホームフィットネス企業も直面している問題だ。Tempoによると、同社のユーザーはこれまでに合計500万回のトレーニングを行い、4万時間をデバイスを使ったトレーニングに費やした。

「サプライチェーンは確かに問題です」とエルディーブ氏は認め、2020年に工場が一時閉鎖したりオペレーションが削減したりしたことによる生産面での問題を指摘した。「我々が大量生産するのは初めてのことで、立ち上げる前はプロダクトを少量生産していました。しかしマーケット展開した初年に当社はすべての問題を解決しなければならず、これまでに注文を受けたかなりの量のプロダクトをいまだに出荷しています。工場の従業員に安全でいて欲しかったため、基本的に当社は販売を減らさなければなりませんでした」。

事業拡大の機会は巨大だ。グローバルマーケットは2025年までに294億ドル(約3兆2062億円)に到達すると予想されている。エルディーブ氏は新たな資金でロジスティックとサプライチェーン、従業員を増やす。そして、ヨガやボクシングクラスを2021年後半に提供するためにコンテンツを拡大する計画でもって急増する需要に対応したいと考えている。

米国ではワクチン接種が着実に進み、それにともないジムが再開する中で、人々が在宅フィットネストレーニングに今後も執着するかどうかは大きな疑問だ。元のジム通いに戻るのか、あるいは両方を組み合わせたハイブリッドモデルを受け入れるのか。エルディーブ氏は、2021年初めに発表されたThe New ConsumerのConsumer Trendsレポートを指摘し、人々が在宅トレーニングに慣れるほど、その利便性を手放さないと確信している。レポートでは、40歳以下の人の81%が自宅でのエクササイズを好むことが示された。

もしそうなら、Tempoのような企業は在宅フィットネスへのシフトの恩恵を引き続き受けることになる。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Tempoフィットネス資金調達ソフトバンクグループ

画像クレジット:Tempo

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(文:JP Mangalindan、翻訳:Nariko Mizoguchi

少ない計算機資源で機械学習モデルをエッジで展開するためにDeepliteが6.6億円のシード資金を調達

機械学習アプリケーションを展開する際の問題点の1つは、高い計算能力を必要とし、コストがかかる傾向があることだ。モントリオールに拠点を置くスタートアップのDeeplite(ディープライト)は、モデル全体のサイズを縮小し、より少ないリソースのハードウェアで動作させる手段を提供することで、この状況を変えたいと考えている。

カナダ時間4月13日、同社は600万ドル(約6億6000万円)のシード資金調達を発表した。ボストンを拠点とするベンチャーキャピタルのPJCがこのラウンドを主導し、Innospark Ventures、Differential Ventures、Smart Global Holdingsが参加した。またSomel Investments、BDC Capital、Desjardins Capitalも参加している。

DeepliteのCEOで共同創業者のNick Romano(リック・ロマーノ)氏によると、同社の目標は、実行に大量の計算能力と大量のメモリを必要とし、速いペースで電力を消費する傾向のある複雑なディープニューラルネットワークを、少ないリソースでより効率的に実行できるようにすることだという。

「私たちのプラットフォームは、そうした学習モデルを新しいフォームファクターへと変換し、制約のあるエッジハードウェアに展開することができるのです」とロマーノ氏は説明する。それらのデバイスは、携帯電話やドローン、あるいはRaspberry Pi(ラズベリーパイ)のような小さなものにすることも可能だ。つまり、開発者は、現在のほとんどのケースでは不可能な手段でAIを導入することができるのだ。

同社が開発したNeutrino(ニュートリノ)というプロダクトは、モデルの展開の仕方や、モデルを全体のサイズを小さくし実運用に必要なリソースを削減するために、どの程度の圧縮を行うべきかを利用者が指定することを可能にする。基本アイデアは、極めて限られたリソースの下で、機械学習アプリケーションを実行しようというものだ。

最高製品責任で共同創業者のDavis Sawyer(デイビス・ソーヤー)氏は、同社のソリューションが活躍するのは、機械学習モデルが構築されてトレーニングが終わり、実運用の準備が整った後だという。ユーザーはモデルとデータセットを提供し、より小さなモデルをどのようにビルドするかを決めることができる。そのためには、許容範囲内で精度を多少落とす可能性もあるが、主に行われるのは、圧縮レベルの選択(すなわちどれだけモデルを小さくするか)だ。

「より安価なプロセッサーへ展開できるように、圧縮することでモデルのサイズを小さくすることができます。中には、200MBが11MBになったり、50MBが100KBになったりする事例もあります」とソーヤー氏は説明する。

PJCで今回の投資を担当しているRob May,(ロブ・メイ)氏は、チームならびに、スタートアップが開発しようとしている技術に感銘を受けたという。

「AI、特に深層学習をリソースに制約のあるデバイスに展開することは、AI人材やノウハウが乏しい業界で幅広い課題となっています。エッジAIが主要なコンピューティングパラダイムとして成長し続ける中で、Deepliteの自動化されたソフトウェアソリューションは、大きな経済的利益を生み出すでしょう」とメイ氏は声明の中で語っている。

この会社のアイデアは、モントリオールにあるインキュベーターTandemLaunch(タンデムローンチ)にルーツがある。Deepliteは2019年半ばに会社として正式に立ち上げが行われ、現在の従業員は15名だが、2021年中にその数を倍増させる予定だ。会社を創業するにあたり、創業者たちは多様性と包括性のある組織を作ることを重視していると、ロマーノ氏はいう。

彼は「私たちは、確実に多様で包括的な方法で、適切な人材を見つける戦略を採用しています。それが組織のDNAなのです」と語る。

この先可能になったときには、モントリオールとトロントに従業員同士のハブとなるオフィスを設置する予定だが、オフィスに出社する必要はない。

「私たちがすでに議論済ですが、基本的にはみんなが自由に出入りできるようにし、かつてのように大きなオフィススペースを必要とするとは考えていません。皆、自分の都合に合わせて、リモートやバーチャルで仕事をすることができるようになります」とロマーノ氏はいう。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Deeplite機械学習資金調達エッジAIカナダ

画像クレジット:Andrii Shyp / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:sako)

労働時間を記録しチームメンバーで共有可能な時間管理SaaS「TimeCrowd」が2550万円調達

労働時間を記録しチームメンバーで共有可能な時間管理SaaS「TimeCrowd」が2550万円調達

労働時間を記録しチームメンバーで共有可能な時間管理SaaS「TimeCrowd」(タイムクラウド)を提供するタイムクラウドは4月14日、J-KISS型新株予約権の発行による2550万円の資金調達を発表した。引受先は、ライフタイムベンチャーズ、インキュベイトファンド、個人投資家。調達した資金は、開発費・採用費に充当する予定。

労働時間を記録しチームメンバーで共有可能な時間管理SaaS「TimeCrowd」が2550万円調達

TimeCrowdは、労働時間を記録してチームメンバーに共有することで、チーム全体の生産性を高めるためのリモートワーク対応時間管理ツール。タスクごとにかかった時間をウェブ上で簡単に記録でき、チームの「誰が」「何を」しているかをリアルタイムで把握できる。また、レポート機能・CSVダウンロード機能により時間の見える化を行い、業務効率の改善などに役立てられるとしている。

労働時間を記録しチームメンバーで共有可能な時間管理SaaS「TimeCrowd」が2550万円調達

TimeCrowdの主な機能

  • 作業時間を簡単に記録できる:任意のカテゴリーを選んでタスク名を入れるだけで、作業(タスク)ごとの時間を記録可能。ウェブブラウザー「Chrome」の拡張機能を使えばSalesforce、kintone、Chatwork、Trelloなど、あらゆるクラウドツールのデータを使って文字入力不要で打刻できる
  • リアルタイムでチームメンバーの動きがわかる:リアルタイムで打刻中のメンバーを確認できる。チームメンバーの「誰が」「何を」しているのかがリアルタイムで把握でき、効率よくコミュニケーションを取れる
  • レポート機能やエクスポート機能で時間を見える化:レポート機能やエクスポート機能によって、記録した時間を見える化可能。何に時間を使っているのかを把握することで、業務改善に役立てられる

2020年から続くコロナ禍により、働き方が変化するとともに、リモートワークが常態化し、社内コミュニケーションはオンラインが中心となっている。対面での活動が中心び営業やマーケティング、コーポレート部門も例外ではなく、オンラインの活用が必須という状況にある。

TimeCrowdによると、リモートワークで働く方は「誰が何をしているか分からない」「いま電話を回していいか分からない」といった、リアルタイムでの仕事状況がわからないといった悩みを抱えているという。またマネジメント層も、メンバーが「チーム全体の生産性が見える化できない」といった管理上の課題を抱えているそうだ。

そのような中TimeCrowdは、利用者がストレスなく業務時間を記録・共有するツールとして「TimeCrowd」を提供し、チームの生産性向上を支援するとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:新型コロナウイルス(用語)資金調達(用語)TimeCrowd(企業・サービス)リモートワーク / テレワーク(用語)日本(国・地域)