Android版Chrome、全画面モードを追加、オムニボックスからの検索を簡易化。iOS版にも音声検索追加へ

Chrome 27のデスクトップ版が昨日公開され、今日(米国時間5/22)Googleは、Andorid版Chromeもバージョン27にアップデートした。デスクトップ版のアップデートは主として性能改善だったが、Android版には新機能がいくつか追加された。一番大きいのは、スマートフォンの全画面モードだろう。iPhoneアプリ(あるいはかつてのAndroidブラウザー)と同じように、スクロールダウンするとツールバーが消える。

さらにこのバージョンでは検索体験がいくらか簡易化された。オムニボックスから検索した際「検索クエリがオムニボックスに表示されたままになるので、編集が容易になり、検索結果の表示が増える」とGoogleは言っている(下図参照)。

Googleでは類似の機能をデスクトップ版Chromeでも実験している。これは、オムニボックスを事実上Google.comの検索フォームに変えるものだ。これまでは、表示を検索結果のURLに切り替えてから、検索結果ページ上に検索インターフェースを再現していた。デスクトップでは、新しいやり方はいつも私を混乱させるのだが、画面サイズの制約を考えれば、これでスクロールせずに検索結果を何行か余計に表示できるのだろう。

他にこのアップデートで加わった新機能には、クライアント側認証(企業のイントラネットに接続する際によく必要になる)とタブレット版でのタブ履歴(戻るボタンの長押しでタブ履歴を見ることができる)がある。

iOSはどうなるのか?

iPhoneおよびiPad版Chromeにも近々音声検索が追加されると今日Googleが発表した。公開は数日以内の予定で、ユーザーは「ローマの天気は?」「サンアントニオからダラスまでは何マイル?」などの質問ができるようになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Googleが提供するIDE Android Studioとアプリ展開に便利なデベロッパコンソール

Android Studio IDE

今年のGoogle I/Oデベロッパカンファレンスでは、アプリデベロッパのための一連のツールも発表された。その中には、Android Studioと呼ばれる新しいデベロッパスイートもある。それは、IntelliJ IDEA〔の無料版Community Edition〕をベースとするIDEだ。

この発表はカンファレンスの会場でも高い関心を喚び、ステージ上にスクリーンショットが映し出されるたびに“オォ!”とか“アァ!”という喚声が上がった。

このツールにはAndroid開発のためのいろいろなオプションが盛られていて、開発過程を迅速化し、生産性を高める。たとえば“ライブレイアウト”機能は、コードをエディットしているときリアルタイムでそのアプリの画面を表示する。

画面のサイズとレイアウトは、3.7インチの携帯電話や10インチのタブレットなど、さまざまに変えられる。これはアプリの国際化のために便利であり、アプリを実機にインストールしなくてもルックスが細部まで分かる。

Googleは、Android Studioに関しては今後の“ビッグプラン”がある、と言っている〔現状はプレビューバージョン〕。

デベロッパコンソールと段階的展開

Studioの発表のあとには、デベロッパがアプリをベータテスターたちの手に渡すときの便利機能が紹介された。その過程は、これまでは少々厄介だったが、これからは専用のコンソールからベータユーザたちとアプリの段階的展開過程の両方を管理できる。

GoogleのプロダクトマネージャEllie Powersがこの新機能を共有し、Googleとしての収益化の方法についても述べた。上図のように、デベロッパコンソールには最適化チップやアプリ多国語化のための翻訳の支援なども含まれる。たとえばロシア語をセレクトするなど、翻訳機能とその結果の利用も、コンソール上でできるし、またGoogle翻訳以外のプロの翻訳サービスベンダも紹介される。

アプリのプロモートキャンペーン機能(有料)を利用すると、そのアプリをダウンロード〜インストールした個々のユーザを追跡でき、インストール後の利用状況も分かる。利用状況の数値も、コンソールに表示される。

●Android Studio Googleオフィシャルページ
●Android Studio試用記(Eclipseよりも良い、と)
●Android Studio Windows 7上のインストール(環境変数JAVA_HOME or JDK_HOMEの設定など)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleトレンドに「月刊トップチャート」が登場―急上昇キーワードのビジュアルなアニメ速報も

毎年Googleは各ジャンルの年間トップ検索キーワードをZeitgeistとして発表しているが、今回、トップチャートとして月間のトップ検索キーワードをまとめたページがGoogleトレンドの新しいセクションとして公開された。 この順位はGoogleの知識グラフが利用されており、キーワードの単なる検索回数という以上に一般ユーザーの関心を的確に集約したものとなっているということだ。

チャートは、ミュージシャン、俳優、テレビ番組、動物、薬、ウィスキーなど多様なジャンルが網羅されている。メインのページには相対的な関心の度合いを表す棒グラフと上昇中か下降中か表す矢印つきで表示される。現在トップチャートには40のセクションが用意されている。

さらにGoogleはクールな全画面アニメ方式のホットな検索キーワードページを発表した。カラフルな背景に大きな文字でその瞬間にもっとも人気のあるキーワードが表示される。対象となる国を選ぶこともできる〔上のスクリーンショットは日本のもの。キーワードをクリックするとメインのGoogle検索結果ページにジャンプする。たとえば『ポテトスナック』をクリックすると「販売終了を惜しむ声」というニュースが表示される〕。また左上の格子型のアイコンをクリックすると最大25件までのキーワードを同時に見ることができる。

Googleトレンドのトップページは左サイドバーにこれらのセクションへのリンクが表示され、右側メイン・ページには急上昇キーワードが詳しくリストされる。従来とくらべてさほど大きく変わったわけではないが、UIデザインが見やすくなり、更新も速くなったようだ。メディアや広告関係者のように現在どんな現象が一般の関心を集めているのかをリアルタイムで知りたいユーザーには大いに助けになるだろう。もちろん単なる好奇心から覗いても面白い。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitter、SMS利用の2段階認証を導入してセキュリティーを強化

数ヶ月前に大量のアカウント情報がリークするという失態を演じたTwitterだが、今日(米国時間5/22)、ユーザーをハッキングやフィッシングから守るためにSMSを利用した2段階認証を発表し、セキュリティーを強化した。

残念ながら、ログインに必要な認証コードが単一の携帯電話に送信される仕様のためこの措置は企業やメディアで単一のアカウントを複数の担当者が利用する場合には使えない。

2月にTwitterのセキュリティー問題から何十万というアカウントがパスワードを再設定する必要に迫られた。これを機にTwitterに2段階認証をサポートするよう要求する声がインターネット・コミュニティで高まった。WiredのMatHonanは先月、Twitterが部内で2段階認証をテスト中だと報じたが、その後もAP通信のアカウントがフィッシングで乗っ取られるなどの不祥事が続きた。

少なくとも個人アカウントについては2段階認証の導入で乗っ取りなどの被害に遭う可能性がずっと少なくなる。

この機能は現在順次公開中だ。まだ自分アカウント設定ページにオプションが表示されていないユーザーはもうしばらく待つ必要がある。2段階認証を有効にするには、設定中のアカウントセキュリティーで「ログイン時に認証コードを要求する」にチェックを入れ、携帯電話の番号を入力すればよい〔まだ日本国内では有効になっていない〕。携帯にSMSで確認メッセージが届けば2段階認証は有効になっている。

以後はログインのたびに認証コードがユーザーの携帯に送られるので、パスワードと同時にその認証コードを入力する。Twitterのログイン認証はモバイル・アプリをサポートしていないので、その場合はアプリに一時的パスワードを設定する

 2段階認証というのは、悪者がユーザー名とパスワードを盗んだとしてもユーザーの携帯まで盗むことはないだろうという前提にもとづいている。

こちらに2段階認証の手順を説明したビデオがある。ヘルプ・センターにも解説がある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


彼は最初からそれをJIFにすればよかったのよ, 何を今さら…

The New York TimesがSteve Wilhiteのかわいらしいインタビュー記事を載せている。Wilhiteは、今や有名なあのGIFファイルを発明した人だ。Wilhiteは、White Houseは間違っている、とみんなに伝えたいらしい:

彼はGIFを誇りに思っているが、このフォーマットの発音をめぐっていまだに議論があることに、困惑している。

“Oxford English Dictionaryは両方の発音を載せている”、とWilhite 氏は言う。“でもそれは間違っている。それはソフトな‘G’であり、「ジフ(jif)」と発音する。この話は、これで終わりにしたい”。

GizmodoのCasey Chanは私と同じ意見だ。彼の、わざと滑稽に書かれた記事は、楽しい。“彼によると、われわれアメリカ人は間違っている。それはソフトな‘G’であり、「ジフ(jif)」と発音する。おやおや、だったら最初から、あなた、ピーナッツバターの商標と同じJIFにすればよかったじゃないですか。そうすれば話は終わりですよ。ぼくはもっと前に、この話は終わったと思っていましたよ。でも、ぼくが読んだ本が、間違っていたのかな”。

つまり、Chanも私も合衆国の大統領も、単純にWilhiteを無視して、これからもハードな‘G’で発音するのだ。それは、‘gift’(ギフト)から最後の‘T’を取った発音、つまり「ギフ(gif)」よ。この惑星の上の誰一人として、それを‘jif’なんて発音しないんだから。

お話は、これでおしまい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ミクシィが学習管理サービスStudyplusのクラウドスタディに7200万円を出資

ミクシィが本日、クラウドスタディへ7,200万出資したことを発表した。また、ミクシィは同時に、クローズドSNSのCloseなどを運営するREVENTIVEへの出資も発表している。

クラウドスタディは学習管理サービスのStudyplusを運営している。このサービスは講師と生徒、サービスとユーザーといった学習サービスではなく、学習を管理するためのものだ。

サービスに登録後、勉強に使っている教材やアプリを入力する。その後はその教材をどれだけ勉強したかユーザーが記録をつけ、可視化されにくい勉強の成果をグラフで表示する仕組みとなっている。

StudyplusにはSNSとしての側面もあり、ユーザー同士で勉強の成果に対してコメントを残したり、「いいね!」といったアクションを起こせる。お互いに励まし合える点が良い。

クラウドスタディ代表取締役社長の廣瀬高志氏はStudyplusが他のサービスと違うのは匿名性だという。

Studyplusは高校生や大学生のユーザーが多く、大抵のユーザーは自分が何を勉強しているか友人に知られたくないそうだ。そのため、匿名性にして、このサービス内だけの関係(勉強仲間)を作ってもらうことで友人を気にすることなく勉強記録を投稿してもらえるという。

現在Studyplusのユーザー数は約13万人で、サービス上に投稿される勉強記録の数は月間100万件ほどだ。DAU(デイリーアクティブユーザー)が1万2,000人だというから、毎日3件から4件ほどの勉強記録が投稿されていることなる。

こうして蓄積された勉強記録は有益なデータベースになると廣瀬氏は語る。例えば東大に合格したユーザーが使っていたテキストは何で、毎日どれくらい勉強していたのかといった情報や、どのくらいのペースでテキストを勉強し終えれば良いのかの参考にもなる。これは高校や大学受験だけではなく、社会人の資格取得にも使える。

Studyplusのように学習の管理面にフォーカスしたものは珍しいが、廣瀬氏は「ジョギングなどは継続するためのツールが存在するが、勉強に関してはない。勉強はマラソンに似ているので、記録を可視化してあげることで継続に繋がると思った」と語った。

今後は他の学習系サービス/アプリにAPIを提供し、それらを使って勉強すると自動的にStudyplusにログを残すことや、外部と連携しながら学習コンテンツの提供も検討しているという。


ランド・ポール上院議員によるAppleの税対策擁護は概ね正しい


「Appleのような企業が他の米国企業と同じく正当な税法簡易化を求めることを非難するのはばかげている」と、超自由主義者のランド・ポール上院議員がツイートし、「Apple CEO Tim Cookが自社の税対策を擁護しているなどと言いがかりをつけている」と同僚議員らに食ってかかった。

Cookの話題騒然の尋問の前夜、一通の上院議員調査報告書が公表され、Appleは帳薄を操作し疑わしい脱税行為によって、35%の米国税率を逃がれるために海外資金1020億ドルの米国への返還を回避していると訴えた。

「本来やるべきことをせず、議会はビジネスマンやビジネスウーマンたちをここへ呼び出し、彼らが株主の利益を最大化しようとしていることを非難している」とランド議員は別のツイートで付け加えた。

「Appleが全海外収益に対して2%以下の税金しか支払わなくて済む仕組みが、同社に米国税を免れるための複雑な税対策を行わせる財務的動機を与えている」と、常設調査小委員会のカール・レビン、ジョン・マケイン両上院議員の報告書は指摘している(詳細はこちら)。

当然ポール議員は、この告発のAppleが米国政府に対する義務を怠っていると責めるトーンに怒りを露にした。「これは米国企業が最大の利益を上げようとすることに対する確執だ。この場に来て自分たちのゴールはAppleとは違う、納税額を最大にすることだ、と言う企業いたら見てみたいものだ」と彼は言った。

何千(何百万?)もの米国市民がApple株を直接あるいは年金を通じて保有している、「Mr. Appleを痛めつけることは、自分たちを痛めつけることだ」とポール議員は指摘する。実際Appleは、もし何らかの非常に複雑な海外税対策を通じて利益を最大化していなかったなら、一般株主をだましていたことになる。

しかし、ポール議員のわかりやすい主張も、解決案となると物足りない。例えば彼はうかつにも “repatriation holiday”[本国持ち込み税優遇措置] に言及した。2004年に米国政府は、海外資金を国内に戻す動機付けのために、この制度を設けた。しかし、超党派議会調査委員会によると、その資金は研究開発には回らなかった。実際には多くの企業が雇用を削減し、新たな資金を株主への配当に注ぎこんだ。

今ポール議員らは、減税が一般にイノベーションへの投資を刺激することは主張できても、現実的な “repatriation holiday” について軽々しく語るべきではない。

実際の証人喚問は、報道よりもずっと外交的で惜しみなくAppleを褒めたたえる。「私は。Appleを。愛している・・・夫がMacBookに変えるまで彼を責め続けた」とクレア・マカスキル上院議員はまくしたてた。

元大統領候補のジョン・マケイン上院議員も、「私が本当に聞きたかったのは、なぜいつもスマートフォンのアプリを更新してばかりいなければいけないかだった」と、彼なりにジョークを言った。

Tim Cook自身は、2つの解決案を簡単に陳情した。簡易化、減量化された米国税法、および「1桁」の海外資金持ち込み税率だ。こうした税制案は議論を呼ぶところだが、その場で最も説得力があったのは、ロブ・ポートマン上院議員がTim Cookにかけた言葉だった。「君たちにこれ以上税理弁護士は必要ない。必要なのはイノベーターだ」

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(翻訳:Nob Takahashi)


VPNアプリHotspot ShieldがiOS, Android計で1000万ダウンロードを達成–でも何のためにVPNを?

仮想プライベートネットワーク(virtual private network, VPN)は、秘密の保持、マルウェアの防止、コンテンツのオーディエンスの制限(地理的制限など)回避など、いろんな目的に役に立つ。だからモバイル全盛の今日でも、VPNの人気は衰えるどころか、ますます盛んだ。

AnchorFreeが無料で提供しているVPNアプリHotspot Shieldはこのほど、AndroidとiOSの計で1000万ダウンロードを達成し、その間の月間ダウンロード数は約150万であった。Hotspot ShieldはiOSの生産性カテゴリーではトップ、そしてAndroidでは、昨年のローンチ以来今やiOSを上回るはやさで成長している。今では、新規ユーザの約2/3がAndroidからだ。

とりわけ最近の伸びが著しく、2013年の初頭と今を比べるとアクティブユーザ数は倍増している。同社によると、同アプリはデビュー以来今日まで286億回のマルウェア攻撃を撃退している。またその圧縮アルゴリズムにより1億200万バイトあまりのデータを節約している。心配性の人や節約家が旅をするときには、空港などの公開WiFiスポットでセキュリティを確保したり、データ圧縮により高価なローミング代金を節約したりできる。

今日の同社からの発表声明の中には、これまであまりおおっぴらに語られてこなかったことも、指摘されている:

Hotspot Shieldは海外にいる旅行者が合衆国のコンテンツにアクセスするためにも利用されている。

VPNのセキュリティとデータの節約を強調するたくさんのテキストの中に、この話が場違い的にぽつんとあるのが、なんともおかしい。上記はもちろん、コンテンツのアクセスに対する地理的制約を回避することが第一の目的だが、コンテンツのプロバイダにとっては、あまり気づかなかった盲点でもある。

たとえばSpotifyやNetflixなどなどを視聴できない国が世界中にあるが、VPNを使えばあなたのIPはVPNサービスが提供する合衆国のIPアドレスになる。今実際にいる国は、どこでもかまわない。海外を旅行中の合衆国国民がそれを利用するのは別に問題ないが、実際には、たとえばHuluを見れない国の人が“不法に”Huluを見るためにこのテクニックを使っていることも多い。

AnchorFreeとしてはなるべく知らん顔をしたいところだが、ダウンロード数1000万の中には、その“動機”もけっこうあるにちがいない。コンテンツの視聴に地理的な制約があるかぎり、VPNアプリの急成長は今後も続くだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple CEOティム・クック:「納めるべき税金は1ドル残さず全て納める」

AppleのCEO Tim Cookは議会の尋問を受け「われわれは納めるべき税金は1ドル残さずすべて納める」と宣言した。上院による激しい調査の結果、Appleは138億ドルの脱税の疑いで訴えられた

冒頭の宣誓でCookは、Appleが納税を逃がれるために「小細工に頼ることはしていない」ことを陳述した(Appleが海外に現金を隠した方法については本誌の記事を参照)。

議会にはCookを支持する議員もいる。中でもクレア・マカスキル上院議員、および法人税率の大幅引下げを推す自由主議者として知られるランド・ポール上院議員が特にそうだ。
ポール議員は同僚議員らを、株主の価値を最大に高めようとしている偉大な米国企業を中傷していると非難した。

マカスキル議員はポール議員が同僚を非難したことを諭しつつも、「私は。Appleを。愛している・・・夫がMacBookに変えるまで彼を責め続けた」と付け加えることを忘れなかった。

Cookは、米国税法の単純化を推進するためのロビー活動を行っており、「税収中立、企業免税の完全撤廃、海外現金を国内に戻す際の税率の妥当化が必要。われわれは、これが自分たちの納税額を増加させるであろうことを承知の上で提案している」と語った。

Cookは自身の税法案に関して「これがAppleの米国税を増加させることは十分理解している」と認めた。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoftの新Xbox Oneはオールインワンのホーム・エンタテインメント・システム―ネット常時接続は要求せず

先ほど、Microsoftは現行Xbox360の後継となるゲームコンソール、Xbox Oneを発表した。この新世代ゲーム機はそれ自身として強力であるだけでなく、家庭のデジタル・エンタテインメントのハブとなることを明確に目指している。単なるゲーム機というよりむしろライフスタイル・デバイスと呼ぶべきプロダクトだ。

MicrosoftのDon Mattrickはプレスイベントで「すべてのエンタテインメントを一つにまとめて活性化させる舞台」と表現した。イベントではオンラインストリーミングを提供するテレビのセットトップボックスなどゲーム以外のあらゆるメディアとしての役割が強調された。

音声コントロール

新しいKinectが今回の発表の目玉の一つだ。これには最初の電源オンから始まってあらゆる命令に対応できる音声コントロールが組み込まれている。Xboxは音声で個別ユーザーを認識し、それぞれのユーザー・プロフィールを読み込む。その結果、XboxOneはApple TVにSiriが組み込またらこうもあったろうかというような存在になった。

Xbox Oneに音声でタスクの切り替えを命じると、驚くほど素早く反応する。私の家のセットトップボックスでチャンネルを切り替えるより速いくらいだ。さらに音声認識だけでなく、手のジェスチャーによる命令もサポートされている。

スナップ・モード

このスナップ・モードはMicrosoftのWindows 8のUIに似ており、2つの活動を同時に実行できる。映画を見ながらインターネットの映画サイトで関連情報を検索するなどということができる。あるいはゲームをしながら、今回Xbox Oneで新しくサポートされたSkypeで友だちと会話することもできる。

スナップ・モードではこれまでゲーム・コンソールではできなかったセカンド・スクリーンが自由に使えるようになった。テレビをライブで見ながらインターネットに接続しブラウザを開いて関連情報を読んだりできるのが新しいXboxOneの大きなセールスポイントだろう。番組提供者にとっても伝統的なCMに飽きた視聴者に新たにリーチする方法となる可能性がある。

スペック

Xbox Oneは8GBのRAM、ブルーレイ・ドライブ、8コアCPU、ネーティブ64-bitアーキテクチャ、500GB内蔵HDD、HDMI入出力(既存のホームシアターに組み込むためのパススルーも含まれる)、802.11nWi-Fi、USB 3.0を備えている。これはだいたい事前に予想されたとおりだが、実際きわめて強力なハードウェアだ。

しかしMicrosoftのMarc Whittenによれば「Xbox Oneの強みはむしろソフトウェアにある」という。Whittenは「ゲーム、アプリ、ライブ・ストリーミングをシームレスに提供するためにわれわれは3つのOSを組み込んだ。XboxOneのアーキテクチャはネーティブOSに加えてWindowsとさらにマルチタスクを素早く切り替えるための第3のOSが内蔵されている」と説明した。

Kinectとコントローラー

Kinectもアップデートされた。1080pの高精細度ビデオを入力の他に、人体の認識点も増え、いっそう正確な認識ができるようになった。音声とジェスチャーの認識ソフトウェアも改良されている。運動中のユーザーの心拍も計測することができるという。

全体としてMicrosoftは今回Kinectの改良に大きな努力をしたようだ。小さな不具合も解消され非常にスムーズなもの仕上がっている。

コントローラーはお馴染みのデザインを踏襲しているが、バッテリー・コンパートメントがPS Dual-Shockのようなスリムなデザインになった。Wi-Fi Directと高精細度のD-Padが備えられる。トリガーの機能も強化されているという。

DVR、クラウドにゲームをセーブ、ライブラリー

新しいクラウド・ベースの機能により、メディア・コンテンツやゲームのプレイ記録などをクラウドに保存できるようになった。またゲームのプレイ経過を録画するDVR機能もサポートされる。

Xboxの新機能の多くはインターネット接続を必要とする。これが長らく話題になっていた「新Xboxは常時インターネット接続を要求する」という噂の元になったのだろう。Microsoftは「XboxOneは常時インターネット接続を必須としているわけではない」と述べた。ブルーレイ、ライブTVの視聴、ゲームのプレイはインターネット接続がオフでも可能だということだ。

注目すべき製品

SonyがPlayStation 4をリリースしたときの私の印象はあまりにゲームに偏りすぎ、単なるコンソール機にとどまったというものだった。その点、Microsoftのアプローチは正反対だ。熱狂的なゲーマーからゲームをしないユーザーまで家族全員がリビング・ルームで楽しめるハブになっている。これはゲーム業界にも大きな影響を与えそうだ。

Xbox Oneは今年中に発売される予定だが、Microsoftは出荷の期日や価格については明らかにするのを避けた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Cloud PlatformはAWSなどとどこが違うのか

先週のGoogle I/Oで一般公開が発表されたGoogle Cloud Platformをめぐって、誤解があるようだ。しかしそれは、今度できた新しいプラットホームではない。むしろそれは、Googleがこれまで何年も使ってきたものだ。それは、Googleの基盤だ。それは、GoogleをGoogleたらしめているものだ。そしてそれが今初めて、デベロッパや企業に公開されようとしている。

Google Platformは、誰もがそれを利用できるようになったという点が新しい。これまでは、限られた人たちしかアクセスできなかった。

Google Cloud Platformが公式にローンチしたのは、昨年のGoogle I/Oでだ。だからまだ、Google I/OのようなイベントではGoogleの新しいサービスであるかのように騒がれる。しかしその機能集合は、Amazon Web Services(AWS)に比べると見劣りがする。サービスレベルアグリーメント(service level agreement, SLA)の深さでは、Windows Azureにかなわない。PaaSを導入しようとしている顧客には、ほかにも、Openshift、Red Hatといった選択肢があり、自社でオープンクラウドを構築したければOpenStackがある。ほかにも、IBM、HPなど、選択肢は数多い。

では何がGCPの強みか?

しかしGoogle Cloud Platformには、他にない強みが一つある。それは、企業が自分のデータセンターをそこに接続すれば質問の答が数ミリ秒で得られるネットワークだ。Googleが、3D地図や翻訳APIやGoogle Glassなどを提供できるのも、そんなネットワークがすでにあるからだ。

Google I/Oの分散データベースセッションのパネルでMongoLabの協同ファウンダWill Shulmanは、“それは猛烈に速い”、と言った。“顧客企業はインターネットに直接接続するのではなく、データセンターをGoogleのプライベートな分散バックボーンに接続するのだ”。

ネットワークが高速であることは、いくつかの重要な違いをもたらす。Google Compute Engineでは計算処理とストレージがそれぞれ別だが、ネットワークの速度が速いためにユーザは一つのもののように感じる。一台の、巨大なスーパーコンピュータを自分のプログラムから使っているような感覚だが、実はそれは数千台ものサーバに分散しているコンピューティング&ストレージサービスなのだ。

また、ネットワークが速ければ、一定時間内に処理できるデータ量も多くなるから、コストに関しても有利だ。

Googleの料金体系には、このようなネットワーキング効果が織り込み済みだ。そのやり方はクラウドプロバイダProfitBricksに似ており、ProfitBricksはInfniBandを使ってGoogleの10GBネットワークよりさらに大きな帯域を提供している。しかしそれでもGoogleのファイバネットワークとデータセンター最適化構成は、時間単位ではなく分単位の料金体系を可能にしている。

つまりGoogleのプラットホームでは、顧客がコアを倍にして、それまで1時間を要していたデータジョブを、同じ費用で30分で終えることができる。

Googleは、データセンターを生き物のように見ている。それらは孤立した島ではなく、接続されている。そのほかのデバイスやサーバや、ほかのデータセンターに、接続されているのだ。

サービスの実体がサーバではなくネットワークだとの認識から、Googleはネットワークに力を入れざるをえない。今や、世界はデータの群ではなく、データの織物(ファブリック)だ。しかし、ネットワーキングは高くつく。計算(CPU)コストとストレージコストがますます低下していく中で、ネットワーク費用はそれほど劇的に低下しない。昨年6月に行われたOpen Network SummitでGoogleのプロダクトマネージャAmit Argawalが、プレゼンでそう語った。

上のビデオでArgawalは、同じ10GBの接続パイプでも、合衆国国内の二地域間と、市場が急速に発展しているアジアの二か国間ではコストが大きく異なる、と言っている。デバイスは至るところにあり、今や使い捨て状態だ。スマートフォンを紛失しても、新たに買ってバックアップするのに30分もかからない。しかしデータはデバイスではなくクラウドにある。データに対するサービスはネットワーク上に住まう。だから、高速で対話的でなければならないのは、今やネットワークだ。ネットワークが速くないと、ユーザのエンゲージメントも滞る。高可用性が、このスタックのあらゆるレイヤに組み込まれていなければならない。

Googleではデベロッパの役割が大きい理由

ネットワーキングやそのほかの費用を抑えるために、Googleはオペレーションの最適化に絶えず努めている。インターネットのビジネスモデルは、無料または低額を要求する。したがってGoogleは、そのサービス上でデベロッパがアプリケーションを作る場合、それがGoogleの広告プロダクトの拡大に貢献し、Google Appsのようなローコストのサブスクリプションサービス(定額会費制サービス)であることを求める。

そしてそのためにGoogleがデベロッパを集める「場」が、Google Cloud Platformであり、そしてデベロッパたちはGoogleの明日の経営にも貢献するのだ。

Google I/OでGoogleは、デベロッパがGoogleのバックエンドを利用するために提供しているツールについて説明した。Google Mapsにも、Chromeにも、AndroidにもBigQueryにも、それらが組み込まれている。Google Glassも、いずれそうなる。

AWSにはリッチなデベロッパのエコシステムがあり、提供しているサービスもきわめて多様かつ深い。しかしAmazonにはGoogleのような自己同一性がなく、Google的なサービスのプロバイダでもない。AmazonになくGoogleにあるものは、デベロッパに提供できる豊富なデータ(とそれらを取り出すAPI)だ。それが、多くのデベロッパを抱える企業に対してもGCPの強力なセールスポイントになる。

たとえば分散データベース企業Cloudantなどにとっては、Google Cloud PlatformはAWSと並ぶ重要なコミュニティだ。“Google上のデベロッパは数が多いだけでなくどんどん増えている”、分散データベースパネルに同席した同社の協同ファウンダでチーフサイエンティストのMike Millerはそう語った。

Google App Engineは、デベロッパにとってのGoogleの魅力を象徴している。GoogleはGoogle I/Oで、Google App EngineでPHPをサポートする、と発表した。PHPを使ってWebサイトを構築している大量のデベロッパたちが、これからはGoogleを利用できることになる。3月にGoogleがTaleriaを買収したのも、動的(ダイナミック)プログラミング言語のサポートを拡大し、システムのスケールアウト(==分散化)のニーズに効率的に対応していくためだ。本誌のFrederic Lardinoisは、この買収についてこう書いている:

同社のサーバを使うと、アプリケーションのコードはそのままで、“より少ない台数でより多くのユーザを扱える”、という。また、“自分の好きな生産性の高い言語を使えるが、スケーラビリティとパフォーマンスはコンパイル言語並になる”、という。

そしてさらにGoogleは、Google App Engineの使いやすさの増大に努めている。たとえばバックエンドをサービスツールとして提供し(上述)、また管理機能の充実により、デベロッパがバックエンドのことを忘れてアプリケーションのコードに集中できるようにしている。

デベロッパでない人でもアプリを構築できるという“ヴィジュアルPaaS”サービスOrangeScapeなどにとっては、とくにこの点が重要だ。デベロッパから見ての、Google App Engineの利用インタフェイスの単純化、それにより同社はITチームの肥大を防げている、とCEOのSuresh Sambandamは言う。

Googleのネットワークは、一社が持つものとしてはおそらく世界最大だ。しかし同社の今後の最大の課題は、そのデータセンターの費用低減である。いわばGoogleは、同社のインフラストラクチャを公開してその分散ネットワークをより効率的に拡大し、しかもそれと同時に、多くのデベロッパを惹きつけてそのビジネスモデルをスケールしていかなければならないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Yahoo、Flickr Proを廃止。広告嫌いとプロ向けに新たな有料版を提供


Yahooのビッグニュースデー ― 傘下の写真共有サイトFlickrの大規模改修 ― の締めくくりとして、同社はFacebook/Instagramをはじめとするオンライン写真分野のライバルとの戦いを有利にすべく、Flickr Pro版を廃止する、しかし、有料版を全面撤廃するわけではない。広告のないAd Free、およびパワーユーザー向けのdoublrを、それぞれ年間49.99ドル、および499.99で提供する。

Ad Freeサービスは、49.99ドルで写真フィードの右側に並ぶ広告がなくなる。そして、もしYahooのTumblr広告に関する今日の議論が何らかのヒントになるとすれば、近いうちにフォトストリーム中に広告が現れるようになるかもしれない。

doublrサービス(これまた母音欠落・・・これは同社のTumblr買収を後押ししたに違いない)は、499.99ドルで無料の1テラバイトに加えて追加の1テラバイトが手に入る。

Pro版 ― 3ヵ月6.95ドル、12ヵ月24.95ドル、2年間44.95ドル ― には無制限アップロード、無制限ストレージ、広告なしに加えて、アップロードした写真を縮小サイズではなくダウンロードできる、という実にたちの悪い条件があった(つまり、一般利用者はProにアップグレードしない限りフルサイズ画像をダウンロードできなかったという意味だ。オリジナルファイルは常にFlickrに保存されている)。

Flickrに近い筋から聞いたところによると、Proの終了が会社に与える影響は小さい、なぜなら元々Proが好調だったことはないからだと言う。

「全ユーザー中の比較的少ないパーセンテージしかProを使っていなかった」と本誌の情報筋は言い、はるか昔のCEO Terry Semelはプレミアムサービスを強く推していたが、彼が辞めてから(実際には在任中も)、Proバージョン推進のための「投資は事実上ゼロ」だったと付け加えた。

そうはいっても、現行のProユーザーはYahooがどう残りの年間使用料を補償するつもりなのかを心配している。Yahooの注意書きによると、今回の変更に伴い、名前の横に表示されていた “pro” バッジは削除され、Pro版のギフトもできなくなる。奇妙なことに、AOLの定額料金のやり口を彷彿されるかのように、YahooはPro版自動更新ユーザーに対しては更新を可能にしている。

実はPro版にはもう一つ役割があった。今日CEO Marissa Mayerは、Flickrを再考することになったそもそものきっかけは縮小画像のダウンロードだったと語った。「われわれのサービスを見渡してみてこう自問した。何故こんなことをしているのか? それが思考実験の始まりだった」と彼女は言った。そして、Flickrはこれ以上「劣化」画像を提供したくないという決断が下された。「われわれは画像を保管し、ユーザーはいつでも高解像度画像を利用できる。これは大きな差別化要因だ」

しかしDropbox、BitTorrent、Mega等の時代、今や写真を保存できる場所はいくらでもある。保管場所をFlickrにするためにYahooにプレミア料金を払う人などいるだろうか? いずれにせよ、既に指摘されているように、無料アカウントを2つ取ればいいところを、誰が追加ストレージに499.99ドル払うだろうか。

そんな中、FlickrユーザーたちはTumblrの先例にならって、変更に対する辛辣な批判を書き並べている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ジャック・ドーシーのSquareがメール送金サービス、Square Cashを開始―現在は招待のみ

Squareはビジネス・ユーザーだけでなく、個人もターゲットにするつもりのようだ。このほど「招待オンリー」で“Square Cashというサービスが登場した。まだ詳しいことはわかっていないが、われわれはSquareにコメントを求めている。

アップデート: Squareの担当者からSquare Cashについて次のような回答があった。「Square Cashの公開を始めることができてうれしく思っています。この数週間でさらに多くのユーザーを招待する予定です」

派手なアニメのスプラッシュ・ページにはメールのCCにpay@square.comを入れて、タイトルに$25と記入することで友だちと飲んだときの割り勘の金を支払うという例が表示されている。

いまのところ、これはデモに過ぎないが、近くこの送金機能がSquareのネーティブ・アプリに組み込まれるのだと予想してもいいだろう。.

こうした個人向けのメールによる送金サービスはVenmoやPayPalがすでに提供している。Googleも最近、GmailとGoogle Walletを利用した送金サービスを計画している。Visaでさえ以前そういう計画を持っていた。しかし、メールによる個人間送金は誰もが望むサービスであるにもかかわらず、まだ誰も本格的には実現していない。Squareのような有力な支払いサービスがこの分野に参入しようと考えるのは当然だろう。

デモ・ページによれば、相手がSquareにユーザー登録していない場合でも受け取り人のデビット・カード口座への振込という形で送金ができるという。初めて送金を受けたユーザーは通知されたリンクを辿ってデビット・カードをSquareに登録する。これは新たなSquareユーザーを獲得するのに大いに役立つだろう。

現在、招待は厳密にSquare側の選択によって行われており、ユーザーはメールアドレスを入力することもできない。別途設けられているヘルプ・ページによると、送金1回ごとに50セントの手数料が送金者に課金される。送金者には1回ごとに明細書が発行される。

Squareは最近ビジネス・ユーザー向けにフル機能の新しいiPadキャッシュ・レジスターをリリースしたばかりだ。しかしSquareは個人のポケットから出入りする金の処理も獲得しようとしているのは間違いない。

ファウンダー、CEOのジャック・ドーシーが最近TwitterとVineを利用して謎めいた投稿をしているが、ひょっとしてこの「ちょっとしたお祝い」はSquare Cashに関係があったのかもしれない。

われわれのところに招待が届いたらさらに詳しいレポートをお送りする予定だ。しかし招待はまずSquareとTwitterの関係者が優先されるようだ。


Flickrが驚きのリニューアル―高解像度、新Androidアプリ、1TB無料ストレージなど

新Flickrはすでにオープンずみだ。

Tumblr買収が公式に確認された当日、Yahooはニューヨークでプレスイベントを開催した。しかしそこでわれわれを驚かせた発表はTumblrではなく、2005年3月に3500万ドルでYahooに買収された写真共有ソーシャル・ネットワークのFlickrの完全リニューアルだった。

今日(米国時間5/20)、Flickrはルック&フィールから機能に至るまで徹底的に改良された。大きく分けるとその焦点は3つの分野になる。まず第1に、UIからテキストや青いリンクが追放され、高解像度の写真がPinterest風のグリッドに配置されるようになった。

第2に、最近のiOS版のアプリで行われたアップデート(これによってアップロード数が25%も急増したという)を取り入れたAndroid版アプリが発表された。これでAndroridユーザーもiOS版と同様の機能を利用できるようになった。

第3に、Flickrは無料ストレージの容量を大幅に拡大した。実際、それは巨大なものになった。Flickrは今やすべてのユーザーに無料で1テラバイトの記憶容量を提供する。Yahooは「1テラバイトの容量を無料で提供するインターネット・サービスは世界で初めてだ」と宣言した。この容量は写真に換算すると53万7731枚になるという。.

新UIでは写真ストリームはグリッドに隙間なく同じ大きさで配置される。Facebookのタイムライン風のヘッダーにユーザーのプロフィールが表示される。上部の左側にPhotostream(写真ストリーム)、Sets(アルバム)、Favorite(お気に入り)にビューを切り替えるボタンがある。

では共有の方法も簡単になった。グリッドの写真をクリックして単独表示にすると下部に共有アイコンが表示される。クリックするとメール、Facebook、Twitter、Pinterest、Tumblrの共有ボタンが表示される。また写真へのリンクもワンクリックで取得できる。

写真の表示のデザインも大きく変わった。背景は黒になり、どの写真もフルスクリーン表示が可能になった。フルスクリーン表示状態でも矢印で前後の写真に簡単に移動できる。

Yahooのモバイルおよび最新プロダクト担当上級副社長のAdam CahanはFlickrには現在8900万のユーザーがおり、80億枚以上の写真がアップロードされているという。これは大変な数だ。

Marissa Mayerは「Yahooで起きている改革のほとんどはユーザーの日常の行動の観察から生まれている」と説明した。それがホームページ、メール、天気予報などユーザーにもっとも身近なプロダクトのの改良に力を入れている理由だという。これらのプロダクトはそれぞれに写真によって機能を強化されている。

Yahooは、Marissa Mayerのイニシアチブの下でFlickrを含めたYahooプラットフォームのリニューアルに成功しつつある。しかし一方で、Flickrが今後収益性を高めることができるのか、そしてもっと重要な点だが、Instagramという怪物と戦えるのかという疑問にはまだ答えが出ていない。

ここでタイミングが興味あるものとなる。Yahooはインターネッで最大のブログ・プラットフォームの一つを買収した。Flickrはブログに対する写真の巨大なリソースだ。ではYahooどのようにしてこの2つの大規模な資産を統合していくつもりだろうか?

Flickrのリニューアルを発表した他に、MayerはYahooが新しいニューヨーク・オフィスを以前ニューヨーク・タイムズの本社だったタイムズ・スクエアのビル内に開設することを発表した。これまでニューヨーク市内の各所に分散していた500人のYahoo社員はこの新オフィスに集中される。ただしTumblrのチームは新おフィルへ移動せず、従来どおりのオフィスで独立に業務を続けるという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


安価な遺伝子検査が、がん予防を複雑化させる

医療情報が増えると悪いこともある。影響力のある団体である米国予防医療特別委員会は、乳がん検出を目的とする遺伝子スクリーニングは大多数の女性に対して〈推奨しない〉と勧告した。なぜか? 検査が不完全だからだ。乳がん発症に関係する遺伝子検査は、誤って陽性と判定される可能性の方が高く、おびえた被験者が不要な手術に走ったり心理的トラウマに陥いることがある。23andMeなどの先進的医療スタートアップによる超安価な遺伝子検査は、不完全な医療情報の入手を容易にした結果われわれのがん検査を困難にしている。

乳がんの可能性を60~80%増加されることで知られているBRCA1遺伝子変異が発見された女優、アンジェリーナ・ジョリーは、両乳房切除という思い切った予防治療を行った。彼女がNew York Timesで語った勇気ある告白によって、乳がん防止への注目は高まったが、統計に暗い人々にとっては危険もある。

例えば、New York Timesの統計導師、ネイト・シルバーは、ある時私にこう話した。乳がんマンモグラフィーの精度は75%だが、陽性と判定された女性が実際にがんにかかってる確率は約10%にすぎない。大多数の女性はがんにかかっていないため、偽陽性(ここに数字で説明した有益なブログ記事がある)と判定される女性の方がはるかに多いからだ。最大の問題は、調査によると多くの人ががん検査の偽陽性に関する数学を理解できず、その結果無知な判断を下しかねないことだ。

同じ数学は、ジョリーが告白したBRCA1/2遺伝子変異についても適用される。研究者らは欠陥遺伝子を持つ女性の確率はわずか0.11~0.12%であると推定している。「BRCA1/2の遺伝子検査は適切なカウンセリングの下で行うべきであると信じている」と、スティーブ・ジョブズのがん治療にも関わった南カリフォルニア大学のDavid Agusは語った。「答えは単純ではない、経験ある専門家と患者による検討が必要だ」

従来何十万ドルを要した検査に、安価な家内遺伝子検査産業が急速に立ち上がった。最も人気の高い23andMeは、最低99ドルからサービスを提供しており、同社ブログではBRCA議論にまで介入している。

23andMeは、BRCA1変異を知らされた患者に悲観的感情変化がみられなかったという最新研究結果を引用して、「消費者による直接テストに対する度重なる批判の根拠は、一部利用者に深刻な精神的苦痛を引き起こしたり、有害な行動を誘発するという理由だったことを踏まえると、この発見は重要であると主張している

この調査のインタビューに応じた遺伝子変異陽性群の利用者たちたちに、重度の精神的苦痛や不適切な行動の証拠が存在しないことから、「アシュケナージ・ユダヤ系女性に対して、これら3種のBRCA変異に関するスクリーニングを広く行うことを検討すべきだ」と同社は語っている。

しかし、任意回答のアンケートは物語の全貌を語らないこともある。ジョリーの決断に関する特集記事の中でTIME誌は、遺伝子異常を知らされ不必要である可能性の高い予防手術を受けたある女性のエピソードを掲げている。「彼女は動揺して両側乳房切除術を受けた」と米国がん協会最高医療責任者のOtis Brawleyは語る。同氏はこの患者の変異に限って彼女が心配するような悪性ではなかったことを心配する。

興味深いことに、TIMEのKate Pickart記者は、遺伝子検査の経済的コストが大規模な遺伝子検査を滞らせていると主張している。医療保険制度改革(別名、オバマケア)の新規定の下でも、100%保険適用されるのは家族歴に遺伝子異常のある患者に限られる。

しかし、わずか99ドル(将来はずっと安くなると思われる)なら、経済的障壁は崩れる。これは遺伝子検査が悪いと言っているのではない。ただ、われわれ、特に統計を理解しない人々を混乱させると言うだけだ。検査を受ける女性が多くなるほど、偽陽性は多くなり、その結果患者も医師も確信を失う。

おそらくこの安価スパイラルに託す唯一の望みは、検出精度と予測能力を高めるテクノロジーが出てくることだ。深部組織を定期的に監視してがんの兆候を見つける新しいブラ(下の動画)は、一つの有望な解だ。

遠からず、このジレンマから逃がれる革新的方法が見つかることを願いたい。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Yahoo、Tumblrの11億ドル買収を取締役会で承認(WSJ報道)

Wall Street Journalによると、Yahooのソーシャルブロギングサイト、Tumblrの11億ドルによる買収が取締役会で承認された。Tumblerの買収が先週噂された時、金額は10億ドル以上と言われていた。同紙の報道によると数字は正確だったようだ。

WSJの情報筋によるとTumblerは独立事業として運営を続け、月曜日(米国時間5/20)に2社のいずれかあるいは両方から正式発表があるという。Yahoo CEOのMarissa Mayerが同サイトに興味をもったのはわずか数ヵ月前だが、Tumblrの買収はソーシャルメディア参入の大きな一歩であり売上拡大の方法であると彼女は考えている、とWSJに語った匿名の人物は伝えている。Yahooはすでにニューヨーク市で月曜日にイベントを予定しており、WSJによると同社は、これも噂されているFlickrとの契約を発表するらしい。Tumblrの買収は、当初の発表予定には入っていなかったかもしれないが、もし承認されればば明日の発表に盛り込まれる可能性は高い。

最近本誌が入手していた情報によると、Yahooの上級幹部組織に空白が生まれつつあり、モバイル部門から重要メンバーが抜けたという噂があった。これらの離脱劇が比較的最近のことなのは興味深く、Tumblrが当初社内で安すぎるという声もあったと言われる11億ドルの提案を呑んだこととも関係があるかもしれない。本誌情報筋は、Tumblrの現金が急速に底を尽きつつあり、それも売却の理由かもしれないと言っている。

Twitterでは一部のユーザーが、Yahooの買収が決まったらTumblrをやめると脅すと言っていることを本誌のIngridが先に報じた。彼女も書いているように、同サイトの訪問者数の伸びは2013年に入って停滞あるいは減少気味であり、いずれもTumblrのユーザー獲得にとって良い話ではない。しかしInstagramがFacebookに買収された時にも、うるさいユーザーがアカウントを閉じると騒いでいた。実際には、Instagramのユーザー数、エンゲージメント、ブランド認知力は買収後に著しく上昇した。

Yahooは今年に入り急ピッチで企業買収を進めており、この数ヵ月間毎週どこかを買っているかのような勢いだ。中でも目立ったのはSummlyの買収で、このニュース要約スタートアップは3000万ドルと報じられた金額でYahooに吸収された。17歳のファウンダーは、会社そのもの以上に見出しを飾り、買収のメリットに関しても多くの議論を呼んだ。

最近になってからYahooの買い物リストはあまり明かされなくなり、買収パターンは同社製品群の拡大というよりも戦略的雇用が目的になっているに見えた。しかし、Tumblrは厖大な既存ユーザーを持つ機能満載の成熟サービスであり、Yahooでは必ずしも代表的といえない比較的若い層をターゲットとしているので、そのトレンドとは異なる。Tumblrにはそれなりの「クール」さがあり、それはまさしくYahooが欲しがっているものだ。

その買収金額には一部で驚きの声があがっている。Fortune誌のDan Primackがツイートしているように、最新の決算報告によるとYahooの手持ち現金はわずか12億ドルなので、現金によるTumblr買収は、Appleはもちろん、Instagram買収の10億ドルを現金と株式で支払ったFacebookと比べても、はるかに無理な買い物だ。もし数字が正しいとすれば、YahooのTumblr買収は、同社がいかに貪欲にメディアベースのソーシャルネットワーク参入を望んでいるかを示す強力なシグナルだ。

本誌はYahoo、Tumblr両社にコメントを求めているが、Yahooから型通りの「噂や臆測に評コメントしない」旨の返信があっただけだ。もしTumblrから返事があれば本項をアップデートする予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Evernoteのノートブックをブログ化するPostach.io、ベータ版にてサービス提供中

EvernoteのDevcupと呼ばれるハッカソンにも参加しているPostach.ioがなかなか面白い。Evernoteのノートブックをコンテンツ・マネジメント・システムとしてブログを構築するものだ。提供しているのはバンクーバーのInput Logic。サービスを提供し始めて4週間ほどだがEvernoteともマネタイズについて話をしつつ、また投資家からの資金も獲得している。

Input Logicの設立は2年前のこと。UIデザイナーのShawn AdrianとプログラマーのGavin Vickeryの2名が、まずはソフトウェア開発会社として立ち上げた。そして見積書の自動作成を行うQuoteRobotの提供を開始し、その他にも契約書作成ツールなどを開発した。チームはフルタイム2名を含めて5名となり、Nest、Michael Kors、スキーリゾートのMt. Washingtonなどに、システムの提案から開発など、種々のIT系サービスを提供してきた。

しかし、今後はPostach.ioに注力していきたいと考えているのだそうだ。

Adrianによれば、本人もVickeryも当初はEvernoteを使っていなかったらしい。多くの人が使っているのは知っていたが、どちらかと言えば冷めた見方をしていたわけだ。しかしFull Stackのパートナー(この度Input Logicに20万ドルの投資を行った)であるLance Traceyの勧めにより、活用法を探ってみることにした。

「使ってみるうちに可能性に気付かされ、とくに開発担当のGavin Vickeryが深くめり込んでいくことになったのです」とAdrianは言っている。

そして両名はQuoteRobotのドキュメントなどをEvernoteで管理するようになった。そうするうちに、ドキュメントの管理ツールとしてのみではなく、直接にパブリッシュ(公開)する仕組みを作れないものかと考えるようになった。Vickeryも、自身のブログ記事を全てEvernoteで作成管理していた。直接に公開できる仕組みを作れば話が早い。そう考えたわけだ。

そんなわけでPostach.ioが生まれることとなった。

これまでにさまざまなCMSを使ってきた経験を活かし、簡単なブロギングシステムに必要とされる機能をすべてPostach.io上に実装した。たとえばテーマのカスタマイズ、RSS(Atom)のフィード機能、Disqusを利用したコメントシステム、マルチメディアコンテンツへの対応などは当然に実現されている。Evernoteに保存できるもの(画像、音声、ビデオ等)はすべて、コンテンツとして活用できるようにもなっている。

現在のところ利用できるテーマは数件程度であり、シンプルで必要最小限のものとなっている。今後は本体の機能を追加していくとともに、たとえばEvernote FoodやHelloなどの利用者のために、適したテーマを開発するなどしていきたい考えだ。機能的には、各種ソーシャルネットワークとの連携や、ウィキ機能、あるいはコミュニティ機能なども実現したいと考えている。こうした機能があれば、自分のコンテンツをいろいろな方法でアピールすることができるようにもなる。

Postach.ioを使うには、アカウントを取得してEvernoteと連携させるだけだ。連動するノートブックを指定して、保存アイテムに「published」のタグを付ける。すると当該アイテムがブログ上で記事として公開されることとなる。Evernoteの日付指定を利用して、予約投稿を行うこともできる。

ブログはyourname.postach.ioといったサブドメインで公開される。但し、プレミアム版で独自ドメインで運用することもできるようにしていく考えだ。

プレミアム版についてはまだ詳細は未定で、独自に有料版を展開していくのか、あるいはEvernoteの利用者をEvernote Premiumに転換させるアフィリエイトシステムを活用すべきかを考えている。現在のところはプロダクトの機能を充実させ、そして利用者を拡大させることに注力しているわけだ。ちなみに4月にプロダクトの発表を行なって以来、1500名の利用者を獲得しているそうだ。

言うまでもなく、競合となるブログプラットフォームは数多く存在する。Tumblr、WordPress、あるいはBloggerのような大手もあるし、Medium、Svbtle、そしてPosterousからのデータ移行を狙ったPosthavenなど、新たに登場してきたものもある。このような中、Postach.ioとしては、既に多くの利用者を集めているプラットフォームを活用するという方向性にて、差別化できるものと考えている(そうした考えを持っているのはPostach.ioだけではない。Everblogや、あるいはこちらのIFTTTレシピなども同様な狙いを持つものといえよう)。。

「Evernoteを活用する場合、コンテンツがEvernote上にあるという安心感もあります」とAdrianは述べている。「たとえば私たちのサーバーが雷に打たれて使えなくなるようなことがあっても、利用者の方々のコンテンツデータが失われてしまうようなことはないわけです」。

使ってみたいと思う人は、こちらでサインアップすることができる。

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(翻訳:Maeda, H)


インテリジェントなTo-Doリストを提供するAny.DO、個人向けツール拡張を視野に、350万ドルの資金を調達

Q:いったいどういうわけでTo-Doリストアプリケーションに350万ドルもの資金が必要になるのだろう?。A:単なるTo-Doリストを超えたTo-Do関連アプリケーションに発展していくから。と、そんなわけで、ウェブおよびモバイル環境で利用される人気のTo-DoアプリケーションであるAny.DOがシード資金の獲得をアナウンスした。今回のラウンドをリードしたのは、これまでにも出資しているGenesis Partners。他にもInnovation Endeavors(Eric Schmidtのファンド)、Joe LonsdaleBlumberg CapitalJoe Greensteinなど、既存出資者のみならず新たな出資者も加わっている。

尚、Any.DOは2011年末のエンジェルラウンドにて、Innovation Endeavors、Blumberg Capital、Genesis Partners、Palantir(Joe Lonsdale)、Felicis Ventures(Aydin Senkut)、およびBrian Kooなどから100万ドルを調達している。

Any.DOのことを知らないという方のために、少々説明しておこう。開発チームがまずリリースしたのはTaskosというアプリケーションだった。同アプリケーションは2011年11月までに130万の利用者を集め、今やさらにその数字を倍に伸ばしている。チームはこのTakosの成功を見て、コンセプトを発展させたAny.DOをリリースしたのだった。

投入以来Any.DOは大いに人気を集め、現在ではiOS、Android、そしてウェブ上で500万人が利用しているのだとのこと。Onavo Insightsのデータによれば、Any.DOはTo-Doリストアプリケーションの世界で、マーケットリーダー的位置にあるのだという(もっとも近い位置にいるのはWunderlistだ。今月頭のアナウンスによると、利用者が400万人を超えているらしい)。

たいていのケースとは異なり、Any.DOはiOS版よりもAndroid版で多くの利用者を抱えている。Androidの利用者層の広さを意識して、そこで必要とされるアプリケーション機能を十分に吟味して、またTaskosを使っていた潜在ユーザーの希望なども存分に反映しつつAny.DOを生み出したのだ。

Any.DOのデザインは非常に優れたもので、それがゆえにアプリケーションがとてもシンプルに見えもする。但し、裏ではかなり難しい処理も行なっている。

Any.DOのファウンダー兼CEOであるOmer Perchikは次のように言っている。「お使いいただいているアプリケーションはどんどんスマートになっていくと思います。登録されたTo-Doは、もちろんきちんと管理します。また、アプリケーションにはセマンティックエンジンも搭載して、関連To-Doなども効率的に管理していこうと考えています」とのこと。「予測エンジンも搭載して、興味のありそうなことを提案するような機能も実装しているのです」。

たとえば、旅行やジムのワークアウトに出かけたい旨をアプリケーションに登録したとしよう。すると、Kayak、TripAdvisor、MyFitnessPalなど、関連するアプリケーションのレコメンドも行う。あるいは「税金を支払う」と登録して、日時を指定しなかったとしよう。それでもきちんと納税日前にリマインダーを表示するというようなことも行う。

関連アプリケーションの紹介はアフィリエイトに基いて行なってることもあれば、そうでないケースもあるそうだ。いずれにせよ、1~5%という平均的なコンバージョンレートよりも高い率を実現しているとPerchikは述べている。

ところで今回獲得した資金はAny.DOに投入するのか、それとも他にも個人向け生産性向上ツールの開発を行う考えがあるのだろうか。Perchikは「両方の可能性がありますね」と述べている。但し、今のところはメールやカレンダーなどの分野にテリトリーを拡げるつもりはないようだ。

最近は、ホームスクリーン上に配置されて高頻度で利用されるアプリケーションの開発に注力しているスタートアップが多い。たとえばメール(Mailbox、Triageなど)や、カレンダー(Sunrise、Tempoなど)、あるいはメッセージング用のアプリケーションも提供していくような動きがトレンドとなっている。「日々の生産性に関わっているという面では、私たちのプロダクトに似ている面もあります。しかし関連製品をいろいろと出していって、Google DocsやOfficeのようなものを提供しようとする気持ちは全くないのです」とPerchikは述べている。Any.DOに近い、より個人的な世界に目を向けているのだそうだ。

ところでPerchikたちは、現在は新しく開設したサンフランシスコオフィスで仕事をしている。人員は12名だ。ここで働くスタッフの獲得に資金を投入することにしているそうだ。R&Dチームは当初よりイスラエルで仕事をしている。サンフランシスコオフィスで採用する人材はマーケティングおよび企画系を予定しているらしい。

ちなみにAndroid版のAny.DOは最近アップデートされている。Astrid(最近Yahooが立て続けに行った買収攻勢で対象となったひとつ)のサービス終了が予定されており、そのデータをインポートできるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H)


Google+のAndroidアプリは画像フォーマットを秘かにWebPにチェンジ, 帯域を50%節約

今日(米国時間5/17)のデベロッパカンファレンスGoogle I/Oにおける発表によると、約一か月半前にGoogleは、Google+のAndroidアプリの画像を、同社作のWebPフォーマットに変えた。今日のプレゼンテーションを行ったWebPとChromeリモートデスクトップ担当プロダクトマネージャStephen KonigとMake the Web FastチームのメンバーでChromeのデベロッパ情宣担当Ilya Grigorikによると、それにより使用帯域の50%が節約された。

Google+は言うまでもなく画像の多いサービスで、Androidは4.0以降WebPに対応しているから、かなり必然的な移行だとも言える。ただし、今後は、というか来年中には、WebPをGoogleのプロダクトのほとんどすべてに導入していくという計画がある。チームが今日のセッションで見せたスライドには、YouTubeやGoogle Image Search(画像検索)をはじめ、Googleの主なプロダクトのほとんどすべてが‘出演’していた(よく分からないのもあったが)。

この変更は外部に対し黙って行われた。今年初めのChrome Web Storeの場合もそうだった。チームが今日述べたところによると、StoreではWebPの利用によって画像のファイルサイズがPNGのときの約70%に減少した。

現時点でのWebPの問題は、圧縮率の改善で帯域の大きな節約になるとはいえ、AndroidとChromeとOperaしかサポートしていないことだ。そのほかのプラットホームでは従来どおりJPEGやPNGなどしか使えないし、WebPをあえて使うためにはデベロッパが工夫しなければならない。しかし今日の話では、来年はFirefoxもWebPをサポートするそうだ。いずれにしても担当チームとしては、建前上からもこのフォーマットの将来に関してきわめて楽観的であった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


「平和のための3Dプリント」コンテストをミシガン工科大学が主催

3Dプリント銃のDefense Distributedが今守勢なのを機に、3Dプリントの本来の意味をすこし真剣に考えてみよう。そのためにミシガン工科大学が、 平和のための3Dプリンタコンテストを主催する。世界を良くするために3Dプリンタを使ってすばらしいものを作る、という趣旨だ。このプロジェクトを立ち上げたJoshua Pearce博士は、“残念ながら人びとが3Dプリントについて今知っているのは、それで銃が作れるということだけだ”、と述べている。

“課題や制約は何もないコンテストだが、アイデアのヒントとしては、Mother TheresaやMartin Luther KingやGandhiが3Dプリンタを使えたら何を作っただろう、と考えてみるのもよいだろう”。

締め切りは9月1日、入賞作品は4日に発表される。主催者が求めているのは、人を傷つけるのではなくて人を助ける何かだ。

・ローコストな医療機器
・人びとを貧困から抜け出させるためのツール
・人種問題を軽減するデザイン
・エネルギーの利用効率や再生可能エネルギー源を改良し石油をめぐる争いを少なくするもの
・軍事衝突と軍事支出を減らし世界をより安全に住みやすくするためのツール
・持続可能な経済開発を促進するもの(たとえば途上国に適した技術とデザイン/設計により稀少性を軽減するもの)

優勝賞品は3DプリンタType A Machines Series 1、準優勝賞品はよりシンプルな3DプリンタRepRap Prusa Mendelだ。

マスコミが一斉に、3Dプリントによる火器の野放し化に注目している今、それとはまったく違う方向が提示されたことには、ほっとする。3Dプリントという技術と関連の技術者や企業を窮地に陥れているDefDistや政府は、恐怖を利用して何かの目的を達成しようとしている。その結果は、無意味に厳しい規制と、間違った計画をかえって世界中に広めてしまうストライサンド効果だ。政府がDVDの暗号解読コードを禁止したら、そのコードを印刷したTシャツを買えばよい。でも今回のコードは、人の指を吹き飛ばし、お役人たちに家庭用3Dプリンタを全面禁止する口実を与えてしまう。

コンテストに参加した人は、そのことを教えてほしい(幸運を祈る!)。貧困に勝つための武器はもっともっと必要だが、人がお互いを殺し合うための武器は、これ以上要らない。

[画像出典: Thingiverse]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))