【編集部注:本稿のライター、Amitt Mahajan はPresence Capital の創業パートナー。】
デスクトップやウェブのユーザーインターフェースは、伝統的に2Dだ。スマートフォンのアプリも、ゲーム等の特殊なケースでは3Dに対応しているものの、依然2Dだ。フラットUIデザイン への動きは、微妙な3D要素を取り入れながらも、既存のコンピューター機器にとって主要かつ最適な操作メカニズムは2Dであることを強調する結果となった。
それに対してフル3Dは常に、ゲーム、映画、業界に特化したアプリケーションというニッチ市場を追い求めてきた。フル3DのUIが、現在のシンプルで親しみやすい2Dを置き換えることは、デスクトップでもモバイルでも起こりそうにない。
ウェブを通じて3Dの先がけとなろうとした試み(WebGLやVRML)はことごとく失敗したが、それはウェブが生まれながらの2Dであり、指やマウスによる操作が簡単で覚えやすいからだった。3D要素はいつも不必要な複雑さと摩擦を加えるだけで、ユーザー体験に有意な改善をもたらすことはなかった。
しかし、これがもうすぐ変わろうとしている。今年、仮想現実(VR)機器が、何年かのうちには拡張現実(AR)機器がそれぞれ発売される。VRとARはわれわれのコンピューターインターフェースを2Dから3D主体への根本的に変える可能性を秘めている。
VRとARは、ユーザーをリアリティーのある3D世界で包み込むことによって、没頭的体験をもたらす。さらに、Oculus Touch コントローラーや、Leap Motion を用いたハンドトラッキング等の最新入力方式を使えば、新たな3Dハンドジェスチャーの使用も可能になる。現在VR向けに開発されているコンテンツのすべてに3D要素が含まれている。
Pincは2Dと3DのギャップをつなごうとしているVR会社である
3D主体のコンテンツはいくつもの可能性を示唆しており、スタートアップに新たな機会を生みだすだろう。
UnityやUnreal等の定評ある3Dオーサリング環境の価値が益々高まっている。 現在のVRコンテンツの大半はUnityまたはUnrealのエンジン上で動いている。VRやARが益々普及するにつれ、これらのプラットフォーム向けにコンテンツを作りたい人の数も増えていく。2つのプラットフォームは、その確固たるエコシステムと信用によって、この業界に参入する人たちにとって標準の選択肢となっている(モバイルおよび専用機の有力ゲームの大部分はこれらのエンジンで作られている)。
もう一つこの分野への新規参入が難しい理由は、基礎をなすレンダリングエンジンだけでなく、アーティストやゲームデザイナー等、チームの非エンジニアメンバーを支援する総合的なツールを作る必要があることだ。
Simpler ways to create 3D content have to be developed. There isn’t yet a WordPress or Weebly of 3D content, as there hasn’t been a major demand or channel for it. It’s arguable that the simplest 3D authoring tool today is Minecraft. SketchUp is also fairly easy to use and is closer to professional tools like Autodesk’s 3DS Max or Maya.
もっと簡単に3Dコンテンツを作る方法が開発されなくてはならない。 3DコンテンツのためのWordPress やWeebly はまだ存在しないが、それは十分な需要やチャンネルがないからだ。現在最も簡単な3DオーサリングツールはMinecraftかもしれない。SketchUp も比較的使いやすく、Autodeskの3DS MaxやMayaのようなプロ用ツールに近い。
プロ用3Dオーサリングツールはもっと費用効率が高くならなければならない。 今日、3Dモデルや3Dキャラクターを作るためにはまずアーティストがモデルを作り、テキスチャーを加える必要がある。もしモデルがキャラクターなら、それを動かすアニメーターも必要だ。どの工程も時間がかかり、3Dコンテンツの制作は労力を要する作業となっている(2Dコンテンツ制作と比べて)。
こうした余分な努力を費してさえ、生成されるコンテンツが写実的なものになることは稀であり、不気味の谷 に陥いることが多い。この作業を軽減し、より写実的コンテンツを作るためのソフトウェアは、高品質3Dコンテンツの要求が高まるにつれ価値を持つようになるだろう。当社の投資先企業である、Uncorporeal は、高度なコンピュータビジョン技術を用いてこの問題に取り組んでいる。2D UIパラダイムは、3D向けに再検討する必要がある。
どの新しいプラットフォームも似たような課題に直面する。マウスが入力デバイスに加わった時も、われわれがスマートフォンの指を使ったタッチジェスチャーを学んだ時も、開発者は自社の主要アプリケーションが機能するかどうかを考慮し直す必要があった。VRと3Dに新たな操作セットが必要になる。
下のビデオでは、Leap Motionが3Dインタラクションエンジンのデモを行っている。
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2Dからの移行にはまだ多くの産みの苦しみが待っているだろうが、3Dで現実世界を体験しているわれわれにとって、同じ方法でコンピューターとも対話できたら、それはすばらしいことだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )