ToyotaがOculus Riftを使ってわき見運転のおそろしいシミュレータを制作、おしゃべりで迷惑な友人も本物そっくり

VRや、Oculus RiftのようなVRヘッドセット(headset, ≒ヘルメット)の教具としての可能性は、すでに多くの人が認めている。デトロイトで行われた今年のNorth American International Auto ShowでToyotaが見せた運転教育用シミュレーションTeenDrive365は、新米の運転者たちに、わき見運転の危険性を教える。このシミュレータはユーザをToyota車の操縦席に座らせ、完全に没入的な(イマーシヴな)仮想環境の中に、歩行者やほかの車、建物、路上の障害物などを登場させる。

なお、ユーザが座るToyota車の操縦席は、仮想ではなく、このカンファレンスのToyotaのブースに展示されている実車だ。そしてその本物のアクセルやブレーキやステアリングホイールを操作すると、その動きがVRに伝わる。ヘッドフォンから聞こえる音はステレオだから、臨場感も抜群だ。アクセルを踏み込んだときのエンジン音や、パトカーのサイレンの音、くだらないことを話しかける迷惑な友人の話し声、などがリアルに聞こえてくる。

このシミュレータは、Toyotaの運転者教育プロジェクトTeenDrive365の一環だ。このプロジェクトには、ほかにもいろんなツールや、アドバイス、各種イベントの紹介などが含まれ、新米運転者がフェンダーを損傷したり、大きな事故に遭ったりしないように、導いてくれる。とくにこのわき見運転シミュレータは、これまでVR上でいろいろ試みられてきた運転教育用シミュレータよりもずっと充実した環境を、よりリアルに表現しているようだ。

もちろん、Oculus Riftを持ってるあなたがふつうにToyota車を買っても、その車でこのシミュレータを楽しむことはできない。でもToyotaはこれから、TeenDrive365の全国ツアーをやる気だから、10代のガキに自分の車を使わせるとどんなひどいことになるかを、とりあえずシミュレータで知ることができるだろう。同社のイベントのスケジュールは、ここにある

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


なんと! バーチャルリアリティーが手で触れる―音波で触覚を刺激するシステム登場

奇妙に聞こえるかもしれないが、バーチャル・リアリティー内で触覚を実現するカギになるのは音波だという。イギリスのブリストル大学の研究者チームは超音波によって現実に存在しい対象を触覚させることができる新しいテクノロジー開発の開発に成功した( New Scientist)。

Ben Longが率いるチームは、スピーカーによって高い音圧を発生させ、皮膚を刺激して触覚をシミュレーションするシステムを作った。

VRと連動させるためにはLeap Motionのコントローラーが用いられている。このデバイスは2010年にクラウドファンディングで資金を集め、2013年から出荷されている。コントローラーがユーザーの手の位置を検出し、たとえばOculus Riftヘッドセットで描写される環境と連動させて、適切な音波刺激によって手があたかも現実の物体に触れているかのように感じさせる。

このシステムで触覚シミュレーションを行う場合、デジタル画像と同様、解像度の問題がある。現在のプロダクトでは対象はわずかに振動しながら空中に浮かんでいるように感じられる。また対象の形状を細部にわたって再現することはできない。チームは小型のスピーカーのアレイを利用することによって小さなオブジェクトや細かい形状の再現ができるようにするための研究を行っている。画像でいえば表示できるピクセルを増やそうとしているわけだ。

本当にリアルな没入的バーチャル・リアリティーを実現するためには、触覚は不可欠の要素だ。このテクノロジーは初めてその可能性を開いたものとして大いにエクサイティングだ。

ちなみにOculus VRは「現在のバーチャル・リアリティーで欠けている重要な要素はコントローラーだ」と述べ、新しい入力手法の開発を始めている。この新しいコントローラーが開発が成功すればいよいよ一般消費者向け販売が開始されるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


OculusのCEO、「製品版ヘッドセットの市販は何年も先ではない、何ヶ月かだ」と語る

今日(米国時間11/4)のOculus VRのCEO、Brendan Iribeの発言はゲーマーに朗報だ。TheNextWebによれば、アイルランドで開催されているWeb SummitカンファレンスでIribeは消費者向けのOculus Riftヘッドセットの市販は「何年も先ではない。何ヶ月かだ」と述べたという。このバーチャル・リアリティー・ヘッドセットはデベロッパー向けやより進んだ機能を実験するプロトタイプまで、すでに数種類が出荷されている。

しかし喜び過ぎないほうがいいだろう。Iribeは消費者向け出荷が軌道に乗るまでには「かなりの月数がかかる」と付け加えている。市販への最大のハードルは入力デバイスが完成していない点だという。 ゲームパッドやキーボードはOculusのような没入型VRには適当ではない。最近OculusはXBox 360のコントローラーやKinnectを開発したCarbon Designを買収している。おそらくこのチームが画期的な入力デバイスを開発しているのだろう。

IribeはまたライバルのVRデベロッパーに対して「没入型ヘッドセットには方向感覚喪失と船酔いという大きな問題があり、適切な対策を取らずに製品を出荷すべきではない」と警告した。Iribeのこの発言は、最近VRプロジェクトで長足の進歩を遂げているソニーを念頭においているのかもしれない。

〔日本版:上にエンベッドしたビデオの最後、18:45あたりでIribeは「何ヶ月か先」と言っている。。〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Oculusが今秋初のデベロッパカンファレンスをハリウッドで + RakNetを買収してFOSS化

Facebookによる買収が決まったVRヘッドセットRiftのOculusが、今日(米国時間7/7)、二つの発表を行った。ひとつは、ゲームネットワークのための各種ミドルウェアを提供しているRakNetを買収したこと、もうひとつは同社初のデベロッパカンファレンスOculus Connectを9月19-20日にカリフォルニア州のハリウッドで開催することだ。RakNetが提供しているさまざまなサービスやプロダクト…クロスプラットホームな音声チャット、SQLのログ取り、インターネット接続のセキュリティなど…は、MojangやSony Online Entertainmentをはじめ、多くのインディー企業や大きなデベロッパ企業が利用している。

Oculus Connectカンファレンスでは、来場者がOculusのエンジニアやそのほかのVR産業のパイオニアたちとのセッションに参加できたり、ラボで自分のソフトウェアとOculusの社員とのハンズオンや直(じか)のフィードバックを体験できる。出展の申し込みは、7月10日から受け付け、その次週には承認が来る。Oculusはまた、同社の開発の最前線からのニュース(新バージョンRiftのプロトタイプ?)も定期的に提供する、と約束している…ただし具体的な内容は未定だ。キーノートには、Brendan Iribe、Palmer Luckey、John Carmack、そしてMichael Abrashらが顔を揃える。

OculusはRakNetの技術を自分のプロジェクトのためにすでに何年も利用している。買収後にはRakNetがオープンソースになるので、Oculusだけでなく、重要な開発パートナーたちも仕事がやりやすくなり、共に未来のVRプラットホームを築いていけることになる。RakNetのC++クラスライブラリは、売上が10万ドルに満たないゲームは無料で使えたが、今後は完全に無料になる。

” target=”_blank”>関連記事。〕

 

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ドローン+Oculus Rift+頭の動きに連動するカメラ=空を自由に飛び回る!

ドローンに2台のカメラを取り付けて、その画像をOculus Riftに送るというのは楽しいに違いない。ただ、そうした試みは既にある。それでは、このアイデアをさらに進めてみよう。Oculus Riftを装着した人の動きに応じて、ドローンに取り付けたカメラも動くようにするのだ。

この仕組みを使えば、自分自身がドローンとなり空を飛ぶ。目の前に空からの風景がリアルタイムで表示されるのだ。顔を動かせば、それに応じて視界も動く。

これはかなりスゴイ。アイデアだけでも「なるほど!」と言いたくなるが、既に実機も製作されている。下のデモをご覧あれ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Oculus Riftの中はこうなっている―ストップモーションのすぐれもの分解ビデオが公開

私は記憶にあるかぎり手に入れたすべてのガジェットを分解し、ときには再度組立てしてきた。

ガジェットの分解はインターネットで大いに人気のあるジャンルで、AppleやSamsungが新製品を発表するたびにビデオサイトには分解ビデオが溢れる。しかし私が気にいったビデオはほとんどなかった。

しかしこれは気に入った。

このサイト、Vsauceは最近急速に成長してきたギーク向けのYouTubeのチャンネルだ。このビデオではFacebookが20億ドルで買った拡張現実ヘッドセットの中身がどうなっているのか、わずか2分10秒のビデオの中に大量の情報がストップモーションで詰め込まれている。また画像の合間にちょっとしてトリビアがテキストで表示されのでRiftについて少し物知りになれる。

そしてとにかく分解の手際がいい。他のガジェットもこのレベルで分解したビデオが見たい。

Riftの中身が(一見したところでは)ごくシンプルなのが驚きだ。

[Kotaku経由]

アップデート: VsauceはPS4とXbox Oneの分解ビデオをアップしていた!

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ついにメディア王ルパート・マードックまでOculus Riftを体験

メディアの大物がラッパーといっしょに写真に収まるという流行の次は、メディアの大物がOculus Riftを着けて写真に収まるというものになるかもしれない。メディアの大物中の大物、かつTwitterのサポーターであるルパート・マードックがこの流行に先鞭をつけた。

News Corpの会長にしてFoxのCEOの最新の動静を伝えるTumblrのページ、Murdoch Hereの記事によれば、マードックは昨日(米国時間4/16)、News Corpの最高技術責任者のPaul Cheesbrough、ニューヨーク市の前教育長、Joel Klein、それにFoxでのマードックの右腕、Natalie Ravitzと共にニューヨークのCGスタジオ、Framestoreを訪問した。

Murdoch Hereにはご覧のように83歳のメディア王がOculus Riftヘッドセットを着けて“Game of ThronesのVRゲームを体験している驚くべき写真が掲載されている。

ご老体も進歩したものだ。4年前にマードックはデジタル・テクノロジーのカンファレンスに原稿の紙束を手にして登壇したものだったが。

 

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook株、Oculus Rift買収発表後の時間外取引で下落

ウォール街は気に入らなかったようだ。Facebookがバーチャルリアリティーのスタートアップ、Oculus Riftの買収を発表した後、同社の株価(NASDAQ:FB)は下がっている。現在株価は始値の64.25ドルを下回り、時価総額で15~18億ドル相当を失った。

この下げ幅は、FacebookがWhatsAppの買収を発表した時よりも、明らかに大きいく

今日(米国時間3/24)の株式市場終了から約1時間半後、FacebookはOculus Riftを20億ドルで買収する計画を発表した。世界をよりオープンでつながれたものにするという目標を掲げるFacebookは今、次世代プラットフォームに焦点を当てる位置についた。Oculus Riftは、次の世代を担う可能性を持つバーチャルリアリティーの最前線にいる。

Facebookはモバイル・テクノロジーの導入で遅れをとった。VRが大物になるようなら、これを逃がすわけにはいかない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


速報:Facebookが話題のVRヘッドセット、Riftのメーカー、Oculusを20億ドルで買収

Facebookは拡張現実ヘッドセットRiftのメーカー、Oculus VRを買収することを発表した。価格は約20億ドルで4億ドルのキャッシュと2310万株のFacebook株式によって支払われる。さらにOculusが今後一定の成績を収めた場合には3億ドルのアーンアウト(成功報酬)が支払われる(その条件は不明)。

今日(米国時間3/25)、Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグは「バーチャル・リアリティー・テクノロジーのリーダーであるOculusVRと買収に関して合意に至ったことはたいへんに嬉しい」とする声明を発表した。その中で、次のように述べている。

われわれの使命はよりオープンかつ密接に結び付けられた世界を作ることがわれわれの使命だ。この目的にむかってここ数年われわれはモバイル・アプリの開発に取り組んできた。このぶんやでなすべきことはまだ数多くあるものの、われわれは一層楽しく、有用なユーザー体験をもたらような次のプラットフォームについて研究する時期に来ていると感じた。

そこでわれわれはOculusに注目した。同社はOculus Riftに代表されるような優れたVRテクノロジーによって知られている。Riftを装着すればコンピュータによって生成された新しい没入的な空間を体験できる。ゲーム、映画、あるいは遠く離れた場所を驚くべきリアリティーで体験できる信じがたいテクノロジーだ。われわれはここにいながら他の場所で他の人々と体験を共有できる。Riftを試した人々は皆「生まれて初めてのまったく新しい体験だった」と驚きを口にしている。

ザッカーバーグは「Oculusは今後もゲームへの応用を第一にしていく。またFacebookとは独立の組織として運営される。しかしゲームへの後は他のさまざまな方面への展開を考えている」と述べた。

家にいながらにして、特別席でスポーツの試合を見たり、世界の大学で他の学生たちと教室にいるようにして授業を受けられたり、1対1で医師の診察を受けられたりできるようになったら素晴らしいだろう。これはまったく新しいコミュニケーションのプラットフォームになり得る。この高度な拡張現実を利用すれば無制限の空間を手に入れることができる。友だちとオンライン体験を共有するだけでなく、実世界と同様の生活と冒険を共有できるようになるだろう。

買収手続きは2014第2四半期中に完了する予定だ。Oculusは現在7500台のRiftヘッドセットの注文を受けいる。これらはRift向けにアプリケーションを開発することに関心を持っているデベロッパー向けの開発キットだ。最新のCrystal Cove’プロトタイプをベースにしたモデルは1080Pのフルハイビジョン・ディスプレイと奥行きを感知するをセンサーを備え、さらにリアルな体験が可能になっている。

Oculusはこれまでに9340万ドルのベンチャー資金をSpark、Matrix、Founders Fund、Formation 8、BIG Ventures、Andreessen Horowitzから調達している。 Oculusは最近、3Dゲームの父と呼ばれるJohn CarmackをID SoftwareからCTOに迎え、大いに会社としての格を高めた。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Oculus Riftから350ドルで新たなデベロッパー・キット発表―Crystal Coveプロトタイプが市販に近づく

Oculusは先週、最初の世代のデベロッパー向けRiftの販売を中止したのに続いて、第二世代のRiftキットを発表した。価格は350ドルで、機能は大きく向上している。新バージョンはOculuのサイトで現在予約受け付け中だ。ベースになったのは今年のCESで発表されたCrysta lCoveプロトタイプ。

このバージョンでは奥行センサー・カメラが追加され、現実世界での装着者の運動をゲーム内でよりリアルにレンダリングできるようになった。解像度は両眼それぞれ960×1080のHDだ。また筐体デザインも洗練され、赤外線センサー、電源ボタンは目立たないように装備されている。また接続は単一ケーブルが用いられ、先端でUSBとHDMIプラグに分岐する。

われわれの姉妹ブログのEngadgetが取材したビデオを下にエンベッドした。

DK2と呼ばれるこのデベロッパー向けOculusキットは、前バージョンが売り切れになったことから登場が予期されていた。Oculusにとって一般発売前にできるかぎり多くのソフトウェアを揃えておくことが重要なのは言うまでもない。

消費者向けリリースの時期についてはまだ発表がないが、DK2の出荷は6月に開始予定だ。われわれのボスはTitanfalを試してみたときの凄さを熱く語り続けている。

今週は、ソニーがMorpheus PS4 VRヘッドセットを、スタートアップのSulonがCortex ARゲーム開発キットを発表するなどVRの話題が多い週だった。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Oculus RiftヘッドセットとThalmicのMyoアームバンド・コントローラーが接続されたらゲームはすごいことになる

完全没入型VRゲームが実現する日は意外に近いかもしれない。Oculus Riftはその方向への大きな一歩だが、ThalmicのMyoは理想的なパートナーとなるかもしれない。Myoはユーザーが手と腕でジェスチャーするとその筋電位を読み取って接続されたデバイスをコントロールするアームバンドだ。

Oculus Riftの仮想現実ヘッドセットは装着者の頭の位置を読み取ってディスプレイに表示される内容を動かす。最新モデルでは上下左右を見回せるだけでなく前後の動きによってズームイン、ズームアウトができるようになった。しかしミサイルの発射などの操作には依然として専用の物理的コントローラーを使う必要がある。これはやはり現実感を多少なりと損なう。たとえば目の前にハシゴがあっても手を伸ばしてつかむことはできないし、手で銃の狙いをつけることもできない。

そこでOculus RiftとMyoアームバンドが連携すれば理想的だということをまずベンチャーキャピタリストが気づいた。もっともSpark Capitalは双方の会社に投資しているのでこのアイディアを得たのは偶然ではない。事情に詳しい情報源の話によれば、Sparkが両社に投資を決めたのは両デバイスの連携の可能性を考えたからだという。Thalmic自身はこのアームバンドを一般的な入力デバイスとして広くマーケティングしていきたいと考えているが、投資家としてはまずゲーム分野に進出して利益を確保することを望んでいるという。

実際、Oculus/Myoの提携は単なる噂ではない。Myoのファウンダー、CEOのStephen Lakeはわれわれの取材に対してメールで「(Riftとの)接続システムを開発中だ」と確認した。

Oculus Riftの成功のカギの少なくとも一つは、ゲームのキャラクターと仮想現実の相互作用をいかに現実的にシミュレーションできるかにかかっている。一方、Myoが離陸するためにはこのデバイスが役立つことを十分な数の消費者が納得するような応用分野をまず発見する必要がある。つまりRiftとMyoはまさに似合いのカップルだ。この結婚から何が生まれるか大いに楽しみだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


バーチャルリアリティは役に立つ! プライベート映画館で映画の楽しみを取り戻そう

映画館に行くのが好きだ。実のところ、「かなり」好きだ。

ただ、映画館にいる人というのがどうも気に入らない。

昔むかし、両親は映画館では守るべきルールがひとつだけあるのだと話してくれた。すなわち「沈黙は金」ということだ。映画館というのは、映画好きにとっての教会のようなものであり、そのような場で他人の「祈り」を邪魔するような振る舞いをすることは「罪」であると教えられたのだ。「話をするなら出て行く」。それが絶対のルールだった。

いつの間にか、この単純なルールはルールでなくなってしまったらしい。

これまでと行く時間をずらしてみたりもした。あるいはマナー違反を感じた映画館とは別のところに行ってみたりもした。しかし何をしても、どこにいっても煩い「映画ファン」たちから逃れることはできないのだ。勝手に話しだし、仲間内の冗談を言い合う。携帯電話をいじくり、画面のあかりを周囲の人に浴びせかけ、映画館にいるんだなどという話をFacebookに書き込む。

今年は映画館に10回行った。そのうち9回で、少なくとも一人が、他の人の気分を悪くするような振る舞いをしているのに出会った。もうすっかり映画館に行くのが嫌になってしまった。

しかし、こうした状況を変えてくれるかもしれないものが出てきた。HD Oculus Riftを使って、ふたたび「楽しい映画館体験」を自らの手に取り戻すことができるかもしれない。

何の話かといえば、VR Cinema 3Dだ。これはなんと、映画館をシミュレートするものだ。Oculus Riftを使って、ヘッドセットで見るVR世界の中に映画館を構築してくれるのだ。もちろん無駄話をする客などはいない。割引チケットでやってきた映画に興味などないような連中もいない。実際には脳内に投影されるのだが、家の中にフルサイズの映画館がやってくるわけだ。

Riftを装着して、そしてお気に入りの映画を読み込む(読み込んだムービーは種類等によらず「movie.avi」の名前にしえとく必要がある。アプリケーションはまだβ版なのだ)。準備が整えば、バーチャル映画館の中で好きな座席を選んでスクリーンを見れば良い。映画館内のあかりは暗くなり、そして映画の上映が始まる。スクリーンを照らす光が、客席の方にも反射してくる様子は、実際の映画館と同じ感じだ。

もし座席が気に入らないようなときにはどうすれば良いか。単純に別の席に移動するか、あるいは座席を選ぶUIを呼び出して、席の選択をやり直せば良い。

わざわざ映画館をシミュレートするのは馬鹿馬鹿しいと感じるかもしれない。Riftのディスプレイにそのまま映画を投影すれば良いのではないかと考える人も多いことだろう。

しかし、一度試してみるとこの仕組に納得できる人も多いのではなかろうか。慣れた環境が、このバーチャルな仕組みを「リアル」に感じさせてくれるのだ。自分が使っている仕組みのことなどあれこれ考えず、すぐに映画に没頭できるようになる。実際の映画館と同様な距離感でスクリーンを眺めることにより、スクリーン上のものごとを把握しやすくなるのだ。

さらに、これにネットワーク機能が搭載されれば面白い。たとえ実際にははるか遠くに住んでいても、友だちと隣に座って一緒に映画を鑑賞できるようになるのだ。しかも、その隣の友だちが無駄話を始めようものなら、さっさとミュート機能を使ってノイズを消すこともできるだろう。

Oculus Rift関連のデモはいろいろと試させてもらったが、今のところこれが一番のお気に入りだ。確かに視野全体を覆うゲームも面白いものではある。しかし自前の映画館を持てるとなれば、こちらの方がはるかに魅力的だ。

Riftをお持ちの方は、VR Cinemaの開発版(たいてい致命的なバグが残されている)を使ってみてはどうだろう。現在のところはウィンドウズ版のみが提供されている。

いったいどういうものなのだと、理解できずにいる人もいるかもしれない。もうちょっと長い説明ビデオを下に掲載しておこう。

(Rift自体をご存じない方に説明しておこう。同じ場面が2つ表示されるのは、右目と左目の両方にひとつずつイメージを写すためだ。Riftで見たとき、両眼でとらえたそれぞれの画像が脳の中でひとつに合成されることになる)。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


バーチャル・リアリティー・ヘッドセットいよいよ普及か―OculusがAndreesen Horowitzなどから7500万ドルを調達

没入的ヴァーチャル・リアリティーは長い曲がりくねった道をたどってきた。ハードウェアの限界はまだまだ厳しく、楽観的な未来学者やエンジニアが説くようには簡単に実現しないことが痛感された。

しかしどうやら事情は変わりつつあるようだ。さきほど、カリフォルニア州アーバインのスタートアップ、Oculus VR がAndreessen Horowitzがリードし、Spark Capital、Matrix Partners、 Formation|8が参加したシリーズBのラウンドで7500万ドルの大型資金調達に成功したことを発表した。この資金は一般消費者向けのバーチャル・リアリティー・ヘッドセット、OculusRiftの開発と販売に充てられる。残念ながらOculusは今回のラウンドでの会社評価額を明らかにしなかったが、Andreessen HorowitzのMarcAndreessenとChris Dixonが取締役に就任すると発表した。

Oculusの資金調達の経緯をざっと振り返ると、まず今年初めにKickstarterのキャンペーンで9500人の支援者から240万ドルを集めた。6月にはシリーズAのラウンドで1600万ドルを調達した。私の得た情報ではこのシリーズAの資金の大半は手付かずで残っているという。「今回の資金調達は消費者向け販売を当初からできるかぎり大規模にすることに加え、デベロッパー、プラットフォームのサポート、コンテンツの充実などが目的だ」とCEOのBrendan Iribeは述べた。

有力ベンチャーキャピタルからの大型資金調達の成功はOculusのバーチャル・リアリティー戦略への有力な信任投票といえる。Iribeは「OculusRiftヘッドセットはタイミング、機能、コンテンツ、サポートすべた最高に時宜に適したプロダクトだ」と自信を見せた。

“Oculusの初期にデベロッパー向けバージョンでさえまったく違う世界を覗きこむような体験だった。「近くOculusが出荷を開始する消費者向けプロダクトは初期バージョンの没入感を損なっていた表示の遅延問題も解決されている。その結果はアーサー C. クラーク的な『もはや魔法と見分けがつかない』レベルに達している」とIribeは述べた。

もちろんIribeの自画自賛は多少割引が必要だが、Riftがバーチャル・リアリティー・ヘッドセットの中ではコンシューマー化にもっとも近い位置にいるのは間違いない。いかに優れた3Dゴーグル・ディスプレイでもそこに表示するコンテンツがなければ無意味だ。その点、OculusRiftはデベロッパーの間に着実に地歩を築いており、すでに4万2000のプロダクトが公開されている。またOculusはゲーム・デベロッパーのValveとその新しいCTOのJohnCarmackと親密な関係を保ってきた。そのためもあってRiftはゲーム・デバイスとして見られることが多いが、IribeはRiftのように高度に没入的な3Dヘッドセットには一人称ゲーム以外にもありとあらゆる応用があると強調する。

「Riftは目新しいゲーム専用機ではない。エンタテインメント全般はもちろん医療、建築、コミュニケーションに幅広く利用されるだろう」とIribeは述べた。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


一般ユーザーもガレージをVR空間に変えて飛んだり走ったりできる―Atlas Rift 3Dゴーグル用のiPhoneアプリ、Kickstarterで予約受け付け中

以前われわれは没入型VRゲーム用ゴーグル、Oculus Rift〔日本でも発売へ〕のデベロッパー向けバージョンを紹介した。

開発元のProtagonistの消費者向け低価格VRゲーム・システムの概要はこうだ。まずある程度広い場所が必要だ。楽にピンポンができるくらい居間が広ければそれでもよいが、まあガレージのほうがいいだろう。バスケット・コートや空き倉庫ならもっとよい。次に専用の位置マーカーを配置する。ファイルをダウンロードすればプリントアウトできるが、Protagonistではビニール製で床に吸い付くマーカーを提供する予定だ。ユーザーはOculus Rift VRゴーグルを頭に付け、 iPhoneを取り付けたAtlasチェスト・マウントを胸に装着する。Razer Hydra照準器を装着した銃や剣を携えてゲーム開始だ。

OculusゴーグルとAtlasのiPhoneアプリを起動すると、そこはもう未来の世界だ。特許出願中のAtlasの位置認識システムが床のマーカーを読み取り、iPhoneの加速度計とジャイロスコープの情報と照合し、ゴーグルに拡張現実を3Dでレンダリングする。ユーザーが一歩前に出るとゲーム中のアバターも一歩前に出る。後ろを向けば後ろを向き、ジャンプすれば飛び上がる。ジムでダンベルを振り回す代わりにエイリアンやドラゴンと戦うのが未来の有酸素運動になるかもしれない。

Atlas ProtagonistのファウンダーAaron Rasmussenは小さいときからスタートレックのホロデッキに憧れていたのだという。RasmussenがSFのガジェットを実際に作ってしまった経験はこれが始めてではない。大学時代にBBガンとビデオカメラを組み合わせ、映像認識ソフトウェアを開発してサバイバルゲームの陣地を自動で防衛するシステムを作り上げたことがある。「すると軍の関係者が寮の部屋にやって来た。そんなことは映画の中だけの話だと思っていたから驚いた」とRasmussenは言う。それ以後、さまざまなロボット・システムの開発を続けてUSMechatronics社を創立して売却した。最近はゴースト探知機を開発している(残念ながらまだ1回も探知に成功していない)。

現実没入型のVRシステムはかなり以前から実用化されているが、これまでは軍隊や航空会社などにおける巨額の費用がかかるシステムだった。ユーザーの動作に遅れなしに作動するヘッドマウント・ディスプレイは最低でも5万ドルした。Rasmussenまずこの問題に取り組み、消費者向け価格帯のOculus Riftの開発に成功した。AtlasはVirtuix Omni VRのようにトレッドミル歩行器の上を歩くだけではない。 走ったり飛んだり振り向いたり伏せたり自由にできる。

現在RasmussenはAtlasのただ1人の常勤社員だが、キックスターターで12万5000ドルの資金が首尾よく調達できれば常勤社員を増やしてソフトの改良に当たらせるという。

Atlasのシステムは将来、現在のゲーム・コンソールに並ぶような独自のゲーム・ジャンルになるはず」とRasmussenは自信を見せる。

Kickstarterのプロジェクトはこちら。今回募集しているのはiPhoneアプリとiPhoneを胸に固定するチェストマウントおよび付属品だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+