Facebookからビデオ用無料Sound Collection登場――360ビデオのコミュニティーも

退屈なビデオクリップも適切なサウンドをつければ格段にグレードアップする。そこでFacebookはSound Collectionというビデオ編集ツールを発表した。これは多年にわかたレコードレーベルとの交渉の結果実現したものという。FacebookまたはInstagramにビデオクリップを投稿する際、ユーザーは簡単に曲、ボーカル、効果音、インストラメンタルを付加できる。

Facebookによれば、「音楽はヒップホップ、ポップス、ジャズ、カントリーなど幅広いジャンルから選ばれている」という。ただし耳に馴染んでいるような有名な楽曲は含まれていない。Sound Collectionのポテンシャルは大きいが、今のところプロダクトの使い勝手としては平均的なレベルだ。ユーザーがFacebookにビデオを投稿する際に勝手に(著作権を侵害して)有名な曲をBGMにつけるのを根絶するほどの効果はないかもしれない。

Sound CollectionはFacebookの各種新しいビデオ・ツールの一環で、先月リリースされたウェブのインフルエンサー・ユーザー向けのFacebook Creatorアプリに続くものだ。Facebookはビデオ作成を助ける教育的素材のハブ、 360°カメラの無料貸し出しプログラム、360°ビデオ編集ツールなどを発表した。最終的な目的は「ビデオ・クリエーターのFacebook利用をさらに拡大することだ」と同社では述べている。

Sound Collection

Sound Collection(ここ数日でこのページから全ユーザーに公開される)は高品質の音源(楽曲と効果音)のセットで、ユーザーはFacebookとInstagramにビデオを投稿する際に無料で利用できる。Facebookがあらかじめ著作権者に料金を払ってライセンスを受けているためユーザーは著作権や使用料を気にする必要はない。Facebookによれば今後さらに楽曲や効果音の種類を増やしていくという。残念ながら現在は運営が終了しているが、Twitterが以前公開していたVineのSoundboardに少し似た仕組みだ。

ビデオのクリエーター向けに好みの音源を発見するのを助けるツールが用意されており、ジャンル、ボーカル、ムード、時間などで検索ができる。また気に入ったアーティストを見つけた場合、そのアーティストの他の楽曲を探索することもできる。今回利用できるようになったアーティストにはシンガーソングライターのKiri Tse、インドのパーカッション奏者、Jim Santi Owen、ギタリストで映画音楽作曲家のLyle Workmanなどが含まれる。

今年に入ってNew York TimesはFacebookが2015あたりから大手レーベルと交渉を続けていると報じた。現在Faebookビデオをモニターしており、違法なアップロードをブロックし、著作権を侵害するビデオを発見すると削除している。そこでiMovieでパパの誕生日のお祝いビデオを編集するときに、パパのお気に入りのボブ・ディランの曲を使ったりするとFacebookから削除されることになる。こうした事態を抑制するのもSound Collectionの狙いだという。

ただしレーベルとの交渉は中断されたか難航しているもようで、Sound Collectionのアーティストのリストにはトップ40クラスはいない。Sound Collectionの楽曲ではLyle Workmanがクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのFortunate Sonをcアコースティックでカバーしているのがいちばんメジャータイトルに近いのではないか。

しかし今後Sound Collectionの利用が増え、Facebookがさらにライセンス料金を支払うようになればビッグネームの楽曲が含まれるようになる可能性はある。【略】

360°ビデオにも注力

一方、今日、Facebook 360という360ビデオのページも新しくオープンした。ここでは360°ビデオを制作するのを助けるツールが各種紹介されている。Facebookが360ビデオをスタートさせたのは2015年にさかのぼる。Facebookによれば、以来、100万本以上の360ビデオが投稿されているという。しかしこれまでは全周ビデオの制作には専用のカメラを用意することを始めとしてさまざまな準備が必要でそう簡単ではなかった。

新しい360ビデオのページにはチュートリアルが掲載されており、360°カメラの入手、360°ビデオの編集ワークフロー、専用のスペーシャル・オーディオなどが説明されている。【略】

ビデオクリーターはZCam S1を無料でレンタルできる

新しいコミュニティー・ページにはCamera Loanerプログラムも紹介されており、360カメラを無料でレンタルすることが可能だ。当初レンタルできるカメラはGoPro FusionとZCam S1だがこの数か月の間に他のカメラも追加される。カメラのレンタルが無料というのは魅力的だが、制作されたビデオはFacebookで共有される必要がある。

YouTubeも 2012年からビデオグラファー向け施設のYouTube Spacesをスタートさせているが、今回 Facebookがハードウェアの無料レンタルを始めたのはビデオ分野でもYouTubeのライバルとなるべく真剣に努力を始めたサインだ。【略】しかしFacebookがトップクラスのビデオクリエーターを集められるかどうかはFacoookビデオによって投資したリソースに見合う収益が得られるかどうかだ。この点は今後注目していく必要がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookもついに4Kビデオをサポート

せっかくいいモニターを買ったのにFacebookのビデオが美しく映らないと不満だったむきに朗報だ。ソーシャルメディアのあちこちにスーパー精細度のビデオが現れるようになり、Facebookも4Kビデオに対応することとなった。

TechCrunchが確認したところでは、Facebookは2160p UHD-1(ウルトラHD)規格で4Kのアップロードと再生を実験中だ。一部のFacebook Pageやプロフィールでは4Kビデオがアップできるようになり、これを4Kで視聴することが可能だ。YouTubeが初めて4Kビデオの再生のテストを始めたのが2010年だからずいぶん時間がかかったわけだ。

このアップグレードはスポーツ、科学、トラベル、ファッションなどの分野でFacebookのオリジナルビデオを観ることを後押しするだろう。4Kストリーミングを試してみたい場合、こちらはスポーツ 、こちらは音楽ビデオだ。 Facebookは最近ビデオ分野に真剣に取り組んでいる。今日(米国時間10/24)はFacebookはInstagram Live Storyに友達を呼べる機能を追加した。

Facebookのビデオは当初、短いクリップで「たまに掘り出し物が見つかる」という程度だったが、次第に「わざわざ観る」ための本格的な長いビデオに重点を移してきた。しかしYouTubeやNetflixと対抗するためには画質の進歩が必要だったようだ。YouTubeが4Kビデオを広くサポートするようになったのは2014年から2015年にかけてで、2016年には4Kライブ・ストリーミングがサポートされた。

Facebookは去る7月にLive 360ビデオで4Kをサポートしたが、通常のビデオは長い間720pが上限だった。Facebookにアップされるビデオのほとんどはスマートフォンで撮影されたものなのでこれでも不都合はなかった。しかしFacebookビデオにハリウッドの本格的映画製作者やフレームレートが速い高性能ビデオゲームの愛好家が集まってくるにつれて4Kの必要性が高まっていた。

読者のディスプレイが4Kをサポートしている場合、Facebookのビデオを再生するときには歯車アイコンをクリックし、精細度が2160p(4K)に設定されているか確認しておくのがよいだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、オリジナルビデオ番組が見られる「Watchタブ」を米国で一般公開

本日(米国時間9/5)Facebookは、オリジナルビデオコンテンツを見られるWatchタブを、米国の全ユーザーに公開した。ひと月前に限定公開され、先週公開範囲が拡大されたところだった。Watchは、Facebookのモバイルアプリ、ウェブサイト、およびTVアプリで利用が可能で、ユーザーはニュースフィードに無差別に流れてくるビデオと違う、気に入ったシリーズを定期購読できる。米国のユーザーには、モバイルアプリのナビゲーションバー、あるいはウェブサイトのブックマークにTVアイコンが表示される。

またFacebookは、ユーザーの作成したビデオが、主要レコード会社の音楽を含んでいたために削除されることへの対策を検討している。Bloombergによると、Facebookは、数億ドルを支払うことによって、著作権に触れるビデオを削除されることなく公開しておける契約をレコード会社に提案している。

当初Facebookは、YouTubeのContent IDと同様のシステムを作り、レコード会社が自社作品の利用を検出できるようにすることで、収益の一部を請求できるようにするつもりだった。しかしBloombergによると、そのシステムの開発には最大2年を要するため、Facebookは削除要求を回避するために今すぐ支払う方法を選んだ。

タイトルは貧弱

Facebookは、ビデオコンテンツを見つけるためのさまざまな方法を提供している。特集プログラムの回転トレイ、「今日のスポットライト」「今週の新着」「人気作品」「友だちの見ている作品」「話題の作品」「あなたにお勧め」などだ。

現在目立っている番組はリアリティー・ショウがほとんどだ。安上がりで、脚本も不要で、気楽に見られるため、コンテンツパートナーが挙って作るからだ。しかし、YouTubeやNetflixを見慣れた視聴者を引き付けるためうには、質の高い台本のあるコメディーやドラマが必要だ。

そんなコンテンツとして期待できるのが、独立映像作家のFrancois Ferracciが作ったSF短編映画 “Lost Memories” で、「ホログラムに囲まれた」未来が描かれている。ほかに魅力的な作品は今のところ見当たらない。スター不在で大作も続きが気になる作品もない。それでも、Discovery Channelに回してソファでくつろぎながら見るタイプの人には、Facebook Watchは楽しい暇つぶしになるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが反対を押してでも音声を自動再生する7つの理由

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Facebookがビデオの自動再生で音声オンを標準にすることに恐れをなしている人へ。少なくともSpotify等のアプリで聞いている音楽を止めたり被せて音を鳴らすことはないので安心されたい。Facebookは今日(米国時間2/15) 、自動再生ビデオの音声はユーザーが別のアプリで音楽を聞いているときには鳴らないことをTechCrunchに正式に伝えた。音楽再生中にFacebookビデオの音声を聞くためには、サウンドアイコンをタップするか、ビデオをフルスクリーンにする必要があり、いずれの場合も他の音楽アプリは一時停止する。

昨日Facebookが発表した音声自動再生の仕様変更に不満を持つ人がいることは間違いない。スマホが人前でうっかり大音響を鳴らしかねないからだ。職場や教室やディナーや会話中にこっそりFacebookを覗こうとしたのがバレて恥かしい思いをすることになる。幸い、それが嫌な人はFacebookの設定で音声の自動再生をオフにすればよい。

しかしFacebookがこうしたいのにはいくつか理由があり、その中心となるテーマはこれだ:ビデオはFacebookの未来なので、このコンテンツがもっと見られるためにはあらゆる障壁を取り除く。

  1. スイッチはシンプルに1つだけ – Facebookは実質的に、音声コントロールを端末の物理的ミュートスイッチに委ねた。これは、スイッチとビデオ毎のオンオフの両方を正しく設定するより、音声の制御がわかりやすくなると言える。音を鳴らせない場所に来たら、端末自体をマナーモードにすればいい、ということだ。
  2. テスト結果は上々 – Facebookは、初期テストの結果は好意的だったと言っている。アプリの利用が減るようなら音声を標準でオンにする意味がないので、この変更による実際の体験は、見た目ほど悪くないのかもしれない。
  3. Snapchatはやっている – Facebookの最大のライバルであるSnapchatは、すでに標準で音声をオンにしており、ビデオを見るユーザーにとっても、ビデオ広告を買う企業にとってもお気に入りの場となっている。
  4. ビデオ広告主 – ビデオ広告ついて言えば、広告に対する感情的反応を促すために音声は必須だ。Snapchatによると、同サービスのビデオ広告は60%以上が音声オンの状態で見られている。ビデオ広告はFacebook最大の収入源として急速に伸びているが、現在広告スペースは限界に達している。これ以上広告枠を増やすことはできないので、ビデオ広告の1本1本を印象深くする必要がある。
  5. 巧妙な技術は不要に – プロフェッショナルな制作者は往々にして、Facebookビデオに派手な工夫をこらしてサウンドがなくても理解できる作品を作る。しかしそれはビジュアルに悪影響を与えるだけでなく、一般ユーザーにできることではない。その結果ユーザー作成ビデオが二流扱いされることは、「友達と家族が第一」というFacebookのゴールと相容れない。
  6. ビデオサウンドトラックの可能性 – Facebook はレコード会社との交渉を進めており、ユーザーが自作ビデオのサウンドトラックとして著作権付き音楽を利用できるよう契約を結ぼうとしている。実現すれば面倒な著作権侵害による削除の心配がなくなり、スマホで撮っただけの退屈なビデオを壮大なミュージックビデオのように仕上げることができる。
  7. ワイヤレスイヤホンへの適応 – AppleのAirPodsはすばらしい。そして1日中つけっぱなしでいられるワイヤレスイヤホンの人気は高まるばかりだろう。そうなればたとえ人前でもFacebookヒデオを音声付きで見る人が増えるはずだ。

頭にくるユーザーがいるだろうって? その通り。しかしFacebookは、口うるさい少数派の苦情を上回る利益があるはずだという計算高い賭けに出ようとしている。導入当初ユーザーが激しく抗議したニュースフィードが、Facebook最大の人気サービスになったことを思い出してほしい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、ライブビデオ配信でTwitterのPeriscopeに挑戦―当面米国iPhone向け

2016-01-29-facebook-live

iPhoneユーザーはさっそくライブビデオ配信の準備をしよう。Facebook対Twitterのビデオ・ストリーミング対決だ。今回アップデートされたFacebook Liveでは、ビデオはFacebook本体と連携しており、ソーシャル・ネットワークを利用できる上に後からいつでもビデオを再生できる。ライバルのTwitterのPeriscopeは本体と別個の独立したサービスで再生できるのはビデオ公開後24時間に限られている。

5ヶ月もかけてベータ版に徐々にバグ修正や機能追加を加えた後、とうとうFacebookがライブ・ビデオ機能をアメリカのすべてのiPhoneユーザーに公開した。iPhoneユーザーが近況を投稿しようとすると、写真、スタンプ、場所などの投稿ボタンに並んでビデオのライブ配信のボタンが表示される(Android版は現在作業中だ)。

Facebook Live Rollout

Facebookはライブ・ビデオ機能にまず誰でも知っているセレブを動員した。つづいてMomentsアプリにジャーナリストや著名人が本人だと身元を確認されたアイコンを付して登場した。そしてついにすべてのiPhoneユーザーがライブ・ビデオを利用できるようになった。

ここでMeerkatの話題の話題が出ないのをいぶかしむ読者もいるかもしれない。Meerkatは運営中だが、背後にプラットフォームとなる巨大ソーシャル・ネットワークを持たないためストリーミング・サービスの話題からは除外される。

最大の問題は、ビデオ再生について「その場限り」を強制するPeriscopeの仕様がユーザーに安心感を与えるのかどうかという点だ。24時間で消滅することを知っていれば、送信するユーザーが自意識過剰を免れ、見る方には急いで見なければならないと思わせることができるだろうか? FacebookにはTwitterよりはるかに大きなユーザーベースがあり、ビデオ再生が恒久的にできることはセレブ、著名人を惹きつけるだろう。再生可能期間が長くなれば再生回数も増える。有名人がビデオ配信を使う場合、再生回数は重要な要素となる。

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左から、Meerkat、Periscope、Facebook Live、

ユーザーへの通知も大きな差異をもたらす。Periscopeでは連絡相手全員の投稿が通知される。Periscopeの連絡相手は、多くの場合Twitterでフォローしている相手全員となる。Facebookの場合はもう少し控え目だ。ビデオ配信が通知されるのは「親しい友達」に登録されている相手、交流のあるセレブ、興味を抱いたページだけとなる。

次にストリーミングを実際に見る方法だ。Twitterの場合、Periscopesはインラインで表示される。つまりユーザーがビデオを見つけるのは簡単だ。ただしライブ配信が長引く場合はURLはニュースフィードからいった消去され、もう一度続きを見るためには再度共有されねばならない。

Facebookの場合、まずフィードが親しい友達などに制限されるので、リアルタイムで現場からニュースをストリーミングするには具合が悪い。しかしビデオ・ストリーミングに受け手側から大きな反応がある場合、Facebookのシステムは自動的に表示ランクをアップさせ、多くの人がビデオを見つけやすくする。大まかに言って、Twitterの場合、どのビデオを見るかはユーザーが決めるのに対してFacebookではシステムが人気あるビデオを選択して見つけやすく表示する。

しかしライブ・ビデオ配信をめぐるこの両者の対決は、こうした個々の機能の優劣よりも、最終的には、どちらのプラットフォームがメインストリーム・ユーザーの心をつかむか、カメラの前に立って顔を見せようという気にさせるかに重要なポイントがありそうだ。

〔日本版:TwitterのPerisocpeは日本からも利用可能。iOS、Android双方のアプリあり。Meerkatのストリーミング公開ページiOSアプリAndroidアプリ。記事では触れられていないがビデオ通話ができる点では、Googleハングアウト、MicrosoftのSkypeがある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、優れたエンジニアリングでVRビデオの読み込みも高速に

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Facebookはいったいどうやって、1日のビデオ表示回数が、18ヵ月の間に10億回から80億回に増えても、サーバーをダウンさせずに済ませたのか。それは、ストリーミング・ビデオ・エンジン、略してSVEと呼ばれている。SVEはFacebookのビデオを小片に切り刻むことによって、アップロードから表示までの遅延時間を10分の1に減らした。また、次世代の360度ビデオやバーチャルリアリティーを高速で読み込むために、新たな幾何学符号形式を発明し、オープンソース化した。

球状のビデオを一般的な正距円筒図からFacebookの仕様で立方体に投影することによって、スマートフォンやパソコン上の360度ビデオはサイズが25%小さくなる。この立方体フィルターはGitHubで公開されている。Facebookは、ヘッドセット用バーチャルリアリティービデオを80%小さくする、ピラミッド画像符号化技術も開発した。

これは、ビデオで好きな方向を見るときでさえ、読み込みを待つ必要がなくなるという意味だ。Facebookはこの新技術を、ビデオのトップ技術者を勧誘するための大胆な取り組みとしてVideo@Scaleカンファレンスで発表した。

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これは、ビデオの拠点を巡るFacebookとYouTubeの戦いにとって極めて重要だ。YouTubeでは、ユーザーが意志をもって視聴するので、多少の遅延も許される。しかし、通常ユーザーはビデオを見るためにはFacebookに来ない。ニュースフィードをスクロールするうちに、思いがけず発見するだけだ。読み込みに時間がかかるようなら、すぐにスクロールして他へ行ってしまう。

Facebookはビデオがソーシャルの未来であることを知っている。乗り遅れれば、山ほどのエンゲージメントを導く中毒性のあるコンテンツフォーマットのチャンスを逃がすだけでは済まない。ビデオ広告は驚くほど実入りが良いが、Facebookはフィードにあまり多くのビデオを流したくない。むしろその戦略は、ユーザーが友人の紹介で発見したビデオを見た後に、関連ビデオとして表示することにある。しかし、待機アイコンが回っている間、フィードを読むのを中断しなければならないようなら、何も始まらない。


インターネットにこれだけ多くのビデオがアップロードされるようになり、Facebookはそれを活用する方法を探している。Facebookは人工知能を使った物体や景色、動き等の認識に飛躍的発展を見せている。

人間がAIにビデオのラベルを手動で教えるのではなく、FacebookのVision Understandingチームは、AIが個別のvoxel(ビデオのピクセル)を識別する方法を探求している。

Screen Shot 2016-01-21 at 10.04.58 AM

もしFacebookがやり方を見つければ、ビデオに何が映っているかを認識し、誰に見せるべきかがわかるようになる。猫が好き? FacebookのAIが猫のビデオを探してくれる。ボールゲームが好き? Facebookがリアルタイムチャットのための新しいFacebook Stadiumにビデオを送り込む。このためなら広告主は何でもする…少なくともFacebookに大枚を払うだろう。

われわれは、人工知能を持てる者持たざる者の時代へと急速に近づいている。FacebookやGoogleのように先端研究開発に十分な資金を投じることのできる大会社は、それをできない貧しいライバルたちから巨大な利益を上げるだろう。YahooやTwitterのような会社は、もしこうしたAI広告技術を構築できなければ、厳しい時を迎えるかもしれない。そして、出来る者にとっては上昇スパイラルだ。

広告を売る、研究開発に資金を投じる、AI広告技術を開発する、さらに広告を売る、さらに良いAI広告技術を開発する、次世代技術を開発または買収する、未来を勝ち取る。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、ページの「動画」タブを一新―YouTubeチャンネルにそっくりになる

Facebookがニュースその他のコンテンツの配信市場でライバルとしているのはTwitterだけではない。不当なやり方でFacebookページをニュースフィードに表示させることを禁止した後、Facebookは企業やブランドのページを新聞の電子版というよりむしろテレビのチャンネルのような存在に変えようとしている。 今回Facebookはベージのビデオ・セクションをYouTubeそっくりのデザインにアップデート中だ。

企業は近く、ページの「動画」タブのトップにリアルタイムでコメントが可能な特大サイズの動画を表示できるようになる。またその下に最新のビデオのプレイリストが表示される。この新しい「動画」タブはYouTubeチャンネルそっくりだ。

TechCrunchは新デザインの「動画」タブをABCニュースのページで発見した。われわれの問い合わせに対して、ABCは新デザインをテスト中であり、今後数週間で本格的に採用する予定であることを確認した。


Facebookページの「動画」タブの新デザイン。「注目の動画」と「プレイリスト」

13億5000万人のユーザーに新しい習慣を植え付けるのは並大抵の仕事ではないだろう。それでもFacebookはページをユーザーが自発的に訪問す場所に変えようと努力している。

現在のYouTubeチャンネル。「注目の動画」と「プレイリスト」。

新デザインはページに自動的に適用される。管理者が「注目の動画」や「プレイリスト」を指定しない場合は、動画は単純に時系列で表示されるが、タイトル、いいね!数、長さ、再生回数が表示される。これでやっとFacebookも「動画」タブを単なる動画ファイルの物置にすることを止めることにしたようだ。これまでの動画タブのデザインはひどいものだ。


Facebookの現在の「動画」タブのデザイン。サムネールにはタイトルさえ表示されない。

Facebookは去年から突如ビデオを重視し始めた。まずビデオの自動再生自動再生のビデオ広告を導入した。またビデオのニュースフィードへの表示割合を増やした。これはユーザーにも好評のようだ(モバイルの場合、データ容量を圧迫するが)。5月から7月にかけての四半期中に月間ビデオ再生回数は50%も増加し、9月には月間10億回を記録した。

とはいえ、ビデオ投稿に関していえば、Facebookはまだ気の毒なくらい時勢にに遅れをとっている。1年前に私は、 FacebookがVineやSnapchat、子会社のInstagramといったこの分野のライバルに備わっているスマートフォンでの長押しでの撮影、マルチショット録画、編集、フィルター、手ブレ補正など動画投稿のために必須の機能をことごとく欠いていることは問題だと指摘した

今回のページの「動画」タブのアップデートの後、さらにビデオ関連機能の強化が進んで欲しいものだ。ライバルとの競争の激化でページのリーチは大きく落ち込んでおり、企業における運営者を失望させている。Facebookはページと「いいね!」にまだ価値があることを実証する必要に迫られている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebook、1日で動画10億ビューを記録―すべての動画に再生回数を表示

広告主にオンラインビデオといえばYouTubeだけではないと強くアピールすべく、Facebookは今日(米国時間9/8)、ビデオの再生回数が1日10億回を超えたとと発表した。Facebookはこれを機に、ユーザーやページから公開投稿されたすべてのビデオに再生回数を表示することとした。これは広告主に予算をテレビCMからFacebookに振り向けさせる狙いがある。これに関連してFacebookはこの7月にビデオ広告テクノロジーのLiveRailを4億ドルから5億ドル程度で買収している。

10億ビューというのがどの程度の規模であるかを理解するには、2012年初めにYouTubeが1日40億ビューを記録したと発表したのを思い出すとよいだろう(もちろんYouTubeもその後大きく成長している)。

Facebookのビデオ再生の65%はモバイルデバイスからものだという。再生回数は5月から7月にかけて50%も急増したが、その一部はALS(筋萎縮性側索硬化症 )の治療法研究を支援するアイス・バケツ・チャレンジの参加者の多くがビデオのアップ先にFacebookを選んだことも一因になっているという。

またFacebookは今日、ビデオを見た後でユーザーが興味を持ちそうな別のビデオを推薦するという私が7月にレポートした新機能を正式に発表した。 またFcebookはビデオにアクション・リンク、すなわちビデオを再生した後でユーザーがクリックできるリンクを追加した。また広告主とページの運営者には再生回数、ユニーク訪問者数、ビデオ視聴時間数などの詳しいアナリティクスが提供される。

詳しいアナリティクスの提供に加えて、あらゆるビデオの再生回数が表示されることは、Facebookのビデオの透明性を大きく高め、広告主から予算を獲得するのに役立つはずだ。ビデオの末尾のアクション・リンクが許可されたことで広告主はビデオから直接ユーザーをサイトに誘導することができるようになった。

一般ユーザーにとっても、再生回数の表示と青い恐竜のマスコットがガイドするプライバシー設定確認機能はFacebookのバイラル・メディアとしての魅力を高めるものだろう。

残念ながら今回のバージョンアップには ビデオ・アップロードのインターフェイスの改良は含まれていなかった。私は1年前からこの点を訴えつづけているのだが、ぜひ実現して欲しい。今のインターフェイスはあまりにも時代遅れで使いにくい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebook、ウェブのニュースフィードでもビデオのオートプレイを開始

ニュースフィードがもっと生き生きする。モバイルに遅れること数日、われわれはビデオのオートプレイ機能をFacebook.comでも目撃した。そして会社も「ウェブのインライン・ビデオを公開し始めた」ことを確認した。更新が行き渡れば、派手なビデオ広告が登場する舞台が整う。

現在まで、Facebookのニュースフィードは常に静かだった。スクロールされる物すべてがじっとしていた。ビデオはすべて再生ボタンの陰に閉じ込められ、GIFアニメーションも許されていない。しかし、Facebookはこのオートプレイ・ビデオによって、初めてニュースフィードに動きを持ち込んだ。

実際の動きとしくみは、モバイルのオートプレイに関する私の詳細レポートを参照されたい。Facebookのビデオ中心への憧れについても。ウェブでは、Facebookに直接アップロードあるいはnstagramからシェアされたビデオだけが、スクロールと同時に再生される。スクロールの最中にも再生は続くが、クリック/タップするまで音は出ない。ヒデオのループはしない。またYouTubeなどの外部ビデオへのリンクはオートプレーされず、Facebook内のビデオを差別化している。

この機能は、モバイルでオートプレイのテストを開始したことを9月にFacebookが発表した後、ウェブでごく少人数のグループによってテストされていた。現在Facebookは、iOSおよびAndoridの全ユーザーへの公開を進行中であり、ウェブでの一般公開に向けてデザインの最終段階に入っている。UnifiedのJeff Widmanが、実際に動作しているところのスクリーンショットを送ってくれたので下に貼っておく。

オートプレイ機能は、Facebook傘下のInstagramのビデオにも拍車をかけるだろう。人は見てもらえると思えばビデオをシェアしたくなるもので、オートプレイはほぼそれを約束する。

GIF? 広告? Facebookチャンネル?

おそらく、オートプレイ機能が全員に行き渡った後、FacebookはGIFアニメも許すのではないか。AllThingsDのMike Isaacによると、FacebookはGIFサポートを以前から仕込んでいるが、公開をためらってきた。GIFアニメの「質の低い内容」が、Facebookの軽視するタイプのコンテンツ種別にあたり、これがフィードに溢れることを恐れたのかもしれない。ビデオと同様、直接アップロードされたGIFだけをオートプレイすれば、問題は減るだろう。

ビデオの視聴環境が改善されたことによって、Facebookがビテオ撮影とシェアするためのモバイルツールを強化する日は比較的近いと私は考えている。ビデオ発見のツールや、複数のビデオ再生、友達のビデオを続けて見られる一種のチャンネルなども考えられる。

しかし、世界が待ち望んでいるもの、あるいは視点によっては、恐れているものは、Facebook上のより侵略的なビデオ広告だ。ひとたびオートプレイがあらゆるデバイスに浸透すれば、Facebookは、人々を一列に並べてオートプレイビデオ広告を見せることができる。
マーケターは価格さえ手頃なら喜ぶだろう。写真やテキストよりずっとリッチな顧客とのコミュニケーションが可能になるからだ。広告主はテレビ用に撮ったビデオをFacebook向けに再利用できるので、テレビCMの予算をFacebookに向けられるかもしれない。

ユーザーは嫌悪するかもしれない。そもそもどんな広告も嫌いなのだから。個人的には、スーパーボウル品質のCMをニュースフィードで見ることには抵抗はない。いきなり音が出ることがなく、スクロールするか「×」で消せるのであれば。ただし、友達のアップデートを見る邪魔になるようなら、私もうんざりだ。

どんな形にせよ、Facebookはビデオ広告の頻度に関して注意深くバランスを取る必要がある。よって、多くのテストを重ねゆっくりと注意深く広めていくだろうと私は予想している。

超高速コンテンツ消費

もしFacebookが、オートプレイビデオをフィードの一部として自然に感じさせることに成功すれば、Facebookは世界を消費させる全く新しいレベルの技を手にする入れるかもしれない。

オートプレイは、友達の生活への近道になるかもしれず、それは写真と同じくらい簡単ではるかに刺激的だ。新たな発信手段は、世界中で起きている大きな出来事や、最新のスポーツハイライトの映像を提供することもできる。見るのは嬉しいがクリックはしなかったであろう、見事なインターセプトからのタッチダウンのビデオが、あなたのフィードに流れてくるところを想像されたい。スタジアムの音声やアナウンサーのコメントが聞きたければ、ワンクリックで、まるでテレビと同じだ。

それはFacebookビデオのゴールなのかもしれない。テレビの臨場感と、文字を読む効率の融合だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook