ビデオの複数のパートを埋め込めるVideogram技術のCinemacraftが$3.9Mを調達

【抄訳】

ページへのビデオ埋め込みを従来とは違う方法で提供する東京のCinemacraftが、海外市場進出と製品開発により力を入れるために、シリーズAで390万ドルを調達した。前からの同社の投資家500 Startupsがこのラウンドを仕切り、これにやはりこれまでの投資家NTT DoCoMo VenturesSamsung Ventures、およびTurner Broadcasting’s Media Campが参加した。セレブのモデルTyra Banksの投資企業Fierce Capitalが、新たな投資家として加わった。同社は2013年9月に150万ドルを調達し、その前にはシードラウンドで50万ドルを獲得している。

Cinemacraftの動的埋め込み(dynamic embeds)技術はVideogramと呼ばれ、これまでのように単一のフレームを埋め込むのではなく、一つのビデオのいろんな箇所を見せることができる(下図)。そしてどれか一つをクリックすると、ビデオのその部分の再生が始まる。Cinemacraftによると、これによりユーザの参加性(エンゲージメント)と対話性が劇的に増加する。

これまで同社は主に消費者向けWebアプリケーションのパブリッシャーに訴求してきたが、CEOのSandeep Casiによると、最近は、いちばん適したユーザ層はB2B2C企業だ、と認識している。

同社の技術は、ビデオだけでなくTwitterのカードやFacebookのポストなど、ソーシャルメディアを埋め込むことができる(下図)。それは一般的にWebサイトやブログが利用できるだけでなく、広告配信サービスのツールとしても利用価値は大きい、という(すでにskyscrapper, Adsenseなどで利用)。

同社はインドのムンバイにも事業所があり、とりわけ、ハリウッドならぬボリウッド(Bollywood)を抱えるインドでは、映画会社がVideogramによる宣伝を愛用している。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今対戦中のゲームなど、ビデオソースを複数のビデオサイトに同時にストリーミングするRestream

誰かがプレイしているビデオゲームをストリーミングで見る、という趣味はぼくにはないけど…ぼくならTwitchそのものよりもTwitchの本社を見物したい…、でも今の子どもたちはますますそれに夢中らしい。Amazonが10億ドル近くも投じて、世界最大のビデオゲームストリーミングサイト(Twitch)を買収したのも、宜(むべ)なるかな、だ。

今はTwitchばかりが騒がれがちだが、世の中にはHitBoxをはじめとして、ゲーマーをねらったビデオストリーミングプラットホームが、ほかにもいろいろある。ゲーマーたちは、YouTubeやuStreamなどの一般的なストリーミングサービスも使っている。

そして、ウクライナで自己資金だけで立ち上がったRestream.ioは、ビデオゲームのセッションを(あるいはそのほかのビデオフィードを)、複数のビデオサイトに同時にストリーミングしてくれるクラウドサービスだ。それをもしも、ローカルのアプリケーションでやろうとしたら、ものすごく強力なコンピュータと、超広帯域のインターネット接続が必要だろう。

このサービスは今のところ無料だが、CEOで協同ファウンダのAlexander Khudaは、軌道に乗ったらフリーミアムにしたい、と言っている。なぜ複数のビデオサイトへ同時ストリーミングするのか? 彼が認識したところによると、世界のゲーマーたちは必ずしもTwitchやYouTubeにばかり集中しているわけではなくて、オンラインビデオのオーディエンスはけっこう細分化している。

そこでKhudaが挙げるセールスポイントは、(1)多くのプラットホームに並列でストリーミングしてオーディエンスを拡大する。…“それを自分でやろうとすると、たいへんだよ”、と彼は言う。多くの人が、複数のHDビデオストリーミングを同時にアップロードできるほどの帯域を持っていないからだ。(2)どこかのプラットホームが途中でダウンしても、ゲームのストリーミングの見物を中断されない。…そのためにRestream.ioは今、15のビデオサイトに同時ストリーミングしている。

もちろん、こんなサービスの恩恵に与(あずか)るのは、ゲーマーばかりではない。“想定しているユーザは、ゲーマー、インターネットラジオへの放送者、DJ、ビデオブロガー、などだ。ユーザ層が日に日に多様になっていくことを、期待したい”、とKhudaは言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YouTubeがマルチアングル(複数カメラアングル)ビデオの実験を開始

YouTubeが今日(米国時間2/4)、再生中に視聴者が別のアングルのカメラに切り替えられる、という、ちょっとしたおもしろい実験を開始する。このマルチアングルビデオは今はあくまでも実験なので、わずか1本のビデオしか実装していない。

試してみたい人は、Madilyn BaileyのYouTubeチャネルへ行く。彼女はYouTube上で人気のあるインディーアーチストで、とくにカバー曲がよく知られている。YouTubeのチームはこの前のYouTube Music Nightで彼女の演奏を撮り、マルチアングルのビデオを作った。

YouTubeによると、そういうビデオは、YouTube技術陣の努力により、今や一見自動的に作られるが、しかしそこに込められている技術は誰もが簡単にスケールできるようなものではない。

実は数年前から、こういうことをトライしたスタートアップが数社いる。Marc Cubanと500 Startupsが支援したアプリSwitchcamことStreamweaverは、このようなビデオをクラウドソーシングした。それらのアプリはどれも離陸できず、Switchcamは消滅した。今では、そんなビデオをまともに作っているところといえば、インターネットビデオの大御所、YouTubeだけだ。

YouTubeの広報の話では、YouTubeはこのところ“ビデオをもっと没入的かつ対話的にする”ことに取り組んでいて、今回の実験もその一部だ。ただしこの総合的な実験には、YouTubeに認められたユーザしか参加できない。ひまとやる気のある人は、ここで申し込むとよい。

一方Madilyn Baileyとしては、YouTubeからこの実験のオファーがあったとき、躊躇(ちゅうちょ)しなかった。彼女は、大意として、“オンラインコミュニティとの対話性を高めることは大好きで、視聴者の自由度が高まり自分の視聴経験を個人化できるこのような試みはとってもクリエイティブだと思う”、とメールに書いている。“オーディエンスの参加性が高まれば、私もハッピーだから!”、だそうです。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今年はWebRTC元年になるだろうか?、その促進要因と阻害要因をさぐる

[筆者: Itay Rosenfeld]

編集者注記:Itay RosenfeldはVoxboneのCEO、通信業界で13年の経験がある。

WebRTC(Web Real-Time Communication)は、ブラウザ上でプラグイン不要で音声やビデオによる通話を可能にするオープンソースの標準規格〔APIの定義〕で、2012年にGoogleがW3Cに提案した。WebRTCを使うと、たとえばブラウザの画面に相手を表すボタンがあって、それをクリックすれば音声やビデオによる通話が始まる。

その‘相手’は、個人や会議のプラットホーム、カスタマサポートサービス、ビデオのソースなど、さまざまだ。こういうリアルタイム通信がブラウザ上で簡単にできるようになると、消費者のインターネットの使い方も大きく変わってくるだろう。個人間だけでなく、生活にサービスや物資を供給する企業との関係においても。

WebRTCで従来の通信型式が要らないものになる?

WebRTCが明日からすぐに、たとえば今の電話システムを不要にしてしまうわけではない。しかしそれでも、今年は、従来的な通信とWebアプリケーションの両方を補完し補強するような形で、WebRTCが大規模に採用されるだろう。今すでに芽生えていて、これからさらに大きく伸びると思われるトレンドを、列挙してみよう。

音声とビデオによるリアルタイムのカスタマサポート 企業のWebトラフィックをWebRTCによるコンタクトセンター(お客様承り所)の対話に導くことは、一般的にありえるビジネスケースだ。AmazonのMaydayAMEXのLive Video Chatなどのサービスは、WebRTCの技術でWebアプリケーションのユーザとコンタクトセンターの対話が改良されることを実証している。

カスタマサポートにWebRTCを利用することには、そのほかの利点もある。たとえば、ユーザからの入呼があった時点でその顧客の基本情報が分かるので、カスタマサポートの効率が大幅にアップする。いろいろ質問しなくてもよい。

クリック一発で会議に参加 WebRTCで仮想会議に参加できる。これまでは、ビデオは一部のハイエンドな会議でしか利用されないし、音声アクセスは電話によるものがほとんどだった。

とくにWebRTCによるオーディオはHDで空間性(サラウンド)ありなので、会議での効果が大きい。しかもそのコストは、会議の主催者とユーザの両方にとって安上がりだ。電話会議にありがちなドジとヘマの数々も防止できる。

グローバル化 スマートフォンなどの電話システムではサービスやビジネスのグローバル化〜多国籍化がなかなか難しいが、WebRTCなら簡単だ。たとえばワイヤレスのキャリアはWebRTCを使って世界中のどんなネットワーク上のどんなデバイスに対してもコミュニケーションサービス(ビデオ、音声、SMS等々)を提供でき、しかもそのために、スマートフォンの機種などを特定する専用アプリは要らない。

たとえばT-Mobileが最近発表したWiFi通話機能は、WebRTCを使えばもっと簡単に実現できる(今はまだ使ってない)。今年のCESでは、AT&Tが合衆国のキャリアとしては初めてWebRTCのサポートを発表した。

新しいサービスやビジネス 従来の通信サービスを超えるような新しいサービスがいくつかすでに登場している。それらはWebアプリケーションの一部としてリアルタイム通信を使い、中にはまったく新しいビジネスモデルもある。たとえばPopExpertなどのミニミニコンサルティングサービスは、消費者とエキスパートをビデオチャットで結びつける。

またNTTのSkyTalkは、WebRTCによる音声とビデオの対話をベースとするソーシャルアプリだ。2015年にはさらに新しい多様なWebRTCの利用例が、数多く登場するだろう。

WebRTCの本格普及の前提

以上のように、すでにいろいろなトレンドが芽生えている中で、WebRTCの大量採用(大衆化)の決め手となるビジネスモデルは何だろうか? ぼくの考えでは、WebRTCはこれまでのような新しくて珍しくて無料のコミュニケーションのベースになるものから、企業向けのソリューションや、消費者向けの会費制のソリューションに移行していくだろう。その主役は、企業向けでは会議サービス、消費者向けではエキスパートによるコンサルテーションサービスだ。

しかし、上記のようなWebRTCの大普及のためには、二つのことが必要だ:

1. MicrosoftとGoogleとAppleがWebRTCをめぐる抗争をやめること

この抗争がWebRTCの初期からずっとあるので、今だにChromeとFirefox以外のブラウザがWebRTCをサポートしていない。これでは、大衆化は無理。使用するコーデックをめぐっても抗争があるので、それが解決しないかぎりWebRTCによるビデオの利用は普及しない。

昨年後半にGoogleとMicrosoftはWebRTCの普及を妨げている障害物の除去に向けて一歩を踏み出した。願わくば近い将来には、ChromeとInternet ExplorerとFirefoxの三者がWebRTCによるビデオをサポートしてほしいし、そうなれば一挙に、怒涛のような大普及が始まる。SafariのWebRTCサポートに関しては、まだ音沙汰がない。

2. ユーザ体験の質的向上

WebRTCが有料サービスでも利用されるためには、今の消費者が慣れている電話ネットワークのそれと並ぶ、あるいはそれを凌(しの)ぐ、高品質なユーザ体験が必要だ。インターネット通信が落ちたり低品質になることは誰もが経験しているが、サービスの多くが無料だからみんな我慢しているだけだ。

WebRTC、つまりWeb上のリアルタイム通信は、便利だし、HDのオーディオやビデオは魅力だが、通信の品質が悪すぎると、なかなかユーザ数は増えないだろう。今そのためのソリューションが開発中ではあるけど。

安定した通信の質が確保できること、そして既存のコーデックがすべてサポートされ、またメジャーなブラウザのすべてがWebRTCをサポートすれば、2015年はWebRTCが離陸する年になるだろう。しかし、そのためにやるべきことは、とても多い。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、グループDM機能およびアプリケーション内ビデオ編集機能を実現

Twitterのダイレクトメッセージ機能(DM)が拡張され、一度に複数の人に対してDMを送ることができるようになった。すなわち、グループ会話機能が実装されたというわけだ。またアプリケーション内からビデオを撮影して、簡単な編集をして公開するための機能も備えられた。これまで未実装で、すなわち他アプリケーションに委ねられていた機能を自ら実現し、そしてエンゲージメントを高めていこうという意志が感じられる。

今回実装されたGroup DMの機能により、Twitterはインスタントメッセージ系アプリケーションのような使い方ができるようになった。フォロワーに対して一括してダイレクトメッセージを送ることもできるようになった。場合によってはフォローする相手を選ぶのにより新潮にならなければいけないケースも出てくるかもしれない。誰かをフォローするだけで、知らない人とのグループチャットの一員として扱われる可能性も出てくるわけだ。

グループDMを送る相手として指定できる最大の人数は20名だ。絵文字も含め通常のツイートメッセージを送ることができる。Twitterの適用範囲を増やすことにより、利用者がTwitterを利用する時間を伸ばすことにも繋がるだろう。これまでは面白い、あるいは刺激的なツイートを発見するとWhatsAppやiMessageなどで仲間に拡散するといったシーンもあったことだろう。これはからはTwitter自体でそうした行為が行えるようになるわけだ。

ビデオについての機能も加わり、Twitter内から30秒までのビデオを撮影できるようになった。さらには簡単な編集なども行えるようになっている。iPhoneを使っている場合には、カメラロールにあるビデオを利用することもできる。Android版も同様の機能が実装される予定となっている。ネイティブなビデオ撮影機能を使って投稿したビデオのサンプルを下に掲載しておく。

Twitterアプリケーションにてビデオ撮影/投稿をサポートすることで、(Twitterの所有する)Vineへの依存を減らすことにも繋がるだろう。Twitterとしてはともかく、アプリケーション内で利用できるコンテンツを増やし、さまざまな作業がTwitter内で完結するようにしたいと考えているわけだ。ビデオの長さは30秒に制限されているが、これはTwitter上で展開する広告ビデオのことも考えてのものであるに違いない。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


YouTuberと広告主をマッチング する「iCON CAST」、ex-Googler集団がリリース

YouTubeに動画をアップし、その広告収入で生計を立てている「YouTuber」。動画投稿だけで食べていけるクリエイターは一握りという指摘もある一方で、米国10代に影響力のある人物に関する調査では、トップ5をYouTuberが独占。若年層ではハリウッドスターの人気を凌ぐほどだと言われている。

こうした影響力を企業が見逃すはずはなく、多くのファンを抱えるYouTuberに自社商品を宣伝してもらう「YouTuber広告」が日本でも増えつつある。ただ、そのYouTuber広告で稼ぐクリエイターもごくわずか。案件が集中して単価が上がり、人気YouTuberの出演料は「1本あたり100〜400万円に上ることもある」(関係者)のだとか。

広告主からすると、自社のターゲット層と一致するファンを抱えるYouTuberを探すのは困難。前例の少ない広告がゆえにKPIの設定も難しい。だったら、とりあえず多くのファンを持つ人気YouTuberにお任せしてみよう、といった会議の様子も想像できる。

YouTuber広告の選択肢を広げる

「本来はYouTuberのポテンシャルも、クライアントのニーズも存在するにも関わらず、『出会い』の場が少ないがために、YouTuber施策の選択肢が制限されている」。こう語るのは、YouTuberと広告主をつなぐプラットフォーム「iCON CAST」を1月26日にオープンした、ルビー・マーケティング創業者の平良真人氏だ。

従来のYouTuber広告は、広告主が人気YouTuberを指名するケースが大半だったが、iCON CASTはYouTuber側で案件を探せるのが特徴。これまで声がかからなかったYouTuberのメリットはもちろんだが、広告主としても、自社商品と親和性の高いファンを持つYouTuberを起用しやすくなる。そうすれば、老若男女に愛されるYouTuberを起用するよりも、グッと限られた予算内でマーケティングが行えるというわけだ。

「僕らが狙うのは、上位だけでなく中堅層のYouTuber。現在はゲーム実況がうまくなくても、人気YouTuberにゲーム広告のオファーが来ていたりする。一方、米国は各ジャンルで得意分野を持つYouTuberが多く、数百人が100万人単位のチャンネル登録数を抱えている。日本でもジャンルに特化したYouTuberにニーズは来る。」(平良氏)

利用の流れはこうだ。YouTuberはiCON CASTに登録して、専用の管理画面で自分の得意分野(ゲームや化粧といったジャンル)のYouTuber広告案件に応募。案件を受託する場合、広告主と個別契約を締結すれば契約が成立する。

その後は、受託した案件の制作内容に沿って動画を作成。iCON CASTと広告主が動画を確認し、問題がなければ公開日に合わせてYouTubeに動画を公開する。広告主が動画の内容に納得しない場合は、1回に限り、修正作業が入ることになっている。

広告主は、専用の管理画面でYouTuber広告の詳細を決定し、案件を募集する。iCON CASTは広告主の要望と予算に応じて、YouTuberごとの特性、チャンネル登録数、動画の再生回数などを精査。広告主の案件とマッチするYouTuberをピックアップして提案する。

iCON CASTの収益源は、マッチング成立時に広告主が支払う業務委託手数料だ。広告料の20%を徴収する。なお、YouTuberがGoogleと個別に結んでいる「YouTubeパートナープログラム」経由の広告収益は、これまで通り100%得ることができる。

ルビー・マーケティングは現在、YouTuberを獲得するために、YouTuber専門のマネジメントプロダクション「MCN(マルチチャンネルネットワーク)」と交渉中。広告主についても順次、声をかけている。年内に1000人程度のYouTuber、数百社の広告主を獲得することを目指している。

社員15人のうち8割がGoogle出身

ルビー・マーケティングはもともと、GoogleやYahoo!、Facebookなどを使ったオンラインマーケティングを支援する会社として2014年1月に設立。実は平良氏をはじめ、同社社員15人のうち8割がGoogle Japan出身だ。「元Googleだから『どう』というのはありませんが、YouTubeの状況に明るいのは強みかも」(平良氏)。

平良氏はGoogleで中小企業向けの広告営業部門を立ち上げた人物。起業意識は「ゼロ」だったが、「魂がこもった中小企業の経営者」を何人も見ていくうちに、「自分のノウハウを使い、もっとスケールを持って中小企業を支援したい」と感じたのが起業のきっかけだったと振り返る。

iCON CASTのアイデアが浮かんだのは、ゲーム業界のクライアントから、海外のYouTuberを起用したゲーム実況広告の要望が出た時。その後も、別のクライアントにYouTuberの広告を提案すると、ゲーム以外の案件も決まり始めたことから事業化を決意したそうだ。


動画学習サービスのschooが「プログラミング学部」を新設、マネタイズに舵を切る

2014年6月に学部制度を導入した動画学習サービス「schoo」。1月23日には新たに「プログラミング学部」を新設した。

プログラミング学部では「Ruby入⾨」「リーダブルコード入⾨」といった授業を提供。未経験から、Webサービスを開発・公開できるまでに必要な学びをパッケージで提供するとしている。先生を務めるのはHEART QUAKE 代表取締役の千葉順氏をはじめ、エイチツーオー・スペース代表取締役のたにぐち まこと氏、一般社団法⼈日本Rubyの会代表理理事の高橋征義氏、クリアコード代表取締役の須藤功平氏、BASE CTOの藤川真⼀氏など。TechCrunch Tokyo 2014で司会を務めてくれた女優の池澤あやかさんが自作PCの作成に挑戦する授業などもあるそうだ。9月末までにコンテンツ200本の提供を目指す。

この発表を読んだだけでは、「また学部が1つ増えただけか」と思うかも知れないが、これを契機にスクーは次のフェーズに進むという。スクー代表取締役社長の森健志郎氏は「僕らは人材業界のマーケットに入っていく」とマネタイズを本格化する意思を語った。

先日のデジタルハリウッドの記事にもあるが、SIerはさておき、ITエンジニア人材の不足は明確だ。森氏は「HTMLをちょっとかけるだけの人ですら重宝される。需要はあるのに人材はまだまだ不足している」と語る。そんなこともあって、必要とされている人材を育成することでようなコンテンツを提供することで、schooで「教育と人材を統合、再編したい」(森氏)という。すでに実績もあるそうで、これまた不足していると言われがちなデザイナー学部などは、登録者1万人、WAU(週間アクセスユーザー)30%、課金率は約2割と人気だそうだ。

これまで森氏は「月次のコンテンツ数を増やせばユーザーが増えることは分かってきた」なんてサービスの成長について語るものの、マネタイズについてはほとんど明言していなかった(もちろん課金サービスは展開していたが)。今回も同じように聞いたところ、「ユーザー獲得やリピートの仕組みはできてきた」とのことで、ユーザー数は12万人、schoo上でコンテンツを配信可能な外部パートナーである「公認団体」も100団体超となっている。だが「スクーは『サービスから事業へ進む』というメッセージを打ち出したい」と語ったのは印象的だった。

今後スクーが増やしていく「人材×教育」のコンテンツは大きく2つ。1つは今回のプログラミング学部やすでに提供中のデザイナー学部のような、すでに需要があるが人材が不足している分野。そして2つめは宇宙起業家、グロースハッカーのような、これから人材が必要とされるであろう分野だそうだ。

スクーでは今後、こういった学部、カリキュラムの卒業生と、人材サービスの融合を図っていくと思われるが、その詳細についてはまだ決まっていないそうだ。「お金のいただき口を企業にするか、ユーザーにするかも含めてまだ実験が必要だ」(森氏)とした。


日本のユーザーの動画視聴時間は米国の2倍、ただし視聴本数は米国の半分

日本のユーザーが動画ストリーミングを視聴する時間は米国の2倍。だが一方で視聴する動画本数では米国の約半分になっている――インターネット視聴率やデジタルメディア分析を手掛けるコムスコアが1月21日に発表した「日本のパソコン経由の動画ストリーミングサイト利用状況に関するレポート」からそんな利用実態が明らかになった。

この調査は2014年11月に、家と職場でインターネットを利用する15歳以上ユーザーを対象にしたもの。まず国内オンライン動画サイトの日本国内トップ10を見ると、Google Sites(YouTube)のユニーク視聴者数が5066万人。2位がFC2 inc.で2100万人、3位がKadokawa Dwango Corporation(ニコニコ動画)で1973万人となった。YouTubeを擁するGoogleが2位の2倍以上の視聴者数を誇っているという。

動画視聴者がインターネット人口に占める割合を日米で比較すると、米国が89.4%であるのに対して日本は79.8%と10 %ほど低い。その一方で、日本では1動画視聴あたりの利用分数が10.2分なのに対して米国は2.4分と短い。また1視聴者あたりの1カ月の利用分数では日本が2747分だが、米国はその約半分である1254分となっている。では米国では動画が視聴されていないかというと、そうではなくて、1カ月の動画視聴回数をみると米国は517.4回で、日本(268.5回)の約1.7倍となっている。

つまり、日本では視聴する動画の数は少ないものの、長時間の動画を好む傾向にある。一方で米国では短い動画を次々に視聴するという傾向があるようだ。

photo by Evan Blaser


カスタマサポートはビデオチャットが何と言っても便利、そのプラットホームLiveNinjaらに続々投資が降り注ぐ

カスタマサポートのためのリアルタイムビデオチャットが最近流行(はや)り始めている。Kindle Fire HDX上のボタンによる、ちょいと受けねらいの、Amazon Maydayサポートは、すでにおなじみだ。そしてあれ以降、多くのスタートアップが真似をしようとしてきた。銀行や金融サービス、保険、不動産、小売などのサービスは、ビデオを利用するライブの人的サポートが役に立つことが多い。

ビデオチャットのプラットホームKatanaをローンチしたフロリダ州マイアミのLiveNinjaはこのほど、ニューヨークのScout Venturesから新たな資金調達をした。後者が南フロリダのスタートアップに投資するのは、これが初めてだ。投資額等は公表されていないが、Scoutがリードするこのラウンドには、前からの投資家Limited Partnersと、Scoutの南フロリダの新しいパートナーたちも参加した。

LiveNinjaの最初のサービスは、いろんなエキスパートに有料で相談できますよ、というチャットプロダクトだったが、昨年、企業が顧客とビデオでチャットできるカスタマサービスアプリケーションKatanaをリリースした。今、モバイルデバイスのサポートも開発中だ。

今この分野の主な選手というと、LiveNinjaのKatanaのほかに、550万ドルの資金を調達したVee24や、480万ドルを調達したVideo Deskなどがいる。それらの中でKatanaの売りは、大企業が使えるだけでなく、中小企業も利用できる手頃な料金プランがあることだ。

2014年の9月にScout Venturesはマイアミに支社を開設して、この都市の急速に発展しつつあるスタートアップのエコシステムに食い込む努力を開始した。

↓Katanaのデモ

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


CES 2015からのベストビデオ

CESは非常に巨大なイベントだ。私たちはHardware Battlefieldを開催しつつ、コンベンションセンター中を広く歩き回りもした。そこで何時間分ものビデオを撮影したが、以下ではその中で「ベスト」なものをいくつか紹介しようと思う。

ちなみに撮影した全ビデオはこちらに置いてある。「ベスト」として選んだのは愉快なものや、ドローン・ラブがあふれたもの、あるいはいかにもCESらしいものなどだ。ぜひお楽しみいただきたい。また来年のCESで面白いプロダクト(とビデオ)を発掘したいと思っている。

CES Drone Rodeo


 

Indiegogo Going Strong


 

Parade of Drones


 

Garmin’s New Smartwatches


 

Bitcoin World


 

Panasonic’s Secrets Of Good Living!


 

Audi’s Concept Cars


 

HP Sprout


 

All About The Selfie Stick


 

原文へ

(翻訳:Maeda, H


全員がポータル銃を持ったらバスケットボールはこうなる

バスケットボールのこんなトリックビデオが、最近まで流行(はや)っていたよね。あれは、ニセモヒカンヘアの軍団が、アホらしいほど複雑なバスケのシュートに47000回挑戦して、うまくいったのだけをつないでアップロードしたら、それを見た人全員が熱狂したんだ。

これもそれに似ているが、科学を利用している。ここで科学の意味は、完全にフィクションのポータル銃(Portal Gun)であること。〔*: Portal Gun, A、B2地点を指定し、A地点から撃つと必ずB地点に命中する(弾丸が障害物を穴を開けずに通り抜ける)銃。MineCraftのModの一つ。〕

ところで、これを作った人には、今度はポータル映画を作ってほしいね。

その音楽にはSavantの曲を使ったらボーナスポイント。Savantは、だんとつにすごいから。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Blackberry Classicを使ってみた(ビデオ)


それは長い道のりだった:Blackberryが根源に立ち返った。群れを追うのではなく、Blackberryはユーザーが待ち望んでいたものを正確に再現した。使いやすく、楽しく、そして堅牢。しかし、果たしてこれで会社は救われるのだろうか?

私は450ドルのClassicのファンなので、後日本格的レビューを掲載するつもりだが、とりあえず私が少しばかりいじっているところをご覧いただきたい。週末にはもっともっと使う機会があるので、どんなことができるか大いに楽しみだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google+はユーザが投稿したビデオを自動的に画質改良する、Facebookに対抗か?

ほぼ2年前からGoogleは、ユーザがGoogle+にアップロードした写真の画質を自動的に改良してきた。そして今日からは、ビデオに対しても同じことをする

ただし、自動的にではなくて、Googleが改良できると判断したビデオに関しては、ちょっと変えてみたいけど結果をプレビューするか、というバナーが出る。そのとき、‘改良’を断わってもよい。逆に、自分がアップロードするビデオはすべて自動的に‘改良’せよ、という指定もできる。それは、Auto Backupからのアップロードでもよい。

GoogleのエンジニアTim St. Clairが今日ブログに書いているところによると、改良されるのはビデオの画質の、ライティング、色、安定性などだ。もうすぐ、ビデオの音声も改良の対象になる。

この新機能はMacとWindowsとChromeOS上のGoogle+で使える。’More’メニューの中や、Google+のPhotoアプリからだ。

ユーザが‘改良する’を選ぶと、オリジナルと、改良結果のプレビューが横並びで表示される。解像度が240pと粗いので、ちょっと見づらいが、ビデオの編集という重い処理をやりながらプレビューをユーザに高速で見せるためには、これしかなかったのだろう。

ぼくの場合は、Googleに‘こいつは改良したい!’と目をつけられたビデオはまだないのだけど、ここ数か月でGoogle+にアップロードしたビデオを試しに改良させてみた。たしかに、[施術前]と[施術後]の違いははっきり分かる。

ふつうの人たちはGoogle+のソーシャルネットワークとしての成功を疑うが、でもここで話題にしているGoogle+ Photosだけは、明らかに、おもしろくて革新的なサービスだ。

スマートフォンでビデオを撮る人はとても増えているから、Googleが写真用やあるいはYouTubeで開発した技術を、これらのプライベートなビデオに適用するのは良いことだ。YouTubeのユーザにはすでにそういう機能を提供しているのだから、Google+ Photoとのあいだに機能の重複があるのはやむを得ない。でも、YouTubeには”auto-fix”オプションはあるけど、Google+ Photoのような、ユーザの事前承認を求めるUIはない。またYouTubeにはコントラストや色調などを手作業で変えるツールがあるが、Google+の方にはない。

Googleの今日(米国時間12/19)の発表は、Facebookがやはり、ユーザがアップロードした画像の自動改良を発表してからわずか数日後だ。偶然そうだったにすぎないのかもしれないけど、何か勘ぐりたくなるね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ビデオを撮ったら簡単に即アップロードできるSendVid、子どももじじばばも使える超簡単さ

昨年Sharedをローンチした連中が、またやらかした。今回は、ビデオの共有が簡単にできるようにする、というのだ。

SendVidという分かりやすい名前のついたそのサービスは、これ以上シンプルなものはありえない、というぐらいシンプルだ。ビデオをアップロードしてシェアする。それで終わりだ。ビデオを編集したい? フィルタを加えたい? 音声を加えたい? それは、ほかのところでやっておくれ、お若いの。

Adam OliverとIvan WongとFlorian Cervenkaが作ったこのサイトは、今非公開ベータで、完全に自己資本のみだ。

“ぼくらは長年、画像ホスティングサービスをやってきたから、次は当然ビデオホスティングサービスサービスだ。これまで蓄積したノウハウがあるから、そのビデオホスティングサービスも最初から黒字になるだろう”、とCervenkaは言っている。

このチームが目指しているのは、ビデオのためのImgurだ。ぼくが下のビデオでやってるみたいに、思いついたらすぐに短いビデオを撮ってアップロードする。このサービスを利用すると、誰もが、自分の犬がフリスビーをキャッチするところのビデオなどを、ひまなときに撮ってアップロードできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ついに! YouTube純正GIF化ツールが登場

11月に「YouTubeは、それぞれのビデオからGIFを作るGIFジェネレーターを実装すべき!」という記事を公開した。「それはないよ」と言っていた人もいたが、多くの人が賛成してくれた。

どうやら、YouTubeも賛成の意思を示してくれたようだ。いつの間にやら、GIFメーカー機能を実装したようなのだ。

今のところ、すべてのビデオで利用できるというわけではないようだ。しかし存在するのは事実だ。たとえばPBS’ Idea Channel(最初にこの機能について言及したのはAndy Baioだ)のビデオでは概ねGIF化可能であるようだ。いずれかのビデオをクリックて共有ボタンをクリックするとGIF化メニューが現れる。

GIF画像の作り方は簡単だ。GIFメニューをクリックして、表示される編集画面でスタートポイントおよびエンドポイントを選ぶ。キャプションもここで入力することができる。そして「GIFの作成」というボタンをクリックして完了だ。処理速度も驚速で、GIFはYouTubeのサイトに保存される。

ツールの見た目は、私が作成して記事で紹介したモックアップにそっくりだ。YouTubeがきっと何ヶ月ないし数年をかけて考えてきたものなのだろうけれど、「私のアイデアだ」というのも間違いではあるまい。

「ぜひともGIF化してみよう」と思った人も多いだろう。しかし先にも書いた通り、YouTubeの純正ツールはまだすべてのビデオに対応しているわけではない。もし対応していないビデオをGIF化しようと思うなら、こちらのツールを試してみても良いのではなかろうか。URLの一部を変更するだけで、簡単にYouTube上のビデオをGIF化できるすぐれものだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


YouTubeがオートプレイ(自動再生)機能をテスト中…一日中だらだらとビデオを見ていたい人に朗報

【抄訳】

視聴率と滞留率を上げる努力を一瞬たりとも怠らないYouTubeが今、ひまつぶしビジターたちを長時間捉えて離さない、きわめつきの機能をテストしている。それは、ビデオのオートプレイ(自動再生)だ。一つ見終わったらいつものおすすめ候補一覧が表示されるのではなく、すぐに次のビデオの再生が始まる。

この機能を特ダネしたのはインドのブロガーDeepanker Vermaで、彼のブログTechlomediaにオートプレイの概要が書かれている。でもこの機能は、かなり前から開発が進められていたようだ。8月にはGoogleマニアを自称するブロガーが、オートプレイ機能を見つけている。この人は、YouTubeのクッキーを書き換えるとオートプレイを利用できる、と言っている。

YouTubeに問い合わせると、確かに今、世界中のユーザのごく一部を対象にオートプレイを展開し、フィードバックを集めているそうだ。実はこの記事の画像も、テストに参加したフレズノ(カリフォルニア州Fresno市)の住人からもらったものだ。

Googleの広報らしき人は、“YouTubeには毎分大量のビデオが集まるから、各ユーザが見たいと思っているようなビデオをもっと簡単に素早く見つけて、視て、共有する方法を工夫する必要がある。オートプレイは、今回の実験のフィードバックの結果を反映させたうえで、もっと広く展開する”、と語った。

スクリーンショットでお分かりのように、オートプレイ機能はオプションだが、デフォルトではonになっていて、新しいビデオを開くたびに、次のビデオを指定するダイアログが出る。

おすすめのビデオを見たくない人はこの機能を無効にできるが、それは毎回指定しなければならないみたいだ。

【中略】

今、YouTubeユーザの平均滞留時間は、comScoreによると24.4分だ。だいたい、テレビの30分番組の正味の時間と同じだ。

オートプレイはYouTube上のふつうのビデオを自動再生するが、そのうち、ほかのビデオコンテンツ…とくに広告、コマーシャル…が入ってくるのかもしれない。

ビデオ広告は今とても(広告主にとって)人気があるから、コマーシャルがビデオの再生前だけでなく再生終了後にも出るようになれば、YouTubeの広告能力は一挙に倍増することになる…理論的には。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ビデオを制作/アップロードする前にYouTubeが使用音楽の著作権の有無などを教えてくれる

Googleは今日(米国時間12/8)、ユーザが著作権のある音楽のビデオをYouTube Audio Libraryにアップロードしたらその後どうなるかを、事前にお知らせする機能を導入した

今日までは、ユーザがビデオをYouTubeにアップロードすると、YouTubeのコンテンツIDシステムが、そこに著作権のある音楽が含まれてないか調べる。アーチストやレーベル(レコード会社)は、1)そのビデオのオーディオをミュートする、2)ビデオそのものを見せない、(もっと賢ければ)3)そこに広告を載せて広告収入を得る、などの態度を選べる。問題は、アップロードする人に事前にそのことが分からないことだ。ビデオを作って、アップロードしてみて、やっと分かる。

Audio Libraryの新しい検索機能を使うと、これからは、何が起きるかが事前に分かる。たとえば本誌TechCrunchのお友だちであるCharli XCXBoom Clapをあなたのビデオで使いたかったら、(1)そのビデオは世界中の人が自由に見られる、(2)広告が入る、(3)あなた自身には広告収入はない、ということが事前に分かる。

これでYouTubeのコンテンツクリエイターたちの心の負担が相当軽くなる。いやらしい削除警告は依然としてありえるけど、とにかく、自分のビデオにこの音楽使ったらどうなるかな?ということが事前に分かるのはありがたい。感謝祭用に苦労して作ったビデオを、家族が見られない、とあとになってから分かるより、ずっとましだ。

YouTubeには今、使用料無料の曲集もあるから、収益目的のビデオを作るときには便利に利用できるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


カップル動画の投稿が人気! 動画アプリ「MixChannel」は10代女子の新しい自己表現ツール

夏休みにユーザー急増、「10代女子」に人気

YouTubeやニコニコ動画、Vine、ツイキャスなど、動画関連サービス・アプリのなかには、コンテンツに紐づくコミュニケーションから独自のコミュニティや文化を生み出すものがある。最近、筆者が注目しているのが、10秒動画コミュニティアプリ「MixChannel(以下、ミックスチャンネル)」だ。CGM型のサービスで、手持ちの写真・画像・動画・音声などを組み合わせた動画を投稿できる。2013年12月のリリース後、10代を中心に利用されている。

10月には月間2億3000万回再生を記録。ウェブとアプリを含めた月間訪問者は300万人、ダウンロード数は130万を超えるまでに成長した。動画コミュニティアプリの規模としては日本最大級だ。ユーザーの約7割が10代、女性が7割近くを占める。「10代女子」に人気のサービスであり、1回起動したユーザーの平均滞在時間が15分というのも、その人気や依存度を裏付ける。

動画再生回数は、8月から10月にかけて4倍に増加。要因は「夏休み」なのだが、この期間にTwitter上で口コミが生まれ、多数の動画がシェアされたことで、若いTwitterユーザーが利用するようになった。10代が多く利用するサービスならではの伸び方も興味深い。

ミックスチャンネルの月間動画再生回数の急伸を表したグラフ

今回、ミックスチャンネルの立ち位置や文化について、株式会社Donutsにて同サービスのプロデューサー兼エンジニアを務める福山誠氏に話を聞いた。福山氏は、グーグルを経て、ソーシャルランチを起業、同サービスをDonuts社に売却し、新事業開発にあたっている。

「全国の中・高校生が文化祭をひたすらやっている感じ」

サービスづくりのきっかけは、昨夏あたりから、アメリカで6秒動画アプリ「Vine(ヴァイン)」が流行していたことにある。福山氏はソーシャルランチの売却後(現在も運営している)、Donuts社の主軸であるモバイルゲーム以外での新規サービスづくりに向けて調べていたところ、「短い動画」というコンテンツフォーマットに可能性を感じたという。

そこで2013年8月、親しい相手と共有するクローズドな6秒動画アプリ「ともらっち!」をリリース。しかし、LINE社が短い動画にBGMを付けて送信できる「Snap Movie(スナップムービー)」機能をリリースしたことを受け、閉じたという背景がある(スナップムービーは現在、30秒以内で自由に映像を加工できる動画撮影・編集アプリとしてリリースされている)。その後、オープンな動画コミュニティアプリとして、画像や写真なども使うことができるミックスチャンネルが誕生した。

「ニコニコ動画やYouTubeのような動画サービスは独自の文化をつくってきたと思います。ミックスチャンネルの場合は、インスタントに観ることができ、画像と動画の中間のような立ち位置です。個人的には画像の拡張であり、アニメーションGIFのようなものとして捉えています」

海外の短い動画サービスは、ソーシャル志向のものが多い一方、ミックスチャンネルは、友達ではなく全国のユーザーに向けて発信する。「全国の高校で文化祭をやっている感じで、そのなかでネット的な自己表現ができることが大きな特徴です」と福山氏は語る。

MixChannelのプロデューサー兼エンジニア・福山誠氏

 

「撮影」より「コラージュ」に重点がある

ミックスチャンネルは、操作が直感的でシンプルなことが支持されている。画面の長押しで撮影、シーンの切り替えも簡単、そしてアルバムにある写真や動画を活用できる。BGMの追加やマイクを使ってのアフレコも可能なため、表現に幅が生まれる。

「ミックスチャンネルは、撮影に特化しておらず、『デコる』『コラージュする』といったことに重点があります。映像で特技を見せたり、歌うこともでき、プリクラ写真を動画にしたりと、自己表現の幅がかなり広いです。この点が、撮影することに力が入るほかの動画アプリとの大きな違いとなっています」

加えて、「ファン機能」と「リンク機能」も特徴的だ。ファン機能では、ユーザーのファンになることで、新規動画が投稿されるたびに通知が届く。これによって定期的な視聴が可能になり、リピートの促進となる。また、ファン限定の動画投稿もできるなどファンやコミュニティづくりにつながる仕組みがある。

リンク機能は、自分が投稿する動画にほかのユーザーの動画をリンクすることができるというもの。誰かの動画に影響を受けてのリメイクや誰かの動画の一部を活用したコラボレーション、そしてアフレコなどでみられる1話、2話といったシリーズものをつくる際などにリンクされる。誰の動画に影響を受けたのか、誰の動画とコラボレーションしたのか分かるため、投稿者同士のコミュニケーションも活発になる。

「アフレコ動画ではコメント欄でシナリオをつくることもあります。機能がどのように使われるのかという想定はしながらも、遊び方のルールはユーザーさんが発明し、自己表現の幅を広げてくれています」。ミックスチャンネルではわかりやすいコンセプトとして「10秒」とくくっているものの、それ以上の長い動画も投稿できるなど、いい意味で幅をもたせている。

一番人気は「カップル動画」

これらの特徴が若いユーザーにハマったことで、今年6月には「ユーザーの9割が10代」という段階もあり、いまでは月間2億回再生という数字を記録している。しかし、なぜ、ここまで10代を惹きつけているのだろうか。

もちろん、10代のユーザー獲得のために一定量のプロモーションをおこなっているが、サービス初期に新規ユーザーを引き連れてきたのは、人気の読者モデルたちだった。「女子高生に人気の大倉士門くんやこんどうようぢくんにサービスを使ってもらっていたことが、最初のうねりをつくることになりました」。

また、若いユーザーに向けたカテゴリーも理由のひとつとなっている。おもしろ、LOVE、顔出し、歌、メイク・ファッション、こえ、イラスト・こえ素材、スポーツ、before→afterメイクといったカテゴリーがあり、おもしろとカップルが2大人気カテゴリーだという。メイクカテゴリーは、女性ユーザーが多く、要望もあったため、後から追加した。非日常ではなく、隣の学校のおもしろい日常を見るエンタメ感が受けている。

上の世代にとって、LOVEカテゴリーは特に衝撃なのだが、これが嬉しい想定外だったようだ。「カップル動画がここまで流行るとは想定していませんでした。いまでは投稿数がいちばん多いカテゴリーとなっています」と語るように、カップル動画がアプリの人気に一役買っている。リリース初期の1月頃に、帰国子女のユーザーが彼氏とのイチャイチャ動画を投稿しはじめたことがきっかけだそう。

「当初はおもしろいことをやる人がちらほらいるくらいの状態だったので、最初のカップル動画の登場は衝撃的でした。それから同じようなフォーマットでのカップル動画が増えていきました」。コミュニティにカップル動画を投稿して、前向きなリアクションやそれに影響を受けた動画が投稿されるようなことは、ミックスチャンネル発の新しい若者文化とも言えるだろう。

ミックスチャンネルからテレビ出演を果たした「スマホの歌姫」

「当初は、彼氏といっしょの動画を投稿するだけでしたが、いまでは紙芝居のような質も高く、面白い動画が投稿されるほどに進化しています。動画制作などやったこともなかった女子高生がいまではiMovieを駆使してカップル動画を作る、ミックスチャンネルにアップするということもあるほどです。ファン機能やリンク機能、そしてコミュニティがあることで、いい動画をつくって公開したいという欲求がサービス内で生まれていると思います。10代の自己表現の背景にある、人気になりたい、認められたいといった欲求を受け止めることができればと思います」

ミックスチャンネルでは、タレントの活躍をはじめ、一般人でもファンが1万人以上つくことも珍しくない。人気ユーザーのMiracle Vell Magicさんは2万人以上のフォロワーがいる。「スマホの歌姫」と呼ばれ、テレビ出演も果たしているほど。女子高生の2人組の「まこみな」も10代女子に人気なユーザーだ。リリースから1年経っていないものの、アプリから生まれた才能が活躍しはじめており、全体的な傾向では、読者モデルを中心に女性が人気になっているという。

若い世代のクリエイティビティが集まるコミュニティであるため、「カップル動画コンテスト」など動画コンテストもおこなっている。また、企業の才能を発掘したいというニーズが合致する場合は、企業ともコラボレーションも実施。現在はユーザーを伸ばしている段階で、マネタイズには着手していないとのこと。今後はビジネス開発を強化するとともに、広告を中心にさまざまなマネタイズの可能性を考えているという。

年内に月間4億回再生、200万ダウンロードを目指す

ユーザー数や再生回数などが急速に伸びているミックスチャンネルだが、実は、福山氏にエンジニアとディレクターを加えた3名で運営している。Donuts社のコーポレート・スローガンには「歴史を変えたサービスのほとんどは、小さなチームから生まれている」という言葉もあるように、少数精鋭チームで大きなプロダクトを羽ばたかせようという思想がみえる。

少数チームながら、今年4月にiOS版で英語対応し、海外ユーザー獲得に向けて動き出した。しかし、実際のところは注力できておらず、まだ日本のユーザーしかいないとのこと。6月にリリースしたAndroid版も今月から英語対応する予定で、「アジア最大のスマートフォン動画投稿プラットフォーム」に向けてようやく海外展開を進めていく段階だ。アジアに焦点を当てているのは、インターネット人口が急増し、動画の広がりがまだまだ浸透しておらず、大きな市場があるからである。しかし、まだまだ中心は国内だ。

年内に月間4億回再生、200万ダウンロードを目指し、海外展開については「年内にどこかの国で流行り始めているという状態にしたい」と福山氏は語る。PC時代には動画サービスから新しいコミュニティや文化が誕生したが、スマートフォン時代にはどのようになるのだろうか楽しみだ。ミックスチャンネルから発信される若者の自己表現。その周りにはたしかに10代の求心力をもった、独特の文化圏が根づきはじめている。


ゲーム・グラフィックスの歴史(1)―72年のPongから85年のスーパマリオまでをビデオで振り返る

XboxAhoyのStuart Brownが制作したミニシリーズは最近私が見たドキュメンタリービデオのなかで最高の出来だ。この5部構成のシリーズはゲームのグラフィックスの歴史をPongからストリートファイター、そしてのその後まですべの主要タイトルを網羅して紹介している。40年以上にわたるコンピューターグラフィックスの驚くべき成果とエンジニアが開発のために使ってきたツールの発達の歴史を簡潔に振り返ることができる。Brownのイギリス英語のナレーションも魅力的だ。

上にエンベッドしたシリーズ1ではラスター・グラフィックスとベクター・グラフィックスの差の説明から始まる。最初のコンピュータ・ゲームであるPongから、カラー化を効果的に使ったインベーダー、黄色いパックマンなどのアーケードゲームに進み、その時代を代表するスーパーマリオブラザーズの登場までが紹介される。 第2部では。スーパーマリオからアウトランへの急速な発達をたどる。ノスタルジーに浸りたい中年にも、埃が舞い上がるエフェクトがどこから来たか知りたいプログラマーにもオススメだ。誰が見ても楽しめるだろう。

via Adafruit

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


排泄物からさまざまな情報を収集するSmart Pipe紹介ビデオ

排泄物に興味はおありだろうか。あまりに多くのタンパク質が排泄されていないだろうか。何か消化不能なものが多く含まれていたりしないだろうか。そんなことをチェックしてくれるのがSmart Pipeだ。トイレ配管に繋いで、身体の中から出てきたものの成分を検出してくれる。ウンチをソーシャライズしてくれるのだ。

既に出荷可能段階にあるようで、これはまさにQuantified Self(健康管理のために身体の各種データを数値化して管理する)ムーブメントに破壊的イノベーションをもたらすものと言えそうだ。

UPDATE ― 上のプロダクト、全くの冗談プロダクトだったようだ。アダルトスイムInformercialシリーズのひとつなのだそうだ。しかしよくできたKickstarterビデオのようでもあり、ニュース番組や製品広告ビデオのようにも見えるクオリティだ。少々長いがつい見てしまう。実在しないプロダクトについても、これだけ手の込んだビデオを作れば、さまざまな分野から大いに注目を集めることになるだろう。そしてついにはウンチソーシャル化プロダクトが誕生することになるのかもしれない…。

原文へ

(翻訳:Maeda, H