Rivian電動ピックアップトラックの航続距離を米国環境保護庁が発表

Rivian(リビアン)は、電動ピックアップトラック「R1T」の初期生産仕様車が、EPA(米国環境保護庁)基準で314マイル(505.3キロメートル)の航続距離を達成したと発表した。同様に、電動SUVの「R1S」は航続距離316マイル(508.5キロメートル)とされている。

航続距離と電力消費率の公式値は、米国EPAのウェブサイトに掲載されている。これらの数値は、Rivianがこれまでに公約していた航続距離300マイル(約482.8キロメートル)を上回るものだ。

EPAの試算では、さまざまな運転スタイルまで考慮できるわけではないが、同機関のテストサイクルは十分に信頼でき、電気自動車を購入する消費者に正確なベンチマークを提供するものだ。

今回の場合はRivianにとって、これが市場で販売される初の電動ピックアップトラックであるという点において有利である。Ford(フォード)の「F-150 Lightning(F-150ライトニング)」は、2022年春までに発売になる予定だが、その目標航続距離は、標準仕様で230マイル(約約370.1キロメートル)、拡張仕様では最大300マイル(約482.8キロメートル)となっている。EPAはまだフォード F-150ライトニングの公式な航続距離を発表していない。

Rivian R1TとR1Sの初期生産モデルとなる「Launch Edition(ローンチ・エディション)」には「Large(ラージ)パック」と呼ばれる135kWhのバッテリーパックが標準装備されている。このLaunch Editionのの納車は今月中に始まる予定だ。

当社のローンチ・エディション車のEPA公式航続距離値は以下の通りです。
R1T ラージパック:314マイル
R1S ラージパック:316マイル
その他のエディションのEPA情報については、随時お伝えします。

リヴィアン

R1TとR1Sには「Explore Package(エクスプロア・パッケージ)」と「Adventure Package(アドベンチャー・パッケージ)」という2種類の仕様が設定されている。標準バッテリーの容量はどちらも135kWhで、スポーツ・インテリアを装備するR1TのExplore Packageは6万7500ドル(約740万円)から、装備が充実したプレミアム・インテリアのR1T Adventure Packageは7万3000ドル(約800万円)からという価格設定だ。

SUVのR1Sは、Adventure Packageが7万5500ドル(約830万円)から、Explore Packageは7万ドル(約770万円)からとなっている。

Launch Edition以外の「Adventure」と「Explore」パッケージは、2022年1月に納車開始が予定されている。

Rivianは同時期より「Max(マックス)パック」と呼ばれるさらに大容量のバッテリーパックの提供も始める予定だ。この大型パックは1万ドル(約110万円)の追加費用が必要になるが、これを装備するR1Tの航続距離は400マイル(約643.7キロメートル)を超えると予想されている。なお、現時点ではこのMaxパックや、今後予定されている小型バッテリーパックのオプションを装備する他のエディションの公式な航続距離は、まだEPAから発表されていない。

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画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

メルセデス・ベンツが買収したYASAの革新的な新型モーターはEV業界を変える

革新的な「axial-flux motor(アキシャルフラックス、軸方向磁束)」モーターを開発した英国の電気モータースタートアップ企業であるYASA(かつてはYokeless And Segmented Armature、ヨークレス・アンド・セグメンテッド・アーマチュアという名称だった)が、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)に買収されたのは2021年7月のことだった。この買収は、発表された情報が少なかったため、それほどマスコミの注目を集めたわけではなかった。しかし今後、YASAは注目する価値のある存在となるだろう。

2009年にオックスフォード大学からスピンアウトしたYASAは、メルセデス・ベンツの電気自動車専用プラットフォーム「AMG.EA」用の超高性能電気モーターを開発することになる。YASAは完全子会社として英国に留まり、メルセデス・ベンツの他、Ferrari(フェラーリ)などの既存顧客にもサービスを提供していく。また、YASAのブランド、従業員、施設、所在地もオックスフォードにそのまま残る。

YASAの軸方向磁束モーターは、その効率性、高出力密度、小型・軽量であることが、EV業界の関心を集めた。

対照的に、今日の市販EVでは「ラジアル」電気モーターを使った設計が一般的だ。テスラでさえラジアル型モーターを採用しているが、ラジアル型モーターは40年以上前のレガシー技術であり、技術革新の余地はほとんどない。

しかし、YASAのアキシャルフラックス型は、セグメントが非常に薄いため、それらを組み合わせて強力な単一のドライブユニットにすることができる。これによって、他の電気モーターに比べて重量は3分の1になり、より効率に優れ、出力密度はテスラの3倍にもなる。

YASAの創業者でCTO(最高技術責任者)を務めるTim Woolmer(ティム・ウールマー)氏は、電気モーターの設計にこのような新しいアプローチを考案した人物だ。TechCrunchは、同氏にインタビューして次の展開を探った。

TC:これまでの歩みを教えてください。

TW:私たちが12年前に始めた時の検討事項は「電気自動車を加速させよう」「電気自動車をより早く普及させるためにできることをしよう」というものでした。私たちは今、20年にわたる革命の10年目に入っています。10年後に販売される新車は、間違いなくすべて電気自動車になるでしょう。技術者にとって、革命の時代ほどエキサイティングなものはありません。なぜなら、そこで重要なのは技術革新のスピードだからです。私たちにとってエキサイティングなのは、革新を加速させることです。それこそがメルセデスとのパートナーシップで興味深いところです。

TC:あなたが考え出したモーターは、何が違っていたのですか?

TW:私が博士号を取得した当初は、白紙の状態から始めました。その時に考えたことは、10年後、15年後の電気自動車産業が必要とし、我々がそれに応えることができるものは何か、というものでした。それはより軽く、より効率的で、大量生産ができるものです。2000年代には、軸方向磁束モーターはあまり一般的ではありませんでしたが、軸方向磁束モーターの技術に新しい素材を使ったいくつかの小さな工夫を組み合わせることで、私はYASA(Yokeless And Segmented Armature)と呼ばれる新しい設計に辿り着いたのです。これは軸方向磁束型の軽量な配列を、さらに半分にまで軽量化したものです。これにはローターの直径が大きくなるという利点もあります。つまり、基本的にトルクは力×直径なので、直径が大きくなれば同じ力でもより大きなトルクを得ることができます。直径を2倍にすれば、同じ材料で2倍のトルクが得られるということです。これが軸方向磁束型の利点です。

TC:メルセデスによる買収は完了しましたが、次は何をするのですか?

TW:私たちは基本的に完全子会社です。メルセデスの産業化する組織力を活用していくつもりです。しかし、重要なことは、自動車業界で技術がどのように拡散していくのかを見ると、まずはフェラーリのような高級車から始まり、それから大衆車に降りてきて、そのあと大量生産されて拡がっていくということです。この分野において、メルセデスは産業化に関して世界的に進んでいる企業です。今回のパートナーシップの背景には、そのような考え方があります。

TC:ここから先は、他にどのようなことができるのでしょうか?

TW:私たちは、高出力、低密度、軽量なモーターで、スポーツ性能と高度な産業化を両立させることができます。それによって私たちは、あらゆることに対応できる類まれな立場にあります。

将来の計画については語ろうとしなかったものの、ウールマー氏が電気自動車と電気モーターの分野で注目すべき人物であることは確かだ。メルセデスによる買収後、YASAは下のようなビデオを発表した。

画像クレジット:Oxford Mail

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

電動セミトラックメーカーのNikolaがボッシュと水素燃料電池モジュールの製造で提携

苦境に陥っている電動トラック開発会社のNikola Corp.(ニコラ)は、Bosch(ボッシュ)と水素燃料電池モジュールに関する新たな契約を結んだ。このモジュールは、Nikolaが開発した水素を燃料とする2台のセミトラック、短距離用の「Nikola Tre(ニコラ・トレ)と長距離用スリーパー「Nikola Two(ニコラ・トゥー)」の動力源として使用される。

「今回の発表は、ボッシュとの数年にわたる協力関係の結果です」と、NikolaのMark Russell(マーク・ラッセル)CEOは声明の中で述べている。「現存する最良の選択肢を徹底的に分析した結果、ボッシュとこの戦略的な関係を結ぶことができたことを、私たちは誇りに思います」。

このニュースは、これまで必ずしも順調ではなかった両社の関係に明るい兆しをもたらすものだ。2019年にボッシュは、この水素トラックの新興企業に少なくとも1億ドル(約110億円)を投資したが、翌年には保有する株式を減らしている。ボッシュは2020年、Nikolaの欧州事業に燃料電池を供給することも発表している。

Nikolaは、今回の提携の金銭的条件や燃料電池システムの生産規模に関する詳細を明らかにしなかった。Nikolaはアリゾナ州クーリッジにある同社の施設で、ボッシュからライセンスを受けた水素燃料電池のパワーモジュールを組み立てる。ボッシュはNikolaに、燃料電池スタックや電動エアコンプレッサー、コントロールユニットなどのキーコンポーネントと併せて、完全に組み立て済みのパワーモジュールも供給すると、米国時間9月2日に発表された声明で同社は述べている。パワーモジュールの組み立てをサポートするために、Nikolaは2023年までにアリゾナ州の施設を5万平方フィート(約4650平方メートル)拡張し、最大で50人の従業員を新たに雇用すると述べている。また、このトラックメーカーは、フェニックス近郊にある本社のエンジニアリングおよびテスト施設の拡張も計画している。

Nikolaの広報担当者によると、この新しい契約は、燃料電池システムおよびコンポーネントに関する他社との関係に影響を与えるものではないとのこと。その中には、2020年11月に発表したGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)のHydrotec「ハイドロテック」燃料電池システムに関する拘束力のないMOU(了解覚書)も含まれる。

Nikolaは2020年6月、特別買収目的会社であるVectoIQ Acquisition Corp.(ベクトIQ・アクイジション)との合併により上場を果たした。今月初め、同社は投資家に対し、年内に計画している電動セミトラックの生産台数の見通しを、50~100台から25~50台に減らすと発表したが、同社の幹部は、すでに5台のアルファ版と9台のベータ版を含む14台の試作車を製作したと述べている。

一方、Nikolaの元CEOで創業者のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏は、証券詐欺と投資家を欺いた罪で裁かれるまで、同氏が所有するユタ州の牧場に居むことを刑事裁判所に約束している。

関連記事:Nikolaが電動セミトラックの納車見通しを下方修正、バラ色とはいえない予測は収益面でも続く
画像クレジット:Nikola Corp.

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

​​現代自とAptivの自律運転合弁会社Motionalが「Hyundai IONIQ 5」電動ロボタクシーを公開

Motional(モーショナル)は米国時間8月31日、同社が計画しているロボタクシーの最初の画像を公開した。Hyundai(現代自動車、ヒョンデ)の電気自動車「IONIQ 5 SUV(アイオニック・5)」をベースにした車両は、MotionalがLyft(リフト)アプリを通じて、2023年から顧客に利用してもらいたいと考えているドライバーレス配車サービスの目玉となるものだ。

現代自動車により組み立てられるこの専用車両には、Motionalの自律走行技術が搭載されており、LiDAR、レーダー、カメラなど30以上のセンサーが車室内外のいたるところに見られる。そのセンシングシステムは360度の視界を確保し、300メートル先まで見通すことができるとMotionalは説明している。

自動運転車の商業化を目的とするAptiv(アプティブ)と現代自動車の40億ドル(約4400億円)規模の合弁事業として生まれた同社は、意図的に数多くのセンサーを入れて披露していると、会長兼CEOのKarl Iagnemma(カール・イアグンマ)氏は最近のインタビューで語っている。

「多くの競合他社は、このセンサー群を隠そうとして、大きなプラスチックケーシングの中に隠そうとしています」とイアグンマ氏はTechCrunchに語った。「ですが実際のところ、センサーを隠すことはできません。センサーはクルマの重要な部分であり、テクノロジーの重要な部分でもあります。ですから当社の戦略は、センサーを好ましいものととらえ、車両のデザイン言語を適応させて、統合されたセンサー群のデザインに反映させることでした」。

Motionalは、最初のドライバーレスロボタクシーサービスをどこで立ち上げるか発表していない。ボストン、ラスベガス、ロサンゼルス、ピッツバーグなど、同社が現在テストを行っている都市のいずれかでサービスを開始すると思われる。

関連記事:2023年から米国主要都市でロボタクシー展開へ、MotionalとLyftが提携

画像クレジット:Motional

Motionalのロボタクシーのベースとなるのは、2021年2月に発表されたEV「Hyundai IONIQ 5」で、2021年後半には市販モデルの発売が予定されている。一般消費者向けバージョンには、Motionalの自律走行技術は搭載されない。Motionalは、他のAV開発企業とは異なり、最初のロボタクシーにシャトルバスデザインや大型バンを選択しなかった。

同社が調査したところ、タクシーや配車サービスの利用者の大半は2人以下の乗客であるとわかったという。IONIQ 5は、Motionalのユースケースに適したサイズの車両だとイアグンマ氏は付け加えた。

IONIQ 5は、Electric Global Modular Platform(E-GMP)と呼ばれる同社の電気自動車専用プラットフォームを初採用したモデルだ。市販仕様とロボタクシー用の両方に、800ボルトの電気システムを搭載している。この高電圧システムは、一般的な400ボルトと同等の電力をより少ない電流で供給することが可能だ。800ボルトシステムは、ポルシェ初の量産電気自動車であるTaycan(タイカン)でデビューしたが、より軽く、より効率的で、充電時間を短縮できる。

この高速充電は、Motionalのロボタクシーサービスにとって重要なメリットとなるだろう。

画像クレジット:Motional

IONIQ 5のロボタクシーバージョンは現代自動車で組み立てられるが、これは注目すべきディテールだとイアグンマ氏はいう。

「この車両は、写真でご覧になったとおりの外観で組立ラインから出荷されます」と同氏はいう。「これは、ベース車両を別のラインに移動させ、部品を外して再統合したり、(センサーなどを)後付けするというようなシナリオではありません」。

ロボタクシーの内部にはディスプレイが設置されており、それを使い乗客は乗車中にロボタクシーに追加の停車を指示するなど、車両との対話が可能だという。

このロボタクシーには、人間が運転する従来の車両と同様に、ステアリングホイールなどの機能が備わっている。なお、乗客が運転席に座ることは許されない。

関連記事:自動運転Motional CEOが示唆する物流業界の自律的な未来
画像クレジット:Motional

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

商用EVトータルサービスを目指すIdeanomics、今度は配送用EVメーカーVIA Motorsを約495億円で買収

ニューヨークを拠点とするフィンテック・電動モビリティ企業のIdeanomics(アイディアノミクス)は、商用EVメーカーのVIA Motorsを買収すると発表した(4億5000万ドル[約495億円]相当の全株式取得による)。

Ideanomicsは、電気自動車に移行するフリートオペレーターや交通機関向けに垂直統合型のサービスを構築することを目指して、2021年に入ってから積極的にモビリティ事業を買収している。今回のVIA Motorsの買収発表により、Ideanomicsの株価は市場開始時から6%上昇し、2.43ドル(約267円)となった。

2021年だけでもIdeanomicsは、電動パワートレイン部品と燃料電池エンジンのメーカーであるUS Hybrid、米国製の唯一の電動トラクターを製造するEVトラクターメーカーのSolectrac、ユタ州を拠点とするワイヤレス充電器メーカーのWave、権限およびエスクローサービスを提供するTimios Holdings Corp.などの買収を完了している。

VIA Motorsの買収は、Ideanomicsの歴史の中でも群を抜いて最大規模のものだ。VIA Motorsは、短距離および中距離配送用のEVバンおよびトラックの設計・製造を行っており、3つの車両モデルに「スケートボード」スタイルのモジュラー構造を採用している。

「今回の買収は、Ideanomicsにとって大きな変革のマイルストーンとなります」と、同社のAlfred Poor(アルフレッド・プア)CEOは米国時間8月30日に行われた投資家向け電話会議で述べた。この買収により「完全なOEM製造能力」を得ることになり、同社が出資し、充電するEVを製造することができるようになったと同氏は述べている。

この取引には、2026年までの車両納入を条件に、VIAの株主に最大1億8000万ドル(約198億円)のアーンアウト条項に基づく支払をもたらす可能性が含まれている。また、株主は合併後の会社の約25%を所有することになる。これとは別にIdeanomicsは、VIAの運営資金として5000万ドル(約55億円)のファイナンスノートを発行すると発表した。

Ideanomicsは現在、EVの調達から充電管理インフラの構築までをサポートしている。また、同社はフィンテック部門を通じて資金調達の他、充電サービス(charging-as-a-service)や車両サービス(vehicle-as-a-service)も提供しており、フリート企業の投資モデルを設備投資主導型から運用費主導型に切り替えることができるとしている。

プア氏は、最近の第2四半期の決算発表でこのように述べていた。「CapEx(設備投資)からOpEx(運用費)への移行は、新製品やインフラへの投資という明らかな参入障壁を取り除くことで、ゼロエミッションフリートの導入を加速させ、フリートオペレーターに大きな影響を与えると考えています」。

同社は、ユタ州に本社を置くVIAの2026年までの財務予測については明らかにしていないが、買収完了に先立ち規制当局に提出するIdeanomicsの委任状には、これらの数字が記載される予定であるとプア氏は付け加えた。

画像クレジット:Via Motors

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

トヨタの自動運転車「e-Palette」が横断歩道を横断しようとしたパラリンピック選手と接触事故、選手は負傷で欠場に

トヨタの自動運転車「e-Palette」が横断歩道を横断しようとしたパラリンピック選手と接触事故、選手は負傷で欠場に

Reuters

トヨタは、東京オリンピック / パラリンピック選手村で運行している自動運転車 e-Palette(イーパレット)が26日に起こした、パラリンピック選手との接触事故を受けて、選手村でのe-Palette運行をいったん取りやめました。豊田章男社長は運行再開について問われ「絶対に安全だといえる立場ではない」と、慎重な姿勢を示しています。

事故はe-Palletteが選手村内のT字交差点を右折しようとした際に発生しました。朝日新聞によれば、e-Palletteは横断歩道の前で一旦停止したあと「オペレーターが手動で発進した」直後に、車内のオペレーターから死角の位置にいたパラリンピック柔道代表の北薗新光選手に接触したとみられるのこと。視覚障害をもつ北薗選手は接触によって転倒し、頭などに全治2週間のけが。28日の試合も欠場することになってしまいました。

豊田社長は「パラリンピックの会場で、目が見えないことや耳が聞こえないことへの想像力を働かせられなかった」と事故原因について説明したとのこと。説明どおりなら事故の発生はオペレーターの判断ミスが原因で、責任もオペレーターにあるということになります。

またレベル4の自動運転と宣伝されていたはずの自動運転車が、交差点で一旦停止したあと手動で発進する必要があるというのは釈然としないところで、どういう運行状況、手順だったのかも非常に気になります(レベル4は、決められた条件下で全ての運転操作を自動化と定義されています)。

トヨタは、e-PaletteはEVでエンジン音がないため、接近を知らせるスピーカー音量を2倍に大きくするなどの対策を検討するとしています。なお、パラリンピック開催期間は9月5日までありますが、選手らはe-Paletteがなくても他の手段で選手村を移動できるため、特に困ることはない模様です。

トヨタの自動運転車「e-Palette」が横断歩道を横断しようとしたパラリンピック選手と接触事故、選手は負傷で欠場に

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議「官民ITS構想・ロードマップ2020」より。JSAE(自動車技術会)によるJASO(日本自動車技術会規格)テクニカルペーパー「自動車用運転自動化システムのレベル分類及び定義」(2018年2月1日発行)を基にしたもの

(Source:朝日新聞DigitalReutersEngadget日本版より転載)

Cruiseがカリフォルニアの農家から購入する太陽光発電を電気自動車や自動運転車の動力源に

General Motors(ゼネラルモーターズ)傘下で自動運転車を開発するCruise(クルーズ)は、カリフォルニア州セントラルバレーの農場から太陽光発電電力を調達する「Farm to Fleet」という新たな取り組みを始めた。San Francisco Chronicle紙が最初に報じたところによると、Cruiseは、Sundale Vineyards(サンデール・ヴィンヤーズ)とMoonlight Companies(ムーンライト・カンパニーズ)から再生可能エネルギー・クレジットを直接購入し、サンフランシスコで運行するすべての電気自動車の電力供給に活用しようとしている。

Cruiseは先日、サンフランシスコで人間のセーフティーオペレーターがいない試験車両で乗客を運ぶ認可を取得した。また、GM Financial(GMフィナンシャル)から50億ドル(約5500億円)の融資枠を受け、電気自動車や自動運転車など数百台のCruise Originを購入し、商用化に向けた動きを加速させている。今回のカリフォルニア州の農家との提携は、再生可能エネルギーの導入を進めるカリフォルニア州にとって有益であることは間違いないが、Cruiseは慈善事業を行っているわけではない。

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California Independent System Operator(カリフォルニア独立系統運用機関)はこの夏、電力需要が高まり、停電を起こす可能性のある熱波を想定し、米国西部の電力会社にメガワット単位での販売を呼びかけた。電力供給は、干ばつや停電、新しいエネルギー源の導入の遅れ、水力発電の減少などにより、すでに予想を下回っている。Cruiseが計画している大幅な台数の増加にカリフォルニア州の送電網が対応するには、送電網を強化するしかないようだ。しかし、Cruiseは、エネルギー源を確保するだけではなく、より高い目標を持っていることを明言している。

Cruiseの広報担当Ray Wert(レイ・ワート)氏はTechCrunchの取材に対し「私たちが都市やコミュニティのために正しいことをし、交通手段を根本的に変えていくことが目的です」と述べた。

環境保護団体「Nature Conservancy」の報告書によると、カリフォルニア州の農家は干ばつに悩まされており、農地を太陽光発電所に変えることにより気候変動の目標を達成できる可能性がある。だからこそCruiseは、セントラルバレーの農家に今アプローチすることに意味があると考えたのだ。

「Farm to Fleetは、都市部の交通機関の二酸化炭素排出量を急速に削減すると同時に、再生可能エネルギーに取り組むカリフォルニアの農家に新たな収入をもたらす手段です」とソーシャル・アフェアーズ&グローバル・インパクト担当副社長のRob Grant(ロブ・グラント)氏はブログで述べた。

Cruiseは、クリーンエネルギーのパートナーであるBTR Energy(BTRエナジー)を通じて、農家に対し合意した契約料金を支払っている。同社はコストを公表していないが、他の形態の再生可能エネルギー・クレジット(REC)を使用した場合と比べて、支払う金額は大きくも小さくもないとしている。RECは、再生可能エネルギー源が1メガワット時の電力を発電し、それを送電網に渡すと生成される。Cruiseによると、Sundaleは20万平方フィート(約1万9000平方メートル)の冷蔵倉庫に電力を供給するために、2メガワットの太陽電池容量を設置し、Moonlightは選別・保管施設に合計3.9メガワットの太陽電池アレイと2つのバッテリー貯蔵システムを設置しているという。これらの農場からクレジットを購入することで、Cruiseは電力使用量のうち特定の量が再生可能エネルギーで賄われていることを証明できる。RECは一意であり追跡できるため、どこから来たのか、どのようなエネルギーを使ったのか、どこに行ったのかが明確になる。Cruiseは、農場から購入するRECの数量について明らかにしていないが、同社のサンフランシスコの車を動かすのに十分な量だと述べている。

「太陽光発電の電力は同じ送電網を通っています。Cruiseは農場のソーラーパネルで発電された再生可能エネルギー・クレジットを購入しますが、最終的にそれはなくなります」とワート氏は話す。「カリフォルニア州大気資源局に四半期ごとに提出するデータにより、車両の充電に使用した電力量に相当する数のRECを償却しています」。

また、CruiseはBTRエナジーと協力し、アリゾナ州での事業に必要なRECの供給を確保している。同州での事業には、Walmart(ウォルマート)との配送試験も含まれる。

カリフォルニア州では低炭素燃料基準が定められており、輸送用燃料の炭素強度を低減し、より多くの低炭素代替燃料を提供することを目的としているため、完全に再生可能な電力を使用することはCruiseにとって有益だとワート氏はいう。同社はすべてのEV充電ポートを自社で所有・運営しているため、電力の炭素強度スコアとエネルギー供給量に応じてクレジットを生成することができる。Cruiseはこのクレジットを、二酸化炭素排出量の削減や法規制の遵守を求める他の企業に販売することができる。

Cruiseは、実用性だけでなく、業界の標準を確立し、再生可能エネルギーの需要を創出することで、より多くの人々や企業に再生可能エネルギーの創出を促すことを目指している。

グリッド分析を行うスタートアップであるKevala(ケバラ)のCEOのAram Shumavon(アラム・シュマボン)氏は、今回の提携について、Cruiseを賞賛すべきだと述べている。

「Cruiseが認めようとしているのは、同社が消費する電力に関する炭素強度であり、それを何らかの形で相殺しているということです」とシュマボン氏はTechCrunchに語った。「炭素会計にはスコープ3と呼ばれるカテゴリーがあり、サービス提供に必要なサプライチェーンが実際にどれだけの炭素を含んでいるのかを把握しようとするものです」。

シュマボン氏は、商業活動の炭素強度を定量化することで、企業はその説明責任を果たすことができ、供給者には自然エネルギーからの供給を求めることで、変化を促すことができると述べている。例えば、ある自動車メーカーは、アルミニウムを供給する会社に、石炭発電ではなく水力発電のある地域からのみ調達するよう依頼することができる。これにより、自動車メーカーの炭素強度を下げることができる。

「輸送部門は温室効果ガス排出量の40%以上を占めています。そのため、我々は2月に『クリーンマイル・チャレンジ』を発表し、自動運転業界の他の企業に、毎年何マイルを再生可能エネルギーで走行しているかを報告するよう呼びかけました」とワート氏は話す。「他の企業が我々に追随することを期待しています」。

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画像クレジット:Cruise

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラがテキサス州での電力販売を計画

8月中旬にテキサス州の電気規制当局に提出された申込書によると、Elon Musk(イーロン・マスク)氏のTesla(テスラ)は電気自動車、ソーラーパネル、蓄電バッテリー以外にも目を向けていて、いま顧客に直接給電したいと考えているようだ。この申し込みについてはEnergy Choice Mattersが最初に報じた。

2021年8月16日テキサス州の公共事業委員会に提出された申込書は、Teslaの子会社Tesla Energy Venturesのもとに、いわゆる「電力小売事業者」(REP)になるためのものだ。規制緩和されたテキサス州独自の電力マーケットでは、REPは通常、発電事業者から卸電力を購入し、顧客に販売する。現在、REP10社以上が公開市場で競合している。

Teslaはまた、同州でいくつかの実用規模バッテリーの申し込みも提出した。オースティン周辺に立地するギガファクトリー近くにある250メガワットバッテリーとヒューストン近くの100MWのプロジェクトだ。これらのプロジェクトは電力供給会社になるという取り組みとは関連がないが、全体として同社のエネルギー事業の野心的なロードマップを露わにしている。

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想像して欲しい。Teslaが顧客に電気を販売するだけではなく、ブローカー顧客がTeslaのPowerwallやソーラーパネル製品からの余剰エネルギーを電力網に販売できるかもしれないのだ。明らかに、あらゆる家庭を分散型発電所に変えるというマスク氏のビジョンを実現する1つの方法だ。

公共事業委員会へのこの最新の申し込みの6カ月前、前代未聞の大雪によってテキサス州の送電網の大半が何日間も停止し、何百万人という人が氷点下の数日間を電力なしで過ごすことを余儀なくされた。このウィンターストーム後にREP数社が事業をたたんだ。こうした企業は卸電力の価格をメガワットアワーあたり9000ドル(約99万円)にしていた(季節平均価格は約50ドル、約5500円だ)。

ボカチカにあるSpaceXの広大な施設を含め、多くの事業をカリフォルニアからテキサスに移したマスク氏は当時、Twitterでテキサス州の送電事業者を批判していた。

マスク氏は、テキサス電気信頼性評議会は「Rを獲得していない」と述べ、頭字語でR(Reliability、信頼性)に言及していた。

Tesla Energy Venturesは公共事業委員会に、同社のモバイルアプリやウェブサイトの活用を含め、販売促進するのにTeslaの既存のエネルギー部門を使うと伝えた。「具体的には、(Tesla Energy Venturesは)Tesla製品を所有している既存顧客をターゲットとし、モバイルアプリとTeslaウェブサイトを通じて顧客に小売を販促します」と申込書には書かれている。「TeslaモバイルアプリとTeslaウェブサイトに加えて、申込者の既存の『Tesla Energy Customer Support』組織は顧客獲得の取り組みにおいて顧客サポートとガイダンスを提供するよう訓練されます」。

Ana Stewart(アナ・スチュアート)氏がTesla Energy Venturesの社長となっている。スチュアート氏は2017年からTeslaで規制クレジット取引担当ディレクターを務めている。その前は同氏はTeslaが買収したSolarCity(ソーラーシティ)で働いていた。

申し込みの整理番号は52431だ。

画像クレジット:Darrell Etherington

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

EVメーカーのRivianが秘密裏にIPOを申請

Ford(フォード)やAmazon(アマゾン)など、多くの機関投資家および戦略投資家に支援されている新興EVメーカーのRivian(リヴィアン)が、米国証券取引委員会(SEC)に対し、秘密裏に上場申請の書類を提出した。

IPOの規模や株価幅は未定だ。簡潔な声明によると、IPOはSECが審査プロセスを完了した後に、市場やその他の状況に応じて実施される予定だという。

今回の秘密申請は、RivianがAmazonのClimate Pledge Fund、D1 Capital Partners、Ford Motor(フォード・モーター・カンパニー)、T. Rowe Price Associates Inc.がアドバイザーを務めるファンドおよび口座が主導する25億ドル(約2746億円)の私募式ラウンドをクローズしたと発表してから、2カ月も経っていない。このラウンドにはThird Point(サードポイント)、Fidelity Management and Research Company、Dragoneer Investment Group、Coatueも参加した。

同社は2021年7月のラウンド発表時には、ポストマネー評価額を公表しなかった。

現在7000人の従業員を擁するこのEVメーカーは、9月にピックアップトラック「R1T」の納入を控えている。R1Tとそれに続くSUVを生産するためには資本が必要だが、Rivianがそれを調達するのは難しいことではなかった。

Rivianはこれまでに約105億ドル(約1兆1532億円)を調達している。2021年1月には、既存の投資家であるT. Rowe Price Associates Inc.、Fidelity Management and Research Company、AmazonのClimate Pledge Fund、Cootue、D1 Capital Partnersから26億5000万ドル(約2910億円)を調達した。このラウンドには新規投資家も参加し、Rivianの評価額は276億ドル(約3兆円)に達したと、同ラウンドに詳しい情報筋が当時TechCrunchに語っていた。

このニュースは進行中のため、新情報が入り次第引き続きお伝えする。

【更新】このニュースを最初に報じたBloombergによると、Rivianは約800億ドル(約8兆7862億円)の評価額を求めており、感謝祭(11月末)前後のIPOを視野に入れているとのこと。TechCrunchは現時点でこの報道を独自に確認していない。

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画像クレジット:Rivian

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

テスラのiPhone用アプリが久々の大規模アップデート、機能やデザイン面に多くの改良

Tesla(テスラ)が、iOS向けスマートフォン用アプリのメジャーアップデートを配信開始した。これによって新たな操作が可能になった他、管理機能の改善や、クールなビジュアル面の更新などが行われている。また、このバージョン4.0では、iPhoneのホーム画面に表示するウィジェットのサイズを2種類から選択できるようになった。「Tesla Software Updates(テスラ・ソフトウェア・アップデート)」の説明によると、どちらを選んでも、車名、バッテリー残量、位置情報(または充電施設情報)、ロック状態、車両の画像、情報の最終更新時刻という同じ情報が表示されるようだ。テスラは以前「Today」という機能拡張をiOS向けに提供していたが、今回新たに導入されたウィジェットほど総合的な機能はなかった。

操作面では、車両の起動を待たずに、アプリを開いたらすぐにコマンドを送信できるようになった。また、スマートフォンがクルマのキーになる「Phone Key(フォンキー)」の機能も拡張され、基本的に複数のテスラ車のロック解除に対応した。

ビジュアル面の更新ですぐに気づくのは、車両の3Dレンダリングが新しくなったことだ。充電時の状態を示す画面や、車両各部のコントロールパネル、空調設定の表示にも、新しいアニメーションが追加されている。デザイン的な改善としては「充電」セクションが廃止され、車両が充電プラグにつながれている時に、その情報を表示するようになった。また、アプリ内でスーパーチャージャーの充電履歴を確認できるようにもなっている。速度制限、車両を駐車場の係員に預ける際に制限を加える「バレーモード」、周辺の不審な行為を監視する「セントリーモード」などの設定は、新たに設けられた「セキュリティ」というカテゴリーに移されており、そこではBluetooth、フォンキー、位置情報サービスの使い方のヒントも見ることができる。

要するに今回のアップデートは、テスラのiOSアプリでは久しぶりに大がかりなものとなっている。最近のテスラは、7月にVirtual Power Plant(バーチャルパワープラント)を導入した以外では、主にバグフィックスや改善に注力してきた。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Saqib Shahは、Engadgetの寄稿ライター。

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画像クレジット:Tesla

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(文:Saqib Shah、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Xiaomiは4〜6月期過去最高64%の収益増加、自動運転技術会社Deepmotionを買収

Xiaomi(シャオミ、小米科技)は第2四半期、売上高が135億6000万ドル(約1兆4916億円)となり、12億8000万ドル(約1408億円)の純利益を計上した。これは、中国のテック巨人である同社が、世界的にスマートフォンの市場シェアを大きく伸ばしたことを受けたものだ。

2021年6月に終了した同四半期において、Xiaomiは前年同期比で64%の増収を達成し、純利益は80%以上の増加となった。

香港に上場している同社は、スマートフォンの出荷台数が5290万台に増加したことにより、同カテゴリの売上高が91億ドル(約1兆10億円)に増加したと発表した。市場調査会社のCanalysによると、それによりこの四半期、同社はApple(アップル)を抜いて世界第2位のスマートフォンメーカーになった。

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Xiaomiの国内最大のライバルであるHuawei(ファーウェイ)に対する米国政府の制裁措置に助けられ、Xiaomiは他のいくつかのメーカーとともに、国内だけでなく世界的にも市場シェアを拡大している。

また、IoTとライフスタイル製品カテゴリーからのXiaomiの収益も伸びを見せ、36%増の32億ドル(約3520億円)となった。

同社は決算報告の直後に、設立4年の自律走行技術スタートアップDeepmotion(深動科技)を約7730万ドル(約85億円)で買収すると発表した。この投資は、EV分野に今後10年間で100億ドル(約1兆1000億円)を投資するという同社の大胆な計画に沿ったものだ。

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Xiaomiは、EV業界に参入した最新の中国テック企業だ。中国の検索エンジン大手Baidu(バイドゥ、百度)は2021年初め、自動車メーカーGeely(ジーリー、吉利汽車)の協力を得てEVを製造すると発表した。2020年11月には、Alibaba(アリババ)と中国の国有自動車メーカーであるSAIC Motor(上海汽車集団)が手を組んで電気自動車を生産すると発表した。ライドシェア大手のDidi(ディディ、滴滴出行)とEVメーカーのBYD(比亜迪)も、配車サービス用のモデルを共同設計している。

筆者の同僚であるRita Liao(リタ・リャオ)は以前こう報じていた。

インターネットの巨人たちは、Xpeng(シャオペン、小鵬)やNio(ニオ、上海蔚来汽車)、Li Auto(リ・オート、理想汽車)など、すでに複数のモデルを発表し、しばしばTesla(テスラ)と比較される、より専門的なEVスタートアップの数々と競合している。これらEVメーカーは車内エンターテインメントから自律走行まで、様々な機能に投資して差別化を図ろうとしている。

Xiaomiにとって自動車メーカーとしての明らかな強みは、広大な小売ネットワークと国際的なブランド認知度だろう。また、スマートスピーカーや空気清浄機など、同社のスマートデバイスの一部は、セールスポイントとして車に簡単に組み込める。もちろん、真のチャレンジは製造にある。携帯電話の製造に比べ、自動車産業は資本集約的で、長く複雑なサプライチェーンを必要とする。Xiaomiがそれを成し遂げることができるかどうか、見守っていきたい。

Xiaomiは中国時間8月25日、Deepmotionへの投資は、同社製品の市場投入までの時間を短縮するのに役立つと述べた。

画像クレジット:Roman BalandinTASS / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

GMがシボレー・ボルトのリコール損失約1100億円をLG Chemに請求すると表明

米国の自動車メーカーであるGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ、GM)は米国時間8月20日、バッテリーの製造上の欠陥による火災の危険性を理由に、電気自動車(EV)であるChevrolet Bolt(シボレー・ボルト)のリコールを拡大した。そしてGMは、バッテリーセルの製造パートナーであるLG Chem(LGケム)に、10億ドル(約1097億円)相当の損害賠償を求めることも発表している。

関連記事:GMがシボレー・ボルトEVに3度目のリコール、欠陥バッテリーから火災のおそれ

GMがこの車両に対して行った3回目のリコールのニュースを受けて、LG Chemの株価は米国時間8月23日に11%下落し、60億ドル(約6582億円)の市場価値を失った。またGMの株価は市場終了時に1.27%下落した。

LG Chemのバッテリーが自動車メーカーのリコールにつながったのは、今回が初めてではない。2021年初め、現代自動車(Hyundai)が同様のバッテリー発火の危険性があるとして8万2000台のEVをリコールたが、その費用は約8億5190万ドル(約934億7000万円)に上ると推定されている。現代自動車の共同バッテリー事業は、9月の新規株式公開(IPO)を準備しているLG Chemの、バッテリー専門部門であるLG Energy Solution(LGエナジーソリューション)とのものであったが、専門家によれば今回のリコール費用のためにIPOが延期される可能性があるという。

GMが行ったバッテリーの不具合調査では、陽極タブの破れや曲がったセパレーターなどの、バッテリーセルの不具合が見つかっている。今回のリコールは、LG Energy Solution製のバッテリーを搭載したフォルクスワーゲンAG ID.3 EV で火災が発生して1週間後から始まった。2021年に入ってから、フォルクスワーゲンやテスラは、LG Chemブランドのパウチ型リチウムイオンバッテリーセルから、CATLやサムスンSDIのようなプリズム型のバッテリーセルに移行する動きを始めている。

このリコールによって、GMには北米で販売できる完全な電気自動車がなくなり、電気自動車の販売が伸びているTesla(テスラ)や他の自動車メーカーに対抗することができなくなる。販売台数の減少、安全面でのリスク、さらにはより優れた技術が登場する可能性があることから、GMは他のビジネスに向かうかもしれない。

だが今はまだ、一緒にやるべきことが残されている。GMは、シボレー・ボルトEVおよびEUVに搭載されている欠陥のあるバッテリーモジュールを、新しいモジュールに交換すると発表しており、これが10億ドル(約1097億円)の損失の原因になっているとしている。これは、2020年11月に発生したボルトのリコールのためにGMがすでに支出している8億ドル(約877億8000万円)に加えての支出となる。エネルギーストレージの調査会社であるCairn ERA(ケアンERA)のデータによれば、バッテリーパックは電気自動車の中で最も高価な部品であり、平均して1kWhあたり約186ドル(約2万円)かかっている。GMは1kWhあたり約169ドル(約1万9000円)を支払っており、ボルトは66kWhのバッテリーパックを搭載している。

なお、LG ChemとGMが問い合わせに回答していないため、4月に両社が発表した、米国2カ所目のバッテリー工場をテネシー州に建設する計画を、進めるつもりがあるのかどうかは不明だ。この合弁会社はUltium Cells(アルティウム・セルス)という名で、70GWh以上のエネルギー生産を目指すとされていた。

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画像クレジット:Veanne Cao

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

フォードが完全EV版に先駆けてハイブリッドの「2021 F-150」発表、オプション満載モデルから見える同社のEVトラック戦略

フルサイズのピックアップトラックは、米国自動車業界の中核を成し、非常に注目を集める部門である。この部門では、Ford(フォード)F-150が販売台数で首位に立ち、Chevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)とRam(ラム)のピックアップトラックが急速にシェアを伸ばしている。

しかしトップへの道は厳しい。トラックに関しては、自動車メーカー各社がオプション機能と標準機能をパッケージ化して、目の肥えた顧客を獲得しようと激しくしのぎを削っていることはあまり知られていない。そして現在、これらのパッケージ化されたバンドルは、これまで以上に車載技術に大きく依存している。

トップセラーであるフォードは、最も目の肥えたお得意様を失うことなく、オプション機能を追加しなければならない。最近の試乗で気づいたのだが「2021 F-150」はこの取り組みを象徴しており、今後発表される完全EV版ピックアップトラック「F-150 Lightning(ライトニング)」に何が搭載されるかを示唆している。

筆者は同モデルが開発・製造された場所から約32キロ離れたデトロイト郊外で、3.5L V6 PowerBoost Full Hybrid(パワーブースト・フルハイブリッド)エンジンを搭載した2021 4×4 SuperCrew Lariat(スーパークルー・ラリアット)を試乗した。

ピックアップトラックの細部へのこだわりは、自動車メーカーのカスタムパッケージング技術によって実現している。目がくらむような数のオプションパッケージがあるのもそのためだ。筆者が試乗したF-150も例外ではなかった。F-150では、6つの異なるパワートレイン、3つの荷台の長さ、3つのキャブオプション、8つのトリムレベル、二輪駆動と4輪駆動オプションを用意している。

こうしたオプション重視の戦略は、フォードのような自動車メーカーには良い結果をもたらした。しかし自動車メーカーが技術やソフトウェアを追加することにより、最も忠実な顧客に混乱を招くリスクがある。

スクリーンセーバー

フォード2021 F-150の車内(画像クレジット:Ford Motor Company)

コアとなる顧客にとって機能的テクノロジーは非常に重要である。F-150がそのラインナップの他の車両と一線を画しているのはそのためだ。筆者が試乗した新しいモデルでは、標準装備のインフォテインメントシステム「Sync4」を搭載した12インチディスプレイがダッシュボードと顧客体験の中心に据えられている。

Sync4は、Mustang Mach-E(マスタング・マックE)と新型のFord Bronco(フォード・ブロンコ)に導入された。Syncは、2007年のリリース以来、よりシンプルなユーザー体験を実現するために着実に改善されてきた。Sync4では、計算能力が倍になり、無線でのソフトウェア更新が導入された。

同システムは、2万の都市と150の国の交通、工事(ミシガン州の夏では常に行われている)、天候、駐車場の空き状況に関して、INRIXからデータを入手している。

同システムで使用されている自然言語処理は、音声ベースの問い合わせや受信したSMSメッセージに対して、かなり正確に応答した。1つ注意すべき点は、筆者の試乗車両は直近の数週間、複数のドライバーによって使用されたため、機械学習アルゴリズムの良し悪しを判断するのが難しかったことだ。

インフォテインメントについては、筆者はどの試乗でも大抵、呼び出しやすいApple CarPlay(アップル・カープレイ)をAndroid Auto(アンドロイド・オート)とともに利用している。Apple CarPlayはF-150にワイヤレスで接続し、不注意運転を最小限にしてくれるからだ。2014年にCarPlayが、2015年にAndroid Autoが量産車両に搭載され始めて以来、AppleとGoogleがミドルウェアのインフォテインメントシステム競争で優位に立つのは避けられないように思われてきた。

Syncでは、サポート対象のアプリであるWaze(ウェーズ)とFord+Alexa(フォード+アレクサ)も設定できる。

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運転技術

フルサイズのトラックを初めて運転するときは不安を覚えるかもしれないが、フォードはカメラ技術を使用して大型トラックを操作しやすくしている。画面が分割されているため、気弱なドライバーでも自信を持って狭い空間を移動できる。

5台の車載カメラがハンドル操作と駐車を支援するガイドとして機能する。上部からの360度ビューに組み込まれた鮮やかなグラフィックにより、ミラーでは不十分な位置の確認が可能だ。

ハンドルの後ろには約30センチのデジタルクラスタがある。筆者の心の片隅には、クラシックなピックアップトラックの昔ながらの計器を懐かしむ気持ちがあるが、それはフォードが目指している方向ではない。フォードが目指しているのは、Mustang Mach-EのAppleデザインにインスパイアされた美学に象徴される、未来志向の雰囲気である。

フォードは車内のデザインを通して、フォードが第一にテック企業であり、第二に120年の歴史を誇る自動車メーカーであることを主張しようとしている。このように熱心に美学を印象付けようとすることは、時間の経過とともに製品が古くなると、少々鼻につくようになるかもしれない。

フォードは「Active Drive Assist(アクティブドライブアシスト)」と呼ばれていた先進運転支援システム「Blue Cruise(ブルークルーズ)」を、ソフトウェアの自動アップデートにより2021年後半に車両に導入する予定だ。このシステムは、筆者が6月に試乗したモデルではまだ有効になっていなかった。ただしハードウェアは塔載されていた。

フォードによると、このシステムは、北米の道路16万キロの区間でハンズフリー運転を可能にし、Ford Co-Pilot360 Active 2.0 Prep PackageオプションでF-150 Limited車両に標準搭載される。またLariat(ラリアット)、King Ranch(キングランチ)、Platinum(プラチナ)の各モデルのオプションとして販売される。このシステムでは、GMのSuper Cruise(スーパークルーズ)に対抗して、ドライバーの方を向くカメラを使用して視線の方向と頭部の位置を追跡し、集中力を監視する。

最も重要な装置

2021フォードF-150車内の作業台(画像クレジット:Ford Motor Company)

長さ約30センチのスクリーンの下には昔ながらのノブやスイッチがある。これは顧客が依然としてさまざまな操作を手動で行うことを好んでいることを、フォードが知っているからだ。その下にはシフトレバーがあり、折り畳むと約38センチの作業スペースになる。筆者はそのスペースでノートパソコンを使っていた。

車内には豊富な充電ステーションとワイヤレス充電設備がある。F-150室内は広々としており、隅々まで配慮が行き届いている。シートはフラットにできるため、車内で快適に昼寝をしたり、積み荷スペースを広げたりできる。

ダークグレーの革製シートは、特にフル装備の車両の場合、高級感よりも実用性が重視されているように感じられる(運転の楽しさと内装の美しさでは、ライバルのラムがフォードを凌ぐ傾向にある)。外装・内装とも機能性そのものを重視している。筆者は2つのカヤックを後ろに積み込んだとき、トラック荷台のバンジーコードにつなげるためのフックを見つけた。これは気が利いている。

トラック荷台の後部には240ボルトのコンセントが多数あり、車内にもさらに2つのコンセントが搭載されている。荷台のテールゲートには、メートル単位とインペリアル単位の両方の計算ができる便利な定規が組み込まれている。ハイブリッドモデルには、2.4キロワットの発電機が標準装備されており、オプションで搭載できる7.2キロワットの発電機は満タンのガソリンで32時間稼働する。

筆者はF-150の牽引能力をテストしなかったが、トラック運転手にとってはこの数字は不可欠だ。積載量は約961キロで、最大約5760キロを牽引できる(この数字は荷台の長さとドライブトレインによって多少異なる)。またトレーラーとの連結をサポートするバックアップ牽引アシスト機能も備えている。筆者が運転したモデルの価格は6万8095ドル(約749万円)で、基準価格の5万980ドル(約560万円)から大きく跳ね上がっている。その一方で、フォードはよりハイエンドなF-150トリムであるLimitedを生産しており、その価格は7万3000ドル(約800万円)からとなっている。

優れた機能性

完全に電気自動車に移行するまでの間、すでにハイブリッドモデルを販売しているラムやシボレーと競争できるようにフォードを後押しするのがハイブリッドパワートレインだ。ハイブリッドオプションは、2022年に発売予定の完全EV、F-150 Lightningを受け入れる準備ができていない顧客向けの理にかなった妥協策である。すでに注目を集めていて、予約台数は12万台に達している。筆者の試乗では約37キロメートル / 3.8リットルを記録した。これはガソリン車よりも良い記録で、ディーゼル車以外のクラスでは最高の数値である。しかしこの数値でも、優れた排出量報告には遠く及ばない。だからこそF-150 Lightningが非常に重要になる。

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新たなEV顧客を獲得するために、フォードは、現在道路で目にするあらゆる種類のトラックを購入する既存の顧客を満足させる必要がある。ピックアップトラックには2種類の顧客がいる。毎日の仕事や週末にピックアップトラックの機能を使いたい人たちと、災害時に役立つ機能を求める人たちだ。筆者が試乗したトラックは、その両方にアピールすることができる。

F-150はこれまでも、家の修繕計画、アウトドアの趣味、牽引を目的とする購入者に適していた。またピックアップトラックは頑丈で機能的な車両を必要とする労働者もサポートする。フォードがこのモデルに何か新しい機能を導入するときは、大々的に宣伝して、こうした顧客がマイナーチェンジをどのように感じるかについて大きな賭けをする。

黒で統一された2021 F-150 Lariat車内(画像クレジット:Ford Motor Company)

6月下旬にF-150を借りているとき「安全を求める買い手」という言葉が頭に浮かんだのだが、最後にそのことについて書こうと思う。実は、筆者の試乗期間中に夏の嵐がミシガン州を直撃し、主要な高速道路は閉鎖され、何日も立ち往生した車もあった。

嵐の前、大きくゆったりしたハンドル操作、幅広い旋回、ハイブリッドエンジンの回生時に起きる静けさのリズムに慣れるために、筆者は街を疾走していた。

嵐が来たとき、筆者はスロットルを緩め、安定した確実なペースで、手を2時と10時の位置に置いて運転した。ロッジフリーウェイでは、乗用車と、F-150より性能の劣るクロスオーバーSUVが約60センチの水に浮かんでいた。F-150は、泥の中を何事もないかのように突き進んだ。筆者は横滑りやエンストは経験しなかったが、筆者の友人は、Uberのドライバーが立ち往生してしまい、歩いて帰らなければならなかった。F-150は、自然災害時に安全を確保したい人にとって試験台のようなモデルだ。F-150には発電機が装備されているため、気持ちがさらに落ち着く。

フルサイズのトラックはドライバーに無敵感を与える資質がある。それが結局のところ、F-150が人々に愛される理由であり、フォードが「Ford tough(フォードはタフ)」というキャッチフレーズを多用している理由である。フォードは、余分な飾りのないシンプルさを備えながら、力強さと実力、心の平安を感じさせるトラックを顧客にとって魅力的な価格で提供するという、絶妙なバランスを保っている。

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画像クレジット:Tamara Warren

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(文:Tamara Warren、翻訳:Dragonfly)

モントレー・カーウィーク開催、未来のEVと高性能ハイブリッド車が注目を集める

現地時間8月15日(日曜日)に閉幕したMonterey Car Week(モントレー・カー・ウィーク)では、ペブルビーチにコンクール・デレガンスが戻ってきた。太平洋を望むペブルビーチ・ゴルフコースで開催され、2021年で70回目を迎えるこのショーでは、黒の1938年式メルセデス・ベンツ540K Autobahnkurierがベストショーの栄冠に輝いた。しかし、2021年目立ったのは、ビンテージカーではなく、EVハイパーカーや高性能ハイブリッド車である。

絵画のように美しいモントレー半島一帯で、自動車レース、展示、パレード、販売を中心としたさまざまな催しが一週間以上も開催されるモントレー・カーウィーク。このペブルビーチのイベントは年を追うごとに華やかになり、2020年は中止となったが、2021年は(新型コロナウイルスの蔓延が懸念されていたにもかかわらず)シャンパンが振る舞われた。

デルタ型変異ウイルスの懸念を受け、2021年8月初めにニューヨークモーターショーの中止が決定した際には、モントレー・カーウィークも中止になるのではないかという憶測が流れた。しかし、秋に向かって先行き不透明なパンデミック禍でもショーを行う必要があることから、カーウィークは事実上のショーとして開催された。

2021年8月15日、ペブルビーチで開催された「2021年ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で、ベスト・オブ・ショーを受賞した1938年式メルセデス・ベンツ540K Autobahnkurier(画像クレジット:David Paul Morris / Bloomberg)

コンクール・デレガンスまでの数日間、カーメルやモントレーの街は静かで人通りも少なく、走行しているビンテージカーも少ないように感じられた。駐車スペースでは、ランボルギーニやベントレー、フェラーリなどのモダンカーがスタンバイしていた。霧のような雨と低い気温にもかかわらず、ほとんどが屋外で行われたイベントでは、多くのゲストがマスクをつけたり外したりしていた。日曜日になると、大勢の観客がやってきて、コンクールは例年のような賑わいとなった。

メインイベントであるペブルビーチ・コンクール・デレガンスは、かつては戦前のレストアされたビンテージカーを対象としたイベントだったが、世代や嗜好の変化に伴い、会場のゴルフコース上には新車も登場するようになった。来場者の年齢層が若くなったことから、今では高性能なスポーツカーが数多く展示されている。

8月13日(金曜日)の夜に行われたGooding & Company(グッディングアンドカンパニー)のオークションでは、1995年式マクラーレンF1が2000万ドル(約22億円)という記録的な高値で落札された。一方、自動車メーカー各社は、高額なスーパーカーの限定モデルを、メディアやプライベートイベントに参加している上顧客に向けて、慌ただしく発表した。

Lamborghini(ランボルギーニ)のCTOであるMaurizio Reggiani(マウリツィオ・レッジャーニ)氏は「ペブルビーチは要です」と話す。「ペブルビーチのイベントは、車の美しさという側面で、人々が何を好んでいるかを教えてくれます」。

注目すべきは、現地時間8月11日(水曜日)、Audi(アウディ)が未来的なSkysphere conceptを展示したことだ。金曜日にはMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)が、カリフォルニアスタイルの新しいコンバーチブルSLをプレビューしたが、このモデルは9月まで正式には発表されない。Aston Martin(アストンマーティン)は、ペブルビーチのゴルフコースを見下ろす広々としたスタンドで「Valkyrie」と「Valhalla」のモデルを展示したが、モデルを間近で見ることができたのはメディアと十分に吟味された顧客のみだった。

Rimac Automobili(リマックアウトモビリ)とLucid Group(ルシードグループ)の両社は、最も高価なEVパワートレインに投資する余裕のある潜在顧客と接触するためにペブルビーチに登場。Rimacは台座の上に圧倒的なスピードを誇るスポーツカー「Nevera」をデビューさせた。2021年のモントレー・カーウィークは、モダンカーと新しいプレイヤーが、周りの古い車を追い抜いてしまったように見えた。

超高級車に対する1年越しの鬱積した需要の高まりの中で、モントレーやカーメル周辺のレーストラック、道路は、パンデミック禍で購入したすべての車を披露できる最高の舞台だ。オークション価格が高騰し、7桁台(日本円では1億円以上)のスポーツカーが完売する中、ハイパフォーマンスカーへの情熱が衰えていないことが明らかになった。今回、ペブルビーチでお披露目された新車には、高価格、スポーツカーテクノロジーの集結、生産台数が少ないという共通点がある。以下、ハイライトを紹介する。

Aston Martin

画像クレジット:Tamara Warren

ここ数年、何度か延期されていたAston Martin Valkyrie Spiderだが、新CEOのTobias Moers(トビアス・ムアース)氏によってすでに完売したと発表された。Valkyrieは、取り外し可能なルーフパネルを備え、最高速度は時速350kmにも達する。パンデミック中にCEOに就任したムアース氏は、同社の生産方法を大幅に改良している。

ムアース氏は、新しい車載技術を加えることはブランドの将来にとって不可欠であり、それによって前世代のメルセデス・ベンツの技術から脱却できると話す。Astonのブースでは、ハイブリッドパワートレインを搭載したValhalla(2024年モデル)も展示されていた。

Audi Skysphere

「ザ・クエイル、ア・モータースポーツギャザリング」(カリフォルニア州カーメル)に出展されたEVコンセプトカー「Audi AG Skysphere」(画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg)

自動運転のコンセプトカー「Skysphere」は、ビンテージカーのコンクールというよりも、CES(コンシューマー・エレクトロニクスショー)に出展されているような印象を受けたが、ペブルビーチで発表された車の中で、最も興味深い車として注目を集めていた。Audiによれば、グランドツーリングモードとスポーツモードでホイールベースを変化させられるとのこと。

Bentley Flying Spur Mulliner

Bentley Flying Spur Mulliner(画像クレジット:Bentley)

Bentley Flying Spur Mullinerの豪華なインテリアは、贅沢なレザーで賛辞を集めたが、Bentley(ベントレー)にとって重要な意味を持つのはハイブリッドパワートレインを搭載するというニュースだ。

Bugatti Bolide

2021年の「ザ・クエイル、ア・モータースポーツギャザリング」でBugatti Bolideの横に立つBugatti Automobiles(ブガッティ・オートモービルズ)のプレジデント、Stephan Winkelmann(ステファン・ヴィンケルマン)氏(画像クレジット:Bugatti)

Bolideはペブルビーチではなく、金曜日にザ・クエイルで開催されたプレスカンファレンスで発表された。超高級自動車メーカーにとって、新型車は大きな意味を持つが、特に最後のガソリン車となるモデルは重要である。Bugattiによれば、Bolideは40台製造され、価格は1台400万ドル(約4億4000万円)。最高速度は時速480kmにもなるという。

Lamborghini Countach LPI 800-4

「ザ・クエイル、ア・モータースポーツギャザリング」に出展された「Lamborghini SpA Countach」(画像クレジット:David Paul Morris / Bloomberg)

デビュー50周年を記念し、初代モデルをオマージュしてデザインされたCountach。ボンネットの中には2.8秒で時速100kmに達するというハイブリッドパワートレインを搭載した、まったく新しいモデルである。

Acura NSX Type S

Acura NSX Type S(2022年モデル)。(画像クレジット:Acura)

Acura(アキュラ)は、現行最後のスーパーカー「NSX」の最終モデルとして、ハイエンドのハイブリッドバージョンを発表した。350台限定生産を予定し、価格はおよそ17万1000ドル(約1900万円)から。

Rimac Nevera

「ザ・クエイル、ア・モータースポーツギャザリング」に出展された高級EVスーパーカー「Rimac Nevera」(画像クレジット:David Paul Morris / Bloomberg)

Rimacは、244万ドル(約2億7000万円)のEVスーパーカー「Nevera」を米国でデビューさせ、モントレーにその名を刻んだ。Rimacによると、Neveraはフル充電で最大400マイル(約640km)走行可能で、最高速度は時速258マイル(約410km)とのこと。モントレーでのRimacの華やかな存在感は、かつてはビンテージカーの象徴だったペブルビーチで、競争相手を凌駕する新たなEVプレイヤーが求められていることを示している。

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images

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(文:Tamara Warren、翻訳:Dragonfly)

電気自動車のバッテリー交換サービス拡大に向けENEOSも出資するAmpleが176億円調達

サンフランシスコを拠点とするAmple(アンプル)は、バッテリー交換サービス拡大に向けシリーズCで1億6000万ドル(約176億円)を調達した。電気自動車(EV)の使用方法を全面的に見直したいと考える8年目のスタートアップである同社にとって、これまでで最大のラウンドとなる。

Ampleのアプローチは比較的単純だ。同社のモジュール式バッテリーパックを搭載した車が、Ampleの自動充電ポッドのある場所に行き、消耗したバッテリーをフル充電されたバッテリーと交換する。交換されたバッテリーはポッドの中で充電され、別の車に再装着される。

Ampleのバッテリー交換モデルは一見シンプルだが、同社はEVのバッテリーをまったく別の方法で考えることを提案している。同社はEVのバッテリーを、iPhoneのように充電が必要なものではなく、デジタルカメラのバッテリーのように交換可能なものにしたいと考えている。

米ドルで9桁の資金調達は、投資家が注目していることの表れだ。今回のシリーズCでは、Moore Strategic Venturesがリードし、タイの国営石油・ガス会社であるPTTとDisruptive Innovation Fundが参加した。既存の投資家から、日本の石油・エネルギー会社であるENEOS、シンガポールの公共交通機関であるSMRTも参加した。Ampleの資金調達総額は2億3000万ドル(約253億円)となった。

「我々は、電気自動車に大きな問題があることに気づきました」とAmpleの共同創業者John de Souza(ジョン・デ・スーザ)氏は話す。

業界の対応としては、DC急速充電器のような技術が開発され、充電時間を20~30分に短縮することに成功した。だがデ・スーザ氏は、充電時間の短縮は根本的な問題を解決するものではないという。「急速充電は大量の熱を発生させます。送電網はそれをサポートしていません」と同氏は語る。「仮に5分で充電できるバッテリーができたとしても、非常に強力な充電器が必要ですし、そのためにはあらゆる場所に発電所が必要になります」。

現在、Ampleはフリートに取り組んでいる。ベイエリアでは、Uberのドライバーが参加する5つのバッテリー交換ステーションを運営している。またニューヨークでは、タクシーやラストマイル配送向けEVレンタル会社であるSallyと提携した。だがAmpleは、このバッテリー交換サービスが一般消費者にも適していると考えている。Ampleの共同創業者であるKhaled Hassounah(カレド・ハスナ)氏は、バッテリー交換が、アパートに住む人など、充電設備が整っていない個人消費者にも有効だという。「私たちは、すでに製造されたEVではなく、これから発売される車により力を入れます」と同氏は付け加えた。

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Ample. Ampleの共同創業者であるジョン・デ・スーザ氏とカレド・ハスナ氏

Ampleはモジュール式システムを採用しているため、ドライバーは必要な分だけバッテリーを持ち歩けばよいという。これは、同社にとって、バッテリーの無駄遣いを減らし、車両の重量を減らすことを意味する。

Ampleのビジョンの多くは、自動車メーカーの賛同を得られるかどうかにかかっている。例えば、個人が自動車を購入する際、自動車メーカーは固定式バッテリーか、Ampleのバッテリーシステムを搭載した車両のいずれかを提供することになるとAmpleは想像している。

同社によると、このアプローチは、自動車メーカーと直接連携して10種類の車種で検証しており、いずれも車両の改造を必要とするものではないという。電圧ケーブルや冷却ラインなど、バッテリーと車の間に変更が必要なインターフェースがないわけではないが、実際のEVのアーキテクチャーは思ったよりもシンプルだ。

「自動車メーカーのマーケティング部門は、『これは超高性能バッテリーで、車と非常によく統合されており、切り離すことはできない』と言いたがります」とハスナ氏は話す。「実際のところは、完全に別個に作られています。テスラを含む自動車のすべてのバッテリーがそうです」。

「私たちは、システムをさまざまな車両とのインターフェースが容易になるよう開発し、バッテリーコンポーネントを車両からいわば抜き出しました」と同氏は付け加えた。

現在、Ampleは自動車メーカー5社と提携しており、その中には「世界最大級の自動車メーカーも含まれています」とデ・スーザ氏は話す。「フリートからの需要の高まりは、車の販売に熱心な自動車メーカーとの対話と密接に関係している」と付け加えた。

EVのコストの多くをバッテリーシステムが占めるため、これは魅力的な提案となるだろう。中国の自動車メーカーNio(上海蔚来汽車)は、このアイデアを市場に導入した。同社では、車両にバッテリーがある・なしを選んで購入できるオプションを提供している(後者の場合、Nioはバッテリーをリースする)。リースの場合、車両価格を7万元(約118万円)安くできる。創業者のWilliam Li(ウィリアム・リー)氏は5月「Nioはすでに中国のドライバーのために240万台以上のバッテリーを交換した」と語る。

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今後の展望として、Ampleは純粋に拡大に力を入れている。新しい都市で大規模な顧客と一緒に展開するということだ。興味深いことに、デ・スーザ氏は、EVへの移行を望むが必要な充電インフラがない国の政府から多くの関心が寄せられていると話す。

「問題は、インフラ整備よりも、どうやって走行距離を伸ばし、自動車をより電気的にするかということです」とハスナ氏は語る。「100万台の急速充電器を設置しても、誰も使わないのであれば、何も達成したことにはなりません」。

画像クレジット:Ample

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMがシボレー・ボルトEVに3度目のリコール、欠陥バッテリーから火災のおそれ

General Motors(GM、ゼネラルモーターズ)は、バッテリーセルの欠陥により火災のリスクが高まる可能性があるとして、さらに多くの電気自動車「Chevrolet Bolt EV(シボレー・ボルトEV)」のリコールを行っている。この最新のリコールは、米国時間8月20日にGMから発表されたもので、同社がユーザーにBolt EVのリコールを通達するのは、これが3度目となる。

7月に出された2度目のリコールは、2017年から2019年型のBolt EVが対象だった。今回はそれがさらに拡大され、新たに2019年型のBolt EVが9335台と、2020~2022年型のBolt EVおよびBolt EUVが6万3683台、対象に含まれた。

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「GMに供給されたこれらの車両用バッテリーには、まれに同一バッテリーセル内に、破損した陽極タブと折れたセパレーターという2つの製造上の欠陥が存在する可能性があり、これによって火災の危険性が高まる」と、GMはニュースリリースで発表した。この問題については、バッテリーセルのサプライヤーである韓国のLGと協力しているとのこと。

GMでは、これまでのリコール対策費用としてすでに見積もられている8億ドル(約878億円)に加え、今回のリコールによりさらに10億ドル(1098億円)の費用がかかると見込んでいる。

同社は2021年8月初めの決算説明会で、Boltに搭載された欠陥バッテリーの修理に関連する費用が、前四半期の保証費用13億ドル(約1427億円)の大半を占めていると述べていた。

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GMはBoltのドライバーに対して、充電を最大90%に制限するとともに、航続可能距離が70マイル(約113キロメートル)以下にならないようにしておくことを推奨している。また、火災の危険性があるため、充電が済んだらすぐに屋外に駐車し、屋内で一晩充電したままにしないように勧めている。米運輸省高速道路交通安全局は、Boltのドライバーに向けて、火災のリスクを減らすために、車を家から離れた場所に駐車するようにと、独自の勧告を発表した。

画像クレジット:GM

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

バイデン大統領のEV販売目標達成に向けて、自動車メーカーが政府の投資拡大を要請

Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領は、2030年までに米国の新車販売台数の半分を低エミッションまたはゼロエミッション車にするという意欲的な新目標を発表するが、この計画について、ビッグ3の自動車メーカーは、政府による多額の支援が必要であるとしながらも、一定の支持を表明している。

General Motors(ゼネラルモーターズ)、Ford(フォード)、Stellantis(ステランティス、旧Fiat Chrysler)の3社は現地時間8月5日に共同声明を発表し、10年後までに新車販売台数に占める電気自動車の割合を40~50%にするという「共通の目標」を掲げた。ただし、この目標は「ビルド・バック・ベター(より良い復興)プランで政府が約束した一連の電化政策が適切に展開される場合にのみ達成できる」と注記されている。

具体的な投資としては、消費者へのインセンティブ、米国全土の「十分な量」のEV充電ネットワーク、研究開発への資金提供、製造・サプライチェーンへのインセンティブなどが挙げられている。

現地時間8月5日に大統領令として発表される予定のバイデン大統領の目標は、拘束力はなく、完全に自主的なものだ。この目標には、バッテリー、水素燃料電池、プラグインハイブリッドを搭載した車両が含まれる。

ホワイトハウスで開催される新しい目標に関するイベントには、自動車メーカー3社の幹部と全米自動車労働組合の代表者が出席。Elon Musk(イーロン・マスク)CEOのツイートによると、テスラは招待されなかったようだ。

ホワイトハウスが同日発表したファクトシートによると、バイデン大統領は、トランプ大統領の任期中に緩和された2026年までの乗用車および中・大型車の新しい燃費基準も強化する。この新基準は、米国運輸省と米国環境保護庁の管轄下で策定されるが、自動車メーカーにとっては驚きではない。この新基準は、すでにバイデン大統領の、いわゆる「Day One Agenda(初日のアジェンダ)」に含まれており、気候変動への取り組みの基礎となっている。

新基準は、2020年カリフォルニア州で可決された、自動車メーカー5社(BMW AG、Ford、本田技研工業、Volkswagen AG、Volvo AB)の連合体と協力して決定された基準を参考にしていると思われる。これらの自動車メーカーは8月5日、ホワイトハウスの排出量削減計画を支持するとした別の声明を発表したが、ビッグ3と同様、排出量削減目標を達成するためには、米国政府による「大胆な行動」が必要であるとしている。

2030年への道のり

Edmunds(エドモンズ)のインサイト担当エグゼクティブディレクターであるJessica Caldwell(ジェシカ・コールドウェル)氏は、声明の中で、バイデン大統領の拘束力のない命令は象徴的なものに過ぎないが、目標は達成可能であると述べ、自動車業界のリーダーたちは、誰が大統領であろうと、電化に関しては「以前から『壁に書かれた文字(不吉な警告の意味)』を見てきた」と続ける。

製品開発のリードタイムが比較的長いこともあり、大手自動車メーカーの多くが、少なくともこの10年の半ばまでは、EV(電気自動車)やAV(自動運転車)に数十億ドル(数千億円)規模の投資を行うことをすでに発表している。General MotorsFordは2025年までにそれぞれ350億ドル(3兆8000億円)、300億ドル(約3兆3000億円)の投資を発表しており、Stellantisも同様の発表を行っていることはいうまでもない。フォルクスワーゲンはバッテリーの研究開発に数十億ドル(数千億円)を投じており、さらにVolvo Cars(ボルボ・カーズ)は2030年までに全車を電気自動車に移行するとしている。

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これらの膨大な数字は、自動車メーカー各社の販売目標に沿ったもので、ほぼバイデン大統領の目標と一致している。

一方で、燃費規制については、これまで自動車メーカーの反応は芳しくなかった。General Motors、Stellantis(当時はFiat Chrysler)、トヨタ自動車の3社は、カリフォルニア州が独自の排ガス規制を設定する権限を剥奪しようとするトランプ大統領時代の訴訟を支持していたが、各社とも最終的には180度方針転換し、バイデン大統領は2021年、独自の基準を導入できることとなった。

本質的には、バイデン大統領の発表は気候変動と同様に地政学的な意味合いが強い。彼もまた、電気自動車に関しては「不吉な警告」を見ているのだ。バイデン政権は、ファクトシートの中で、電気自動車や電気自動車用バッテリーの材料について「中国が世界のサプライチェーンを支配しつつある」と指摘し「(中国を筆頭とする)各国は、電気自動車の販売目標を明確に設定することで、部品・材料から最終組立に至る製造部門に民間投資を呼び込む存在となっている」と述べている。

国際エネルギー機関(IEA)によると、米国では2020年、2016年の3倍の電気自動車が登録されたものの、電気自動車の市場シェアではヨーロッパや中国に後れをとっている。

このニュースにはさまざまな反応があり、その中には政権側にもっと断固とした行動を求める環境保護団体もある。Ceres(セレス)の交通部門シニアディレクターCarol Lee Rawn(キャロル・リー・ローン)氏は、将来的な規制は、二酸化炭素排出量を60%削減し、2035年までに電気自動車の販売を100%にするという「明確な軌道」を目指すべきという声明を出している。

現地時間8月5日にホワイトハウスでバイデン大統領と同席する全米自動車労働組合は、Ray Curry(レイ・カリー)会長が声明を出し「(同組合は)厳しい期限やパーセンテージではなく、米国の中産階級の心と魂を支えてきた賃金と福利厚生を維持することに焦点を当てている」と述べた。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Dragonfly)

LG Energy Solutionが豪州企業とニッケルとコバルトの購入契約を締結、EV用バッテリー製造のため

韓国のLG Energy Solution(LGエナジーソリューション)は、豪州の鉱山会社と6年間にわたるコバルトとニッケルの購入契約を締結し、電気自動車用バッテリーの製造に必要な主要鉱物の安定供給を確保した。

LG Chem(LG化学)の子会社であるLG Energyは、2024年末からAustralian Mines Limited(オーストラリアン・マインズ・リミテッド)から7万1000ドライメトリックトンのニッケルと7000ドライメトリックトンのコバルトを購入する。これは、1回の充電で310マイル(約500キロメートル)以上の走行距離を持つ130万台のEV用のバッテリーを作るのに十分な原材料だ。

LGエナジーソリューションのCEOであるJong-hyun Kim(ジョンヒョン・キム)氏は「近年、世界中で電気自動車の需要が高まる中、重要な原材料を確保し、責任あるバッテリーサプライチェーンを構築することは、業界内での支配力を高めるための重要な要素となっています」と述べた。

この材料は、Australian Minesがクイーンズランド州で15億豪ドル(約1200億円)を投じて開発中のスコーニプロジェクトから調達する。このプロジェクトでは、ろ過した尾鉱を保管するために「ドライスタッキング方式」を採用している。鉱石を地域の水源に投棄したり、地下の採石場に埋めたりするのではなく、ドライスタッキングによって廃棄物から水分を取り除き、砂状の物質にして管理施設で安全に保管する。

LG Energyは声明で「ドライスタッキング法は、建設費や維持費などがかかるため、従来の方法に比べてコストは高いものの、環境に優しい原料採取方法だと考えられています」と述べた。

本契約の唯一の条件は、Australian Minesが2022年6月末までに本プロジェクトの建設資金を確保することだ。融資が確保された場合、この契約は同サイトの予想生産量のすべてを占めることになる。

なお、両社は相互の合意により、契約をさらに5年間延長するオプションを有している。

LG Energyは、世界最大級のバッテリーおよびバッテリー材料メーカーであるLG Chemの子会社だ。同社は2021年7月にバッテリー事業、特に負極材、分離膜、正極バインダーの生産に6兆ウォン(約5570億円)を投じたと発表した。また、2021年夏の初めには、Queensland Pacific Metals(クイーンズランド・パシフィック・メタルズ)と、10年間にわたり年間7000トンのニッケルと700トンのコバルトを購入する契約を締結した。契約は120億ウォン(約11億円)の価値があるとされている。

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LG Chemは、Volkswagen(フォルクスワーゲン)、General Motors(ゼネラルモーターズ)、Tesla(テスラ)などを顧客としている。LG Chemは、世界のバッテリー市場が今後数年間で拡大し、2021年には39兆ウォン(3兆6200億円)、2026年には100兆ウォン(9兆2800億円)になると予想している。

原材料確保を目指すのは大手企業だけではない。Teslaはバッテリー原料を独自に確保するため、7月にコモディティ生産大手のBHPと西オーストラリア州の鉱山からニッケルを調達する契約を結んだ

また、LG ChemとGeneral Motorsとの合弁会社であるUltium Cells(アルティアム・セルズ)のように、OEMメーカーがバッテリーメーカーと提携してバッテリーを開発するケースもある。

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画像クレジット:Fairphone / Flickr under a CC BY-SA 2.0license.

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

EVスタートアップCanooがオクラホマの工場で量産準備を進める

EV(電気自動車)スタートアップのCanoo(カヌー)は、数百名の従業員を雇用し、生産開始に向けての準備を進めているが、バッテリーサプライヤーの決定などの重要なマイルストーンが残っていることが、第2四半期の業績報告書で明らかになった。

Canooは業績報告に数週間先立って、初めてIRイベントを開催し、オランダの VDL Nedcar(VDLネドカー)をライフスタイルビークルの製造委託先として発表していた。この発表の際には、CanooはVDL Nedcarの施設で、2022年には欧米市場向けに最大1000台を生産し、2023年には1万5000台を目標にするという見積もりを出していたが、米国時間8月16日の業績報告会では、CEOのTony Aquila (トニー・アクイラ)氏が、現在は2023年に2万5000台の生産を見込んでいると述べた。

またCanooは、ピックアップトラックと多目的配送車の生産のために、同社が「メガ・マイクロファクトリー」と呼ぶ工場を、米国に工場を建設する計画の最新情報についても説明した。6月に同社は、オクラホマ州に最初の工場を建設する計画を発表していた。オクラホマ州は、この施設と生産の第2段階を支援するために、3億ドル(約327億6000万円)分の非希釈性の投資を約束している。

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「この2つの目立った戦略が重要なのは、いくつかの理由があります」とアクイラ氏は業績報告会で述べた。「新しいOEMのNedcarと協力することで、生産プロセスを洗練させることができます。またオクラホマ州の製造工場に展開される生産の専門性を強化すると同時に、製造業務を地理的に多様化し、変化する市場の需要に適応するために、コミットメント、製品、数量を増やし、販売における柔軟性を作り上げることができるようになります」。

アクイラ氏によると、オクラホマ州からの投資額の約3分の1が最初の36カ月間で利用可能になるという。これらの資金は、Canooがローンチに向けて準備を整えることを意味する「ガンマ」フェーズに移行する際の会社の進捗を支えることになる。前年比で、Canooの従業員は230人から656人に増え、そのうちの70%がハードウェアとソフトウェアのエンジニアだ。スタートアップの運営費は、前年同期比で1980万ドル(約21億6000万円)から1億430万ドル(約113億9000万円)に増えているが、その増加分の大半は研究開発費によるものだ。

収益計上前の費用が増加していることは、Canooが生産目標に向けて邁進していることを示しているが、オクラホマ工場の建設を開始するまでには、まだ課題が残っている。アクイラ氏によると、現在Canooは建築マネージャー、設計家、建築会社の最終選定を行っており、来四半期までには工事の進捗状況を詳しく報告する予定だという。

また同社は、第3四半期中にバッテリーのパートナーを最終決定することを目指しているが、これは、多くの既存メーカーがバッテリー合弁会社を設立してサプライチェーンをコントロールしようとする中で、ますます重要になってきている動きだ。そしてCanooもまた、他の業界同様、半導体のサプライチェーン問題に悩まされているが、製造プロセスの合理化により、より少ないチップで自動車を機能させることができるとしている。

IRイベント当日、Canooは50万マイル(約80万5000km)のベータテストを終えたことを発表した。6月30日の時点で、アクイラ氏は「ガンマ」ビルドを開始するためのエンジニアリングとデザインを決定したと語った。

「また、第1四半期は74%だった部品の調達率は87%となっていて、バルク材を除くと95%の調達が完了しています」とアクイラ氏は述べている。「当社のCTOとそのチームは、ライフスタイル・ビークルの部品の67%についてエンジニアリングデザインを完了し、それらの製造準備に移行しました」。

アクイラ氏によると、Canooは第4四半期中にライフスタイル・ビークルの標準生産プロセスへのカウントダウンを開始するという。おそらくライフスタイル・ビークルの生産は近付いているものだと思われるが、アクイラ氏によると、返金可能な9500件の予約のうち、最も人気があるのは、Canooの他の2つの車であるピックアップトラックと多目的配送車だという。

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画像クレジット:Canoo

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

オール電化のアウディ2022年モデル「e-tron GT」と「RS e-tron GT」は未来ではなく今を見据えるグランドツアラー

ラグジュアリー、テクノロジー、そして豪華さは、しばしば密接に結びついている。億万長者が宇宙を旅する時代において、最新の質の高い一流のガジェットは、未来から来たように見えるものではないかと、多くの人が考えているかもしれない。

Audi(アウディ)の観点からはそれは当てはまらない。2022年モデルのAudi e-tron GTとRS e-tron GTは、2060年から来たもののようには見えない、高貴な雰囲気を持つオール電化のグランドツーリングカーだ。見た目は洗練されたガソリン車のようだが、その外観の下には、一見したところのデザインでは想像できないほどのパワー、技術的なポップさ、そして品格が秘められている。

2022年型Audi e-tron GTとRS e-tron GTは、低めのルーフライン、広いトラック、長いホイールベースを備えている。e-tron GTとRS e-tron GTはどちらもAudi R8と並行して生産されており(ルーフラインはR8よりも低い)、その象徴的なデザインからいくつかのものを拝借しているが、これらの電気グランドツアラーは、まったく独自の、1対の馬力のある車種といえる。

基本概要

Porsche(ポルシェ)のTaycanと同じ800ボルトのアーキテクチャーをベースにしたe-tron GTは、前後輪に動力を供給する永久磁石式同期電動機(PMモーター)により、総出力469HP(オーバーブースト時最大522HP)を生み出している。RS e-tron GTは同じモーターで590HP(オーバーブースト時637HP)を出力し、Audiによると3.1秒で時速60マイル(約96km)に達するという。

どちらのクルマも能力に優れ、信頼性が高く、スピードも速く、山道や長い高速道路のような長距離走行でも停滞しない。多くの電気自動車と同じように、加速はほとんどシームレスだ。

トルクベクタリングシステムを搭載したAudiの電動「quattro」によるAWD(全輪駆動)の効果で、両車とも、車輪がきしみ始めても、安定した走行性と適切な配分を実現する。このシステムでは、急なコーナリングや車線変更、滑りやすい状態での走行時に、スリップした車輪に可変量の動力を送ることができる。

筆者が試乗した車には夏用タイヤが装着されていた。そして、ロサンゼルスのダウンタウンから北東50マイル(約80km)にあるアグアダルシーエアパークの閉鎖されたスラロームコースで、急な車線変更のテストを最後に行った。RS e-tron GTを3回連続でコーンを通過させてシステムの感触を確かめ、そのたびにクルマは安全で、しっかりと接地し、制御されていると感じた。

ステアリング、スピード、航続距離

2022年型Audi RS e-tron GT(画像クレジット:Audi)

e-tron GTとRS e-tron GTには、後輪ステアリングもオプションで付いている。時速30マイル(約48km)以下では、後輪は前輪と反対方向に最大2.8度旋回し、e-tron GTとRS e-tron GTの旋回半径を小さくする。時速30マイル以上では後輪は前輪と同じ方向に旋回する。このシステムはPorsche Taycanのシステムに類似している(回転角度が小さい)。

エアパークの平坦な滑走路では両車両のオーバーブーストを試すことはできなかったが、RS e-tron GTの起動制御を使って0-100mph(0-160km/h)の加速を連続して行ったところ、ジャーナリストの集団の中で2番手につけ、0-60を3.24秒、0-100を7.29秒で記録した。39度の暑さの中、コールドタイヤでのこの数字はかなり印象的だ。滑走路の終わりまでに、速度が時速120マイル(時速193マイル)に近づいているのを確認した。これは電子的に制限された最高時速155マイル(約249km)より32マイル(約51km)短い速度だ(e-tron GTの電子的に制限された最高時速は152マイル[約244km])。その後ブレーキを踏んだ。フル充電されたRS e-tron GTは、連続して3回走行した後、20マイル(約32km)の航続距離を失っただけだった。

RS e-tron GTのEPAによる推定航続距離は232マイル(約373km)であるのに対し、e-tron GTの推定航続距離は239マイル(約384km)である。

充電性能

2022年型Audi e-tron GT(画像クレジット:Audi)

これらのEPAの推定航続距離は、低い位置に搭載されたの93kWhバッテリーパック(両車とも同じ)の成果であり、Audiによると270ボルトの充電器(DC急速充電)では23分で最大80%を充電できるという。

価格は、e-tron GTが9万9000ドル(約1088万円)から、RS e-tron GTが13万9900ドル(約1537万円)からとなっている(いずれも1045ドル[約11万円]のdestination charge[輸送費]を除く)。この価格には1回限りの限定特典が付いている。

AudiはElectrify Americaと提携し、3年間無料で無制限の公共充電サービスを提供する(時間制限がない)。Qmeritを利用した家庭用充電ステーションもある。e-tron GTとRS e-tron GTには、標準のデュアル充電ポートと、240ボルト対応の9.6kW充電システムを装備しており、オーナーはあらゆる場所で充電が可能となる。Electrify Americaは、Dieselgateのスキャンダルを受けて、Audiを所有するVolkswagen Group(フォルクスワーゲングループ)が立ち上げた。

充電器を見つけるには「MMI」と呼ばれるインフォテインメントシステムと、センターコンソールに搭載された10.1インチのタッチスクリーンを利用する。ナビゲーションに進み、プラグと充電器のリストが表示されたアイコンをクリックすると、充電器の一覧が表示される。

筆者はワンデイドライブで充電器を探す機会はなかったが、Audiによると、同社のMyAudiアプリ(スマートフォンとデスクトップで利用可能)とMMIの両方を通じて、EA(Electrify America)の充電器とそのステータス、可用性を簡単に確認できるという。ドライバーは好みの充電レベル(レベル1からDC急速充電器)でソートし、Audiの車載インターフェイスを離れることなく充電器にアクセスできるとAudiは述べている。

ドライバーはEAのアプリやMyAudiアプリを使ってスマートフォンで検索を行い、現在利用可能なワイヤレスのCarPlayや、筆者が運転したe-tron GTやRS e-tron GTでは利用できなかったが、プロダクションモデルに搭載されるワイヤレスのAndroid Auto経由で車に道順を送ることができる。中央のアームレストにあるUSB-Cポートを介してスマートフォンに接続することも可能だ。

筆者はオーナーではないため、MyAudiアプリを使うことはできなかったが(プライバシー確保のために車両のVINをアプリに接続する必要がある)、ドライバーはMyAudiアプリでルートを計画することができ、システムが自動的に途中で充電停止を行い、十分なバッテリーを確保して確実に到着するようにするとAudiは説明している。

完全電動式の高級車にシームレスに移行するために、もう少しサポートを受けたいと考えている高級車購入者に向けて、Audiはe-tron GTとRS e-tron GTを含むEV向けのAudi Careをローンチする。参加ディーラーでは、オーナーは追加で999ドル(約11万円)と税金を支払うことで、ワイパーやブレーキパッドなどの消耗品、サービスアポイントメントのための係員の送迎、モバイルサービス(タイヤ交換、基本的なメンテナンス)の提供を受けることができ、オーナーが必要とすれば年に10回までAudiセンターに無料で行ける。Audiはまた、e-tron GTまたはRS e-tronを購入すると、Silvercar by Audiの7日間の無料レンタルも提供する。

バーチャルコックピットはもちろん優れもの

2022年型Audi e-tron GT(画像クレジット:Audi)

e-tron GTとRS e-tron GTは、e-tron (SUV) とAudi R8の両方の機能を融合させたもので、どちらのGTにもデュアルスクリーンが搭載されており、ドライバーと同乗者に多くの機能を提供する。ドライバーの前にある12.3インチのバーチャルコックピットは、現在の大部分の現代的なAudiに見られるように、高度にカスタマイズ可能だ。マップ・ビューからバッテリーステータスへのアクセスまで、ハンドルからのわずかなインプットで提供される。

このシステムはナビゲーションを簡単にする。ドライバーや同乗者はステアリングの操作ボタンを押すだけで目的地を音声で設定でき、クルマに住所や目的地、都市を伝えることができる。

この音声システムは驚くほど堅牢で、筆者が使ったときにはやや遅れ気味だったものの、自然言語のインプットを認識し、特定の言葉を発するよう話者に促す。ルートをキャンセルして目的地の変更を入力する操作を運転しながら行うか、一時停止するかという2つの選択肢にさらされるような時に使える。自分の意図をシステムに認識させるために、何度も試さなければならなかったことは一度もなかった。

センターコンソールに搭載された10.1インチのインフォテインメントシステムは、ドライブモードの選択から特定のAudiアプリ、ナビゲーションオプション、オプションのマッサージ、ヒートおよびクールシートなど、あらゆるものを提供する。

Audi MMIの中央画面はタッチ式静電容量方式で、ユーザーはアイコンをドラッグ&ドロップして自由にホーム画面をカスタマイズできる。同乗者が望む場合(そして適切な機器を持っていれば)、シートヒーター、クーラー、マッサージをすべてMMIから同時に実行することも可能だ。

豪華さはそれほど必要ない?

2022年型Audi e-tron GT(画像クレジット:Audi)

どちらのGTも10万ドル(約1100万円)程度を提示しており、そのためにもう少し華やかなものを求める買い手もいるかもしれない。

発売年は、高価だが特別なオプションとしてRS e-tron GTのワンイヤーパッケージを提供する。2万350ドル(約224万円)の「カーボンパフォーマンス」パッケージには、カーボンファイバー製のトリム、照明付きドアシル、黒のバッジ、後輪のステアリングの他、21インチの特殊ホイール、赤のセラミックブレーキキャリパー、赤のシートベルト、内側の赤のステッチなどが含まれている。

高級ブランドとしての名声、パワー、そして先進テクノロジーを手に入れたい方に、豪勢なものは一切搭載していない(必ずしも必要ではない)が、高貴な雰囲気を持つ電化されたグランドツアラーとして、2022 Audi e-tron GTとAudi RS e-tron GTは最適といえよう。どちらも現在販売中である。

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タグ:AudiEVレビュー

画像クレジット:Audi

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(文:Abigail Bassett、翻訳:Dragonfly)