ピルのオンライン診察アプリ「スマルナ」のネクイノとENEOSが次世代ヘルスケアブース「スマートライフボックス」共同開発

ピルのオンライン診察アプリ「スマルナ」のネクイノがENEOSから資金調達、次世代ヘルスケアサービス「スマートライフボックス」共同開発

ネクイノは9月15日、ENEOSホールディングス(ENEOS)を引受先とする資金調達とともに、協業を開始したと発表した。シリーズBラウンドにおける資金調達は合計で約27億5000万円、創業以来の累計調達額は約35億円となり、今回の資金調達でシリーズBラウンドを終了としている。

また、予防医療の領域から健康課題に対し総合的にサポートする、専用無人ブース「スマートライフボックス」を共同開発し、9月15日より実証実験を開始した。

スマートライフボックスは、室内に設置した検査機器による様々なバイタルデータの計測と、そのデータを一緒に参照できる医療専門家とのビデオ通信によるコミュニケーションが可能という。プライバシーが保たれた静かな環境で医療専門家が健康課題に応じ、地域の医療機関への適切な受診についてアドバイスを受けられるとしている。

また実証実験として、三井不動産がららぽーと柏の葉(千葉県柏市)でリニューアルオープンした、まちの健康研究所「あ・し・た」内にスマートライフボックスを設置し、一般の方に医療専門家とのオンライン健康相談サービスを無償提供する。利用の際は、スマートフォンやPCなどより専用アプリを通じ、本人確認と予約を行うと入室可能となる(ウイルス感染症対策として、室内には消毒除菌機器を装備している)。

内容については、ネクイノの女性向け健康相談サービスの提供からスタートし、実証実験地域の方の対象拡大と、提供サービスの内容拡充を2022年3月末まで順次実施する予定。

ネクイノが運営する婦人科領域に特化したオンライン診察プラットフォーム「スマルナ」(Android版iOS版)では、アプリ内で助産師・薬剤師が対応する「スマルナ医療相談室」において1日平均400〜500件の医療相談対応を行うほか、服薬指導も実施。健康への関心や受療行動の変容のきっかけとなる婦人科領域を中心にサービスを提供している。

医療の新しいスタンダードの実現を目指すネクイノは、医療DXへの動きを加速させるサービス展開を行うための次のステップとして、ENEOSが有する顧客基盤を活用し、医療へのアクセス改善および医療のコミュニケーションの質の改善など、各種ヘルスケアサービスを生活圏内の自宅以外の場所で提供すべく「スマートライフボックス」を共同開発した。

またENEOSは、利便性の高いサービスをトータルで提供するプラットフォームの構築を目指しているという。同プラットフォームでは、ヘルスケア分野で提供するライフサポートサービスの1つとして、各地域の特色や医療アクセスを考慮したサービスの検討を進めており、同実証がヘルスケアにおける第1弾の取り組みとなる。

今回の協業により、スマートライフボックス実証実験において中核となる、サービス基盤の開発に両社で取り組み、利用しやすく質の高いヘルスケアサービスの展開拡大を目指し、「新たな医療体験」を創出するという。

電気自動車のバッテリー交換サービス拡大に向けENEOSも出資するAmpleが176億円調達

サンフランシスコを拠点とするAmple(アンプル)は、バッテリー交換サービス拡大に向けシリーズCで1億6000万ドル(約176億円)を調達した。電気自動車(EV)の使用方法を全面的に見直したいと考える8年目のスタートアップである同社にとって、これまでで最大のラウンドとなる。

Ampleのアプローチは比較的単純だ。同社のモジュール式バッテリーパックを搭載した車が、Ampleの自動充電ポッドのある場所に行き、消耗したバッテリーをフル充電されたバッテリーと交換する。交換されたバッテリーはポッドの中で充電され、別の車に再装着される。

Ampleのバッテリー交換モデルは一見シンプルだが、同社はEVのバッテリーをまったく別の方法で考えることを提案している。同社はEVのバッテリーを、iPhoneのように充電が必要なものではなく、デジタルカメラのバッテリーのように交換可能なものにしたいと考えている。

米ドルで9桁の資金調達は、投資家が注目していることの表れだ。今回のシリーズCでは、Moore Strategic Venturesがリードし、タイの国営石油・ガス会社であるPTTとDisruptive Innovation Fundが参加した。既存の投資家から、日本の石油・エネルギー会社であるENEOS、シンガポールの公共交通機関であるSMRTも参加した。Ampleの資金調達総額は2億3000万ドル(約253億円)となった。

「我々は、電気自動車に大きな問題があることに気づきました」とAmpleの共同創業者John de Souza(ジョン・デ・スーザ)氏は話す。

業界の対応としては、DC急速充電器のような技術が開発され、充電時間を20~30分に短縮することに成功した。だがデ・スーザ氏は、充電時間の短縮は根本的な問題を解決するものではないという。「急速充電は大量の熱を発生させます。送電網はそれをサポートしていません」と同氏は語る。「仮に5分で充電できるバッテリーができたとしても、非常に強力な充電器が必要ですし、そのためにはあらゆる場所に発電所が必要になります」。

現在、Ampleはフリートに取り組んでいる。ベイエリアでは、Uberのドライバーが参加する5つのバッテリー交換ステーションを運営している。またニューヨークでは、タクシーやラストマイル配送向けEVレンタル会社であるSallyと提携した。だがAmpleは、このバッテリー交換サービスが一般消費者にも適していると考えている。Ampleの共同創業者であるKhaled Hassounah(カレド・ハスナ)氏は、バッテリー交換が、アパートに住む人など、充電設備が整っていない個人消費者にも有効だという。「私たちは、すでに製造されたEVではなく、これから発売される車により力を入れます」と同氏は付け加えた。

関連記事:10分で満充電にできるEVバッテリー交換のAmpleがENEOSと日本国内での交換インフラ展開、運営で提携

Ample. Ampleの共同創業者であるジョン・デ・スーザ氏とカレド・ハスナ氏

Ampleはモジュール式システムを採用しているため、ドライバーは必要な分だけバッテリーを持ち歩けばよいという。これは、同社にとって、バッテリーの無駄遣いを減らし、車両の重量を減らすことを意味する。

Ampleのビジョンの多くは、自動車メーカーの賛同を得られるかどうかにかかっている。例えば、個人が自動車を購入する際、自動車メーカーは固定式バッテリーか、Ampleのバッテリーシステムを搭載した車両のいずれかを提供することになるとAmpleは想像している。

同社によると、このアプローチは、自動車メーカーと直接連携して10種類の車種で検証しており、いずれも車両の改造を必要とするものではないという。電圧ケーブルや冷却ラインなど、バッテリーと車の間に変更が必要なインターフェースがないわけではないが、実際のEVのアーキテクチャーは思ったよりもシンプルだ。

「自動車メーカーのマーケティング部門は、『これは超高性能バッテリーで、車と非常によく統合されており、切り離すことはできない』と言いたがります」とハスナ氏は話す。「実際のところは、完全に別個に作られています。テスラを含む自動車のすべてのバッテリーがそうです」。

「私たちは、システムをさまざまな車両とのインターフェースが容易になるよう開発し、バッテリーコンポーネントを車両からいわば抜き出しました」と同氏は付け加えた。

現在、Ampleは自動車メーカー5社と提携しており、その中には「世界最大級の自動車メーカーも含まれています」とデ・スーザ氏は話す。「フリートからの需要の高まりは、車の販売に熱心な自動車メーカーとの対話と密接に関係している」と付け加えた。

EVのコストの多くをバッテリーシステムが占めるため、これは魅力的な提案となるだろう。中国の自動車メーカーNio(上海蔚来汽車)は、このアイデアを市場に導入した。同社では、車両にバッテリーがある・なしを選んで購入できるオプションを提供している(後者の場合、Nioはバッテリーをリースする)。リースの場合、車両価格を7万元(約118万円)安くできる。創業者のWilliam Li(ウィリアム・リー)氏は5月「Nioはすでに中国のドライバーのために240万台以上のバッテリーを交換した」と語る。

関連記事:中国EVメーカーNIOが国外初のマーケットとしてノルウェーに進出

今後の展望として、Ampleは純粋に拡大に力を入れている。新しい都市で大規模な顧客と一緒に展開するということだ。興味深いことに、デ・スーザ氏は、EVへの移行を望むが必要な充電インフラがない国の政府から多くの関心が寄せられていると話す。

「問題は、インフラ整備よりも、どうやって走行距離を伸ばし、自動車をより電気的にするかということです」とハスナ氏は語る。「100万台の急速充電器を設置しても、誰も使わないのであれば、何も達成したことにはなりません」。

画像クレジット:Ample

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

10分で満充電にできるEVバッテリー交換のAmpleがENEOSと日本国内での交換インフラ展開、運営で提携

電気自動車のバッテリー交換を行うスタートアップのAmple(アンプル)は、何年にもわたって技術開発に取り組んできたが、2021年6月、日本とニューヨークへの拡大を促進するための2つのパートナーシップを締結した。2014年に設立され、先の3月にステルス状態を脱したこのスタートアップは、日本の石油 / エネルギー企業であるENEOS(エネオス)と提携し、日本国内でバッテリー交換インフラを共同で展開・運営することを米国時間6月15日に発表した。

両社は今後1年間、配車サービス、タクシー、自治体、レンタカー、ラストワンマイル配送などの企業を対象に、Ampleの全自動交換技術を試験的に導入する。また、AmpleとENEOSは、交換ステーションがエネルギーグリッドのバックアップ電源などの、他の用途にも使えるかどうかも評価する。まだパートナーシップは立ち上げの段階で、発表されていることは少ない。たとえばAmpleは、パイロットプログラムいつ日本のどこで始まるのかについては明らかにしていない。しかし、詳細には乏しいものの、ENEOSが関心を見せたことは、(少なくともAmpleの)バッテリー交換技術が信奉者を集めつつあることを示している。

今回のENEOSの発表は、Ampleが配車サービス、タクシー、ラストマイル配送用のEV(電気自動車)レンタル会社であるニューヨーク市のSally(サリー)との提携を行った数日後に行われた。Ampleの創業者でCEOのKhaled Hassounah(ハレド・ハッソウナ)氏によると、AmpleとSallyは、2021年の第4四半期までにニューヨークで5~10カ所のステーションを展開し、2021年には他の市場にも進出する予定だ。

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AmpleとSallyのパートナーシップは、数カ月後にはサンフランシスコにも拡大する。サービスを利用するコストにもよるが、少なくともカリフォルニア州では、配車サービスのドライバーにとっては有利な取引になるかもしれない。カリフォルニア州では2030年までにUber(ウーバー)とLyft(リフト)のドライバーの90%がEVに乗る必要があるとする法令が出されたばかりだ

「最終的には、交換ステーションをガソリンスタンドのようにどこにでもあるものにすることが目標です」とハッソウナ氏はTechCrunchに語った。

Ampleはこの3月に、ベイエリアで5カ所の交換ステーションの発表を行うと同時にステルス状態から抜け出した。また、Uberとの提携により、ドライバーはAmpleのバッテリー技術を搭載したクルマをAmpleから直接借りることができる。

Ampleのポリシー兼国際支援担当副社長のLevi Tillemann(レビ・ティルマン)氏は、TechCrunchの取材に対して「Ampleアーキテクチャは、あらゆる最新の電気自動車に統合できるよう設計されています」と答える。「一般的な電気自動車では、バッテリーパックをクルマから取り外すことは想定されていませんが、Ampleシステムを使えば、純正のバッテリーパックとまったく同じ寸法のアダプタープレートを備えたバッテリーパックと交換することができます。そのアダプタープレートこそが、バッテリー交換を可能にするためのアーキテクチャなのです」。

Ampleの標準化されたバッテリーモジュールは、Ampleプラットフォームで動作するように設定されたどの車両でも動作します、とティルマン氏はいう。今回のAmpleとSallyの提携により、Ampleはビジネスモデルを実証するために立ち上げた、自社による車両運行からの脱却を始めることができる。同社は、Sallyをはじめ、将来的にはおそらく他のフリート会社やレンタル会社とも協力して、Ample対応の車両を作っていく予定だ。

「Ampleのバッテリー交換技術は、どんな電気自動車にも対応していて、純正バッテリーとの置き換えが可能で、しかもクルマの改造(ハードウェア、ソフトウェアのいずれも)を必要としないので、EVインフラの導入にかかるコストと時間が劇的に削減されます」とハッソウナ氏はいう。

配車サービスのドライバーがEVへの乗り換えを躊躇する理由の1つに、バッテリーの充電時間がある。ハッソウナ氏によると、バッテリー交換には現在10分しかかからないが、年内には5分に短縮することを目指しているそうだ。より効率的でシームレスなプロセスを実現することで、配車サービスのドライバーや物流企業が切り替えを行う後押しをすることができるだろう。

「現在、ドライバーはエネルギーも含んでスワップサービスに対して1マイルあたり10セント(約11円)を支払っています。航続距離は車種やバッテリーサイズによって異なります」とハッソウナ氏は語る。「サービスの価格は電気料金によって変わりますが、ガソリンに比べて1~2割程度安くなることを目標にしています」。

ドライバーがバッテリーを交換したいときは、Ampleのアプリを使って近くのステーションを探し、自動交換を始める。各ステーションでは、1時間あたり5~6台程度のサービスが可能だが、年内にはその倍のサービスが可能になると見込まれている。とはいえ、これは各ステーションでの利用可能電力量にもよる。

ティルマン氏は、Ampleの拡大に伴い、既存のOEMパートナーと協力して、生産ラインで新車にAmpleの製造用プレートを取り付けるという選択肢を消費者に提供できる日を目指しているという。

彼は「私たちのユニットのコストは、バッテリースワップシステムにとって非常に有利なものです」という。「展開に大きなコストがかからないために、比較的少数の車両でも、バッテリー交換アーキテクチャーは経済的で収益性が高くすることができるのです」。

以前にAmpleに投資を行ったENEOSは、同社によれば、次世代のエネルギー供給に取り組んでいるとのことだ。同社はまた、水素についても検討しており、最近ではトヨタが日本で建設中の未来型試作都市「Woven City(ウーブン・シティ)」と提携した。同市は水素を使って電力を供給する予定だ。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Ample日本ニューヨークEVバッテリーENEOS

画像クレジット:Ample

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)