カリフォルニア州オークランドのMegaBots Inc.が240万ドルのシード資金を調達することに成功した。このスタートアップは日本発のマンガやアニメでおなじみの人間が搭乗して操縦する巨大ロボット同士の戦いを実現するリーグの創立を目指している。
MegaBotsの共同ファウンダー、Gui Cavalcanti、Matt Oehrlein、Brinkley Warrenの野心は大きく、ロボット対戦リーグをフォーミュラ1や国際サッカー連盟のような存在にしたいのだそうだ。
WarrenによればMegaBotsはシード資金を利用して、オリンピックが巨大競技化した道筋にならい、Latham Watkinsという法律事務所と提携してロボット対戦リーグの国際展開を図る。
Latham WatkinsでMegaBotsが特に協力を期待しているのはパートナーのChristopher D. Breartonで、同弁護士は国際オリンピック委員会(IOC)を始めとし、
NBA、MLB、NFLなどのプロスポーツ団体のリーグ化に助力した経験があるという。
内燃機関で駆動される巨大ロボットの対決となれば誰でも興奮するだろう。火に油を注ごうととMegaBotsは昨年、日本の水道橋重工に挑戦状を叩きつけている。
水道橋重工は日本のスタートアップで、MegaBotsより早く2014年に創立されているが、この挑戦を受けて立つとしている。報道によればファウンダーの倉田氏はKuratasロボットの対戦用に特化したスペシャルバージョンの開発にとりかかっているという。
Kuratasロボットは重量4トンの巨大ロボットだが、MegaBotsのMkIIは5.4トンにもなるロボットを試作している。Warrenは「対戦に用いられるマシンは6.8トンになるはず」だと述べた。MkIIの初期型は重量3ポンド(1.5kg)のペイントボールを発射する能力がある。これによって対戦相手のコンピューター・ビジョンにダメージを与えようという戦略だ。
MegaBotsの社員一同―オークランドの本社前
チームUSAとチーム・ジャパンの対決の場所や日取りは未定だ。ただし水道橋重工の主張に基づき、対戦の組織化はMegaBotsが担当する。MegaBotsはこの対決をホストすることに関心のある政府や自治体を探している。
ただしこの種のリーグの組織化には、ロジスティクス上の難問が待ち受けている。Warrenも指摘するように、7トン近いマシンは簡単に国際輸送できない。
これまでMegaBotsはクラウドファンディングで55万ドルを調達し、さらにグッズ販売やライセンス料で資金を集めてきた。Megabotsはイベントなどにロボットを登場させたり、
グッズを販売したりすることで100万ドルの売上を記録している。
同社への投資家には、Azure Capital Partners、AME Cloud Ventures、Autodesk、Maveron、エンジェル投資家でNational Venture Capital Associationの前会長、Ray Rothrockなどが負汲まれる。
Azure Capitalのゼネラル・パートナー、Michael Kwatinetzは「(MegaBotsのような)巨大ロボットが登場するライブイベントは人々の想像力をかきたてるので非常に大きなビジネスチャンスがある。その点はプロレスのWWEや自動車レースのNascar〔の成功〕を見ても明らかだ」と述べた。
またKwatinetzは「Megabotsのような巨大ロボットを開発する能力のあるエンジニアや経験を持つ企業は他にほとんんどない」と指摘した。
現在のロボティクスの主流はバッテリー駆動で、強力なエンジンや油圧メカニズムを搭載していない。こうした電動ロボットでは人間を乗せたり数トンもの重量を動かしたりすることはできない。
MegaBotsの投資家は、シード資金によって日本のロボットとの対戦を実現させ、広く関心を呼び起こして大企業によるスポンサーシップやテレビ局による番組製作に結びつけたい考えだ。
こうした動きはMMAファイティングなど総合格闘技の成功をモデルにしている。
画像:: SN Jacobson/MegaBots Inc. (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)
〔日本版〕こちらのYouTubeビデオではファウンダーがMegabotsのロボットについてTestedのインタビューを受け、操縦席も含めて詳しく説明している。Megabotsには操縦士と射手の2名が搭乗する。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)