ペイテレビのディスラプトの終点はアンバンドルではない–アクセスの自律性をいかに獲得するか

[筆者:Albert Lai]

編集者注記: Albert LaiはBrightcoveのメディア担当CTOだ。

あなたなら、どっちにするか? 提供されるすべてのコンテンツに対してお金を払うか、それとも自分が消費するコンテンツに対してのみ払うか?

一見するとこれは、単純な費用の問題のようだ。ケーブルの契約をキャンセルしてNetflixHuluPrime Instant Videoなどの会員になるべきではないのか。これら三つ、全部でもよい。毎月、自分が見もしないコンテンツに70ドル払うより、自分が確実に見るものに10ドル弱を払う方が良いではないか。

アンバンドリング(unbundling, バラ売り)—ペイテレビでもデジタルのOTTでも、これが未来のテレビやビデオの究極の姿として盛んに喧伝されている。

単純に一般化して言うと、アンバンドリングはペイテレビの視聴者抱え込みを排除し、今のすべてのペイテレビが会員に課している条件…一部の会員しか見ないコンテンツの費用を全会員が負担すること…を追放する。スポーツ中継のように局にとって制作費用の大きいコンテンツの費用は、この不合理な一律全員的課金制によって賄われている。

表面的には理にかなっているようだが、でもよく考えると、多くの一般庶民の世帯にとって、ブロードバンドによるインターネットアクセスはペイテレビの事業者によって提供されているのだ。〔アメリカの庶民家庭ではケーブルTVが事実上のISPでもある。〕

それらの一般消費者がコードカッターになりたい、もっと正確にはペイテレビカッターになりたいと思ったとしても、OTTコンテンツへの彼らのアクセスは依然として、まさにその同じペイテレビプロバイダの受信料規約に依存することになる。テレビ放送であれデジタルコンテンツであれ、提供サービスの料金やパフォーマンスや機能を“最適化”する動機は、彼らの方にある。〔cord cutting, コードを切る、ケーブルテレビにおさらばすること。 〕

だから問題は、コンテンツへの金の払い方よりもむしろ、コンテンツにアクセスするときの、そのアクセスの仕方に含まれている依存性にある。

ドライブするのは有料コンテンツ、でも道路はペイテレビのもの

最近FCCのTom Wheeler委員長は、 Multichannel Video Programming Distributor(MVPD)(多チャンネルビデオ番組配布企業)の定義を、今のように、放送局とケーブル事業者と衛星によるテレビ提供者に限定せず、インターネットテレビの番組提供者も含めるようにしたい、と提案した。それはブロードバンドネットワーク上の新しい企業が既存(旧定義)のテレビプロバイダと互角に競争できるようにするためだが、その拡張された定義によると、“ブロードバンド上の競争企業が顧客にさまざまなOTTのビデオパッケージを提供するに際して、必ずしもビデオビジネスに参入しなくてもよい”、とされる。インターネットサイト(ないしサービス)が、これまでのインターネット企業のままで、既存のテレビ/ビデオ業界の規制や慣行とは無関係に、ビデオコンテンツを自由に提供してもよい、とされるのだ。

しかし新しいブロードバンド上のコンテンツプロバイダと、デジタル化とビジネスモデルのイノベーションを急ぐ既存のペイテレビ事業者との、二者の競争が始まったとすると、最初から後者には相当な優位性がある。たとえば大手ケーブル企業のComcastは、旧技術(NBCUTime Warner Cable)とデジタル技術(Xfinity、X2、RDK、ThePlatform、FreeWheel)の両方に投資することによって、テレビの未来をヘッジ(両賭け)しようとしている。

しかし実際の問題はコンテンツの不足がインターネットへのアクセスを制約していることではなくて、単純にアクセスそのものだ。AT&Tと合併することになったDirecTVのCEO Michael Whiteがいみじくも言った“うちは誰かほかの人のハイウェイに乗る必要がある”という発言は、有料コンテンツがデジタルアクセスに依存していることを示している。

MVPDの定義を変えよう、拡張しよう、というFCCの提案は、それによって新たにブロードバンド上のコンテンツプロバイダにもドアが開かれると想定しているが、しかし新顔にとって既存のアクセスが足かせになるという事情をFCCは無視している。コンテンツのデジタル化の拡大、その消費の増大、そして4Kなど高精細コンテンツを求めるトレンド、これらが相まってますます多くのバイトが既存のパイプや空中の電波に満ちる。

オバマ大統領が最近発表した声明も、FCCにとっては“オープンでアクセス性の良い、そしてフリー(無料/自由)なインターネットを保護することを上回るような責務はない”と言っている。その提案では、“FCCは通信法第二章(Title II of the Telecommunications Act)に基づいて消費者ブロードバンドサービスの分類定義を変え、また同時に、レートの規制などブロードバンドサービスにとってふさわしくない政策を控える”、となっている。

オバマ氏のこの提案は実質的に、インターネットを公共サービスとして扱うものだ。その提案が述べている4つのルールは、以下のような信条を表現している: 1)帯域制限をしない、2)透明性の増大、3)有料の優先扱い(えこひいき)がない。NetflixとComcastやVerizonとのあいだの、金を払って実現したピアリング措置と並置してこれらの提案を見ると、事態の深刻さがよく分かる。

コンテンツは女王、しかし王は接続性

HBOCBSSonyなどの既存大企業がOTTサービスに乗り出し、また新人たちも台頭する中で、アクセスと接続性をめぐる議論も熾烈になるだろう。HBOのOTTサービスへの進出の発表も、ペイテレビのエコシステムからの完全な決別を意味してはいない。むしろHBOのCEO Richard Pleplerは、同社のOTTサービスは既存のペイテレビとの関係を損なうものではなく、むしろ、ペイテレビが今使っているブロードバンドの有効利用により新たな収益を得ることがねらいだ、と言った。つまり、彼らは収益を求めている。これは、インターネットビジネスが大きな曲がり角に来たことを示している、とぼくは思う。

コード・カッティングは、ディスラプティブなトレンドとして流行語にすらなっているが、むしろ今注目すべきは、アクセスの進化だ。したがって、未来のOTTで重要なのはコンテンツのアンバンドルではなく、消費者にとってのアクセス性だ。そして消費者とアクセスとの関係は、デジタルのビットが、その大部分をペイテレビのエコシステムがコントロールしているパイプの上を、動いていくことに依存している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、テレビ視聴中のセカンドスクリーン行動を調査

Twitterは昨日(米国時間11/26)、一部のユーザーを対象にテレビの視聴者行動調査を行った。調査ではまず年齢、性別を尋ねられ、次に月曜夜にテレビを見たかどうかを聞かれる。

Twitter上のやりとりから判断するに、何かの番組を見たと答えなければ調査はそこで終了する。しかし見たと答えると、NFLフットボールやWWEプロレス、Love & Hip Hop、The Voice、Sleepy Hollowなど、どの番組を見ていたかの質問に移る。この中の1つを選ぶと、今度は番組を見ながら何をしていたかを聞かれる。

番組を見ながら使っていたアプリやウェブサイトに関する質問もあった。この調査は、Twitterウェブサイト、およびAndoid、iOSのアプリから配信され、Tolunaアンケートプラットフォームによる少数の質問リストからなる。デベロッパーのRyan Jonesがアンケートのスクリーンショットを送ってくれた。

Twitterは、ユーザーが視聴中にPinterest、Facebook、Twitter、メール、Instagram、Vine、またはその他のアプリ(ユーザーが記入)を使っていたかどうかに興味が持っている。他に、G-Chat、Snapchat、WhatsApp、テキストメッセージ等の「チャット」アプリという選択肢もある。視聴者が「セカンドスクリーン」で何をしているかに対する興味は、Twitterのように「テレビの友」アプリの座を狙う会社にとっては当然強い関心事だ。つまりテレビを見ながら他にやることがない時にすることだ。

当然ながらTwitterでは、この調査で集めた情報を利用するプロジェクトがいくつも立ち上がっている。最近同社は、‘SEEiT’ボタンでComcastと提携した。ユーザーがTwitterでテレビを制御できるボタンだ。またTwitterは、Nielsenと組んで’Twitter TV Rating’を米国市場向けに作っている。先月最初のレポートが発表され、TVツイートの数が前年から38%増えたこと等、様々なテレビ番組に関する多くのデータが報告された。

本誌は昨晩Twitterに、この調査がNielsenとの契約の一環なのか、内部によるものかを尋ねたが、未だに返答はない。

明らかにTwitterは、人々がテレビを見ながら何をしているかに強い関心を持っている。本誌は同サービスが、テレビをプラットフォームの重要な部分にしようと努力していることを、以前から追跡している。最近アプリがアップデートされテレビのトレンドに関する機能がいくつか加わったが、発見セクションの下に埋もれている。噂では、当初もっと目立せる予定だったが変更されたという。将来このセクションが専用タブになったりタイムラインに表れるようになっても何ら不思議ではない。

調査内容は以下の通り。

画像提供:CCHarmon

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、Comcastとの提携でテレビ視聴率への影響を証明するチャンス

つい先ほどComcastとTwitterは、広範囲にわたる戦略提携を結んだ。番組に関するツイートを読んだユーザーに、チャンネルを合わせさせることが狙いだ。Comcastの番組に関するツイートに表示される、新しい”See It” ボタンの導入によって、視聴者はモバイル端末から直接その場でチャンネルを変えたり録画を予約したりできるようになる。

過去数年間、Twitterはユーザーたちの会話がテレビ番組の興味を引き、数字を動かせることを証明しようと試みてきた。しかし、番組視聴者によるツイートの数と視聴率データの相関は曖昧だ。

8月にNielsenが行ったTwitterの影響調査によると、ツイートの数は調査対象テレビ番組の29%の視聴に「有意な影響」を与えたことがわかった。一方、48%の番組で視聴率の増加がツイート数増加につながった。

しかし、最もツイートされた番組のリストと、視聴率の高い番組のリストを比べると、両者に殆ど重複が見られない

しかし、意外な結果がある ― 両方のリストに載った番組とは? NBCのThe Voiceだ。

これらのすべてが、Comcast-Twitter戦略提携で最初の番組になるのがThe Voiceである理由だろう。巨大メディア企業としては、テクノロジーを使ってより多くの視聴者を長時間引き止めておく方法を知りたいのだ。

この提携によってTwitterユーザーには、Comcast傘下のNBC Universalの番組に関するツイートの横に “See It” ボタンが表示されることになる。クリックすると、Comcastにログイン中のユーザーは、テレビまたはモバイル端末で番組を見るか、録画予約できるページに移動する。

Comcastによると、この提携は、NBC、NBC Sports Network、CNBC、MSNBC、USA、Syfy、Bravo、Oxygen、E!、Esquire Network、およびThe Golf Channel等他のNBC系列会社の参加も視野に入れている。現在試行が予定されている番組は以下の通り。The Voice、The Blacklist、Chicago Fire、The Michael J. Fox Show、Sunday Night Football、Access Hollywook、NHL、Premier Leagu Soccer、Sochi Olympics、Today Show、Psych、およびSuits。

ただし、少なくともスタート当初は、See Itボタンが使えるのはComcast定期購読者で同局の番組を見ているユーザーだけだ。Comcastは、今後他の有料テレビ会社の購読者や、他局の番組を視聴中の自社購読者にもSee Itボタンが使えるよう拡大する計画だ。今はまだ始まったばかりだ。

“See It” で視聴率を上げることだけでなく、ComcastとTwitterは、メディア企業の広告主がTwitterを通じてリーチを広げる方法も検討している。これはTwitterのAmplifyプラットフォームを通じて進行中であり、NBC Universalグループのかなりの部分が対象になるようだ。「放送ネットワーク2社、スペイン語、英語の2ヵ国語、ケーブルネットワーク17社、およびデジタルメディア50社以上」とプレスリリースには書かれている。

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(翻訳:Nob Takahashi)