Twitterがいやがらせ対策ツールをアップデート、暴言対応のレスポンスタイムを短縮

Twitterが今朝(米国時間12/2)リリースした一連のいやがらせ対策(anti-harassment)ツールにより、ユーザはこれまでよりも容易に暴言を通知できるようになり、また加害者のTwitterアカウントをブロックしたり通報する場合の条件が具体的に明示された。

Twitterでスパムを通報するのは比較的簡単だったが、今回の新たなツールではユーザが、なりすましやいやがらせ、それに自殺も含む自損自傷行為も通報できる。さらにユーザは、自分が被害者でなくても、ほかのユーザのためにいやがらせを通報できる。この点は大きな変化だ。

たとえば“いやがらせ”を通報するときの手順はまず、“誰が被害者か”と訊(き)かれるので、“自分”とか“自分以外の人”と答える。次にメニューが出るので、そこから、どんな暴言かを伝える。メニューには、“軽蔑的ないし侮辱的”、“いやがらせをする”、“暴力や肉体的危害で脅す”、などの項目がある。〔訳注: 本稿の日本語訳はツールの日本語化バージョンに基づいていません。〕

Twitterによると、ツールには、よりモバイルフレンドリーな変更が加えられ、また、ユーザが最初に提供すべき情報が少なくなった。さらにまた、ユーザからの暴言の通報に対する対応をより迅速にするための改良が行われた。たとえば、暴力や肉体的危害を含む暴言の報告がリストのいちばん上に来るようにソートされるので、それらへの対応がより早くなる。

[ツイート訳: 今日から暴言的なツイートを知らせる方法の、改良バージョンを展開する。その概要を、下のビデオでご覧ください。]

もうひとつの新しい機能としては、Twitter.comの設定メニューからBlocked Accountsページ(ブロックされたアカウントのページ)へ行けるようになり、そこで自分がこれまでブロックしたアカウントを一覧できる。ここは今後数か月以内に、もっといろんなことができるようにしたい、とTwitterは言っている。

重要と思われるのは、ブロックされたアカウントはこれまで、そのユーザ宛てのツイートやレスが相変わらずできて、しかしそれらを当のユーザが見ることはない、という方式だったのが、これからはブロックされたアカウントがそのユーザのプロフィールを見ることすらできないようになることだ。

これまでは、ブロックされたアカウントはユーザのプロフィールを見れるが、そのユーザをフォローできない、という方式だった。フォローリクエストに対しては、‘あなたはブロックされている’とメッセージが来た。今回の変更では、加害者が暴言の被害者のコンテンツを(引用やリツイートを通じて)見られないことはないし、加害者が単純にログアウトすることもできる。ただし加害者が、誰かが言ってることに対してリアルタイムで応答することは困難になり、したがってTwitter上の憎悪を増幅し続けることも難しい。

今回のTwitterの方針変更は、ブロックの複数回にわたる効果が中心なので、以前のポリシーの復活のようでもある。これまでは、匿名や偽名のアカウントがユーザを暴力やレイプ、殺人、ヘイトスピーチのツイートなどで脅すことが、野放しで許されていた。Twitterのこの暗黒面は、適当な@handleとメールアドレスぐらいで、どんなアカウントでも自由に作れたことに原因がある。この、自由な匿名性により、独裁権力に対して本人性がばれない、というメリットもあったのだが。

ソーシャルネットワークは、暴言対策やユーザ保護に関して、事前対策的でない、いつでも事後対応だ、とよく非難される。今回のTwitterの措置も、これまで何度も“ツイハラ”(Twitter harassment)の通報、とくに女性が被害者となるものがあったから講じられた。たとえばセレブのRobin Williamsの娘Zeldaは、父の死後いやがらせを受けた。それに、#gamergateで、フェミニストの論客Anita SarkeesianやインディーデベロッパのBrianna Wu、Zoe Quinnなどが受けたひどいいやがらせは、有名になりすぎた。

Twitterによると、今回のアップデートは最初は少数のユーザに適用され、その後数週間で全員に展開される。今後はユーザのコントロールがさらに増え、通報の仕組みがさらに改良され、暴言者に対する新たな執行項目が加わる、とも言っているが、それらの詳細は得られていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アプリでソーシャルな共有などいろいろできるスマートヘッドフォーンMuzikが$10Mを調達

オーディオアクセサリのMuzikが、設計に2年を要したという新製品を今日(米国時間11/25)発売する。その、Muzikの耳かけ式スマート(smart, 電脳)ヘッドフォーンは、定価が299ドルで、年末クリスマス商戦を待たずして発売され、しかも同社は営業マーケティングを強化するための資金として1000万ドルの資金を調達した。

何がどこがスマートかというと、ホットキーがいくつかあって、その機能をユーザが指定できる。モーションセンサがあるので、頭の動きを入力として利用できる。製品の初期設定では、今聞いている曲をツイートする、Facebookで共有する、付属アプリのお気に入りリストに曲を保存する、友だちにテキスティングやメールができる。…これらの制御はすべて、右の耳カップにあるボタンで行う。

AndroidとiOS用の同梱アプリMuzik Connectが上記のソフトウェア機能をすべて担当し、またオープンソースで提供しているデベロッパプラットホームもある。ということは、Muzikの公式アプリではなく、デベロッパが勝手に作ったアプリがMuzikのAPIを呼び出して、いろんなことができる。お気に入りへの登録、Rdioでオフラインで再生、などなど。モーションセンサは、ユーザの動きでヘッドフォーンを制御できるので、たとえば、外してどこかに置いたら電源を切って電池を節約、といったこともできる。

本体はアルミ製で、耳カップには形状記憶素材を使っている。お値段はほかのヘッドフォーン並だが、ソーシャル機能というおまけが付く。昨年のCESで発表されたが、すぐには発売せず、1年間磨いてから、次のCES(来年1月)の直前に発売されたのだ。

MuzikのファウンダでCEOのJason Hardiはこう語る: “音楽は大好きだ。人と人を結びつけるし、ストーリーがあるし、逃げる場所にもなるし、貴重な時間を作ることもある。うちのビジョンは、ヘッドフォーンのインテリジェントな設計を通じて音楽体験をより豊かにすること。これまでの1年は、そのことに集中していた”。

ヘッドフォーンとしての機能に不満がなければ、Muzikの持つスマート機能は顧客が手を出す強力な差別化要因になるだろう。Beatsはスタイルで評判になり、セレブが使っているというブランドイメージを作った。若者市場をねらう新人ブランドは、ドラゴンを何頭も倒してからでないと、なかなか注目されない。でもアプリの、デベロッパが自由に利用できるプラットホームがあるMuzikは、今後のアプリ次第で大化けする可能性もある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、公開ツイートを非公開で共有できるダイレクト・メッセージ機能をリリース

今月始め、Analyst’s Dayカンファレンスで、近く予定されている機能とビジネス・モデルのアップデートのプレビューを公開した。そこで紹介された機能の一つに、公開ツイートを特定の相手とだけ共有する「プライベート共有」(Twitterはダイレクト・メッセージと名づけた)があった。先ほどTwitterはこの機能を一般公開した。Twitterによれば「今日のアップデートで、ユーザーはフォロワーの誰とでも非公開でツイートを共有し、議論することができる」という。

デスクトップまたはTweetDeckアプリの場合、 “…More”アイコンをクリック、“Share via Direct Message.”を選択する〔日本版ではこの記事の翻訳時点ではまだ公開されていない〕。iOSまたはAndroidアプリの場合、タイムラインのツイートを長押してオプションを表示し、“Share via Direct Message”を選ぶ。

メッセージを受け取った相手にはプッシュ通知が表示され、メッセージの中に共有ツイートそのものも表示される。

この機能はTwitterの全ユーザーが熱望していたというほど画期的なものではないが、Twitterを離れずに公開ツイートを対象に特定の相手と非公開で会話を続けることができるのは便利な機能には違いない。

モバイルではプライベート・メッセージ・アプリが花盛りだ。多くのアプリが非公開で会話ができる機能を備えるようになっている。一部のアプリではプライバシー保護を一歩進めて、共有されたコンテンツやメッセージが表示後、自動的に削除されるようにしている。Twitterも徐々にではあるがこの方向に機能の追加を進めてきた。まず昨年の冬にDM(ダイレクト・メッセージ)で写真共有を、その後、リンク共有をサポートした。Twitterはそれ以外にもダイレクト・メッセージの機能を「最近の一覧」の追加やアイコンのデザインの改良などこまめにアップデートしてきた。

「Twitterは公開の議論のすばらしいプラットフォームだが、興味ある話題についてのプライベートな会話も簡単にできるようになった」とTwitterの公式ブログは書いている。

このアップデートは今日中にウェブ、モバイルを含めてほぼすべてのプラットフォームに公開される予定だ。デスクトップの場合はTweetDeckに機能が追加される。 ただし、Mac版TweetDeckとTwitterのデスクトップ・アプリのアップデートは少々遅れるようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ついに完全に姿を消した旧来のFoursquare

旧Foursquareがその痕跡を消すこととなった。依然として生き残っていたWindows Phone上でも、ついに新Foursquareにとってかわられることとなったのだ。

今年の夏にFoursquareは、人気のチェックインアプリケーションであったFoursquareを2つのアプリケーションに分割するというアナウンスを行った。すなわちSwarmとFoursquareだ。アナウンスのすぐ後にリリースされたSwarmは、以後、旧Foursquareからチェックイン機能を引き継ぐこととなった。これまでのチェックイン履歴や友だちが訪れた場所なども、こちらのSwarmで管理されることとなった。そしてFoursquareの方はといえば、Yelpと直接的に競合する機能を提供するようになったのだった。これまでに集めたデータに基づいて、近くにあるクールな場所のレコメンドをするアプリケーションとなったのだった。

新しいFoursquareのiOS版とAndroid版は8月にリリースされた。しかしWindows Phone上では、旧版のFoursquareが生き続けてきたのだった。それがついに終わりを迎えた。

つまり、Windows Phone向けにも新しいFoursquareがリリースされたのだ。Windows Phone利用者も、ついにAndroidおよびiOS版の利用者と同じバージョンのアプリケーションが利用できるようになったわけだ。

Foursquareは、また新たなアプリケーションの開発に勤しんでいるが、いずれにせよ昔ながらの青地にチェックマークのあるアイコンは消え去ることとなったわけだ。

これはFoursquareにとって一時代の終わりを意味し、また新しい時代の幕開けを意味するのだろう。これまでのところ、Foursquareのレコメンド機能は好意的に受け入れられているようだ。自らのアクティビティと、そして友人の行動に基づいたレコメンデーションは、確かに有効であると受け入れられているようだ。

Windows Phone版のFoursquareに興味をお持ちの方は、Foursquareのブログ記事をご覧いただくと良いだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、グループ用スタンドアローン・アプリをリリース―速くて強力、「おすすめ」機能も

7億人が毎月Facebookグループを利用しているという。しかしこれまでFacebookグループのモバイル体験はトップクラスとはいえなかった。メイン・アプリの奥の方に隠れていて、反応も遅い。そこで今日(米国時間11/18)、FacebookはスタンドアローンのGroupsアプリをローンチした。このアプリにはグループの管理、通知はもちろん、強力なグループ発見機能もある。Groupsアプリの利用は任意で、グループ機能はFacebookのメインアプリにそのまま残される。Facebookが全面切り替えを急ぐ様子はない。

GroupsアプリiOS版Android版ともにすでに公開されている〔日本語版も公開ずみ〕。メンバーが増えるなどして混乱状態になっているグループの管理者には大きな朗報だ。家族や親しい仲間のグループから研究会やアプリのサポートまであらゆるグループの利用と管理が大幅に効率化される。使いやすく、デザインはシンプルで明るい。グループ専用アプリなので、うっかり想定外の相手に公開してしまうという心配なしに情報の共有ができるのも安心だ。

Groupsアプリのプロジェクト・マネージャー、Shirley Sunは「こういうアプリはまだ誰も手がけていなかったはず。ユニークなアプリだと思う」と語った。

YahooとGoogleはグループ・メール分野では圧倒的な強みを誇っているが、適切な相手をすばやく選んでグループを作り、写真やビデオなど多様なコンテンツを簡単に共有できる主要なサービスといえばやはりFacebookグループ以外ない。またFacebookは近くリリースされているという噂の“Facebook At Work”などエンタープライズ向けプロダクトにも力を入れている。Groupsアプリは企業内コミュニケーション・ネットワークとしてSlackやYammerの強力なライバルになりそうだ。

Facebook Group Promo Video

グループにスポットライトを当てる

1年ほど前に、Facebook本社で開催されたMobile Dev Dayカンファレンスで私がマーク・ザッカーバーグをインタビューしたとき、彼はその予告ともいえる発言をしていた。 「グループのような機能はどうしてもメインのアプリでは二級市民的扱いになってしまう。メッセンジャーもそうだ。こうした機能が潜在的能力をフルに発揮できるようにするには将来アプリはもっと専門化していけねばならないと思う」と語っていた。

Facebookは2011年にスタンドアローンのメッセンジャー・アプリをリリースしているが、その他の機能についてはメイン・アプリのメニューの奥に隠されたままの状態が続いてきた。

グループがFacebookに追加されたのは2005年と非常に古い。当初は学生がパーティーの参加者募集に使うぐらいだった。しかし2010年にグループがアップデートされ、ニュースフィードが独立して、特定の相手とだけコミュニケーションするツールとなった。しかし、モバイル版での利用はやはり低調だった。

Facebookがグループのスタンドアローン化に取り組み始めたのは今年の2月だという。私の取材に対してSunは「グループ・チームはずっと前からスタンドアローン・アプリを考えていたが、モバイル化の進展と共にその必要性が急激に高まった」と語った。現在、Facebookユーザーのうち4億5600万人が「モバイルのみ」だ。そこでメッセンジャーに次いでグループについてもスタンドアローン・アプリの開発が決断された。

スタンドアローン・アプリの新機能

スタンドアローン・アプリではデザインが使いやすくなり、高速化されているが、基本的にはグループの機能には変化はない。

ただし、グループ・アプリには新しく「おすすめのグループ」というセクションが設けられている。これはユーザーが過去に「いいね!」したグループ、ユーザーが参加しているグループに似たグループ、ユーザーの住む地域のグループなどを紹介、推薦するものだ。

当面、Facebookにはこのアプリを収益化する計画はない。Facebookはニュースフィードの広告で十分な売上を得ている。ただし、将来はグループの通販への利用をビジネス化する可能性はある。

たとえば、インド洋に浮かぶ島国家のモーリシャスでは全人口の4分の1にあたる25万人がひとつのFacebookグループに参加しており、このグループはCraigslistのような汎用案内広告として機能している。このグループを運営している会社は購入ボタン を設置しており、クレジットカードを登録してあるユーザーはその場で買い物ができるようになっている。これは将来、ピア・ツー・ピアの個人間売買のプラットフォームに成長する可能性があるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ウチは出会い系ではありません――デートアプリTinderの美人役員が語る

スタートアップに関する日本最大規模のイベント「TechCrunch Tokyo 2014」。初日となる11月18日の「ファイヤサイド・チャット」に登壇したのはオンラインデートアプリ「Tinder」を開発するベンチャー、TinderのVice PresidentであるRosette Pambakian氏だ。

自らを「出会い系サービスではなく社会的なつながりを作り出すサービス」とし、現在世界各国に3000万ユーザーを抱えるTinder。モデレーターを務めるTechCrunch Senior EditorのRyan Lawler氏が、サービス利用のコツからその世界観、さらには未来像までを聞いた。

異性ウケを狙うなら「趣味を楽しんでいる写真」がベスト

2012年にアメリカで誕生したTinder。アプリとFacebookアカウントとを連携するだけでサービスの登録は完了する。あとは位置情報を利用して現在地付近にいる異性とマッチングし、メッセージなどを通じて仲良くなれば、デートにつなげることができるサービスだ。

サービスの仕組みやユーザーインターフェースはユニークで、アプリに表示された異性を「いいな」と感じた場合は右にスワイプし、「残念ながらパスしたい」と感じた場合は左にスワイプするというもの。スワイプする度に他の異性が次々に表示され、ゲーム感覚で好みの異性を探すことができる。

プロフィールに写真を複数枚登録している人が大半だが、トップに表示される写真が勝負の分かれ目になる。これほど写真が重要視されるサービスはない。「異性とのマッチング率が高い写真に共通するのは、その人の個性や性格が一目で伝わりやすいもの。たとえばサーフィンやロッククライミング、ヨガなど、趣味を楽しんでいる最中の写真は好感を持たれやすい」とRosette氏は話す。

とはいえ「外見がすべて」というわけでもない。Facebookアカウントの情報をもとに、相手との共通の友人や趣味なども表示されるため、共通項にピンと来た相手から気に入られる可能性もある。ただし「両思い」にならないと、アプリ上で連絡を取り合うことはできない。

これについてRosette氏は「近年FacebookやTwitterなどのSNSは普及したが、Tinderのようなデートアプリはこれまでほとんどなかった。既存のSNSでは知らないユーザー同士、お互いに興味があっても、つながりを持つことは難しく、デートアプリの存在意義を感じていた」と振り返り、さらにこう続けた。

「ハラスメントが起きるのは避けたかった。となると、気に入った相手同士でチャットをするほうが、男女ともに安心して快適に使うことができる」(Rosette氏)

リアルと同じく、女性のほうが好みがうるさい

しかし、Ryan氏は「そもそも知らない相手同士が個人的に会うことに抵抗を感じないのか?」と根本的な疑問を口にする。これに対しRosette氏は、わかりやすい例を挙げて説明した。

「たとえばコーヒーショップでくつろいでいるとき、知らない人から突然声をかけられると『怖い』と感じる人が多いはず。Tinderではスワイプしながら気に入った相手を選び、まずはチャットから始めて、気軽に出会えるのが特徴。リアルの場でのように、いきなり声をかけて拒絶される恐怖感もなく、多くのユーザーがライトな社交を楽しんでいる」

続いて「男性と女性それぞれの使い方で、顕著な違いはあるのか?」と尋ねたRyan氏に対し、Rosette氏から興味深い回答が飛び出した。

「現実社会と同じく女性ユーザーのほうが好みがうるさいと感じる(笑)。男性ユーザーに比べると左にスワイプしてパスする率が驚くほど高いほか、閲覧時間が長い。1日の平均利用時間は男女あわせて77分との結果が出ているが、セッションごとに集計すると女性は約8分半、男性は約7分半となった。またマッチングした人のうち、60%がチャットに発展しているが、女性からメッセージを送るケースは少なく、男性から送ることが大半だ」とRosette氏。ネットを通じた出会いとはいえ、リアルでの出会いや恋愛シーンを重なる部分は少なくないことがわかる。

では実際に、どのような目的で、どのように使われているケースが多いのか。もちろんデートアプリと銘打っているように、恋人探しに使う人が大半だろうが、他の使い方もあるのだろうか。

「短期または長期的な関係に発展する出会いを求めるユーザーもいるが、社会的な出会いを求めて使っているユーザーが多い。たとえば出張先でビジネス目的で使う人、旅先で友達を見つけるのに使う人も少なくない」とRosette氏。Tinderユーザーがいる国で使えば、何らかの出会いにつなげることができるのだ。

自分のニーズに合った使い方を楽しんで

さまざまな形での出会いを提供するTinder。しかしRyan氏は「(ネガティブな意味での)『出会い系』ではないと説明しても、今の説明を聞くと、捉え方によっては出会い系として見られることもありそうだ」と指摘する。

これに対しRosette氏は、「私たち自身は“つながりを生み出す”ためにTinderを運営しているが、どう使うかはユーザー次第で、私たちからどう使うべきかは伝えていない。長期的な関係性になるパートナーや恋人探しをするもよし、友達を探すもよし、ビジネス上のつながりを構築するもよし。とにかく、まずはつながってみては、とだけお伝えしている」と分別を持った大人が、自己責任で使うことを強調する。

現在Tinderでは毎日約4000万ものマッチングが見られ、Rosette氏の元にはユーザーからの感謝の声が数多く寄せられているという。「人生が変わった」「友達ができた」「出会った相手と結婚した」など報告内容はさまざまで、結婚式に招かれることもあると話す。

今後の展開については、「2015年にはインドやインドネシア、トルコなどをはじめとする新たな国への進出を目指している。日本のようにスマホ市場が伸びている国々を狙っている」とサービス拡大のため、引き続き海外展開に注力すると宣言した。

さらに、11月6日にリリースされたばかりの有料版「Tinder Plus」にも注力すると語った。「ユーザーからリクエストの多かった機能を搭載したのがTinder Plusだ。たとえば『undo』機能では一度パスしてしまった相手を、必要であれば再度見られるようにしている。もうひとつの目玉『パスポート』機能を使うと、現在地以外のロケーションにいる人とも出会える。たとえば東京から出張でロサンゼルスに行く場合、東京にいる間にロサンゼルスの人をチェックし、出会いにつなげることができる」(Rosette氏)

多種多様なニーズの出会いを楽しめるTinder。大人のライトな社交場、といったところだろうか。日本でも確実にユーザーが増えているが、デートアプリ文化を創る主要アプリとなるか――今後の展開に注目したい。


女性利用者の多かったPinterest、男性利用者が急増中

Pinterestを利用する男性が増えているらしい。面白そうな小物やレシピ、可愛らしい洋服などの写真が多く掲載されていて、これまで女性利用者が多数を占めてきた。70%が女性であるとか、あるいは80%ほどにもなるのだというレポートもあた。しかしPinterestが公表したところによると、最近は男性利用者の伸びが女性を上回っているのだそうだ。サインアップする利用者数でみると、男性が3分の1を占めるまでになっているのだとのこと。

さらに、Pinterestの発表によれば昨年1年間でアクティブな男性利用者数は倍増したのだとのことだ。いつものように、アクティブ利用者の実数についての発表はなかったが、comScoreの推計とあわせて考えてみても良いだろう。comScoreのデータによると、Pinterestの月間アクティブ利用者数は7000万であるとのことだ。

ともかくPinterestは、アメリカ国内におけるPinterestの男性利用者数はSports IllustratedとGQの読者を併せた数よりも多いのだとアナウンスしている。どうやらPinterestでは、男性利用者数も大きな割合を占めることになりつつあるようだ。

さらに、アメリカ国外でPinterestがマーケットを広げつつある国では、男女の割合が均衡する傾向もあるらしい。たとえばインド、韓国、および日本では、男性利用者数の割合が50%にのぼっているらしい。

この数値は今週サンフランシスコで開かれた開発者向けイベントで発表されたものだ。但し、この発表には以前と同じデータも含まれていた。たとえばPinterestには300億のpinが存在すると言っているが、これは4月の数値をそのまま使っているようだ。四半期毎に25%の成長を遂げているというのだから、4月時点と同じ数字ということはないだろう。Pinterestの成長が滞って利用者が伸びていないということではなく、どうやらPinterestには最新の数字を外部と共有しようという意識が低いようだ。

サイトには毎秒12万以上のリクエストがあり、日々20テラバイトのデータを扱っているという話も出てきていた。そしてそのうちの75%がモバイルとの間に生じるものだとのこと。そういえば以前にも、リクエストの75%はアプリケーション経由であるという話があった。

データの紹介と同時にアナウンスされたのだったが、半年前にリリースされた検索機能も、うまく機能しているようだ。以前に比べて検索頻度は25%も伸びているらしい。さまざまなプロダクトなどを探す検索エンジンの機能(ショッピング用Google?)も包含しようとするPinterestにとっては、良い数値が出てきているようだ。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、友達に感謝の意を表すパーソナルビデオ作成サービス “Say Thanks” を公開


Facebookは、もっと多くのユーザーが同サービス上でビデオの作成や共有をしてほしいと思っているに違いない。今日(米国時間11/12)Facebookは新しいツール、”Say Thanks“を発表した。ユーザーは用意されたテーマに自分の投稿や写真を組み合わせることによって、パーソナライズされたビデオメッセージを作ることができる。出来あがったビデオは自分や友達のタイムラインで簡単にシェアできる ― 少々悪趣味かもしれないが。

ビデオを作るには、まずfacebook.com/thanksへ行く(注:順次公開されているのでリンクが切れている場合は後ほどお試しを)。次に友達を選び、「その友達をよく表している」投稿と写真を指定する、とFacebookが新ツールを発表したブログ記事に書かれている。

使い心地は、どことなくFlipagramを思い出させる。写真を集めて作った短いビデオをSNSでシェアできるモバイルアプリだ。Flipagramは2013年のホリデーシーズンにApple App Storeのトップになったことがあり、それはユーザーがInstagramの写真からビデオを作れる“Year in Review”という便利な機能のおかげだった(その後まもなく同社は評価額3億ドルで数千万ドルを調達したと言われている)。

Facebookは、Onavoの買収を通じてモバイルで何が人気かのデータを手に入れ、Flipagramの可能性を見て同様の試みをしようと考えたのかもしれない。ただし、”Year in Review”[一年を振り返る]ではなく、”Thanks” ビデオを公開した ― もちろん米国のサンクスギビングの直前に。

ビデオが出来上がったら、「動画をシェア」ボタンを押して自分のタイムラインに表示して、友達をタグ付けすることができる。自分のメッセージを書き加えることもできる。

Facebookはこのサービスを今日、デスクトップおよびモバイルで公開し、言語は英語、フランス語、ドイツ語、インドネシア語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、およびトルコ語に対応している、と言っている。
【日本版注:ツールは日本語化されているが、ビデオ内のメッセージは英語(2014/11/13現在)】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


自己消滅メッセージに、アニメーション機能を追加して世に問うBoop

Snapchatの登場によって広まった、自己消滅型のメッセージアプリケーションはいろいろなものが登場してきている。バリエーションもそろそろ尽きるだろうと思われる中、インターネットでの「忘れられる権利」との絡みもあり、まだまだ新しいものが登場してくるようだ。

たとえば少し前にはTapkastの記事を掲載した。これは誕生当時のTwitterが目的としていたように、友人たちにステータスアップデートのメッセージを送ることを目的としたものだ。ステータスアップデートは所定の時間が過ぎれば消えてしまう。

そして今回紹介するのはBoopだ。自己消滅アプリケーションに、ちょっと面白い仕組みを組み込んだものだと言えるのではないだろうか。iOS版Android版があるのだが、メッセージがアニメーション形式で表示されるのだ。文章を表示する際、1語ずつ画面に表示されるのだ(絵文字にも対応)。1語ずつ表示するという仕組みも、さらにスクリーンキャプチャがしにくいといった側面も、ともに「自己消滅型」っぽさをアピールする仕掛けだと言えるのではなかろうか。

(訳注:日本語の場合、スペースで区切ると区切り毎にメッセージが表示されるようになります。そしてこのワンワード毎に表示するスタイルは、なかなか面白くも感じます)

「自己消滅型メッセージサービスにはいろいろな魅力があって、まだまだ利用者にアピールできるところがあると考えているのです」と、Boopの共同クリエーターであるDave Ganlyは言っている。「シンプルな使い方でありながら、これまでにはない特徴を備えたプライベートなメッセージングアプリケーションを生み出したかったのです。コミュニケーションに新たな面白さを投入できたのではないかと思うのです」。

確かに、Boopは遊び心を感じさせてくれる。

ちなみに、筆者はこのBoopを通じてGanlyにインタビューをしてみた。画面上を文字がどんどん流れていってしまい、全部を覚えておくなどということはとてもできなかった。しかし後で気づいたのだが、実はアニメーション速度はセットできるらしい。将来的には電話番号と利用者名をリンクして、スマートフォンに保存しているアドレス帳に基づいた友達設定などもできるようにするつもりであるようだ。

「テキスト版スナップチャットというイメージでとらえてもらって間違いはないかと思います。スナップチャットが本家とも言うべき存在ですが、Boopもオリジナルな機能を付け加えています」とGanlyは述べている。「自己消滅型という面では同じ機能を持つわけですが、アニメーションを導入して、若者に一層フォーカスしたスタンスをアピールしているのです」。

(Update:同様の機能を持つものにHumbugがあるようだ)

Boopは無料アプリケーションで、とくに収益の仕組みなどが寝られているわけではない。Ganlyにとっても、「面白そうなことの実験」をしてみようとしたレベルのものであはあるようだ。しかし開発母体は十分な体力を備えているようではある(以前にも実験的アプリケーションとして、ミームジェネレーターのYarrlyをリリースしたりもしている。

Boopにどれほどの注目が集まるものなのかどうかについてはまだわからない。しかしAPIも準備中であり、ベータ段階に近いレベルにあるとのことだ。APIを実装することで、天気をBoopしたり、Apple StoreでのiPhoneの在庫状況チェックなどにも使えるようになるだろう。「当初より絵文字には対応しています。これに加えてステッカーなどのスポンサード・ブープなども使えるように準備しているのです」とのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、ページの投稿をひとまとめに表示する機能を導入

〔この記事の筆者はTravis Bernard〕

われわれはついついFacebookのページを次々に「いいね!」してしまう。そこでFacebookは対策を考えねばならなくなった。つまり、われわれは50種類」のページに「いいね!」していてもそれらのページを始終訪問したり、投稿にコメントしたりするわけではない。もちろんFacebookはそのことに気づいていた。そこでFacebookは一部のページで複数の投稿を「まとめ(bundle)表示」するようにした。

あるページからの投稿が「まとめ表示」されるかどうかはユーザーがそのページとどう関わってきたかで決定される。ページからの投稿に頻繁に「いいね!」したり共有したりして関与している場合、投稿は「まとめ表示」にならない。ページにあまり関与していない場合、「まとめ表示」になる可能性が高くなる。要するにそのページを単に見ているだけか、積極的に関与しているファンであるかの違いだ。

「まとめ表示」の例はこんな具合だ。一番上に「アップデートが3つ」あると表示され、一番下に「すべて見る」というリンクが配置されている。


表示アルゴリズムのこの変更はユーザーがもっとも興味をもつであろう投稿を優先表示させようとするFacebookの努力の一環だ。アイディアは理にかなっている。ところが実際の動作には不審な点がある。私のニュースフィードで「まとめ表示」になったページにはTechCrunch とNFLのBaltimore Ravensが含まれていた。どちらも私が一番頻繁に関与しているページだ。この2つのページが「まとめ表示」になってしまうのは明らかにおかしい。XLR8RThis is Colossal,も私が頻繁に関与するページだが、こちらは「まとめ表示」にならず通常のフォーマットで表示されている。

ニュースフィードで興味ある投稿を目立たせるために「まとめ表示」はよい仕組みだと思うが、実装にはまだ問題が残っている。Facebookはアルゴリズムを改良する必要がありそうだ。

ページの投稿が「まとめ表示」されると、トップの投稿以外は「すべて見る」の向こうに追いやられるのでユーザーへの露出が減る。通販や広告収入をあてにするページの場合、ビジネスがダメージを受ける可能性がある。しかし、まったく表示されないより「まとめ表示」であっても表示された方がいいと考えるべきだろう。ユーザー関与があまり活発でないページの場合、むしろユーザー参加を促す効果があるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ザッカーバーグに質問してみよう―11月7日19時からFacebookが初の「コミュニティーQ&A」を公開

13億5000万人のユーザーの一人であるかどうかに関わりなく、Facebookに質問してみたい人間は多いだろう。FacebookはRedditの人気イベント、「なんでも聞いてね(Ask Me Anything)」セッションにヒントを得たのだろうが、CEOのMark Zuckerbergが自らカスタマー・サポート役を買って出て質問に答えることになった。Facebook初の“Community Q&A”は11月6日に実施される。

1時間のイベントの模様は“Q&A With Mark”というFacebookページ上でライブストリーミングされる。ザッカーバーグによればこのセッションは「金曜日に社員を集めてQ&Aミーティングをしている。全社員が参加でき、どんな質問でもできる」 というFacebookの昔からの伝統を拡大したものだという。

質問は ザッカーバーグの投稿のコメントとして投稿する。あるいは賛同する質問が投稿されていれば「いいね!」を押して投票してもよい。現在トップにランクされている質問には次のようなものがある。

  • Joshua Murphy将来、ソーシャル・ネットワークや道路、医療などの社会インフラで人工知能がどんな役割を果たすと思いますか? 途上国と先進国でそれぞれどんな影響があるでしょう?.
  • Calum James – Facebook社内で開発されたけれど結局公開されなかった機能の中でお気に入りは?
  • HaLe MeRonFacebookメッセンジャーを別アプリにした理由は何ですか?
  • Abdulla Sadequeインスタグラムはキログラムに換算するとどのくらい?

ご覧のとおり質問は真面目なものからばかばかしいジョークまで多岐にわたっている。セッションは11月6日午後2時〔日本時間:11月7日(金)午後7時〕から始まる。

このQ&Aセッションは「巨大な顧客ベースを持つ企業のCEOは公衆に対してどんな責任を追うべきか?」という興味ふかい問題を提起する。 証券取引委員会は公開企業が投資家に対してどんな説明責任を負うかを定めている。ザッカーバーグはFacebookをある種の公共インフラと考えているようだが、そうであれば彼は公衆に幅広い説明責任を負っているのではないだろうか?

というのは私はこういう疑問を抱いているからだ。1年ほど前、FacebookのCFOが四半期決算の電話記者会見で、Facebookではアメリカのティーンエージャーの利用度が少し減っていると述べたところ、Facebookの株価が即座に急落したことがあった。するとFacebookはそれ以後、ティーンの利用度について情報を出すことを拒むようになった。一方でサードパーティーの調査によると、アメリカのティーンのFacebook離れが進んでいるようだ。

そこで私の投稿した質問はこうだ。「昨年以来、アメリカのティーンエージャーのFacebook利用度は落ちているのか? 落ちているという調査結果をどう思うか?」

ぜひザッカーバーグの答えが聞きたいと思っている。この質問に「いいね!」を押して投票していただければうれしい

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ソーシャルメディアからのトラフィックでFacebookが断然トップ―TwitterはPinterestに次いで3位

前四半期ではTwitterは売上、ユーザー増ともに予想を上回る結果で市場を驚かせたが、今日(米国時間10/27)発表される予定の第3四半期の決算で同じように好調を維持できるか注目が集まっている。しかしTwitteは単に今日のランチや通勤ラッシュについてツイートするだけの場ではなく、リンクをクリックしてニュースを読んだり、商品を買ったり、リンクを再共有したりするプラットフォームとなることをビジネスの目標としている。

このソーシャルメディアの参照トラフィックのシェアからすると、Shareaholicが公開した統計はTwitterにとって懸念を抱かせるものだ。Twitterの共有トラフィックのシェアは相対的に低下していることが判明した。

ボストンのソーシャルメディア調査会社、Shareaholicによれば、Facebookが全ソーシャルメディアの参照トラフィックの22%強、つまり約5分1のシェアを占めて1位であり、昨年に比べて116%と2倍以上に増加していることがわかった。参照トラフィックに関してはFacebookが揺るぎない王者だ。堅実だが、大きく引き離された2位はPinterestで、5.5%を占め、昨年に比べて50%の増加だった。そしてTwitterはさらにかけ離れた3位にとどまった。シェアは25%ダウンして0.88%と1%を切った。

Shareaholicによれば、このレポートは20万のウェブサイトにおける2億5000万のユニーク訪問者を調査したものだという。.

StumbleUpon、Reddit、Google+、YouTube、LinkedInなどTwitter以下のソーシャル参照トラフィックのシェアはますます小さな数字となる。 Shareaholicは「大半のウェブサイト運営者、マーケティング担当者にとって、トップ3以外のソーシャル・ネットワークは考慮する必要がほとんどない。 下位5種のソーシャル・ネットワークの参照トラフィックを合計しても全体の0.74%にしかならず、これは3位のTwitterからの参照トラフィックにも及ばない」と書いている。

しかしこの状況は裏返せば、ソーシャルメディアにはまだまだ新たな成長の可能性が残されているということでもある。トップ8種のトラフィックの合計が29.49%ということは、残りの70%は極めて長い裾野をひきずるロングテールの世界だということを意味する。ただし昨年はトップ8種のシェア合計は16.44%だったから、寡占化の動きが進んでいることは見てとれる。

Shareaholicのデータを検討すると、Twitterのシェア減少は、「大きいものがさらに大きくなり、小さいものがさらに小さくなる」という全体的なトレンドの一部であることが分かる。

この場合、Facebookがその「大きいもの」だ。ShareaholicのDanny Wongはわれわれの取材に対して「Shareholicが調査を始めて以来、Facebookがトップの座を明け渡したことは一度もない。しかもFacebookはニュースフィードを表示するアルゴリズムの改良、ビデオその他のコンテンツの導入などによってますますユーザーのエンゲージメントを高め、シェアを伸ばしてきた」と語った。

FacebookとPinterest以外のソーシャル・ネットワークで例外的にシェアを伸ばしたのはGoogle+(57%アップ)だけだが、シェア自体は0.07%と顕微鏡的だ。

Googleが検索結果の表示でGoogle+を優先扱いしているという不満も一部から聞かれる。それが事実ならGoogle+の成長原因の一部となっているのかもしれない。

このトラフィック・シェアの低下は、いち早くニュースを伝えるメディアプラットフォームとして自らを確立しようとするTwitterの努力に対して冷水を浴びせるものだ。

Guradianは新しいニュース記事に対するトラフィックの流入元としてソーシャルメディア中でTwitterが1位だと発表している。しかしShareaholicの統計をみるかぎり、これは例外的な現象のようだ。もうひとつ興味深いのはPinterestがFacebookより規模は小さいものの同様の成長傾向を示している点だ

Shareaholicの最近の数字を見ると、6月から9月にかけての4ヶ月ではGoogle+とLinkedInだけが増加傾向を示している。 Wongによれば「この時期は全体的に(夏休みなどの)季節要因でトラフィックの減少がみられる」という。これが不規則な結果を生んだのかもしれない。

画像: Flickr

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Twitpic、Twitterとの合意により(とりあえず)コンテンツは継続へ

いろいろな噂に困惑した人も多かったTwitpic問題だが、最後に多少なりとも明るいニュースで締めくくることとなった。Twitter側との合意により、既存の写真およびリンクは使い続けられることになったようだ。ドメインおよびデータはTwitterの管理下に移る。

もちろん、これはTwitpicが存続するという話ではない。さらにTwitpicに新しく写真などを投稿したりすることはできない。簡単にいえばリードオンリー・モードに移行するわけだ。App StoreおよびGoogle Playに登録されていたアプリケーションは、取り下げられることとなる。これまで利用していた人は、ログインしてコンテンツを削除したり、あるいはアカウント自体を取り消したりすることはできる。また、データをエクスポートすることもできる。

今回のTwitpic騒動が始まったのは9月のことだった。Twitpicのファウンダー兼CEOであったNoah Everettが、Twitterからの商標関連のクレームがきて、TwitterのAPIが利用不能となるためにサービスを停止するとアナウンスしたのだった。

「Twitpicは2008年から稼働しており、商標についても2009年にUSPTO(特許商標局)に対して申請を行なっています。そのような状況の中で受け取った停止要請には大いに驚いています」と述べていた。

しかしその直後、どうやらTwitpicは買収され、サービスも継続されることになりそうだとの噂が流れた。しかしこれも結局Everett自身が買収による存続を断念した旨をアナウンスして決着することとなった。

とても気が重いことですが、サービスの停止をアナウンスしなければならなくなりました。停止日は10月25日です。買収提案がいくつかあったのですが、いずれとも話をまとめることができませんでした。ほぼ話がまとまったように見えたときもありましたが(その旨をツイートしてしまいました)、しかし条件面で合意できなかったのです。

この話にはしかし続きがあり、本日もTwitpicのブログが更新された。内容は以下に掲載している。Everett自身がTwitterからTwitpicの管理を行うといわけではなく、Twitpicの運営からは完全に離れるということのようだ。

「ハッピーエンド」というわけではなかったろう。しかしいずれにせよTwitpicの戦いには、本日、幕が引かれた。

長い間Twitpicを使ってきて頂いて本当にありがとうございます。最後になって、いろいろとお騒がせしたことをお詫びいたします。ご覧の通り、ばたばたな幕引きということになりました。

結局、Twitpicのサービスを続ける道を見出すことはできませんでした。但し、Twitter側との合意により、TwitpicのドメインおよびデータをTwitterが継続管理することとなりました。すなわち投稿して頂いた写真などは、今後も生き残ることとなったわけです。データの継続性という利用者のメリットについて、Twitter側も認めてくれたわけです。多くの人に利用していただいていたサービスであっただけに、今回の合意はもちろんTwitter側にもメリットがあるものであると思っています。

混乱のないようにまとめておきます。

  • Twitpicに、新しく写真などを投稿することはできなくなります(リードオンリー状態になるわけです)。
  • iOSおよびAndroidアプリケーションは、アプリケーションストアから削除されます。また今後のサポートも行われません。
  • 利用者の方はログインしてデータやアカウントを削除することもできます。
  • データをエクスポートしてダウンロードすることもできます。

ともかく、Twitpicはこれで終了です。Twitpicをご利用いただいた方には、繰り返し感謝申し上げます。本当に、長らくのご愛顧、ありがとうございました。

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(翻訳:Maeda, H


360度閲覧可能な3D写真を写す、3DAroundが間もなく登場

Eコマースサイトや、あるいは映画マトリックスなどでみた、ぐるぐると回転させて見ることのできる写真をスマートフォンで簡単に撮れたら楽しそうだと感じる人は多いだろう。そうした人に朗報だ。1ヶ月ほどの後、Dacudaより3DAroundカメラというアプリケーションが登場するらしいのだ。使い方は簡単で、スマートフォンないしタブレットで、撮影対象の周りを移動しながら撮影するだけで良い。アプリケーションにて、撮影した写真をまとめて3Dイメージを生成し、そして念願のぐるぐる回しができるようになる。

ちなみにDacudaについては、Kickstarterにて展開したPocketScanキャンペーンを覚えている人も多いかもしれない(TC日本語版の記事はこちら)。持ち運び可能で、かつ高機能であるスキャナを提供したいとするプロジェクトだった。今やDacudaは25人の従業員と5年の経験を誇る企業に成長している。そして360度展開可能な写真を撮影することで、どのアングルから写すべきかという悩みを消し去るプロダクトをリリースしようとしているのだ。これが普及すれば、(退屈な?)フード写真が魅力的になることもあるかもしれない。

「AppleがカメラAPIをオープンにしたことも、私たちにとっては追い風なのです」とDacudaのファウンダー兼CTOであるDr. Alexander Ilicは言っている。「私たちのプロダクトを実現するには、露出時間、フォーカスなどについて、ローレベルなところにアクセスする必要があります。まさにiOS 8にて可能となった機能をフルに使っているのです」とのことだ。


 

プロダクトを思いついたのは、フードブロガーの振る舞いを見ているときなのだそうだ。何枚を写真を撮って、そのうちのどれが良いかを悩んでいる姿に疑問を感じたらしい。そのときに「すべての角度から撮影してみれば良いのに」と考えたのだそうだ。アイデアを実現しようとすれば、3Dセンサーを搭載したカメラが必要であろうと考えた。しかし新しいiPhoneのスペックをみるにつけ、ソフトウェアでなんとかなるのではないかと考えたのだそうだ。そして実現してみたのが3DAroundであるというわけだ。

3DAroundはそもそもMIT卒業生たちを巻き込んで、ETH Zurichからのスピンオフとして始めたプロジェクトだった。Wellington Partners、Swiss銀行系Schwyzer KantonalbankおよびオーストリアのアントレプレナーであるHans-Peter Metzlerなどが出資している。

3DAroundは連写することにより360度ビューで利用できる画像を取捨選択するしくみとなっている。生成された写真はアプリケーション内から確認することもできるし、ChromeなどのWebGL対応のブラウザで見てみることもできる。出力した写真はFacebookやTwitter、あるいはPinterestなどでシェアすることもできる。

アプリケーションは、iPhone 5以上対応として来月リリース予定になっている。HTC EVOは3D写真用の2連カメラを搭載していたりもするが、3DAroundはハードウェア的な拡張をせずとも3Dを楽しめるようになっている。正式リリースとなった暁には、改めてレビューしたいと考えている。

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(翻訳:Maeda, H


Elloが$5.5Mを調達、公益法人として登記し、広告なし+データを売らないを義務化

先月になって突然急に大ブレイクした、広告のないソーシャルネットワークEllo.coが550万ドルのベンチャー資金を調達し、また、同社は今後も(買収された場合でも)広告およびユーザデータを売ることを収入源にしない、という法的制約を自らに課した。

すなわち同社は(会社登記料の安い)デラウェア州でPublic Benefit Corporation(公益法人)としての登記を行った。合衆国の法律では、公益法人の投資者はそれに対して、広告を表示したり、データを売ったり、またこれらの条件に違反するであろう買い手に会社を売ることを要求できない。

ElloのCEO Paul Budnitzによると、彼は今のインターネットが“巨大なビルボード”になってしまっていることに対する批判としてElloを作った。Elloには偽名(芸名など)でアカウントを作ってもよいが、市民としての一般常識に反した会員は破門される。

残念ながら、本誌のSarah Buhrも書いているように(以下に部分引用)、同社は早すぎた成功の犠牲者かもしれない:

[注: Elloへの参加は既存ユーザからの招待のみ。]

ベータだから完璧を期待すべきではないが、このところの招待ユーザ数の急増を見ると、ほとんど一般公開になったのと等しい。これだけの急拡大は、むしろ悲劇だ。提供している機能はなかなかクールだが、どれもまだ完成度が低い。

これだけユーザ数が増えると、検索機能が重要だが、ElloのUIは出来が悪くて、それがなかなか見つからない。やっと見つけても、その検索機能は使い物にならない。たくさんの人を紹介してくれるのだが、“なぜこの人たちを?”という文脈が全然分からない。友だちを(Elloの登録名)で探しても、見つからない。

Alexaのトラフィック統計(概略だが一応の参考にはなる)を見ても、Elloのトラフィックは9月の急増期に比べると落ち込んでいる。

でも9月には1時間に40000という、ものすごい数の招待リクエストだったから、投資家たち(Foundry Group、Techstars Bullet Time Ventures、FreshTracks Capital)もElloを無視できなくなった。

広告のないことが今や法的義務になってしまった同社は、個人化機能などのちょっとしたサービスを有料にすることで売上を得たい、としている。AppleのApp Storeを真似たそのためのオンラインストアを作るそうだ。

Elloに投資しているSeth Levineはブログの記事で、広告を載せないしユーザデータを売らないことを義務化したElloを、今後VCたちがどこまで支援するか、そのあたりが不安だ、と述べている。

それに対し、Budnitzはこう答えている:

弊社はサードパーティの広告やユーザデータの販売に依存しないビジネスを構築していく。Elloの今後のプロダクトや機能の中には、ユーザが喜んでお金を払うものがある、と弊社は信じている。それらの単価は小さくても、数百万の人びとから成るユーザの大きなエコシステムが弊社を支援し、今後の投資を誘いうる経済モデルを提供するだろう。

なお、Elloに投資する投資家は、以下のような、綱領文書(ミッションステートメント)に署名しなければならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


マーク・ザッカーバーグ、北京の清華大学で中国語を披露して大反響

マーク・ザッカーバーグはフード付パーカは1着しか持っていないように見えるが、複数の言語が話せることがわかった。今日(米国時間10/23)、Facebookのファウンダーは北京の清華大学でインタビューされたとき、すべて中国語で会話した。聴衆は大喜びだった。もしかすると〔見た目が変わり過ぎたと炎上している〕レネー・ゼルウィガーも自分から注目がそらされる話題ができて喜んだかもしれない。

清華大学経済学・マネジメント大学院(SEM)では最近ザッカーバーグを顧問委員会のメンバーに迎えた(テクノロジー界からはAppleのCEO、ティム・クックとFoxconのファウンダー、CEOのテリー・ゴウも加わっている)。

ザッカーバーグがこの地位に就いたことが中国における彼のビジネス(現在Facebookは中国政府によってブロックされている)にどのくらい役に立つのかは明らかでないが、中国語でQ&Aを披露したことが大勢のファンを作ったことは間違いない。

実はティム・クックが2013年10月にSEMの顧問に就任したとき、iPhoneの中国での販売のライセンスについて交渉中だったが、その後、チャイナ・モバイル(中国移動通信)をキャリヤとして獲得することに成功している。

SEMの顧問委員会のメンバーには非常に有力は政治家も含まれていることは注目すべきだろう。王岐山は中国共産党の中国共産党中央規律検査委員会書記であり習近平主席の腐敗撲滅運動を担う有力な一人だ。陳元は中国人民政治協商会議第12期副主席、馬凱は第4副首相、周小川は中国人民政治協商会議副主席兼中国人民銀行総裁だ。

中国の起業家が西側に進出しようとすれば英語に堪能であることが求められる。Alibabaグループのファウンダー、ジャック・マー(馬雲)は元英語教師で、アメリカではたびたび長時間のインタビューに応じている。しかしアメリカの大物ビジネスパーソンが中国語を学ぶというのはもちろん例がごく少ない。

ザッカーバーグの中国語に対する反応は賛否両論だ。多くの好意的意見があった一方で、彼の中国語は幼児同然だとする声もあった。ある皮肉屋は 聴衆が喝采したのは「犬が二本足で歩くのを見て喜んだようなもの」だと言った。

Daniel Chow (@danielchownet) October 23, 2014は「私自身は中国語が母国語だが、ザックが中国語を話してくれたのは嬉しい」とツイートしているが、 malcolmmoore (@MalcolmMoore) October 23, 2014は「マーク・ザッカーバーグの中国語のおしゃべりは7歳児のレベルにも届かない。私の3歳6ヶ月の娘のほうがずっと流暢だ」と揶揄している。

しかしこういう批判はいささか不公平だ。ザッカーバーグが中国語を習い始めたのはほんの二三年前だし、なるほどいささかたどたどしく、声調もいくつか間違えていたが、ジョークを言えたし質問も正しく理解してすぐに答えていた。また数字を上げて議論できたのも驚きだ。大人になってから外国語を学習した者には数字は難物だ。私は子供時代を台湾で7年過ごしたので、聞き取りはネーティブだし、話す方もそこそこできる。それでも大勢の中国語の普通話ネーティブ・スピーカーの前で話すのは気後れする。ザッカーバーグの努力は大いに賞賛されるべきだと思う。

ザッカーバーグは「中国語を習い始めたのは妻のプリシラの父方の中国語しか話せないお祖母さんと会話できるようになりたかったからだ」と語っているが、今日の進歩をみると、Facebookが中国での地位を確立する助けにも十分になりそうだ。

ザッカーバーグはこのインタビューで、最近世界のいくつかの国を訪問し、インターネットに(そしてFacebookに)もっと多くの人々が参加できるようにするためにはどうすればいいか考えた」と騙り、そのために立ち上げたInternet.orgという運動を紹介した。また聴衆の学生にたいして起業についてもアドバイスを与えた(「社長になりたいというだけで起業してはならない、ビジョンを追求せよ、諦めるな」などいつも口にしていることを繰り返した)。

「Facebookの中国での計画は?」という質問(笑いと喝采が起きた)については「われわれはすでに中国で活動している。中国企業に対して携帯電話での各種のマーケティング・ツールを提供している」と答えた。またまたザッカーバーグは「中国と他国とを結びつける面で役立ちたい」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Twitterを各種モバイルアプリのための普遍的なプラットホームにしてしまう果敢なAPI集Fabric…初のデベロッパカンファレンスで発表

今朝(米国時間10/22)行われたTwitterのFlightカンファレンスで、CEOのDick Costoloが紹介したFabricは、Twitterというプラットホームの上でデベロッパがさまざまなアプリやサービスを構築できるためのAPIの集合だ。

この新たなAPI集を紹介するにあたりCostoloは、“これはTwitterのための何か良いことをねらっているのではなく、デベロッパのみなさまの生産性を大きく向上させることがねらいだ”、と述べた。

Fabricでは、デベロッパがTwitterというソーシャルプラットホームを自分のアプリで利用できるだけでなく、同社が買収したクラッシュ報告ソフトウェアCrashlyticsや、広告のソーシャルなターゲティングを行うMoPubなどにもアクセスできる。でもそれは、デベロッパが作ったアプリがユーザをTwitterにサインインさせ、広告を無理やり押し付ける、というもの*だけ*ではない。たとえば今日Twitterのモバイルプラットホーム部長Jeff Seibertがデモしたのは、テスターたちにアカウント作成を要さずにアプリのプレリリースを配布できるTestFlight的なソリューションで、特定のリンクのある特定のビルドをテスターに送れる、というものだった。

とはいえ、Twitterというソーシャルプラットホームが無視されているわけではない。今やモバイル用のネイティブのTwitter SDKがあり、デベロッパはそれを利用してTwitterからのリッチメディアをユーザに見せるTwitterクライアントを作ったり、モバイルアプリに普遍的なTwitterログインを統合したりできる。またデベロッパがMoPubを統合すれば、広告をより有利な広告ネットワークに回して、広告料収入を増やすことができる。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


どんなサイトでもソーシャルネットワークになるツールSpot.IM

FacebookやTwitterはソーシャルマーケティングの必須のツールだが、これらのサイトの上でのユーザのエンゲージメント(engagement, 参加, 関わり・関与)がそのまま自社サイトのビジター増につながるわけではない。TechCrunch Disruptの優勝経験者が作ったSpot.IMは、この問題を解決するために、どんなサイトでもたった2行のコードでソーシャルネットワークにしてしまう。同社によると、これによってサイトのオーナーが自分のところへのトラフィックを自分で管理し、収益化にも生かせるようになる。

Spot.IMはNadav ShovalとIshay Greenが創業した。Greenの前のスタートアップSolutoはPCのパフォーマンスをモニタするソフトウェアで、2010年のTechCrunch Disruptの優勝作品だ。2013年にSolutoは、デバイスの保険を提供しているAsurionに1億ドルあまりで買収された。

Spot.IMのベータバージョンは、約1000のサイトが利用していて、その中にはTime OutKerrangSuamusicaなどもいる。

“われわれが作ったのは、どんなWebサイトでもソーシャルネットワークになれる技術で、その結果“どこでもソーシャルネットワーク”という、インターネットの新現象が生まれた。どのサイトでも小さなコミュニティを築き、Web全域に広まることができる”、とGreenとShovalは説明している。

“これまでは、パブリッシャーが苦労して良質な楽しいコンテンツを作っても、そのコンテンツをめぐるソーシャルなエンゲージメントは、どこかよそのソーシャルネットワークで行われていた。それは、パブリッシャーにとって残念な事態だ。だからソーシャルなエンゲージメントがその、話題のサイトそのものの上で行われるようにしたい、と考えたんだ”。

Spot.IMのベータユーザがこれまでに生み出した登録ユーザ数は合計で25万を超えており、先月は200万あまりのメッセージが送られた。“Spot.IMに送られたメッセージの約20%はプライベートだから、Spot.IMを埋め込んだサイトで出会った人たちの1対1の会話がこれだけ多いことは、新発見だった”。

Spot.IMは今投資家たちと折衝し、また収益化の方法を検討中だ。

“今後しばらくは、コミュニティ体験を充実するための新しい機能の開発に力を入れたい”、とGreenとShovalは言う。“リアルタイムの会話のためのプラットホームを作ったことは大きな成果だが、でもそれは最初の第一歩だ。最終的には、もっと複雑で多層的なコミュニティを作れるツールを目指したい”。

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物流アウトソーシング「オープンロジ」がサービス開始――中小事業者や個人をターゲットに

今スタートアップで注目を集めるキーワードというと、シェアリングエコノミーやIoT、ヘルスケアなどとあわせて、ロジスティクスを挙げる人が多い。CrunchBaseによると、ロジスティクス分野のスタートアップへの投資は、2012年後半から増加しているようなのだけれども、2014年第1四半期には3200万ドルと急増している。

米国では日用品のリアルタイム配送を実現する「Instacart」やCtoC向けの配送サービス「shyp」などの名前を聞くが、国内でもロジスティクス分野のスタートアップが徐々に登場している。その1社がオープンロジだ。同社は10月21日から物流アウトソーシングサービス「オープンロジ」を開始する(サービス開始前の動画インタビューはこちら)。

中小規模のEC事業者や個人までが利用できるロジスティクスのアウトソーシングサービスだ。ユーザーがECで取り扱う商品をサイト上から登録して、同社が提携する物流会社の倉庫に入庫すれば、倉庫にて商品1点1点にバーコードの貼り付けをして管理を実施する。入出庫情報はオンラインで閲覧可能。また商品が売れた際などは、倉庫で梱包の上で配送までを行ってくれる。配送の際には同梱明細書がつき、時間指定も可能。代引きにも対応する。

このサービスの強みは簡略化された商品管理とシンプルな価格設定にある。オープンロジ代表取締役の伊藤秀嗣氏によると、これまでの物流アウトソーシングサービスでは、まずは問い合わせ窓口から連絡すると、事業に関するヒアリングを行った上で見積もりを出して…と最短でも1カ月程度の時間を要するケースがほとんどだそうだ。

また、月額料金や保管料は「一坪いくら」という形で設定しているため、商品点数にかかわらずコストがかかるということも少なくない。そのため、小規模なEC業者や個人が利用することも難しかった。

そこでオープンロジでは、老舗の物流事業者と組み、商品数の少ない中小規模の事業者の商品をとりまとめて管理することで、シンプルな業務フロー、料金設定を実現しているのだという。また最短2日でのサービス利用を実現。さらにはシンプルな管理画面も独自に開発しており、個人でもPCで手軽に入出庫管理できるという。

オープンロジの管理画面

価格は、入庫料が一律15円、保管料がサイズにより1日0.2円〜10円、配送料が220円〜780円までとなっている。価格面での競合優位性について伊藤氏に尋ねたところ、Mサイズ(商品の縦、横、高さの合計が60cm以内)を関東圏に送る場合、ヤマト運輸の宅急便を利用すると756円。これがオープンロジだと1カ月の保管料や入庫料込みで486円と36%の割引になる。もちろん発送の回数や個数、保管期間にもよるが、オープンロジを利用することで安価かつ作業負荷が下がるというケースは多そうだ。

オープンロジではここ数カ月、ユーザーを限定してテストを行ってきたそうなのだけれども、その反応も上々だそうだ。ネットオークションを手がける個人は、梱包も含めて業者が行うため、落札者からの評価も高いと語っているそう。副業であれば平日に梱包作業なんてできないので、そういった面でも利便性を感じているということだった。

ちなみに伊藤氏は富士山マガジンサービスを創業期から支え、その物流網の構築を手がけてきた人物。「物流は成長分野にも関わらず、アウトソーシング先の体質は変わっていない。そこを効率的に変えられるのではないか」という思いから起業したのだそうだ。


Twitpic、買収による生き残り策も消滅。10月25日にサービス停止

Twitpicは買収により閉鎖を免れるというがあった。しかしどうやら、この話も不調に終わったようだ。Twitterからの商標関連のクレームに端を発した今回の騒動は、結局サービスの停止で幕を閉じることになる。サービスは10月25日をもって閉鎖される。その日まではアカウントページからデータのエクスポートを行うことができるが、サービス停止後にはデータも消えてしまう。

TwitpicのファウンダーであるNoah Everettはブログで次のように記している。

とても気が重いことですが、サービスの停止をアナウンスしなければならなくなりました。停止日は10月25日です。買収提案がいくつかあったのですが、いずれとも話をまとめることができませんでした。ほぼ話がまとまったように見えたときもありましたが(その旨をツイートしてしまいました)、しかし条件面で合意できなかったのです。買収されることになりましたというツイートは結局のところ嘘になってしまいました。少しでもはやく利用者の方に安心してもらいたいと考えていたのです。

Twitpicのエクスポートツールでは、登録写真(但し直近の5000枚まで)をエクスポートすることができる。Twitpicに登録した写真を見ながら懐かしい(あるいは恥ずかしい)思い出にひたる人も多いのではなかろうか。当方でも、テックカンファレンスに現れたMC Hammerの写真を投稿していたりしたものだった。

エクスポートするには少々時間もかかる様子だ。エクスポートの登録をして、しばらく後にダウンロード用のリンクが表示されるようになるという仕組みになっている。

振り返っておくと、Twitpicは9月4日にサービス停止をアナウンスしていた。しかしその2週間後、買収により生き残る見通しである旨をツイートしていた。

錯綜する状況をツイートでみると以下のようになる。

絶望から立ち直って希望を抱いた利用者にとっては、最新の発表はさらに失望を深めるものとなってしまった。Twitpicは、Twitter上で写真を共有する標準的な地位を獲得していた時代もあった。写真を登録すると、ツイートに含めるためのURLが生成されるという仕組みで、リンクする写真ページには広告もあわせて掲載されるようになっていた。しかし2011年中頃には、Twitterが自ら写真共有サービスを開始し、Twitpicの基盤を脅かすことにもなっていた。

Twitterの外部サービスの内部化方針により、外部サービスは次々に姿を消していくこととなった。たとえばYfrogはソーシャルネットワークにピボット(方向転換)することともなった。しかしそのような中でも、Twitpicはオリジナルの路線にこだわり、それが結局自らの死を招くことにも繋がったわけだ。

今回の話の発端は、数ヶ月前にTwitterが商標関連でクレームをいれたことに始まる。商標を変更するか、あるいはAPIの利用を停止するかというTwitterからの申し入れに対し、両者の経済基盤の違いなども考慮にいれたEverettは、金のかかる法廷闘争は諦めることにしたようだ。買収によって危機を脱する道もあるやに思われたが、それも結局幻に終わった。ともかくこれで終了だ。戦いは終わった。9日後、Twitpicはリングを去ることになる。

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(翻訳:Maeda, H