データ専門家でなくてもプロダクトアナリティクスをよりアクセシブルにするJune

プロダクトアナリティクスの専門家でなくても、分析ダッシュボードやレポートの作成が容易にできるようにしたいと考えている新しいスタートアップJuneをご紹介しよう。Juneは、Segmentデータの上に構築されている。多くのノーコードスタートアップと同様に、技術者でなくても使い始められるように、テンプレートとグラフィカルインターフェースを使用している。

共同創業者兼CEOのEnzo Avigo(エンゾ・アビゴ)氏は「現在行っているのはインスタントアナリティクスであり、そのためにSegmentの上に構築しています」と筆者に話してくれた。「それでデータへのアクセスがより迅速になります」。

Segmentは、アナリティクスのためのデータ収集とデータ保存の役割を果たす。その後、Juneでデータを操作することができる。Juneはいずれは、データソースの多様化を計画している。

「当社の長期的なビジョンは、アナリティクス分野のAirtableになることです」とアビゴ氏は語る。

Airtableをご存知の方なら、Juneは見慣れた感じがするかもしれない。同社は、ユーザーがすぐ使い始めるのに役立つテンプレートライブラリを構築している。例えばJuneでは、ユーザーリテンション、アクティブユーザー、顧客獲得ファネル、エンゲージメント、機能の使用状況などを追跡・把握することができる。

画像クレジット:June

テンプレートを選んだら、データソースとテンプレートをマッチングさせてレポートの作成を開始できる。Juneは自動的にチャートを生成し、ユーザーベースをコホートに分類し、重要なメトリックを表示する。ゴールを作成することで、何か良いことや悪いことが起こった際にSlack(スラック)でアラートを受け取ることも可能だ。

上級ユーザーであれば、チーム内の全員が同じツールを使用するようにJuneを使うこともできる。カスタムSQLクエリを作成し、そのクエリに基づいてテンプレートを構築することができるのだ。

同社はPoint Nineが主導して、185万ドル(約2億円)のシードラウンドを調達した。Y Combinator(Yコンビネータ)、Speedinvest、Kima Ventures、eFounders、Base Caseの他、複数のビジネスエンジェルも参加した。

June設立の前は、共同創業者の2人はIntercom(インターコム)に勤務していた。そこで彼らは、分析ツールが多くの人々にとって使いづらいものであることに気づいた。それゆえに(当時の顧客は)アナリティクスに基づいた意思決定を行っていなかったという。

現在何百社もの企業がJuneを利用しており、その数は毎週10%ずつ増加している。今のところ同社の製品は無料だが、将来は使用量に応じて課金する予定だ。

画像クレジット:June

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Juneノーコード資金調達データ分析

画像クレジット:Maddi Bazzocco / Unsplash(Image has been modified)

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

クライオ電子顕微鏡による構造解析を活かした創薬事業を手がけるキュライオが約3.1億円を調達

クライオ電子顕微鏡による構造解析を活かした創薬事業を手がけるキュライオは6月1日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額約3億1000万円を実施したと発表した。引受先はBeyond Next Ventures2号投資事業有限責任組合、Ono Venture Investment(小野薬品工業CVC)、旭化成ファーマ、Gemseki投資事業有限責任組合。

調達した資⾦は、パートナリング(共同研究創薬)事業、⾃社創薬事業の拡⼤、クライオ電⼦顕微鏡構造解析技術のさらなる創薬への有効活⽤のための基盤技術の開発を⽬的とした、設備投資や創薬研究開発事業の体制強化に用いる。

キュライオは2019年8⽉、生体内構造を染色することなく凍らせて観察できるクライオ電⼦顕微鏡による構造解析技術に特化した企業として設⽴。独⾃の解析ノウハウを⽤いた構造解析精度を強みとしており、現在は構造解析ベース創薬(SBDD。Structure-Based Drug Discovery)事業を展開している。「科学の力で、より安心で健康な人生の実現へ」の会社理念の下、人々に画期的新薬を提供することを使命とし、製薬会社や大学研究室との共同研究にも積極的に取り組んでいるという。

キュライオによると、現在は低分⼦医薬のみならず環状ペプチドに代表される中分⼦医薬や抗体医薬、核酸医薬などの医薬品の多様化が進み、それに伴って遺伝⼦治療なども含む新たなモダリティーの開発など、創薬のDXが起こっているという。同社はクライオ電⼦顕微鏡を利用したSBDDによる創薬事業を進めており、同⼿法により多様かつ⾰新的な医薬品創製事業の拡⼤と加速化を目指している。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:キュライオ(企業)創薬(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

「顧客フィードバックマネジメント」のフライルが8100万円調達、ZUU最年少執行役員を経験した財部氏が創業

ソフトウェア開発企業向けに「顧客フィードバックマネジメント」SaaSを提供するフライルが、UB Venturesおよびエンジェル投資家8名からシードラウンドで合計8100万円を調達した。同社が提供するFlyle(フライル)は、Slack・メールなどに散らばる顧客要望やアイデアを半自動で集約することで、データドリブンかつ効率的なプロダクト開発を促進するためのツールだ。

散らばったフィードバックを半自動で集約

「昨今、企業と顧客の接点はますますデジタル化しています」。そう話すのは、フライルCEOの財部優一氏だ。「例えば、セールスが受け取ったフィードバックはSalesforce、カスタマーサクセスはZendesk、マーケティングはHubspot、その他はSlack、Gmail……など、プロダクト開発の重要な指針となりえるフィードバックはさまざまなツールに散らばってしまっています」。このような状況のなか、ソフトウェア開発の指揮を取るプロダクトマネージャーは、各ツールに点在するフィードバックを手作業でエクセル等にまとめなおし、分析を行うことが多い。

この方法の問題点は、プロダクトマネージャーの膨大な時間を消費することだ。また、手動で行うため「漏れ」が発生し、すべてのフィードバックをすくい上げることができず、顧客ニーズに沿わないプロダクトの開発にすすんでしまう危険性もある。「プロダクトマネージャーは優秀な人が多く、本来はもっと創造的な業務に多くの時間を使うべきです。彼らが労働集約的な『コピペをしてエクセルにまとめ直す作業』を行っている現状を変えたいと思いました」と、財部氏はフライル創業の想いを語る。

同社が提供するFlyleは、Slack・Zendesk・Gmail・スプレッドシートなど、多様なツールに散らばる顧客要望やアイデアを半自動で集約する。プロダクトマネージャーにとっては、これまで手作業で行っていた集約作業が不要になるだけでなく、Flyleを確認しさえすれば「どのツール」を経由して「何件」「どのような要望」が来ているのかが一目瞭然になる。さらに「どの会社(や顧客)・どの担当者からのフィードバックなのか」「どのような文脈のなかでの要望なのか」などの詳細情報まで、クリック1つで確認可能だ。財部氏は「必ずしも『顧客からの要望件数が多い=優先順位が高い』とはなりません。プロダクトマネージャーは、フィードバックの詳細や熱量も見極めたうえで意思決定を行う必要があります」という。

またFlyleは、バックログツールであるJira Softwareと連携させることで、機能開発の進捗ステータスを一元管理することも可能だ。つまり、ビジネスサイドの人間はFlyleを見ることで「フィードバック→機能アイデア→開発ステータス」まで一気通貫で把握できる。一方で開発チームにとっては、JiraからFlyleに飛ぶことで「開発の背景となったフォードバック」を容易に確認可能。これまでビジネスサイドと開発サイドの間で生まれがちだった「情報の壁」をFlyleが取り除いてくれる。

画像クレジット:フライル

新進気鋭のスタートアップ出身の3人が創業

フライルは、ZUUで最年少28歳の執行役員を経験した財部氏をはじめとして、ユーザベース出身の相羽輝氏、ビズリーチ(現ビジョナル)出身の荒井利晃氏という、いずれもスピード上場を果たしたスタートアップ出身の3人がチームを組み、2020年2月に創業。同年12月にFlyleのクローズドβをリリースし、業界・規模を問わず約30社からフィードバックを得ながら改善を進めてきた。2021年4月末からは有償で約10社が利用しており、6月1日から正式なリリースとなる。

今回のシード調達で注目したい点は、エンジェル投資家にZUU社長の富田和成氏、ユーザベースCo-CEOの佐久間衡氏、ビジョナル社長の南壮一郎氏といった、共同創業者3人の古巣の社長が名を連ねていることだ。ここからは、彼らが前職でパフォーマンスを発揮し、トップから十分な信頼を勝ち得る人材であったことが見て取れる。財部氏は「現在、日本で私たちと同じサービスを提供している競合他社はありません。だからこそ、導入社数の拡大よりもプロダクトの価値を上げることに集中して、日本のプロダクトマネージャーにとって『マストハブ』なツールを創りたい」と意気込みを語る。

米国ではUserVoiceCannyRoadmunkなど、SaaS企業向けにフィードバックマネジメントを行うサービスは徐々に勃興しつつある。日本ではフロンティアともいえるこの新たな市場を、若き3人の起業家がいかに切り開いていくのかに注目していきたい。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:フライル資金調達SaaS日本

インド物流市場システムのデジタル化を進める最大手DelhiveryがIPOに向け約304億円調達

インド最大の独立系eコマース物流企業であるDelhivery(デリバリー)は、年内のIPO申請に向けた最終となる見込みの資金調達ラウンドで、2億7700万ドル(約304億円)を調達した。

グルガオンに本社を置くこのスタートアップ企業は、規制当局への提出書類の中で、ボストンに本社を置く投資会社のFidelity(フェデリティ)が主導するラウンドで、2億7700万ドルを調達したことを明らかにした。この名称が特定されていないラウンドには、シンガポール政府投資公社(GIC)、アブダビの投資会社であるChimera(キメラ)、英国のBaillie Gifford(ベイリーギフォード)も参加している(最初にこの申請を報じたインドのニュースサイトEntrackrは、シリーズHラウンドであることを示唆している。しかし、Tracxnによると、DelhiveryにはシリーズGラウンドの記録はない。米国時間5月30日の時点で、このスタートアップはコメントを出していない)。

この新ラウンドで、創業10年目のDelhiveryの評価額は約30億ドル(約3290億円)となった。同社には、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、Tiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)、Times Internet(タイムズ・インターネット)、The Carlyle Group(カーライル・グループ)、Steadview Capital(ステッドビュー・キャピタル)なども投資しており、これまでに約12億3000万ドル(約1350億円)を調達している。

Delhiveryは当初フードデリバリーの会社としてスタートしたが、後にインドの2300以上の都市と1万7500以上の郵便番号を対象としたフルスイートの物流サービスにシフトした。

同社は、貨物交換プラットフォームを通じて、物流市場の需要と供給のシステムをデジタル化しようとしている数少ないスタートアップ企業の1つだ。

調査・画像クレジット:Bernstein

そのプラットフォームは、荷主と取扱業者、そして道路輸送ソリューションを提供するトラック事業者をつなぐものだ。Delhiveryは、このプラットフォームによってブローカーの役割が軽減し、(同社にとって最も一般的な輸送手段である)トラック輸送などの資産をより効率的に運用でき、24時間体制のオペレーションを保証すると述べている。

このようなデジタル化は、国の経済を長年にわたって停滞させてきたインドの物流業界の非効率性に対処するために非常に重要だ。インドでは、需要と供給の計画や予測が不十分であることが、輸送コスト、盗難、損害、遅延を増加させていると、Bernstein(バーンスタイン)のアナリストは、インドの物流市場について2021年4月に発表した報告書の中で指摘している。

Delhiveryのウェブサイトによると、同社には10億件以上の注文を配送した実績があり「インド最大のeコマース企業や大手企業のすべて」と提携しており、その顧客の数は1万を超えるという。配送の最後の区間を受け持つ同社の配達員には、2平方キロメートルを超えることのないエリアが割り当てられているので、時間を節約しながら1日に何度も配送を行うことができる。

インドの物流市場のTAM(獲得できる可能性のある最大の市場規模)は2000億ドル(約22兆円)を超えると、Bernsteinのアナリストは述べている。

このスタートアップは2020年後半、新型コロナウイルス感染が流行する中、オンラインで買い物をする人が増えたことから、増大する注文需要に対応するため、2年以内に4000万ドル(約43億9000万円)以上の投資を行い、配達隊の規模を拡大することを計画していると語っていた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Delhiveryインド物流IPO資金調達SoftBank Vision FunTiger Global Managementeコマース

画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ブランドアイテムを販売する小売店向けオンライン卸売マーケットプレイス「homula」が1億円調達

ブランドアイテムを販売する小売店向けオンライン卸売マーケットプレイス「homula」が1億円調達

小売店とブランドをつなぐオンラインマーケットプレイス「homula」を運営するhomulaが、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による累計1億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はニッセイ・キャピタル、HIRAC FUND。調達した資金は、さらなる小売店のサポートのため、エンジニアや営業を中心とした採用の強化、より便利なプロダクトの開発にあてる。

homulaは、アクセサリー、アパレル、服飾雑貨、生活雑貨、美容・健康など様々な分野のブランドアイテムを、スピーディーかつ低リスクで小売店が仕入れられるようにする卸売マーケットプレイス。同社の「『致命傷となりうるリスク』を取り除く」というミッションの下に運営しているという。

そのため、仕入れ費用は60日超で後払い可能、初めて購入するブランドの商品は最大100%返品可能など、小売店側が大きなリスクを負うことなく事業を行えるようにしている。しかも、小売店側の手数料は無料だ。

ブランドの検索、担当者へのコンタクト、受発注などすべての仕入れプロセスはオンラインで完結。仕入れプロセスの効率化にも貢献する。

通常であれば、新規ブランドの発掘には展示会へ足を運んだり、ウェブ検索をしたりなど行い担当者とコンタクトを取り、条件交渉、在庫確認、契約書の締結など1カ月以上の時間がかかる。また、初回取引時には前払いをするという慣習があるため、小売店側にとっては資金繰りの悪化というリスクが生じてしまう。また、コロナ禍の昨今においては、展示会が中止される場合が多いため、小売店のバイヤーが新規ブランドを発掘しにくい状況にある。

homulaは、あらゆるブランドの仕入れ取引において後払い・初回購入時の返品に対応することで、資金繰り・在庫リスクを気にすることなく、展示会へ行かずともオンラインで新規ブランドの仕入れを可能にするとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:卸売(用語)資金調達(用語)homula(企業・サービス)マーケットプレイス(用語)日本(国・地域)

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小売店とブランドをつなぐオンラインマーケットプレイス「homula」を運営するhomulaが、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による累計1億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はニッセイ・キャピタル、HIRAC FUND。調達した資金は、さらなる小売店のサポートのため、エンジニアや営業を中心とした採用の強化、より便利なプロダクトの開発にあてる。

homulaは、アクセサリー、アパレル、服飾雑貨、生活雑貨、美容・健康など様々な分野のブランドアイテムを、スピーディーかつ低リスクで小売店が仕入れられるようにする卸売マーケットプレイス。同社の「『致命傷となりうるリスク』を取り除く」というミッションの下に運営しているという。

そのため、仕入れ費用は60日超で後払い可能、初めて購入するブランドの商品は最大100%返品可能など、小売店側が大きなリスクを負うことなく事業を行えるようにしている。しかも、小売店側の手数料は無料だ。

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通常であれば、新規ブランドの発掘には展示会へ足を運んだり、ウェブ検索をしたりなど行い担当者とコンタクトを取り、条件交渉、在庫確認、契約書の締結など1カ月以上の時間がかかる。また、初回取引時には前払いをするという慣習があるため、小売店側にとっては資金繰りの悪化というリスクが生じてしまう。また、コロナ禍の昨今においては、展示会が中止される場合が多いため、小売店のバイヤーが新規ブランドを発掘しにくい状況にある。

homulaは、あらゆるブランドの仕入れ取引において後払い・初回購入時の返品に対応することで、資金繰り・在庫リスクを気にすることなく、展示会へ行かずともオンラインで新規ブランドの仕入れを可能にするとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:卸売(用語)資金調達(用語)homula(企業・サービス)マーケットプレイス(用語)日本(国・地域)

暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

コインチェックは5月31日、ブロックチェーン分野のコンサルティングとシステム開発を行うのNFT関連子会社HashpaletteによるIEO(Initial Exchange Offering)を2021年夏実施予定と発表した。Hashpaletteが2021年3月にテストネットをローンチした、NFT特化ブロックチェーン「パレット」(Palette)のユーティリティトークン「PLT」を販売する予定。

またコインチェックは、IEOに関する情報を掲載する公式サイトを公開した。今後、HashpaletteのIEOに関する情報を告知するためのプロジェクト詳細ページの公開を2021年6月頃に予定。今夏のIEO実施に向け準備を進めるとしている。

IEOは、トークン発行によるコミュニティの形成・強化や資金調達を暗号資産取引所が支援するという仕組み。企業・プロジェクトなどの発行体がユーティリティ・トークンを電子的に発行することで資金調達を行う仕組み「ICO」(Initial Coin Offering)の中でも、暗号資産取引所が主体となって発行体のトークンの販売を行うモデルとしている。

企業やプロジェクトによるトークンの発行は、世界中のユーザー・開発者・投資家・サービスプロバイダーなどのネットワーク参加者とオープンな分散型ネットワークを構築することを可能にし、さらにすべてのネットワーク参加者に対しインセンティブを与えることができる手法という。

コインチェックでは、これまで企業やプロジェクトによるトークン発行を支援することで、暗号資産市場の更なる発展に貢献すべくIEO事業への参入を検討し、2020年8月よりHashpaletteとともに日本初のIEO実現に向け取り組んできたそうだ。

暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

Hashpaletteによると、パレットは、エンターテイメント領域におけるデジタルコンテンツの発行・管理・流通に特化。マンガ・アニメ・スポーツ・音楽といったコンテンツのNFT形式での流通に最適化されたブロックチェーンネットワークという。

また、クロスチェーン技術を実装しており、発行したNFTはPalette以外のブロックチェーンネットワークでも利用可能。現在、イーサリアム(Ethereum)、ネオ(NEO)、オントロジー(Ontology)mp3つのブロックチェーンネットワークとのクロスチェーンに対応しており、NFTの発行および流通のハブとして対応先を今後順次拡大予定としている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:IEO(用語)ICOEthereum / イーサリアム(製品・サービス)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)コインチェック(企業・サービス)資金調達(用語)HashpaletteHashPortブロックチェーン(用語)日本(国・地域)

大学生向けノート共有ネットワークを提供するStuDocuがユーザー数1500万人突破

オンラインで学ぶにしても、直接授業を受ける場合でも、教えられたことを記憶し、応用するための主要な手段として講義で優れたノートを取ることの重要性をすべての生徒が十分に認識しているだろう。アムステルダムを拠点とするスタートアップのStuDocuは、学生が作成した最良の授業ノートを集めて共有するためのプラットフォームで収益性の高い大型ビジネスを構築してきたが、このほど5000万ドル(約54億6000万円)の資金調達を発表した。

シリーズBはフランスのベンチャーキャピタルPartechによるもので、StuDocuがクリティカルマスを獲得しようとする中で行われた。同スタートアップによると、同社のユーザー数は現在、60カ国2000校の大学で1500万人に達しているという。このスケールで注目すべきなのは、規模の大きさだけでなく、同社はかつてはほとんど自己資金で運営を行っており、その間に達成されたという事実だ。PitchBookCrunchbaseの報告によるこれまでの調達額は150万ドル(約1億6400万円)程度となっているが、CEOのMarnix Broer(マルニックス・ブロアー)氏によると、Piton Capital、Peak Capital、Point Nine Capitalなどの既存投資家から1000万ドル(約10億9200万円)弱の資金を密かに調達してきたという。

2020年の新型コロナウイルス感染症の影響下の生活において、EdTech分野で注目されたのは、従来の物理的環境と比較しても遜色ない(あるいはそれ以上の)学習をリモート環境で可能にする技術だった。ストリーミング体験の改善、スクリーンを介した指導アプローチの向上、体験を管理するツールなどだ。StuDocuの事業はどちらの型にも適合するが、ある意味では、学習に関連するより基本的なアプローチ、すなわち授業中に座ってノートを取るということへの回帰でもある。

それが、4人の学生が協働してStuDocuとして最初に作り上げた環境だった。

StuDocuが拠点を置くオランダでは、学部での評価の多くが期末試験の成績に基づいており、ノートの価値はさらにいっそう大きくなっているかもしれない。

CEOのマルニックス・ブロアー氏は、友人のJacques Huppes(ジャック・ハプス)氏、Lucas van den Houten(ルーカス・ヴァン・デン・ホーテン)氏、Sander Kuijk(サンダー・クイーク)氏とともに、まだ学生だった2013年、インターネットとクラウドソーシングの力を活用する機会を見出した。大学で同じコースを学ぶ学生たちがオンラインでつながり、コースからのメモをアップロードして互いにやり取りすることで、スムーズに協力し合うことを可能にするものだ。

(ハプス氏は同社の積極的な職務からは離れてアドバイザーとして活動しており、他の2人は引き続き同社に在籍しているとブロアー氏は述べている)

初期の製品は「完全に無料」で、デルフトの大学だけでなく他の多くの学校でユーザーを集めるほどの人気があったと同氏は語る。その後、創業者たちは卒業を目前にして「ある程度の収益が必要だと判断」し、そのコンセプトを堅持しつつ、自分たちのツールをビジネスにすることに目を向けた。

数回のイテレーションを経て「フリーミアムモデルでできる限り自由を保とうと最終的に考えました」とブロアー氏。StuDocuの場合、ドキュメントの閲覧数、ダウンロード数、推薦度で集計したデータをもとに全ドキュメントの上位20%を構成し、それらをプレミアムとしてラベルづけする。「そうすることで、自分のドキュメントをアップロードする他に、プレミアムにアクセスするために少額の購読料を支払うという選択肢がユーザーに生まれる」。逆にいうと、サイト上のドキュメントの80%は無料のままだ。

StuDocuはまた、同社のプラットフォームにいくつかの技術を組み込んで、詐欺師や不正を企てる者への対策に役立てている。プレミアムコンテンツを判断するための指標となるユーザーはプレミアムユーザー自身に限られており、彼らはサイト上のプレミアムコンテンツがどのようなもので、何がそうでないかを知ることはなく、さらには、StuDocuのより本格的なユーザー、ヘビーユーザーである可能性が高い。

「最高品質のドキュメントを上位に保持し、残りは別に蓄積しますので、ユーザーはすばらしいノートだけを体験できるようになります」と同氏は説明する。「ただし、多少のアップロードのゴミがあっても損をしないことはわかっています。無料でアクセスできるようにするもので、そうなるべきではありません。結局のところ、これはコミュニティであり、質を高く保つことができると信じています」。さらに、宝くじやその他の特典を利用して、ドキュメントを見直すよう奨励している。

また、ユーザーが投稿しているものが、白紙のドキュメントだったり、関係のないランダムな文章だったりするものではなく、目の前にあるテーマに関する実際のメモであるかどうかを判断するために、資料をスキャンする手段も拡大している。さらにブロアー氏によると、先ごろ締結されたAlgoliaとの検索に関する業務提携により、大学やコース単位で検索して資料を探すのではなく、より詳細な文書検索が可能になるという。

これは多くのユーザー生成コンテンツサイトが抱えている問題、つまり圧倒的多数がクリエイターではなく消費者であるという課題を解決するのに役立つ魅力的なビジネスモデルだ。ブロアー氏は、現在ユーザーの約15%が有料サービスを利用しており、15%がコンテンツのアップロードによってアクセスし、70%が無料サービスを利用してアップロードはしていないと概況を語った。

StuDocuは、自分たちのために作ったツールから段階的にビジネスを構築することを通して「スクワットで働く」ことから、インターンと一緒に小規模で低コストのスペースを利用すること、そしてブロアー氏がいうところの「普通のオフィス」へと発展してきたという。

他にも多くのEdTech企業が、生徒たちが互いに学習を手助けできるプラットフォームを提供する可能性を見出している。Brainlyも欧州(具体的にはポーランド)の大手企業で、ノートではなく、学生が互いに助け合って宿題の質問に答えるという、Cheggと類似したコンセプトを確立した。オーストラリアのNexusNotesも、メモを集めるためのプラットフォームを構築している。Academiaはノートだけでなく研究論文も対象としている。Docsityはクラスノートと論文の両方に焦点を当てている。StudySmarterも欧州を拠点にしており、ノート機能に加えて、学習の進歩をかたち作るためにAIを活用している。

おそらく最も類似性が高く、StuDocuの最大の競合である米国企業Course Heroは、現在の評価額が約11億ドル(約1200億円)とされている(注目すべき数字だが、StuDocuは評価額を公表していない)。

「私たちは世界をリードする企業であると認識しています」とブロアー氏は語り、コースやノートのカタログ全体で30以上のローカル言語をサポートしていることを示した。

「数百万人にのぼる学生を支援し、膨大な数のドキュメントを保有していますが、同時に私たちは自らをハイパーローカル型マーケットプレイスと捉えています」と同氏は付け加えた。「同じ法学コースにいる300人が、お互いにコミュニケーションを取り、知識を共有できるようになりました」。

今回の資金調達は、ハイパーローカルコンセプトをより広範囲に拡大するだけでなく、来るべき支援がより大きな影響を与え得る機会を利用するという、興味深い試みになるだろう。

例えば英国では、他の年齢層に比べて、大学より下の年齢層の高校生(14歳以上)が多くなってきている。彼らの大多数は、2つのセットの試験に備えるために勉強している。GCSEは11年目(通常16、17歳)に、Aレベルは13年目(18、19歳)に受験する。どちらも極めて限定的な科目に基づいており、文字通り国全体が共同で学ぶという非常に特殊なカリキュラムに準拠している。つまり、個々の学校や教師が異なったアプローチをとったり、良い教え方をしたり、悪い教え方をしたりしても、最終的にはすべての生徒が指定科目で同じ試験を受けることになる。

これはStuDocuのような企業にとって興味深い機会である。大きなユーザーネットワークを構築することができ、その結果、貢献度の高い強力なノートの割合は少なくて済む(より多くのユーザーが同じ素材を必要とするため)。このモデルは他の地域でも採用されており、ブロアー氏によると、StuDocuはこの種の市場でテストを進め、徐々に拡大してきているという。

標準化されたテストが方程式の一部ではなかったとしても、学生は、エッセイの執筆などの他の種類のコースワークに使用するために、または単に学習を続けながら知識を保持するのに役立つように、より良いノートを必要とすることが考えられる。現在約2億人が大学教育を受けており、この前提において多様性を見出す機会は多いと言えるだろう。

また将来的には、多くの教授が学生に講義用のノートを提供することを考慮すると、大きな領域となるコース教材を構築するために大学とより緊密に協力する可能性もあるかもしれないが、ブロアー氏は、多くの場合教授はまだそうしたことを実行していないため、当面は学生とそのニーズに焦点を当てるとしている。

StuDocuの資金調達に投資家が参加しているのは、これまでに述べたすべての理由からだろう。

PartechのゼネラルパートナーであるBruno Crémel(ブルーノ・クレメル)氏は声明の中で「StuDocuはすでに世界中の何百万人もの学生を支援しているプラットフォームであり、教育を誰もが利用しやすいものにするというミッションのもと、この才能あるチームとパートナーになることを喜ばしく思います」と述べている。「StuDocuのチームに出会ったとき、私たちはそのデータ駆動型の文化と、学生たちがそのサービスをとても気に入っていることに非常に感銘を受けました。ブロアー氏とそのチームがStuDocuのグローバル展開を加速させ、学生たちが学習目標を達成するのを支援する革新的な方法をさらに開発してくれることを楽しみにしています」。

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カテゴリー:EdTech
タグ:StuDocu資金調達アムステルダムオランダ大学生

画像クレジット:Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

アフリカでの銀行業務と決済のためのローカルソリューション構築を目指すナイジェリアのAppzone

アフリカのフィンテック分野は、ここ数年の投資で一定の注目を集めているが、スタートアップ企業の多くが、高品質な製品の提供を課題としている。それでも従来型のコスト構造や極めて低い業務効率などの課題を抱える伝統的な銀行と比較すると、スタートアップ企業の首尾は上々のようだ。

フィンテックソフトウェアを提供するAppzone(アップゾーン)は、伝統的な金融機関のバンキングサービス・決済サービス向けに独自のソリューションを構築している数少ない企業の1つである。2021年4月、同社は1000万ドル(約11億円)のシリーズA資金調達ラウンドを完了したと発表した。

アフリカの金融機関は、通常、問題が生じた際に海外の技術ソリューションを利用しているが、その場合、価格、変化に対する柔軟性、現地の技術サポートの不足といった問題が付きまとう。ここに目を付けたEmeka Emetarom(エメカ・エメタロン)氏、Obi Emetarom(オビ・エメタロン)氏、Wale Onawunmi(ウェール・オナウンミ)氏の3人は、2008年、ナイジェリアのラゴスを拠点としてAppzoneを設立した。

Appzoneの手法は他のアフリカのフィンテック企業とは明らかに異なる。他社と明確に差別化される要因の1つは、同社が銀行や決済におけるイネーブラ(enabler、手助けする存在という意味。ここでは決済レールやコアインフラ)として機能しているという点にある。

同社は、商業銀行にカスタムソフトウェア開発サービスを提供するサービス会社として設立された。2011年に、マイクロファイナンス機関をターゲットとした最初の勘定系サービスを発売。2012年に商業銀行向けの最初のサービス(ブランチレスバンキング)を発売し、2016年にはモバイルバンキングとインターネットバンキング向けのサービスを開始、2017年にカード即時発行サービスを発売した。2020年には、銀行の融資業務におけるエンド・ツー・エンドの自動化サービスとブロックチェーンの交換に対応したサービスを開始した。

AppzoneのCEOであるオビ・エメタロン氏はTechCrunchに次のように話す。「私たちは(アフリカ)大陸における銀行業務と決済のための革新的なローカルソリューションを構築することを目指してAppzoneを立ち上げました。焦点となったのは、イネーブラとしての力を活用して、この分野での独自技術を開発することでした」。

画像クレジット:Appzone

Appzoneのプラットフォームは、アフリカの18の商業銀行と450以上のマイクロファイナンス金融機関で利用されていて、年間の取引額は20億ドル(約2200億円)、年間の融資額は3億ドル(330億円)に達する。

Google for Startups Acceleratorにも参加した同社は、設立以来、アフリカのフィンテック分野をリードし、アフリカからいくつかの世界初の試みを行ったという。1つ目は、世界初の分散型決済処理ネットワークの構築。2つ目は、クラウドでの勘定系およびオムニチャネルソフトウェア。そして3つ目が、複数の金融機関での口座振替サービスである。

エメタロン氏は、Appzoneを独自技術に重点を置いたフィンテック製品のエコシステムと表現する。このエコシステムの2つの層、すなわち、金融機関の業務全体を動かすソフトウェアを提供するデジタル勘定系サービスと、ブロックチェーンを利用した分散型ネットワークに金融機関を統合する銀行間処理については上述のとおりだ。

Appzoneは、今回の資金調達で、エンドユーザー向けのアプリケーションに焦点を当てた第3の層を導入し、規模を拡大する。銀行とフィンテックの両方のレイヤーを構築してきた同社は、次に個人や企業と自社のサービスをつなげようとしている。新時代のフィンテックスタートアップのほとんどが参入している分野で、Appzoneは遅れて参入することにはなるが、エメタロン氏は優位に立っていると考えている。

「エンドユーザー向けのアプリケーションを提供する企業の多くは、自社サービスを提供するために、勘定系システムと銀行間処理サービスに頼らざるを得ません。私たちはすでに両方のレイヤーで事業を展開しており、コストや柔軟性の面で優位性があると考えています」と、エメタロン氏は他社との競合について話す。

10年以上もひっそりと活動してきたAppzoneだが、ここにきて製品やサービスの規模を爆発的に拡大しようとしている。450以上の顧客の大部分はナイジェリアを拠点としているが、同社はまず、アフリカ全土への拡大を真剣に取り組む。コンゴ民主共和国、ガーナ、ガンビア、ギニア、タンザニア、セネガルは存在感を増しているが、Appzoneには、これらの有望な市場に積極的に参入するためのリソースが不足していた。シリーズA資金調達ラウンドを完了した今、同社はこれらの国々を手始めに、さらにアフリカ全土に拡大していく計画だ。

また、Appzoneは規模の拡大を実現するために、同社が誇るエンジニアリングチームをさらに成長させることを計画している。すでに従業員150人のうち半数がエンジニアであるが、この数を2倍に増やす。ナイジェリアの多くのスタートアップ企業と同じように、Appzoneもシニアエンジニアを重視している。しかし、他の企業ではシニアエンジニアの不足が問題になっても、Appzoneでは有望な若手人材を育成して専門知識を身につけさせることができる、とエメタロン氏は話す。

「わずかなコストでイノベーションを起こすことができる私たちの独自の技術は、基本的に地元の優秀な人材によって構築されています。私たちのシステムは非常に複雑で、必要とされるイノベーションのレベルも別次元です。文字通りナイジェリアのトップ1%の人材を求めています」とエメタロン氏。「たとえ専門知識がなくても、最高の人材を育成すれば、専門性の高い人材をスムーズに得られることがわかっています。エンジニアを育てれば育てるほど彼らの専門性は高まり、私たちが期待する世界標準グレードの品質でサービスを提供できるようになります」。

Appzoneの共同創業者兼CEOオビ・エメタロン氏(画像クレジット:Appzone)

資金調達ラウンドに話を戻そう。注目すべき点は、参加した投資家のほとんどがナイジェリアを拠点としていることで、公開されている情報によると、ナイジェリアの投資家が主導したラウンドとしては最大規模であることは間違いない。主導したのは、ラゴスに拠点を置く投資会社のCardinalStone Capital Advisers(カーディナルストーンキャピタルアドバイザー)V8 Capital(V8キャピタル)Constant Capital(コンスタントキャピタル)Itanna Capital Ventures(アターナキャピタルベンチャーズ)の他、ニューヨークを拠点とし、アフリカに特化した企業であるLateral Investment Partners(ラテラルインベストメントパートナーズ)も参加した。

これまでにAppzoneは、南アフリカのBusiness Connexion(BCX、ビジネスコネクション)から200万ドル(約2億2000万円)のラウンドを2014年に獲得している。その4年後には、転換社債で250万ドル(約2億7000万円)を調達し、その過程でBCXから株式を買い戻した。全体としては株式発行による資金調達で1500万ドル(約16億3000万円)を獲得したことになるという。

CardinalStone Capital Advisersの共同設立者兼マネージングディレクターのYomi Jemibewon(ヨミ・ジュマイボワン)氏は、今回のAppzoneへの投資について、アフリカが将来的に世界クラスのテクノロジーの拠点となる可能性をさらに証明するものだと話す。

「Appzoneは、アフリカの金融業界のバックボーンとなる革新的なフィンテックエコシステムを構築しており、決済、インフラ、サービスとしてのソフトウェアにまたがる商品を提供しています。Appzoneは、アフリカ大陸全体の金融包摂(Financial Inclusion)を推し進めるサービスと同時に、金融機関に最適な低コストのソリューションを提供していて、この企業活動がもたらす影響は多岐にわたります。また、優秀な人材に重点を置くことで頭脳流出を防ぎ、アフリカの優秀な人材に最高の雇用機会を提供しています」とジュマイボワン氏。

アフリカのフィンテック分野は、2021年1月の低迷の後、Appzoneの資金調達も含め、ペースの速い投資活動を継続している。この2カ月を見ると、2月には南アフリカのデジタルバンクTymeBank(タイムバンク)(1億900万ドル、約119億円)、3月にはアフリカの決済会社Flutterwave(フラッターウェーブ)(1億7000万ドル、約185億円)による大規模な資金調達など、8社以上のフィンテック企業が100万ドル(1億900万円)規模の資金調達を行った。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Appzone資金調達アフリカナイジェリア

画像クレジット:Appzone

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Dragonfly)

ドローンのためのデジタル道路を構築・管理するAirspace Linkが約11億円調達

Airspace Link(エアスペース・リンク)はシリーズAラウンドで、Altos Ventures(アルトス・ベンチャーズ)、Thales(タレス)などから1000万ドル(約11億円)の資金を調達したと、米国時間5月27日に発表した。ミシガン州デトロイトを拠点とするこのスタートアップ企業は、この追加資金を米国内におけるサービスの拡大と海外進出に充てる予定だ。

Michael Healander(マイケル・ヒーランダー)CEOは、同社が空域をまだ決定的な規制がなされていないデジタルインフラとして捉えていると説明する。「今日、道路には法規や規制があります」と、同氏は語り、この会社がドローンのためのデジタルの道路を構築し、管理していると説明した。Airspace Linkの斬新なプラットフォームは、ドローン事業者と地域社会の懸念を解消し、パイロットが地域の空域規制を遵守しながら安全に飛行できるようにするものだ。

Airspace LinkのAirHubは、国や地方自治体のニーズと、パイロットがすでに使用している運用計画ツールの融合に特化した業界初のクラウドベースのドローンプラットフォーム(画像クレジット:Airspace Link)

Airspace Linkはドローンの運用計画ツールを提供しており、その中には開発者がAirspace Linkのデータをサードパーティのプラットフォームに組み込むことを可能にするAPIアクセスも含まれる。同社のシステムは、FAA(米連邦航空局)のLAANC(低高度認可および通知機能)に準拠しているため、パイロットは飛行が制限されている空域でドローンを飛ばすための申請を行うことができる。Airspace Linkは、このサービスを提供するFAA承認企業7社のうちの1社だ。

今回のシリーズAの資金調達により、同社はできるだけ多くの交通機関グループと統合することを目指すと、ヒーランダー氏は語っている。

マイケル・ヒーランダー氏と、Daniel Bradshaw(ダニエル・ブラッドショー)氏、Ana Healander(アナ・ヒーランダー)氏が、2018年にデトロイトで設立したこのスタートアップでは、20人のフルタイムスタッフが働いている。プレスリリースによれば、同社は米国内の40以上の政府機関や自治体とパートナーシップを結んでいるという。今後はオーストラリアやカナダへの進出も視野に入れている。

ヒーランダー氏によると、Airspace Linkが市場の競合他社と異なる点は、自治体が使用しているマッピングツールと統合し、地上のリスクに関する情報を提供していることだという。

「当社の主要な目的は、ドローンを国の領空や地域社会と大規模に安全に統合させることです」と、ヒーランダー氏はいう。「共有される中立的で安価な無人飛行システムのインフラを構築し、ドローン経済への道を開くという、我々のビジョンに参加してくださったAltos VenturesとThalesに感謝します」。

Airspace Linkはヒアランダー氏が起ち上げた最も新しい企業だ。同氏は以前、屋内GPSトラッキングを提供するGeoMetri(ジオメトリ)という会社を設立し、Acuity Brands(アクイティ・ブランズ)が同社を買収した。

Airspace LinkのシリーズAラウンドは、Altos Venturesが主導し、航空交通管理システムのグローバルリーダーであるThales、以前から投資していたIndicator Ventures(インジケーター・ベンチャーズ)、2048 Ventures(2048ベンチャーズ)、Ludlow Ventures(ラドロー・ベンチャーズ)、Matchstick Ventures(マッチスティック・ベンチャーズ)、Techstars(テックスターズ)、Dan Gilbert(ダン・ギルバート)氏のDetroit Venture Partners(デトロイト・ベンチャー・パートナーズ)が参加した。

「無人航空機システム(UAS)の利用が拡大する中、地域コミュニティ周辺で安全に低空飛行を行うためには、空域管理に空と地上の両方の情報を組み合わせる必要があります」と、Thalesのエアスペース・モビリティ・ソリューション・アメリカ担当バイスプレジデントであるTodd Donovan(トッド・ドノバン)は述べている。「当社の空域管理に関する深い知識と、Airspace Linkの地理空間情報に関する専門知識は、この複雑な課題に取り組むための完璧な組み合わせです」。

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カテゴリー:ドローン
タグ:Airspace Link資金調達FAA

画像クレジット:Sean Gallup / Getty Images under a Getty Images license.

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(文:Matt Burns、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スケール展開が難しいサブスク事業の構築に必要なツールを提供するRevenueCat

サブスクベースのアプリを手がけるデベロッパー向けに一連のツールを提供するスタートアップRevenueCat(レベニューキャット)はシリーズBラウンドで4000万ドル(約44億円)を調達し、ポストマネーの評価額は3億ドル(約330億円)になった。サブスクアプリのスケール展開の難しさを身をもって知っているデベロッパー2人によって設立されたRevenueCatのソフトウェア開発キット(SDK)ソリューションでは、企業がサブスクそのものを加えるだけでなく、その後アプリストアが変更を加えてもアプリを維持するなど、サブスク事業を構築するのに必要なツールを提供する。また企業が広告や分析、あるいはアトリビューションで使っている他のツールでサブスクデータを共有することで企業をサポートしている。

資金調達ラウンドはY CombinatorのContinuity Fundがリードし、Index Ventures、SaaStr、Oakhouse、Adjacent、FundersClub、そしてBlinklistのCTO、Tobias Balling(トビアス・ボーリング)氏とAlgoliaの共同創業者で元CEOのNicolas Dessaigne(ニコラス・デサイン)氏が参加した。ラウンドとともにYC ContinuityパートナーのAnu Hariharan(アヌ・ハリハラン)氏がRevenueCatの取締役会に加わる。取締役会には創業者らに加えてIndexのMark Fiorentino(マーク・フィオレンティーノ)氏も名を連ねている。

RevenueCatのアイデアは、CEOのJacob Eiting(ジェイコブ・エイティング)氏と共同創業者でCTOのMiguel Carranza Guisado(ミゲル・カランザ・ギサド)氏がElevateで一緒に働きながらサブスクインフラを理解するのに苦戦したのちに湧いた。購読者の保持やライフタイムバリュー(顧客生涯価値)のような基本的な疑問の答えを理解するために数年かけて「サブスクのカオス」を紐解いたのち、2人は他のデベロッパーのためにこの問題を解くのをサポートすることに潜在可能性を見出した。

AppleとGoogleは企業がサブスク事業を構築するために実際に必要とするものに関して常に最先端状態を保っているわけではない、とエイティング氏は説明する。「進みながら学んでいるといった感じです。彼らは我々が必要としていたデータを提供することができなかったのです。そしてそれを行うためのインフラも重要でした」。

画像クレジット:RevenueCat

エイティング氏とギサド氏が2017年にRevenueCatに取りかかったとき、誰もそうしたものを作ってさえもいなかった。しかしスタートアップのツールと統合に対する需要は、成長中のサブセクションアプリマーケットで似たような問題に直面していたデベロッパーの共感を呼んだ。

RevenueCatのサービスを使うことで、デベロッパーはサブスク売上高や解約、LTV(ライフタイムバリュー)、購読者数、コンバージョンといった主要なメトリクスを表示するリアルタイムダッシュボードにアクセスできる。データはAdjust、Amplitude、Apple Search Ads、AppsFlyer、Branch、Facebook Ads、Google Cloud Intercom、Mixpanel、Segment、その他のツールやサービスの統合を通じて共有できる。

翌年、Y Combinatorのアクセラレーターから出発した後、RevenueCatはすぐに100のアプリで使われ始め、シードラウンドで150万ドル(約1億6000万円)を調達したときまでに追跡収益は100万ドル(約1億1000万円)を超えていた。

今ではRevenueCatはプラットフォームで6000超のアプリをサポートしており、同社のツールで管理されている追跡サブスク収益は10億ドル(約1099億円)を超える。このアプリの数はシリーズAで1500万ドル(約16億円)を調達した2020年8月時点の倍だ。

今回の追加の資金調達で、同社はさらに多くのデベロッパーにツールを使ってもらうためにサービスの価格を下げる。これまではチャートといくつかの統合のサービスは月120ドル(約1万3000円)、すべての統合へのアクセスは月499ドル(約5万5000円)としていた。この価格設定は大企業にとってはリーズナブルだが、月間売上高が1万〜5万ドル(約110万〜550万円)のロングテールのアプリデベロッパーに売り込むには難しいものかもしれない。

そしてRevenueCatは現在、固定価格ではなくアプリの売り上げのわずかな割合の料金を課そうとしている。月間追跡収益(MTR)が 1万ドル以上のデベロッパーは無料のサービスから始めることができ、チャートへのアクセスやウェブホックのサポート、インテグレーションの必要性など、需要が大きくなるにつれ月額8ドル(約880円)のStarterプランか、MTR1000ドル(約11万円)あたり月12ドル(約1300円)のProプランに移行できる

「そうしたツールをデベロッパー、特に零細事業者に提供することをうれしく思います。というのも、『1万ドル以下のレンジ』から抜け出すのに必要なものかもしれないからです」とエイティング氏は話す。「フリーミアムの美点、あるいは真に寛大な無料サービスをもっていることは、あなたのツールを事実上あるものにします。あなたはソフトウェアサービスを提供するために可能な限り摩擦を取り除き、そして価格を正しく設定したら、我々はそうしていると思いますが、それに値する代償を受けます」と付け加えた。

RevenueCatは新たに調達した資金を、App StoreとGoogle PlayのサポートからAmazonのAppstoreを含むものへと事業を拡大するのにも使う計画だ。また、チームの増強も図る。

その見込まれる成長の一環として、同社はプロダクト責任者Jens-Fabian Goetzmann(ジーン・ファビアン・ゲッツマン)氏を採用した。同氏はMicrosoftでプロダクトマネジャーを、その後フィットネスアプリ8fitでプロダクト責任者を務めた。RevenueCatの従業員は現在30人で、今後はデザイン、プロダクト、エンジニアリング、セールスなどの部門で採用を進めて60人に増やす計画だ。

「世界はサブスクに向かっています。企業にとってこのモデルの構築はデベロッパーの数週間という時間を意味します」とYC Continuityのハリハラン氏は語る。「RevenueCatはデベロッパーがものの数分でサブスクを展開し、顧客データの真実のソースを創造するのをサポートします。デベロッパーは世界の問題に対するソリューションを作り出していて、デベロッパーが収益をあげ、成長し、そして最も熱心な顧客をサポートする方法を見つけ出せることは重要です。RevenueCatはサブスク2.0を構築することでそれを実行しています」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:RevenueCatサブスクリプション資金調達

画像クレジット:RevenueCat

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

駒や手の動きをトレース、タッチ操作可能な「デジタル」ボードゲームをThe Last Gameboardは2021年中に出荷

ここ数年、何百万人もの人々がテーブルゲームの楽しさを知り、再発見したことで、テーブルゲーム業界は爆発的な成長を遂げている。The Last Gameboard(ザ・ラスト・ゲームボード)はその進化の場になりたいと考えている。デジタルボードゲームプラットフォームである当社は、クラウドファンディングから400万ドル(約4億3700万円)のシードラウンドへと進み、業界の大手企業との提携を経て、年内の出荷を予定している。

同社のCEO兼共同設立者であるShail Mehta(シャイル・メータ)氏が2021年初めのTC Early Stageのピッチ・オフで説明したように、The Last Gameboardは16インチ(40.6センチメートル)の正方形のタッチスクリーンデバイスで、カスタムOSと、ゲームの駒や手の動きを追跡する高度な技術が備わっている。狙いは、最大限の利益と最小限の妥協をもって物理的なゲームの代わりにデジタルゲームを提供することだ。

本ピッチには聞き覚えがあるかもしれない。過去に1度か2度、試みられたことがあるからだ。私は2009年に、初代Microsoft SurfaceでのD&Dの可能性に感銘を受けたことをはっきりと覚えている。また、何年も前にPAXで別のSurfaceで遊んだこともある。メータ氏によれば、ごく最近までこのような技術がなく、市場的にも準備が整っていなかったそうだ。

「以前にもこのような試みはありましたが、あまりにも高価だったり、人気がなかったのです。そして、技術的にもそこまでのものではなく、インタラクションの部分が欠けていました」と彼女は語る。確かに、例えばiPad版のゲームには物理的な要素が欠けていることは、プレイヤーなら誰でも認めるところだろう。彼女の会社が達成した進歩は、タッチスクリーンがタップやドラッグだけでなく、ゲームの駒やジェスチャー、画面上の動きなどを検出できるようにしたことだ。

メータ氏によれば「ゲームボードができることは、既存のタッチスクリーンやタブレットには到底できないことです。タッチも駒も、受動も能動も無制限に行うことができます。チェスセットを家で使って、駒を取ったり置いたりしても、それをずっと追跡することができます。タグやカスタムシェイプでユニークな識別が可能です。これは、インタラクティブサーフェスの次なるステップです」。

その方法は特別なものではないため、ゲームボードは、ユニークで高価な構造のために数千ドル(数十万円)もするSurfaceやその後継機のような運命を辿ることはない。メータ氏によれば、ゲームボードは一般的な静電容量方式のタッチデータを一般的に使用されているよりも高いフレームレートで厳密に処理し、機械学習を用いて物体の輪郭を特徴付けて追跡すると説明している。「完全に新しいメカニズムを作ったわけではなく、現在利用可能なものを最適化しているだけなのです」と彼女はいう。

画像クレジット:The Last Gameboard

ゲームボードの価格は699ドル(約6万5000円)と決して衝動買いできるものではないが、実際のところ人々はゲームに多額のお金を費やしており、拡張機能やパーツをすべて揃えると数百ドル(数万円)になるゲームタイトルもある。ボードゲームは今や200億ドル(約2兆1800億円)を超える産業だ。もし、彼らの期待通りの体験ができるのであれば、これは多くのプレイヤーが躊躇せずにできる投資だろう。

もちろん、どんなに強力なジェスチャーや機能を備えていても、そのプラットフォームにあるのが特売品や古い店の人気商品だけであったら意味がない。幸いなことに、The Last Gameboardは世界で最も人気のあるボードゲーム企業をいくつか集め、それらのゲームのデジタル版の決定版を目指している。

画像クレジット:The Last Gameboard

Asmodee Digital(アスモデ・デジタル)は、現代の名作「Catan(カタン)」や「Carcassonne(カルカソンヌ)」から、クラウドファンディングで大ヒットした「Scythe(サイズ)」や大規模なダンジョン探索ゲーム「Gloomhaven(グルームヘイヴン)」まで、今日の大ヒット作品の多くをゲーム化してきた最大の企業だろう。現在、Dire Wolf Digital、Nomad Games、Auroch Digital、Restoration Games、Steve Jackson Games、Knights of Unity、Skyship Studios、EncounterPlus、PlannarAlly、Sugar Gamersの他、個人のクリエイターや開発者がパートナーとして名を連ねている。

これらのゲームは対面でプレイするのが最適かもしれないが、デジタル版への移行にも成功しており、より大きなスクリーンと本物の駒を取り入れれば、より優れたハイブリッド体験が可能になるかもしれない。また、携帯電話やSteamのようにゲームを単品で購入する方法と、無制限にアクセスできるサブスクリプションに加入する方法がある(価格はいずれも未定)。

また、多くのゲームショップやゲーム会場でも、いくつかのゲームを用意しておきたいものだ。店頭でゲームを試した後、数本購入してストックしたり、消費者を同じやり方で説得したりすることは、すべての関係者にとってすばらしい販売戦術となるだろう。

このデバイスは、ユニークで優れたデジタル版ゲームを提供するだけでなく、他の人とつながって技を交換したり、ゲームの招待を送ったりすることができる。メータ氏によれば、OS全体が「生きている現実なのです。私たちが所有し創造しなければ、機能しません」。デバイスはストアを内蔵したAndroidに毛が生えた以上のものでありながら、Androidベースのポートを簡単に持ち込むことができる共有性がある。

コンテンツ部門の責任者であるLee Allentuck(リー・アレンタック)氏は、新型コロナウイルス流行を含むこの2、3年の間に、ゲーム開発者やパブリッシャーが、次の時代に向けた業界の準備状況について考えを改め始めたことを示唆している。「彼らは、デジタル界でのクロスオーバーが起こるだろうと考えています。もし、そのような新しいトレンドに最初から参加することができれば、大きなチャンスとなります」と語る。

ゲームボードでStop ThiefをプレイするCEOのシャイル・メータ氏(中央)とチームのメンバー(画像クレジット:The Last Gameboard)

Hasbro(ハズブロ)に勤務していたアレンタック氏によると、玩具やボードゲームの業界では、技術的により前進することに広く関心が寄せられている。しかし「ニワトリが先か、タマゴが先か」と言われるように、革新する人がいないから市場が生まれず、市場がないから誰も革新しないという状況が続いている。幸いなことに、The Last Gameboardのような会社が400万ドル(約4億3700万円)を調達して、その市場を作るためのコストをカバーできるところまで状況は進展している。

The Last Gameboardの本ラウンドは、TheVentureCity(ザ・ベンチャーシティ)が主導し、SOSV、Riot Games(ライアットゲームズ)、Conscience VC(コンシエンスVC)、Corner3 VC(コーナー3 VC)などが参加した。同社は、予定通りHAX Shenzhenのプログラムに参加しなかったものの、HAX系列の企業であることに変わりはない。SOSVのパートナーであるGarrett Winther(ガレット・ウィンザー)氏は、同社のアプローチを高く評価している。「彼らは、我々がゲームに求めるコミュニティ、ストーリーテリング、対戦の基盤を失わずに物理的なゲームプレイとデジタルなゲームプレイのコラボレーションを効果的に結びつけた最初の企業です」と語る。

メータ氏によると、新型コロナウイルスの影響で、2020年の同時期に予定されていた資金調達が頓挫し、すべてが台なしになり、会社が危うくなるところだった。「機能するプロトタイプができて、特許も申請して、人気も出てきて、資金調達もできて、すべてが順調だった時に、新型コロナウイルスが発生してしまいました。しかしながら研究開発のための時間がたくさんできたので、それが実際幸いしました。私たちのチームは超少人数だったので、誰も解雇せずに済みました。私たちは半年間ほど生存モードに入り、プラットフォームの最適化と開発を行いました。2020年は誰にとっても厳しい年でしたが、コア製品に集中することができました」。

現在、同社は2021年夏にベータプログラムを開始し、そこからのフィードバックを受けて、最初の生産台数を購入されやすい休暇シーズン前に出荷する準備をしているところだ。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:The Last Gameboardボードゲーム資金調達

画像クレジット:The Last Gameboard

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

従業員のコミュニケーションをパーソナライズし本当に重要な社内メッセージを確実に送る「Pyn」

最近のマーケターのほとんどは、ターゲットを絞ったコミュニケーションを顧客に送信する方法を知っており、役立つツールもたくさんある。だがパーソナライズされたメッセージを社内で送信するとなると、選択肢はそれほど多くない。オーストラリアを拠点とするアーリーステージのスタートアップであるPyn(ピン)はそれを変えたいと考えており、現地時間5月28日、800万ドル(約8億8000万円)のシードラウンドを発表した。

Andreessen Horowitzが投資をリードし、Accel、BambooHRの共同創業者であるRyan Sanders(ライアン・サンダース)氏、Atlassianの共同創業者で共同CEOのScott Farquhar(スコット・ファクファー)氏が参加した。

最後の1社は偶然ではない。Pynの共同創業者でCEOのJoris Luijke(ジョリス・ルイク)氏は、Atlassianで人事を担当し、後にSquarespaceや他の会社でも人事を担当した。同氏は、社内コミュニケーションにおいてターゲットを絞ったメッセージを提供するという一般的な課題に気づいた。

「私はプロフェッショナルとしてのキャリアを通してこの問題に取り組み、人々が受け取るメッセージをパーソナライズしようとしてきました。つまりそれがPynが行おうとしていることです。ひと言でいえば、私たちは従業員のコミュニケーションを根本からパーソナライズします」とルイク氏は説明する。共同創業者であるJon Williams(ジョン・ウィリアムズ)氏は、従業員体験管理プラットフォームであるCulture Ampの共同創業者だった。同氏は2011年にCulture Ampの立ち上げを支援した(同社は1億5000万ドル、約165億円以上を調達した)こともあり、2人はこのアイデアに没頭した。

彼らはWorkday、BambooHR、Salesforce、Zendeskなど、企業がすでに使用している既存システムの情報を利用し、Pynにパーソナライゼーションをもたらした。そしてマーケターがさまざまなタイプの情報を活用してパーソナライズされたメッセージを顧客に送るのと同じように、彼らは既存システムのデータを利用する。

つまり、すべての人に関係があるわけではないのに社内の全員が受け取る電子メールを削減し、受信する人にとって本当に重要なメッセージを送信できるということだ。また、マーケティングコミュニケーションツールと同様に、メールを開いた人の数がわかるため、目的を達成できたかどうかを確認できる。

a16zのゼネラルパートナーであり、今回の取引のリードインベスターでもあるDavid Ulevitch(デービッド・ウレビッチ)氏は「Pynは組織全体の文化の構築とポリシーの設定に役立つ、カスタマイズ可能なコミュニケーション資料のライブラリーも提供しています」と指摘する。「Pynはまた、従業員のコミュニケーションチャネルを『レール』として扱います。レールの上で、管理のためのプレイブックのライブラリーを提供することにより、組織全体を管理することができます」と同氏は投資を発表したブログ投稿で述べた。

2019年に立ち上げられたこのスタートアップには現在10人の従業員がおり、チームはオーストラリアとカリフォルニアのベイエリアで働いている。ウィリアムズ氏によると、チームの半分はすでに女性であり、会社を拡大するにあたり多様性を最優先とする計画だ。

「ジョリスは『ラディカルなパーソナライズ』が私たちのマントラだと言っています。これを組織に当てはめると、つまり実際にはインクルージョン(包摂性)に関わることです。私たちが1人1人のニーズに応えたいなら、それを理解する必要があります。ですから、私たちにとって多様性は極めて重要です」とウィリアムズ氏は語った。

同社は顧客数の詳細を開示していないが、Shopify、Rubrik、Cartaを初期の顧客として挙げている。創業者らによると、2020年のパンデミックで多くの関心が寄せられ、頻繁で意味のあるコミュニケーションがさらに重要になったという。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Pyn資金調達オーストラリアAndreessen Horowitz

画像クレジット:Muqamba / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

人間が操り理解できる大型AIの条件を探るOpenAIメンバーが創設したAI研究機関「Anthropic」

AIが物珍しい見世物のような研究プロジェクトの域を脱して、GPT-3のような業界の原動力になるほどの巨大な範型がいくつか登場してくるにともない、この分野にも進化が必要になってきた。そう考える元Open AIの研究担当副社長Dario Amodei(ダリオ・アモディ)氏は、数カ月前に彼自身の企業を立ち上げた。Anthropicと名づけたその企業は、彼の妹のDaniela(ダニエラ)氏が創業者で、人間による操作と理解が可能、そして堅牢な大規模AIシステムの開発を目指している。

アモディ氏らが取り組む目下の問題は、そうした極めて強力なAIシステムが、よく理解されないまま使われていることだ。彼らが関わったGPT-3も、驚くほど多彩な言語システムで、ほぼどのような話題に関するどのような文体のテキストでも、本物そっくりに作り出す。

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シェイクスピアやアレクサンダー・ポープの作例を見せて、韻を踏む二行連句を作らせてみよう。AIはどうやってそれを作るのか?AIは何をどう「考えて」いるのか?もっと悲しくてあまりロマンチックでない詩を作らせるには、どのノブとダイヤルをどれだけ回せばよいのか?言葉遣いや使用する語彙を一定方向に制限するには、何をどうすればよいのか?確かに、人間が値を変えることができるパラメータは随所に用意されているだろう。でも実際には、この極めて本物っぽい言葉のソーセージがどのように作られているのか、誰もよく知らない。

AIがいつ詩を作れるようになるかはどうでもよいとしても、それが百貨店で怪しい行動をウォッチしたり、これから判決を言い渡そうとしている裁判官のために判例を見つける仕事ならどうか。今日の一般的なルールでは、システムが強力になればなるほど、その行動を説明するのは困難になる。しかしそれは、あまり良い傾向ではない。

同社の自社紹介文にはこう書かれている。「今日の大規模な汎用システムには有意義な利点もありますが、予測不可能で信頼性を欠き、不透明なこともあります。弊社の目標は、こういった問題に関して進歩を作り出すことです。当面の間、主にこの目標に向かう研究に力を入れますが、将来的には、私たちの仕事が商用的価値と公共的価値を作り出す多くの機会があると予見しています」。

2021年は、AIの安全性を研究する@AnthropicAIで仕事をしてきたことを発表できてうれしい。安全性の研究とMLモデルのスケーリングを、社会的影響も考えながら組み合わせることに関して、私たちを助けたいという方は、弊社の求人ページanthropic.com/#careersをチェックしてください。

同社の目標は、今日の効率と処理能力が優先されるAIの開発に、安全性の原則を統合することのようだ。どんな産業でも、何かが最初から一体化されている方が、後から端っこにネジで取り付けるよりも簡単だ。今、存在する巨大なAIシステムを分解して理解しようとする試みは、構造の細部が最初からわかっているものを構築することと比べて、仕事量が膨大になるだろう。Anthropicは、後者を選んだようだ。

CEOのダリオ・アモディ氏は、同社とその1億2400万ドル(約136億2000万円)の資金調達を発表する短いポストで次のように述べている。「Anthropicの目標は、今よりも有能で汎用的で信頼性の高いAIシステムを開発し、それらを人びとのために展開していくための基礎研究の高度化していくことにある」。

その資金調達は、読者も予想したかもしれないが、投資家たちの顔ぶれが豪華だ。ラウンドをリードしたのはSkypeの共同創業者Jaan Tallinn(ジャン・タリン)氏、他にはInfotechのJames McClave(ジェームズ・マクレーブ)氏、FacebookやAsanaの共同創業者Dustin Moskovitz(ダスティン・モスコビッツ)氏、Googleの元CEOであるEric Schmidt(エリック・シュミット)氏、そしてCenter for Emerging Risk Researchなどの団体となる。

同社は公益法人であり、同社サイトの限られた情報によればその事業プランは、大型AIシステムの操作性と理解性の向上のための基礎研究となる。2021年中には、ミッションとチームが具体化し、初期的な成果が出るかもしれないため、より詳しい情報が得られるだろう。

ちなみに同社の社名は「anthropocentric(人間中心の)」に隣接したもので、人間の経験や存在との関連性を意味している。おそらく「anthropic principle(人間原理)」に由来するもので、宇宙に知的生命体が存在するのは、人間が存在するからだという考え方だ。適切な条件の下で知性が必然的に生まれるのであれば、企業はその条件を設定するだけでいい。

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タグ:OpenAIAnthropic人工知能資金調達

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

55機のキングエア航空機に自律飛行機能をステルスモードを脱したMerlin Labsが搭載

Merlin Labs(マーリン・ラボ)の創業者であるMatt George(マット・ジョージ)氏は、バーモント州で飛行機の操縦を学んでいた時、バーリントン空港に入ってきたJetBlue(ジェットブルー)の航空機とあと少しで事故になる危機一髪の体験をした。それは「不安な体験」だったと、同氏はTechCrunchに語った。しかし、この体験は彼の心にずっと残ったという。その数年後、自身が設立した交通輸送の企業であるBridj(ブリッジ)がシンガポールのTransit Systems(トランジット・システムズ)に買収されたことをきっかけに、自律走行という地上の交通機関で起きているイノベーションを、どうやったら空に持ち込むことができるかと考えるようになった。

Merlin Labsを設立してから2年半が経過した現在、同社はステルスモードから脱し、航空ソリューション企業のDynamic Aviation(ダイナミック・アビエーション)と提携を結んだことを発表した。これにより、Dynamic Aviationが所有する55機の航空機に、Merlin Labsが開発した自律飛行機能が搭載されることになる。同時にMerlin Labsは、シード資金として350万ドル(約3億8500万円)、シリーズAラウンドで2150万ドル(約23億6000万円)を調達したことも明らかにした。それぞれFirst Round Capital(ファースト・ラウンド・キャピタル)と、Google Ventures(グーグル・ベンチャーズ)から名称変更したGVが主導し、Floodgate(フルードゲート)、Harpoon(ハープーン)、WTI、Ben Ling(ベン・リン)、Box Group(ボックス・グループ)、Shrug Capital(シュラッグ・キャピタル)、Howard Morgan(ハワード・モーガン)が追加出資している。

ジョージ氏によると、Merlin Labsはこれまで3世代の実験システムで、離陸から着陸までの自律飛行ミッションを「数百回」実施してきたという。同社は試験飛行をモハベ航空宇宙港にある専用施設で行っている。その最新のシステムは数カ月前に完成したばかりで、ジョージ氏はこの「Murray(マーレイ)」と呼ばれるシステムについて、あらゆる航空機に適用可能な後づけ自律操縦キットと表現している。人間のパイロットは地上で機体を監視し、緊急時には操縦を引き継ぐことができるが、Merlin Labsのシステムを後付けした航空機は、それだけで運航することができる。

画像クレジット:Merlin Labs Merlin Labs

しかしながら、同社のシステムを取り付けた55機のBeechcraft(ビーチクラフト)製双発ターボプロップビジネス機「King Air(キングエア)」が商業運航として空を飛ぶ前に、Merlin Labsは米国連邦航空局から追加型式設計承認を取得する必要がある。ジョージ氏は、Merlin Labが承認を取得するタイムラインについては言及しなかったが、規制が厳しく当然ながらリスクを嫌うこの業界では、必要なプロセスだ。

また、同社は航空管制官が航空機に直接「話しかける」ことができる機能も証明しようとしている。これは自然言語処理を用いて航空機が人間の言葉を理解し、行動に移すことができるというもので、機体は「高度な認知能力」を持って応答できるようになると、ジョージ氏は語っている。

「私たちは航空管制官が、パイロットの搭乗している他の航空機と同じように、航空機と対話できる必要があると確信しています」と、同氏はいう。「特別なインターフェイスは必要とせず、管制官が航空機に話しかけると、航空機がそのアクションを実行し、返答できるようにしなければなりません。これは私たちが取り組んでいる非常に重要な部分です」。

将来、Merlin Labsは航空会社になるつもりも、自ら航空機を運航するつもりもないと、ジョージ氏はいう。その代わりに、Dynamic Aviation(民間で最も多くのKing Air機を所有する)や、UPSやFedEx(フェデックス)などの大手物流企業に、サービスとして自律飛行機能を提供することを考えている。

「自律飛行は世界を飲み込みつつあります」と、ジョージ氏はいう。「空域を自動化できるということは非常に重要です。人々を結びつけ、世界全体をつなぐデジタルインフラを築くことができるのです」。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Merlin Labs飛行機自動運転自律飛行資金調達

画像クレジット:Merlin Labs

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

メンバーの出社、在宅勤務がひと目でわかるハイブリッド型スケジューリングアプリ「Café」

当初2人の兄弟によって創業されたフランスの新しいスタートアップCafé(カフェ)は、リモートとオフィスのハイブリッド就労モデルへの、企業の切り替えを支援する。Caféは、これまでみられたようなデスク予約ツールではない。その代わりに、チームのメンバーがいつオフィスに来るのかを確認して、自分がいつオフィスに行くべきかを計画できるようにしてくれる。

Caféは、作業場所を重視するのではなく、まず人を重視する。共同創業者でCTOのArthur Lorotte de Banes(アスチュー・ルーホー・ド・バネス)氏は「私たちは、ユーザーに直接デスクを予約させないことを決めました」と語る。

アプリを開くと、シンプルなカレンダービューが表示される。それぞれの日ごとに、オフィスに来ている人、自宅で仕事をしている人などのグループごとに分けられたチームメンバーを見ることができる。

数回タップするだけで、他の同僚に自分の予定を伝えることができる。そうすることで、ミーティングの予定を立てたり、直接会って話をしたり、単に出社のタイミングを合わせたりすることが簡単になる。また、同じプロジェクトに取り組んでいる場合、特定の同僚と予定が合う日を見つけやすくなる。

「150社にインタビューをしたのですが、最初の5社にインタビューした時点で、各社が同じ問題を抱えていることがわかりました。みんながスプレッドシートを使っているのです」というのは共同創業者で現CEOのTom Nguyen(トム・ニュイゲン)氏だ。

画像クレジット:Café

Caféのようなツールを使うことで、自分のオフィスについての洞察を得ることもできる。例えば、曜日や日付ごとに、オフィスの平均出勤人数を確認することができる。管理者は、全員に情報を確実に記入してもらえるように、毎週発行するリマインダーを設定することができる。

モバイルアプリとウェブアプリに加えて、Caféは既存のツールとの統合が可能だ。例えば、CaféのアカウントとSlackを連携させることで、SlackでのステータスをCaféでのステータスに反映させることができる。チームメンバーは、他のメンバーの名前にカーソルを合わせことで、相手がオフィスにいるのか、在宅勤務中なのかを知ることができる。

また同社は、PayFit(ペイフィット)などの人事情報システムとの統合も進めており、休暇がCaféと自動的に同期されるようになる。

画像クレジット:Café

各企業が、オフィスへ戻るための計画を立て始めた絶好のタイミングで、Caféは市場に登場した。企業は、それぞれのニーズに合わせてカスタムステータスを作成することができる。例えばあるCaféユーザーはオフィスが開いていることを確実にするために、誰がオフィスの鍵を持っているかがわかるステータスを作成した。

今回同社は、100万ドル(約1億1000万円)のシードラウンドを行った。出資者は122West、Kima Ventures、Jonathan Widawski、Guillaume Lestrade、Jacques-Edouard Sabatier、そしてWeWork(ウィーワーク)、Dropbox(ドロップボックス)、Github(ギットハブ)、Snapchat(スナップチャット)、Intercom(インターコム)、Stripe(ストライプ)、Alan(アラン)、PayFitに勤務する、または勤務した経験のあるさまざまなビジネスエンジェルたちだ。

Typeform(タイプフォーム)、Doodle(ドゥードゥル)、Slido(スライド)と同様に、Caféはフリーミアム戦略を選択している。チームは無料でサインアップし、身近な同僚たちと一緒に製品を使い始めることができる。登録に際してカード情報の入力は不要だ。

ユーザー数を増やして組織全体に展開したい場合には、支払いを始める必要がある。スタートアップは、そうした従業員たちが全社のための製品支持者になってくれると考えている。また、職場の従業員の幸福度向上を目的とした製品には、適切な戦略だと思える。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Caféスケジュール管理オフィスリモートワーク資金調達フランス

画像クレジット:Café

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

受刑者の社会復帰を支援するUptrustは無駄な大量収監に浪費される数千億円の問題に取り組む

「technical violation(規則[法則]上の違反、厳密な法解釈による違反)」は、米国の現代刑事司法制度を象徴する、プロセスと手続きの不条理な泥沼を埋めるために米国政府が使用しているオーウェルの用語の1つだ。犯罪者が刑を執行した後、彼らはしばしば保護観察下に置かれ、どこに行くことができるか、誰に会うことができるかについての多数の規則をともなう。規則上の違反を犯した人は、仮釈放の審理に数分遅れるという単純な処置のために、何カ月あるいは何年も刑務所に戻されることが少なくない。

規則上の違反は、私たちすべてにとって高くつく。2021年初め、ニューヨークの首都地区の新聞Times Unionは、コロンビア大学およびIndependent Commission on New York City Criminal Justice and Incarceration Reform(ニューヨーク市刑事司法と収監の改革に関する独立委員会)の報告書に基づいて「ニューヨーク州は他のどの州よりも多くの人々を規則上の仮釈放違反で収監しており、その率は全国平均のほぼ3倍である」と報告し「これらの人々の再収監には、納税者の負担として少なくとも6億8300万ドル(約745億円)かかる」と伝えている。

オーウェル的であり、カフカ的でもある。そして公共資源の破滅的な浪費となっている。しかし、それは潜在的な解決策へとつながる問題でもあり、Uptrustはそこを改善しようとしている。

Uptrustは、社会復帰した人々を公選弁護人や裁判記録と結びつけるサービスを提供しており、規則上の違反を防ぐために必要なカレンダー、アポイントメント、ルール、手続きを確実に整備することで、彼らの通常の生活への復帰を促進するとともに、納税者の多大な費用を節約することを目指している。

同社は米国時間5月18日、Decaration FundLuminateStand Together Ventures Labという3つの主要投資家から200万ドル(約2億2000万円)のシード資金を調達したことを発表した。これは2020年TechCrunchが報じた130万ドル(約1億4000万円)のラウンドに続くものだ。

2015年に設立され、2016年に最初の製品をローンチした同社は、Jacob Sills(ジェイコブ・シルズ)氏とElijah Gwynn(イライジャ・グウィン)氏が共同設立し、刑事司法制度を改善する方法を模索していた。両氏は保釈保証金のような領域に目を向けながらも、基本的な問題に立ち返り続けた。「あまりに多くの人が制度から脱してません【略】そして彼らは再び戻ってしまいます」とシルズ氏はいう。

Uptrustは、テキストメッセージングや独自のアプリを通じてサービスを提供している。被告側の弁護士は刑事司法制度に関わる他のメンバーより依頼人に通じやすいことから、同社のサービスはおおむね公選弁護人とリンクしている。

Uptrustのアプリは、保護観察官との迅速なチェックインを可能にし、主要な予定表のアポイントメントをモニタリングする(画像クレジット:Uptrust)

シルズ氏によると、同社は何年も前からさまざまなプロダクトを試しながら成長を続けており、現在では28州で150サイトを展開し、18カ月前の30サイトから増加しているという。現在2カ所でサービスを利用しているバージニア州は、2021年末から2022年初めにかけて同サービスを州全域に拡大する予定だ。

同社は現在、サービスを利用する政府に対して料金を請求しており、その目的は、支払い資金が不足しがちなエンドユーザーの金銭的負担を抑えることにある。しかし長期的には、ユーザーが社会に再参入する際に、増加しているユーザーを新しいサービスにつなげるという大きな機会があると捉えている。「彼らの半数以上は、ヘルスケアへのアクセスに問題を抱えています」とシルズ氏は語り、ヘルスケア、金融、銀行、住宅など、さまざまな分野でアプリが将来的に役割を果たす可能性があるとの見方を示した。

それでも同氏は、これは多くの伝統的なベンチャーキャピタルにとって魅力的ではない「新規市場」であることを認識していた。そこで今回の資金調達で、シルズ氏とそのチームは刑事司法問題に深く染み込んだ資金をターゲットにすることを決断した。解決されようとしている問題、そしてUptrustが自身の使命を果たしながらビジネスとして成功する方法について、先見の明を示してくれることを期待してのことだ。

彼らはまた、シルズ氏のいう「思考における優れた多様性」を求めた。Decarcation Fundはまさにその言葉どおりに投資しており、進歩派のPam Omidyar(パム・オミダイア)氏とPierre Omidyar(ピエール・オミダイア)氏によって設立されたLuminateは、市民の関与に焦点を当てた慈善事業を行っている。一方、Stand Together Ventures Labは、Charles Koch(チャールズ・コッホ)氏が設立したStand Togetherによる資金提供を受けている。コッホ氏は、共和党や保守派の運動に広く資金を提供しているだけでなく、近年では、民間人に対する政府の力を最小化するための刑事司法改革への取り組みも強化している。

Decarceration Fundでマネージング・プリンシパルを務めるChris Bentley(クリス・ベントレー)氏は、Uptrustがこうした特殊な人々が何を必要としているかを正確に理解していると確信し、同社を最初の投資先に選んだ。「この分野には、善意の会社が意図せぬ結果をもたらしてきた重大な歴史があります」とベントレー氏は語る。同ファンドは、明確な目標を備え、ポジティブな結果をもたらすビジネスモデルを有する企業への投資に注力している。「私たちの投資委員会の半分は自らが創業者ですが、同時に、この制度に関する実際的な経験を持つ市民でもあります」と同氏は続けた。

Uptrustは現在、サンフランシスコを中心に15人の従業員を擁するまでに成長し、東海岸にも拠点を広げている。「営利企業が残した実績はあまり芳しくありません。そうした企業のほとんどは、刑事司法制度が望むものを作っているだけなのです」とシルズ氏は指摘した。「私たちは、収益、成果、そして実質上の影響力をもたらすことを実証しようとしています」。

【2021年5月18日更新】LuminateはOmidyar Networkの一部ではなく、パム・オミダイア氏とピエール・オミダイア氏が運営するThe Omidyar Groupから独立した資金を受けている。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Uptrust資金調達アメリカ犯罪

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(文:Danny Crichton、翻訳:Dragonfly)

中小の販売業者が扱う低価格製品にも「Apple Care」のようなサービス提供を目指すExtend

小売業者やブランドに費用対効果が高く効率的な方法を提供し、消費者の購入と補償請求を容易にする、延長保証のビジネスへの新しいアプローチを構築した企業が米国時間5月18日、ビジネスを次のレベルに引き上げるための大規模な資金調達ラウンドを発表した。

「Apple製品ではないあらゆる製品の『Apple Care』になることを目指している」と共同創業者でCEOのWoody Levin(ウッディ・レヴィン)氏が語るExtendが、16億ドル(約1750億円)を超える評価額で2億6000万ドル(約284億円)のシリーズCラウンドを調達した。

同社は今回調達した資金を事業の拡大に充てる計画だ。具体的には、メーカーや小売店の保証がなくなった後に適用される延長保証にとどまらないサービスへの漸進的な移行や、より広範な地理的拡大、そして(27カ月のオペレーションで16億ドルの評価額に飛躍するだけでは十分ではないとすれば)eコマースでの地位を確かなものにするためのさらなる活動などが挙げられるだろう。

レヴィン氏はインタビューの中で「即日提供、後払いなど、中核的なeコマースツールセットのあらゆる要素に私たちは携わっています」と語っている。「当社は2019年から販売を始めていますが、市場はまだ当社のようなビジネスを認識し始めたばかりです。私たちは、透明で公正な保証を行うことにフォーカスしています。これまで市場に見られなかったことです」。

同社によると、初年度の2020年に30万件の保護プランを販売したが、2021年は300万件を超えるプランの販売を予定しているという。顧客にはPeloton、iRobot、Harman/JBL、Backcountry、Balsam Hill、BlendJet、RealTruck、Traeger Grils、その他数百社の小売業者が名を連ねている。(Pelotonはおそらくいくつかの興味深いストーリーを生み出しているだろう)

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シリーズCの資金調達は、財務的投資家と極めて戦略的な投資家の興味深い組み合わせによるものだ。同ファンドはSoftBank(ソフトバンク)が主導しており、同社のVision Fund 2から最新の投資を受けている。(レヴィン氏は孫正義氏から直接の売り込みを受けたと語り「私たちが行っていることを孫氏はすぐに理解してくれました」という)

既存の投資家であるMeritech Capital Partners、PayPal Ventures、GreatPoint Ventures、また新規投資家として保険大手のNationwide、Tomales Bay Capital、Launchpad Capital、10X Capital、40 Northも参加した。

中でも注目に値するのはPayPal(ペイパル)だ。保証は販売時に売られることが多く、決済の大手がより多くのツールとコンバージョンレバーを投入することに関心を示すのは理に適っている。(また保証と保険の関連性を考えると、PayPalの主要な競合企業の1つであるStripeが2021年3月、大手保険会社が参加する大規模な資金調達ラウンドを受けたことも興味深い)。

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一方、ソフトバンクがT-Mobile(多くのガジェットを販売している)の株式の一部を保有しており、投資家も相当数いることも思い出して欲しい。これによりExtendは、保証期間の延長やその他の保護プランを統合して提供する可能性のある広範な領域への扉を開くことが可能になる。

超過応募となったこのラウンドは、Extendが4000万ドル(約43億5300万円)のシリーズBを発表してからわずか8カ月後に行われた。Extendは今回のラウンドでVCとの対話を大幅に拡大したといえる。

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延長保証と保護プランは、長い間消費者の間で論争の的になってきた。理論的には安心感があるように聞こえるが、苛立ちをともなうアップセルのようにも感じられる。会社がなぜか製品の持続性を認めていないという暗黙のメッセージがあるからだ。同時に、まったく期待外れとはならないにしても、実際に異議を申し立てるには時間がかかる。

Extendはレガシーモデルの落とし穴を十分に認識しており、より柔軟なサービス(価格に応じて保証期間の階層を提供)や、Extendが提供するすべての保証を1カ所で管理できる明確なポリシー、必要に応じてポリシーに対する請求を受け取るためのKaleyと呼ばれるデジタルアシスタントによる迅速なやり取りなどによって、レガシーモデルに対抗しようとしている。さらにバックグラウンドでは、機械学習とリスク分析を活用し、自社のプランが確実に実行されるようにしている。

現在のところ、これらすべてが有利に働いている。小売業者は自社で保証を扱うことにあまり興味を持たなくなってきており、その作業を外部の業者に委託している。Extendの初年度の売上は40倍に増加した(2020年)。多くの人が自宅で過ごすようになり、問題が発生した場合には顧客サポートとのやり取りを続けることに意欲的になった時期だ。同社によると、2021年の売上は400%増を見込んでいるという。

同社の顧客は引き続きD2C(消費者に直接販売する)企業が中心となっているが、小売業者とのいくつかの新たな契約は、Amazonのようなマーケットプレイスが提供し得る幅広いサービスに対抗するため、商品購入という基本的な提案に対してより多くのサービスを消費者に提供しようとしている企業に、さらに幅広い機会をもたらすことを示唆している。

SoftBank Investment AdvisersのマネージングパートナーNagraj Kashyap(ナグラジ・カシャップ)氏は次のように語っている。「オンラインで買い物をする消費者が増えるにつれ、小売業者は消費者が安心して買い物ができるようにしたいと考えています。Extendは、業界をリードするプラットフォーム、APIソリューション、消費者優先のアプローチを通じて、延長保証業界を改革していくと私たちは確信しています。レヴィン氏そしてExtendのチームと協働し、消費者の愛する製品を守るより良い方法を提供するという彼らの熱意を支援できることを、大変うれしく思います」。

カテゴリー:その他
タグ:ExtendSoftBank Vision Fund資金調達保証

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

ユーザーが自らの閲覧データをブロックするのではなく収集、管理、他者と集約し販売するツールを提供するDatacy

米国時間5月26日午前、デラウェア州ウィルミントンに本社を置くスタートアップのDatacy(データシー)が2400万ドル(約26億4000万円)の資金調達を完了したことを発表した。新たな資金は消費者が手軽に使えるデータ収集・収益化サービスの構築に使われる。

この会社の存在は、実質的に上に書いたことが可能であるという論証だ。Datacyは、個人が自分のブラウザー閲覧データを収集、管理し、匿名化した上で他者のデータと集約し、最終的に販売するためのツールだ。エンドユーザーは最終売上の85%を得て、Datacyが15%を得る。

このモデルは財政支援を見つけることに成功した。新たな資金はTrend Forward Capital、Truesight Ventures、Redhawk VC、Female Founders Allianceなどが提供した。調達には転換社債が用いられ、950万ドル(約10億4000万円)の制限値が儲けられていたが、調達方式にそれ以外の条件がつけられていたかどうかはわかっていない。

ともあれ、Datacyのモデルは、テクノロジー世界がここ数年取り入れてきた比較的プライバシーを重視するスタンスと一致している。自分たちの活動やデータ、会社自身に対する消費者の関心を高めていると思われるものをチャンスに活かそうとしている会社はAppleだけではない。しかし、Datacyがやりたいのは、消費者プライバシーに関わる衝動を利益に結びつけることだ。

同社の共同ファウンダーであるParoma Indilo(パロマ・インディロ)氏は、この会社はCookieブロッカーではないという。彼女はTechCrunchに、もし誰かがデータをブロックしたければ、そのためのよくできたツールが市場にはすでに出まわっていると言った。Datacyがやりたいのは、コントロールプラットフォームという現在の形態から、ユーザーの同意の下にデータがシェアされ交換される手段へと進化させることだ。当然、収益化とともに。

それは、我々がよく知るようになったアドテックやデータ・ベンダー市場の地獄絵図よりも、よくできた未来構想だ。

現在同スタートアップが学習し、初期データを収集するためのライブベータユーザーがいる。サービスのビジネス面のスタートは、ユーザーが5万人以上になるまで保留すると会社はいう。インディロ氏は、個々のデータにはあまり価値はないが、集約することではるかに大きな価値になる、とTechCrunchに語った。

Datacyが5万ユーザーの節目に到達するのはそう遠くないかもしれない。現在1万人の基盤に、インディロ氏のいう口コミによる30%の月間伸び率が加われば、半年ほどで到達する可能性もある。

Datacyは、潜在能力の高いアーリーステージの有望株の1つだが、山盛りのリスクを抱えていることでも知られている。もし、彼らのモデルの経済性を証明するために必要な客を集められれば、ユーザー基盤への投資が成長を自己達成させるだろう。しかし、新規ユーザーの獲得スピードが落ちれば、モデルが機能するのに十分な規模を実現できないかもしれない。

つまりそれは、ベンチャーキャピタルの有効利用であるとも言える。数カ月後にDatacyをチェックして、目標の5万ユーザーにどれだけ近づいたかを見るつもりだ。そして、消費者は自分たちのデータを取り戻したがる、という彼らの賭けがどのように展開するかも。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Datacy個人情報資金調達

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

宇宙関連メディア運営や宇宙ビジネス支援を行うsorano meが1000万円を調達

宇宙に特化した伴走型事業支援を行うsorano meは5月27日、FGN ABBALabファンド(ABBALabスタートアップファンド投資事業有限責任組合)から1000万円の資金調達を完了したと発表した。調達した資金は、伴走型支援事業拡大に向けた人材基盤構築、コミュニティ醸成・人材育成を推進するために活用する。

sorano meは「わたしたちの日常を、宇宙ビジネスで豊かにする。」をミッションとし、大手衛星メーカーやロケットメーカー経験者、大学教員、メディア業界経験者、コンサルティング会社出身者などが集まって創業したスタートアップ企業だ。また、全員が副業という形でプロジェクトに携わっている。

現在sorano meは、宇宙ビジネスメディア「宙畑-sorabatake-」や宇宙広報団体「TELSTAR」などの複数メディア運営、そして人工衛星から得られるデータや通信インフラなど、様々な宇宙アセットを利用した新規事業開発支援を推進している。さらに、海外宇宙スタートアップのビジネスモデルを解説したコンテンツを複数展開している。

それ以外にも、新規事業を担う宇宙ビジネス人材基盤構築事業として、コミュニティ醸成・人材育成を行っている。また日本航空宇宙学会 宇宙ビジネス共創委員会委員として、アカデミックとビジネスを繋ぐセミナーの企画運営も実施している。

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カテゴリー:宇宙
タグ:資金調達(用語)sorano me(企業)日本(国・地域)