コインチェックとThe Sandboxがメタバース上の都市「Oasis TOKYO」の開発プロジェクト開始、2022年春に一般公開予定

コインチェックとThe Sandboxがメタバース上の都市「Oasis TOKYO」の開発プロジェクト開始、2022年春に一般公開予定

暗号資産取引所・販売所などを手がけるコインチェックと、ゲーム分野においてメタバースの活用を推進するThe Sandboxは1月31日、コインチェックが保有するThe Sandbox上の土地「LAND」において、2035年の近未来都市「Oasis TOKYO」を制作するプロジェクトを開始したと発表した。この取り組みは、メタバース上での活動を体験する機会を提供することや、The Sandbox上でのコミュニティ活動の活性化を目的とするもので、2022年春に一般公開予定という。

The Sandboxは、メタバースと呼ばれる仮想空間の中で、ユーザーがボクセルアートのアバターや建物などのアイテムやゲームを作成して遊ぶ「ユーザー主導のゲームメイキングプラットフォーム」。

今回The Sandbox上に建設するOasis TOKYOは、「2035年の近未来都市」をコンセプトにしたメタバース×NFTのコミュニティ拠点となるという。日本を連想させる象徴的な街並みの中に美術館やステージなど様々なイベント施設を設置し、様々な分野のアーティストとファンとの交流や企業のコミュニティ育成の場として活用してもらうことを目指している。

コインチェックとThe Sandboxは2020年9月にパートナーシップを締結。NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」でのLANDの販売など、日本市場におけるThe Sandboxの認知拡大を推進してきた。2021年後半より、メタバースやWeb3に注目が集まり、SNSやその上に成り立っていたコミュニティの形も変化するとされる中で、両社で連携し今回の取り組みを行うことで、近い将来訪れるであろうメタバースの世界を体験できるきっかけを創出したいとしている。

フィナンシェとコインチェックがIEOによる資金調達に向けた契約を締結、2022年夏までに実現を目指す

フィナンシェコインチェックは11月29日、IEO(Initial Exchange Offering)による資金調達を実現するための契約を締結したことを発表した。この契約のもと、2022年夏までに実現を目指す。

IEOは、企業やプロジェクトがユーティリティトークンを活用した資金調達を行う仕組みであるICO(Initial Coin Offering)のひとつ。特徴としては、暗号資産取引所が主体となってプロジェクト審査およびトークンの販売を行う仕組みとなっており、資金を調達できるだけでなく、トークンを活用することでコミュニティの形成・強化がしやすいことが挙げられる。

実現の暁には、すでに100以上の個人や団体のトークンの発行・販売、企画・運用を行っているフィナンシェが「フィナンシェトークン」の発行を担い、コインチェックが2021年7月に提供を開始したIEOプラットフォーム「Coincheck IEO」において販売を担当する予定。コインチェックにとっては、今回のIEOは第2号案件となる。

今回のIEOにより発行されるフィナンシェトークンは、クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」を利用して発行したクラブトークンやNFTを横串に活用するプラットフォームトークンとする計画だという。また同IEOにより、フィナンシェでは調達した資金の一部をFiNANCiEおよびNFT事業のさらなる拡大にあてる予定。

フィナンシェトークンは、記事執筆時点ではホワイトペーパーなど詳細は公開されていない。イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で発行され、FiNANCiEユーザーへのインセンティブ付与やエコシステム全体におけるガバナンス参加を促すという。FiNANCiEで発行されているコミュニティトークン同士をつなげ、長期的なトークン価値を向上させるためのプラットフォームトークンとして、FiNANCiEエコシステムにおける「ユーザー主体の運営」の実現を目指すそうだ。

フィナンシェは、2019年1月に設立された「10億人の挑戦を応援するクリエイターエコノミーの実現」をミッションに掲げている企業。ブロックチェーン技術を活用したNFT事業やFiNANCiEを展開しており、トークン(FTおよびNFT)の発行、企画・運用により新しい価値を生み出すトークンエコノミーの実現を目指している。現在は湘南ベルマーレやアビスパ福岡といったプロサッカークラブをはじめ100名以上の発行者(個人、クラブ、プロジェクト)のトークンの発行・販売・企画・運用を行っている。

国内初IEOの「Palette Token」が開始から6分で調達目標金額9.3億円を突破、コインチェック「Coincheck IEO」発表

国内初IEOの「Palette Token」が購入申し込み開始から6分で調達目標金額9.3億円を突破、コインチェック「Coincheck IEO」発表

コインチェックは7月2日、日本初のIEO(Initial Exchange Offering)プラットフォーム「Coincheck IEO」において、7月1日より購入申し込みを開始した「Palette Token」(PLT)が、開始から6分間で申し込み金額の総額が調達目標金額9億3150万円を突破したと発表した。Palette Tokenは、HashPort子会社Hashpalette(ハッシュパレット)発行によるもの。申し込み金額の総額が調達目標金額を上回ったことから、抽選(申し込みの順番は関係ない)での販売となる。

Hashpalette代表取締役の吉田世博氏は、「Paletteは今回のIEOを起点に、日本発のグローバルなNFT特化ブロックチェーンとして成長しいく所存です」とコメントしている。

「Palette Token」(PLT)関連スケジュール

  • 7月1日 12:00:購入申し込み開始
  • 7月15日 18:00:購入申し込み終了
  • 7月20日 順次:抽選およびPalette Token受渡し
  • 7月27日 12:00:取引所においてPalette Tokenの取扱いを開始

IEOは、トークン発行によるコミュニティの形成・強化や資金調達を暗号資産交換業者(取引所)が支援するという仕組み。企業・プロジェクトなどの発行体がユーティリティ・トークンを電子的に発行することで資金調達を行う仕組み「ICO」(Initial Coin Offering)の中でも、暗号資産取引所が主体となって発行体のトークンの販売を行うモデルとなっている。

コインチェックのCoincheck IEOでは、企業やプロジェクトなどが発行したユーティリティ・トークンの審査・販売をコインチェックが行う。

HashpaletteのPalette(ホワイトペーパー)は、オープンソースの「Quorum」(GoQuorum。GitHub)を基盤とするコンソーシアム型プライベートチェーン。Quorumは、ブロックチェーン企業Consensys(コンセンシス)が手がけているもので、ブロックチェーンネットワークへのアクセス権限を管理可能なほか、許可を得た特定の企業によって運営できるようになっている。

Palette Token(PLT)は、Ethereum上で発行するERC-20規格準拠の暗号資産。クロスチェーン技術(他ブロックチェーンとの接続機能)を用いてPaletteチェーン上でも利用できるようにしているという。同社は、Paletteについてエンターテインメント領域に特化したNFTプラットフォームとしており、PLTは「コンセンサスノード運営報酬」「スマートコントラクトの発行手数料(GAS)」「NFT売買の決済」といった用途の支払いに使用できるユーティリティ性の高いトークンと位置付けている。なおNFTの発行には、EthereumのERC-721規格と同様の仕様として実装した「PRC721」規格を用いるという。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:IEO(用語)暗号資産 / 仮想通貨(用語)ERC-20(用語)Ethereum / イーサリアム(製品・サービス)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)オープンソース / Open Source(用語)Quorumコインチェック(企業・サービス)Hashpaletteブロックチェーン(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

暗号資産取引所コインチェックが国内初IEOを7月1日から開始

日本の暗号資産業界の歴史に、新たなページが加わる。Coincheck(コインチェック)は、2021年7月1日に国内初のIEOプラットフォーム「Coincheck IEO」を開始。第1弾として、Hashpaletteの発行する「Palette Token(PLT)」の購入受付を同日より実施する。

NFT特化型のブロックチェーン「パレット」

そもそもIEOとは「Initial Exchange Offering」の略で、暗号資産取引所が事前にプロジェクトの審査を行った上で、投資家にトークン販売を行うというもの。2017年頃に話題となったICO(Initial Coin Offering)では、投資家がプロジェクトから直接スマートコントラクトを通じてトークンを購入するため、その危険性が度々が指摘されていた。一方でIEOの場合は、暗号資産取引所が設ける一定の審査基準をクリアしたプロジェクトのみが実施できるため、ICOと比較するとプロジェクトの「スクリーニング」がある程度行われているというメリットがある。

今回、国内初のIEOによる資金調達を実施する「Palette(パレット)」は、日本発のマンガやアニメ、スポーツ、音楽といったさまざまなコンテンツをNFTとしてデジタル化して売買できるようにするブロックチェーンだ。現在主流であるEthereumブロックチェーン上では、DeFiやNFTなど多種多様なdAppsが展開されているので「ガス代(手数料)」が乱高下しがちだ。しかしNFT特化型のPaletteであれば、比較的ガス代は安定しやすく、ユーザーにとって利便性が高くなるという。

このPalette上でのガス代を支払うために使われるのが、Palette Token(PLT)だ。ERC20準拠のPLTは、ガバナンストークンとしての側面も持ち、ホルダーはコンソーシアムメンバーにより分散的に運営されるPaletteの運営プロセスに関わることができる。

今回のIEOでは、Palette Tokenの総発行数10億枚のうち2億3000万枚をコインチェックを通じて投資家に販売する。販売価格は1PLTにつき4.05円で、1口1000PLT(4050円)から、最大2400口(972万円)まで申込可能だ。コインチェックによると、売出総額を超える申込みが行われた場合には、抽選により購入者を決定するという。申込期間は7月1日から同月15日で、上場日は7月27日。

Hashpaletteは、東証1部上場で計1000万MAUのマンガアプリ群を運営するLink-Uと、暗号資産交換業向けウォレットシステムなどを提供するHashPortの合弁会社として2020年に設立された。HashPort代表取締役の吉田世博氏は「日本が誇るコンテンツを世界に発信していくために、NFTは強力な武器になる。今回のIEOをきっかけに、NFT専用ブロックチェーンのPaletteをさらに発展させていきたい」と意気込みを語った。

HashPort代表取締役の吉田世博氏

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Coincheck暗号資産日本NFT

画像クレジット:コインチェック

暗号資産取引所コインチェックが国内初のIEOを7月1日提供開始、第1弾はハッシュパレット発行のPalette Token

暗号資産取引所コインチェックが国内初のIEOを7月1日実施、第1弾はハッシュパレット発行のPalette Token

コインチェックは6月24日、IEO(Initial Exchange Offering)プラットフォーム「Coincheck IEO」の提供を7月1日に開始すると発表した。またその第1弾として、HashPort子会社Hashpalette(ハッシュパレット)発行の「Palette Token」(PLT)の購入申し込みを7月1日より実施すると明らかにした(購入申し込み参加には暗号資産取引所の口座開設が必要)。IEOによる資金調達は、国内初の試みとなる。同日、HashpaletteがPaletteのホワイトペーパー(PDF)を正式公開した。

  • 7月1日 12:00:購入申込み開始
  • 7月15日 18:00:購入申込み終了
  • 7月20日 順次:抽選およびPalette Token受渡し
  • 7月27日 12:00:取引所においてPalette Tokenの取扱いを開始

暗号資産取引所コインチェックが国内初のIEOを7月1日実施、第1弾はハッシュパレット発行のPalette Token

暗号資産取引所コインチェックが国内初のIEOを7月1日実施、第1弾はハッシュパレット発行のPalette Token

IEOは、トークン発行によるコミュニティの形成・強化や資金調達を暗号資産交換業者(取引所)が支援するという仕組み。企業・プロジェクトなどの発行体がユーティリティ・トークンを電子的に発行することで資金調達を行う仕組み「ICO」(Initial Coin Offering)の中でも、暗号資産取引所が主体となって発行体のトークンの販売を行うモデルとなっている。

コインチェックのCoincheck IEOでは、企業やプロジェクトなどが発行したユーティリティ・トークンの審査、また販売をコインチェックが行う。Coincheck IEOにより、日本の暗号資産投資家が国内外の有望なプロジェクトに参加できる環境を提供することで、暗号資産・ブロックチェーン関連のプロジェクトを支援し、暗号資産市場の発展に貢献するとしている。

オープンソースのブロックチェーン「Quorum」を基盤とする「Palette」と、ERC-20規格の暗号資産「Palette Token」(PLT)

HashpaletteのPaletteは、オープンソースの「Quorum」(GoQuorum。GitHub)を基盤とするコンソーシアム型プライベートチェーン。Quorumは、ブロックチェーン企業Consensys(コンセンシス)が手がけているもので、ブロックチェーンネットワークへのアクセス権限を管理可能なほか、許可を得た特定の企業によって運営できるようになっている。またPaletteは、Quorumで利用できるコンセンサスアルゴリズムのうち「プルーフ・オブ・オーソリティ」(Proof of Authority、PoA)を採用しており、信頼できる複数企業による安定した運⽤を行うとしている。

Palette Token(PLT)は、Ethereum上で発行するERC-20規格準拠の暗号資産となっており、クロスチェーン技術(他ブロックチェーンとの接続機能)を用いてパレットチェーン上でも利用できるようにしているという。同社は、Paletteについてエンターテインメント領域に特化したNFTプラットフォームとしており、PLTは「コンセンサスノード運営報酬」「スマートコントラクトの発行手数料(GAS)」「NFT売買の決済」といった用途の支払いに使用できるユーティリティ性の高いトークンと位置付けている。なおNFTの発行には、EthereumのERC-721規格と同様の仕様として実装した「PRC721」規格を用いるという。

Palette Token(PLT)の用途例

  • 発行されたNFT(Non-fungible token)の購入費
  • Paletteにおけるノード運用報酬の支払い
  • Paletteコンソーシアムメンバーへの委任
  • スマートコントラクトやNFT発行の手数料

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曖昧だから良い? 米国の暗号資産規制がイノベーションを取りこぼさないワケ

曖昧だから良い? 米国の暗号資産規制がイノベーションを取りこぼさないワケ

Photo by Jon Sailer on Unsplash

編集部注:この原稿は千野剛司氏による寄稿である。千野氏は、暗号資産交換業者(取引所)Kraken(クラーケン)の日本法人クラーケン・ジャパン(関東財務局長第00022号)の代表を務めている。Krakenは、米国において2011年に設立された老舗にあたり、Bitcoin(ビットコイン)を対象とした信用取引(レバレッジ取引)を提供した最初の取引所のひとつとしても知られる。

暗号資産取引所に上場するコインの数は日本の数倍。機関投資家や上場企業による積極的なBitcoin(ビットコイン)投資で今年の強気相場を牽引する。「コンテンツ大国」であるはずの日本よりも先に、アーティストやミュージシャン、スポーツ選手、セレブがデジタルアート販売やバーチャルリアリティ(仮想現実)のインフラ整備を目的としてNFT(ノン・ファンジブル・トークン)のブームを作る。そして、著名電気自動車メーカーCEOが有名なテレビ番組に出演して柴犬がトレードマークの「Dogecoin」(ドージコイン)について語る……。

上記は、2021年に入って米国の暗号資産業界が成し遂げたアチーブメント(実績)の一部です。5月はBitcoinをはじめ暗号資産マーケットは大幅に調整しましたが、米国市場に悲観ムードはあまり見られない印象です。「投機」や「ハッキング」といったネガティブなイメージから脱却できない日本とは雲泥の差で、暗号資産に対する温度差は激しいのは明らかだと思います。

一体なぜなのでしょうか?

もちろん様々な理由が考えられますが、その1つには、暗号資産を含めて新たなイノベーションに対する規制について、日米間で考え方に大きな違いがあるからと考えています。

日本は暗号資産大国だった

驚くことに実は、数年前まで日本は暗号資産のメッカでした。

Bitcoin創設者(または創設グループ)の名前がSatoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)であることに関係しているかどうかは定かではありませんが、Bitcoinの開発者や熱狂的なサポーターが国内外から東京に集まっていました。ニューヨーク・タイムズの記者であるナサニエル・ポッパー氏が2009年~2014年にかけて世界中のBitcoin関係者に直接取材して書いたルポタージュ「デジタル・ゴールド──ビットコイン、その知られざる物語」(ISBN:978-4-532-17601-3)では、東京が重要な舞台として登場します。ハッキング事件が起きるまで世界一のBitcoin取引高を誇った取引所Mt.Gox(マウントゴックス)は、東京に拠点を持っていました。実際、2018年頃までは、円建てのBitcoin取引高が全体の50%以上を占めていました。

何を隠そうクラーケンCEOであるJesse Powell(ジェシー・パウエル)も日本に魅了された1人です。当時、ハッキングを受けたMt.Goxを支援するために、たびたび東京を訪れました。

しかし、現在、東京は暗号資産のメッカとはとてもいえなくなってしましました。シェアの半分以上を占めていた円建てのBitcoin取引高は、7%未満まで落ち込みました。Bitcoin投資だけではありません。DeFi(分散型金融)やNFTブーム、ステーブルコインの台頭といった暗号資産の技術が基盤となるイノベーションについていけず、米国から大きく出遅れてしまっています。

イノベーションを定義できるのか? 日米規制の違い

突然ですが、読者の皆さんは、暗号資産やブロックチェーンの領域にかかわらず、今後、どのようなイノベーションが出現して世の中を変えていくのか完璧に予想することができますか?

どんな著名な起業家や経済学者、歴史学者であっても、答えは「NO」だと思います。また、最先端の研究に携わっている人でも、自分の分野以外のイノベーションを予測することは不可能でしょう。

それにもかかわらず、法律でイノベーションの形を厳格に定義して、基本的には、「その定義に合うイノベーションだけを認める」「定義に合わないものは認めない」といった杓子定規な運用をしている国があります。日本です。

消費者保護・マネロン対策の面では評価されている日本の規制

暗号資産の分野に関していえば、日本では、2017年の4月に資金決済法が改正され、暗号資産が法的に定義され、暗号資産を取り扱う事業者は仮想通貨交換業(現在は暗号資産交換業)としての登録が義務付けられました。この暗号資産規制は、日本が世界に先駆けて導入したものであり、導入当初は、事業者に金融機関並みの投資家保護やマネーロンダリング(マネロン)対策(AML)、テロ資金供与対策(CFT)などを求めたことが暗号資産市場に制度的な安定性を与えるものだと、おおむね好意的に評価されていました。

ただし、2014年のMt.Gox事件以降も、日本では2018年のコインチェック事件をはじめとして、巨額暗号資産の流出事件が相次ぎました。そしてこうした事件が起こる度に当局は事業者に対する規制を強化しており、現行の規制水準は、セキュリティに関するものを中心に一部金融機関の水準を上回っているのではないかと思います。

日本の法律と規制は、イノベーションを進めるという観点からは難点が多い

一方で、現状の規制では、暗号資産の商品性や技術的特殊性がほとんど考慮されていないなど課題が多いのも事実です。具体的には、日本では資金決済法で暗号資産の定義がきっちりと決められているため、定義に当てはまらない場合は、たとえイノベーションとして世界を変えるほどのプロダクトであっても、いくら海外で暗号資産として流通していても、日本国内ではそれが認められません。「やって良いこと」を毎回事前に決めてしまう日本の法律と規制は、イノベーションを進めるという観点からは難点が多いのではないかと感じています。

米国では、必要最低限の事項をリトマス試験紙のように判定し、最初から法令でがちがちに縛ることはしない

対照的に米国では、法律は「原則(プリンシプル)ベース」です。新しいイノベーションに基づくサービスが出てきた時、「すでに存在するサービスに該当しないか?」「犯罪に使われないか?」「詐欺ではないか?」「マネーロンダリングに使われないか?」など、必要最低限の事項をリトマス試験紙のように判定し、最初から法令でがちがちに縛ることはしない、というのが基本スタンスです。

例えば、2013年に米連邦捜査局(FBI)はBitcoinを使った決済を導入していたインターネット上の闇サイト「Silk Road」(シルクロード)の創業者を麻薬取引や詐欺、マネロンなどの罪で逮捕・起訴しました。また2019年、ニューヨーク州南部地方検察局は、北朝鮮で開催されたカンファレンスに参加して暗号資産に関する知識を提供したとしてEthereum Foundation(イーサリアム財団)の関係者を逮捕しました。

米国では、上記のように要所要所で取り締まるべきところは厳格に取り締まっていますが、基本的に、個別具体的なプロダクトやサービスレベルでは原理原則を守る限りは見守る方針があるようです。逆に言えば、企業やスタートアップは原理原則を守りながら新たなイノベーションにチャレンジすることが可能となっていると思います。

さらに米国では国レベルでも規制当局の数が多いこともあり、暗号資産の定義はバラバラです。米証券取引委員会(SEC)は「証券」、米商品先物取引委員会(CFTC)は「コモディティ」、米内国歳入庁(IRS)は「財産」と独自に定義づけをしています。現在の暗号資産はいまだ黎明期にあり、暗号資産というイノベーションが今後どのように進化していくのか、その全貌が把握できない中では、この曖昧さや統一感のなさが逆に柔軟性につながっているのではないかと感じています。

イノベーションを取り込む議論を!

暗号資産のイノベーションは、日進月歩ならぬ「秒進分歩」で進んでいます。日本国外では、DeFi(分散型金融)やステーブルコインといった既存金融サービスをブロックチェーン上で実装する動きが活発化しています。

DeFiの例としては、暗号資産の貸借取引(暗号資産を貸出して報酬を得る取引)のプラットフォームがあります。ここでは、暗号資産を貸出して報酬を得たい人と暗号資産を借入れたい人のマッチングばかりか、貸出・借入と報酬の授受も自動化されています。伝統的な金融では、証券会社、短資会社、証券金融会社、証券取引所といったプレイヤーが複雑に絡み合って成立している貸借取引の世界をプログラム上で実現し、さらに仕組みの改善を恒常的に行っている点は、私のような証券業界に長くいた人間からすると驚きに値します。

ステーブルコインは、法定通貨などを裏付けとして、ブロックチェーン上で発行されるもので、日本円や米ドルといった既存の法定通貨にペッグするように設計されています。こうしたステーブルコインの代表例には、テザー(USDT)やUSDC(USDコイン)があり、暗号資産市場で国際取引を行う際に、銀行を用いた国際送金の代替として活発に利用されています。銀行の国際送金は、資金の到着まで数日必要であり、手数料も高額ですが、ステーブルコインはこうした課題をブロックチェーン上で解決しています。

日本の暗号資産に関する法令が立法当時にどこまでイノベーションを意識していたか定かではありませんが、DeFiやステーブルコインの例を出すまでもなく、暗号資産におけるイノベーションは今後も加速度的に進化していくでしょう。

イノベーション、技術革新には不可逆性があります。つまり、一度誕生したら、過去にさかのぼって消すことはできず、それとうまく付き合っていくほかないのです。この点を念頭におくと、日本の暗号資産に関する法令・規制がイノベーションを取り込むという観点において、投資家の利益になっているか、国際競争上不利な状況になっていないか、法的により柔軟な対応は可能かどうかなどなど、議論を進めていく必要があるのではないかと感じています。

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暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

コインチェックは5月31日、ブロックチェーン分野のコンサルティングとシステム開発を行うのNFT関連子会社HashpaletteによるIEO(Initial Exchange Offering)を2021年夏実施予定と発表した。Hashpaletteが2021年3月にテストネットをローンチした、NFT特化ブロックチェーン「パレット」(Palette)のユーティリティトークン「PLT」を販売する予定。

またコインチェックは、IEOに関する情報を掲載する公式サイトを公開した。今後、HashpaletteのIEOに関する情報を告知するためのプロジェクト詳細ページの公開を2021年6月頃に予定。今夏のIEO実施に向け準備を進めるとしている。

IEOは、トークン発行によるコミュニティの形成・強化や資金調達を暗号資産取引所が支援するという仕組み。企業・プロジェクトなどの発行体がユーティリティ・トークンを電子的に発行することで資金調達を行う仕組み「ICO」(Initial Coin Offering)の中でも、暗号資産取引所が主体となって発行体のトークンの販売を行うモデルとしている。

企業やプロジェクトによるトークンの発行は、世界中のユーザー・開発者・投資家・サービスプロバイダーなどのネットワーク参加者とオープンな分散型ネットワークを構築することを可能にし、さらにすべてのネットワーク参加者に対しインセンティブを与えることができる手法という。

コインチェックでは、これまで企業やプロジェクトによるトークン発行を支援することで、暗号資産市場の更なる発展に貢献すべくIEO事業への参入を検討し、2020年8月よりHashpaletteとともに日本初のIEO実現に向け取り組んできたそうだ。

暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

Hashpaletteによると、パレットは、エンターテイメント領域におけるデジタルコンテンツの発行・管理・流通に特化。マンガ・アニメ・スポーツ・音楽といったコンテンツのNFT形式での流通に最適化されたブロックチェーンネットワークという。

また、クロスチェーン技術を実装しており、発行したNFTはPalette以外のブロックチェーンネットワークでも利用可能。現在、イーサリアム(Ethereum)、ネオ(NEO)、オントロジー(Ontology)mp3つのブロックチェーンネットワークとのクロスチェーンに対応しており、NFTの発行および流通のハブとして対応先を今後順次拡大予定としている。

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コインチェックが「NFT」を取引できるマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」を3月24日開始

コインチェックが「NFT」を取引できるマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」が3月24日開始

コインチェックは3月18日、ブロックチェーン上のデジタルアイテム「NFT」を取引できるマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」を2021年3月24日より提供開始すると発表した。

サービス開始時点では、ふたつのゲームタイトルで利用できるNFTを、同社暗号資産取引所・販売所Coincheckで取り扱う13種類の暗号資産と交換できる。Coincheckの口座を持つ者は、NFTの出品・購入・保管が可能で、出品・購入にかかるネットワーク手数料(Gas代)は無料となっている。

コインチェックが「NFT」を取引できるマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」が3月24日開始

コインチェックでは、2020年8月にNFTマーケットプレイスの立ち上げ表明以来、国内外で人気のある6つのNFT発行体と連携しながらCoincheck NFT(β版)の提供開始に向け準備を進めてきた。

Coincheck NFT(β版)は、ブロックチェーン上に直接記録されない取引方法オフチェーンにより、従来のNFT取引において課題とされていた、ネットワーク手数料(Gas代)の高騰や複数サービスを介する取引方法などの課題を解決したという。

今後はゲーム分野のみならず、アートやアニメ、マンガ、音楽などの分野のNFTの取扱いにも注力し、NFT市場の拡大およびNFTによる新たなエコシステムの創出を目指す。

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コインチェックがブロックチェーンゲーム「The Sandbox」の土地取得、自社NFTマーケットプレイスで一部分譲予定

コインチェックがブロックチェーンゲーム「The Sandbox」の土地購入、自社NFTマーケットプレイスで譲予定

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年2月14日~2月20日の情報から。

マネックスグループ傘下の暗号資産取引所コインチェックは2月17日、ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」内で販売されている仮想空間内の土地「LAND」を取得したと発表した。一部を自社NFTマーケットプレイスで販売する予定。

コインチェックがブロックチェーンゲーム「The Sandbox」の土地購入、自社NFTマーケットプレイスで譲予定

The Sandboxは、ブロックチェーン基盤の仮想空間(メタバース)にあたる、コミュニティ主導型ゲームおよびゲーム作成プラットフォーム。中国・香港を拠点とするゲーム開発会社Animoca Brands(アニモカブランド)によるもので、2021年第1四半期にリリース予定という。すでに一部ツールが公開済みで、3Dボクセル(ブロック)を用いてアバターや建物などのアイテムやゲームを作ることができる。

コインチェックは2020年9月、The SandboxとNFTマーケットプレイス事業において連携することを発表している。同社は、今回取得したLANDの一部を自社NFTマーケットプレイスで販売することで、日本におけるThe Sandboxの利用拡大と、さらなるNFTマーケットの盛り上げに貢献していくとした。

コインチェックがブロックチェーンゲーム「The Sandbox」の土地購入、自社NFTマーケットプレイスで譲予定

LANDは、EthereumのERC-721規格で発行されたNFT(Non Fungible Token。ノン・ファンジブル・トークン)となっている。The Sandboxにおけるデジタル不動産であり、プレイヤーはその上に建物などデジタルアセットを構築するために購入できる。発行上限が16万6464LANDと決まっており、すでに多くのLANDがプレセールによって販売済みになっている。

LAND所有者は、The Sandboxでゲームプレイに参加できるほか、自分のLANDにおいて他のプレイヤーに対して独自のゲーム体験を提供できる主催者にもなれる。さらに、LANDの一部を他のプレイヤーにレンタルし、ユーティリティトークンSANDを稼ぐことも可能なほか、コインチェックのように分譲することもできる。

なおSANDは、暗号資産Ethereum上で発行されたERC-20準拠トークンで、The Sandboxで利用できる主要トークンとなっている。暗号資産取引所BinanceのIEOプラットフォームBinance Launchpadを通じ、300万ドル(約3億1700万円)相当のSANDが販売されている。

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コインチェックとHashPortが「暗号資産規制の現在と未来」をテーマに慶應大 KGRIで公開講座開催

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暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年2月7日~2月13日の情報から。

マネックスグループ傘下の暗号資産取引所コインチェックと、HashPortは2月12日、
慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート
(Keio University Global Research Institute。KGRI)において、「暗号資産研究プロジェクト」を発足すると発表した。期間は2月25日から3月31日まで(2021年度も継続予定)。プロジェクトの担当教員は、田村次朗教授。

同プロジェクトは両社の寄付により運営されるもので、初回講座は一般の方も受講可能な公開講座としてオンラインで実施される。開催日時は2月25日15:00〜16:00。ゲストスピーカーとして、自主規制団体「暗号資産取引業協会」(JVCEA)の歴代事務局長である安河内誠氏と福井崇人氏を招き、日本の暗号資産規制の歴史と制度設計の考え方についての講演を行う。

初回オンライン公開講座概要

  • テーマ:「暗号資産規制の現在と未来」
  • 日時:2月25日15:00~16:00
  • 参加費:無料
  • 場所:オンライン開催(Zoom)
  • ゲストスピーカー:安河内 誠氏(一般社団法人日本暗号資産取引業協会 事務局長)、福井 崇人氏(一般社団法人日本暗号資産取引業協会 前事務局長、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業)
  • 参加申し込み:開催案内ページより申し込み

今後同プロジェクトでは、こうした分野に造詣が深い実務家の方をゲスト・スピーカーとして招き、その知見を共有する研究会を実施する。ブロックチェーン技術や暗号資産に関する理解を深め、日本経済の健全な発展に向けた今後の戦略や適切な規制のあり方など、広範な視点からこの新しい技術の未来について探っていくという。

HashPortは、「ブロックチェーンテクノロジーで日本を革新する」をミッションに掲げ、ブロックチェーンの社会応用を支えるソリューションプロバイダーとして事業を展開。暗号資産交換業者を含む日本国内の企業に、新規暗号資産取扱関連サービスやコンサルティングサービスを提供している。また、海外のブロックチェーンプロジェクトに対して、日本展開を支援するアクセラレータープログラムも実施している。

KGRIは、慶應義塾大学のグローバル化をより推進するための基盤として、2016年11月に設置された組織。大学研究モデルの新たな試みとして、産学連携で研究シーズを育てるコンソーシアムとなっている。

同学は、世界で最も高齢化が進む日本の長寿社会における様々な課題、リスクを解決するために、高度で学際的・国際的な教育・研究活動を行うべく「長寿」「安全」「創造」という3つのクラスターに資源を集中。これら3クラスターにおける研究活動をより前進させ、その成果を広く国際的に発信することを目的としている。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:コインチェック(企業・サービス)HashPort日本(国・地域)

暗号資産取引所コインチェックがNFTマーケットプレイス運営のメタップスアルファを子会社化

暗号資産取引所コインチェックがNFTマーケットプレイス運営のメタップスアルファを子会社化

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月31日~2月6日の情報から。

マネックスグループ傘下、暗号資産取引所「Coincheck」運営をするコインチェックは2月5日、NFT(Non Fungible Token。ノン・ファンジブル・トークン)マーケットプレイス「miime」(ミーム)を運営するメタップスアルファの全株式を取得し、完全子会社化したことを発表した

コインチェックは、子会社化するための株式譲渡契約をメタップスアルファの親会社メタップスと締結。株式譲渡契約は、譲渡実行日を2021年2月12日(予定)としている。メタップスは、議決権所有割合100%となる株式2万株すべてをコインチェックに譲渡する。譲渡価格については、当事者間の守秘義務契約により非開示。

株式譲渡後、メタップスアルファの商号はコインチェックテクノロジーズ(予定)に変更、また役員体制も変わるが、提供中のmiimeについてはそのままに、Coincheckとは別ブランドとしてサービスを継続する。現在miimeを利用中のユーザーは、特に何の手続きをする必要もなく引き続きサービスを利用できる。

NFTマーケットプレイス事業を国内外でいち早く展開する

コインチェックは2020年8月、NFTを暗号資産と交換できるNFTマーケットプレイス事業化の検討を開始し、2020年度内のサービス提供開始を目指すと発表した。また同年9月には、ゲームとブロックチェーンのエコシステム構築を目指すシンガポールのEnjinとNFTマーケットプレイス事業における連携開始を発表

その中で、昨今Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーンの課題となっているのは、需要の増加とともにスケーラビリティ(処理性能)問題が顕在化している点だ。EthereumのERC-721準拠トークンによるNFT取引においても、市場が拡大する中でスケーラビリティ問題が無視できなくなってきている。

そのためコインチェックは、スケーラビリティ問題の回避と手軽なNFT取引のため、スケーラビリティ問題に絡み高騰するネットワーク送金手数料(Gas代)が発生しないよう、オフチェーンによるNFT取引を行えるマーケットプレイスの開発を進めてきた。

しかしコインチェックは、NFTマーケットプレイス事業を国内外でいち早く展開するには、オフチェーンおよびオンチェーンのNFTマーケットプレイスの提供が必要と考え、今回、すでに2019年9月よりオンチェーンによるNFTマーケットプレイスmiimeを提供していたメタップスアルファを子会社化することを決定したという。

NFTマーケットプレイス「miime」

miimeは、NFTとして発行されたデジタルアイテムに関し、ユーザー間で売買できる場を提供するマーケットプレイスサービス。ウェブ上のブロックチェーンアプリケーションとして動作する。miimeでは、デジタルアイテムの売買成立と同時に、ブロックチェーン上のスマートコントラクトによって所有権の移転が実行される。

暗号資産取引所コインチェックがNFTマーケットプレイス運営のメタップスアルファを子会社化

miimeでの売買方法には、2種類ある。ひとつは、売り手が保有するデジタルアイテムを出品し、買い手はその中から欲しいものを探してEthereumで購入する方法。もうひとつはオファーという方法で、出品されていないデジタルアイテムについて買い手が販売依頼を出し、所有者がオファーを承認すると売買が成立するというものだ。現在は、日本円による出品と購入にも対応している。

またmiimeは、すでに取引内容が決まっているユーザー同士が直接やり取りできるプライベートセールという取引も実施できる。この場合は、取引相手のEthereumアドレスを指定し、デジタルアイテムと売買金額を直接送り合うことで、出品手数料(10%)を節約できる。

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