AndroidのGoogleアシスタントにページ全体の読み上げ、翻訳機能が加わる

数週間前にCESでGoogleは、Androidでウェブページ全体を読み上げられるようにする機能をデモしてみせた。指定した記事を全部を読み上げてくれるので読みたいが手がふさがっていてスクロールできないときやスマホの画面をずっと見ていたくないとき、運転中などに理想的だ。Androidデバイスに 「OK, Google, read this page」(このページを読んで)と命ずると、Googleアシスタントのニューラルネットワークが起動し、即座に読み上げてくれる。

ページまるごと読み上げ機能は米国時間3月4日、Androidの全ユーザーに公開された。

注目点

  • 読み上げているテキストが強調表示され、ページが自動スクロールされる。記事のどこを読み上げているのかがひと目で分かる。以前Googleはこういう機能を追加する可能性があると言っていたが一般公開の時期などは不明だった。さいわい準備が整ったようだ。
  • 読み上げ速度を調整できる。ポッドキャストを3倍速で聴きたいといったせっかちな人間には便利な機能だろう。
  • 翻訳機能もある。Googleアシスタントのデフォルト以外の言語を読み上げさせようとする場合、ユーザーが選択した40以上の言語に翻訳が可能。
  • ページの管理者はGoogleアシスタントが読み上げないよう設定できる。なんらかの理由でGoogleアシスタントに音声でページを読み上げられたくない場合(個人情報などが含まれていて、読み上げ機能が誤って起動されると困るような場合)、HTMLメタタグで無効化できる。これはページ単位で設定しておく必要がある。

Googleによれば近年公開されたAndroid(Android 5、Lollipop以降)が作動するほとんどのスマートフォンで利用可能だという。

【Japan編集部追記】速度調整は読み上げ画面の下部をタップする。0.5倍から3倍まで調整できる。現在の訳者の環境(Android 10)では「OK, Google, read this page」でTechCrunch Japanの記事を日本語で読み上げたが、日本語で「OK Google、このページを読んで」では読み上げは実行されなかった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

FacebookのCreator Studioにモバイル版が登場

FacebookのCreator Studioにモバイル版が追加された。Creator Studioは、2018年8月に全世界で利用可能になったクリエイターとパブリッシャー向けのインサイトダッシュボードだが、今回、iOSとAndroidの両方のモバイルアプリとして利用できるようになっている。デスクトップ版のCreator Studioと同様に、ユーザーはFacebookのページ全般に渡ってコンテンツのパフォーマンスを追跡し、記事の公開、投稿スケジュールの設定や調整、ファンからメッセージへの返信などが可能となる。

画像クレジット:Getty Images

Facebookの北ヨーロッパのエンターテインメント担当ディレクターAnna Higgs(アンナ・ヒッグス)氏は、先週のVidCon Londonで、Facebookに400万人を超えるフォロワーを持つクリエーターLadbaby(ラドベイビー)氏とともにステージに登場し、新しいアプリ公開のニュースを発表した。

アプリには、クリエーターやパブリッシャーにとって役立つ、メトリックやインサイトのセクションなど、いくつかの重要な領域がある。ここでユーザーは、ページ単位と記事単位のどちらでもインサイト、リテンション、ディストリビューションといったメトリックを分析し、状況に応じて戦略を調整できるようになる。たとえば「動画の1分再生数」、「動画の3秒再生数」、「再生時間」といった、コンテンツのパフォーマンスのメトリックが得られる。さらにコメントや共有、フォロワー数、収益など「エンゲージメント」のメトリックを得ることもできる。

またこのモバイル版アプリでは、すでに公開された投稿と、スケジュールされた投稿の両方を表示することができる。クリエーターはビデオのタイトルや説明の編集など、その場で修正が可能だ。さらに投稿の削除や、期限切れとしての設定、リスケジュール、ドラフト版の公開といったことも可能となる。

「受信箱」セクションでは、ユーザーが外出中でも、受信したメッセージに返信したり、コメントを返したりできる。

クリエーターは、同じセッションの中で、複数のアカウントを切り替えることもできるので、いったんログアウトして、別のユーザーとしてログインし直したりしなくても済む。これは、大規模なソーシャルメディアを管理している人や、複数のクリエーターページのサポートを生業としている人にとっては、ありがたい機能だろう。

このCreator Studioアプリを使って、大きな機会や重要なイベントに際して即効性のある通知を送信することも可能だ。

Facebookが、クリエイターのコミュニティに向けて専用アプリを提供したのは、これが初めてではない。同社は2017年にも、統合された受信箱、分析機能などを持つCreatorアプリを投入していた。しかし、そのアプリは2019年初めごろに廃止され、クリエイターはPages Managerアプリ、またはCreator Studioのデスクトップ版への移行を余儀なくされていた。さらにその前にもFacebookは、あらかじめ認定された有名人や、そのページでのみ利用可能なMentionsアプリを提供していたこともある。

新しいCreator Studioアプリは、廃止されたCreatorアプリをそのまま置き換えるものではない。似たような機能は提供しているが、まったく同じというわけではなく、ユーザーインターフェースも異なっている。また、Instagramの統合機能はなく、新しいコンテンツをアップロードしたり、投稿したりする機能も欠いている。後者は、リリース後のアプリのユーザーレビューが低い原因となっている。また、Pages Monitorアプリとオーバーラップする部分が多すぎるという不満も多く聞かれる。ただし、欠落している機能については、今後Facebookがアプリに機能追加していくに従って搭載されていくものと思われる。

ところで、FacebookのCreator Studioアプリが、同じくクリエーター向けの、YouTubeのサービスに似た名前であることに気づくだろう。YouTube Studioは、2017年にYouTube Creator Studioから名称が変更された。アプリの名前に「Studio」と「Creator」の両方を含むことで、App Storeの検索結果に対して良好な効果が得られるかもしれない。たとえば、誰かが「クリエーター向けのYouTubue Studio」を検索したとき、近い名前のアプリとして表示される可能性が高まるからだ。こうした名前の付け方も、才能あるビデオクリエイターを惹きつけようと躍起になっている両社の競合関係を反映したものだろう。

モバイル版のCreator Studioアプリは、iOS用もAndroid用も無料でダウンロードできる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleがAndroid 11最初のデベロッパープレビューを公開

米国時間2月19日にGoogleは、デザートをテーマにした公式リリースの日々を終え、Android 11のデベロッパープレビューを発表した。プレビューは現在Google自身のPixel端末のシステムイメージとして提供されており、Pixel 2以上で利用可能だ。

今のところ、このアップデートをネットワーク経由でインストールする方法はない。通常それは開発の後期段階になってから提供される。こうした早期リリースはそもそも一般ユーザーのためではない。デベロッパーがオペレーティングシステムの最新機能を早くテストできるようにすることが目的だ。

「Android 11では、ユーザーが最新イノベーションを利用できるようにすると同時に、プライバシーとセキュリティーを最優先にし続けることに集中している」とGoogleのエンジニアリング担当VPであるDave Burke(デイブ・バーク)氏は説明した。「機密性の高いデータやファイルのアクセスを管理するための新機能を複数追加し、OSの回復力と安全を高めるためにプラットフォームの重要部分を強化した。Android 11は折りたたみ端末や5G向けの拡張、迷惑電話API、新しいメディアおよびカメラ機能、機械学習などさまざまな新機能をデベロッパーに提供する」。

これまでのGoogleの早期プレビューと異なり、Android 11の初バージョンはかなり多くの新機能が盛り込まれている。バーク氏が言っていたように、5Gが必須とする帯域推測APIや、接続が定額制かどうかをチェックしてアプリが高解像度ビデオを再生できるかどうかを決められる機能も入っている。

GoogleはAndroid 11で、Project Mainlineのアップデート可能モジュールも10個から22個へと増やした。これでGoogleは、デバイスメーカーがOSをフルアップデートすることに頼ることなく、オペレーティングシステムの重要部分をアップデートできるようになる。ユーザーは、Google Play経由で普通にアップデートをインストールするだけでいい。

Android 11が端末の縁までカバーした「ウォーターフォールスクリーン」を標準でサポートし、新しいAPIを使って縁の近くの操作をデベロッパーが利用できるようになることをユーザーは喜ぶだろう。

ほかには、デベロッパーが会話的操作を扱えるようになる。例えば、通知画面に専用の会話セクションを付けたり、チャットバブルのAPI、通知画面から返信するときに画像を挿入する機能などだ。

当然ながら、Googleはプライバシーとセキュリティーの新機能もAndroid 11に追加する。機密性の高いデータのためのワンタイム許可や外部ストレージのデータをOSが扱う方法の変更などで、後者は昨年プレビューされていた。

セキュリティーに関してGoogleは、通常の新リリースにある強化に加えて、生体認証サポートを拡張し、精度のレベルを追加した。

小さな改善はほかにもたくさんある。その中には機械学習アプリの実行を便利にするための機能がいくつかあるが、Googleは、IT部門が強化されたワークプロフィールを使って企業端末を管理するための新機能がAndroid 11に追加された点を強調していた。

このAndroid 11初のデベロッパープレビューは、以前のリリースのときよりも約1カ月早く公開されたので、GoogleはこのOSを正式リリースするまでに少し時間の余裕がある。現在のリリーススケジュール では、デベロッパープレビューを毎月4月まで提供し、その後3回のベータの後2020年Q3に最終リリースが出る予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleはスパイツールとされるアプリ「ToTok」のストア削除を認める

2019年12月のThe New York Timesの報道によれば、人気のメッセージングアプリのToTokは、アラブ首長国連邦(UAE)の政府がユーザーの会話や位置情報、ソーシャル上の繋がりを追跡するために使用しているスパイツールだという。同アプリはGoogle(グーグル)の調査により12月にGoogle Play ストアから削除されたが、2020年1月初めに復活した。そして同社は今回、同アプリを再び削除したことを認めたが、その理由についてはコメントを避けた。

なお、海外テックサイトの9to5Googleは米国時間2月14日の金曜日に、ToTokが再びGoogle Playから削除されたことを初めて報じた。

グーグルは質問に対し、Google Playから同アプリを削除したことを認めた。さらに同社は、このアクションは外部からの指示や要請に応じたものではないと述べた。つまり、アメリカ政府はこの問題に関与しておらず、グーグル自身がアプリ自体を削除することを選択したのである。これは、ポリシー違反の可能性が高い。

The New York Timesの最初の記事によると、ToTokはローンチから数カ月で、中東からヨーロッパ、アジア、アフリカ、北米にてApple(アップル)とグーグルのアプリストアから何百万回もダウンロードされた。匿名の情報筋よれば、このアプリはユーザーの「すべての会話、行動、関係、アポイントメント、サウンド、イメージ」を追跡するために使われたという。

ToTokが削除された時点で、グーグルは同アプリがGoogle Playのポリシー(詳細は不明)に違反していると述べていた。アプリ調査会社のSensor Towerによると、アプリはこれまでに1000万回以上インストールされていたという。

1月にToToTokのウェブサイトは、アプリが再びダウンロード可能になったと発表していた。

Viceによると、Google Playに提出されたアップデート版のアプリには、ユーザーの連絡先リストへのアクセスと同期を許可するための、新しいダイアログが設けられていた。

奇妙なことに、アップデート版のToTokはGoogle Playのチャートに2度とランクインしなかった。

通常、App AnnieやSensor Towerのようなサードパーティーのアプリ調査会社は、非常にランキングの低いアプリも確認できる。例えばApp Annieのチャートは、どのカテゴリーでも1750位までのランキングを追跡している。しかし復活後のToTokは、自国のUAEのストアでさえランクインすることはなかった。

しかし、アプリはダウンロード可能だった。グーグルはこのアプリを先週金曜日の2月14日にPlayストアから削除したことを認めた。

現在、ToTokのウェブサイトには、サードパーティーによるAndroid向けアプリストアにあるアプリのリストが掲載されているが、Google Playは登録されていない。なお、サイトでは直接ダウンロードできるAPKファイルが提供されている。

また、ToTokはiOSでは引き続き利用できなくなっている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

GoogleのGboardキーボードのEmoji Kitchenで絵文字のマッシュアップができる

自分の気持ちを正しく表す絵文字がない、とお嘆きのあなた、米国時間2月12日からニューバージョンが使えるGoogleのGboardキーボードはどうかな。Android用の新しいGboardには「絵文字キッチン」(Emoji Kitchen)という機能があって、ユーザーはいろんな絵文字をマッシュアップしてメッセージのステッカーとして使える。

ステッカーは、Gmail、GoogleのMessages、Messenger、Snapchat、Telegram、WhatsAppなど、いろんなアプリで使える。

例えば、さまざまなスマイルの絵文字に眼鏡をつけたり、ゴーストにカウボーイハットをかぶせたり、ロボットが涙を流したり、サボテンを猿の顔にしたり(でもこれはどうかな)、ハッピープープ(おもしろウンチ)にハートをつけて愛を表現したりなど、何でもできる。

  1. ASL_emoji_8

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  6. ASL_Emoji_2

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ただし、できるのはGoogleがサポートしている絵文字のみで、その多くはスマイリー系だ。つまり絵文字のマッシュアップは、どんな絵文字でもAIがリアルタイムでマッシュアップするのではなくて、Gboardがあらかじめ用意しているものだけなのだ。

使い方は、どれかのスマイリー絵文字をタップするとEmoji Kitchenが、使えるマッシュアップを教えてくれる。

GoogleのGboardは、新しい自己表現の方法を探求する実験的なアプリで、かなり前からある。たとえば、自分用の絵文字を自作できるEmoji Minisがあり、落書き絵文字モールス信号絵文字の提案やGIF画像などもある。

その結果このアプリは、何年も前からあるのに今だにAndroidユーザーの評判が良い。今でもツールカテゴリーの上位50位内にいるし、世界中で10億回以上ダウンロードされている。GoogleのPixelスマートフォンなど、一部のAndroidデバイスではデフォルトのキーボードだ。

でもGoogleのGboardに関するより大きな目標は、Googleの検索などと同じく、すべてのユーザーの常駐アプリになることだ。今や検索はデスクトップよりもモバイルの方が多いから、当然、キーボードの使用頻度も高い。そこを、完全にGoogle化したい。でも、モバイルの検索はGoogleにとって高くつく。モバイルデバイスのメーカー、たとえばApple(アップル)などと、デフォルトの検索エンジンにしてもらうことを契約しなければならないからだ。

GboardはGoogleにとって、その契約のための戦略になる。ユーザーはブラウザーアプリからGoogleを使わなくても、いきなりキーボードだけを使えばいい。

Googleによると、Emoji Kitchenは本日からAndroidユーザーに提供される。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

クラウド上でAndroidアプリを動かすCanonicalのAnbox Cloud

Linuxの人気ディストリビューションUbuntuのCanonicalが、米国時間1月21日、クラウドサービスAnbox Cloudの立ち上げを発表した。企業はこのクラウドプラットホーム上でAndroidを動かすことができる。

Androidは、Anbox Cloudの上でゲストオペレーティングシステムになり、コンテナ化されたアプリケーションを動かす。これにより独自のエンタープライズアプリケーションやゲームサイトなど、さまざまなユースケースが期待されている。

Canonicalのクラウドサービスは、GoogleがChrome OSの上でAndroidアプリを動かせるようにしていることと似ているが、実装はまったく異なり、コンテナマネージャーLXDをベースとし、コンテナのプロビジョニングやデプロイの自動化などのためにJujuMAASといったCanonicalのプロジェクトを多数利用している。同社は発表声明で 「LXDのコンテナは軽量なので、仮想マシン上のAndroidエミュレーションと比べて、少なくとの2倍のコンテナ密度が得られる。ただし実際には、ストリーミングのクオリティーやワークロードの複雑さによって異なる」と述べている。

なお、Anbox自体はCanonicalとUbuntuの幅広いエコシステムから生まれたオープンソースプロジェクトだ。Anboxは2017年にCanonicalのエンジニアであるSimon Fels(サイモン・フェルズ)氏が立ち上げ、完全なAndroidシステムをコンテナで動かす。これによりユーザーは、Androidのアプリケーションを、どんなLinuxベースのプラットホーム上でも動かすことができる。

しかし、その意味は何だろうか? Canonicalの主張によると、Anbox Cloudを利用することで企業はモバイルのワークロードをクラウドへオフロード可能になり、それらのアプリケーションを社員のモバイルデバイスへストリームできる。またCanonicalによれば、5Gの普及により多様なユースケースが生まれるが、それに貢献するのは大きな帯域よりもむしろレイテンシーの低さだという。

Canonicalのプロダクト担当ディレクターStephan Fabel(ステファン・ファベル)氏は 「5Gのネットワークとエッジコンピューティングの普及により、多くのユーザーが、自分の好きなプラットホーム上で、超リッチなAndroidアプリケーションをオンデマンドで利用できるようになる。企業は高性能で高密度のコンピューティングをどんなリモートデバイスにも提供できるようになり、しかもその際の電力消費といった経費はきわめて低い」と発表で述べている。

Canonicalはエンタープライズ以外に、ゲーミングおよびゲームのストリーミングにも重要なユースケースを展望している。スマートフォンはますます強力になりつつあるが、それでも結局のところ、クラウド上のサーバーには敵わない。そこにCanonicalは目をつけている。

Canonicalが挙げるもう1つの重要なユースケースが、アプリのテストだ。デベロッパーはこのプラットホームを利用して、何千台ものAndroidデバイス上でアプリを並列させてテストできる。ただしAndroidのエコシステムは分裂が激しいため、重要なテストはエミュレーションでなく実機上で、となるかもしれない。

Anbox Cloudをパブリッククラウドで動かすことはできるが、CanonicalはエッジコンピューティングのスペシャリストをPacketとパートナーにして、それをエッジ上やオンプレミスでホストする。このプロジェクトのハードウェアパートナーは、AmpereとIntelとなっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AndroidのEUにおけるデフォルト検索エンジン指定に批判多数

Googleは反トラストの嫌疑に対して、Androidの「選択画面」での表示をめぐるオークションで勝利した検索エンジンを公開した

EU内で使われるAndroidスマートフォンでは、ユーザーがデバイスをセットアップするときにプロンプトが表示され、4つの検索エンジンの中からどれかを選ぶことになるが、その中には必ずGoogle自身の検索エンジンもある。

2018年の半ばに欧州委員会は、Androidプラットホームの運用をめぐる反トラスト違反でGoogleに50億ドル(約5500億円)の罰金を科した。この嫌疑には、市場で優勢なスマートフォンOSに自社サービスを優先的に載せていることが含まれており、その違反を正すよう命じられたが、やり方はGoogle自身に任されていた。

Googleの回答は、選択画面を作ってその小さなリストからユーザーが検索エンジンを選ぶことだった。初期画面におけるデフォルトの選択は、各地のマーケットシェアで決まるようだった。しかし2019年の夏、Googleは検索エンジンの名前を表示する欄を非公開のオークションにかける、と発表した。

最初となる2020年3月1日から6月30日までのオークションにおける勝者は、プライバシーを保護する検索エンジンDuckDuckGoで、ヨーロッパの31市場すべてで3つの有料表示欄の1つを勝ち取った。また、Info.comもこれらの市場すべてで検索エンジンのオプションとして表示される。Wikipediaによると、Info.comはGoogleを含む既存の複数の検索エンジンやディレクトリ(目録サイト)から検索結果を得るメタ検索エンジンの古参だ。

選択画面に4つ表示できる検索エンジン候補のうち3つは、優先権のあるGoogleとオークションの勝者DuckDuckGとInfo.comになる。そして残る1つは、8つのヨーロッパ市場でフランスのプライバシー保護検索エンジンQwantが表示される。東部の5つの市場ではロシアのYandexが表示される。

ヨーロッパのより小さな市場で表示されるそのほかの検索エンジンは、GMXSeznamGiveroそしてPrivacyWallとなる。

Microsoft(マイクロソフト)のBingという大物検索エンジンは、意外にもイギリス市場だけで選択画面に表示される。

広告収入のすべてを植樹活動に寄付する検索エンジンEcosiaは、今回のリストにないが、一部の選択画面には登場する。ただし同社はGoogleの「載りたけりゃ金を払え」主義に反対して、オークションをボイコットした。

EcosiaのCEOであるChristian Kroll(クリスチャン・クロール)氏は、BBCの取材に対して「このオークションは2018年7月の欧州委員会の規則の精神に反していると私は思う。インターネットのユーザーには検索エンジンを自由に選べる権利があり、オークションというGoogleの答えは、自由で開放的で共同的なインターネットを利用できるはずの我々の権利を侮辱している。Android上で誰がデフォルトの地位を持つのか、それを決める権利がなぜGoogleにあると言えるのか?」と語っている。

Googleのやり方が批判されているのは、検索エンジンだけではない。QwantとDuckDuckGoはともに、2019年にGoogleがオークションという有料制への移行を発表した直後に、懸念を表明していた。

オークションに勝利して、選択画面における全市場を対象とする表示欄を得たにも関わらずDuckDuckGoは、表示されるために金を払うという方式に反対している。

「検索エンジンを選ぶメニューは、正しく設計されていればユーザーの選択肢を有意義に増やす優れた方法だと考えている。我々の独自調査もこれを裏打ちしており、ヨーロッパのAndroidユーザーが自分のスマートフォンの設定をする際、容易にDuckDuckGoをデフォルトの検索エンジンに指定できることを期待している。しかしながら、それでもなお弊社は、わずか4つ(実質3つ)の表示欄をオークションにかける有料制は正しくないと考えている。なぜならば、この方法ではユーザーは自分たちにふさわしいすべての選択肢に触れることができず、またこの競争がGoogleの利益になるからだ」とDuckDuckGoは表明している。

一方、Qwantのスポークスパーソンは次のように語っている。「競争者全員がオープンなやり方でモバイル市場へのアクセスを許されることを、Qwantは繰り返し求めてきた。デフォルトの検索エンジンとしてユーザーに選ばれる機会も、すべて平等に与えられるべきである。検索エンジンが金を払ってGoogleに代わるものとして選ばれる機会を得るこの方式は、公正でないと我々は考えている。これは、Androidのモバイルシステムにおける、Googleの支配的地位の濫用だ。しかしながら、モバイル市場はどんな検索エンジンにとっても重要であり、この入札方式に参加せざるをえず、一部の市場のAndroidユーザーにQwantをデフォルトの検索エンジンとして指定する機会が与えられたことにはついてはほっとしている。すべての国のすべての競合製品に、同様の機会が与えられなければならない。そしてその機会の獲得は、彼らの価値によるべきであり、Googleに金を払って選択画面の表示欄を争う能力によるものであってはならない」

この記事はQwantからの新たなコメントによりアップデートされた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

インドのアプリ市場を長年支配した中国製を抜き同国製アプリが初めてトップに

中国のデベロッパー製アプリは、インドで人気があった。2018年はインドで人気上位100のAndroidアプリのうち、44が中国製だった

しかし、2019年はインドのデベロッパーのがんばりにより、その様子が変わってきている。アプリの分析やマーケティングを行なっているAppsFlyerによると、全体的にインドのアプリが勢いを取り戻してきているという。

報告書によると、インドのGoogle Play StoreとApple App Storeの2019年Q2とQ3では、上位200アプリのうち2018年は38%がインドのデベロッパーや企業のものだったが、41%に上昇した。

調査会社App Annieのデータによると、「インド製アプリの上昇は中国製アプリのシェアを奪っている。2018年には中国製が43%でトップだったが、2019年は38%になりトップの座を譲った。中国製とインド製を合わせると、全体のほとんど4/5を占め、79%だ」と主張を裏付けている。

AppsFlyerによれば、この変化は2018年から2019年にかけて多くのインド企業が決済やゲーム、ニュース、エンターテインメントなどのアプリに進出してきたためだという。その結果、2019のQ2、Q3ではアプリのインストール数が65億に達した。

しかし同じ報告書で、中国のデベロッパーも依然としてがんばっており、どのカテゴリーでも強い、と述べている。

インドには4億5000万あまりのスマートフォンユーザーがいて、それほど厳しくない法律のおかげでオープンな市場が維持されている。そのため、インドは世界中のデベロッパーにとって魅力的な市場になっている。

Xiaomi(シャオミ)やByteDance(バイトダンス)といった中国企業の多くが、インドを彼らにとって最大の市場として挙げている。TikTokのインドユーザー2億を超えたインドのスマートフォン市場をリードしているXiaomiは、インドのユーザーのためのサービスのポートフォリオを急速に築いている。12月初めにはインドで貸付アプリをローンチした。

しかしインターネットを初めて使うユーザーは、それほど豊かでない人たちが多いこともあり、そんな人たちの人気を得ることは容易ではない。たとえば旅行アプリを作っているデベロッパーたちは、1インストールあたりのコストが約2.4ドル(約170インドルピー)かかっている。食べ物と飲み物のアプリは1インストールあたり1.9ドル(約135インドルピー)、一方ゲームはコストが13.5インドルピーだ。

[AppsFlyerのデータによると、2019年のアプリのインストール数はインド製が中国製を上回った。金融カテゴリーのアプリは人為的なインストール増大に費用を投じている(どれがそうなのかを当てるのはやさしい)。その結果、金融アプリの59%はインストール初日にアンインストールされている。]

このツイートで語られているように、マーケティングに大金をつぎ込んでも、これらアプリの定着率はインストール初日で23.4%だった。そしてその月の終わりには2.6%に落ち込んでいる。それでも2018年の、初日22.8%、30日後2.3%に比べると定着率は上がっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebookが脱Googleへ、ハードウェアのソーシャル化に向けて新OSを開発中

Facebookのハードウェア製品は、現在のところAndroid OSで作動している。しかしFacebookはOculusやARヘッドセットなどをGoogleの支配下から脱出させようと決心している。

FacebookはMicrosoft(マイクロソフト)のWindows NTの共同開発者として著名なMark Lucovsky(マーク・ルコフスキー)氏をオペレーティングシステム担当ジェネラル・マネージャーに任命した。Informationによれば、Facebookはまったく新しいソーシャル・オペレーティング・システムをゼロから開発しているという。もちろんFacebookのスマートフォンアプリは将来もAndroidデバイス向けに提供される。

Facebookのハードウェア担当バイスプレジデントのボズことAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏 は「次世代のコンピューティング環境に我々の場所を確保したい。市場やライバルに100%任せておくわけにはいかない。Facebook自身でそれをやる必要がある」と述べている。

Eye OS

独自OSを持てばFacebookはハードウェアにソーシャルな対話やプライバシーをさらに深く焼き込むことができるだろう。GoogleとFacebookが衝突した場合でも独自ガジェットの開発が挫折する危険を避けられる。FacebookはTechCrunchに対し「現在の目的はARヘッドセットを駆動(するOSの開発)だ」と述べた。ARデバイスの作動させるためにFacebookは独自開発だけでなく、他社との提携を含めてあらゆる選択肢を検討している。

Facebookが独自OSを持つこのメリットはほかにもある。Facebookへの囲い込みだ。FacebookはInstagramブランドのARヘッドセットを開発しているが、これが独自OSで作動するようになれば、買収した企業のエンジニアがスピンアウトすることを防ぐにも効果的だ。

Facebook Portal Lineup

FacebookはこれまでもVR/AR分野で独自のOSを所有していないことで痛い目にあってきた。 最大のライバルであるApple(アップル)やGoogleの好意に頼るしかないのはFacebookにとって極めて不利だ。プライバシーやデータ収集に関してアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は繰り返しFacebookとマーク・ザッカーバーグ氏を批判してきた。 Voxの記事によれば、Facebookは2013年ごろモバイルOSの研究を進めていたという。これはOxygenと呼ばれる極秘プロジェクトで、Google Playストアを経由せずにFacebookアプリをAndroidデバイスに配布する方法を探るものだった。

しかしこうした試みは失敗に終わった。中でも目立ったのはFacebookがHTCと共同で開発したAndroidをフォークさせたOSの場合で、スマートフォンのHTC Firstもスマートホームを目指したFacebook Homeもきわめて評判が悪く、すぐに棚上げとなった。

テクノロジーの未来、AR/VRへの投資

こうした失敗からAR/VR開発の困難さを学んだFacebookは、独自デバイスの開発に本腰を入れることになった。本社の北24kmのバーリンゲームに、巨大なハードウェア開発キャンパスを建設したのだ。3500平方mにもおよぶこの施設は4000人の社員を収容できる。

TechCrunchの取材に対してFacebookは「ハードウェア開発チームは2020年下半期にこちらに移転する」と確認した。バーリンゲームにはラボ、プロタイプ製作施設、テストエリアなどが用意されている。現在FacebookのAR/VRチームはカリフォルニア州、ワシントン州、ニューヨーク州など全米各地に散在している。

PortalとOculusデバイスのセールスもさして爆発的でないこともあり、これまでFacebookのハードウェアに対する取り組みがどの程度真剣なものか疑問視する声もあった。Facebookはこの点についてコメントを避けている。

しかし来年は状況が大きく変わりそうだ。AR/VRデバイスのフラグシップがいよいよマーケットに登場する。私は一人称シューティングゲームの「Medal of Honor」(メダル オブ オナー) のOculus Quest版(2020年リリース予定)のプレビューを体験した。プレイしたのは1時間ほどだったが、第二次大戦の欧州戦線を舞台にしたこのゲームは私が体験した中で、単なるテクノロジーのデモに終わらず、何週間も楽しめそうな最初のVRゲームとなっていた。Medal of Honorは多くのゲーマーをOculus Questの購入に踏み切らせるのキラーアプリとなるかもしれない。

ソーシャルハードウェア

Facebookはエンタープライズ向けハードウェア体験の向上にも力を入れてきた。ビジネス向けFacebookのWorkplaceは今年始めに200万人のユーザーが登録しており、10月にはビデオコールをPortalに対応させた。発言者に自動的にズームするスマートカメラを利用すればとビジネスミーティングをリモートで開催するのも簡単になる。Informationの記事によれば、FacebookはVRを利用したビデオカンファレンスのプロトタイプを開発中で、ボスワース氏が自らテストしているという。

私の取材に対してFacebookはボスワース氏は、部内のイベントに2回VRで登場したことを認めた。またボスワース氏のチームのリーダー100人ほどがFacebookが開発したVRのQ&Aソフトを利用している。FacebookではVRを誰もが簡単に使えて信頼できるビジネスツールに仕上げ、VRでミーティングが可能になるよう努力している。

またハードウェア開発はFacebookのコアである広告事業にもフィードバックされている。OculusPortalのユーザー行動のデータを広告ターゲティングに利用する試みも始まっている。VRゲームでどんなアイテムを好んだか、バーチャル観光アプリでお気に入りのバケーションスポットはどこだったかなど、収益に結びつく広告の可能性は多数考えられる。

Facebookに取材したところでは、Portalディスプレイもログインしたユーザーの行動データを収集しており、通話回数や時刻、利用した機能などが広告ターゲティングに活用されている。例えば、ユーザーがビデオ通話をたびたび利用しているならそれに関連した広告が表示されることになるかもしれない。Oculusについても同様だ。

Facebookはユーザーが行動に移す前に頭の中で考えていることも知ろうとしている。脳とコンピュータを直結するインターフェイスサもかなり小型化してきた。これはセンサーで微弱な脳波を検知し、解析して言葉として認識できるようにしようというもので、当初冷蔵庫くらいのサイズがあったのが現在はノートパソコン程度になっている。もっともスマートフォンに導入できるのはまだだいぶ先だろう。

【略】

Facebookでは1分間100語程度のペースで「頭脳入力」ができるようにすることを目指しているという。

Oculusヘッドセット、スマートスクリーンのPortal脳直結入力システムなどの販売はFacebookが毎年広告から上げていている何十億ドルもの収入をもたらさないかもしれない。しかしこうしたハードウェアは明日のコンピューティング環境からFacebookが締め出されるリスクを大きく減らすものだ。VRのように完全に没入的であろうと、チャットに特化した便利なディスプレイであろうと、あらゆる場所に入り込める超小型センサーだろうと、Facebookはあらゆるデバイスをソーシャル化しようと考えている。どんなガジェットであれ、友達と一緒ならもっと楽しめるというのがFacebookの信念だ。 Facebookはテクノロジーデバイスが人間を孤立させるのを防ぎながら、当面少しずつでも利益を上げていく方針のようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

RCSメッセージが米国のAndroidユーザー向けに提供開始

今週末、米国のAndroidユーザーにちょっとしたサプライズがある。メッセージサービスであるRich Communication Services(RCS)が、Google(グーグル)により予定より少々早く開始されるようだ。同社は11月、この機能を年末までに米国内のAndroidユーザーに提供すると発表していた。

Android Messagesのプロダクトマネージャーを務めるSanaz Ahari(サナズ・アハリ)氏のツイートによると、このSMSの後継サービスは米国で今週から利用できるようになったという。また、この新しいプロトコルはメッセージングの中心的存在であるSMSに重要な進歩をもたらすとしている。

今回のアップデートでは、グリーンの吹き出しで知られるiOSで多くのユーザーを獲得してきたApple(アップル)の標準プロトコルであるiMessageと比べて多くの機能が追加された。主な機能としては、既読の確認、他のユーザーの入力をリアルタイムで見る機能、ファイルの転送サイズの拡大、グループメッセージングの改善などがある(ただし、端末間での暗号化などの一部の機能はまだ不足している)。

特筆すべきは、10月に米国の4つの主要通信事業者がRCSの導入を促進するために、まれな共同作業を行ったことである。一方、英国とフランスのユーザーは今夏からこの機能を利用でき、さらに多くの国にも展開する予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Androidのフォーカスモードがベータ段階を終了、新たにスケジューリング機能が加わる

Googleが米国時間12月4日にローンチしたFocus Mode(フォーカスモード)という機能で、Androidデバイスの一連のデジタルウェルビーイング(Digital Wellbeing)ツールが一層充実した。このモードを使うと、ユーザーはソーシャルメディアのアップデートやメールの通知など、集中心を削ぐ雑事雑念を一定時間シャットダウンし、仕事などに集中できる。フォーカスモードは5月に開催されたGoogleのデベロッパーカンファレンスであるGoogle I/Oで発表されたが、これまではベータ状態だった。

Do Not Disturb(おやすみモード)と違って、音や振動を消すとか、ビジュアルな邪魔物をブロックすることはできない。フォーカスモードは、指定したアプリを無効にするだけだ。

このモードを使うにはまず、最も邪魔になるアプリをDigital Wellbeing機能で指定する。FacebookやYouTube、Gmail、ゲームなどがあなたの集中心を奪っているかもしれない。それらのアプリを一時的にポーズにして、通知が来ないようにする。そのアプリを開こうとすると「それはさっきポーズにしたでしょ」と注意される。

ベータテスト中にGoogleは、ベータテスターのフィードバックがフォーカスモードの新しい拡張機能、つまりアプリの一時中断機能の開発につながったとしている。これにより、例えば午前9時から午後5時までの勤務時間など、選択した曜日と時間にアプリ通知を継続的にブロックできる。

フォーカスモードを一時停止するオプションもある。これにより、ブロックされたアプリをしばらく使用し、完全に無効にすることなくフォーカスモードに戻ることができる。さらに、仕事やその他のタスクを予定よりも早く完了した場合、フォーカスモードの設定を変更することなく、その日のフォーカスモードだけをオフにできる。

このフォーカスモードは、Googleがデジタルウェルビーイングを充実させる努力の一環だ。この機能が始まった2018年には、GoogleのPixelスマートフォンだけが対象だった。そしてその後は徐々にAndroid全体広がり、親が子どものアプリ利用を管理するペアレンタルコントロールのFamily Linkなども含まれるようになった。

Googleのデジタルウェルビーイングアプリは、本来のDigital Wellbeingの枠組み以外にもある。その中には、スパム通知をメールボックスに放り込む、クロックをアンロックする、自分でデバイスをチェックしなくても重要な情報がプリントされるなどの機能がある。

Googleが開発したセッティングやコントロールのツールにも、YouTubeの視聴を休憩する、Gmailのオートメーション、Google Homeのダウンタイム時のセッティングなど、ウェルビーイング的なものがある。

Googleによるとフォーカスモードの新バージョンは本日ベータを終えて、デジタルウェルビーイングとペアレンタルコントロールをサポートしているすべてのデバイスへ展開中だ。具体的には、Android 9と10を搭載するスマートフォンが含まれる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Androidのアンビエントモードがまもなく一部のデバイスに配信へ

Google(グーグル)が近く発表する、Android向けのアンビエントモードの噂を聞いたことがある人もいるだろう。同社が最初にこの機能を発表したのは9月で、これはAndroidデバイスを充電中にスマートディスプレイに変えるものだ。今回GoogleはTwitterへの投稿にて、Android 8.0以降を搭載する一部のデバイスにアンビエントモードを順次公開することを認めた。

Googleによると、アンビエントモードはLenovo(レノボ)のSmart Tab M8 HDとSmart Tabタブレット、Nokia(ノキア)のNokia 7.2およびNokia 6.2に展開される予定だという。The Vergeによるとソニーやノキア、Transsion、Xiaomi(シャオミ)のスマートフォンも対象になるが、GoogleのPixelはまだリストに入っていない。

「プロアクティブ(率先的)なアシスタントの最終的な目標は、作業の迅速化、ニーズの予測、およびタスクの迅速かつ簡単な遂行を支援することだ」と、Google アシスタント部門で製品マネージャーを務めるArvind Chandrababu(アービンド・チャンドラバブ)氏は発表の中で述べている。「つまり、アプリケーションベースからインテント(意図的)ベースな方法に移行することだ。今のところ、ユーザーはスマートフォンでほとんどのことができるが、それにはかなりの自発的な行動が必要だ。そこで、我々はそこにたどり着くまでに必要なステップをすべて洗い出してみた」。

これはかなり高い目標だ。これからは、アンビエントスクリーンから数回タップするだけでアラームを設定したり、次の予定を確認したり、屋内のライトを消したり、バックグラウンドで画像のスライドショーを見たりできる。これらのタスクが大いに自発的なな行動を必要とするとは思わないが、Googleはよりプロアクティブなエクスペリエンスを将来的に計画していると伝えている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

人気メールアプリSparkが新デザインに

Readdleの人気メールアプリ、SparkのiOS版とAndroid版のデザインが一新された。Sparkのモバイル版は、これまでインターフェイスがちょっとごちゃごちゃしていた。それが今回のアップデートは、何よりもクリーンなデザインに重点を置き、そこにいくつかの新機能を加えたものとなっている。

まずデザインについて見てみよう。最新のSparkは、シンプルなヘッダーを使用して、ニュースレター、通知、個人のメールといったスマートセクションに分類している。背景がカラフルな角の丸い長方形よりも見た目はすっきりしている。

新しいデザインでは、空白部分も多いが、今回のアップデートでダークモードにも対応した。またスレッドをタップするだけで、そのスレッドのビューが更新されるようになっている。

新機能に関して言えば、まず送信者のプロフィール写真を、できるだけ受信トレイに自動的に表示しようとする。Vignetteと同様、一般的なウェブサービスから画像を引っ張ってくるのだ。たとえば、メールの送信者が、同じメールアドレスでTwitterアカウントを持っていれば、Sparkは自動的にTwitterのプロフィール画像を持ってきて受信トレイに表示する。

メールの受信トレイの扱い方は、人によってだいぶ異なる。そこでSparkでは、メールスレッドの下部に表示するボタンを選択できるようにした。たとえば、フォルダを頻繁に使用する人は、そこにフォルダボタンを配置すればいい。あるいは、そこにスヌーズボタンを置きたければ、それも可能だ。

さらに、iPadOS 13ならではの機能への対応も進んでいる。複数のSparkのインスタンスを、同時に開いておくことができる。たとえば、Split View(スプリットビュー)を利用して、1つの電子メールスレッド内でドキュメントを開き、2番目のSparkウィンドウを開いて別のワークスペースで受信トレイをチェックしたりできるようになった。またiPadOS上のSparkは、フローティングキーボードや、新しいiPadOSならではのジェスチャーもサポートしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GitHubのモバイルアプリはスマートな通知と進化したコード検索を実現

Microsoft(マイクロソフト)の子会社であるGitHub(ギットハブ)は米国時間11月13日、毎年恒例のUniverseカンファレンスでいくつかの新製品を発表した。また、デベロッパーが過去数か月間テストしてきた、いくつかのツールが一般に利用可能となることも明らかにした。

デベロッパーにとって、おそらく最も気になる2つの発表は、GitHubとして最初のネイティブなモバイルアプリのリリースと通知機能の向上だろう。さらに、同社のワークフロー自動化およびCI/CDソリューションの、GitHub ActionsとGitHub Packageが、ベータ版から正式版に移行することも合わせて発表された。

コード検索機能も改善され、スケジュールされたリマインダー機能と、プレリリースプログラムも導入する。後者は、広範囲に展開する前に特定のユーザーが新しい機能を試せるようにするもの。

画像クレジット:TechCrunch

GitHubは、スポンサープログラムも拡張する。これまでは、オープンソースへの個々の貢献者に対して、プロジェクトレベルでチップを渡すことができた。新たなGitHub Sponsorsを使用すると、プロジェクトと、そのメンバーに対して、誰でも資金を提供し、その資金の用途を選択できるようになる。対象となるプロジェクトは、オープンソースである必要があり、企業または非営利団体に属するものでなければならない。また銀行口座も必要となる。

「デベロッパーの要求が私たちの原動力です。私たちは、デベロッパーが、オープンなプラットフォームとエコシステムの上で、世界で最も重要な技術を創造できるよう、手助けするツールと仕組みを開発しているのです」と、GitHubのプロダクト担当の上級副社長であるShanku Niyogi(シャンク・ニヨギ)氏は語った。彼によれば今回の発表は、デベロッパーのエクスペリエンスを改善するという、同社の使命に基づいたものだという。昨年の1年間だけで、同社は150を超える新機能と機能強化をリリースしたと、ニヨギ氏は強調した。しかしUniverseのイベントでは、同社は特に新しいモバイルアプリと通知の機能強化に焦点を当てることにした。

新しいモバイルアプリとしては、iOSのベータ版がリリースされた。Androidも、もうじきサポートされる。いずれも、この種のモバイルアプリに求められる基本的な機能がすべて実現されている。アプリ開発チームは、外出中のデベロッパーにとって最も意味のある、モバイルでのユースケースに真正面から取り組むことにした。ディスカッションに関するフィードバックを共有し、数行のコードをレビューして、変更をマージすることができるようになっている。ただし、これは、GitHubの全機能にアクセスできるツールを目指したものではない。少なくともiPadでは、画面上の作業スペースが多少は増大する。

「タブレットによるインターフェースに目を向けると、作業スペースが増える分、より使いやすいものにすることができます」と、ニヨギ氏は説明する。「コードを確認し、必要な部分に移動することができます。github.comと同じキーボードショートカットをサポートして、より多くのコンテンツ、より多くのコードを扱えるようにしています。ここでは、ユーザーが実際に使っているモバイルデバイスに合わせて、インターフェースも伸縮するように考えています。それと同時に、自分のコンピュータの前にいないときでも、やらなければならないことができるように設計されています」。

以前にも、GitHub用のモバイルアプリを開発した人は、もちろんいる。その1つ、GitHawkはInstagramのエンジニアのグループによって開始されたものだが、そのデベロッパーが、最近GitHubに移籍して、今回の新しいアプリを立ち上げるための作業にも加わった。

2番目に大きな改善点は、通知機能の進化だ。中規模程度のチームのGitHubユーザーでもみんな知っているように、現状のGitHubの通知は、あっという間に膨れ上がって手がつけられない状態になる。もちろんGitHubチームも、それがよく分かっていた。そこで、フィルタ機能はもちろん、GitHub内のすべての通知の受信トレイに及ぶ、広範囲に進化したシステムを開発することにした。

「現在のデベロッパーは、あまりにも大量の通知に見舞われて、ほとんどGmailなどのメールクライアントの受信トレイのような状態になってしまうのを経験しています。その結果、どれが重要で、どれはノイズなのかを判断するのが非常に難しくなってしまっているのです」と、GitHubのストラテジおよびプロダクトマネージメント担当副社長のKelly Stirman(ケリー・スターマン)氏は述べた。「昨年1年で、通知を改善するために多くの手を打ってきましたが、そこで成し遂げたことは大きな一歩になりました。通知とはどうあるべきか、ということを根本的に考え直したのです」。

デベロッパーは、フィルタとルールを使用して、自分にとって本当に重要な通知にだけ集中できる。不要なノイズで受信トレイをあふれさせることはなくなる。デベロッパーは、こうしたフィルタを、好きなようにカスタマイズできる。またここは、モバイルアプリの威力が発揮される部分でもある。「通知は、デベロッパーがコンピュータを使っていない場合、デスクトップの前に座っていない場合に送信されることはよくあります」と、スターマン氏は述べている。「そしてその通知は、何らかの問題を解決して欲しいと、誰かがデベロッパーに助けを求めるものかもしれません。そこで、元来のGitHubが持つ機能を、デスクトップから開放して、モバイルにまで拡張する必要があると考えるのは自然なことでしょう」。

通知機能についてさらに言えば、GitHubは今回、受信トレイにさらに多くの通知を追加する新機能も、限定プレビューとして発表した。また、保留中のコードレビューについて、リマインダーのスケジュールを設定できるようにもなった。

今回の発表の残りの部分の中では、コード検索機能の改善が際立っている。そもそも、何らかの改善が絶対に必要だった部分だ。この新しいコード検索機能は、現在限定ベータの状態だが、今後数か月ですべてのユーザーが利用可能になる予定だ。また同社によれば、特殊文字や大文字/小文字の扱い、その他を考慮した、まったく新しい検索も導入予定だという。

また、新しいコードレビュー割り当て機能も、現在パブリックベータとなっており、GitHub上でコードをナビゲートする新しい方法も導入される。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Android端末にプリインストールされているアプリはセキュリティホールだらけ

Androidのスマートフォンを買ったことのある人は、立ち上げた途端に、頼んだ覚えのないごみがすでにロードされているのを、きっと見つけたことがあるだろう。これらの、最初からインストールされているアプリは、おおむね不細工で削除も面倒で、めったにアップデートされず、しかもセキュリティホールだらけのことが多い。

セキュリティ企業のKryptowire(クリプトワイヤー)は、大量のAndroidデバイスを自動的にスキャンしてセキュリティの欠陥の兆候を見つけるツールを作り、国土安全保障省の助成事業で29社のスマートフォンを調べた。多くの人が名前すら知らなかったメーカーがほとんどだが、中にはAsus(エイスース)、Samsung(サムスン)、 ソニーなどの有名ブランドもある。

Kryptowireは、ありとあらゆる種類の脆弱性を見つけた。ほかのアプリのインストールを強制するアプリもあれば、ユーザーを騙してオーディオを録音したり、システムの設定を黙って変えるのもある。事前にインストールされているアプリがないと動かない悪者アプリなどは、いわば特定のサプライチェーンを悪用しているアプリだ。また、ユーザーが何かのアプリをインストールした途端に悪事を働く悪者アプリもある。

Kryptowireが見つけたすべての脆弱性のリストがここにある。タイプ別メーカー別に分類されている。同社は全部で146の脆弱性を見つけた。

Wired誌の指摘によると、この最初からロード/インストールされているアプリの悪質性を、Googleもよく知っている。2018年に同社が立ち上げたBuild Test Suite(BTS)という一連のテストは、パートナーのOEMが必ずそれに合格しなければならない。BTSはデバイスのファームウェアをスキャンして、予めインストールされているアプリに隠れているセキュリティの問題を探す。そして悪者アプリにはPotentially Harmful Applications(PHA、有害の可能性のあるアプリケーション)の烙印を押す。Googleは2018年のAndroidセキュリティレポートにこう書いている:

OEMは彼らの新しい、またはアップデートしたビルドイメージをBTSにアップロードする。するとBTSは一連のテストを行なって、そのシステムイメージにセキュリティの問題を探す。これらのセキュリティテストの一つは、システムイメージに最初からインストールされるPHAがないかスキャンする。ビルドにPHAを見つけたら、OEMと協働して矯正を行い、PHAをビルドから削除してユーザーの手に渡るようにする。

最初の1年でBTSは、242のビルドから、エコシステムへのPHAの侵入を阻止した。

BTSが問題を見つけたときにはいつでも、OEMパートナーと協働して矯正行為を行い、そのアプリケーションがいかにしてビルドに含まれたのかを探る。このチームワークにより、エコシステムに対する意図的な脅威を見つけて抑止することが可能になっている。

でも、たった1つの自動化システムがすべてを捕らえることはできない。問題がこっそり忍び込んできたときには対応するフィックスやパッチはまだないことが多い。長期的なサポートがおろそかになりがちな、ローエンドのマシンでは特にそうだ。上記のレポートに対するGoogleのコメントを求めたら、こんな談話をくれた:

弊社と協力して責任ある態度でこのような問題の修復と公開を行っている研究者たちの仕事に感謝する。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがAndroid MessagesアプリでのRCSサポートを米国にて追加

Google(グーグル)は米国時間11月14日、米国の全ユーザーを対象に、Android MessagesアプリでRich Communication Services(次世代のSMSともいえる)メッセージをサポートすることを発表し、またここ数カ月で少数のユーザーを対象にテストを実施していたことを明かした。

Googleにとって、このRCSの推進はApple(アップル)のiMessages(エンド・ツー・エンドの暗号化はサポートされていない)とより効果的に対抗する方法であり、またGoogleがこのロールアウトをキャリアからほぼ奪ったことで、ユーザーがこのサービスにアクセスする際に電話会社ではなく同社が決定権を持つことになった。英国とフランスでは今年からすでにサービスが開始されており、GoogleはRCSにおいて経験がある。

またGoogleのメッセージング分野における戦略は、少なくとも消費者にとっては混乱したままであり、Hangoutsも未だ広く使われている。少なくともモバイルデバイスでは、これまでSMSクライアントだったMessagesがその役割を引き継ぐことを同社は期待している。他のメッセージングサービスと同様、MessagesでのRCSのサポートでは、Wi-Fiやモバイル通信を介して友人と会話したり、写真や動画を送信したりできる。また既読通知やタイプの通知、通常のメッセージ機能なども提供される。

Googleがサービス展開の主導権を握ったことで、同社はこのネットワークを運営し続ける責任を負うことになり、キャリアではなく同社がこれを独占することへの懸念もある。しかし一方で、通信事業者は自社のRCS展開において混乱を生み出しており、Googleは自ら行う以外の選択肢がなかった。Androidユーザーにとっては、iPhoneに送ったメッセージが緑色(iMessageではない)のバブルが表示されるとしても、これは良いニュースだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アドウェア感染した多数のAndroidアプリが数百万回ダウンロードされる

セキュリティ研究者らは、Google Playにて被害者に金銭目的で広告を配信するAndroidアプリを多数発見した。ESETの研究者らは、アドウェアを含む42のアプリを発見し、それらが2018年7月に最初に登録されてから800万回以上ダウンロードされたと述べている。

これらのアプリは見た目は普通だが巧妙に動作する。ユーザーがアドウェアに感染したアプリをインストールすると、アプリはデバイスのディスプレイに半ランダムに全画面広告を表示する。アプリはショートカットアイコンを削除してしまうこともあり、削除しにくい。アドウェアに感染したアプリは、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)のアプリに擬態して広告配信アプリだという疑惑を回避し、可能な限り長くデバイスにとどまるように設計されている。

そしてバックグラウンドでは、特定のアプリがインストールされているかどうか、あるいはさらなるマルウェア感染したアプリをデバイスに導入可能な非公式ストアからのアプリがインストールできるかどうかなど、ユーザーのデバイスに関するデータも送信されていた。

「分析したすべてのアプリのアドウェアに関するの機能は同じだ」と、ESETのセキュリティ研究者の一人であるLukas Stefanko(ルーカス・ステファンコ)氏は述べた。

研究者らはまた、アプリが影響を受けたデバイスがGoogleのサーバに接続されているかどうかをチェックし、検出されるのを防いでいることも発見した。アプリがマルウェアを防ぐGoogle Playのセキュリティメカニズムによってテストされていることを検知した場合、アドウェアの機能はオンにならない。

報告されたアプリの中には、500万回ダウンロードされたVideo Downloader Masterも存在する。その他には、Ringtone Maker Pro、SaveInsta、Tank Classicがそれぞれ50万件ダウンロードされていた。

研究者らは、ベトナムの大学生がこのアドウェアの制作に関わっている可能性があると述べている。

Googleは問題のアプリをすべて削除したが、サードパーティーのアプリストアにはまだ多くが存在し入手できると、研究者らは警告した。同社のスポークスパーソンもこれらのアプリがすべて削除されていることを認めたが、通常アプリの削除に関する詳細については情報を明かさない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleが通知スパムを受信箱に放り込むアプリなど複数の実験アプリを公開

Google(グーグル)は昨年のデベロッパーカンファレンスであるGoogle I/OでAndroid用のデジタルウェルビーイングツールを発表したが、その後さらに機能の拡張に努めて子供のいる家族のためのFocusモードやペアレンタルコントロールの改良などを導入した。そして、今回また新しいことをやろうとしている。今回のは「実験的な」アプリの集まりと呼ばれ、ユーザーが自分のデバイスの使われ方をよく知り、そのスクリーンタイムを減らすことが目的だ。

それらのアプリはDigital Wellbeing Experimentsと呼ばれる新たなプラットホームに属し、これまでの標準的なスクリーンタイムのコントロールとは大きく異なっている。「すべてオープンソースのプロジェクトで、型にはまらない考え方をユーザーに促す」となっているが必須のツールとはいえない。

それらの実験の1つであるUnlock Clockは、スマートフォンをアンロックする頻度を数える。

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そしてWe Flipは、友だちのグループや家族などの全員をテクノロジーから切り離し、しかし誰かが自分のスマートフォンをアンロックすると全員のその状態が終わる。スクリーンタイムが、家族の対戦スポーツになるみたいだ。

一方Desert IslandMorphは、アプリを軸にしてスクリーンタイムの減少を目指す。Desert Islandは本当に必要なアプリだけで1日を過ごすようにし、Morphは1日の各時間に合ったアプリだけを使えるようにする。

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そんなアイデアは何年も前からAndroid用のランチャーのCoverEverythingMeAviateなどにもあった。それらの場合は、どの時間にユーザーが何をしているかによって、ホーム画面の構成やウィジェットが変わった。しかしそれでもスマートフォンの状態をニーズに合わせて個人化するという考え方は、あまり普及しなかった。「同じことがiOSではできないから」だったかもしれない。Apple(アップル)は、ユーザーによるカスタマイズをかなり制限している。

Post Boxはかなり面白い。それは通知を特定の時間になるまで消さずに保持する。

通知スパムは、スマートフォンのユーザーになることがうっとおしい最大の理由のひとつだ。あまりにもひどいので、アップルもグーグルもOSのレベルでユーザーが再通知をコントロールできるようにした。

今年の早い時期にアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は「自分のiPhoneの通知機能を無効にした」とさえ言った。iPhoneにはそんな奇跡のようなこともできるという自慢だったが、実際にはアップルの通知システムの設計に欠陥がある。デベロッパーは、しつこくて無意味な割り込みを繰り返し何度でもかけられるようなアプリを平気で作れてしまうのだ。

通知を唐突で無礼な割り込みからメールの受信箱(Post Box)のようなものに変えてしまうPost Boxアプリの実験はもっと前からあってもいいような機能だが、それがあるとスマホのアプリが今ほど増加しなかったかもしれない。そして今回の発表の中では最も奇抜な実験がPaper Phoneアプリだ。

このアプリは、その日の重要な情報や、必要なときすぐ見つけたいコンタクト、地図、会議のスケジュール、仕事の締め切り、天気予報などなどをプリンターでプリントして小冊子にしてくれる。

paper phone

つまりスマートフォンのスクリーンタイムがゼロ、スマホにまったく触らないで、重要な情報にアクセスできる。スマホ以前の世代にとっては過去へのタイムトラベルみたいだし、スマホ依存症の世代には、ちょっとした自由時間をプレゼントする。

このDigital Wellbeing Experimentsプラットホームは誰でも作品を提供できる。テクノロジーに過度に依存しない生活のための知恵や工夫をどんどん投稿しよう。

グーグルは「これらの実験がデベロッパーやデザイナーを啓発して、テクノロジーを構築するときにはデジタルのウェルビーイングが頭の中で常に最優先されるようにしたい。このプラットホームに参加する人が増えれば増えるほど、みんなにとってもっといいテクノロジーを誰もが作れるようになるだろう」とコメントしている。

その気になった人は、ガイドブック「Hack Pack」とオープンソースのコードをこの実験のウェブサイトからダウンロードできる。また、実験アプリはAndroidのみでGoogle Play Storeからダウンロードできる。

この実験はグーグルの既存のプロダクトの改良というより、お楽しみの要素が強いが、グーグルにはほかにも、スクリーンタイムとウェルビーイングの仕組みがある。それらは、Android本体のウェルビーイング機能や、YouTubeの「休憩」のおすすめ、そのほかのスクリーンタイムコントロール、Google アシスタントの息抜きルーチン、自動リプライや後で送るのGmail機能、Google Family Link(ファミリー リンク)などだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Pixel 4に搭載されるGoogleの最新録音アプリはリアルタイムで自動文字起こし可能

米国時間10月15日に開催されたハードウェアイベントで、GoogleはAndroid用の新しいボイスレコーダーアプリを発表した。これは、リアルタイムの音声処理、音声認識、AIといった最新技術を利用して、人が話している最中に音声を聞き取ったテキストをリアルタイムで自動生成するもの。このような進化によって、スマホの録音機能がさらに便利に活用できるようになる。インターネットに接続していない状態でも録音をテキストに変換できる点にも注目だ。

この機能は、Otter.aiReason8、あるいはTrintなど、同様にAIを活用した文字起こし機能を提供する他社と、新たに競合することになる。Googleが説明したように、このアプリのすべての機能は、デバイス上で直接実行される。つまり、機内モードで使っている際にも、音声とともに正確な文字情報を記録することができる。

「会議、講演、インタビュー、その他保存したいものなら何でも、文字起こしできるわけです」と、Googleのプロダクトマネージメント担当副社長であるSabrina Ellis(サブリナ・エリス)氏は述べた。

このRecorderアプリは、今回のイベントでは、ステージ上でライブでデモされた。画面に表示された内容から見る限り、まったくエラーのないテキスト生成を実現していた。一般的な文字起こしアプリは、現実の環境では、バックグラウンドのノイズや、バンド幅の問題によってエラーを発生することが多い。このイベントのデモでは、おそらく音源に直接接続されていたものと思われるが、そうでない場合、つまりテーブルの上にスマホを置いた状態やノイズが多い環境で、Recorderアプリがどのように機能するか、そのあたりはわからない。

同アプリは、音声、単語、フレーズなどで検索できる高度な検索機能も備えている。検索結果は、検索条件に合致するすべての部分が再生バーの上でハイライト表示される。その部分をタップすれば、直ちに必要な部分の実際の音声を再生できるというわけだ。

現状では、Recorderが認識するのは英語のみだが、Googleによれば将来的にはさらに多くの言語のサポートを追加する予定だという。

このボイスレコーダーアプリも、Googleが音声処理とリアルタイムの文字起こしに関して、最近成し遂げた多くの成果のうちの1つに数えられる。同社はすでにこの春、オフラインで迅速に動作する新たな音声認識システムを導入していた。同社のスマートフォンであるPixel用のキーボードアプリ、Gboardとしてリリースされたものだ。またGoogle I/Oでは、アクセシビリティの改善策として、Androidでライブの文字起こしと字幕表示ができるアプリを発表していた。ボイスレコーダーアプリに同様の機能が追加されたのも、当然の流れだったと言える。

同アプリは、ほかのいくつかの新機能とともにGoogleの新しいスマートフォンであるPixel 4に導入される。なお、このアプリをそれ以外のデバイスに導入する予定についてGoogleは何も触れなかった。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

サムスンがAndroid 10 One UIのベータ版を公開

予定していた10月初旬のリリースを延期した後、Samsung(サムスン)はAndroid 10で動作するOne UIのベータ版を配信した。Androidのスキンに相当するバージョン2.0は、最初のバージョンのベータ版(2018年11月にリリース)からわずか1年足らず後に登場した。そのコンセプトは初期バージョンに逆行するもので、Google(グーグル)のオペレーティングシステムをよりシンプルにしようとしている。

メーカー各社がAndroidに独自カスタムをほどそうとしているのは、たとえ時に見当違いだとしても、理解できる。Samsungの最初のOne UIの狙いは、ソフトウェアとハードウェアが完璧な調和で協力し、動作することだ。

One UIは主にこの分野で成功している。そして当然ながら、サムスンはそのロールアウトに慎重で、Android 10のリリース前に、再度パブリックベータ版の配信を選択している。「いくらかの」米国のGalaxy S10の所有者は、米国時間10月14日からパブリックベータプログラムにサインアップできる。なお、正式リリースは「数カ月後」に予定されている。つまり、多くのGalaxyスマートフォンからフィードバックを集めようとしているのだ。

サムスンによると、新機能は次のとおりだ。

  • 新しくよりスマートなアニメーションアイコンのレイアウトと、エッジライティングの改善
  • コンテンツ表示時に画面の明るさを下げ、バッテリー消費を節約する拡張ダークモード
  • 小型化したポップアップ、埋め込み式の読み込みインジケータ、必要なボタンのみの表示機能
  • アプリケーションを一時停止するフォーカスモード

サムスンのブログには、詳細な情報が掲載されている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter