米上院、超党派の圧倒的支持を得て「インターネット売上税」を承認[アップデート有]

本日(米国時間5/6)米上院は、インターネット販売に対する課税を圧倒的多数で支持し、69対27で市場公正法案を通過させた。この結果は、以前拘束力のない類似の提案が、eBayをはじめとする主要インターネット組織の極めて強力な反対にもかかわらず、ほぼ同じ得票で上院を通過した時から予測されていた。

以前私が書いたように、支持者の主張は非課税のインターネット小売業者は、実店舗に対して不公正な利益を得ると共に、何十億もの税収を国から奪っているというものだ。一方反対者は、現行法案は非常に厄介な税法を生み出す恐れがあり、スタートアップやインターネット小売業者は、ソフトウェア技術が対応する前に新税法の適用を受けることになると反論する。

同法案は今後下院で修正される可能性がある。ワシントンのTechCrunch情報筋は、上院で圧倒的に支持されていることから下院で法案に反対することは困難だが、オンライン税を徴収する義務が生じる売上高のしきい値を、100万ドルから1000万ドルへと引き上げるよう修正される可能性はあるとしている。

これは、われわれほぼ全員に影響を及ぼす法である。もっと大きな騒ぎが起きないことに私は少々驚いている。

アップデート2:司法委員会委員長のBob Goodlatteが声明を発表した(インターネット売上税法案は司法委員会にかけられる可能税が高いため、彼の見解の影響力は極めて大きい):

市場公正法案は未だ十分に簡素化されていないと私は考える。徴税の簡素化をはかろうとしているもののまだ先は長い。定義や税率に未だ統一性がないため、企業は何百という税率と山ほどの税法や定義の取扱いを強いられる可能性がある。私はこの件の法制化に関しては立場を明らかにしていないが、他を含めこれらの問題を検討すべきであることは間違いない。また当委員会では、州外企業に対する州の過激な行動の道を開くことなく、州が売上税を徴収できる代替案も検討している。

アップデート:当初報じた70対24という得票結果は修正案に対するものだった。正しい値に修正済み。

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(翻訳:Nob Takahashi)


児童虐待防止広告に隠された、子供だけに見える秘密のメッセージ

被虐待児だけにそっとメッセージを送るために、ある支援団体が賢い広告掲示方法を考案した。身長4フィート5インチ(135cm)以下の人にしか見えないホットライン番号だ。秘密は表面に刻まれた精密なギザギザにあり、特定の高さ以上と以下とで異なる画像が表示される。身長の低い人(子供)には、「誰かにいじめられたら電話しなさい、私たちが力になります」というメッセージと共に、スペインの児童虐待支援組織に通じる秘密の電話番号が見える。


大人には「児童虐待は被害にあっている子供にしか見えないこともある」というメッセージが表示される。この広告は虐待者と一緒に歩いている子供向けにデザインされている。
レンチキュラーレンズは数十年前から使われているしくみで、おもちゃのモノサシや歩行者が通りすぎるにつれて変化するスピーシーズ2の映画ポスターなどに利用されている。

将来はさらに高度な通知システムが考えられる。IBMは、消費者が持ち歩く無線カードに基づいて離れた場所から個人の興味に合わせてターゲットする広告を開発中と報じられている。同じように、ショッピングモールで携帯電話の信号を追跡して店から店へ移動する消費者のマーケティングデータを集めることもできる。虐待児を救うためのメッセージを子供の携帯電話に直接送り込む広告も十分に考えられる。あるいは、Google Glassのような最新テクノロジーを利用することも。

上のビデオに広告の説明がある。

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(翻訳:Nob Takahashi)


グッドバイ、Creative Suite―Adobe、定期課金によるクラウド・モデルに全面移行、CS6は当面販売を続けるものの新規開発は中止

Adobeはソフトウェアの将来は定期課金ベースのネットワーク配信にあると信じ、それに社運を賭けるつもりのようだ。今日(米国時間5/6)、ロサンゼルスで開催されたAdobe のMaxカンファレンスで同社はすべてのリソースをCreative Cloudの開発に振り向けることを発表した。

AdobeがCreative Cloudをスタートさせたのはほぼ1年前だ。 先週、AdobeのCreative cloudの責任者Scott Morrisは私の取材に答えて「Creative Cloudはやがてわれわれの各種ツールにアクセスする唯一の方法になるだろう」と語った。Adobeは当面CS6の販売を続けるが、それがいつまで続くかは明らかでない。新しいCreative Cloudは6月17日に公開される。

Maxカンファレンスの参加者の大部分はここでCS7が発表されるものと思っていたはずだ。ところが意外にもCreative Suiteのブランド名は消えていくことが判明した。新しいCreative Cloudには今までのようなバージョン番号は付かない。これにともなって当然ながらAdobeのビジネスモデルも一変する。箱入りのソフトウェアやダウンロードのライセンスを売ることはなくなり、完全に定期課金モデルが取って代わる。

昨年のローンチ以来、Creative Cloudは50万の有料ユーザーと200万の無料ユーザーを集めている。AdobeのDavid Wadhwaniが今日の基調講演でCreativeCoudこそ正しい方向だと確信していると述べた。

Scott Morrisが私に語ったところでは、AdobeはCreative Cloudが意外なほどの好評だったことから、Photoshop、Dreamweaver、PremiereProなどアプリを個別に開発、販売することを止めてネット上のCreative Cloudに一本化し連続的なアップデートを行い、ビジネスもCreative Cloudに一本化することを決断したのだという。

Morrisは「いくつものバージョンを管理するのはきわめてわずらわしい。Creative Cloudへの統合でAdobeの開発チームの負担は大幅に軽減される。この変革でイノベーションが加速され、新機能をいち早くユーザーに届けられるようになる」と語った。

Adobeでは今後Creative Suiteの新バージョンを開発する予定はない。ただしCS6のアプリ全種類をOS XとWindowsの今後のアップデートに対応させることを約束している。またバグ修正やセキュリティ・パッチの提供は今後とも続ける。ただし新機能の追加は一切行われない。

Morrisは私の取材に対して、この方針転換がかなりの冒険であることを認めた。「多くのユーザーはこういう転換が起こるとしても数年後のことだと考えていただろう。しかしそれが今日だったことはショックだったかもしれない。しかしわれわれがこの決断をしたのはCreative Cloudの登録ユーザーのほとんど全員が気に入ってくれていることを発見したからだ。AdobeのオンラインストアでCreative Cloudの満足度はPhotoshopより高い。これは前代未聞だ」とMorrisは言う。

一方、Morrisは一部のユーザーはCreative Cloudに乗り換えることができないという点を認め、「政府機関や学校、一部の大企業はクラウド版の一部の機能、Behanceコミュニティーでのコンテンツ共有やクラウド・ストレージ機能などを好まない(あるいは利用を許されない)だろう。そこでAdobeはこうしたユーザーのためにCreative Cloudの特別ライセンス版を用意している。 ソフトウェアをオンライン配信する点は同じだが、ユーザーの好まないクラウド機能を削除してある」と説明した。

定期課金制への転換を容易にするため、AdobeはCS3以降のCSライセンスの保有者に対してCreative Cloudを月額29.95ドルの特別料金で提供する(期間限定)。また同様の割引をPhotoshopなどの単体ソフトの購入者に対しても適用するという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


メッセージングアプリは新しいタイプのソーシャルネットワーク。米国外で急成長

テク系スタートアップの現状に対する、投資家Chamath Palihapitiyaの懐疑的コメント(Snapchatに関する辛辣なコメントを含む)は、先週行われた本誌主催のDisrupt NYで多くの議論を呼んだ。私が舞台裏でSequoia CapitalのパートナーAaref Hilalyをインタビューした際にも、Palihapitiyaの意見はHilalyのメッセージアプリに対するコメントの呼び水となった。Sequoiaが投資しているWhatsAppも話題に上った:

かなり大きい変化が起きている。WhatsAppのような会社はわれわれにソーシャルネットワークを再考させる。例えば、真のソーシャルグラフとは何か? 連絡を取り合って一緒に時間を過ごす人々のことなのか、それともFacebookの殆ど知らない100人のことなのか。前者であることは明確であり、それを掴んでいるのがWhatsAppのようなモバイルメッセージングアプリだとわれわれは考えている。

続けてHilalyはWhatsAppの成長(1日のメッセージが200億件と言われている)とデザインを賛美したが、他にも、特に海外に目を向けると良くやっている会社が多いと付け加えた。利用状況には世代ギャップがあるのではと尋ねたところ(私が年をとりすぎているかという質問でもある)、Hilaryは「世代と地理的」隔りがあると答えた。

「多くのメッセージングアプリは米国外で牽引力を持っている。米国内でも人気だが、外国では人々がメッセージングアプリに〈依存〉している。世代、地理両方の要因が、他の大きなトレンドと比べて世界が気付くのを遅らせていると思う」

ビデオでは、Hilalyがスタートアップ世界からベンチャーキャピタルに移ったことや、Sequoiaとの関わりについてもを聞くことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


成長第一、広告は二の次:Facebook戦略はInstagramにも

山火事のように燃え広がっている時に、はした金のために水を注すことはない。Facebookは広告を我慢することでウェブとモバイルアプリの成長を促し、同じ戦略をInstagramにも使おうとしている。ウォール街は写真アプリ買収に費した7億ドル超を取り戻すよう、Facebookにわめきかけているが、Mark Zuckerbergは今日の10セントのために明日の1ドルを捨てるつもりはない。

Facebookが広告に真剣に取り組むまでには何年も要した。成長とユーザー体験を何よりも重視したからだ。Facebook初の広告は「フライヤー」と呼ばれるキャンパス内イベントの宣伝だった。それはソーシャルネットワークの価値を損うことなくうまく適合した。Facebookがより伝統的な広告主に対して販売を開始した時、広告ユニットは小さく、本来のコンテンツが前面中央を占めるようサイドバーに追いやられていた。他で見られる派手なバナーやポップアップと比べると、Facebookは保護区のように見えた。この戦略は奏功し、またたく間に何億人ものユーザーを集めた。

Facebookは2008年7月にiPhoneアプリを公開した。3年間、一切広告はなかった。世界がモバイルへと移行し始めた時、Facebookはこれを欲得ではなく心から歓迎したいと考えた。2010年から2011年にかけて、Facebookのスマートフォンアプリは驚異的なペースで成長し、モバイルの一番人気となった。最も勢いのある時に広告で邪魔していたらモバイルの成長は止まっていたかもしれない。

2011年末までに、FacebookアプリはiOS、Android版合わせて5700万人以上の日間アクティブユーザーを持ち、月間アクティブはその2倍近かった。友達にFacebookアプリをダウンロードさせることに罪の意識はなかった。HTML5に頼ったたために最速とは言えなかったが、広告主から金を引き出すために限られた画面領域を浪費することはなかった。

2012年初期、ついにFacebookはモバイルおよびデスクトップのニュースフィードに広告を表示すると発表した。その頃までに先進国の多くの人々はすでに、Facebookのウェブとスマートフォンアプリを使っていた。最重要市場である米国、英国、カナダの成長は滴り程度までに鈍化していた。成長は主としてFacebookの多機能電話アプリを利用している発展途上国によるものだった。

ウェブやiOS、Androidのフィードに広告を出し始めた時、Facebookにとって失うものはごくわずかだった。Facebookアプリがバイラルに広がり多くのユーザーを増やすことは、第一世界でもはや必要なかった。必要なのは人々が〈離れる〉のを防ぐことだけだった。広告はFacebookが人々の反応を確かめられるよう、ゆっくりと表れはじめ、わずかな広告のためにフィードを見なくなる人の数がさほどでもないとわかると加速された。

戦略は成功した。Facebookがもっと早く収益化を始めていれば預金がさらに数十億ドル増えていたのは確かだ。しかし、収益のために大量のユーザーと好意的な評価を犠牲にしていたかもしれない。とは言うものの、Facebookが先週の収支会見でこの写真アプリに広告を載せる計画はないと語ったのは少々驚かされた。需要がないからではない、とZuckerbergは言った。

「Instagramは実に良くやっていて成長も実に早く、それがこのアプリにとって正しい方向だと私は考えている。そして今はこの巨大なコミュニティーを作り上げる絶好の機会であり、100%そこに集中すべきだ。ビジネスチャンスに関しても私は極めて楽観的だ。Facebookで広告を出している多くの企業が、Instagramにコンテンツを載せて高いエンゲージメント率を得ている。だからもっとこれを拡大したいと言う話も来ているし、それはわれわれが考えていることでもある。しかし今は ― 私としては彼らがここまで急成長していることを誇りに思うだけだ。成長は益々早く、1億人達成はFacebookよりも早かった」

おそらくFacebookがInstagramに成長のために十分な時間を与え、成功する広告体験を見つけた時、彼らがこの買収を収益化するのを見ることになるだろう。やり方にはいくらでも選択肢がある。

Instagramはブランド広告の美しい写真をフィードに流すことができるだろうが、ユーザーにクリックさせてブラウザーに飛ばすことは避けるかもしれない。だから私は、Instagramは企業がフォロワーを増やすための広告から始め、ユーザーをアプリに滞留させようとするだろうと思う。

企業は自分たちが投稿した写真を、まだフォローしていないユーザーにも見せるために、料金を払うかもしれない。こうしたフォロー広告のソーシャル版では、ブランドをフォローしている人の友達やフォロワーをターゲットすることも考えられる。あるいは、Instagramの新しい写真タグ付け機能を使って、ブランドがユーザーの写真のリーチを増やせるようにすることも考えられる。例えば私が自分の靴の写真にNikeをタグ付けしたら、Nikeはフォロワーを増やすために料金を払って、この写真を友達のフィードのトップに表示させたり、投稿した一週間後に再び表示させたりするかもしれない。

またInstagramは、Twitterのプロモーテッドアカウントのように、特定ブランドのフォローを薦める推奨アカウントを試すこともできる。テベロッパーが料金を払ってフィードにアプリを表示してダウンロードさせるアプリインストール広告は、Facebookの新たな寵児となったが、Instagramでも同じことができるかもしれない。

FacebookとInstagramがこの「成長>広告」戦略をとれるのは、長期的に考えているからだ。Googleが月ロケットを打ち上げようというほどの長期ではないが、Facebookは少なくともしばらくの間、この分野を支配し続けることを確信している。巨大なユーザーベースとネットワーク効果が、幸運にも彼らに若干の余裕をもたらしている。しかし、ギャンブルであることに変わりはない。Instagramが広告を始める頃までに何か新しいメディアがユーザーの注目をさらっていくリスクは常にある。それは綱渡りのようではあるが、健全なコミュニティーと上質な体験、そして維持可能なビジネスモデルへと通じる道だ。

[画像提供:Metrowest, MacStories

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google、Monotypeとの提携によりWeb Fontsをデスクトップ用にも提供開始

GoogleのオープンソースWeb Fontsコレクションが、デスクトップでも利用できるようになっている(MacおよびWindows)。「どういうことなのだ」と混乱する方もいらっしゃることだろう。Web Fontsとはそもそも、ウェブ上で自由にいろいろなフォントを利用できるようにするために用意されたものだ。デスクトップで利用できるもなにも、既にきちんと表示されるようになっているはずだ。ただ、表示の際にはフォントのデータをダウンロードする必要があった。これを予め手元にダウンロードしておけば時間の短縮になるというわけだ。

今回の機能実装にあたりGoogleは、フォントビジネスを展開しているMonotypeSkyFontsというツールを利用している。これを利用することにより、いったんダウンロードしたフォントに新たな文字が加わったり、何かしらの変更が加わった際には自動的に反映されるようになるのだそうだ。

GoogleがWeb Fontsの提供を開始したのは2011年のことだった。現在では620以上のフォントファミリーが利用できるようになっている。そして今回のサービス実装により、提供Web Fontsの全てがデスクトップでも利用できるようになったわけだ。ちなみにWeb Fonts提供開始時の目的は、使いたいフォントを利用するのに、Flashを使ったり、あるいは画像ファイルとしてページに埋め込むような方法から、デザイナーを解放しようということだった。そうすることで、タイポグラフィーの観点からも面白いページを作れるようにしようとしたわけだ。

もちろんこうした取り組みを行なっているのはGoogleだけではない。たとえばAdobeもTypeKitというフリーミアムモデルで同様の仕組みを提供している。またEdge Web Fontsでは、フリーでオープンソースのフォントを提供してもいる。

また今回、Googleがデスクトップ向けに提供し始めたフォントも、自分でダウンロードしてインストールすれば、デスクトップでも利用可能ではあった。

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(翻訳:Maeda, H)


Acerの狂機Aspire R7にハイブリッド世界の「ありえへん賞」をあげたい

[筆者: Michael Seo]

Acerが今日(米国時間5/3)発表したAspire R7は、前からStar Trekのコマーシャルで予告されていたように、一体型デスクトップ+ラップトップ+タブレットという、不思議なハイブリッド機だ。

Windows 8が出たときには多くの人が、タッチスクリーンのあるコンバーチブル機、というおかしなものがきっと出るだろう、と予感した。でもこのAspire R7は、まったく新種の奇人変人だ。Aspire R7を初めて見たときの第一印象としては、Acerはラップトップの正しい作り方を忘れたんじゃないか、と思った。トラックパッドがキーボードの裏にあるから戸惑うが、要するにAcerはユーザに、トラックパッドをいっさい使ってほしくないのだ。

Aspire R7のタッチスクリーン(15.6インチ)はイーゼルタイプのヒンジ(画像)に乗っているので、角度の自由度がものすごく大きい。たとえば完全にフラットに置くと、ちょっと大きめのタブレットに変身する。キーボードの上に立てるとトラックパッドが完全に隠れる。なぜトラックパッドを、こんなところに置いたのだろう?

Aspire R7の、作りはとてもしっかりしている。素材はアルミのようだが、伸縮部分は皆無なので小さくはできない。だから、とにかくでかい。重い。持ち運びしたくない。でも、これまでにAcerが作ったハードウェアとしては上出来の方だろう。ただし、こんなおかしなものを、一体誰が使うのか?

主な仕様は:

  • プロセッサ: Intel Core i5 1.8GHz, Turbo Boostで2.7GHz
  • DDR3 RAM 6GB
  • 500GB SATA HD + 24GB SSD
  • Intel HD Graphics 4000
  • HD Webカメラ, マイク2
  • USB 3 × 2, USB 2 × 1
  • 重さ5.3ポンド, 厚さ1.1インチ

なおAcerは、Aspire P3も発表した。こちらはultrabookタイプのコンバーチブルで、ディスプレイは取り外し可。また、7.9インチのAndroidタブレットIconia A1も発表したが、しかし今回の主役はあくまでもAspire R7だ。5月17日よりBest Buy限定発売、Best Buyのオンラインストアで今から予約すると、999ドルだ。

LaptopMemoのStefan、カメラを貸してくれてありがとう! おかげでこんなにたくさん写真が撮れたよ。)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


これまで1500万のWebサイトを作ってきたWeeblyが新装, HTML5対応+サイト設計ツールを提供

【抄訳】

今や、中小企業もWebとモバイルの顔が必要だ。必要というより、必須である。TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアだけで済まそうとする会社もあるが、でも自由にいろんな情報サービスやコミュニケーションサービスを提供しようと思ったらWebサイトを自作するしかない。そこで、今日このごろはますます「2W」と呼ばれるWeb制作サービスの大手、WixWeeblyが繁盛するのだ。

Weeblyを利用すると、おじいちゃんおばあちゃんでも、4歳の子どもでも、自分のWebサイトを無料で作れる。Y Combinatorを2007年に巣立ったWeeblyは、これまでに1500万あまりのサイトを作り、その合計ユニークビジター数は各月1億を超える。そのWeeblyが今週、足かけ1年を要したアップデートの成果を発表した。とりわけその目玉は、対話的に利用できる“サイトプランナー(Site Planner)”だ。

サイトをプランするツールであるサイトプランナーは、ユーザによるサイト設計の過程を一歩々々、適宜ヒントやアイデアを提供しながらガイドしていく。サイトビルダーWeeblyの本体の方はHTML5対応になり、新しいテーマの数々や、既製品の各種部品を提供する。モバイル用のエディタもあるので、自分のサイトをモバイル対応にするのも簡単だ。Weebly自身のAndroidアプリも、今回よりグローバル化した。

協同ファウンダのDavid Rusenkoによると、同社が行った消費者調査によれば、約56%の消費者がWebサイトのない企業を信頼しない。しかし、全企業の58%にまだWebサイトがない。Facebookのユーザ数や、スマートフォンの保有台数を見ると、合衆国など先進国では、一般消費者のコンピュータ/インターネット利用はほぼ100%普及していると思われるのに、多くの企業がまだ地中の暗闇にいる芋虫だ。ただしWeeblyによると、これから会社を作る起業家は、技術者でなくても必ずWebサイトを作るそうだ。

しかし今でも、Weeblyを訪れる人の55%は、過去に一度もWebサイトを作った経験がない。Webサイト作成サービスはもう相当古いサービス、というイメージをお持ちかもしれないが、実はこれからもまだまだ、成長の余地の大きい業種業態なのだ。競争も激しく、Weeblyのような老舗も実績の上にあぐらをかいてはいられない。今回のアップデートやプランナーツールの新規提供も、絶えざるリフレッシュ努力の一環だ。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


高密度な3DグラフィクスやゲームまですべてをWebがリプレースする時代に向けて, OtoyとMozillaが強力なストリーミング技術を発表

近い将来、スマートフォンとタブレットとラップトップの違いは画面のサイズだけ、となる。トップクラスのゲーマーたちは3D要素びっしりのゲームをスマートフォンで十分楽しめる。Michael Bay監督は”Transformers 4″のCGIを自分のiPadで制作する。という未来を目指してロサンゼルスの Otoyは、Mozillaと共同で、どのアプリケーションでもすべての種類のデバイスにWebからストリームできる方法を発明した。どのデバイスもアプリケーションのI/Oインタフェイスは完全にWebブラウザだけになるので、この方法が主流になればプラットホーム別のアプリストアは要らなくなり、また、条件に応じてコンピュータをアップグレードする必要もなくなる。下のデモビデオを見てみよう。

Otoyは前にも、3D要素がぎっしり詰まったグラフィクスを、それがレンダリングできないはずの古い/安価なデバイスで動かして世間を驚かせたことがある。その2009年のときのOtoyのデモ以来今日まで、Onliveのストリーミングビデオによるゲームをはじめとして、さまざまなクラウドサービス企業が繁茂してきた。しかしこれまでは一貫して、ビデオゲームはゲーム専用機、モバイルアプリはそれぞれのアプリストア、そのほかのソフトウェアはそれぞれのオペレーティングシステム、という棲み分けが定着していた。だからすべてのクールなアプリケーションを楽しもうと思ったら、各種ゲーム機、iPhone、Windows PC、Xbox、などなどをすべて手元に揃えなければならない。

しかし同時にまた、今ではどのデバイスにもWebブラウザがある。そしてOtoyは、Webブラウザのあるデバイスならどのデバイスでも自分のソフトウェアが動くようにしたいので、すべてのソフトウェアをJavaScriptで書く。だから、まもなく、“このソフトは(ゲームは)XXXXXでしか動かない(遊べない)”という事態が終焉を迎える。そして、ソフトウェアが、ひいてはユーザが、特定のデバイスに縛られない自由な世界が訪れる。

これまでは、高度なゲームやグラフィクスを動かすためにはラップトップの高級機(3000ドル以上)を必要としたが、それもなくなる。Otoyがサンフランシスコの本社でMozillaやAutodeskと共催した発表イベントでは、iPhoneの上であの凝ったグラフィクスのFPS(一人称シューティングゲーム)Unrealが、なめらかに動いていた。つまり単純に言うと、Otoyはスーパーコンピュータのやることを携帯やタブレットの上に持ち込むのだ。

Otoyの投資家でセレブたちのためのタレントエージェントを経営しているAri Emanuelは、この技術が自分のビジネスにとって大きな意味を持つ、と言う。誰もが映画作家になれるし、短期間低コストで映画を作れるようになる、というのだ。今の本格的な商業映画では、ワンシーンの撮影またはCGI制作に一日を要している。Otoy的な技術を使うと、グローバルに分散したチームがリアルタイムで協働できる(ビーチでタブレットを抱えて仕事に参加するやつもいる)。お互いの時間調整が難しくて、簡単な修正にも丸一日かかる、といった事態はなくなる。

では、3000ドルのラップトップと商用アプリケーションを買わずに済むためにOtoyにはいくら払うのか? 今同社のサービスはもっぱらプロのアーチスト向けだが、その利用料金は概算で300ドルという。

それにまた、OtoyとMozillaが共同開発した新しい高機能なストリーミング技術により、今モバイルゲームや映画等のストリーミングサービス(Netflixのインターネット帯域占有率は最大で32%といわれる)によって生じているインターネットの混雑と渋滞が、緩和されることも期待される。同技術では、同じデータ量に対して従来の3/4の帯域しか使わない。

Otoyのようなクラウドレンダリングサービスがわれわれのコンピューティングニーズの大半をリプレースするためにはしかし、すべての末端ユーザが定常的安定的に、十分に広い帯域を享受できることが必要だ。デモを見たかぎりでは4Gで十分にビデオゲームをストリームできるようだが、ユーザ人口の多い都市、航空機の中、そしてインフラの貧しい農村部などではまだまだだ。クラウドがすべてをまかなうためにはおそらく、合衆国全体としての、インターネットインフラのレベルアップが必要だろう。

というわけでOtoy(+Mozilla)のような、ハイパワーインターネット技術は、数年後というより、十数年後以降が楽しみ、と言うべきか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


物理の先生がGlassを通じてCERNの大型ハドロン衝突型加速器の内部を生徒に紹介(ビデオあり)

もしGoogleがGlassがオタクっぽいことを心配しているのだったら、オタクの聖地、CERNの大型ハドロン衝突型加速器の内部をGlassで紹介するというプロモーション・ビデオは作らなかっただろう。

さいわいなことに、Googleはそんなことを全く気にかけなかった(また、気にかけるべきではない)。Glassのような驚くべきイノベーションの実験には外野からの少々の雑音はつきものだ。ともあれGoogleからこちらのビデオが公開された。

今回Googleは宇宙飛行士志望だったクールガイで、オンラインで物理を教えている教師、Andrew Vanden Heuvelをスイスの地下150mに設置された世界最大の粒子加速器のトンネルに送り込んだ。

Andrewはここで1人称視点でハドロン加速器の内部を撮影しただけでなく、Googleハングアウトを通じてアメリカの生徒たちとビデオチャットし、リアルタイムでこの冒険を共有した。

AndrewはこのGoogle Glass体験をブログに詳しく書いている。その中で彼は「重要なのはテクノロジーそのものではない。そのテクノロジーでわれわれが何ができるかだ」と指摘している。

私はGoogle Glassをもうずいぶん使った。今1500ドルを自腹で払うかといわれれば、たぶんノーだ。しかしGoogleがやっていることに大きな意味があることについては確信がある。

最近Glassに対する批判があれやこれや出ている。Googleは時間をムダにしているとか、オタクっぽ過ぎるとか、本当に新しいことをやっている相手の足を引っ張るような非難だ。われわれにはイノベーションが必要だと言いながら、実際に画期的に新しいものが出てくると揶揄したり、やみくもに否定したりする連中が存在する。それにGoogleは初めからGlassは「ひとつの実験」だと言っているのだ。

しかしこの点については改めて記事を書く必要がありそうだ。今回はとりあえずビデオを楽しんでいただきたい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Glass、近くiPhoneでもナビゲーションとテキスト・メッセージが可能に

現在、Google Glassでテキスト・メッセージとナビゲーション機能を利用する場合、AndroidにGlassのコンパニオン・アプリをインストールしてペアリングしなければならない。しかし、これはすぐに変わりそうだ。昨日(米国時間5/3)、私がニューヨークのGoogleオフィスにGlassを受け取りに行ったときに担当者から聞いたところでは、これらの機能をどんなデバイスからも使えるようにするために作業が行われているという(コンパニオン・アプリからも独立に使えるようになるのかもしれない)。

今でもGlassはBluetooth経由でiPhoneとペアリングして利用できる。しかしiPhoneユーザーは現在まだ曲がり角ごとに案内してくれるナビという最大のセールスポイントの機能が使えない。地理不案内な場所を訪問したときにこのナビは実に役に立つ。Glassの位置情報機能の見せ場だ。しかし現在はiPhoneからはこの機能が無効にされている。

念のために言っておくと、Glassは独自にインターネットに接続できるという噂をよく聞くが、間違っている。Glassがインターネットに接続するためにはテザリング機能のあるスマートフォンが必要だ。キャリヤ側からみれば、Glassは無線ホットスポット機能を利用するデバイスの一つに過ぎない。そうであれば本来Glassはスマートフォン上のアプリによって機能が制約される必然性はない。ナビとSMSがiPhoneで利用できないのが奇妙だった。

Glassはコンパスは内蔵しているが、独自のGPS受信機は持っていない。GPS情報はペアリングしたスマートフォンから読み出す。Glassソフトウェア現在ベータ版なので、おそらくこのあたりに何らかの問題があったのだろう。ともあれ、近くGlassはペアリングするデバイスを選ばなくなるということなので期待している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


写真編集に本格的に凝りたい人のためのMasterFX, 機能はPhotoshop級でしかも無料

写真やビデオ関連のアプリの人気が、このところうなぎ登りだ。そのブームに火を付けたのは、InstagramやVineである。iOSのアプリストアではゲームやソーシャルに次いで三番目に大きなカテゴリーになっている。その多くには、簡単な写真フィルタやビデオエディタがある。しかしこれらの大衆化路線以外に、もっと本格的な写真編集アプリが欲しい人たちもいる。この後者の市場に最近参入したのが、今日(米国時間5/2)iPad/iPhone向けにローンチしたMasterFXだ。ここには、プロのデザイナーが使えるツールが揃っている。しかもそれらが、しろうとの一般人でも簡単に使えるようになっている。このアプリはさらに、数百万ものロイヤリティフリーの写真集も提供している(購入は有料)。

MasterFXを作ったのはイスラエルのDropico Mobileスタジオで、同社はエンジェル資金として230万ドルを調達している。

さまざまなエフェクトやブラシ、挿入機能など、およそ1500種あまりの写真編集要素を揃えており、テキストエディタや自動光量バランス機能などもある。アプリ内で購入できるパッケージが32種あり、また数百万あるロイヤリティフリーの写真は一枚5セントで買える。ディストート、レイヤ管理、透明度のコントロール、マスク、ブラシなどPhotoshopにあるようなプロフェッショナルな機能を、同社の言う“イージーなシングルステップツール”(利用にあたって複数の工程/段階がない)として提供している。

協同ファウンダのSagi Hirshは、機能はこれからも増えていく、と言っている。

Dropicoはそのほかの写真アプリとして、FilterMania、WowFX、InstaFontsなども作っていて、全部合わせると1000万回以上ダウンロードされているそうだ。

〔すでにかなり好評。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


モバイル・アプリのインストを促すFacebook広告が大人気―3800のデベロッパーが2500万ダウンロードを呼び込む

Facebookのアプリ・インストール広告は今回のFacebookの四半期決算のスターだった。

シェリル・サンドバーグによれば、3800チームのデベロッパーがアプリ・インストールを促す広告を利用し、2500万のダンロードを呼び込むことに成功したという。iOSとAndroidのトップ100デベロッパーの40%が今年の第1四半期にこの広告を利用した。マーク・ザッカーバーグは、「われわれはモバイル・アプリ・インストール広告から本格的な収入を上げ始めた」と語った。

私が昨日の記事で紹介したように、あらゆるネットビジネスがモバイル化を進める中で、アプリ・ストアにおける競争は激しくなる一方だ。デベロッパーは自分のアプリをユーザーに発見してもらうためにあらゆる努力を払う必要がある。そのため昨年10月にスタートしたFacebookのアプリ広告には巨大な可能性がある。

Facebookのアプリ広告を使えばデベロッパーはモバイル版のニュースフィード中に大きなスクリーンショット、アプリの説明、インストール・ボタンを表示できる。Facebookの膨大なモバイル・ユーザー数のおかげで、こうしたインストール広告はアプリのプロモーションの必須に必須の要素となってきた。

ザッカーバーグは「iOSとAndroidは外部のアプリ・ストアなので、Facebookがそこからどうやって収益を上げるか当初はっきりしなかった。結局われわれはデベロッパーがアプリをプロモーションすることを助けるという手法に落ち着いた」と語った。

Facebookはアプリ発見広告に本格的に収益を上げる方法を見出した。7億5100万人に上る月間ユーザー数を背景に、サンドバーグは「われわれはデベロッパーに莫大な露出機会を与えることができるユニークな存在だ」と誇った。ザッカーバーグは「アプリ広告は本質的にモバイル広告に適合している。通常の広告の大半はクリックするとウェブサイトにジャンプする。ところがアプリ・インストール広告はアプリ・ストアのそのアプリのページを直接開く。モバイル・ユーザーは当然そのアプリ・ストアを以前に使ったことがあり、支払情報などはすべて入力ずみだ。アプリ購入は簡単だ。またデベロッパーにとってわれわれの広告のコストパフォーマンスは極めて高い」と述べた。

CFOのDavid Ebersmanは「アプリ・インストール広告はまだ開発途上だが、すでに非常にうまく機能している。売上の推移にも満足している」と述べた。

Facebookのアプリ広告は今後ますます重要性を増していきそうだ。モバイル広告の売上が3億7500万ドル、全売り上げの30%(前四半期は23%)にもアップしたのは明らかにアプリ広告の功績だ。

ただし、ライバルも同じことを考えている。Twitterも最近アプリ・インストール・カード広告を開始した。またHunter Walkなどの情報によればApple自身もAppStore内にアプリの広告を表示することを考えているという。

モバイル・アプリが全盛になればなるほどデベロッパーはライバルを出し抜く方法に苦心することになる。どうやらデベロッパーはFacebookその他のアプリ発見広告に今後ますます投資しなければならなくなるようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


天井の隅に設置するスピーカーTiptopは部屋の音響特性を有効利用する

【抄訳】

友だちの部屋へ入ったら、天井の隅におかしなものがある(左図)。なんだろう? きみがぼくと同じタイプの人間なら、まったく見当が付かないだろうね。

スタンフォード大学でプロダクトデザインを専攻している三人が、部屋のスペースを有効利用でき、そして、部屋全体を音響装置の一部として活かすことのできるスピーカーを考えた。

このTiptopと名付けられたスピーカーは、小さなピラミッド型をしていて、そのまま机上などでも使えるし、専用のフレームに収めて天井の隅にも設置できる。Jamboxなどと同じくワイヤレスで、Bluetoothで接続する。天井の隅に設置すると、その部屋のルームゲインが音に加わり、部屋自身の音響効果で、よりリッチで快適な音になる。

“置き方でスピーカーの形が変わるだけでなく、スピーカーによる室内空間の使い方が変わる”、と三人の一人Jack Brody は言う。彼によると、複数のスピーカーを置いても音が良くなることはなく、むしろスピーカーそのものが良質であることが重要だそうだ。

BrodyとMadeleine ThompsonAlex Walkerの三人は、このプロジェクトを昨日(米国時間5/1)Kickstarterで立ち上げた。今のところ目標額215000ドルに対し、30000ドル(154名)が集まっている。(Thompsonは女子プロサッカーチームSky Blue FCの選手でもある。)

期限の6月1日には、三人とも卒業してこのスピーカーの製造販売をビジネスにするつもりだ。お値段は資金提供者は175〜199ドル、定価は249ドルだ。

【中略】

去年の秋のある晩、三人はWalkerの部屋でデザインのアイデアや音楽について雑談していた。Thompsonはヒントを求めてKickstarterをサーフィンしていた。Walkerはデスクに向かっていた。Brodyは床にごろ寝して天井を見つめていた…そしてそのとき、天井の隅を利用するというアイデアが、突然ひらめいた。スピーカーを天井の隅に取り付けて、試聴した。彼らは、その音がとても気に入った。

後日、友だちを招いてブラインドテストしたときも、“天井の隅のスピーカー”は好評だった。ぼくもその一人だが、確かに同じ曲がすごくリッチな音に聞こえる。また、狭い部屋の床や机の上を、スピーカーに占領されないのがよろしい。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Evernote、韓国のメッセージングの巨人KakaoTalkと提携

【日本語版注:本稿のライターはMichael Seo】
Evernoteが9000万人のKakaoTalk登録ユーザーを狙って、韓国のメッセージの巨人と提携し、KakaoTalkモバイルアプリにEvernote統合機能を追加する。

米国内に400万人近くユーザーがいるにもかかわらず、KakaoTalkを知っている人は稀だろう。このメッセージング・アプリは主に韓国系アメリカ人(例えば私)が、国内外の友人や家族と連絡を取るために使われている。しかし韓国では、KakaoTalkの存在は巨大だ。このアプリは同国スマートフォンの95%にインストールされており、日本でも少ないながら1500万人のユーザーがいて成長中だ。ちなみに日本でのKakaoTalkは、世界で1億5000万人の登録ユーザーがいるLineの陰に隠れている。

意外なことに、Evernoteがメッセージングアプリと提携したのはこれが初めてで、太平洋を越えてプレゼンスを広げようという同社の意気込みが感じられる。Evernoteの誇る世界5000万人のユーザーベースの中で、韓国、中国、日本、オーストラリアをはじめとするアジア太平洋地域のユーザーは1500万人しかいない。Evernoteが韓国でのKakaoTalkの普及をてこに、ユーザーベースの拡大をはかっていることは間違いない。

KakoTalkもまた、世界へのユーザーベース拡大を考えており、米国でのEvernoteの人気によってKakaoTalkに注目が集まることを期待している。先に書いたようにKakaoTalkはここ米国では韓国人以外には事実上無名であり、韓国企業は何とかその状況を打開しようとしている。

Evernoteがどのような形でKakaoTalkアプリで存在をアピールするのかは不明だが、全3プラットフォーム(iOS、Android、Windows Phone)でEvernote統合をサポートすることは間違いないだろう。

KakaoTalkは無料で、iOS App StoreおよびGoogle Play Storeからダウンロードできる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Lumuは、iPhoneに差し込んで使うカメラデジタル露出計

Lumuは、従来のアナログ露出計に代わるiPhoneのヘッドホンジャックに差して使う小さくて賢い露出計だ。フォトグラファーは専用のLumuアプリ ― Disrupt NYのハードウェアエリアでプロトタイプをデモしていた ― を使って撮影位置に最適な設定を知ることができる。

LumuはiPhoneで良い写真を取るためのものではない。ISO感度、絞り、シャッター速度をマニュアル設定できる単体カメラのためのツールだ。欧州スロベニアからやってきたこのスタートアップは、一ヵ月以内にKickstarterでキャンペーンを始める。Lumuデバイスの価格は99ドルの予定。

「これは世界一賢い露出計です」と共同ファウンダーのBenjamin Polovicは言う。「既存の露出計は大きくてかさばって非常に高価です。Lumuでは主要な処理がiPhoneで行われます。iPhoneのパワーを利用するのです。電源はiPhoneから取るので電池も不要です」

「iPhoneまたはiPodに差し込むとアプリがLumuを認識してその環境に合わせて設定されます。あとはデジタルカメラで使用するISOと絞りを入力すればシャッター速度を計算します」

撮影者は推奨された値を手動でカメラに設定する必要がある。しかしPolovicによると、開発チームではBluetoothドングルを作ってカメラにワイヤレスで設定を送ることを考えている。「Kickstarterのキャンペーンがスタートしたら、そこで何かアイディアを得られることを楽しみにしています」と付け加えた。

アプリは、現在のライティング条件での光量レベルと露出値を表示する他に、ジオタグされた位置毎に個別の設定をプリセットしておき、再度訪れた時に簡単に呼び出すこともできる。オートモードやフィルタースタイルの機能によって、bokeh(背景のぼけ味)などの効果を得る方法も教えてくれる。

Polovicによると、Lumuの願いは、より多くの人々が自分のカメラ設定を奥深く探ってくれることだという。「私たちは写真が大好きなので、もっと使いやすくして、カメラは難しすぎてわからないという人たちにも紹介したいのです」と彼は言う。

同社は4~5ヵ月かけてLumuを開発した。今後はSDKを提供して、デベロッパーがこのセンサーを利用して別のアプリを作れるようにしたいと考えている。例えば、明るくなったらiPhoneオーナーを起こしてくれるアプリなどだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Instagram、v3.5をリリース―自分の写真に写っている人(モノ)を自由にタグづけ、「あなたの写っている写真」で公開

今日(米国時間5/2)、Instagramは新しい写真へのタグ付け機能をリリースした。タグ付けはFacebookの初期の爆発的成長を支えた重要な要素だ。

今回アップデートされたv3.5(iOS版、Android版)では、ユーザーが写した写真に入っているどんな人物(あるいはブランド)でも自由にタグづけできるようになった。タグづけされた写真はその相手のページの「あなたが写っている写真」セクションに自動的に表示され、一般公開される。自分がタグ付けされると通知がプッシュされる。自分がタグづけされた写真が公開される前に自分の承認を必要とするように設定することもできる。

[注:v3.5は順次公開中なのでユーザーによってはまだダウンロード可能になっていないかもしれない。(7:59現在、日本版Play Storeではv3.4.1のままとなっている)]

新しい「あなたの写っている写真」セクションは5月16日まではユーザー本人しか見ることができない。これは自分が撮影した過去の写真をタグ付けしたり、他のユーザーがタグづけした自分の写真を検討して、必要ならそのうちの一部だけに承認を与えるなど、新機能に慣れる準備の時間を与えるためだ。

写真のタグづけとそれが通知されることはユーザーのInstagram利用を増大させるだろう。新しい「あなたの写っている写真」セクションは個人だけでなく、企業やブランドがInstagramで自己のイメージを管理する手段を与える。誰が、いつ、どんな製品をタグづけしたかのデータは企業にとって非常に有益な情報だ。

友だちがタグづけされた写真ストリームを眺めるのはFacebookでも非常に人気のある中毒性の高い活動だ。今回Instagramでも同様のことができるようになったのはいってみれば新たな金鉱を掘り当てたようなものだ。

新しい写真タグの使い方

iOSまたはAndroidでv3.5をインストールしたら、プロフィール・ページを開いて「あなたの写っている写真」をチェックしてみよう。あなたがタグ付けされた写真はすべてここに表示される。あるいは公開前に承認が必要な設定にしてある場合は、承認を求める写真が表示される。めったにタグづけされないユーザーの場合、自動的に承認する設定でもよいかもしれないが、大量のタグ付けを受けるような企業や著名人の場合、承認制にしておいたほうが安全だろう。Instagramのプライバシー管理についてはHelp Centerを参照。

自分がタグ付けされている写真を眺めて、承認するかどうか決定した後で、このセクションは一般公開もできるようになる。これはFacebookがタイムライン機能を取り入れたときに、ユーザーに自分の過去の記事や写真を検討する時間を与えたのと似ている。5月16日以降、「あなたの写っている写真」セクションは公開のプロフィールに表示されるようになる(公開する写真がなくても表示される)。

写真をアップロードするときに人物や製品をタップしてタグづけができる。また過去に撮影した写真に対しても同様にタグ付けできる。新しいタグ付け機能では、単にフォローしている相手やFacebookの友だちだけでなく、誰であろうと何であろうと写真に写っている対象をタグづけできる。ただしタグづけできるのはあくまで自分が撮った写真だけで、他のユーザーの写真にタグ付けすることはできない。

誰かの写真に自分がタグ付けされると通知が来て、その写真を(フォローしていない相手だろうと、非公開設定だろうと)見ることができる。その写真が自分のプロフィールページで公開されたくない場合、タグ付けされたユーザーはタグを削除したり、公開を承認しないことができる。また問題が深刻な場合は運営者に通知ができる。

将来は写真グラフになる?

自分がタグ付けされたという通知が来れば、たいていのユーザーはすぐにInstagramをチェックしに行くだろう。これはFacebookを急成長させた手法同じ、非常に巧みなバイラル戦術だ。Instagramにはすでに1億人のユーザーがいるが、新機能のおかげで利用はさらに活発になるはずだ。また自分がどのようにタグ付けされているか知りたいので新たにInstagramを使いはじめるユーザーも出るだろう。

私の取材に対してInstagramは「この機能を長期的にマネタイズにどう生かしていくか、まだはっきりしたことは考えていない」と答えた。しかし人物や製品に対するタグ付け情報がやがて何らかの形で広告のベースとなることは疑いない。

海に沈む夕陽やラテ・アートは見て美しいが、本当にユーザーを惹きつけ利用の中心となるのはやはり人物だ。「あなたの写っている写真」の公開でInstagramはますますユーザーの写真ライフの中心的役割を果たすようになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Andreessen HorowitzのChris Dixon、 「3Dプリンティングは新たな産業革命を起こす。スタートアップはソーシャル疲れ」

起業家からエンジェル投資家に転じ、現在は有力ベンチャーキャピタル、Andreessen Horowitzのゼネラル・パートナーを務めるChris DixonがTechCruch Disruptに登壇し、3Dプリントが新たな産業革命を起こす可能性と述べた。Dixonは将来この分野に多数の投資を計画しているという。一方、ソーシャルネットワーク分野のスタートアップについては「ソーシャル疲れがみられる」と懸念を示した。

4月に入って3Dプリンティング会社のShapewaysのシリーズCラウンドにChris DixonはAndreessen Horowitの資金3000万ドルを投じている。Dixonはこれを機に同社の取締役に就任した。

Dixonは「Shapewaysはハードウェア製造業には未開拓のチャンスが数多くあるということのよい例だ。3Dについてはいろいろ語られているが、伝統的なベンチャーキャピタルからの投資はまだ非常に少ない」として次のように述べた。

われわれは3Dプリンティングを信じがたいほど画期的でもっとも重要なイノベーションの一つと考える。これは製造業を一変させるだろう。われわれは近く複数の投資をする。実際、小規模なハードウェア・メーカーがKickstarterのようなプラットフォームに多数のプロジェクトを登録している。これは資金を集めると同時に一般ユーザーに3Dプリント・テクノロジーを周知させ、関心を惹きつけるという狙いもある。ここでユーザーによって選別を受け、成功したスタートアップはやげて大規模なベンチャー投資のルートに乗ってくるだろう。

ニューヨークはハードウェア・スタートアップのハブになりつつある。新しいスタートアップにとって有利な環境であり、新たな投資が呼び込まれるだろう。私はニューヨークはハードウェア・ルネッサンスのセンターになると言っている。賢明なエンジニアはこれまでソーシャル・ネットワーク開発に力を入れてきたが、今はハードウェア・デバイスの開発に重点を移しつつある。”

ソーシャル・ネットワークは全般的に疲れがみえる。人々は直接手で触れることができるような新しい経験を求めている。

この背後には、スマートフォン系のデバイスが大量に市場に出回ったことがある。これによって多くの電子部品の価格が下がり、デバイスの製造コストを大幅に減少させた。これがハードウェア産業全体に影響を与え、ひいてはウェアラブル・コンピュータの出現につながっている。

Dixonは電子部品のようなローエンドの革命がShapewaysが提供するようなハイエンドのイノベーションを生み出していると 説明した。また、インターネットが「出版」に対して与えたたような変革を3Dプリントなどのハードウェアの発達が製造業に対してもたらすだろうと予測した。

インターネット以前には、著者は出版社と交渉して契約し、出版社の投資によって本を出版していた。ブログや電子書籍が普及した現在、個人でも十分負担可能なまでに出版のコストは激減し、出版を民主化した。3Dプリンティングもハードウェア製造に同じような影響を与えるだろう。これまでは新製品を市場に出すためにはOEMメーカーと契約するなど大きな投資を必要としたが、今後はShapewaysのような産業用3Dプリント・サービスがコストと製造ロットの規模を劇的に減少させる。

今やハードウェア・スタートアップにとってニューヨークはソフトウェア・スタートアップにとってのサンフランシスコのような存在になってきた。ここには大勢のすばらしい投資家がおり、起業家も集まってくる。ニューヨークに欠けているのはスタートアップを大企業にまで育てる中間的レイヤーだ。スタートアップが良い製品を開発し、したとする。人員を100人くらいに増やし、国際展開したり、営業部門を拡張したりしようとしたとき、サンフランシスコならGoogleその他の投資家を頼ることができる。ニューヨークにもそういう環境が必要だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、広告売上の30%、3.75億ドルがモバイルから

Facebookの広告売上の1/3近くがモバイルプラットフォームから来ていることが、同社の最新業績報告からわかった。Facebookの全広告売上12.5億ドル中、約3.75億ドルは同社の新しいモバイルアプリ・インストール広告などから来ている。

前四半期、モバイル広告売上は3.059億ドルで、全広告の23%だった。つまり、対前四半期では22.5%伸びている。

現在Facebookは、月間10億人のユーザーの約3/4がモバイル端末を使っているため、このプラットフォームから相応の収益をあげる必要がある。アナリストや投資家たちは、Facebookがデスクトップ広告からモバイルへといかにうまく転身できるかを凝視している。

AppleやGoogleと異なり、Facebookは自前のスマートフォンOSやハードウェアを持っていない。デスクトップのFacebookプラットフォームでゲームやアプリに対して行っているような、アプリ販売やアプリ内購入による売上はない。

広告は、Facebookがモバイルユーザーを収益化する鍵となる方法だ。昨年中頃まで、Facebookには本格的にモバイル端末から収益をあげるプログラムがなかった。しかし、その後モバイルニュースフィード内のアプリ広告に積極的に乗り出した。アプリの発見やユーザー獲得は世界中のモバイルデベロッパーにとって未だに困難な問題であることから、モバイルニュースフィードは絶好の機会だった。

昨日、Facebookの広告担当製品ディレクター、Gokul RajaramはニューヨークのTechCrunch Disruptで、モバイルインストール広告は「業績好調であり、真に質の高い行動を起こすユーザーを広告主に送り込んでいる」と語った。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook、2013年Q1業績:売上38%増の14.6億ドルも1株当たり利益は0.12ドルで予測に届かず

Facebookが2013年3月末期(Q1)の収支を報告した。売上は14.6億ドル、2012年Q1の38%増で、ウォール街予測の14.4億ドルを上回った。1株当たり利益は予測を下回る0.12ドルだった(アナリスト予測は0.13ドル)。

純利益は2.19億ドルで、前年同期の2.05億ドルから7%増加した(GAAPベース)。

売上はわずかに増加し、月間11.1億人、および日間6.65億人のアクティブユーザー数も前期をわずかに上回った。ユーザー数成長の詳細については本誌Drew Olanoffの記事を参照されたい。

またFacebookは、本日提出したSEC資料で、最高財務責任者のDavid Spillaneが社を去ることを公表した。Spillaneは2008年以来、売上管理責任者を務め同社の成長とIPOを監督してきた。同氏の職務は5月10日付でJas Athwalが引き継ぐ。

株式市場の初期の反応はやや好意的で、収支発表直後の時間外取引でFacebook株価はわずかに上昇したが終値は1.22%安の27.43ドルだった。

Facebookの広告収入におけるモバイルの比率は前四半期の23%から30%に上昇した。Facebookのモバイルの伸びについてはKim-Mai Cutlerが詳しく報じている。。

前四半期、Facebookの売上は15.9億ドル、前年比40%増だった。同期の月間ユーザー数は11億人、月間ユーザー数6.18億人、モバイル月間ユーザーは6.8億人で前年比57%増だった。

今日の収支発表に先立ち、いくつかに重要な指標でFacebookがどんな結果を残すか、さまざまな予測がなされていた。

ユーザー数WSJが報じているように、今後Facebookで注目される数値の一つは日間アクティブ数の月間アクティブ数に対する比率だ。前期は全世界で58.5%だった。RBC Capital MarketsのMark MahaneyはWSJに対して、比率は59%になると予測するが「もし58%を下回ることがあればFacebookにとってマイナス要因だ」と語った。ユーザー数減少を伝える報道もいくつかあった。しかし、Facebookは日間月間比60%を達成し、わずかながらエンゲージメントの改善を示した。

この高い比率は、Facebookの吸引力が前期よりも高かったことを意味しており、同サイトの利用が減っているという批判を打ち消す強力なメッセージとなった。しかし現在Facebookユーザーの伸びは主として途上国によるものであり、米国をはじめとする先進諸国市場のユーザーほどは収益を生まない。

広告および支払い。昨期Facebookの広告売上は13.3億ドル、前年比41%増、支払い売上は2.56億ドルだった。2013年Q1の支払い売上は2.13億ドルだった。これは3ヵ月四半期では過去最高の支払い売上だ。[2012年Q4は4ヵ月間だったため、帳簿上の売上を不規則に増加させていた]。

モバイル。昨期のモバイル売上は同社全売上の23%を占めるまでに成長した。モバイル売上は事実上モバイル広告売上に等しく、同じくモバイル向けに販売しているギフト売上は無視できるほど少ない。しかし次の四半期からFacebookは、モバイル開発プラットフォーム、Parseによる新たな収入源を得る。Parseは約6万のデベロッパーを擁し、利用に応じたフリーミアムモデルを採用しており、有料バージョンは月間199ドルから。先月8500万ドルと言われる金額で買収された段階で同社はまだ比較的小規模な会社であり、今後数年間は目立った収入源になることはなさそうだ。Facebookのモバイル広告事業を大きく後押しすることを証明しつつあるのがアプリインストール広告だ。アプリ会社は料金を支払うことによってモバイルユーザーのニュースフィード内に広告を流すことができる。

Facebook Home、グラフ検索四半期中Facebookは大きな取組みを2つ立ち上げた。モバイルのFacebook Home、およびニュースフィード、タイムラインに続く第3の柱とMark Zuckerbergが言うグラフ検索だ。Facebook Homeは多少の注目を引き、現在サポートしている限られたデバイスで最初の5日間に50万回ダウンロードされた。

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(翻訳:Nob Takahashi)