ブラウザ上で電子回路の設計とシミュレーションができるCircuitLab, 一周年で月間ユーザ7万を突破

電子回路設計/シミュレーションサービスCircuitLabは、立ち上げから1周年を迎え、月間のアクティブユーザ数70000にまで成長した。今Y Combinatorの2013冬のクラスで勉強している同社は、単純に計算すると6秒に一回ずつ回路シミュレーションを動かしていることになる。電子工学系のサイトがこのように大成功している理由は、ツールが基本的に無料であることと、教育用のツールとしてとてもよくできているからだろう。また、最近増えているハードウェア系のスタートアップが、プロダクトの企画設計段階で十分利用できるツールでもある。

CircuitLabの強みは、電子回路の設計をその最初の第一歩から支援できるところにある。そのために協同ファウンダのMike RobbinsとHumberto EvansはCircuitLabを、回路図を描いてシミュレートすることが、マニュアルを一冊も読まずに、そして難解でユーザアンフレンドリーなレガシーのデスクトップアプリケーションを使わずに、Web上だけでできるようにした。だからCircuitLabでは複数のエンジニアがそれぞれ異なるマシンやブラウザを使っていても、シミュレーションなどの共同作業ができる。これまでのPSpice、Multisim、LTSpiceなどのツールでは、それは不可能だった。

CircuitLabのツールのオープンな性格は、その初期から、教育機関や研究機関の関心を惹いた。無料でもあるので、教師は教室で自分の生徒/学生たちに使わせ、その場でシミュレーションをさせられる。彼らが教室に持ってくるマシンは、メーカーや機種を限定されない(ブラウザがあってWebにアクセスできればそれでよい)。EvansとRobbinsは電話インタビューで、教育方面に口コミで広まりつつあると言ったが、それには生徒/学生間の口コミ(リコメンデーション)も含まれるようだ。

“うちの最大のユーザは教育機関だ。学校や大学で、これまで使われていたデスクトップソフトを駆逐しつつあるようだ”、とRobbinsは説明する。“教師たちの最大の問題は、Macを持ち込む生徒/学生が多いのに古いツールはWindowsオンリーで、それらよりもさらに古いヘンなソフトすらある。今や学生/生徒たちがめいめい、違うソフトを使っていることが、教える側の悩みのタネだったのだ”。

CircuitLabにとっては、一人の教師に気に入られると一挙にユーザが数十名増えるというメリットがある。今、大学で電子工学を専攻した学生が一人前になるまで5年はかかるから、今の世代の学生たちが次世代の学生にCircuitLabをすすめる効果もある。しかしRobbinsによると、CircuitLabの使われ方はもっと多彩だ。大規模な製品では、それぞれの部品が個々に設計〜シミュレートされることもある(たとえば電源回路とメインボード)。Robbinsによると、どんなタイプの回路でも設計〜シミュレーションできることが、CircuitLabに強みの一つだ。

CircuitLabは最近、二社と提携を結んだ。ひとつはElectronics.StackExchange.com、ここでは組み込みシステムの回路設計とシミュレーションに利用されている。もうひとつはEE TimesとEDNの発行者、これらは電子回路設計の専門誌として指導的な存在だ。このような健全な提携関係とYCのサポートにより、同社の今の立ち位置は非常に良好だ。

類似サービスとしてUpverterなどがあるが、しかしEvansとRobbinsによると、CircuitLabが対応するのはあくまでも設計の初期段階のみ。だからこの世界には今後もっと多様な競争関係や補完関係があるべきである、と。たしかにこの世界では、既存の有力ツールは過去10〜20年間ほとんど変化も進化もしていないのだから、若いスタートアップたちによってもっと本格的で大々的な世代交代が起きてもよさそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Nexus 5は、ニコンのカメラ内蔵との報道

Googleの次期標準スマートフォンはここ数週間多くの噂の的となっているが、そう突飛でもない情報が一つだけある。Phonearenaは、ある情報筋によると次期NexusにはNikonの「トリプルセンサー」付カメラ機構が内蔵されるらしい。このカメラ機能はNexus 5の「目玉」とされていると情報筋は伝えている。

本件のタレコミ人は、1080p対応の5インチディスプレー、Snapdragon 600プロセッサー、RAM 2GB、8または16GBのストレージなど、Nexus 5の比較的妥当なスペックについても語っている。3140mAhの強力バッテリーを内蔵し、デイスプレイの所要電力次第では現行機よりも持続時間が伸びるだろう。これらの情報は、以前AndroidandMeが主張していた、次期Nexus製品群にはスーパーパワー5.2インチLG機が入り、RAM 3GBを塔載するという噂を否定している。

対照的に、この最新Nexus 5仕様情報は、これまでGoogleが展開してきたフラグシップAndroid機群とつじつまがあう。Nikonカメラ技術の採用に関しても、GoogleのVic Gundotraが先月Google+でで、Googleは「Nexusをめちゃめちゃすごいカメラにすると約束する」と言い、消費者はこれが真実かどうかを「見守ってくれる」だけでいい、と思わせぶりな態度を見せたこととも一致する。

昨年秋にGoogleが発売し殆どの点で魅力的なNexus 4で、一点残念だったのがカメラだった。多くのレビュアーが、iPhoneや他のAndroid機のカメラと比べて、普通か普通以下と判定した。このため、Googleが次期Nexusでカメラの改善に焦点を当てるのは、Googleブランド愛好家に格好のアップグレード理由を与えると共に、Googleとして標準機Nexusの主要目的の一つである、Androidの内蔵カメラ機能のアピールができることから考えても、理にかなっている。

GoogleとNikonは過去にも共同作業をしたことがあり、Nikon Coolpix S800cにはAndroidベースのファームウェアが塔載されている。またGoogleが昨年買収したNik softwareは、Snapseedの開発元で、Nikonが以前多額の出資をした会社でもある。

新しいカメラのセンサーは、トリプルセンサーと言われており、HTCのUltrapixelやSigmaのFoveon X3のセンサーと同様に、メガピクセル数の小さいセンサーを3層に重ねることによって、カラーレンダリングと感度の優れた高解像度画像を作るものと考えられる。まだまだ大部分が噂の段階ではあるが、興味深い内容であると共にGoogleがNexus製品群で目指しているところともよく一致している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


モバイル広告ランキングでは未だにiPhoneがGalaxyを大きくリード(Velti調べ)

数多くのメディアが、新しいGalaxy S4を刺激的な宣伝やマインドシェアにおけるiPhoneへの挑戦者候補として、大きく取り上げているが、モバイル広告会社のVeltiは、2月の同社ネットワークから集めたデータを基に、異なる見解を示している。同社によると、Androidデバイスの急上昇にもかかわらず、モバイル広告主の間では未だにiOSとiPhoneが支配的だ。

Veltiによると、同社が全世界の広告で扱ったデバイスの10台中8台はiPhone 5、iPhone 4S、iPhone 4を含むiOS機だった。Samsungはトップ10中2席を何とか確保したが順位は比較的低く、Galaxy SIIとGalaxy SIIIがそれぞれ7位と10位だった。Galaxy SIIは、全地域を通じて唯一トップ5に食い込み、ヨーロッパ全体の5位だった。一方旧型電話機が支配的(その多くがアクティブ)なアジアでも、iPhoneはすでにトップ3入りしている。これは、最近この地域に進出し、力を入れているAppleにとって明るいニュースだ。

AppleのiPhoneおよびiPodは、Veltiの広告インプレンション全体の38.1%を占めてトップに君臨し、iPadは全モデル合わせて17.2%だった。対するGalaxyは、全機種合わせても2月のトラフィックのわずか5%以下だった。iOS上の広告は広告表示1000回当たり収益(eCPM)の実績でも、Androidより20%高かった。これはAndroidの高いクリック率とは裏腹の結果であり、クリック率で見るとGoogleモバイルプラットフォームの方がAppleよりも約50%高かった。

タブレット単独で見ると、iOSにはおよそライバルと言えるものがない。Veltiの調べによると、Androidタブレット全体の占める割合はわずか0.7%、iPadは97.5%で、2013年1月から2月にかけて標準iPadからiPad miniへの変遷が起きている。

全般的に、Androidの全世界販売台数の伸びにかかわらず、広告主側から見た景観はあまり変わっていないようだ。iOSは1、2月の間にもシェアを伸ばし、これは0.3%とごくわずかだったが、過去6ヵ月間に広告主からの需要は60%以上増えているとVeltiは言っている。

SamsungのGalaxy S4は、さまざまな理由で注目されているが、中でも興味深いのはモバイル広告主の目を向けさせられるかどうかだろう。スパイスを制する者が世界を制すと言うが、ここではAppleがモバイル広告界を支配しているという事実が、デベロッパーやメディアコンテンツプロバイダーの支持を集める力となっていることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


新ソフトキーボードのMinuumがIndiegogoで資金集め―モバイルからウェアラブル・デバイスまで省スペースで高速入力を狙う

カナダのトロントに本拠を置くスタートアップ、Whirlscapeは現在のキーボードは古い機械式タイプライターの遺産であり、デザインをそのままで単にデジタル化しただけでは不十分だと信じている。そこでトロント大学の教員と研究者はMinuumというまったく新しいソフトキーボードを開発し、企業化のための資金をIndiegogoで調達しようとしている。

Minuumは文字を3段に配置し、その下にスペースキーを置くという従来QWERTYキーボードのデザインを一新した。 Minuumのキーボードでは文字は間隔を詰めて一列に配置され、予測アルゴリズムによって正確な入力を可能にすると同時にモバイルデバイスの貴重なスクリーン・スペースを大幅に節約する。同時に使い慣れたQWERTYキーボードのユーザー体験も維持される。3段分の文字が狭いスペースに圧縮されているが、誤った文字の入力の割合が高くても強力なアルゴリズムによって自動的に訂正される。Fleksyに似たコンセプトだが、アプローチはまったく異なる。

Minuumのセールスポイントはスマートフォンやタブレット以外のウェララブル・コンピュータなどこれから登場してくるデバイスにも適しているだという点だ。WhirlscapeではAndroidアプリとiOS向けのSDKをデベロッパー向けに提供しようと準備している。しかしMinuumはデバイスを選ばずあらゆる狭いスペースで利用可能だ。デモビデオで見られるとおり、MicrosoftKinectやGoogle Glassのようなビデオ録画機能のあるアプリで使うにも好適だ。なにしろ、紙片や実験者の腕にペンで文字列を書き込むだけでそれがキーボードとして使えるのだ。また筋肉の微細な動きを読み取って多様な命令を入力しようとするMYOアームバンドのようなデバイスとも相性が良いだろう。

Whirlscapeの共同ファウンダー、CEOのWill Walmsleyは私の取材に対してこう答えた。「現在さまざまな入力のテクノロジーが開発されているが、みな基本的にタッチスクリーンをターゲットとしている。ソフトキーボードにしてもどれもスワイプが使われている。しかし私は小型デバイスの入力はタッチスクリーンには限られないと考えている。デバイスのスマートさはどんどん向上している。タッチスクリーンの先を考えることは理にかなっているはずだ」

WhirlscapeではまずiOSとAndroidアプリのプロトタイプ版を2014年初めに(公開ベータは今年後半に)出荷する予定だ。他のハードウェア向けSDKがそれに続くことになる。Whirlscapeはトロント大学の初期アクセラレータ・プログラムであるUTESTMaRS Innovationから少額のシード資金の提供を受けている。しかし同社ではクラウド・ファンディングにより資金を調達することが、製品の公開に先立って注目を集めるためにも効果的であると考えた。Walmsleyは「Indiegogoはユーザーと直接の関係を得るのにも適している。また非公開ベータテストに協力してくれるアーリーアダプターを探すにも良い」と語った。

Walmsleyによれば、当面の目標はデバイス・メーカーにMinuumをプレインストール入力方法として採用してもらうことだという。デモで見られるような効率性とクロスプラットフォーム対応が製品版でも実現するならそれは十分可能だろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleマップのストリートビューにエベレスト、キリマンジャロなど7大陸最高峰が加わる

ユーザーがGoogleマップで世界の秘境をいながらに探検できるようGoogleは大いに努力をしてきた。 今日(米国時間3/18)、Googleは新たなストリートビュー方式で写真が表示される地域をマップに追加したことを発表したが、その中には世界でエベレストなどの高山が含まれている。

Googleの公式ブログによると、新しいストリートビューにはエベレスト、エルブルス、アコンカグア、キリマンジャロなど世界でもっとも有名な高山が含まれている。これらの山は「七大陸最高峰」と呼ばれて登山家の憧れの的となっている。マップのユーザーは高地順応の手間をかけずに現地の様子を見ることができるようになった。

バーチャル高山ツアーには膨大な情報が含まれており、登山家たちが実際に設営したベースキャンプの詳細な画像を見ることができる。Googleのチームは軽量の三脚と魚眼レンズで撮影を行った。その探検の模様は今日、太平洋時間午前10時からのGoogle+ハングアウトで公開される

Googleは世界でもっとも驚くべき景色を撮影してストリートビューに加えてきた。最近ではグランドキャニオンや南極その他などの僻地を加えている。Googleのバーチャル探検ツアーは地理情報データベースをさらに拡充しながら、マップにユーザーの注目を集めるのに大いに効果的な方法だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、ノート作成アプリケーションのGoogle Keepを公開…してあっという間に閉鎖

Googleがついにノート作成アプリケーションであるGoogle Keepを公開した。但し、すぐに閉鎖されてしまった。しかし公開されていたほんの僅かの間に、Android Policeがスクリーンショットなどのデータを収集して記事にしている。Googleのスポークスマンは「コメントすることはない」としている。

Android Policeの記事によれば、Google Keepにはまず、Googleノートブックに似た印象を受けたとのこと。Googleノートブックもウェブからの情報をクリッピングして整理するなどの用途に利用されていた。しかし2009年1月にサービス停止となっている。とってかわったのがEvernoteだった(あっという間にGoogleノートブックからの移行ツールをリリースして利用者を拡大した)。ちなみにGoogle Keepが話題にのぼってくるのは初めてのことではない。昨年7月にもGoogle+におけるGoogleのオフィシャルアカウントから、誤って「Save to Google Keep」という文言の見える画像のついた記事を投稿してしまったのだ。

もし、Google Keepが本当に公式デビューを果たすことになれば、Evernote、Pocket、およびOnenoteなどと競合することになるわけだ。尚、他にも登場間近であると言われているアプリケーション(もちろんGoogle Readerはない)にはGoogle Play NewsChrome版Google Nowの名前があがっている。

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(翻訳:Maeda, H)


Samsung、自我が芽生える

iPhoneの6年にわたる人生の中で、初めてAppleは守りに入ったようだ。正当な理由によって。Appleの世界市場シェアは徐々に縮小し、Androidの成長と共にSamsungがスマートフォン王への道を進んでいる。Galaxy S IIIは発売以来5000万台出荷された。

そしてこれはSamsungが毎年Android OSを載せて発売する何十台もの機種の1つにすぎないことに注意されたい。

Samsungのフラグシップシリーズの最新機種、Samsung Galaxy S4は3月14日木曜日にデビューを飾った。それはかなり見事な光景だった。2日後、Appleは“Why iPhone”というページを立ち上げた。そこには、なぜiPhone 5が優れていて、それ以外は・・・そうでないかを示す理由が列挙されている。

“Why iPhone” ページは、A6チップとiPhone 5のバッテリーが、バッテリー寿命を犠牲にせず大容量を実現するよう、「Appleの科学者」たちによって注意深く作られ、ライバルたちが「大型の既製品で妥協」しているのとは違うと説明している。

さらに”Why iPhone”には、iPhoneのカメラがFlickrで最も人気のあるカメラであることも書かれている。「他のスマートフォンはメガピクセル数の大きさを誇っているが、すばらしい写真を撮ることの方がはるかに重要だ」と言っている。Samsung、HTCらライバルのAndroid機が、つい最近8メガピクセル領域を卒業して13メガピクセルの世界に入ったことは興味深い。偶然?

さらに同ページでは、iPhoneのコンテンツが「世界一信頼されているエンターテイメントストア」であるApple iTunes Storeから来ることにも触れている。Appleからコンテンツを買えば、恐ろしいマルウェアの心配がいらない、とこのページは約束している。

これは、非常に珍しいAppleのPhil Schillerによるツイートともよく一致する。昨年第4四半期に行われたセキュリティー調査の結果を報告した後、Shillerは、「Androidの脅威が96種類発見されたので、Androidファンは注意されたし」と言った。

通常Appleは、何とかして競合のニュースに割って入ろうとする。この会社は、CESの期間中にプレスリリースを出し、Mobile World Congress中にiPadイベントの招待状を送ったことで知られている。しかし、今年は今のところ厚かましく高慢な邪魔はなく、防御的なインタビューとツイートだけだ。

さらにPhil Schillerは、Galaxy S4の発表前日にWSJのインタビューまで受けて、Android全体を叩いた。「Android端末を箱から出した後、iOSに内蔵されている体験を得るためには異なるメーカー9種にアカウント登録する必要がある。それらはシームレスに連携して動かない」とSchillerは言った。「

これは彼のAndroidバッシングの味見程度でしかない。

このAppleの新たな防衛に関して最も興味深いのは、Samsungの立ち振舞いだ。Galaxy S4の大がかりな発表の最中、あらゆる場面でSamsungのエゴに気付かずにはいられなかった。具体的に指摘するのは難しいが、とにかく私にはそう感じられた。Samsungは世界でスマートフォンメーカーのトップに立ったことを公に認めており、今後それらしく振舞うのを見る機会は益々増えるだろう。

一例を挙げると、発表イベントはラジオシティー・ミュージックホールの巨大な会場で行われ、マイナーな有名人が登場し、熱の入ったブロードウェイ寸劇が演じられた。通常この手のイベントでは、報道関係者には前列に特別席が設けられ、それなりに使えるWiFiが提供される。Samsung Unpackedイベントでは、われわれも一般消費者と同じ扱いを受けGalaxy S4発表を報じるための通信手段を確保するのにに苦労した。あれはSamsungのビッグなスマートフォンだが、あまりにビッグでわれわれがカバーできるかどうも気にしていなかったのだろう。

一方、Appleは守備的布陣へと後戻りしているらしく、Appleの参加していないカンファレンスの最中にニュースを発表してわれわれを驚かすことも、GoogleやSamsungの一面を指摘して嘲笑することもなくなったようだ。

そして、この成り行きを見るのは実に楽しい。

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(翻訳:Nob Takahashi)


OrchestraからMailboxへ。 奇跡の転換を可能にした7つの理由

編集部注:Semil ShahTechCrunchの非常勤ライター。Twitterアカウントは@semil

先週金曜日(米国時間3/15)のDropboxによるMailboxの買収は、2012年4月にFacebookがInstagramを買収して以来、テク業界にとって最大の驚きだった。実際それは注目に値する出来事だった。金額の大きさ以外のさまざまな理由によって、Mailbox買収の陰にはテクコミュニティーの心を把む興味深い物語がたくさんある。

その1。Mailboxが資金調達したのは、2011年秋の1度だけだ。2011年11月に調達が発表された時、同社は“Orchestra”という共有可能なto-doリストアプリの会社として知られていた。製品公開前の初回ラウンドでの500万ドルは高いと思われ、小さく始める「リーン・スタートアップ」の概念からは外れていた。正確なところはわからないが、当時500万ドルは同社の約20%に相当していたと思われる。

その2。Mailboxは驚くほど良く考えられた転換だった。Orchestraのチームは、自分たちの製品が突如としてメジャーなヒットになることはないと計算した。これは実に難しい選択だった。一つの製品から全く異なる製品へと転換する際、Orchestraのチームは素早く状況を見直しMailboxを一から作った。過去の学習結果を生かしつつ、会社の中核から再スタートを切った。

その3。MailboxはiOSから始められた。OrchestraにはiOS版とウェブ版があり、同社のデザインおよびクロスプラットフォームでの同期技術も極めて優れていたにもかかわらず、MailboxはiOSでのみ公開され、他のプラットフォームに展開することなく、爆発的な話題を呼び買収された。InstagramはAndroid版の開発までしばらく時間をかけ、買収される少し前に公開してインストールベースを大きく増やすきっかけとなった。Androidは順調に伸びている(iOSを超えたという見方もある)が、アプリケーションの価値を決めるのは未だにiOSだ。

その4。Mailboxは鮮やかなマーケティング手法を用いて、iOS App Storeの厄介な配布の壁を乗り越え、多くの話題を生みだした。Mailboxの悪名高き「予約システム」によって、利用者はApp Storeからアプリをダウンロードできるものの、番号を呼ばれるまで待たなくてはならない。このしかけは、製品公開を控えた多くのモバイル系スタートアップ(Tempoなど)の間で、話題作りの方法として噂の的になった。

その5。この買収に向けてDropboxの行動も同社の戦略に光を当てることになった。2011年秋に非常に高額な評価額で現金2.5億ドルを調達したDropboxは、単なるストレージサービス以上の何かを求めて手の込んだ行動に出ていた。懐疑的な人たちは、Dropboxの評価額の高さが原因で交渉のチャンスを逃がしているかもしれないことから、成功を疑問視している。ブロガーを2人お薦めしておく。一人は、TechCrunchのIngrid Lundenで、Dropboxの進む方向について優れた記事を書いている他、数ヶ月前には同社によるSnapJoyの買収を分析した。もう一人Spark CapitalのAndrew Parkersは、ファイルシステムの歴史とDropboxの方向性について先見性のある記事を書いている。

その6。Mailboxは、メールの「スワイプアウェイ」と「スヌーズ」というユーザー操作に関して賞賛を欲びているが、こうしたジェスチャーの多くは、カラフルなiOS用to-doリストアプリ、Clearに触発されている。これらのジェスチャーをMailboxの発明だとする人たちもいるが、このケースには「平凡なアーティストは模倣する、偉大なアーティストは奪う」という言葉が似合うだろう。そしてMailboxのチームは、偉大なジェスチャーを見つけ、新しいアプリが待望されていたモバイルメールという製品カテゴリーに持ち込んだことを評価されるべきだ。

最後に、その7。それはあまりにも速かった。Instagramが立ち上がり、爆発的に広がり、急速に成長し、そして5000万ドルのシリーズB調達ラウンド完了のわずか2日後に買収されたように、Mailboxの物語もまた年ではなく月単位で語られる。2012年8月、Orchestraのファウンダーは、なぜメールが未だに問題なのかを分析する論評を本誌に寄稿している。非常に長期のベータテストらしきものの最中、影響力のある技術系ユーザーたちがMailboxを使う機会を得て公開の場で絶賛した。当時は検索もなく同期やプッシュ通知も不安定だったが、それはすばらしいバージョン1製品だった。2013年2月、Mailboxは正式に公開されたが、殆どのユーザーは行列に並ばなければならなかった。それ自身が物語となった戦術だ。そして、ご存じのように、3月15日、MailboxはDropboxに買収され、その対価は多くの人々がかなり大きいと感じる現金と株式だった。

以上7つの理由によって、この物語は人々の心を捉えている。そこまですごい製品ではないとか、もはやスタートアップは独立性を捨て大きくなりたがっているとか、スタートアップは騒がれるためにあるなど、何とでも言うことはできるが、OrchestraとMailboxの成し遂げたことは快挙と言う他はない。転換の決断は実に難しい。チーム全員を納得させることも実に難しい。それまでの成果を捨てることはモラル低下をもたらす。これまで十分な資金と数百万人のユーザーを持つ小さなスタートアップが、同じような転換を試みるところを何度も見てきたが、いずれも失敗に終っている。実際のところ重要で意味のあるブランドや製品を新たに作り出すことは、ほぼ不可能だ。長期ベータテストと予約システムと共に製品を公開するまでのマーケティング計画を発明した人は、まさしく天才だ。そしてMailboxを別のプラットフォームでも使えるようになることを多くの人々が夢見る中、このチームはDropboxの気前の良い申し出を受ける決断を下した。それは株主全員を幸せにし、上に挙げた状況を踏まえれば、石炭をダイヤモンドに変えるものだ。これこそがOrchestraからMailbox、そしてDropboxへの物語が人々の注目を集める理由だ。大きくて頑強な会社を作り上場させることは、雑誌の表紙を飾る成功例の1つだが、他の多くの人々にとって、魅惑的な出口 ― 各自にとっての「未読ゼロの受信箱」― を1つ見つけることが夢の実現だ。

写真提供: Digital Game Museum / Flickr Creative Commons

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(翻訳:Nob Takahashi)


弁護士発見サービスを提供するLawdingo、Y Combinatorクラスに参加決定

オンラインでの弁護士検索サービス(しばしばその場で弁護士とコンタクトできる)を提供しているLawdingoY Combinatorのスタートアップクラスに参加することになったのだそうだ。

このLawdingoについては、昨年11月にも記事で取り上げている。サイトではまず専門分野や所在地によって弁護士を探すことができる。相談したい弁護士が見つかれば、アポイントを入れることができる。あるいは相手がオンラインならば「Talk Now」ボタンで会話を始めることもできる。サービスの目的は、良い弁護士を簡単かつ低コストで発見できるようにすることだ(コストの面で言えば、サイトに登録している弁護士には無料相談を受け付けている人もいる。またオフラインで探すよりも広い範囲から探すことができるわけで、確かにコスト面でのメリットはありそうだ)。

ファウンダー兼CEOのNikhil Nirmelは、YCに参加することになるとは想像もしていなかったとのこと。単なる謙遜に聞こえるかもしれない。しかしLawdingoは個人運営で、かつテック系のスタートアップというわけでもない。こうしたスタートアップがYCの出資対象の候補にあがるのは珍しいことかもしれない。逆に言えばYC側が確かな可能性を感じているということになるのかもしれない(東欧のチームと共同で運営しているが、アメリカ国内にてフルタイムでLawdingoに関わっているのはNirmelただひとりだ)。

サイトに登録されている弁護士の数は450名を超える。「どの法律事務所よりも急成長を遂げているわけですね」などと冗談を言っていた。

規模とともにビジネスモデルの方も成長しているようだ。当初、Lawdingoでは弁護士から登録料を徴収していた。しかし弁護士事務所により予算に違いがあるし、また対象とする潜在顧客によって、弁護士が手にする報酬も大きく異ることになる。そうした中で、固定の登録料というのはふさわしくないケースもあるだろうという考えにいたった。そこで現在はオークションモデルを導入している。特定顧客に対してどのような順序で表示されるのかをオークション方式で決定しようとするものだ。登録弁護士が増えれば、人気ケースにおいて上の方に表示されるために必要な入札額も高くなっていくことになる。

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(翻訳:Maeda, H)


JavaScriptは今, 豚から豹に変身中: 最先端の言語改良努力をMLOC.jsカンファレンスに見る

[筆者: Péter Halácsy]

編集者注記: Péter HalácsyはPreziの協同ファウンダでCTOだ。Twitterで彼をフォローするには、@halacsyで。

スタートアップはJavaScriptが好きだ。あなたが駆け出しの若造なら、ダイナミックであることが必要だ*。柔軟性も必要だ。とりあえず動くプロトタイプを素早く作れることも必要だし、コードをコンパイルせずにその場で書き換えられる能力も必要だ。JavaScriptはかつて、ブラウザ戦国時代のスタートアップだった。やがてJavaやFlashを圧倒してしまったが、それはスタートアップが市場をディスラプトして既製勢力を追ん出したのと同じ理由からだ。すなわち、アジリティ(敏速性)と柔軟性。〔*: ここでのdynamicとは、コードを書いたらそれが即動くという言語…インタープリタ言語やJIT言語…の使用の意。〕

今日、JavaScriptはもはやスタートアップではなく、またそれを使っているのはもはやスタートアップだけではない。あらゆるサイズの企業が、Webアプリケーションを作る腕前の上手下手を問わず、どこでも/誰もがJavaScriptでアプリを作っている。かつてはC/C++やJavaのような言語に殺到した需要が、今ではJavaScriptに集まり、そして需要のこのようなシフトは言語の限界を露呈している: パフォーマンスとメンテナンス性だ。

最新世代のJavaScriptエンジンはパフォーマンスがすごく向上しているが、でもまだ十分ではない。YouTubeやHuluのようなサイト、それにFacebookやEAのゲームプラットホームを見てみよう。高いパフォーマンスを要求されるマルチメディアのアプリケーションでは、いまだにFlashが使われている。Steve Jobsのご神託がFlashの命運を告げても、JavaScriptのパフォーマンスが劣るかぎりは、使い続けざるをえない。〔PreziはFlashベース。〕

あなたのコードベースが数十万行のオーダーに達し、しかもそれがすべて、JavaScriptのようなダイナミック言語で書かれていたら、開発のペースは牛歩する。コードベースのどこかを書きかえたとき、それが別のところにバグを導入していないか、それは実際にアプリケーションを動かしてみないと分からない。事前の試験には限界がある。ありとあらゆる、予期せぬ事態が起こりえる。バグが累積し、納期は延びる。

誰かがこれらの限界や制約を解決して、Webアプリケーションのこれからのイノベーションを導く必要がある。誰が、どうやって、それをやるのか?

JavaScriptは自分が作った鉄の三角形に囚われている。

PreziとLogMeInとUstreamが、JavaScriptをどうやってスケールするかをテーマとするカンファレンスMLOC.jsを開催した。GoogleやFacebookやMozillaやGrouponなどで毎日のように、問題解決に苦闘している連中が三日間、ブダペストの会場に集まり、JavaScriptの限界/制約対策について話し合った。彼らの努力で、JavaScriptは未来の言語として生き残るだけでなく、Webアプリケーションの書き方も今とは違ったものになるだろう。

今のぼくの見方はこうだ: JavaScriptは自分が作った鉄の三角形に囚われている。ぼくらはJavaScriptの柔軟性と自由に慣れてしまって、それを捨てたくない。しかし同時に、それは爆速であったほしい。JavaScriptは、コードが何百万行にもなると、その柔軟性ゆえにメンテナンスが困難になる。柔軟性とパフォーマンスとメンテナンス性、この三つは互いに入り組んでいる。一つを進歩させたら、他の二つのどちらか、あるいは両方が苦しむ。

たぶん特効薬は一つではなく、複数の組み合わせだろう。JavaScriptはダイナミック言語として、Webのための優れた糊だ。そのことは、変わるべきでない。

コード以前に、ビジネスロジックが正しくないとだめだ。またDartやTypeScriptなどの静的分析ツールは、アプリケーションのいちばん難しい部分が…今後のアップデートにもめげず…正しく動くために欠かせない。静的分析ツールは、もっと進化してもいい、とぼくは感じている。ただしその技術を幅広く、ブラウザがネイティブでサポートするのは、まだまだ先の話だろう。

ブラウザが新しい言語をネイティブでサポートすることは、必ずしも必要ではない。MozillaのAlon Zakaiが紹介したASM.jsはJavaScriptのサブセットで、現代的なブラウザの上で何も変更せずにものすごく高速に動く。スピードが重要なら、ASM.jsで書こう。Cで書いてコンパイラがASM.jsを作りだす方式でもよい。このテクニックは、パフォーマンス以外のほかの方面にも応用できそうだ。デベロッパたちはすでにそれをやっているし、彼らの努力はatl.jsにまとめて載っている。

さて、メンテナンス性の良いコードを書く最良の方法は、なるべく少なく書くことだ。bacon.jsのようなライブラリやElm言語は、複雑なデータ依存性を簡潔に表現し、デベロッパがデータの形をライブラリに合わせる努力をなくす。その結果、コードの量が少なくなり、メンテナンス性の良い高品質なアプリケーションになる。

JavaScriptは、消えてなくなりはしないが、今、変身中だ。デベロッパたちはこの言語の変種や、表現力の豊かなライブラリを作って、特定のユースケースをより扱いやすくしている。パフォーマンスへの要求も含めて。ツールと静的分析も、進歩している。これらのトレンドが全部合わさって、Webアプリケーションの書き方を変えつつある。MLOC.jsが終わったら、いよいよ本格的に始動する。

JavaScriptを毎日のように書いている大企業のみなさまもぜひ、この言語の柔軟性とパフォーマンスとスケーラビリティを大きく増すために、貢献していただきたいと思う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


キャリアのアプリストアはださい, 日本のKDDIは別の手で年商$250Mを稼ぐ

Appleが5年前に同社のアプリストアを立ち上げたときは、その今日の成功を同社自身が予測していなかった。それは、その後巨大な収益源となるものからキャリアたちを‘中抜き’し、Appleに110億ドルあまりの粗利益をもたらした(CEOのTim Cookが先月言った“デベロッパに支払った額は80億ドル”から逆算)。

昔のフィーチャーフォンの世界では、デベロッパはキャリアにぺこぺこして自分のアプリをプレインストールしてもらった。しかし今では、彼らは直接、Appleの審査過程やGoogle Playへアプリを提出する。

VerizonのVcastのように、アプリストアを作ったキャリアも一部にはある。でもそれらは、成功しなかった。Google PlayとiOS App Storeがアプリをダウンロードするメインのチャネルなのに、そこでキャリアがどうやって仲間に加わることができるのか?

そこで日本の第二位のキャリアKDDIは昨年、また一つアプリストアが増えるという策をやめて、約500のアプリのコレクションに対する会員制サービスを立ち上げた。そのサービスはAU Smart Passと呼ばれ、同社のAndroid機にプレインストールされている。これまで、月平均500万のユーザが一人当たり399円(4ドル20セント)使っているから、一年換算ではデベロッパがもらう売上の総額は2億5000万ドルになる。

これは、きわめてユニークなやり方だ。KDDIはデベロッパとパートナーしてアプリをAU Smart Passに置くが、そのときに、オマケのようなものを求めることが多い。たとえば日本でユーザ数1億2000万以上という人気のメッセージングアプリLineは、特製のステッカーを提供している。そのほかのアプリも、多くは有料だ。

KDDIは会費収入をデベロッパの各月のアクティブユーザ数に応じて分配する。アプリにアプリ内購入があってもよいが、その場合デベロッパの取り分はGoogle PlayやApple App Storeのように70%ではなく、80から90%だ。

“アプリに関して新しいビジネスモデルが必要だった。フィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトを管理したかった”、合衆国でKDDIの海外モバイル事業開発を統括しているKazuhito Shimizuはこう言う。彼は同社の総額6000万ドルのベンチャーファンドも担当して、ニューヨークのタクシーと輸送関連のスタートアップHailoなどに投資をしている。

“これはアプリのためのNetflixみたいなものです”、と彼は言う。しかし心配なのは、Google PlayとKDDIのストアという二つのアプリストアがあるために、消費者が混乱しないか、という点だ。

NTT DocomoやKDDI、SoftBankなど日本のキャリアは、合衆国や西欧で、力関係がキャリアからAppleやGoogleへ移行していった過程から学べる立場にいる。

日本では、スマートフォンの普及率はまだ50%未満だ。でも日本にはものすごく洗練されたフィーチャーフォンの歴史や、ゲームとアプリのプラットホームがあり、後者のユーザ一人当たりの売上は今なお西欧市場を恥じ入らせる。

しかしそのような日本でも、アプリの流通は劇的に変わりつつあり、GREE やDeNAのような大手のモバイルゲームプラットホーム企業もスマートフォンの普及に対応しようと努めている。Lineの勃興が示すように、新しい勢力も育ちつつある。AU Smart Passは、そのような市場に進出しようとする大型デベロッパにとって、恰好の足がかりだろう。

このストアが使えるのは日本のみ、そしてAndroid携帯のみだが、KDDIはアジア市場への拡大を検討している。同社はまた、消費者が写真やファイルや音楽などを保存するためのクラウドストレージなど、そのほかのサービスも今すでに作り始めている。

“AU Smart Passは、日本進出を考えているデベロッパにとって、最初のマーケティングチャネルになりうるだろう”、と彼は言った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Rovio、Dreamworksのアニメ映画「ザ・クルッズ」とタイアップしたゲームを公開中

croods

Rovioからの新ゲームはもう試しただろうか。Dreamworksのアニメ映画である「The Croods」(ザ・クルッズ)を元にしたものだ。

RovioはDreamworksとタイアップし、キャラクターやシーンなど、映画と同じものが登場するゲームに仕上げた。遊び方自体はシンプルだ。石器時代後の原始時代に向けて成長(進化)しつつあるクルッズファミリーをサポートするのが目的となっている。

いろいろな場所を駆け巡りながら、クルッズは食べ物を採取し、そして狩りをする。その中で見たこともない生き物を見つけ、そして飼い慣らす。

「見たこともない生き物」というのは、言葉通りで「異形」の生物たちだ。Rovioも「見たこともないモノ」と表現している。名前はGirelephant、Molarbearなどというものだ。また、Rovioとしてはポケモン風を意識したのかブログ記事中では「ゲットだぜ!」(catch them all)などという言葉も使っている。

プレイ中には族長であるGrugからの助言も得ることができる。Bad Piggyの作る乗り物のような、新しい道具を作るヒントを与えてくれるのだ。そうした助言に基いても事態が打開できないようなときにはレベルアップアイテムなどを使うこともできる。

Rovioはいろいろと映画業界とのタイアップを活発化させているようだ。『ブルー 初めての空へ』(原題: Rio )が出たときは、これにあわせてAngry Birds Rioが登場した。またAngry Birds Star Warsの大人気も記憶に新しいところだ。

こうしたコラボレーションと同時に、Angry Birdsは自前の短編アニメを、ゲーム内配信という形で毎週リリースしていく予定ともなっている。

ザ・クルッズはiOS版およびAndroid版がリリースされている。

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(翻訳:Maeda, H)


Dropbox、Mailboxの買収価格は1億ドル前後か

TechCrunch Disrupt出身のDropboxは、実に抜け目のない早期段階買収によって、話題沸騰のメール管理アプリ、Mailboxを手の内にした。われわれはこれを “DropMail” と呼んでいる。

本誌では、Mailboxが資金調達に動いていて、Andreessen Horowitzらの関心を引いていたことを伝えられていたので、今日同社が名前も調和のとれたDropboxに売却したニュースを聞いても、大きな驚きではなかった。時として、成長の糧を得る最も簡単な方法は買収されることである。メールのように金のかかる問題に取り組んでいる時はなおさらだ。しかも待ち行列に6桁の人数が並ぶアプリなら。

さらに本誌は、この買収が安いものでないことも聞いている。すでに話題の中心にいるスタートアップのために、Dropboxは5000万ドルの「はるか上」を行く金額を必要としていると複数の筋が言っている。さらにわれわれが把んだ情報によると、現金と株式を合わせて1億ドルという価格とも言われている。

実はYahooも、IDEOの古参、Gentry Underwoodが立ち上げたこのメールプラットフォームに興味を示したことがあった。Yahoo Mailブランドの衰退やMailboxがモバイルで苦戦を強いられていたことを考えれば意味のある選択肢だった。しかしDropboxの魅力的なビジョンの方が、生まれて間もないこのスタートアップにとって一層理にかなっていた。Mailboxの目覚ましい数字は、Droboxの共同ファウンダー、Drwe Houston、Arash Ferdowsiの2人に、メール界への一撃を加える勇気を与えた。

いずれせよ、Dropboxで添付ファイルを扱える日は近そうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleがWebアプリケーションサーバTalariaを買収してCloud Platformを強化

“JITベースのランタイムによる動的なWebアプリケーションサーバ”を売りものとするTalariaが、Googleに買収されたと発表した。TalariaのチームはGoogleのCloud Platformのチームに加わる。同社はオフィスがパロアルトにあるが、これまではほとんど無名の会社だった。同社をAustin Robisonらが創業したのは2011年で、Googleが買収したときもまだ非公開ベータだったようだ。

Googleの広報も買収を確認した: “Talariaのチームが開発した最先端の技術によりWebサイトの構築と稼働がより効率的になり、とりわけ弊社のGoogle Cloud Platformsのチームにとって同社は、貴重な技術および人材である”。

Talariaは同社のサーバについて長期的には大きなヴィジョンを持っているようだが、現状ではPHPだけをサポートし、その上でデベロッパはWordPressやDrupalのようなアプリケーションを動かせる。同社のサーバを使うと、アプリケーションのコードはそのままで、“より少ない台数でより多くのユーザを扱える”、という。また、“自分の好きな生産性の高い言語を使えるが、スケーラビリティとパフォーマンスはコンパイル言語並になる”、とも。

これは言うまでもなくGoogleのCloud Platformにとっても大歓迎だ。Talariaの発表声明には、“彼らが自分たちのサイトを今後よりベターにしていくのを手伝う”、という意味のことが書かれている。

以下がTalariaの発表声明の全文だ:

Talariaで私たちは、現代的なWebサイトとWebアプリケーションを構築し動かす方法の改良を目指しました。過去2年間、私たちはWeb上でもっとも人気の高いサイトの一部で使われることによって、その技術を実証しました。今回、GoogleのCloud Platformチームに加わることにより、Webサイトの構築と稼働において、さらに多くのデベロッパを支援していけるものと確信します。

私たちをここまで育てていただいたみなさまに感謝します。私たちを支えた投資家とアドバイザーのみなさまは、好悪両時にわたってご支援いただきました。ベータのお客様は私たちをプッシュし、タイヤを蹴り上げ、またご自分の会社に温かく迎えてくださいました。そして最後に、私たちの友人と家族は、私たちが多忙である間、彼らが当然受け取るべき十分な注意と時間を得ることがありませんでした。

これからGoogleのCloud Platformと協働できることを、たいへん嬉しく思います。

Talariaのチームより

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Wii Uの売上が急落, いよいよゲームは専用機離れか

今日NPD Groupが出した報告書によると、2月にアメリカで売れたWii Uはわずかに64000台だ。それは、昨年末の発売時の立ち上がりに比べると激減と言える、Ars Technicaはそう報じている。1月に下方修正した任天堂自身の売上予測をも下回っているのだ。

これは、自らの次世代ゲーム専用機の発売を予定しているSonyとMicrosoftにとっても、警鐘だ。Sonyは2月に、PS4を披露した(というか、何も披露しなかった)。またインディーのハードウェアメーカーやソフトウェアデベロッパにとっては、チャンス到来となるかもしれない。メジャーなゲームプラットホームへの関心がぐらついていることは、スタートアップにとって有利だ。

業界の観測筋の多くはOuyaをまだかなり疑問視しているが、その最終的な成否はともかくとして、コンセプトは正しい。今の人たちは無料ないし超安価なモバイルゲームに慣れているから、自分の家のリビングの娯楽コーナーでも、それぐらい気軽なセットアップを求めるだろう。

Agawiなどが構想している主にISPがクラウドからストリーミングするゲームは、モバイルゲームのプラットホーム多様化を願っているデベロッパにその機会を提供する。またAirPlayやMiracastなどタイプの技術は、モバイルゲームを簡単にテレビに持ち込む。SamsungはGalaxyをモバイルの本格的なゲーム機としても育てるつもりだ。現に同社は、Galaxy S 4用のBluetoothによるコントローラを発表した。

ゲーム専用機とモバイルゲームを同列に比較するのは無意味、という声も多い。でもWiiもXbox 360もPS3も、それらがローンチしたときにはまだ、iPhoneはなかったのだ。だからこの市場でモバイルの効果を軽視することは、今や、自分の顔を砂につっこむことに等しい。でもスタートアップやインディーたちにとっては絶好の機会であり、彼らはこれから、ゲームの世界に食い込んでいけるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


大企業役員の道を捨てスタートアップを起業した元SunのScott McNealyにインタビュー

テク業界で、飛ぶ鳥を落とす勢いのスーパーカンパニーと言えば、往年のSun Microsystemsに勝るものはない。そのとき同社を率いていたのが協同ファウンダで当時のCEO Scott McNealyだ。だから今のMcNealyの姿は、見る人にとって一種のカルチャーショックかもしれない。彼は数年前に新しい会社、企業のソーシャル化を助けるWayinを起業して、石ころと砂ほこりだらけのスタートアップの世界に飛び込んだのだ。

今週本誌TechCrunchは、テキサス州オースチンで行われたSXSW(South By Southwest)でMcNealyをつかまえ、大企業からスタートアップへ移行した理由や、その過程で学んだことなどを聞いた。彼の話は、シリアスであると同時に、とてもユーモラスでもあった。

またScott McNealyは本来、歯に衣着せぬテク業界の毒舌論客としても有名なので、その方面の話もいろいろ聞けた。ソーシャルの世界と企業との橋渡し、教育の未来、オープンソースの重要性、テクファウンダたちの人類愛的役割、などなど。では、上のビデオをご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebookがハッシュタグを採用すれば、グラフ検索をはるかに上回る発見が生まれる

ハッシュタグ(#)といえばコンテンツを分類したいTwitterユーザーたちの象徴だが、近々これがFacebookのグラフ検索に導入されるという噂がある。同社はこの機能をあれこれ検討しているらしいが、どこまで本気なのかはわからない。

ハッシュタグは、Twitterだけに特有なコンセプトというわけではないが、一般ユーザーの間に普及させたことは間違いない。ちなみに、ハッシュタグの最も重要な使い道はブランディングのためではなく、未分類の情報をまとめて、発見しやすく見渡しやすくするためにある。

本誌情報筋によると、果たしてこの機能がFacebookのユーザー体験に取り入れられるかボツになるのかを決めるにはまだ早すぎるという。しかし、ニュースフィード改訂ではっきりした情報を分別してフィードに流すという同社の方針と、ハッシュタグの導入はつじつまが合う。現在グラフ検索では、全書き込みのインデックス化がまだなので、ハッシュタグの採用はその後になるかもしれない。

しかしFacebookはハッシュタグの威力を目の当たりにしている。Instagramでは驚くほどよく使われているからだ。写真にハッシュタグをているのは全く異なる層のユーザーたちだが、退屈した人々がタグをクリックすることによって、どれほど写真の魅力が喚起されるかをFacebookは知っている。

グラフ検索を使っていて、空っぽのボックスの中に文字を入力することはソーシャルネットワークには馴じまないと感じている。リンクやハッシュタグのようなヒントから自分の探訪をスタートする方がずっと好みだ。これはWikipediaなとのサイトに広く行き渡っている現象だ。リンクをたどって記事から記事へと何時間も没頭してしまう。このようにリンクには巨大なソーシャルネットワークを小さく感じさせる効果がある。これはTwitterがハッシュタグをうまく取り込んで以来経験してきたことだ。


もしFacebookがリンク付ハッシュタグを採用すれば、人気テレビ番組には「#○○○」を貼り付けたCMが溢れて、視聴者を巻き込もうとすることは間違いない。本来ハッシュタグは、ワンタップ、ワンクリックの発見を通じて人々の時間を大量に消費させるためにある。そうなればTwitterも大いに恩恵に預かることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


オンライン英会話サービスのBest TeacherがGMO、SMBCから総額5,110万円の資金調達を実施

Best Teacher ロゴ

本日Best Teacherが5,110万円の資金調達を実施したことを発表した。第三者割当増資によるこの資金調達の引受先はGMO VenturesPartners、SMBCベンチャーキャピタルだ。Best Teacherはすでに昨年1月にサイバーエージェント・ベンチャーズから資金を調達している。なお、今回調達した資金は提供サービスの拡充、マーケティング、法人営業の強化に充てるという。

Best Teacherに関しては本誌でもサービスリリース時に取り上げたが、簡単に説明するとあるテーマに沿って講師と生徒がチャットで会話をする。その会話をテキストとし、実際にSkypeで会話を行うというサービスだ。

同社代表取締役社長の宮地俊充氏はサービスリリース時には従来のオンライン英会話ではありきたりなテキストを用いているので、頭に残りにくく、実際に使える場面が少ない。だから、Best Teacherでは自分でテキストを作り、リアリティのある会話を練習することで学習効果がさらに得られるのではないかという話をしてくれた。

宮地氏はサービス開始の昨年5月から10カ月が経過し、少しずつ結果が出てきており、この学習方法には効果があると言えそうだという。英会話サービスは6カ月程継続するのが平均的だそうなので、まだ結論とまでは言えないが自分が一番必要としている会話を練習しているので使える場面が多いことはユーザーからの評価が高いそうだ。

さて、オンライン英会話最大手のレアジョブが2007年にサービスを開始して15万人の会員(入会人数なので有料会員数ではない)を獲得していることを考えると、サービス開始から10カ月で数千人の会員を獲得したというのは順調と言えるだろう。

この成長の要因の1つはモバイルだと宮地氏はいう。Best Teacherは講師とチャットをする際には、もちろんモバイル経由で行える。モバイルでビジネスマン、大学生がスキマ時間にチャットを行え、「いつでも、どこでも」学習できることが大事だという。

英会話学習は昔からあるが、オフラインでの対面から始まり、インターネットを通じて自宅でも学習できるようになった。そして次のシフトはモバイルで学習できることだそうだ。モバイルでも学習できることで場所と時間に捕われないサービスを目指すという。

今後の展開としては、マーケティングやサービス全体の改善はもちろんだが、モバイルでのサービス価値の向上と法人向けのサービスに力を入れるという。

モバイルではデスクトップの機能をそのままモバイルに最適化するのではなく、デスクトップとモバイルを合わせることで全体の価値が向上するような機能を考えているそうだ。

法人向けのサービスとしては、これまでのサービスで個々のユーザーにマッチしたテキストが効果的だということを活かし、会社や業種ごとに必要な英会話を提供していきたいとのこと。

まだ日本のオンライン教育サービス(EdTech)はアメリカに比べると数が圧倒的に少なく、成功事例もあまり無いが、ここ数年で徐々に増えてきた。国内インキュベーションも教育サービスに力を入れてきており、KDDI∞Laboがmana.bo、MOVIDAがShareWisなどを採択している。


Facebook、グラフ検索向けにハッシュタグ導入か。プライバシー対索が必要

Facebookには今でも人やFacebookページや場所のタグがあるが、近くユーザーが記事にハッシュタグを付けられるようにして、グラフ検索のインデックスや検索をしやすくするかもしれない。ある情報筋はTechCrunchに、Facebookがプロジェクトを進めていると伝え、すぐ後にThe Wall Street Journalも同じようなニュースを報じた。

しかし、この機能が実現するのはまだ遠い先のことかもしれない。Facebookは、グラフ検索の検索対象として、記事を追加する必要が出てくる可能性が高い。現在Facebookの内部検索エンジンが返すのは、人、場所、Facebookページ、アプリ、メディア、および興味だけだ。ただしFacebookは、いずれ記事の検索も実施すると言っているので、ハッシュタグはその機能を益々便利にするかもしれない。

ハッシュタグがないと、人気の話題に関する記事を探すためには、そこで使われている用語を正確に推測する必要がある。ハッシュタグの導入によって、自分の記事をグラフ検索が見つけやすくしたい人は、記事にハッシュタグを付ければ、別のユーザーが検索する際に関連するタグを見つけやすくなる。ニュースフィードで記事内のハッシュタグがクリックされた時に、Twitterと同じように、そのハッシュタグを含むグラフ検索結果を表示できる。

ハッシュタグは、ブランドやイベントがFacebookどの話題を誘導するのにも役立つ。ブランドのイベントやマーケティングキャンペーンを紹介する人にハッシュタグを入れるよう頼むことができる。Facebookはニュースフィードに、複数の友達が参照しているタグを表示する。広告主は、自社のビジネスに関係のあるハッシュタグが検索結果に表れるために喜んで料金を支払うだろう。Twitterでもよく行われていることだ。Mark Zuckerbergは、スポンサー付検索結果がグラフ検索収益化の自然な形であると認めている。

ハッシュタグと共に、グラフ検索に記事が入る時には、トレンドトピックの一覧も来るかもしれない。

しかし、Facebookのハッシュタグには大きな課題がある。殆どのユーザーが全体公開のTwitterとは異なり、Facebookではほぼ全員が何らかのプライバシー設定をしている。このためハッシュタグをクリックした時には、そのタグを含むもののうち、公開あるいはクリックした人が見ることのできる記事だけが表示されなくてはならない。プライベートな記事は内容だけ表示して作成者を見せないという方法もあるが、反発は必至だろう。

ハッシュタグとトレンドトピックの運用方法を考えることは、世界最大のソーシャルネットワークにとって、一つの社会学的挑戦である。うまくやれば、Facebookの時代精神を浮かび上がらせることができる。やり方を間違えれば、人々は記事にあのシャープ印を付けることを警戒するようになるだろう。しかしグラフ検索が記事を対象にするまで、ハッシュタグがFacebookで威力を発揮することはできない。

[画像提供:LeaveYourHashtagOnTwitter, People who make memes]

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google翻訳でユーザが頻用する翻訳パターンを登録再利用できるようになった

Google Translate(Google翻訳)で、個人的なフレーズブック(語句覚え書き帳)を作れるようになった。そこにフレーズやセンテンスをメモしておくと、今後の翻訳時にそれが優先的に使われるようになる。Google Translateのチームは今日の発表声明で、“翻訳結果を記憶させておくことにより、ユーザがよく使うフレーズを保存しておき、後日、必要に応じて呼び出すことができる”、と言っている。

Googleによると、それらのフレーズが何度も再利用されることによって、その翻訳がGoogle Translateの“永続的な知識”になる(あなたが昔ラテン語のクラスで反復練習による丸暗記を強いられたように)。

フレーズブック機能はデフォルトでonになっている。画面右隅にある小さな本のようなアイコンをクリックすると、それにアクセスできる。フレーズを保存するときは、翻訳の下にある星印のアイコンを押す。

フレーズブックの内容は、左に原文、右に翻訳結果、という単純な構成だ。Google Translateのほかの機能と同じく、対象言語別にフィルタできる。また、各フレーズを音声で聞くことも可能だ。

〔下の図では「Thank you.」と「ありがとう。」のペアをこれから保存する。図の右は、保存後のフレーズブックの内容。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))