6月20日、FacebookはRSSリーダーを発表か?!(プレスイベントを開催)

Google Readerがまもなく運用停止となるこの時期、Facebookがハッシュタグ機能の提供を開始した。そんな中、6月20日にプレス発表が行われるという謎めいた招待が届いている。Facebook上での「トレンドトピック」に関連するイベントのようだが、もしかするとフル機能を備えたRSSリーダー系プロダクトが発表されるのかもしれないと、評判になっている。

トレンドトピックを活用するものであっても、あるいはRSSリーダーであるにしても、いずれにしてもFacebookに蓄積される「シェア」情報が活用されることになる。人気ニュースはFacebook内でシェアされ、さらに広まっていくことになる。

今回のFacebookからの招待状につき、最初に言及したのはABC NewsのJoanna Sternだ。招待状には「小さなチームで大きなアイデア実現に向けた作業を展開中です。コーヒーと一緒に新プロダクトについての情報もご提供いたします」と記されている。ちなみにこの招待状は、通常のように電子メールで出されたものではなく、郵便を使って送られている。そして招待状には意味ありげにコーヒーカップの痕がある。コーヒーカップ痕といえば、コーヒーを飲みながら新聞をよんだとき、よく新聞の上に残ってしまうものでもある。

Facebookに集まっている情報をすべて入手するという方法はない。多くの情報が限定共有されていて、それをすべてすくい取るというようなことはできないのだ。しかしFacebook側は、そのすべての情報を検知することができる。匿名性を維持しながら広告にターゲティングデータを利用するのと同様にして、プライバシー問題に配慮しつつも、どういった情報が最も共有されており、またどのような層に広がっているのかという情報を活用していくことができる。

Facebookとして、そうした情報を活用しつつ、そして外部からの情報も内部に取り込んでいくRSS関連サービスを実現するのではないかとみられているのだ。投稿時に利用できるようになったハッシュタグとあわせて、さらに多くの情報を分類整理して、一層広く活用するための準備が整いつつあるように見えるのだ。

以前はいろいろな人から集まってくる情報を有効に活用する方法はあまりなかった。しかしついに今週、ハッシュタグの登場で活用の幅が広がった。Facebookのブログには次のように書かれている。「ハッシュタグはほんのスタートに過ぎません。あらに興味のあることについて、他の人がどんなことを言っているのかを発見しやすくする方法を提供していきます。それによって、これまで以上に人と繋がることができるようになります。今後、数週間ないし数ヶ月のうちに、さらなる機能をリリースしていく予定です」。

当然、次の一歩はニュースを効率的に扱うようにすることだろうと思う。絶対に間違いないと、個人的には思っている。ただ、今のところオフィシャルな確認は全くとれていない。

実際のところ、コンテンツ購読のための標準技術として利用されてきたRSSを活用できるようにするのかどうかはわからない。外部の情報ソースを指定して、指定したフィードを購読するというのは手間もかかるし、平均的Facebook利用者にとっては余計なサービスと受け取られる可能性もある。しかし、熱心なインターネット利用者からは歓迎される機能ともなり得るだろう。

しかしIngrid LundenがTechCrunchの記事に書いているように「RSSフィードに関係しそうなコードがFacebookのGraph APIに登場してきている(ディベロッパーでFacebookコードに詳しいTom Waddingtonが発見した)。RSSフィードとFacebook IDと結びつけ、RSS中のタイトル、URL、更新日時などを取得するコードもある。そしてそれに続くエントリ部の記述、および登録者情報もコーディングされている」。このコードはおそらく新プロダクトに関係するものなのではないかと思われる。但し、これは利用者自身のポストをRSSフィード化するものであり、RSSリーダー的な機能を持つものではないという可能性もある。

もしFacebookがRSSリーダー機能を提供するのだとすると、タイミング的にはパーフェクトだと思う。GoogleによるGoogle Readerサービスが終了する直前のリリースということになるのだ。20日に発表すれば、利用者にサービス乗り換えの時間を十分与えることができるだろう。

あるいは新プロダクトは、Facebook内の人気アイテムをRedditのようにリスト化して表示するというようなものなのかもしれない。そちらの方が、全ての利用者に対して簡単に価値あるサービスを提供することに繋がるのかもしれない。

いずれにせよ、既存サービスの単なるコピーではないことを期待している。Facebookに集まる情報を活用した、Facebookだからこそ提供できる、ニュース活用サービスを提供して欲しいものだと思う。

とにかくニュース関連のプロダクトというのは、Facebookにとって「大きな進歩」となり得るものだ。Facebookは、「自分の知り合い」、「利用者自身が興味のあるモノや情報」と繋がるためのサービスを提供してきた。ニュースとは、いわば「他の人が関心を持っている情報」だ。「繋がる」チャネルが増えることになるわけだ。サービスをリリースすれば、Facebook上での滞在時間もまた増加することになるだろう。より多くの情報を提供するようになり、そしてニュースとして流される情報に関連する広告を流す機会も増えることになる。自分の関心だけでによるのではない、さまざまな情報を提供してくれることにもなるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)


社会貢献を強調するApple, アプリは世界を変えると中編ビデオで訴える

Appleが今日ポストした、かなり長い、10分近くのビデオは、同社のプラットホーム向けのアプリが世界中で利用され、人びとの生活に大きな変化をもたらしている、と訴求している。それは、これまでのAppleのコマーシャルとはずいぶん違う視点だ。これまでは、平均的な消費者の生活が、アプリによってちょっと便利になりますよ、といった軽い短編ばかりだった。

このビデオはもっと視野が大きくて、一部の人びとの生活に重要な変化が訪れることを描いている。テーマとしては同社の最新のテレビコマーシャル“Our Signature”と同類だが、後者のようなAppleの製品作りにおける指導的原理ではなく、実際のケーススタディを強調している。そしてもちろん、サードパーティのデベロッパに光を当てている。彼らの、少数民族文化の保存努力や、医療技術の大きな進歩への貢献など、取りあげるにふさわしいものを、あらためて取りあげているのだ。便利なお買い物リストを簡単に作れますよ、という世界ではなくて。

(出典: 9to5Mac)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


パーソナルニュースリーダーのVingowが「自動ニュース要約」機能を開始

Vingowは好みのタグを登録(SNSアカウントから分析してリコメンドも可)しておくと、それに関連したニュース記事を配信してくれるサービスだ。2011年末にβ版をリリースして以降、順調に成長しており、現在は約7万人がこのアプリを利用している。

このVingowが新たにニュース記事の自動要約機能の提供を開始した。自動要約といえば、今年3月にYahoo!が買収したSummlyや4月にGoogleが買収したWaviiが有名どころだろう。だが、これらのサービスは日本語には対応していなかったため、アプリ上で日本語のニュース記事を自動要約することは初となる。

Vingowの要約文は3つの文で構成され、本文中から重要な内容を抽出し、合計200字程度で表示してくれる。どのように要約文を構成しているのかは詳しく教えてもらうことは出来なかったが、元々Vingowが使用している本文抽出エンジンを利用し、文章の特徴的な箇所をスコア付けすることで、どの部分が重要かを判断しているようだ。

日本語は英語と違い、単語と単語に区切りがないため言語処理は難しいが、今のところ全体の記事に対して約70パーセントは上手く要約できているとVingowを運営するJX通信社代表取締役社長の米重克洋氏はいう。※記事下部に実際の要約文を掲載した。

米重氏は今回の要約機能によって、モバイルでの情報収集を効率化したいという。モバイル環境からのインターネット・トラフィックは、世界全体で15パーセントを占めるほどに成長してきており、大画面のPCに比べ小さな画面で情報量の少ないモバイルでは、今後ますます効率化が求められている。

モバイルだけではなく、単純にニュース記事の要約・短縮は重要視されているようで、英紙ファイナンシャルタイムズも先日、ニュースを短文で発信する「FastFT」をローンチするなど、ここ最近はこうしたトレンドが目立つように思える。

Vingowのユーザー数は直近2カ月で250パーセント成長しており、今回のアップデートにより、さらに成長を加速させていきたいと米重氏はいう。テストユーザーの利用実績では要約機能を追加後、アプリで読む記事本数が数倍に増えているそうだ。

今後は本文抽出エンジンの改善をするとともに、いくつか新しいアップデートを予定しているとのこと。

※実際の要約文

「FacebookがとうとうTwitter式ハッシュタグを導入する–さらに新機能を準備中」

“私が「友だち限定」の投稿にハッシュタグを含めたとすると、そのハッシュタグ検索で記事を読めるのは私の友だちに限定される”

“ハッシュタグ検索結果やハッシュタグ・フィードから直接あらたな投稿ができる”

“「ハッシュタグをクリックするとそのハッシュタグを含むニュースフィード中のコンテンツを読むことができるようになる」と述べている”


iOS 7でAppleはQRコードを容認 ― ただし目的達成の手段としてのみ

AppleはWWDCのキーノートで、近距離無線通信(NFC)を一笑に付したが、同じくらい(それ以上?)に冷笑されている技術であるQRコードを、こっそりと採用した。AppleはiOS 7にQRコードリーダーを内蔵した。そう、OSレベルで。しかしそのやり方には、QRコードの存在は少々目障りであり、自社テクノロジーを推進するのに都合のよい道具ではあるが本気で持ち上げたり推奨するつもりはない、という明確なメッセージが表れている。

iOS 7のQRコードリーダーはPassbookアプリに内蔵されている。サービス全体を説明するためのPassbookカードには、新たにコードスキャン機能が組み込まれている。Passbookの初期画面からワンタッチで利用でき、iPhoneのカメラを使って印刷あるいはウェブに表示された四角いバーコードを読み取ると直ちに認識する。しかし、次に起こることを見ればAppleが全面的にQRコードに改宗していないことがわかる。

あらゆるQRコードを平等に扱い、どんな情報でも実行するリーダーを作ることは十分簡単だっただろうが、Appleは汎用ツールを欲しくなかった。だからPassbookアプリのQRコードリーダーは、Passbookのパスにリンクしていないコードをスキャンしようとすると、その目的に関する非常に明快なメッセージを発信する。親切なタレコミ人が送ってくれたスクリーンショットが上にある。

統合の目的は明白だ。Appleはこれを、ユーザーがPassbookコンテンツをできるだけす早く簡単にライブラリーに追加できる方法の一つと考えていて、そのための障壁はできるだけ減らしたい。しかし、QRコードそのものは目的を達成するための手段にすぎない。究極の目的はユーザーがPassbookをもっと使うようになることであり、QRコードは単なる道具だ。実際、QRコードを厳密にPassbookパスだけに制限することは、汎用技術として利用しようとするとはるかに有害だ。大量のiOSユーザーがQRコードをPassbookと関連づけようとするだろうから、その種のコンテンツ提供していないコードには不満さえ感じるだろう。

これを、AppleがメインのカメラアプリでQRコードをサポートする前兆と考える向きもあるだろうが、期待しない方が良い。Appleは自らの目的に合致する技術を選り好みするので、もっと良い方法が見つかるか、Passbookが十分な勢いを得るために必要なくなれば、捨てられるかもしれない。少なくとも、これでQRコードがブームになることはない。Appleは永遠にこれを、Passbookを補助する下位ブランド技術として扱うだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleのWaze買収研究―なぜモバイル・ナビのスタートアップに11億ドルも出したのか? その影響は?

Waze買収に関する噂は数ヶ月前から流れていた。最初はAppleが5億ドルを提示し、続いてFacebookが10億ドルという値付けをしたと報じられた。そこに突如Googleがやって来て獲物をさらっていった。イスラエルの経済紙Globesによれば、Facebookの幹部がイスラエルに飛び、真剣な交渉を始めていたという。

この大騒ぎの元のWazeっていったい何だ?

Wazeは2007年に創業され、現在イスラエルとシリコンバレーのパロアルトにオフィスがある。主なプロダクトはiOSとAndroid向けの無料カーナビ・アプリだ。創立の1年後にWazeはシリコンバレー(KleinerPerkinsなど)や香港(Horizons Ventures)の有力ベンチャーキャピタルから6700万ドルの資金を調達し、社員110人の企業に成長した。社員の大部分はイスラエルに住むイスラエル人で、CEOのNoam Bardin他10人程度がパロアルトのオフィスに勤務する。

モバイル地図アプリが無数に生まれている中、Wazeのユーザーは5000万人(昨年10月の3000万人)を超えて着実に増加中だ。強みの一つはユニークなクラウドソースによる地図編集方式にある。自ら現地を回って地理情報を収集する代わりに、Wazeは地図作成にあたって何千万ものユーザーが投稿する情報に頼っている。ユーザー車両の車速や位置などの情報は自動的にアップロードされ、さらにユーザーは新たな交通規制、事故、渋滞などの情報をリアルタイムでWazeに投稿する。

こうしてドライバーからクラウドソースで収集されたデータはユーザー・コミュニティーによって共有、管理される。大勢の熱心な市民地図作成者からの情報は非常に有益であり、何よりリアルタイム性が高い。カーナビ・サービスでは道を間違えたときの経路再検索の処理が非常にやっかいで、Googleでさえ苦闘している。膨大なクラウドソース・データを持つWazeは、経路再検索でも非常に高い能力を発揮する。

ドライバーは単に運転経路だけでなく、ソーシャル・レイヤーを使って沿道のガソリンスタンドの位置と最新のガソリン価格、観光地、レストラン情報などをハンズフリーで受け取ることができる。ソーシャル・サービスはすべてそうだが、規模が大きくなればなるほど有用性も増大する。

ビッグ3すべてが買収を狙ったわけ

Jordan Crook記者も指摘していたとおり、巨大モバイル・テクノロジー企業の間で「マップ戦争」がますます激しくなっている。情報が網羅的で、信頼性が高く、使い勝手のいいナビゲーション・サービスはすべてのモバイル体験のベースになる。地図アプリ、ナビ・アプリが使われる頻度がこれだけ極端に高ければ、Facebook、Apple、Googleのビッグ3がこの分野のユーザー体験の改善に全力を投入するのは当然だ。

Appleの場合、Waze買収に興味を示したのはAppleのCEOのTim Cookが公式に謝罪する破目になった.悪名高い地図アプリの大失敗の後だった。正確さで名高いWazeを買収するという選択は地図で被った悪評を打ち消すために理にかなっていると思われた。.

Facebookもことところ全力を挙げてサービス全体のモバイル化に取り組んできた。モバイル部門は次第にFacebookの決算に直接大きな影響を与えるようになった。Facebookにとって、自社独自の優秀なネーティブ地図アプリを持てば、不人気なFacebook Homeのてこ入れにもなるはずだった。

この2社に対してGoogleの状況は若干異なる。Googleはすでに文句なく世界一の地図プロダクトを持っている。一般ユーザー向けカーナビ・モバイル・アプリの世界標準を確立したのもGoogleだ。Googleはおかしな格好のストリートビューカメラを装備した撮影チームの大部隊を世界に展開し、おかげでわれわれは道路だけでなくグランドキャニオンを下る小道から海の底まで地球上のあらゆる場所をワンクリックで見られるのを当たり前だと思うまでになっている。考えてみればとほうもない偉業だ。

なぜGoogleが勝ったのか?

今日のブログ記事でWazeのCEO、Noam BardinはGoogleと(特にCEOのラリー・ペイジ、ジオ・プロダクト担当副社長のBrian McClendon)の間で長期的ビジョンにおいて共感するところがあったからだと書いている。しかしそれだけではあまり具体性がある情報とはいえない。そこで以下、なぜGoogleが巨額を投じることを決めたのか、Apple、Facebookを始めモバイル・マップ関連業界に激震を走らせることになったのか分析してみたい。

地理情報

WazeがGoogleを選んだ理由は他の2社のようにシリコバレーへの移転を求めなかったからだと言われている。Googleはイスラエルには優秀なITエンジニアを輩出することをよく認識している。GoogleはこれまでにLabpixiesやQuickseeなどイスラエルで生まれたスタートアップを買収しているだけでなく、イスラエルに拠点を持ち、地元の起業家を支援するプログラムを運営するなど存在感を高めていた。Wazeの社員の大部分がイスラエルに居住している。GoogleがWazeにシリコンバレーへの移転を求めなかったのは、イスラエルのエンジニアの人材を獲得するのに現状のままのの方が有利だと判断したからだろう。

5000万ユーザーより、そのビッグデータの方が重要

通常、買収にあたってはサービスのトラクション(ユーザー数、トラフィック)がもっとも重視される。しかしGoogleはすでにアメリカでもっとも人気の高いカーナビ・アプリを持っている。なるほど5000万ユーザーも魅力ではあろうが、喉から手が出るほどトラクションの増加を必要としていたわけではない。.

Googleがもっとも魅力を感じたのはトラクションではないはずだ。Wazeは自らを「地図企業ではなくビッグデータ企業だ」と規定している。Googleは「地球上のあらゆるデータを組織化する」のを使命と考えている。Antonio Regaladoによればビッグデータという概念を生んだのは事実上Google(とその発明になるMapReduceシステム)だ。またGoogleはビッグ・データを地図上に新たなフォーマットで表示する実験に力を入れてきた。もちろんGoogleマップ改善にも常に精力的に取り組んでいる。

巨大なデータ・セットと地図インフラを擁するGoogleは個別のユーザー向けにカスタマイズされた体験を提供しようという努力を始めている。これを実現するにはWazeが得意とするようなソーシャル・レイヤーが必要になってくる。たとえばナビゲーションではGoogleは依然として固定的な経路を事前に設定する方式に頼る傾向が強い。なるほど最新のGoogle Mapsでは渋滞情報のレイヤーも提供されるようになった。しかしWazeのように運転中にリアルタイムで常に渋滞情報がアップデートされ、ドライバーに渋滞を避ける代替ルートが提案されるというレベルにはなっていない。

こうした代替ルートの提案などのWazeの機能は一見ささいに見えるかもしれないが、Googleマップに統合されれば大きなユーザー体験の向上となることは間違いない。またWazeのUIデザインは見て楽しく、対話性にも優れている。Googleは位置情報サービス全体にこのデザインを取り入れることができる。Wazeユーザーは渋滞やネズミ捕りの情報を共有するのに非常に熱心だ。これもまたGoogleにとって大きな価値になる。

ソーシャル・ドライビング

WazeはGoogle+とGoogleマップをソーシャル化するために理想的なプラットフォームを提供できる。昨年、Wazeはソーシャル化を一歩進め、友だちの位置が表示できるようにした。これは待ち合わせに便利だし、さまざまな会話や情報共有の可能が広がる。

WazeにはFacebookへのワンクリック・サインイン機能がある。これはそのままGoogle+の認証に使える。Google+にはユーザーの友だちがいる。Facebookとの連携ではWazeは特定の待ち合わせ場所やそこへの運転経路を友だちの間で共有できる。これらはすべてすぐにGoogle+に生かせるだろう。

ローカル広告にビッグチャンス

言うまでもないが、Googleのビジネスは徹頭徹尾、広告だ。Googleのさまざまなサービスの究極の目的は消費者の前に広告を表示することにある。Wazeもまた非常に有望な広告プラットフォームだ。

当初Wazeは収益化を後回しにしてプロダクトの開発と成長に専念してきた。しかし昨年後半にWazeはローカル・ビジネスと大手ブランド向けに位置情報に基づく運転者向けローカル広告のプラットフォームを発表した。

以前からWazeはガソリンスタンド情報などをタップとスワイプですばやく調べることができる機能を提供しいてが、広告プロダクトはいわばそれの強化版だ。ただでさえ狭いモバイル画面に単にバナー広告を表示するのではなく、Wazeの広告は、たとえばドライバーが「レストラン」を検索した場合に、付近のレストランやファーストフード・チェーンの店舗の広告が表示される仕組みだ。

Wazeの広告プラットフォームを利用すれば、たとえばローカルビジネスだけでなくダンキン・ドーナッツのようなチェーン店もセフルサービスでモバイル広告キャンペーンを実施し、成果を評価できる。これは従来のローカル検索広告や高度なターゲット広告と組み合わせることによって一層効果を高めることができるだろう。

これまでFoursquare、Yelp、Facebookその他有力テクノロジー・サービスはなんとかして効果的なローカル広告プロダクトを作り出そうと苦闘してきた。ここに名前を上げた3社はローカル検索と位置情報を統合したチェックインシステムを提供している。しかしこと検索に関しては3社とも機能、規模いずれをとってGoogleのレベルには御びょばない。.

たしかに今のところGoogle+’のローカルビジネス・ページはFacebookページほど普及していないが、その差は縮まりつつある。Googleはローカルビジネスに関して膨大なデータをすでに保有しており、住所、連絡先、営業内容などを把握している。キーワード検索を通じて適切なターゲットに広告を表示するテクノロジーではGoogleには圧倒的な蓄積がある。

アメリカのローカル・モバイル広告市場はここ数年で爆発的に成長すると見込まれている。Googleの巨大なローカルビジネスのデータベースとWazeが統合されればきわめて強力なソーシャル・モバイル広告のプラットフォームとなるだろう。現在Wazeに欠けている一般的な検索機能をGoogleが補うのも容易だ。

地図戦争はゲーム・オーバー?

GoogleのWaze買収の動機を調べれば調べるほどこれは安い買い物だったと思わざるを得ない。地図サービスの改良を絶望的に必要としているライバル2社ではなく、すでに世界最高の地図サービスを持つGoogleが既存のサービスとは方向の異なる優れた新興サービスを手に入れたのだ。

将来の統合のことはしばらく置くとしても、Greg Kumparak記者も指摘していたとおり、GoogleはすぐにでもWazeのリアルタイム交通情報データと代替経路提案をカーナビ・アプリに取り入れることができる。どちらもGoogleマップの大幅な改良になる上に、Waze側のユーザー体験を損なうこともない。

端的に言って、今回のGoogleによるWaze買収はFacebookとAppleに取って打撃だったと思う。両社はWazeがGoogleの手に落ちるのを防ぐという目的のためだけにでも、もっと真剣に買収の努力をすべきだったのではないか。これでApple、Facebook、その他地図サービスに関わる全員が流れに逆らって上流に泳ぐような苦しい戦いを強いられることになりそうだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Android版デビューから1週間。VineがGoogle PlayにてInstagram超え

Vineの利用者拡大のペースが非常に速いことはあちこちで言われていることだ。Twitterのアナウンスでも、Android版をリリースする時点で、既に1300万ダウンロードを記録していたとのことだった。ちなみにそのアナウンスがあったのは1週間ほど前のことだった。それからVineは、さらに普及速度をあげてGoogle Playにてソーシャルアプリケーション部門でトップとなり、無料アプリケーション部門でNo.4となった。ちなみにInstagramはNo.5だ。

尚、スマートフォンを使わず、動画GIFや、あるいは人々の注目を集めているものが、そもそも気に入らないという人に説明しておこう。Vineは今年の1月にTwitterがリリースしたアプリケーションだ。ビデオ版Instagramと呼ぶ人もいる。録画-一時停止をしながら6秒間のビデオを撮影してアップロードすると、その動画がループ再生されるというものだ。登録したムービーはメールやソーシャルネットワークでシェアすることができる。

短期間における広がり方はまさに注目に値するものだ。リリース後数日でApp StoreのNo.1となり、1週間のうちにSocialCamの2倍も普及して、いろいろなビデオ共有アプリケーションを圧倒することとなった。

以来、開発チームは、フロントカメラも利用できるようにするなどの機能アップに努め、新機能の追加を行なってきた。そして今の隆盛を迎えているわけだ。

NYTのNick Biltonが数日前にツイートしたところによれば、VineのTwitter上での共有数がInstagramを上回るというような自体もあったとのこと。データのソースはTopsyによる分析データだ。

これには、Instagramが自らのInstagram.comのサイトへの訪問者を増やそうとして、Twitter Cardの利用を停止したことの影響もあるものと思われる。但し、Instagramの利用者が、Twitterでどのように表示されるかということを考えてTwitterへの公開を控えているということもないと思われ、そればかりがVine躍進の理由というわけではないだろう。

Instagram云々というよりも、Vineのエコシステムが今まさに生まれようとしているときであり、Vine利用者が自分のコンテンツを見てもらう舞台を整えようとして、積極的にTwitter上での投稿共有を行なっているという理由の方が説得力がある。そして徐々に市民権を得始めた段階で、Android版がリリースされたというのももちろん大きい。それでTwitter上での共有数がついにInstagramを上回り、そしてさらに多くの利用者を獲得し始めているというわけだ。

VineはApple App StoreおよびGoogle Playからダウンロードすることができる。

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(翻訳:Maeda, H)


Google、ソーシャル・カーナビのスタートアップ、Wazeを11億ドルで買収―ライバルに痛打

数ヶ月前から注目の的だったWazeの去就が決まった。このソーシャル・カーナビ・サービスのスタートアップをGoogleが買収したことが明らかになった。すでに二番手を遠く引き離しているGoogleのモバイル・マップ事業が、この買収によってさらに大きく強化されることになる。買収金額は明らかにされていないが、TechCrunchの情報源によると、11億ドルだという。

アップデート: Wazeが公式ブログで買収について発表した。CEOのNoam Bardinは「GoolgeのCEO、Larry Page、ジオ・プロダクト担当副社長、Brian McClendon、Googleマップ・チームは、以前からWazeに注目していた。われわれはGoogleマップ・チームといっしょに働くことができるようになったことに興奮している」と書いている。Bardinはまた、「Wazeは買収後も事実上何も変わらない。ブランド、サービス、会社組織、そして5000万人に上るユーザー・コミュニティーは従来どおり維持される」と述べた。

BardinはまたなぜWazeが株式上場ではなく買収を選んだかについても次のように説明している。「(上場すると)企業はプロダクトよりも決算の数字を優先せざるを得なくなる。注意はユーザーよりも金融機関、投資家、弁護士、ウォールストリートの方に向かいがちだ。しかしわれわれはWazeコミュニティーを最優先する(ためにGoogle傘下に入る道を選んだ)」。

アップデート2: イスラエルのテクノロジー・ブログ、GeekTimeも11億ドルという金額を確認した。それによると、10億3000万ドルは現金で会社とその株主に支払われ、1億ドルが貢献に応じて社員に支払われるという。

今回の買収はGoogleにとって二重に戦略的だ。報道によれば、Googleのライバル2社、FacebookとAppleがWazeの買収を試みていた。Facebookはデューデリジェンス段階で脱落、Appleのアプローチも失敗した(ただし2社ともWazeに買収の申し出をしたことは公式に認めていない)。

GoogleのWazeに対する関心2週間前に報じられ、その後さらに熱意が高まっているとされた。しかしこれまで噂が先行して情報が錯綜していた。

Wazeはこれまでに6700万ドルのベンチャー資金を調達している。投資家はBlue Run Ventures、Magma、Vertex、Kleiner Perkins Caulfield & Byers、Horizon Venturesなどだ。買収代金の大半はこれらの投資家のところに直行するらしい。イスラエルの経済紙、Globesによれば、共同ファウンダーのEhud Shabtai、AmirとGili Shinar、Uri Levine、Arie Gillon、CEOのNoam Bardinが手にするのは2億ドル以下だという。

ソーシャル: ラリー・ペイジがCEOの就任して以来、Googleはソーシャル化を強力に推進してきた。今やGoogleの全プロダクjとはGoogle+を軸としてソーシャルに再編されつつある。

世界最大のクラウドソースの位置情報プラットフォームであるWazeは、Googleのモバイル・マップのソーシャル化を大きく推進することができる。ユーザーは単にウェブ上で訪問した場所(ウェブサイト)を共有するだけなく、物理的に訪問した場所を共有できる。Bardinは4月のAllThingsDカンファレンスで、「“モバイルにとっての地図はウェブにとっての検索と同じ役割を果たす」と述べた。つまりモバイル・ユーザーが行う検索の大部分は位置情報に関連している。Wazeはモバイル・ユーザーの位置情報検索を現実の地図上のソーシャル・レイヤーとして表現できる。世界でもこうしたサービスを大規模に実現している例は数えるほどしかない(ニューヨーク・タイムズは地図をカンバスにしてあらゆるモバイル・アプリを統合するという興味あ実験を紹介している)。

ライバル: Waze買収にはもうひとつの意味がある。Wazeを傘下に収めたことによってGoogleはFacebookがWazeの資産を活用することを効果的に防止することができる。Bardinも述べているとおり、Wazeは単なる地図サービスではなく、位置情報のビッグデータ企業だ。モバイル化に全力を挙げているFacebookにとってインハウスで収集された膨大なソーシャル位置情報を保有するWazeは理想的な統合の相手だった。WazeをGoogleにさらわれたことによってFacebookはサードパーティーからのデータ提供に頼ることを続けるか、あるいは別の、より小さい同種の会社を買収しなければならなくなった。

Wazeが売却の相手にGoogleを選んだのはイスラエルから本拠を移さないという条件をGoogleがのんだことも一因だという。110人の社員のほとんど全員がイスラエルにおり、パロアルトのアメリカオフィスに勤務するのはわずか10人ほどだ。しかしパロアルト・オフィスは規模は小さいものの、CEOのNoam Bardinとプラットフォームおよび提携戦略担当副社長のDi-Ann Eisnorが常駐している。

現在のWazeの主要なターゲットはアメリカだ。4月にBardinが発表したところでは4400万人(当時)のユーザーのうち1200万人はアメリカにいるということだった。今年2月、Wazeはアメリカの事業を拡張し、収益化のため、広告ビジネスの中心地、ニューヨークのマジソン・アベニューにオフィスを開いた。最近、Wazeの社員が頻繁にニューヨークを訪れている。収益化のためには今後なすべきことが多いだろうが、ここでもGoogle poleの巨大な広告マシンが大いに威力を発揮するに違いない。この点でもWazeとGoogleの相性は良さそうだ。

〔日本版〕 Wazeはカーナビをベースにしてユーザーがドライブ中に渋滞、事故、ガソリンスタンドの料金などの情報をリアルタイムで発信し、情報を共有できるサービス。日本語版も公開されている(Android版、iOS版)。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple新製品にはJony Iveビデオ。「複雑な世界に秩序をもたらすiOS 7」

Appleは昨日、WWDCにて次世代iOSの発表を行った。発表を受けて、Jony Iveによる7分間のiOS 7紹介ビデオが公開されている。

「真のシンプルさというのは、無用なものを削ぎ落したとか、装飾を廃したというようなところから生まれるのではありません」とIveは言う。「複雑さの中に秩序をもたらしてこそ、シンプルさが実現されるのです」(bringing order to complexity)とのこと。

WWDCのステージ上でも言っていたように、iOS 7はiPhone上で実現される最大の変化となる。それでAppleとしても実際のリリースの前からiOS 7についていろいろと情報を流しているというわけだ。但し、新OSのベータ版を動作させているさまざまなデバイスを見る限り、どうやら賛否両論がありそうだと感じる。

たとえばFacebookはほんのちょっとした変更を加えただけで、反対の声が大きく巻き起こるというのが常となっている。Appleが採用する今回の変更は、ほぼ「全て」の面にわたっているのだ。

Iveによる今回のビデオは、今後いくつも行われる大規模マーケティングキャンペーンの第一弾となるものだろう。Appleはこれからしばらく大幅に変更したiOSのメリットを訴えかけるキャンペーンを張るに違いない。秋のiOS 7登場前に、TVのスポット広告やオンライン広告が種々登場することになるだろう。

まずはカクテルでも飲みながら、Sir Jonathan Iveの格調高い紹介ビデオでも見ていることとしようではないか。

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(翻訳:Maeda, H)


いまだにゴールドラッシュが続くApple App Store, 新規アプリは年々増える一方

アプリのエコシステムは減速のきざしを見せない。Appleは今日のWWDCでそういう意味のことを言った。iPhoneとiPadとiPod touch用のiOSアプリは今すでに90万あるという。アプリストアが飽和気味で売上は上位のパブリッシャーへの集中が進んでいるが、マーケット全体は縮小していない。

App Storeに2012年から2013年にかけて新たに加わったアプリは25万だ、と発表された。昨年のWWDCの時期から今年のWWDCにかけて、という意味だ。その1年前、すなわち2011〜2012では、新規アプリの数は22万5千だった。さらにその前(2010〜2011)は20万だった。

基本的に、App Storeのゴールドラッシュは、みんながアプリに飢えていた初期であり、アプリのアイデアが出尽くすに従って新規登場のアプリは年とともに減少傾向ではないか、とふつうなら考えたくなる。ところが実態は上で述べたように、各年の新規増分は右肩上がりだ。

独立系のデベロッパにとってApp Storeはますます困難な戦場になりつつあるが、それでも新しいアプリの登場数は減らない。開発の主力をAndroidとGoogle Playストアにスイッチしたところもあり、その成功例もいくつかあるが、そのぶんApple iOSが落ち込んだという事実はない。

App Storeのゴールドラッシュは、まだ始まったばかり、と言えるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


本日アナウンスされたiOS 7、新たな機能をスクリーンショットで確認してみる

WWDC 2013の舞台にて、iOS 7が正式にアナウンスされた。見た目の部分でかなり大きな変更があるようだ。もちろん新たに生み出されたり付け加えられた機能も多くある。正式版のリリースはまだ数カ月先だが、本日公開された開発者版を早速いろいろといじり始めているBrian Roizenが数多くのスクリーンショットを投稿してくれている。WWDCの舞台上で行われたデモで、新しいOSの方向性は理解できたという人も多いことだろう。しかし詳細なスクリーンショットも、いろいろと参考になるところがあるはずだ。

ノートアプリケーションにある紙の質感などの部分に、以前からの「skeumorphic」デザインが少々残っているようにも感じるが、しかし全体的にはシンプルになったスタイルと「フラット」デザインが特徴だ。またマルチタスクトレイは大幅に使いやすくなった様子。また各種設定をまとめて行えるコントロール・センターも非常に便利そうだ。ボトムトレイからダブルクリックで呼び出す現在の設定機能にはいろいろと不便な点があり、不満をおぼえていた人には朗報となる。

全体的に言えば、これまでよりもモダンでクリーンなエクスペリエンスを提供するOSになると言える。カレンダーやメール、サファリなどのコアアプリケーションの外見によって感じる変化も大きそうだ。基本的な機能オプションのみを常に表示し、細かな機能を提示することでデザインをごちゃごちゃさせることがなくなっている。但し新しい通知パネルには「Today」、「All」、そして「Missed」などのペーンが新たに用意されることとなり、ひと目で全体を見るという方向からは変更になったようだ。こうしたところの使い勝手などをチェックしてみたいものだ。

ちなみに、一般向けのiOS 7のリリースは秋に予定されている。これからしばらくの間で変更点も多数あることだろう。しかし全体的なルック&フィールについては、本日明らかになったものと大きく変わらないものと思われる。これまでと比べると大きな変化であるのは間違いない。一般利用者の評価がどうなるのか、注目して行きたい。

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(翻訳:Maeda, H)


AppleのApp Storeダウンロード総数は500億。アプリケーション数が90万で、開発者が得た金額は100億ドル

毎年のWorldwide Developers Conferenceで楽しみなことのひとつは、Appleエコシステムの状況について発表をきくことだ。本日も、最新の情報が発表された。App Storeからのダウンロード総数は500億に達したとのことで、昨年の300億から大いに伸び、480億ダウンロードの達成を先日アナウンスしたGoogle Playをリードする状況であるようだ。iOS用アプリケーションの数は90万本に達しており、iPhone、iPad、およびiPod touchなどで利用できる。iPad専用アプリケーションの数は37万5000本となっているそうだ。

2012年6月の段階では、iOSアプリケーションの数は65万本であるとされ、iPad用が22万5000本だとアナウンスされていた。ちなみに2011年段階ではiOSアプリケーションの数は42万5000本で、iPad用は9万本とのことだった。登録アプリケーションを利用する登録利用者数は現在のところ5億7500万であるとのこと。

Appleのアプリケーション経済は開発者たちにとってもうまく機能しており、Appleがサードパーティー開発者に支払った額も100億ドルに達しているそうだ。こちらの方は2012年には50億ドルで、2011年段階では25億ドルだった。成長具合をみるためにさらに遡ってみると、2010年は15億ドルであるとアナウンスされていた。

アプリケーション開発者がマネタイズを目指す際に、やはりAppleのエコシステムというのが有効に機能しているようだ。アプリケーション分析を行なっているApp Annieの今年第一四半期についてのレポートによれば、iOS App Storeの売り上げはGoogle Playストアの2.6倍であったとのこと。App Annieと競合するDistimoも、Google Playが着実に成長しつつあるものの、現状ではiOS App Storeが優位であることをレポートしている。また、アメリカのストアにおいてトップ200のアプリケーションを比較した調査も行なっている。それによれば、2013年4月時点で、Google Playにおける日々の売り上げは110万ドルで、Apple App Storeの方は510万ドルとなっている。

ただ、Appleのアプリケーションエコシステムの成長が諸刃の剣となっている状況もある。多くの利用者が存在してチャンスはあるものの、しかし一部の「勝者」が全てを獲得するという状況にもなりつつあるのだ。iPhoneアプリケーションの売り上げが上位のパブリッシャーのうち、新人が占める割合がわずか2%であるという報告もあった。100億ドルの行き先がどうなっていたのかは、なかなか興味深いところだ。

爆発的な人気を獲得したわけではないアプリケーションの開発者にとってみれば、App Storeの成長ぶりや売上げについてのアナウンスはすなわち機会損失を証明するものともなる。Apple App Storeの成長が落ち着いてくる中、Google Playの方に目を向けようとする開発者も存在するようだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple、新SiriのTwitter、Wikipedia、Bingとの統合を発表。新コマンドおよび男女双方の音声も用意

WWDCキーノートにて、音声を使ったパーソナルアシスタントであるSiriに施す種々の機能追加が発表された。外見的には高性能の男性および女性音声が利用できるようになる。また、複数言語にも対応している(英語、ドイツ語、フランス語等々)。しかしそうした外見的変更だけでなく、機能的にも大幅に変更されることになった。すなわちTwitter、Wikipedia、およびBingを使った検索機能を統合することとなったのだ。即ち利用者のリクエストに対して、Wikipediaから引用して回答するというようなことがあり得るようになったわけだ。

またコマンドもいくつか追加されることとなった。たとえば「Play last voicemail」(最新のボイスメールを再生)、「toggle settings」(設定変更)、ないし「increase brightness」(輝度アップ)などだ。しかし最も大きな変更は、BingをSiriの標準検索ツールとしたことだろう。

さらに、ホンダ、メルセデス、日産、シボレー、Kia、およびHyundaiなどとの提携により、車載のタッチスクリーンからも種々の機能が利用できるようになる。

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(翻訳:Maeda, H)


迷惑電話のフィルタリングを行うWhosCall(だれ電)のiPhone版が登場

Android版で人気のWhosCall(だれ電)をご存知だろうか。6億件もの電話番号データベースを活用して、かかってきた電話の発信元を通知してくれるアプリケーションだ。事前に手作業でスマートフォン内の連絡先に登録しておく必要などない。当初はAndroid版のみだったが、この度iPhone版がリリースされた。

開発したのは台北に拠点を億Gogolookだ。このGogolookによると、Android版のWhosCallは全世界でのダウンロード数が300万を超え、各地で電話番号識別に利用されて、月間1000万回の迷惑電話の受話拒否に利用されているのだそうだ。iPhone版はまず台湾、アメリカ、そして日本向けにリリースされた。

アプリケーションにはリバース検索機能が実装されており、無用電話発信元の電話番号をブラックリストに登録し、そして着信拒否データベースとして利用できるようになっている。すなわち利用者のフィードバックとWhosCallのアルゴリズムにより、迷惑電話の可能性を判断してくれるわけだ。

WhosCallの電話番号データベースは、まずYellow Pagesなどの公開データおよびGoogle PlaceのAPIなどを通じて取得したものだ。ここに、利用者の人からのフィードバックによる情報が加わっていく。。

「迷惑電話のブラックリストを構築していくのに、クラウドソーシングが非常に有効に機能しています」と、GogolookのCEO兼共同ファウンダーであるJeff Kuoは言っている。

Gogolookが公式にスタートしたのは2012年4月のことだった。但し実質的なスタートは3年前のことで、友人3人でAndroidアプリケーションをパートタイムで作り始めたのだそうだ。パートタイム活動で、不動産セールス向けにリアルタイム情報を取得するためのアプリケーションと、そしてWhosCallを開発してきたのだそうだ。

WhosCallは、アメリカ、台湾、日本、韓国、そしてアラビア、クウェート、エジプトなどの中東を含む世界各地で大人気となった。おかげでGogolookを会社として立ち上げ、そして10人の従業員を抱えるようになった。エンジェル投資にて50万ドルほどを獲得し、Trinity VCの支援を受けている。

iOS版のWhosCallはリリース記念特価の85円で販売されている。公式価格は450円に設定されている。

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(翻訳:Maeda, H)


Microsoft、Windows 8/RT向けにカメラを利用できる拡張現実翻訳アプリを発表―日本語など40ヶ国語をサポート

今日(米国時間6/6)、MicrosoftはBing Translator app for Windowsリリースした(Windows 8/RT)。MicrosoftがWindows Phone向け翻訳アプリをカメラ入力まで含めて完全にデスクトップに移植したのは称賛されるべきだろう。Bing TranslatorはWindowsのモダンUI/Metroモードのみ対応している。対象言語は40ヶ国語で、オフラインで使えるよう個別の言語パックをダウンロードすることが可能だ。

ただし能力としては現在の翻訳アプリとしては標準的レベルだろう。GoogleのTranslate for Androidアプリはこうしたツールをすべて備え70言語をサポートしている。

言語の内訳は以下のとおり。

  • カメラ入力言語は、中国語(簡体字)、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語の7言語。
  • 翻訳やブルガリア語アラビア語、カタロニア語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、英語、エストニア語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語ハイチクレオール語、ヘブライ語、ヒンディー語、モン族アウン、ハンガリー語、インドネシア語、日本語イタリア語、クリンゴン語、韓国語、ラトビア語、リトアニア語、ノルウェー語、ペルシャ語、ベトナム語、ウクライナ語、トルコ語、タイ語、スウェーデン語、スペイン語、スロベニア語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、スロバキア語。

カメラベースの拡張現実翻訳機能はMicrosoftの実装がGoogleをやや上回っているかもしれない。掲示などを写真に撮るとその上に翻訳がスーパーインポーズされ、タップすると保存も可能だ。GoogleTranslateは画像中の翻訳させたい文をタップする必要がある。それが特に難しい操作だというわけではないが、Microsoftの方式はWord Lensと同じなのでiPhoneユーザーには馴染みがある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


SpinMeは、朝どうしても起きられない人のためのiPhone用アラームアプリ

私には、自分がいかに朝起きるのがひどく苦手であるかを適切に説明できる自信がない。

「誰でも朝は大嫌いだ」って?

違う。私はベッドから出るのが大嫌いなだけだ。まるで、遺伝子操作によって早起きが特別得意な超人兵士団を作ったのに、私だけ間違って逆方向に設定されたかのようだ。

このアプリが私を助けてくれることを心から願っている。

SpinMeは、私のような人のためのアラームクロックだ。起きる〈必要がある〉、あるいは起き〈たい〉と思っているけれども、脳の無意識部分が別の計画を持っている人のことだ。その計画には「いや、あと10分寝る」が50回以上含まれている。

アプリの名前が示すように、SpinMeはユーザーをスピンさせる。

つまり、ベッドから降り(起きる上での最難関)、iPhoneを水平に持ってその場で自ら回転する。起きてスピンしない限りアラームは鳴り続ける。

少々目が回って1日が始まる方が、45分遅刻するよりまし。そうだろう?

アプリを開発したAbdulla Al Shurafaは、ズルされないよう格段の努力をした。これは重要、なぜならSleepy Greg[Kumparak]は実にズル賢いろくでなしだから。

もしSleepy GregがiPhoneを空中に投げ上げて何回転かさせたら?

うまくいかない。画面に両手の親指を置き続けなくてはいけない。少しでも指が外れるとカウントダウンが再スタートする。

では、Sleepy Gregが頭の上で腕をぐるぐる回したら?

ダメだ。iPhoneを水平に持たないとカウンターがリセットされる。あなたがミスター・ファンタスティックか、ヨガ教室によほどの回数通ったのでない限り、そこまで腕を曲げることはできない。

では、Sleepy GregがiOSのタクススイッチャーを開いてアプリを止めたら?

プッシュ通知によって、ベッドを出るしかないほどイヤイラするギターメロディー鳴り、アプリを再立ち上げするまで続く。実際にはiOSの制約のために、SpinMeが対応〈できない〉回避方法も存在するが、明らかなものは殆どカバーされている。

残念な点が1つ。現バージョンのSpinMeにはデフォルトのアラーム音が付いておらず(アプリが閉じられた時のプッシュ通知にのみ使用される音を除く)、iPhoneの音楽ライブラリーからではなく、自分で少なくとも1曲登録する必要がある。

SpinMeは、AppStoreにて99セントで発売中

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(翻訳:Nob Takahashi)


TweetDeckファウンダーのDodsworthがTwitterから離脱。TweetDeckの将来は?!

TweetDeckのファウンダーであるIain Dodsworthが、Twitter社を去った。TwitterがTweetDeckを買収してから2年が経ち、Dodsworthとしては「何か新しいことを始めるタイミングだ」と感じたそうだ。

Dodsworthの離脱により、Twitter社によるTweetDeckの扱いはどのように変わってくるのだろうか。少し前には、iPhone、Android、およびAIR版の開発を停止している。WindowsおよびMac向けのネイティブアプリケーションはまだ提供されているが、今後はウェブ版に注力していくと言っていた。

そのような流れの中、DodsworthがTwitter社を離れることとなったわけだ。TweetDeckは消滅するのではないかと考える人が増えるのも当然のことだろうと思う。たとえばReuterのソーシャルメディア部門のエディターで、Circaの編集長に就任することとなったAnthony De Rosaも「@TweetDeckの将来は一層暗くなったんじゃないかな」とツイートしている。しかしTwitterのニュース部門マネージャーのErica Andersonは、GuardianからSharath Bulusuを引きぬいてTweetDeck担当のプロダクトマネージャーにアサインしており、今後も注力していく予定だとツイートしている(ちなみにBulusuの採用は半月ほど前にアナウンスされている)。

ツイートの中でAndersonは「TweetDeckの重要性は重々認識していますよ」と記している。Twitterの広報部によれば、本件についてとくに追加すべき内容はないとのことだ。

Update:TweetDeckに関わるエンジニアの募集も行われているようだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Androidの目覚しアプリ、Warmlyはやさしく起こしてくれる

概してわれわれは、突然起こされることに満足しているようだ。手荒いアラームや耳元のベルは寝続けることを不可能にする。新しいAndroidアプリのWarmlyは、シアトル拠点のChaos Collectiveが、アラームアプリは異質で恐ろしい音ではなく、心安らぐ親しみのある音を徐々に高めていく方が良いのではないかと考えて作った。

これは、共同ファウンダーのAdam Kumpfによると、Chaos Collectiveが成し遂げたいと考えている特色を表すプロジェクトだという。本誌では以前この会社の別のプロジェクトを紹介したことがある。手動焦点合わせができればどんなカメラでもLytroと同じ可変ピント写真が撮れるというハックだ。Kumpfは、Warmlyもあのカメラハックも、The Chaos Collectiveが手本としている大まかな製品戦略と一致していると言う。

「The Chaos Collectiveの信条は、自分たちがワクワクするプロジェクトに取り組み、そのワクワク感を世界とシェアすること」だと彼は言う。「正直なところ、これはかなり型破りなビジネスプランだが、大好きなものを仕事にすることが、ただのガラクタでない物を作る最良の方法だとわれわれは信じている。世界は広大な場所だが、インターネットが全員を一つにする。それぞれのプロジェクトやハックや実験に対するわれわれの熱意が、他の同好の人々に伝えられることを願っている」

「Warmlyは多くの実験から生まれた製品だ」とKumpは説明する。「われわれは多くの協調システムやリアルタイムシステムを扱ってきたが、スタートを切るということが生産性の大きな障壁になり得ることに気付いた」

Warmlyのコンセプトは、心地良い音は人の目を覚さす上で不快な音と同様に効果があるというものであり、Collectiveはいくつかの音の組み合わせを試した後、アプリに組み込んだ。朝食を料理している音もある。ベータテスターやCollectiveのメンバーでのテスト成功を受け、アプリは実験から正式な商品となった。これが同社の製品が世に出るまでのやり方だとKumpfは言う。

Warmlyの価格は1.99ドルで、Kumpfはこれを正当だと信じている、なぜなら「もしこれにコーヒー1杯の価値がないなら、その人は仕事をしていないから」。Collectiveの全体方針は、できる限りオープンソースを維持しつつ、ある時点でプロジェクトをプロダクトに変えて収益を生みさらに取り組みを進めることだ。WarmlyがまずAndroidでデビューしたのは実験のしやすさが主な理由だが、もちろん反応がよければiOS版も計画されている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、6秒ビデオのVineのAndroid版をリリース―iOS版ユーザーは1300万人を超える

今日(米国時間6/3)、Twitterは6秒間のビデオを簡単に作成して共有するサービス、VineのAndroid版をリリースした。 VineアプリGoogle Playストアから無料ダウンロードできる。Android 4.0以降が必要。

Android版VineアプリはiPhone版から5ヶ月遅れで発表された。iPhone版はTwitterがVineを開発したスタートアップを買収した後、今年1月にリリースされた。この間、VineはiOS版だけで1300万人という大量のユーザーを獲得するのに成功している。

ただしAndroid版はiOS版と完全に同じではない。Vineの公式サイトによれば、近々いくつかの新機能が追加されるとしている。これにはフロント・カメラのサポート、プッシュ通知、ハッシュタグ、ユーザーとハッシュタグの検索などが含まれている。すでにAndroid版Vineアプリ特有の機能も存在する。例えばGalaxy S4とHTC Oneの場合、ズーミングができる。

iPhoneアプリの場合、フロントカメラのサポート、ユーザーとメンションの検索などの機能が4月末のメジャーアップデートで追加ずみだ。 TwitterのVineチームはiOSの場合と同様、Android版でも基本的機能だけを先にローンチして段階的に機能を追加していく手法を取った。

テクノロジー業界はVineのAndroid版リリースの影響に注目している。InstagramはiOS版で3000万人のユーザーを集めた後、2012年4月にAndroid版を開発した。するAndroidユーザーが殺到し、12時間で100万人の新ユーザーを獲得することに成功した。Vineの場合はどういう結果になるだろうか?

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Tumblrファン向けインスタントGIF化アプリ、StillyがApp Storeに登場―ワンクリックで写真が動き出す

GIFはお好きだろうか? Tumblrは? その答えがイェスで、さらにiPhoneと2.00ドル持っているならStillyというアプリを試してみるとよい。このアプリはiPhoneのカメラで写した写真をワンクリックでギクギクと動くGIFアニメ変えてくれる。

現在このアプリはTumblrへの投稿を主なターゲットとしている。公式ブログでは「中毒性が高い」と警告しているが、確かにそうだった。

このアプリの使い方はこれ以上ないくらい簡単だ。UIにはGIF化を実行するボタンがひとつ表示される。その他には背景にフラッシュ効果を入れるオプションがあるだけだ。できあがったGIFはプロ級(そんなものがあるとして)とはいかないが、ともかくいちおうそれらしいものになる。

Tumblrを#stillyというタグで検索するとこのアプリで作成されたGIF画像が大量にヒットする。

StillyのアイディアはVineに似ているが、Vineのように映画の予告編、短編動画、コメディの実験など高度な知的活動に使うアプリではない。しかし難しいことは何も考えずにただ気楽に遊べるアプリがあってもいいではないか?

このアプリを開発したのは2007年以来TumblrのユーザーであるIan Broylesだ。「私は1995年からいろいろなGIFを作ってきた。最初のデジカメを買ったのも同じ年だ。私は画像で遊ぶのが好きだ。動く画像ならなおよい」とBroylesは説明する。

BroylesがStillyの開発を始めたのは2012年12月で、Vineがリリースされる前のことだった。それにBroylesはStillyとVineはそんなに似ているとは思っていない。動画とGIFというフォーマットの差だけでなく、Vineはビデオ・クリップを作るのも友だちに送るのも手数がかかるという。

「そこへいくとStillyはiMessage、SMS、Tumblrを使って共有できる。現在さらに共有オプションを拡大しようと作業しているところだ。ユーザーの反応が好意的なのでAndroid版も開発したい」とBroylesは語っている。

Stillyは1.99ドルでAppleのApp Storeで販売中。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Kiipの報奨システムを統合したAny.DO。To-Doアプリに愉しみを実装し、習慣化を企図

To-Doリストが好きだという人は、もちろんAny.DOをご存知のことだろう。この分野中、大いに注目を集めているサービスで、つい先日も350万ドルの資金を調達したばかりだ。さらにサービスの質を向上させていくのに資金を活用していくそうだ。ところでこのAny.DO、さらなる進化を目指してKiipの報奨プラットフォームを組み込んでいる。To-Doを達成すると「ご褒美」を受け取ることができるのだ。

これはAny.DOにとってもKiipにとっても面白い試みだといえよう。Kiipは利用者が何かを達成した際に、広告主からのプレゼントを配布するためのプラットフォームで、多くはゲームで利用されている。To-Doアプリケーションというのは従来と比べて少々変わった世界であり、Kiipの可能性を拡げるものともなる。Any.DO側の狙いについては、同社のファウンダー兼CEOであるOmer Perchikが次のように述べている。すなわち、「ご褒美」の仕組みを組み込むことで、利用者のタスク管理作業に対するモチベーションを上げようとしたのだ(訳注:Kiipの仕組みについてはこちらの記事などもご参照ください)。

Kiipはゲームやフィットネスアプリケーションのみならず、To-Doリストアプリケーションの利用中に生じる「モーメント」(何かを達成した喜びの瞬間)においても利用できる。PerchikはAny.DO自体をゲーム化するのではなく、その「モーメント」をKiipと繋ぐことによってマネタイズをはかり、そして利用者のエンゲージメント向上を狙ったわけだ。

「日常の習慣を形成するにはポジティブな動機付けループが必要になります。この面でKiipは非常に役立つ仕組みを提供してくれるのです」とPerchikは述べている。Kiipをアプリケーションに組み込んで以来、Any.DOの利用者は250万件に及ぶ「ご褒美」を受け取っているのだそうだ。利用者が何かを達成した瞬間に「ご褒美」を提供することにより、利用者の「達成感」とブランドないしプロダクトが結びつくこととなる。広告提供ブランドにとっても、利用者から非常に好意的な反応を引き出すことのできるチャンスとなるわけだ。

「ご褒美」を受け取った利用者が「満足」できるのも良いところだ。受け取った「ご褒美」をツイートする利用者もいる。これについてはよく考えてみて欲しい。利用者が、自分の元に流れてきた広告を、喜びを持ってツイートしているのだ。こういう好感ループがあるので、多くの開発者がマネタイズプラットフォームとしてKiipに注目しているわけだ。バナー広告により、利用者のエクスペリエンスを邪魔するのとは、全く違ったアプローチであると言える。

Kiipはこれまでに1530万ドルの資金を調達している。そして、従来利用されていた「インプレッション数」などにより測定される旧来の広告システムとは異なる仕組みを提供しようとしているのだ。すなわちKiipでは、利用者にどういう行動を促すことができるかという観点から広告を考えている。利用者、開発者、そして広告主のそれぞれの立場を考えつつ、利用者に行動を促すための仕組みを構築しているのだ。

Uberの利用券など、利用者に役立つ「ご褒美」を提供することで、Any.DO側とすれば利用者の習慣を学習する機会を得ることができる。またアプリケーションを使おうとする利用者のモチベーションを高めることにもなる。「広告らしくない広告」の正しい実現方法があるとするなら、Any.DO + Kiipがまさにそこを狙っているのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)