Twitterは、このテンポの速いCMで若者層にアピールしたがっている

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TwitterのQ3決算会見で、CEO Jack Dorseyは、同社がワールドシリーズでテレビCMを流す計画を明らかにした。

The Vergeが指摘するように、このコマーシャルは、Appleの1984キャンペーンを作ったのと同じグループによって制作された。これはTwitterにとって初めてのCMではないが、本格的な「キャンペーン」の始まりのようだ。Twitterは、若年層を引き込もうとしている、ともThe Vergeは書いている。

このテンポの速い、ネット俗語満載のTwitter Moments機能を見せるCMは、一般大衆には興味深く見られるだろうが、CNNやESPNのツイートを見たり見なかったり、という人々の心を把むのは難しいかもしれない。Momentsに関して私も指摘したように、鍵となるのは、ハードコアなリアルタイムユーザー以外の人々でも消費できるように、サービスをスローダウンさせることにある。サービスそのものは、かなりよくそれを実現して、様々なタイプのニュースを各自のペースで追うことができる。

実際のTwitterサービスを完全に忘れてしまい、長いこと見たことのなかった人々は、このCMを見てもう一度使おうとするだろうか?かもしれない。もし、スポーツが好きなら ― ワールドシリーズを見ているなら恐らくそうだろう ― 試してみるチャンスはさらに高い。私はわかる。子供は派手で速いものが好きだ ― しかし人はそれぞれだ。

同意してもらえると思うが、同じ会社が作ったかどうかはともかく、これは決して1984ではない、と私は言いたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

コンテンツは何よりも自分のための記録、共有しなくてよいし、特定の人とだけ共有できるソーシャルサービスSpindle

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ソーシャルメディアは人生のとくべつな‘時’を記録するのに適した場所だが、実際には社会的なプレッシャーによって、自分よりも他人の目を気にして、コンテンツを編集したりフィルタしたりしがちだ。

先週ローンチしたSpindleは、ソーシャルな日誌的アプリケーションだが、ユーザがあくまでも自分のためにコンテンツを作り、ついでに友だちと共有することもある、という心理的傾斜を持っている。

Spindleの場合、ユーザが最初に写真やテキストや音を作って自分のタイムラインに載せるまでは、従来のソーシャルメディアと同じだ。

しかしデフォルトの設定では、コンテンツは自分自身としか共有できず、過去の日誌を見られるのも自分だけだ。

Spindleでは多数のオーディエンスやフォロワーが勝手にできていく、ということがないので、ユーザは他人を気にせず、自分の本当の気持をコンテンツに込める/コンテンツで表現することができる。Spindle自身も、ユーザをそう仕向けたいと願っている。

友だちと共有すると、そのコンテンツはその友だちのタイムラインだけに現れる。友だちはそのメッセージを見てから消してもよいし、あるいは自分の日誌に恒久的に保存してもよい。

でもSpindleでは、友だち全員と共有しなくてもよい。というかSpindleは、友だちにする、とか、フォローするというオプションがないことを、従来のソーシャルメディアとは違う特性として打ち出している。誰かと共有したいと思ったら、その人の名前をタイプして彼/彼女のタイムラインへポストする。Facebookなどのような、‘友だち’という人工的で特殊な概念がそもそもない。実際の本当の友だちが、いるならいるだけだ。つまり、その人がSpindleの自分の口座のアドレスブックに載っていれば、コンテンツをポストできる、というだけ。

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Spindleの協同ファウンダAlex WalkerとAmanda Linによると、ソーシャルプラットホーム上に多数のオーディエンスがいるユーザの場合、コンテンツがその人の真正性を失いがちである。逆に、まず自分のためにだけコンテンツを作るよう習慣づければ、ユーザはコンテンツをポストする前に、前もっていろんなことを考えたり、編集したりしなくなるだろう。

Spindleのデザインは絵文字やスケッチやバッジを多用しているが、それらは、ユーザがこのサイトをより積極的に利用するようになると、増える。熱心なユーザは、イースターエッグなどもUIの素材としてもらえる。何よりもまず、自分のための、くつろげる場として利用してほしいのだ。

ソーシャルメディアからフィルタ行為を取り除こうとするBemeのようなアプリケーションもあるが、不完全なコンテンツでもプライベートなタイムラインに保存されるだけだからいいんだよ、と積極的に奨励するソーシャルアプリケーションは、Spindleが初めてだ。

確かに今のソーシャルメディアには、コンテンツの真正性という重大な問題があるから、それを解決する試みとしてSpindleはユニークだ。

Spindleは今のところiOSアプリだけなので、iOSのアプリストアでダウンロードできる。

〔訳注: 新しい、アンチFacebook的ソーシャルメディアとして、Veroなどもある。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Kiipの報奨システムを統合したAny.DO。To-Doアプリに愉しみを実装し、習慣化を企図

To-Doリストが好きだという人は、もちろんAny.DOをご存知のことだろう。この分野中、大いに注目を集めているサービスで、つい先日も350万ドルの資金を調達したばかりだ。さらにサービスの質を向上させていくのに資金を活用していくそうだ。ところでこのAny.DO、さらなる進化を目指してKiipの報奨プラットフォームを組み込んでいる。To-Doを達成すると「ご褒美」を受け取ることができるのだ。

これはAny.DOにとってもKiipにとっても面白い試みだといえよう。Kiipは利用者が何かを達成した際に、広告主からのプレゼントを配布するためのプラットフォームで、多くはゲームで利用されている。To-Doアプリケーションというのは従来と比べて少々変わった世界であり、Kiipの可能性を拡げるものともなる。Any.DO側の狙いについては、同社のファウンダー兼CEOであるOmer Perchikが次のように述べている。すなわち、「ご褒美」の仕組みを組み込むことで、利用者のタスク管理作業に対するモチベーションを上げようとしたのだ(訳注:Kiipの仕組みについてはこちらの記事などもご参照ください)。

Kiipはゲームやフィットネスアプリケーションのみならず、To-Doリストアプリケーションの利用中に生じる「モーメント」(何かを達成した喜びの瞬間)においても利用できる。PerchikはAny.DO自体をゲーム化するのではなく、その「モーメント」をKiipと繋ぐことによってマネタイズをはかり、そして利用者のエンゲージメント向上を狙ったわけだ。

「日常の習慣を形成するにはポジティブな動機付けループが必要になります。この面でKiipは非常に役立つ仕組みを提供してくれるのです」とPerchikは述べている。Kiipをアプリケーションに組み込んで以来、Any.DOの利用者は250万件に及ぶ「ご褒美」を受け取っているのだそうだ。利用者が何かを達成した瞬間に「ご褒美」を提供することにより、利用者の「達成感」とブランドないしプロダクトが結びつくこととなる。広告提供ブランドにとっても、利用者から非常に好意的な反応を引き出すことのできるチャンスとなるわけだ。

「ご褒美」を受け取った利用者が「満足」できるのも良いところだ。受け取った「ご褒美」をツイートする利用者もいる。これについてはよく考えてみて欲しい。利用者が、自分の元に流れてきた広告を、喜びを持ってツイートしているのだ。こういう好感ループがあるので、多くの開発者がマネタイズプラットフォームとしてKiipに注目しているわけだ。バナー広告により、利用者のエクスペリエンスを邪魔するのとは、全く違ったアプローチであると言える。

Kiipはこれまでに1530万ドルの資金を調達している。そして、従来利用されていた「インプレッション数」などにより測定される旧来の広告システムとは異なる仕組みを提供しようとしているのだ。すなわちKiipでは、利用者にどういう行動を促すことができるかという観点から広告を考えている。利用者、開発者、そして広告主のそれぞれの立場を考えつつ、利用者に行動を促すための仕組みを構築しているのだ。

Uberの利用券など、利用者に役立つ「ご褒美」を提供することで、Any.DO側とすれば利用者の習慣を学習する機会を得ることができる。またアプリケーションを使おうとする利用者のモチベーションを高めることにもなる。「広告らしくない広告」の正しい実現方法があるとするなら、Any.DO + Kiipがまさにそこを狙っているのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)