MicrosoftがOffice 365をアップデート: リアルタイムコラボレーション, 全エンタプライズバージョンにYammerを導入, などなど

Microsoftが企業や消費者向けにOfficeの会費制WebバージョンOffice 365を立ち上げてから6か月になる。今では200万あまりの消費者がOffice 365 Home Premium(5つのライセンスのあるOffice 365の”ファミリーパック”)の会員ユーザで、またFortune 500企業の60%が何らかの形で利用している。Microsoftによるとこれは、Microsoftの歴史上、成長が相当速いビジネスとなっている。

これまでOffice 365にはおよそ100の新機能が加えられてきたが、今日(米国時間11/6)はさらに三つが加わる…一つは企業ユーザ向け、残る二つは一般消費者向けだ。

その中のいちばんおもしろくて、Office 365のユーザでなくても喜びそうなのが、Office Web Appsにリアルタイムの文書共同制作機能が加わったことだ。このWeb AppsはWordやExcelやPowerPointの文書やプレゼンテーションをSkyDriveでエディットするものだが、このようなオンラインのオフィススイートには同様の機能を持つライバルが多い中で、OWAには良質なコラボレーションツールがこれまでなかった。なお、この機能に加えてWord Web Appには、オートセーブ機能が加わった。

Microsoft Office事業部の企業担当VP John Caseによると、Office Web Appsはまだ、その価値に見合うほどの評価をされていない。そこで今後は、マーケティングに力を入れて知名度注目度を高めたい。“これまでは従来からあるクライアントアプリケーションを補完する位置づけだったが、これからは独立的なアプリケーションと見なしていきたい”。そこでMicrosoftはWeb Appsへの投資も増やしていくそうだ。

二つ目の新機能は、Home Premiumを使っている消費者ユーザへの2つのボーナスだ。それはSkyDriveの容量の20GBアップと、世界のどこからでもSkypeで60分の無料通話ができること。これらは、有料ユーザの特典だったが、今回のアップデートにより全ユーザに提供される。

企業ユーザに対しては、Yammerのライセンスを大きく変えた。今後、Office 365のエンタプライズバージョンにはYammer Enterpriseが含まれる。これまで、このソーシャルエンタプライズツールを使えるのは、最上級ユーザのみだった。これからは、既存新規両方のすべての顧客が利用できる。Caseによると、ソーシャルはあらゆる規模の企業においてますます、社員のやる気を高めるための重要な方法になりつつあるが、最近ではユーザ企業のパートナーや納入企業にもその気運が見られる。

そこで今回のYammerのライセンスモデルの変更には、パートナーと納入企業への配慮が見られる。これまでのライセンスでは、外部ユーザがYammerにアクセスしてよいのか、曖昧だったが、本日より、Yammerの顧客には外部ユーザのYammerアクセスを認める権利がある、と明文化される。

今日のアップデートは、新しい機能が加わっただけではない。大手テクノロジ企業の中ではどこよりもマーケティングキャンペーンが好きなMicrosoftは、“Officeをどこでも使える、どこでも仕事をやり終えられる”ということを訴求するための一大マーケティングキャンペーン”Get It Done Day”を始動する。本誌はこれについてあまり質問をしなかったが、でも関心のある方は、Twitter上でツイートしてみるとよろしいだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleマップがアップデート―デスクトップ版にストリートビュー表示のペグマンが復帰、Wazeの道路情報も

今日(米国時間11/6)、GoogleはGoogleマップのアップデートをリリースした。今回、デスクトップ版に初めてソーシャルマップのWazeの交通情報が追加された(モバイル・アプリには追加ずみ)。今年に入って買収したソーシャル・マップのWazeとの統合により、Googleマップに交通事故、工事、一時閉鎖などの道路情報が表示されるようになった。

このアップデートではストリートビューの画像を表示させるのが簡単になった。最近のGoogleマップではストリートビュー機能はデフォールトでは隠されており、ユーザーはストリートビューを見るためには地図上の道路をクリックする必要があった。新バージョンではペグマンが復活した。以前のGoogleマップと同様、ユーザーはペグマンを地図にドラグ&ドロップしてストリートビューを表示させることができる。以前のペグマンは画面左上隅にあったが、新バージョンでは左下隅に表示される。

Googleマップでズームインすると、店舗や施設の屋内写真やユーザーがアップロードした写真を見ることができる。

ストリートビューにも改良があった。経路案内では曲がり角ごとにストリートビュー写真を添付し、あらかじめ参考にすることができる。

またモバイル版のツアーガイド機能”がEarth Toursと改名された。自動生成される3D画像によるバーチャル・ツアーを体験することができる。従来Tour Guideという名称をEarth Toursに変更した理由はよくわからない。デスクトップ版にもこの機能はあるが、WebGLをサポートしているブラウザでのみ作動する。

〔日本版〕11/7朝の時点では訳者の日本版Googleマップはアップデートされていない。

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EC2の新しいGPUインスタンスタイプはクラウドから高性能な3Dグラフィクスを提供できる

Amazonが今日(米国時間11/5)、クラウドコンピューティングプラットホームEC2の新しいタイプのインスタンスをローンチした。それは、3Dグラフィクスを必要とするアプリケーション向けに設計されている。クラウドコンピューティングと高性能な3Dグラフィクスが頭の中ですぐ結びつく人は少ないと思うが、3Dによる視覚化や、グラフィクス集約的なアプリケーションが行うストリーミングなどは強力なコンピューティングパワーを必要とするので、この新しいインスタンスタイプはAWSにとってきわめて当然の展開だ。

Amazonによると、このタイプのインスタンスを使うとユーザは、“高性能なDirectX、OpenGL、CUDA、OpenCLなどのアプリケーションやサービスを、巨額な先行投資を要さずに構築できる”。

Amazonが提供する新しいGPUインスタンスタイプは、当面、二種類ある。g2.2xlargeと呼ばれるバージョンは、メモリ15GB、ローカルストレージ60GB、EC2コンピューティングユニット26で構成され、2.6GHzのIntel Sandy Bridgeプロセッサと、NVIDIA Kepler GK104グラフィクスカード(1536 CUDAのコアあり)1基が使用される。さらに大きいcg1.4xlargeと呼ばれるバージョンは、メモリ22GB、ローカルストレージ1690GB、EC2コンピューティングユニット33.5で構成され、NVIDIA Tesla “Fermi” M2050 GPU2基を使用する。オンデマンド料金(1時間あたり)は小さいインスタンスタイプが65セント、大きいタイプが2ドル10セントからとなる。

Amazonによると、一つのGPUが720pのリアルタイムビデオストリームを30fpsで最大8つサポートできる(1080pなら4つ)。

この新しいインスタンスが可利用になるのは、当面、AmazonのU.S. East、West (カリフォルニアとオレゴン)、そしてEU(アイルランド)のデータセンターだ。Amazonはこれらのインスタンスタイプをサポートするいくつかのマシンイメージを、近く作成して提供する予定だ。

“2年前にCluster GPUインスタンスをローンチして以来、多くの顧客が、GPUインスタンスのパワーを拡張できるような、より大きい機能性を、従来のHPCコンピューティングを超えたグラフィクス集約的なワークロード…ビデオ制作サービス、3Dによる視覚化、ゲームのストリーミングなど…のために求めてきた”、とEC2担当VPのMatt Garmanが今日の声明文の中で言っている。“今回のG2インスタンスではDirectXやOpenGLが利用できるので、デベロッパはAmazon EC2の上でスケーラブルで高速な3Dアプリケーションを低コストで構築でき、クラウドを利用する高性能な3Dグラフィクスを顧客に提供できる”。

さらに、これらのGPUインスタンスではOTOYのORBX.jsがサポートされる。この、ダウンロードして使用できるHDコーデックはJavaScriptとWebGLで書かれていて、プラグインやコーデックなどクライアントサイドのソフトウェア不要で、クラウドからブラウザへ直接、3D集約的なアプリケーションをストリーミングできる。このプロジェクトはMozilla、Autodesk、そしてOTOYも支えているので、今日の声明文の中にはMozillaが一文を寄せている: “Amazon Web Services(AWS)の顧客は、クラウド内のグラフィクス処理能力とOTOYのORBX.jsによるストリーミング技術を利用して、高性能なゲームやデスクトップアプリケーションをWebへ送り出せる…しかもHTML5とJavaScriptだけを使って”。

たとえばAutodeskの3DS Max、Autodesk Maya、Autodesk Inventorなどのアプリケーションは、この技術を利用しているため、現代的なブラウザならどれをどのプラットホーム上で使っても正常に使用できる。OTOYは今日行ったデモの中で、Photoshop CS6やValveのゲームなどを、ORBX.jsの使用によりブラウザの上で動かして見せた。OTOYはすでに、Autodeskのアプリケーションをはじめ、ORBX.js対応のEC2用マシンイメージをいくつか公開している。

Amazonの今日の発表では、Playcast Mediaがg2インスタンスを使ってビデオゲームを近くストリーミングし、またAgawi True Cloudはモバイルデバイスにゲームやアプリをストリーミングする予定だ。

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機械と人力の”いいとこ取り”でサイトを外国語翻訳、「ワールドジャンパー」一般公開

機械翻訳は誤訳があるし、かといってプロの翻訳家に頼むとコストがかさむ――。外国語サイトを作ろうとする企業や店舗の多くは、こんな悩みに直面しているかもしれない。八楽(やらく)が運営するウェブサイト翻訳ツール「ワールドジャンパー」は、機械翻訳と人力翻訳の“いいとこ取り”をして、こうした課題を解決しようとしている。

ワールドジャンパー

対応言語は英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)。仕組みを簡単に説明すると、まず管理画面で翻訳したいサイトのURLを入力すると、機械翻訳ベースで外国語ページのHTMLが生成される。翻訳精度をさらに高めたい場合は、日本語1文字につき6円の「スタンダード翻訳」、1文字10円〜の「プロ翻訳」に申し込めば気になる箇所を修正できる。

スタンダート翻訳はクラウドソーシングを活用した人力翻訳サービスの「Conyac(コニャック)」や「Gengo(ゲンゴ)」などを利用する。プロ翻訳はこれらのサービスで翻訳した内容を、同社が抱えるプロの翻訳家がチェックしてから納品する。納期はスタンダード翻訳が1日程度、プロ翻訳が1〜2週間程度だという。

特筆すべき点は、翻訳者が修正したテキストを蓄積するデータベース「翻訳メモリ」の存在だ。ワールドジャンパーでは翻訳するサイトを読み込む際、自然言語処理技術を用いてすべてのテキストを解析し、翻訳メモリに収録されている「約300万文」(八楽)のテキストと照合。データベースと一致した場合、過去に翻訳者が修正したテキストを再利用し、機械翻訳によるテキストを差し替えている。会社特有の製品やサービス名を登録し、機械翻訳結果に反映する辞書機能も搭載する。

これらの仕組みにより、「単なる機械翻訳よりも翻訳精度が高くなり、翻訳コストがかかる人力翻訳の語数も減らせる」と、八楽代表取締役の坂西優氏は説明する。翻訳メモリは利用者が増えるほど充実するため、「翻訳コストはどんどん安くなる」。坂西氏によれば、新規でサイトを翻訳する場合、1〜2割程度のテキストが翻訳メモリに含まれているそうだ。

翻訳管理画面

ワールドジャンパーは2012年6月、法人向けの有償サービス(初期費用8万円、月額料金8800円)としてスタート。これまでにメーカーやIT、観光業など約100社の大企業に導入された実績がある。2013年5月には、ニッセイ・キャピタルや日本ベンチャーキャピタルなどから1億800万円の資金調達を実施している。

そして本日11月6日には、法人向けサービスを簡略化し、一般向けに初期費用と月額料金を基本無料とするサービスを開始。一般向けサービスで翻訳した外国語サイトは、八楽によってホスティングされる。外国語サイトは広告を掲載すれば無料だが、広告を非表示にして独自ドメインを利用する場合は月額880円に加えて、1ページビューあたり0.1円が発生する。

八楽は観光客を取り込みたい旅館や飲食店、商店であったり、在日外国人に情報発信したい自治体や病院、海外企業との取り引きを狙う中小企業を対象に、2014年4月までに1万サイトの導入を見込んでいる。

国際色豊かな八楽のメンバー


クラウドレンダリングのOTOYにGoogle会長Eric Schmidtがアドバイザーとして参画

ブラウザ上のゲームやそのほかのアプリケーションのためのグラフィクスのレンダリングを、クラウドから提供するOTOYが、Googleの会長で元CEOのEric Schmidtを、同社の新たな顧問団の一員として迎えた、と発表した。

Schmidtはこの件に関するメールによる声明で次のように述べた:

“6年前The New York Timesのインタビューで私は、コンピューティングの90%はWeb上のクラウドで行われるようになる、と予言した。OTOYは、残る10%、すなわち高度なグラフィクス処理を全面的にクラウドに移す、非凡な技術を作った。これは画期的かつ重要な技術的業績である。私の見解では、それは未来の支配的なコンピューティングプラットホームがPCからWebに変わっていく動きの、転換点となるものである。”

OTOYの協同ファウンダで社長のAlissa Graingerによると、新しい顧問団(アドバイザリボード)は、“OTOYのビジネスの本格的な商用化を導いていただくことが目的”である。メンバーの中には同社の既存の投資家、ハリウッドの高名なエージェントだったAri Emanuelやライターで投資家のGeorge Gilderがいる。また高名な企業からは、SchmidtのほかにIBMの元CEO Sam Palmisano、MozillaのCTO Brendan Eich(OTOYはMozillaのパートナーだ)、そして長年IBMの役員を努めるIrving Wladawsky-Bergerらが加わっている。

ぼくの記憶では、本誌TechCrunchが初めてOTOYを取り上げたのは2008年だから、商用化までの道のりは長かった。でも、Schmidtのコメントにも見られるように、同社のビジョンは相当大きい。同社のOctane Render技術により、ほとんどあらゆるアプリケーションが、どんなデバイスの上でも動くようになる。

なお、顧問団が変わっても同社の経営構造は変わらない。Graingerによると、同社の取締役会のメンバーは、いまだに協同ファウンダでCEOのJules Urbachただ一人である。

[写真出典: Flickr/Charles Haynes]

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Google Cloud SQLがMySQLのネイティブ接続をサポート…オンプレミスも連携へ

Google Cloud SQLが今度から、MySQLのネイティブ接続をサポートする。それは、サードパーティのアプリケーションとの統合を、より容易にするためだ。今回のサポートにより、ネイティブのMySQLアプリケーションをCloud SQLにはめ込めるので、DBに関するGoogleサイドのシステム管理が不要になる。

CloudSQLはMySQLデータベースの標準的接続プロトコルであるMySQL Wire Protocolを使ってネイティブMySQLにアクセスするので、Google Compute EngineGoogle App Engine上のアプリケーションからの接続が高速になる、とGoogleは主張している。顧客はCloudSQLのインスタンスを管理するために、従来からあるMySQL WorkbenchToad、それにMySQL用コマンドラインツールを使用できる。また、Connector/J、Connector/ODBC、Connector/NETといった標準ドライバがサポートされる。

ネイティブへの接続によって、クラウドデータベースの管理および展開というレベルでデータのレプリケーションをコントロールできる。Googleが挙げている例としては、Cloud SQLとオンプレミスのデータベース(Oracle、SQL Server、DB2など)とのあいだでのデータレプリケーションもできる。

今回のサポートは、MySQL Wire Protocolのようなコネクターがあれば、クラウドサービスとオンプレミスアプリケーションとの間に透明性が担保される、ということの好例だ。ユーザにとっては、Googleが自社のサービスで提供している高度な管理を通してオンプレミスを使えることも魅力だ。

Googleは今、Amazon Web Services(AWS)が何年も前から提供している機能を急いで揃え始めている。CloudSQLサービスのコア部分のローンチは今年の6月だったが、AWSがMySQLサービスをローンチしたのは2009年、そして2012年にはOracle Databaseのサポートも開始した。

問題は料金だ。InfoQのブログ記事によると、AWSのRDSは“時間料金ではGoogleのCloud SQLよりも安いが、データのストレージや転送の料金など、ほかの費用も検討する必要がある”、ということだ。

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TC Tokyo早割チケットは本日18時終了……その前に(ほぼ)出揃った講演者をダイジェストでご紹介

きたる11月11日、12日に東京・渋谷で開催する1年に1度のスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2013」まであと10日余りと迫ってきたが、トークセッションが行われる2日目にご登場いただくスピーカー陣が(ほぼ)出揃ったので、改めてダイジェストでご紹介したい。そして、早割チケット(通常1万5000円が1万円)の販売が本日10月31日18時に終了するので、購入を迷っている方はぜひともご検討いただければと思う(タイムテーブルはこちらから)。

TechCrunch Tokyo 2013のチケット購入はこちらから→

ウェアラブルの中心で、未来を叫ぶ

Telepathy創業者の井口尊仁氏とFirsthand Capital Management最高投資責任者のKevin Landis氏

さて、2日目のオープニングセッションを飾るのは、「Google Glass対抗」としても注目を集めるメガネ型ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発するベンチャー、Telepathy創業者の井口尊仁氏と、同社に投資したFirsthand Capital Managementの最高投資責任者であるKevin Landis氏だ。ここではシリコンバレーを拠点に活動する両者にウェアラブルデバイスが実現しうる未来について語っていただく。

Telepathyの井口尊仁CEOが語るウェアラブル革命、TechCrunch Tokyoで登壇へ

ソーシャル貸部屋サービス「Airbnb」に学ぶ国境の超え方

Airbnb

午前の部ではさらに、容量無制限をうたうクラウドストレージを手がけるBitcasaのCEOであるBrian Tapitch氏、世界で1500万サイトが利用するウェブサイト構築サービスを提供するWeebly共同創業者兼のDavid Rusenko氏、家の空き部屋を提供する人と、宿泊場所を探す人をマッチングするサービス「Airbnb」をアジア太平洋地域で展開しているOle Ruch氏など、米国発の注目スタートアップが続々と登壇してくれる。

容量無制限のクラウドストレージ、BitcasaのCEOがTechCrunch Tokyo 2013に登壇決定!
Weebly創業者のCEOがTechCrunch Tokyoに登壇! 1500万サイトが利用するYCの優等生
TechCrunch Tokyo 2013にAirbnb、Tinderから海外スピーカー来日が決定!

楽天はなぜ「Viki」を買収したのか? 米TechCrunch共同編集長が公開取材

Viki

ランチを挟んでからは、世界各地のユーザーが字幕を付けた動画コンテンツを配信する“映像版Wiki”的なサービスを運営するVikiでCEOを務めるRazmig Hovaghimian氏と、GoogleやYahoo!を押しのけて2億ドルでVikiを買収した楽天から、取締役常務執行役員の百野研太郎氏にご登壇いただく。このセッションでは米国TechCrunch共同編集長のAlexia Tsotsisが、両者に公開インタビューを行う予定だ。

楽天は何故Vikiを買収した? 米TechCrunch共同編集長がTechCrunch Tokyoで両社にインタビュー

中毒者続出、全ユーザーの半数以上が毎日起動するLA発のデートアプリとは

Tinder

午後の部では、学生間で爆発的な人気を誇り、ユーザーの半数以上が1日に1度以上は起動するロサンゼルス発のモバイルデートアプリ「Tinder」、CNNやBloomberg、そして実はTechCrunch Japanも導入している外部コメントシステム「Disqus」、ウェブサイト作成サービスを手がけ、Dropboxを輩出したことでも知られるシードアクセラレーター「Y Combinator」に中国人として初めて採用された「Strikingly」といったプロダクトを手がけるスタートアップの創業者が続々と登壇してくれる。

TechCrunch Tokyo 2013にAirbnb、Tinderから海外スピーカー来日が決定!
CNNやBloombergも採用するコメントサービス「Disqus」の創業者がTechCrunch Tokyoで講演!
Y Combinator初の中国人卒業生、Strikingly創業者も来日講演!

1日目は現役CEOが集う「CTO Night」やハッカソンも

内容が目白押しの2日目だが、初日となる11月11日には、約100社の中から選ばれたスタートアップ25社がステージ上でプロダクトを競い合うスタートアップバトルの予選(決勝は2日目)、最優秀プロダクトの開発者に賞金30万円が贈呈されるハッカソン、現役のCEOを対象にしたイベント「CTO Night」もあるので、スタートアップ関係者やエンジニア、CTOの方々との人脈を広げるチャンスにしてほしい。

ハッカソン参加のお申し込み(無料)はこちらから→

CTO Nightのお申し込み(無料)はこちらから→

大事なことなので2度言います

通常1万5000円のチケットを1万円で販売する早割キャンペーンは本日、10月31日18時まで。大事なことなので2度言ったけど、迷っている方はぜひ購入していただければと思う。

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中小企業に自己機ホスティングのプライベートクラウド環境を提供するSher.ly, セキュリティは完璧

Sher.ly〔女の子の名前〕なんて、ジョークサイトか? いや、違う。このポーランドの企業は、中小企業の手持ちのマシンをセキュアで常時稼働のクラウドに変える。このエンタプライズ向けソリューションは、ファウンダのBlazej MarciniakMarek Cieslaが頑張ったおかげで、一部の読者も想像したと思うが、実装がきわめて容易である。

“それは常時動いているが、アクセスはスマートで、必要なデータを必要なときだけシンクして必要な人にアクセスさせる。自動的無差別的なシンクはしない”、とBlazej Marciniakは言う。“大きなファイルやモバイルでシンクするのは無意味だ。自分だけのストレージとネットワークを使い、よそでは何も共有しない。だから、Sher.lyは本質的にセキュアだ。データとトラフィックは暗号化され、アクセスは招待制のみだしね”。

彼曰く、“われわれはパブリッククラウドを信用しない”。

同社は2012年の11月にGVN Technologyという名前で創業され、PrivacyProtectorというプロダクトを作った。でも、それに対して世の中は無反応だったので、若いスタートアップによくあるように、さっさと方向転換をした。およそ20万ドルの資金を調達して製品を作ったが。でもその出だしは厳しかった。

“金がなくなり、次のシード資金が決まるまでの3か月は文無しのまま操業した”、とMarciniakは言う。“残念ながらポーランドではほかの選択肢が何もなかったから、できるだけ早くアメリカへ行きたいと思った。そしてやっと、アメリカで会社とコネを作った”。

同社の小さなチームは今、新しい機能の実装とアプリケーション本体の改良に力を入れている。“時間が大きなプレッシャーで、毎日が真剣勝負だ”、と彼は言う。今のユーザ数は100、今日はOS Xバージョンをリリースした。今日はまた、本誌のDisruptで一般公開にこぎつけた。

Marciniakは次のように言う: “チームがしっかりしてれば、何でもできる。一人では何もできないね。すぐれたチームなら、国籍などはどうでもいい。使いやすくて、データのセキュリティが完璧ならね。うちの目標は、データデリバリに伴う不安や心配をゼロにすること、顧客が自分たちの仕事だけに集中できる環境を作って提供することだ”。

〔ここにスライドが表示されないときは、原文を見てください。〕

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苦闘するIBM―もはやクラウドのキングではない

先週発表された第3四半期の決算報告によれば、IBMはレガシー・ハードウェア事業の不振とクラウド・サービス戦略の迷走に苦しめられているようだ。

ハードウェア事業の売上は17%ダウンし、売上は10億ドル減少した。2013年に入ってから9ヶ月の売上は721億ドルと2012年同期の752億ドルから4%のダウンだ。ソフトウェア事業も絶好調とはいえない。今期、ソフトウェア事業の売上高は1%アップしただけだった。株価も2年ぶりの安値を付けた。

ハードウェアを売りながら同時にクラウド・コンピューティング事業を続けようとするところにIBMの抱える問題がある。この戦略を取る限り、IBMはオンデマンドでセルフサービスのソリューションを提供することはできない。Amazon Web Servces (AWS)はハードウェアを売らないことによって成功を収めている。もちろんオンプレミスのインフラにはまだ莫大な需要があり、IBM、Cisco、Dell、HPその他の企業を潤している。

IBMはこの5年ほど、大企業向けに「プライベート・クラウド」を提唱してきた。このシステムにはオンプレミスで垂直統合タイプのソフトウェアが搭載される。こうしたプライベート・クラウドはマルチテナントで経済性、柔軟性が高く、クラウドサービスのあらゆる利点を享受できるというのがセールストークだ。しかし実態はというと、ユーザーはこのシステムを購入し、データセンターにインストールし、IT部門がメンテナンスしなければならない。要するに今までの社内データセンターを模様替えするに過ぎない。

Charles FitzgeraldのIBM評が的確な描写だ。

IBMの根本的な問題は、ディスラプト〔現状を破壊〕するテクノロジーではなく、ディスラプトされたテクノロジーばかり提供しているところにある。IBMへの依存は致命的な危険を招きかねない。

分散インフラストラクチャーの場合、ユーザーは自前で、多くの場合IT部門の助けなしでクラウド・コンピューティング上でビジネス・システムを稼働させることができる。しかしIBMのテクノロジーでそういうことができそうには思えない。ユーザーは自分でマシンを購入するか、どこかのホスティング・サービスと契約する必要がある。それからIBMからソフトウェアを購入しなければならない。そして運用のためにIT部門が必要だ。

一部の超巨大企業を除いて、クラウドサービスの方が安くつくのは明白だ。ユーザーは毎月従量制の料金を支払うだけでよい。インフラへの投資はクラウドサービスのプロバイダが負担する。この方式は以前から存在するが、価格の低下は破壊的なペースだ。スタートアップやデベロッパーはAWSのようなサービスをベースに次々に新たなサービスを生み出している。それに反してIBMが惹きつけているのはデベロッパーではなく企業内IT部門だ。

ただしIBMはある分野では依然としてリーダーだ。 調査会社のIDCによれば、IBMはクラウド・ソリューションの専門的インテグレーション・サービスとしてはナンバーワンだという(下図)。

IBMのある広報担当者は「この分野ではAWSはIDCのランキングに入ってさえいません!」と勢いこんでメールしてきた。それはそのとおりだが、AWSはインテグレーション・サービスのリストに入らないように全力を尽くしてきたからだ。そもそもオンデマンドのセルフサービスをモットーとするのだから当然のことだ。AWSはシステム・インテグレーションはユーザー自身、あるいはユーザーのコンサルタントに任せている。

IDCの図とは対照的に、Gartnerの図ではAWSが突出した市場リーダーであり、IBMはその対極にいる。

もっとも来年はIBMの位置は上の図より改善されているだろう。この夏、SoftLayerを20億ドルで買収したからだ。SoftLayerはIBM Smart Cloudに統合されるはずだ。第3四半期にIBMはクラウドサービスで4億6000万ドルの売上を記録している。このうちSoftLayeの分がどれほどになるかは分からないが、.現在すでに相当の寄与をしていると思われる。

IBMは来年もSoftLayerに独自に事業を実施させる方針だというが、451 Researchの調査ディレクター、 Michael Cotéは「これは賢明だ」としている。SoftLayerはHadoopやVMwareのみを作動させるサーバーなどを提供しており、人気がある。しかし問題はIBM自身が新しい、長期的に有効なクラウドサービス戦略を立てられるかどうかだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


グループでの写真共有やアルバム管理を簡単にするCluster、いよいよAndroid版も登場

写真共有アプリケーションを提供しているClusterAndroid版が登場して、より便利に使えるようになった。

ちなみにClusterは今年の夏、Instagramに初期から投資していたBaseline VenturesのSteve Andersonの主導によるラウンドで160万ドルの資金を調達してもいる。アプリケーションの機能としては、以前から提供されているiOSアプリケーションと同様で、簡単にフォトコレクションを作成して他の人に見せたり、写真を投稿してもらったり、あるいはプライベートで共有したりすることができる。

Clusterが最初に登場したのは2月のことで、まずはiOS版がリリースされた(そういうアプリケーションは多い)。以来、コメント機能、共有機能などを追加したり、デザイン面のアップデートを行ったりしている。

Android版の方でも、使い勝手はiPhone版とほぼ同じであるようだ。「new」をタップすれば新しいアルバムを作成することができる。そして「event」か「topic」のどちらを目的とするアルバムなのかを指定する。誕生日や結婚式、パーティーやバケーションについてのものなのか、それとも何かのテーマについて、特定のイベントとは関係なく綴っていくのか(たとえばペットの写真など)で区別するわけだ。

写真を登録する際は、登録する写真と同じ日付ないし同じ場所で撮った写真が一括で選択されるようにすることもできる。これはアルバム作成の手間を大いに減らすことに繋がる。たいていのアプリケーションでは、追加する写真をひとつひとつ指定する必要がある。派手さはないが、本当に便利な機能だと思う。

アルバムを作成すれば、寄稿者もワンタッチで登録できる。追加以来はメールないしテキストメッセージで行う。また、多くのソーシャルアプリケーションが自分友だちスパムを送るようになってしまった中、友だちの招待をClusterに任せるのか、それとも自分で行うのかを選ぶことができるようになっている。これは昨今のアプリケーションとしては「良心的」と言えるかもしれない。また、アプリケーション内から招待通知を送るのか、それとも招待コードを発行しておいて、後ほどFacebook経由やメール、あるいはサイトへの投稿あるいはテキストメッセージ経由で招待することを選択することもできる。

もちろんAndroid版で、iOS版の機能を全て実装したというわけでもない。しかしアルバムを作ったり、あるいは知り合いの招待を受けて、アルバム作成に参加したりということは問題なく行える。個人的には、近しい友人や家族と写真を共有するのに、Flock(今やGoogleに買収されたBumpのプロダクト)を使っていた。しかしiOS版とAndroid版のあまりの違いにがっかりしていたりしたものだった。ことClusterについてはそのようなこともないようで、なかなか便利に使えそうな印象を持っている。

また、ウェブ上でのエクスペリエンスにも気を配っているのが興味深い。ウェブからも、スマートフォンと同様に、写真のアップロード、コメント、お気に入りへの登録などを行うことができるのだ。これも他の写真共有サービスが見落としているところではないだろうか。より多くの人に使ってもらうためには、多くの人が使っているプラットフォームで利用できるプロダクトを出す必要があるのだ。最新のデバイスを手に、最新機能への対応をせまるテック系の人も大事だが、シェアの大きな既存技術を放置していてもいけないのだ。

ところで私たちは日に日に、自らが生み出す写真コンテンツのボリュームに圧倒されるようになってきている。昨今では写真をFacebookのアルバムにまとめたりする人も減ってきていいる。友だちのためになるのならと苦労してまとめたものだったが、見てもらおうと思った人以外にもうっかり公開してしまうようなことも続出した。そこで、たとえばメッセージングアプリケーションを使ってごく限られた人と共有したり、あるいはInstagramのようなオープンなプラットフォームを使う場合は当たり障りのない写真のみをシェアするというようになってきてしまったのだ。そうした中で、写真共有を改めて楽しいものとしてくれそうなのがClusterだ。基本的にはごく近い人とのみシェアするようにしつつ、それをたとえばFacebookなどに公開して、より広い範囲のひとと共有するオプションも用意しているわけだ。

モバイルを主戦場とした写真アプリケーションということで、たとえばApp Store内だけを見渡しても競合は多い。また、AppleのiCloudやGoogle+、あるいはFacebookやYahooのFlickrなどという大手も「競合」になるだろう。さらに利用者拡大には資金が必要で、その大変さに道を見失うスタートアップも多い。さらには投資家たちが、消費者向けサービスへの出資を渋りつつあるという話もある。利用者の拡大がなければ、フォトブックやギフトなどというマネタイズの仕組みも実装できない。但し、使いやすい仕組みをモバイルおよびウェブ上で展開しているのは魅力だ。徐々に利用者も増えていくこととなりそうだ。

最近リリースされたAndroid版アプリケーションについては、こちらから入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H


Pinterest、いよいよPromoted Pin(広告Pin)のテストを開始(まずは一部利用者のみ)

Pinterestは先月、”Promoted Pin”という形での広告を導入するとアナウンスしていた。検索結果やカテゴリ表示画面でショップや企業による画像広告を表示するというものだ。そして本日、いよいよこの広告システムの実験を開始する旨のアナウンスがあった。ウェブ画面でも、モバイルアプリケーション上でも表示されるようになっているのだそうだ。

Pinterestは、ここしばらく個別のレコメンデーション機能や、価格表示機能操作アニメーションの追加多言語展開、多くの情報を含んだPinをするための開発者向け情報の充実等々を行ってきている。サービス自体のレベルをあげてきたわけで、そろそろPromoted Pinという形で広告を実装するのも、それなりの理解を得られる動きだと言えそうだ。

実装してきた機能は、業者やブランドなどが潜在ユーザーにアプローチしやすくなる機能であるとも言える。ボード上に魅力的なアイテムを並べていくことで、それらすべてが直接購入に繋がるわけではないにせよ、いろいろな広がりが増えてくる仕組みが展開されているわけだ。Pinのリッチ化(情報充実化)や価格情報の掲示、レコメンド機能などに加えて、いよいよPromoted Pinが導入されてきたわけで、また新たな展開が生まれてくることとなりそうだ。

Promoted Pinが表示されるのは検索結果やカテゴリ選択時の画面で、ここに普通のPinと同様な形で画像が表示されることとなる。いかにも広告風のバナーやポップアップではなく、純粋に利用者が興味に基いて出会った情報であるかのように表示される。

Promotional Pinの初期テストに参加している広告主についての情報は開示していない。但し、どうやらこの初期テスト段階では広告費用は発生していないらしい。ただ、実際の有料広告と同じ形でテストされているわけで、ここからPinterestとして有効性を確認し、そして今後の展開を考えていくということになる。

ちなみにこの広告テストは現在一部利用者に対してのみ実行しているもので、広告が全く表示されない利用者もいるとのことだ。

広告Pinのサンプルを上に掲載しておいた。Pin画像では、画像の説明および広告主へのリンクの下に「Promoted Pin」と記されている。ここに表示されている小さな「i」アイコンをクリックすると、「Promoted Pin」とは何かについての詳細情報も表示されるようになっている。

ファッションやギフト等、プロモーションが行われているのではないかと思われるカテゴリでいろいろと検索してみたりしたが、TechCrunchとしてはまだPromoted Pinを確認できていない。

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(翻訳:Maeda, H


Googleのインフラを模したクラウドオペレーティングシステムCoreOS をAndreessen HorowitzやSequoiaも支援

Y Combinator出身で、Linuxベースのクラウドオペレーティングシステムを提供するCoreOSが、Andreessen HorowitzとSequoia Capitalから資金を調達した。同社のプロダクトは、分かりやすく言うと、Googleが自社のクラウドインフラを構築し動かすために使っている独自のオペレーティング環境と機能的に相似のものだ。資金の額は公表されていないが、CEOで協同ファウンダのAlex Polviによると、金額は100万ドルと500万ドルのあいだだ。

2010年にCloudkickをRackspaceに売ったPolviによると、今回の資金は同社のオペレーティングシステムの違いとアドバンテージを顧客にアピールするために使っていく。オペレーティングシステム企業を航空会社にたとえると、Red Hatを古いタイプのユナイテッド航空(United Airlines)とすると、CoreOSは新しい格安航空会社サウスウエスト航空(Southwest Airlines)に相当する、という。強力なVCたちからの支援が得られた今後は、プロフェッショナルなサービスを充実し、また使いやすいインタフェイスを提供していきたい、とPolviは言っている。

CoreOSは軽量だが、大規模な展開に向いている。とくに、何千台ものサーバを分散管理する技術に関してはGoogleのChrome OSのやり方(後述)を参考にしている。UbuntuやRed HatDebianなどが、何年も前に開発され、サーバ数台から成る小規模な展開に向いているのに対し、CoreOSは今日の最大のニーズであるスケーラビリティを重視する。今のようにサーバ環境が複雑大規模になると、それらにちょっとしたパッチを当てることすら、たいへんな作業になる。しかしCoreOSでは、インフラのアップデートが自動的に行われる。それはちょうど、ChromeブラウザやChrome OSのアップデートが、ユーザが知らない間に行われるように。

CoreOSは、Linux用のアプリケーションコンテナDockerを使っている。これは、アプリケーションをクラウドインフラへ展開するためのツールとして、デベロッパたちのあいだで人気が盛り上がっている。Dockerはたとえば、アプリケーションのデータを、クラウドインフラを動かしているOS環境とシンクさせる、といったことを自動的にやってくれる。デベロッパが自分のデスクトップ上でやった仕事の結果が、Dockerによって自動的にシンクされアップデートされるのだ。

“このOSは小さくて軽いから、アドミニストレータが気にすべき要素がとても少ない”、とPolviは言う。“パッチも素早くやってのけるから、アドミンが実際に見るべき部分は最小限だ。通常は、単純に必要なものを展開するだけだ”。

CoreOSはリードオンリーなので、大量のサーバに対して、ポータビリティやアップデートの一貫性を維持できる。

CoreOsが参考にしたモデルは、Googleのオペレーティング環境だ。それは、従来の企業のIT環境とは相等に違っており、いろんな点で合理的かつ効率的だ。しかしRedMonkのアナリストDonnie Berkholzが、LinuxConの会場でぼくにこう言った: 今後CoreOsがぶつかる最大の難関が、企業における従来的な仕事のやり方だ。

PolviもBerkholzの意見に同意しているが、自分の方向性に関して自信を持っている。しかもAndreessenやSequoiaのような高名なVCが味方についたことは、鬼に金棒だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWS上のセキュリティ管理を視覚化して分かりやすくするDome9

Amazon Web Servicesのユーザインタフェイスを使っていると、このサービスが管理を拒む怪物に見えてくる。たとえばAWS上の数千のインスタンスの展開ステータスを見ることも至難で、手作業の部分が多い。

AWSの各インスタンスの展開の状況を視覚化して管理を容易にしようとする、新世代のインタフェイスがある。Dome9もその最新例の一つだ。同社が開発したClarityと呼ばれるツールは、AWS上のユーザ企業のセキュリティポリシーのビジュアルマップを提供する。そのために同社はAWSの仮想ネットワーク環境を視覚化し、AWSの仮想プライベートクラウドとセキュリティグループの構成を画像で見せる。

これは、AWS上で大規模な展開をしている企業にとって、とくに便利だ。そういう企業にとっては、インスタンスごとにセキュリティポリシーの状況を調べることがとりわけ難しい。そのための言語は謎めいているし、クラウドサービスを利用しているときには監視するポートの数も無限に近いと思われるほど多い。したがってセキュリティ担当のアドミニストレータは、毎日膨大な量のチェック作業に追われる。

とくに悲惨なのが、高度にエラスティックなAWSの環境を使っている成長著しいスタートアップやエンタプライズにおけるDevOpsやSecurityOpsの人たちだ。利用者の多いスタートアップのプライベートデータがパブリックになってしまっていたら、その影響たるやすさまじい。その企業のユーザのプライバシー保護がいい加減だった、ということになり、法廷沙汰になったり多量のユーザを失ったりする。

Dome9はすでに完成された企業で、Amazon Web ServicesやRackspace、Soft Layer(IBMが買収)、HP Cloudなどの上におよそ500の顧客がいる。競合企業はCloudPassageなどだが、セキュリティに限定されないもっと広い意味でのAWS視覚化サービスとしては、CloudCheckrCloudability、そしてNewvemなどがある。Newvemは先月、Datapipeに買収された。

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Google App EngineでのPHP利用がオープン化

Google App EngineにおけるPHPの扱いが「プレビュー」となった。招待制であったのが、完全にオープンとなったのだ。これにともなってPHPアプリケーションについても直ちに公開できるようになる。

Googleが4番めのランタイム限後としてPHPに対応したのは今年のGoogle I/Oにおいてのことだった。PHPは世界中で広く利用されており、Facebook、WordPress、そしてDrupalなどでも利用されている言語だ。

PHPへの対応を初めて以来、Googleではplug-in for WordPressや、またPHPを使ったファイルの読み書きの機能などを追加してきている。

PHP対応がオープンになったことで、開発者はGoogle App Engineを通じてPHPアプリケーションの開発、テスト、デプロイができるようになる。別の選択しとしては、これまでも使っていた人がいるであろうDevTableCodeEnvyを使い続けるという手もある。どちらも統合開発環境だ。また自前の開発環境があるのなら、ビルド、実行、デバッグまでを行ったのち、JetBrainのPHPStorm IDEを使ってGAEへのデプロイを行うこともできる。

Google I/OでPHPへの対応が発表されるまで、このPHP対応が最も多くリクエストされる機能だった。今回の「プレビュー」化も多くの人から歓迎されるアップデートとなるに違いない。

Web Technology Surveysによると、全ウェブサイトの81.2%でPHPが用いられているのだそうだ。但し、現在は急速な「モバイル化」ないし「クラウド化」などへ、さらなる真価を遂げつつある時期だとも言える。最近行われたZend PHP ConferenceにおいてもAPIモデル、ダイナミックなデータ構造、モバイル対応、クラウド内で完結する動作するアプリケーションについてに注目が集まっていた。

PHPに対応している他のPaaS環境としてはZendのPHP CloudJelastic、およびEngineYardなどがある。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon Web ServicesがCIAとNSAのクラウド入札競争でまたまたIBMに勝つ

Amazon Web Servicesは、IBMとの巨額な入札競争に勝って、合衆国諜報機関のクラウドインフラストラクチャを構築することになった。今日(米国時間10/7)公開された裁定の中で合衆国連邦請求裁判所Thomas Wheeler判事は、AWSはIBMと争っていたCIAとの契約を6億ドルで合法的に勝ち取った、と書いている。IBMにはこの裁定を上訴する計画がある。IBMは声明文の中で、同社の提供物の方が費用効果が高く、また同社には合衆国政府との協働における数十年の経験がある、と述べている。

会計検査院(General Accounting Office(GAO))が2月に、AWSはこの入札の基準をすべては満たしていないという報告を発表したため、このような抗争が生じた。IBMは入札過程に異議を唱え、GAOに契約の精査を求めていた。

CIAがGAOの推奨に従ったためAWSは、連邦請求裁判所に上訴した(7月)。CIAがGAOの推奨を受け入れなかった場合には、この問題は合衆国議会に回されるところだった。

なぜCIAがこのたび、GAOの推奨を拒否する決定をしたのか、それは不明だ。しかし同局が、AWSが提供する自動スケーリングとエラスティシティのため、AWSをベストチョイスとみなしたことは明らかである。

この敗退はIBMにとって大きな打撃だ。同社のインフラへの投資はかねてから大きいが、しかしそれでも、AWSと互角に立つことすらできなかったのだ。

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MicrosoftがAzureの合衆国政府専用インスタンスを発表, 次期CEOに関する質問には答えず

Yammerのサンフランシスコオフィスで今日(米国時間10/7)、MicrosoftのSatya Nadellaが、同社のクラウドプロダクトAzureの合衆国政府顧客専用のインスタンスを発表した。このプロダクトはこれまで”Windows Azure US Government Cloud”と呼ばれていたもので、単独のサービスとして合衆国国内でホストされ、合衆国の国民にしか管理できない。この発表の前には、Microsoftはそのプロダクトを政府に売るための特殊な認可をもらった、というニュースが流れた。

合衆国の政府顧客用のAzureは、最近相次いで暴露された政府諜報部門の、国民に対する密かなスパイ行為などに照らすと、強烈な皮肉だ。そういう悪いことをしている政府が、自分を守るためにAzureの特別のインスタンスを必要とするなんて、ブラックユーモアだね。

もちろん、Microsoftが悪いわけではない。同社はサービスを、それを必要とする者に売りたいだけだし、政府に売るためにAzureを手直しする必要があったとしても、べつに問題はない。テクノロジに関していつも遅れてばかりいる政府部内で、クラウドの需要がどれぐらい大きいのか分からないけど、今度調べてみよう。

同じ席でNadellaはもう一つ、Skypeは再編成によりその多くのプロセスをAzureの上で動かせるようになった、と声明した。でも、たぶんいちばんおもしろかったのは、データセンターのグローバルな展開を伴うAzureぐらいのサイズのパブリッククラウドの構築費用は50から60億ドル、とNadellaが言ったことだ。相当高いハードルだ。ローカルなクラウドはもっと小額で立ち上げられるが、AWSやAzureの規模を達成するためには、“10億(billion)”のオーダーの投資が必要なのだ。しかも今後のパブリッククラウドの成長を支える、成長資金も必要だ。

Microsoftの今日の発表では、10月にHDInsight on Azureをリリースする。これはApacheのオペレーティングシステムのためのHadoopベースのサービスで、Microsoftの最近始まったばかりの、オープンソースへの傾斜の、また一つの現れだ。

今日行われたイベントは、Microsoftのエンタプライズ&クラウドグループのアップデート総合発表会(fusillade of updates and notes)と呼ばれる。Nadellaは次期CEOに関する質問をはぐらかし、Steve Ballmerは今でも”リッパに”同社のCEOだ、と言った。それを言ったあと彼は、瞬(まばた)き一つしなかった。

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名古屋を拠点とするクラウド請求管理「Misoca」のスタンドファームが3,000万円の資金調達を実施

TechCrunch Tokyo 2011にも出場した名古屋のスタートアップであるスタンドファームがインキュベイトファンドから第三者割当増資で3,000万円を調達した。スタンドファームが運営するのはクラウド請求管理の「Misoca」というサービスだ。

Misocaはオンライン上で請求書や見積書を作成・編集することはもちろん、これらを紙に印刷して郵送してくれる。郵送システムは自動化されているので、請求書の中身が人の目に触れることはないそうだ。

また、請求書の管理やPDFの作成・ダウンロードなどの機能は無料で利用でき、書類の検索や納品書の発行といったものは有料プランのみの利用となっている。郵送には1通あたり160円から210円ほどかかる。

Misocaには2011年11月のローンチ以降、約8,000の事業者が登録しており、今では毎月700以上の事業者が登録しているという。今月からはGMOペイメントゲートウェイと提携し、口座振替による代金回収サービスなどにも力を入れている。

今回調達した資金は開発力をあげるためにエンジニアを増やすことはもちろんだが、エンジニアのみのチームで運営しているため、マーケティングの人材も採用していくという。さらに、請求書だけではなく支払い明細書や領収書といった文章類を電子配信する「MisocaのWeb請求書」というサービスもクローズドで運営し始めており、こちらも強化していくようだ。

冒頭でも述べたようにスタンドファームは名古屋に拠点を置くスタートアップで、どうしても東京と比べると先輩の起業家に会ってアドバイスをもらう回数や自社にジョインしてくれそうな人達と出会う回数は減ってしまうだろう(スタートアップは開発だけに専念すればよいという意見もあるが)。

この点に関してスタンドファーム代表取締役の豊吉隆一郎氏は「地方でスタートアップすることにデメリットは多いと感じる」としているものの、「今ぐらいの規模まで持って来れたのなら地方でも特に問題はない」と考え、来月末に予定しているオフィスの移転先も名古屋で検討しているようだ。


AWSのパフォーマンスモニタリングで好調なStackdriverがシリーズBで$10Mを調達

Stackdriverは、クラウドから提供されるアプリケーションをモニタするサービスだが、今日(米国時間9/18)はシリーズBとなる1000万ドルの資金調達を発表した。このラウンドはFlybridge Capital Partnersが仕切り、既存の投資家Bain Capital Venturesと数名のエンジェル投資家が参加した。ボストンに本社を置く同社は、昨年シリーズAで500万ドルを調達したが、協同ファウンダのIzzy AzeriとDan Belcherが今月初めに語ったところによると、今回の資金は営業およびマーケティング努力の拡大と、分析サービスのタイプを増やすことに充てられる。

彼らによると、同社は新たな資金調達にそれほど熱心ではなかったが、昨年のシリーズAの完了以降に数社のVCからアプローチされた。すでに同社のサービスの顧客は相当増えていたから…約400社、有料顧客はSmugmug、99designsなど数十社…、今回のラウンドもやることに決めた。FlybridgeはMongoDBの初期の投資家でもあるので、今回のラウンドのリーダーとしてふさわしいと思われた。

Stackdriver自身は今のところAmazonのクラウドサービスのパフォーマンスの測定が主だが、起業時の目標は一般的なmonitoring-as-a-service、何でもモニタするMaaSだった。でも実際には、デベロッパはもっぱらパフォーマンスを気にする生き物であった。同社のファウンダたちによると、大きなチームが大量のリソースをパフォーマンスモニタリングに投じているところも多く、そういうところはモニタリングをStackdriverに任せて楽になるべきである、と。

Stackdriverはリソース単価8ドルで、パフォーマンスの測定結果を視覚化するダッシュボードを顧客に提供する。リソースとは、ひとつのデータベース、ひとつのEC2インスタンス、ひとつのDynamoテーブル、などなどのことだ。また同社のモニタリングアルゴリズムは、サーバの異状をデベロッパに警告する。サービスの利用料金は、10名未満の開発環境なら無料だ。

Smugmugのオペレーション部長Andrew Shiehが今日の声明文の中で、“Stackdriverが登場するまでは、ダイナミックな…動的にたえず変化していく…クラウド環境をモニタできるソリューションがなかなか見つからなかった”、と言っている。“今日ではStackdriverを利用することによって、弊社のシステムとインフラストラクチャのパフォーマンスを数百万のユーザが期待するレベルに維持できる。クラウドモニタリングのためのプロダクトを弊社で作るとしたら、まさにStackdriverと同じものになるだろう”。

既存の同種サービスに比べてとくに優れていると自負しているのが、アラートだ。これまでのデベロッパは4種類か5種類のモニタリングシステムを使っていたから、アラートが多すぎてアラート疲れになっていた、と同社は言う。

Stackdriverは目下AWSとパフォーマンスに絞っているが、今後は新しいツールも加えたい、と考えている。たとえばユーザは、コストのモニタリングもしたい、と望んでいる。また、外部リソースについてもモニタしたい。ただし同社のチームが前から考えていたスレッド検出ツールは、当面棚上げとなっている。

AWSのほかに、Rackspaceのクラウドのモニタリングも提供しているが、利用者は同社の全顧客の中でごく少数であり、だから、こんな記事など向けにあまり強く謳うべきではないと考えている。

〔参考: 関連記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWSの脆弱性に起因するセキュリティ問題を自動的に検出/報告するJumpCloud

JumpCloudが今日(米国時間9/9)のTechCrunch Disrupt San Franciscoで、クラウドサーバ、中でもとくにAmazon Web Services(AWS)の深刻な脆弱性から身を守るための新しい方法をローンチした。

これまで非公開ベータだったこのサービスは、マシンデータを分析する新しい方法によって、ユーザのクラウド展開に関する通知やアラートを生成する。

AWSのサーバの、セキュリティの脆弱性は主に、旧来からのプロセスモデルに由来する。それは、今のソーシャルネットワークが使っているような、ユーザ名とパスワードを用いるモデルだ。したがって攻撃が日常的に頻繁に起こり、ときには壊滅的な結果をもたらす。

JumpCloudのサービスは、ユーザ管理にパフォーマンスチェックとアラートを組み合わせる。このサービスの管理プラットホームを介してユーザを保護し、そこにアドミニストレータのクラウドサーバキーを保存する。このプラットホームがパスワードの処理を抽象化し、顧客のサーバ上で小さなソフトウェアを動かすことによって攻撃を防御する。このようにしてユーザのサーバ上でエージェントを動かす方式は、New Relicがアプリケーションのパフォーマンス管理に使っている方法とほぼ同じだ。エージェントはサーバのデータを記録し、ネットワークの負荷に不審なスパイクが生じた、などの異変を監視する。

JumpCloudのCEO David Campbellは曰く、“New Relicがパフォーマンスのモニタリングのためにやっていることを、うちはセキュリティのためにやっている”。

このサービスは、ログ監視サービスLoggly日本語)にも似ている。Logglyは、サーバやルータなどのマシンからログデータ~監視データを集めて分析し、アドミニストレータにインフラの現在の稼働状況を見せる。JumpCloudはただデータを集めるだけでなく、それらに対して付加価値的な分析を行い、ノイズの中に有意な信号(往々にして危険信号)を見つける。たとえばサーバの負荷が一時的に急増したら、JumpCloudはそのことを信号として検出する。

“クラウドのデータをすべて分析して、ユーザが対応すべきアラームだけを提供する”、とステージ上のCampbellは言った。

ユーザはJumpCloudをPuppet日本語)やChefと組み合わせて使用し、自分のサーバをJumpCloudのデータセキュリティネットワークに自動的に加えることができる。つまり、会社がローンチするすべてのイメージが、最初からセキュリティを組み込み済みになる。

AWSは世界でもっとも多く使われているクラウドサービスだから、 JumpCloudにとっても大きな市場になる。でも、同社にとっての問題は、NSAのスパイ事件があって冷水を浴びせられたにもかかわらず、クラウドは伝統的にセキュリティに甘いプロバイダやユーザが多い世界だ。

たとえば、アドミニストレータによるパスワードの管理もルーズだ。AWSでは、公開鍵をAWSが持ち、秘密鍵をユーザ企業が持つ方式だが、Campbellによると、10社中9社が、秘密鍵(パスワード)を一度も変えたことがないし、システムにそのまま載っていることもある。もちろん、攻撃者にとっては、すごく見つけやすい。

問題の深刻さを調べるためにCampbellのチームは、ソーシャルネットワークから得た情報を利用してクライアントサイドのの攻撃を試みた。アドミンにおいしそうなリンクを提供して、それをクリックしたらCampbellらが仕掛けたサイトへ行く。Campbellらはそこで得た犠牲者の認証情報をもとに、顧客のサイトにアクセスして秘密鍵を盗むことができた。この攻撃の成功率は100%ではなかったものの、クラウドユーザにおけるセキュリティのルーズさが、相当なものであることが分かった。

アドミンたちは、内部的な問題を解決するためにオープンソースのツールを利用することが多い。CampbellによるとDevOpsのプロたちは、そういうその場しのぎのやり方ではなく、自分たちの仕事とユーザ体験を阻害しないような、より総合的/自動的な問題解決を望んでいる。

そこでJumpCloudのやり方は、DevOpsたちのアンチセキュリティな文化をそのまま容認している。つまりそれは、彼らがセキュリティに対してそれほど意識的にならなくても、問題を自動的に見つけてくれる方式だ。だからデベロッパたちは以前と変わらず、彼らが伝統的に重んじる文化、すなわちデータの自由な流れと、開発工程のスピードを、重視し享受できるのだ。

同社のサービスはフリーミアムなので、ベーシックなユーザ管理とパフォーマンスの監視、およびセキュリティのアラートのセットは無料だ。リアルタイムのアラートや、自動修復、問題の原因解析などを含むと、有料になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


日本のリクルート、アウトソーシングのオンライン市場Freelancer.comを4億ドルで買収か?

〔この記事はMahesh Sharmaの執筆〕

日本の人材紹介とメディアの大手、リクルートは このところ上場準備に忙しかったようだが、最近、再び企業買収に積極的になっている。昨年のIndeed.comの買収から1年後、先月はインドのNuGridを買収した。人材募集のポータル、Indeed.comの買収金額は公表されていないが、11億ドルだったとされてる。

事情を知る情報源によれば、リクルートは短期業務をアウトソースするオンライン・マーケットのFreelancer.comに対し、4億ドルで買収する申し出をしたという。Freelancer.comの買収は、Indeed.com買収の際と同様、Morgan Stanleyがアドバイザーを務めているという。Freelancer.comはこの申し出を考慮中ということだ。

Freelancer.comは、ウェブサイトのデザイン、アプリの開発、情報収集、記事の執筆といったプロフェッショナルな業務を入札方式でアウトソースすることができるオンライン市場だ。業務請負の登録者880万人で、これまでに完了した業務は総額12億ドルにもなると発表されている。

Feelancer.comはオーストラリアのスタートアップだが、そのネットワークは世界に広がっており、特に北米、東南アジア、インドに多数のアウトソース先を持っている。また昨年はカナダのScriptlanceを買収し、デベロッパーのアウトソース市場のvCoderに数百万ドル分の業務を発注している。.

Freelancerは売上など財務内容を公表していない。リクルートの売上は100億ドル前後とみられる。この買収が成功すればリクルートはアウトソース市場、特にアメリカなど英語圏の市場で大きな足場を築くことになる。

リクルートは海外での売上を全売上高の50%にまで高めることを目標としている(Indeed.comの買収以前の海外売上は4%だった)。また近い将来株式を上場する計画だ。リクルート・グループの傘下には人材募集、eコマースから旅行、美容、教育など多分野にわたる出版社など80の企業が存在する。

上でも述べたようにリクルートは最近M&Aを活発化させている。8月にはインド最大のエグゼクティブ転職サービスのNuGridを買収(金額は不明)、4月にはアジア最大のエクゼクティブ転職サービス、Bo Leを完全子会社化した。Indeed.comの買収を発表したのは昨年の9月25日だった。

われわれはリクルートとFreelancer.comの両方にコメントを求めている。新たな情報が得られたらアップデートする。

〔日本版〕Freelancer.comでテープ起こし業務をアウトソースした体験がこのブログ記事に詳しく載っている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+