ファーウェイがバグ発見褒賞会議を開催、ミュンヘンにハッカーを集める

中国のテクノロジー大手のHuawei(ファーウェイ)は、今月下旬にミュンヘンで開く秘密会議に全世界の優秀なスマートフォンハッカーを招き、各国政府の同社に対する懸念を払拭しようとしている。

TechCrunchの情報筋によると、その11月16日の会議でファーウェイは、新しいバグ褒賞事業を非公開で提示する。それにより、セキュリティの脆弱性を指摘した研究者には賞金が贈られる。情報筋によると、そのバグ褒賞事業は過去と未来のモバイルデバイスを対象とし、またAndroidに対抗する同社製モバイルオペレーティングシステムであるHarmonyOSも、バグ発見賞の対象になる。

Apple(アップル)やGoogle(グーグル)、Samsung(サムスン)など、そのほかのスマートフォンメーカーにもバグ褒賞制度がある。

ファーウェイの新しいバグ発見褒賞制度は、同社と中国政府との関係に対する批判が最近ますます高まっていることと関係がありそうだ。同社が中国政府のためにスパイ行為をしているという米国の主張をファーウェイは否定しているが、それでもなお連邦政府は制裁と米国での事業に対する制限を解こうとしない。同社に対するこのような圧力の中で、グーグルなどはファーウェイに対する同社スマートフォンに使われていたAndroidのサポートを停止し、そのため同社は独自のOSを使わざるをえなくなった

ある情報筋はこのイベントを、アップルが8月に主催した秘密会議に似ているという。そこではiPhoneをハックしてセキュリティの弱点を見つけたセキュリティ研究家に、特別製のiPhoneが贈られた。

情報筋によるとファーウェイのバグ褒賞会議の目的は、セキュリティ研究者たちと同社との積極的な協働ぶりを各国政府に見せつけることにある。ファーウェイは通信企業が使用するネットワーキング機器も作っているが、これに関しては今年初めに英国の政府当局から、同社は国のセキュリティの脅威にはならないと主張しながら、深刻で意図的な欠陥を直そうとしないと批判された。

ファーウェイのスポークスパーソンであるChase Skinner(チェイス・スキナー)氏は、コメントの求めに応じなかった。

関連記事:米通信委がファーウェイとZTEの設備排除を通信会社に要求へ

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IntelとBaiduがニューラルネットワーク訓練専用プロセッサーでパートナーシップ

米国時間7月2日、Baidu(バイドゥ)が北京で開催したAIデベロッパーのためのCreateカンファレンスで同社とIntel(インテル)は、後者のニューラルネットワークを訓練するためのチップNervana Neural Network Processorでパートナーすることを発表した。名前から明確に分かるように、この開発途上のチップ(NNP-Tと略称)は、大規模なディープラーニングを実行するニューラルネットワークを訓練するための専用プロセッサーだ。

NNP-Tに関するBaiduとIntelのコラボレーションにはこのカスタムアクセラレーターのハードウェアとソフトウェアの両方が含まれ、それらが確実に、BaiduのディープラーニングフレームワークPaddlePaddleに向けて最適化されているように図る。Intelはすでに、Intel Xeon Scalableプロセッサーの上でのPaddlePaddleの最適セットアップで協力しているが、今回のパートナーシップはそれを補完するものになる。NNP-Tの最適化は、ニューラルネットワークの分散訓練にフォーカスしたPaddlePaddleのアプリケーションをとくに対象とする。それにより、他のタイプのAIアプリケーションも完成させる。

IntelのNervana Neural Network Processor系列は、同社が2016年に買収したNervana社からその名前を受け継ぎ、Nervanaの元CEO Naveen Rao氏が率いるIntelのAIグループが開発した。NNP-TはAIの訓練用に特製されていて、データセットの取り入れとジョブのやり方の学習に用いられる。また今年のCESで発表されたNNP-Iは、推論専用である。すなわち学習の結果を利用してさまざまなAIの仕事そのものを行う。

NNPがデビューしたのは2017年で、第1世代のチップは現在、ソフトウェア開発のプロトタイプ、および、パートナー向けのデモハードウェアとして利用されている。そして、最新のいわゆる「Spring Crest」(春の最盛期)世代は今年、プロダクション向けに利用可能となる。

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Huaweiのファウンダーは強気、“アメリカがうちを潰すことは不可能”

アメリカに負ける気のないHuaweiのファウンダーは、“アメリカがうちを潰すことはありえない”、と公言した。

同社を通信企業として1987年に立ち上げたRen Zhengfeiは、公(おおやけ)の声明などをあまりしない人物だが、BBCのインタビューに珍しく応じ、アメリカ政府からの圧力がますます強くなりつつあるが、そんな中で同社の事業は強力に伸びている、と強気に語った。アメリカ政府は、同社のイランとの取引を犯罪と見なしている。その告発により同社CFO Meng Wanzhouは、カナダを旅行中に拘束された

RenはBBCに、通訳を介してこう語った: “うちには他よりも進んだ技術があるので、世界中がHuaweiを必要としている。今後より多くの国を、一時的にうちを使わないよう説得できたとしても、それによる弊社の事業規模の縮小はごくわずかだ。アメリカがうちを標的にしつづけて、うちを悪者扱いすればするほど、うちは製品とサービスをますます改良せざるをえなくなる”。

Renは、近くアメリカに引き渡されるかもしれない娘のMengの逮捕について、“それは受け入れ難い政治的動機に基づいている”、と言う。

Renは曰く: “Meng Wanzhouが自由を失ったことによる、Huaweiの事業へのインパクトはまったくない。むしろ、この間にもさらに成長の速度は上がっている。彼女を逮捕すればHuaweiはこける、と考えたのかもしれないが、こけるどころか前進を続けている”。

めったにインタビューに応じないHuaweiのファウンダーRen Zhengfeiが、アメリカ政府からの圧力と同社のCFOである彼の娘のカナダでの逮捕についてBBCに語った。

法律は政府と政府契約企業によるHuawei製品の使用を禁じている。それには一連のネットワーキング機器とインフラストラクチャ、およびスマートフォンが含まれる。そして同盟国にも、これに従うよう説得している。オーストラリアニュージーランドおよび日本がこれに従った。日本は12月にHuaweiとZTEの機器を禁じ、オーストラリアとカナダ、ニュージーランド、およびイギリスの諜報部門のトップ(Five Eyesのメンバー)は、2018年の終わりに同様の合意に達した、と言われている

しかし今週Huaweiは、その決定の執行猶予を勝ち取った。Financial Timesによると、イギリスの情報部門のトップは、スパイ活動に関する懸念(アメリカはHuaweiを北京のプロキシとして働いている、と非難している)は管理可能であると信じている。これによってイギリスの通信事業者は、自由に中国企業と協働して彼らの5Gネットワークを構築できることになる。

この明白な信任票は、アメリカの立ち位置と鮮やかなコントラストをなし、Huaweiはイギリスにおける事業活動とプレゼンスを強化できるだろう。

RenはBBCにこう語っている: “うちはイギリスで投資を続けるし、依然としてイギリスを信頼している。イギリスも、うちを今以上に信頼してほしい。今後イギリスで投資を増やすのは、アメリカがうちを信頼しないのなら、投資をイギリスへ、もっと大規模にシフトせざるを得ないからだ”。

イギリスの心変わりは、かなりのサプライズだ。アメリカからの圧力でVodafoneはHuaweiからの調達を休止したが、昨年発表された政府専門委員会の報告書は、“〔製品を買わないことによって〕イギリスの重要なネットワークへのHuaweiの関与による、イギリスの国家レベルのセキュリティリスクが十分に軽減されたとする確証は、きわめて限定的なものである”、と言っている。

関連記事: Without proof, is Huawei still a national security threat?…証拠がないのにHuawaiは国のセキュリティの脅威か?(未訳)

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Canadaの通信大手Telusが信頼できるパートナーと呼び反Huaweiの壁に風穴

Huaweiをめぐるアメリカと中国の緊張関係で世界中の通信企業が岐路に立たされているが、先週、ある一社が声を上げた。カナダの大手電話企業のひとつであるTelusが、セキュリティへの懸念で全世界からの逆風にさらされている同社の中国のパートナーHuaweiに対する、支持を表明した。

Globe and Mailが入手したTelusの役員の署名入り内部メモはこう言っている: “Huaweiが、世界のトップに位置するイノベーションと包括的なセキュリティ技術、およびソフトウェアの最新アップグレード等により、カナダの通信業界の有能で信頼に足る一員たりうることは火を見るよりも明らかである”。

バンクーバーに本社のある同社を含めカナダの通信企業数社が、Huwaeiの技術により5Gのシステムを構築する気だった。5Gは、モバイルの通信を高速化するだけでなく、応答性の良い自動運転技術や8Kのビデオストリーミングなどにも欠かせない重要な通信技術だ。本誌TechCrunchは今Telusにコメントを求めているので、得られ次第この記事をアップデートしたい。

アメリカは前から、この中国の通信機器メーカーが中国政府の子飼いであり、したがって政府の諜報活動に関わっていると懸念してきた。その懸念の高まりにより大統領のDonald Trumpは今年、HuaweiとZTEのボイコットを発議した、と言われる。またThe Wall Street Journalは先週、アメリカの連邦検事たちが企業秘密の窃盗罪でHuaweiの告訴を準備中、と報じた。

オーストラリアニュージーランドは共に、国内のプロバイダーがHuawei製品を使うことを禁じた。イギリスはHuawaiを公式に禁じてはいないが、当局はその態度を決めるよう圧力を受けていると言われる。

Canadaは、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、およびアメリカと共に諜報共有ネットワークFive Eyesに加わっており、5G展開の前のセキュリティレビューを今行っているが、アメリカから、次世代技術の構築にあたってはHuaweiを排除するよう迫られている。

関連記事: 米、政府内でのHuaweiやZTEの機器使用を新国防法で禁止

中国はこれまでの数か月一貫して、同国の至宝的テクノロジー企業に対するスパイ容疑に反論してきた。先週は、在カナダ大使Lu Shayeが、世界最大の通信機器メーカーをブロックしたらその反動が起きる、と警告した。

Luは記者会見でこう述べた: “カナダがアメリカやオーストラリア、ニュージーランドと同じ決定をすることをつねに懸念してきた。このような決定は、その非難に根拠がないので公正ではない。Huaweiを5Gのネットワークから排除した場合の結果について具体的な想定はできないが、何らかの結果が生ずることを確信している”。

先週はまた、HuaweiのCEO Ren Zhengfeiが珍しくも国際的なメディアのインタビューに登場して、彼が1987年に創業した企業に対するセキュリティ関連の非難を否定した。そして中国企業を排除したらアメリカの非都市地域における高速ネットワークの整備が後れるだろう、と警告した。

“Huaweiがそれに関わることができなければ、地方における通信費用が非常に高いものになるだろう”、とRenは主張した。“これからは多くの国がHuaweiに対し、5G製品を禁ずるのではなく売るよう、自ら進んで求めるだろう”。

Huaweiをめぐる騒動は、アメリカと中国の間の貿易戦争とその硬直化の一環でもある。それによって、国防をアメリカに依存している国と、安いだけでなく技術的にますます優秀になりつつある中国からの投資に経済を依存している国の両方に、影響が生じている。

カナダは、アメリカ当局からの要望に応じて、Renの娘でもあるHuaweiのCFO Meng Wanzhouを拘束したため、係争当事者であるニ大国の板挟みになっている。ホワイトハウスにとっては、今月末という容疑者引き渡し期限が迫っている。一方、カナダの首相Justin TrudeauとTrump は中国政府に、Mengの拘束速直後に拘留した二人のカナダ人の釈放を求めている。

画像クレジット: Huawei

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Googleが日本のAI/ML企業ABEJAに投資

GoogleがAIと機械学習を手がける日本のABEJAに出資した。Googleが直接、しかも日本で投資をすることは、とても珍しい。

投資額は公表されていないが、数百万ドルぐらいらしい。創業6年になるABEJAによると、同社のこれまでの調達総額は60億円(5300万ドル)だ、という。そしてCrunchbaseによると、同社が公開しているこれまでの調達額が4500万ドルだから、53-45=800万ドルになる。ただしこれには、Googleからの投資以外に2014年のシリーズA(これも非公開)も含まれているはずだ。

数字はともかくとして、この投資が注目に値するのは、Googleの日本における投資であるだけでなく、戦略的投資でもあるからだ。

ABEJAはこう声明している: “今後ABEJAとGoogleは、リテールや製造業など、さまざまな分野のAIとMLによるソリューションでコラボレーションして、AIソリューションのアプリケーションをより一層振興し、日本のAI産業の成長に貢献したい”。

同社の主製品は機械学習を利用する‘platform as a service, PaaS’で、現在150社あまりの企業顧客が、ABEJAを使って彼らのデータ集積から事業分析やさまざまな識見(インサイト)を開発している。同社によると、リテール向けの専用製品は顧客データと売上データに的を絞り、およそ100社に利用されている。

Google Cloud Japanの代表取締役(マネージングディレクター)Shinichi Abe(阿部伸一)は、次のように声明している: “ABEJAには強力な技術力とMLの専門的技能があり、そのコラボレーションの実績と、技術的ソリューションの効果的なデプロイメントで業界全般から高く評価されている。この投資は、リテールと製造業、およびその他の分野における革新的なソリューションで、ABEJAとのコラボレーションの道を拓くものである”。

Googleは、中国でAIと機械学習に大きく注力しており、昨年は北京に研究開発部門を開設した。しかし同社の研究とフォーカスの大半は、アメリカとヨーロッパが主力だ。Deep Mindの本社もヨーロッパにある。Googleは、インドシンガポールでもAI/ML関連の買収をしているが、それらの主な目的は、今後の成長市場における、Google製品のローカライゼーションだ。

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Apple、中国のApp Storeからギャンブルアプリを削除

Appleは中国で違法コンテンツの取締りを行い、「宝くじ」サービスを始めとするギャンブル関連アプリ数万点を削除した。

The Wall Street Journalによると、同社が削除したアプリは2万5000点に上る——この数字を最初に報じたのは国営放送のCCTV [リンク先は中国語]。Appleは削除したアプリの数についてコメントしていないが、行動を起こしたことは認めている。

「ギャンブルアプリは違法であり中国のApp Storeでは許されていない。当社はすでに多数のアプリを削除し、違法ギャンブルアプリApp Storeで配布しようとするデベロッパーを排除した。われわれはこうしたアプリを見つけだしApp Store上に存在させないために最善の努力を尽くしている」と広報担当者がTechCrunchに伝えた。

Appleは150万点以上のアプリを中国で提供している。中国、香港、台湾をあわせた大中華圏はAppleの世界で3番目のビジネス地域であり、最近の四半期に96億ドルを売り上げている。これは総売上の約18%にあたる。

削除措置が行われたのは、Appleがスパム、ギャンブル、ボルノなどの問題防止を怠り、アジアでのビジネス拡大に注力しているとの批判を、複数の国営メディアが報じてから数週間後のことだ。

そうした批判は、これらの問題を現在中国と米国の間で進行中の貿易戦争——その結果Qualcommは440億ドルのNXP買収を断念した——と関連付けているが、おそらく見当違いだろう。中国政府からコンテンツが不適切であるとして非難されているのはAppleだけではない。中国の数多くの有望スタートアップが圧力を受けている。

今年、意欲的なニューメディア企業、ByteDance——ニュースとビデオアプリを運営し、現在25~35億ドルの資金調達を求めて投資家と交渉中——が中国で運用していたパロディーアプリの中止を命じられた。さらに4件のニュースアプリとコンテンツアプリが、権力を冒涜しているとしてApp StoreとGoogle Playから削除された。ByteDanceはこれに呼応して、コンテンツ監視チームを倍増し、コンテンツをチェックする強力なシステムを開発している。

「一連のコンテンツは社会主義の中心的価値と一致しておらず、世論を良い方向に導くものではなかった。過去数年間、われわれはビジネスの拡大に資源を投入し、プラットフォームの監視に十分な対策を講じてこなかった」とファウンダー・CEOのZhang Yimingが、インターネット監視当局をなだめるためとおぼしき声明で語った。

一方Appleは、50件以上のVPNアプリをApp Storeから削除して中国政府にへつらっていることを批判されている。それらのアプリは中国のインターネット検閲システムを回避するために用いることができる。CEO Tim Cookは、中国の法律に則って削除したアプリがいずれ戻ってくると信じていると語ったが、それが起きるシナリオは考えにくい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

巨大AI企業SenseTimeがビデオ技術のMoviebookへ$199Mの投資をリード、その戦略的意図は…

SenseTimeは、45億ドルあまりの評価額で6億2000万ドルを調達し、評価額が世界最高のAI企業として知られているようだが、同社はしかし投資家でもある。この中国企業は今週、オンラインのビデオサービスをサポートする技術を開発している北京のMoviebookへのシリーズD、13億6000万人民元(1億9900万ドル)のラウンドをリードした。

Moviebookはこの前2017年に、シリーズCで5億人民元(7500万ドル)を調達した。今回のシリーズDは、SB China Venture Capital(SBCVC)が、Qianhai Wutong, PAC Partners, Oriental Pearl, およびLang Sheng Investmentらと共に参加した。〔SB==Softbank〕

SenseTimeによると、同社は投資と共にMoviebookとのパートナーシップも契約し、二社がさまざまなAI技術で協力していく。たとえば、エンターテインメント産業におけるAIの利用増大をねらった拡張現実技術などだ。

SenseTime Group Ltd.のオブジェクト検出/追跡技術が、2018年4月4日に東京で行われたArtificial Intelligence Exhibition & Conference(人工知能エキシビション&カンファレンス)でデモされた。このAIエキスポは4月6日まで行われた。写真撮影: Kiyoshi Ota/Bloomberg

声明の中でSenseTimeの協同ファウンダーXu Bingは、両社は、放送やテレビとインターネットのストリーミングなどからの大量のビデオデータを利用して、未来の多様な商機を開拓していく、と述べている。彼はまた、AIなどの新しい技術をエンターテインメント産業に導入していくことの持つポテンシャルを、強調している。

このような戦略的投資をSenseTimeが行なうのはこれが初めてではないが、今回がいちばん重要だろう。同社はこれまで、51VR, Helian Health, そしてリテールの巨人SuningからのスピンアウトSuning Sportsなどに投資している。

SenseTime自身は投資家たちから16億ドルあまりを調達しており、その投資家はAlibaba, Tiger Global, Qualcomm, IDG Capital, Temasek, Silver Lake Partnersなど、きわめて多様だ。

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GoogleがXiaomiとパートナーしてARCoreの技術を中国に持ち込む、水面下の中国市場拡大努力を継続中

Googleが、中国に戻る努力を強化している。今年初めには、同社の拡張現実/仮想現実技術ARCoreを中国のスマートフォンに実装する計画を発表したが、今週はその最初のパートナーがXiaomiに決まった。

最初その技術はXiaomiのMix 2Sに実装され、アプリはXiaomi App Storeから提供されるが、しかしGoogleは長期的には中国本土のパートナーをもっと増やしたいと考えている〔下図のgoo.gl/f6pyCnリンク〕。Googleの以前の発表によると、その方向ですでに決まっているパートナーはHuaweiとSamsungだ。

Googleのメインのサービスは中国でまだブロックされているが、ARCoreのアプリはデバイス上で完全にローカルで動くから、中国政府の検閲の手は届かない。

問題は、ソフトウェア自身よりもその配布だ。中国でGoogle Play Storeの利用は制限されており、サードパーティのAndroidアプリストアは、メジャーなものだけでも各地に計10以上ある。しかしXiaomiやHuaweiなどとパートナーすれば、彼らのアプリストアが使えるほか、アプリをデバイスにプレロードするやり方もある。そしてGoogleは消費者に到達できる。

ARCoreアプリの画面

ARCoreの中国でのやり方は秘かに潜行するタイプだが、それもまた、中国でのプレゼンスを拡大しようとするGoogleの継続的努力の一環だ。それはメディアが騒ぐようなGoogle Play Storeの蘇生ではなく、ほかの方面での努力の積み上げだ。

最近同社はTencentとパートナーして、中国のスタートアップたちに投資していくことになった。それらは、バイオのXtalPi、ライブストリーミングのChushouなどだ。そのほか、北京におけるAIラボも発表した。さらにGoogleは台湾におけるプレゼンスも大きく、とくに目立つのがHTCの部分的買収だ。そして‘ハードウェアのシリコンバレー’と呼ばれる深圳にもオフィスを開いた。

そして9月に上海では、同社としてはアジア初のデモデーを主催する。参加受付は、先週からやっている。

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Googleが中国にAI研究所をオープン、人材獲得で数多くの中国企業と競うことに

Googleが中国の北京にAIセンターを開くことを、公式に発表した。これまでの数か月、Googleは中国でAI方面の人材を多数雇用していたので、そんな憶測に火がついていた。

Googleの検索エンジンは中国でブロックされているが、それでも中国には数百名のスタッフを抱えていて、同社の国際的なサービスに配備していた。そのワークフォースに関連してAlphabetの会長Eric Schmidtは、“中国を去ったわけではない”と言ったが、今の中国はAI関連の人材の宝庫でもあるので、Googleがそれを無視できないのも当然だ。前のGoogle ChinaのトップKaifu Leeなどのエキスパートも、そのことを認めている。

しかしGoogle Chinaの一般社員と同じく、今回のAI関連の雇用も、Googleが中国で新しいサービスを立ち上げるサインではない。今年の初めには中国での珍しいプロダクト動向としてGoogle Translateを中国で可利用にしたが、それもやはり、それっきりのことで終わっている。むしろ北京に置かれるチームは、ニューヨークやトロント、ロンドン、チューリッヒなど世界中にいるGoogleのAI関連社員たちと協働することになる。

Google CloudのチーフサイエンティストDr. Fei-Fei Liが、中国のAIラボを発表するブログ記事で述べている: “AIとそれがもたらす福利には国境がないと信ずる。重要な進歩は、それがシリコンバレーで起きようと、北京で起きようと、世界のどこで起きても、すべての人の生活を良くするポテンシャルがある。AIファーストの企業であるわれわれにとっても、これはわれわれの全社的ミッションの重要な部分である。われわれは、世界最良のAI人材と一緒に仕事をして、その人材がどこにいようとも、それを達成したい”。

Liは元スタンフォード大学のArtificial Intelligence Labのディレクターで、1年前にGoogleに加わったときには、著名人のとても目立つ異動だった。彼女は、Jia Liと共に中国のチームを引っ張っていくが、そのJia Liの方は、Snapで彼女と一緒に研究部門いたときGoogleにスカウトされた。

その中国のラボはすでに“一部のトップタレントを雇用”しており、さらに20名を求人している

“GoogleのAI China Centerでは、自分たちの仕事を公開していくだけでなく、AIカンファレンスやワークショップのスポンサーになってAI研究のコミュニティをサポートし、活気ある中国のAI研究コミュニティと密接に協働していきたい”、とLiは言っている。

しかし中国ではBaidu, Tencent, Alibabaの三大大手のほかにも、意欲的な300億ドル企業のBytedance — ここはMusical.lyを10億ドルで買収 — や、急速に成長しているSenseTimeFace++など、AI人材の獲得をめぐっては競争がきわめて厳しい。果たして、Googleの勝算は…。

画像: Jon Russell/Flickr, CC BY 2.0のライセンスによる(画像は加工されている)

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PCやプレステのゲームもVRヘッドセットで楽しめるクロスプラットホームなゲームキットANTVRがKickstarterで資金募集中

Oculus RiftProject Morpheusなどが、仮想現実(virtual reality, VR)のヘッドセットを大衆化したことによって、ゲームの世界が変わってきた。でもそれらの大きな欠点は、それぞれ固有の規格のプラットホームであるため、それぞれのゲームの数が限られていることだ

この問題に対処するためにハードウェアスタートアップのANTVR Technologyは、オープンソースでクロスプラットホームな仮想現実ゲーム用のセット、 ANTVR Kitを作った。
“今のVRプロダクトには、これまでの主要なゲームプラットホームとの互換性がない。うちは、この問題を解決したいと思った”、とファウンダのQin Zhengが北京の同社で語った。

今はKickstarterで資金を募集中だが、目標額20万ドルに対して二日で86000ドル近くが集まった。セットのお値段は300ドルだが、Kickstarter上の説明によると、中国のハードウェアメーカーたちが近くにいるだけでなく、ANTVR Kitを広く普及させることが先決なので、原価で売ってるから安いのだ、という。Kickstarter上の資金募集キャンペーンは、2014年の6月23日が締め切りだ。

ANTVR Kitは、Oculus Riftのほか、PCやゲーム専用機のゲームと互換性がある。デスクトップコンピュータやXBox、PlayStation、iPhones、iPads、Androidデバイス、Blu-rayプレーヤーなど、HDMI端子のあるデバイスなら何でも接続でき、HDMI出力のないデバイスにはアダプタを使える。

ヘッドセットには1920×1080のHDディスプレイと、非球面レンズがある(ここがOculus Riftとの大きな違い)。Zhengによると、標準画面比率の画像を投射したとき、非球面レンズの方が歪みが少ないそうだ。メガネをかけたままでも装着でき、ワンステップの位置追跡により、プレーヤーがプレイ中にめまいを感じるのを防ぐ。

コントローラは変形可能で(右図)、開けばゲームパッド、閉じれば銃やライトセーバーやステアリングホイール(車のハンドル)などをシミュレートできる。


ANTVRはモバイルのゲームにも対応しているから、Candy Crushなんかをもっと没入的に楽しめるだろう。ただしZhengによると、いちばん合っているのはFPSとRPGだそうだ。

ANTVR Technologyはハードウェアをオープンソースにしているだけでなく、近くSDKも出すので、デベロッパがこのキット用のゲームを作れるようになる。

Zhengは曰く、“普遍的なゲームシステムを作りたいんだけど、でもあらゆる種類のゲームプラットホームとの互換性を持たせるのはとても難しい。 XboxとPCとPlayStationは大丈夫だけど、世の中にはまだまだいろんなゲームシステムがあるからね”。

“しかし、ほかのゲームシステムのデベロッパや、デバイスだけのデベロッパでも、うちのハードウェアのファームウェアを書き換えて独自の開発ができる”、と彼は付言した。

クロスプラットホームなVRヘッドセットは、True Player Gearなどほかの企業も挑戦しているが、まだ発売までは遠いようだ。

Zhengによると、ANTVRの場合は実動プロトタイプがすでにあり、来月は金型試験を開始する。そしてある程度量産できたプロトタイプを、初期の支援者たちに7月に送る予定だ。そのフィードバックに基づいて本番の量産向けの設計を完成させ、そのほかの支援者には最終製品を9月に出荷する。

以下の表は、ANTVR KitをOculus RiftやProject Morpheusと比較している。


ANTVRについてもっと知りたい人は、同社のKickstarterのページへ行ってみよう。

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