Facebookをやめる、という選択もありだ

プライバシー問題をめぐるFacebookの一連のスローモーション的対応をみて、多くの人が、おそらくあなたもFacebookの利用をやめようとか考えている。少なくとも、ソーシャルネットワークの活用方法を変えようとしている。我々にとっては幸い、ザッカーバーグにとっては残念ながら、Facebookをやめるのはかつて難しいものだったが、今ではそうではない。大事なことは、ソーシャルメディアはあなたが使うものであり、その反対、つまりあなたがソーシャルメディアに使われる、というものではないということだ。

誰かとやりとりをする、という役割にとどまらず、ソーシャルメディアは私たちの暮らしにすっかり浸透しているが、ソーシャルメディアをどのように使うか選ぶことは可能だ。それは素晴らしいことだ。社会規範やテクノロジーの進歩にとらわれることなく、私たちが自身の体験を自由にデザインできることを意味している。

この記事では、なぜソーシャルメディアの利用方法をコントロールをするのに今が適しているのかについて書く。Facebookにフォーカスするが、InstagramやTwitter、LinkedIn、その他のネットワークにもあてはまることだ。

イノベーションの失速は安定した商品を意味する

Facebookを取り巻く環境は2005年と、2010年、2015年ではまったく異なるものだった。その10年間でモバイルや、ブロードバンドが格段に充実し、社会に浸透した。ウェブネイティブプラットフォームはすっかり成熟し、より安全で安心して使えるものになった。それまではかなり機能が限られていた電話はスマートになった。多くの人にとってコンピューターも同様だ。その結果、GoogleやFacebook、Amazonといったインターネットベースの企業は、ニッチな存在から世界を支配するような存在へと変貌を遂げた。

さまざまな理由で、そして多くの点で移行期だった。絶えず変革が続く中で商品やサービスが展開されてきた。少し前にそれらがどんなふうに展開されていたか、どんな制約があったかを考えると、おそらくあなたは驚くに違いない。私たちがいまオンラインで当たり前のようにやっている多くのことは、この10年間で発明され、人気になったものなのだ。

しかしこの数年では、インターネットによる恩恵が劇的に減った。あなたがもっと使いたいと思うような機能をFacebookは加え続け、人々をオンラインにしばりつけるような方策を絶えず追求している。これはなぜなのか。

それは私にいわせれば、Facebookのようなプラットフォームができること、やるべきことが限界に達したということ。それだけだ! それで何ら不都合はない。

車の改良に似ている。どれだけの機能を加えたとしても、あるいはエンジンを取り換えたとしても、車は車なのだ。車は便利なもので、Facebookだってそうだ。しかし車はトラックではなく、バイクでもなく、リンゴでもない。そしてFacebookは(例えば)ブロードキャスト媒体でもないし、緊密な関係を築く場所でもないし、VRプラットフォームでもない(必死に試みてもだ)。

Facebookがうまくやってきたこと、私たちが便利に思ってきたことは長い間変化がなかった。それは、ニュースや写真を友達とシェアしたり、イベントをアレンジしたり、人々と知り合って連絡を取り合ったりといったことだ。そうした機能の目新しさは次第に薄れ、当然のこととして、それらを使う機会は減り、もっと自分に合う方法で活用するようになった。

Facebookは、長所短所を伴いながらも、初めからそこにあったかのようなプラットフォームになり、それ以上のものになれなかったというのは、特に悪いものではない。事実、私は安定しているというのはいいことだと思う。それが何か、どういうものになるかということがわかったら、見識ある選択をすることができる。

欠点が次第に明らかに

どのテクノロジーにも、それを強く批判する人がいるものだ。ソーシャルメディアに関しても例外ではない。私自身もかつてそうだったし、ある程度はまだそうだろう。しかし、それらのプラットフォームの変わり様をみると、恐れていたことが跡形も無くなっていたり、現代にそぐわないものになっていたりした。

人々は“現実の世界”で互いに関わるのをやめ、デバイスの中に生きているという考え方は、明らかに私たちが想定していたものではなかった。年配の人が、コミュニケーションをとる正しい方法を次世代に教えるというのは、成功したためしがない。しかし、もしあなたが、海外の選挙の妨害がFacebookのオーバーシェアリングやプライバシー問題と同じくらいが深刻なものになると2007年に予見していたら、あなたの顔は疑い深いものになっていたに違いない。

他の欠点は思いがけないものだった。例えば、ソーシャルメディアのシステムがニュース収集システムではなかった時代、つぶやきや拡散が出てくるとは予想できなかった。オンラインに投稿された他の誰かの生活のハイライトだけを見るという現象は、それは羨ましさを持って見る人にとっては自己管理問題につながるが、面白いものではあるものの悲しい進展だった。

ソーシャルメディアに付き物のリスクが予言されていたかどうか、あるいは証明されていたかどうか。いずれにせよ、人々は今そうしたリスクを真剣にとらえている。ソーシャルメディアに時間を費やしすぎたり、ソーシャルメディアから有害な影響を受けたり、またソーシャルメディアでのやりとりが苦痛になったりちょっとした騒ぎになったり、というのが今直面しているものだ。

そうした欠点を、長所と同じくらい真剣にとらえることは、ある種の成熟を意味する。少なくとも、社会がそれにどう対応するかということを表しているという意味においてはそうだ。技術の成熟度が落ち着き、現実にそぐう判断が行われ、人々とソーシャルメディアの関係性の難しさが妨害されることなく検証される。

ソーシャルメディアの能力の安定性と、そうした能力が考慮されたリアリズムの間で、選択肢はもはや独断的なものでなければ、絶対的なものでもない。あなたがソーシャルメディアをどう使うかというのは、もはや彼らによって決められることではないのだ。

ソーシャルメディアは個人の選択の最たるものに

あなたの経験は、私がここで言うものとは異なるだろうが、私の意見ではソーシャルメディアが開発された当時は、選択肢は2つに1つだった。つまり、ソーシャルメディアを利用するか、しないか、というものだ。

彼らが進めてきた方法は、機能を追加したり、機能に誘導したり、あるいはレイアウトやアルゴリズムを変更したりしてあなたがソーシャルメディアをどう使っているかを明らかにしてきた。迫ってきつつあるとき、どうやって有意義に活用するかを決めるのは難しい。数カ月毎に新機能や遊びツール、アプリが加えられ、あなたは仕組まれた通りそれらを使うか、取り残されるリスクをとるかということになる。つまり、使い続けるか、距離を置くかのどちらかだ。

しかし全ては変わった。基本原則が設けられ、数カ月使用を中止してまた戻ってくるということもようやくできるようになった。これは、以前に比べかなり大きな変化だ。

ソーシャルネットワークが何十億もの人々に使われる安定したツールとなり、複数のサービスを使い分けることは基本的にありえる。

Facebookを使うか、Instagramを使うかといった選択は、どれを使ってどれを使わないかというものではない。交友のためのツールとして、また自己表現や創造のためのプラットフォームとしてソーシャルメディアを受け入れることは自然なことであり、(多くの面で)疑う余地はない。

それは毎日の暮らしにおいて絶対不可欠のツールにする、ということから、まったく使用しないということへと拡大解釈される。前者は人がどうソーシャルメディアを使うべきかということを意味しているのではない。接続しないことや技術革新に反対を唱えることはもはや恥ずかしいことではない。

あなたと私は異なる人間だ。違う場所に住み、読む本も異なるし、違う音楽を好む。異なる車に乗り、お気に入りのレストランも好むドリンクも違う。だから、ソーシャルメディアをどう活用し、どのように表現するかという点でなぜ皆同じでなければならないだろう。

繰り返しになるが、これは車に似ている。車を所有して、通勤に毎日使ってもいいし、あるいはたまにしか乗らなくてもいい。また、所有しないというのもありなのだ。これを誰が断じることができるだろうか。どんな車かということではなく、その人が何が欲しいのか、生活する上で何を必要としているのかということなのだ。

例えば、私自身は1年以上前に、携帯からFacebookを削除するという選択をした。それによって私はずいんぶんハッピーになり、悩まされることも少なくなった。Facebookの方からアプローチがあり、それに拘束されるのではなく、より慎重に付き合うようになっている。しかし私の友達の中には、散らばっている知人で構成する、ゆるいネットワークに大きな価値を見出し、維持している人もいる。そうした人たちは、即席で誰かと知り合いになったり、分単位、秒単位でやりとりすることを楽しんでいる。また、連絡を取り合う手段が無数にある中で、Facebookに最初から近寄っていないという友達もいる。

これらは、いずれもFacebookと付き合うパーフェクトな方法だ。何年か前の話になるが、ソーシャルメディアをめぐる支配的な考え方、生活における誇張された役割ーその多くは小説からきているーのために、たまにしか使わないというのは難しいとされていた。そして全く使わないことは、貴重な機会を逃すことを意味していた(または、使用をやめることは不安をもたらすと恐れていた)。

試してみれば気に入るはずだ

ソーシャルネットワークは、車やキーボード、検索エンジン、カメラ、コーヒーメーカー、その他のものと同様に生活を改善するためにある。つまり、何かをするために、そのパワーをあなたに与えるというものだ。と同時に、かつて50年代、60年代に車や車メーカーが社会に大きな影響を及ぼして公共交通機関から高速道路へと人気が移ったときのように、ソーシャルネットワークやその背後にいる企業はあなたや社会にかなりの影響力を及ぼしている。

一部の人や場所はまだ、車メーカーの影響を受けている。車なしでLAを移動してみたらわかるだろう。同様のことがソーシャルメディアにもはてはまる。ソーシャルメディアなしに誕生パーティを計画してみたらいいのだ。とはいえ、近年その影響力は弱まり、私たちは自分で意義ある選択ができるようになった。

ネットワークはどこにもいかない。あなたは去って、また戻って来ればいいのだ。ソーシャルメディアはあなたの存在をコントロールすることはない。

イエスかノーかではなく、100%使ってもいいし、0%でもいいし、その間のどこかでもいい。あなたがソーシャルメディアをどう使うかは、ソーシャルメディアが決めることではない。

あなたが何か大事なことを逃すということはない。なぜなら、何が重要なのかを決めるのはあなたなのだから。ソーシャルメディアはあなたの優先順位を考慮しないのだ。

あなたがソーシャルメディアをどう使うか、あなたの友人は心配することはない。なぜなら、彼らは人はそれぞれ異なるものを必要とすることを知っているからだ。ソーシャルメディアはあなたのことを気にしない。

挑戦してみよう。すぐに携帯電話を手に取り、Facebookを削除する。どうしてやってはいけないことがあろうか。おそらくその後に起こりうる最悪なことは、次の日に再びダウンロードして、振り出しに戻ることだ。私の時もそうだったし、私が知っている人もまた同じだったのだが、体重を落としてみて初めて余分な体重をつけていたことを実感するような体験となるはずだ。ぜひ試してみてほしい。

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(翻訳:Mizoguchi)

ティーンはFacebookを捨てYouTube、Instagram、Snapchatに走る

10代のテクノロジー利用に関するPew Researchの調査結果によると、子供たちのほとんどはFacebookから離れ、Snapchat、YouTube、Instagramといったビジュアルな刺激のあるサイトを使っていることがわかった。ほぼ半数が「ほぼいつでも」オンラインにいると答えた。おそらくFUD(不安、不確実性、疑問)の源として使われているのだろうが、まあそれでもいい。ティーンといえども、ソーシャルメディアが善か悪かについて疑いを持っている。

Pewによるこの調査は2015年以来で、多くのことが変わっている。ほとんどの変化の原因はスマートホンの普及と影響力であり、回答者の95%が利用している。少数の、低所得世帯の子供たちがノートパソコンやデスクトップを使っている。

このモバイルネイティブ世代は、モバイルネイティブなコンテンツとアプリを好む。ビジュアル性、閲覧性の高いメディアという意味であり、トップ3アプリのスタイルそのものだ。YouTubeが85%でトップを占め、Instagramの72%、Snapchatの69%が続く。

Facebookの51%という数字は、2015年の71%から大きく後退している。当時はトップだった。51%という平均値がどの所得層も代表していないのは興味深い。高所得層の利用が36%なのに対して、低所得層の10代は70%が利用していると答えた。

この違いは何に起因しているのか? トップ3のアプリを使うために、最新最強のハードウェアは必要なく、高価なデータプランも不要だ。調査結果から得られるデータはなく、身近に話を聞けるティーンもいないので、この件は専門家にまかせることにする。 Facebookがこの原因を知りたいことは間違いない —— もちろんすでに知っているのだろうが(ティーン向けのチュートリアルもある)。

「常時オンライン」と答えたティーンが2倍に増えた。しかし、そもそも本当に「オフライン」といえる人が存在するのどうか疑わしい。彼らは文字通り一日中スマホ画面を見ているわけではない(そう思えるかもしれないが)。しかし(われわれも同じく)1~2秒以内にメッセージをチェックしたり、何かを検索できる状態にないことはめったにない。正直なところ、「常時」の数値がもっと高くなかったことに私は驚いている。

ゲームは未だに男子が支配的で、ほぼ全員が何らかの形でプレイしている。しかしティーン女子も83%がゲームをしていると答えているのでその差は縮まっている。

スマホ中毒の十代は、スポーツやリアルな遊びをする子供たちほど幸せではない(研究結果)

ソーシャルメディアがプラス効果を与えているかマイナス効果を与えているかという質問への答は分かれた。彼らは友達や家族とのつながり、ニュースや情報の発見と新しい人とのつながりなどに価値を見いだしている。一方、いじめや噂の流布に使われること、人間関係に与える複雑な影響や、リアル生活を歪めたり破壊していることなどを非難している。

ティーンの生の声をいくつか引用する。

まず、全般的にプラス効果を感じている意見:

  • 「SNSは私たちの年代の寂しさや孤独さを和らげる。人と接する場を作ってくれる」
  • 「前は図書館までママに送ってもらわなければ手に入らなかったものが今はこの手の中にある。そのことをよくママに言われる」
  • 「いろいろな場所の人たちとつながることができるし、SNSを通じて助けを求めたり人を救ったりできる」
  • 「SNSは私たちの年代の子供たちが意見を言ったり感情を表現したり共感する人たちとつながる場をくれた」

そしてこちらはマイナス効果を感じている意見:

  • 「言いたいことを何でも匿名で言えるのは悪い効果だと思う」
  • 「多くの人たちに向かってヘイトスピーチをしたりをばかにする言葉を発したりする機会を与えている」
  • 「リアル生活で社会に適合することを難しくしている。それは、人と対面せずにやりとりすることになれてしまったからだ」
  • 「ティーンが人を殺すのは、いつもSNSで見ていることや、SNSで起きていることが原因だ」

最後のにはぞっとさせられる。

レポート全文とPewの調査方法はこちらで読める

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook曰く、Cambridge Analyticaの不正に気付かなかったのは「古いタイプの脅威」に集中していたから

Cambridge Analyticaの2016年大統領選挙に関わる大規模なデータスキャンダルを見聞きした人々の多くは、どうしてそんなことが起きたのか不思議に思っている。実は、Facebookも、起きると思っていなかった。Facebook COOのSheryl Sandbergが今晩(米国時間5/30)のCodeカンファレンスで語った。

「2016年に戻って、人々が国や州や選挙機密について何を心配していたかを考えると、ほとんどがスパムやフィッシングによるハッキングだった」とSandbergは言った。「それがみんなの心配事だった」。

SandbergはSonyのメールハッキング事件を引き合いに出し、当時Facebookには、他の企業が抱えていた多くの問題はなかったと説明した。不幸なことに、Facebookはその分野で失敗はしなかったものの、「違う種類のもっと狡猾な脅威が来るとは思っていなかった」とSandbergは言った。

「われわれは新しい脅威がやってくることを予期していなかったことに気付いた。以前は古い脅威に集中していたが、今はこれがわれわれの抱えている問題であることを理解している」

今後に向けてSandbergは、今Facebookは問題を認識しており、将来の選挙に向けてこれらの脅威によりよい対応ができるようになったと語った。さらにSandbergは、Cambridge Analyticaの不正アクセスを発見したのが遅かっただけではなく、FacebookはいまだにCambridge Analyticaが何のデータをアクセスしたのかを正確にはわかっていないことも壇上で語った。Facebookは英国政府が独自の監査を行った際、まだ自社による監査の最中であったため、調査が一時中断した。

「われわれが当社のものであると識別できた可能性のあるデータを彼らは一切持っていなかった」とSandbergは言った。「今日にいたるまで、Cambridge Analyticaが何のデータを所有していたのか、まだわかっていない」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、番組宣伝ボットと間違えて個人のMessengerアカウントを公開

公共広告:有名ブランドをアカウント名に使うのはやめましょう。

Facebookのソーシャルメディアチームは、HBOのテレビ番組、Westworldの広告ボットへのリンクと間違えて、無関係なFacebookユーザーのMessengerへのリンクを掲載した。MessengerのTwitterアカウントはフォロワーに対して、@WestworldHBOのホストであるTesとMessengerでチャットするようにと、messenger.com/t/westworld へのリンクを貼った。

ここにちょっとした問題があった:”Westworld” はケンタッキー州のLisaという女性のアカウントであり、HBOのボットではなかった。

この間違いを最初に指摘したMatt Navarraは、Lisaの受信箱がメッセージで溢れることを心配した。

間違いに気付くまでツイートは数時間公開されていた。

その結果、Lisaはちょっとした数のメッセージを受け取った —— 本人は20通と言っている。Facebookのメッセージングシステムは、幸いなことにこれを未承認メッセージの「メッセージリクエスト」としてフィルターしたため、Lisaはリクエストを拒否するだけで返信の必要がなく、頭痛は最小限で済んだ。

LisaによるとFacebookから彼女に連絡があり、謝罪するともにリンクも修正された。

彼女はユーモアのセンスも持っていた。

「きっと我が家をWestworldなんて呼んだ報いね」と、彼女は本誌のメッセージに返信した。

Facebookは間違いを認め、以下の声明を発表した。

「本日午前の短期間にわたり、MessengerのTwitterアカウントが、ボットのリンクと間違えて個人のMessengerアカウントのリンクを掲載してしまいました。当社は誤りに気付いたあと直ちに修正いたしました。ご迷惑をかけたみなさまに深くお詫びいたします」と広報担当者から返信があった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookは多くのヘイトシンボルからとくにカエルのペペだけを選んで処罰

Facebookは、フィクションのキャラクターを利用したヘイトコンテンツを黙認してきたが、しかしPepe the Frog(カエルのペペ)だけは、ヘイトスピーチのシンボルとしてあまりにも定着してしまったので、この漫画の蛙にかぎって、特別のポリシーを適用することになった。

Motherboardが入手したFacebookの内部文書によると、漫画家のMatt Furieが作った人畜無害な漫画の蛙は、コンテンツをレビューするFacebookの社員が“ヘイトに関連して使われている”と判断した場合には削除すべし、というおかしな名誉を担うことになった。

出典: Motherboard

ミームとしてのペペの人気は下り坂のようだから、Facebookのこのポリシーは、ADLなどの団体が蛙をヘイトシンボルと分類していることが、契機かもしれない。ぺぺはオルタナティブ右翼(alt-right)が採用するよりずっと前から、ごく一般的なミームだったが、しかしその後、インターネット上の大量のフォトショッパー(Adobe Photoshopでいたずら画像を作る人びと)たちが短期間で大量の愚作怪作を作って世間に広めた。ほかにも、たとえばナチの画像と同居させられるHomer Simpsonのようなキャラクターがあるにもかかわらず、今回Facebookがとくに、ペペだけを取り上げたのは興味深い。

今本誌TechCrunchは、Facebookに問い合わせている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GDPR施行、“同意の強制”でさっそくFacebookとGoogleに対し初の提訴

2年の移行期間を経て個人データの保護を目的とした、欧州の新しいプライバシーフレームワークGDPR(EU一般データ保護規則)が施行された。これを受け、長らくFacebookのプライバシー侵害を批判してきたMax Schrems(日本語版編集部注:Schremsは弁護士である)は、‘同意するか、利用をやめるか’をユーザーに迫るテック企業を相手どり、すかさず4つの訴状を提出した。

この訴状は、不特定の個人を代表していて、Facebook、Facebook傘下のInstagram、同じくFacebook傘下のWhatsApp、そしてGoogleのAndroidに対するものだ。

Schremsは、これらの企業がユーザーの個人情報の使用を続けるために、ユーザーに“同意を強制する”戦略をとっていると批判している。その主張は、サービスを提供するにあたり同意が厳密に求められる場合を除き、ユーザーは自由な選択を与えられる、とする法律に準拠している(この点について、Facebookは同社の主なサービスは広告ターゲッティングのための個人情報蓄積ではなく、ソーシャルネットワーキングであると主張している)。

「これは極めて明快なことだ。同意は、サービスに必要なものではない。全てに対し、ユーザーはイエスかノーの選択権を持っているべきだ」とSchremsはコメントしている。

Schremsはさらに「Facebookはこれまで、同意しないユーザーのアカウントを強制ブロックしさえしてきた。つまり、最終的にユーザーはアカウントを削除するか、同意ボタンを押すかを選ばなければならなかった。それは自由な選択とはいえず、北朝鮮の選挙プロセスを思わせるようなものだ」と付け加えた。

我々は、訴状が出された4社にコメントを求めていて、反応があればアップデートする。[アップデート]Facebookは個人情報保護管理者Erin Eganの名で次のようなコメントを出した:FacebookはGDPRを順守すべく、18カ月にわたり準備を進めてきました。ポリシーをより明確なものにし、プライバシー設定も簡単に見つけられるようにしました。また、アクセスやダウンロード、情報の削除などができる、より良いツールも導入しました。こうしたプライバシーを改善する取り組みは5月25日でもって終わり、というわけではありません。例えば、現在、我々は履歴削除の機能の追加にも取り組んでおります。この機能では、ユーザーは、サービス使用の情報を我々に送るウェブサイトやアプリを確認でき、またそうしたサービス使用情報をアカウントから削除することができます。ユーザーの閲覧データの保存機能をオフにすることもできます。

Schremsはつい最近、GDPR発効に伴い、戦略的提訴にフォーカスした非営利のデジタル人権団体を立ち上げた。今回の提訴はクラウドファンディングで設立されたこのNGOを経由してのものだ。NGOの名称はnoyb(none of your businesssの略)だ。

これまでのGDPRの解説で指摘してきたように、今回の規則では、重要なことに関しては個人情報の強制収集を認める一方で、noybのような非営利団体が個人を代表して提訴を行うことを認める法の履行を強化している。つまり、大企業と個人消費者の権利の間に横たわっている不均衡を正そうとしているのだ。

GDPR にある不均衡是正の条項は、EUの加盟各国が適用を除外することもできる。なぜ4社への提訴がオーストリア、ベルギー、フランス、ドイツのハンブルグで行われたのかの理由はまさしくここにあり、こうした国々ではプライバシーの権利を守るための強力なデータ保護当局がある。

提訴されたFacebookとFacebook傘下の会社が欧州本部をアイルランドに置いていることを考えると、アイルランドのデータ保護当局もこの提訴に巻き込まれる可能性が高い。データ保護という点において、欧州内ではアイルランドの評判は高いものではない。

しかし、共通する懸念や国境を超えたサービスの場合、GDPR では異なる管轄でもDPAs(追訴延期合意)の適用を可能にしている。つまり、noybの提訴は、この新しい体制を試す狙いもあるといえる。

GDPRの罰則体系では、大きく違反した場合、その違反した企業の収益の最大4%にあたる罰金を科すことができる。FacebookやGoogleに当てはめて考えると、違反すればそれぞれ10億ユーロ超の罰金を科せられる可能性があるということだ。

少なくとも今回の初提訴に限っていえば、EUの新規則は法の執行をソフトに展開することになる。というのも、もし新ルールを満たしていないようであれば、企業はそれに応じたものになるよう見直すことができるからだ。

しかしながら、企業が法を意図的に自己解釈して歪めようとしているとなった場合は、それを取り締まるためにすみやかに行動に移す必要があると判断することになる。

「すぐさま数十億ユーロもの罰金を科すわけではない。しかし、企業が意図的にGDPRを反故にした場合には罰金が科せられるはずだ」とSchremsは述べている。

つい先日、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグはパリで開かれたVivaTech会議のステージで、FacebookはGDPR順守のために抜本的な変更を実施したわけではない、Facebookユーザーの“大方”は新たな同意フローを経てターゲット広告を喜んで選択している、と主張した。

「我々は、5月25日に間に合うよう、何週間にもわたってGDPRに合致するフローを展開してきた。その中で興味深かったのは、ユーザーが使っているウェブサイトやアプリから送られてくるデータを、私たちが広告を最適化するために使うことについて、人々の多くがよしとみなしていることだ。これはなぜかというと、もしあなたが、使っているサービスの中で広告を喜んで見ようという人であれば、関連のあるいい広告をのぞむからだ」と述べている。

ソーシャルネットワーク業界において圧倒的存在であるFacebookだが、ターゲット広告を受け入れるか、却下するかという、選択の提供は行わない、とは彼は言わなかった。FacebookがGDPR施行前に明らかにした新たな同意の流れでは、ターゲット広告を受け入れたくないという人にFacebookを完全にやめるという選択肢を用意しているだけだ。それが意味するのは、この強力なネットワークは人々にさほどの選択を与えていないということだ(加えて、Facebookが引き続き非ユーザーの追跡を行うということは、指摘するに値するだろう。というのも、たとえFacebookのアカウントを削除しても、Facebookがあなたの個人データを使用することを止めるという保障は得られないからだ)。

今回の新規則でFacebookのビジネスモデルがどれくらい影響を受けるかについて、ザッカーバーグは特に大きな変化ないと主張した。「なぜなら、自分のデータがどのように使われるかというコントロール権を人々に与えるというのは、サービス開始時からのFacebookの基本原則だからだ」。

「GDPRによっていくつかの新たなコントロールが加えられ、そこには我々が応じるべきものもあった。しかし全体的には、これまで我々が過去に取り組んできたことと大きな差はない」「軽視しようとしているわけではない。この新ルール順守のためにやらなければならないことはたくさんある。ただ、全体として、このルールの真意は私たちがとってきた姿勢と大きく変わるものではない」と述べている。

「人々が望む方法でつながるツールを提供し、GDPRのような規則に込められた理想の社会を築くために、どれくらい長い間考慮したことか。よって、受け入れるべき新ルールに消極的でいようとは思っていない。しかし、同時に、この手のことをどう考えてきたかという点でこの規則が大きな出発点となる、というふうには考えていない」。

ザッカーバーグはこうしたテーマで、今週はじめにあったEU議会との会合でかなり手厳しく、そして多岐にわたる質問を受けたが、意味のある回答は避けた

ゆえに、EUの議員はさっそく気概を試すことになりそうだ。その気概というのは、例えば、Facebookという巨大テック企業がビジネスモデルにおいて法を自己解釈した場合に、法的措置をとるかどうかということになる。

プライバシー法というのは欧州では特段目新しいものではない。しかし強力な拘束力を持たせたという点において風穴をあけた。少なくとも、GDPRには罰則体系が導入された。この罰則は威力を持つと同時にインセンティブをも与える。またSchremsやnoybといった先駆的な存在もあることから企業は訴訟も意識せざるを得なくなった。

Schremsは、GDPRが是正をサポートすべきかという賛否両論はあるものの、同意を得るためにユーザーに「同意するか、利用をやめるか」と迫るような強引なやり方を大企業はとることができる一方で、スタートアップや地方の企業はできないだろうと指摘する。

「同意強制に反対する取り組みは、企業がユーザーに同意を強制できないようにすることを保証するものだ。これは、独占企業が中小企業に対し優位に立つことにはならないという点で、とりわけ重要だ」と述べている。

イメージクレジット:noyb.eu

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(翻訳:Mizoguchi)

Facebook、プライバシー設定の確認を全世界ユーザーに要請

Facebookは、今週から全世界のユーザーに対してプライバシー設定の見直しを促すプロンプトをFacebookアプリ内に表示する。そこでは広告ターゲティングから顔認証まで、Facebookが様々なプロダクトでユーザーの個人データをどのように使っているかを確認するようユーザーが依頼される。この改訂規約とユーザー設定の確認は、新たに制定されたデータプライバシー規制であるGDPRを受けてEUのユーザーに配信されたものに準拠している。

ただしEUユーザーは、Facebookを使い続けるためには新しい利用規約に同意しなくてはならない。このことはRecodeがヨーロッパで使用されているものと全世界で表示されるものとの違いをFacebookに質問した結果判明した。

それ以外の地域では、プロンプトを2回やり過ごしたユーザーは自動的にオプトインされる。

しかし、そのウィンドウをあわてて閉じる前に、Facebookが何をお願いしているのか見てみるのもいいだろう。

新しいプロンプトはニュースフィードを開いたときに表示され、広告、顔認証、およびプロフィール画面で公開することを選択した情報について詳細を確認できる。

たとえば、自分の宗教や政治的見解、交際情報などを人目にさらすのをやめたくなったら、その場で設定を変更できる。

個人情報の確認を進めていくとそれぞれの画面で、どんなデータが収集され、どのように使用されているかが説明されるので、Facebookの情報利用についてよりよい判断ができる。

具体的には、この機能に含まれている情報は以下の通り。

  • Facebookが関連性の高い広告を見せるために、パートナーから受け取ったデータをどう使っているか。
  • ユーザーが公開するように設定した政治、宗教、交際に関する情報。
  • Facebookが顔認証をどう使っているか、およびプライバシーを守るための機能の説明。
  • 利用規約、データポリシー(4月に発表された)の改定内容。

このうちすでに無効化したものがあれば、その情報は表示されず、再び有効にするように促されることもない。

設定は変更後直ちに反映され、その後はプライバシー設定またはプライバシーショートカットからいつでも変更できる。

GDPRはEUのユーザーデータを保護することを目的としているが、Cambridge Analyticaスキャンダル(8700万ユーザーのデータが盗まれた)のためにFacebookはユーザーの信頼を裏切ったとして批判の的になっている。こうしたスキャンダルやGDPRからの要求に応じて、現在Facebookはユーザーデータのプライバシーの扱いを大幅に見直している。

新しい体験は今週からニュースフィードに登場する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ザッカーバーグはどうやら欧州で味方をつくれなかったようだ

欧州連合の議員との会合で、Facebook創設者のザッカーバーグはEU一般データ保護規則(GDPR)の“コントロール、透明性、責任”という原則に言及した。この新たな規制GDPRは25日金曜日に施行され、そこには、反した場合に科す罰則も盛り込まれている。FacebookはGDPRを遵守すると、とザッカーバーグは明言した。

しかしながら、今回の会合では透明性や責任というものはほとんど見られなかった。会合に出席した議員からかなり突っ込んだ質問が1時間にわたって出されたが、ザッカーバーグは黙って顔をひきつらせながそうした質問を聞いたのち、そこから答えやすいものばかりを選んだ。

議員からの質問は多岐にわたり、その多くはFacebookの企業倫理について深く掘り下げるようなものだった。情報の不正使用によるプライバシーの侵害の影響はどの程度あったのか、Facebookが会社分割を必要とする独占状態にあるかどうか、データの不正使用についてユーザーはどのように償われるべきか、といったものだ。

Facebookは本当にGDPRを遵守しようとしているだろうか、という質問が何回も投げかけられた(当然のことだが、データ保護を専門とする懐疑派の議員からだ)。Facebookはなぜ15億人にものぼる世界のユーザーのデータ操作ステータスを変更し、GDPRの効力が及ばないようにしたのか。ユーザー情報をもとにしたターゲット広告をやめることを必死に回避してきた同社だが、そうしたターゲット広告のシステムを人々が拒否できるプラットフォームを提供する用意があるのだろうか。

そもそも、なぜ欧州議会との会合を公にすることを拒んでいたのか。EUのプライバシー規則に反対するロビー活動に、なぜ何百万ドルもの金を費やしたのか。サービスを運営している国で税金を払うのか。フェイクアカウントを防止するためにどんな取り組みをしているのか。いじめを防ぐ取り組みはどうか。コンテンツを規制するのか、それともニュートラルなプラットフォームなのか。

矢継ぎ早に厳しい内容の質問がなされ、ザッカーバーグは集中砲火を浴びた格好だった。しかしいざ質問に答える段になると、それは応答の体をなしていなかった。自分が選んだテーマで話したいことだけを話し、しかもそれは事前に準備されたものだった。

ここに、なとびきりの皮肉がある。人々の個人情報は、あらゆるトラッキング技術やテクニックを介してFacebookに大量に流れている。

Cambridge Analyticaによるデータ不正使用スキャンダルの詳細が物語っているが、個人情報はFacebookから大量にリークされたのだ。そのほとんどがユーザーの知らないところで行われ、もちろん同意を伴うものでもなかった。

Facebookの運営の話しになると、同社はかなりの秘密主義を展開している。ほんのわずかな’ニュースフィード“を公開し、どんなデータをどういう目的で収集しているのか詳細は一切明らかにしない。

先月もザッカーバーグは米国議会との会合に臨んだが、そこでもやはり基本的な運営についての質問にまともに回答することを避けた。もし今回の会合で真の透明性や責任の所在が明らかになることを期待していた議員がいたとしたら、完全に失望しただろう。

Facebook ユーザーは、Facebookに自らアップロードしたデータは、ダウンロードできる。しかし、Facebookがあなたについて収集した全情報をダウンロードできるわけではない。

欧州議会の会派の代表らの関心はいまやFacebookのビジネスに集中しているようだ。そして、今回のザッカーバーグの黙り芝居を、Facebookに罰則を適用するためのさらなる証拠としてとらえる向きもある。

EUの規則はお飾りではない。GDPRの欧州外への影響と、有力なパブリックプロファイルはさらなる政治的な論争を展開しそうな勢いだ。

ザッカーバーグが欧州議会の声に耳を傾け、これまで同様のことを語ることで、CEOがブリュッセルでの会合に出た、という事実を作ることをFacebookが今回望んでいたのなら、これは大きな誤算だったようだ。

「まったくザッカーバーグの対応には失望させられた。議員からの詳細な質問に答えなかったことで、欧州の市民の信頼を取り戻すチャンスを失った。それどころか、出席議員に‘より強い規則と監督が必要’との印象を与えた」と、欧州自由連盟議員でGDPR報告者でもあるJan Philipp Albrechtは会合後、我々にこう語った。

Albrechtは会合で、FacebookはWhatsAppとデータの共有をどう行なっているのか、とただした。この問題はデータ保護当局の怒りをかっている。当局がFacebookに対し、そうしたデータフローを止めるよう促しているのにもかかわらず、Facebookはいまだにデータ共有を続けている。

また議員は、そうした2つのアプリ間でのデータ交換はしないことを約束するよう迫った。しかし、ザッカーバーグは頑として約束は口にしなかった。

欧州議会で人権委員会(Libe)の委員長を務めるClaude Moraesは会合後、極めて厳しいトーンではあったものの、そつのないコメントをしていた。

「データ漏えいの結果、Facebookの信用は地に落ちた。こうした状況を打開し、Facebookは欧州のデータ保護法を完全に遵守していると人々に納得してもらうためには、ザッカーバーグ氏とFacebookは真摯に努力しなければならない。’私たちはユーザーのプライバシー問題を真剣に考えている‘といった一般的なコメントだけでは不十分だ。Facebookはそれを行動で示さなければならない。差し当たり的なものであってはならない」と述べている。

「Cambridge Analyticaスキャンダルの件はすでに現在のデータ保護ルールに違反しており、間もなく施行されるGDPRにも反するものだ。この法律に従い、欧州データ保護当局はしかるべき対応をとることになるはずだ」とはっきり語ったのは英国議会の文化・メディア・スポーツ省の委員長Damian Collinsだ。

同委員会はこれまでに3度ザッカーバーグを召喚しているがいずれも実現していない。完全にザッカーバーグに拒絶され、容赦ない姿勢は当然だろう。ザッカーバーグの代理として英国議会で証言に立ったCTOが質問に対してあいまいにしか答えなかったことでもFacebookを非難している。

Collinsはまた「欧州議員からの極めて重要な質問について綿密に調べる機会を逸したのは残念だ。シャドープロファイルやWhatsAppとのデータ共有、政治広告を拒否できるかどうか、データ不正使用の実際の影響度合いはどうだったのか、といったことに関する質問は図々しくも回避された」と指摘した。「残念ながら今回とった質問形式ではザッカーバーグに質問の選り好みをさせる結果になり、各指摘についての回答はなかった」。

「出席議員の、今回の会合はまったく意味をなさなかったという明らかな不満をここに代弁する」とも付け加えた。“ユーザーが知りたいこと”を議会で明らかにするという点では、今回の会合は結局4回目の失敗に終わった。

今回の会合の最後の方では何人かの議員が明らかに激昂した様子で、これまで答えなかったことについて再度ザッカーバーグを質問攻めにした。

ザッカーバーグが話しを次に移そうとするタイミングで、1人の議員は「シャドープロファイル」と言葉を挟んだり、ザッカーバーグが鼻息荒く笑ったり時間を稼ぐためにあらかじめ用意したメモをみたりすると別の議員が「賠償」と叫んだりといった具合だった。

そうした後に、やや不満な態度をあらわにしたザッカーバーグが追求する議員の1人をみて、議員のシャドープロファイルについての質問に答えると言い(実際のところ、認識していなかったというのを理由に、ザッカーバーグはシャドープロファイルという言葉を使わない)、Facebookはセキュリティ目的でそうした情報を収集する必要があると持論を展開した。

議員の1人が、Facebookは非ユーザーの情報をセキュリティ以外の目的で使用することがあるのかと質問したのに対し、ザッカーバーグは明確に答えなかった(後付けしたセキュリティ目的というのは、隠そうとしていることを逆に明らかにするようなものだ)。

ザッカーバーグはまた、非ユーザーはどうやって“データの収集をやめさせる”ことができるのか、という再三の質問も無視した。

話すべきポイントについて隣にいる弁護士の方を向く前に(“他に話しておくべきことはあるだろうか”と尋ねた)、ザッカーバーグは「セキュリティという面で、私たちは人々を守ることは大変重要だと考えている」と素っ気なく述べた。

FacebookにとってCambridge Analyticaの件は、将来あるかもしれないデータ強盗を未然に防ぐのにどうやってプラットフォームを厳重に監視するかということをPRする材料となった。弁護士は、話がCambridge Analyticaに戻るのに不満を表したものの、すぐさまそうしたスキャンダルの危機PR術を行動に移した。

今回の会合ではっきりとしたのは、Facebook創業者のコントロール方法の好みだ。それは、彼が現在訓練中のものだ。

Facebookが欧州の議員と会うことについて同意するのに先立って決められた会合形式の制限により、議員に追及を許可しないというのは明らかにFacebookにとっては好都合なことだった。

ザッカーバーグはまた、それとなくほのめかしたり、時間になったようだと言ったりして何度も会合をたたもうとした。議員はこうしたザッカーバーグのたたみ掛けを無視したため、自分の言うことがすぐさま実行に移されなかったザッカーバーグはかなりの不快感を露わにしていた。

議員から出されたそれぞれの質問について、Facebookから書面による回答を受け入れるかどうかという、議会議長と議員との間で展開されたやり取りをザッカーバーグは見守り、その後に書面で回答することにAntonio Tajani議長とその場で合意することになった。

あらかじめCollinsが議員に警告していたように、Facebookは自らのビジネスのプロセスについての質問に対し、多くの言葉を語りながらその実は何も語っていないという回答方法を十分に練習している。その回答方法というのは、質問されていることの意図や目的を巧みに避けるというものだ。

ザッカーバーグが演じた会合でのショーで見られた自制というのは、明らかに欧州議員がソーシャルメディアに必要だと考えているようなガードレールではない。何人かの議員がザッカーバーグの顔から感じた自制は、効果的ではなかったようだ。

最初に質問した議員はザッカーバーグに謝罪が十分でないとせまった。他の議員は、15年悔恨し続けることになる、と指摘した。

Moraesは、Facebookは欧州の基本的価値観に対し“法的そして道義的責任”を果たす必要があると発言した。Libeの委員長であるMoraesはさらに「GDPRが施行されるEUにあなたは今いることを忘れてはならない。EUのデータ保護法を確認し、また電子上のプライバシーについて考え、EUのユーザーならびに何百万ものEU市民、非ユーザーのプライバシーを守るために、法的そして道義的責任を果たしてほしい」と述べた。

自制、もしくはザッカーバーグがいうところの次善の策であるFacebook流の規則は、欧州議員の規制の話に対し、米議会で述べた言葉で答えるというものだった。その言葉とはこうだ。「ここでの問いは、規制があるべきかどうかだと考えていない。何が正しい規制なのか、ということだと思う」。

「インターネットは人々の暮らしにおいてとても重要なものになりつつある。ある種の規則が重要であり、不可欠のものでもある。ここで重要なのは、この規制を正しいものにすることだ」と彼は続けた。「人々を守る規則体系を有すること、革新の余地があるようフレキシブルであること、今後さらに進化するAIのような新技術を妨げるようなものでないことを確認しておく必要がある」。

彼はスタートアップのことも引き合いに出した。’好ましくない規制‘は将来のザッカーバーグの登場を妨げるものになると言っているのだろう。

もちろん、ザッカーバーグは自身が所有するFacebookというプラットフォームが注意を十分にひく存在であり、我こそはというエントレプレナーがひしめく次世代の中でも飛び抜けた存在であることに言及していない。

ブリュッセルでの会合で、味方をつくったり人々に影響を与えたりする代わりに、彼は欠席するよりももっと失うものがあったようだ。Facebookに適用されるEUの規則を刷新するのを仕事とする人たちを怒らせ、遠ざけたのだ。

皮肉にも、ザッカーバーグが答えたいくつかの質問の一つに、Nigel Farageによるものがある。Facebookが“政治的に中立なプラットフォーム”なのか、1月にアルゴリズムに変更を加えた後、中道右派の発言を差別しているのではないか、といったものだ。Facebookはフェイクニュース監視を行う第三者のファクトチェッカーの名前を明らかにしていない。

つまり、米国の上院と議会でも明白だったが、フェイスブックはあらゆるところから集中砲火を浴びている。

実際のところ、Facebookはファクトチェックのパートナーシップについて情報を開示していない。しかし、ザッカーバーグが大した意味もない質問に限られた時間を費やしたのは、十分に意味するところがある。

Farageは、彼の持ち時間の3分の間に、「Facebookや他のソーシャルメディアの存在なしには、英国のEU離脱やトランプ政権、イタリアの選挙結果はあり得なかった」と述べた。

ザッカーバーグがこの発言についてコメントする時間がなかったのは、滑稽としか言いようがない。

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(翻訳:Mizoguchi)

Facebookの二要素認証がユーザーの電話番号(SMS)を使わないようにできる

Facebookの二要素認証をより安全にするためのオプションが、もうすぐさらに増える。

すなわちFacebookは確認プロセスを単純化して、電話番号の入力を不要にする。同社は今日(米国時間5/24)、Duo SecurityやGoogle Authenticatorのようなサードパーティの認証アプリケーションのサポートを発表し、同時にそのセットアップ過程を簡素化して、それらを容易に使い始められるようにした。

二要素認証(Two-factor authentication, 2FA)は今や広くサポートされているセキュリティ方式で、防御ラインを二重化することによって、通常のログイン認証情報が盗まれても安心できる。第二の防御ラインとしてはSMSからの番号入力がよく使われているが、SIMをハックして別の電話に情報を転送することもありえる。そのハッキング行為はソーシャルエンジニアリング的な手口を使うから、認証用のハードウェアデバイスや、サードパーティのアプリケーションの方がまだ安全だ。

3月には、FacebookのCSO Alex Stamosが、Facebookは二要素認証用の電話番号をスパム行為に利用している、というユーザーのクレームに対して謝罪し、注目を浴びた。同社は、二度といたしませんと言い張ったが、そもそもそれは、ログインに電話番号を利用しなければ起きなかったことだ。

今度の新しいセキュリティ機能は、Facebookの設定ページの“Security and Login”(セキュリティとログイン)のタブで有効にできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

FacebookとQualcomm、都市向け高速Wi-Fiを2019年中期に提供へ

Facebookは2016年のF8カンファレンスの基調講演以来、Facebook’sTerragraphプロジェクトについて語ってきた。ソーシャルメディアの巨人が描く、都市に高速Wi-Fiをもたらす壮大な構想はQualcommの参加で現実にまた一歩近づいた。チップ製造の巨人は今日(米国時間5/21)、将来のチップセットに60GHzテクノロジーを追加し、来年中頃にトライアルを開始する計画を発表した。

「これはpre-802.11ay規格をベースにしたもので、Qualcomm TechnologiesのチップセットおよびFacebookとQualcommによるソフトウェア統合にる屋外利用の効率を高め、混雑した環境での干渉を回避するための拡張がなされている」とQualcommの発表文に書かれている。

テスト地域としてすでにカリフォルニア州サンノゼが候補にあがっている。ここは米国最大の都市ではないが、シリコンバレーのハブとして、テクノロジー好きの人々とともに確実なテスト環境になるだろう。2社の発表によると、このテクロージーは高速無線のコストを軽減し、ビルが密集する地域などの混雑して障壁の多いところでの接続に有効だ。

後者の特徴からTerragraphは都市環境に適していることがわかる。少なくとも地面を掘り起こして光ファイバーを埋めるのは大変だ。Facebookは、郊外地域向けのテクノロジーとして、同じF8イベントで発表したAntenna Radio Integration for Efficiency in Spectrum (ARIES)システムの提供も計画している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

進歩系擁護団体がFTCに要求。Facebookを民主主義にとって安全な場に

MoveOnとDemand Progressを始めとする進歩主義的擁護団体のチームが、連邦取引委員会(FTC)に対して、Facebookを民主主義にとって安全な場にするよう要求した。Axiosによると、Freedom From Facebookと名付けられたこの運動は、月曜日(米国時間5/21)に10万ドル規模の広告キャンペーンをFacebook、Instagram、Twitterなどのプラットフォームで展開する。

ほかに、Citizens Against Monopoly、Content Creators Coalition、Jewish Voice for Peace、Mpower Change、Open Markets Institute、およびSumOfUsらの保護団体がキャンペーンを支持している。彼らは団結してFTCに「Facebookの独占を解体する」ために、Instagram、WhatsApp、およびMessengerを分離して競合会社にするよう求めている。また、相互運用性を必須にしてライバルのSNS間での連絡を可能にして、プライバシー規制を強化することを要求している。

Freedom From Facebookのサイトにはオンライン嘆願書のほか、プライバシーガイドと関連サイトへのリンク、Facebookのオンライン追跡をブロックするためのブラウザー拡張機能などが用意されている。

FTCでは、トランプ大統領の指名によりJoseph Simonsが今月新委員長に就任した。Simonsは反トラスト法弁護士でMicrosoft、Sonyなどの巨大IT企の業の代理人を務めた。現在FTCは、Cambridge Analyticaが同委員会と過去に結んだ法的取り決めに違反した件にFacebookが関与していたかどうかを調査しているが、先月Facebook CEO Mark Zuckerbergが議会で聴聞を受けた際、多くの議員がソーシャルメディアのしくみを理解できなかったことから、FTCを始めとする当局がIT企業を規制できるのかどうか、疑問視する向きも多い。

プライバシーと規制の問題にも関わらず、Facebookの財務状態は依然として好調だ。同社の第1四半期決算は、ユーザー成長、売上ともにウォール街の予測を上回った。

TechCrunchは、Freedom From FacebookおよびFacebookにコメントを求めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookのザッカーバーグ、欧州議会メンバーと来週、非公開面会へ

プライバシーは死んだ、なんて誰が言ったのか。Facebookの創業者、マーク・ザッカーバーグは、Facebookのプラットフォームが数百万人にものぼる欧州市民のプライバシーにどのように影響を及ぼしているのか、欧州議会の質問に答えることになった。ただし、その面会は公開されない。慎重に選ばれた一握りの欧州議会議員だけが出席し、その証人となる。

面会はブリュッセルで、現地時間5月22日午後5時45分から予定されている。面会終了後は、欧州議会のAntonio Tajani議長が記者会見に臨む見込みだ。

そのような面会の場からジャーナリストが締め出され、どのようなやり取りが交わされたのか報道できないというのは、まったく恥ずべきことだ。

Facebookがプライバシーや基本的人権をどう扱っているのか、という疑念に対しザッカーバーグ氏がどう答えるか。それについて、市民は意見を形成できない。

というのも、この面会はジャーナリストだけでなく市民に対しても非公開だからだ。

もしかしたら、面会の内容を選別して一般に説明することがあるかもしれない。その面会の目的は、Tajani議長のコメントでは“個人情報の使用に関する問題を明らかにするため”と曖昧に表現されている。

“欧州での選挙プロセス”にFacebookがどう影響を及ぼしたのか、というのが唯一の議論点だろう。

ザッカーバーグが、Facebookのプラットフォームについて公聴会で質問に答えるようにという英国議員からの要求を3度にわたり拒否していることを考えると、今回の欧州議会との面会受け入れはFacebook側が非公開を条件としたのではないかと推測される。

ザッカーバーグは、ユーザーのデータと政治広告が世界的なプライバシースキャンダルとなったことを受け、先月、米国議会の公聴会に出席し、証言した。

しかし、明らかにFacebookの責任姿勢は米国外では見られない(Facebookが今年初めに大々的に発表した“プライバシーに関する原則”にもかかわらずだ。その原則の一つは、‘我々は責任を負っている’としている。誰に、何に対して責任を負っているのか具体的に示していないが)。

我々は、なぜザッカーバーグが公聴会で欧州議会の質問に答えないのか、その後にロンドンへ行き、DCMS(英国デジタル・文化・メディア・スポーツ省)の委員会のフェイクニュースに関する調査について証言する時間はないのかと、Facebookに質問している。返事がきたら、アップデートする。

アップデート:Facebookのスポークスマンは、発表済みの社としてのコメントを繰り返している。そのコメントでは、「マーク・ザッカーバーグは現在のところDCMS委員会委員と面会する予定はなく、英国を訪問する予定もない」としてDCMS委員会の召喚を断っている。我々は、なぜ密室ではなく公の場で考えを述べないのかと尋ねているが、スポークスマンはそれに関し、「調べて、何か共有できるものがあればお知らせする」と言うにとどまっている。

欧州司法・消費者総局委員会の委員であるVera Jourova氏がツイートしているように、全ての欧州の人が自分たちの情報がいかに扱われたのか知る権利がある、ということをFacebookの創業者が真に受けていないのは残念なことだ。今回の面会は議席を持っている、選ばれたほんの数人だけなのだから。

残念というより、むしろ恥ずべきことだ。

今回の非公開面会については、欧州議会の議員全員が納得しているわけではないと言ってもよさそうだ。

また、欧州議会の消息筋によると、議長会議では出席者の半数が市民の自由、法務及び域内問題委員会での公聴会を求めたが、わずかの差で非公開となったようだ。

少なくとも、今回の件がザッカーバーグ個人にとってかなりのプライバシー問題であることが再び明るみに出た格好となっている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Facebookストーリーズに新機能追加へ――音声投稿、投稿アーカイブ、ビデオ、写真のクラウド保存

Facebookは昨年インドでユーザーがどんな機能をStoriesに望んでいるかを調査した。現地では数多くの言語が混在しているうえにユーザーが利用するスマートフォンの記憶容量が概して低く、Facebookストーリーズが国際化を果たすために重要な指標を提供する環境と考えられた。

昨日(米国時間5/16)、Facebookはインドでストーリーズに3つの重要な機能の追加を開始した。これらの機能は近く全世界のユーザー向けに公開されるはずだ。追加される機能の第1は音声メッセージによる投稿だ。これはユーザーがタイプ入力を好まない、デバイスのキーボードがネーティブ言語の入力に適さないなどの場合に非常に魅力的だ。Facebookストーリーズの音声投稿は音声メッセージの背景としてカラーテーマまたは写真を選べる。

2つ目の新機能はInstagramストーリーズの場合とほぼ同様のアーカイブ機能だ。Facebookストーリーズへの投稿は自動的にアーカイブされ、公開期限が来た後も投稿したユーザーだけは呼び出すことができる。ユーザーは自分が何を投稿したかチェックできるし、改めてニュースフィードに投稿することもできる。3番目の新機能として、Facebook Cameraで撮影した写真を直接Facebookストーリーズにプライベートに保存できるようになった。デバイスの記憶容量が制限されている場合、ローカルに保存する必要がないのは便利だろう。【略】

Facebookストーリーズ Archive

FacebookはSnapチャットが国際展開にないがしろにした戦略の失敗から大きなチャンスを得ている。Android版の開発の困難さに加えてアメリカ国外の若いユーザーにリーチすることに消極的だったことが災いし、世界各地への展開でSnapchatはFacebookストーリーズに大きくドアを開いてしまった。その結果、3月に1億9100万人のユーザーを得ているもののSnapchatの成長率は過去最低水準に落ち込んでいる。逆にSnapchatストーリーズのクローン、WhatsApp Statusの1日あたりアクティブ・ユーザーは4億5000万人InstagramストーリーズのDAUも3億人以上となっている。

Facebookストーリーズのスタート当時は人影のないゴーストタウン気味だったが、その後、ここに投稿する友だちがどんどん増えていった。これは一つにはInstagramストーリーズと同期できるという便利さによるものだった。【略】そこで私が懸念したのは、ストーリーズが世界でポピュラーになるにつれ、人生の大切な瞬間にあってもストーリーズへの投稿を優先させてスマートフォンをかざして録画を続けるユーザーが増えるのではないかという点だった。

これは明らかにFacebookも望まない状況だった。Facebookストーリーズのディレクター、Connor Hayesは私の取材に答えて、「写真やビデオをセーブできるようにすれば、後で投稿できる。せっかく友達と楽しい時間を過ごしているのにスマートフォンにかじりついてストーリーズに投稿するための編集をしたりする必要がなくなる。コンサートなどのイベントに参加している場合も同様だ。投稿は後からできる」と述べた。

Facebook Cameraから直接Facebooストーリーズに保存

Storiesの投稿タブに「プライベート」というオプションが設けられ、Facebook Cameraで撮影したビデオや画像がFacebookに「自分のみ」として保存できるようになった。【略】

Facebookのオーディオ・ストーリーズ

一部のユーザーはFacebookがニュースフィードを差し置く形でますます目立つ位置にストーリーズを表示することを嫌っている。しかしFacebookとしてはここで後退するわけにはいかない。ストーリーズはソーシャルメディアの新たな核心となるべき存在だ。表示はフルスクリーンで、スマートフォンの体験としてもっとも没入感が高い。Facebookの CEO、マーク・ザッカーバーグ自身がFacebookはStories広告もニュースフィード広告と同様に重要だと言明している。「もし〔Storiesにおける広告〕の展開に失敗すれば、ニュースフィードからStoriesへのユーザーのシフトはわれわれのビジネスに悪影響を与えることになる」という。つまりこれらの事情が今回のインドにおける新機能の追加の背景にあると考えていいだろう。

ソーシャルメディアではビデオや写真はエモーショナルなインパクトが強く有効なメディアだ。しかしインターネット接続の帯域幅が狭く、デバイスの能力も限られているユーザーが世界に何億人もいることを忘れては国際的な成長は期待できない。

Facebookストーリーズについては後続記事も参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

下院民主党、ロシア発のFacebook広告3500点以上を公表

下院諜報特別委員会の民主党議員らは、ロシア拠点のインターネット調査機関、IRAがFacebook に掲載された広告数千点を公開した。

民主党によると、本日(米国時間5/10)公開したのは2015~17年にかけて掲載された広告3519点。ここにはIRAが一般投稿としてFacebookでシェアした記事8万件は含まれておらず、民主党は後日これも公開する予定だ。

これらの広告が実際にどれほど世論に影響を与えたのかは未だに不明だが、1140万人以上の米国民の目に触れたと民主党は言っている。

問題の広告はここですべて見ることができるが、ダウンロードするだけでもかなり時間がかかる。以前(少数)公開されたIRA広告についても指摘されたように、広告はトランプ支持むき出しではなく、 幅広い範囲のユーザーを対象に、目もくらむ数の意見や議論が書かれている。

「ロシアはソーシャルメディアを武器としてアメリカを分裂させるべく、2016年選挙を揺さぶろうとした」と、下院諜報特別委員会の有力メンバーである民主党のアダム・シフ議員はツイートした。「彼らは偽アカウントで偽のページやコミュニティーを作り、対立を呼ぶようなオンラインコンテンツとビデオを拡散し、アメリカ人を実際に動かそうとした」

議員はさらに、「ロシアが作ったFacebook広告をこうして公開することで、正当な政治的表現が守られ、アメリカ市民の求める情報が海外の広告主によって汚染されることが防がれることを願っている」と付け加えた

この公開にあわせFacebookも投稿で、2016年選挙の際に「このような情報運用妨害に気づくのが遅すぎた」ことを認め、今後の再発防止策(政治広告の公開データベースの構築など)の概要を示した。

「われわれの相手は決意の固い創造的で資金豊富な敵であり、これは永久に解決しない問題だ。それでも事態は着実に進展している」とFacebookは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの個人情報保護はまだ不十分、とドイツ司法大臣

ドイツの司法大臣はFacebookの個人情報流出問題に関して、サードパーティデベロッパーや他の外部プロバイダーがFacebookの情報を誤った形で使用することができないよう、内部統制と罰則を盛り込んだプラットフォームを要求する書簡をFacebookに送った。サードパーティがプラットフォームポリシーを遵守し、ルール違反した場合には厳しい罰則を課すことを求めている。

地元メディアに全内容が掲載されたこの手紙は、ロンドンのオブザーバー紙とNYタイムズが3月中旬にスクープして以来、Facebookが集中砲火を浴びている個人情報流出問題をさらに追求するものだ。このスクープ報道は、Cambridge AnalyticaがFacebookユーザー8700万人の個人情報をどうやって入手して選挙で不正利用したか、詳細を白日の下にさらした。

Facebook創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグに宛てた書簡で、カタリーナ・バーレー司法大臣は、ユーザーのプライバシーに関してFacebookが最近とった対策について、“データディーラー”との協業を制限するのは“いいスタート”と評するなど歓迎の意を表明した。

しかし、バーレー司法大臣はFacebookにさらなる対応を求めている。データと利用者の保護という観点で一連の“必要不可欠な措置”をとるべき、というものだ。

大臣はまた、ドイツそして欧州におけるデータと消費者保護という点で、今回のCambridge Analyticaスキャンダルに伴いFacebookは長期の批判にさらされることになるとしている。加えて、Facebookの情報の扱いについてさまざまな告訴がなされたことも示唆している。

「遺憾ではあるが、Facebookはこれまで批判に対し十分に対応してこなかった」(Google Translateによる翻訳)。さらに「Facebookはデータ収集とデータの使用を拡大させ続けてきた。これは、プライバシー、そしてユーザーやサードパーティの自己決定を犠牲にしているものだ」と記している。

そして「必要なのは、Facebookが企業責任を果たし、抜本的に見直すことだ」と手紙を結んでいる。「(ザッカーバーグ氏は)インタビューや広告の中で、EUの新たな情報保護法はソーシャルネットワークにとって世界のスタンダードだ、と述べている。残念なことに、こうした考えをFacebookが履行しているかははなはだ疑問だ」と批判。さらに、EUの法律が適用されることがないよう、15億人にものぼる世界のユーザーのデータ操作ステータスを変更するとしたFacebookの決断についても懸念を示し、「だからこそ今後もFacebookが行うことを注視していく」と述べている。

Cambridge AnalyticaがFacebookの個人情報を使用していたという暴露が、Facebookにとって世界的なプライバシー問題へと発展して以来、同社はプラットフォーム上でのデータ保護を実行するためいくつかの見直しを明らかにした。

しかし、実際のところ、Facebookが発表したこの見直しのほとんどは、5月25日に施行されるEU一般データ保護規則(GDPR)への対応として少なくとも数カ月も前から準備が進められていたものだった。

にもかかわらず、Facebookの打ち出した策はプライバシー問題の専門家から手厳しく批判されている。GDPRに十分に対応しているものではなく、GDPRが適用されれば法的な問題とを引き起こす、とみている。

例えば、Facebookが先月発表した新たな同意の流れというのは、意図的な操作とみなされ、少なくとも新ルールの精神に反するものだと批判されている。

バーレー大臣はこうした批判を手紙の中で取り上げ、Facebookに下記の点を実行するよう、具体的に求めている。

・ユーザーにとっての透明性を高める

・ユーザーデータの取り扱いでの真のコントロール

・当然あるべきプライバシーと、Facebookのエコシステムへの同意についての厳密なコンプライアンス

・客観的、中立的、そして排他的でなく、ごまかしもないアルゴリズム

・設定や使用についてのユーザーの自由な選択

同意については、大臣はGDPR下では、Facebookはデータ使用ごとにユーザーの同意を得る必要があることを強調している。一括同意ですべての点で同意を得た、というふうにはできないというものだ。

これは、明らかにFacebookがいまやろうとしていることだ。例えば、欧州のユーザーに顔認証を選択するかどうかをたずねるとき、これによりユーザーの写真を外部の人が勝手に使用するのを防ぐことができるかもしれない、また、視覚障害を抱える人にとって助けとなるかもしれないと案内している。しかし、Facebookが必ず行う商業利用への同意の中には具体的な例は示されていない。

大臣はまた、GDPRではプライバシーをデフォルテ設定し、データの収集を最低限に抑えることが要求されると強調。GDPRに従うには、全てのデータ処理を見直す必要があるという主張だ。

“友達”からのデータ移送は、それぞれのケースで明白な同意の元行われるべきだ、とも述べている(2014年にデベロッパーがFacebookのプラットフォーム上でユーザー8700万人分のデータを収集してCambridge Analyticaに情報を流していたとき、同意は欠落していた)。

さらに、バーレー大臣ははっきりとFacebookに対し、シャドウプロファイルを作るべきではないと警告している。このシャドウプロファイル問題は先月、米議会がザッカーバーグ氏を呼んでただすなど、法的問題となっている。

Facebookは自社の開発者会議f8で、これまで同社が収集していたユーザーのブラウズ履歴を削除できるボタンを導入すると発表した。しかしこれは単に矛盾を強調するだけのものだ。Facebookによって追跡されている非ユーザーはこの削除ボタンを利用できないし、そもそも追跡などしないでくれとFacebookに言うこともできないからだ。

Facebookが、この非ユーザーのデータから発生した情報をどう扱っているのか明らかでもない。

確かに、このブラウズ履歴削除ボタンをクリックすることで、ユーザーは閲覧したサイトの履歴を消去することはできるだろう。しかしそれは、データから収集されたものを全て消去する、ということにはならない(おそらく見えないプロファイルに追加され、広告戦略目的に使用される)。

履歴削除のボタンは、FacebooknのPRにすぎない、と言ってもいいだろう。「ユーザーにしかるべき操作機能を提供している」と言えるようにする。これは、議員の追及をかわす戦略の一つなのだ(先月の米国議会でのやり取りは全く誠実さに欠けるもので、英国議会でもおおっぴらに批判された)。

TechCrunchでも、この履歴削除がどのように働くのか、なぜ導入するのかといった質問をFacebookに送っている。なぜなら、このボタンはデータ追跡を完全にブロックする機能を持っていないからだ。2日間にわたりこうした内容の電子メールを送っているが、Facebookからまだ一切返事はない。

主なWebサービスで使われているトラッキングピクセルやソーシャルプラグインを通じて集められた非ユーザーのデータの扱いをEUの規則に照らすと、Facebookはすでに苦境に陥っている。GDPRが施行されると、同意なくデータを利用するのは、そのアプローチを大幅に見直さない限り、明らかに大きな問題となる。

バーレー大臣は手紙の中で、政治的影響や意見操作を目的とする誤ったFacebookプラットフォームの使い方についても懸念を示している。そうした乱用や巧妙な操作の可能性を排除するため(例えばフェイクアカウントやソーシャルボットなど)、テクニカル面そして組織的面においてあらゆる方策をとる必要があると指摘する。その際は、客観的で中立的、そして排他的でないアルゴリズムを確保するよう述べている。

大臣はまた、独立したレビューを可能にするためにも対策をすべて開示するようFacebookに求めている。

Facebookは巨大だ。WhatsAppやInstagramといった人気のプラットフォームを傘下に抱え、効率的に収益を上げるエコシステムを急速に拡張してオフサイト追跡を展開している。バーレー大臣に言わせると、このエコシステムはドイツ、そして欧州のユーザーのプライバシーや自己決定権を犠牲にしているものとなる。

Facebookは大臣の手紙に対するコメントを複数から求められているが、この記事の執筆時点では応じていない。

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(翻訳:Mizoguchi)

WhatsApp Storiesのユーザー、4.5億人――音声通話、ビデオ会議機能も追加、独走体制へ

メッセージ・アプリのパイオニア、Snapchatは当初、国際市場を無視していた。その結果、今や WhatsAppが世界での成長のチャンスを独り占めにしている。今日(米国時間5/1)のF8デベロッパー・カンファレンスで発表された数字によれば、WhatsAppのSnapchat StoriesのクローンのDAU(1日当たりアクティブ・ユーザー)は今や4億5000万人に達している。

Snapの低調な第1四半期決算にともなう電話記者会見で発表された数字によればSnapchatのDAUは1億9100万人に過ぎない。昨年11月のFacebookの発表ではWhatsApp Status、Instagram Storiesのユーザーは合計3億ということだった。

WhatsAppにスタンプが登場

グループビデオもWhatsAppにやって来る

成功に安住することなく、 WhatsAppはスタンプ機能とグループ・ビデオ通話機能を追加したことを発表した。シンプルなチャットツールがこれによってさらに魅力を増すだろう。

ユーザーはWhatsAppのビデオ通話、音声通話をすでに毎日20億分も使っている。しかしここ数ヶ月内に分割画面で参加者が表示される4人までのグループビデオ通話が可能になる。参加可能な人数は将来4人よりさらに増やされるかもしれない。またWhatsAppのテキスト・チャットではスタンプが利用できるようになり会話がビジュアルになる。Facebook Messenger同様、サードパーティーのステッカーも使えるのでデベロッパーはチャットを賑やかにするイラスト多数を準備しているという。

ビジネス面でもWhatsAppは前進中だ。新しいWhatsApp For Businessアプリをすでに300万社が利用している。現在は無料アプリだが、今後は航空会社、銀行、モバイルキャリヤなどの大企業向けにボーナス機能を備えた有料版が提供される予定だ。利用者はアプリ内で物品、サービスの販売とカスタマーサポートができる。すでに企業からの強い関心を集めているため、これがリリースされればFacebookはまたしても着実な収入源を得ることになるだろう。

FacebookとInstagramが大統領選への干渉疑惑に揺れる中、WhatsAppはF8での明るい話題となった。WhatsApp事業部の責任者、Mubarik Imamは「無給でも働きたい会社があるとすればそれはWhatsAppだ」と語った。スキャンダルの渦中にあるFacebookはなんであれポジティブなPRを強く必要としている。WhatsAppがそれになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、VRディスプレイを大幅アップグレードへ――Oculus Half Domeをデモ

ここ数年VRヘッドセットのハード面の進歩は停滞ぎみだった。 なるほど精細度が少しアップした、視線トラッキング機能が追加された、新しいコントローラーが発表された、などはあったが、全体としてみるとVRの進歩はソフトの分野で起きていた。この中で、FacebookはVRヘッドセットのハード面を根本的に改革しようとしているようだ。F8 2018デベロッパー・カンファレンスの2日目でFacebookは新しいVRヘッドセットをデモした。

社内でHalf Domeと呼ばれているOculusの新ヘッドセットでは、まず装着した際の視野が大きく拡大された。またVarifocalと呼ばれる高度なテクノロジーにより、ユーザーが見ている対象に合わせて映像の焦点を変えることができるようになった。

平均的な成人の水平視野角は200度程度とされているが、デモされたプロトタイプの視野角は従来の100度から140度に拡大された。これにより装着者は視野の周辺までヘッドセットで見ることができるようになり自然さが大きくアップする。重要なのは視野の拡大にあたって従来のフォームファクターを維持できたことだ。つまりHalf Domeのサイズは現行のRift製品と変わらない。これは「レンズ・テクノロジーの絶えざる進歩」によって可能になったという。ただし製品のサイズをこれ以上小型化するにあたってはデイスプレイに画期的な進歩を必要とするようだ。

現在市場に出ているVRヘッドセットは単一の焦点面しか表示できない。つまりユーザーは複数の焦点距離を利用できない。VRで文字を読もうとしたり、何かをはっきり見ようとしたりするなら、その対象はユーザーから2メートルの距離に置かれねばならない。これはVRの普及にあたって大きなハードルとなってきた。謎のスタートアップ、Magic Leapでは新しいディスプレイ・テクノロジーによりこの問題を解決したと主張しているが、そのテクノロジーを利用した消費者向け製品が製造できるのかなどの詳細は不明だ。

Oculusによれば可変焦点距離の表示を実現するために、プロトタイプのヘッドセット内でディスプレイを物理的に前後に移動させているという。簡単にいえば、カメラのオートフォーカスと同じ仕組みだが、多くのカメラのように作動音を立てたり振動を感じせたりしないという。

Oculusはこれ以外にディスプレイ分野での研究をいくつも紹介したが、このVarifocalテクノロジーは研究の成果がサイズや重量を増やさないままで製品に組み込まれる日が近いことを感じさせた。OculusはHalf Domeプロトタイプの紹介に力を入れていたが、これが製品化されればハイエンドのVRヘッドセットの基準は一変するに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FacebookのF8カンファレンスのビッグな発表、上位10まとめ

FacebookのF8カンファレンスの初日は、たくさんの発表とアップデートでギュウギュウ詰め。ここではMark Zuckerbergのキーノートから、トップテンをご紹介しよう。カンファレンス関連の記事は、ここにそのリストがある。

1. デート機能!

あなたの次の出会いは、Facebookで始まるかもしれない。同社が発表した一連のデート機能は、今年後半にテストが始まる。ユーザーのデート用プロフィールは、同じくデートを求めている、友だちでない人にだけ可視にできる。データが通常より多くなるから、本当にあなたにふさわしい人を見つけられるかもしれない。

2. 履歴削除によるプライバシー保護

目下開発中のClear Historyという機能は、Facebookが広告やアナリティクスツールで集めたユーザーデータをユーザーが削除できる。たとえばそれは、Facebook上での閲覧履歴などだ。 Mark Zuckerbergはこの機能を、ブラウザー上でクッキーを削除することになぞらえた。

3. Instagramにビデオチャットといじめ撃退機能が

Instagramでビデオチャットができる。まだ見てないけど、これまでのメッセージングツールを拡張したような、シンプルな機能だろう。またInstagramは新しいフィルター機能により、ユーザーをいじめコメントから保護する。そしてExploreタブが改良された。

4. アプリのレビューを再開

Cambridge Analyticaの一件以来休止していたアプリのレビューを再開する。デベロッパーには嬉しいニュースだ。

5. Oculus Goが199ドルで発売

廉価版のVRヘッドセットOculus Goが今日(米国時間5/1)発売された。32GB搭載機で199ドル、64GBなら249ドルだ。

6. Messengerがデザイン一新+チャットの翻訳機能

FacebookのM Suggestionsアシスタントにより、Messengerでチャットが翻訳される。Messengerは、すっきりしたルックスになり、基本的な機能であるチャットを強調している。

7. 3D写真

News Feedに3D写真が登場。数か月後には、友だちのステータスアップデートにも現れるだろう。

8. WhatsAppのSnapchat Storiesクローンがユーザー数新記録

WhatsAppがSnapchatの国際的成長の機会を横取りした。WhatsApp Statusの一日のアクティブユーザー数が4億5000万に達したのだ。

9. InstagramにAR効果が

Facebook上の拡張現実プラットホームは、Facebookオンリーだから伸び悩んでいた。そこで今度からは、ARカメラのような効果がInstagramにやってくる。ここは、お客さん最優先の写真共有サービスだからね。

10. WhatsAppがグループビデオチャットとステッカーをサポート

グループビデオとステッカーがWhatsAppにやってくる。数か月後には、一つの画面を分割して4人(もしくはそれ以上)でチャットできるようになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、「ハッピーバースデー」スパム問題をストーリーで解決へ

誕生日にFacebookの通知をオフにしたり、アプリそのものを削除したことのある人はいないだろうか? みんなの「誕生日おめでとう」がタイムラインにあふれるのを止めるためだ。実は、対応策が検討されている。Facebookが誕生日通知をどう扱うつもりかについて、今日のFacebook F8カンファレンスの基調講演でヒントが語られた。

新機能はFacebookのデモにはなかったし、公開時期も明らかにされていない。

しかし、基本的な考え方はこうだ。Facebookはストーリー機能を活用して「バースデー・パッケージ」を作り、その日の終わりにまとめて1回本人に送ることで、ユーザーは友達のタイムラインにメッセージを投稿しなくてもよくなる。

この話は、コラボレーション・ストーリー、ビデオクリッピングが可能になるストーリーのオプションなど、ストーリー拡張計画の一環として簡単に触れられた。

「そして誕生日には、友達全員があなたのタイムラインにおめでとうを書き込む代りに、「ハッピーバースデー」と書かれたパッケージに写真やビデオをまとめたものを受け取るというのはどうだろう」と製品開発責任者のChris Coxが基調講演で話した。

この機能が実際いつ公開されるのかは不明だが、Facebookが正式発表しないのはこの新しい「ハッピーバースデー」機能の詳細がまだ固まっていないからだろう。

友達のタイムラインに書き込むことが禁止されるとは考えにくい。むしろこれは、Facebookが友達や家族の誕生日を思い出させるためのプロンプト方法を変えるという意味かもしれない(現在Facebookは、誕生日メッセージをタイムラインに投稿するよう誘導しているが、それがストーリーを使うことを推奨するように変更されるのかもしれない)。

長年続くハッピーバースデー・スパム問題をFacebookが解決しようとする試みはこれが初めてではない。これまでにも誕生日投稿をグループ化するしくみを作ったり、2016年のバースデー・カメラや昨年の自動的にパーソナライズされたビデオメッセージなどでビデオを使わせるなど、さまざまな努力をしてきた。

さらには、誕生日メッセージを思い出ビデオにまとめる実験をしたこともあり、これは今回Facebookが紹介したハッピーバースデー・ストーリー機能にいちばん近い体験かもしれない。まとめビデオが復活する場合、ニュースフィードに現れるのではなく、あなた専用にパーソナライズされたストーリーになるものと思われる。

もちろん、バースデースパムが《どうしても》嫌な人は、当日近くなったらプロフィールから誕生日情報を削除すればいい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookのデート分野参入でMatchの株価が暴落

Facebookのデート機能導入の発表を受け、デートサービス企業のMatch株が暴落している。Matchは、Tinder、Match、OK Cupid、Plenty of Fishといった出会い系サービスを運営する会社だ。

本稿執筆時点で、Matchの株は約22%値下がりしている。

この分野へのFacebookの参入は、Matchの屋台骨と直接競合することを意味している。

しかし、Match Group CEO Mandy Ginsbergは、Facebookの同分野への参入を喜んでいると言う。

「われわれはFacebookがこの世界に来たことを喜こぶとともに、世界へ羽ばたくチャンスと捉えている。Tinder も急成長を続けている。」とTechCrunch宛ての声明で語った。「この分野に関わる個人的、秘密性のあるデータの多さを考えると、参入のタイミングについては驚いている。しかし、われわれは今後も製品の改革を続けて人々の関係の成功に注力していく。このカテゴリーのことはわれわれが誰よりも知っている。Facebookの参入はこの分野全体を活性化させるものだ」

一方Matchの親会社はFacebookへの批判を口にした。IAC のCEO Joey LevinはTechCrunchに向けた声明でこう言った。

ようこそこの世界へ。居心地はいいですよ。彼らのサービスは米ロ関係に貢献することでしょう。

BumbleもまたFacebookの新サービスに影響される可能性のあるライバルだが、今日のニュースに「ワクワクしている」と言っている。

「当社経営陣はすでにFacebookと接触し、連携の方法を探っている」とBumble広報がTechCrunchに伝えた。「BumbleとFacebookが手を組むことによって出会いのスペースをより安全で強固なものにできるだろう」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook