Valve Indexは6月15日に発売 Steam運営元の新型VRヘッドセット

3月29日にティーザーされた段階ではその詳細はわからなかったものの、Valveは新型VRヘッドセット「Valve Index」の画像と詳細の一部を(事故だったのかもしれないが)公開した。

@Wario64によって発見されたValve Indexの詳細ページによれば、同VRヘッドセットは5月1日に仮予約が開始され、6月15日に発売される。なお、価格についての記載はなかった。

さらに、現在開発中のコントローラー「Knuckles」が「Valve Index Controllers」として、VRヘッドセットと同時に登場するようだ。残念ながら、画像解像度やスペックに関する情報はない。そして、有線ヘッドセットが本体に統合される。これは、OculusのVRヘッドセット「Rift S」との違いだ。

Valveは今回の情報の正確性を認めているものの、それ以上は言及していない。まずは、5月の正式発表を楽しみに待つことにしよう。

[原文へ]

(文/塚本直樹 Twitter

Facebook、VRディスプレイを大幅アップグレードへ――Oculus Half Domeをデモ

ここ数年VRヘッドセットのハード面の進歩は停滞ぎみだった。 なるほど精細度が少しアップした、視線トラッキング機能が追加された、新しいコントローラーが発表された、などはあったが、全体としてみるとVRの進歩はソフトの分野で起きていた。この中で、FacebookはVRヘッドセットのハード面を根本的に改革しようとしているようだ。F8 2018デベロッパー・カンファレンスの2日目でFacebookは新しいVRヘッドセットをデモした。

社内でHalf Domeと呼ばれているOculusの新ヘッドセットでは、まず装着した際の視野が大きく拡大された。またVarifocalと呼ばれる高度なテクノロジーにより、ユーザーが見ている対象に合わせて映像の焦点を変えることができるようになった。

平均的な成人の水平視野角は200度程度とされているが、デモされたプロトタイプの視野角は従来の100度から140度に拡大された。これにより装着者は視野の周辺までヘッドセットで見ることができるようになり自然さが大きくアップする。重要なのは視野の拡大にあたって従来のフォームファクターを維持できたことだ。つまりHalf Domeのサイズは現行のRift製品と変わらない。これは「レンズ・テクノロジーの絶えざる進歩」によって可能になったという。ただし製品のサイズをこれ以上小型化するにあたってはデイスプレイに画期的な進歩を必要とするようだ。

現在市場に出ているVRヘッドセットは単一の焦点面しか表示できない。つまりユーザーは複数の焦点距離を利用できない。VRで文字を読もうとしたり、何かをはっきり見ようとしたりするなら、その対象はユーザーから2メートルの距離に置かれねばならない。これはVRの普及にあたって大きなハードルとなってきた。謎のスタートアップ、Magic Leapでは新しいディスプレイ・テクノロジーによりこの問題を解決したと主張しているが、そのテクノロジーを利用した消費者向け製品が製造できるのかなどの詳細は不明だ。

Oculusによれば可変焦点距離の表示を実現するために、プロトタイプのヘッドセット内でディスプレイを物理的に前後に移動させているという。簡単にいえば、カメラのオートフォーカスと同じ仕組みだが、多くのカメラのように作動音を立てたり振動を感じせたりしないという。

Oculusはこれ以外にディスプレイ分野での研究をいくつも紹介したが、このVarifocalテクノロジーは研究の成果がサイズや重量を増やさないままで製品に組み込まれる日が近いことを感じさせた。OculusはHalf Domeプロトタイプの紹介に力を入れていたが、これが製品化されればハイエンドのVRヘッドセットの基準は一変するに違いない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

2017年Q3:VRヘッドセットの出荷台数が初めて100万台を突破――トップはソニーのPS VR

VRヘッドセットの出荷台数は、当初の目が飛び出るような予測値には届きそうにないが、現在でも増え続けている。

Canalysのレポートによれば、各社の2017年第3四半期の出荷台数は、ソニーの『PlayStation VR』が49万台、Oculusの『Oculus Rift』が21万台、HTCの『Vive』が16万台だった。前四半期のデータは公開されていないが、四半期あたりの出荷台数が100万台を超えたのは今回が初めてだとCanalysは語る。

アナリストの予想通り、ソニーの一人勝ち状態が続いており、これにはPlayStation 4とつなぐだけでパソコンいらずというPlayStation VRの手軽さが大きく影響している。そのため、HTCとOculusの間ではこれまで互角の戦いが続いていたが、Oculusの親会社であるFacebookがOculus Riftの価格を大幅に下げたことで、今回はOculusに軍配が上がった。

現在の小売価格は、PlayStation VRとOculus Riftが399ドル、HTC Viveは他社より高く599ドルとなっている。また今回のCanalysのデータから、ソニー、Oculus、HTCの3社がハイエンドVRヘッドセット市場の86%を占めていることがわかった。なおMicrosoftは、『Windows 10 Mixed Reality』と名付けられた、VRコンテンツ用のプラットフォームを今期ローンチ。同プラットフォームには、SamsungやDell、Lenovo、HPなどでOEM生産されたヘッドセットからアクセスできる。

グラフィック負荷の大きいゲームにも対応しているというのが、ハイエンドVRヘッドセットの特徴のひとつではあるものの、ユーザーが動き回れるようにするための位置トラッキング機能は、今後一体型のローエンドモデルにも搭載されることになりそうだ。LenovoはGoogleと共同で開発した、位置トラッキング機能を備えたスタンドアローンのヘッドセットを数か月中にローンチ予定で、Oculusも引き続き、コントローラーにモーショントラッキング機能がついた『Santa Cruz』の開発にあたっている。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake

Fove、視線追跡VRヘッドセットの最新デザインを発表

Foveは、企業ブログのお知らせで、視線追跡VRヘッドセットの最新設計を公開した。Disrupt SF Battlefield 2014出身の同社は、2016年秋にこのヘッドセットをKickstarterの出資者宛に発送予定だとしている。

今回のヘッドセットは、Kickstarter用の弱々しげなプロトタイプから大幅に変化しているが、これはヘッドセットの重量を削減しながら丈夫さを改善しようとする努力によって成し遂げられたものである。同社はさらに、デザインを控えめにすることで生産効率が高まるとしている。

OculusやHTCと競合する高品質なHMDを製造しようとする小規模なスタートアップにとって、生産過程というのは難しい部分である。部品調達段階での遅れにより、同社は予定配達時期を2016年春から2016年秋へと延期せざるを得なかった。おそらく、より重大なのは、 Foveが独自システムを採用するために、HTC Viveの位置追跡機能をサポートするValveのLighthouseシステムとの統合を行わないと発表したことだろう。

FOVEのヘッドセットの旧デザイン

FOVEのヘッドセットの旧デザイン

このヘッドセットがほかのフェイスコンピュータと異なるのは、これがユーザーの視線をモニタリングする視線追跡センサを機体に直接統合した初のVRヘッドセットであるということだ。この技術により、ユーザーがインターフェイスを操作する方法を改善できるほか、ゲームのプレイ感やヘッドセットによるコミュニケーションをも変化させる可能性がある。

将来的には、ディスプレイが被写界深度のシミュレーションを行い、ユーザーの視線の中央部分にのみ最高解像度の画像を表示し続ける技術である中心窩適応レンダリングという方法によって、視線追跡によって信じられないほど高解像度のヘッドセットの性能が向上することになるだろう。

視線追跡は、多くの業界人によって次世代のハイエンドヘッドセットの主要な機能になると考えられている。したがって、Foveがこの特別な機能を持った唯一のVRプレイヤーである期間はそれほど長くはないかもしれない。視線追跡技術の老舗であるSMIは、すでにHTC Vive向けの視線追跡開発キットを公開しているし、ほかにもTobiiやEyefluenceなどの視線追跡関連企業が次世代デバイスの開発に関してVRヘッドセットメーカーとの提携を発表している。

[原文へ]

(翻訳:Nakabayashi)