Slackがロシア国内のアカウント停止措置を開始、親会社Salesforceの対応に追従

Slackがロシア国内のアカウント停止措置を開始、親会社Salesforceの対応に追従

Oscar Wong via Getty Images

業務用コミュニケーションツールのSlackが、ロシア国内のアカウントを停止する措置を開始しました。Slackの親会社であるSalesforceはすでにロシアからの撤退を表明しており、これに準じた対応と考えられます。

ニュースサイトAxiosによると、Slackのアカウント停止は主に米国からの制裁対象になった会社や組織を対象に予告なく行われており、一切のデータのダウンロードやバックアップの機会も与えられなかったとのこと。

Slackは数多くの企業に浸透しており、社内におけるコミュニケーションやファイルのやりとりなど、利用する企業にとって重要なデータを多く取り込んでいます。そのためバックアップ手段を講じていない状態で突然利用できなくなった場合、業務への影響は非常に大きなものとなりそうです。

SlackはAxiosに対し「われわれは、事業を展開する他の国々における米国の制裁規制を遵守することを法律で義務付けられており、状況によっては事前通知なしにアカウントを即時停止するなどの行動を起こすことが求められている」と述べました。そして「法律で許可されている場合には、これらのアクションの影響を受ける顧客と連絡を取っている」とコメントしています。

なお、Slackとしては遮断した企業のアカウントのデータを削除はしていないものの、制裁によって遮断された組織はそれが解除復旧されるまではデータにアクセスすることもできません。

ちなみにSalesforceは、撤退は先週から開始しているものの、ロシア国内の顧客はごく少数であり「ロシアには重要な事業はない」と述べています

(Source:AxiosEngadget日本版より転載)

ウォレットアプリのKyashが49億円のシリーズD調達、累計資金調達額約128億円に

ウォレットアプリのKyashが49億円のシリーズD調達、累計資金調達額約128億円に

ウォレットアプリ「Kyash」(iOS版Android版)提供のKyashは3月17日、シリーズDラウンドにおいて、第三者割当増資による49億円の資金調達を実施したと発表した。累計資金調達額は約128億円となった。引受先は、JPインベストメント、米Block(旧Square)、英Greyhound Capital、米Altos Ventures、Goodwater Capital、StepStone Group(旧Greenspring Associates)、香港Yitu Capital、SMBC日興証券、三井住友海上キャピタル、AGキャピタル、ジャフコ グループ、SMBCベンチャーキャピタル、W venturesのそれぞれが運営するファンド。

調達した資金により、さらなる人材採用による組織拡充を行い、事業領域の拡大・サービス運用体制を強化する。

「Kyash」アプリは、インストールすると誰でもすぐにバーチャルカード(Visa)を発行可能。銀行口座やクレジットカード、デビットカードをアプリに登録すると、Visaオンライン加盟店で買い物が行える。Apple PayやGoogle Payにも対応しており、QUICPay+加盟店の決済もサポート。「Kyash Card」、「Kyash Card Lite」を発行すると実店舗でも利用できる。カードの利用限度額上限や利用可能場所はカスタマイズに対応しており、ICチップによるサインレス決済も可能。

2015年1月設立のKyashは、「価値移動」のサービス・インフラを開発・提供するテクノロジー・カンパニー。人々のライフスタイルに寄り添いながら、人々の価値観や想いが自由に届けられる「新しいお金の文化」を創造することを目指している。

Google I/Oが5月11日、12日に開催、来場者は限定的だが無料ライブストリーミングで視聴可能

感じている?温かくなってきて外は明るくなり、開発者のための何かが漂ってきているようだ。米国時間3月16日朝、Googleの年次開発者会議が行われる前に新たなヒントがあった。同社は5月11日、12日にGoogle I/Oを開催すると認めた。

これまではカリフォルニア州マウンテンビューにあるショアライン・アンフィシアターで開催されてきた。2020年、Googleは当時まだ蔓延していた新型コロナウイルス(COVID-19)を懸念し、開催を見送っていた。しかし2021年、2021年に同社は他のテック企業とともにすべてをデジタル化したイベントで開催した。同社は「限定されたライブ観客」とともにコンサート会場に戻ってくる。今回もまた、会場に足を運べない人のために、無料のバーチャルストリーミングを取り入れたライブになる予定だ。

AppleのWWDCと同じく、開発者向けのイベントである一方、キックオフ時には一般ユーザー向けのコンテンツも披露される。Android、Wear OS、各種Googleサービスのアップデートはほぼ確定している。ハードウェアは、伝統的にもう少し不確実なもので、NestやPixelの新モデルは追加された年もあれば、デバイスが発表されない年もあった。過去には、同社のAI予約サービスであるDuplexの発表(およびそれに続く最初のライブデモ)を含む、驚きもあった。

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

【3月17日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位は2022年10月1日から実施Google Cloud値上げ

【3月17日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位は2022年10月1日から実施Google Cloud値上げ

掲載記事のうち、3月17日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:Google Cloudが大幅値上げ、2022年10月1日から実施

クラウドインフラのレンタル料金は、通常時間が経つにつれて安くなるが、米国時間3月15日、Google Cloudがその流れに逆らって、多くのコアサービスで大幅な値上げを発表した。

第2位:【レビュー】iPhone 13/13 Proの新色グリーンを実機でチェック!iOS 15.4のマスクありFace IDも試した


第3世代iPhone SEの予約受付が開始されましたが、忘れてはいけないのがiPhone 13シリーズの新色。iPhone 13、13 miniには「グリーン」が、iPhone 13 Pro、13 Pro Maxには「アルパイングリーン」が追加されます。

第3位:64ビットRISC-V版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」をClockwork Techが発売、組み立て式で価格約3万円

Clockwork Techは3月16日、64ビットRISC-V(リスク・ファイブ)チップ版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」の発売を開始した。組み立てキットの体裁で販売しており、直販価格は239ドル(約2万8261円)。

第4位:AndroidのゲームをWindows上で楽しめる「Google Play Games for PC」がベータテスト開始、香港・韓国・台湾で

米国時間1月19日、Googlは同社が新たに発表したGoogle Play Games for PCプロダクトの非公開ベータテストを、香港、韓国、台湾の3つの海外市場で開始する。

第5位:【レビュー】Apple Studio Display、発売と同時に注文することにためらいはなかった

Appleは同社の3月イベントで、Studio Displayを発表した。27インチの外部モニターで、価格は1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)からと、これまで同社唯一のモニターだった、Pro Display XDR(5000ドル[税込58万2780円]から)から大きく引き下げられた。

画像クレジット:
Brands&People on Unsplash
SEAN GALLUP/GETTY IMAGES / GETTY IMAGES
GOOGLE
APPLE

Astraが新規顧客であるSpaceflightの初ミッションで軌道に到達

宇宙スタートアップから今は上場企業となったAstra(アストラ)は、同社の新規顧客であるSpaceflight Inc.のためのデビューミッションで、2度目の軌道到達を果たした。

これは同ロケット打ち上げ企業にとっては大きな収穫だ。Astraは2021年11月に初めて軌道に乗ったが、それ以来、その偉業を再現できていなかった。今までは。

Astra-1ミッションは、アラスカ州のコディアック宇宙港から打ち上げられた。LV0009と名付けられたロケット3.3号機は、教科書通りの(つまり特筆すべきことのない、というのは打ち上げビジネスでは良いことだ)リフトオフとステージ分離を行った。今回の打ち上げでは、アマチュアのロケット愛好家グループであるPortland State Aerospace Society(PSAS、ポートランド州航空宇宙協会)の超小型衛星CubeSatやNearSpace Launchの衛星間通信システムなど、Spaceflightの3組の顧客のペイロードを軌道に乗せた。3番目の顧客は公表されていない。

Astra-1のミッションの飛行経路(画像クレジット:Astra)

同社は、打ち上げライブ配信の終了までに、顧客のペイロード展開を確認することはできなかった。展開が確認され次第、TechCrunchは記事を更新する。

【更新】AstraはTwitter(ツイッター)で、衛星が正常に展開されたことを確認した。

米国時間3月16日に行われた本日の打ち上げは、2025年まで続くSpaceflightとの契約における一連のミッションの最初のものであると、両社は14日に発表した。

Astraは2021年7月、SPAC合併によりNASDAQに上場し、従来のIPOプロセスを回避して株式市場へ参入する宇宙関連企業が増えている中、その仲間入りをした。その後、同社の株価は下落の一途をたどり、2月の直近の打ち上げ失敗の後、26%も下落することとなった。

同社は3月初め、失敗した打ち上げに関する予備的な事後報告を発表した。Astraのミッションマネジメント&アシュアランス担当シニアディレクターであるAndrew Griggs(アンドリュー・グリッグス)氏は、失敗の原因は、フェアリング分離機構の問題でステージ分離に異常をきたしてしまったことと、推力ベクトル制御システムのソフトウェアに問題があったことの2点であると述べていた。

「絶え間ないイテレーションと広範なテストを通じ行った変更により、LV0008で発生した不具合は解消され、ソフトウェア群はより安定しました」と同氏は述べた。

Astraには大きな計画がある。同社は2021年、投資家らに対して、2023年までに週1回、さらに2020年代半ばまでに1日1回の打ち上げを行うことを目標としていると語っている。

打ち上げの様子はこちらでご覧いただける。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Den Nakano)

【レビュー】第5世代のiPad Airと11インチiPad Proを比較してみた

iPad Air(第5世代)を発売に先立ってレビューした

iPad Air(第5世代)を発売に先立ってレビューした

第3世代のiPhone SEと同時に、第5世代のiPad Airが発売されます。iPad Airとしてはおよそ1年半ぶりのリニューアル。前回はiPhone 12に合わせたスケジュールで市場に投入されましたが、今回はiPhone SEと同タイミングでの発売になります。第4世代でProモデルの特徴を取り入れ、フルモデルチェンジを図ったiPad Airですが、第5世代では、その基本設計を踏襲しつつ、新たに「M1チップ」を搭載。高速通信規格の5Gにも対応しました。

筆者は、M1搭載の11インチiPad Proを真っ先に購入したクチですが、使い方を考えるとスペック的にはiPad Airで十分なのでは……と感じることも。ぶっちゃけると、M1チップの性能も引き出せているかどうか微妙なところではありますが(笑)、Magic KeyboardやApple Pencilが使えて、かつ処理能力がそれなりに高いiPadは必須アイテムではあります。そんな筆者が、M1搭載iPad Proユーザー目線で第5世代のiPad Airをチェックしていきます。

まずは外観から。iPad Proはよく言えばカラーリングを気にしないPro仕様、悪く言えば無難な2色展開でしたが、iPad Airはカラフルな5色展開。試用したブルーも、鮮やかな色合いがアルミの質感とマッチしていて、使っているとテンションが上がります。Magic Keyboardを付けてしまうと背面の違いがわかりづらいと思われるかもしれませんが、前面からもフレームがチラッと目に入るため、“Air感”は十分感じられます。

カラバリの豊富さはiPad Airならでは。今回試用したのはブルー

カラバリの豊富さはiPad Airならでは。今回試用したのはブルー

Magic Keyboardを装着しても、フレームからチラリとのぞく色でAir感を感じられる

Magic Keyboardを装着しても、フレームからチラリとのぞく色でAir感を感じられる

Proより0.1インチだけディスプレイは小さくなりますが、パッと見ではその差がよくわかりません。ただし、ベゼルが太いのはすぐにわかります。ここは好き嫌い分かれるところですが、筆者は狭額縁派。キーボードなどを装着せずに単体で使う場合、指をかける場所がほしいということで、Airの方が安心感がある人もいるでしょう。

次に処理能力ですが、M1を搭載していることもあり、レスポンスは非常によく、不満はほとんどありません。Apple Pencilで校正をするために使う「GoodNotes 5」や、「Lightroom」のような画像編集系のアプリもサクサク動きます。原稿はApple純正のPagesで作成して書き出すことが多いのですが、当然ながら動作には一切問題なし。何なら、この原稿もiPad Airで執筆しています。そもそもの話、原稿を書いたり、調べものをしたりという程度なら、M1である必要すらないのかもしれません。

日常的に業務に取り入れているアプリは、スムーズに動いた

日常的に業務に取り入れているアプリは、スムーズに動いた

日常的に業務に取り入れているアプリは、スムーズに動いた

Geekbench 5でのスコア。M1搭載のiPad Proに迫るスコアだ

Geekbench 5でのスコア。M1搭載のiPad Proに迫るスコアだ

個人的には、原稿執筆だけなら、PCよりもiPadの方が集中できます。これは、ディスプレイサイズが普段使っているPCより狭めで、iPadOSがPCと比べるとマルチウィンドウに制約があるためでしょう。もちろん、iPad AirでもSplit ViewやSlide Overで複数アプリを同時に使うことはできますが、それをするとメインの画面が小さくなってしまい、特に執筆作業には支障をきたします。

10.9インチとディスプレイが狭いぶん、画面に表示するアプリをどうしても厳選せざるをえなくなるため、目の前にある原稿に集中できるというわけです。作業中にTwitterで遊んだり、調べものをしていたつもりが、いつの間にかまったく関係のないサイトを読み込んでいたりということが減り、効率よく仕事ができます。文字入力のレスポンスがとにかくいいのもiPad Airの魅力で、テンポよく原稿を書いていけます。

本稿もiPad Airで執筆

本稿もiPad Airで執筆

iPad Proとの違いとして、画面のリフレッシュレートが60Hzという点は指摘しておきたいところですが、普段使いではあまり気にならないかもしれません。悲しいことに、筆者の動体視力が衰えている可能性は十分ありますが、自分の中では「これがないから絶対にPro」と断固主張するほどの差ではありませんでした。スクロールなどの滑らかさは確かにiPad Proの方が上ですが、仕事道具として使うぶんには、それほど気にならないと思います。

M1搭載iPad Pro使いとして少々気になったのは、Face IDに非対応なところ。Touch IDを統合したトップボタンも認証の速度は速く、iPad Air単体で使うだけならこれで十分なのですが、ことキーボード入力時はFace IDの方がUXとして自然。認証のために、指をいったんキーから離す必要がないからです。この点は画面表示の時間を長くするなどして、なるべくロックがすぐにかからないよう設定を工夫した方がいいかもしれません。

Touch ID対応は単体で使うぶんには便利だが、キーボード利用時には指を伸ばす必要があるのが難点

Touch ID対応は単体で使うぶんには便利だが、キーボード利用時には指を伸ばす必要があるのが難点

11インチのM1搭載iPad Proを購入した個人的な理由としては、5Gもありました。第4世代までのiPad Airは、4Gまでしか利用できなかったからです。筆者のiPadの利用シーンとして、取材時のメモ取りなどがありますが、発表会などで使われるメジャーな施設では5G対応エリアの場合も多く、せっかくなら高速通信がいいということでiPad Proを選んだことを記憶しています。第5世代のiPad Airは同モデルとして初めて5Gをサポートしたため、高速通信がマストというユーザーも買いやすくなったのではないでしょうか。

試しにドコモで「5Gデータプラス」を契約しているSIMカードを入れ、5Gエリアに行ってスピードテストをしてきましたが、第4世代のiPad Airまででは体感できなかったような速度を叩き出しました。これならば、動画のダウンロードやアプリのダウンロードなども快適にできます。ただし、高速通信が可能な新周波数帯の5Gエリアはまだまだ限定的なため、キャリアにももっとがんばってほしいと感じています。

5Gエリアで速度を測定。以前は1Gbps近く出ていた場所だが、対応端末が増えたこともあってか、500Mbps台にとどまっていた。それでも十分高速だ

5Gエリアで速度を測定。以前は1Gbps近く出ていた場所だが、対応端末が増えたこともあってか、500Mbps台にとどまっていた。それでも十分高速だ

11インチのM1搭載iPad Proユーザーとして第5世代のiPad Airを使ってみましたが、ビックリするほどこれで十分でした。無理をして最高峰のiPad Proを購入する必要はなかったのかもしれません(1年待てたかという問題はありますが)。ただし、上記のようにFace ID非対応なのが残念なポイント。Touch IDでロックを解除した後のキーボード利用時のみ、インカメラで簡易的な認証を行うなど、ソフトウェア的な工夫でなんとか解決してほしいところです。

(石野純也。Engadget日本版より転載)

フォードが人の助けなしにロボットだけで3Dプリンターを操作することに成功、生産ラインのボトルネックを解決

Ford(フォード)のAdvanced Manufacturing Center(先端技術製造センター)は、異なるサプライヤーの機械同士が同じ言語で会話し、生産ラインの一部を自律的に操作できるようにするインターフェースを開発した。

自動車メーカーは何十年も前から、コスト削減と効率化のために製造工程にロボティクスを取り入れてきた。しかし、フォードの特許出願中のシステムは、ロボットが夜通し人手を介さずに3Dプリンターを操作することで、生産ラインの重要なボトルネックを解決するものだ。

この自律システムは、Carbonの3DプリンターとKUKA製ロボットが初めて同じ言語で会話できるようになり、生産工程に関わる他の機械とのコラボレーションの可能性を限りなく広げる。

これまでこの試みは、パフォーマンスパッケージを装着したMustang Shelby GT500(マスタング シェルビーGT500)スポーツカー用のブレーキラインブラケットなど、少量生産のカスタムカー部品の生産に役立っている。

「この新しいプロセスは、当社の製造施設におけるロボティクスの使い方を変える力を秘めています」と、グローバル製造技術開発ディレクターのJason Ryska(ジェイソン・リスカ)氏は述べている。

サプライヤーであるKUKAの車輪付きロボット「Javier」は、従業員が夜間に帰宅した後も、人間の介入なしに3Dプリンターを継続的に稼働させることができる。Fordによると、ロボットはプリンターのデータから常に学習し続け、自動車メーカーがより高い精度を達成し、誤差を減らすのに役立っているという。

「Fordの先端技術製造センターでは、Javierは完全に1人で3Dプリンターを操作する任務を負っています」とFordは声明の中で述べている。「彼は常に時間を守り、非常に正確な動作をし、充電のために短い休憩を取るだけで、ほぼ1日中働いています」。

通常、異なるサプライヤーの機器は、別々の通信インターフェースを使用しているため、相互作用することができない。Fordのシステムでは、異なるサプライヤーの機器同士が会話し、リアルタイムでコマンドやフィードバックを送ることが可能になる。

Carbon 3DプリンターがJavierに印刷物の準備ができたことを伝えると、Javierはそれを回収し、後で人間のオペレーターが回収できるように置いておく。

Fordは、通信インターフェースとロボットの正確な位置決めを支える技術について、複数の特許を申請している。このプロセスは自律的に行われるが、人間のオペレーターが3Dデザインをプリンターにアップロードし、機械のメンテナンスを行う必要がある。

画像クレジット:Ford

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Den Nakano)

アドビが「Experience Cloud」のカスタマージャーニー分析に新たな実験機能を追加

Adobe(アドビ)は米国時間3月15日、同社の「Experience Cloud(エクスペリエンス・クラウド)」製品群に含まれる、プラットフォーム全体で顧客を追跡するツール「Customer Journey Analytics(カスタマージャーニー分析)」に導入された多数の新機能を発表した。

新型コロナウイルス感染流行から、より多くのブランドとその顧客がオンラインショッピングへの移行を加速させる中、チャンネル(ウェブ、モバイル、店舗など)をまたいでユーザー体験を管理し、パーソナライズできるようにする必要性も高まっている。しかし、これらのデータをすべて追跡してダッシュボードにプロットすることと、その実用価値を高めることは、また別の話だ。

画像クレジット:Adobe

小さな変化でも、さまざまなプロパティをまたがってカスタマージャーニー全体にどのような影響を与えるかを、企業がより理解しやすくするために、アドビは企業が現実のシナリオをテストして、その結果を分析できる新しい実験機能の提供を開始した。例えば、モバイルアプリに変更を加えることによってコールセンターへの問い合わせが減少するかどうかを確認したり、ウェブサイトを変更するとモバイルアプリのダウンロードが増加するかどうかなどを確認することができる。これは基本的に、カスタマージャーニー全体を対象とするA/Bテストだが、さらに企業はこのデータを使って、個々のユーザーや大規模なユーザーセグメントに向けて、ユーザー体験を正確にパーソナライズできるという利点もある。

これらはすべて機械学習モデルによって行われるもので、膨大なデータセットから相関関係を容易に見つけ出すことができる。アドビによると、このアルゴリズムは「過去のデータ、比較可能なキャンペーン、進行中のベンチマークなど」を参照するということだ。

「現在、人々はしばしばデジタルを使って、以前にはやらなかったかもしれないようなことを始めています。彼らは1つの結果を得るために、複数のデバイスを通じて複数のチャネルに関与しているのです」と、Adobe Analytics(アドビ・アナリティクス)のプロダクトマーケティング担当ディレクターを務めるNate Smith(ネイト・スミス)氏は筆者に語った。「このことは、生涯価値と顧客保持に力を入れる多くのブランドにとって、オムニチャネル分析の優先順位を押し上げることになりました。問題になっているのは、そのような分析を行っている方法です」。

スミス氏は、従来のアプローチ、すなわちデータウェアハウスやデータレイクへのデータパイプラインとか、SQLレイヤーとその上の可視化ツールといったやり方では、一見シンプルだがコード化するのが難しい質問に対する迅速な答えを関係者が必要としている環境では、あまりにも複雑で効率が悪いと主張する。

「私たちのカスタマージャーニー分析では、Adobe Experience Platform(アドビ・エクスペリエンス・プラットフォーム)に用意されている多くの専用コンポーネントを利用できます。このプラットフォームは、当社がこの分野で買収した企業がネイティブに接続できるように、この数年間で完全にネイティブに構築されています」と、スミス氏は語る。「他の多くのベンダーが、マーケティング・クラウド・ポートフォリオを構築するために大規模な買収を行っていますが、当社はそのためのプラットフォームを実際に開発しました。なぜなら、これらをすべて機能させるためのダクトテープや針金は、ある時点でなくなってしまうからです」。

このカスタムプラットフォームがあるからこそ、新たな実験機能にチームはデータを送り込むことができる。スミス氏が指摘するように、これは開発者が既存のあらゆるツールを使って、これらのテストを構築できることも意味する。

アドビはまた、カスタマージャーニー分析が持つ顧客セグメントの発見機能と「Customer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム、CDP)」との間の新たな統合も構築した。「カスタマージャーニー分析で発見したオーディエンスをCDPで実際に共有し、どのシステムでもそれに対するアクションを起こすことができます」と、スミス氏は説明する。「私たちにとって、インサイトを発見するだけでなく、インサイトを最終的に活性化できるというのが、本当にエキサイティングな瞬間なのです」。

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

新型コロナの復活と米国の規制で身動きがとれなくなった中国のテクノロジー企業

中国のテクノロジー企業の多くにとって、2022年の展望はあまりよろしくない。過去1年で独占禁止関連やアルゴリズムの利用に対する制限など、サイバースペースには多くの新しい規制が導入され、インターネット企業は大小を問わずビジネスモデルと収益化方法の再編を強いられて、投資家の信頼も失った。

2022年の当初に登場した新たなチャレンジが、早くも投資家の弱気を誘っている。香港に上場している中国企業のインデックスHang Seng China Enterprises Indexは、米国時間3月14日に7.2%下げ、2008年11月以来の最大の下げとなった。Meituan、Alibaba、Tencent、Pinduoduoなどテクノロジー大手の株価は、先週にかけて落ち込んでいる。

投資家のパニックを引き起こしているマクロなリスクの1つは、中国における新型コロナウイルス(COVID-19)の復活だ。ここ数日で1日の感染者数は数千人を記録し、世界のその他の地域に比べるとそれほどでもないが過去2年間では最悪だ。

製造業の大型拠点でDJIやTencent、Huaweiなどテクノロジー大手の本社のある深圳は、1週間の全市ロックダウンに入った。iPhone組み立ての大手Foxconnは、この人口2000万の中国南部の都市における生産を休止した

長春での大発生が、中国の自動車のサプライチェーンを破壊した。中国北東部の吉林省にある同都市は、国有の自動車メーカーFAW Groupの本社があり、それは中国におけるVolkswagenとToyotaの合弁事業のパートナーだ。この都市でVolkswagenとToyotaの両社は、自動車工場の生産を停止した

新型コロナウイルスの新しい波は、Teslaのギガファクトリーのある上海を襲ったが、同市のビジネス活動はまだ健在だ。

業界は在宅勤務への備えができているため、ロックダウンは平気なのかもしれない。しかしそれでも、中国のテクノロジー株の多くが最近1年ぶりで下げたのは、米国の規制と厳しい検査が再来したせいかもしれない。

先週、米国の証券取引委員会(SEC)は、中国企業5社の名を挙げて、米国市場から下ろすと告げた。その行為は、外国の企業は外国政府によってコントロールされていないことを示す監査情報を提示すべきとする、トランプ時代の法律に根拠がある。

中国企業の米国預託証券(American depositary receipts、ADR)は厳しい板挟みに遭っている。ワシントンは米国に上場している外国企業の帳票の開示を求め、中国は監査会社が文書を海外に渡すことを禁じている。これはかなり前から、米国と中国の金融規制当局にとって難問だった。

北京は2021年また、データ企業がアウトバウンドで送ってもよいものをより厳しく制限し、米国で急いでIPOしようとした中国のライドシェア大手Didiを規制で取り締まろうとした

上場を外されるリスクと中国と米国の間の地政学的な緊張が気になる多くの中国企業、すなわちAlibabaやJD.com、NetEaseなどの大手も含む企業は、香港でに二次上場を目指した。SECが先週明らかに、中国の5つのADRを挙名したことは投資家の懸念を再燃させ、さらに多くの中国企業が別の市場の模索とそこへの上場を急ぐだろう。

画像クレジット:masterSergeant/Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

外食産業の労働力不足を狙い配膳ロボットを手がけるBear Roboticsが約96億円調達

数年前からフードロボットのスタートアップ企業を追いかけていて最も興味深いことの1つは、下ごしらえから配達まで、各社が自動化を目指しているさまざまな作業を見ることだ。ベイエリアに拠点を置くBear Robotics(ベア・ロボティクス)は、ロボットをカウンターの前に連れ出そうとしている唯一の企業というわけではないが、近年、最も注目を浴びる企業の1つとなっている。

Bearは、日本でより多くのレストランに同社のシステムを導入しようとするなど、最近の展開で成功を収めている。これには、同社に出資しているSoftBank(ソフトバンク)の後援や、日本では労働力不足が続いているという事情がある。日本は以前から、高齢化社会の中で事業を継続させるための方法としてロボットに注目しており、近年の新型コロナウイルス感染流行がそのニーズを加速させた。一方、米国では、同社はChili’s(チリズ)、Compass Group(コンパス・グループ)、Denny’s(デニーズ)、Marriott(マリオット)、Pepsi(ペプシ)と提携している。

同社のビジネスモデルが、ソフトバンクから多大な信頼を得ていることは間違いない。ソフトバンクは最近、ロボットに対してさらに強気になっており、2020年にはBearのシリーズAを主導した。そして米国時間3月15日、新たな投資家としてIMMが、Cleveland Avenue(クリーブランド・アベニュー)などの既存投資家とともに、同社の8100万ドル(約96億円)のシリーズBを主導するために参入した。この最新のラウンドにより、Bearの資金調達総額は、これまでに約1億1700万ドル(約139億円)に達している。

Bearは、全自動化にははっきりと慎重な姿勢を示している。同社はこれまで、レストランが人間の給仕スタッフに取って代わるのではなく、それを補うための手段として自社を位置づけてきた。これは、同社の機械がロボット・ウェイターというよりも自走型テーブルに近いものであり、A地点からB地点まで注文を載せて運ぶだけという事実が一因であることは間違いないだろう。

「数年前に自分のレストランを始めたことで、私はその難しさを身をもって知りました」と、創業者兼CEOのJohn Ha(ジョン・ハー)氏はリリースで語っている。「そこで私は、レストランの良さを失うことなく、繰り返しの作業を自動化する方法はないものかと考えました。だから私たちはServi(サーヴィ)を作ったのです。これは、お客様、従業員、そして経営者の体験を向上させることを目的としたソリューションです。他の企業が仕事を完全に自動化しようとしている一方で、私たちは毎日この業界を支えている利害関係者のために、仕事の未来を向上させようとしているのです」。

Bearによると、同社のServiロボットは、これまでに総計33万5000マイル(53万9100キロメートル)を移動して、2800万食を配膳してきたとのことだ。

画像クレジット:Bear Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Ecosiaが検索による広告収益をグリーンエネルギーに投資

非営利的な検索エンジンであるEcosia(エコシア)は、ユーザーの検索結果に対して得られる広告収入の一部を、再生可能エネルギー分野のスタートアップ企業に提供することを始めた。

これは、Ecosiaが気候変動に注力するスタートアップ企業を支援するために、2021年立ち上げた3億5千万ユーロ(約456億円)の「WorldFund(ワールドファンド)」に追加されるものだ。

Ecosiaは、検索による広告収益で植林のための資金を寄付する活動も続けている(この活動は、Ecosiaの活動として最もよく知られている)。しかし、ベルリンを拠点とするこの検索エンジンは、ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされたエネルギー危機を受け、グリーンエネルギーへの投資に「継続的に取り組む」ことにしたと語っている。

その最初の投資対象はドイツに焦点を当てている。特にロシアからのガス購入に依存しているドイツは、その経済がウクライナ危機の影響を大きく受けていることを意味する。

この戦争はすでに、世界に化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を加速させる新たな原動力を生み出している。気候危機に経済危機が重なったことで、再生可能エネルギーへの需要が急増する可能性がある。

しかし、化石燃料の利権者たちは、グリーンエネルギーへの急速な移行を阻止するため、すぐに反論を展開し、西側諸国が石油やガスの利用を進め、地球上の生命をより早く焼き尽くしてしまうように、ロビー活動を行っている。つまり、投資家が再生可能エネルギーに小切手を切ることに急ぐ理由には事欠かないというわけだ。

Ecosiaは、スタートアップ企業や自然エネルギーの取り組みに資金を提供するため、まずは2700万ユーロ(約35億円)を用意したという。その初期の投資の対象となるのは、ベルリンのスタートアップ企業であるZolar(ゾーラー)の供給ネットワークだ。Zolarは太陽光発電システムの設置を希望する顧客と、地域の計画・設置事業者を結びつけるプラットフォームで、ドイツ中の家庭へグリーンエネルギーを普及させることに貢献している。

Ecosiaは、Zolarの地域ソーラー販売ネットワークを通じて、小型ソーラーシステムにすでに2000万ユーロ(約26億円)を投資したと述べている。同時に、ドイツ全域でその他の再生可能エネルギープロジェクトにも投資を行っているという。

「現時点では、我々はドイツ全域の再生可能エネルギープロジェクトを支援しています。再生可能エネルギーへのさらなる投資は、Ecosiaが地域自然エネルギープロジェクトや起業家からの提案を評価した上で、他の国でも行われる可能性があります」と、広報担当者は筆者に語った。

Ecosiaのグリーンエネルギー投資の目標は、より多くの企業が再生可能エネルギーに投資することを促し、化石燃料を地中に埋めたままにしておくことがかつてないほど急務となっている今、再生可能エネルギーへの移行を加速させることであると、広報担当者は付け加えた。

Ecosiaの広報担当者は「再生可能エネルギーへの投資を、気候変動に留まらない規模に拡大したいと考え、助言を求めている企業や、欧州の化石燃料への依存度を下げるという意味で変化をもたらすグリーンエネルギーのアイデアを持つ起業家やコミュニティのプロジェクトリーダーは、当社のエネルギーチームに連絡してください」と述べ、最高執行責任者のWolfgang Oels(ウルフガング・オールズ)氏がこの取り組みを指揮していることを強調した。

Ecosiaは、検索による広告収入の投資先をさらに多様化し、将来的には再生可能農業も視野に入れることを示唆している。ただし、現時点では、グリーンエネルギープロジェクトに重点を置いていることは変わらない。

植林と再生可能エネルギーへの投資をどのように分配するかという質問に対して、Ecosiaは、エネルギー資金は応募者の能力次第であるため、正式な分配は行わない、つまり収益の分配は毎月ケースバイケースで決定されると答えた。

広報担当者によれば、Ecosiaは月次の財務報告書で「いつ、どのように」投資を行うか、利益の分配を公表するという(これは従来からの植林への寄付も同じだ)。

幅広い気候変動技術に注力し、資金調達を希望するスタートアップ企業は、Ecosiaの創業者であるChristian Kroll(クリスチャン・クロール)氏がベンチャー・パートナーを務めるWorldFundに売り込むことをお勧めしたい。これまでWorldFundは、植物由来ステーキをてがけるスタートアップ企業のJuicy Marbles(ジューシー・マーブルズ)や、植林のためのフィンテック企業であるTreeCard(ツリーカード)、カカオを使わないチョコレート代替品を作るQoa(コア)などに出資してきた。

画像クレジット:Ecosia

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

第5世代のiPad Airは、最新のApple製品に取り入れられているカラーを踏襲しつつ、独自のブルーを加えた5色の展開。中核モデルであるiPad Airはカラーバリエーションが最も多く、プロのクリエイターに特化した機能と性能を重視したiPad Proとは異なるテイストの製品だ。

特に先代モデルからはiPad Proのエッセンスを取り入れ、同等スペックならドルベースで150ドル安価という「手を伸ばしやすい、しかしフル機能に近いiPad」という性格を備える。MacBookがそうであるように、Proはプロフェッショナルクリエイター、Airは洗練された使い方を求めるプレミアムな一般ユーザーという位置付けが明確化されている。

そのiPad AirにとうとうApple M1チップが搭載された。登場して1年半が経過しているM1だが、いまだにモバイルコンピュータ向けとしてはパフォーマンスと省電力性の両方で圧倒的。それが中核機に降りてきたというのが、第5世代の一番の注目点ということになるのだ。

M1搭載による利点は”爆速”ではなく”創造的”なこと

M1が搭載されたことで、単にCPUが高速になるだけではなくGPUやNeural Engineが強化され、機械学習処理を取り入れた写真修正、動画編集、3Dモデリングなど、さまざまなクリエイター向けアプリの応答性と処理の正確性が高まる。機械学習の最適動作が進めば、タッチ操作やApple Pencilで自動処理できる範囲も広がり、クリエイティブな作業へのハードルが下がる。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

結論から言えば、iPadシリーズの中でもっとも費用対効果が高い中核モデルという性格はそのままに、最高の性能を得た本機は引き続きiPadシリーズの中でも、注釈なしに薦められる製品だ。

第4世代からの変化では、超広角のインカメラに「センターフレーム」という最新の機能が取り入れられ、5Gモデムも内蔵するなど時代に合わせたリフレッシュも行われている。たとえ第4世代モデルを安価に入手できることがあったとしても、永く使いたいならばあえて旧モデルを選ぶ理由もない。

ただし、これまであったコストパフォーマンスの高さは、Appleの戦略とは関係ないものの、円安に振れた為替トレンドにより(日本の顧客にとっては)少々、微妙な価格設定になっていることは否めない。

同じストレージ容量の11インチiPad Proと第5世代iPad Airの価格差は、米ドルベースでは150ドルなのに対し、日本円では1万4000円に過ぎない。このことでどちらを選ぶのか、悩んでいる方は多いのではないだろうか。

その答えは人それぞれだろうが、言い換えるなら為替の影響で価格が近づいた11インチiPad Proとの間で選択を悩む以外に、本機についての懸念点はほとんどない。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

ではiPad Airと11インチiPad Proはどのような点が異なるのだろうか。わずかにiPad Airの画面が小さい一方、カラーバリエーションが多いことは承知しているだろうが、それ以外にも以下の点が異なる。

  • Face ID(TrueDepthカメラ)ではなくTouch IDで個人認証
  • ディスプレイの最大輝度が600nitsに対して500nits
  • 超広角含めた二眼カメラ+LiDARに対しLiDAR非搭載の広角一眼のアウトカメラ
  • 縦横自在の4スピーカーに対し横画面のみでステレオとなる2スピーカー
  • 5個のマルチマイクによる指向性制御に対しデュアルマイク構成
  • Pro Motion対応120Hz表示・タッチパネルスキャンに対し60Hz
  • 外部接続端子がThunderbolt 4(40Gbps)に対しUSB 3.0(10Gbps)

このように並べてみると意外に大きな違いだ。

150ドルの価格差ならば、この違いがあったとしても、多くの人にとってiPad Airの方が適切な選択肢だと明言できたが、1万4000円の違いとなれば迷うのも無理はない。

中でも体験レベルが大きく異なってくるのは、

  • 縦横自在の4スピーカーに対し横画面のみでステレオとなる2スピーカー
  • 5個のマルチマイクによる指向性制御に対しデュアルマイク構成
  • Pro Motion対応120Hz表示・タッチパネルスキャンに対し60Hz

の3点だろうか。【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル

縦横どちらでも使うiPadの場合、どの方向でもステレオ効果が得られる点は、2世代前のiPad Proが発表された時、随分と感心したポイントだった。その後、空間オーディオ再生に対応し、なおさら4スピーカーの良さが際立つようになったと思う。

マイクに関しては高音質の録音を求めない場合でも、ビームフォーミングに役立つ。オンライン会議時に生活音や背景ノイズを遮断するキーテクノロジでもあるだけに、iPadでオンライン会議をこなしたい人にとっては悩ましい違いだろう。

ProMotionに関しては、スクロール時などの”ヌルヌル感”や指にピッタリと吸い付いたようにドラッグする対象が動く感触的な違いはあるが、一般的な利用では大きな違いは出ない。しかし、絵を描くのであればApple Pencilの追従性向上は体感できるレベルにあると思う。

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデル個人認証に関しては、Face IDが良いのかTouch IDが良いのかは好みや使い方もある。iPhoneではマスクありの認証に対応したFace IDだが、iPadでは引き続きマスクありでのロック解除はできない。

またディスプレイの表示品質に関しても、スペック上の違いはあるものの、通常、その差を感じることはほとんどない。どちらを選んでも色再現範囲が広く、ホワイトバランスや諧調表現も的確。業界水準を大きく超える美しいディスプレイだ。

【レビュー】ついにM1搭載の第5世代iPad Air、コスパそのままに最高の性能を得たモデルなお、ベンチマーク結果などは誤差程度であり、両者の性能は”同じ”と思って差し支えないと思う。すなわち、タブレットとしても、モバイルパソコンと比較したとしても、ポータブルなコンピュータとしてはほかに比較対象のない、高性能で省電力な端末だ。

iPad Airを検討する際はこれらの違い、カラーバリエーションなどをどう考えるかだ。一方でiPad Pro以外にはライバル不在とも言い換えることができるだろう。

(本田雅一。Engadget日本版より転載)

欧州のスタートアップによるウクライナ難民支援状況

ベルリンに本社を置くバッテリー交換のスタートアップSwobbeeの創業者でCEOのThomas Duscha(トーマス・ダーシャ)氏は、3月初旬にポーランドにいる家族を訪ねた。そこでウクライナ危機に接し、それが行動を起こすきっかけとなった。

「数週間前まで妻と生まれたばかりの子どもと一緒にポーランドにいたのですが、いつもと変わらない様子だったのに、突然、ブラックホークのヘリコプターが飛んできて。大変なことになっているんです」とダーシャ氏は話した。「何かしなければと、すぐに決心しました」。

ロシアがウクライナへの侵攻を始めてから数週間経つが、国連難民機関の追跡調査によると、米国時間3月15日時点で300万人超のウクライナ人が国外に逃れた。うち180万人超がポーランドに向かった。ベルリンはポーランドとの国境に近いため、ベルリンのスタートアップをはじめ多くの人々が技術に裏打ちされた草の根的な活動を始め、物資の提供、国境を越える移送、難民のための仕事と家の確保に取り組んでいる。

ダーシャ氏は、LinkedInへの投稿で、ベルリンのテックコミュニティに行動を呼びかけることから始めた。

3月3日の投稿には「SwobbeeはモバイルエネルギーとVodafone Gigacubeを提供し、人々が愛する人と確実に連絡が取れるようにします」と書かれている。「3月11日には、私の故郷であるトマシュフ・ルベルスキへ緊急物資を支援者と共に車で届けに行きます。状況が刻々と変化する中で、我々は市長とよくつながっています。市長のチームはどこをどのように支援すればよいかを熟知しています」

ダーシャ氏はフォロワーに、ベビーフード、缶詰、おむつ、寝袋、救急用品、生理用品、薬、パワーバンク、懐中電灯、電池などの寄付を求めた。そして、ベルリンのモビリティやスタートアップシーンで活躍する多くの経営者や創業者、投資家たちをタグ付けした。

「タグをつけたからには逃げられない。彼らは助けが必要だ」と、ダーシャ氏がある投稿でTier Mobilityの幹部をタグ付けしたところ、Tierには10トンの物資があるが運送業者がいないとすぐに返事が来たという。「その5分後には、解決策が見つかったのです」。

Swobbeeは、国境に送る物資を積んだバンを提供するために、都市部の物流に特化したeモビリティ企業のOnomotionや、最近GoTo Globalに買収されたeモペットシェアリング企業のEmmyなどのスタートアップの協力を得ることができた。国境で物資を降ろし、ウクライナの難民をベルリンに連れ帰ろう、と一部の物流顧客から声をかけられさえした。

ポーランドのウクライナ難民に物資を届けるベルリンのスタートアップのボランティアたち(画像クレジット:トーマス・ダーシャ氏[SwobbeeのCEOで共同創業者])

3月11日金曜日、約30人が乗り込んだ6台のバンの車列には5000個のヘッドランプ、2000個のパワーバンク、その他基本的な日用品が積み込まれ、ウクライナ国境に届けられた。その際、近くにあるキャビン付きのダーシャ氏の家族の敷地がベースキャンプになったと同氏は話した。

「まず孤児院を訪れ、いくらかの物資を置いてから、国境近くで電力供給が不足しているので助けてほしいと頼まれた都市に行き、クリミアに直接持ち込まれ、現在キエフにある電源バッグやバッテリーなども置いてきました」と同氏は述べた。「翌日、私たちの半分はドイツに戻り、国境で人々を拾いました。ポーランドの東部はすでにかなり混雑していて、そこで人々を受け入れる能力は限られています」

ダーシャ氏によると、自身とベルリンのテックコミュニティはLinkedIn、Facebook、WhatsApp、Telegramといった主要通信プラットフォームの様々なチャットルームを使って、国境を越えた物資や人の輸送を調整している。また、自身と身近にいる誰もが自分の家でウクライナからの避難民を受け入れているという。

ダーシャ氏のクラウドファンディングへの寄付はこちらからできる。

「これほどの連帯感を見たのは初めてです」とダーシャ氏は話す。「戦争中でなければ、EU(欧州連合)に起こった最高の出来事と言えるでしょう。新型コロナウイルス感染症やナショナリズムの影響によって分裂していましたが、今我々は結束しています。私がこの地球に生まれてから、一丸となったEUは見たことがありません」

ダーシャ氏とSwobbeeは、現地で難民に物資を届ける、難民を輸送する、難民のために家や仕事を見つける、資金を募る、サイバー攻撃や偽情報と戦っている、より広範な欧州のスタートアップエコシステムの一例に過ぎない。

このリストは定期的に更新される。最新情報を再度チェックしてほしい。

現地での物資調達

大規模な商業荷主と中小の貨物輸送会社をつなぐプラットフォームのSennderはベルリンで物資の寄付を集めてウクライナ国境まで輸送すべく、他のスタートアップとチームを組んだ

スタートアップのViceroy GroupとPopupのチームによって設立された慈善団体Commerce4goodは、高齢者への食料、民間人への無線機器、生産者への布地など必要な物資を迅速に提供するために、ウクライナにサプライヤーと現場ボランティアのネットワークを構築した。寄付はこちらから。

Uberはポーランドの多くの都市で、赤十字の拠点に物資を届けるために無料で利用できるコードのリストを公開した。このプロモーションの有効期限は3月6日で、最大7ドル(約830円)を1回無料で利用できるというものだった。このプロモーションを継続するのか、するとしたらいつまで続けるか、TechCrunchはUberに問い合わせたが、返事はまだない。

10分で食料品を配達するベルリン拠点Gorillasは、ベルリンの倉庫から必要なアイテムを集めて寄付し、国境に物資を届けるべくWolne Miejsce(ウォルネ・ミエジスツェ)財団に送っている。顧客はGorillasのアプリで「ヘルプボックス」を1つ注文して国境に送ることができる。

La French Tech missionFrance DigitaleThe Galion Projectの連合はLeetchiでクラウドファンディングを開始し、ウクライナ難民への物資を調達するための資金集めを行っている。

ウクライナからの難民の輸送

避難した人々が自立した生活を取り戻せるよう持続可能なデジタルソリューションを生み出している英国拠点の非営利団体Techfugeesは、ウクライナの難民に輸送や移住の選択肢など多くのリソースを提供するために通常の倍取り組んでいる(免責事項:TechCrunchの編集長Mike ButcherはTechfugeesの共同設立者で社長でもある)。 寄付はこちらから。

同団体は、インバウンドのリードコンバージョンとスケジュール管理アプリChili Piperを手がける米国の財団Citizens of Our Planetと連携し、ウクライナから人々を脱出させる方法、ウクライナ国内から国境までの輸送手段、難民を受け入れるすべての周辺国の手続き、利用できる宿泊施設などをまとめた広範囲なドキュメントを作成した

オンデマンドの配車サービス、クルマやスクーターのシェアリング、レストランや食料品店の配達を行うエストニアのスタートアップで社名を冠したアプリBoltは、ウクライナでのすべてのサービス手数料をゼロにすると発表した。また、ポーランドとスロバキアのドライバーには、ウクライナ国境での乗車を受け入れ、難民の輸送を支援するようインセンティブを与えている。さらにBoltは欧州での各注文の5%を赤十字などのNGOに寄付していて、来週中に最大500万ユーロ(約6億5000万円)を寄付する予定だ。

企業価値30億ドル(約3550億円)のドイツの交通スタートアップFlixMobility傘下のバス輸送サービスFlixbusは、国籍を問わず難民に無料チケットを提供している。同社は、ポーランドのプシェミシルやジェシェフ、あるいはルーマニアのブカレストからウクライナとポーランドの国境にやってくる人々のために、追加の接続路を設けた。同社はまた、自社の車両やパートナーとの連携により、難民のために物資を輸送している。

Uberはポーランドとウクライナの国境で無料乗車を提供している。「POMOCLUBELSKIE」または「POMOCPODKARPACKIE」というコードでUber Aidを選択すると、国境とルブリンまたはジェシェフの間で乗車できる。このコードではそれぞれ70ドル(約8300円)までの無料乗車が可能だ。注意事項にはコードは3月12日まで有効と記載されているが、UberはTechCrunchにこのキャンペーンはまだ継続中だと述べた。

ウクライナ人のソフトウェア開発者Andrii Taganskyi(アンドリイ・タガンスキー)氏とEugene Gusarov(ユージーン・グサロフ)氏は、最悪の紛争地域から逃れる民間人のために相乗りと乗車を手配しようと、相乗りアプリのBlaBlaCarとウクライナのUberであるUklonを説得した。2人はBlaBlaCarに手数料をなくしてもらい、ウクライナ全土の1万7000人のドライバーにテキストを送信して、人々を安全に移動させるための支援を呼びかけてもらった。

「最初の3日間だけで、BlaBlaCarは5万人以上をウクライナ西部の安全な場所に輸送しました」とタガンスキー氏はインディペンデント紙に語った。その後、同氏とグサロフ氏はウクライナの保険会社を巻き込んで、7万人以上のバス所有者にBlaBlaCarへの参加を求めるテキストを送ったと述べた。

難民のための住宅

パリのスタートアップキャンパスであるStation Fは、フランスに避難してきたウクライナ人起業家に対し、Station Fの起業家向け住居Flatmatesで宿泊を無料で提供している

ドイツのユーザーが家具付きの仮住まいを探すためのプラットフォームWunderflatsは、ウクライナ難民の仮住まい探しを支援している。価格設定は住居を提供する側の裁量によるため、Wunderflatsは無料の宿泊施設を約束することはできないが、同社によると、支援に登録した家主の3分の2は無償提供を申し出ているという。

空き部屋を抱えている人は、ウクライナ難民をさまざまな方法で支援する新しいプラットフォームWe Help Ukraineに登録することができる。テック企業から慈善団体、広告代理店まで、実に多様な団体が設立したこのプラットフォームは、避難しているウクライナ人が経済面、医療面、心理面でのサポートを得たり、難民資格を取得したり、仕事を見つけたり、現地の語学教室に通ったりすることも支援している。

EU4UAは、難民とシェルターを提供できる人をマッチングするプラットフォームとして、パリに拠点を置くHRTechスタートアップJobgetherの共同創業者たちによって結成された。

ウクライナ国内では、テックに精通した国民が、難民のためのAirbnbやCouchsurfingと称されるPrykhystokなどのウェブサイトを立ち上げた。Prykhystokは、独創的な考えを持つウクライナの国会議員Halyna Yanchenko(ガリーナ・ヤンチェンコ)氏が考案したものだ。インディペンデント紙によると、母親であるヤンチェンコ氏は砲撃を受けているキエフから動けず、安全のために子ども2人を西部に送り、子どもと離れ離れになっているという。このウェブサイトには現在、全国5000以上の避難所が掲載されているとヤンチェンコ氏は話す。

また、Ukraine Nowというウェブサイトも近々立ち上げられ、出国途中にウクライナ国内で滞在できる住宅の情報をクラウドソーシングするオンライン・シェルター・サービスを提供する予定だ

テック系スタートアップのCasafariによるものを含め、Shelter UKRTakecareBnBIcanhelp.hostUkraineTakeShelter.comなど、他にも多くの住宅に関する取り組みが展開されている。しかし、宿泊施設のホストの身元を確認する検証済みの方法を打ち出しているサイトはほとんどないため、慎重に行動することを読者にはお勧めする。

ウクライナ人のためのテック職

UA Talentsは、故郷を離れざるを得なくなったウクライナ人が欧州連合の雇用主を見つけるのをサポートするために生まれた雇用プラットフォームだ。設立メンバーは、海外に住むウクライナ出身のIT起業家や専門家で、難民とその家族の生活を支援したいという思いからボランティアで活動している。

Jobs4Ukraineは、ウクライナ人の職探しを支援するために最近設立されたプラットフォームだ。このサイトには、すでに数十社の企業が潜在的雇用主として登録している。また、ソフトウェア開発からマーケティング、翻訳に至るまで、スキルシェアリングに協力するボランティアを希望する人も登録することができる。

また、高度な技術を持つウクライナ人の労働力活用を目指すプラットフォームとしてRemote Ukraineがある。高度な訓練を受けたテック人材をEUの企業に紹介している。単発の仕事から短期契約、フルタイムのものまで何でもある。このサイトでは、プロセスをシームレスにするために支払いも行っている。Techfugeesとのジョイントベンチャーだ。

Techfugeesは、英国や欧州のVCと協力して、移住中に家族を支えるためにリモートで働くことができる避難民を支援できるような資金をプールしている。Tech Nation U.K.および特定の英国VCとオンラインプラットフォームを立ち上げ、合理的なプロセスを形成する予定だ。Techfugeesはまた、欧州のVCと集団を形成している。

IT軍団

NGOが人道支援をこれまで以上にうまく調整できるよう、システムの近代化とデジタル化を支援する取り組みがいくつか始まった。Tech to the Rescueは、この目的のために非営利団体と技術系企業をマッチングさせるプラットフォームで、最近#TechForUkraineキャンペーンを開始した。脆弱なセキュリティシステム、時代遅れのソフトウェア、ユーザーフレンドリーなUIやUXの欠如といった問題を抱えるウクライナの慈善団体を、テックに精通した人が支援することを目的としている。

Code for Romaniaは、市民社会と国家のためにルーマニアのデジタル化を目指すボランティア組織で、全力を戦争タスクフォースに注ぐために2月24日に通常の活動を停止した。この組織と2700人超のボランティアのコミュニティは、ウクライナ危機に対するデジタルソリューションのエコシステムを考案するために協力し合っている。ルーマニアの緊急事態省と協力して、リソースやボランティアを管理するためのツールを提供し、避難民のための重要な情報を掲載したガイドを作成した。

Code for Romaniaのタスクフォースは、難民を安全な宿泊施設に誘導し、緊急支援を提供するソリューションにも取り組んでいる。

Techfugeesは、、現在の紛争地域と安全な地域をマッピングするオープンソースの迅速対応サイトを開発し、車で出国する人のための燃料マップも作成した。

誤情報、フェイクニュース、ディープフェイクと戦うAI駆動型プラットフォームCREOpointは、ウクライナでの戦争に関連して、ロシアのプロパガンダマシンなどから出回る偽データに対抗するために活動している。

スタートアップではないが、GoogleウクライナのAndroidスマホに空襲警報を送信している

それでも必要なものは?

「スペインやドイツ、オランダなど、ウクライナの人々が避難する国では、セラピストやセラピー能力、トラウマに対処できる人材が必要です」とダーシャ氏は話す。「土曜日に、生後2カ月の赤ちゃんと6歳と10歳の女の子を連れて到着した男性に会いました。彼らはキエフから逃げてきたのですが、ロシア軍に攻撃され、男性の妻は車の中で撃たれて死亡しました。男性は子供たちと高速道路の脇に妻を埋葬しなければなりませんでした」

It’s Complicatedのようなセラピープラットフォームは、ウクライナでの戦争の影響を直接受けた人に、無料のオンラインカウンセリングを提供している。一部のイスラエルのヘルステック企業も、ウクライナ人の心のケアに協力するためにチームを組んでいる。心の健康をサポートするAI駆動型のパーソナルコーチKai、特別なニーズや学習・感情面での困難を抱える学生を支援するプラットフォームAmplio Learning、デジタル医療サービス企業Femiなどだ。

ロシア軍に攻撃されている都市から逃げ出すウクライナ人が増える中、住宅も非常に重要になる。3月14日には、2週間前にロシア軍に包囲されたマリウポル市から、初めて民間人が出発することができた。ウクライナ当局は、市内に閉じ込められた市民が食料や医薬品の配送を断たれ、ロシアからの執拗な砲撃が人々の脱出を妨げていることから、同市での人道的大惨事を警告している。戦闘が始まって以来、マリウポルでは2000人以上が死亡した

多くの企業がNGOや政府と協力して支援を行っているが、次の大きなステップはまさに需要と供給の調整、構造、最適化だとダーシャ氏は話す。資源をより集中的に管理する必要があり、そのためには民間企業の協力が必要だ。

ウクライナ難民を支援している他のスタートアップの情報を持っている人、またはこの記事に掲載されているいずれかのソースとのつながりを望む人は、rebecca.techcrunch@gmail.comまたはmike@techcrunch.comまで連絡を。

画像クレジット: Techfugees

[原文へ]

(文:Rebecca Bellan、Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

おや、TikTokにFacebookが現れた

Facebook(フェイスブック)はTikTok(ティックトック)で何をしているのだろう?競合の偵察?TikTokの人気スター、Charli(チャーリー・ダミリオ)にメッセージを送る?ベータテスターのリクルート?広告を買うの?きっと直にわかるだろう。FacebookはTikTokのアカウントを作成し、動画をまだ1本も投稿していないのに本記事英語版執筆時点ですでに1万5100人(日本語版翻訳時点では1万8600人)のフォロワーを集めているのだから。このアカウントはTikTokが認証済みで、Facebookもこれが本物であることを認めている。

ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏が数日前にFacebookのTikTok(妙な言い方ですが)を発見した。

このアカウントは認証済みであることを示す青いチェックマークをすでに獲得している。しかしコンテンツはなく、プロフィールも「We believe people can do more together, than alone.(一緒ならもっと多くのことができると信じています、1人よりも。)」とコンマも含めてなんだか不思議な感じで、これが本当にFacebookのアカウントなのかどうかと疑ってしまう。しかも、このアカウントのプロフィールに書かれているリンク先はFacebookのアプリだ。Facebookのウェブサイトでも、何らかの公式なコミュニケーションチャネルでもない。

それに、FacebookはMetaになったはずでは?

どういうことかというと、FacebookはすでにTwitter.com/Facebookを非公開にしている。Instagram.com/Facebookは存在せず、Instagram.com/Metaとなっている。

しかしFacebook、ではなくてMetaは、TechCrunchに対しTikTokのアカウントは本物であると述べた。

Metaの広報は「ブランドは、当社のソーシャルメディアプラットフォームも含め、さまざまなチャネルを活用して日々自社の製品やサービスを利用する人々に対しリーチし、エンゲージします。ブランドのプレゼンスを確立しTikTokなどのプラットフォーム上でコミュニティを育てようとする当社の意図も同じです」と述べた。

画像クレジット:FacebookのTikTok

最近、Facebookは直前の四半期でアクティブユーザー数が横ばいとなり、さらに注目すべきことに1日のアクティブユーザーが初の減少と転じたと報じられた。このことから、FacebookはTikTok(とその広告プラットフォーム)を活用してZ世代のユーザーベースを強化したいと考えている可能性はある。

大手ブランドがマーケティングやコミュニケーションにさまざまなチャネルを使うのは確かにその通りだが、Facebookが最近TikTokについて重大な競争上の脅威であるとしばしば言及していることを考えれば、FacebookがTikTokに現れたのはちょっと奇妙だ。

Metaの2021年第4四半期決算発表でCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は投資家に対し、こうした点を繰り返し語った。

同氏は「人々が時間を使う選択肢はたくさんあり、TikTokなどのアプリは急速に成長しています」と述べた。そして「TikTokはすでに巨大な競合であり、極めて大きな基盤からさらに急速な成長を続けています」とも述べた。

MetaはTikTokでの計画に対し、どのようなコンテンツを準備しているのか、このアカウントに広告を掲載するのかどうかなど、詳しい情報を明らかにしなかった(でも何か見かけたら筆者にメッセージをください!)。

TikTok上にあるMetaのブランドはFacebookだけではない。Instagram(インスタグラム)が広告を掲載し、Instagram Creatorsも最近アカウントを開設したようだ。

当面、私たちの気持ちとしてはこんな感じ……。

@angiebhandal

#howdoyoudofellowkids #30rock #stevebusemi #meme

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画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

ウクライナの副首相が語る企業制裁と戦時中の政府運営について

ロシア軍がウクライナに侵攻を開始したのは3週間前だ。紛争は初日から多面的な様相を見せている。地上戦に加え、ウクライナ政府はデジタル戦線にもすばやく対応した。国家の代表者が暗号資産の寄付を求め、ハイテク企業にロシアでの販売やサービスを停止するように呼びかけ、デジタルレジスタンスを組織した。

ロシアの侵略に対する政府の反応を体現している公人の1人が、Mykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)氏である。2019年、28歳でウクライナ初のデジタル変革担当大臣に就任した。またウクライナの副首相でもある。Oleksandr (Alex) Bornyakov(オレクサンドル[アレックス]ボルニャコフ)情報変革(Information Transformation)担当副大臣も、ウクライナ政府で重要な役割を果たしている。先週TechCrunchのIngrid Lunden記者は、ボルニャコフ氏にインタビューを行っている

ミハイロ・フェドロフ氏は、米国時間3月15日未明のTechCrunchによるインタビューで「戦争前のことですが、Zelensky(ゼレンスキー)大統領と一緒に考えていたのは、デジタル利用できる公共サービスという点で、世界で最も便利な国作りでした」と述べている。

現在、これらのプロジェクトの多くは保留されているが、ウクライナ政府はデジタル変革の取り組みによる効果をすでに実感しているところだ。フェドロフ氏は、デジタル外交の面でも積極的に活動している。彼は、ビッグテック企業が国際関係においてかなりの力を持つようになったことをよく理解している。だからこそ、彼らにウクライナの味方になってもらうために、あらゆる手を尽くしているのだ。

Zoomを使った幅広いインタビューの中で、フェドロフ氏は通訳の助けを借りながら、戦時中に政府に参加することがどのようなものかについての洞察を語った。なおインタビューの内容は、わかりやすく簡潔にするため、若干の編集が加えてある。

TechCrunch:いまどちらにいらっしゃいますか?現在のご自身の状況について教えてください。

ミハイロ・フェドロフ氏:私は活動のまさに中心にいます。セキュリティの関係上、所在地をお伝えすることはできませんが、すべてのプロジェクトについて、24時間休みなく、大統領のチームと連絡を取り合っていることは断言します。

数カ月前と今とでは、日常生活が大きく変わっていると思います。対ロシア戦争時の、日々の仕事と役割について教えていただけますか?

我々は非常に若い省庁です。ゼレンスキー大統領が当選したときに、彼のプログラムの重要な部分を実行するために設立されました。選挙前、私は大統領のデジタルキャンペーンの責任者でした。彼が当選した後、私たちはデジタル国家という共通のビジョンを実現するために力を合わせたのです。

ゼレンスキー大統領との戦争前のビジョンは、デジタルで利用可能な公共サービスという点で、世界で最も便利な国を作ることでした。私たちが目指したのは、ダブルタップでサービスが受けられるような行政です。お役所の干渉をできるだけ受けないように、半自動化するのです。つまり、みなさんが期待するような政府というよりも、Uberに近い存在になろうとしていたのです。

この危機的状況の中でウクライナの人々を支援するために、そうしたデジタル公共サービスを活用する方法はないのでしょうか?

公共サービスを立ち上げるための工場のようなものを作りました。それを可能にしているのが、1500万人のユーザーを持つ私たちのアプリです。また、この期間を通じて実装することができた、政府が運営するすべてのデータベースの相互運用と、新しいサービスを立ち上げて提供するために微調整された管理組織も、それを可能にしています。

例えば、この戦時中に、戦闘で大きな被害を受けた地域からの移住を余儀なくされた人たちに、現金を支給するなどのサービスを開始することができました。また、無料の公共テレビと無料のラジオを埋め込むこともできました。また、公式なルートで軍への募金を行えるようにしました。

敵の動きも追跡して報告できるサービスもあります。基本的にはクラウドソーシングによる情報提供ですが、戦争が勃発してからわずか数日でそれを開始することができました。

なぜなら、私たちの内部諜報機関は非常に特殊であり、誰もが持っているようなものではないからです。また戦時中に、誰であろうと、どこにいようと、どんな身分であろうと、内部移動と公共サービスを受けるための重要な情報をすべて網羅した追加書類を公開することができました。また、将来の手続きのために、基本的に戦争で損害を受けたり破壊されたりした場合に備える資産目録サービスにも取り組んでいます。

これらのサービスは、今いる場所からインターネットサービスにしっかり接続できることを意味しています。携帯電話、固定電話ともに接続の現状はどうでしょう?

通信産業のおかげで、今のところ非常に安定しているし、自信も持てるのだと言えるでしょう。24時間体制で働く彼らは、真のヒーローです。停電が発生すると、すぐに修理に駆けつけてくれます。

そのため、国土の大部分において安定したインターネット接続を維持することができているのです。また、EU圏内で最も多くのStarlink(スターリング)端末を保有しています。

軍と政府の両方から預かっている機密データについては、どうなさるつもりですか?現在データの拠点はウクライナ国内にあるのでしょうか?また、最悪の事態に備え、データを海外に移動する計画はあるのでしょうか?

デジタル国家を構築すると、露出度や攻撃界面が増えます。つまり、私たちは常にサイバーセキュリティに細心の注意を払い、真剣に取り組んできたのです。また、デジタル国家を構築していく中で、ロシア連邦から常にサイバー攻撃の標的にされてきました。

詳しくいうまでもなく、私たちのデータは安全だと言いたいと思います。バックアップもあります。データの整合性と安全性を確保する手段を備えています。つまり、何が起きようとも、ウクライナ国民のために信頼性の高いサービスを提供し続けることができるのです。

話題を変えて、対ロシアの企業制裁の話をしたいのですが、大臣はTwitter(ツイッター)やメディアで「欧米の企業は今すぐロシアでの販売を停止すべきだ」と企業に呼びかけていますね。このアイデアはどこから来たのでしょう、そして効果的だと思いますか?

私たちはこのプロジェクトをデジタル封鎖と呼んでいます。そして、この戦争に勝つためには、これが非常に重要な要素であると考えています。そして、将来的には、政府は古典的な政府ではなく、ハイテク企業に似てくるだろうと思っています。

デジタルプラットフォームは、複数の重要なサービスを提供しています。社会の仕組みにしっかり組み込まれてしまっているのです。このようなサービスを攻撃者から1つずつ取り除いていけば、彼らの社会構造に実際のダメージを与え、日常生活を送る上で非常に不愉快な思いをすることになるのです。

私たちはこれを、まったく新しい未踏の戦場と考えたいと思っています。そしてこれは、ロシアの発展を何十年も後戻りさせることになると予想される制裁を、補完する措置でもあるのです。

また、ハイテクビジネスは非常に大きな付加価値を生むと思っています。だからこそ、Tesla(テスラ)はGazprom(ガスプロム、世界最大の天然ガス企業)よりも価値があるのです。こうした付加価値を生み出す技術系の人材は、実はとても身軽でノマド的なのです。このような不利な条件をロシア内に生み出してしまえば、技術系の人材は他に移ってしまうことになるでしょう。

これが今回のデジタル封鎖を可能な限り徹底的かつ包括的に行う理由です。ロシアの戦車と兵士がわが国から撤退し、わが国民の殺戮を止める瞬間まで続けます。

副大臣のご意見として、ロシアでの販売停止やビジネス停止などが十分でなく、もっとやるべきことがある企業はあるでしょうか?

特に名前を挙げたいのはSAPですね。銀行や大企業にERPを提供しているドイツの会社です。基本的に、彼らはロシア企業にITインフラを提供し、またロシアで税金を納めることで侵略戦争に貢献しているのです。こうして彼らは、ウクライナ国民や民間人を殺害している軍隊を支持しているのです。

現在のウクライナのハイテク産業、ハイテクコミュニティについて教えてください。私たちは技術コミュニティで起きていることを多く取り上げていますので、ウクライナの技術者たちが今どのように反応しているのかを知りたいのです。

ウクライナには約30万人の技術系人材がいます。国際企業のほとんどは、ウクライナでの事業を安定させ、事業継続を確保することができました。難しいことではありますが、ほとんどの人が何とかやっています。

ブロードバンドインターネット、安全な場所、税制優遇、移動手段などを提供し、技術系企業のニーズに応えようと考えています。つまり基本的に、彼らに何か問題があったときに、ワンストップで対応できるような存在になることを目指しています。

昨日(米国時間3月14日)には、ウクライナ軍がClearview AI(クリアビューAI)の顔認識技術を利用しているという報道がありました。このClearview AIとの提携について、詳しくお話ししていただけますか?

現在、このプロジェクトは非常に初期の段階にあると言えます。進捗状況についてコメントする立場にはありませんが、結果が出れば、喜んで結果をシェアしたいと思っています。

Clearview AIを活用する場合、どのようなユースケースを想定なさっているのでしょうか。

まず最初に、これらのユースケースのほとんどは非公開のもので、公にお知らせできるものではないということをお断りしておきます。

でも、ちょっとだけお話しするなら、総務省との仕事があります。ウクライナ国内で殺害されたり、捕虜になったりしたロシア軍を特定しようとするものです。ご存知のように、ロシア政府は彼らの存在を否定し始め、書類なしで送り込んだりしています。

もう1つは、検問所を通過する人をチェックするユースケースです。もう1つは、行方不明者の捜索です。

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暗号資産による寄付についてもお聞きしたいのですが。暗号資産に関する戦略について、最新情報を教えていただけますか?

現時点で、5500万ドル(約65億2000万円)を調達することができました。そして、そのすべてがウクライナ軍へ振り向けられました。

我々は暗号資産にやさしい国家も目指しています。具体的な内容もお伝えできます。国会で仮想資産に関する法律が採択されました。数日のうちに大統領が署名して法制化されると思います。ですから、私たちはできるだけ仮想資産にやさしくするように努めています。そして、戦時中もこの取り組みを続けています。

ウクライナで暗号資産に関する新しい法律が程なく成立するというお話が出ましたね。政府のメンバーとして、現在どれくらい緊密に働いていますか?新しい法律をどのように成立させ、政府の他の部分とどのようにチームとして働いているのでしょう。

それはすばらしい質問です。戦時中は、政府は基本的にオーバードライブモードで動いています。私たちは24時間、土日も関係なく働いています。戦争前は会議は毎週開催でしたが、現在は毎日開催しています。

ちょうど、軍隊の勇敢な軍人たちが、土日祝日もなく昼夜を問わず国を守っているようなものです。私たちも同じようにやっています。

私たちは、軍事面でも、技術面でも取り組みを行っています。また、経済面でも取り組んでいます。わが国の政府は、経済の自由化を進め、経済におけるあらゆるハードル、障害、ボトルネックを取り除くことに特に力を注いできたのです。税制の簡素化も進めています。私たちは税関を開放していて、ああ、戦争にもかかわらず経済的に国を発展させようとさえしています。

現状で知りたかったことは、すべてお尋ねしたつもりです。もしよろしければ、毎週、あるいは2週間おきに定期的にお話しして、近況を共有しましょう。ひとます今回は、ご回答ありがとうございました。

もちろん、フォローアップ会議を企画したいと思います。あと、結論として、以下のことを記事に書いていただければと思います。

技術コミュニティ全体に感謝したいと思います。技術コミュニティが私たちの側、明らかに善い側を選んでくれたと信じているからです。私たちはそれを心で感じ、技術者コミュニティの行動で感じることができています、とても感謝しています。

画像クレジット:Future Publishing / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

Googleドキュメントでメール下書きの共同作成が可能に、ワンクリックでGmailにエクスポート

Google(グーグル)は米国時間3月16日、下書きメールでの共同作業を容易にすることを目的とした新機能をGoogleドキュメントに導入すると発表した。新しいGoogleドキュメントのEメール下書きテンプレートは、ユーザーがメールの下書きをし、それをGmailにエクスポートすることができる。

今回の発表は、Googleによるユーザーがすばやくアクションを実行できる「@メニュー」を活用したSmart Canvas(スマートキャンバス)のプッシュ戦略の一部だ。メールドラフトテンプレートは、Googleドキュメントの中で「@email」と入力することでアクセスできる。そうすると、To、Cc、Bcc、件名を含むテンプレートが表示される。メールを送信する準備ができたら、Gmailのアイコンを選択して、メールサービスに下書きをエクスポートできる。するとGmailのメール作成ウィンドウが表示され、すべてのメールフィールドに、Googleドキュメントのメールドラフトに入力した情報が自動的に入力される。

画像クレジット:Google

「新しいメールドラフトテンプレートにより、Googleドキュメントで下書きメールを簡単に共同作成できるようになりました」と、Googleは新機能についてのブログ投稿で述べている。「メールアドレスを覚えていなくても@メニューを使って受信者フィールドに名前をメンションしたり、コメントや提案を使ってメッセージ本文を共同作成できます」。

この機能は、2月に最初に予告され、現在、すべてのGoogle Workspaceの顧客だけでなく、レガシーG SuiteのBasicおよびBusinessプラン顧客にロールアウトし始めている。Googleは個人使用については言及していないが、TechCrunchは詳細を知るために同社に問い合わせている。Gmailの機能は、一般消費者向けに提供される前に、まずG Suiteの顧客向けに展開されることが多い。例えば、企業顧客はコンシューマーよりも先にGmailのチャット、ミーティング、ルームとのより深い統合を利用できるようになった。

新しいEメール下書きテンプレートは、チームで一緒にメールを共同作成する必要がある場合に便利だろう。GoogleドキュメントやGmailからテキストをコピー&ペーストすることももちろん可能だが、この新しい統合により、これら2つの製品を1つの場所で簡単に使用できるようになり、より速く作業を完了させることができる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Den Nakano)

テスラが上海ギガファクトリーを2日間閉鎖、新型コロナ感染者急増で

中国のオミクロン感染者数が増加し、政府が現地での規制を強化する中、電気自動車メーカーのTesla(テスラ)は上海ギガファクトリーを2日間閉鎖する。

ロイター通信によると、Teslaは米国時間3月16日、従業員とサプライヤーに工場閉鎖を知らせる通知を送付した。

Teslaは、16日と17日に生産を停止する理由を明らかにしていない。しかし、世界二大自動車メーカーのトヨタとVolkswagen(フォルクスワーゲン)も今週、新型コロナウイルス感染者が中国で増加し、政府がその急増を抑制するために追加の規制を行ったため、現地での操業を一時停止している。Teslaの生産停止はそうした中でのものだ。

また、サプライチェーンの制約が操業停止につながっている可能性もある。

24時間稼働する工場はTeslaのグローバルな事業、そして収益にとって重要な役割を担っている。Teslaの工場の中で生産台数が最も多い上海ギガファクトリーは、かなりのModel 3およびModel Yを欧州に輸出している。同工場は1日あたり約2000台を生産しているため、2日間の操業停止でも同社の生産台数は激減し、納品がさらに遅れる可能性がある。

中国では新型コロナが再び急増し、2022年1~3月の感染者数は2021年の総数を上回った。1日あたりの新規感染者数は、2020年3月にパンデミックが発生して以来の水準に達しようとしている。

パンデミックを通じて、中国政府は感染を封じ込めるために集団検査と隔離を実施してきた。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Nariko Mizoguchi

ドイツがカスペルスキーの利用を控えるよう警告、ロシアの侵攻で「相当程度」のサイバーリスク

ドイツ連邦情報セキュリティ局(BSI)は、ロシアによるウクライナでの戦争が続く中、カスペルスキー・アンチウイルスソフトウェアがサイバースパイに利用されたり、サイバー攻撃を仕掛ける恐れがあるとして、さまざまな組織に対して警告を発した。

当局はカスペルスキーの使用を明確に禁止したわけではないが、ドイツのさまざまな組織に対し、モスクワに本社を置く同社製の製品を、ロシア以外のベンダーの代替ソフトウェアに変えるよう促した。また、ロシアのウクライナにおける軍事・情報活動や、その欧州、NATO、ドイツへの脅威は「IT攻撃が成功するリスクが相当程度ある」ことを意味していると警鐘を鳴らしている。

「ロシアのITメーカーは、自ら攻撃的な作戦を実行したり、意に反して標的とするシステムへの攻撃を強いられたり、それとは知らずにサイバー作戦の犠牲者としてスパイされたり、その会社の顧客に対する攻撃の道具として悪用される可能性がある」とBSIは声明で述べた。また、カスペルスキーなどのアンチウイルスソフトはシステムに深くアクセスするため、そのメーカーは自社のサーバーへの接続を暗号化し、検証不可能な状態で恒久的に維持するはずだと説明した。「セキュリティに特別な関心を持つ企業や当局、重要なインフラの運営者は特に危険にさらされている」とも述べている。

BSIは、攻撃が成功した場合、消費者が「最後の標的」になる可能性が高いものの「巻き添え」被害や波及的に被害者になる可能性もあると付け加えた。

BSIはこの警告を「起こりうる危険に対する認識を高めることのみが目的」だとしたが、すでにドイツの組織、例えばサッカークラブのEintracht Frankfurt(アイントラハト・フランクフルト)などが、カスペルスキーとの関係を断つに至っている。「私たちはカスペルスキーの経営陣に対し、スポンサー契約を直ちに終了することを通知しました」とクラブの広報担当社であるAxel Hellmann(アクセル・ヘルマン)氏はプレスリリースで述べた。「我々はこの展開を非常に残念に思っています」。

イタリアのコンピュータセキュリティインシデント対応チーム(CSIRT)も、カスペルスキーについて明確には言及していないが、ロシア企業やロシアとつながりのある企業から提供されているテクノロジーを緊急にリスク評価するようさまざまな組織に呼びかけている

カスペルスキーは、BSIの決定は、同社製品の技術的な評価に基づくものではなく、政治的な理由に基づくものだと考えていると述べた。

カスペルスキーの広報担当者であるFrancesco Tius(フランチェスコ・ティウス)氏はTechCrunchに対し「私たちは、パートナーや顧客に対して、製品の品質と完全性を保証し続けるとともに、BSIの決定について明らかにし、同社や他の規制当局の懸念に対応するための方法を模索するつもりです」と述べている。「カスペルスキーは民間のグローバル・サイバーセキュリティ企業であり、民間企業として、ロシアやその他の政府とは関係がありません」。

「私たちは、平和的な対話が紛争を解決する唯一の可能な手段であると信じています。戦争は誰にとっても良いものではありません」と同社は付け加えた。

この声明は、同社のCEOであるEugene Kaspersky(ユージン・カスペルスキー)氏の同様のコメントに続くものだ。同氏は2022年3月初め「歩み寄り」につながる交渉を歓迎するとツイートし、怒りの反応を引き起こした。ロシアでは最近、ウクライナにおけるロシア政府の軍事作戦を「戦争」または「侵略」と呼ぶことをジャーナリストに禁じる法律が施行されたが、これがロシアに拠点を置く企業に適用されるかどうかは不明だ。

カスペルスキーとロシアとのつながりは以前から知られているが、長い間論争の種となってきた。トランプ政権は2017年、同社とロシア政府とのつながりが疑われることを懸念して、政府機関がカスペルスキーのソフトウェアを使用することを禁止した。翌年には欧州議会が、同社とロシア情報機関とのつながりが疑われることから、同社のソフトウェアを「悪質」と分類する決議を採択した

画像クレジット:Andreas Rentz / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

不正経費自動検知クラウドStena Expense、飲食店の相場価格から会議費・交際費の異常利用を検知するAI機能を追加

不正経費自動検知クラウドStena Expense、飲食店の相場価格から会議費・交際費の異常利用を検知するAI機能を追加

AI活用検知クラウドやサイバーセキュリティ技術を開発・提供するChillStackは3月15日、個人立替領域の不正経費自動検知クラウド「Stena Expense」(ステナエクスペンス)において、飲食店で会議費・交際費として使用された経費が一般的な相場金額から大きく逸脱していないかを判定・抽出する新機能の実装と提供開始を発表した。

今回の新機能では、外部APIとの連携により、飲食店で使用された経費(交際費・会議費に該当する明細)が、該当店舗の1人あたりの相場金額から大きく逸脱していないかを同社独自AIで識別・抽出する。飲食店データベースと連携したStena独自のAI識別エンジンが飲食店データベースを照合して金額の妥当性を判断するという。

不正経費自動検知クラウドStena Expense、飲食店の相場価格から会議費・交際費の異常利用を検知するAI機能を追加

Stena Expenseは、企業における個人立替経費の申請・承認データを元に、AIが自動的に不正や不適切な経費利用を検知する。経費の重複申請や交通費の水増しといった不正検出に加えて、個々の従業員の申請履歴を踏まえて判断することで、「特定個人との多頻度利用」や「特定店舗での多頻度利用」といった不適切もしくは異常と推察される経費利用も検出できる。AI技術を活用することで、人の目では不可能な時系列的・網羅的に経費申請というビッグデータの解析を行い、間接部門の生産性とガバナンス向上を実現する。

主な特徴

  • 経費の承認・チェック業務の負担を増やすことなく、全データの網羅的かつ時系列での精査が可能
  • 申請履歴・傾向を踏まえたチェックにより、経費利用の妥当性確認が可能
  • 不正・不適切・異常の根拠が表示されるため、原因・理由が明瞭
  • 経理部門・業務部門のどちらも使える分かりやすいウェブUI

2018年11月設立のChillStackは、「AIで守り、AIを守る」というビジョンを掲げ、AIで進化させたサイバーセキュリティ技術、AI自身を守るセキュリティなどの技術開発・提供を行っている。Stena Expenseをはじめ、AI技術を活用した不正検知システム「Stena」シリーズを展開している。

社会課題解決ビジネス創出プログラム「SENDAI NEW PUBLIC」デモデーが3月25日に開催

宮城県仙台市とベンチャーキャピタル(VC)のサムライインキュベートは3月15日、社会課題解決ビジネス創出プログラム「SENDAI NEW PUBLIC」のデモデーをオンライン開催すると発表した。開催日時は3月25日午前10時から午後1時(予定)。参加費は無料。プログラム採択者7名が事業事案を発表した後、審査の上優秀者には賞が贈られる。

SENDAI NEW PUBLICは、仙台市が取り組む「起業家を生み育てるエコシステム構築」の一環として、SDGsの達成につながる行政課題や地域課題の解決を目標に、採択された起業家やスタートアップの事業案の具現化を支援するプログラムだ。技術シーズを持つ研究者やスタートアップ企業について、「事業計画のブラッシュアップ」や「事業コンセプトの創出」「ニーズ検証」を支援するという。

またデモデー開催に合わせ、科学技術振興機構(JST)が運営する社会還元加速プログラム(SCORE)の一環として、事業アイデアのレクチャー、ワークショップ、相談会を行う「事業化人材発掘キャラバン」も実施される(こちらはオフライン開催)。

「SENDAI NEW PUBLIC」デモデー概要

  • 開催日:2022年3月25日
  • 開催時間:10時から13時(予定)
  • 開催場所:オンライン
  • 参加対象者:採択者の事業アイデアや技術に関心のある大手企業、中小企業、VC、自治体、大学の研究者
  • 参加費:無料
  • 申し込みhttps://snp2022.peatix.com/

成果発表者7名と発表テーマ(登壇予定順)

  • 菅野恵美氏
    所属:東北大学大学院 医学系研究科看護アセスメント学分野准教授
    発表内容:ナノ型乳酸菌を用いた生理痛緩和製品の開発
  • 酒井正夫氏
    所属:ゼロワ取締役CTO / 東北大学データ科学・AI教育研究センター准教授
    発表内容:地域の「活性化」と「スマート化」のための市民アクティビティ「視える化」サービス
  • 関口雄介氏
    所属:東北大学病院 理学療法士
    発表内容:リハビリテーションの質向上を目指す歩行診断AI
  • 金子萌氏
    所属:想ひ人代表取締役
    発表内容:ケアラー負荷軽減サービス
  • 松尾歩氏
    所属:東北大学大学院 農学研究科助教
    発表内容:DNA解析を活用した食品のトレーサビリティシステムの構築
  • 伊藤暁彦氏
    所属:横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
    発表内容:レーザーCVD技術を活用した薄膜セラミックス単結晶成長
  • 萩原嘉廣氏
    所属:東北大学大学院医学系研究科スポーツ・運動機能再建医学寄附講座准教授
    発表内容:カスタム型骨折用プレート製造

「事業化人材発掘キャラバン」概要

  • 開催日:2022年3月25日
  • 開催時間:13時30分~17時30分
  • 開催場所:スマートイノベーションラボ仙台
    (仙台市青葉区一番町2-8-1 NTT青葉通ビル東棟1F)
  • 参加対象者:自身の技術や研究成果を社会に役立てたい方
  • 参加費:無料
  • 応募ページ:https://snp-0325-1330.peatix.com/