カナダの三人組が作ったPaintBottleは21世紀のポルノサイト

【抄訳】

モントリオール出身の3人のカナダ人起業家、John PhillipsとCraig HensleyとAmy Ambroseが、正しいポルノサイトを作ろうと立ち上がった。そのサイトは…リンクはもうすこしあとに…見事にNSFW(職場不適)だが、しかしそれと同時に、見事にクールだ。

Phillipsがサイトのプログラムを書き、Ambroseはマルチメディアデザインを仕切った。Hensleyは、お金担当だ。彼らにとって幸運だったのは、モントリオールには二大ポルノ企業ManwinとGammaがあること。ここには、合衆国の規制を逃れてやってくるオンライン現金ギャンブラーたちがアカウントを開くサイトもある。まず、Phillipsに創業談を聞こう:

“ポルノはとても小さな業界だし、寡占化が進んでいる。お金のことでイメージを持ってほしくないから、資金については黙っていたい。でも一つだけおもしろいのは、投資家たちが全員、世界的な超一流のポーカープレーヤーであることだ。彼らのグループが、うち(PaintBottle)のエンジェル投資家になってくれた。彼らにとっって、スタートアップに投資するのはこれが初めての経験だ。彼らとは、Craigを通じて知り合った…彼はBlack Fridayがポーカーを始めたとき、カナダの銀行に彼らの口座を作ってやった。その結果、多くのトッププレーヤーたちがモントリオールにやってきた”。

でもそれは、映画Casinoのような、後ろ暗い裏取引ではない。このサイトの技術はとてもしっかりしているし、驚くほど快適に使える(ぼくも少々利用してみた、正直に言うと)。

基本的に、PaintBottleは発見エンジンだ。ビデオは、サイト自身が厳選したもののリストをスクロールして見つける。たしかにコンテンツは、どれも一級品だ(ベンダから正式にライセンスを得たもののみ、ユーザ投稿やリンク共有/埋め込みは不可)。ただしぼくは、ポルノは3分も見ると眠くなる方で、それはここでも同じだった。いちばん良いのは、インタフェイスが秀逸なので早送りがスムースなこと。Dish Hopper的に、いろんな箇所へ簡単に行ける/見れる。操作は、マウスだけだ。

【中略】

チームが望んでいるのは、ポルノを1980年代から救出することだ。たしかに彼らのサイトは、21世紀的にすっきりしている(バナー広告など皆無、女性視聴者が不快に感じないコンテンツ精選、など)。リスクもあるビジネスだが、Phillipsはそのビジネスにプライドを持っている。

“インターネットのポルノサイトは、思想的にも10年遅れている。それらは隅から隅まで、時代遅れの男性視聴者向けに設計されている。具体的には、それは、男性の理想とされるマッチョな男、女性蔑視の言葉を楽しげに大声で言える男だ。しかし今ではタブーが崩れ、インターネットの大衆的な普及とともに、女性のポルノ視聴者が急増しているのだ”。

“世の中がデジタル化〜ネット化して10年あまり、そこでは誰もがポルノを見てきた。でもそのユーザ体験は、いまだにひどいものだ。Paint Bottleは、それを変えたい。50万本ものVHS的画質(低画質)のビデオの中から探しまくるとか、けたたましいポップアップやバナー広告に悩まされる、なんてことから、永久におさらばしたいね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AppleとGoogleのアプリストアはほぼ並走, ただし売上だけは大差

ほとんどすべての部門で、AppleのApp StoreとGoogleのAndroidマーケットプレースGoogle Playストアは、互角になっている。アプリの総提供本数はAppleの80万強に対し、Googleの公式発表は70万、サードパーティの報告ではもっと多い。Google Playは、ダウンロード数と売上の両方で、成長率がiOSのApp Storeよりも高い。率ではなくダウンロード‘数’では、2013Q1にGoogle PlayはiOS App Storeの90%近くに達した。

しかし、まだGoogleが逆立ちしてもかなわないのが、売上だ。

アプリ分析のApp Annieの最新の報告によると、前四半期におけるiOS App Storeの売上はGoogle Playストアの約2.6倍である。さらにその前の、クリスマス商戦が含まれる四半期では、スマートフォンやタブレット(とくにApple製品)を新たに買う/買ってもらう消費者が多いため、アプリストアの売上格差はiOS App StoreがGoogle Playストアのほぼ4倍にもなっている。

AppleのApp Storeの売上を引っ張っているのは合衆国と日本だが、今後は中国が伸びてきそうだ。App Annieによると、昨年の中国はアプリの売上額で10位だったが、今では4位だ。なかでもゲームの貢献が大きくて、2013Q1のApp Storeにおける中国の売上の90%近くがゲームだ。この率は、すべての国の中で最高で、合衆国よりも高い。

一方、Google Playストアでは、売上の上位は順に、日本、韓国、合衆国、イギリス、ドイツとなる。上位3か国で全売上の70%、とApp Annieは言っている。ここでもゲームが強くて、韓国は全売上の95%、日本では90%がゲームだ。

App Annieの数字は、今月初めにCanalysのアナリストたちが出した所見とほぼ合致している。彼らは、上位4つのアプリストアの全売上において、AppleのApp Storeがその74%を占める、と言っている。そしてダウンロード数ではトップがGoogle Playストア、全ダウンロード数の51%を占める。

4つのアプリストアの合計で、ダウンロード累計総数は134億、売上は22億ドルに達している。

Androidが優位なのは、マーケットシェアと成長率と、そしておそらくもうすぐ、アプリのダウンロード数だ。そしてしかし、売上ではまだまだである。

しかし、今後の動向を左右するのは中国だ。中国市場におけるアプリの売上は、これまで詐欺や海賊行為やアプリストアそっくりさんに悩まされてきたが、徐々に正常化しつつある。2月の中国は、世界最大のスマートデバイス市場になった。この国は今後もインターネットユーザが急増していくから、ますます、無視できない巨大市場になる。Androidがマーケットシェアで優位、iOSが売上で優位という一般傾向は、中国にも引き継がれるだろう。とくに、モバイルのゲームにおいて。

Appleはそのことを忘れていない。それだけは確実だ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Toshiba Kirabookに触ってみた:最高のハードウェアと驚異のディスプレイはWindowsパソコンを救うのか?

【筆者はMichael Seo】
ノートパソコンの出荷台数が7.3%減少すると予測される今年、Windows 8マシンには強力なアドレナリン注射が1本何本かは必要だ。Toshiba Kirabookがまさにそれかもしれない。

KirabookはToshibaが新たに立ち上げた高級Ultrabook製品ラインの第一弾だ。一見して細心の注意を払われてデザインされていることがわかり、それはクパチーノ風味の調和と仕上がりを醸しだしている。Toshibaからこの種の質を感じたのは(あったとしても)かなり久しぶりだ。

それはKirabookがデザインに関して何か新しいものを提供しているという意味ではない。依然としてMacbook Airの陰がそこかしこに見え隠れしているのは、Windows Ultrabook全般に言えることだ。

Kirabookの輪隔はMacbook Airよりもやや小さいが、その中にレティナ品質の2560 x 1440 WQHDタッチスクリーン画面を収めることに成功している。レティナMacbook Pro、あるいはその意味ではChromebook Pixcelとも、並べて比較する機会はなかったが、発売されれば市場で最高のノートパソコンディスプレイの一つになることは間違いない。

このディスプレイは、Kirabookの看板機能であることは言うまでもなく、Toshibaの少々問題のある価格設定を正当化する主な理由でもある。それについては後ほど触れる。

Kirabookの内部には、Core i5 または i7 プロセッサー、RAM 8GB、および256GBのSSDか入っている。さらにKirabookには、Adobe Photoshop ElementとPremiere Elementのフルバージョンが同梱され、2年間の無料サポートはToshibaがApplecareと同等だと言っている。

少なくともスペックではKirabookはその「贅沢」の名に恥じない。しかし、それは同機が贄沢な価格に支えられていることも意味している。

非タッチスクリーン、Core i5のKirabookは1599ドルから。ここからは少々狂気じみてくる。タッチスクリーン付Core i5は1789ドルで、タッチスクリーン、Core i7、Windows Pro版はなんと1999ドルだ。この種のプライシングはPCやAppleの相当製品を驚かせる。

比較のために挙げると、13インチ・レティナMacbook Proは 1499ドルから、但しSSDは128GBと小さい。Lenovo ThinkPad x1 Carbonは1187ドルからで、タッチスクリーン付モデルは1319ドルから。Asus Zenbook Primeはタッチスクリーンおよびレティナに近い品質のディスプレーを装備して、現在の小売価格はAmazonで1253ドルだ。

Toshibaの広報担当者は私に、Kirabookが市場でノートパソコンのベストセラーになることは期待していないと語った。彼らも少々ニッチな製品であることを認識している。少なくともKirabookは、Toshibaが最高級のハードウェアを非常に魅力的な製品として作れること示す公式表明ではある。

Kirabookが価格に見合う価値を持つかどうかについては何とも言えないが、本誌で近々完全レビューをお送りすることを約束する。店頭には5月5日に並ぶ予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google Nexusタブレットの売り上げ推計: Nexus 10は人気薄

Nexusのタブレットデバイスの売れ行きに関して、明確な情報はなく、Google自身も具体的な数字を明かさない。でも業界の観測筋、とりわけBenedict Evansなどは、そのベールをこじ開けてNexusブランドの業界全体における売上ランクを知ろうと努めている。それによると、とくにNexus 10は、他と比べて影が薄いようだ。

このタブレットは、SamsungがOEMとして作り、昨年11月、iPad miniのあとを追うようにして発売された。Evansは、Androidユーザへのアンケート調査やGoogleの開発データなどからの推計として、Nexus 7の現用台数は約680万台、対してNexus 10はその約10%、68万台、という数字をあげている。

Evansも言ってるように、2012Q4の後半2か月という同じ時期に、iPad miniは1000万台近く売れている。また2013Q1における、(miniも含む)iPadの総売上は2290万台である。Evansの数字がそれほど正確ではなくても、Googleの大型タブレットが人気商品にならなかったことは、間違いないようだ。

Googleは、Nexus 10の次世代バージョンをすでに準備中だと言われる。CPUとGPUの性能がアップするらしい。でも、問題の本質は製品の品質ではない。品質を言うのなら、今のNexus 10も十分にすばらしい。とくに、そのほかの大型Androidタブレットと比較した場合には、確実にそう言える。

というか伝統的に、Googleの自己ブランドのハードウェア製品は、一度も市場の売れ線になったことがない。開発の動機がそもそも‘参照設計’(reference designs)であり、OEMパートナーたちに実装例を示すことだ。しかし最近では、Nexus 4のような、うんと安くて高性能なハードウェアが、一般消費者にも受け始めている。でもAndroidスマートフォンが消費者にとって分かりやすくとっつきやすい製品であるのに対して、10インチのAndroidタブレットはいまいち、彼らの明確なニーズに結びつかない。それはGoogleのNexus 10にかぎらず全般的に、消費者の関心が薄い。

Androidタブレットはまだ、成長路線に乗っていない。GoogleのNexusラインはその契機となる製品のはずだったが、でもGoogleが今後、とくにソフトウェアの方面で精一杯努力して、消費者に「これなら欲しい!」と思わせる製品を出さないかぎり、それは無理だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


PanaCastは、220度パノラマビデオ会議体験を可能にする

【筆者:Michael Seo】
ビデオ会議は頭痛のタネ、職場環境にあっては特にそうだ。しかしPanaCastは、他のビデオ会議プラットフォームと異なり、本当に楽しくことのほか便利らしい。

PanaCastはクラウドファンディングで作られたビデオ会議プラットフォームで、昨年12月にRoss Rubin“Backed Or Whacked” コーナーで取り上げた。Rossは心からこのプロジェクトを支援し、それ以来PanaCastのKickstarterプロジェクトは当初の調達目標額の1万5000ドルを大きく上回りその3倍に達した。

今日(米国時間4/17)PanaCastは、彼らが言うところの「市場を破壊する価格」、599ドル、プラス月額購読料19.99ドルで一般向けに販売を開始する。

PanaCastが提供するのは、ユニークなパノラマビデオ会議体験だ。三脚に載った奇妙な外見のUFOのよう、Rossが言う専用ウェブカムを利用する。カメラはスタンドに取り付けた状態で高さ約60センチでかなり携帯性はよい。

ウェブカムの設定は簡単だ。iOSデバイスが携帯またはWiFiに接続されている状態でPanaCastアプリを立ち上げ、ウェブカムの上にあるバーコードをスキャンして接続する。

このウェブカムは、6種類のカメラから成り、ビデオ出力は同期されて200度をカバーする2700×540ピクセルのビデオ映像が作られる。映像はくっきり鮮明で歪みも全くなく、PanaCastのiOSアプリではライブビデオフィードのどの部分でもスクロールやズームができる。

PanaCastを製造するAltia Systemが見せてくれたライブデモは、レスポンスも極めて良好だった。スクロールやズームの際の遅延は一切なかった。アプリでは複数フィードの切り換えもごく簡単にできる。

現在PanaCastはiOSデバイスでのみ利用できる。Windows、Mac、およびAndroid版も近く公開する予定だ。

PanaCastアプリはiOS App Storeから無料でダウンロードできる。PanaCastカメラはAltiaのウェブサイトで注文できる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google、Chromeブラウザーの警告を強化。悪質な機能拡張のインストールを阻止

近くChromeは、ブラウザーの拡張機能の取扱いを変更する可能性のあるソフトウェアをダウンロードしようとするユーザーに警告を与えるようになる。具体的にこれは、ユーザーの知らない間に悪質な拡張機能がインストールされるようにするプログラムを監視する同社のセーフブラウジングシステムを強化するものだ。新機能は今後数日以内に配布される。

昨年12月、すでにGoogleは拡張機能のサイレントインストールをデフォルトで無効にしている。今日の発表によると、この保護機能を有効にすることによって「Chromeに明らかな性能改善が見られユーザー体験も改善される」。

新機能はこれを基点に、悪質な機能拡張がブラウザーに侵入するのを未然に防ごうとしている。

Googleによると、新機能は「Chromeが機能拡張を配布する標準的しくみを侵害するコードを識別し、そのコードがマルウェアである旨をユーザーに警告する」。これらの悪質な機能拡張の大半は、サイレントインストール・ブロッカーを回避しようとする。ひとたびここを通過するとユーザーは機能拡張のアンインストーラや無効化ができなくなる。コードはChromeの設定を操作してブラウザーがサイレント・インストールを再び許すように変更すると共に、付随する悪質な機能拡張ももちろんすぐにインストールしようとする、とGoogleは言っている。

「最新の対策」は、この種の悪質な機能拡張を検知してブロックするとGoogleは言っているが、方法の詳細は明らかにしていない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitterがツイート内容に連動するキーワード広告をローンチ

今日(米国時間4/17)、Twitterは今年の売上が10億ドルに達すると予測されている広告事業をさらに一歩前進させる新広告を発表した。このキーワード・ターゲティング広告では、企業やブランドはユーザーのツイートに含まれる特定の単語をベースに広告を表示することができる。

Twitterの説明によれば、この新広告は、デスクトップ、モバイルを含むすべての既存の広告ネットワーク上で現在順次公開中だという。またTwitter広告が運用されている15ヶ国語すべてがサポートされる。「ただし、新広告によって今までより広告が増えるわけではない」とTwitterでは念を押している。広告のボリュームは今までと変わらず、ただユーザーが使ってキーワードを利用することで広告主は今までよりも効果的に広告を表示できるようになったということだ。

Twitterは公式ブログ記事で「新広告でおそらくもっとも重要な特長は広告の対象を精密にターゲットできることだろう」として次のように書いている。

たとえばユーザーがあるバンドのファンで、その最新アルバムを聴いているとツイートしたとしよう。たまたまそのバンドがユーザーの地元で近くコンサートを開く予定があったとする。コンサートの主催者は地域を指定するだけでなく、ツイート中にそのバンドの名前が含まれるユーザーにコンサートのチケット販売サイトへのリンクを含めた広告ツイートを表示させることができる。ユーザーが好きなバンドの新しいアルバムについてツイートするとやがてタイムラインに近所のコンサートの広告が表示されるというわけだ。

Twitterの初期テスト協力者、Everything Everywhere、日本マイクロソフト、Walgreensはみなキーワード連動方式によるプロモート・ツイートが他の方式に比べてはっきりと効果が高かったと報告しているという。

eMarketerによるTwitterの今年の売上予測はやや控えめだ。これによると、2013年の全世界ベースの売上は5億8280万ドルで10億ドルに近づくのは2014年だという。2012年の世界での売上は2億8830万ドルだった。そのうち83%はアメリカ市場によるもとeMarketerでは推定している。各種の広告方式が世界でリリースされた結果、今年は外国市場の比重が高まるかもしれない。eMarketerは2015年には外国での広告売上が3億1900万ドルに上ると予測している。

Twitterを訪問はするが自分ではめったにツイートしない人々が膨大な数に上る。キーワード連動方式の欠点はこういう人々を対象にできないところだ。もうひとつの問題はタイミングだ。ツイートが投稿されてから長い時間が経ってからそれに関連した広告が表示されても有効ではないだろう。そのときそのときの関心を140文字で次々に語っていくというTwitterの本質を考えると、たとえ自分のツイートであってもその中に含まれるキーワードを長く記憶している場合は少ないかもしれない。ユーザー自身がすっかり忘れてしまった後でターゲット広告が表示されれば古臭い話題と思われるか、あるいは気味悪がられかねない。

キーワード・ターゲット広告を作成するツールはTwitter AdsのダッシュボードでもAPI経由でも利用できる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Evernote、独自ハードウェア開発に乗り出す―当初はサードパーティと提携、将来は単独でも

「すべてを記憶する」オンライン・サービス、EvernoteのCEO、フィル・リビンが興味ふかい発表をした。日本を訪問中のリビンはIDG News Serviceのインタビューに答える中で「Evernoteは当初はサードパーティーと共同で、将来は自社のみで、独自のハードウェアのデザインを始める」 と語った。Evernoteのロゴをあしらったオリジナル・ハードウェアが事実近くリリースされるようだ。これは外部メーカーと共同でデザインされ、OEMで製造される。

リビンはオリジナル・ハードウェアの内容について具体的な情報を明かさず、「既存の製品と競争するようなものではなく、魔術のようなまったく新しいデバイス」と述べるにとどまった。

EvernoteはすでにモレスキンのEvernoteスマートノートブックなど、パートナーを通じてハードウェアを製造している。このノートににはあらかじめ特殊なフォーマットが印刷されており、ユーザーがメモを書き、スマートフォンで写真に撮ってEvernoteにアップすると、手書き文字認識によってデジタル版が作成される。おそらくリビンが計画しているのもこういったプロダクトだろう。つまりユーザが体験するあらゆる情報を記録するデジタル・ノートブックというEvernoteの本質に根ざしたユニークなデバイスだ。

だからEvernoteスマートフォンとかEvernoteタブレットの類ではないだろうが、画像やオーディオをEvernoteに取り込むためのデバイスなら考えられる。モレスキンのノートブックのように、Evernoteと直接連動する情報の収集、整理のためのデバイスという可能性が高い。

Evernoteが主として力を入れているのは、マルチプラットフォームでシームレスに作動するアプリの開発であり、ハードウェア・エコシステムの整備は当面は二次的な目標となるだろう。とはいえ、ユニークなハードウェアの提供は、既存のユーザーの利便性を高めるだけでなく、一般消費者へのEvernotetの露出を高めるという効果も期待できる。

われわれはさらに詳しい情報が得られないかEvernoteに問い合わせているが、今のところ返事はない。

Engadget]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple株ついに400ドルの大台割れ―16ヶ月間の新安値を記録

現在、Appleの株価(NASDAQ:AAPL)は398.11ドルだ。昨日(米国時間4/16)の終値426.24ドルから6.6%下げている。最近最大の下げ幅であると同時に、16ヶ月での最安値を記録した。四半期決算が近づいているおり、その内容に投資家が懸念を抱いているのが大きな理由のようだ。

現在、NASDAQは全体として1.11%下落している。 Reutersによれば、Appleへの部品供給メーカー、Cirrus Logicがウォール街のアナリストの予測を大幅に下回る売上予測を発表した。同社はiOSデバイスにオーディオ用チップなどを製造している。このため一部のアナリストは2013年第2四半期のAppleのデバイスの売れ行きはよくなかっただろうと予想している。

しかし今日の下落はCirrus Logicの問題だけを原因とするには大幅すぎるようだ。現在株価は400ドルを切っているが、iPhone 5の発表以来、Apple株の値動きは投資家を失望させている。Appleの株価が700ドルを回復することは当面ありそうにない。

Apple株は依然として不透明感と乱高下に悩まされている。最新の製品発表は2012年10月のiPad miniだ。つまり昔に比べて新製品発表がない期間が非常に長くなっている。新製品の発表が近づくに連れて株価が上がるのが常だった。不安材料が少しでもあると株価に大きく反映するのが現在のAppleだ。

もちろん売上高が実際どうであったか予測するのは難しい。comScoreの調査によれば、iPhoneはアメリカ市場で依然トップの地位を占めている。しかしHTC OneやSamsung Galaxy S4といった手強いライバルがここ数週間で世界に向けてデビューする予定だ。

スマートフォン市場の競争は6ヶ月前にiPhone 5が発表されたときから激しかった。株の値動きを決定する最大の要因は投資家が感じる印象だ。Appleの営業成績に特に落ち込みが見られなくても、将来に不安を抱かせるような材料が少しでも浮上すれば株価に大きく反映することになる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、モバイル検索の高速化・高機能化を画策中 ― 検索ヒットサイトの詳細リンクや検索結果画面内での情報表示機能を提供中

Googleが検索中に利用する新機能を発表した。モバイル環境からの検索が非常に便利になるものだ。すなわち検索結果の詳細をすぐに確認し、表示されている結果内容を確認すれば良いのか、それとも検索をやり直した方が良いのかを判断することができる。

今回リリースした機能により、この1年で30%高速化したモバイルネットワークにおける検索速度を向上させることができる。その機能とは検索にヒットしたサイトの下位リンクを表示するSitelinkと、そして検索画面から離れることなく内容を確認することができるQuick Viewだ。

たとえばRotten Tomatoes(映画レビューサイト)を検索すると、通常の検索結果の下に上映中の映画情報を表示するである「In Theaters」などのリンクも表示される。映画のレビューを見たいのではなく、映画情報を確認したい場合には、このリンクをクリックすることで直ちに必要な情報にアクセスすることができるわけだ。検索結果からは何度か画面タップを繰り返すだけで、本当に必要な情報を提供しようとしているわけだ。

また「Quick View」という機能も提供している。これはWikipediaからの情報を検索画面に居ながらにして確認できるようにする機能だ。たとえば「ポーカーの役」(Poker hands)などと検索してWikipediaからの情報を確認し、チートシートとして利用できるようになるわけだ。

Quick Viewボタンをタップすると、下図のような画面がオーバーレイ表示される。

Googleによれば、この新機能はあくまで試行的なものであるとのこと。Quick Viewは現在のところWikipediaからの情報しか表示することができない。表示までにかかる時間は100ミリ秒程度であるとのこと。Google.comで英語による検索を行なっている場合のみに利用することができる。Wikipedia以外のサイトにも対応準備中で、さまざまなサイトのウェブマスターにも呼びかけを行なっている。このQuick Viewに対応する方法については、こちらからサインアップすることで得ることができる。

Google版のSiriとも言えるGoogle Nowの利用者が増えるに従って、情報検索の有用性向上を希望し、検索時の状況に応じた結果が得られることを期待する人が増えてきている。Googleも、よりよい検索結果を提供できるように努力を続けている。今回追加した機能を向上させ、適用範囲を拡げることにより、たとえば「ジュラシック・パーク3Dはどんなものだろう?」などという検索クエリーに対し、通常の検索結果にあわせて、チケット販売やレビューサイトの情報を広告として掲載していくことを狙っているのだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


嫌いな勉強をゲームで糖衣してもだめ, Recuriousは子どもの好奇心で進行するゲームを作る

子どもたちの好奇心というものを見直したい、と考えているゲームデベロッパRecuriousが、Greylock Partners(LinkedInのReid Hoffman)が率いる投資ラウンドにより150万ドルを調達したと発表した。

James Miaoが創業したRecuriousは、子どもたちのためのもっと良い教育的ゲームを作りたいと願っている。Miaoによると、子どものための良質なゲームデザインは、まだきわめて少なく、需要を満たしていない。現状は、子ども向けゲームのほとんどが教育にゲームという衣裳を着せているだけだ。それはまるで、子どもの嫌いなブロッコリをチョコレートでコーティングしてるようなもの。

彼の考えでは、子どもたちのゲームをもっとよく考えてデザインし、子どもたちの自発的なモチベーションで学習が進むようにすることが、重要だ。子どもたちが夢中になり、本物の好奇心が芽生え、好奇心が情報への飢えを喚起する…これが本当の学習の道だ。つまり、ゲームで遊びながら子どもたちが本当に学習するとしたら、そこに好奇心があるからなのだ。

同社の最初のタイトルDinoramaは、対象年齢が7〜12歳だ。子どもたちに恐竜パークを作らせ、そして経営させる。つまり、お金の面から見てパークが成功するために、子どもたちはゲームをしながら想像力と創造力を発揮しなければならない。

Dinoramaをプレイしながら子どもたちは、来園者のための演し物を考え、恐竜たちの世話をし、また暴風雨のようなネガティブな要因にも対応しなければならない。そのようにして子どもたちは、収入、支出、節約、修理費用、チケットの売り上げの上がり下がり、などを擬似体験しながら学習していく。

恐竜への給餌もするし、ツアーガイドを雇う、ポップコーンを作って売る、風船をふくらませる、来園者の写真を撮る、パークの掃除や修理をする、来園者を彼らの好きな恐竜のところへ案内する、などなど、いろんなことをする。子どもたちは恐竜に名前を付け、餌を与え、お金を投じてパークを作り、恐竜たちの生活環境を良くする、などのこともする。それはまるで、Farmville+Petsville+恐竜たちだ。

Miaoはこのゲームのねらいを、“子どもたちが自ら進んで、ああしたいこうしたいと思えるような環境を作り、その中で、自然に学習が進むこと”、と語る。子どもたちは、お金を持った起業家になる。そして次々と問題解決に取り組む(雨天対策、餌不足、バスの事故で観光客が来れなくなった、などなど)。

Miaoは前にも、thesixtyoneというゲームスタートアップを創ったことがある。そこでは、インディーの音楽を発見することとゲームの要素をブレンドした。彼はそこでゲームについて多くを学び、学んだことを子ども向けゲームにも応用できると考えた(彼はEAにいたこともある)。

Recuriousの次の課題は、子どもがクリエイティブにプレイできるゲームをさらにローンチするとともに、会社をもっと大きくしていくことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


一般消費者は本当にタッチを必要としているのか?

これは驚き。ロシアのMicrosoftポータル、その名もMicrosoftPortalが、今のところ“Blue”と呼ばれているWindowsの次のバージョンには、“CanSuppressStartScreen”という名のブーリアンの(二値の)フラグがあることを見つけた。これをonに設定するとユーザは、スタート画面をバイパスしていきなりクラシックのWindows環境に着地する。一部の人にとっては嬉しいかもしれないが、完全にタッチインタフェイスのWindowsマシン、というMicrosoftの夢にとっては、明らかな退歩だ。

でも、Hexusの記事によると、これはMicrosoftが別の顧客層をねらっていることの証拠だ。その客層とは、PCをタッチでなんか使いたくない!使えない!と固く信じている人たちだ。

まず、タッチは無料ではない。ふつうの22インチモニタは149ドルぐらいで、探せばもっと安いのもある。タッチ画面のモニタは300ドルだ。構成にもよるが、ラップトップもタッチ画面のはノンタッチの倍はする。部品価格としても、12インチのWXGAスクリーンで90ドル、タッチなら240ドルだ。タッチ画面にするとラップトップの価格は高くなり、メーカーの利益率は下がる。

Microsoft自身が、内蔵アプリケーションや初心者ユーザ向けにWindows 8の“クラシックエディション”を出すことも、考えられる。タッチ機能なしで完全に使えるOS、世界中の多くの人が慣れ親しんでいるWindows XPの世界に戻すユーザ体験だ。

しかし、この退歩はMicrosoftとって難題だ。Windows 8の売りは、古い世界との決別、だったはず。古いことわざを言い換えると、タッチスクリーンを持ってると何でもタッチスクリーンに見える。Microsoftは、本心では、店頭のすべてのデバイスをSurfaceにしたい(それ自体は悪いことではないが)。今のMicrosoftにとっては、クラシックインタフェイスはどっかに消えてほしい邪魔者だ。でも、世の中、それほど甘くはない。

Chris Pirilloのようなユーザが大声でWin8に不平を言う。Engadgetのナードたちですら、後方互換性が重要と言う。こいつは困った。Windowsの一部のパワーユーザたちは、慣れている今までの使い方で十分、と信じている。それは、世代の問題でもある。OS Xはあと数年はノンタッチだと思うが、これも世代問題への対応だ。

今や、タッチの時代だと言われる。でも、そう言える状況は限られている。モバイルデバイスは、マウスとキーボードが無理だからタッチだ。でもラップトップなら、それを十分使える状況では、タッチパッドとキーボードの方がずっと使いやすい。

Windows 8のクラシックバージョンが現実化したら、それはMicrosoftの大きな退歩だが、でも世界中のITとラップトップ艦隊を敵に回さないためには、世代の偏見に前向きに対応せざるを得ない。ちょっと前までは、あくまでもタッチで行く、妥協しない、とMicrosoftは言っていた。でも今は、こう言うぼく自身もWin8の熱心なユーザの一人だが、妥協が必須だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


古いWebアプリを自動的に古いブラウザで開ける–Chromeの企業ユーザ向け設定

Googleが今日(米国時間4/16)加えた新しい機能により、Google Apps for Businessのユーザは、Chromeブラウザを企業にとってもっと使いやすくできる。Google Apps for Businessと〜〜for EducationのためにGoogleがクラウドから提供している管理ツールによりITのアドミニストレータは、標準のGoogle AdminパネルやWindows Group Policiesから、100項目以上のChromeのポリシー(方針項目)やプリファレンス(選好項目)をカスタマイズできる。

さらに、Googleが今日新たにローンチしたChromeのエクステンションにより企業は、昔のブラウザを必要とするサイトを見るために自動的にレガシーブラウザに切り替えることができる。それらのサイトは、ITの管理者が定義する。Chrome Frameを使うとChromeのレンダリングエンジンを古いブラウザで使えるが、Googleの今日の注記では、“Legacy Browser Supportがあることにより企業のITアドミンは〔安心して〕現代的なWebへの完全移行ができる”、という。

Chrome for Businessのクラウド上の管理システムは、 Google Apps for Businessと〜〜for Educationの全ユーザが利用できる。そのポリシーの設定は、Windows、Mac、そしてLinux上のビジネスアカウントでChromeにサインインするユーザに自動的に適用される。

その企業のChromeユーザに対しては、どこでChromeを使っていても同じポリシーにより、IT部門が決めたWebアプリケーションやエクステンション、スタートアップのURL等のセットアップが行われる。さらにITの管理者は、WebGLコンテンツの視聴や共有の可否、セーフブラウジングモードの設定、シークレットモードの設定、画像を見ることの可否など、より詳細なセットアップもできるし、またURLのブラックリストによる管理もできる。

Googleは今日の発表声明の中で、“Webとブラウザは最近の20年で大きく変わった”、と言っている。“Chromeブラウザは現代のWebで可能なことの範囲を継続的に拡大しつつあるが、そのイノベーションはどこにいる誰にとっても、とりわけ職場において、可利用にならなければならない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Glass、Explorer版は配達もしくはGoogleオフィスでの受け取りを選択可

昨年のGoogle I/OカンファレンスでGlass Explorerプログラムに申し込んでいた人は、ついにGoogle Glassを本当に手にすることになる。いよいよ自分で使ってみることができるようになるのだ。

まだ情報の届いていない方もいるかもしれない。しかしGoogle Glassは、いままさに発送待ちの段階となっている。

具体的な手順を説明しよう。まず下に掲載しているメールが届く。文中で消してあるところには電話番号が書いてある。そして登録コードと、事前に同意すべき「Glass Safety Notices and Terms of Sale」(安全上の注意と販売規約)が記されていた。

Glass Explorerプログラムに申し込んだ人に発送した前回のメールでは、プレオーダーの数は2,000個だとのことだった。そして私のオーダーナンバーは933だった。番号順に処理しているのだとすると、結構な速度でバックオーダーを処理しているようだ。もちろん何人かは1500ドルの価格にオーダーを取り消したかもしれない。しかし申し込みをした人のほとんどが実際に購入するものと思われる(UPDATE:番号順に処理しているというわけでもないらしい)。

メールに記された番号(上の写真では消してある)に電話すると、登録コードを尋ねられる(オーダーナンバーではない)。あとはとんとんと手続きが進み、Glassを取りに行くか、それとも出荷してもらうかを選ぶことが出来る。但し、残念ながらTangerineとSkyは既に在庫切れとのことだった。私はグレイ系のShaleを選んだ。

Glassは明日、マウンテンビューのオフィスに取りに行くこととした。受取可能な場所はマウンテンビュー、ニューヨーク、ロサンゼルスなどがあるが、いずれの場所でもGlassチームのメンバーがフィッティングを行なってくれるのだそうだ。おまけにGlassの使い方に関する説明も受けられるのだとのこと。「よろしければお友達もご一緒に」とのことだった。

電話の応対も親切で、Glassを入手できることになった私におめでとうを言ってもくれた。このわくわく感と、そして最先端のデバイスを手に入れるために、まあ安くはない金額を支払うことにはなるわけだ。

既にGlass Mirror API開発者ガイドが公開されていて、APIを利用した開発が行えるようになっている。デバイスが出まわれば、多くの開発者たちがアプリケーション開発に乗り出すに違いない。シリコンバレーの有名VCたちも投資の機会を虎視眈々とうかがっているところだ。個人的にはレシピアプリケーションを作ってみたいと思っている。材料をいじりながらレシピ本のページをめくる必要がなくなり、とても便利なのではないかと思うのだ。

Google Glassが、今後どう成長していくのかはわからない。一般の人も欲しがるのかどうか疑問を持つ人もいる。どれくらいの頻度で用いられるようになるのか、また、カメラが装備されていて、ネットにも繋がったメガネを付けた人の前にいることに耐えられるかどうかも問題だ。とにもかくにもGlassは人の興味をかきたて、ぜひとも欲しいという人が少なからず存在する。そしてGoogle Glassを装着して動きまわる人が、2000名程度世の中に出てくるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)


日本のKDDI、boundioを閉鎖してTwilioと提携

2012年4月、KDDIウェブコミュニケーションズ(日本第2位の通信会社KDDIの子会社)は、boundioを立ち上げた。デベロッパーが電話回線を利用してサービス(単純なコールセンター等)を構築するためのサービスで、言うなればあまりすごくないTwilioだった。

1年後、同社はboundioを閉鎖し、これを・・・何とTwilioで置き換えた。

本誌は同社とTwilioの提携を昨年10月に報じたが、それがライバル製品にとって何を意味するのか当時は明確にはわからなかった。今日(米国時間4/16)日本で行われたプレスイベントで、同社はboundioの新規登録を中止し、既存のboundioユーザー全員をTwilioのプラットフォームに移行することを発表した。

私はこの手のB2B関連の提携にはおよそ疎い方なのだが、実際これはTwilioにとってものすごく大きい。理由はこうだ。

  • Josh Constineが昨年10月に指摘したように(またGrouponが中国進出直後に気付いたように)、アジアへの進出は〈難事〉だ。いや、〈本当に〉難しい。ビジネスカルチャーは尊敬と信用に基づいている。製品を翻訳してプレスリリースを出して終り、というわけにはいかない。KDDIのような大物と組むことはTwilioに信用を与え、支社を構える必要すらなくなる。
  • 日本の大企業の殆どはすでにKDDIと取引きがある。Twilioを直接使うためには、これらの大企業が新たな取引先としてTwilioを承認する必要がある。KDDIはすでに必要な関係を築いているので、Twilioは準備の整っている大量の潜在顧客を直ちに引き継ぐことができる。

ちなみにboundioは、通信キャリアの作ったソフトウェアが閉鎖された数多い例の一つにつぎない。

WAC — AT&T、Verizon、China Mobile、Sprint、その他がジョイントで立ち上げた「統一オープンプラットフォーム」 — は、ゲートを出る前につまづいた. Orangeは、先月静かにAPIサービスを打ち切り、TelefonicaのBlueViaのような話はいくらでもある。

デベロッパーは、避けられるのであれば通信キャリアーとは仕事をしたがらないようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ロックバンドの演奏にあなたのマウスカーソルが共演する(?)という不思議な音楽ビデオ

クラウドソースに依存しているインディーのバンドは昔からある。ツアーのバス代もKickstarterやIndiegogoに頼ったりする。でも、あなたのお金ではなくてマウスカーソルを求めるバンドは、これまでなかったと思うな。

オランダのロックバンドlightlightは、クラウドのパワーを利用するために、ちょっとおもしろいハックを使って、これまででもっとも巧妙†と言えるかもしれない音楽ビデオを作った。

そのビデオを視聴者がアクセスして再生するたびに、彼らのJavaScriptコードが動き出して視聴者のマウスカーソルの位置をリアルタイムで記録する。ビデオを見ている間中(あいだじゅう)、視聴者はコンテンツとの対話を奨励される。スマイリーを描いてもよいし、カーソルを一箇所にキープしてもよい。30ないし60分間隔でビデオは再リリースされ、それまでの視聴者たちの記録が再現される。

そのビデオはここでロードできる(職場では見ない方がよい: 肌の露出が多いが、それらは通常、何千ものマウスカーソルに覆われている。ビキニが解雇の理由になるなら、セーブしておいてあとで見よう)。

どうやらこのビデオと技術的工夫は、オランダのアーチストRoel Woutersと彼のスタジオMonikerの仕事らしい。

このビデオの‘放送’は昨日(米国時間4/15)始まったが、昨日は悲惨な事件があったので記事を載せることを控えた。それから20数時間後の今でも、ビデオはまだロックしている。だから、ここに記事をポストした。このビデオを見るのが二度目以降の人は、ブラウザのJavaScriptコンソールを開いたままにしてみよう。イースターエッグが見られる。

[†原注: “もっとも巧妙”は、“最良(ベスト)”という意味ではない。誰もが知ってるように、これまでのベストのビデオはJamiroquai作のVirtual Insanityに決まっている。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


EvernoteがホンダとDocomoと提携、シリコンバレーでスタートアップ支援のアクセラレータ・プログラム実施へ

今日(米国時間4/16)、「すべてを記憶する」サービス、Evernoteは、ホンダとDocomoと協力してEvernote Acceleratorと名付けたスタートアップ向けの1ヶ月の集中指導プログラムをスタートさせることを発表した。

実施の場所はシリコンバレーのRedwood CityにあるEvernoteの本社だ。世界中のEvernote APIを利用してプロダクトを開発しようとする個人あるいは小規模スタートアップのデベロッパーが対象となる。

このプログラムはEvernoteが自社の提供するサービスの範囲を超えて、サードパーティのデベロッパーやサービス・プロバイダーを広く巻き込んだプラットフォームへと進化しようという戦略をさらに一歩前に進めるものだ。Evernoteはすでに毎日60億のAPIコールを処理しているが、その大部分はEvernote自身のアプリから来るものだ。

Evernoteはホンダのシリコンバレー・ラボ(英文)、ドコモ・イノベーション・ベンチャーズと協力し、参加者に対してEvernoteのエンジニアによる指導、マーケティングの援助、さらにオフィスと住居を提供する。ただし直接の投資は行わない。ベテランのジャーナリストで昨年Evernoteに参加してプラットフォーム・エバンジェリストを務めているRafe Needlemanはこの点について次のように説明する。

現時点ではわれわれは投資の必要を認めない。われわれにとってこのプログラムの成功はすぐれたEvernoteプロダクトが生まれることだ。投資よって利益が生まれることに関心はない。すぐれたEvernoteプロダクトが生まれることがわれわれ、そしてわれわれのユーザーにとっての成功だと考えている。ただしわれわれはこのプログラムに参加するスタートアップないし個人デベロッパーに対してサードパーティーの投資家を紹介することはあるかもしれない。

Evernote側がベンチャーキャピタル方式の投資を行わないとしても、他の形式での投資はあるかもしれない。人気アプリの一つ、Evernote FoodはEvernoteが主催したハッカソンでオリジナルが開発されたものだった。NeedlemanによればEvernoteが知的所有権を買収して今日のアプリに仕上げたのだという。

このプログラムへの参加者はEvernote APIの普及のために毎年実施されているEvernote Devcupの今年の優秀賞受賞者から選ばれる。アクセラレータ・プログラムは10月の開催が予定されており、1ヶ月にわたるの助言と開発セッションの後、11月にYコンビネーター方式のデモ・デーが行われるという。

Needlemanは「あらゆるジャンルのEvernoteアプリを歓迎する」としながらも、プログラムには2社の共同スポンサーが存在することにも注意を促した。つまりAPIを活用したホンダの自動車向けアプリやモバイル・アプリが重視すべき分野となるということだろう。自動車とモバイル分野についてはそれぞれ優秀賞が設けられる予定だという。

今日、スタートアップ育成のアクセラレータ・プログラムは世界中いたるところで見かけるようになったが、Evernoteのプログラムには非常にユニークな特徴がある。それはEvernote自身がハッカソンを通じて参加候補者を集める点だ。Needlemanは「できるかぎり多様な人材を集めるために、われわれはハッカソンを東京、シンガポール、チューリッヒ、メキシコシティーで開催している。この参加者から選抜した優秀なデベロッパーたちにITのメッカ、シリコンバレーのすべてを味わってもらおうという趣旨だ」という。

〔日本版:EvernoteのCEO、フィル・リビンは今週4/18(木)午後1:30から日経ビジネスのセミナーで講演する予定。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、初のグラフ検索広告をテスト中。ただしターゲティングに検索ワードは使用せず

投資家たちは、いずれFacebookが利益性の高い要求充足型検索広告を販売することを期待しているが、出だしは慎重そのものだ。今日(米国時間4/16)Facebookは、初のグラフ検索広告の小規模なテストを始めたが、ターゲティングに使うのはユーザーの検索クエリではない。代わりにFacebookは、通常のターゲティングと再ターゲティングの方式を利用する。サイドバー広告と同じようにページの末尾に表示され、それも検索結果が1ページを超える場合のみだ。

Mark Zuckerbergは、人や場所や興味を見つけるこの新しい検索エンジンの発表イベントの際、収益化に関する私の質問に対して、グラフ検索に広告が入る可能性を示唆した。彼は「人々が欲しがるものを作ることによって良いビジネスを作れる」と言ったが、Facebookの従来のタイプアヘッド広告が「その方向にうまく拡張できている」ことも指摘した。Zuckerbergは、Facebookではユーザー体験が第一であることを強調したが、検索広告が「時間の経過と共にビジネスになる可能性」も認めた。

しかし、検索タイプアヘッド広告が、Facebookのリアルタイム検索のドロップダウンメニューで広告主をライバルや他の関連企業より上位に表示させるのに対し、初のグラフ検索広告は単なる新たな表示枠にすぎない。現時点ではFacebook全ユーザーのごく一部であるグラフ検索ユーザーのそのまた少数のグループにのみ表示されている。テスト対象のユーザーがグラフ検索を行い結果が1ページを超えると、2ページ目が自動読み込みされる前の境界行に広告が2~3件表示される。これらの広告はFacebookのサイドバー枠と同じく、見出しとサムネイル画像と本文からなり、Facebook内外の目的地へのリンクを含む。

現在のグラフ検索広告は他の殆どのFacebook広告と同じターゲティング技法を用いている。年齢、性別、現住所、勤務先など統計データや、いいね!、オープングラフでの行動、さらには最近ユーザーが訪れたウェブサイトのクッキーに基づく再ターゲティング等だ。

もしテスト結果が良好で広告がクリックやブランド確立に有効となれば、全グラフ検索ユーザーに展開する可能性が高い。

果たしてFacebookが、検索ワードに基づくターゲティングを広告主に許すかどうかは未だに不明だ。もしFacebookの他のターゲティング技術と組み合わせられれば、企業はグラフ検索を使って、レストラン、小売店、専門サービス等を探している瞬間のユーザーにアピールすることが可能になる。現在グラフ検索広告は、統計情報と興味、閲覧履歴によるターゲティングしか使用できないが、いずれはユーザーが「近所の歯医者」を検索した時に歯科医の広告を見るようになるかもしれない。

購入プロセスの最終部分は、最初の需要生成部分よりもずっと価値が高い。広告が購入や投資利益率に直接結びつくからだ。つまりFacebookは高い料金を請求することができ、Googleその他の検索広告のために予約されている膨大な広告予算を獲得できることを意味する。これは既存の収益ストリームの改善などではなく、新しい広告カテゴリーとして投資家を大いに喜ばせるものであり、ついには$FB(今日の終値は26.92ドル)をIPO価格の38ドル以上へと引き上げられるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


あなたのページにWebRTCのビデオチャットを埋め込める–Fresh Tilled Soilの一連の実験より

WebRTCを使ってデベロッパは、自分のWebアプリケーションにプラグインなしでリアルタイムの音声通話やビデオチャット、ファイル共有などの機能を導入できる。ChromeとFirefoxはすでにこれをサポートしているが、そのほかのブラウザもいずれ彼らに続くだろう。しかし現段階ではWebRTCは規格も実装も実験段階で、まだ多くのサイトがこぞって採用するまでには至っていない。また自分のサイトへの導入も、Conversat.ioのようなプロジェクトはあるものの、まだ容易ではない。

WebRTCを試してみたい、WebRTCを使ったビデオチャットウィジェットを自分のサイトに載せてみたい、と考えている人たちのために、ボストンのUI/UXデザイン会社Fresh Tilled Soilが、WebRTCによる埋め込み可能なビデオチャットウィジェットをローンチした。

本誌TechCrunchはベースが裸のWebサーバではなくWordPressなので、少なくともその現状の設定ではウィジェットを正しく埋め込めないが、ご自分のサイトで試してみたい方はここを訪ねてみられよ。

多くのこの種のプロジェクトと同様に、ユーザがすることといえば、チャネルの名前を決めて、それを友だちと共有し、そうすると数秒後にはチャットを開始できるはずだ。

ただし今現在は、デスクトップのChrome最新安定バージョンとAndroidのChrome Betaでしか使えない。もうすぐ、Firefoxもサポートされる。WebRTCはピアツーピア通信なので、ホストは最初のハンドシェイクを処理するだけだ。だからサーバの負荷はとても低い。

WebRTCのこの実験は、Fresh Tilled Soilがこれまでやってきた一連のテストの最新のものだ。これまでのものの中には、WebAudioAPIを使った音声処理や、音声入力のためのメディアキャプチャとストリームなどもある。また同社のこのクールで小さな実験では、Webカメラを使ってユーザと画面との距離を測り、フォントのサイズを調節する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アメリカン航空、システムダウンのため全米で離陸差し止め(アップデートあり)

連邦航空局(FAA)は、アメリカン航空の全便を少なくとも今日(米国時間4/16)午後5時まで離陸させないと発表した。コンピューター事故により予約システムがダウンしたためだ。新しい情報が入り次第この記事を更新する予定。機内に閉じこめられた人たちの心中は察するに余りある。

アップデート:

[FAAはアメリカン航空の要求により、全米の同社便および一部空港におけるアメリカン・イーグル便の離陸を差し止めた]

[弊社のシステムは完全に復旧したが、引き続き遅延と欠航が予想される。詳細はon.fb.me/XPTaiC 参照]

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)