Appleには悪いけど、まだiPhoneを買い換える気になれない

先週、Appleの売上高見通し下方修正の報告を聞いて、TechCrunchの同僚Ron Millerは、古いiPhoneの買い替えに時間がかかったことを皮肉まじりに謝罪した。

彼はついに、3年以上も使っていた(でもまだ使える)iPhone 6を、ピカピカのiPhone XR(750ドル以上)に大枚を投じて買い換える腹を決めたと書いている。最後の最後まで考えて、虎の子の1000ドルを叩きつけ、最上級のiPhone XSを購入したのだ。

ゆえに、かの有名なAppleの高級品としての魅力も、その程度だということだ。

Appleにとって、もっと悪いニュースがある。私は、今でも自分の(まだ使えるが、バッテリーとメモリーはヒーヒー言っている)iPhone 6sを買い換えられずにいる。なぜなら、これがぜひ言いたいのだが、Appleがヘッドホンジャックを廃止してしまったからだ。それが、利便性を貶め、選択の幅を狭めている。

私の小さい耳には、iPhone付属の全共用サイズの純正ヘッドホンが上手く入らない。音質は悪くないのだが、今でも使えずにいる。ヘッドホンは、歩き回っても耳にしっかり収まっていてくれないと困る。首を捻るごとに耳から飛び出して、そのたびに入れ直さなければならないようでは、汚い言葉を使わずに言うなら、あまり便利じゃない。

そしてそう、それがワイヤレスのAirPodsにも採用されている。私は、本当に使えるヘッドホンが完成するまで、ずっと熱心に開発を続けてもらうべくAppleに金銭的な貢献をしたいつもりでいるのだけど、正直言って、私にすれば、あれは悪手だった。

ヘッドホンに関して、Appleは小柄な人間のことは考えてないと言い切れる。仕方なく私は、何種類かのサイズのイヤーチップ(いつもいちばん小さいのを選んでいる)が付属しているカナル型ヘッドホンを使うはめになっている。つまり、適切なサイズのヘッドホンを使うためには3.5ミリのヘッドホンジャックが必要となる。これは好みの問題ではない。それでなければ困るのだ。

3.5ミリのヘッドホンジャックがあれば、もっと高音質なヘッドホンに投資することも可能になるのに。

だが、Appleの考えは違うようだ。ヘッドホンジャックを捨てたときのAppleのメッセージから判斷すると、私の小さい耳に、あれをとにかく無理にでも突っ込まないといけないらしい。冗談じゃない!

もちろん、iPhoneを買い替えて、付属の変換ケーブルを挿入すれば、ライトニングポートを3.5ミリのヘッドホンジャックに(再)変換すれば私の要求は満たされるが、この変換アダプターは単独に買えば9ドルの代物で、本来払わなくてもいい「アダプター税」だ。

なんだかんだ言ってもiPhoneは高級品だ。過去に戻るために欠かせない余分なアクセサリーを買わなければならないのは、進歩とは思えない(この苛立たしい金食い虫に、もっとふさわしい言葉は「余計な物」だ)。

それに加えて、ヘッドホンを使いたいときは、毎回あの馬鹿らしいやつが必要であることを思い出さなければいけない。そのイライラと面倒臭さは半端ではない。

おまけに、Appleの美学を愛する者として、あの変換ケーブルは100パーセント、まったくもって目障りだ。

さらに言わせてもらえば、Appleライトニングと3.5ミリ・ヘッドホンジャックの変換アダプターは、サードパーティー製のリモートコントローラーとは相性が悪い。ヘッドホンに付いている音量調整ボタンは誤動作しがちだ(星1つのレビューをすべて読めばわかる)。

AppleがMacBook AirからSDカードポートを廃止したことについては、触れずにおこう。しかし、新しい仕事用パソコンに買い換えた後のあの「いつもながらのメチャクチャな状況」に対処するための出費と苛立ちのことを思うと、本当に使いたいポートのことはすっぱり忘れようという「勇敢」な意思は砕かれてしまう。

TechCrunchには、ヘッドホンジャックがないと困るという人間が私の他にもいる。同僚のGreg Kumparakも12月に書いているが、彼は2年経ってもまだ3.5ミリ・ヘッドホンジャックが恋しいという。「あれは幸せな時間を与えてくれて、決して邪魔になることはなかった」とヘッドホンジャックの喪失を嘆いている。

あんな変換ケーブルが消えてなくなっても、誰も文句は言わないはずだ。

TechCrunchのMillerは、バッテリーがダメになってしまったのと、充電ケーブルがボロボロになってしまったために、愛用の古いiPhoneを買い換えざるを得なくなった。

私のiPhone 6sも、バッテリーがダメになりかけている。オリジナルのバッテリーは2017年に交換した(欠陥品だったためAppleが無償交換してくれた)。しかしある日、そのiPhoneが初めての「予期せぬシャットダウン」を起こし、「ピークパフォーマンス性能」がオンになったとの通知が表示された。

いわゆるパフォーマンス管理機能と呼ばれるそのオプションは、意味がよくわからないと消費者グループから責められAppleを窮地に立たせたため、現在のiOSではデフォルトで無効になっている。

もちろん、有料でバッテリーを交換することはできる。新しいiPhoneを買うよりは、ずっと安上がりだ。または、もっと安上がりな方法として、モバイルバッテリーを持ち歩くという手もある。

家に忘れて出かけたときに、どっちが困るだろう。バッテリーか変換ケーブルか?

少くとも、モバイルバッテリーがあれば、1日にiPhoneが使える時間は長くなる。そうなれば、利便性は高くなるだろう(頼まれれば友だちのスマートホンに充電してやる社会的貢献というボーナスもある)。

私なら、あのいまいましい変換ケーブルをどこにしまったかを常に憶えておかなければならないよりも、断然、カバンの中にモバイルバッテリーを入れておくほうを選ぶ。

いつだってすぐに皮が剥けてしまうAppleの充電ケーブルの問題を脇に置けば(これは交換すれば済む話)、もうひとつの問題は、今のiPhoneのストレージだ。もうほぼ満杯になっている。

Appleは、空き容量が少なくなると、有料のクラウドストレージを勧めてくる。しかしそれも、いらないデータを消去して、外付けのハードドライブを買って、ストレージの大半を占領している写真データを移せば済む。

それで、iPhone 6sはスッキリと出直すことが可能だ。

率直に言って、生まれ変わったiPhone 6sが正常に動くなら(バッテリーの不具合は横に置いて)、現行のものとそれほど変わらず、一部の重要な機能は私にとって迷惑で不便な高級機種を大枚はたいて買うよりは、そっちのほうがずっと魅力的だ。

しかもこれは、環境に優しい選択でもある。変換ケーブルが増えれば、不要な電子製品のゴミも増えるということを忘れてはいけない。つまり、この押しつけ変換ケーブル地獄は、地球に害をもたらすということだ。

ひとつの規格ですべてを満足させることなどあり得ないのだが、高級志向へとどんどん膨らんでゆくApplの方向性を合わせて考えると、「買い替えより再利用を」という今や常識になりつつある現状から、Appleの哲学がずれていっているように思えてくる。

Appleのだんだん怪しくなる国際取り引き


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(翻訳:金井哲夫)

Googleのセクハラ・高額退職金問題の隠蔽を株主らが訴訟

Googleの親会社Alphabetが、Androidの共同ファウンダーAndy Rubinに、性的不品行で訴えられていたにも関わらず9000万ドルの退職金を支払ったことをNew York Timesの調査が暴いた驚きのニュースから数ヶ月後、Googleの株主らが同社を訴訟した。

木曜日(米国時間1/10)午前、James Martinはサンマテオ最高裁判所に訴状を提出し、同社の経営陣が不品行な幹部に巨額の報酬を与え、セクハラスキャンダルを隠蔽したことを申し立てた。Rubinに加えて、Googleの元検索責任者で、翌年まで公表されなかった2016年のハラスメント疑惑で円満退社したAmit Singhalのふたりが訴状に被告として挙げられている。これは、論争のさなかに元幹部らが受けた巨額の報酬の全額返却を原告が求めているためだ。

罪状には、忠実義務、不当利益、職権乱用、財産毀損などが含まれているとThe Washington Postが伝えている。本訴訟はGoogleの守秘義務および調停契約の廃棄を要求している。これらの契約は職場の争議を密室で示談にして抗議の権利を与えないものだった。Martinはさらに、GoogleがAlphabet取締役会に新たな役員3名を登用し、一部の株主に強い議決権を与える多議決権株主を廃止することも要求している。

同訴訟はRubin、Google共同ファウンダーのLarry PageとSergey Brin、CEO Sundar Pichai、および会長のEric Schmidtも対象としている。元人材担当部長のLaszlo Bock、最高法務責任者Daivd Drummond、および元幹部Amit Singhal、さらに長年のベンチャーキャピタリストでGoogle取締役会のメンバー、John DoerrおよびRam Shriramも指名されている。

Googleはコメントの要求に対して対して即答していない。

NYTの記事が公表されたあと、世界中のGoogle社員が同社の性的不品行疑惑の扱いに抗議した。彼らは5つの重要質問を掲げ、ハラスメントや差別の裁判における強制仲裁の廃止、給与と機会の差別撤廃の誓約、性的不品行の安全で匿名の通報を可能にする全世界共通の明快で統一された包括的プロセスなどを求めている。結局Googleは要求に応じて強制仲裁を廃止した。その後Airbnbを始めとする他のIT企業も続いた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AmazonのファウンダーJeff Bezosと彼の妻で作家のMacKenzieが離婚

Bezos夫妻JeffとMacKenzieは、25年間の結婚生活に終止符を打ち離婚することになった。

Amazonのファウンダーと、小説家で受賞歴もある彼の妻は、ソーシャルメディア上の共同ポストでそのニュースを発表した。それによると、離婚の決定の前には別居生活があり、そして今後は“友だちとして”人生の共有を続けていきたい、という。

[訳略(形式的な発表声明文なので)]

二人は90年代に、共にヘッジファンドD.E.Shawの社員だったとき出会い、その後MacKenzieはAmazonの初期の社員の一人になった。

彼女の最初の小説、“The Testing of Luther Albright,”は2005年に出版され、翌年、American Book Awardを受賞した。

Forbes誌の2018年富裕者リストによると、世界でもっともリッチな人物Bezosの総資産額は推定1120億ドル。彼女は、そんな彼の下(もと)を去る。

(Bloombergより)

画像クレジット: Matthew Staver/Bloomberg

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Microsoftさん席を譲りなさい、Amazonがアメリカの時価総額最大の企業ですよ

昨年Amazonは、入れる人の限られた1兆ドルクラブの会員になった。そして今年も、同社の株式市場支配は続いている。

eコマースの巨人Jeff Bezosは月曜日(米国時間1/7)に時価総額7970億ドルを達成し、3.4%アップの一株あたり1629.51ドルは同社を、Microsoftを抜いてアメリカでもっとも価値のある上場企業に押し上げた。

Microsoftは11月28日にAppleからタイトルを奪ったが、この月曜日には0.1%上げて一株あたり102.06ドル、時価総額7830億ドルとなった。Fortune誌によると、11月はMicrosoftが8年ぶりにAppleを抜いた月で、Appleの成長に関する市場の不安が貢献している。

一方Appleは、じきに彼らと肩を並べる、とは行かないようだ。同社のCEO Tim Cookが先週発行した書簡は、同社の初会計年度第一四半期のガイダンスを修正している。それによると、売上予測は最初の890-930億ドルから840億ドルに下げ、それが株価の下降を招いた。今日(米国時間1/7)のAppleはGoogleの親会社Alphabetの7560億ドルにすら抜かれて、ほぼ7000億ドルで4位に落ちた。Amazon、Microsoft、Alphabet、そしてAppleの順である。

Cookはその書簡でこう述べている: “主要な新興市場にはいくつかの課題があるが、とくに中国などでに関しては、経済の大幅な減速は予見していなかった。しかし今回の売上予測の下方修正はもっぱら、中国におけるiPhone, Mac, およびiPadの売上減によるものである。その他の主要市場での売上減少は、ほとんど予見されない。”

しかし株価をめぐる4社のタタカイは今年も続くようだから、本年における順位のさらなる入れ替わりを、われわれは覚悟しているべきだろう。

関連記事: Apple’s trillion dollar market cap was always a false idol…Appleの時価総額1兆ドルは偽りの偶像だ(未訳)

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トランプ圧力で株式市場今度は反騰、いつか来た道の既視感、FRBもここは我慢

連邦準備制度が今後利率を上げないと言い、雇用も盛んなことからウォール街の株価が上がり、ニューヨーク証券取引所の今年の初商いの週は乱高下の‘高’の部分で終わった。

昨日のAppleが呼び込んだ下落と、世界と国内の契機減退を示す経済指標を受けて、連邦準備制度のJerome Powell理事長は、利率を上げることに関して中央銀行は“我慢する”、と言った。

そのニュースと雇用好調との報告により、株価は急騰した。ダウ・ジョーンズ工業平均は746.9ポイント、3.3%上げて、Nasdaqは275.4ポイント、4.3%上がった。

投資家が歓迎する2019年の利上げに関する見通しは、連邦準備制度理事長の単なる見方ではなく、日増しに強まるトランプ大統領からの圧力に直面しているPowellの保身策でもある。

アメリカ経済学会(American Economic Association)における、連邦準備制度の前理事長Janet L. YellenやBen BernankeとのパネルディスカッションでPowellは、大統領に辞めろと言われても辞めない、と言った。

Powellのそのコメントの直後に、株が上がり始めた。

The Washington PostによるとPowellはその席でこう言ったそうだ: “弱めのインフレ指標が目の前に迫っているが、今後の経済の動きを見るときには我慢が必要だ。しかし政策の方向を変える用意はつねにできているし、必要なら大きく変えなければならないだろう”。

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深圳、バスに続いてタクシーも電動化でグリーン化推進

ある中国都市の道路がここ数年ぐっと静かになってきた。深圳はハードウェアのシリコンバレーとも呼ばれ、人口1200万人の都市をガタゴト走り回るディーゼル車を段階的に廃止すべく資源を投入してきた。

同市の公共バスは2017年末までにすべて電動車になった。タクシーも近々それに続く。深圳運輸委員会は今週、同市の2万1000台を超えるタクシーの99%がバッテリー駆動になったことを公式サイトで発表した

ただしそのうち1350台はまだ配車されるのを待っている。これは充電ステーションが足りないためで、市の基盤が電気自動車への移行スピードに追いついていないことを表している。昨年Southern Metropolis Daily紙が実施した調査によると、深圳のタクシー運転手の80%が市内の充電ステーションの数と場所に不満を持っている。

深圳には、ウォーレン・バフェットが出資しているバッテリーおよび自動車メーカー BYDが本社を置いており、中国の電気自動車ドリームの先陣を切っている。電動化の始まりは2010年に遡り、当時同市は中国の大計画の一環となり、ハイブリッドおよび全電動車のバイロットテストのために消費者とメーカー両方に多大な助成金が出された。大気汚染の改善という表面上の目標の裏には、バッテリー技術のリーダーを目指す中国の野望と、その結果として生まれる雇用と輸出歳入の増加という目的がある。

深圳の運輸当局は、電動タクシーは化石燃料車と比べてエネルギー効率が70%高いと言っている。電動タクシー車全体で、深圳の年間二酸化炭素排出量を85万6000トン削減できるとの見積りだ。これは米国の森林100万7445エーカー(4077平方km)によるカーボンオフセットに相当すると、米国環境保護庁提供の 温室効果ガス計算機が算出した。

なお、EVの環境への貢献は、都市がどうやって発電しているかに依存していることを忘れてはならない。エネルギー源が石炭や石油のように汚ければ、電動自動車も汚いことになる。

深圳のグリーン化活動の恩恵を受けているのがBYDで、同市の非石油バス・タクシーの大部分を製造している。最近同社は、中国が電気自動車の助成金削減を検討していることを受け、海外都市の公共輸送システム電化に進出している。深圳のこの自動車メーカーは世界を横断して英国 チリおよびエジプトに同社の車両群を送り込んでいる。アジアでは、隣接するマカオシンガポールおよび日本に電気自動車を販売している。

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ディズニーのスター・ウォーズ・ランドは6月オープンか。CEOボブ・イガーが発言

ディズニーのStar Wars Land(正式に言うなら “Galaxy’s Edge”)が2019年夏のいつかオープンすることはわかっている。しかし、Disneyの人間もそれ以上正確な時期は言わない。

噂では6月らしい。そしてDisney CEO Bob Igerもそう考えているらしい。

IgerはBarron’sのインタビューで、さりげなく6月のターゲットを口にした(OC Registerが指摘した)。

インタビューの全編はこちらで読めるが、問題の発言はGalaxy’s Edgeの戦略的影響について質問されたときにだった。

Star Warsが6月にアナハイムで、年内にはフロリダでオープンすると、キャパシティが増える。土地はそれぞれ14エーカー広くなり、アトラクションが増え、ゲストにできることが増える。

つまり、これは正式なプレスリリースではないが、それに匹敵する。アナハイムは6月、フロリダは「年内」。

6月というターゲットにはもちろん山ほどの意味がある。Disneyは開演と同時に可能な限り最大の来客を望んでいる。それは最大人数が訪れることのできる時期にドアを開くことを意味している。DisneyはStar Wars Landに人を呼ぶことに何の問題もないだろうが、万全を期すに越したことみない。6月は夏休みを意味している。夏休みは大入り満員を意味している。それに加えて2019年6月はシーズンパスの使用不可日が例外的に増えることから、あらゆるスターが6月に合わせてやってくることは間違いない。

面積約14エーカーのGlaxy’s Edgeは、Disneyにとってこの数年で最大のプロジェクトだ。そこにはミレニアム・ファルコンがある! ブルーミルクが(お酒も!)飲めるバーもある。ストーリーを楽しめるホテルもある! Star Warsに関しては何でもそうだが、期待は途方もなく高い——そしてカーズランドやパンドラ(フロリダのアバターがテーマのパーク)を見る限り、うまくやってくれることは間違いない。

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オブジェクトをシンプルな部分的形状の集まりとして捉え、精度の高い3Dモデルを作る

空間領域構成法(constructive solid geometry, CSG)と呼ばれる技法を使用するシステムによりMITの研究者たちが、オブジェクトを分解してそれら個々の構成要素を3Dモデルで表現することに成功した。いわばそれは、複雑な物体に対するリバースエンジニアリングだ。

そのシステムを紹介するペーパー“InverseCSG: Automatic Conversion of 3D Models to CSG Trees”を、Tao Du, Jeevana Priya Inala, Yewen Pu, Andrew Spielberg, Adriana Schulz, Daniela Rus, Armando Solar-Lezama, そしてWojciech Matusikらが共著している。

Tao Duは3DPrintingIndustry誌の記事でこう述べている: “高レベルでは、問題は三角形メッシュをシンプルなツリーにリバースエンジニアリングすることだ。オブジェクトをカスタマイズしたければ、それを構成する元の複数の形の、それらの寸法やお互いの組み合わさり方にアクセスできるのが理想的だ。しかしすべてを一つの三角形メッシュへと組み合わせてしまえば、そこにあるのは三角形のリストだけで、個々の形の情報は失われている。でも、それらのメタデータを回復すれば、ほかの人たちがそのデザインを容易に変えることもできる”。

その処理は、オブジェクトをシンプルな剛体の集まりに切り分けて、それらを合わせれば複雑なオブジェクトが作れるようにする。現在の3Dスキャンは不完全だから、オブジェクト全体のメッシュモデルはオブジェクトの不完全な表現にしかならない。しかしこのように、より単純な形状のメッシュ的集まりとしてオブジェクトを表現できれば、より正確なスキャンに近くなる。オブジェクトの形を変える処理も、やりやすい。全体一括スキャンではなく、小部分分解スキャンとその再合成をするのだ。

“われわれのアルゴリズムは堅牢だから、言葉では言い表せないような奇妙な形のオブジェクトやその変更〜カスタマイズでも正確に表現できる。その例を、実際に示した。また、われわれの方法は変項(パラメータ)の集まりで表現されるCSGプログラム(parameterized CSG programs)を返すから、それによりエンドユーザーが3Dメッシュの構造を理解したり編集したりできるようになる”、とDuは語る。

このシステムは、オブジェクトを構成している要素的な形状を見つけて、それらの形を変える。これによって、ほとんどどんなオブジェクトでも、以前(全体一括スキャン)に比べてずっと高い精度で再現およびカスタマイズできるようになる。それはハードウェアをハッキングしてその形や大きさや安定性を理解するための、とってもクールな方法だ。

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セグウェイ、新型電動スクーターと無人配送ロボットを発表

物理的消耗は電動スクーターにとって主要な問題であり、個体の寿命は短くなり経済性に劣る結果を招いている。本日(米国時間1/3)のConsumer Electric Showで、Segway -Ninebotは新型電動スクーターModel Maxを披露した。BirdやLimeのようなサービスの運用・維持コストを低減することが目的だ。

「Model Maxは複雑なシェア利用形態や消費者による過度な使用、運用ビジネスモデル、維持コストなどを考慮にいれて作られている」とSegwayがプレスリリースに書いた。「それと同時に、Segway-Ninebotは様々な運営会社のニーズや、市場ごとに異なるユーザーや消費者のニーズを広く受け入れている」Segwayは仕様の詳細については明らかにしていないが、1月8日に追加情報を発表すると言った。

Segwayの一部のNinebotスクーターがLimeに安全上の問題をもたらしたことは知っておくべきだろう。昨年8月、LimeはSegway Ninebotスクーターの一部に潜在的問題があることを認識した。具体的には、早期バージョンのスクーターの一部で、2台のバッテリーのうち1つに問題があった

同じくNinebotのスクーターを使用しているBirdは、調査の結果Segway-Ninebotから購入した車両に問題がなかったことを報告した。

また今日Segwayは、ラスト1マイル用無人運転車両、Loomo Deliveryも発表した。このロボットを使って食品、小荷物などの無人配送を行うことが狙いだ。

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プログラミングをゲームのように遊べるScratchのv.3.0が出た、タブレットでも使える

使うに値する唯一の子ども向けプログラミング言語Scratchが、Scratch 3.0のローンチを発表した。この強力なオープンソースツールに、おもしろい新しい機能がいくつか加わった。

学齢期の子どものいない読者のために説明すると、Scratchはブロック方式のプログラミング言語で、小さなゲームや、スプライトやアニメのある“漫画”を作れる。そのシステムはけっこう複雑で、子どもたちはこれまで、Minecraftのプラットホームや、楽しいアーケードゲーム*、そしてこんなものまで作ってきた。〔*: アーケードゲーム, arcade games, arcadeは日本語で言えば“ゲーセン”。〕

Scratchのこのニューバージョンには、ハードウェアを制御する機能や、新しいコントロールブロックがある。

Scratch 3.0は次世代のScratchで、Scratchでもっといろんなものを、いろんなところで作れるようになった。数十個もの新しいスプライトがあり、サウンドエディターもすっかり新しくなった。そして新しいプログラミングブロックもたくさんある。Scratch 3.0は、ラップトップやデスクトップコンピューターだけでなく、タブレットでも使えるようになった。

Scratchはプログラミングをゲームのように楽しめるツールで、うちの子は今でも、これで何度も何度も遊んでいる。そんな力を持つプログラミング言語は、ほかにない。とくに小学校入学前ぐらいの子どもに最適の、プログラミング入門だ。今度のアップデートをぜひチェックして、そして作ったアニメはぜひクラスでシェアしよう!

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Appleの売上減少で米株式市場急落

Appleの悪いニュース海外および国内市場の成長鈍化によって、木曜日(米国時間1/3)の株価はあらゆる主要市場で急落した。

投資家たちはAppleだけで750億ドルの価値を失った。株価の下落はほとんどがAppleのニュースによるもので、NASDAQが3%、202.44ポイント、Dow Jones工業平均は2.8%、660.02ポイント下がった。

Appleは昨日午後取引を一時停止し、来季の利益予測を下方修正した

昨日遅くにAppleが発表した中国での売上急落のために予想利益が数十億ドル減少するというニュースは大量の売りを呼び、年末の取引で得た上昇(近年で最大の1日の株価値上がり)を消し去った。

Appleの中国での苦難にはさまざまな要因が考えられる、とD.A. Davidsonの上級アナリストTom Foreteは言う。中国経済の弱体化、中国消費者の愛国心の過熱、あるいは国内メーカーの優れた選択肢など、すべてが要因になりうる。

売上の伸び悩みは中国だけではないとForteは指摘する。インド、ロシア、ブラジル、およびトルコでも新型iPhoneモデルの売上は鈍化しているという

投資家の懸念はAppleの弱さだけではない。12月の中国の製造は成長から縮小へと転じており、現地のアナリストらは少なくとも今年前半は苦しみが続くと予想している。

「今年前半にはさらに減速が悪化すると予想している。その後都市不動産市場の規制撤廃を中心した本腰を入れたせいぶの緩和・刺激策が実施され、今年後半には安定あるいは小規模な反発もあるかもしれない」と香港Nomuraのチーフ中国エコノミストTing Luが、Financial Timesに掲載されたレポートで語った。

米国の製造業も、The Institute for Supply Management[ISM:サプライマネジメント協会]の発行した工業指標によると好調とはいえない。同協会のインデックスは最近2年間で最低を記録した。

「あらゆる部分で不確定要素が多く、ビジネスは停滞している」とISMの製造調査委員会のTimothy Fiore委員長がBloombergに言った。「どこを見ても何をとっても混沌状態だ。ビジネスは混沌の中ではやっていけない。これはそれらの問題のいくつかを解決する必要があるという警告だ」

インデックスはまだ米国産業の深刻な縮小を示す閾値より上にあるが、製造業調査における前月から5.2ポイントの下落は、10年前の金融危機と2001年9月11日の同時多発テロ後の不況以来最悪の数字だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MozillaがメールクライアントThunderbirdの高速化、美観アップ、そしてGmailのサポートを約束

Mozillaのデスクトップ向けeメールクライアントThunderbirdは、同団体のFirefoxブラウザーほどの人気はないが、それでも、Web上のメールサービス全盛の今なお、そのユーザーコミュニティはかなり大きい。そしてそれらのユーザーたちは2009年に、もっと速くて美しいアプリケーションを手にすることになる、とThunderbirdのコミュニティマネージャーRyan Sipesが今日(米国時間1/2)発表した

ほんの数年前までは、MozillaとThunderbirdの関係はぎくしゃくしていた。2015年にMozillaは、Thunderbirdの技術的インフラストラクチャをFirebirdのそれと切り離して、Thunderbirdの移籍先を探した。しかし結局MozillaはThunderbirdを抱え続けることになり、他社に手渡すことをやめて、サポートを続けることにした。これによりThunderbirdには、待ちに待たれた安定性が与えられることになり、Sipesの今日の発表にもあるように、今では8名の正規スタッフがこのプロジェクトを担当している。近く6名増員する計画もある。

2019年には、このアプリケーションをより高速化し、パフォーマンスの問題を解決する、とその専任チームが約束している。とくに、クライアントのコードの一部をマルチプロセス方式に書き換えて、現代的なプロセッサーを有効利用できるようにする。実はFirefoxも近年、同じ改良を行った。

さらにThunderbirdは、ユーザーインタフェイスの相当部分をアップデートし、通知機能を改良、そして、もっと重要なこととしてGmailのサポートをより充実する。今でもThunderbirdからGmailをセットアップするのは比較的簡単だが、でもThunderbirdの中では自分のGmailアカウントからGmail独自の機能にアクセスできない。これを解決するためにThunderbirdのチームは、近くラベルのサポートの改良などを提供する予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Echo Wall Clockレビュー:機能はかなり限定的、所詮30ドルのデバイス

2018年、AmazonはAlexaに注力した。9月には、新しいEcho Dot、Show、Plus、そしてサブウーファーやAlexa追加デバイス、自動ドングルデバイス、アンプなどが発表された。これだけでもう十分だが、Amazonはさらに新たなものに手を伸ばした。

Amazonは接続デバイスのカテゴリーで実験を開始したー具体的には、電子レンジと壁掛け時計だ(そうだった、歌う魚Big Mouth Billy Bassも含まれる)。表面的には奇妙な動きだ。というのも、そうしたプロダクトを展開し、マインドシェアのいくらかを奪おうとしのぎを削っている企業は数え切れないほどある。

しかしAmazonにはそこに足を踏み入れるだけのいくつかの大きな理由がある。一つには、完全にEchoデバイスに連携するプロダクトをつくることでAmazonには得るものがある。また別の理由としては、原価に近い価格でプロダクトを販売できることが挙げられる。

そうした理由により、Echo Wall Clockのメリットはかなり限られている。値段30ドルのこのデバイスは本質的にはAlexaデバイスなしには役に立たない。事実、時刻を設定するのにAlexaが必要だ。Echoが近くにない人にとってはこれがマイナス点となる。しかしセットアップという点では簡単だ。

まず、連携するデバイス(Echo、Dot、Show、Plus、E Spot、Input)から30フィート以内に設置場所を確保する。そして裏のカバーをあける。単3電池4本をセットする(時計に付いてくる)。そしてAlexaに「Echo Wall Clockをセットアップして」と命令する。フロントライトが脈打つようにオレンジ色で光るまで、裏の小さな青いボタンを押す。それでAlexaに対応するようになり、全て準備が整えばライトが青色に変わる。

私は最初、この時計をオフィスのWi-Fiを使ってセットアップしようと試みた。この手の接続プロダクトでの試みとしては決していいアイデアではない。大企業ネットワークは危険極まりなく、2つのデバイスはオフになったりオンになったりを繰り返した。もしあなたが家庭でWall Clockを使おうとしているなら(実際には、全てのAlexaデバイスで)、同じようなセットアップ体験になるだろう。

パーソナルネットワーク(MiFiを介して)に切り替えたところ、物事はよりスムーズに運んだ。Alexaはあなたのいる場所のタイムゾーンに合わせて時刻をセットする。そしてボーナス機能もある:サマータイムの始まりと終わりに自動で時刻を合わせる。

詳細を語る前に、いくつか大事な点を挙げておこう。まず初めに、Wall Clockは名称がいまひとつで、見た目もチープだ。大きく、いかにもプラスチックという印象。フロントガラスでカバーされてもいない。正直、Amazonが作る壁掛け時計という、いかにも的なデザインだ。目を眩ませるような要素は何もない。シンプルなデザインの、実にシンプルな外観の時計だ。ほとんどのリビングルームやキッチンに合うミニマリスト的なもの、というのが結論だ。

シンプルさは機能面でも言える。現在、その機能はタイマーに限定されている。60分全ての刻みにあるラインは実際にはLEDだ。たとえば、Alexaに「10分のタイマーをかけて」と言うと、10分に相当するLEDが光り、時間の経過とともに徐々にLEDが消えていく。そして10分たつと、Alexaに「ストップ」と言うまで全てのLEDが点滅する。

それで機能はおしまい。タイマーとアラームだけ。Wall ClockはAmazonが展開する、初のAlexaが能動的に作用するデバイスの一つだ。Echoは、聞いたり話したりといったより難易度の高い全てのタスクをこなす。あなたは時計に時間や天気について尋ねることはできず、これこそが時計の近くにEchoを配置する必要がある理由だ。この時計はまた、アラームを設定した時間になっても音を出さない。だから、この安い値段設定であり、電池も随分長く持つ。

Echo Wall Clockは必須のデバイスではない。しかし、ちょっと便利なものとなるかもしれない。たとえば、あなたが頻繁に料理をするなら、Echoのタイマーに加えて、大きくてビジュアルに確認できるものがあると便利だろう。しかし、これがなければ、というような使用方法を他に思い浮かべることが私にはできない。正直、私はAmazonがより多くの活用法を提案できると期待はしていない。

このデバイスは、Alexaとその連携デバイスがスマートホームの可能性を広げるという概念を証明するためのもの、という意味合いが強い。多くの消費者を魅了するような要素は特にないーしかし所詮30ドルで、おそらく魅力的なものである必要はないのだろう。

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(翻訳:Mizoguchi)

2018年最高・最悪ガジェット記事が1位(2018年12月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。12月30日までのアクセスは「2018年の最高&最悪のガジェットまとめ」が1位だった。

この記事で最高のガジェットとして登場したのは、スマートスクリーンの「Google Home Hub」、スクリーンがビルトインされた349ドルのジンバル「DJI Osmo Pocket」、そしてスタンドアロンのVRヘッドセット「Oculus Go」など。一方、最悪として紹介したのは、スマートフォンとして復活した「Palm」、1293ドルのスマートフォン「Red Hydrogen One」、スマートスクリーンの「Facebook Portal」など。最悪ガジェットに選ばれた製品は、発展途上で今後進化する可能性があるものの、現時点では期待値を大幅に下回ったことで評価が低くなってしまった。

12月20日公開ながら、ホンダジェットエリート(HondaJet Elite)の記事が3位にランクイン。実はTechCrunchは、同機の国内初の個人オーナーとなった千葉功太郎氏がジェネラルパートナーを務めるDrone Fundに招待されるかたちで発表会に参加した。「千葉さん、どこにいるのかな?」と会場を探していたのだが、まさかファーストデリバリーの相手が千葉氏だったとは。

4位にランクインした記事にも注目だ。「タクベル」からサービス名称を変えた「MOV」はタクシー配車アプリとしては後発だが、企業とタイアップして地域限定ながら高速料金や迎車料金を含むタクシー代を無料にするというゼロ円タクシーを開発。話題性は抜群だった。このタクシーが走行するだけで商品の宣伝となり、実際に乗車した人は車内でその商品を激推しされる。ゼロ円タクシーのファーストスポンサーとなった日清食品にとっても費用対効果の高い施策になったはずだ。

1位 2018年の最高&最悪のガジェットまとめ
2位 Google Pixel SlateがOSの課題を浮き彫りにする
3位 ホンダジェットの国内第一顧客は、千葉功太郎氏、堀江貴文氏、山岸広太郎氏と発表
4位 ゼロ円タクシーも登場!DeNAのタクシー配車サービス「MOV」始動
5位 NORADのサンタクロース追跡サービスは政府が閉鎖しても継続する

新しいiPad Proが1位、2位を独占(2018年11月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。11月は、iPad Pro記事が1位と2位にランクインした。

2018年にはiPad Proがフルモデルチェンジ。マイクロソフトのSurfaceのようなスレートデザインとなり、純正キーボードのデザインも改良。もはや本体とキーボードをセットで使うことが前提といえるスタイルとなった。しかも、新iPad Proが搭載するプロセッサー(SoC)であるApple A12 Bionicは、同時期に発売されたMacBook Airが搭載するインテル社の第8世代Coreプロセッサーを凌駕するなど、すでに性能面ではノートPC超えだ。ちなみに純正キーボード(iPad Pro用Smart Keyboard Folio)やスタイラス(Apple Pencil)オプションをそろえると、価格もMacBook Airや13インチMacBook Proを超える。

2位もiPad Proの記事だが、こちらは日本のマジシャンが超絶テクニックをTwitter上で披露しているという動画。しかも、Apple表参道の前で。

1位 新iPad Proは成熟の予兆を見せ始めた
2位 日本のマジシャンがiPad Proで超絶トリックを披露
3位 ラズベリーパイより簡単にIoT電子工作ができる「obniz」
4位 MacBook Airは12インチMacBookよりいい買い物
5位 Amazonが社内エンジニア教育に使っている機械学習コースを無料提供

iPhoneの将来を勝手に心配した記事がダントツ(2018年10月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。10月は、iPhoneの今後がどうなるかを書いたコラムがダントツのアクセスを集めた。

具体的には、アップルの共同創業者で前CEOの故・スティーブ・ジョブズ氏の命日に合わせて公開した記事だ。あくまでも個人の見解として、iPhoneをはじめとするスマートフォンのイノベーションはそろそろ限界で、新しいプロダクトが必要だという内容。その可能性を秘めるデバイスはAirPodsの進化形かもしれないと紹介している。AirPodsの進化形には、長らくウワサされているアップル製アイウェア「Apple Glass」などがあるとし、今後はARやVRを進化させたデバイスの登場が期待される。それにはARやVRに最適化したOS、UI/UXの開発も急務だとも述べている。

アップルに限って言えば、スマートフォンの次のイノベーションになるかも(なっているかも)しれないスマートスピーカーで、グーグルやアマゾンに大幅に出遅れているという事実もある。Siriは便利な音声アシスタントだが、同機能を搭載したアップル製スマートスピーカーの「HomePod」は一部地域での販売に留まるのみで売上も伸び悩んでいる。スマートフォン市場はあと数年iPhoneが牽引していくと思われるが、そろそろ次のワクワク、ドキドキを体験したいところだ。

2位に入ったカオスマップ記事もTechCrunchでは鉄板。スタートアップ業界を中心に、さまざまな分野に参入している企業の関係性や立ち位置などがよくわかる内容だ。2018年はこの副業系のほかに、RPA、ライブコマース、インバウンド、AIなどのカオスマップを紹介した。

1位 iPhoneはもうすぐ日本で売れなくなる、アップルはどうするのか?
2位 副業系サービスをまとめたカオスマップの2018年度版が公開
3位 任天堂Switchのベストゲームはスーパー マリオパーティだ!
4位 カシオのオールメタルG-SHOCKが設定やアラームをBluetooth化
5位 ポケモンGOにシンオウ地方のモンスターが登場する

iPhoneがランキングを席巻、売れているのはiPhone 8(2018年9月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。9月はiPhone関連記事がトップ5を席巻した。

2018年の新モデルはiPhone XS、XS Max、XRだったが、スマートフォンの売上ランキングで上位を占めたのは2017年に登場したiPhone 8。XSシリーズよりも安価なiPhone XR、1世代前のiPhone Xもランキング上位に入ったがiPhone 8には及ばなかった。XSシリーズはトップ10の下位にときどき顔を出すものの、ファーウェイの低価格機の後塵を拝すなど売上台数はイマイチの模様。とはいえ全体を見ると2018年もiPhone人気は揺るぎなかった。

日本国内でも躍進が続いているファーウェイ。米中の貿易摩擦で中国メーカーである同社の印象が今後どうなるか気になるところだが、アップルと戦えるのは同社しかいないのが現状だ。スマートフォンは機能やデザインの陳腐化が始まっており、そろそろほかのデバイスや分野に主戦場を移さないと各社とも立場が苦しくなるかもしれない。

1位 iPhone SEは後にも先にもアップルの最高傑作だった
2位 iPhone XS、XR、XS Maxを比較
3位 iPhone XRは「買い」
4位 AppleはiPhone XRで3D Touchが失敗であることを認めた
5位 iPhone XS、XS Max、XRの価格

デジタルメディアは今後いかに生き延びるか

どの業界もタフだ。しかし2018年は、デジタルメディア業界にとって特にタフだった。

おそらく今年最も注目を集めた事業停止は、Bustleに買収される前にスタッフのほとんどを解雇したニュースメディア企業Micだった。Micはトータルで6000万ドル近くの資金を調達していた。Micのミレニアル世代の視聴者にニュースを届けるというビジョンを、Time WarnerやBertelsmannといった大手メディア企業が資金調達という形でサポートした。

しかしMicは、多くの操業停止や解雇の一つにすぎない。ヘッドラインを賑わしたもののいくつかを下に挙げよう:

・Viceは雇用者数を最大15%減らすとのゴールを掲げ、採用を停止した

・LittleThingsは、同社が主張するところのFacebookのアルゴリズムの変更によって、RockYouに買収される前に閉鎖に追い込まれたようだ。RockYouの自社のデジタル出版戦略は難題に直面しているもよう

Refinery29は全体の10%にあたる社員を解雇し、2018年の売上は5%減を予想していると発表した

BuzzFeedは社内のPodcastチームを解散した(しかし、“一握りの”社員の解雇だったと報道されている)

Vox Mediaは従業員約50人を解雇した。また、同社のニュースサイトRecodeを一般ニュースメディアVox.comに取り込む計画も発表した

Gizmodoメディアグループはバイアウトのラウンドで社員を解雇した

・UpworthyとGood Magazineを保有するGoodメディアグループは従業員31人を解雇した

Outlineは全てのスタッフライターを解雇した

Lena DunhamのLenny Letterは事業を停止した

Rookieも事業停止

Defy Mediaも事業停止

こうしたニュースをひとまとめにするのは完全にフェアではないかもしれないーいくつかの企業は特異なマネジメントや事業問題のために失敗し、一方で他の企業はより広範なシフトの犠牲となり、またいくつかの企業は問題を分析して立ち直った。しかし集合的には、こうした企業にとってかなり厳しい1年だった。

この分野のベテランで、TechCrunchでたまにコラムを書いているPeter Csathyはこのほど、メディア業界における変化を取り上げた本“Fearless Media”を出版した。

TechCrunchとのインタビューで、Csathyは世界で最高と最悪の企業がはっきり別れた、と主張した。最悪、というのは明らかだー“特定のビジネスモデルが荒廃”したため、特にFacebookのような大きなプラットフォームや現在“かなりのプレッシャー下”にあるオンライン広告事業に頼ってきたために苦しんでいる企業だ。

同時に彼は、「最高はNetflixやAmazon、Appleといったメディアを展開する企業で、いくつかは大きな新技術を伴っている」と語った。

もちろんAmazonやAppleは、ほとんどの売上をメディア以外の事業であげていて、Netflixが目立って大きな成功を収めている。しかし、Csathyは2019年に「Netflixは今までに経験したことのないような大きな困難に直面するだろう」と予測した。というのも、Netflixは多くの新手ストリーミングサービスと競争することになり、しかもそうしたサービスのコンテンツはNetflixにコンテンツを売ってきた会社によって制作されるからだ。

「究極的には、Netflixが ‘House of Cards’以上のものを展開できるか、ということが問題となる」と彼は電子メールで付け加えた。

まだ大きくなく、圧倒的なプレイヤーでもない企業や、次のNetflixやBuzzFeedを築きたい起業家についてはどうだろうか。それは、おそらくたやすいことではない。特にベンチャーキャピタリストが登場しそうなときにはそうだ。しかし、2018年に資金調達に成功したデジタルメディアスタートアップもある。Podcast network Wondery女性に特化したニュースレター発信元のSkimmだ。

そしてニューヨーク拠点のスタートアップスタジオBetaworksは最近、“synthetic media(合成メディア)”にフォーカスしたアーリーステージプログラムを発表した。同社のパートナーMatt Hartmanによると、得意とするグラフィックスと人工知能を活用しているエリアなのだという。ここには、ニュースストーリーとビデオを制作するという誤解を抑制する意味合いが含まれている。そうではなく、BetaworksはInstagramセレブLil Miquelaのような“バーチャル”キャラクターといった新たな種類のコンテンツの制作を試みている。

Hartmanはメディア世界におけるビジネスモデルは変わりつつあり、特にパブリッシャーはペイウォールを用いて実験を行い、またプロダクトをひとまとめにして展開しようと試みている、と語った。

「私が思うに、来年はこうした実験をより多く目にすることになるー少ないひとまとめ、多いひとまとめ、どちらもありで、あなたが一緒になると思いもしなかった企業がまとまる」と話した。

そして、もしこうした実験の多くが失敗したとしても、正しい方向に進んでいる、とHartmanはいう:過去10年は、我々の注意を集めるような企業を立ち上げる時代だった。これの本当に素晴らしいところは、ユーザーをより人間らしく扱うような企業、という点だ。我々を楽しませ、教育を施し、情報を提供し、なおかつ我々の時間や注意に敬意を払う企業に対し、我々はどのようにイオンセンティブを扱うべきだろうか。

Csathyもまた似たよう点を指摘している。「広告を扱うこうした新たな企業に選択肢はなく、ビジネスモデルを復活させようとしている。[そうしなければ]収益化ができず、彼らは波にのまれてしまう」。

それは読者、そして視聴者があちこちでペイウォールにぶちあたるということを意味するのだろうか。おそらくそれは、かなりありふれたことになるだろう(一例として、New Yorkマガジンはペイウォールを導入したばかりだ)。しかしParse.lyのCEO、Sachin Kamdarは購読制だけでは解決にならない、とみている。

「最もよいパブリッシャーはおそらく5つないし6つの売上源を持つことになるだろう」とKamdarは言う。「たった一つということにはならない」。

パブリッシャーに(マーケッターにも)プロダクトを販売する分析会社のCEOとして、Kamdarはメディア事業の継続的な健全性に関心を持っている。彼は、業界の“エコーチェンバー”において、パブリッシャーが単に最新トレンドを追いかけることを憂慮している。「なぜなら、みなが同じ方向に行くというのが、必ずしもあなたにとって意味あるものとは限らないからだ」と警告する。

鍵となるのは「すでにあるものーあなたがパブリッシャーとして何者なのかを理解すること」と彼は提案する。だから彼は、最近のプラットフォームやトラフィックのソースを追いかけるという“かなり短期的な視点”から離れることを期待している:「私が思うに、今人々はようやく持続性が最優先事項であるべきだ、という結論に至りつつある」。

最近のビジネス環境にかかわらず、Kamdarは楽観視する短直な理由がある、と言う。

「読んだり観たりするのにより多くの時間が割かれている」と彼は話す。「長期的視点に立ったビジョンを持つと、何が起きているのか、どこへ向かっているのか、そうした視聴者をいかにつかまえるかを理解する大きなチャンスがある」。

イメージクレジット: David Sim

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

会社評価額1兆円超えのエピックゲームズ記事が2位に(2018年8月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。8月は例年9月に発表される新型iPhoneや、久しぶりのアップデートとなるMacBook Airのウワサ記事がランクインした。

iPhoneに代表されるアップル関連記事は、TechCrunchだけでなくどのウェブメディアでも大人気。新iPhone登場前の8月が最も盛り上がるが、ここ数年は機密情報がダダ漏れなので8月に出るウワサをしっかり頭に入れておけば、新iPhoneの特徴はほぼわかるという状態となっている。しかし2018年は状況が異なった。アップルがメインストリームから外したMacBook Airが第一線に復活するというウワサが流れ、マックユーザーが久しぶりにドキドキした。

そして、そんなアップル祭りの8月に2位にランクインしたのが、バトルロワイヤルゲーム「フォートナイト(Fortnite)」で大人気のエピックゲームス(Epic Games)の記事。同社が2018年に調達した資金は、巨大ユニコーン企業であるUberの12億ドル(約1324億円)を上回り、12億5000万ドル(約1379億円)。会社評価額は150億ドル(1兆6554億円)に達したほか、フォートナイトの成功で30億ドル(約3310億円)の利益を上げた。ちなみにフォートナイトのAndroid版は、Google Play Storeにはなく、同社のウェブサイトからダウンロードするという仕様なので注意してほしい。

1位 iPhone 8の後継モデルもiPhone Xデザインを踏襲か?
2位 フォートナイト・バトルロイヤルAndroid版がPlay Storeをスルー
3位 AppleがMacBook Airの新モデルを発売か
4位 これが新しいiPhone XSの外観だ
5位 エントリーモデルMacBookは来月発表

delyのYahoo!グループ入り記事が4位にランクイン(2018年7月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。7月を振り返ってみると、Pokémon GO(ポケモンGO)が1位を飾ったものの、TechCrunchらしい記事がトップ5に並んだ。

Pokémon GO関連記事は、兄弟メディアのEngadgetでも非常によく読まれる鉄板ネタ。今年もさまざまな機能が実装され、さまざまなモンスターが登場したことで1年中盛り上がった。

2位のFacebook関連記事、3位のイーロン・マスク関連記事もTechCrunchとしては毎月強い。特にイーロン・マスクはもはや、スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグ、ジェフ・ベゾスなどを抑えて、名前だけでアクセスが延びる人物となった。テスラ(Tesla)やスペースX(SpaceX)の関連記事はもちろん、本人の行動を紹介した記事も大人気だ。

4位は、堀江裕介氏(写真中央)が率いるdelyがYahoo!グループ入りした記事がランクイン。11月に開催されたTechCrunch Tokyo 2018に登壇した堀江氏は、Yahoo!グループ入りにより「kurashiru」(同社が運営している動画レシピサービス)のアクセスが伸長したほか、人脈やデータ、サービスなどのリソースをフル活用できる環境となり「グループ入りにデメリットはない」と力強くコメント。

5位は、TechCrunch Tokyo 2018のスタートアップバトルのファイナリストであるYperの「OKIPPA」の記事がランクイン。OKIPPAは、取扱量の激増と人材不足により激務になっている運送業者の業務を効率化。配達された荷物を預けられるバッグだけでなく、万が一の盗難に備えて東京海上日動と共同でバッグ専用の盗難保険「置き配保険」も開発した。管理組合とのやり取りが煩雑な既存の分譲マンションへの導入にも成功するなど、同社の事業は着実に拡大している印象だ。

1位 NianticがPokémon GOのプレーヤーの反則行為を説明
2位 Facebookが時価総額1230億ドルを一夜で失う
3位 イーロン・マスクが洞窟救出にエンジニアを派遣
4位 新生delyはこれから、モノを売り、1兆円企業をめざす
5位 荷物待ちや再配達のストレスから解放、置き配バッグ「OKIPPA」