レシート買取アプリ「ONE」で湧いた6月(2018年6月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。6月を振り返ってみると、高校生CEOが考案したレシートを10円で買い取ってくれるアプリ「ONE」の記事にアクセスが集中し、上位5位のうち、1位と3位、4位にランクイン。

「ONE」は、レシートに記載されている決済データを使ったマネタイズを考えていたが、衝撃のサービスだったこともあり、サービス開始の6月12日の約半日で買取レシート数10万件突破してしまい、買取を一時ストップする事態となった。運営元のワンファイナンシャルでCEOを務める山内奏人氏に確認したところ、6月12日19時30分時点でユーザー数は約4万5000人にまで増え、買取レシート数も約16万件になっていたそうだ。本人確認の通知も約1万件ほど届いているとのことで、10人以上の体制で対応をしたものの、作業に追いついていない状況とのことだった。

その後、ワンファイナンシャルは事業方針を変更。広告モデルに転換することを発表し、6月18日にクルマの即時買い取りサービス「DMM AUTO」と連携し、ガソリンスタンドのレシートの買取を始めることを明らかにした。9月に入り、ガソリンスタンド以外のレシートの買取サービスを復活させたほか、12月にはマクドナルドと連携。マクドナルド店頭にて200円以上をQUICPayで支払って当該レシートをONEで撮影して送信すると、即時に10~50円で買い取るサービスを実施していた(12月28日で終了)。

1位 レシートが1枚10円にかわるアプリ「ONE」公開
2位 Googleがタブレットから撤退
3位 「ONE」が約半日で買取レシート数10万件突破も買取を一時ストップ
4位 「ONE」がDMM AUTOと連携、ガソスタのレシートを最大100円で買取へ
5位 Twitterの暴挙に怒りの声続々

メルカリ上場承認の記事が4位にランクイン(2018年5月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年5月を振り返ってみると、最も読まれたのは、GoogleマップのAPIに関する記事だった。

一般ユーザーにとってGoogleマップのAPIといってもあまりピンと来ないかもしれない。しかし、スタートアップはもちろんさまざまな企業がリリースしているアプリやサービスはこのAPIを使ってGoogleマップの機能を取り込んでいる。この記事では、従来は月額200ドル程度だった利用料が無料になることや、特定業界向けのMapsソリューションとして、Googleマップのデータを利用して現実世界を舞台とするゲームを作るゲームデベロッパーのためのプログラムを立ち上げたという内容が書かれている。

TechCrunchとして注目なのはもちろん、4位にランクインしたメルカリの上場承認に関する記事だ。メルカリはこのあと6月19日に東証マザーズ市場に上場。株式市場は上場初日に1株あたり5300円と評価した。同価格で算出した時価総額は約7172億円だった。なお、12月28日現在の時価総額は、12月下旬に米国から始まった株価の大幅下落の影響もあり、時価総額は2650億円程度となっている。

1位 Google MapsがAPI構成と課金方式を抜本的に変えて単純化
2位 新しいGoogle Oneはストレージ半額でサポートも充実
3位 機械学習研究者2000人がNatureの新しい有料論文誌への投稿を拒否
4位 メルカリの上場承認が正式に発表、直近決算期の売上高は220億円
5位 GDPR施行、同意の強制でさっそくFacebookとGoogleに対し初の提訴

アップルがグーグルのAI責任者を引き抜いた記事が5位に(2018年4月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年4月のアクセスを振り返ってみると、4月ということもあり1位はGoogleのエイプリルフールネタ。

4月1日にGoogleマップを開くと、赤白セーターを身にまとい画面の端からこちらに向かって手をふるウォーリーが表示される。そして、さまざまな場所にいるウォーリーを探すというゲームを楽しめる。ここ数年は落ち着いた感があるが、各企業の広報からは3月下旬になるとさまざまなエイプリルフールネタが届く。その数は年末に送られてくる、CEOや社長の年始の挨拶よりもはるかに多いうえ、年々レベルが上がっている。残念ながらTechCrunchで取り上げる機会はあまりないのだが。

そのほか、アップルとグーグル、マイクロソフトの記事がランクインしているが、注目なのは5位のアップルがグーグルのAI開発の責任者を引き抜いたという記事。アップルでAIといえば音声アシスタントのSiriが思い浮かぶが、同社のプライバシー保護方針の影響もあり、グーグルのGoogleアシスタント、アマゾンのEchoに比べて遅れている印象だ。

アップルに移ったのは、グーグルで人工知能と検索の責任者を務めていたジョン・ギアナンドレア(John Giannandrea)氏(写真)。彼は12月に入って、アップルCEOのティム・クック(Tim Cook)氏、CDO(チーフ・デザイン・オフィサー)のジョニー・アイヴ(Jony Ive)氏、インターネットソフトウェア&サービス担当の上級副社長であるエディー・キュー(Eddy Cue)氏、リテール担当の上級副社長であるアンジェラ・アーレンツ(Angela Ahrendts)氏などと同様に、同社のエグゼクティブチームに加わったことが発表された。アップルがAIに賭ける本気度の表れだろう。

1位 Googleのエイプリルフールは「ウォーリーをさがせ!」
2位 今年の新iPhoneは6.5インチX登場へ
3位 GoogleがGmailに「自動消滅メール」を導入予定
4位 Googleのスプレッドシートにマクロが来た
5位 AppleがGoogleのAIトップを引き抜く

UberやLyftのドライバーの労働環境調査の記事が3位(2018年3月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年3月のアクセスを振り返ってみると、1位はサムスンのGalaxy S9が最高の評価を得たという記事だった。

Galaxyは、曲面ガラスなど他社に先駆けて導入するなど先進的なデザインが特徴。処理速度やカメラ製品もiPhoneとは遜色ないのだが、なぜか日本ではいまひとつ人気がない。そうこうしているうちにカメラ関連でライカと提携したファーウェイがSIMフリースマホ市場を席巻。いまではキャリアスマホとしても販売されている。とはいえ、そのファーウェイも米中の貿易摩擦の影響で日本でもファーウェイ製品排除の動きがあるなど先行きは不透明だ。結局はiPhone一強は今後も変わらないのかもしれない。

2位はオラクルがグーグルに裁判で勝利したという記事。グーグルのAndroidはオラクルが著作権を持つJava APIで開発されたが、これが著作権侵害にあたるという判決だ。プログラミング言語に著作権の保護は適用されるのかという論争はこのあとも続きそうだ。

TechCrunchとして注目なのは、4位にランクインしたUberとLyftのドライバーの労働環境についての記事。およそ3分の1のドライバーが、1マイル走るごとに収益を上回る費用を負担しているという。中にはスキマ時間を活用して副業ドライバーとして働く人もいると思われるが、この生産性の低さは問題となるかもしれない。Lyftの広報担当者はこのレポートを受けて「研究結果に関してはまだ精査しておりませんが、ざっとみた限りでは疑問符のつく想定が行われているように思えます」というコメントをTechCrunchに残している。

1位 Galaxy S9のディスプレイがカメラと並んで最高の評価
2位 OracleがJavaの著作権侵犯裁判でGoogleに勝利
3位 Google LensのiOS版も公開
4位 UberとLyftのドライバーたちの過酷な状況が明らかに
5位 月額750円でオーディオブック聴き放題

2月はトヨタとJapanTaxiとの提携記事がランクイン(2018年2月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年2月を振り返ってみると、最も読まれたのは、Switch上でLinuxを動かすことに成功した記事だった。

新しいデバイスが登場すると、必ずと言っていいほどLinuxを走らせることに挑戦する強者が現れる。今回はSwitchに搭載されているエヌビディア社製のSoC「Tegra X1」のブートROMにセキュリティ上の脆弱性があり、それを突いてLinuxの起動に成功したそうだ。

2位は、トヨタが国内でタクシー配車アプリを提供しているJapanTaxiに約75億円を出資したニュース。トヨタはこのあと8月に、米配車サービス大手のUberに約555億円(5億ドル)を出資するなど、次世代のモビリティーに向けて積極的な投資活動を続けている。ちなみにUberは2019年にIPOするとウワサされており、上場すれば価値約13兆2000億円(1200億ドル)規模になると予想されている。

1位 Nintendo Switchの上でLinuxを動かすことに成功
2位 トヨタがJapanTaxiに約75億円を出資
3位 月定額のカーレンタルサービス「SmartDrive Cars」
4位 Intelがスマートなスマートグラスを発表
5位 Apple本社で社員が「ガラスの壁」に衝突する被害が出ている

イノベーションのためには携帯を捨てろ

われわれは今、過渡期を生きている。1980年代のはじめ頃には、デスクトップコンピュータの時代に入り、ドットコムの崩壊でクライマックスを迎えた。それは2000年問題に対応するためのコンサルティング料と、ハードウェアへの支出、さらにはPets.comなどの理不尽な繁栄に支えられた財政バブルだったのだ。その直近の過渡期は、コンピュータがより小さくより奇抜に、より薄く、そしてずっと強力になった時期だった。それは、長い退屈な時期を経て、われわれをモバイル時代へと導いた。それが今も続いている。次の10年間で革新を起こしたいのなら、以前のデスクトップPCがそうだったように、もはや携帯電話は行き止まりだということを認めるべき時が来ている。

われわれは、10年ごとに何かを創造しては、その後それを磨き続けることを繰り返している。その進歩の速度は増加しているものの、それは革新ではない。たとえば2007年のiPhoneと、現在のPixel 3との違いは信じられないほどだ。しかし、Pixelにできて、オリジナルのiPhoneやAndroid携帯にできないことが何かあるだろうか? あったとしても多くはない。

われわれは、現在の技術が可能にするユースケースに縛られている。1903年には、自転車は自転車であり、飛ぶことはできなかった。しかし、ライト兄弟や、その他の人々が、前進する機械的な動きから揚力を得ることに成功すると、われわれは離陸することができるようになった。2019年には、携帯は携帯であり、われわれと真にやりとりすることはできない。人間の体とは独立した部品に過ぎないからだ。そうした制限の先を見据える人が出てくれば、われわれは飛べるようになるかもしれない。

モバイル技術の未来を断定するつもりはないが、携帯電話を捨てて、この世界を見つめ直さない限り、注目に値するようなことは何もできないだろう、ということだけは言っておく。確かにきれいな写真が撮れるようになり、FaceTimeでやりとりできるようにはなった。しかし、そうした技術の限界に気付かなければ、それらの外の世界は見えてこないのだ。

もうすぐ新しい年(そして新しいCES)がやってくる。そしてまた、より多くの同じようなものがやってくる。画面−手−目の連携にとどまって、実質的に携帯電話を顔に押し当てるだけようなVRデバイスや、ほとんどテレビのようにしか見えない大画面のパソコンを作るのは、安全であり安心だ。しかし、その次に何があるのだろうか? そうしたデバイスはどこに行こうとしているのか? どのように変わるのか? ユーザーインターフェイスは、どのように凝縮され、形を変えるのか? そろそろ真剣に考えなければ、やがて身動きが取れなくなってしまうだろう。

たぶん、あなたはもう考えている。でも、急がなければならない。これまでもそうだったように、この時代も急激にガラッと変わるかもしれない。そうなれば、よく見積もっても得られるチャンスは限られる。なぜVRは軌道に乗らないのか? なぜなら、それはまだ辺境のものであり、モバイル思考に囚われた人たちによって探索されている段階だからだ。機械学習やAIの普及も、なぜこんなに遅いのか? それは、そのユースケースが、チャットボットと、より良い顧客応対に狙いを定めているからだ。われわれが、携帯電話の黒い鏡(この意味は分かるだろう)の向こう側に注目し始めなければ、イノベーションは失敗する。

起動するすべてのアプリ、スクロールするすべての写真、すべてのタップ、ダサいFacebookのちょっとした改良に期待して祈ることは、みんな予想を上回るより良い未来の到来に抵抗する砦を築くためのレンガなのだ。だから、来年こそは携帯から手を離して、何かを創ろうではないか。手遅れになる前に。

画像クレジット:Fuse/Getty Images

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

コインチェックなど仮想通貨関連記事が上位に(2018年1月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。まず2018年1月を振り返ってみると、仮想通貨(暗号通貨)関連の記事にアクセスがトップ4を独占した。TechCrunch Japanでは、仮想通貨やブロックチェーンに関する記事は1年を通じて人気があるが、1月のアクセスは異常ともいえる規模だった。

注目はやはり、1月26日未明に発生した仮想通貨の取引所であるコインチェックから仮想通貨MEMが流出した事件。コインチェックはこの後、マネックスグループ傘下となり取引所のセキュリティ体制を強化。日経報道によると、まもなく金融庁から仮想通貨の登録業者として認可される見込みだ。

5位に入ったのはiPhoneのバッテリー問題の記事。バッテリー劣化による突然のシャットダウンを回避するため、Appleが意図的に旧iPhoneの性能を落としていたことが発覚し大騒ぎとなった。その後、Appleは低価格でのバッテリー交換に応じる決断を下した。

1位 Bitcoin、Ethereum、その他ほとんどすべての暗号通貨が暴落
2位 コインチェックが580億円のNEM不正流出について説明
3位 仮想通貨の税金計算をサポートする「G-tax」ベータ版公開
4位 Bitcoinを150ドルから1000ドルに釣り上げたのは一人の仕業だったらしい
5位 iPhoneの29ドルのバッテリー交換はほとんど無条件になった

Tesla、OracleのLarry Ellisonらを取締役に指名ーーSECの条件に対応

Teslaは独立取締役を役員会に加えた。Oracleの創業者で会長、CTOのLarry Ellisonと、WalgreensのエグゼクティブKathleen Wilson-Thompsonだ。これは、TeslaのCEO、Elon Muskの会社を非公開化するというツイートをめぐっての米国証券取引委員会(SEC)との和解条件の一つだった。

この2人は12月27日に役員会に加わった、とTeslaは金曜日早朝の声明文で明らかにした。Kathleen Wilson-Thompsonは現在Walgreens Boots Allianceで執行副社長兼グローバル人事責任者を務めている。彼女はまた、米国拠点の製造企業の公共委員会のメンバーの役も担っている。

指名およびコーポレート・ガバナンス委員会が率いるTeslaの取締役会は、再生可能エネルギーへの移行を加速させるというTeslaのミッションに強い個人的信条を有していて、なおかつ“幅広いスキル”を持つ世界中の候補を検討した、としている。

Ellisonは単なるTeslaの“信者”ではなく、Muskの友人であり、盟友である。Ellisonは10月のアナリスト会議でMuskの防衛の側に立ち、Teslaは彼にとって二番目に大きな投資先であることも明らかにしていた。Ellisonは今年初め、300万ものTesla株を購入した。

このOracle創業者はまた、2017年にTeslaのラナイ島における温室栽培プロジェクトのためのマイクログリッドエネルギーシステムに、190万ドルを費やしている。この栽培プロジェクトはSenseiと呼ばれる Ellisonの会社の一部でもある。Senseiは著作業・南カリフォルニア大学教授であり、Ellisonの友人でもあるDavid Agusと共同で設立された。

Senseiは、水耕農場の開発に注力している、L.A.を拠点とする新しいウェルネス・ブランドだ。最初のプロジェクトにはサイズ不明の水耕農場をハワイのラナイ島につくるというものが含まれている。これはEllisonが2012年に3億ドルで買収したものだ。Senseiの代表Dan GrunebergはTechCrunchに対し、この農場は1エーカーあたりの栄養にフォーカスし、セールスポイントはSensei農場ブランドでレストランや小売に販売される予定の果物や野菜だ。

「過去数カ月、幅広く検討し、我々は現在の取締役会を補足するようなスキルを持った独立取締役を追加することを模索した。 LarryとKathleenを指名することで、抜群の起業家と人事リーダーを取締役会に加えた。両名とも持続可能なエネルギーに情熱を持っている」とTeslaの取締役会は声明文で述べた。

この指名は、TeslaとMuskにとってドラマティックだった今年を締めくくるものだ。Muskは9月にSECと和解で合意し、和解の条件にはMuskが会長職を退くことと、罰金2000万ドルを払うことが含まれていた。SECは、Muskが1株あたり420ドルで株式を買い取って会社を非上場化するための“資金を確保した”と8月7日にツイートしたとき、Muskが詐欺を行なったとして提訴していた。

MuskはCEOにとどまり、まだ役員会のメンバーではある。Teslaもまた、この2人の独立取締役を役員会に指名することに同意した。

Teslaは、Muskとは別に2000万ドルの罰金を払った。Teslaに対する容疑と罰金は、情報開示義務とMuskのツイートに関する手続きの不履行に関するもの、SECはと述べていた。

TeslaのSECとの合意は、Teslaにとってコーポレート・ガバナンスの新時代の始まりを刻むものとなっている。これまで株主の一部はMuskによってあまりにもタイトにコントロールされ過ぎていると主張し、またMuskの弟のKimbal Muskのように別の株主はMuskの肩を持っていた。

2017年、Teslaは役員会メンバーの幅を広げ、21世紀フォックスのCEO、James Rupert MurdochやJohnson Publishingの会長でありCEOでもあるLinda Johnson Riceを加えた。

他の役員会メンバーは次の通りだ:Robyn Denholm、2014年就任;Brad W. Buss、2009年就任;Antonio Gracias;Ira Ehrenpreis、最も長く務めているメンバーで2007年就任。Denholmは10月にTeslaの会長職に指名された。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

ポルシェのEV最上位モデルは「Turbo」の名を獲得、価格は13万ドル以上

Porscheの来年発売予定の全電動スポーツカーTaycanには、少なくとも3種類のバリエーションがあり、全輪駆動車もそのひとつだ。しかし、Taycan Turbo——Porscheがシリーズ最上位車種に与える名称——こそが、同社の戦略を明らかにする。

各モデルの名前——ベースモデルがTaycan、全輪駆動モデルがTaycan 4S、そして高性能モデルがTaycan Turbo——と価格帯についてコラムニストのAlex Royが最初に報じた。しかしRoyは、”turbo” は内燃機関モデルに使用される用語だと指摘する。

[Porsche Taycon EVの高性能モデルは “Turbo” ブランドになるらしい。
内燃機関車(ICE)の用語を使うことで顧客をEVに乗り換えさせやすくなるからだ。]

Porscheの親会社であるVolkswagen Groupは、Taycanの開発に10億ドル以上投資すると約束した。Taycanとはおおまかに 「元気な若馬」という意味で、同社の象徴的エンブレムに因んでいる。

新しい電気自動車はTeslaにとって脅威だと(一部で)言われている。Teslaは現在高級電気自動車市場を支配している。Porsche初の全電動車への大規模な投資によって、ドイツの自動車メーカーは賢明にも、EVを所有したことのない人がほとんどの既存顧客ベースにとって馴染みのある名称を使用している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新しいソーラー技術が再生可能エネルギーを大きく後押しする

英国オックスフォードからカリフォルニア州レッドウッドシティまで、いくつもの会社が再生可能エネルギー発電の普及を促進する可能性を持つ新しいソーラー技術の商品化に励んでいる。

今年、オックスフォード大学と協力関係にあるスタートアップ、Oxford PV英国政府から300万ドルの資金を受け、新しい材料を使って太陽電池を作る技術を開発している。一昨日、米国ではSwift Solarという会社が同じ技術を市場に出すために700万ドルを調達した。証券取引委員会に提出した資料による。

ペロブスカイト太陽電池と呼ばれる新しい光起電技術は、有機・無機ハイブリッドハロゲン化鉛系材料を集光レイヤーに使用する。光を電力に変換する効率を現在の技術よりも低コストで改善するここ数年で初の技術だ。

「ペロブスカイトは現在屋根の上に見えているシリコンベースのソーラーパネルでできることを、根本から考え直させるものだ」とSwift Solarの共同ファウンダーで最高科学顧問のSam StranksがTed Talkで語った。「もうひとつ私を驚かせているのが、コストの安さだ」。この薄い結晶膜は2種類の豊富にある塩類を混ぜて作られている。その結果ペロブスカイト太陽電池のコストはシリコンの半額以下になる」

ペロブスカイト太陽電池は2009年に日本の研究者らによって初めて開発されたが、効率が低く不安定だったため、広く利用されることがなかった。しかし、過去9年間に材料の安定性と太陽電池の効率の改善が続けられた。

現在英国のOxford PVは変換効率37%の太陽電池開発を進めている——既存の多結晶光起電あるいは薄膜太陽電池よりはるかに効率が高い。

過去には太陽電池製造のさまざまな新技術が開発されたが、コスト高が商業化の障壁だった。中国政府による製造能力の強力な推進のおかげでソーラーパネルの価格が急激に下がったためだ。

多くの製造メーカーは結局閉鎖したが、生き残ったメーカーが業界の支配的立場を維持していることで、購入者はコスト削減や効率アップのために新技術を求める必要がなかった。

この新テクノロジーも同じリスクに直面する可能性がある。効率を劇的に高めるこの技術のコストは、購入者や投資家を魅することができるほど低い。

すでにOxford PVは、ペロブスカイト太陽電池で27.3%という変換効率の新記録を達成している。これは、現在入手可能な単結晶シリコンパネルの最高値をすでに4%上回っている。

「現在、商業サイズのペロブスカイト太陽電池は当社のパイロット製造ラインに乗っており、商品化に向けて機材とプロセスを最適化しているところだ」どOxford PVのCTO Chris Caseが声明で語った。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2018年に市場を去ったスタートアップたち

スタートアップを起業して成功させるより難しいことなど、この世にそう多くはない。それには、才能、ノウハウ、資金、そして、山ほどの幸運と奇跡的なタイミングに恵まれる必要がある。そうした魔法の材料がすべて揃ったとしても、勝算はまだまだ遠い。

TechCrunchでは、そんなスタートアップの世界で、最高にしてもっとも輝いている企業を、誇りを持って紹介してきた。スタートアップ企業を取材してまわることは、我々の仕事のなかでも、本当にエキサイティングで充実感のあるものなのだが、物事にはかならず終わりがある。悲しいかな、すべてのスタートアップが明るく輝いて成功するとは限らない。いや、成功できない企業のほうが多いのが事実だ。

そこで、今年の締めくくりと、来年の期待を込めて、2018年に消えていったスタートアップを振り返ろう。

Airware(2011〜2018)

調達総額:1億1800万ドル(約130億円)

Airwareは、建築業、採掘作業、その他の設備の損傷の検査にドローンを使用している企業向けに、クラウド・ソフトウエアシステムを開発した。独自のドローンも開発したが、中国のDJIなどの大手メーカーには太刀打ちできなかった。

廃業は突然だった。三菱から投資を受けて提携し、東京にオフィスを開いてわずか4日後のことだ。同社の発表によれば、「残念ながら、我々が予想していたよりも市場の成長には時間がかかってしまいました。長期的な成功を睨み、要請に応じて方向性をさまざまに切り替えてきましたが、資金が底をついてしまいました」とのことだ。

Blippar(2011〜2018)

調達総額:1億3170万ドル(約145億1500万円)
Blipparは拡張現実(AR)市場の初期のパイオニアだったが、残念なことに、AR市場はまだ、主流産業に採用されるという望みを叶えるだけの力を備えていない。今年の初めに投資ラウンドを獲得しながら、新規顧客を探している間に資金がみるみる減ってしまった。

それに拍車をかけたのが、マレーシアの政府系ファンドKhazanahが500万ドル(約5億5000万円)の緊急投資に反対するという、株主による突然の事件だ。同社はブログにこう書いていた。「信じられないほど悲しく、残念で、不幸な結果となりました」

Bluesmart(2013〜2018)

調達総額:2560万ドル(約28億2000万円)

米連邦航空局がスマートスーツケースを禁止したことで、もっとも大きな被害を受けたのが、ニューヨークを拠点とし、5月に廃業を余儀なくされたこのスタートアップだろう。CEOのTomi Pierucciは、今年の初めに航空各社が新しい規則を適用し始めたことに対して、「完全なる茶番だ」と遠慮のない批判を行っていた。

Bluesmartの立場からすれば、彼は正しい。このスタートアップはデジタル機器が接続できるスーツケースにすべてを賭けていたが、飛行機にバッテリーパックを持ち込めない規則になってから、そのスーツケースは使えなくなった。同社はすべての販売と生産を停止し、残された技術とデザインと知的財産を、スーツケースの大手メーカーTravelProに売却した。

Doughbies(2014〜2018)

調達総額:76万ドル(約8400万円)

500 Starupsの支援を受けた、サンフランシスコを拠点とするクッキーの即日配達サービスDoughbiesは、7月、すぐに営業を中止すると発表し、すべてが砕け散った。理由は資金不足ではない。Coughbiesは儲かっていた。ただ、創設者のDaniel ConwayとMariam Khanが、別のことをしたくなったためだ。

TechCrunchのJosh Constineは、当時、Doughbiesは実際にはベンチャー投資を必要としておらず、適切な利益を生むためのプレッシャーが、Doughbiesにとって予想以上に重かったのではないかと話していた。さらば、Doughbies。

Lantern(2012〜2018)

調達総額:2150万ドル(約23億7000万円)

それ以前に失敗した数多くのスタートアップと同様、サンフランシスコを拠点とするLanternも、買収契約が成立しなかったことで廃業となった。心の健康を提供するこのスタートアップは、Nicholas Bui LeTourneauとAlejandro Foungによって設立され、ピッツバーグ大学医療センターのベンチャー部門、Mayfield、SoftTechVCといったベンチャー投資家から何百万ドルもの投資を受けていたが、企業としての目的を果たすことができなかった。

その目的とは、ストレスや不安や身体イメージに対処するための、認知行動療法の技術を利用した個人向けツールとして、モバイルアプリを提供することだった。今や多くのメンタルウェルネス系アプリがひしめくこの市場の先駆者だったLanternは、サービスを展開するのに十分な顧客を獲得できなかった。

Lighthouse AI(2014〜2018)

調達総額:1700万ドル(約18億7500万円)

スマート防犯カメラのメーカーLighthouse AIは、録画映像を自然言語処理システムで再生できる製品を提供するはずだった。しかし、その分野には数多くの製品が登場したおかげで、同社の製品は消費者の心を掴むことができなかったようだ。Lighthouse AIは今月、事業を停止すると発表した。

「高度なAIと3Dセンシングを使って、便利で簡単なインテリジェンスを家庭に届けるという、Lighthouseチームが成し遂げた画期的な仕事を、私は心から誇りに思っています」とCEOのAlex Teichmanは書いている。「残念ながら、私たちは期待していたとおりの商業的な成功を収めることができず、近い将来、事業をたたむことになりました」

Mayfield Robotics(2015〜2018)

調達総額:不明

もともとBoschの一部だったMayfieldは、かわいいホームロボットKuriを開発した。しかし、7月、同社はKuriの生産を中止すると発表し、続けて、事業を完全に停止すると発表した。

「私たちは残念でなりません」と同社はブログに書いている。「私たちは、この4年間、ともにKuriをデザインし作ってきたきただけではありません。それと同じぐらい素晴らしい企業文化と精神を育ててきました」

Rethink Robotics(2008〜2018)

調達総額:1億4950万ドル(約164億9000万円)

産業用ロボット業界の立役者であったRethinkは、iRobotの共同創設者Rod BrooksとMITコンピューター科学人工知能研究所の元主任研究員Ann Whittakerによって設立された。ボストンに拠点を起くこのスタートアップは、BaxterやSawyerといったロボットを生み出したことで、協働と教育の両方のロボティクス分野でもっとも重要な企業に成長した。

しかし残念なことに、この企業も、ロボティクス系スタートアップの起業は難しいことを示す証拠のひとつになってしまった。卓越した頭脳と1億5000万ドル近い資金を得ながらも、事業を順調に進めるだけの十分な利益を生み出すことはできなかった。最後の頼みの綱だった売却契約も成立せず、Rethinkは、10月、廃業に追い込まれた

Theranos(2003〜2018)

調達総額:14億ドル(約1544億円)

これほどドラマチックなスタートアップ物語はないだろう。正式に廃業するまでの間に、Theranosは本になり、ドキュメンタリーになり、Adam McKay監督による長編映画にもなった。創設者のElizabeth Holmes役は、ジェニファー・ローレンスが演じた。Holmesは、2003年、血液検査に革新を起こそうとこの会社を立ち上げた。そして31歳で、彼女は世界一若い叩き上げの億万長者になった。

Theranosは14億ドル(約1544億円)を調達し、ピーク時の評価額は100億ドルにのぼった。2015年、医療専門家から同社の方式に批判が集まり、翌年、米証券取引委員会が調査を開始。最終的に「大規模な詐欺」として起訴された。9月、ついに同社は解散を発表し、Holmesは50万ドル(約5500万円)の罰金を支払うことに合意した。さらに彼女は、今後10年間、公開企業での役員または取締役になることが禁止された。

Shyp(2013〜2018)

調達総額:6200万ドル(約68億4000万円)

評価額2億5000万ドル(約275億7000万円)、一流の投資家(Kleiner Perkins、Slow Ventures)から資本を与えられたShypだが、オンデマンド運送業の解散は止められなかった。サンフランシスコを拠点とし、オンデマンドの運送会社として大きなハイプサイクルを起こそうと、ベンチャー投資家からいくつものラウンド投資を受けたスタートアップだったが、サンフランシスコ湾岸地域から外へ事業を拡大することができなかった

「今日まで、200年続いたこの業界に戦いを挑んだ気力あふれる社員たちを、大いに尊敬しています」とCEOのKevin Gibbonは、その時点で書いている。「しかし、何がなんでも成長しようとすれば、罠にはまります。たくさんのスタートアップが落ちていきました。私の会社もです」

Telltale Games(2005〜2018)

調達総額:5440万ドル(約60億円)

何年間にもわたり、Telltale Gamesはアドベンチャーゲームの再開発に成功したように見えた。『ウォーキングデッド』や『ゲーム・オブ・スローンズ』や『バットマン』といったビッグタイトルで、物語の展開にプレイヤーの選択が大きく関与するゲームを作ってきた。Netflixと提携して、『マイクラフト:ストーリーモード』もストリーム配信していた。

しかしこの会社には、長年にわたり業務上の問題があったようだ。2017年11月には90名の社員が解雇され、今年の9月にはさらに250名が解雇された。最小限の社員でNetflix向けの仕事は仕上げたが、Telltaleは死んでいるように見える。その社員も退職金なしで解雇され、これまでに伝えられていたブラックぶりに毒が上塗りされた。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

NORADのサンタクロース追跡サービスは政府が閉鎖しても継続する

60年以上前から、NORAD(North American Aerospace Defense Command, 北米航空宇宙防衛司令部)とその前身CONAD(Continental Air Defense Command, 米国本土防空軍)は、12月24日に世界中でサンタの飛行を追跡してきた。

そしてそのオペレーションセンターは金曜日(米国時間12/21)のツイートで、政府による閉鎖にもかかわらず今年も続ける、と語った。

[このツイートの概要は以下の記事に]

NORADによると、NORADのサンタ追跡(Santa tracker)は、約1500名のボランティアが支援し、電話やコンピューターを使って世界中の子ども(と大人)たちからの質問に答えている。

そのリアルタイムのアップデートは、WebサイトNORAD Tracks Santaや電話、およびメールで得られる。言語は、7か国語に対応している。Twitter上のアップデートもある。

ここでもフォローできる。

この伝統のすべては、ある新聞に載った広告の中の電話番号の誤植から始まった。その広告の中ではサンタが、“さあ、子どもたち、私に直接電話しなさい、番号を間違えないようにね”、と言っていた。1955年の12月24日にある子が電話をしたら、コロラド州コロラドスプリングスにあるCONADのオペレーションセンターにつながった。

その夜、宿直を担当していたのHarry Shoup大佐が、電話に答えた。しかしその夜電話をしたのは、その子だけではなかった。Shoupはオペレーターたちに、サンタクロースの位置を見つけてそれを電話してきたすべての子どもに伝えるよう命じた。そして、その、毎年の伝統が始まった。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Casio、金銀フルメタルのG-Shockを発売

G-Shockはオタクっぽさのあまりクールになった。そして最新モデルのGMWB5000GD-9も例外ではない。オリジナルのG-Shockモデルをベースにしたこの明らかにスマートではない(しかし無能でもない)ウォッチは、ソーラー充電、電波時刻修正を備え、Bluetoothでスマートフォンと接続できる。そして今回、ゴールドまたはシルバー基調のメタル側を装い、10年前続いたブランドとはっきり離別した。

野心的なデザイン変更は、Casioの伊部菊雄がデザインした純金プロトタイプからヒントを得ている。あのキラキラの腕時計は、市場にでる可能性もあるがCasioの展示ケース全体と同じくらいの値段になるので少々やりすぎだ。しかし、この2種類のスチールモデルは実に魅力的で非常に贅沢だ。

「最初のG-SHOCKモデルDW5000Cから着想を得たこの時計は、モダンで輝やきのある色を特長としながらビンテージの美観を維持している」とCasioは書いている。「この製品は初期G-SHOCKの象徴的デザインを採用し、ケースビンテージな角型、ベゼルはレンガ模様の表面に豪華な金色のアクセントがあしらわれている」

550ドルという価格はエントリーレベルのクォーツ時計としては少々高価だが、心配はいらない。「役立たず」が「ファッショナブル」の同義語になりつつある今、ファションの世界に足がかりを見つけられるはずだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

リターゲティングするURL短縮サービスでPixelMeが$1.3Mを調達

SaaSのPixelMeは、URL短縮技術を使って、マーケターが顧客をリターゲティングできるようにする。同社はこのほど、調達前評価額400万ドルで130万ドルの資金を調達した。これで投資家たちは同社の22%を保有することになる。

PixelMeはBufferのようなやり方で、同社の道のりの楽屋裏的な多くの詳細を共有している。ピッチデッキ(プレゼン用スライド)やタームシート、資本構成表などをダウンロードすることもできる。PixelMeについて詳しく知りたい人は、どうぞ。

同社は、多くの人たちがURL短縮を使ってトラッキングパラメータ(UTMs)を含め、キャンペーンの効果を測定していることを知っていた。PixelMeはそのやり方を一歩進めて、 PixelMeのリンクをたどるとき、ユーザーが一つまたは複数のリターゲティングピクセルを埋め込めるようにする。

つまりAdwordsやFacebook、Twitterなどからのトラッキングピクセルを加えて、それを利用して適切な広告を後でFacebookやTwitter、Googleなどに表示する。

自分のストアやWebサイトを持ってる人は、トラッキングピクセルを自分で入れられるが、PixelMeではAmazonのページをプロモートしてもユーザーをリターゲティングできる。

しかもそれはGDPRのチェックにひっかかることなく、SafariのIntelligent Tracking Prevention機能に対しても無事だ。

現在、PixelMeはユーザー数が1万、彼らは13万ドルの売上を得ている。同社は起業12か月で月商1万ドル、これまで一度も資金調達はしていなかった。

今回の資金調達は、Serena Capitalが88万ユーロでラウンドをリードした。Kima Venturesがさらに5万ユーロを投資、またThomas Rebaud, Christophe Chausson, Stan Massueras, Manuel Jaffrin, Edouard Dessain-Gelinet, Gregory Gazagneらの連中が一人あたり10000〜15000ユーロを投資した。

参考記事1参考記事2

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

本誌親会社Oathが1月8日にVerizon Media Groupになる…Oathは意味不明の社名だった!

一年半前、本誌TechCrunchを含むメディア系子会社を新会社Oathにまとめた大手キャリアVerizonが、その社名をOathから、なんと、Verizon Media Groupというたいへん分かりやすい名前に変えた。これによって、中身とパッケージが一致する。そしていちばん重要なのは、“Oath”よりもずっと、意味のある名前であることだ。

事業部のトップGuru Gowrappanによると、社名が正式に有効になるのは1月の8日、CESが始まる日だ。彼によると、改名のねらいは、メディア系の事業が“Verizonの中核的ビジネスの一環”であることの強調にある。改名を公式に発表するブログ記事では、最初、大きな紫色の、Yahooの”Y”がロゴとして使われ、各社報道でもそれが紹介されたが、嬉しいことにそれは、VZMの一般的なロゴにはならないことになった。

では、どんなロゴになるのか。同社のスポークスパーソンによると、それは改名が正式に有効になる1月8日に発表されるそうだ。あの評判の悪い、“Oath:”の末尾のコロン(上図)がなくなるかどうかも、その日に分かるわけだ。

なくなると、いいね。

ブランドをめぐる混乱がなくなるのも良いね。当時の本誌の親会社AOLのCEO Tim Armstrongは、Oathという社名が決まったとき、“‘Oath’は‘growth’(成長)と韻を踏む。それ、つまり成長が、われわれの仕事だ”、と言った。明らかに、当時言われた

AOL+Yahoo = Oath

という、こじつけのような方程式は、最初はほとんど社内向けのブランドでしかなかったOathには的(まと)はずれだ。でも、韻はなくなっても、成長はどの企業でも重要な目標だ。

Verizon Media Groupの登場に、ブランドの改名以外の意味はないだろう。その中にいるHuffPost, Engadget, Tumblr, そしてもちろん本誌TechCrunch等々は、ほとんど何も変らない。

〔Verizonが買収した…のちにOathの中身となる…メディア大手はYahoo!とAOL、本誌TechCrunchなどVerizon傘下の実体のあるメディアは、ほとんどがこれら2社の子会社だった。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

自動車技術の各種応用製品を指向するFordが犬を花火の騒音から護るノイズキャンセル犬小屋を開発

犬は可聴域が人間より相当広いので、われわれには平気なノイズでも彼らにとってはつらいことがある。花火はとくに多くの犬たちにとって厳しいし、パニクったペットを鎮めようとすう飼い主にとってもつらい。そんな彼らを助けるべく、Ford…そう、自動車のFord…はノイズキャンセル犬小屋のプロトタイプを作った。同社によるとそれは、同社のSUV車Edgeのエンジンとトランスミッションの音を和らげるために導入したノイズ制御技術を応用している。〔可聴域: 人間は20-20000Hz、犬は67-45000Hz(英語版Wikipediaより)。〕

犬小屋の中のマイクロフォンが花火の音を検出すると、内蔵のオーディオシステムがそれに対抗する妨害波を送出し、その騒音をかなり減らすかまたはキャンセルする、とFordは言っている。犬小屋の素材が高密度コルクなので、それも外部のノイズを抑える。

このノイズキャンセル犬小屋はまだ発売されていないが、Fordによるとそれは、“自動車技術のノウハウを日常の問題解決に応用するインターベンション(interventions)と呼ばれるイニシアチブの最初の製品”、だそうだ。

小さなお子さんのいる方なら覚えておられるかもしれないが、昨年FordはMax Motor Dreamsと呼ばれる小児用ベッドを開発した。それは、走っている車の中ならよく寝る赤ちゃんの習性に着目したベッドで、静かな低燃費カーでは赤ちゃんが寝なくて困った方もおられるだろう。そのベッドには、車の揺れを模すための小さなモーターと、道路上のノイズを再生するオーディオ装置、そして街路灯の光を模すLEDライトがついている。

当時Fordは、関心が多ければその小児用ベッドを発売する、と言っていたが、口コミで広まったにもかかわらず、Max Motor Dreamsが市場に登場することはなかった。それは、このノイズキャンセル犬小屋を買いたい人にとって不吉な情報だが、でも祝日の花火から犬を護る方法はほかにもある。また、犬の不安を解消するThunderShirtという製品もあるが、その効果はもちろん、犬によって違うだろう。

画像クレジット:Ford

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleが10億ドルを投じてニューヨークに新社屋、グローバル事業の拠点に

Appleが、10億ドルを投じるオースチンの新たなキャンパスなど、国内の操業拡大を発表してから数日後に、こちらも巨大テクノロジー企業であるGoogleが、同じく10億ドルを投じてニューヨークのハドソン・スクウェアに新しいキャンパスを作る、と発表した

Googleはニューヨークにすでに7000名のスタッフを抱えているが、この計画はそれが10年後には倍に増えるという想定だ。その新キャンパスは敷地面積170万平方フィート(約16万平方メートル)で、GoogleのGlobal Business Organizationの本拠地になる。

Googleは、ハドソン・スクウェアの二つのビルでスタッフが仕事を始めるのは2020年と予定している。ワシントン・ストリート550番地のビルがオンラインになるのは、その2年後だ。これらのほかにニューヨークには、3月に24億ドルで買ったマンハッタンのチェルシー・マーケットのビルと、購入予定の第57埠頭の土地もある。

これらにより同社は、ベイエリア以外の雇用を増やす気だ。

GoogleのCFO Ruth Poratがこう書いている: “ニューヨークにおける投資は、国内の施設、オフィス、および雇用を拡大する努力の大きな一環だ。実際に今ではベイエリア以外での成長の方が大きくて、今年は新しいオフィスとデータセンターをデトロイトやボウルダー、ロサンゼルス、テネシー州、アラバマ州などにオープンした”。

GoogleとAppleの前には、ニューヨークに第二本社を置くというAmazonの発表があった。その立地が決まるまでの長期間、アメリカのすべての都市と州の行政が騒動に巻き込まれた。

関連記事: The great Amazon swindle(未訳)

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AGC(旭硝子)が推進するオープンイノベーション戦略とは?

「AGC Collaboration Exhibition 2018」が開催

東京・京橋のAGC Studioでスタートした「AGC Collaboration Exhibition 2018」。2019年3月1日まで開催される

AGC(2018年7月に旭硝子から社名変更)は2018年12月12日に協創がテーマの技術企画展「AGC Collaboration Exhibition 2018」を東京・京橋のAGC Studioで開催した。これは11月にスタートした協創プロジェクト「SILICA(シリカ)」で実施した2つのプロジェクトを展示するというものだ。

AGC代表取締役兼専務執行役員/CTOの平井良典氏

従来は企業にガラス素材を提供するB2Bメーカーとして活動していたAGCだが、同社代表取締役兼専務執行役員 CTOの平井良典氏は「1990年代のバブル崩壊やインターネットの普及によって何が求められるのかが非常に見えづらくなり、全てを自前で開発する『自前主義』が成り立たなくなっきたことから、オープンイノベーション戦略を進めてきた」と話す。

  1. 03_P1060537

    化学強化技術を用いた「踊るガラス」
  2. 04_P1060519

    コーティング技術を用いた「発光するガラス」
  3. 05_P1060566

    二重に重ね合わせたメッシュを挟み込むことで、木目のような模様を実現した「ゆらぐガラス」
  4. 06_P1060513

    蓄光粉末を挟み込んだ「光を食べるガラス」

「つなぐオープンイノベーション」をキーワードにして米国西海岸、欧州、中国、シンガポールに拠点を置き、外部と協働しながらイノベーション活動を進めていると平井CTOは語る。2020年6月には神奈川県横浜市鶴見区に新研究開発棟を設立し、「社内的にシームレスな開発を目指している」(平井CTO)という。

協創プロジェクト「SILICA」

そして今回の目玉となったのが協創プロジェクト「SILICA」のアウトプットだ。今回は、ガラスの素材や技術の新しい“魅せ方”を提案する「ANIMATED」、ガラスの新しい“使い方”を提案する「GLASS INNOVATION CHALLENGE」の2つのプロジェクトによる成果物が展示された。

ANIMATEDは無機質に感じられがちなガラスを「化学強化」(素材を混ぜ込むことで強さを加える)、「コーティング」(特殊なコーティングによって機能や意匠性を加える)、「挟み込み成形」(ガラスにさまざまなものを挟み込むことで機能性を加える)によって生き物に見立てるというものだ。

日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「WeMake」を運営するエイス代表取締役の山田歩氏

オープンイノベーションの動きとしては「GLASS INNOVATION CHALLENGE」に注目したい。こちらはA(エイス)が提供するオープンイノベーションプラットフォーム「Wemake(ウィメイク)」を活用し、さまざまなクリエイターから提出された数百ものプランの中から7つのプランを実際にプロトタイプとして作り上げたという。

WeMakeは本格的運用を開始した日本最大級のオープンイノベーションプラットフォームで、クリエイターの登録者数は約1万3000人を超えるという。エイス代表取締役の山田歩氏は「これまでに数十社の大手企業の新規事業開発と新製品開発を支援してきたが、単純なアウトソーシングではなく、主催企業がクリエイターと侃々諤々の議論をしながら一緒に事業や商品を開発できるプラットフォームだ」と話す。

「主催企業が求める事業案や抱えている問題意識などを記したプロジェクトの募集要項をインターネット上に公開すると、WeMakeのユーザーコミュニティの中からコンセプトを提案してくれるという仕組みになっている。1か月に100案から400案ほど出てくるが、その中から有望なものを選びぬいて5案から10案くらいに絞る。それらの案には主催企業の社員が担当者として付き、チームを作って事業コンセプトの事業性や採算性などを詰めていきながら企画の確度を高めていくという流れになっている」(山田氏)。

WeMakeに登録するクリエイターは大手企業に勤めるデザイナーやエンジニア、事業開発、マーケター、研究者などが副業として行っている場合が多いが、最近ではシンクタンクや外資系企業の戦略コンサルタントなども登録している。

「さまざまな個人ユーザーが企業に提案する状況ができているが、最近ではスタートアップ企業や大企業が登録するケースも増えており、大企業が大企業に提案するという事例も散見されるようになってきた。プロジェクトを主催する企業にとっては、異業種・異分野のクリエイターだからこそ知っている、普段自分たちが知ることのない“死角”からニーズを提案してもらえるのが一番大きい価値かと思う」(山田氏)。

AGCプロジェクトで有望な7つのコンセプト

WeMakeでAGCが主催した「GLASS INNOVATION CHALLENGE」のプロジェクトページ

「GLASS INNOVATION CHALLENGE」プロジェクトを実施するに当たって、ガラスの特徴を生かしつつ、「日常の体験を変える製品・サービスのデザインを募集した」(山田氏)。という。

素材技術がエンドユーザーの問題解決にどう寄与するのか、視覚的なイメージやサービスイメージをよりコンセプトとして提案することができれば、より技術や素材が引き立って見えるのではないか。そういう問題意識を踏まえてプロジェクト設計をスタートした。

「オープンイノベーションの成功の要件は、できるだけ多様なユーザーに提案していただくことにある。もし研究所で出回っている論文をそのまま公募にかけてしまうと、それを読み解ける研究者しかアイデア提案ができなくなってしまう。そうならないようになるべく平易で簡潔な言葉を使い、技術や個体の特徴を説明するというのに非常に苦心して募集した」(山田氏)。

今回は公募して約200程度集まった案の中から特に有望な7つのコンセプトをプロトタイプとして展示している。

自由に組み合わせられる「IoTガラスブロック」(最優秀賞)

自由に組み合わせられる「IoTガラスブロック」(最優秀賞

最優秀賞となったのが、ガラスをモジュール化することで自由に組み合わせられるだけでなく、光の色などを変えられる「IoTガラスブロック」だ。「オフィス空間のパーティションや商業施設の壁を、そこで行動している人の動き、使っている人の目的などに応じて環境を最適に作ったり、商業空間でタイミングに応じて広告を流すなど、空間によってインタラクティブにデザインできるガラスブロックだ」(山田氏)という。

清掃性を向上する「ガラストップ風呂壁」(優秀賞)

清掃性を向上する「ガラストップ風呂壁」(優秀賞)

お風呂の壁全面をカラーガラスとタッチパネルにして凸凹や継ぎ目がない風呂壁にすることで掃除しやすい風呂場を実現するというもの。「フラットなガラスの壁ができるので、将来的にはロボットで掃除できるようになるというコンセプトだ」(山田氏)。

高層ビルでも換気ができる「Wind-oh!GLASS」(特別賞)

高層ビルでも換気ができる「Wind-oh!GLASS」(特別賞)

高層ビルの窓ガラスははめ殺しになっているが、自然の風でリフレッシュしたいという動機に基づいて提案されたのが「Wind-oh!GLASS」だ。「ビルの窓に空気栓を設けることで、休憩時間に自然の風に当たってリフレッシュできる」(山田氏)。

「時を刻む浮遊するあかり」(特別賞)

「時を刻む浮遊するあかり」(特別賞)

普段はガラスに見えるものの、電気をつけると照明になる「空間や素材に溶け込む見えないガラス照明」というコンセプトだったという。「今回はそれを分かりやすく『時計』という形で表現し、文字盤の針が空間の中に浮かんで見えるような時計をモックアップとして用意した」(山田氏)。

通風性と防犯性などを兼ね備えた「風を通すガラス」

通風性と防犯性などを兼ね備えた「風を通すガラス」

「風を通すガラス」はガラスと開口部を交互に配置するのが特徴だ。「通風性と防犯性とデザイン性などを兼ね備えた建材があれば、建築設計の自由度が上がるのではないかという建築事務所主宰者からの提案だ」(山田氏)。

適量の紫外線を届ける「SUN THERAPY WINDOW」

「一般的に悪者にされがちな紫外線だが、むしろ適量を浴びるのは健康にいいというデータがあり、AGCの技術を使って適量をコントロールして紫外線を入れてあげようというもの」(山田氏)。

死角をなくす「見えないを見える化するガラス」

「SUN THERAPY WINDOW」と「見えないを見える化するガラス」は大がかりなためコンセプトのパネル展示のみだった

「街にはたくさんの死角があり、それが犯罪や事故の原因になる。特にビルや地下の駐車場などにある曲がり角の壁をすべて透明にすることで死角をなくし、事故防止や防犯に寄与するというコンセプトだ」(山田氏)。

IoTガラスブロックは大手メーカーのインハウスデザイナーを経て独立した人、ガラストップ風呂壁は消費財メーカーのマーケティング担当者で現在はフリーランスのマーケター、「Wind-oh!GLASS」はメーカーの商品開発担当者で現在は広告代理店のプランナーなど、さまざまな分野からの応募が集まったという。大企業と大企業、大企業とスタートアップという枠組みだけでなく、大企業と個人がマッチアップすることによっても、さまざまな角度からのニーズの発見、ユニークなアイデアが出てくるのがよくわかる。

「2015年から毎年春にイタリア・ミラノで行われる『Milano Design Week』に出展している。デザイナーの意見を直接入れることによって開発スタッフが新しい発想を生み出していったり、いろいろな気付きが得られたりする。そこから何が生まれるかが私自身も楽しみだし、変革の中ではそういう取り組みがますます大事になる」(平井CTO)。

こういった数々の事例が成功を収めていけば、ほかの企業にもオープンイノベーションの動きが加速しそうだ。

Tesla、元従業員の「妨害工作者」を相手に1.67億ドルの訴訟

Tesla は元従業員のMartin Trippを相手取り1.67億ドルの訴訟を起こす。CEO Elon Muskは同氏を妨害工作者と呼んでいる。CNBCが最初に報じた。本裁判は当初6月に提訴され賠償金はわずか100万ドルで、Trippが機密情報を盗み第三者に渡した疑い。

Trippは7月、米国証券取引委員会に正式通報窓口に、Teslaが投資家に誤った情報を与え、顧客を危険にさらしたと訴え出た。その後TeslaとTrippとの間で激しやりとりがあり、8月にTrippはTesla工場で損傷をうけているバッテリーとされる写真をツイートした。

訴訟書類によると、TeslaはMuskを証人として指名していない。さらに訴状はTrippの弁護人に対してTeslaに関わった人物10名以上に証言させることを要求している。

「本件でTripp氏は1億6700万ドル以上の訴訟を受けTeslaに対して反訴を提起しており、10名以上の証人はたしかに妥当かつ適切である」とTrippの弁護人が提出書類で述べた。

Teslaはコメントを拒んだ。本裁判はTesla Inc. 対 Trippで争われ、ネバダ地区連邦地方裁判所で行われる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

【告知】海外CRO/WEBマーケティング最先端事例セミナー

SEO Japan編集部は、これまで海外のカンファレンスに参加する中で、SEOだけではなくCRO(コンバージョン率最適化)のエキスパートとの知見交換を行ってきました。

そんな中で今回DLPO株式会社様と共同で、海外のCROの海外の知見や事例をご紹介するセミナーを開催することとなりましたので、告知させていただきます。

アイオイクス株式会社からはSEO Japan編集、執筆担当の大谷が登壇させていただきます。

「もっとWebの売上、問い合わせ数を伸ばしたい!」というWeb担当者様はぜひこちらのページよりお申込みください。

croseminar

セミナー詳細
セミナー名称 GROWTH! 海外のCRO/WEBマーケティング最先端事例【無料】
日時 2018年7月26日(木)16:00~19:00(受付開始15:30~)
会場 GOBLIN.代官山店 ( 東京都渋谷区恵比寿西1-33-18 コート代官山B1F )
対象 Webサイトの企画・運営や、広告・宣伝などのプロモーションに携わるご担当者。
広告代理店、制作会社、コンサルティングなど支援事業者のご担当者。

※同業社の参加はお断りさせていただく場合がございます。

※当日の様子を撮影させていただく場合がございます。

※会場受付にてお名刺を頂戴いたします。
定員 60名 ※お申込多数の場合、抽選とさせていただきます。
費用 無料
申込期限 2018年7月24日(火) ※定員がございますので、お早めにお申し込みください。

参加ご希望の方は、こちらのページよりお申込みください。

現在アイオイクスではSEOコンサルティングだけではなく、CROコンサルティングサービスもご提供しております。
コンバージョン率改善をご希望の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。