GoogleがSonosの特許5件を侵害したと予備裁定が認定

この前2020年にSonosは、特許権侵害でGoogleを訴えた。そして今日(米国時間8/13)、このストリーミングスピーカーの企業は、権利の侵害などを調査する米国国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission, USITC)で初期の勝利を勝ち取った。ITCの主席行政法判事Charles Bullock氏が記した予備裁定は、Googleが5つの特許を侵害した、と認めている。

Sonosの法務部長、Eddie Lazarus氏は、本誌TechCrunch宛の声明で次のように述べている: 「本日行政法判事は、Sonosが主張する5件の特許をすべて有効と認め、Googleがそのすべてを侵害していることを認めた。ITCがSonosの、特許を伴う発明に対するGoogleのあからさまな侵害を認めたことは欣快である。この決定は、私どものポートフォリオの強さと幅広さを再確認するものであり、私たちのイノベーションをビッグテックの独占による不正利用から守ろうとする、私共の長期的な営みにおける、将来性のあるマイルストーンになるものである」。

しかしこの事実認定はまだ極めて初期的であり、両社間の紛争はまだ長く続くものと思われる。Sonosの訴えは、Google自身のストリーミングスピーカーの製品系列に由来している。Googleは独自のHomeスピーカーでおよそ4年半ほど前に、Sonosが長年支配していたカテゴリーに参入した。この製品系列は今やNestの商標のもとに数種類の製品を擁している。

最初の告訴の時点でSonosのCEO、Patrick Spence氏はこう声明していた: 「Googleは露骨かつ意図的に弊社の特許技術をコピーしてきた。過去数年間にわたって私どもが繰り返した多くの努力にもかかわらず、Googleは私達と、両社に利益のあるソリューションで共働する意思をまったく示さなかった。私たちに残された手段は、訴訟だけとなった」。

こういうHome的な製品では、Googleの主な競合相手はAmazonだが、SonosはそのAmazonとも同様の問題を当時から抱えていた。しかし同社は、その時間とお金とリソースをGoogleとの抗争に割くことを選んだ。

Sonosが究極的に望んでいるのは、ITCを利用して、これらのスマートスピーカーと共に、ChromecastやPixelなど、そのほかのGoogleのハードウェアの輸入をブロックすることだ。それが実現すれば、Googleのハードウェア事業に対する大打撃になるだろう。しかし最終裁定は早くても12月13日であり、さらに輸入の禁止が有効になるのはそれから60日後だ。

一方、GoogleのスポークスパーソンJosé Castañeda氏は声明でこう述べている: 「弊社はSonosの技術を使っておりませんし、競争はあくまでも私共の製品の質と、私たちのアイデアの価値によって行っております。弊社は今回の予備裁定に同意いたしませんし、今後の検討過程において私たちの正当性の主張を続けます」。

関連記事: SonosがGoogleを提訴、スマートスピーカー技術に関する特許侵害の疑いで

(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Google

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Googleアシスタントにゲストモードが加わる、履歴を残さずスマートスピーカーなどを操作可能に

Google(グーグル)は米国時間10月7日、新たなプライバシー機能をいくつか発表した。改定されたSafety Center(セーフティ・センター)を米国で公開し、近く全世界にも提供する。また、ユーザーのアカウントが不正使用されそうだと予測したときの警告をもっと目立つものにする。

最も興味深い新機能は、Googleブランド・デバイス上のGoogleアシスタントに追加されたゲストモードだ。これはGoogle Chromecast(クロームキャスト)などをゲストに使わせるための機能ではないので間違えないように。

このゲストモードはむしろブラウザーのシークレットモードに近い。「Hey Google, turn on guest mode」などと話しかけてゲストモードをオンにすると、アシスタントはパーソナライズされた応答をしなくなり、やり取りはアカウントに保存されない。ユーザーがオフにするまでこのモードは続く。

通常、Googleアシスタントは対話内容をすべてアカウントに保存する。もちろん、手動で削除したり、3、18、36カ月後に自動消去させることや、音声録音を一切保存させないこともできる。

ゲストモードは、スマートスピーカーやスマートディスプレイに近々実装される。

データの削除といえば同社は同日、近々Googleマップのタイムラインで位置履歴データを編集できるようにすると発表した。

もう1つの注目は「Is my Google Account secure」(私のグーグルアカウントは安全?)といった問い合わせをすると、グーグルがユーザーのセキュリティーとプライバシーの設定を表示してくれる機能。いまやこの手の設定がどこにあるのかわからいところまで複雑化していることを思うと、これは大きな前進と言えるだろう。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Google、Googleアシスタント、Google Home

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルが約1万円のスマートスピーカーNest Audioを発表

Google Homeスマートスピーカーの登場から4年、グーグルはミッドレンジスマートスピーカーの後継機を披露した。同社のスマートホーム製品のより広範なリブランディングに合わせて、デバイスは現在Nest Audioと呼ばれている。このスマートスピーカーは99ドル(約1万500円)で販売される。本体色は、セージ、サンド、スカイ、チョーク、チャコールなどのさまざまな色が用意されている。米国や日本を含む21カ国で10月5日から発売される。

同社によると、古くなったGoogle Homeのスマートスピーカーに代わる製品を設計する際に、音量を上げ、低音とクリアなサウンドを重視したという。Nest Audioの音質は低音出力を50%改善し、Google Homeより75%音量が大きいとのことだ。本体も大きくなり、19mmのトゥイーターを搭載して高音域を、75mmのミッドウーファーが低音域をカバーする。我々がこのデバイスを手に入れるまでは、とりえずグーグルの言い分を信じるしかない。

Nest Audioのデザインは、前世代のキャンドルのようなフォームファクターを捨て、代わりにGoogle Home MiniやGoogle Home Maxが長い間採用してきた布製のブロブデザインとなっている。

スマートスピーカー市場は少し奇妙なポジションにあり、デバイスは何度か改良が繰り返されてきたが、デバイスのエコシステムはどちらかといえば、スマートアシスタントとのサードパーティー統合で成りなっている。音楽を聴くような基本的なタスクを除いては、いまのところほとんど成功していない。グーグルにとって現在のスマートスピーカー市場は、グーグルを知的財産の盗用で訴えているSonosに代わって低コストの製品を作っているようなものだ。その一方で、マルチルームオーディオは年々利用しやすくなってきており、スマートスピーカーのメーカーがその大きな責任を負っている。

google-hardware-event

画像クレジット:Google

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾンがEcho Dotを球体に再設計、キッズ版に動物のデザインと読書機能を追加

Amazon(アマゾン)は米国時間9月24日、同社のベストセラースマートスピーカー「Echo Dot」のリデザインを発表した。Echo Dot、時計付きEcho Dot、および新しいEcho Dot Kids Editionに新しい球形のデザインを採用したのだ。キッズエディションは、カラフルな動物のキャラクターデザインが施されている。球体デザインの新Echoシリーズは、従来の棚の上に隠せる平らなホッケーパック型のではない。更新されたドットのデザインも備わっており、ユーザーが部屋のどこに置くかをもっと考えなければならなくなるだろう。

Echo Dot、時計付きEcho Dotには、チャコール、グレイシャーホワイト、トワイライトブルーの3色が用意される。キッズエディションには、トラとパンダのデザインが追加され、部屋の装飾品のように扱えるだろう。

それぞれのデバイスには1.6インチの前面発射型スピーカーを搭載しており、同社によると「鮮明なボーカルとバランスのとれた低音でフルサウンドを実現する」とのこと。

なお、新しいEcho Dotが提供する実際の機能は従来モデルとあまり変わっていない。Alexaスマートアシスタント、音楽、スキル、ニュース、リマインダー、リスト、アラームなどを利用可能だ。

一方、キッズエディションデバイスには子供に対する優しい応答が可能で、ディズニー、Nickelodeon(ニコロデオン)、ナショナルジオグラフィックなどのブランドの、何千冊ものAudible(オーディブル)本を聞くことができる。なおNickelodeonは、ViacomCBS Domestic Media Networksが展開する、「スポンジ・ボブ」や「ザ・ペンギンズ from マダガスカル」などのキッズ&ファミリー向けエンターテイメントブランドだ。

もう1つのAlexaの新機能であるReading Sidekick(リーディング・サイドキック)は、子供の読書を補完するように設計されており、言葉の流暢さを身につけるのに役立ちます。

この機能を利用すると、Alexaはサポートされている本を子供と交代で読み上げ、子供の読書の質に耳を傾ける。アマゾンによると「子供がよく読んでいるときには励ましを与え、苦戦しているときにはサポートを提供する」そうだ。サービス開始時点でReading Sidekickは数百冊の児童書と連携し、Amazon Kids+ファミリー向けに数カ月後にプレビュー版が提供される。

親に対応するためのもう1つの動きとして同社は、Amazon KidsのペアレンタルコントロールがEcho Dot Kids Editionだけでなく、家中で使えるように拡張されることも明らかにした。さらに、親は子供のためにAlexaの音声プロファイルを作成できるようになる。

これを有効にすると、家庭内のあらゆるデバイスで子供の声を認識するとAlexaはKids Alexaエクスペリエンスに移行し、子供に優しい応答、ゲーム、スキル、音楽などを提供する。Amazon Kids+に加入している家族は、そのカタログの一部として子供が好きなプレミアムスキルやAudibleの本をすべて利用できるようになる。

子供向けのAlexaボイスプロファイルのプレビューは、Amazon KidsとAmazon Kids+の家族向けに今後数カ月間で展開される予定だ。

各製品は本日から予約販売が始まる。Echo Dot Kids Editionは59.99ドル(約6300円)、Echo Dotは49.99ドル(約5300円)で、いずれも今年後半に出荷される見込みだ。時計オプション付きのEcho Dotは59.99ドル(約6300円)となる。

Amazon Hardware Event

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:TechCrunch Japan)

丸くなった新Amazon Echoが登場、アマゾンのホームネットワーキングシステムの新ハブに

米国時間9月24日、Amazon(アマゾン)はシアトルで開催したバーチャルハードウェアイベントを、最新の丸いEcho(エコー)の紹介から始めた。

最も大きい変更は外見のようだ。スマートスピーカーは大きくて布張りのボールのようになった。これは音という面からは素晴らしい改善で、全方向からより豊かなサウンドを送り出す優れた仕事をしてくれる。丸形の形状はアマゾンがスピーカー製品全般に展開しているデザインで、似たような形状のDotでもそれは同じだ。

同社によれば、この新しいスマートスピーカーは、置かれた部屋のサイズとレイアウト合わせて自動調整するという。また近距離無線通信規格のZigbee(ジグビー)とBluetooth Low Energy(BLE)を内蔵することでスマートホームハブとして機能し、基本的にEcho Plusの必要性をなくしてしまう。さらに、Amazon Sidewalk(Amazonが提唱する低電力中距離の通信規格)も組み込まれた。このことによって、スピーカーはアマゾンの新しいホームネットワーキングシステムを使うことができる。

デバイスが動作していることを知らせる青色のライトリングは、デバイスの下部に移動したが、これはスピーカー全体のデザインを損なわないための現実的な選択のように思える。当初新しいスピーカーには、チャコール、グレイシャー・ホワイト、トワイライト・ブルーの3色が用意される。その淡い色合いは、Google(グーグル)のNest、Homeが提供するものと似通っている。価格は99.99ドル(約1万500円)だ。

Amazon Hardware Event

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:sako)

新型コロナ禍でスマートスピーカーの利用頻度が米国の若年層を中心に増加

米国時間4月30日にNPRとEdison Researchがリリースしたデータによると、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、スマートスピーカーでニュースや情報や音楽、エンターテインメントなどに接する消費者が増えている。米国の18歳以上の大人の約4分の3は新型コロナウイルスの影響で生活が変わり、メディアの接し方も変わったとの報告だ。感染拡大以降は、米国のスマートスピーカーのオーナーの35%がニュースや情報をそのデバイスで聴くことが多くなった、36%は音楽やエンターテインメントの消費が増えたと答えている。

18〜34歳の年齢層では、これらの数値がさらに高い。すなわち、50%がニュースと情報の消費が増えた、52%が音楽などのエンターテインメントに接する機会が増えたと答えている。

この調査レポートによると、スマートスピーカーでニュースを聴く時間が昨年に比べて増えている。2019年の春では回答者の30%が週に3時間以上ニュースを聴き、40%が1から3時間、残る30%が1時間未満だった。隔離生活の2020年春では、3時間以上が32%、1〜3時間が43%、1時間未満が25%となった。

在宅で仕事をしているスマートスピーカーのオーナーは、新型コロナウイルスの感染拡大の間に一般のオーナーよりもニュースをリクエストする回数が多いが、でも天気予報や時間などのアップデートを求めることは少ない。すなわち在宅労働者の65%がこのデバイスでニュースを聴いているが、スマートスピーカーの全ユーザーではこの率が62%になる。

隔離生活を強いられた大人は、自宅のスマートスピーカーを増設する傾向があるようだ。家のあちこちにそれがあることの意義を、理解しているからだ。特に子供のいるスマートスピーカーオーナーは、子供のためにもう1台買うことを検討しているという回答がとても多い。この子供のためにという回答は、昨年の春の時点では47%だったが、今や71%だ。

新型コロナウイルス以降の消費者意識の変化を知ろうとするこの調査は、2020年の3月31日から翌4月1日にかけて実施された。Edison Researchの上級副社長を務めるTom Webster(トム・ウェブスター)氏は、プレスリリースで「何千万人もの米国人が今や通勤をしていないので、スマートスピーカーがニュースや情報を得るためのますます重要な手段になっている。音声アシスタントがこのように広く使われるようになると、通勤が再開したとき車の中で使うものとして需要が増えるだろう」とコメントしている。

この調査レポートでは、米国成人のスマートスピーカーの保有者が6000万人で、全人口の24%に達したことを明らかにしている。これは比較的保守的な数字だが、Voicebot.aiの最近の調査では、米国成人のスマートスピーカー保有者は8770万人、成人人口の3分の1としている。新型コロナウイルスとは無関係なこの調査は、スマートフォン上の音声アシスタントアプリも保有台数に含めている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

2019年のスマートスピーカー出荷量は70%アップの1億4690万台で新記録

2019年の世界のスマートスピーカー市場は対前年比70%拡大し、1億4690万台の出荷だったとStrategy Analyticsが発表した。アメリカでは依然Amazonが大きくリードしているものの、世界では中国メーカーの進出が目立った。

もちろん世界市場でもトップはAmazon Echoであり、2019年のシェアは26.2%だった。ただしこれは2018年の33.7%というシェアからはダウンしている。Amazonがダウンした分をGoogleが奪ったというわけではなく、Googleも2018年の25.9%というシェアを2019年には20.3%に落としていた。

このようなトレンドはあるものの、AmazonとGoogleが北米、ヨーロッパ市場のリーダーである状況は変わっておらず、合計シェアは4分の3を超えている。

3位から5位は中国のBaidu、Alibaba、Xiaomiで、それぞれシェアを拡大している。Appleは 4.7%という低いシェアで引き続き6位にとどまった。

統計数値を眺めるとやはり第4四半期の成績が良かったが、これはクリスマス商戦でメーカーが入門機の価格を大きく引き下げたためだ。首位のAmazonは1580万台、2位のGoogleが1390万台を出荷している。中国のBaiduが590万台で3位だった。

第4四半期におけるスマートスピーカーの出荷は合計5570万台と過去最高を記録した。この好調さはアメリカとヨーロッパのクリスマス商戦が追い風となっている。またレポートによれば、Googleは新製品の投入、部品供給が軌道に乘ったこと、マーケティングの成功などによりスマートスピーカービジネスが大きく改善されたという。

Strategy Analyticsのディレクター、David Watkins(デビッド・ワトキンス)氏はレポートを発表した際の声明で「スマートスピーカーに対する消費者の需要は2019年第4四半期でもまったく減少を見せず、クリスマス商戦に新たに投入された新機種も好調だった。新機能が追加され、音質も改善されたことと合わせ、出荷は新記録を達成した。世界中の消費者はGoogle、Amazon、Baidu、Alibabaなどの主要ブランドが競って提供した『お得なセールス』に魅了された。中でもGoogleはYouTubeやSpotifyなどのサービスと提携してデバイスを無料配布するという大胆なプロモーションを展開した」と述べている。

現在、新型コロナウィルス感染症が需要、供給の双方に陰を落としているものの、Strategy Analyticsは2020年も通年でスマートスピーカーが記録を更新するだろうとみている。

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滑川海彦@Facebook

Sonosが古いデバイスのサポート終了に関する方針を変更

スマートスピーカーメーカーのSonosは、サポートを終了する古いデバイスについてのスタンスを明らかにした。同社の最初の発表は批判を受けていた。同社は改めて、ユーザーが所有しているSonosのシステムを2つに分割し、新しい方のデバイスは最新の状態にできるようにすると公表した。

Zone Player、Connect、第1世代のPlay:5、CR200、Bridge、2015年以前のConnect:Ampのサポートが終了することには変わりはない。Sonosは、これらのデバイスのメモリや処理能力は技術的な限界に達したとしている。

永遠に使い続けるわけにはいかないにしても、問題なく動作するスピーカーがだんだん劣化するのは残念だ。例えばSpotifyやApple MusicのAPIが将来的に変更されたら、所有しているデバイスはこれらのサービスとの連携が完全にできなくなってしまうかもしれない。

当初のSonosの発表でさらにひどかったのは、すべてのデバイスのファームウェアを同じバージョンにするために、所有するSonosデバイスのエコシステム「全体」がアップデートを受信しなくなるということだった。新たにSonos Oneを購入しても、ネットワーク上に古いスピーカーがある場合はSonos Oneもアップデートを受信しないと発表されていたのだ。

新たな発表の中で同社は「弊社では、システムを分割することで、新型製品のシステムでは最新機能をご利用いただき、レガシー製品のシステムは現状のままご使用いただくという方法をご提供できるよう取り組んでおります」と述べている。

理想的な対応ではないが、すでに所有しているデバイスを手放さなくてもいいという方針にはなった。Sonosは、古いデバイスには新機能は追加されないものの、セキュリティアップデートやバグの修正は引き続き提供することも明らかにした。

それでも私は、Sonosはデバイスにコンピューティングカードのスロットを追加すべきだと思う。そうすれば、スピーカーごと買い換えなくて済む。メモリやプロセッサが強化されたコンピューティングカードを購入して現在のカードと差し替えればいい。テック企業が環境に配慮しようと考えるなら、モジュール化はきわめて重要になるだろう。

関連記事:スマートスピーカー開発のSonosが古いデバイスのアップデートを打ち切り

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(翻訳:Kaori Koyama)

スマートスピーカー開発のSonosが古いデバイスのアップデートを打ち切り

スマートスピーカーメーカーのSonosは、一部製品のサポートを2020年5月以降打ち切ると発表した。打ち切るのは、Sonosが数年前に販売を終了したデバイス。永遠に続くものはないとはいえ、サポート打ち切りは影響が大きく、またもコネクテッドホームには期待したほどの将来性はないと示してしまうことになるだろう。

Sonosは、これまでに販売された製品の92%は現在も使われていると指摘する。生産終了になった古いデバイスでも満足して使い続けている人がいるということだ。

「しかし今、旧型製品の一部のメモリや処理能力は技術的な限界に達し」とSonosは書いている。

Zone Player、Connect、第1世代のPlay:5、CR200、Bridge、2015年以前のConnect:Ampに関しては、Sonosのエクスペリエンスは基本的に全体にわたって今後低下する。

同社はこれらのデバイスのアップデートを今後停止する予定だ。SpotifyやApple MusicのAPIが今後変更されたら、前述のデバイスはこれらのサービスとの連携が完全にできなくなってしまうかもしれない。

それでもSonosは、同社のデバイスのエコシステム「全体」がアップデートの受信を停止し、すべてのデバイスのファームウェアを同じバージョンにすることを決定した。つまり、もし新しいSonos Oneを買ったばかりでも、古いPlay:5を使い続けていれば、Sonos Oneもアップデートを受信しない。

Sonosは、古いデバイスを買い替える場合の割引があると説明している。しかしそうは言っても費用はかかる。同社はシームレスな音楽エクスペリエンスの提供を約束しているが、それにはスピーカーを全部新しくしなくてはならないとは皮肉でもある。

Sonosはこれを機に製品ラインナップを再考すべきだ。生産やサポートの終了による計画的陳腐化は、確かにビジネスモデルとしては優れている。しかしスピーカーを10年、20年、あるいは30年使い続ける方法を考える時期にきている。

1980年代に人々は素晴らしいスピーカーを購入し、何十年も使い続けた。もちろん、途中でCDプレイヤーを買い足す必要はあっただろう。しかしモジュール化は優れた特徴だ。

Sonosはデバイスにコンピューティングカードのスロットを追加すべきだ。SoC、Wi-Fi、Bluetoothの速度や効率の向上のために、ユーザーはスピーカーを丸ごと買い替えるのではなく新しいコンピューティングカードに交換できるはずだ。

Sonosはソフトウェア的にリサイクルモードにすると古いデバイスが完全に使えなくなるという疑問に思わざるを得ない状況にあるが、カードを交換できるようにすれば環境に優しいプロセスとなるだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

2020年はAI利用の対話型音声広告がブレーク、Instreamaticに注目

テクノロジー界ではAlexaとGoogle Homeデバイスが登場して音声時代が本格的にスタートしたと見られている。2020年には検索の半分がスマートアシスタントなどを利用した音声になると推定されている。若い世代ほど音声検索を使う、ある調査ではティーンエージャーの55%が毎日音声検索を利用していることを考えればこのトレンドは進行する一方だ。

TechchCrunchでは2年前に「2022年までに米国だけでもスマートアシスタントの普及は世帯の55%に達する」というレポートを紹介した。このことは音声によるオンラインショッピングのマーケットの爆発的に成長することを意味している。音声アシスタントとスマートスピーカーの普及は向こう数年で音声経由の消費額を20倍にすると予測されている。スマートデバイスは家庭だけでなく自動車にも搭載されるようになると見られており、これがさらに追い風になるだろう。

音楽からドラマ、映画、ポッドキャストまでデジタル・メディア全体がストリーミング化していることもあり、 オーディオは巨大なブルーオーシャンだ。しかしブランドはこのトレンドに追いつくために苦闘している。それはオーディオで収益化する方法を発見するのが困難なためだ。

こうした中、東欧の音楽ストリーミングのパイオニアであるZvukの共同創業者の1人は、世界中の音楽ストリーミングサービスがどれひとつとして黒字化を達成できていないことに着目した。ユーザーが有料のサブスクリプションへ移行する率は低すぎ、広告主もストリーミングのユーザー体験を悪化させ、現実の購入行動に結びつけるのが難しい音声広告にさほど期待していないからだ。

そこで元Zvukのチームは米国サンフランシスコでInstreamatic(インストリーマティック)をスタートさせた。このスタートアップはスユーザーがトリーミングに挿入される音声広告と音声で会話できる機能を提供する。AIを利用した音声レスポンス機能により音声広告がおなじみのAlexaのように反応するようになるのだ。

 

これまでの音声広告は、伝統的なテレビ、ラジオのCMと同様、一方通行でありデジタル化のメリットが生かせていなかった。しかし双方向AI広告によって消費者と自然に対話できるようになれば効果は大きいだろう。Instreamaticのようなテクノロジーを利用するブランド、パブリッシャーはユーザーの行動履歴から推測して関連性が高いと思われる音声広告を挿入し、エンゲージメントの内容を処理、分析することができる。

またユーザーからの反応を受け取ることができるため、ブランドの広告戦略のオプションが増える。たとえばユーザーが広告に対して「興味ない。この広告は聞きたくない」などのネガティブな反応を返してきたとき、ブランドはこのユーザーに対する広告挿入を一切ストップすることもできるし、コミュニケーション戦略を変更してまったく新しい広告、ないし別製品の広告を挿入してみることもできる。Instreamaticはユーザーの反応を理解し、その後の広告を事前に検討されたシナリオに沿ってカスタマイズすることが可能だ。

スマート音声広告のライバル、AdsWizzはユーザーが挿入された音声広告に興味を持った場合、スマートフォンを振って意思を伝えることができる。最近の調査によると、この場合の反応率は3.95%だった。

これに対してInstreamaticの音声対話方式は興味ない広告をスキップさせ、興味ある広告には詳細を尋ねるなどより自然なユーザー体験を与えることができる。調査によれば13.2%という高いエンゲージメント率を得られたという。

ビジネスモデルとしては、音声広告から売上が発生した場合、広告主はパブリッシャーに対して一定のコミッションを支払うというものだ。Instreamaticはパブリッシャーから売上に比例するライセンス料を得る。

Instreamaticは、現在インド最大の音楽ストリーミング・サービスであるGaanaとパートナー契約を結んでいる。GaanaはInstreamaticのテクノロジーをプラットフォームの一部に組み込む予定だ。Instreamaticは米国のオーディオストリーミングプラットフォームのTriton Digitalとも契約している。Instreamaticは今後、PandoraJacapps、 Airkast、SurferNETWORKなどのストリーミングサービス各社にテクノロジーを提供していく。

パートナーを通じて、同社は米国に1億2000万人、ヨーロッパに3000万人、アジアに1億5000万人のアクティブユーザーを持つという。

Instreamaticは現在サンフランシスコとロンドンにオフィスがあり、モスクワにエンジニアリング・チームを置いている。CEOで共同創業者のStas Tushinskiy(スタス・ツシンスキー)氏はInstreamaticを開設するために米国に移ってくる以前、ロシアにおけるデジタル音声広告のパイオニアだった。同社の共同創業者で国際ビジネス開発の責任者であるSimon Dunlop(サイモン・ダンロップ)氏は、Bookmateと呼ばれるサブスクリプションベースの読書プラットフォームの創業者であり Zvukの共同創業者でもある。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

低価格のAmazon Echo StudioがアップルのHomePodを追撃

思い起こせばAmazon(アマゾン)は、2014年の年末にオリジナルのEchoを引っさげて、スマートスピーカー市場に参入した。同社の多くのハードウェア製品と同様、かなり実利的なデバイスだった。この初代のEchoは「賢い」ことに重点が置かれ、「スピーカー」としての性能はないがしろにされていた。

Echoシリーズとしては、徐々に音質も改善されてきたが、Apple(アップル)のHomePodや、Google(グーグル)のHome Maxが登場したことで、Echoのラインアップに本当に高品質のスピーカーがないことが露呈してしまった。アマゾンでは、EchoシリーズにLink、Amp、Sub、Inputといった製品を追加することで、Alexaを既存のホームステレオに統合する戦略にも出た。しかし、このStudioが発表されるまで、アップルのHomePodに対する本当の答えは示されていなかった。

Echo Studioは、あらゆる点で、アマゾンがHomePodを意識して作ったもの。良い点も悪い点も、その他すべての特徴が必然的に含まれる。確かに、これはアマゾンが今までに発売した中で最も高級なEchoスピーカーだが、Studioはいわゆる高級スピーカーというものとはちょっと違っている。製造品質や素材の質感は、アップルのHomePodには及ばない。しかし、価格の差が100ドル(約1万900円)もあることを考えれば、納得できる範囲のものだろう。

アマゾンが、この製品をHomePodよりも低価格で提供したのは、間違いなく正しい動きと言える。さすがに、300ドル(約3万2600円)もするスピーカーは、アマゾンでも売るのがかなり難しい。しかしちょうど200ドルを切るような(日本では2万4800円)価格は、Echo Studioにとって適切な値付けだと考えられる。しかもアマゾンが、頻繁にハードウェアを割引販売することを考えればなおさらだ。

ぱっと見、StudioはHomePodにちょっと似ている。サイズもほぼ同じ。標準のEchoよりもかなり大きくはなっているものの、たいていの机や棚に無理なく収まらないほど大きくはない。上部には、特徴的な大きなライトリングがあり、それに沿ってマイクのオン/オフ(オフでリングが赤く光る)、音量を上げる/下げる、Alexaを起動するアクションボタンという4つの物理的なボタンが配置されている。

Googleのデバイスを使っていると、曲の再生や一時停止を、押して操作するのが自然に感じられることを実感させられる。ほかのEchoシリーズのデバイスでもそうだが、そのような操作はできない。

上から、全体のほぼ3分の2ほど下がった部分には、大きな切り欠きがあり本体を貫通している。これは低音用の開口部で、下向きに取り付けられたウーファの効果を最大限に引き出すもの。その狙いどおりの効果を発揮している。低音の不足はまったく感じられない。私の好みで言えば強すぎるくらいだ。ロックをかけると音が濁る傾向がある。

Echo Budsと同様、アマゾンのアプリを使ってイコライザーのレベルを変更できるので、思いどおりに調整できる。Studioにも、音質のキャリブレーション機能が組み込まれている。競合する他社のシステムと同様、周囲の音を聴き取って自動調整するもの。音質を最適化するには、少なくとも壁から6インチ(約15cm)離して設置するようAmazonは勧めている。私もリビングルーム内で、何カ所かの場所に置いて試してみた。音質はなかなかいいが、他社の高級スマートスピーカーにはちょっと及ばないと感じた。

Studioの音質は、例えばBill Evans(ビル・エヴァンス)のジャズピアノのような、シンプルなサウンドの再生に適している。一方、The Hold Steadyのようなロックや、Run the Jewelsのようなヒップホップを再生すると、明瞭さが若干損なわれる感じだ。とはいえ、アパートの部屋など、狭めの部屋で使う分には音量的にも申しぶんなく十二分に機能する。ホームシアター用のオプションを追加すれば、Fire TVのユーザーにとって効果的なアップグレードとなるはずだ。

Studioは疑いの余地なく、これまでで最も優れた最も豊かな音質を実現したEchoだ。音質に限って言えば、アップルHomePodや、Sonos(ソノス)のMove、あるいはグーグルのHome Maxより優れているということはできないが、199ドル(日本では2万4800円)という価格設定は、アマゾンが考える、より低予算のスマートホームへのアプローチにも適合するものだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Amazonの画面付きスマートスピーカーはキッチンにある物体をカメラで識別

Amazonは、画面付きスマートスピーカーのEcho Showに、視覚障害者向けの新機能を追加した。ユーザーが台所にある物体をAlexaのカメラに向けると、それがなにかを教えてくれる。画像認識と機械学習の技術を組み合わせてEcho Showの見たものを識別するのだ。

Echo ShowはAlexa搭載スマートスピーカーのひとつで、キッチンに置いて使うことを想定している。タイマーを設定したりやレシピビデオを見たりできるほか、料理をしながら音楽やテレビも楽しめる。

しかし、目の不自由なユーザーのために、Echo Showは新しい役割を果たすことになる。台所に置かれた品物の中でも、缶や箱に入った食品、スパイスなどのように触れただけでは区別が容易でないものの識別を手伝うことだ。

この機能を利用するには、「Alexa, what am I holding?」「Alexa, what’s in my hand?」(Alexa、私が持っているものはなに?)などと言うだけでいい。するとAlexaは、カメラの前に物体を置くように言葉と効果音で指示を与える。

Amazonによると、この機能は視覚障害をもつAmazon社員と共同開発した。その一人である主任アクセシビリティ・エンジニアのJosh Miele(ジョッシュ・ミーレ)氏は、開発過程で全盲および弱視の利用者からフィードバックを集めた。

「視覚障害者にとって、商品の識別には苦労することが多く、Alexaの助けが欲しいことの一つだと知った」とAmazonのAlexa for Everyoneチームの責任者であるSarah Caplener(サラ・カプレナー)氏は説明した。「食料品を買い物袋から取り出すときやキッチンカウンターの上に置かれたものが何かを知りたいとき、それを手伝ってユーザーにとって必要な情報を必要なときに提供できるようにしたい」とカプレナー氏は言う。

スマートホーム機器やAlexaのようなAIアシスタントは、サーモスタットや照明の調節、ドアのロック、ブランドの上げ下げなどさまざまな場面で障害をもつ人たちの生活の改善に役立ってきた。この「Show and Tell」機能によって、Amazonは全盲や弱視の人たちの市場への本格的参入を期待している。世界保健機関によると、現在世界で視覚に何らかの障害を持つ人の数は13億人に上ると推計されている。

ただし、Echoスピーカーは全世界で入手できるわけではない。 また、販売されている国であっても、地元の言語に対応しているとは限らない。さらに、今回発表された機能は開始時点では米国のみで利用できる。

アクセシビリティをスマートスピーカーのセールスポイントにしているのはAmazonだけではない。Googleは今年のGoogle I/Oカンファレンスで、一連のアクセシビリティ製品を発表した。リアルタイムで文字起こしを行うLive Caption、聴覚障害者の通話を手助けするLive Relay、しゃべらないひとがスマートアシスタントを使うのを助けるProject Diva、発話障害者の話し言葉の認識を手伝うProject Euphoniaなどだ。

Show and Tellは、米国内の第1、第2世代Echo Showデバイスで利用できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルとファーウェイの共同開発スマートスピーカーが対中制裁でボツに

トランプ政権の制裁措置で日の目を見ることがなくなったHuawei(ファーウェイ)関連のデバイスの情報はこの後何週間、それどころか何カ月にもわたって聞こえてくるだろうと思う。例えば、われわれはファーウェイはGoogle(グーグル)と提携してスマートスピーカーの開発を進めていたが、禁輸措置にともなう大混乱の中に消えたという情報をつかんだ。

実際このデバイスは9月にベルリンで開催されるIFAトレードショーに出品されるはずだったが、ご存知のようなことで流れてしまったとThe Informationが伝えている。当然がら情報をもたらしたファーウェイ社員は匿名だ。

これはグーグルのパートナー関係全体の中で考える必要がある。同社はサードパーティーのハードメーカーと提携することで各種のスマートアシスタントを家庭に普及させる足がかりとしてきた。中でも中国は重要な市場で、実際、この5月にはスマートスピーカーの市場規模として米国を抜いたという。中国のハードメーカー、Lenovo(レノボ)はスマートクロックのディスプレイを製造している。

長年の疑惑、非難の後、ファーウェイはとうとう米国の貿易ブラックリストに載せらることになった。このためGoogleとのビジネスにも急ブレーキがかかった。禁輸リストにはAndroid(これは一時的に猶予期間が設けられているが)をはじめ、まだ発表されていない各種のデバイス、プロジェクトも含まれることになる。

ファーウェイはAndroidとGoogle Playストアに代わる独自のモバイルエコシステムを開発しているという情報も流れた。将来の方向はともかく、当面は制裁措置は同社の収益に壊滅的打撃を与えている。

ファーウェイもグーグルもこの件に対するコメントを控えた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Amazonが高音質のEchoスピーカーを来年発売か

Bloomberg(ブルームバーグ)の記事によると、AmazonはSonos(ソノス)のデバイスやアップルのHomePodといったハイエンドのスピーカーと同じ土俵で戦うEchoスピーカーを出そうとしているようだ。記事中の情報源によれば、スピーカーは来年リリースされると見られ、Echoの既存モデルよりも大きく(上の写真はEchoシリーズ用サブウーファーのEcho Subで、これに似たものになるようだ)、ツイーターを4つ内蔵して音質を向上させるという。

もちろん、Echoシリーズの成功の要因である音声アシスタントのAlexaも利用できる。Bloombergは、開発中であると以前に報じられたAmazonの音楽ストリーミングサービスの高音質版に適したスピーカーになるようだとしている。

この動きによってAmazonとパートナーとの関係にも影響が生じるかもしれない。Sonosなどは直接の競合になると考えられるからだ。Sonos OneやSonos Beamなど、Sonosの最近のスピーカーはAlexaの音声コマンドを利用できる。EchoデバイスもSonosもマルチルームストリーミングとスピーカーのグループ化に対応している。Sonosは、価格は高いものの、Echoよりも優れた音質を提供してきた。

SonosはIkea(イケア)と提携してスピーカーを販売する計画で、Symfoniskラインが8月にリリースされる予定だ。スマートスピーカーは市場が大きく、大小を問わず多くの会社が注目している。Amazonは手頃な価格で高音質の製品も出せれば、優位に立つことができる。

音質を重視しない方には、AmazonはAlexaを搭載したホームロボットも開発している模様であることをお伝えしておく。

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(翻訳:Kaori Koyama)

中国がスマートスピーカー市場で米国を抜いた

米国もはやスマートスピーカー市場のリーダーではない。米国時間5月20日、Canalysが発表した最新データによると、中国のスマートスピーカー出荷台数は2019年Q1に500%成長し、米国を上回る市場シェア51%を占めた。

報告によると中国の出荷台数は1060万台で、それを支えているのは「お祭り騒ぎプロモーション」だという。

具体的には、Baidu(バイドゥ)は中国の旧正月前夜の新年番組で中国国営テレビのCCTVとスポンサー契約を結んだ。これは視聴者数最大のエンターテイメント番組だ。プロモーションではユーザーに「Baidu」アプリのダウンロードを促し、12億人の視聴者を対象にクーポン1億枚を配布して同社ブランドのスマートスピーカーの認知度を高めた。

バイドゥはQ1にスピーカー330万台を出荷し、Amazon(アマゾン)の460万台、Google(グーグル)の350万台に続いた。Alibaba(アリババ)とXiaomi(シャオミ)がいずれも320万台でこれに続き、これも中国の新年プロモーションの成果だ。

「中国の急速な成長は、メーカーがいち早くシェアを獲得するために大量の資金を注ぎ込んでいるからだ」とCanalysのモビリティー担当VPを務めるNicole Peng氏が声明で語った。「これは、バイドゥ、Alibabat(アルファベット)、Tencent(テンセント)などトラフィック獲得に数十億ドル費やすことをいとわず、インストール基盤の臨界点に到達する方法を知っているサービスプロバイダーたちが好んで用いる戦略だ」

その他のブランドの出荷台数を合わせると290万台になる。これにはApple(アップル)のHomePodも含まれているが、市場シェアが小さいため「その他」にまとめられている。

1060万台を出荷した中国は米国(500万台出荷)を上回り市場シェアを51%に伸ばした。一方米国の市場シェアは2018年Q4の44%から2019年Q1は24%に急落した。

全体では、Q1に世界のスマートスピーカー出荷台数は2070万台で年間成長率131%と3桁成長に戻った。2018年Q1はわずか900万台だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

普及が加速するスマートスピーカーは2年以内にタブレットを追い越す勢い

スマートスピーカーの世界的なインストールベースは、この年末までに2億台に達する勢いで伸びているという。この数字は、米国時間4月15日にCanalysのアナリストが発表した報告によるもの。もう少し具体的に言うと、インストールベースは2018年の1億1400万台から、2019年の2億790万台へと、82.4%も増加するという予想になっている。スマートスピーカーの普及率という点では、米国が引き続き世界をリードするかたちだが、今年の成長の大きな部分は東アジアの市場に見込まれている。特に中国だ、と同報告は指摘する。

その報告では、中国本土におけるスマートスピーカーのインストールベースの伸びは、前年比で166%にも達すると見積もっている。2018年に2250万台だったものが、2019年には5990万台になるというのだ。スマートスピーカーの普及率も、同地域では13%を超える。ちなみに米国では、2018年の6220万台から2019年の8780万台へと、伸びは46%となっている。

ただし中国市場の中身は、アマゾンとグーグルが支配する米国とは大きく異なったものになりそうだ。これらの会社は、中国ではスマートスピーカーのメーカーとしての存在感を持っていない。その代わり、AlibabaTmall GenieXiaomiXiao AiBaiduDuerOSなど、他の製品に弾みが付いてるというわけだ。Canalysの予測によれば、2019年の中国本土のスマートスピーカーの市場シェアは、Tmallが他をリードして39%を確保し、それに続いてXiao Aiの25%、DuerOSの24%、その他を合わせて12%になるという。今回のCanalysの予想には、この1月に中国で発売したばかりのAppleHomePodは含まれていない。その価格の高さを考えると、Appleが大きなシェアを確保することになるとは予想していないのだろう。

「中国国内のメーカーが中国本土のスマートスピーカー市場に本腰を入れています。そして主に一般家庭にスピーカーを普及させることで、各社のインストールベースをそれぞれ増やすことを狙っているのです」と、Canalysのシニアアナリスト、Jason Low氏は述べている。「ハードウェアによって差別化するのは、ますます困難になっています。消費者はスマートスピーカーの賢いアシスタント機能に対する期待を高めているのです。各メーカーは、次世代のスマートアシスタント、音声サービスだと感じてもらえるような『すごい!』と思わせる要素を売り込むことに集中しなければなりません。それによって消費者の認識を変え、普及を加速させる必要があるのです」とも付け加えた。

注目に値するのは、こうしたスマートスピーカーに搭載された音声アシスタント機能の市場は、さらに広いということだ。たとえばBaiduは、2019年1月に、DuerOSアシスタントを搭載するデバイスが2億台を突破したと発表した。ここでいう「デバイス」には、スマートスピーカー以外にも、一般の家電品や、セットトップボックスなどが含まれている。ちなみに、音声アシスタントの世界市場は、2018年には25億だったものが、2023年までに80億に達する見込みとなっている。これはJuniper Researchによる予想だ。

Canalysの予測が発表される前には、米国でのスマートスピーカーの普及率がクリティカルマスに達したというニュースも流れた。今や米国内の消費者の41%が、音声に反応するスピーカーを所有しているという。2017年の21.5%からの大幅な増加だ。

多くのアナリスト企業が、こぞってスマートスピーカーの世界規模の急速な成長を報告しているものの、それぞれの予測数値は多少異なっている。

たとえばDeloitteは、スマートスピーカーの設置ベースはさらに大きくなると予測している。2019年末までに2億5000万ユニット以上に達するとしていて、これは前年比63%の成長に相当する。同社によれば、その結果スマートスピーカーは「ネットに接続されたデバイスとしては、2019年に世界で最も急速に成長したカテゴリー」になるという。その市場は総額70億ドル(約7700億円)の価値があるとしている。

Canalysの予想も、数字がぴったりと一致するわけではないものの、ぼぼこの予測に沿ったものとなっている。さらにスマートスピーカーは、2019年中にウェアラブルデバイス(スマートウォッチやリストバンド)のインストールベースを抜き、2021年までにはタブレットをも追い越す勢いであると予想している。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

SonosとIKEAによるスマートスピーカーは99ドルから

IKEA(イケア)とSonos(ソノス)は提携し、スマートスピーカーを2019年8月に発売する。「Symfonisk」と名付けられたスマートスピーカーは、単に廉価かつSonosのロゴが入った製品ではない。他のSonos製品と同じく、同社のアプリからコントロールが可能なのだ。

今回両社が発表したのは、2タイプの製品だ。ブックシェルフ型スピーカーが99ドル(約1万1000円)で、テーブルランプ型のスピーカーが179ドル(約2万円)。本体色はブラックとホワイトの2色。棚やランプのデザインに落とし込まれたスマートスピーカーは、部屋ではその存在に気づかないかもしれない。

ブックシェルフ型スピーカーは水平方向と垂直方向の両方で使用可能。また、IKEAのラック「Kungsfors」にもマウントできる。普通の棚のように植木鉢を置いたり、デコレーションを施すのもいいだろう。

テーブルランプ型スピーカーは、明かりとサウンドをもたらしてくれる。Amazon(アマゾン)の「Echo Plus」やApple(アップル)の「HomePod」にランプを取り付けたような形だ。既存のランプとスマートスピーカーをこの1台で置き換えるのもありだ。

このスマートスピーカーの最大のメリットは、他のSonosのスピーカーと連携できる点だ。例えば、2つのスピーカーを組み合わせてステレオ再生したり、サウンドバー「Sonos Beam」と組み合わせてTV用の音響セットを構築することもできる。

もしバスルームに追加するスマートスピーカーに200ドルも払いたくないのなら、ブックシェルフ型のSymfoniskを片隅に置けばよい。Sonos Oneほどはパワフルではないだろうが、選択肢が増えることはいいことだ。

SymfoniskはWi-Fiでネットワークに接続する。その後はSonosのアプリが使え、Spotify ConnectアプリからSpotifyの楽曲をコントロールしたり、AirPlay 2で音楽を転送することができる。

なお、これらのスマートスピーカーにはマイクはなく、AmazonのAlexaから直接音楽をコントロールすることはできない。

 

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アメリカでは成人の1/4以上がスマートスピーカーを所有、日本では?

スマートスピーカーやAIに特化したメディアのVoicebotは3月7日、「Voicebot Smart Speaker Consumer Adoption Report Jan 2019」と題された、アメリカにおけるスマートスピーカーの普及率などに関する調査の結果をリリースした。

VoicebotとVoicifyが共同で行なった同調査によると、アメリカの成人6640万人ほどがスマートスピーカーを所有している。成人における普及率は同国の成人人口の1/4強に値する26.2パーセントまで成長し、所有者数は前年同時期に発表された前回調査と比較すると約40パーセント増加した。

アマゾンとグーグルのシェア争い

そしてこの調査によるとアマゾンが市場をリードしていることは鮮明だ。アマゾンの「Amazon Echo」のシェアは61.1%、 グーグルの「Google Home」は23.9%となっている。だが昨年の調査結果ではアマゾン71.9%に対しグーグルは18.4%。グーグルが徐々に差を縮めてきているのがわかる。

アップルの「HomePod」や「Sonos One」を含む「その他」のブランドに関しても9.7%から15%に伸びたが、Sonos OneはAlexa搭載だ。

同調査はアメリカの成人1038人を対象に2019年1月に行われた。

なおStrategy Analyticsが2018年10月に発表したレポートによると、アメリカで使われているスマートスピーカーのブランド別シェアは、アマゾン63%、グーグル17%、アップル4%。その他の同類の調査においても、やはりアマゾンのブランド別シェアの高さが目立つ。

スマートスピーカーの普及率、日本では?

電通デジタルが2月に発表した調査によると、スマートスピーカーの認知率は約76%だが、普及率は約6%に止まっている。「スマートスピーカーの所有状況」はGoogle Homeが2.9%、Amazon Echoは2.4%、そして94.1%は所有していなかった。

所有者の約4割が「音楽スピーカーの代わりになる」ことをスマートスピーカーの購入理由として挙げており、実際に74.5%以上の所有者が音楽聴取のために利用している。あとは天気予報を聞いたり、アラームをセットしたり、といった使い方が多い。

電通デジタルは「音楽以外のさらなる機能の拡張や、サードパーティー・アプリケーションの拡大が普及のカギとなる」「サードパーティー・アプリケーションの利用者は一部を除きまだ多くはないが、利用している場合はエンゲージメント形成に役立っていることが伺える」と説明している。

同インターネット調査は2018年12月、全国の15から69歳の男女1万人を対象に実施された。

MMD研究所が2018年10月に発表した「スマートホーム関連製品に関する調査」においても、スマートスピーカーの利用経験者が4.2%と低いのが目立つ。利用したことがある製品の順は、AmazonEchoがトップで56.3%、Google Homeが47.2%、LINE Clovaが14.1%だった。

この調査は15歳から69歳の男女5000人を対象に、2018年7月31日から8月1日の期間、インターネット上で行われた。

スマホやスピーカーで住宅をまるっとスマート化、「住宅のOS」手がけるSOUSEI Technologyが4.5億円調達

家の状態管理アプリなどを提供するSOUSEI Technologyは1月25日、あいおいニッセイ同和損害保険、京都大学イノベーションキャピタル、信金キャピタルから4億5000万円を調達したと発表した。リードインベスターは調達総額のうち3億3000万円を出資したあいおいニッセイ同和損保だ。

SOUSEI Technologyは、奈良県で注文住宅事業を行うSOUSEIのIT部門を2018年8月に分社化したことで誕生したスタートアップだ。現在、同社は住宅領域で2つのサービスを手がけている。マイホームアプリの「knot」は、マイホームに関する様々な情報を一括して管理できるアプリ。建築図面、住宅の取扱説明書などの書類やアフターメンテナンスなどの情報を管理できる。アプリには住宅の完成予定日までの日数や、次にいつ定期点検があるのかなどを確認できる機能もある。

同社はknotのほかにも「v-ex(ベックス)」と呼ばれるプロダクトも展開している。これは、専用デバイスを自宅に取り付けることで、家電の遠隔コントロールや住宅の状態管理などが行えるようになるというもの。スマホやスマートスピーカー経由でリモコン起動の家電(テレビ、エアコン、照明など)を操作できるようになるほか、温度・湿度・気圧をスマホアプリ上でチェックできるようになる。

v-exは2018年7月に販売開始。今後もさまざまな機能を追加することで様々なアプリケーションを備えた「家のOS」デバイスとして進化させていくという。

HOME OSデバイスの「v-ex」。写真は同社Instagramアカウントより。

SOUSEI Technologyは今回調達した資金を利用して、各サービスのマーケティングと開発能力を強化していく。特に、今回の資金調達ラウンドでリードインベスターを務めたあいおいニッセイ同和損保とは、本ラウンドを期に「InsurtechとReal Estate Techの新たなビジネスモデル実現を目的に共同で研究開発を行っていく」としている。

Lenovo、80ドルのGoogle Assitant対応アラームクロックを今春発売へ

AmazonのEcho Spot——枕元に置くフルカラーディスプレイ付き音声入力対応アシスタント——のアイデアは好きだが、AlexaよりもGoogle Assistantの方がいい、という人にとって選択肢は限られていた。

スマートフォンをドックに挿すことはできるが、同じとは言えない。Google Home Hubは、限られた場所に置くナイトスタンドとしてはちょっと大きすぎる。

Smart Home at CES 2019 - TechCrunch

そこに目をつけたLenovoがSmart Clockを作った——80ドルのGoogle Assistant内蔵ベッドサイド用デバイスだ。

前面の480×800タッチスクリーンには、時計のほか天気などの情報を表示できる。Googleカレンダーと同期させれば、ふだんの目覚まし時計の時刻を変更する必要があるとき事前に知らせてくれる。

音楽を聞くための小さなスピーカーを内蔵し、背面には他のデバイスを充電するためのUSBポートがある。全体はソフトなグレイの布地で覆われていて、どんなGoogle Homeデバイスともマッチするだけでなく、80ドルのデバイスとは思えないおしゃれな外観だ。

もちろんGoogle Assistantを中心に据えているので、音声制御オートメーションからテレビのリモコン操作までGoogle Homeでできることはなんでもこなす。

Echo Spotと異なり、Lenovoのクロックには内蔵カメラがない——ベッドルームで使うことを考えると、おそらく懸命な判断だ。

今春出荷予定だとGoogleは言っている。

CES 2019 coverage - TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook