Twitter、Androidアプリケーションで新たな仕組を採用したレコメンド情報の提供を開始。写真編集ツールもバージョンアップ

TwitterがAndroid版アプリケーションのアップデート(iOS版もすぐにアップデートする予定だとのこと)を行った旨をアナウンスしている。新しい写真編集ツールが加わり、Twitterから直接に写真を公開しやすくなった。もちろんこれはInstagramなどの競合サービスへの対抗措置というわけだ。また「レコメンド」や「トレンド」情報関連でも重要なアップデートが行われた。

この「レコメンド」関連のアップデートがなかなか面白い。そもそもTwitterはリアルタイムの情報を提供するツールであり(プロモツイートは異なるものだが)、ここに「レコメンド」の情報を流すタイミングが難しいのだ。今回のバージョンアップではこの辺りに考慮し、利用者が情報更新のアクションをして、その際に新しいツイートが存在しない場合に限って「レコメンド」情報を流すようになっているのだ。「レコメンド」は、たとえばフォローしていない人のツイートながら大いに話題になっているものや、あるいは現在のフォロー情報などから求められたフォロー提案などの情報だ。またアメリカでは、TVやスポーツイベントなどの更新情報も表示されるようになっている。

この「レコメンド」系の情報もクリックスルーでより詳しい内容(ツイート)にジャンプするようになっている。これはEventparrotを通じた実験や、8月からテストをしていた近くにいる人のツイートからのイベント情報などの成果をプロダクトとしてまとめたものと言える。

「レコメンド」情報が、利用者のストリーム上に更新情報がない場合に限られるということは繰り返し強調しておいて良いところだろう。ストリーム上に更新情報はないが、それでも利用者が新しい情報を求めている際に「レコメンド」が表示される。これにより、Twitterは自らのリアルタイム情報を提供するというアイデンティティしっかりと守りつつ、そして追加的に新たなサービスを提供するという仕組みを採用したわけだ。

尚、アメリカ国内で提供される「イベント」情報については、たとえばBanjoなどがこれまでにもTwitterを活用して提供してきた情報と同様のものだと言えるかもしれない。しかしこれを自らのモバイル版に取り込んだことに大きな意味がある。これはTwitterに全く新しい使い方を加えることになるのかもしれない。この機能がより広い範囲で提供されるようになれば、さらに多くの人がさまざまなイベント情報を共有することができるようになる。近隣地域のトレンド情報を発見するためのツールとして、大きく成長していくことも考えられるのではなかろうか。

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(翻訳:Maeda, H


Pinterest、アニメーションGIFを正式にサポート開始

今週初め頃から、PinterestがアニメーションGIFをサポートし始めたらしいという話題があちこちにあがるようになっていた。これまでは、アニメーションGIF(以下、GIF)を貼り付けても普通の静止画としてしか表示されなかった。これがPinterest上でも動作を確認できるようになりつつあるという話だった。そして本日、Pinterestもウェブ上で正式にGIFをサポートし始めている旨のアナウンスを行った。モバイル版でも「間もなく」サポートされるそうだ。

Pinterestによると、日々100万人程度がPinterest上でGIFを閲覧しているのだとのこと。登録GIF画像数も1000万枚以上になるのだそうだ。Pinterestのアナウンスによれば、これまでにPinされたものも、元がGIF画像であるものは、GIFとして扱われるようになる。

今後登録するものについては、Pinterestに登録した時点で左下に「Play」および「Pause」のボタンが表示されるようになるようだ。

ちなみにこれは投稿時(Pin時)に、GIFを静止画として登録するのかどうかを選択するということではない。このボタンは各フィード上(メインフィード、カテゴリフィード、検索結果のフィード)に表示されるようになるのだ。表示される時点では従来と同様に「静止画」風に表示されるのだが、Pinされた画像がGIFである場合には、「Play」ボタンを押して動かして見ることができるということだ。これまではアニメーションを確認するためには、Pinがリンクされている元サイトに飛ぶ必要があった。

GIFというのは昔からウェブ上ではいろいろな場面で利用されてきた。このGIF共有に最も利用されているように思われるのがTumblrだろう。しかしPinterestがGIFを正式サポートすることで、この状況も変化することになるかもしれない(しかも最近はTumblrのトラフィックが伸びていないらしいのだ)。

ちなみにFacebookはビデオのオートプレイ機能を実装している。今後はGIFもサポートするのではないかという噂もある。GIFサポートには技術的な問題は何もない。しかし今のところはタイムラインを騒々しく見せたり、あるいは低品質なGIFが動き回ることによるユーザーエクスペリエンスの品質低下を心配しているようだ。

そのような中、PinterestのGIFサポートは「おいしい」狙い目なのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter、カード・アナリティクス機能をリリース―表示数、クリック数、フォロワー情報などを詳細にモニタできる

ブランドやウェブサイトのパブリッシャーは何をツイートすべきかについて正確なヒントを得られるようになる。今日(米国時間1/23)、TwitterはTwitter Cardsアナリティクスを発表した。このダッシュボードはTwitterカードを通じたページ表示、URL、クリック、アプリのインストール、パブリッシャーに対するフォロー、ツイートに対するリツイート、他のユーザーによるメンションなどの回数をモニタできる。

このサービスを利用することによってパブリッシャーはコンテンツを改善し、ユーザーの間での人気を高め、最終的には収益性も改善できるだろう。

Twitterは昨年6月に初歩的なアナリティクス・ツールを全ユーザーに公開したものの、利用が広く普及しているとはいえない。しかし今回のダッシュボードのローンチでTwitterカードのパブリッシャー広告主は新たに詳細な知識を得ることができるようになった。デベロッパーはアプリのドキュメントのページがどのように利用されているかを調べることができる。

概要を知るにはTwitterがブログで公開した紹介ビデオを見るのが手っ取り早い。

カード・アナリティクスはパブリッシャー自身のツイートだけでなく、パブリッシャーのサイトに向けられたすべてのツイートをモニタする。 Twitterは現在、BuzzFeed、NBCNews、Time Inc.、ESPN、MLB、Flipboard、Etsy、Foursquare、Pathと共同でテストを行っているが、すぐに一般のカード・ユーザーも利用できるようになる。

ダッシュボードの画面トップにはURLクリック、インストールの試み、リツイートという3つのタブがある。ユーザーはチェックしたい期間をカレンダーから選択できる。概要表示ではパブリッシャーのサイトのURLがツイートされた回数、表示された回数、クリックされた回数を知ることができる。

カード・タイプのセクションでは、カードの種類別に全パブリッシャーの平均と自分のクリック率が比較表示される。パブリッシャーは写真、ギャラリー、要約など利用しているカード別にどのような成績を上げているかを知ることができる。

インフルエンサー・タブはパブリッシャーにトラフィック送り込んでくる他のアカウントについての情報を与える。たとえばある著名人がいつもユーザーのサイトについてツイートし、大量のトラフィックがもたらされてくることがわかられば、その著名人との関係をさらに改善するような手が打てるわけだ。

カード・アナリティクスには、パブリッシャー自身のツイートを分析する機能jもある。全ツイートに対する自身のツイートの影響を比較したり(トップのスクリーンショットで小さい円がパブリッシャー自身のツイートを表す)、時系列でフォロワー数の変動を追ったりできる他、フォロワーの性別、居住地、主要な関心などの情報も得られる。ソース・タブではパブリッシャーのアカウントに対するトラフィックがTweetDeck、Twitterのウェブサイト、iPhoneアプリなど、どのソースから発しているかを表示する。

今後重要性を増していきそうなタブは、アプリのインストールについてのものだ。デバイス・タブにはカードにアクセスしたユーザーのうちデバイスにアプリをインストールしたユーザーの率、アプリ・インストール・タブにはカードのクリックによってアプリ・ストアに向けられたクリックの数が表示される。

これまでTwitterへの重要なコンテンツ供給者であるカードのユーザーは自らのパフォーマンスに関する情報がほとんど得られないままで行動せざるを得なかった。今回のアナリティクス・ダッシュボードはこの状況を大きく改善するものだ。コンテンツの改善はパブリッシャーだけでなく、一般ユーザーにとっても利益となり、Twitterの利便性を全体として改善することに役立つだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


独自SNSが作れる「Revolver」にネット通販機能が追加、無料EC「BASE」と提携で

アーティストやブランドが熱狂的なファンと交流するための独自SNS構築サービスといえば、レディー・ガガさんの「LittleMonsters.com」を仕掛け、Google Venturesなどから580万ドルを調達した米国のスタートアップ「Backplane」が有名だ。日本では、昨年11月に開催したTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルに登場したリボルバーが同様のサービス「Revolver」を手がけていて、芸能人の倖田來未さん板野友美さん、ジャーナリストの佐々木俊尚さんらがファンコミュニティを構築している。そのリボルバーが23日、ECサイト構築サービス「BASE」と提携し、RevolverにSNSを開設したユーザーが商品を販売できる機能を追加した。

第一弾として、元AKB48の板野さんが開設するSNS「Team Tomo」上に専用ECサイトを公開。彼女がプロデュースしたジャージの販売をスタートした。Team Tomoは、板野さんのブログやTwitter、Facebookページを集約する場として機能するとともに、専用ECに送客する。リボルバーは今回の提携を通じて、年内に著名人を中心とする約100サイトにECサイト機能を追加したいという。

RevolverはHTMLやCSSなどの知識がなくても、専用の管理ツールを使うことで「最短で数分」(リボルバー)でPinterest風のコミュニティサイトを開設できるのが特徴。PCやMacだけでなく、スマートフォンやタブレットにも最適化される。2013年11月に正式公開し、これまでに約1400件のSNSが開設されているのだとか。リボルバーの小川浩CEOによれば、今後はクローズドなSNSをリリースし、Yammerといった社内SNSの領域にも参入したいと話している。


Facebook、モバイル広告ネットワークに意欲―サードパーティー・アプリへの広告配信実験を開始

今日(米国時間1/22)、Facebookは公式ブログでサードパーティーのモバイル・アプリにFacebook広告を配信する実験を開始したことを発表した。

広告ターゲティングのために用いられるデータや配信される広告の表示フォーマットなどの詳細は載っていないが(Facebookの広報に問い合わせたところ回答を得た。記事末のアップデート参照)、記事は「この実験はFacebookの強力なターゲティング能力を生かして広告の関連性を高めFacebookへの広告出稿者を助けると同時に、アプリのデベロッパーのマネタイズに寄与する」と述べている。

Facebookはまた「われわれは以前にも同様のテストを実施したが、今回は外部の広告配信プラットフォームを使っていない。Facebookが広告主、パブリッシャーと直接交渉するモバイル広告ネットワーク構築の実験だ」としている。

2012年にFacebookがZynga.comに広告の配信を始めたときにFacebookは広告ネットワークづくりを始めるのではないかという観測が流れたことがある。当時TechCrunchのJosh Constineが「ユーザーのプライバシーに関する懸念があるものの、Facebookは同社の青いロゴ入りの広告を全インターネットに広げたいと考えている」という記事を書いた。

Facebookは限定的な実験であることを強調しており、Zynga.comの場合もそうだったが、これがすぐに大規模に実施されるようになるとは思えない。しかし現在のモバイル広告のターゲティングが一般に限定的であることを考えれば、Facebookがサードパーティーに広告を配信するようになるのは自然の成り行きだろう。Facebookは外部からのユーザーデータをFacebook内の広告ターゲティングに役立てる FBXプログラムも成功させている。

TwitterがMoPubを買収した動機も特定の限定されたアプリ以外からモバイルでの広告収入を得る手段を獲得することだった。

アップデート: 私の問い合わせに対してFacebookの広報担当がメールで次のように回答してきた。「この実験では読者に興味ある広告を表示するために、Facebook内でいいね!したページやプロフィールの関心事項など標準的なターゲティングデータが用いられます。また表示される広告にはFacebook広告のスタイルは用いられず、Facebookが配信していることも表示されません。この実験はFacebookのターゲティング能力がサードパーティのモバイル・アプリの広告の関連性を高めるために役立つことを実証しようとするものです。」

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Pinterest、「Rich Pins」の仕組みを活用するレシピ検索機能の提供を開始

Pinterestが本日アナウンスした所によると、同サービスを使ってレシピを発見、保存、共有、検索している人にとっての使い勝手をアップさせたとのことだ。自分のボードに集めておいたお気に入りレシピや、あるいはPinterst上にあるすべてのレシピから、料理のタイプや、素材による検索が行えるようになったのだ。

Pinterestをレシピ管理の場として利用する人は多く、2011年にはサイトに登録されたPinのうち11%がレシピ関連のものだったが、2013年の秋には18%に増加している。

Pinterestで食材をもとに検索する際、単に入力した素材にヒットするものが表示されるだけでなくカテゴリにより絞り込むことができるのが嬉しい。たとえば「Vegetarian」や「Gluten free」、あるいは「Paleo」などを指定することができる。また「indulge me」というラジオボタンもあり、これを選ぶと「ヘルシーさは無視」したレシピを検索することができる。Pinterestはブログでも今回のアップデート内容につき報告している。

検索方法は非常に簡単だ。検索語入力欄に特定の材料を入力するだけだ(例えば「salmon with asparagus」等)。検索結果のページには、先に言及した絞り込み用のラジオボタンメニューも表示される。気に入ったメニューはもちろん自分のボードに保存しておくことができる。そうして集めたレシピの数が多くなってきた場合、自分自身でPinしたものからのみ検索するということもできるようになっている。

この新しい機能を開発したのはJeff Millerだそうだ。レシピ関連サービスを提供していたPunchforkのファウンダー兼CEOを務めていた人物だ。2013年1月にPinterestが買収している。ちなみにこれはPinterestにとって最初の買収となった案件だ。Punchforkでも、今回Pinterestで実装したのと同様の、レシピ検索や絞り込み検索の機能を提供していた。

ちなみにレシピ検索は、Pinterestが「more useful pins」として注目している分野のひとつだ。単に検索語にヒットする写真だけを表示するのではなく、構造化データを活用してPinされた内容のみならず関連情報をも提示しようとして開発を続けている。たとえばレシピの場合ならば材料、調理時間などを表示するようにしているわけだ。オリジナルのコンテンツサイトに若干のコードを加えることで、こうした「Rich Pin」が作成できるようにしている。レシピの他には映画や製品情報などについても同様の仕組みを提供している。

Pinにいろいろな情報が含まれるようになれば、利用者にとってさらに便利になるとともに、Pinterestにとっても利用者のPin情報を解析して個々の利用者の傾向を把握することができるようになる。Pinterestは、徐々にこうした「パーソナライズ」の面にも注力しつつあるようにみえる。これはもちろんPinterest最初のプロダクトであり、年内にも正式運用を開始する予定となっているPromoted Pinsを有効に活用するための道でもあるわけだ。

レシピ検索の機能は現在ウェブ上で確認することができる。モバイル版でも間もなく利用できるようになるとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、ページからのテキストベース投稿の表示を減らし、友達のテキスト投稿を増やす

先ほど、Facebookはニュースフィード・アルゴリズムに少々手直しを加えたことを発表した。新しいニュースフィードではページからのテキスト・ベースの投稿の表示が減り、その代わりにユーザーからのテキストベースの投稿の表示が増えるという。

テキストベースの表示は減っても、メディアベースあるいはリンクベースの記事の表示はおそらく増えるだろいうというのがFBページの管理者にとっての良いニュースだ。

公式ブログによると、 Facebookが行ったテストの結果、ユーザーからのシンプルなテキストベースの投稿の表示が増えるほどシェアされる率も増えたという。しかしページからのテキストのみの投稿は同じ結果をもたらさず、シェア率は増えなかった。そこでFacebookはページからのテキスト投稿の表示割合を減らすことにした。

これに対してページ管理者はどのように対処すべきだろうか?

写真、動画などを豊富に含むコンテンツを作るという当然の方向以外に、リンクのシェア機能を利用してウェブページをサムネール表示でシェアすることをFacebookでは勧めている。

先月、Facebookではニュースフィードに表示されるリンクの数を増やすという変更を行った。これはおそらくライバルのサービスのニュース提供能力に対抗するためだろう。噂では、ニュースフィードのアルゴリズムの手直しはFacebookのニュース・アプリに対する全面戦争の一環にすぎないという。Facebookは近くFlipboard風のソーシャル・ニュース・サービスをスタートさせるのではないかということだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


日本上陸間近? Spotifyがソーシャルメディアウィークにやってくる

2月17日から5日間、東京を含む世界8都市で「ソーシャルメディアウィーク」が開催される。東京で3度目の開催となる今回は、初の試みとしてハッカソンを実施。そこでは、数年前から「日本上陸間近」と言われている定額制音楽配信サービス「Spotify」がAPIを提供するとともに、イベントスポンサーにも名を連ねている。Spotifyの一部UIはすでに日本語対応していることもあり、いよいよ立ち上げ準備が最終段階に入ったのかもしれない。

Spotifyのイメージ

Spotifyは2008年10月にスウェーデンでサービスを開始。Sony Music EntertainmentやEMI、Warner Music、Universal Musicといった主要音楽レーベルと提携し、2000万曲を配信している。一定間隔で広告を配信するかわりに無料で聴けるFree版と、広告がなくオフラインでも聴ける月額9.99ドルのPremium版がある。2013年12月時点では欧米など55カ国に展開し、月間アクティブユーザー数は2400万人、うち600万人が有料会員だという。

そのSpotifyがソーシャルメディアウィークでAPIを提供するのは「Music Hackday」と題するハッカソン。アーティストやデザイナー、プログラマー、デベロッパーが集まり、SpotifyのほかGracenoteやThe Echo NestなどのAPIをもとに、ソフトウェア、ハードウェア、モバイル、ウェブ、楽器、アートなど、音楽が関係していれば何を作ってもアリというイベントだ。東京・原宿の会場で2月22日から夜通し24時間ハックに打ち込める環境を用意している。一度帰宅して2日目に再参加することも可能だ。

日本でSpotifyの立ち上げ準備を進めているハネス・グレー氏は、Music HackdayでAPIを提供するにあたって、TechCrunchからの取材に対して次のようにコメントしている。「日本の音楽産業は活気に満ちていて、テクノロジーコミュニティも賑わっている。ハッキングの精神で音楽と技術を組み合わせるのは心が踊る。Spotifyはさまざまな音楽体験を可能にするAPIをいくつか用意しているので、Music Hackdayでお会いしましょう」。

ハッカソンはこのほか、エンジニアやマーケター、デザイナーでチームを組み、サービスが成長段階で持つ課題を解決することを目的とした「Social Media Week TOKYO 2014 グローサソン」を2月18日に、記者やエンジニア、アナリスト、ウェブデザイナーが1つのチームとなり、社会問題をデータに基づいて分析し、わかりやすいビジュアルで伝える「データジャーナリズム・ハッカソン」を2月20日に開催する。


Facebook、Twitterに対抗して「人気の話題」をサイドバーに表示―当面英語圏に提供

Facebookは昨年8月にウェブとモバイルでTwitter風のTrending Topics(人気の話題)のテストを開始していたが、今日(米国時間1/16)、このTrendingを右サイドバーのトップに組み込んだ新デザインを正式にリリースした。

現在、新デザインが公開されているのはアメリカ、イギリス、カナダ、インド、オーストラリアだ。個人別にカスタマイズされた「現在もっとも大きい反響を呼んでいる単語、フレーズ」のリストには、それぞれに反響を呼んだ理由が簡単に解説してある。項目をクリックすると 友達からのコメント、関連ページ、フォローしている相手の公開投稿などが表示される。

TrendingセクションがFacebookのユーザーに好評であれば、ユーザー・エンゲージメントを改善するのはもちろん、それより重要な点だが、Facebookを新たなリアルタイムのニュース源として認識させる効果があるだろう。Facebookはニュース性という点では長年Twitterに水をあけられていた。

人気の話題:Facebook対Twitter

FacebookのTrendingセクションは説明が入るためTwitterのシンプルなリストに比べていくぶん煩雑に見えるものの、その分わかりやすいというメリットもある。Twitterの人気の話題リストはなぜこのテーマが話題になっているのか理解に苦しむことがよくある。たとえばサッカーファン以外は#SuperDraft;というハッシュタグがメジャーリーグ・サッカーのドラフトのことだとすぐには分からない。

Facebook版では24項目をリストするだけでなく、たとえばクリチャーノ・ロナウドであれば「レアル・マドリードで昨年大活躍し、今年のFIFA欧州年間最優秀選手賞を獲得した」という説明が入る。

Facebook Trending (Left) vs Twitter Trending Topics (Right)

私の取材に対して「Facebookはユーザーに対する豊富なデータを利用して個人別にカスタマイズした「人気の話題を提供する。Facebook全体での反響の大きさと個人の関心の双方を考慮している」と語った。

ただし、項目をクリックした後で表示されるFacebookのTrendingページ(上のスクリーンショット)はTwitterに比べてシンプルだ。ここに表示されるのはページ、著名ユーザー、フォローを許可しているユーザーからの投稿へのリンクの一覧だ。TwitterのTrendingのページのほうが写真やフォローのすべきユーザーの推薦などが入っており、わかりやすい。

しかもTwitterはリアルタイム・ニュースのメディアとして確立されており、またほとんどの投稿が公開であるということもあって、Trendingの内容も豊富でリアルタイム性も高いようだ。

[アップデート:Facebook Trendingを実際に利用してみた]

さきほど私のところでもTrendingが使えるようになったので、実際に使ってみた感想を報告しよう。「人気の話題」に簡単な解説がつくのは便利だが、内容の選択がパーソナル化されているという感じはあまりしなかった。私は熱心なスポーツファンではなく選手はチームをフォローしたりスポーツ関連の投稿を「いいね!」したり共有したりしたことは一度もない。それなのにトップにスポーツ選手のスキャンダルの話題が2項目も入っていた。

また24項目のうち10項目はニュースメディアの記事へのリンク、あるいはまるごと引用した投稿へのリンクで埋まっていた。こうしたことからみて、このセクションがTwitterのようなユーザーからの投稿のトレンドを知る場というよりニュースメディアや著名人の配信チャンネルになりのえはないかと懸念される。

TwitterのRTに比べてFacebookのシェア・ボタンは利用される率が低い。そこで著名人でないユーザーからの投稿はたとえ面白いものでもなかなか広まらない。

また時間の逆順での表示が必ずしも守られていないので、現在何が起きているかをリアルタイムで知るというようり高度3000メートル上空からの鳥瞰図のような印象を与える。両者の目的と実現手法にはやはりかなりの違いがあるようだ。

TwitterのTrendingがその瞬間の世界の鼓動を伝えるのに対してFacebookのTrendingは「その日の大きな事件の見出し」だ。双方それぞれに役立つ。

もちろんFacebookのTrendingはきわめて初期のバージョンであり、ユーザーからのフィードバックを受けて今後どのように改良されていくか注目だ。いずれにせよFacebookのTrendingの有用性が高まるためにはもっと公開投稿が増える必要があるだろう。

公開の対話をモニタする

実際、それこそ現在Facebookが懸命に努力している目標だ。昨年マーク・ザッカーバーグはハッシュタグ認証ユーザー投稿のエンベッドなどTwitterの機能を次々にコピーしてFacebookに取り入れた。’またニュースフィードをTwitter式に時間の逆順に最新の投稿をトップに表示するように変えた。またビジネスパートナーがfirehose(全投稿のフィード)にアクセスしやすくした。最近ではスポーツニュースのフィルターサイト、SportStreamを買収している。

こうした一連の動きはすべてFacebook上で公開の対話を盛り上げることが狙いだ。 Twitterはテレビの人気番組、アカデミー賞などの発表、スポーツ試合などを巡って膨大な投稿を吸い上げている。こうした公開の対話は広告ターゲティングの精度を改善するためにも重要な要素となる。

火曜日のスタンフォード大学でのインタビューでザッカーバーグはFacebookの新たな目標は人口知能を利用して世界の現状を理解するモデルを構築することだと述べた。この野心的計画を実現する上でもTrendingの収集と正確な分析、そして何より公開の会話の強化は必須となるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


1日分の写真を翌日に公開する「非同期型写真共有サービス」のDays、「繋がり」の拡大を意識した新バージョンを投入

6ヵ月ほど前、TechStarsの出資するDaysという写真共有サービスがスタートした。これはこれまでの写真共有サービスとは全く違った形の写真共有エクスペリエンスを提供するものだ。写真を撮ったそのときに、写真をシェアするという普通のやり方ではなく、撮影した写真を1日単位でまとめ、翌日にひとつのパッケージとしてシェアする仕組みになっている(写真の綺麗さを気にするのでなく、リアルな1日を再現することを目的としており、フィルタリングなどの機能はない)。

このDaysがいろいろと新しい機能を加えて、新しいバージョンをリリースした。外見も美しくなり、さらに便利かつ面白く使えるようになったようだ。

そもそもDaysの立ち上げ当時、ファウンダーのJeremy Fisherは、Instagramのようなスタイルではなく、より没入型(immersive)のエクスペリエンスを提供するサービスを作ろうと考えていたのだそうだ。

いろいろな人からのさまざまな写真をばらばらと表示していくのではなく、友達や家族の日々の「生活」をうかがい知るための「窓」を提供しようとするものなのだ。

但し、Daysはごく親しい人とのみ写真をシェアするためのアプリケーションというわけでもない。利用者は増加して、そしてそれまでは何の関係もなかった人のDaysを見ることを楽しんでいるようなのだ。そうした背景もあって、今回の新バージョンでは、これまで繋がっていなかった人をDays上で見つけるためのDiscoverタブが導入された。またハッシュタグや、クリック可能な@メンションの導入も、やはりDays内でのソーシャルグラフ構築を意識したものと言ってよいだろう。

また、閲覧数カウンターも導入された。これによりフォロワーのうちのどれだけの人が、投稿したコンテンツを見たのかを把握することができるようになった。

ただ、多少「参入障壁」が高いアプリケーションであるようにも感じられる。そうした意見は他にもあるようで、Fisherもその点を気にしているのだそうだ。そうした点に対処するため、今回のバージョンからサインアップしなくても利用できるようにしたのだそうだ。

さらに、DaysのGIF機能にも変更が加えられた。もともと、10秒以内に連続して撮られた写真があれば、それをGIF化する機能を持っていた。新しいバージョンでは、作成されたGIFから指定した写真を取り除くことができるようになった。失敗したものが1枚まざってしまうことで、全体を台無しにしてしまうのを防ごうという趣旨だ。

尚、現在のアクティブ利用者数については教えてもらえなかった。

Days Version 2はApp Storeから無料でダウンロードできる。

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(翻訳:Maeda, H


Google+のユーザーはアドレスを知らなくても他のユーザーにGmailを送れるようになる―オプトアウトは可能

今日(米国時間1/9)、GoogleはGmail内からGoogle+のユーザーにメールを送れる機能を追加した。便利ではあるが、不要なメールが増える可能性がある。

今後、Google+のユーザーはメールアドレスを知らなくても他のGoogle+ユーザーにGmailメールを送信できる。デフォールトでは「すべてのGoogle+ユーザー」が対象になっているが、オプトアウトも可能だ。

GmailではTo欄に相手のメールアドレスを入力し始めたとたんに、自動補完が始まるが、この新機能が有効になっていれば、通常の連絡相手のリストの下に「Google+の連絡相手」のリストが表示される。

プライバシーおよびスパム抑制の観点からGoogleは「誰からのメールを受け取るか」をユーザーが選択できるようにしている。

「誰からも受け取らない(No one)」を選択すればこの機能は無効になる。デフォールトでは「全員から受け取る」になっているが、「サークル」、「拡張サークル」を選ぶこともできる。今日ではYouTubeにコメントするにも、新しいGmailのアカウントを作るのにもGoogle+のアカウントが必要だから、Google+の「ユーザー全員」というのはずいぶん広い範囲になる。

またこのGoogle+の連絡相手リストには自他の実際のメールアドレスは表示されない(実際にメールをやりとりすれば当然メールアドレスは判明する)。

この機能は先日公開されたGmailのタブによる振り分け機能を利用している。現在Gmailの受信トレイは、メイン、ソーシャル、プロモーション、新着、フォーラムなどのタブに分けられている。Google+で自分のサークルに入っている相手からのメールはメイン・タブに、そうでない相手からのメールはソーシャル・タブに振り分けられる(このメールに返信しないかぎり相手には実際のメールアドレスは分からない)。

この機能は送信者としてみた場合は大いに便利だが、受信者としてはそれでなくても多い不要なメールの着信を増やす可能性がある。受信トレイにタブUIを使っていない場合は特にそうだ。Googleはユーザーごとにこの機能を有効にする前にメールで通知を送り、好みの受信設定をするよう促している(受信設定へのリンクが通知される)から洪水を予防する余裕はあるわけだ。

Googleによるとこの機能はここ数日かけてGmailとGoogle+の双方のアカウントを持つ全ユーザーに公開されるという。いち早く受信範囲を設定したいならGoogleからの通知メールを見逃さないように。

〔日本版:1/10早朝現在、訳者の環境ではまだ有効になっていない〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitterの共同ファウンダー、ビズ・ストーンが新Q&Aサービス、Jellyをローンチ―秘められた目的を語る

Twitterの共同ファウンダー、ビズ・ストーンは新しい秘密プロジェクトJellyが目指すところを明かした。Jellyは画像と短文でソーシャルネットワークを通じて友だちに質問ができるモバイル・アプリだ。たとえばストーンはサンフランシスコで見かけてスナップした芸術作品の写真を添えて「これは何だろう?」と質問し、すぐに何十件もの回答が得られたという。

今朝(米国時間1/8)のローンチ後、ネットにはJellyに対する戸惑い批判が渦を巻いている。これは主に、質問を短く制限し、問いかける相手もソーシャルネットワークでつながっている友だちという狭い範囲に制限するという仕組みが奇妙に思えることから生じたものだ。

しかしストーンにインタビューしてみたところ、Jellyに一見した機能以上の野心的でユニークが目的が秘められていることが判明した。Jellyが目指すところは単に知識を与えるQ&Aツールではなく、ユーザー間にエンパシー(共感、自己移入)を醸成することだった。

「Jellyは自分の周囲に自分を必要としている人たちがいることを日常的に感じさせる。それによって世界をより共感に満ちたものにする一助となる」とストーンは言う。

しかしJellyはもちろんQ&Aツールとしてもちゃんと機能する。たとえば今朝、こんな論理学の質問をしたところすぐに答えが返ってきた。

同様にファッション、旅行、インテリアなどの質問にも便利なツールだ。COOのKevin Thauの姪がアクリル絵画の技法について質問したところ、友だちの友だちのアートディレクターから回答があり、さらにその友達である人気テレビドラマのドクターハウスのGreg Yaitanes監督から感想が寄せられたという。

「スーパーでレジの行列に並んでいるような短い隙間の時間に気楽に使えるようなQ&Aネットワークにしたい。今は人口知能が大流行だが、単なる人間の知能ではなぜいけないのだ? なにしろ70億人もの人々がいるのだからそこには大量の知能があるはずだ」とストーンは言う。

しかしJellyの目的は「人間知能」による総合的な検索エンジンになることだけではない。ここではストーンが語ったとおりに引用するのがよいだろう。

非常に便利な検索エンジンを提供するという以外に、Jellyはエンパシーのサークルを作るのが目的だ。Jellyを日常的に使ううちにユーザーは「まわりには私を必要とする人がいるし、私はその人たちを助けてあげられるし、感謝してもらえる」と考えるようなる。うまくいけば、それがきっかけでユーザーたちがアプリの世界を飛び出して現実でも助けを必要とする人々を探し、手を差し伸べるきっかけになるかもしれない。そうしたすばらしいだろう?

なるほど、そう考えるとJellyの少々変わったフォーマットも納得がいく。自分の知っていることを教えるのは他人を手助けするもっとも容易な第一歩だ。Jellyはいったりきたりの長々しい議論ができないように仕組んである。求められているのは単刀直入な回答、それだけだ。

「世界のエンパシーを増大させる」というJellyの秘められた目的は野心的に過ぎるだろうか? しかしその発案者にはすでに世界を大きく変えた実績がある。偉大な実験として見守っていきたいと思う。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、スパムSEOのRap Geniusへの制裁を解除―ツールを開発して17万以上のURLを削除して謝罪

Googleはスパムを処罰するより一般ユーザーの利便性を優先することにしたようだ。SEOスパム行為があったとして検索ランキングを大幅にダウンされていた歌詞等の注釈共有サイト、Rap Geniusが10日ぶりに以前の位置に返り咲いた。

このまま続けばRap Geniusにとって「死の宣告」になりかねない制裁だったが、意外に早く解除されたのは不当なリンクをすべて削除するなど真剣な反省の態度が認められたものだろう。今日(米国時間185)、RapG eniusは、どういうスパム行為をしたのか、またスパムリンクをどのようにして一掃してGoogleから制裁解除を取り付けたのかについて詳しく公表した

問題はRap Geniusが始めたブログ・アフィリエイトというプログラムだった。これはブロガーがRap Geniusの注釈投稿へのURLを多数含む記事を公開すれば、見返りにその記事のURLをRap GeniusがTwitterなどのソーシャルメディアに投稿してプロモーションするというものだった。たとえばRap Geniusはメール・フィルタリング・サービスのファウンダーのMarbachにJustin Bieberの新曲に関する注釈投稿のURLを末尾に多数埋め込んだ記事を公開するよう依頼した。

しかしGoogleは「記事内容と無関係に検索アルゴリズムに影響を与える目的でリンクを操作する」ことを検索スパムとして厳禁している。Marbachがブログ記事で公表したRap Geniusのブログ・アフィリエイト・プログラムはまさにこれだった。

Rap Geniusはただちに謝罪したが、Googleは 検索ランキングを劇的に下げる制裁を発動した。それまで常に検索順位のトップ近くを占めていた注釈投稿や歌詞の検索結果は5ページ目から6ページ目に転落し、た。制裁はクリスマスを直撃し、Rap Geniusのトラフィックには壊滅的打撃を与えた。Quantcastよると、それまで毎日70万前後だったユニーク訪問者が制裁によって10万以下になったという。

このときRap GeniusはTechCrunchに「われわれはGoogleと協力して問題解決を図っている」と語ったが、その交渉は最後には成功したようだ。今日公開された長文のブログ記事でRap Geniusは詳しく事情を説明している。

その記事によると、共同ファウンダーのMahbod Moghadam、Tom Lehman、Ilan Zechoryは当初ブロガーにリンク入り記事を書いてもらうよう依頼することは問題ないと考えていたようだ。しかし「すぐにわれわれはやり過ぎをしたと気づいた。制裁を受けたのは当然だった。馬鹿をやったことについてGoogleとわれわれのファンにお詫びしたい」と述べている。460万人分のデータ流出を起こしても絶対に謝らないSnapchat流とは対照的な危機管理だ。

Googleは「Rap Geniusのサイトに対して不自然、人為的、欺瞞的なリンクが多数発見された」廉でその検索順位を手動で下げる制裁を課した。その解除のためにRap Geniusはスパムと認定されたリンクをすべて削除し、記事のソースにnofollow属性を付加しなければならなかった。 しかしブログ・アフィリエイトで収集したリンクは何十万にも上りウェブ中に散らばっていた。そこでRap Geniusは知り合いの優秀なウェブマスターに応援を求め、スパムリンクを発見して削除するスクレイパー・ツールを開発してもらった。そのリンクうちでRap Genius側で削除したりnofollow属性を付与したりできない分についてはリストにしてGoogleのDisavowツールに引き渡した。このツールはリンクが検索結果に影響を与えないようにすることができる。.

イェール大学で学んだくせにマーク・ザッカーバーグに「くたばれ」などと悪態をつく 連中がAndreessenから1500万ドルも集めた秘密がスパム問題の処理によく現れている。RapGeniusはNokogiri、Typhoeus、Herokuのツールと巧妙なコーディングによって急遽、きわめて効率的なスパム削除ツールの開発に成功し、15分間ですべてのURLを突き止めたという。そのコードのスニペットはブログで公開されているが、こうした対応RapGeniusが採用を狙っているギークな人材に好印象を与えるかもしれない。

結局、ツールが発見し、処理したスパムURLは17万7000に上った。そしてこれでGoogleを満足させることができたらしい。

とはいえ、Rap Geniusがシリコンバレー最強のベンチャーキャピタル、Andreessen Horowitzの支援を受けていることも有利に働いたはずだ。なんのコネもない無名のスタートアップだったら、こう素早く許してはもらえなかったのではないかという声も出ている。

なにかまだ制裁の影響が残っているかどうか詳細には調べていないが、当面Rap Geniusのサイトは“Kanye West Blood On The Leaves Lyrics”などをキーワードに検索するとトップに表示されるようになった。.

結局Googleは一般ユーザーの利便を第一にしたのだろう。Rap GeniusのSEO戦術は遺憾なものだったが、ライバルに比べればはるかに良質なサイトだ。いつまでも制裁を続けるとユーザーは他の、もっと品質の劣るサイトに流れてしまう。AZlyricsやMetrolyricsなどのライバルのサイトは月額9.99ドルなどという法外な料金の着メロ広告が満載だ。さらに怪しげなSEOをしていることも疑われている。たとえば上のスクリーンショットはAZLyricsだが、ミュージック・プレイヤーのように見えるのは別のサイトにジャンプさせるための偽装ボタンだ。ご用心あれ。

For more on the absurdity of Rap Genius, check out:

When Growth Hacking Goes Bad

スパムSEOを働いた人気歌詞注釈サイトのRap GeniusにGoogleが厳しい制裁

Video Interview: Ben Horowitz And The Founders Explain Why A16Z Put $15M Into Rap Genius

Rap Genius Is Getting Into Breaking News Analysis With News Genius

Rap Genius Reveals One Of Its Business Models Will Be ‘Enterprise Genius’ Collaborative Tool

[Image Credit: Danny Ghitis]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


共有時に選んだ相手とのみ、簡単に位置情報シェアを行うMarco Polo

Marco Poloというスマートフォンアプリケーションがある。友だちがどこにいるのかを探したり、待ち合わせをしたりするのにも使えるアプリケーションだ。

アプリケーションの仕組みは名前そのままだ。子供たちの間でメジャーなマルコポーロというゲームと同じような感じで利用する。テキストメッセージでお互いの情報をやり取りするのではなく、単にアプリケーションの「Marco」ボタンを押し、自分のいる場所を示すピンをシェアするのだ。「Marco」ボタンを押すと、誰とシェアするのかを設定する友達リストが表示される。そのリストからシェアしたい友人を選ぶ(位置を示すピンにメッセージや画像を付け加えることもできる)。

逆に友人からの位置情報を受け取った際は、自分も情報をシェアするかどうかを選ぶことができる。また、アプリケーションを持っていない人には、自分の場所情報を表示するリンクが送られることになる。

もちろん、SoLoMo(social-local-mobile)というバズワードも生まれてくるくらいに、位置情報などを取り扱うアプリケーションは数多くリリースされている。しかし、このMarco Poloのような狙いをもつアプリケーションは数少ないのではないかと思う。

共同ファウンダーのAneel Ranadiveはメッセージを送るよりも押し付けがましくなく(控えめで)、また堅苦しくないやり方で情報共有をしようと目指しているそうだ。AppleのFind My Friendsや、Forusquare、あるいはFacebookなどとは根本的に異なるものだとも述べている。たとえばFind My Friendsのように、常に位置情報を公開するのではなく、そしてFoursquareと違って公開時に共有相手を選ぶことができるようになっているのだ(特定の場所について、一部の人とは情報共有したくないのだが、しかしアンフレンドはしたくないといったときに便利だろう)。最近はSnapchatのようなツールで、相手も時間もともに制限的に情報をシェアしようという動きが広まっており、そのトレンドにものるものだと言えるかもしえrない。

(Update:何人かの人からGlympseがあるじゃないかとツイートを受け取った。なるほど、確かに狙いは同じところにあるのかもしれない。ただ、個人的な感想を言わせて貰えれば、実装方法にはなかなか大きな違いがあるように感じる)。

尚、このMarco PoloはPinchitをリリースしたのと同じメンバーによるものだ。投資家(兼カリフォルニア州6分割構想の唱導者)であるTim Draperや、Facebookの共同ファウンダーであるEduardo Saverinなどからのシード資金を集めてクーポンサービス系のサービスを提供しようとしていた。Marco Poloのリリースにより、スタートアップは方向転換することとなったわけだ。

Marco PoloはiPhone版が提供されていて、Android版もベータ版ではあるが利用できる状態にある。但しRanadiveによれば、一般公開したのはつい最近のことであり、ようやくテスト段階を抜けだしたところであるとのこと。

こちらでもアプリケーションを試してみた。親しい友人で同アプリケーションを使っている人はまだいないようで、実際に友だちに会うための用途としては利用できなかった。しかしRanadiveが居場所を通知してくれるのを見ているだけでも、なかなか面白そうな感じをうけた。また限定的な範囲に情報を公開することが簡単に行えるわけで、いわゆる「利用障壁」も低いアプリケーションであるように感じる。

面白そうだと感じた方は、こちらでアプリケーションを入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H


Vine、連続視聴に便利なTV Modeも搭載してウェブ版の提供を開始

Twitterの運営するVineがWeb版を新たにアナウンスした。また、投稿されているビデオをフルスクリーンモードで、連続して視聴するためのTV Modeも搭載された。

ストリームに流れてくるビデオを眺めたり、あるいは特定の人の過去の作品群を見てみたり、さらにはコメントを投稿したり、「いいね」したり、あるいはシェアすることもできるようになっている。

機能的な面でいえば、Instagramが提供しているようなものと同じ感じだ。ウェブ上で特定の投稿のみではなく、スマートフォン上で閲覧していくのと同様にいろいろな投稿を見て回ることができる。これまでもURLを指定すれば特定の投稿をウェブで見ることは出来たのだが、投稿者の他の作品を見てみるなどということはできなかった。ウェブ版でも特定作者の作品を続けて閲覧したりすることができるようになり、面白い作品を投稿した人の人気がさらに広まっていくことになるかもしれない。

Vineでは、昨年からウェブ版の用意を進めており、プロフィールページで用いるカスタムURLの受付を開始していた。取得したカスタムURLも、既に利用できるようになっている。

ちなみに今回リリースされたウェブ版は「フルバージョン」なものではない。たとえばwebcamを使ったビデオの投稿などは行えない。しかしこれまでに投稿したビデオをシェアしやすくなるのは間違いない。

また新たに加えられたTV Modeはかなり便利だ。ただ、ビデオを次々に再生するので、ループを使った面白さを味わえないのが少々残念ではある。ループをひとつの魅力として活用しているビデオはVine上に何本も登録されている。ループさせるかどうかをオプションで指定できるようにしれくれればと思う。但し「進む」と「戻る」のボタンがあるし、キーボードの矢印キーでも操作できる。繰り返しみたい場合、今のところはこれを使って対応することになる。

ウェブ版Vineは生まれたばかりではあるが、TV Modeはよく研究されたものだと言えるのではないかと思っている。多くの人がYouTubeなどのビデオサイト上でVineのコンピレーションを作成/閲覧して楽しんでいる。いくつものVineビデオを続けて閲覧したいと考える人は多く、それがこのTV Modeで実現したわけだ。「re-Vine」機能を使って、いろんな分野の「ベスト」を集めるコンピレーション専用のアカウントなども登場してくるに違いないだろう。

また、将来的にはタイムラインとは別の、Twitterでいう「リスト」のようなものができれば手軽にコンピレーションないしTV-Modeが楽しめるようになる。順序を変更する機能や、テーマ毎に複数のものが用意できればさらに楽しそうだ。

他にも面白い使い方があるかもしれない。ぜひウェブ版を試してみて、面白そうな使い方があれば教えて頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H


過去へのタイムトラベル気分を味わえるPic A Moment(Instagramの指定日時検索)

過去のある時点、とある場所に、いったい何があったのかを見てみたくなることがある。新しいシンプルなPic A Momentというモバイルアプリケーションが、それを可能にしてくれる。具体的にはInstagramの写真を検索するもので、都市名や店舗名などの場所と日付を指定して検索すると、指定した時期にその場所で撮影された写真を表示する。

場所の様子を見たいだけなら、Foursquareのチェックイン写真などを見るのが良いだろう。このPic A Momentは、コンサートやスポーツイベント、あるいは何らかの大事件等、その場所で過去発生したイベントの様子などを見るのに便利な感じだ。

使い方も簡単だ。スライダーを動かして、見てみたい日を指定する(本日、1日前、1週間前、1ヵ月前などを選択することができ、また特定の日付を入力することもできる)。但し、今のところはすべての日程を検索できるわけではなく、過去数ヶ月間に限定されている。日付の指定が終われば場所の名前を検索して、検索結果から見たい場所を選択する。場所が特定できる特定の店舗や都市名ではなく、たとえば「Starbucks」などメジャーな場所を検索した場合には、現在地に近い場所から順に表示されるようにもなっている。

指定した日時の結果を表示しつつ、画面上部のWolfram Alphaティッカーには、同じ日に起きた他の場所での事件やイベントが表示される。また画面下部のウィジェットには、その日の天候も表示される。写真をタップすれば拡大表示され、そこに表示されるユーザー名をタップすればInstagramのプロフィールページが開かれる。

Pic A Momentの共同制作者であるJose Azanza Ariasは、ジャーナリストやマーケッターにとっても便利に使える可能性があるツールだと述べている。「近くの人や同じ場所にいったことのある人を発見して、それらの人とInstagram上で交流するという使い方もあるでしょう」とのこと。

アプリケーションの開発はWunderman Buenos Airesというデジタルエージェンシーのクリエイティブおよび開発者たちが行ったものだ。2013年に、サイドプロジェクトとしてアプリケーションの開発に着手した。ちなみに以前にも迷子の犬を探すためのBack2getherというアプリケーションをリリースしている。

Ariasによれば、日々、世界中から集められた数多くの写真を目にしながら、その写真の意味するところやコンテクストなどを充分に理解しているとはいえないのではないかと考えるうちに、Pic A Momentのコンセプトを思いついたのだそうだ。こうしたコンセプトに基づき、さらに写真にまつわる情報を活用する機能を追加していく予定であるとも述べている。

位置情報に基づくInstagramの検索ツールは他にもある。たとえばInstalookGramoryなどを思い出す人もいるだろう。あるいは写真を使ったタイムトラベルということであれば、個人で撮影した写真を対象としている点が異なるがMemoirTimehopといったものもある。

Pic A Momentは後発であるだけに、iOS 7フレンドリーなインタフェースを持ち、そして詳細な住所の入力なども必要なく、簡単かつ素早く操作できるというメリットもある。

アプリケーションのリリースは2013年12月。iTunes App Storeに登録されていて、英語およびスペイン語で動作する。

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(翻訳:Maeda, H


Instagram Directは人気機能となるだろうか?

すでにご存知のことと思うが、InstagramはInstagram Directという、プライベートなメッセージング機能をリリースしている。

特定の人々にのみ写真を送り(最大15人まで)、そして送られた人たちの間のみでいろいろとチャットを楽しもうというものだ。

新機能は人気を集めていくだろうか。

まず、ともかくInstagramにプライベートなメッセージング機能を持たせることは必要なことだったと思う。FacebookやInstagramが公開性に注力している中、SnapchatやTwitterなどのライバルがダイレクトメッセージ(個人間のメッセージのやりとり)機能を充実させ、それで人気を集めている面もあるからだ。

しかしInstagram Directは、他のアプリケーションからの乗り換え組が出るような魅力は備えていないように感じる。

また、スマートフォンが総体としてなんでもできれば良いのであって、ひとつのアプリケーションでなんでもかんでもやろうとする必要はないのだと主張する人もいる。

そうした考えを念頭に置きつつ検討してみたが、取り敢えず明らかに言えることがひとつある。Instagram Directにはオリジナリティーが全くないということだ。

議論の詳細は上に掲載したビデオをご覧頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H


Snapchatのリプレイ機能は、Snapchat自体を消し去る時限爆弾?!

Snapchatを使っていて一番不便なのは、音声付きのスナップが送られてきたのに、うっかり聞き漏らしてしまうことがあることだ。騒々しいところで開いてしまったり、あるいは音がならないようにしているときに開いてしまったりする。Snapchatがリリースした最新版に搭載されたリプレイ機能は、そうした問題にも対処しようとするものなのかもしれない。1日に1度、送られてきたスナップをもう1度再生することができるようにするものだ。しかしこれがむしろ大きな問題を引き起こすことになる。自らの特徴である「はかなさ」(短期で消滅する性質:ephemerality)を失ってしまうことになるのだ。

Snapchatが大いに流行することになった要因は、送受信するメッセージ(スナップ)を一瞬だけ見ることが出来るという性質によるものだった。「瞬間」に集中する必要があり、それがためにコミュニケーションに集中することともなった。

しかし今回投入された「リプレイ」機能があれば、漫然と対処することが可能となってしまう。アプリケーションを開いたままにしていて、かつ他のスナップが送られてくる前であれば「すごいな。ちょっと際どくてナイスじゃん。もう一度見てみよう」などということが可能になるのだ。

もちろんFacebookのタイムライン投稿のように、永久に残ってしまうというものではない。しかしこれまでのように気軽になんでも送るようなことはできなくなる。構図はちゃんとしていただろうかとか、髪が乱れていたのではなかろうかなどと気になってしまう。

これまでSnapchatで送られるスナップは、一度だけ閲覧されてあとは記憶の中に残るのみとなるものだった。記憶というのは曖昧なものであり、それがために気軽になんでも送ることができたのだ。こんな写真を送ると何を言われるだろうなどということを気にする必要もあまりなかった。そうした性質のおかげで、馬鹿馬鹿しい内容で盛り上がったり、あるいは少々際どいスナップを送り合って笑い合ったりできたのだ。ちょっとしたおふざけ写真が後々までひと目にさらされるような危険性については考える必要がなかった。

これからはスナップの内容が再チェックされてしまうようになるわけだ。あるいは誰かに見せたり、さらには再生の様子を他のカメラで撮影したり、あるいはスクリーンショットに残したりすることもしやすくなってしまう。シモネタ絡みで楽しんでいた人たちは、少々使いにくさを感じてしまうことになるだろう。他の人に見せられたり、あるいはカメラで記録されたりする可能性がある中、際どい写真などは送りたくないと考えるのが普通だろう。

冒頭にも書いたが、リプレイが便利である場面というのも確かにある。しかしUI面でも機能面でも、あまりにひどいデザインであるように思える。機能を使うにはメニュー階層を深くたどって「Manage Additional Services」というメニューを発見して、そこから行う必要がある。ちなみにこの設定でリプレイが可能になるのは自分の端末上(人から送られてきたスナップを見る場合)であり、自分が送るメッセージをリプレイ可能性を設定するものではない。自分の送る画像やビデオのリプレイ可否を設定する方法は用意されていないのだ。

Snapchatは10月にもStories機能を発表し、短い時間で消滅するという自らの特徴とは違う方向への進化を模索しているように見える。これは24時間以内なら何度でも見られる形式でパブリックに、あるいは友人に対してスナップを公開するものだ。24時間たてば、スナップは消え去ることとなる。リプレイもこの流れにあるものと考えることが出来るかもしれない。しかしStoriesでは、何度でも閲覧可能とする設定を行うのは送信者側だった。リプレイでは、受信者が送信者の意図に関わらず、繰り返してスナップを見ることが出来るようになっているのだ。

リプレイの目的が、ビデオを見るのにうっかり音声をオフにしてしまっていたとかそうした事情に対処しようとするものなのであれば、送られてきたスナップがビデオなのか写真なのかを明示するようにすれば良いと思う(Update:実は区別されていたそうだ。赤が写真で、紫がビデオを示すのだそうだ。しかしもっとわかりやすく示してくれても良さそうなものだと思う)。間違って開いてしまって、よく見ないうちに消滅時間になってしまうということに対処しようとするのであれば、スナップを開くときの仕組みを考え直せば良いだけの話だと思う。

問題に対処しようという、ある種の「好意」からの機能変更であるにせよ、Snapchatは人気を集めた自らの特徴を捨ててしまうような形で変化してしまっている。これが正しい方向性だと思っているのなら、CEOのEvan Spiegelはちょっと考えなおした方がいい。Snapchat自体があっという間に消え去らないうちに、リプレイ機能については考えなおした方が良いように思う。

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(翻訳:Maeda, H


Snapchat、フィルター、スタンプ、そして議論となりそうな「リプレイ」機能を実装

クリスマスを前に、Snapchatがアプリケーションのアップデートを行った。今回のアップデートでフィルター(ビジュアルフィルターとスマートフィルターがある)やフォント指定機能、そして最も話題になりそうな「リプレイ」(replay)機能などが加わることとなった。

新しい機能で、一番利用頻度が多そうなのは「ビジュアルフィルター」だろう。写真にカラーエフェクトを加えるといったようなことができるようになった。どうすれば使えるのだろうと悩んでしまう人も多いと思うが、それはきっとティーンエイジャーじゃないからだ。右から左にスワイプすればフィルターを適用できるのだが、実は当方でもやり方を発見するのに10分ほどかかってしまった。カラーのフィルターが2種類で、白黒のフィルターもひとつ用意されている。

「スマートフィルター」というちょっと変わったフィルターも提供されるようになった。写真の上に撮影時間、温度、そしてこれが一番妙なしろものだが、撮影時移動速度をオーバーレイ表示することができる。単位はMPH(マイル単位の時速)だ。きっと早さを競う投稿合戦が行われることになるに違いない。

また大きなHelveticaフォントを選べるようにもなっている。これもおそらくは適用する方法がわからないという人が多いことだろう。テキストの入力ボックスを選んだ状態で、再タップすることでフォントが変更できる。

またフロントカメラで使えるフラッシュ機能も搭載されている。撮影時に画面が白く発光するのだ。自分撮りを行うときに、明るさを増すことが出来る。さらに最大7人までを「ベストフレンド」に登録しておくことができるようにもなっている。これらはいずれも「Settings」メニューの「Additional Services」から「Manage」画面を表示させて利用開始するようになっている。メインのUIに、新機能を使うための変更は一切加えられていない。

さて、問題になりそうなのは「Replay」オプションだ。利用オプションをオンにしておくと、1日に1度だけ、送られてきたスナップを再表示することができる。これはSnapchatの1度だけ表示してあとは永遠に消え去ってしまうというスタイルに反するものだと考える人もいる。再表示できるのは、ストリーム内で最新の画像ないしビデオのみではある。しかし再表示するようにするかどうかを「送り手」でなく「受け手」側で設定できることにより、この機能に反対する声も大きいようだ。メッセージ受信者は、ほんの一瞬だけ見せようとしたのかどうかという送り手の意図に関わらず、しっかり準備して2度目の再生をすることができるわけだ。

Snapchatとしては、利用回数の制限などを設けていることで、さほど大きな反対を招かないと考えているのかもしれない。またうっかり大事なところを自分の指で見逃してしまったり、写真だろうと思っていたら実は動画で面白い動きを見逃してしまったときなどには便利な機能であることも間違いない。

Snapchatは最近、特徴とする「はかなさ」(ephemeral)とは一線を画する機能をいろいろと試みているように思える。たとえば先日も24時間以内なら何度でもメッセージを閲覧できる「Stories」の機能を発表している。「Replay」機能については、Josh ConstineがSnapchat Sacrifices Ephemerality With New Replay Featureという記事投稿しているので、興味のある方はご覧頂きたい。

正直な所、今回のアップデートで提供されるようになった新機能は、どこで設定するのかよくわからないし、また利用時のUIも最悪に近いものだと感じる。但し今回のアップデートはテストの意味もあるのだろうと思う。本気で採用する段になれば、UIの方もより洗練されたものとなるのだろう。ただ、もう少しデザインにも気を配ってくれれば良いというのが本音の所だ。いずれにせよ、冬が終わる前には、またいろいろと新しい機能が出てくるに違いないだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Twitterの誕生を描いたベストセラー、Hatching TwitterをLionsgateがテレビドラマ化へ

New York Timesの人気コラムニスト、ニック・ビルトンのHatching Twitter: A True Story of Money, Power, Friendship, and Betrayal(Twitterの誕生―金、権力、友情、裏切りの物語)はTwitterの誕生をドラマチックに描いたノンフィクションだが、そのテレビ・ドラマ化権のオプションをLionsgateが取得したという。製作にあたってはビルトン自身がプロデューサーとして参加し、脚本も執筆する。

10月に聞いた情報ではハリウッドのスタジオが映画化に興味を示しているということだったが、劇場映画ではなくテレビでシリーズ化されることになったようだ。波瀾万丈のTwitterを歴史を考えると、多数のエピソードを扱えるテレビ・シリーズの方が向いているかもしれない。

Lionsgateは「ハンガー・ゲーム」、や 「トワイライト〜初恋〜」(こちらは製作会社Summit Entertainmentを買収したため)などのヒット作で知られる。Allison Shearmurが製作総指揮。

「『ソーシャル・ネットワーク』は映画として完璧な作品だったが、われわれのシリーズはこれとはまったく違うものになる。もっと長期的な視点に立ち、世界の人々のコミュニケーションのあり方を変えた会社を創業した人々の人生がどのように変わっていった、その葛藤や犠牲などをじっくり描く」とShearmurは語った。

「登場人物の複雑な性格、巨大な賭金をめぐる権力争い、友情と裏切り、等々ニックの本にはドラマチックな要素が満載だ」とLionsgate TelevisionGroupのKevin Beggs会長は述べた。

TechCrunchでもTwitterがFacebookの買収を蹴った3つの理由ジャック・ドーシーの沈黙の取締役会長の役割など何度かビルトンの本を取り上げている。われわれの書評記事にはもっと詳しい内容紹介がある

われわれはこの本を読んだ後、登場人物に感想を尋ねて回った。すると事実関係や人物の性格付けではところどころに異議があるものの、全体としては正確な描写だというのがコンセンサスだった。登場人物の一人は「いくつかの事件があまりに劇的に描写されている」と苦情を言ったが、ドラマというのは登場人物というより、見物人の頭の中にあるものなのかもしれない。

いずれにしろ面白いテレビ・シリーズになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+