GoogleがCloud SQLの管理APIをローンチ–データベースのセットアップ/メンテが手作業から解放

GoogleのCloud Platformには前からCloud SQLがある。それは、Googleのクラウドプラットホームが提供している、ユーザのメンテナンス不要のMySQLデータベースだが、これまでは管理APIが提供されていなかったので、データベースの管理はGoogleが提供しているアドミンGUIからしかできなかった。しかし今日(米国時間6/4)Googleは、Cloud SQL APIの提供を開始する。このREST APIによってデベロッパは、自分のデータベースインスタンスを管理するコード/プログラムを書けるため、今後は、Cloud SQLのいろいろな新しいユースケースが開けると思われる。

このAPIをGoogleは実験段階と呼んでいるが、これを使ってデベロッパは独自のワークフローを作り、インスタンスの作成、削除、リスタート、バックアップからのリストアなどをプログラム/アプリケーションの中から容易にできるようになる。またデータベースをGoogle Cloud Storageとのあいだでインポート/エキスポートすることもできる。

これによりデベロッパはGoogleのクラウドデータベースをより容易に利用できるようになり、とくに、顧客のために複数のデータベースを定期的に管理しなければならないような場合には、それをいちいち管理コンソールからやるよりは(プログラムから自動的にやった方が)楽である。

このAPIのGoogleのローンチパートナーは、OrangeScapeだ。Google AppsのSaaSによるワークフローサービスであるKiSSFLOWは元々OrangeScapeのプロダクトだが、その中ではすでにこのAPIを使っている。KiSSFLOWに関してOrangeScapeのCTO Mani Doraisamyは今日の声明の中でこう言っている: “各顧客のためにCloud SQLのインスタンスとApp Engineのインスタンスを別々に管理している。しかしこれまでは、新しい顧客が発生するたびに、データベースの用意をうち自身がやることは不可能だった(顧客まかせ)。しかしCloud SQL APIが使えるようになってからは、オフサイトからの手作業の費用を発生させることなく、KiSSFLOWのコードの中で自動的にデータベースのセットアップもできるようになった”。

さらにGoogleは最近、強力なNoSQLデータベースを必要とするデベロッパのためにCloud Datastoreローンチした。Cloud Datastoreも管理用のベーシックなAPIを提供しているが、それはまだ今日ローンチしたCloud SQL APIほど充実したAPIではない。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


オバマ氏の大統領令が、特許ゴロのばかげた悪用を阻止する

アイディアを所有することに法的権利を与えることが、意図せざるばかげた結果を生むことがある。「大ばかな特許がスモールビジネスを破壊している」と、NBAダラス・マーベリックスのオーナー、Mark Cubanはかつて私に言った。スタートアップのおよそ1/3が特許侵害で脅されており、その多くがスモールビジネスを脅して示談に持ち込むことだけを目的として設立された組織(いわゆる「特許ゴロ」)による。オバマ大統領は今日(米国時間6/4)午前、国際的に嫌われている企業体に対していくつかの非常に具体的な大統領令を発動する決定を下した。

背景を少し説明した後、ばかげた法の乱用を阻止する3つの方法を挙げる。

特許囲い込みの歴史

特許ゴロ、あるいはもっと外交的正式名称である特許係争団体[Patent Assertion Entities (PAE)]は、知的財産を蓄積して他の脆弱なスモールビジネスを脅して示談に持ち込むことのみを目的とするダミー会社である。

「彼らは自分では何ひとつ生産していない。他人のアイデアを利用してハイジャックし、金をゆすり取ろうとしているだけだ」と、オバマ大統領は今年のGoogle+ハングアウトで明言した

サンタクララ大学の研究によると、特許裁判の推定61%が特許ゴロによるもので、訴訟の76%が15社以上を訴えている。これは言うなれば訴訟マシンだ。

知的財産の囲い込みは、アメリカで多くの偉大なイノベーターたちが主張してきた由緒ある伝統だ。ライト兄弟は補助翼(翼につけられた着陸時に伸びる小さなフラップ)を持つ飛行機を商品化する者は誰でも訴えると脅した。「1917年に政府が介入し、ライト兄弟に特許をライセンスするよう命じたことで、ようやく飛行機のイノベーションが本格的に始まった」とスタンフォード法科大学のマーク・レムレー教授は書いている

よって、過激な特許囲い込みに対する政府の介入は、アップルパイ並みにアメリカンなのである。

ばかげた乱用を阻止する3つの試み

1. 機能クレームの範囲を狭める – 多くの恥知らずな会社が、とんでもなく広い範囲のイノベーションの所有権を主張する。Amazonが「ワンクリック購入」ボタンの特許を取得しようとしたことは有名だ。Acacia Researchという特許ゴロは、インターネット経由で医療画像を送信することの所有権を主張した。オバマ氏の大統領令は「発明の範囲を、ある目的を果たす〈あらゆる〉方法ではなく〈特定の〉方法に限定しようとしている」と、電子フロンティア財団がこの大統領命令に関するブログ記事で説明している。

「官邸がソフトウェアの機能クレームに注目していることは大変喜ばしい。特許ゴロによる広すぎる特許係争の多くは、これに起因していると私は考えている」とレムリー教授が私宛のメールで語った。

2. エンドユーザーを巻き込む – 時として特許ゴロにとって、彼らが所有権を主張する製品を使っていると言って企業の不意をつくだけの方が簡単なこともある。例えばLodsysは、ユーザーに「クリックしてアップグレード」させているアプリデベロッパーを脅す暴力的訴訟を続けている ― AppleとGoogleが提供している機能だ。

当然Appleは自社ユーザーを守るためにこれに介入し、未だに裁判は続いている。

3. 所有者を公表する – 特許ゴロは法の抜け穴を使って審査を回避し、誰が実際にその知的財産を所有しているかを隠そうとするが好きだ。例えば、Intellectual Venturesは、特許権を主張するダミー会社を1000社持っていて、司法審査を避けることが戦術であると自ら認めている。オバマ大統領の命令は「特許所有者は、特許庁に真の所有者の最新状態を報告する」ことを義務付けている。

追加のステップ ― おそらく不十分

オバマ大統領が宣言するだけでアメリカ特許の混乱状態を正すことはできない。法律の助けが必要だ。具体的には、彼は「敗者負担(loser pays)」を支持している。これは、特許ゴロが裁判で負けた時に支払い義務を負わせることを意味している。今年の2月に、〈革新的ハイテク企業を言語道断な法的争いから救う〉(SHIELD)法案がこの解決策を提案している。

情報の自由のタカ派にとってはこの命令でも全く不十分だ。Mark Cubanをはじめとする多くの人々が、ソフトウェア特許のほぼ全面廃止を要求している。ずる賢い特許ゴロが利用する法の抜け穴はどうやっても残る。MITのEric von Hippleは、デザインに多くの資金を必要とする発明(新薬やiPhoneなど)にとって、特許は殆ど価値を提供しないことを発見した。

何を信じるにせよ、この大統領令が正しい方向への一歩であることは間違いないようだ。

[Flickr User Cali4Beach]

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleのContent Experiments APIを使えば多様なロジックでA/Bテストを展開できる

Googleが今日(米国時間6/4)、デベロッパのためのWebサイトテスト(実験)〜最適化ツールContent Experiments APIローンチした。このAPI集合の背後にあるのはGoogle Analyticsなので、要するにAnalyticsの力を利用してさまざまな最適化努力の結果を計測できるのだ。Googleはこう説明している:“このAPIはGoogle Analyticsを本格的なA/Bテストプラットホームにするので、すべてのタイプのデベロッパがGoogle Analyticsを利用して実験を行えるようになる”。

Content Experimentsそのものは、Googleが1年前にローンチしたA/Bテストサービスで、その後も継続的に機能が追加されている。このサービスはmulti-armed bandit方式*でA/Bテストを行い、各バリエーションの成績に基づいてユーザの実験接触頻度を調節する。〔*: multi-armed bandit, モンテカルロ法のような、一種の乱数化サンプリング(ふつうスロットマシン(bandit)はアーム(arm)が一本しかないが、複数のアームのあるスロットマシンを多様な乱数生成系として比喩的にイメージする)〕。

今回のAPIでは、デベロッパが作ったバリエーション選択ロジックに基づいて、このMAB方式による実験を行える。結果の測値は、Google Analytics が出してくれる。

JavaScriptからContent Experimentsサービスを使うより、APIを直接使った方が良いと言えるのは、たとえば、ユーザをリダイレクトさせずにテスト対象の変更ができる。違うバリエーションをユーザに見せるために、よくリダイレクトが使われるが、それにはユーザ体験を損なう危険性がある。

また、テストをサーバサイドで行える。それはふつうのA/Bテストサービスにはない機能だが、Googleは、“サーバサイドで行うとリコメンデーションや検索のアルゴリズムの異なる実装のテストをやりやすい”、と言う。

さらにGoogleの主張では、小売店のキオスクのような、ノンWebの環境でもアプリケーションの異なるレイアウトやコンテンツや機能のテストをやりやすい。

A/Bテストツールは昨年あたりからホットな市場になってきて、たとえばOptimizelyは今年初めに2800万ドルを調達し、Amazonはモバイルアプリ用のテストサービスをローンチ、さらにTC Disrupt BattlefieldのファイナリストPathmappなど、数え切れないほど多くのスタートアップたちがデベロッパの関心を惹こうとねらっている。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook、6月11日の第1回株主総会をウェブ中継

Facebookの取締役と株主が6月11日に集合し、誰でもそこにバーチャル参加できる。Facebookは今日(米国時間6/4)、同社初の株主総会をウェブ中継すると発表した。この方針は今後のFacebookの株主総会の前例となる可能性が高い。Googleと似ているが、Apple非ストリーム集会とは対照的だ。

総会議題の中心は、Facebook取締役会メンバーの選出だ。株主への通知には、Facebookが現在の取締役のうち、去る4月に8年続けた取締役の座を退くことを発表したJim Breyerを除く全員の選出を依頼している。選出候補者は、Mark Zuckerberg、Sheryl Sandberg、Donald Graham、Marc Andreessen、Erskine Bowles、Reed Hastings、Peter  Thiel、および最新メンバーのSusan Desmond-Hellmann

総会では他に、Facebook幹部の報酬について、および株主がこの決議を行う頻度を1年、2年、あるいは3年に1度とするかを決める非拘束勧告的決議が行われる。株主は独立公認会計事務所、Ernst & Young LLPの指名、およびその他の必要事項を承認する。

太平洋時刻6月11日午前11時から、サンフランシスコ空港ウェスティンホテルで行われるこの総会は、Facebookが公開企業として迎えた最初の1年を締めくくるものだ。これまでに$FB株は、2012年5月18のIPO価格38ドルから、本日の23.52ドルへと下落し、2013年5月3日の28.31ドル以来下降を続けている。ウェブ中継のおかげで、果たして株主たちは株価に対する不満の声を上げるのか、あるいはCEO Mark Zuckerbergや取締役会に失望の意をぶつけるのかを、われわれも見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


iPhone版Gmailがアップデート。カテゴリー別受信トレイと通知機能をサポート

約束通りGoogleは今日(米国時間6/4)、iPhone版Gmailの最新バージョンを公開した。昨日リリースされた新しいAndroid版と同じく、プロモーション、ニュースレター、SNSからのメッセージ等を自動的にカテゴリー分けするGMailの新機能をサポートしている。

Gmailアカウントで新機能をすでに有効にしているユーザーは、受信トレイでこれらのアップデートの要約を見られるようになり、アプリのスライドアウト式サイドバーから別のカテゴリーに切り換えられる。アプリはデスクトップのカテゴリー設定を利用し、有効無効の切り換えもそのままモバイルアプリに引き継がれる。

Googleがこの機能を発表した時にGoogleのGmailプロダクトマネージャー、Alex Gawleyが言っていたように、GoogleはAndroidとiOSとで、これらの通知をやや異なる方法で表示している。両OSそれぞれで自然に感じるように実装したと彼は言っていた。Androidでは通知がラベルと共にストリームに表示されるが、iOSでは受信トレイのメッセージに「新着カテゴリー別メール」と表示され、その下に短い要約が付くだけだ。

他にも新機能:通知の改善、Chrome、マップ、Youtubeのリンクをアプリで開く

今回のアップデートで、Googleは通知システムも改訂した。メインの受信トレイに入るメッセージについてだけ通知を受けとることが可能になった。つまり、ソーシャルネットワークから通知やプロモーション等については通知されず、だまって別のカテゴリーに移動する。この種のメッセージをたくさん受け取る人にとっては、明らかなノイズ削限になる。もちろん、メッセージの通知を全部見ることもすべてオフにすることもできる。

ただしこの機能は、新しい受信箱を有効にしているユーザーしか使えないようだ。

さらにこのバージョンでは、Chrome、マップ、およびYouTubeといった同社アプリをGmailアプリから直接開けるようになったほか、メッセージを左右にスワイプしてメッセージを次々と移動できる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


アメリカITC、AppleによるSamsungの特許侵害を認定―AT&T版 iPhone 4, 3GS、一部のiPadの輸入差し止め

アメリカ国際貿易委員会(ITC)はAppleがSamsungの特許を侵害していたと認定し、iPhone 4、iPhone 3GS、初代iPad 3G 、iPad 2 3G(すべてAT&T専用版)など一部の製品の輸入を差し止めた。

ITCの決定については今後詳しく論じられることになるだろうが、、輸入差し止め対象はAT&T版の旧モデルにとどまるようだ。ITCはiOSデバイスがマルチバンド化される以前にAT&T向け製品に使われていた部品が特許を侵害していると認定した。

異議申立てが却下された場合、Appleは対象となる製品を海外の製造元から国内に搬入できなくなるので、最終的にはアメリカ国内での販売が不可能になる。VergeのNilay Patelのツイートによれば、今回のITCの決定に対する異議申立てはホワイトハウスか連邦高等裁判所に行うしかないという。

もし差し止めが最終的に維持されたとしても、この秋には新製品の発表を控えており、対象となる製品はいずれもすでに引退が近づいていた。とはいえ、新製品発売は数ヶ月先のことであり差し止めが現実に実施される時期によってはAppleもかなりのダメージを被るかもしれない。中小キャリヤや教育機関はまだまだ古い製品に大きく頼っている。

ITCの決定は全文を下記にエンベッドした。問題の特許についてはここに詳しい情報がある。ごく簡単にいえば、携帯無線の信号伝送に関する特許だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


無料の強力なHTML5開発ツール、Google Web Designerが近く登場―サイト、アプリ、広告が簡単に作成できる

Googleは広告クリーティブのプロ向けにGoogle Web Designerという無料のHTML5開発ツールを近くリリースすることを明らかにした。Googleによればこのサービスはここ数ヶ月以内にローンチされ、クリエーティブのプロが最新の対話的広告やウェブコンテンツ、さらにウェブサイト、ウェブアプリを開発することができるようにするという。

今朝(米国時間6/4)、GoogelはこのニュースをDoubleClick広告プラットフォームについてのブログ記事の中で発表した。われわれがGoogleに取材したところ、広報担当者は「Web Designerはスタンド・アローンのサービスで、ターゲットは事実、広告デザイナーやクリエーターだ」と確認した。

しかしもちろんこれだけはどんなサービスになるのか情報が少なすぎる。GoogleはこのツールはDoubleClick StudioAdMobに統合されるとしている。つまり広告業界をターゲットとしていることは間違いない。またネーティブ広告(オンラインのブランド広告やスポンサード記事)も視野に入れているのだろう。そうであればWebDesignerがDoubleClickの一部になるのは理にかなっている。Googleは私にこのツールは広告クリエーターがターゲットだと説明したが、機能は単なる広告制作よりはるかに強力そうだ。

現在Googleが提供するウェブサイト制作ツールはGoogle Sitesだけだ。このサービスではテンプレートから簡単にベーシックな機能のサイトが作れる。しかしこのサイトはここしばらく大きなアップデートを受けていない。Web Designerがさらに高機能の後継サービスとなるのかもしれない。アップデート念のために断っておくが、Web Designer自身の主目的はウェブサイトの制作ではない。しかしGoogleがこのツールの機能の一部を別のサービスでも利用する可能性は十分にある。

SquarespaceWeebly、WixのHTML5 website builderのようなライバルにWeb Designerがどんな影響を与えるか注目される。ウェブのネーティブ広告となると、New York Timeのドラマチックなマルチメディア記事、Snow Fallのレベルのフォーマットが要求されるだろう。Googleがライバルに対して優位に立つには広告クリエーターがこうしたフォーマットのページを簡単につくれるような能力が必要だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


シアトルで実験中の生鮮食品オンライン宅配、Amazon Fresh、本格的事業化迫る?

Amazonはここ5年ほどAmazonFreshという生鮮食品宅配の実験をシアトル地区で続けている。今日(米国時間6/4)のReutersの記事によれば、このAmazon Freshが本格的な事業化に向けて拡大されるらしい。AmazonFresh方式のサービスが今年中にロサンゼルス、サンフランシスコでもオープンし、2014年までにアメリカ内外の20都市にサービスが拡大されるという。

Reutersは事情に詳しい2人の情報源が「事業が順調に拡大できるかどうか、その成否はなんといっても最初の2都市の運営結果にかかっている」述べたと報じている。生鮮食品の小売は昨年だけで5680億ドルという巨大市場だ。Amazonにとってその潜在的価値は図り知れない。

デジタルコンテンツやエレクトロニクス製品の分野でのAmazonの優位性が確固たるものになるにつれて、新たな分野への進出に興味を抱くようになったのかもしれない。Amazonが重視するのは常に成長だ。前四半期の成長は普通の会社なら十分満足すべきレベルだったが、過去の急成長と比べると一部のアナリストにはもの足りないと映ったようだ。その結果、株価は控え目な推移をみせている。

生鮮食品の場合、既存大手のWal-MartやWhole Foodsなどは完全に現実店舗のチェーン店なので、Amazonの前には未開拓の巨大市場が広がっている。Reutersも指摘するとおり、生鮮食品というのはオンライン通販にはあまり向かない市場だと考えられてきた。大きな理由は在庫を維持するために莫大なコストがかかることにある。本や家電製品と違って一定時間で売れ残った商品は廃棄物となるし、保管には冷蔵、冷凍設備も必要になる。

Amazonは失敗したこの分野のパイオニアWebvanも含めてスタートアップとは桁違いのリソースを投じることができる。しかもシアトルで5年も実験を重ねている。ジェフ・ベゾスは2011年にAmazon Freshについて楽観的な評価を述べた。しかし同時にAmazonが事業化するまでにはさらに改良を要する点があると認めた。

どうやらベゾスとそのチームはこの2年間で行った改良でAmazon Freshは事業化に踏み切るのに足りるレベルに達したと判断したようだ。この報道が事実であっても、生鮮食品は地域ごとに特性が大きく異るので展開にはかなりの時間がかかるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


TweetDeckファウンダーのDodsworthがTwitterから離脱。TweetDeckの将来は?!

TweetDeckのファウンダーであるIain Dodsworthが、Twitter社を去った。TwitterがTweetDeckを買収してから2年が経ち、Dodsworthとしては「何か新しいことを始めるタイミングだ」と感じたそうだ。

Dodsworthの離脱により、Twitter社によるTweetDeckの扱いはどのように変わってくるのだろうか。少し前には、iPhone、Android、およびAIR版の開発を停止している。WindowsおよびMac向けのネイティブアプリケーションはまだ提供されているが、今後はウェブ版に注力していくと言っていた。

そのような流れの中、DodsworthがTwitter社を離れることとなったわけだ。TweetDeckは消滅するのではないかと考える人が増えるのも当然のことだろうと思う。たとえばReuterのソーシャルメディア部門のエディターで、Circaの編集長に就任することとなったAnthony De Rosaも「@TweetDeckの将来は一層暗くなったんじゃないかな」とツイートしている。しかしTwitterのニュース部門マネージャーのErica Andersonは、GuardianからSharath Bulusuを引きぬいてTweetDeck担当のプロダクトマネージャーにアサインしており、今後も注力していく予定だとツイートしている(ちなみにBulusuの採用は半月ほど前にアナウンスされている)。

ツイートの中でAndersonは「TweetDeckの重要性は重々認識していますよ」と記している。Twitterの広報部によれば、本件についてとくに追加すべき内容はないとのことだ。

Update:TweetDeckに関わるエンジニアの募集も行われているようだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Chrome、モバイルブラウザーのシェア拡大。しかしモバイルOSではAndroidがやや減少

モバイルブラウザーの中では、依然としてSafariが大きくリードを保っていることが、今月のNetMarketShareのデータからわかった。しかし、重要な動きはAndroidの世界で起きている。Chromeは順調にシェアを伸ばし、Androidの組み込みブラウザーは遅れを取っている。Androidは、5月のモバイルOSシェアではわずかに減少して過去8ヵ月間の最低を記録した。

Androidの内蔵ブラウザーは4~5月にかけて2ポイント伸ばしたのに対し、Chromeモバイルの伸びは1ポイント以下だった。Googleはモバイル版Chromeを推進しており、昨年秋からAndroidデバイスにプレインストールしている。その結果順調な伸びを見せ、昨年7月に0.34%だったシェアを今年5月には3.22%まで伸ばした。しかしAndroid内蔵ブラウザーのシェアはその11ヵ月間横ばいであり、Chromeのシェア拡大はすべて新規デバイスによるものであり、ユーザーがブラウザーを乗り替えたのではない。

OSシェアでは、Androidが前月よりわずかに落としており、過去長期にわたる測定期間で最低となった。AppleのiOSはわずかに上昇したがほぼ横ばい、Symbian、Java MEおよびBlackBerryの伸びもわずかであり、これはAndroidの2ポイント近い減少が、どのプラットフォームの勝利にも結びついていないことを意味している。しかしAndroidが、Galaxy S4とHTC Oneという2大フラグシップ機が発売された月に、こうした数値の落ち込みがあったことは興味深い。

しかし、全体で見るとChromeのモバイルでの伸びが最も注目すべき話題だ。Googleはクロスプラットフォームの互換性とポータビリティーを強く押しており、最近Chromeに見られる動きの多くが、モバイルとデスクトップをつなぐように考えられている。その目標を達成するためには、モバイルChromeがさらに高く離陸する必要があり、昨年出てきたばかりであることを踏まえると苦しい戦いである。しかし、機運は高まっている様子であり、Googleの長期目標にとっては良い兆しだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


AppleのWWDCアプリに早くも”フラットデザイン”の片鱗が

AppleのWorldwide Developers Conference(WWDC)用アプリが今日(米国時間6/3)から提供開始され、カンファレンスのいくつかのセッションを紹介しているが、しかし見ものは、これまでとがらっと変わったUIだ。その変化は、iOS 7のヴィジュアルの一新についていろいろ言われていたことを裏書きしているようであり、単なる一個の自社アプリの問題ではなく、デベロッパの世界にもこれから広がっていくものなのだろう。

9to5MacのMark Gurmanが、下図のようなものをリツイートしているが、そこにはWWDCアプリの2011年から2013年までの変化が画像で示されている。ご覧のように、その違いはかなり大きい。最初は色を変えたり影を付けて立体感を出しているが、だんだんシンプルになり、2013ではほぼフラットだ。ただし変化は細部的な変化にとどまり、リスト画面全体などの大枠は変わらない。iOS 7全体としてもやはり、インタフェイスの全面的な完全なオーバホールは行われない、と言われている。

アイコンもこれまでのApple自社アプリに比べると相当シンプルかつクリーンになったが、アプリ内のそのほかの要素も含めて、グラデーションはわずかにある。だから、完全に“フラットな”デザインとは言えない。でも、これまでフラットフラットと言われてきたから、ちょっと拍子抜けの気分でもあるね。WWDCのアプリだけを見て全体を云々するのもあれだが、これらはiOSの主要なUI要素の今後の姿を、ここで、ちらっと予告しているのかもしれない。

デベロッパが作る“ネイティブ”アプリに関しても、新iOSに合わせるためにはかなり苦労するだろう。ただし最近は、AppleのiOSのデザイン原則からあえて逸脱するアプリデベロッパが多い。しかも彼らの独自のデザインにおいても、ボタンなどのフラット化が進んでいるのだ。しかし、わずかな変化でも、それに正確に合わせようとするとけっこうたいへんな作業になる。ぼくの個人的な感想としては、今回の変化は改悪ではなく改良だと感じる。サードパーティのアプリも、この自社アプリのポリシーに右へ倣えした方が、良いのではないかな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、iOS版Chromeをアップデート。音声入力が改訂、再読み込みが高速に

Googleは今日(米国時間6/3)、Chrome for iOSをバージョン27にアップデートし、音声検索をはじめとするいくつかの新機能が導入された。デスクトッ版、Android版iOS版Google検索アプリと同じく、iOSのChromeでも音声で検索クエリを入力すると、Googleの自然言語アルゴリズムがそれを認識し、知識グラフが答を知っていれば、結果も音声で返ってくるようになった。

下に貼ったビデオはGoogle検索のiOSアプリだ。これと同じ検索クエリを使って同じ結果をiOS版Chromeで得ることができる。

このアップデートで、iOS版Chromeには、他のプラットフォームで見かけるあの脈打つマイクロフォンの音声検索インターフェースが入ることになる。つまり、音声認識は以前よりはるかに高速になり、他の音声対応Googleサービスと同じく、理解したテキストをリアルタイムで送り返す。

さらにGoogleは、iOS版Chromeはページの再読み込みが「ネットワークが遅い時や、切れている時でも」速くなったと言っている。これはキャッシュに保管するデータを増やしたという意味ではないかと推測するが、Googleはこのバージョンでどうやって再読み込みをスピードアップしたかについては詳細を語らなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi)


スティーブン・ウルフラム:「地球上で最も定量化された人物」の告白

Stephen Wolframは、Wolfram Researchのファウンダー・CEOであり、テクノロジー界で最も賢く最も興味深い人物であると言ってもよい。20歳の時にカリフォルニア工科大学で理論物理学博士を取得し、マッカーサー「ジーニアス」フェローシップを最年少で授与された。MathematicaおよびWolfram Alphaを発明した。Wolframの人生は、世界中の知識を取り込み体系化することに捧げられている。

彼によると、現在われわれは人類史上知られているあらゆる知識を体系化し、その情報をワンクリックでアクセスできる時代に近づいて(5~20年)いる。実際Wolframは、この「データサイエンス」が、今やスタートアップ起業家たちにとって最もエキサイティングなチャンスになっていると信じている。

しかし彼は公開された科学データの体系化にだけ興味があるのではない。自らを地球上で最も定量化された人物[most quantified person]と称するWolframは、個人データ分析のパイオニアでもある。ではなぜ彼はそこまで彼自身に関するデータを集めているのか? 私は、彼が日々自らのあらゆる行動を、パソコンに打ち込んだキーストローク数にいたるまで記録している目的を尋ねた。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Zynga、520人(18%)に上る大量レイオフ計画を確認

アップデート: Zyngaはわれわれが報じたレイオフの計画が事実であるとプレスリリースで確認した。 AllThingsDによれば正確な数字は520人のレイオフ(全社員の18%)だ。

Zyngaはこれにより税引き前ベースで7000万ドルから8000万ドルのコスト削減が実現できるとしている。こうしたコスト削減策を講じた後でも、第2四半期の決算予想は3900万ドルから2850万ドルの赤字となっている。

従業員宛のメッセージでCEOのMark Pincusは「ソーシャル化、モバイル化、タッチスクリーン化などのイノベーションにリスクを取って挑戦する力を与えるプロアクティブな措置」と呼んだ。

以下の私の記事はZyngaがレイオフを公式に認める前に書かれたものだ。

Zyngaは全社員の1/5程度を対象とするレイオフを計画しているようだ。Zyngaが大規模なリストラを行うのはこれが初めてではない。昨秋、CEOのMark Pincusはコスト削減に取り組んでいると述べ、その後5%の社員をレイオフした。同時に不振なゲームをいくつか中止した(公開前に開発が中止されたものもある)。経営陣は提供するゲームの数は年内にも上向くとしていた。

前四半期のZyngaのフルタイムの社員は2902人だった。Zyngaの売上と利用度合いは、最新の四半期決算の数字を見る限り、依然として減少傾向だ。Pincusはこれを「デスクトップからモバイルに重点をシフトする際の過渡期の現象」だとしている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AndroidアプリがGoogle App Engine上の各種サーバ機能をクラウドサービスとして簡単に利用できるMobile Backend Starter

Googleが今日(米国時間6/1)、Mobile Backend Starterのローンチを発表した。Androidデベロッパはこのサービスを使って、GoogleのApp Engine上で動く自分のアプリのクラウド展開ができる。すなわちこのサービスにより、ワンクリックでモバイルのバックエンドや、ストレージサービスを伴うクライアントサイドフレームワークの展開、それにGoogle Cloud Messaging継続的クェリ、Googleの認証認可機能にアクセスできる。

Googleの主張によると、今成功しているモバイルアプリの多くがサーバのインフラが持っている機能を利用して自分のサービスを動かしている。しかしそれは多くのモバイルデベロッパにとって、面倒な雑務になってしまう。そこで今回のツールは、デベロッパがバックエンドのコードを1行も書かずにサーバのインフラサービスを利用できる方法を提供する。しかもそれはApp Engine本体の上で動くので、そのバックエンドはスケーラビリティやアプリからの負荷耐性が完璧である。

利用を始めるためには、デベロッパはまずMobile BackendのサンプルアプリケーションをセレクトしてからApp Engineの新たなプロジェクトをスタートし、ここに書かれているインストラクションに従う。Googleは“ワンクリック”の簡便性を強調しているが、バックエンドの展開に関しては確かにそうでも、プロジェクト全体が快調に動くようになるまでには、いろいろとやることがある。

Googleがこのツールを初めて紹介したのは先月のI/Oデベロッパカンファレンスだったが、今日やっとリリースされたようだ。プロジェクトのソースコードはGitHub上で入手でき、またI/Oのときのこのツールに関するセッションは、下のビデオで見られる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、Windows RTのライセンスを値下げか? ―妥協だらけのプラットフォームを救うのは何をしても難しい

今朝(米国時間6/3)のBloombergの記事によれば、MicrosoftはWindows RTのライセンス価格を値下げするという。MicrosoftはRTの低調なセールスにテコ入れするのに懸命なようだ。

Windows RTはiPadに対するMicrosoftの回答という触れ込みで登場した。MicrosoftはWindows 8デスクトップ版OSから多くの機能を低消費電力のデバイスに移植し、iPadよりはるかに安定性の高いシステムを構築することを狙った。しかしその過程でMicrosofはOSの別バージョンを作ってしまい、デベロッパーはIntelベースのWindowsとARMベースのWindowsRT(Windows Phone 8、Xboxも同様)という2つのOSに対処しなければならないことになった。

Windows RTがリリースされてから8ヶ月たつが、メインストリームのWindows RTデバイスはほとんど存在しない。他方、Windows 8搭載デバイスは急速にWindows RTと同じ価格帯まで値下がりしてきた。

MicrosoftはiPadないしAndroidタブレットではなくてWindow RTを買うべき説得力のある理由をユーザーに与えることに失敗したといえる。Windows RTで喜んだのはもっぱらMicrosoft Officeを使う旅回りのセールスマンぐらいなものだろう。

値下げは多少の効果があるだろう。

Androidタブレットも初期の頃、価格設定で悩んだことがある。当時Androidタブレットは高価すぎたために存在意義が疑われていた(HTC Jetstreamなど)。そこに250ドルのB&N Nook Color、Amazon Kindle Fire、そしてNexus 7が登場した。200ドル台の低価格のおかげで、Androidタブレットは突如存在意義を復活させることができた。さらにSamsung他のメーカーが続いて、大型タブレットの価格も低下し、Androidタブレットは意味のある市場シェアを獲得した。

しかしWindows RTの場合、たとえ200ドルにまで値下げしても復活できるかどうか疑わしい。

主要メーカーは続々とWindows RTのサポートを打ち切っている。HPは最初期にRTのサポートを中止した。Samsungもすぐそれに続いた。HTCも最近RTタブレットの開発を中止した。

現行製品ではDell XPS 10、Surface RT、Asus VivoTab RTがWindows RTのロゴを表示している製品だ。BloombergによればDellはRTの新製品を開発中だという。しかしLenovoもRT搭載のIdeaPad Yoga 11の製造を早々に中止している。これら以外は問題とするに足りないような製品しかない。

Acerは最近ComputexでIconia W3を発表した。この8インチWindowsタブレットは今月中に379ユーロで発売開始されるようだ。このデバイスは720pディスプレイ、デュアルコアAtom Z2760 CPU、32または64GBのメモリ、microSD expansionスロットを備えている。しかしこのタブレットはWindows RTではなくWindows 8を搭載している。Acerの会長はWSJのインビューに対して、「Windows RTが今後大きな影響力を持つことはないだろう。フル機能のWindows 8が持っているソフトウェアの互換性を欠いているという大きな欠点をWindows RTが克服するのは難しい」と述べた。

Windows RTはそもそもの構想からして間違いだった。「バッテリーの長持ちか、それとも使い勝手か」という選択を消費者に強いたのは愚かだった。もちろん消費者は両方が備わっていることを望む―iPadがその例だ。

Microsoftは値下げの後、販売奨励金さえ出すことなるかもしれない。しかし消費者は、というよりもっと直接にメーカーが、はっきりと態度を表明している。消費者もメーカーもWindows RTが金を出すに値するプロダクトとは見ていない。当初から指摘されていたとおり、Surface RTはあまりにも妥協が多すぎるプラットフォームだった。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Amazonプライムよりもっと早く。物理的配達の未来

編集部注:Semil ShahはTechCrunchのゲストライター。Twitterアカウントは@semil

「メンバーシップ、それが特権」。アメリカンエキスプレスの有名なスローガンが、今や数多くの人々が喜んで所有しているオンライン・メンバーシップにも当てはまる。それはAmazon Prime。Primeに加入して以来 ― これは単なる逸話である ― わが家がTargetストアに足を運ぶ回数は減り続け、2013年、緊急時に故障部品を買いに行った1回を除き、私はどこのメガストアでも買ったことがない。Primeによって、Amazonは最もエレガントな消費者セグメントを作り出し、メンバーにはわずかなクリックまたはタップであらゆるデバイスからカートに商品を積むように促し、買い物の度にこの質問を自問するよう顧客を教育している。「この商品を48時間以内に必要?」

もしその答が「イエス」ならどうするのか?

もちろんAmazonは、すでに翌日配達を提供しているので、48時間は24時間に圧縮されている。これは、Amazonが将来多くの競争で戦うことになる領域 ― 従来や新時代のさまざまなな方法によって、Amazon商品をわれわれの手に家に届ける配達戦争と作戦だ。私が予想するAmazonが最初の24時間を削ぎ落とす方法を以下にご披露する。Amazonがどんな方法を編み出すのか、みなさんの意見やアイデアも歓迎だ。

時間単位の配達:多くのサンフランシスコのスタートアップが行っているやり方を、Amazonも後追いするだろう。注文した商品が必要なのは、1時間後、2時間後、4時間後、それともその日のうちでいいのか? Amazonはそれぞれの配達時間帯を設定し、利便性に応じて料金を追加するだろう。そして、商品の選択、チェックアウト、配達ゾーンの設定、時間帯の指定方法も今より簡単になるだろう(ややこじつけめくが、Amazonはすでに、よく買う日用品のために「定期購入で節約」オプションを用意して、このセグメント化を始めている)。

決まった場所への配達これはまさにAmazon Lockersの話だ。移動が多い、時間が不規則、荷物を預かる人がいない、職場に届けてほしくない、などの人々にとって、LockersはAmazon専用の私書箱になる。その結果Lockerは、Amazonの運送費を下げ、顧客との物理的接点を作ってAmazonブランドに触れる機会を増やす。これは重要だ。

小売倉庫:今やAmazonは、州を越える売上税の規則変更のために、多くの州(カリフォルニア等)に物理的施設を持っている。突拍子もなく聞こえるかもしれないが、Amazonが選ばれた場所にコストコ風の店を作り、一工夫こらしたライブAmazonショッピング体験を作る可能性がある。

空中配達:未来の配達方法に関する記事で、無人飛行ドローンに触れないわけにはいかない。ドローンは今さまざまな理由で話題になっているが、これは商用利用の話だ。今私はこの記事を、日曜日の午前に屋外の小さなデッキで書いているが、ここは私が実際に「定期購入」しているAmazon商品を、ドローンが定期的に着陸して配達するのに最適なスポットだ。Amazonの運用能力からみて、将来Amazonがこれを実施することを私は本気で期待している。

2012年9月、私はAmazonに関する 記事を書き、この会社の驚くべき広範囲な事業分野の様々な面を簡単に紹介した。Amazonの規模とスピードは圧倒的であり、a16zのJeff Jordanによるこの優れた記事は、AmazonとGoogleが衝突する運命にあることを鋭く指摘している。JordanのOpenTableおよびPayPalにおける社長経験と、現在AirbnbおよびPinterestで取締役を務めていることをを踏まえると、誰よりも未来のEコマースが見えているのは彼だろう。この戦場が作りだした機会に関心のあるスタートアップは、配達分野や、配達用ロッカー(BufferBoxはすぐにGoogleが買収した)、 ドローンのハードおよびソフト、これら効率よく運用するための新技術、あるいは小売店舗での経験を再発明する技術やデザイン等の分野でスタートを切った企業に注目するとよい。

写真提供:Lord Enfeld / Creative Commons Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


イスタンブールの反政府抗議運動勃発で、政府がFacebookとTwitterを利用制限か

数日間の動揺に続いて起きたインスタンブールの大規模な反政府運動は、最後に残された公共公園の一つを再開発する計画がきっかけだった。これが同市およびトルコ全土におけるソーシャルメディアの利用制限を引き起こしているようだ。TechCrunchが複数の情報筋を通じて独自に確認したところ、FacebookとTwitterのいずれも、イスタンブルールをはじめとするトルコ各地でほぼアクセス不能に陥っている。また、何千もの人々がデモを行っているタクシム広場周辺で、政府がアクセスを遮断したという未確認情報もある。

イスタンブールでは、長年市民の保護区域と考えられきた場所へのショッピングセンター建築に反対するデモを行う人々に対して、警察が催涙ガスや放水銃を発射するなどの暴力シーンが展開されている。デモは、2002年以来権力を握る政権に対する反政府、反腐敗抗議運動へとエスカレートした。

テク業界出身のある情報筋によると、イスタンブールではFacebookアクセスの約99%が「ロードされない」。

「当局は帯域を最小限まで絞っており、公式には遮断されていないが全くロードされない・・・おそらく政府は、管轄下にあるISPのTTNETを使って速度を落としている」と、報復を恐れて匿名を要求した人物は語った。

別の情報筋は「3Gがブロックされている」と話した。

あるテクノロジー・アクセラレータの信頼できる情報筋はこう語った。「今日はインターネット接続に問題がある。主たる原因は人々が3Gネットワーク経由でアクセスしようとしているからだ。しかし現地時間午後4時頃には、地元ISP(固定インターネット接続の90%以上をカバーする、TTNetおよびSuperonlineの2社)でTwitterとFacebookがブロックされた。私はVcevpn経由で接続しており、問題は私の回線ではなく、TTNetがTwitterとFacebookへのアクセスをブロックしているからだとわかった。」

同氏によると、緊張がピークに達したのは、抗議集団が目的地の「ゲジ公園」へ進入しようとした時だった。「およそ30分後、警察は現地から撤退しTwitterとFacebookのアクセスが復活した」と彼は語った。

Facebookの広報担当は、トルコの事象について会社として特定のコメントはしないと語ったが、次の声明を発表した。「インターネットは世界中の人々に、つながり、学び、シェアする力を与える。コミュニケーションや商取引きは必要不可欠であり、何百万もの人々のインターネット利用を制限することは、国際社会にとって憂慮すべき問題である」

トルコ人たちは、抗議運動に関する出来事をQuoraで報告している

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(翻訳:Nob Takahashi)


次世代Firefox v.25のデザインはChrome風―メジャーアップデートのNightly版公開へ

数日前、MozillaのFirefoxエンジニアリング担当副社長、Jonathan Nightingaleは私の取材に対して新しいFirefoxを説明し、「もうこれはブラウザとは呼べないかもしれない」と述べた。

Nightingaleは、「ブラウザというのはすでに語感が古臭い。ユーザーはブラウザで以前ほどウェブサイトをブラウズしない。ブラウザは高度なウェブ・アプリを動作させたりソーシャル・ネットワークにアクセスしたりする手段としてもっぱら使われている」という。つまり開発者はブラウザの利用法の大きな変化に対応して、ブラウザのあるべき姿を考えなおさねばならないということだ。

コードネームはAustralis:タブは角丸に、機能は単純に

Mozillaの未来型ブラウザ計画はAustralisと呼ばれている(Mozillaはプロジェクトのコードネームに星の名前をつけるのが好みのようだ〔タニア・アウストラリスはおおぐま座の連星〕)。このプロジェクトの成果は近くFirefoxのNightly版v.25として公開される。その後、Firefoxの通常のリリース・チャンネルで公開され公開され、最終的には安定版での公開となるはずだ。

ただしNightingaleによればこのバージョンが安定版として公開されるまでにある程度時間がかかるかもしれないという。

冒険をいとわないユーザーならMozillaのあまり知られていなUX部門から開発途上版をダウンロードしてインストールできる(ただしその結果クラッシュするのはもちろん、HDDがずたずたになるなどの事態が起きても自己責任で)。

ではAustralisとは何か? 従来のFirefoxよりGoogle Chromeに似ているというのが第一印象だ。 現在のAustralisのテーマは角を丸めたタブでその下にURL窓、検索窓、各種アイコンと並ぶ。右端は三本の横棒のアイコンの設定オプションだ。

Nightingaleによれば、Australisのコンセプトは「できるかぎり高機能化すると同時に操作をできるかぎり単純化する」ことだ。このため開発チームはユーザーが実際にブラウザをどのように操作しているか詳しく観察した。新デザインは明快で直感的になっているという。たとえば、現在のデザインでは選択されていないタブは枠も表示されず、アイコンだけを残して背景に溶け込んでしまう。Chromeでどんどんタブを開いていくとやがてタブの表示幅が狭くなりすぎてアイコンも見えなくなってしまうが、Australisではタブの最小幅が設定されており、タブの数が表示の限界を超えるとタブ・バーがスクロールできるようにした。

AustralisのUIテーマが安定版に実装されるのは10月以後になるということだが、 Nightingaleは「現在公開されているバージョンもAustralisのデザイン・コンセプトの影響を受けている」と強調した。「読込中止、読込、再読込」がひとつのボタンに統合されたのもその一例だという。

またこうした新デザインはAndroid版Firefoxにも用いられている。このアプリは4000万ダウンロードを記録しているという。念のために付け加えるとMozillaは現在でもiOS版を諦めたわけではない。しかしAppleの現在のApp Storeの約款ではMozillaとしてiOS版をリリースすることはできないのだという。しかしMozillaチームはブラウザ以外の分野でのiOSアプリの開発を考えているようだ。

カスタマイズ

Australisの単にUIデザインの改良だけではない。ルック&フィールを含めたブラウザのカスタマイズの方法も大きく変わる。Mozillaは現在多様なカスタマイズ・ツールを提供しているが、必要なツールが探しにくく、使いやすさも高いとはいえない。MozillaのGavinSharpは私の取材に対して「ここでの目的はユーザーがそれぞれのニーズに合わせて簡単にカスタマズでできるようにすることだ。しかしせっかくのカスタマイズ機能もユーザーが存在に気づかなければ意味がない。われわれはユーザーがFirefoxのほとんどあらゆるパーツを自由に削除、追加、配置できるようにし、またそのカスタマイズ機能を今までよりユーザーの目につきやすいようにすることにした」と語った。

もちろん未来のブラウザを作るにはデザインだけでは足りない。MozillaではユーザーがSocial APIのようなツールをどのように利用しているか詳しく調査している。またパフォーマンスの改善のためにはOdinMonkeyやasm.jsのプロジェクトを実施している。

とはいえ、Australisが公開されたときにユーザーがまっさきに気づくのは新デザインだろう。率直に言ってChromeとの類似を否定するのは難しい。この点をめぐっては間違いなく賛否の論議が巻き起こるに違いない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Tumblrファン向けインスタントGIF化アプリ、StillyがApp Storeに登場―ワンクリックで写真が動き出す

GIFはお好きだろうか? Tumblrは? その答えがイェスで、さらにiPhoneと2.00ドル持っているならStillyというアプリを試してみるとよい。このアプリはiPhoneのカメラで写した写真をワンクリックでギクギクと動くGIFアニメ変えてくれる。

現在このアプリはTumblrへの投稿を主なターゲットとしている。公式ブログでは「中毒性が高い」と警告しているが、確かにそうだった。

このアプリの使い方はこれ以上ないくらい簡単だ。UIにはGIF化を実行するボタンがひとつ表示される。その他には背景にフラッシュ効果を入れるオプションがあるだけだ。できあがったGIFはプロ級(そんなものがあるとして)とはいかないが、ともかくいちおうそれらしいものになる。

Tumblrを#stillyというタグで検索するとこのアプリで作成されたGIF画像が大量にヒットする。

StillyのアイディアはVineに似ているが、Vineのように映画の予告編、短編動画、コメディの実験など高度な知的活動に使うアプリではない。しかし難しいことは何も考えずにただ気楽に遊べるアプリがあってもいいではないか?

このアプリを開発したのは2007年以来TumblrのユーザーであるIan Broylesだ。「私は1995年からいろいろなGIFを作ってきた。最初のデジカメを買ったのも同じ年だ。私は画像で遊ぶのが好きだ。動く画像ならなおよい」とBroylesは説明する。

BroylesがStillyの開発を始めたのは2012年12月で、Vineがリリースされる前のことだった。それにBroylesはStillyとVineはそんなに似ているとは思っていない。動画とGIFというフォーマットの差だけでなく、Vineはビデオ・クリップを作るのも友だちに送るのも手数がかかるという。

「そこへいくとStillyはiMessage、SMS、Tumblrを使って共有できる。現在さらに共有オプションを拡大しようと作業しているところだ。ユーザーの反応が好意的なのでAndroid版も開発したい」とBroylesは語っている。

Stillyは1.99ドルでAppleのApp Storeで販売中。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+