格安航空AirAsiaもハッカソンを主催してエアラインのデジタル化指向をPR

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格安航空のAirAsiaが、一般企業がハッカソンを催す例としては最新の例となった。その最初のハックイベントは、マレイシアのクアラルンプールにある同社の本社で、3月18日に行われる。

その“AIRVOLUTION 2017” — というすべて大文字のクサい名前だが — がテーマとして掲げるのは、当然ながら、空の旅だ。具体的な課題は、当日に発表される。優勝賞金は米ドル換算で5600ドル+帰りの航空券5枚(あくまでもAirAsiaの)+同社のポイント10万だ。

紙上予選で本選出場の20社(名)が決まるが、出場者の国籍はAirAsiaの便がある26の国の一つでなければならない。申し込みは今日(米国時間1/16)から2月19日まで。予選の結果は3月3日に通知され、マレーシア国外の選手にはAirAsiaの航空券が送られる。

スポンサーはMicrosoftほか数社。今年で13歳になる同社に、新風を吹き込んでほしい、とCEOのTony Fernandesは言っている。彼は昨年、AirAsiaを“デジタルエアライン”にしたい”、と語った。

“AirAsiaがデジタルエアラインになる歩みは、今年から始まる。このイベントがラジカルでクリエイティブな思考に火をつけて、AirAsiaを最先端の航空会社に名実ともに位置づけ続けることを期待したい”、と彼は声明文で述べている。

しかしAirAsiaは、ハッカソンを催す最初の旅行会社でも航空会社でもない。EmiratesSingapore Airlines、それにMalaysia Airlinesもすでにやっている。さらに上を行っているBritish Airwaysは、2013年に飛行中の同社機内で空飛ぶハッカソンを主催している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

次期運輸長官エレーン・チャオが上院公聴会で証言―親テクノロジーの姿勢鮮明

WASHINGTON, DC - JANUARY 11:  Elaine Chao testifies during her confirmation hearing to be the next U.S. secretary of transportation before the Senate Commerce, Science and Transportation Committee as her husband, Senate Majority Leader Mitch McConnell (R-KY) (2nd L) looks on, in the Dirksen Senate Office Building on Capitol Hill January 11, 2017 in Washington, DC. Chao, who has previously served as secretary of the Labor Department, was nominated by President-elect Donald Trump.  (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

ドナルド・トランプ次期大統領が次期運輸長官候補として指名したエレーン・チャオ(Elaine L. Chao)は水曜日(米国時間1/11)、上院公聴会で運輸テクノロジーの将来からFAA〔連邦航空局〕の役割に至るまで多数の質問に答えた。

チャオは自動運転車、インフラ、ドローンなどイノベーションとテクノロジーに関連する多数の質問に答えた。

上院商業委員会のジョン・スーン議員(共和党、サウスダコタ選出)は開会の言葉を述べ、「次期運輸長官はアメリカの運輸システムのイノベーションにおいて連邦政府にリーダーシップを発揮させるユニークは役割を担う」と述べ、重要な分野としてV2Vコミュニケーション〔自動車など輸送手段間の通信〕自動運転車、ドローンなど各種のUAVを挙げた。

チャオは「アメリカの輸送システムは、陸上、航空ともにテクノロジーの進歩に追いついてない」とし、国際的な競走で敗北する危険性を指摘した。「われわれの役割は何よりも利用者の安全の確保が優先される」としたが、同時に進歩を妨げるボトルネックとなっている不必要な規制を発見し、適切な見直しを行う方針を明らかにした。

チャオはの運輸インフラ整備に関して民間セクターからの投資を「活用していく」」と述べた。「政府と民間が提携することにより金融機関、年金ファンド等が持つ数兆ドルにも上る資金を多くの政府プロジェクトに注入し、活かすことができる。これらの事業を政府がすべてを独力で実行することができないのは周知のとおりだ」と述べた。

チャオは乗用車、バス、トラックなどの自動運転車とドローンがアメリカのビジネスに与える巨大な可能性を指摘し、「連邦政府の役割はまだほんの幼年期にある」と述べ、連邦政府の役割は「安全かつ効率的なテクノロジーの実現の障害ではなく触媒となる」ことが目的だとした。この発言は自動運転やドローンのテクノロジーを早急に商用利用しようと努力している民間企業にとって間違いなく追い風となる。事実、こうした運輸系企業はチャオが運輸省長官候補に指名したれたときから熱狂的支持を明らかにしていた。

WASHINGTON, DC - JANUARY 11: Elaine Chao arrives for her confirmation hearing to be the next U.S. secretary of transportation before the Senate Commerce, Science and Transportation Committee in the Dirksen Senate Office Building on Capitol Hill January 11, 2017 in Washington, DC. The wife of Senate Majority Leader Mitch McConnell (R-KY), Chao, who has previously served as secretary of the Labor Department, was nominated by President-elect Donald Trump. (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

2017年1月11日、運輸長官指名承認のための上院公聴会に臨むエレーン・チャオ(撮影:Chip Somodevilla/Getty Images)

【略】

チャオはゲリー・ピーターズ議員(民主党、ミズーリ州)の質問に答えて、「自動運転テクノロジーに関連して自動車産業と密接に協力していくことを前向きに考えている」とした。この分野において公的規制がテクノロジーの進歩に追いついていないのではないかというピーターズ議員の質問に対してはこう答えている。

この分野におけるテクノロジーの発達は消費者の受容や理解を明らかに超えていると思われる。国として社会としてこうしたテクノロジーに親しみ、受け入れることが強く求められている。【略】〔その実現のためには〕広く国民的な議論が期待される。この面でも〔議会と〕協力していきたい。

ジム・インホフ上院議員(共和党、オクラホマ州)はドローンについて質問し、規制がテクノロジーの発達や商用利用を妨げているのではないかと質問した。チャオはこれに対してもアメリカがドローン・テクノロジーで世界をリードするためには「広く国民的な議論が起きることが必要だ」と述べ、積極的姿勢を見せた。【略】

WASHINGTON, DC - JANUARY 11: Freshmen members of the Senate Sen. Sen. Maggie Hassan (D-NH) (L) and Sen. Catherine Cortez Mastro (D-NV) prepare for the Senate Commerce, Science and Transportation Committee's confirmation hearing for Elaine Chao to be the next U.S. secretary of transportation in the Dirksen Senate Office Building on Capitol Hill January 11, 2017 in Washington, DC. Chao, who has previously served as secretary of the Labor Department, was nominated by President-elect Donald Trump. (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

新たに当選した上院議員が運輸長官指名公聴会に出席。。左がマギー・ハッサン(Maggie Hassan、民主党、ニューハンプシャー)、 キャサリン・コルテス・マスト(共和党、ネバダ)(撮影:Chip
Somodevilla/Getty Images)

マギー・ハッサン上院議員(民主党、ニューハンプシャー州)は「自動運転テクノロジーが普及し、健康上、経済上などさまざまな理由から自動車を運転することができない人々に一日も早く自動車による移動能力が提供されるようになることを期待している」と発言を締めくくった

コロラド州はこれまで自動運転テクノロジーの発達に大きな役割を果たしてきた(コロラド州であ今年に入ってからも自動運転セミトレーラーによる貨物輸送が行われている)。コリー・ガードナー上院議員(共和党、コロラド州)はスマート運輸テクノロジーについて質問し、テクノロジーの発達を妨げるような「面倒な規制」が連邦レベルで採用されることがないよう要求した。【略】

Delphi's autonomous Audi demonstration vehicle is one car testing on Nevada's roads.

Delphiの自動運転Audi車のデモ。 この車両はネバダ州の行動でテストされた。

チャオはキャサリン・コルテス・マスト上院議員(民主党、ネバダ州)の質問に答え、ネバダを訪問して州政府が自動運転テクノロジーの発達において取っているリーダーシップを実地に見ることを約束した。ネバダ州において数多く自動運転テクノロジーのテストやデモが行われたことは今月開催されたCESコンベンションでも記憶に新しいところだ。【略】

エド・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ州)は自動車間コミュニケーションとプライバシーの問題に関して質問した。自動車ますます「つながったデバイス」になるにつれてハッキングされるリスクが上昇する。また自動車がユーザーの移動パターンその他、車載センサーから重要な個人的情報を収集し、交換するようになっている。マーキー上院議員は消費者のプライバシー保護における連邦政府が果たすべき役割を質問した。【略】

Mercedes-Benz's drone van is one example of how UAVs might push towards greater commercialized use.

メルセデス・ベンツが展示した配送用自動運転バン。自動運転車、ドローンのテクノロジーの商用利用は経済を活性化する可能性がある.

テッド・クルス上院議員(テキサス州選出、共和党)はSpaceXやBlue Originに代表される民間宇宙企業についても質問した。前任のフォックス運輸長官は辞任に当ってのメモで商用宇宙航空について「触れてさえいない」とクルス上院議員は指摘し、チャオに対し、運輸長官としてこの産業分野に取り組む姿勢を質問した。チャオは「この分野についてはまだブリーフィングを受けていない。指名が承認された場合にはクルス議員と協力していく用意がある」と答えた。

チャオはジョージ・W・ブッシュ政権で労働副長官、ジョージ・H・W.・ブッシュ政権で労働長官を務めており、ワシントン政治に関して十分な実績がある。チャオは台湾の台北生まれ。8歳で家族とともにアメリカに移民した。チャオはケンタッキー選出のミッチ・マコーネル共和党上院議員(現在上院多数党院内総務)の妻。

運輸系テクノロジー企業、UberやLyftはトランプ次期大統領がチャオを指名したことを歓迎している。昨年11月にチャオが指名された際、両社はこの選択をa歓迎する声明を発表している。

〔日本版〕エレーン・チャオ(Ellane Chao)の繁体字表記は趙小蘭とされる。Wikipediaでは「イレーン・チャオ」と表記されているが、マスコミを含めて「エレーン・チャオ」表記の方が多いためこちらを用いた。

Featured Image: Chip Somodevilla/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

女性がCEOのGMがGirls Who Codeとパートナーして女性のための放課後コンピューティング教育事業に$250Kを助成

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GMが、STEM教育とその専門職分野における性差を解消する運動をしている非営利の全国団体Girls Who Code(GWC)(プログラミングする女の子)とパートナーして、GWCが展開している放課後事業に25万ドルを助成する。このClubと呼ばれる活動は、学校やコミュニティセンターなどを利用してコンピューティングなどの技術的スキルを教え、アメリカにおいてより多くの女性がハイテクの労働力に加わることを目指している。

GMのCEO Mary Barraはプレスリリースで、女性である自分のキャリアが成功したのは、大学は工学部、就職先の会社では技術者という経歴のおかげだ、と述べている。STEM教育の振興に関心を持つのも、そのせいだ。BarraとGWCのファウンダーでCEOのReshma Saujaniは、今日から始まるモーターショウ(North American Auto Show)で、自動車のインターネット接続や、自動運転、カーシェアリングなどの未来的な移動手段、などをテーマに、30名の生徒を対象にショウの会場で‘授業’を展開する。

AccentureとGWCが最近行った共同研究によると、コンピューティング分野で雇用されている労働者に占める女性の割合は、1995年の37%から今日の24%へと減少している。Barra とGMは、減少を増加に転ずる方法を模索している。今回のGMとGWCとの共同事業のようなものがもっと一般的なトレンドになれば、次の10年間で女性労働力三倍増も夢ではない。

GMからこの事業に参加するのは、カーシェアリング事業MavenのディレクターJulia Steyn、税務と会計監査担当VP Victoria McInnis、グローバル製造担当EVP Alicia Boler Davis、自動運転電気カー担当役員相当主席エンジニアPam Fletcher、などなどだ。さらにGMのもっと上の役員たちも、今年いっぱい、GWCのClubとその生徒たちに協力していく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

電動三輪車のArcimotoが本番生産のためにFundableで投資を募る

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Arcimotoの電動三輪自動車SRKの八代目がCES 2017に登場した。このバージョンは今年の春に、同社の本社のあるオレゴン州ユージーンで製造され、最初に買った人の戸口に届くのは今年の夏、とされている。

2007年にユージーンで創業したArcimotoにとって、それは長い道のりだった。ファウンダーのMark Frohnmayerは、自分の前の会社GarageGamesからArcimotoのための初期の資金をつぎ込んだ。SRKの本番生産が目前に迫った今、同社はFundableにアカウントを開いて、外部投資家を誘っている。

SRKは、本格的な自動車を目指していない。それはあくまでも、小型で安くてゼロ・エミッションの都市型乗り物だ。同社の最新のPRビデオは、Fun Utility Vehicle(楽しいユーティリティビークル)と呼んでいる。前輪を二つのモーターが駆動し、最高時速80mphを得る。シートの暖房など、快適性のための工夫はいくつかあるが、荷物スペースは助手席背後のバスケットだけだ。ドアはオプションだが、州によってはオートバイ用ヘルメットが必要かもしれない。

推定燃費が230MPGeで航続距離が100マイル、充電は家庭のコンセントでできる(110または220ボルト)。最初はエアコンやオーディオはないが、今後のバージョンには装備される。将来的には直流高速充電にも対応の予定。

電動小型無蓋車が欲しい人は、ArcimotoのWebサイトで100ドルを払うとよい(予約金、払い戻しあり)。製品が無事に届いたときには、メーカー希望価格11900ドルを支払う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

魚や羽虫の大群でお互いの衝突がないのはなぜか?、それを真似るHondaのSafe Swarm技術は高度な安全運転を実現する

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Hondaは自然に見習って今よりも安全な安全運転を実現しようとしている。とくに今回同社がCESで披露したSafe Swarm〔仮訳: 安全な群れ〕と呼ばれる技術的コンセプトは、魚の群れの行動を模倣する。Safe Swarmは、それ専用の短距離通信規格を用いて車両間通信を行い、人間運転者をアシストする。

Safe Swarmは、車が拾った状況情報を、運転者が気づくよりもかなり前に、近くの車に渡す。車はお互いに情報を交換し、ほぼリアルタイムで数マイル先の車まで伝わる。そうすると運転者はより早くより確実に、問題を回避できる。

これと似た技術に取り組んでいる自動車企業は、ほかにもある。たとえば自動運転システムを開発しているMobileyeのREMシステムは、専用のセンサーを搭載した車同士が交通情報や道路情報をリアルタイムで共有し、またADASなどの自動運転系にも情報を伝える。それは、運転者からの入力を必要としない、完全に自動化されたWazeにちょっと似ている。

これは、すぐには実際の生産に結びつかない技術の、ひとつの例だが、車間通信がこれからの成長技術であることを示している。自動運転車は、Safe Swarmのようなものがあれば大いに助かるだろう。しかし自動運転車が普及する前の、今の時点でも、多くの生命を救う可能性を持っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Toyota Research Instituteのトップによると完全な自動運転車の実現はまだまだ遠い先の話

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世の中のみんなが未来の完全な自動運転車に注目している中で、Toyota Research InstituteのCEO Gill Prattは、それは想像以上に複雑であり、ゆっくりとしか進まない、と述べる。

Prattによると、SAEの“Level 5”に相当する完全な自動運転は、“実現が近いとは到底言えない”。Prattは、完全な自動運転に到達する時期についても、同社は何一つ目標や想定を持っていない、と何度も語った。それは、彼が今日(米国時間1/4)のCESの会場で、新しいコンセプトカーConcept-iを披露したときのスピーチで語られた。

Prattはこう語る: “人類は歴史的に、機械の欠陥による傷害や死亡に対する許容度がゼロである。AIのようなすばらしい機械ですら、欠陥を免れることはできない。今はまだ、Level 5に近いとすら言えない。これからも多くの年月とテスト走行等を必要とし、シミュレーションと現実世界の両方でテストを重ね、Level 5が要請している自律性を完璧に実現しなければならない”。

もちろん、彼の発言は全然意外ではない。Teslaのオートパイロットのような最新の自律運転機能ですら、限られた状況での利用を前提しており、あくまでも運転の補助機能でしかない。しかもそういう条件の中ですら、人間運転者がたえず周囲に気を配っていなければならない。したがってそれは、、危険が生じそうなときに運転者に警告し、それを未然に防ぐための技術、と位置づけなければならない。

しかし彼のような業界内部からの懸念表明は、自律的車両でUberなどのエンドユーザーサービスをサポートしようとしたときにぶつかる問題やトラブルも、反映している。Uberのような企業は乗客の送迎において、一定の限られた状況をよく定義実現できるとしても、より確実な自動運転の実現にはもっと長い時間を要するのならば、安全要件のすべてを満たすためにはそんなに早く人間運転手をゼロにはできないことになる。これが自動運転車を売りたい自動車メーカーと、そのエンドユーザーサービスであるUberのような企業との間に横たわる、大きな問題だ。Uberも、まだ当分は、人間運転者が頼りだ。

Concept-iは運転者のビヘイビアを学習し、“Yui”と呼ばれるAIエージェントが活躍する。AIは運転者との関わりを持ち、周囲に対する運転者のコンスタントな注意を支援する。Toyota Research Instituteが今行っている二つの研究開発のうち、そのひとつであるGuardianは、運転者の素早い反応/応答を必要とする状況で彼/彼女をアシストし、もうひとつのChauffeurは、自動運転の研究開発努力の一環だ。

AIと運転者との関わり、エンゲージメントは、単純に車内でYuriに話しかけることで実現する。それにより運転者の注意喪失を防ぐ。たとえばテキストメッセージを読んだり書いたりという注意喪失状況は、それらをYuriがやってくれることによって、防げるだろう。でも、そんな状況のデータが今後たくさん集まれば、危険な状況への理解が深まり、自動運転の前段階である拡張運転体験(augmented driving experience)の改良に資するだろう。

今、および近い将来、メーカーはLevel 4の自動運転を目指すが、その広範な実用化には数十年を要するだろう。Prattは、そう言う。現時点の最大の課題のひとつは、運転者が絶対に既存の自律システムを過信しないようにすることと、しかし運転中にテキスティングを始めるぐらいは(適切に)信頼することだ、とPrattは語っている。

〔訳注: Toyota Research Instituteの発足時に、“目的は自動運転車の開発ではなくて、事故ゼロ車の研究開発”、と宣言されている。関連記事日本語)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

EVの高速充電装置/ステーションはどんだけ速いのか?、メーカーの発表数値を比較する

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EVgoが今月、公共直流高速充電ステーションの新記録をカリフォルニアで作る、と発表した。その能力は最大350kw、現在の記録保持者はTesla Superchargerだが、それよりも強力だ。EVgoのステーションの1号機はこの夏、カリフォルニア州ベイカーの世界一背が高い温度計の近くで、供用を開始する。

そこで、疑問が生ずる: そのほかの高速充電ステーションはどれだけ速いのか? そもそも、高速充電ってどれだけ速いのか?

EVの充電に要する時間は、二つのことに依存している: 充電装置が供給する電力と、車の充電システムが対応できる最大電力だ。EVはLevel 3の充電ステーションを使うために、CHAdeMOやSAE CCSの規格に準拠、またはTeslaの車種でなければならない(後者は他の規格のためのアダプタがアクセサリとしてある)。

Level 1の壁際コンセントは、減損したEV用電池の充電に一晩、あるいはそれ以上かかる。Level 2の充電装置は完全充電までに一晩ぐらいかかる。Level 3のステーションでは、80%の再充電が1時間以内に終わる。

以上は一般的なルールだが、メーカーはこんな数字を挙げている:

  • Tesla Model S: 120kw Superchargerステーション、40分で80%充電。
  • Jaguar I-PACE コンセプトEV: 50kw Level 3ステーション、90分で80%充電。
  • Chevy Bolt: 50kw Level 3ステーション、30分充電で90マイル。
  • Nissan Leaf: 50kw Level 3ステーション、30分で80%充電。

EVgoのネットワーク上には800基あまりの高速充電ステーションがあり、そのほかに最新のハイパワーステーションもある。後者は4台の充電装置を内蔵し、将来8台に拡張する予定だ。ひさしにソーラーパネルがあって充電装置に電力を供給、もちろんひさしだから人間と車を直射日光から守る。(充電器への電力供給のない)夜間利用者のための、バックアップ電池も用意している。Tesla SuperchargerのようなWi-Fiホットスポットはないが、でも、忘れちゃいけない、近くに世界でいちばん背の高い温度計がある!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Volkswagenの今度のEVは未来の自動運転を完全に意識、ハンドルがどこかへ隠れてしまう!

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Volkswagenは、今年の初めにパリのモーターショーで披露したI.D.コンセプトカーの系列を拡張した新しいコンセプトカーを、1月にデトロイトで行われる北米国際オートショーで正式に発表する。今日同社は、そのコンセプトカーの“予告編”をリリースして、その車種の詳細をいくつか垣間見せた。それにより、その設計が、将来の自動運転車を完全に想定していることも分かる。

今回I.D.系列に新たに加わる車種はフル・エレクトリック、ハイブリッドでない完全な電気自動車(EV)で、同社のModular Electric Drive(MEB)がベースだ。この新しいプラットホームをVolvoも使用して、そのEVラインを今後10年間で30車種以上に広げる計画だ。

この新しいコンセプトは、パリのオートショーで紹介されたI.D.よりも未来志向のようだ(I.D.は、MEBをベースとする最初の量産車両になる、と同社は言っていた)。新しいコンセプトカーの設計は完全に自動運転を前提しており、ステアリングホイールはあるけれども、VWのロゴのあるボタンを押すと、ダッシュボードの中へ格納され、運転者がくつろげる空間を作る。

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その設計/デザインはまるで、人間が運転しなくなった時代の車はどうあるべきか、をヴィジョンしているようだ。実際に“ポスト人間運転”の車が路上を走るようになるのは、もっと未来の話だが、今現在の消費者向け自動車に自動運転車の技術を部分的に導入するVWの考え方は、やはりおもしろい/興味深いと言える。

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2016年度のUberの赤字は30億ドルに拡大へ―収入も拡大中

FILE - In this Dec. 16, 2015 file photo a man leaves the headquarters of Uber in San Francisco. Uber and advocates for the blind have reached a lawsuit settlement in which the ride-hailing company agrees to require that existing and new drivers confirm they understand their legal obligations to transport riders with guide dogs or other service animals. The National Federation of the Blind said Saturday, April 30, 2016, that Uber will also remove a driver from the platform after a single complaint if it determines the driver knowingly denied a person with a disability a ride because the person was traveling with a service animal. (AP Photo/Eric Risberg, File)

The Informationその他の情報によれば、 Uber赤字は昨年の22億ドルからさらに増え、2016年は30億ドルになるという。Uberといえばすでに確立された世界的なブランドというイメージが強いが、ビジネスとしての収益性には分かりにくい点が多い。

ドレイクやウィズ・カリファといったヒップホップのスターは歌詞で始終Uberに言及している。ハリウッドのビッグネーム、ウィル・ファレルはUberのドライバーをテーマにしたコメディを製作し、主演することも決まっている。

Bloombergの推計によれば、リムジン、タクシー配車サービスのパイオニアは2016年の純収入は55億ドルで昨年の20億ドルから大幅にアップしている。こういった金額や伸び率は普通なら驚くべき数字のはずだが、30億ドルの赤字が予想されるということはUberは1ドルの収入を得るたびに1.55ドルを支出している計算になる。

Uberの広報担当者は財務情報に関してコメントしないとしている。

Uberの赤字がどこから来ているのかだが、少なくとも次ような支出先がある。自動運転車の開発、食品配達ビジネスの拡大、ドライバーと社員の人件費、訴訟多数、ロビー活動、等々。Uberではここ昨年コスト削減のために報酬体系の見直しを行ったが、それでも人間のドライバーに対する支払いは大きなコストセンターになっている。

ドライバーへの支払の他に、Uberはライバルとの競争にも多大の費用を必要としている。つまりインセティブ、ボーナス、広告、ドライバー側アプリの改善などだ。またUberは契約者ではなく雇用者であることの確認を求めるドライバーのグループを始めとして多数の訴訟にさらされている

またUberは外部のパートナー企業に運転のためのナビゲーションを頼らなくてもすむよう、数億ドル地図テクノロジーの開発につぎ込んでいるという。

今年、Uberは引き続き企業買収を行ってきたが、特に 人工知能のスタートアップ、Geometric Intelligence自動運転トラックのスタートアップ、Ottoの買収が目立った。自動運転とロジスティクスの分野でもリーダーになろうとする戦略的投資なのだろう。

しかしこうした買収の一方で、20116年の下半期は配車回数が減少傾向だ。もっともこれはUberが中国でライバルとの競争を諦めたことから予想されたことだった。Uberは中国での事業を最大の地域的ライバルであるDidi Chuxing(滴滴出行)に売却し、両社を統合した会社の持ち分を得るという戦略に転じている。しかしこれは世界的にみてUber自身による配車回数の減少という結果をもたらしている。ただし中国市場から撤退したことにより、リソースを他の有望分野、料理の配達のUberEATSサービスを世界50都市に拡大するために振り向けることが可能になった。

ビジネスの観点からすると、一番重要なのは、ピッツバーグ、最近ではサンフランシスコにおける自動運転タクシーの実験だろう。将来、自動運転車が実用化されれば、Uberは膨大な人間のドライバーを必要としなくなる、少なくとも大幅に減少させることができる。株主はUberがこの分野に投資することを引き続き支持するだろう。

ただ同時に、スマートフォン配車ビジネスに多数のライバルが参入中だ。これによりドライバーの採用と引き抜き防止のための費用は大幅に上昇した。またGoogleはWaymoという新会社を設立し、自動運転テクノロジーの全面的なビジネス化を図ろうとしている。

ところが、Uberの内外のライバルはアメリカのLyft、インドのOla、東南アジアの Grab、ヨーロッパのGettを含めて、ほとんどが非公開企業であるためビジネスの内情をUberと正確に比較することが非常に難しい。しかし配車サービス事業に詳しい情報源によればUberはライバルのLyftなどより賢明な支出を行っているという。両社の財務内容に詳しい人物がTechCrunchに語ったところによれば、顧客サービスのための割引やドライバーへのインセティブを含めて、Lyftのコストは1配車ごとにUberより50%も高いという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Hondaが1月のCESの予告編をリリース、Safe Swarm技術、個人車Uni-Cub、感情ロボットカーNeuVなど

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Hondaは1月に行われる今度のCESで、同社がこれから展開する“cooperative mobility ecosystem”なるものを軸とする、いくつかの発表を行う。そして今日同社は、その発表の中身の一部を、“予告編”として公開した。

その短いビデオでは、三つの新しい機能が紹介され、その中には、今年の11月に発表された新しいトレードマーク“Safe Swarm”*も含まれる。それは、一種の車両間コミュニケーションネットワークのようなもので、車同士が情報を共有しながらより安全に道路を通行する。ただしその仕組みは、今回のグラフィクスからはよく分からない。〔*: Safe Swarm, 安全な大群, 主にロボット工学の用語で、大量の群れがハチやアリなどの群れのように、どんなにたくさん密集して高速移動しても、お互いに事故ることなく安全・整然と行動できるための制御とコミュニケーションの方式。 〕

第二のテーマUni-Cubは、個人が利用する未来の移動デバイスだ。このいわゆる“個人車”は、自動車業界全体としての大きな未来的テーマであり、とくに高齢化社会では重要、と見なされている。Hyundaiも今週の初めに、CESでデモする予定のプロジェクトをプレビューした

この予告編の三つめのスターは、コンセプトカーNeuVだ。この、今月初めに発表された通勤用自動化電気自動車は、“感情エンジン”と呼ばれる人工知能を搭載している。Pepperを作った企業との共同開発で、ロボットのPepperくんと同じような、AIによる対話機能を持ったサービスロボットを内蔵している。

今度の消費者電子製品ショウ(consumer electronics show, CES)でHondaは、未来志向の発表をたくさん行うようだ。問題は、その中のどれだけが実現するか、だけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Uberの自動運転車はサイクリストを危険にさらす、と自転車愛好家グループが警告

車のオンデマンド配車で巨大企業になったUberは先週、州の許可なしで公道上の自動運転車のテストを行い、論議を招いた。

本日(米国時間12/20)Uberは、自転車愛好家たちが、その試験車両には右折時の“右フック”(巻き込み)問題があり、サイクリストを重大な危険にさらす、と警告したため、火に油を注ぐ結果となった。

このシナリオでは、車両が自分の車線から右折しようとするとき、自転車用車線に合流してから安全に右折を完了するのではなく、曲がり角でサイクリストを妨害することもありえる。

San Francisco Bike Coalition(サンフランシスコ自転車連盟)によると、これが、自転車と自動車の接触事故の主な原因の一つであり、今年の初め、Uberのためにビデオでコンサルティングしたときにも指摘した事実である:

この種の方向変えは、重傷や死亡に結びつくような自動車と自転車との接触事故の、主な原因の一つとして知られている。それはまた、われわれが職業的運転者に提供しているすべての交通安全教育において注意を喚起している、危険な行為である。その教材には、この秋というごく最近の時期にUberのためにコンサルティングしたときの、ビデオも含まれる。

The Guardianの記事によると、Uberはこの問題を知っているが、その自動運転車両の稼働を継続した。その場しのぎの策としてUberは、自転車専用車線のある道路で右折するときには人間運転者が運転するよう、命じていたという。

この“右フック”問題が大きく報じられるよりも前にカリフォルニア州の司法長官Kamala Harris(州選出の上院議員にも選ばれている)は、州自動車局の特別許可が得られるまでUberのテストを中止するよう要求した。

Uberは、Self-Driving Coalition for Safer Streets(より安全な道路のための自動運転連盟)の創立メンバーだ。本誌TechCrunchは、この記事のアップデートのために、同社と連盟にコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

UberはBeaconが光るのが目印―フロントウィンドウのLEDデバイスで乗客が車を判別しやすくなる

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Uberは今日(米国時間12/15)、Uber Beaconという新しいデバイスを一部の都市で使用し始めると発表した。

新しいハードウェアは小さなBluetoothデバイスで、Uberのロゴの形状でさまざまなカラーでに光らせることができるLEDが組み込まれている。ドライバーがBeaconをフロントウィンドウの下部に貼り付けておけば乗客は遠くからでもどれが自分が呼んだUber車か見分けやすくなるというアイディアだ。最初にBeaconが導入されるのはアメリカのマイアミ、デンバー、ナッシュビル、イギリスのニューキャッスルだ。

もっとも完全に独創的なアイディアというわけではない。ライバルのLyftはすでにAmpという多色ディスプレイを採用している。Lyftのデバイスは裏側がドット文字のデザインで、車内の乗客にメッセージを伝えることができる。

UberのBeaconはそこまで凝っていないが、サイズは十分大きく、外側を向いたLEDは十分な光量があって雨や雪など悪天候下でも判別しやすそうだ。それにLyftのアイディアをそっくり頂いたというわけでもない。Uberはシアトルで1年前の12月からさまざまなカラーディスプレイのテストを続けていた。

最終的に採用されたバージョンは、上記のとおり、乗客にとって判別しやすいUberのロゴのデザインとなった。乗客はスマートフォンのUberアプリからカラーホイールを開いてBeaconの色彩を決められる。つまり同じ場所、同じ時間に別々の乗客がまったく同じ色を選んでUberを呼ぶというような可能性はごく小さい。

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Beaconはバッテリーを内蔵しており、Uberによれば「数日もつ」ということだ。また表面の色彩がプログラム可能なので、お祝い、特別な記念日、イベントなどのためにカスタム・カラーで光らせることもできるという。今回のBeaconのロールアウトは今年のニューイヤーイブをターゲットにしている。いつにも増してUberの需要が高まる季節だが、Beaconはドライバーと乗客双方の仕事を少し楽にしてくれそうだ。

Uberでは乗客が正しいUber車を見つけるプロセスを非常に重視している。乗客のピックアップの過程における行き違いや誤解は業務全体の効率を大きく低下させるおそれがあるためUberでは改善に大きな努力を払っているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleは自動運転車の自社開発をやめたらしい、今後は自動車メーカーとのパートナーシップを重視

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一部の報道では、Googleは長年取り組んできた自動運転車の開発計画を棚上げし、既存の自動車メーカーとのパートナーシップの道を選ぶ、という。

The Informationの記事によると、Googleの自動運転車部門…社内コードChauffeur…は今、一部の自動運転機能を含むがハンドルやペダルは残る自動車の名前(ブランド名)を検討している。そのために今同社はFiat Chryslerと協働しており、両社のパートナーシップは5月に発表されたが、しかしそれは、今後のそのほかのパートナーシップを匂わせる兆候だったかもしれない。

その記事によると、Googleは最初、ハンドルもペダルもない自動運転車を追究したが、その後、AlphabetのCEO Larry PagとCFO Ruth Poratが、その最初のやり方を“非実用的”と判断した。なんとその判断は、Googleが自動運転車で公道上の200万マイルのテスト走行を成し遂げたあとに、下(お)りているのだ。

Googleがペダルのない自動運転車を放棄したとしても、The Informationに情報を提供した筋によると、同社はその野心的なプランをふところに抱(いだ)いたまま、2017年内には自動運転タクシーを発表するべく、その開発を進めている。Googleは前から、オンデマンドカーの市場に参加する、と噂されている — 現に同社はそのWaze事業によりカープーリング・サービスを提供しているが、それは結局、Uberと直接的に競合することになるだろう。一方Uberは今年ピッツバーグで、自動運転タクシーの試行を始めた。そしてさらにNutonomyという若い企業はシンガポールボストンで、同様の試行を行っている。

Googleとしては、先行している彼らに追いつきたいのだ。

同社は火曜日(米国時間12/14)にカリフォルニアで、自動運転車に関するメディアイベントを行うので、そこで詳しい情報が得られるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SpaceX、ドラゴンによる初の有人飛行は2018年を予定

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SpaceXは、NASAのミッションとして有人のDragon宇宙船を2017年中に打ち上げる予定にしていた。当初の予定より半年ほど遅れることとなったが、打ち上げは2018年に行う予定であることが発表された。9月の爆発事故をうけてFalcon 9の燃料搭載プロシージャの改善作業を行なっていたことも一因だ。

事故直後、SpaceXは「デザイン面、システム面、手順面」に及ぶ「調査と改善」が必要となると話していた。この作業に注力していたことにより、有人宇宙船の発射予定が遅れることとなったわけだ。重大事故につながった原因の特定については最終的に完了したともしている。「事故調査の作業と並行してNASAとの連携作業も進めてきており、予定していたマイルストンをすべてクリアして、打ち上げ予定を決定することができました」とSpaceXは話している。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、宇宙船に乗員が搭乗している状態で外部から燃料補給を行うというプランは変更になるのではないかとのこと。ただしこの件につきNASAの担当者たちは公式な声明をいっさい行なってはいない。

SpaceXの方は、宇宙飛行士たちが搭乗する宇宙船への燃料補給の仕組みは完成しつつあるとしている。そして今後も実験などを重ねつつ、必要な変更を行っていくことになっていると述べている。

無人飛行実験は2017年11月に行われる予定だ。SpaceXによればDragon宇宙船は10回のミッションを行うことができるように設計されているとのこと。2017年中にはこの無人飛行実験の他にも宇宙服やパラシュート、ロボットアームなどの実験を行なっていくことになるとしている。

同じく商用有人宇宙ロケットの開発を目指すボーイングは2018年6月に最初のテストを行うことになっている。そして有人でのテストも8月に行うとしており、ボーイングおよびSpaceXはスケジュール的にもごく近いなかで競い合うこととなる。予定通りにすべてことが進めば、SpaceXの無人テストが2017年11月で、有人宇宙飛行が2018年5月となる。この通りに進行すれば、SpaceXが少々先行することにはなるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

Hyperloop Transportation Technologiesが1億ドル以上を調達したと発表

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Hyperloop Oneが、Elon Muskのアイディアを基にしたハイパーループシステムのプロトタイプの建設を進める中、彼らの競合にあたるHyperloop Transportation Technologies(HTT)が、この度サンフランシスコからロサンゼルスまでを30分以内で移動できるシステムを開発するために、1億800万ドル超の資金を調達したと発表した。

誤解のないように書くと、同社は3180万ドルを投資家から現金で調達し、残りの7700万ドルは、労働力やサービス、土地の使用権や将来的な現物支給などで構成されている。

アーリーステージのテック企業向けクラウドソーシングプラットフォームであるJumpStartFundのプロジェクトから誕生したHTTは、株式を対価とした労働力の現物出資を行うボランティアの手によって支えられてきた。

HTTによれば、いくつかの企業も同社へ現物出資で参加したようだ。その中には、素材メーカーのCarbures Europe SAやデザイン・エンジニアリング企業のAtkins、ブランド・マーケティング企業のAnomaly Communications LLCのほかにも、ヨーロッパを拠点とするAR・VR企業のReflekt GMBHが、ハイパーループシステム内に取り付けるAR窓に関する提案を行っており、ドイツのケルンを拠点とするLeybold GmbHも技術面でHTTを支援していく。同社は産業用真空ポンプのパーツを製造・販売しており、彼らの技術はハイパーループシステムにおいて極めて重要な部分を構成している。

まだプロトタイプはお披露目されておらず、最近計画されていたTechCrunchチームによるプロダクト見学も直前にキャンセルされてしまったが、前述のような企業がHTTのシステムに関わっているとすると、同社は本当にハイパーループシステムの建設を進めている可能性が高い。

また、これまでクラウドソーシング経由で、603人が同社のプロジェクトに対して自らの時間と才能をつぎ込んでおり、その中には「38ヶ国・44社から参加した200人以上の専門家」も含まれているとHTTは話す。

しかし、HTTの共同ファウンダーであるBibop Grestaの発言については、その信憑性が疑われるような事件が以前発生していた。あるオーストラリアのニュース記事の中に、ハイパーループの建設についてクイーンズランド州政府の代表者と会談を行ったというGrestaの発言が掲載されていた。しかし、このニュースを報じたRNが、その後同政府にコンタクトしたところ、彼らは「クイーンズランド州政府の役人とGresta氏もしくはHyperloop Transportation Technologies社との間で会談が催されたという記録はありません」と答えたため、RNは後ほどその記事を修正していたのだ。

HTTが私たちに送ってきた以下のツイートを見る限り、どうやらHTTは少なくともオーストラリアで行われたビジネスカンファレンスPause Festの中で、交通地域省の役人と共にステージに上がってはいたようだ。

さらにHTTはTechCrunchに対して、オーストラリア政府とシドニー・メルボルン間の線路建築の可能性についても議論し「反応はとても良かったのですが、その後に控えたオーストラリアの総選挙で繁忙期に入るため、彼らは落ち着いてから連絡すると言っていました。しかし、その後数ヶ月に渡って再度連絡を試みたところ、反応はありませんでした」と語っていた。

現在HTTはオーストラリア政府が引き続き興味を持っているのか確認中だという。

またGrestaは、今年のはじめにTechCrunchを含む複数のメディアに対して、カリフォルニア州クエイ・バレー(Quay Valley)に計画されている未来型都市の敷地内で、ハイパーループシステムの建設を開始したと発表したが、未だ完成予想図以外の進捗に関する情報は得られていない。

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それからしばらくして、HTTはTechCrunchに、デモ車両のテストが2017年中に行われる予定との連絡と共に、追加の完成予想図を何枚か送ってきていた。

私たちの質問に対して、HTTの広報担当者は、同社が利用している米ローレンス・リバモア国立研究所が開発した磁気浮上システムのフルスケールでのテストもほとんど完了しており、「複数のエリアで、乗客を乗せられるフルスケールのハイパーループシステムを建築する準備を進めていると同時に、その他のいくつかの国とも交渉を行っている」と語っていた。

さらにHTTは、アメリカ政府とクエイ・バレーでのハイパーループ建設に向けて動いているが、彼らでは「コントロールできない」事項もいくつかあると話していた。

もちろん、新しいテクノロジーの導入には時間がかかり、スタートアップが当初予測していたよりも計画が長引くこともある。しかし、競争は既にはじまっており、少なくとも競合は既に線路の建設を進めている。

Grestaはそんな状況にもひるまず、HTTはあるべき「方向に向かって」おり、「構想に沿ってプロジェクトを進行している」と語る。

HTT CEOのDirks Ahlbornは「Hyperloop Transportation Technologiesは、単なる会社ではなく、社会的な活動のようなものです。設立当初には、多くの人が情熱に従って私たちの事業に参加し、HTTを何百万ドルもの価値がある企業にするため協力してくれています」と付け加えた。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Uberがバックグラウンドで乗客の位置情報の収集を開始した

FILE - In this Dec. 16, 2015 file photo a man leaves the headquarters of Uber in San Francisco. Uber and advocates for the blind have reached a lawsuit settlement in which the ride-hailing company agrees to require that existing and new drivers confirm they understand their legal obligations to transport riders with guide dogs or other service animals. The National Federation of the Blind said Saturday, April 30, 2016, that Uber will also remove a driver from the platform after a single complaint if it determines the driver knowingly denied a person with a disability a ride because the person was traveling with a service animal. (AP Photo/Eric Risberg, File)

あなたはダウンタウン高層ビルでの予約したセラピーに向かっている途中だと想像して欲しい。あなたはUberを呼び、セラピーの前に軽食でも取ろうと、目的地近くのコーヒーショップを行き先として入力する。車の中では、Instagramを眺めたり、メールをチェックしたり。車を降りて、コーヒーを買って、角を曲がればセラピストのオフィスだ。

もしアプリの最新アップデートを行っていたなら、Uberはこれらの位置情報の全てを追跡していたことになる。

アプリのアップデート(確かめたい人のために:バージョン3.222.4だ)によって、Uberはユーザーからの位置データの収集方法を変更した。以前は、ユーザーがアプリを開いている間(フォアグラウンドの間)だけ、Uberは位置情報を収集していたが、今やUberはユーザーに、その位置を常に会社と共有するように求めてくる。

Uberによれば、アプリが携帯電話のバックグラウンドで実行されている間、位置を絶えず収集することは可能ではあるものの、その機能は使用しないということだ。その代わりに、Uberは、サービスを改善するために位置データがもう少しだけ必要で、デバイスレベルの権限の都合から、一定のアクセスを求めなければならないのだと主張している。

具体的には、Uberは乗客が乗車を要求した瞬間から、運転手が乗客を降ろしてから5分後まで、その位置を追跡したいと考えている。たとえアプリが携帯電話でフォアグラウンド状態でなくてもだ。以前なら、Uberは、乗車中の乗客のバックグラウンド状態での位置や、降車後の位置を集めたりはしていなかった。

同社はこの情報を降車時と乗車時のサービスを改善するために利用する、そこはずっとUberや他の配車サービスが苦慮している点なのだ。乗客と運転手がコンタクトをとる最も多い理由は、アプリケーションが正確な場所を提供していない場合にコミュニケーションをとるためである。そしてUberはこうした乗車時の混乱を減らしたいと思っているのだ。

Uberははまた、乗客が降車後どれくらい頻繁に通りを直接横断しているのかを追跡したいと思っている、こちらは安全上の問題を示していると同社が考えているからだ。乗客は目的地に達するために道路を横切らなくても良かったはずだ、と広報担当者は説明する。降車後にユーザーを追跡することで、ドライバーが危険な場所に乗客を降ろしたかどうかを判定するのに役立つのだ。

「ETA(到着予測時刻)をより正確にし、特定の通りにおける最適なピックアップ位置を特定することで、私たちはお客さまの体験を向上させる方法を常に考えています、位置情報はUberの経験の中心であり、乗客の皆さまに、これらの目標を達成するための情報提供を求めているのです」とUber広報担当者は述べている。

バックグラウンドでの位置データの新しい収集は、乗客にとっては驚くようなものかもしれないが、Uberは昨年この変更のための基礎固めを行っている。同社は昨年の夏にプライバシーポリシーを更新して、バックグラウンドの位置情報収集を可能にしたために、プライバシーグループからの反発と、連邦取引委員会(FTC)への訴状を受けている

Uberはバックグラウンド位置データによって「新しい有益な機能を提供できる。例えばユーザーがアプリを開いた際により早く立ち上がる(現在はアプリを開いてから周辺の乗車可能な車が表示されるまでには遅れがある、これはアプリが現在地を特定しようとしているからだ)」とその時に語っている。最新のアプリのアップデートにより、Uberはついに昨年のプライバシーポリシーの変更を活かしたことになる。

Uberに対する訴状をFTCに提出した電子プライバシー情報センター(The Electronic Privacy Information Cente)は、提案されたバックグラウンド位置情報収集を「違法で欺瞞的な商取引」と呼んでいる。しかし、Uberはバックグラウンドの位置収集を開始する前にユーザーの同意を得ており、また乗客がGPSの許可を求められる際に変更点を説明するページへのリンクを示していると主張しいている。

1月にニューヨーク州検察局は、プライバシー・グループが提起した問題のいくつかを取り上げ、Uberとの和解に達した。合意事項として、Uberはユーザーの位置情報を暗号化(携帯電話から、及びUberのサーバー同士での送信時)することが求められ、同社によって保存されるGPSデータは多要素認証で保護されなければならいことになった。

しかし、乗客の中には、Uberの車を降りた後や、バックグラウンドでアプリが起動している間に、位置情報を追跡されることを不快に思う人もいるかもしれない。 Uberと余計な位置情報を共有したくない人は、携帯電話の設定で位置情報共有をオフにすることができる。その場合、続けるためにはUberが場所を知る必要がある、といった告知が表示されるものの、ピックアップのための住所は手入力で行うことができる。

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(翻訳:Sako)

古いおんぼろ車でも簡単に多機能なインターネット接続カーになるDashbot、安価なオープンハードウェアとして登場

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今とてもクールな車を持ってるのに、誰がスマートカーなんか必要とするの? Dashbotは49ドルの車載用アクセサリで、運転中にスマートフォンやAlexaでインターネットと対話できる。手が空くから、髪をポマードで塗り固めた悪党をやっつけたり、頭上でヘリコプターが爆発する前に罪なき人びとを救える*。この製品はBluetoothスピーカー+αで、αの部分にたくさんの機能がつまっている。Alexa専用デバイスと入れ替えれば、あなたのスマートフォンに手を触れずに容易に対話ができるようになる。〔*: 30年前の電脳カー、ナイトライダーのエピソード。〕

システムは車のライター(煙草用)とステレオのAuxジャックかBluetoothで接続する。スマートフォンを車に近づけるたびにインターネットに接続し、また、完全なコンピューターなのでワイヤレスのOBD-IIセンサーにアクセスして車のセンサーデータをリアルタイムで読む。

DashbotはコンピューターボードとしてC.H.I.P. Proを使っている。それは、Raspberry Pi的な、超小型シングルボードコンピューターだ。その上でLinuxが動き、すべてが完全にオープンソースなので自由なハッキングを楽しめる。

開発チームは曰く:

DashbotはC.H.I.P. Proを使っているから、ユーザーが新しい機能を教えることができる。使っているOSのGadget OSは、Linuxベースの高速ブート型オペレーティングシステムで、わが社の主軸製品だ。Next Thing Co.のそのほかの製品もすべてそうだが、Dashbotもオープンハードウェアであり、そのソフトウェアはオープンソースだ。そしてもちろん、DashbotはAPIを公開している。

 

実はDashbotのチームはC.H.I.P. Proをリリースしたチームと同じチームで、ハードウェアスタートアップのためのアクセラレータHAXの卒業生だ。Kickstarterの締め切りまでまだ20日あるが、すでに目標額を大きく超えている。古い車でもワンタッチでスマート(電脳)になるから、きっと楽しい製品だろう、とぼくは思う。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

自動運転車と共有モビリティが保険に与えるインパクト

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【編集部注】著者のSeth Birnbaum氏は、米国最大のオンライン自動車保険市場EverQuoteのCEO兼共同創業者である。

「次の5から10年の間には、わたしたちが過去50年の間に見てきたものよりも大きな変化に出会うことになるでしょう」GMのCEOであるMary Barraはこのように言っていた 。この発言から1年が経ったが、その内容は正しいままだ。車の所有形態が変化しつつあり、自動運転車は次の10年で実用化される。保険業界に影響があるのはどれだろうか:自動運転車(self-driving cars)なのか、共有モビリティ(shared mobility:移動手段の共有)なのか?

自動運転車

Googleの自動運転車のうちの1台が、最近これまでで最も損傷の大きな自動運転者衝突事故の1つに巻き込まれた。これは自動運転車のせいではなく、側方から赤信号で突っ込んできた別の人間の運転する車が、自動運転車の側面に衝突し、エアバッグが動作したというものだ。しかし、このシナリオは車自身がどのように避ければよいかを知らないものだった。

ドライバが運転を引き継ぎブレーキを踏んだが、衝突を回避するには遅すぎた。

自動運転車は、一旦広く受け入れられてしまえば、人間が運転するする車よりも遥かに安全になると思われるが、まだ人間が路上で運転している状況の中で本当により安全でいられるのだろうか?どのように複雑でとらえどころのない「人間要素」を考慮すれば良いのだろうか?

これは私たちに疑問をもたらす:この状況の中に保険が持ち込まれたらどうなるのか?自動運転車が通過する前の6秒の間前方の信号は緑だった、にもかかわらず側面からぶつけられてしまった。

自動運転車産業は今後20年間で飛躍的に成長すると予測されており、保険会社も一緒に泳ぐことを学ぶ必要がある。さもなければ沈んでしまう。

自動車保険は、長期的にだけでなく、近い将来この差し迫った技術に適応しなければならない。。自動運転車は事故を9割減らすことを期待されている一方、米国人の81パーセントは自分で運転するよりも、自動運転車の方が安全だろうと感じている。もしそのように感じているのなら、ドライバー達はその技術に喜んでより多くのお金を支払うだろうか?Volvoは最近、彼らの自動運転技術は、既存の車に1万ドルほどの上乗せが必要になると発表している。

消費者のためらいやその他の法的障壁によって、自動運転車が完全に採用されるまでには、何十年もかかるだろう。その結果、保険会社が計画を練る必要のある、より切迫した移行期間が出現するだろう。その移行期間の間、自動運転車と人間の運転する車が入り混じって路上に存在しているのだ。

自動運転車は、1台の車を複数のドライバーが利用する状況よりも、大きな変化を保険会社に迫るだろう。

自動運転車が一般に普及していくにつれ、大衆がテクノロジーに適応していく過程で「人間要素」が関係する事故が出現するだろう。保険会社は短期的には、こうしたタイプの衝突をカバーする必要がある。おそらくGoogleの自動運転車の事故のようなものを。将来的には、保障しなければならない新しいリスクも出現するだろう。センサーの損傷、衛星の故障、その他の新しいテクノロジーなどだ。

おそらく、保険は無過失保険の形式になるだろう、そこではどちらの側も過失を問われず、それぞれの車のオーナーの保険がそれぞれの車両をカバーすることになる。あるいは、保険は走行距離や使用形態に基づくプレミアムコストの乗った、光熱費のような基本コストになるかもしれない。自動運転車のハッキングあるいは、サイバーセキュリティ上のリスクも考えられる。保険会社はサイバーセキュリティ問題をカバーするのか、あるいは製造者がその責任を負うのか?

 これらの疑問に対する答は、今全て決めることはできないが、保険会社はこのパラダイムシフトに早いうちに対応する必要に迫られることになるだろう。火災、動物、洪水、盗難、地震、破壊行為のための包括的なカバレッジは依然として必要で、そうした保険の種類は、費用の調整を除いて、大きく変更する必要はないだろう。

交通インフラストラクチャは、自動運転車が容易に利用可能になるにつれ変化することが期待される、そしてこれは保険が運用されるやり方にも影響を与えるだろう。現在は、すべての道路がきれいで目に見える道路ラインと共に、平らに舗装されているわけではない。雪やその他の気象条件ではどうだろうか?自動運転車が、完全にラインが引かれ、地図に掲載された道だけではなく、何処でも行けるようになるまでには、あとどれ位かかるのだろう?自動運転車がSAE Level 5に相当する完全自動に達するまでには、まだ長い時間がかかるだろう。しかし、一旦そのレベルに達したならば(そしてもし安全性に関する主張が正しいとするなら)、保険のコストはおそらくドライバと保険会社の両者に対して安くなるだろう。

共有モビリティ

車は95パーセントの時間を駐車状態で過ごしている。そのため、および利便性の理由で、相乗りサービスが近年爆発的に増えている、その結果とても利益率が高く革新的な産業が生まれている。Uberは現在ほぼ630億ドルと評価され、Lyftも最近記録的な成長を見せている。車の共有モビリティはこの先、相乗りサービス(1台の車に乗り合いで複数の人が乗る)を通して成長することが期待されているが、同時にカーシェアリング(1台の車を時間差で複数の運転手が利用する)を通しての成長も期待されている。

複数のドライバが同じ車両へのアクセス行うカーシェアリングは、おそらく今後数年の間に人気が高まるだろう。MavenZipcarのような、ドライバーと空き車両をマッチングするサービスは、成長を続けると思われる。何故なら競争と経済規模が成長していくからだ。顧客のセグメントに焦点をあてた共有モビリティがより多くの場所で提供されるにつれて、より多くの移動ニーズが満たされるようになる。時間が経つにつれて、各家庭での車両所有の必要性は減っていくだろう;この結果、これまで複数の車を持っていた家庭も、1台だけの車で済ませるようになるだろう。最終的に、人びとは全く車を所有しない決定をするようになるかもしれない。

共有モビリティはいつかは自動運転車とオーバーラップする点が出てくると思われるが、一方車の所有権が変化することにより、保険産業に異なる影響を与えるようになるだろう。

共有モビリティは、保険業界にもっと直接的な影響を持つことになる。車は頻繁に使用すると、より早く磨耗し、複数のドライバーが使うことにより、より多くの事故に遭うかもしれない。保険会社は、同一世帯や家族に属しておらず、またいつでも同じ車を運転するとは限らない複数のドライバをカバーするように適応する必要がある。

その結果、保険がカバーする範囲は、使い方に基づく保険(どのような運転をするかによって支払いを決める)を伴わせた運転習慣により焦点を当てたものになるか、運転距離に連動したものに基づくものになるだろう。MetroMileのような企業は既にこのモデルを利用していて、カーシェアリングの成長と共に人気も高まろうとしている。あなたの車が駐車されているいる間にも保険料を払う代わりに、運転した距離に応じて保険料を払うのだ。

遠隔通信デバイスがより正確かつリアルタイムに、誰が車両を運転していて、どれほど安全なドライバーなのかを検知できるようになるにつれ、共有モビリティの世界でインシュアランステックが大きな役割を果すようになるだろう。

自動運転車あるいは共有モビリティ?

共有モビリティが、保険業界にもっと直接的な影響を持つことになる一方で、自動運転車は確実に保険業界全体により大きなインパクトを与える。自動運転車は、1台の車を複数のドライバーが利用する状況よりも、大きな変化を保険会社に迫るだろう。

とはいうものの、この2つはある時点でオーバーラップすることになる。自動運転機能は相乗りサービスの中に組み入れ続けられ、やがて最終的にはカーシェアリング業界でも実現されるだろう。この時点で、2つのセクタは衝突し、保険は新しく登場するリスクに適合を続けることになる。自動運転車と共有モビリティは保険産業に破壊と革新を迫るだろう。あとは時間の問題なのだ。

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(翻訳:Sako)

車のセキュリティを守るデバイスErnestがKickstarterでキャンペーンを開始、共有経済の時代における権利保護とは?

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Ernestは、説明が難しい。それはデバイスだけど、2台のデバイスで、アプリでもあるし、そしてファウンダーのArturs Pumpursによると、それは一種の仮想執事だ。ユーザーの車の安全を確保し、運転者に現在位置を教え、自動ドア方式のガレージのある人にはドアの開閉をする。これのKickstarterキャンペーンは、10月28日から12月7日までだ。

このプロジェクトは、Bluetoothを使って車を保護するデバイスとして構想された(Bluetooth 4.0)。ユーザーがインストールすることもできるが、たぶんインストールはプロがやることになるだろう。車にイモビライザー(盗難防止装置)がついてると、Ernestはオーナーを認識するまで燃料がエンジンに行かないようにする。ただしほかの人がその人のデバイスで自分の車を運転できるように、設定はできるし、その設定を無効にもできる。

ErnestにはGPSデバイスもあり、車の位置を教える(そんな車載アプリは今多いが)。スピードや走行距離なども教える。車をどこに置いたか思い出せなかったり、あるいはほかの人に貸してるとき、その所在が分かる。

自動開閉式の門やガレージにも、同様の、Bluetoothによる共有化ができる。ただし各ドアにはそれら専用のErnestが別途必要だ。スマートフォン上のアプリは、一つでよい。ドアの開閉権も、車と同様、共有化でき、共有の停止もできる。

Ernestは個人や家族のカーライフには便利だが、共有経済におけるセキュリティには問題がありそうだ。車とガレージをほかの人と共有した場合には、たとえば自分の休暇期間が終わったら共有も無効になる、といった設定ができるとよいだろう。また、どの人がどんだけ走ったかを、知りたいかもね。アプリで、現在の使用者を設定できるとよいかもしれない。

お値段はKickstarterで60ドルからだから、大量の車を抱えるタクシー会社など用には高すぎるかもしれない。日常の共有関係がそれほど複雑多様でないユーザーなら、無事に使えそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

UberのOtto自動運転トラックの最初の積み荷はビール5万本

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近い将来、人間のドライバーに混じって自動運転車が路上を走るようになることを疑っている向きは上の写真をよくご覧いただきたい。

Uberの子会社Ottoは自動運転トラックによる最初の配送を行った。このセミトレーラーは高速道路を長時間走行したが、写真のドライバーは実際に運転席を離れている。最初の配送ではコロラド州フォート・コリンズからコロラド・スプリングスまでバドワイザー5万本が無事に運ばれた。

初の配送では熟練したプロのドライバーが市街地を運転し、交通信号、複雑な交差点、犬を散歩させる歩行者といった困難な障害を避けた。その後トラックがインターステート25号に乗ると、道路状況ははるかに簡単にになり、この高速道路部分120マイル(約190キロ)はOttoのトラック自身が運転した。その間、人間のドライバーは運転席を離れることがあった。このトラックはLevel 4自動運転基準を完全に満たしているので、高速道路では自律運転が可能だった。トラックは前車との間隔を十分に取って走行し、システムがやむを得ないと判断したときを除いて、ほとんどレーンチェンジをしなかった。

Ottoのテクノロジーには3万ドル相当の後付けハードウェアが含まれる。このハードウェアは自動運転対応の各種大型トラックに取り付け可能だという。サンフランシスコ地域には6台のテスト車両が配置され、ソフトウェアをさらに改良するための実験走向が繰り返されている。運送業界は深刻な問題に直面している。最新の推計によれば、適切な資格のあるトラック・ドライバーの数は実際の需要と比較して5万人近く不足しており、しかもこのギャップは拡大しつつあるという。Uberの試みはこの問題の解決を目指すものだ。

UberがOttoを買収したのはこの8月のことで、「Ottoは(Uberとは別の)独自ブランドとして運営される」と発表された。一般の乗用車に比べてトラックの自動運転化はずっと早いだろう。近くわれわれは自動運転トラックを路上で頻繁に見ることになるはずだ。

Wiredから

〔日本版〕 Wiredの記事には独自取材のビデオがエンベットされている。Ottoの自動運転トラックはアメリカで標準的な18輪セミトレーラーで、運転者は高速道路部分では実際に運転席を離れてキャビン後部のスペースで休憩している。フォート・コリンズはコロラド州デンバーの北100km、コロラド・スプリングスはデンバーを挟んで南側。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+