B Dash Campが大阪で開催、ピッチコンテストで国内外から11社がプレゼン

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B Dash Venturesが主催する「B Dash Camp 2013 Fall in Osaka」が大阪で開かれ、講演やパネルセッション、スタートアップのコンテストなどが2日間にわたって行われた。今回で4回目となる同イベントには国内外のネット業界で活躍する経営者や投資家、起業家などスタートアップ関係者400人ほど集まった。参加者の国籍は10カ国にのぼり、北米だけでなく、台湾や韓国、タイなどアジア各国からの参加も目に付く国際色の強いイベントだった。

イベント初日はB Dash Ventures代表取締役社長の渡辺洋行氏が、注目されるネット企業の若手経営者としてミクシィの朝倉祐介代表取締役社長兼CEOとリブセンスの村上太一代表取締役社長の2人を相手に今後の展開や戦略を聞くというセッションで始まった。続いて、ソーシャルゲームの市場動向を占うセッション、CocoPPaやGunosyなどゲーム以外のスマフォ人気アプリ・コンテンツを扱う代表らがディスカッション、中堅ベンチャーのCROOZやドリコムの経営者らが、いかに苦しい時期を乗り越えて経営を続けていっているのかといった対談が行われたほか、任天堂の岩田聡代表取締役社長が登壇して、同社の経営哲学を語るなど、スタートアップ関係者にとって盛りだくさんのイベントとなった。イベント2日目は、ビッグデータ、動画・リッチメディア広告、モバイルやアドテクの最前線のパネルセッション、スタートアップにおける資本政策を昨今増加傾向にあるM&Aの当事者たちによる生々しい意見が飛び交うパネルセッションなどが行われた。

ここではスタートアップコンテスト「B Dash ピッチアリーナ」の応募チームのうち、ファイナリストに選ばれた11社を紹介する。

先に結果を書いてしまうが、優勝したのは本誌TechCrunchでも記事にしたことがあるKaizenPlatformの「planBCD」、審査員特別賞を受賞したのは、台湾から参加した語学学習サービス・アプリを提供する「Q.L.L.」だ。

・886 Food(台湾)

886 Foodは台湾でプレミアムな農作物を消費者に直販するECサービスを展開している。プレミアムというのは環境保護や健康といった観点の話で、消費者により正しい選択をしてもらうというのが同社ミッションのようだ。こうした食品・食材は価格が高いというのが一般的な認識だが、それは必ずしも正しくないという。ビジネスディレクターのYuting Liu氏によれば、台湾の625億ドル市場の食料品市場のうち農家に還元されている利益は5%に過ぎないという。それだけ中間マージンが大きいということだが、これを直販によって農家により多く還元する。現在、886 Foodはコーヒー豆とお米をプレミアムブランド品として販売している。ITともインターネットともあまり関係ないような気もするが、おしゃれなパッケージやブランディングは、「○○2.0」というカンジもする。○○に何が入るのかは分からないけれど、イケてる感はある。

・Binpress(アメリカ)

Binpressはオープンソースのプロダクトのマーケットプレイスで、「次のMySQLを生み出したい」という。PostgreSQLと並んでオープンソースのRDMSとして大きな成功を収めているMySQLは、商用利用のコマーシャルライセンスと、ソフトウェアの利用や改変、配布の自由を保証したGPLが選択できることで商業的成功と同時にオープンソースプロジェクトとしての成功を実現した。これと同じモデルを、個人開発のオープンソースプロジェクトでも実現できるオンラインのマーケットプレイス、それがBinpressだ。例えば、PHP用のPayPal決済用クラス(29.9ドル)だとか、iOS向けのタッチ対応PDFレンダリングSDK(349.99ドル)といったモジュールが販売されている。こうしたソフトウエアコンポーネントが現在1000以上登録されている。Binpressは2年でブートストラップに成功、2013年末までに50万ドルの売上を達成する見込みで急成長を果たしている。南米ではBinpressで生計を立てている個人開発者も出現しているという。Binpressは500 StartupsやScrum Venturesなどから合計5万ドルのシードラウンド出資を受けている。オープンソースは儲からないと言われて久しいが、こういう形でソフトウェアの自由と、オープンソース開発者の経済的な成功が結び付くのだとしたら、これは素晴らしいイノベーションになりそうだ。

・CliPick(台湾)

CliPickは台湾のスタートアップで、ECサイトのレコメンドエンジンを開発している。一般的にレコメンドエンジンでは、過去の購買履歴や協調フィルタリングなどが用いられるが、CliPickがユニークなのは、商品アイテムの外観の類似度でユーザーが好みそうなアイテムを推薦するというアプローチを採っていることだ。現在はファッション系のECサイトで導入がスタートしていて、例えばあるスカートを見ていると、それに似た「色」もしくは「柄」、「スタイル」の点で類似しているアイテムを表示する。街中で見かけたファッションスタイルをスマフォで撮影することで、それに似たスタイルのアイテムを検索し、その場で類似アイテムを購入できるというような使い勝手も実現できるという。つまり、ガチの画像処理技術がコアにあるテックなスタートアップだ。CliPick CEOのRonald Yu氏によれば、導入済みサイトではアイテム閲覧時間が3倍、収益が2倍になった例もあるという。

・UIscope(日本、社名はInnoBeta)

UIscopeはInnoBetaが提供するクラウドベースのユーザーテストサービスだ。スマフォアプリ・メディアのユーザー体験を、現実のユーザーに使ってもらうことで検証できる。実際に各ユーザーがアプリを使っている様子は動画で確認することができ、どこでユーザーが戸惑ったかなどの状況が分かるという。同社は現在、テスト1件あたり3000円を課金している。約5000人ほどいるテスターは学生や主婦が中心で、敢えてプロのテスターを使っていないという。この一般ユーザーとなるテスターは、3000円のうち500円を受け取り、残り2500円がInnoBetaの取り分。すでにリクルートやヤフー、mixi、フジテレビ、ガンホー、MoneyForwardなどがユーザー企業となっているという。InnoBetaの平石大祐CEOによれば、こうしたマーケティングリサーチ市場は33億ドル市場。これをオンライン/オフライン、定量的調査/定性的調査という2軸の4象限に分けて考えると、オンラインの定量的調査として成功しているサービスにMonkeySurveyがある。その反対側の象限に位置するのがオンラインで定性的調査を行うUIscopeだという。同社は現在スマフォをターゲットにUIScopeを提供しているが、狙い自体は「オンラインでの定性調査」という象限。今後はスマフォに限らず取り組んでいくといい、ハードウェアのユーザーテストや、いずれはシャンプーのような一般消費財についても取り組んでいく計画だという。さらにユーザーテストだけでなく、ユーザーへのインタビューもオンラインで提供できるようなことを考えているという。

・JazzPay(タイ)

JazzPayはSMSとアプリを使った決済サービスだ。主に東南アジアをターゲットとしている。クレジットカード所有率が低い国や地域で、カードなしに決済手段を提供することで、伸び盛りの東南アジアEC市場の決済を取りに行く、という野心的なスタートアップだ。JazzPayによれば、タイではEC市場は年率25〜30%で伸びている一方で、カード所有率は1割前後に過ぎない。東南アジア全体では1割を切っているという。東南アジアには教育を受けたデジタルネイティブの若者が沢山いてスマフォも普及しているが、決済の手段が欠けているという。そこで支払側、販売側の電話番号を入力することでSMS経由で相互に認証して、決済を行う方法を提供する。クレジットカードよりも匿名性が高く、たとえクレジットカードを持っていても、決済のたびに個人情報を渡したくないようなケースでも有効だろうとJazzPayは話している。

・planBCD(日本、社名はKAIZEN Platform)

今回のピッチコンテストで優勝したKAIZEN PlatformのplanBCDは、グロースハックのためのA/Bテストを安価に運用できるB向けソリューションだ。planBCDについては、以前本誌TechCrunchで記事にしているので、そちらを参考にしてほしい。須藤憲司CEOによれば、先週モバイル・アプリのA/Bテストにも対応したそうだ。また、技術顧問として元はてな・グリーの伊藤直也氏を迎え入れたとのこと。

・colAR Mix(ニュージーランド、社名はPuteko)

colARは飛行機や恐竜の塗り絵をiOSアプリで撮影すると、それがデバイス上で3Dグラフィックとしてニュッと立ち上がるARアプリだ。TechCrunchでも紹介したことがある(colARは驚異的なAR―子供の塗り絵がiPad/Androidタブレットから飛び出してスーパーリアルに動き出す)。Putekoはニュージーランドで創業し、2013年末には東京に拠点を移すそうだ。すでにソースネクストとのアライアンスでパッケージ販売を9月に発表するなど日本企業との業務提携も進めている。

・Q.L.L.(台湾)

Q.L.L.は、子ども向け語学学習アプリ・サービスだ。アルファベットを押したり、ゲーム仕立てのリスニング練習などが楽しめるアプリをシリーズで150タイトルほど展開している。子ども向け学習アプリは競合がひしめく激戦区。今回、並み居る内外のスタートアップを抑えてQ.L.L.が審査員特別賞を受賞した理由は、これが単なるシリーズアプリというものではなく、親が子どもの学習の進捗を把握できるサービスとして提供されているからだ。さらに親は、親の設定画面から、目標達成のご褒美として仮想コインや仮想グッズを設定したりできる。次から次へと教育アプリをランダムにやらせてみては難易度が合わずに子どものやる気をそいでしまったり、適当なアプリを探すのに疲れがちな親心をよく分かっていると思う。台湾ではQ.L.L.は、すでに55万ダウンロード、MAUが30万を超えているという。台湾の人口は2300万強なので、これは立派な数字といえそうだ。

・WhatsTheNumber(台湾、社名はStorySense Computing)

StorySense Computingは、モバイル向けの検索アプリ「WhatsTheNumber」などを提供する台湾のスタートアップ。増え続ける情報に対して、スマフォは画面が小さくUIもPCと異なる。このことからPC向けの検索のようにブラウジングを基本とする情報の探索ではなく、より小さな画面向けに洗練された情報の提示の仕方を目指すという。WhatsTheNumberでは検索クエリから近隣の施設・店舗情報など即座に提示して、電話番号や地図を表示するなど、すぐにアクションが取れるよう工夫されたアプリだ。Googleのモバイル検索でも近いことができるようにも思えるが、こうした地域に根ざしたアプリは地域文化の深い理解が必要で、だからこそStorySense Computingはアジア圏に強みを持つのだという。同社は「どのイベントに行くのかではなく、誰が(誰と)行くのか」というソーシャルな交友関係に基づいたイベント推薦のアプリ「LAIKI」も提供している。

・Pairy(日本、社名はTimers)

Pairyは恋人同士が2人でセットになって使うSNSアプリ。写真共有もデート予定共有も2人きり。創業者の高橋才将氏によれば、カップルの本質の1つは思い出の共有で、実際、調査によれば4割のカップルが過去1カ月までの写真やチャットのやりとりを振り返るのだという。通常の写真アルバムやチャットアプリだと何画面もスクロールしないと古い情報は遡れなかったりするが、Pairyでは、こういう「思い出に浸る」ニーズを捉えているのが1つの特徴ということだ。写真アルバムには、付き合って何日目とか何度目のデートかといったことが表示される。多くのSNSが「近況の共有」を基本とするなか、Pairyは「思い出の共有」を目指すという根本思想に違いがあり、単にFacebookのお二人様向けというだけでない切り口のアプリを提供しているのだとか。デートのカウントダウンや、次に出かけるデート場所を相手に打診したりして調整する機能もある(この辺は、商業施設やイベント業者、情報誌などのメディアを巻き込めばコンテンツ協業ができそうな匂いもするし、デートの行き先選びが面倒で仕方ないタイプの男性諸氏には歓迎されそうだ)。現在マネタイズ手法は、広告、フォトブック販売、500円のプレミアム会員(画像保存のフルサイズやバックアップ機能の提供、スタンプ追加など)の3つ。TwitterやFacebookでのシェアによるバイラルが期待できない性質のアプリだが、実はオフラインでは若い女性は、彼氏の写真や受け取ったメールを女子会で見せ合う(!)という文化があるらしい。こうした口コミにより、例えば過去3カ月で156%ユーザーが増えていて、2014年10月に100万ユーザー突破の見通しという。Pariyはフジ・スタートアップ・ベンチャーズが9月末に開催したピッチコンテストの「FSV MEETUP 2013」で優勝しており、何らかのテレビ番組連動企画が行われることも決まっているという点でも注目かもしれない。Pairy同様のアプリとしてアメリカでは「Couple」、イギリスでは「Pair」、お隣の韓国では「Between」がというように、こうしたバーチカルぽいSNS(ソーシャルという言葉を使うのはちょっと違う気もするが)は、モバイルチャットが文化圏ごとに群雄割拠の状態になるのと似て、国もしくは言語圏ごとに違うものが流行するのかもしれない。そうそう、高橋氏によれば、今後はPairyによって結婚したペアの夫婦向けに「Family」(仮称)を提供する構想もあるそうだ。

・WebPay(日本、社名はfluxflex)

fluxflexのWebPayはWebサイトやモバイル・アプリにクレジットカード決済機能を組み込むための開発者向けサービスだ。これまで決済機能を実装するには大きく3つのハードルがあったという。決済サービスの仕様が複雑なこと、カード情報流出のリスクが大きいこと、そして検討開始から課金開始まで何カ月もかかること。創業者の久保渓氏によると、日本では今、スタートアップや新規事業が増えているが決済機能の導入がボトルネックになっているという。WebPayはこれを解決する。審査3日、開発者なら直ぐに理解して10行ほどのコードで書けるというシンプルな決済APIがウリだ。急成長するスタートアップ向けクレジットカード決済サービスという位置付けでユーザー企業を増やしていて、過去10週連続で2桁%で売上が伸びているという。


Instagramはダイエットにも効果あり?!(あるいは人類の進化について)

ダイエットを考えている人にはぜひ読んでもらいたい。

ご存じのようにInstagramには、食べ物の写真が数多く登録されている。そしてJournal of Consumer Psychologyで発表されたBYU(ブリガムヤング大学)の最新の研究によると、食べ物写真を見ることは、その写真の食べ物に対する食欲を減退させる効果があるのだそうだ。

発表によれば、実際には食べなくても、食べ物の写真を見るだけで、その食べ物に対する欲求が抑えられるとのこと。すなわち実際に目の前に出された時、あまり魅力的に感じなくなってしまうのだそうだ。

今回の実験が行われた方法を見ておこう。BYUのRyan Elder教授とJeff Larsonは232人の被験者を集めて、料理写真の評価を行わせた。被験者の半分には塩味の効いた食べ物の写真を扱わせ、あとの半分には甘いものの写真を見せた。そしてそれぞれが写真を見てレーティング作業を終えた段階で、ピーナツを供したのだ。

すると塩味の食べ物を見ていたグループは、ピーナツ自体は写真になかったにも関わらず、ピーナツに興味を示さなかったのだ。塩味の料理写真を数多く見ることにより、十分な塩を味わった感じがしてしまったのだ。実際に口には入れていないのに、感覚的には充分であると感じてしまったわけだ。

もちろん、ほんの数枚の写真では効果は現れない。店で食べ物の写真を撮って共有したからといって、営業妨害に問われることはなさそうだ。

「効果が現れるのは相当数の写真を見たあとのことです」とElderは言っている。「2、3枚の写真を見てもう十分だと感じるようなことはありません」。

さて、本題は以上だが、この調査レポートから得るべき内容とは何か。

もちろん「大いなる希望」を読み取るべきだ。動物世界の一員であるにも関わらず、私たちの食生活というのはずいぶんと奇妙なものとなってしまっている。動物たちは、基本的には生きるために食べる。そしてその生きるための食べ物こそ、彼らにとって美味であるわけだ。生きるのに必要なだけ食べ、そして食べた分はしっかりと消化して、エネルギーに変える。

一方で私たちは、素材をいろいろと料理してさまざまな化学調味料を加えてから食すようになっている。そして、アメリカ人はあきれるほどの肥満大国になってしまったのだ。美味しそうなものを見かけると、まるでその時こそが最期のチャンスになるとばかりにむさぼり食う食事習慣を持ってしまっている。そうしておいて、またしばらくすると食事の時間だと、レストランに向かうのだ。

ところで現在の私たちは、美味しそうなものを見ると写真に撮って共有しないと気が済まない状態になりつつある。これはすなわち、食べ物との付き合い方を考え直せという神の啓示なのではないだろうか。別の言い方をすれば、人類は進化しようとしているのだ。食べ物の写真を見れば食欲を抑制できる。近々、Instagramの#foodpornハッシュタグは、新しい「治療方法」としてメディカルジャーナルに掲載されることになるに違いない(めでたしめでたし、と、話を終えておきたい)。

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(翻訳:Maeda, H


FiLIPは音声通話もできる子供向けスマートウォッチ―クリスマス・ショッピングで迷子にならずにすむ

ホリデーシーズンが近づいてきた。クリスマスの買い物でショッピングモールを家族で駆けまわる季節だ。ウェアラブル・デバイスのメーカー、Filip Technologiesはこの季節に間に合うようGPSと携帯電話機能を内蔵した子供向けスマートウォッチを発売する。これで両親は子供が迷子になるのを心配せずにすむ。Filip Technologiesはこの製品の開発に3年をかけたということだが、今回AT&Tと提携することに成功した。販売と課金はAT&Tが行う。

Filip TechnologiesのCEO Jonathan Peacheyは「本体価格とサービス料金は数週間後に発表される予定だ。 ただしFiLIPスマートウォッチの価格は200ドルは超えないだろう。音声とデータ通信料金も家族に負担とならないレベルに低く抑えられる」と説明する。

スマートウォッチの本体はボタンが2個ついており、カラフルで明るいデザインだ。両親のスマートフォンにインストールしたアプリと連動するようになっている。両親は子供と音声で通話できる他、GPS、無線中継塔とWiFiの三角測量によって子供の現在位置が正確に表示される。スマートウォッチの非常ボタンを押すとただちに周囲の音が録音され、あらかじめ設定した非常の際の通信先に接続される。このデバイスが腕時計タイプなのはスマートウォッチのブームを当て込んだというよりも、子供は身につけたもの以外は失くしやすいからという理由が大きい。

FiLIPウォッチの対象は11歳以下の子供だ。親が子供に携帯を持たせる年齢は12歳以上になってからが多い。GPSを内蔵した迷子札や子ども向けの機能限定のスマートフォンなども市場に出ているが、FilipTechnologiesではこの製品の特長に自信を持っているという。

「ロケーション情報と音声通話の両方ができる。しかも子どもが失くさないウェアラブル・デバイスだ。こういう製品は他にない」とPeacheyは言う。

FiLIPにとってこの夏は多忙だった。FCCの認証を得たのが7月で、完全な双方向の音声通話が可能なウェアラブル・デバイスyだったという。Peacheyは7月にFilIPのCEOに就任する前はVirginグループでVirgin Management USAのCEO、サー・リチャード・ブランソンの顧問などを勤めていた。

Peacheyによれば「FCCの認証テストに提出できるプロトタイプを開発するのに2年かかり、プロトタイプを現在のサイズにま小型化するのに9ヶ月かかったという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


目の前の様子を30秒毎に撮影し続けるライフロギングカメラのMemoto、名前をNarrativeに変更して世界にうって出る準備は完了

スウェーデンのMemotoにとって、Kickstarterの活用は大成功だった。調達目標額の11倍にものぼる額(55万ドル)を調達して、無事、ライフロギング用カメラの生産を開始した。このカメラは身につけて使うことを想定している小さなデバイスだ。カメラ本体にボタンはなく、身につけている間、目の前の写真を撮り続ける。但しこのカメラ、これまでのMemotoの名前を捨て、新たにNarrativeとして世に出て行くことにしたようだ。調達した300万ドルの資金で運営を行っていく。資金を調達して、そして名前を変えて、新たな気持ちで世界に打って出る、という心づもりなのだそうだ。

実のところを言えば、同一ジャンルのサービスで、既にMemotoという名前が使われていることが判明したようなのだ。商標絡みの争いに巻き込まれることを避け、Narrativeという名前に変更することにしたというわけだ。潜在的な危機を回避したことで、今後は大手を振ってプロモーションも行えるようになった。また名前を変えることで、カメラ以外のプロダクトにもサービスを広げやすくなったと、肯定的にとらえておいて良いのではないかと思う。

カメラの名前は変わったが、しかし外見は以前から変わらない。プレオーダーをしている人も、ちゃんとイメージ通りのものが届くので心配はいらない。プロダクトは予定通り、そして会社にはKickstarterで獲得した資金以外にも資金が注入された。サンフランシスコのTrue Ventures主導による300万ドルのラウンドが完了したのだ。True Venturesはこれまでにも、MakerBotやFitbitなどのハードウェアスタートアップに資金を提供してきた。そういえばNarrativeはフィットネス部分以外について「データ化」(quantifying)する目的があるわけで、Fitbitに似ていると言えるかもしれない。ちなみに今回のラウンドにはLDV CapitalおよびロンドンのPassion Capitalも参加している。Passion CapitalはこれまでにEyeEmやLoopcamにも出資した経験を持っている。

Narrative Clipは、11月から予約購入者に向けて出荷される。また、初期ロット版もグレイ、ホワイト、オレンジに関してはまだオーダー可能となっている。このカメラは30秒毎に写真を撮り続ける。そして位置情報や時刻情報と一緒にネットワーク上にデータを送る。後にサイト上から閲覧したり共有することができるようになっている。写真は5メガピクセルで、バッテリーは充電式で2日間動作するようになっている。

Kickstarterで人気を集めたプロダクトの名前を変更するというのは、確かにある面ではマイナスであったかもしれない。しかしライフロギング用のカメラというのは、まだまだ新しい存在だ。おまけにまだ出荷すらしていない状態だった。そういうことを鑑みるに、名前の変更がマイナスの要因となるようなことはないと言っても良いだろう。ワーキングプロトタイプで撮影した写真を見ると、こうした「自動撮影」によるソーシャルフォトというのもなかなか面白いものとなるケースが多そうだ。きっとあらゆるケースで使ってみようとするであろう最初のユーザーたちが、どのように使うのかを楽しみに見てみたいと思う。

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(翻訳:Maeda, H


「プログラムコードのYouTube」を目指すRunnable。サンプルはサイト内で編集・実行可

開発しようとしているプログラム(コード)に似たものがないかと、Googleを検索してみるのはよくあることだ。非常に多くのコードが公開されているが、あちこちに分散していて、比較したり内容を検証するのがどうにも面倒だ。Amazonや、ホスティングサービス企業で働きつつ、やはりこのように感じた人物がRunnableというサービスを立ち上げた。コードを探しだすのみでなく、その場で編集して、さらに動かしてみることもできる。

開発者向けのリポジトリとしてサービスを拡大していきたいというのが、サービスの狙いだ。そのためにはできるだけ多くのコードを集めておく必要がある。そこで、開発者向けのプロジェクトをホストするサービスも展開しようと考えているところなのだそうだ。

CEO兼共同ファウンダーのYash Kumarによれば、昨今の開発者はゼロからコードを書き起こすことはむしろ少なく、既にあるものをリサイクルすることが多くなっているのだそうだ。Kumar曰く、優秀な開発者といえども、あらゆる新技術やツール、ないしコンポーネントに精通するというのが困難になっているという状況がある。また、従来よりも多くの人がプログラミングに携わるようになってきているが、対応しなければならないAPIなども膨大になっていて混乱してしまうことも増えているらしい。

そのような現実に対処するため、いちからコーディングするのではなく、既存のコードを組み合わせて目的の機能を実現するというやり方が一般化してきているのだ。但し、そうしたムーブメントがある中で、効率的に、あるいは簡単に再利用可能なコードを探しだすためのサービスは、まだ構築されていない。

適当なものを探しだせず、APIの説明書や誰かの書いた使い方の記事、あるいはwikiなどの中を右往左往して、時間ばかりがかかってしまうという開発者も多い。

Runnableでは、さまざまな検証済みコードをPHP、Node.js、Python、JavaScript、ASP.NET、あるいはRuby on Railなどの言語ごとないしはフレームワークごとにまとめている。現在のところは1000件ほどのコードが登録されているそうだ。サイトの知名度があがるに連れて、すぐにも登録コード数は10倍以上に増えていくだろうというのがKumarの考えだ。現在のところは登録されるコードについて、すべて運営チーム側で検査を行っているが、将来的にはMediumに記事を投稿するような感じでコードを登録できるようにしていきたいとのこと。

また、コードのみならずAPIなどの「使い方」に関わる情報も収集していきたいと考えているそうだ。たとえばデータベースならばMySQLMongoDBredisなどを利用するためのコードを掲載しているし、またフロントエンドやバックエンドサービスについてのコードも集めていきたい考えだ。現在とくに注力しているのはPayPalのAPI関連のコードで、他にもメジャーなAPI関連コードを徐々に集めていきたいと考えている。

欲しいコードがきちんと分類して登録されているだけでも便利なのだが、サイト上で編集して、さらに実行テストまでできるのがRunnableの大きな魅力だろう。Kumar曰く、数年前まではとても実現できないことだったが、サンドボックスなどのおかげで、サービスの信頼性を保ちながら実行環境を実現することもできるようになったとのこと。

将来的にはコミュニティ機能ももたせていく考えらしい。たとえばコードエディタにコメント機能を搭載して、そのコードを使っている全ての画面に反映させることなどができれば便利かもしれない。もちろん対応言語やフレームワークの数も増やしていく予定だ。

ちなみにこれまでのところは少額のシード資金によって運営している。将来的には他サービスとの連携して、有料でコードを提供するようなエコシステムを作っていきたいと考えているそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


名古屋を拠点とするクラウド請求管理「Misoca」のスタンドファームが3,000万円の資金調達を実施

TechCrunch Tokyo 2011にも出場した名古屋のスタートアップであるスタンドファームがインキュベイトファンドから第三者割当増資で3,000万円を調達した。スタンドファームが運営するのはクラウド請求管理の「Misoca」というサービスだ。

Misocaはオンライン上で請求書や見積書を作成・編集することはもちろん、これらを紙に印刷して郵送してくれる。郵送システムは自動化されているので、請求書の中身が人の目に触れることはないそうだ。

また、請求書の管理やPDFの作成・ダウンロードなどの機能は無料で利用でき、書類の検索や納品書の発行といったものは有料プランのみの利用となっている。郵送には1通あたり160円から210円ほどかかる。

Misocaには2011年11月のローンチ以降、約8,000の事業者が登録しており、今では毎月700以上の事業者が登録しているという。今月からはGMOペイメントゲートウェイと提携し、口座振替による代金回収サービスなどにも力を入れている。

今回調達した資金は開発力をあげるためにエンジニアを増やすことはもちろんだが、エンジニアのみのチームで運営しているため、マーケティングの人材も採用していくという。さらに、請求書だけではなく支払い明細書や領収書といった文章類を電子配信する「MisocaのWeb請求書」というサービスもクローズドで運営し始めており、こちらも強化していくようだ。

冒頭でも述べたようにスタンドファームは名古屋に拠点を置くスタートアップで、どうしても東京と比べると先輩の起業家に会ってアドバイスをもらう回数や自社にジョインしてくれそうな人達と出会う回数は減ってしまうだろう(スタートアップは開発だけに専念すればよいという意見もあるが)。

この点に関してスタンドファーム代表取締役の豊吉隆一郎氏は「地方でスタートアップすることにデメリットは多いと感じる」としているものの、「今ぐらいの規模まで持って来れたのなら地方でも特に問題はない」と考え、来月末に予定しているオフィスの移転先も名古屋で検討しているようだ。


日テレがスタートアップコミュニティの「creww」に1.2億円を出資

日本テレビ放送網(日テレ)がスタートアップコミュニティの「creww」に1億2,070万円出資したことが明らかになった。crewwは昨年10月にはインキュベイトファンドから3,010万円を調達している。

日テレは今年8月に開局60周年を迎えた。これを”第二の創業”とし、「Next60」という次の60年を見据えた中期経営目標を掲げており、この目標達成のための取り組みとして2015年度までに総額500億円の投資枠を設定している。今回の出資はこの取り組みの第一歩となる。

crewwはスタートアップのエコシステムを良くするために立ち上げられたサービスで、スタートアップが自分たちを応援してくれるサポーターを募り、求人やノウハウのリクエストを送ることができる。また、登録しているスタートアップがValuePress!やMicrosoft BizSparkといったサービスを割引料金(または無料)で利用できるマーケットプレイスの提供もしている。

この他にも大企業とスタートアップのコラボレーションの場の提供も行っている。これは主に大企業がプロモーション方法や新事業のアイデアをスタートアップに募集するというものだ。昨年末にはハーゲンダッツがプロモーションの企画を募集し、実際にスタートアップとの企画協業が決定したという。

日テレも5月にcreww上でこのコラボレーションの場を利用し、スタートアップ60社ほどから応募があったそうだ。この時の出会いがcrewwへの出資のきっかけとなった。

現在crewwには約700社のスタートアップとエンジニアや投資家といったサポーター4,000人が登録している。今後は今回調達した資金を基にマーケットプレイスの充実を図ると同時に、日テレとも何らかの形で事業提携もしていきたいという。


充電に「電気」が使えないのなら「火」を使ったらどうなの?! 炎の力で充電を行うFlameStower

ついにガジェットの充電にも火力を用いる時代がやってきた。Stanford’s StartX Summer 2013クラス発のスタートアップであるFlameStowerがKickstarterにて「火」のを用いた充電器のクラウドファンディングを開始したのだ。

この仕掛けを使えば、キャンプファイア、ガスコンロ、あるいは焚き火の熱をエネルギーに、スマートフォンなどのUSB充電デバイスにエネルギーを送り込むことができる。最大出力は3Wで、平均では2Wとなっている。大雑把に換算すると1分辺りで2分ないし4分程度の通話時間分をチャージすることができる。

FlameStowerは主要用途をアウトドアに想定しているが、もちろん停電時や嵐などに襲われたときのためのバックアップとしても利用できるだろう。

キャンプ用品と一緒に持ち運べるように、FlameStowerは非常にコンパクトな形状となっている。バックパックに簡単に収められるはずだ。

アウトドアで充電するなら太陽光方式の方が便利だと思う人もいるかもしれない。しかし太陽光方式は、当然ながら昼間しか利用できない。火力方式ならばいつ何時でも利用できるわけだ。

動作の仕組みはどうなっているのだろうか。Thermoelectric Generatorを使って、温度差を利用して電気を生み出すようになっている。金属製のブレードを火で熱し、もう一方のブレードを水を入れたタンクに入れて冷やす。つまり、正確にいえば発電するのには火だけではなく、水も必要だということになる。もちろん火を燃やすには空気も必要だ。火、水、そして空気。四大基本元素のうちの3つを利用するわけだ。

火の温度が高くなればなるほど、多くの電力を生み出すことができるようになっている。但し、コンセントから得られるようなレベルでの充電能力は期待しないで欲しい。FlameStowerは、自らの仕組みをラップトップのUSBから行う充電に例えている。すなわち充電にかなりの時間がかかるということだ。電子デバイスに関わらず自然を楽しむ時間ができるわけで、もしかするとそれも狙いかもしれない。

Kickstarterでの調達希望額は1万5000ドルだ。この資金でぜひとも充電装置を製品化したい考えだ。期限まで28日ほどを残した現在、半分ほどの額が集まっている。

尚、今ならまだ初期割引の70ドル(通常よりも10ドル安い)でFlameStowerを入手することができる。出荷予定は12月となっている。

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(翻訳:Maeda, H)


ドコモ・イノベーションビレッジ初のデモデイ開催 – 第1期全6社がプレゼン

今年2月にアナウンスされたNTTドコモの新しいベンチャー支援の取り組みであるインキュベーション事業「ドコモ・イノベーションビレッジ」が初のデモデイを開催した。イノベーションビレッジについては本誌で何度か取り上げているが、この取り組みは国内のインキュベーションと同じく、応募者の中から数社を選び、オフィスや開発環境、メンターによるメンタリングなどを提供する。

イノベーションビレッジの特徴はKDDI∞LaboやOpen Network Laboが3カ月間のプログラムを提供しているのに対し、やや長めの5カ月間としていることやドコモの様々なAPIの解放(音声認識、翻訳等)、200万円の開発助成金(コンバーチブルノートによる資金を提供)とった点である。

今日デモデイに登壇した6社のスタートアップはイノベーションビレッジの1期生にあたる。それでは、ドコモがどのようなスタートアップを採択したのかを見てみよう。

DecoAlbum(デコアルバム)、DrawChat — プライムアゲイン

プライムアゲインは2つのアプリを開発している。DecoAlbumは昨年6月にリリースされ、すでに200万ダウンロードを突破している。このアプリは女の子向けで撮影した写真を可愛く、キレイにデコレーションし、オリジナルのアルバムに保存できる。

写真を加工するアプリとアルバムアプリは個々にたくさんあるが、DecoAlbumではその一連の動作を1つのアプリ上で行える。このアプリは日本でもある程度のDL数は記録しているが、海外のユーザーが70%を占めており、タイや台湾といったアジア圏で人気のようだ。

また、DecoAlbumを運営している中で「ユーザーは他人と写真を使ってコミュニケーションを取りたいのではないか」と思ったとプライムアゲイン代表取締役の阿部伸弘はいう。というのも、このアプリの写真は外部のSNSでシェアされることが多かったからだそうだ。

そこで写真や絵を使ったコミュニケーションツールであるDrawChatを開発した。DrawChatはFacebookのサードパーティーメッセンジャー的な位置づけで、Facebookのメッセージ内で写真やキャンバスに手書き文字を加えて送信できる。

DrawChatはスタンドアローンのアプリだが、まだダウンロードしていない相手にこのアプリからメッセージが送られると画像のリンクが送信される。このような仕組みもあって、リリースから20日間で1万ダウンロードを突破しているとのこと。

今後はこの写真とチャットという2つの市場で大きき成長を目指し、2014年中に1000万ダウンロードを目標としている。

FUNPICTY — SODA

FUNPICTYはある共通の言語で人々を元気にしたいというビジョンから始まった。その共通の言語とは「笑い」である。笑いは世界共通の癒しであると語るSODA代表取締役の本名 耕氏はオモシロ系(ギャグやネタ等)アプリを昨年リリースした際には大きな反響を呼び300万ダウンロードを達成したが、継続率は著しく低かったという。

そこで、このようなアプリでも継続して使ってもらえるプラットフォームを構築している。FUNPICTYはちょっと変わったアプリで、複数のカメラアプリをまたいで利用できるオモシロ写真のプラットフォームとなっている。

漫画風の写真、ホラー写真、ギャグの合成写真などを撮れる個々のアプリと連携し、それらで撮影された写真を1つのプラットフォームにまとめて、ギャラリー化を試みている。

現在はAndroidとデスクトップのみでの利用だが、累計ダウンロード数が500万、MAU(マンスリーアクティブユーザー)は30万人の規模にまで成長しているそうだ。

現在は自社で提供しているカメラアプリからの投稿にのみ対応しているが、今後はSDKを提供し、サードパーティーのアプリからもFUNPICTYに写真を投稿できるようにする予定とのこと。

coromocoromo

coromoはAndroid向けのサービスで、これを使うと簡単にホーム画面をカスタマイズ、切り替えることができる。ホーム画面をカスタマイズすると言えば、CocoPPaが最近では人気だが、coromoは少し違ったアプローチをしている。

先に収益源について述べると、イベントやブランドなどのオリジナルテーマによる集客や販促、ブランディングといったB向けの側面、デザイナーによるテーマの販売といったC向けの2つの側面がある。

coromoはテーマをアプリ内からダウンロードして利用することはもちろんできるのだが、カードに端末をかざしたり、QRコードを読み取ってテーマをインストールすることもできるのだ。だから、例えばサッカーの試合のチケットにあるQRコードを読み込んでリアルタイムに情報が流れてくるサッカー専用のテーマをすぐにインストールすることなんかも出来るようだ。

すでに11月末から開催される東京モーターショーでの導入が決まっているそうで、そのテーマでは常時情報を配信し、メーカーのブースへの誘導や、テーマ内に広告を挿入する予定なんだとか。

また、外部のデザイナー達がテーマを作りやすいようにcoromoはHTML5でテーマを作成しているという。こうすることで、開発の負担が減りより多くのテーマが提供されることだろう。

クミタス — ウィルモア

クミタスは食物アレルギーを持つ人のためのECサービスである。食物アレルギーを持つ人が家庭内に居る世帯は14.2%にもなり、小中学校などでアレルギーのため、食べれないものを省いてもらう除去給食者は7%もいるという。

食物アレルギーを持っていると食品を選ぶ際に成分などをチェックするわけだが、その情報量は少ないとウィルモアの石川麻由氏は語る。例えば、ハム1つを取ってもその中に卵が含まれていることもあるそうで、そういった情報は記載されていないこともあり、ネットで購入の判断がつかずに困っている人が多いという。

そこでクミタスでは1年をかけて構築した食品データベース(現在約4万点)を基に、サービス内で「〇〇を含まない△△」といった検索を可能にしている。検索結果には該当商品が販売されているオンラインショップが表示され、ユーザーはそのショップで実際に買物をする。

マネタイズ方法としてはECサイトのアフィリエイトや、データの販売、レシピやレストランの情報を含めた有料会員機能を予定している。

クミタスは本日ブラウザ版がリリースされ、年内にはアプリでも提供される。

Pairy — Timers

Pairyは名前から想像できるかもしれないが、カップル向けのアプリだ。このカテゴリーにはBetweenやhugg、Pairなどが存在している。

Timers代表取締役高橋 才将
によると友人同士の繋がりを重視するFacebookなどの場合は近況の共有がベースとなっているが、恋人同士では思い出の共有が大事なんだとか。カップルの本質は「思い出の共有」であり、デートなどで思い出を作って、それを振り返るというのが関係を深めることになるという。

Pariy内には2人だけのニュースフィードがあり、そこに思い出が蓄積されていく。カップル向けだから、写真には付き合ってから何日目に撮ったのか表示されたり、デートの回数が記録されたりする。

また、デート機能もあり、見たい映画や行きたいレストランなんかを登録しておいて、そこでデートの日にちなどを決めることもできるようだ。

昨年6月にリリースされてから、現在は12万のユーザーが利用しており、アプリ利用開始から30日後の継続率は46%だという。他に面白いデータとしては行きたいスポットが登録されたのは約5万箇所で、そのうち20%は実際にユーザーが訪れているんだとか。

高橋氏によるとフジテレビとPairyが連動して恋愛バラエティ番組も放映される予定とのこと。

超短篇小説 nanovel — GADGET

掲載される作品は全て2,000文字以内という短篇小説よりもさらに短い小説だけを集めたレーベルがnanovelである。「2,000文字以内、5分程度で読めるが面白い」小説だけを取り扱うという。

GADGET代表取締役の浅見敬氏は以前、映画のプロデューサーをしており、その時の体験がnanovelの起源となっている。プロデューサー時代に10分間で人を泣かせることができる作品を考える企画があったそうだ。浅見氏の企画自体は映像化されることはなかったのだが、一緒に仕事をしていた、他のプロデューサーが企画終了後も諦めずに考えたシナリオを映像化した。

その作品がアカデミー短篇アニメ賞を初めて受賞した邦画「つみきのいえ」だったという。この作品には浅見氏は関わってはいなかったが、これで短篇でも人の心を動かせることがわかり、nanovelの発想に至ったわけである。

また、日本には昔から短歌や俳句といった短い作品の文化がある。だから、日本人は短いけど面白い作品を書くことは得意なのではないかと考えている。

nanovelにはプロの脚本家や放送作家、コピーライターなど50人が参加しており、クオリティーの高い作品が揃っているという。ユーザーは彼らの作品を月に16本まで無料で読むことができる。

今後はバックナンバーの有料販売や個別に有料作品などを提供予定だ。


Gunosyがソーシャル化 – フォローやリアルタイムの話題表示機能が登場

 

ユーザーのソーシャルメディアアカウントを分析し、ひとりひとりの好みに合った記事を配信してくれるGunosyがiOSアプリに大きな変更を加えている。今回のアップデートにより新たに友人をフォローしたり、周りで話題になっている記事をリアルタイムに表示したり、記事にコメントを残せるようになった。

Gunosyは当初の1日1回のニュース配信から、朝刊・夕刊の2回に分けて配信回数を増やすなどユーザーがアプリに触れる回数・時間を増やして来た。しかし、朝と夕方(設定にもよるが)のみの配信ではリアルタイムな話題となると他のニュースアプリに比べて劣っていた。

これまでのGunosyユーザーは朝刊と夕刊配信のタイミングでプッシュ通知を受け取ってアプリを起動するという、受動的なアクションが多かっただろう。だから、今回のアップデートではユーザーがアプリを自発的に利用するような仕組みを取り入れたと言える。

また、ソーシャル化に加えて、気になるキーワードが登録できるようになっている。これでソーシャルアカウントの分析と合わせて更にユーザーの欲しいニュースが集まるようになるとしている。このキーワードの登録というのはGunosyの競合でもあるVingowで以前から利用されている機能だ。

このVingowも6月に自動要約機能を加えて話題になり、さらにユーザー数を伸ばしているようだ。同じくニュースアプリのSmartNewsを運営するゴクロは8月に4.2億円を調達し、開発体制を強化するなどこの業界の競争は激化している。


KDDI∞Labo第5期参加チーム5社を発表 – オークションアプリ、駐輪場貸借サービス等が採択

本日、KDDIが運営するインキュベーション事業である∞Laboの第5期採択チームが発表された。今回で5度目となるこのプログラムには毎回100社近い応募があり、その中から数社が選ばれる。

採択されたチームはKDDIが用意したオフィス・スペース(渋谷ヒカリエ内)や開発環境、デバイスの貸与、社内・社外メンターからのメンタリングなどを3カ月間受けられる。

それではKDDI∞Labo第5期参加チームを紹介しよう。

スマオク — ザワット株式会社

スマオクは女の子のためのブランド古着オークションアプリだ。最近ではFrilやメルカリといったフリマアプリが成長しているが、こちらはオークションのアプリになるようだ。

ターゲットとなるユーザー層は売り手が20代後半から30代前半、買い手が20代前半から20代後半としている。ユーザーはスマートフォンからオークションストアを簡単に開設でき、手軽に売りたい商品を出品できる。

このスマオクを運営するザワットはちょっとしたお願いごとなどを売買したり、仲間を募集するためのWishScopeを運営していることでも知られている。このサービスでCtoCのマーケットプレイスを運営するノウハウを培っているため、スマオクでも経験が活かされてくるのだろう。

Dr.Wallet — 株式会社Bear Tail(学生枠)

レシートを撮影して送るだけで、家計簿を作成してくれるサービスがDr.Walletだ。こちらのサービスについては本誌でもローンチ時に取り上げている

家計簿サービスは日本でもいくつか存在するが、このサービスが特徴的な点は全て人が入力している点だ。だからミスが少なく、99%以上の精度で家計簿が作成できているそうだ。ただ、人力で全てをデータ化することは非効率な面もある。そのため、∞Laboのプログラム期間中にレシートをOCR処理(自動の文字認識)できるようにして効率化を図るようだ。

その他、より経理申請用のCSVエクスポートなどの機能を加えた有料プランやレシートと連動するクーポン配信などの仕組みを構築することで収益化も考えている。

Bear Tail代表の黒崎賢一氏によると、家計簿をつけている人のうち半分程度はまだ家計簿ノートなど紙媒体で管理をしているそうで、これからはさらにデジタル化が進むだろうから、ニーズのある市場だとのこと。

なお、Dr.Walletは8月のローンチ以降、登録者は2万人ほどでDAU(デイリーアクティブユーザー)は25%ほどに成長している。

PEDALRest — チームPEDALRest

駅前やオフィス街に自転車を止めておいて撤去されてしまった経験のある方はいるだろう(ちなみにこの日、KDDIの会見場にいた記者たちの約3割が経験ありと挙手していた)。駐輪場があれば良いのだが、特に都内では止めるスペースが少なく、移動手段として自転車を選択することは好ましくない場合が多い。

PEDALRest代表の中島大氏は自身がそのような経験をよくしたことから、この問題を解決するために遊休スペースを転用し、駐輪場として貸すためのサービスを開発している。

仕組みはシンプルで余っているスペースを持っている人達がその場所を駐輪場として提供する。自転車利用者はオフィスなどの目的地を入力すると、その付近で提供されているスペースを選びそこに自転車を止める。中島氏によると駐車場などの端に自動販売機などがよく置かれているように、遊休スペースは多く存在するのだとか。

PEDALRestは最初は東京を中心に展開し、徐々に対応エリアを拡大していく予定だ。

アオイゼミ — 株式会社葵

アオイゼミは「ゼミ」という名前からわかるように学習系で教室をWeb上に再現しようというサービスだ。すでにサービスは提供されており、月曜日から木曜日にライブストリーミングで授業を行っている。

中学生を対象にしたこの授業ではリアルタイムにユーザー(生徒)がコメントを残し、コミュニケーションを取ることができる。また、このコメントは他のユーザーにも見えるため、互いに競争意識が湧いたり、わかりにくい点などの共有ができるといったメリットがある。

葵代表の石井貴基氏によると、このコメントでの交流により授業がより楽しいと感じてもらえているそうだ。しかし、現在は授業中のみしかユーザー同士のコミュニケーションの場を提供できていない。この点を解決すべく、∞Laboのプログラム期間内によりコミュニケーションを活性化させ、学習が楽しく継続するように学習SNSをサービス内に構築するという。

なお、リアルタイムでの授業は全て無料だが、収録した分の授業を見るためには有料会員になる必要がある。

ズカンドットコム — 株式会社ズカンドットコム

Wikipediaが世界中の皆で作り上げる百科事典であるのと同様に、ズカンドットコムはあらゆる分野の図鑑を構築しようとするサービスだ。

Wikipediaは文字ベースで様々な情報が網羅されているが、ズカンドットコムは画像ベースで図鑑を作る。ユーザーは自分が撮影した写真を投稿し、写真はテーマごとに分類される。

ズカンドットコム代表の山出潤一郎氏はスマートフォンで高品質な写真が撮れるようになり生き物や食べ物、風景といった写真が多くアップロードされているが、そのアップロード先はユーザー個々のFacebookやFlickrアルバムになっている。これらの写真をテーマごとに分類して収集できればネット図鑑ができるのではないかという。

図鑑にニーズがあるのか疑問に思う方がいるかもしれないが、現在すでに公開されている魚図鑑は月に100万PVを稼ぐまでに成長しているそうだ。

また、ユーザーへのインセンティブも用意されており、将来的には図鑑内の画像を第三者が有料で利用できるようにして、使用料の70%をユーザーに還元する予定だという。一般的な画像マーケットに比べてズカンドットコムはテーマに合った写真を見つけることができるだろうと山出氏は語る。

以上がKDDI∞Labo第5期に採択された5チームだ。これから各チームは∞Laboのプログラムを受け、3カ月後のデモデーでプロダクトを発表する。


人体のGoogle EarthがシリーズAの資金調達―BioDigitalはブラウザ・ベースの精密な3D人体図鑑

ニューヨークに本拠を置く画像処理のスタートアップ、Biodigitalが野心的なプロジェクトを開始したのは昨年だった。精密な3Dのアニメーション人体図鑑をブラウザを通じて提供しようというのだ。共同ファウンダーのFrankSculliとJohn QualterはCAD、HTML5、WebGLなどのテクノロジーを駆使して印刷版の解剖学教科書を時代遅れの存在にしようという試みをスタートさせた。

昨年のローンチ以来、Human Biodigitalと名付けれられた3Dバーチャル人体には病気や妊娠など医学的に正確な何千もの画像が追加されている。このバーチャル人体はGoogle Earthによく似た方式で回転させたり傾けたりズームインしたりできる。ユーザーはすでに100万人に上っている。Sculliがわれわれに語ったところによると、Bioditalは2500以上の学校で解剖学の授業に活用されているという。また一般ユーザーも健康に関する知識を得るために利用し始めている。

また病院やクリニックで医師が患者に症状を説明する際にもBiodigitalのバーチャル人体が利用されている。しかし共同ファウンダーたちの長期的な野心は、強力なAPIを提供し、サードパーティーのデベロッパーがアプリやサービスを開発できるようにして、Biodigitalを人体画像のプラットフォーム化することだ。

サービスの拡大にともなって、Biodigitalは今日(米国時間9/24)、400万ドルのシリーズAの資金調達を行ったことを発表した。今回のラウンドはFirstMark Capitalがリードし、NYU Venture Fund、数人のエンジェル投資家が参加している。

Sculliは今日発表したブログ記事で「3D画像処理テクノロジーはゲームや映画のあり方を根本的に変えただけなく、Google Earthのようなサービスを通じて今や一般ユーザーにも馴染み深いものになりつつある。バーチャル人体以上にこの3Dテクノロジーの建設的な応用場面は少ない」と書いている。これには私もまったく同感だ。ブラウザが3D画像処理をネーティブにサポートし、APIベースのビジネスが爆発的に拡大している現在、Sculliの意見では、バーチャル人体は医療やヘルスケアにとどまらず、ウェブ一般にあらゆる応用が考えられるという。

今回の資金調達でBiodigitalは本格的にAPIの開発に乗り出すことができる。現在バーチャル人体は無料で利用できるが、同時に有料のプレミアム版も提供している。

われわれのJohn Biggs記者のファウンダーに対するインタビューと初期のプロダクトのデモのビデオを下にエンベッドした。オリジナル記事はこちら


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Gecko―モノのインターネットへの小さな一歩、スマートフォンにとって大きな跳躍

「モノのインターネット(Internet of Things)」が水平線上に姿を現してきた。われわれが使用するあらゆるデバイスがすべてインターネットに接続し、デバイス同士でコミュニケーションができるという未来的コンセプトが実現段階に入っている。

とはいえ、モノのインターネットが本当にやってくるまでにはまだ少々待たなくてはならないのも事実だ。そこでとりあえずGeckoはいかがだろう? このIndiegogoプロジェクトは小さなガジェットをスマートフォンに接続することでモノのインターネットの実現に一歩近づこうとする面白い試みだ。

Geckoは加速度センサーを内蔵し、BLE〔低エネルギーBluetooth〕でスマートフォンと通信するデバイスだ。Geckoにはジェスチャー機能が内蔵されており、リモートでスマートフォンを操作することができる。また逆にスマートフォンからデバイスをコントロールすることもできる。

Geckoの接続機能は対象物に内蔵されているわけではなく、デバイスに対象物に装着することによってもたらされる。たとえば装着した対象物が動かされるとGeckoの内蔵加速度センサーがそれをキャッチし、BLE経由でスマートフォンに情報が送られる。するとスマートフォンのGeckoアプリが情報を解釈して特定の動作が実行されるなどだ。

GeckoにはTI CC2541システム・オン・チップ、取り外し可能なボタン型電池(使用条件によるが最大数年もつという)の他にアラートを発するためのブザーとLEDライトが内蔵されている。.

Geckoをカメラ(現在Canon製品の一部をサポート)に取り付けてスマートフォンをワイヤレス・リモコンとして撮影したり、逆にポケットに入れたGeckoをバッグの中のスマートフォンの音楽再生のリモコンにする、などがシンプルな応用ケースとして挙げられている。 カメラのリモコンとして利用する場合、付属のアプリで連続撮影はインターバル撮影などの設定ができる。

Geckoが認識可能なジェスチャーは、右あるいは左に傾ける、1度振る、2度振る、の4種類だ。

一方、Geckoはモニタリング・デバイスとしても利用可能だ。ドアに取り付けておけば、開閉のたびにスマートフォンに通知が行く。 薬のケースに取り付けておけば、留守の間にママが薬を飲み忘れていないかチェックできる。ペットや小さい子供に装着すれば30メーター程度の半径から出ていくと同時にスマートフォンがアラートを表示する。

このプロジェクトは最近Indiegogoに登録されたばかりで、締め切りまであと40日あり、目標額は5万ドルだ。デバイスの完成度は高く、時間は十分ある。ウォズことスティーブ・ウォズニアックに好意的に評価されたことも追い風だ。

われわれが紹介してきたモノのインターネット系のガジェットにはSamsungのTecTilesNestの学習するサーモスタット、スマート錠前のLockitronなどがある。

Geckoプロジェクトに興味がある読者はIndiegogoのサイトを訪問するとよい。出資額は20ドルからいろいろ。

〔日本版〕サポートされるスマートフォン、タブレットは、Bluetooth 4.0サポートのiOSデバイス(iPhone 4S、iPhone 5、iPad3代目、iPad mini)、Android 4.3とBluetooth 4.0をサポートするAndroidデバイス各種。Samsung Galaxy S4とNexus 7タブレットで動作確認ずみ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)</P


いつもポケットにArduino。硬貨サイズを積み重ねて使うMicroduinoプロジェクト発進

Arduinoをさらにコンパクトにして、適用可能領域を広げ、安い機能追加モジュールを用意することで、プロトタイプ製作などでもっと便利に使えるようにしたい。Microduino Studioは、25セント硬貨大のArduino互換ボードを組み合わせて、各種機能を実現するためのMicroduinoシリーズを提供する。マイクロ・ロボティクス(micro-robotics)などのコンパクトなハードウェア開発場面での活用を考えたものだ。

プロダクトは先週、目標額を2万ドルに指定してKickstarterに登録された。結局、わずか3日で目標額を集めることができた。但し募集期間は10月19日までとなっており、これからでも参加することができる。金額は20ドルからで、Arduino Uno互換ボードを含んだ基本キットを手に入れることができる。

サイズがかくまでコンパクトになったのは、コントローラーやコミュニケーションパーツなどを分離して、積み重ねる形で利用するようにしているからだ。いずれのモジュールにもU字型の積み重ね用ピンがついていて、簡単に組み合わせることができるようになっている。

CEOであるTiki Wangは、モジュール化することにより、プロトタイプないしプロダクト生産の費用を抑えることができると言っている。各モジュールは特定の機能を持つ回路のみを搭載しており、これによりサイズおよび費用を抑えることができている。拡張モジュールの種類も豊富で、現在のところはEthernet接続、2.4GHzワイヤレス通信、マイクロSDカード、Bluetoothシールド、10 DOFセンサー、リチウムイオンバッテリ管理、OLEDディスプレイモジュールなどがある。以上の他にもBeijing Makerspaceや、その他のMicroduino利用者によってテスト中のものがいくつもある。

Beijing MakerspaceにおけるMicroduinoの活用事例やプロダクトなどについては、MicroduinoのKickstarterページやFacebookページなどでも紹介されている。サイズおよび重量のメリットから、ロボットやヘリコプターで利用する例が多くなっているのだそうだ。あるいは自転車用の小型GPSロガーもある。ガーデニング用に地面の湿り具合や風の様子、または温度などをインターネット経由で確認できるようにする「スマートガーデン」用のデバイスもある。Microduinoの全モジュールの外見およびファームウェアはMicroduino Wikiに掲載されている。

Beijing Makerspaceから、Kickstarterを利用するのは今回のMicroduinoが初めてのことだ。中国からも、今後はオープンソースハードウェアのプロジェクトが、数多く登録されることになるだろうと、Wangは言っている。

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(翻訳:Maeda, H)


コツンとぶつけてスマホのデータを交換する人気アプリ、BumpをGoogleが買収

2000万ドルのベンチャー資金を集め、ダウンロード数でもトップのモバイル・アプリとなったBumpだが、十分な売上を得ることだけは失敗したようだ。Bump TechnologiesはGoogleに買収された。

Bump〔コツンと打ち合わせる〕という名前のとおり、このテクノロジーはスマートフォン同士(あるいはスマートフォンとコンピュータ)を物理的に接触させることでさまざまなデータの交換を可能にする。独立したビジネスとして成功することはできなかったものの、Googleの一員として有望な未来を確保することができたようだ。

Bumpの共同ファウンダー、CEOのDavid Liebは公式ブログでGoogleに参加したことを発表した。共同ファウンダーのLiebとAndy Huibersを含む25人のBumpチームは引き続きGoogleで働くことになるもようだ。

Bumpは昨年新しいコンセプトの写真共有アプリ、Flockをリリースしている。ブログ記事によれば、BumpとFlockの開発は今後も継続されるという。ただしPayPal的な支払いサービス、Bump Payアプリの今後については言及がなかった。

買収金額等の詳細が明かされていないので、Y Combinator、Sequoia Captial、Felicis Ventures、SV Angel、Andreessen Horowitz、その他多数のエンジェル投資家にとっての収支について推定するのは難しい。

いちいち連絡情報をタイプする面倒なしに新しい友だちやビジネス相手と情報を共有できるのがうけて、BumpはApp Storeの初期の大ヒットになった。iPhoneを握った拳を突き合わせるだけで連絡情報のみならず、写真、オーディオ、ビデオ、その他選択したファイルをなんでも交換できるのだから簡単だ。3月には1億2500万ダウンロードで10億枚の写真が交換されたという。

しかしBumpは無料アプリで、意味のある売上を獲得するビジネスモデルを発見することができなかった。その一方で最近Appleが爆弾を落とした。近接したデバイス間でのファイル交換を可能にするAirDrop機能がiOS 7に含まれることをAppleが発表した。これでBumpもついにタオルを投げ入れることを余儀なくされた。こうした状況から察するに、投資家はGoogleの買収で損失は免れただろうが、大きな利益を挙げたようには思えない。

ところでGoogleが関心を示したのはBump自身よりFlockだったかもしれない。このアプリには位置情報を解析して付近にいるFacebookの友だちを探し出し、共同して写真アルバムを作るように勧める機能がある。これはパーティー、コンサート、カンファレンス、旅行などでたいへん便利だ。パーティーなどの場で撮った写真をソーシャルメディアで一般公開するつもりはなくても、その場にいて同じ体験した知り合い同士でなら共有してもよいと考えるユーザーは多いだろう。 Flockは余分な機能をできるかぎりそぎ落として、ほとんど自動的にこうした写真共有ができるようにしている。GoogleはFlockをGoogle+の機能の一つとして取り込むはずだ。

またこの買収でGoogleはモバイル・コミュニケーション関係の重要な特許を多数手に入れた。この中にはアプリがGPSその他のセンサー情報を解析して複数のデバイスが位置的に近接していることを判断するテクノロジーなどが含まれる。

Googleであれば直接BumpとFlockのテクノロジーをから収益を上げる必要はない。Googleが膨大な既存ユーザーにこれらのアプリを提供することになれば、Liebのいう「非還元的」デザイン 、すなわちユーザーに代わって状況を判断して自動的に作動するアプリのインパクトがいっそう広く感じられることになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


起業の契機は人びとの情報力の強化にあり, ExpediaやZillowを作ったRich Bartonが語る

Rich Bartonは、Expedia(旅行)やZillow(不動産)のファウンダとして、Webサービスの新しいジャンルを開拓した人物として有名だが、最近では投資家として、いくつかの興味深いスタートアップに投資している。それらは、モバイル専用のホテル予約アプリHotelTonightや、近隣社会のためのソーシャルネットワークNextdoor、企業等の労働環境/条件レビューサイトGlassdoorなどだ。

本誌は今週(9/8-14)のDisruptカンファレンスでBartonをつかまえることができたので、早速舞台裏インタビューを開始した。そして彼に、彼の投資戦略と、彼の目にとまるファウンダやスタートアップのタイプについて話してもらった。

Bartonによると、彼の投資案件の共通項は、人びとが重要な情報にアクセスできるようになるための、新しい方法を作り出す、“power to the people”型のスタートアップである。インタビューの全編を上のビデオで見られる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


脳波や睡眠の状況を把握して、目覚ましをインテリジェント化する「Zizz」

TechCrunch Disrupt SF 2013にて、ワルシャワ発のIQ Intelclinicというスタートアップがプロダクトを発表していた。

発表していたのはインテリジェントな睡眠マスクだ。センサーを使ってREM睡眠とノンREM睡眠の別などを検知して利用者の睡眠サイクルを記録する。そして快適な睡眠を得るためのサポートをしようとするものだ。

マスクに搭載されている電子部品は、粘弾性発泡体と呼ばれる柔らかなクッション素材によって覆われており、それを頭部に密着させてデータを取得する。収集したデータはモバイルアプリケーションに送られ、睡眠あるいは目覚めた時の様子を確認することができる。そして、たとえば睡眠時無呼吸症候群などの兆候が見られないかどうかを確認することもできる。

「3つのデータを収集するための電極を備えています。収集するのは脳波、目の動き、そして筋肉の緊張具合です」と、ポーランドのメディカルスクールを卒業した、共同ファウンダーのKamil Adamczykは説明する。マスクで収集したデータは増幅器に送られ、そしてナレッジベースを活用した分析を行う。分析したデータはBluetooth経由で利用者のスマートフォンに送られる。IQ Intelclinicの別の共同ファウンダーであるKrzysztof Chojnowskiはエレクトロニクス分野でのPh.D.で、おかげでデバイスで用いる電子デバイスなどもすべて内製することができた。

大学で知り合った共同ファウンダーの2人が、本プロダクトの製品化に取り組み始めたのは今年の3月のことだった。Adamczykはメディカルスクール時代にあまり眠ることができず、その経験からより良い睡眠を得るためのプロダクトを作ろうと思い立ったのだそうだ。「時間的に短くても、効率的な睡眠を得ることができるようにするためのプロダクトを作ろうと思ったのです」と述べている。そうした研究やプロダクトのおかげで、今では夜に3時間、そして日中に短い昼寝をするだけで十分な睡眠を確保しているのだそうだ。

また、このプロダクトはREM睡眠とノンREM睡眠を識別できるので、スリープサイクルが完了したときにのみ朝のアラームを鳴らすということができる。これを行うには、アラームで「許容時間幅」(バッファー)を設定する。すると希望時間の前後、身体のリズムが最適となったときに目覚ましを鳴らしてくれるようになるわけだ。普通のめざましのようにセットした時間ぴったりに鳴るのではなく、身体の調子を見極めて起こしてくれるようになるのだ。

普通の朝の目覚ましとしてのみではなく、時差ボケ解消のためにも便利に利用することができるだろう。ないしはパワーナップ(短時間の睡眠)を取って多相睡眠(訳注:眠りを一度にまとめるのではなく、何度かにわけてとるようにすること)を実現するのにも便利だ。

TechCrunch DisruptのStartup Alleyにてプロトタイプを展示していた。そのプロトタイプでは電池式になっていたが、これをmicroUSB充電としてKicksterterに登録する予定だ。これまでにIQ Intelclinicは、地元のエンジェルよりアメリカドル換算で6万5000ドルの出資をうけている。プロダクトの製造販売を実現するために、クラウドファンディング経由で10万ドルを集めたいと考えているのだそうだ。プロダクトの名前は「Zizz」で各区は225ドルを予定している。KickstarterにあるEarly Backer(早期支援)に応募してくれる人には、180ドルで頒布するとしている。Adamczykは、IQ Intelclinicのプロダクトを通じて、さまざまな睡眠障害を発見するきっかけになればと語っている。但し、そうした方面に向けたデバイスを販売するにはFDAの認可が必要となるが、まだその認可は取得していないようだ。

詳細な情報を確認したい方はこちらにIQ Intelclinicのホームページがある。こちらから出資予約を行うこともできるようになっている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


グロースハックツール「Fello」運営のユニコンがジャフコから総額1億円を調達

シンガポールに拠点をおくUnicon Pte.Ltd.(以下、ユニコン)がジャフコから総額1億円の資金調達をしたことを発表した。ユニコン創業者の田中隆一氏は元Zynga Japanのメンバーであり、ゲーム業界での経験を活かし、「Fello」というモバイルゲーム開発者向けのグロースハックツールを提供している。

Felloではプッシュ通知、メッセンジャー機能、分析ツールなどをゲーム開発者に提供することで、継続率の向上や開発コストの削減をサポートしている。このサービスはiOS、Androidに対応しており、今後はUnityなどにも対応予定だ。なお、利用は全て無料となっている。

Felloが公開されたのは8月8日で、それから1カ月のうちに開設されたアカウント数は100を越えるという。今回の資金を基に新たに日本にも拠点を置き、国内のプロモーションを強化していくと同時にアジア全体でのモバイルゲーム市場を開拓していく予定だ。


ポケットコンシェルジュを運営するポケットメニューが総額6,000万円の資金調達を実施

会食や接待向けのレストラン予約サービス「ポケットコンシェルジュ」を運営するポケットメニューがフジ・スタートアップ・ベンチャーズ、日本ベンチャーキャピタル、個人投資家から第三者割当増資で約6,000万円を調達した。今回調達した資金は主にサービスの展開地域をパリ、京都、大阪に広げていくために充てられる。

ポケットコンシェルジュは、会食や接待などに使える厳選されたレストランを予約できるサービスである。現在は東京の60店舗ほどのレストランが登録されており、レストランの客単価は1万円から2万円程度で、高所得者層を中心に約1万人が利用しているそうだ。

このサービスは食べログやRettyのようなユーザーの評価を中心としたものではなく、サービス側が選んだレストランだけが掲載されている。ユーザーは目的(接待、デート等)、日程、料理のジャンルからレストランを探し、サービス上で予約できる。

この予約フォームは今時のサービスに比べるとやや入力項目が多い。会食の趣旨や過去の来店回数、店への要望、連れの情報(アレルギーや好き嫌い)といったものがある。また、登録時にも年齢や性別などの情報も入力を求められる。

だが、これにはもちろん訳があるようだ。板前として6年間働いた経験を持つポケットメニュー代表取締役の戸門慶氏曰く、普段レストランが電話で予約を受け付ける際には声のトーンから年齢と性別を判断し、それを踏まえた上で席の配置はもちろん(若い人で騒ぎそうならカウンターの端っこなど)、高齢の方の場合には味を薄めたり、量を減らすなどの工夫をしているという。その他、来店回数によってコース料理でも同じメニューを出さないようにもできる。

ポケットコンシェルジュでは会食や接待で利用されることが多いから、このような細かな気配りも重要になってくる。入力は確かに面倒だが、結果として一番大事なレストランでの体験が向上することになる。こういった点は板前の経験がある戸門氏ならではの視点と言えるだろう。

このようにポケットコンシェルジュは戸門氏の経験を活かしている点が多いように感じるのだが、今後のパリでの展開方法も同様だ。パリでの事業では地元の企業と組み、新たに新会社を立ち上げて展開していくのだが、これがレストランの海外展開と似ているという。

IT企業はGoogleやFacebookのように自社で海外展開していくことも多々あるが、ポケットコンシェルジュの場合はレストランと組むため、そのネットワークが非常に重要だという。というのも、レストランはシェフ同士の繋がりも多いようで、実際にサービスに掲載するレストランをシェフから紹介してもらうこともあるからだ。良いシェフが紹介するレストランは良い確率高いそうで、そのようなコネがあるのと無いのでは良いレストランをサービスに取り込めるか否かに差が出てくる。

戸門氏によると、レストランの海外展開では、しばしばこのように地元レストランや企業と組んで展開することがあるそうで、ポケットコンシェルジュもこれと似たような展開をしていくという。

すでにパリでの事業は話が進んでおり、数名がパリに移動し本格的に展開していくという。今後は上記の地域での展開はもちろん、スマートフォン向けのアプリの開発やクレジットでの事前決済機能などサービス内容の充実も進めていく。


TechCrunch Disruptカンファレンス開幕―ライブ中継中

さあ、いよいよだ!.

サンフランシスコ・デザインセンターの広大な会場は投資家、起業家、ジャーナリスト、テクノロジー・ファンで埋め尽くされている。TechCrunch Disrupt SF 2013が公式に開幕した。

1日目、月曜((米国時間))のスケジュールはスター揃いだ。午前中にはSnapchatのファウンダーEvan Spiegelを私がインタビューする。著名ベンチャー・・キャピタリストのロン、コンウェイ、サンフランシスコ市長のデビッド・リーが話す。

午後にはLinkedInのジェフ・ワイナー、TwitterのCEO、ディック・カストロが登場する。

スタートアップ・バトルフィールドでは30チームが全力で6分ずつのプレゼンを行う。審査員はYahooのCEO、マリッサ・マイヤーを始めとするテクノロジー界のトップスターだ。

われわれはすべてをライブ中継するのでぜひお見逃しなく。

Monday, September 9th

9:00am — 9:10am
Opening Remarks by TechCrunch

9:10am – 9:35am
Fireside chat with Ron Conway, David Lee and Brian Pokorny (SV Angel)

9:35am – 9:55am
Founders Stories with Logan Green and John Zimmer (Lyft)

9:55am – 10:25am
The Future of Higher Education: Lt. Governor Gavin Newsom (State of California) and Sebastian Thrun (Udacity)

10:25am – 10:45am
Keynote: Sir Michael Moritz (Sequoia Capital)

10:45am – 11:05am
BREAK

11:05am – 11:15am
Special Product Announcement

11:15am – 11:35am
In Conversation with Evan Spiegel (Snapchat)

11:35am – 12:00pm
These Aren’t The Droids You’re Looking For: Rob Coneybeer (Shasta Ventures), Matt Rogers (Nest), Christian Sanz (Skycatch), Boris Sofman (Anki)

12:00pm – 12:20pm
Fireside Chat with Jeff Weiner (LinkedIn)

12:20pm – 12:30pm
How To Lead: Dick Costolo (Twitter)

12:30pm – 1:50pm
LUNCH

1:50pm – 2:00pm
Special Product Announcement

2:00pm – 2:25pm
Fireside Chat with Drew Houston (Dropbox)

Startup Battlefield with Jason Kincaid

2:25pm – 2:30pm
How the Startup Battlefield Works

2:30pm – 3:30pm
Session One – Disrupting Efficiency

Judges: Mike Abbott (Kleiner Perkins Caufield & Byers), Jess Lee (Polyvore), Ali Partovi (angel investor), Gentry Underwood (Mailbox)

3:30pm – 3:45pm
BREAK

3:45pm – 4:45pm
Session Two – Disrupting Experience

Judges: Rich Barton (Zillow, Barton Ventures), Tracy Chou (Pinterest), Ellen Levy (Silicon Valley Connect), Hunter Walk (Homebrew Ventures)

4:45pm – 5:00pm
BREAK

5:00pm – 6:00pm
Session Three – Disrupting Transparency

Judges: Patrick Gallagher (CrunchFund), Julia Hartz (Eventbrite), Rick Klau (Google Ventures), Matthew Prince (CloudFlare)

9:00pm – Midnight
After Party hosted by New Relic at Mighty

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+