企業に健康食を配達するOh My Greenがシード資金として$20Mを調達、全米展開を目指す

Oh My Greenは、Initialized Capital, Powerplant Ventures, Backed VC, ZhenFund, Talis Capital, そしてStanford StartX Fundらによる最初の本格的な投資ラウンドで2000万ドルを調達し、アメリカ中のオフィスに健康的な食べ物を届けようとしている。

このコンシエルジュ的なサービスはアクセラレーターY Combinationを2016年に終了して、サンフランシスコやロサンゼルス、シアトル、シカゴ、オースチン、デンバー、ボストン、ニューヨーク、そしてナッシュビルの企業に、正しい栄養学に基づくおやつや食事を提供している。同社はオフィスのおやつ戸棚の在庫を満たし(テクノロジー企業にとっておやつは必須である)、イベントのケータリングをやり、(企業の)カフェを管理し、(企業の)健康事業(ダイエットなど)を手伝う。同社の目標は、企業の健康的な食生活のためのワンストップショップ(なんでもできる)になることだ。

同社は2014年にサンフランシスコでMichael Heinrichが創業した。今週初めに彼と交わした会話によると、彼は本誌TechCrunchのおやつ戸棚を認めないらしい。なにしろ、一年前のスキットルズ(フルーツキャンディー)やエムアンドエムズ(チョコ)やフルーツバイザフット(グミ)があるんだからね。

彼は語る: “自分の人生で、もっと意味のあることをしたかったんだ。難しい仕事をいろいろしてきたし、そこで出会った人びとや問題も楽しかったけど、でも日常手に入れられる食べ物を見ると、加工しすぎや砂糖の使い過ぎのものがとても多い”。

“シュガークラッシュ(sugar crash, 糖質の摂り過ぎ→禁断症状による低血糖症)で仕事の生産性がガタ落ちになったとき、文句を言わずに自分で違いを作りだすべき、と気づいたんだ”。

Oh My Greenは機械学習を利用して顧客たちに個人化された推奨おやつや推奨食事を提供している。企業顧客は今約200社で、その中にはLyft, Apple, Y Combinatorなどもいる。今回の投資は全米展開に注ぎこみ、いずれは海外進出を目指す。

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無人小売店舗のスタートアップ、InokyoはAmazon Goに挑戦する

インディーズ版Amazon Goを目指すスタートアップのInokyoが、レジ係不要の無人小売店舗のプロトタイプをスタートした。商品を棚から取り出したり棚に戻したりするところをカメラで撮影し、客は店を出る前にアプリのQRコードをスキャンするだけで、購入した商品の代金が引き落とされる。

最初の店舗はカリフォルニア州マウンテンビューのカストロ通りにオープンし、 おしゃれなこんぶ茶やスナック、プロテインパウダーやバス用品などを販売している。陳列棚はまばらで少々戸惑うが、5年後の日常のショッピングらしき様子を垣間見ることかできる。本誌が撮ったデモビデオを参照されたい。

「レジ無し店舗は自動運転車が輸送業界に与えるのと同じレベルのインパクトを与えるだろう」と、Inokyoの共同ファウンダー、Tony Francisが私に言った。「これは小売の未来だ。店舗が無人化に進むことは避けられない」。

Inokyo(Tokyoと韻を踏む)はこのマウンテンビュー店舗を早期利用する ベータテスターを募集中だ。テストの目的は、将来の品揃えとビジネスモデルを考えるために必要なデータを収集することにある。Inokyoはこのテクノロジーをサービスとして他の小売店に販売するか、自社店舗を運用するか、ブランドと提携して製品のポジショニングを改善するかを、店内センサーのデータと顧客の行動に基づいて決定するつもりだ。

「このテクノロジーを実験室で研究しても成功しないことはわかっている。最初にシステムを提供してリアル世界で学習し、このテクノロジーをいち早く進化させたものが市場を席巻できると考えている」とFrancisは言う。InokyoはAmazonやWhole Foodsと競合できるような小売の巨人になれることはないかもしれない。しかし、その技術によって対等な戦いを実現し、小さな企業が巨人たちの独占を阻む可能性はある。

問題はレジ係が代わりに何をするかだ

「Amazonは私たちが思ったほど先行していない」とFrancisは指摘する。彼は共同ファウンダーのRameez Remsudeenと共にシアトルのAmazon Go店舗を見に行ってきた。米国でレジ係をカメラで置き換えた最初の店だ。そこで感じたのは「この体験は魔法のようにできるはずだ」ということだった。

ふたりはカーネギーメロン大学の機械学習の授業で知り合い、その後その知識をInstagramとUberで利用した。彼らは無人店舗の世界に今すぐ参入すればその方向性について発言権を得られると考えた。

来週Inokyoは彼らのシード資金を提供したY Combinatorのアクセラレーターを卒業する。6週間のプログラム期間中に、マウンテンビューの店舗スペースを見つけ、従来型店舗の顧客の行動を学習し、初期の商品群を揃え、ユーザーが棚から取り出したものを追跡するテクノロジーを開発した。

Inokyonストアのしくみはこうだ。まずアプリをタウンロードして支払い方法を登録するとQRコードが送られてくるので店に入る時にセンサーにかざす。天井のカメラが客の体型と服装をスキャンして顔認識をせずに店内での動きを追跡する。一方、棚に設置されたカメラは商品が取り出されたり戻されたりするところを追跡する。これらを組み合わせて、誰がどこで何を取り出したかを認識することでカート内の商品を決定する。店を出る時に再びQRコードをスキャンする。のちに詳細が書かれたレシートを受け取る。

実は当初Inokyoでは店を出る時のスキャンをしていなかったが、客からのフィードバックで、万引きしているような気分だと言われた。出口のスキャンは技術的に必要だったわけではなく、安心感を与えるためというわけだ。そこには「選んだ商品をInokyoが全部認識しなくても私の問題ではない」という不穏な楽しみもある。そして、もし過大に請求された場合はアプリ内のサポートボタンを押して払い戻しを受けることができる。

Inokyo co-founders (from left): Tony Francis and Rameez Remsudeen

私は商品を棚から何度も出したり入れ替えたりしてみたが、Inokyoの請求は正確だった。ただ、その時店内には3人くらいしか客がいなかった。この種のシステムにとって本当の課題は、客が大勢やってきて似たような外見の人をカメラが区別しなくてはならないときだ。精度が99%以上でなければ、システムは役にたつより面倒のタネになるだろう。しょっちゅう金額が多すぎたり少なすぎたりするくらいなら、昔ながらの店に行った方がいい。

無人小売店舗はレジ係不要だからといって、スタッフを置く可能性がないと言う意味ではない。コスト削減を最大化するために、客は略奪をしないと信じているだけだ。Inokyoは店内に目を配り、客が入店時にスキャンするのを確認したり、手続きの質問に答えたりすることを考えている。また、レジ係を配置転換して商品を薦めたり、客にあった商品を見つけるコンセルジェにする可能性もある。こうした店の評価はテクノロジーだけでなく体験全体の利便性できまる。少なくとも、レジ作業から解放された従業員が、商品補充や顧客対応、店舗のメンテナンスなどに従事できる機会があるはずだ。

The Amazon Go autonomous retail store in Seattle is equipped with tons of overhead cameras

Amazon GoはInokyoと同じような方法でカメラを利用しているが、さらに重量センサーを用いて商品を追跡している。レジ係不要の夢を追っている会社は他にもay to Inokyo, it also relies on weight sensors to track items. There areたくさんある。中国のBingoBoxは1億ドル近い資金を受けて300以上の店舗を展開している。ただし、技術的にはさほど高度ではないRFIDタグを使用している。Y Combinatorの同窓スタートアップ、 Standard Cognitionは500万ドルを調達して、従来型店舗に無人カメラ技術を付加している。AiFiも同じことをしているが、不審な動きを検出して万引きの可能性を報告できると言っている。

未来型店舗はますます現実味を帯びてきた。正確な追跡ソフトウェアと容易に設置できるハードウェアを開発し、買い物フロー全体を快適にできる会社が勝者となるだろう。もしこのテクノロジーが顧客を遠ざけることなくコストと行列を減らすことができれば、地元のリアル店舗はすぐにでも導入するだろう。この未来がやってくるのか、いつそうなるのかという以上に大きな問題は、レジ打ちで生計を立てている無数の人たちにとって、それがどんな意味を持つのかということだ。

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スマート圧力釜のInstant PotがドッグフードのYaDoggieと提携して犬のフレッシュフードを展開

Yahooのモバイル担当VPだった人が始めたドッグフードとウェルネスのスタートアップYaDoggieが、キッチン器具のメーカーInstant Potと提携して、フレッシュなドッグフード製品を立ち上げた。そのYaDoggie Freshと名付けた製品は“ヒューマングレード”(human-grade)*のフレッシュなドッグフードで、Instant Potで調理することが推奨されている。〔*: human-gradeは意味や定義が曖昧なので食品業界では使用が推奨されていない。〕

そのフレッシュな製品は、ターキーとサーモンの二種類があり、Instant Potで20分調理する。YaDoggieによると、その調合は専門の動物栄養学者が設計し、100%グレインフリー(穀物不使用)である。発売は、10月1日だ。

YaDoggieのCEO Sol Lipmanはプレスリリースでこう言っている: “自分の犬のために健康的な食事を作ってやりたい、と思っているお客さんは多いけど、時間がなくてレシピを見つけたり、材料を買って調理にとりかかることができないでいる。YaDoggie Freshはそんな方のお役に立つ。YaDoggie Freshは、自分の飼い犬に最良のフードを与えたいと願っている方々の、理想を実現する。そしてそれは、ふだんのドッグフードの優れた補食にもなる”。

YaDoggieの製品は、‘ふだんのドッグフード’もグレインフリーで、お値段は49ドルだ〔量不明〕。レシピーは、バッファロー+ダック、ラム、さつまいもの三種類ある。ほかに、ターキーと豆が少量入っている。米やコーン、小麦、大豆は使っていない。

YaDoggieのねらいは、犬の飼い主たちがホリスティックなアプローチで動物たちに接するよう支援することだ。同社は自分たちを、犬のためのテクノロジー企業ではなく、テクノロジーを利用する犬のウェルネス企業と位置づけている。

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ヴィーガン・ミールキットのPurple Carrotに大手食品系Fresh Del Monteが$4Mを投資

Purple Carrotが今朝(米国時間5/7)、Fresh Del Monte Produceからの戦略的投資で400万ドルを調達したことを発表した。

2014年に創業された同社は、完全に植物性の(ヴィーガン(vegan)の)ミールキットを会員に届ける。同社は最初、フードライターのMark Bittmanをチーフ・イノベーション・オフィサー(chief innovation officer)として迎え(その後Bittmanは2016年に去る)、またフットボールのスター選手でいちご嫌いで悪名高いTom BradyとパートナーしてTB12ミールキットを立ち上げるなど、セレブを起用するマーケティングを展開した。

Crunchbaseによると、Purple Carrotはこれまでに600万ドルを調達している。同社によると今回の新たな資金はサプライチェーンの改良と小売チャネルの拡大、そして製品種別の多様化に充てたい、としている。

Purple CarrotのファウンダーでCEOのAndy Levittは、資金調達の発表声明の中でこう述べている: “Fresh Del Monteから戦略的投資を得たことは弊社のビジネスモデルのしっかりとした正当性を表している。菜食の普及努力は、この惑星とその上に住む人間をどちらもより健康にしていくための、弊社独自の目的指向の活動努力だ”。

Fresh Del Monteはパイナップルなどで有名なDel Monteの子会社だが、既存の食品企業がミールデリバリのスタートアップに投資する例は、これまでにもいくつかある。たとえば昨年は、Unilever(ユニリバー)がSun Basketを支援し、NestléはFreshlyの7700万ドルのラウンドをリードした。

画像クレジット: Purple Carrot

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完全植物性のひき肉が大衆的ハンバーガーショップに進出、菜食人口の増大にも対応

完全植物性の、がんもどきではなく肉もどきを作っているImpossible Foodsが、食肉のサプライチェーンに食い込もうとしている。同社の肉もどきで作ったバーガーもどきが、アメリカで最初のファストフードバーガーチェーンWhite Castleのメニューになるのだ。

そこで、ラリったヴィーガンのヒッピーたちも、同じくラリったスラッカーたちと一緒に、安くておいしいバーガーふう御馳走にありつける、というわけ。

その“Impossible Slider”という商品名の完全植物性ひき肉もどきは、バーガー1枚が1ドル99セント、ほかのメニューに含まれることもある。

ヴィーガン(vegan, 完全菜食主義者)専用の高級品だった肉もどきが、一般消費者向けのファストフードチェーンへ飛び込むなんて、ものすごく画期的だ。

同社のミッションが本物のひき肉と互角なコンペティターになり、最終的にはそれを駆逐することなら、そのバーガーの名前も今のUmami Burgerから堂々とImpossible Sliderに変わるべきだ。

前にも書いたが、同社は最近3億ドル近くの資金調達により、そのバーガーをアジアとアメリカ市場全域に売り込もうとしている。

Impossible Sliderがこれから売られるWhite Castleの店は、ニューヨーク-ニュージャージー回廊地帯とシカゴおよびその郊外の、140店だ。

Impossible FoodsのファウンダーでCEOのPatrick Brownは、声明文で述べている: “White Castleのビジネスモデルを真似ようとした連中は多かったが、だれも真似できなかった。競争の激しいファストフード業界で、それはすごいことだ。われわれもWhite Castleと密接に協働して、植物性の肉を今後大衆的な量産量販バーガーとして普及していく方法を学びたい”。

画像クレッジット: TechCrunch

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「スマート」オーブンを399ドルで売るTovala、地元VCから新たに資金調達を完了

スマートキッチンデバイスの成績はかなりアンバランスだ。たとえばJuiceroという400ドルのジュース絞りマシンを売ってあきれられた会社は、Bloombergに手でやったほうがいいと書かれてすぐ店を畳んだ(ただし投資家が1.18億ドル以上注ぎ込んだ後のこと)。

一方、145ドルのWi-Fi、Blootooth対応デバイスのAnova Precision Cookerは、Kickstarterで180万ドルを集めたあと、2月には家電の巨人Electroluxに2.5億ドルで買収された。

しかし、どの次世代家電が消費者に受け入れられるかわからないという不確実性も投資家を止める気配はない。最近の話題は、 Tovalaというシカゴ拠点の3年になるスタートアップで、399ドルの「スマート」オーブンと、これを使って調理する料理(なすのグリルやアンズをかけたサーモンなど)を売っている。この会社が初期の出資者であるOrigin Venturesのリードで920万ドルの資金を新たに調達した。

このラウンドについて最初に報じたのはCrain’s Chicago Businessで、Pritzker Group Venture Capital、Morningstarのファウンダー、Joe Manusueto、レストランと不動産の起業家、Larry Levy、およびY Combinatorも参加した。Tovalaは、Y Combinatorアクセラレータープログラムの昨年冬学期出身。これで総調達額は1150万ドルになった。

TechCrunchは今年の夏にTivolaのスチームオーブンを紹介した —— アプリ経由で遠隔から操作できる。当時書いたように、このオーブンは、最高華氏550度(288℃)で10分から30分、焼く、煮る、蒸すが可能で、Tivalaのパッケージ料理以外に利用者の手料理にも使える。

しかしTivalaにとって本当に稼ぎ頭は料理配達サービスだ。共同ファウンダーのDavid Rabieは前回の記事の取材で、「従来のミールキットで最大の悩みは、料理のあとに残った鍋やフライパンや食器の山を洗うこと。当社の料理なら洗い物はなにもない」と言っていた。

このうたい文句が消費者に通じるかどうかはわからないが、この混み合って複雑な市場にTivalaがデビューを飾ったことは間違いない。

Blue Apronは、上場企業として投資家を失望させ続けたことで、今最も厳しい状況にあるが、現在も運用を続けている料理配達各社は、材料や栄養配分に気をつかいつつ顧客に新しいメニューを届けるという大きな課題に挑戦し続けている。

一方ベンチャーキャピタル会社もまだまだスマートホーム・テクノロジーを諦める様子はない。ハイエンド・キッチン家電や、それを支える定期利用システムもある。

たとえば今年5月、ステルスモードのIoT会社で国内向けにハードウェアとソフトウェアの製品を計画しているBravaは、 金額非公開のラウンドを完了し、昨年TPG GrowthがリードしたシリーズAラウンドの1200万ドルの2倍以上の資金を調達した。

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Amazonが一部地域でのAmazon Freshサービスの停止は合衆国郵便公社のせい、と非難

Recodeの記事によるとAmazonは、一部の地域でAmazon Freshを停止した件で合衆国郵便公社(U.S. Postal Service, USPS, 郵政民営化前の郵政省に相当)を非難している。内部情報筋がRecodeに語ったところによると、問題の地域では多くの場合、USPSが配達を担当していた。

そしてAmazonが食品の製造/提供企業に告げたところによると、USPSは食料品を所定の時間までに、ときにはその時間を過ぎてさえも、配達することができなかった。またAmazonは、それらの地域は人口密度が低いので事業の経済性がより困難である、とそれらの企業に伝えたそうだ。

今月(2017/11)の初めにAmazonは、9つの州の一部でAmazon Freshサービスを停止した。ただし、サービスが停止された地域社会の数は、公表されていない。

この、一部地域でのAmazon Freshのサービス停止は、Amazonが137億ドルでWhole Foodsを買収してから数か月後に起きているが、Amazonは、Freshに起きたことと買収は無関係、としている。

今Amazonに問い合わせているので、何か得られ次第この記事を更新しよう。

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Amazon Freshが一部の州の一部地域でサービス中断、大都市は無事のよう

Amazonの食料品配達サービスAmazon Freshが、アメリカの9つの州の一部で中断された、とRecodeが報じている。コネチカット、マサチューセッツ、バージニア、ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア、デラウェア、メリーランド、そしてカリフォルニアの、それぞれ一部地域では、だめのようだ。

私が今朝(米国時間11/3)Amazon Freshにアクセスしたら、サンフランシスコの私が住んでる地域では、12月1日以降、サービス停止だそうだ。休止ではなく、停止だ。

[あなたの郵便番号の地域では12月1日以降サービスを停止します。]

アップデート 12:41pm 太平洋時間: Amazonが私にくれた連絡によると、サンフランシスコの私の住所ではAmazon Freshはまだやってる。Amazon側で何か、技術的エラーがあったみたい。トラブルが生じた地域の数を聞いたが、答はなかった。

AmazonのスポークスパーソンがRcode誌に語ったところによると、ニューヨーク市やボストン、シカゴ、フィラデルフィア、ロサンゼルスなどの大都市では、今日のサービス中断は起きていない。

Amazonは数か月前にWhole Foodsを137億ドルで買収したが、Amazonによると、それとこれとは関係ないそうだ。しかし2012年にローンチしたAmazon Wineは、近く閉鎖されるという。

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Hollywoodの人気スターで熱心な環境保護活動家Leonardo DiCaprioが植物性バーガーのBeyond Meatに投資

環境問題に熱心なハリウッドの名士たちの中でもとくにリーダー格のLeonardo DiCaprio(レオナルド・ディカプリオ)の名前が、ビーフを使わない植物性のバーガーBeyond Meatの、投資者たちのリストに載った。

Beyond MeatのCEO Ethan Brownが声明文で述べている: “Leonardo DiCaprioをBeyond Meatのファミリーに迎えたことに感動している。環境保護活動家としての彼の献身と役割は、弊社のBeyond Burgerのような植物から直接作る人工肉が、人間の健康と地球の気候と、自然資源および動物の福祉に大きく貢献するという共有ビジョンを反映している”。

実は、ole Leo〔愛称〕は初期の同社を助けたことがある。同社が植物性タンパク質材料の試作を繰り返していたとき、それらで作られたバーガーにフィードバックを提供したことがあるのだ。

“今後も彼の協力を継続的に得ながら、おいしくて満足感のある製品を、より多くの消費者に提供していきたい”、とBrownは言っている。

ole Leo自身は、自分が動物の肉を使わないための人工肉企業に投資したことをとても真剣に説明している。彼の声明は:

“畜産は大量の炭素を大気中に排出する。動物の肉から、Beyond Meatのような植物由来の肉に移行することは、気候への悪影響を減らすために人間が為しうることの中でも、もっとも効果の大きい方法のひとつである”。

Beyond Burgerは、全米で2000以上の店で売られている。その中には小売大手KrogerやAlbertsonsの店もある。

“植物から直接、おいしくてヘルシーな肉を作れる同社の能力は、結果的に、気候変動に対処しようとする消費者たちの日常的なアクションを助けている”、とDiCaprioは述べている。

Beyond Burgerは、BurgerFi, Epic Burger, Veggie Grillなどのファストフード店でも売られている。

Beyond Meatの新たな投資家には大スターのイメージというおまけがあるが、同社のコンペティターたちにはふところの豊かな投資家たちが付いている。たとえばImpossible FoodsにはBill Gatesが投資し、7500万ドルを調達している。また、プロテインを原料とする人工肉のMemphis Meatsや、植物卵のHampton Creekも、植物性バーガーに新たに参入している。

このように他社が巨額の資金調達をしている市場では、DiCaprioがもたらしたスターの威光だけではいまいち足りないね。

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マグネシウム製の食べられる温度センサーが食品の鮮度を保つ

生鮮食品の温度を輸送時に適温にキープすることは意外と難しいが、スイスの人たちはそれに取り組んでいる。この前彼らは本物の果物の荷の中に混ぜ込むロボットフルーツを発明したが、今度は別のチームが、食品に貼り付ける生分解性の温度センサーを作った。そのセンサーは、食品の出荷地からあなたの口の中胃の中まで旅をする。

食品の現在の温度を目視で、あるいは手作業で確認するのは困難だが、温度をコンスタントにかつワイヤレスでモニタできるなら、時間と労力の大きな節約になる。

これまでもRFIDタグなどを使えばそれはできたが、金属製のタグを誤飲したりしたら、それが毒物である可能性もある。今回ETH Zurich(チューリッヒ工科大学)のGiovanni Salvatoreが考えたのは、人間が安全に消化できる素材を使って、超薄型のセンサーを作ることだ。

彼と彼のチームによるその研究は、Advanced Functional Materials誌に載っている。彼らが作ったセンサーは厚さがわずか16マイクロメートルで(人間の髪の毛の太さは100マイクロメートルぐらい)、マグネシウムでできている。ETH Zurichのニュースリリースによると、マグネシウムは人体の必須栄養素のひとつだ。たしかに、それはそうだ。

酸化シリコンと窒化シリコンも使っているが、こちらも無害だ。そしてチップの全体をコーンとポテトのでんぷんで作った分解性のポリマーが包んでいる。曲げたり伸ばしたりできるし、くしゃくしゃになっても機能は生きている(ただし食べ物自体の状況も確認しよう)。

ケースの中のごく一部のリンゴや魚やバナナなどにこれを貼り付けて、船やトラックに積む。すると冷蔵室の外からでも、食品の温度(気温ではない)を知ることができる。そして、それが行きつくべきところへ行き着けば、あとは体内で分解される。

もちろん、電源やワイヤレスの部位は生分解性ではない。それらは外部にあって、同じく必須栄養素のひとつである亜鉛のケーブルで接続する計画だが、この難問が解決するまでは、まだ完全解ではない。でもセンサー部分が完成しただけでも、すごい。

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デリバリピザのニューモデルZume Pizzaは製造を完全にロボット化、窯を乗せたトラックが地域に出張

Zume Pizzaは、ロボットを使ってスピードと品質を上げ、Pizza HutやDominoなど宅配ピザの老舗たちに勝とうとしている。これまでの2年間、ファウンダーのJulia Collinsは彼女のピザ製造ラインに次々と新しいマシンを導入して、味を犠牲にする小細工に依存することなく、一貫して合理化に努めてきた。

今日同社は、生地回し(dough spinner)〔参考動画〕を機械化する“Doughbot”を導入したことを発表した。この部分の機械化を機に、パロアルトにも進出し、当地でも、窯を搭載したトラック軍団と配達用スクーターによる分散デリバリ方式を試す気だ。

Doughbotは、ピザの製造工程を36秒短縮する。Collinsによると、装置自身は一般市販品だが、生地を傷めないためと、添加剤不要にするために、相当お金をつぎ込んだそうだ。

ピザは、生地を延ばすとき、生地が縮むのを防ぐために。特殊なオイルや化学製品を使うことが多い。しかし超強力なDoughbotを使えば、ふつうのオリーブオイルを塗るだけで十分だ。化学物質は使わない。

ピザ1枚につき数秒節約しても、たいしたことない、と思えてしまうが、Zumeのビジネスモデルにとってはとても重要だ。同社は、既存の大手チェーンのピザデリバリを完全に打ち負かしたいのだ。Zumaの場合、製造拠点は1都市1箇所、そして、ピザの入ったバッグ(複数)をティーンエイジャーが運転する1998年型Toyotaの後ろに積み込む方式ではなく、窯を搭載したトラックのきめ細かいネットワークを張りめぐらし、モペット(原付き自転車)で配達する(下図右)。トラックへのピザの補充は、それ専用のバンが担当する。

この分散型のピザデリバリは需要の変化に素早く対応できるし、また需要予測を有利に生かせる、とZumeは期待している。従来のピザデリバリは、新たな出店に際して、需要に対する‘賭け’をする。そしていったん出店したら、需要の変動に機敏に対応できない。製造能力は、つねに一定だ。

これに対してZumeは、窯を乗せたトラックの配置を変えることで、需要の変動に即座に対応できる。このやり方の欠点は、需要が急増したとき、ピザを作る拠点店のロボットたちが、ボトルネックになることだ。そして、そうならないためには、ピザの製造時間を短縮してスループットを上げるしかない。

かつてゼネラルマネージャーとしてUberEATSを指揮したSusan AlbanがこのほどZumeに加わり、その複雑なロジスティクスを担当することになった。今現在、ピザを焼くトラックは6台だが、パロアルト進出に備えて近く4台を増車する(現在はマウンテンビューのみ)。

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電気の要らない冷蔵庫Evaptainersは世界の貧しい農家や家族を助ける

今日の世界では、約14億人の人びとが、電気を使えない。OECDのデータによるとそれは主に、東南アジアや中国、インド、アフリカのサブサハラ地域の人たちだ。

それらの地域に対する通信の整備代替エネルギーの供給努力は行われているが、スタートアップのEvaptainersは、電気を使わず、水を利用して食品や飲料をかなり低い温度で保存することのできる、一種の冷蔵庫を作った。

Evaptainersの協同ファウンダーSpencer Taylor, Quang Truong, Jeremy Fryer-Biggsの三名が作った冷却装置は、アナログ時代に発明された“ジーアポット(zeer pot)”(二重ポット)冷蔵庫の現代版だ。その動作原理は、人間が汗をかくことに似ている。

Evaptainersの協同ファウンダー: Spencer Taylor, Quang Truong, Jeremy Fryer-Biggs。

Taylorが言うには、“汗をかくと、水の分子が相転移を起こして水蒸気になる(蒸発する)とき、体の熱を奪う。そのため、涼しく感じる。このマシンでは、タンクの中の水が浸透膜に接して蒸発する”。

同社のEV-8型冷蔵庫は、一日に1/3リットルの水と、湿度65%以下の暑い日を必要とする。ミルクなら60リットルを、外気温より約35度(華氏)低い温度で保存できる。

このデバイスと使うときは、まず上部の注ぎ口から水を入れる。水は飲用でなくてもよい。下図のように折りたためるので、これがもっとも必要とされる田舎などに、運びやすい。

同社のミッションは、貧困等で食べ物が得られにくい地域における食品の損傷腐敗の防止だが、公益事業の営利企業でもある。社員は北米に5名、北アフリカに2名いる。これまで、補助金や助成金等で50万ドル近い資金を調達している。

EvaptainersのEV-8型冷蔵庫は、折りたためる、電気ではなく水を使う。

Truongによると、この会社の創業を着想したのは、Tufts Fletcher School of Law and DiplomacyとMITで学んだコースと、食糧援助NGOで失敗したことが契機だ。

ファウンダーは曰く、“いろんな農業援助プロジェクトで、何百万ドルも投じて冷蔵倉庫を建築しようとしているが、政治家や役人の汚職(資金の横領)などで何も建たないことも多い。それにそもそも、安定的な電力供給のないところではどうするのか、という問題の方が大きい。いちばん簡単な答は、電気を必要としない何かを作る/することだ”。

同社のメインの関心は、食糧や電気の安定供給のないところに住む人びとを助けることだが、Evaptainers冷蔵庫は今後、アウトドアスポーツやキャンプ用品としてのバージョンも、開発を検討したい、という。

“途上国市場の、支払い能力のない、貧しい消費者や食糧生産者の手にこの技術を渡すためには、アメリカの消費者から得られる高い利益率が助けになる、…そんなビジネスモデルを考えたい”、とTaylorは語る。

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スターバックス、Ember製温度調整マグの取り扱いを開始

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昨年、Ember Technologies, Inc.が飲み物の温度をパーフェクトに調整して保つマグカップのIndiegogoキャンペーンを展開していた(大成功だった)。これまでに、このマグカップは4000個を売り上げているそうだ。

そしてEmber Technologiesにとって、さらなる飛躍のきっかけとなりそうな動きがあった。すなわちスターバックスが、全米のほとんどの店舗およびサイトにてEmber製のマグ(Ember Temperature Control Mug)の販売を開始したのだ。

EmberのCEOであるClay Alexanderによれば、コーヒーであれココアであれ、あるいは紅茶などであっても、温かい飲み物はたいてい摂氏71度くらいの温度で提供される。これはどこのカフェでもレストランでも同様であるそうだ。しかし飲みやすい温度は摂氏55度くらいであるそうなのだ。

これまでにも断熱効果を使った保温マグカップはあったが、温度が一様にならず、熱すぎる飲み物を適温にすることもできなかった。そのせいで舌をやけどする人が、あとを絶たなかった。Emberでは内蔵した半導体を使って、飲み物を適温にして、その温度をずっと保つことができるのだそうだ。

Ember temperature control mug on its charging base.

Emberのマグカップと充電器

Emberのマグカップは、使う前にまず充電する必要がある。マグカップと連携するアプリケーションも用意されている。温度設定は、ダイヤル式になっているマグカップ下部で行う。その部分以外にはボタンや可動パーツは存在しない。

Alexander曰く、スターバックスで取り扱ってもらうのはなかなか大変なことらしい。製品評価プロセスは厳格で、安全性や品質、および味覚面の商品テストもかなり厳しいものであるそうだ。それにスターバックスで製品を扱ってもらおうとするスタートアップの数も多い。

成功の秘訣を問われて、Alexanderは取締役たちや投資家たちの尽力の賜であると述べている。デザインコンサルティングファームのAmmunitionも寄与したとのこと。Emberはデミ・ロヴァート、ジョナス・ブラザーズ、DJカスケイドなどのセレブ投資家からも出資を受けている。

Ember特許技術を用いた、新しい温度調整プロダクトも準備中であるとのこと。氷やコンロなどがなくても、飲み物を好きな温度にして提供していきたいというのがEmberの狙いだ。たとえば赤ちゃんようのものや、あるいは料理用のものなども提供することになるかもしれないとのことだった。

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(翻訳:Maeda, H

マクド(McDonald’s)の新型店Just For YouをGoogle CardboardのVRコンテンツで仮想体験

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McDonaldには、各時代に合ったMcDonaldがある。そして、このどこにでもあるファストフードチェーンはときどき、時代に合わせて自分を作り変える。1990年代のオーストラリアにはコーヒーショップ的なレストランMcCaféがあり、そして数年前には、Shake Shackとの競合を意識して、メニューをカスタマイズできるサービス、Create Your Taste(あなたのお味をお作りください)コンセプトを展開した。帽子をかぶったアマチュアレスラーみたいなキャラクター、Hamburglarも登場した。

同店の最新のモデルが、“Just For You”だ。それは海外でいくつか展開し、その後アメリカにも登場している。まずカリフォルニアとフロリダとニューヨークのレストランに現れ、来年の初めにはサンフランシスコとボストン、シカゴ、D.C.、シアトルにもできる。これまでとの大きな違いは、大型画面のタッチスクリーン・キオスク(小塔)があってオーダーをカスタマイズでき、テーブルサービスがあり、Apple PayやAndroid Payを使えること。

まだこの店舗スタイルを体験できない可哀想な人たちのためにMcDonald’sは、Google Cardboard用のビデオを作った。新しいお店でハンバーガーをオーダーするとどんな感じか、それをVRでシミュレートしている。その店内には、つねに微笑みを絶やさない、すてきな店員さんも、いっぱいいるよ。

それが、今という時代であり、世代なんだな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

生まれたてのヒヨコが殺されるのを防ぐテクノロジーが登場

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何十億羽ものオスのヒヨコが毎年養鶏業界で殺されている。これは業界で処分と呼ばれている普通の慣行であり、生まれて1日のヒヨコを窒息させるか、もっと惨たらしい場合は、マセレーションという方法を使う。これはベルトコンベヤーと巨大なブレンダーを使う方法だ。ビデオを載せるのは止めておくが、見てみたければ、簡単にオンラインで見つかるはずだ。

業界がこのような物議を醸す方法を採用している理由は、単純に、卵を産ませるためのニワトリ(の品種)は経済的に意味を成すほどの大きさにまで成長しないということだ。つまり、農場にとってメスだけが金になる。もう一方は、文字通り、まとめてポイと捨てられる。

TeraEggというのは、Vital Farmsとテルアビブのテック企業であるNovatrans社が今週発表したテクノロジーで、この業界の慣習を終わりにするべく開発された。この技術はテラヘルツ波を使った分光学的手法を利用して、非侵襲的に卵の性別と稔性を判別できる。このテクノロジーは卵の表面の小さな穴から漏れ出すガスを検出することで数秒のうちに卵がオスかメスか、未受精卵かを判別できるのだ。これはヒヨコが生まれるまで約3週間待って判別するよりも飛躍的に早い。

このテクノロジーは2017年の終わりまでを目処に商用化されることが期待されている。年何十億ものヒヨコを救い、恐らく処分を請け負う業者にとってより重要なことは、お金の節約にもなることだろう。

Via Engadget

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(翻訳:Tsubouchi)

代替食品のSoylent、顧客の体調不良報告を受け栄養バウダーの販売を中止

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摂取するだけで食事の代わりとなる栄養バウダーを製造するSoylentは、同社の製品を摂取した顧客が体調を崩したという事態を受け、その原因調査の一環として、同社の主力製品の販売を中止した。

今月初め、この、ベンチャー・キャピタルの支援を受けている企業は、顧客の一部が同社の製品であるスナック・バーを食べた後体調不良を訴えた件を受けて、そのスナック・バーの販売を取り止めた。今回、同社のSoylent Powder のフォーミュラ1.6の販売を中止し、問題となっている栄養パウダーから、今回のPowder 1.6と、先にリコールされたスナック・バーに共通する、問題を引き起こす可能性のある原材料を取り除く意向だ。

同社の更新されたブログ情報によると、そのスナック・バーに対して行われた検査(病原菌、毒素、外部からの汚染)では、異常は検出されなかった。その結果、原因解明の焦点は食品不耐症にシフトすることとなった。

そのブログによれば、全体の0.1%未満からなる一握りの顧客が、Powder1.6を摂取したのち胃関連の不調を訴えていたのだが、その症状が、今回のスナック・バーの件で報告されている症状と一致していると同社は気付いたようだ。Soylent 1.5のフォーミュラではその様な問題はなかったことから、上述の二つの状況の関連が疑われている。

「この二つの件の関連性により、検証する対象を格段に狭めることが出来ました。今回のスナック・バーとPowder 1.6の間で共通する原材料はたったの数種類しかありません」と、その記事は記している。

同社スポークスマンによれば、Soylentの他の製品であるSoylent DrinkやCoffiestではこれまでのところ苦情は報告されていないとしている。

Soylent Bar同様に、Soylent Powder中の原材料のリストはとても長い。両者に共通する原料としては大豆タンパク質分離物、キャノーラ油、イソマルトオリゴ糖、さらには種々の塩やビタミン類がある。

我々は同社に対して、どの原料が疑わしいか、これまでスナック・バーとSoylent Powerに関して何件苦情があったかを問い合わせており、返答が得られ次第続報をお届けする。

同社は今の所、問題となった原材料を特定しておらず、Powder 1.6の販売を停止中であり、スポークスマンの言葉を借りれば、「用心しすぎるに越したことはない」ということのようだ。また、スナック・バーとSoylent Powerの原料の組成を変えて、「問題となっている可能性のある原料を除く」と言う。

改良した製品は遅くても来年の第一4半期の初旬には売り出される予定だ。

今回の問題の原因は食品汚染というよりはむしろ食品不耐性が関係しているようなので、これまでPowder 1.6を使用して特に問題がなかった人に関しては、摂取を特に中止する必要性はないと、同社は付け加えた。

Soylentは創業以来約2230万ドルの資金を得て、栄養補給を低コストかつ高効率で実現することを目標に掲げている。

Soylent使用者が自らの経験をRedditで綴っているが、それらの中には胃の不調を訴えるものが幾つかある。同社製品の一つであるCoffiestを飲んだ後の不調についての報告もあるが、その件に関して同社は現在の製品のリコールとは無関係だと主張している。一方でSoylent Powderの発売中止期間中、何で代替したら良いのか心配している人もいる。

「 Soylent 1.6で問題が生じ、やめました。新しいバージョンでは改善されていると良いですね。胃酸や痙攣、その他いろいろ酷かったです」という人がいれば、「Soylent 1.6だけで平日のカロリー摂取の全てを補っています。急に摂取した時は胃に違和感を覚えます。一杯のsoylentを4〜5分かけてゆっくり摂取するのが良いようです」という人もいる。

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(翻訳:Tsubouchi)

 

シリコンバレーでエンドウマメからミルクを作るRipple、すでに全国販路を確保

ベイエリアは新しい文化や、世界の問題に対する新しい解決方法を育てる。それには、食べ物の問題も含まれる。たとえばシリコンバレーのRipple Foodsは、エンドウマメの蛋白質で酪農産業をディスラプトしようとしている。

ここ数年、同社のように、研究室や実験室から生まれて一般消費者市場をねらう、新しいタイプの食品企業が増えている。Memphis Meatsは、動物の細胞の細胞培養で肉を作っている。Impossible Foodsは植物原料のバーガーを作り、Clara Foodsは、鶏を使わずにイースト菌を使って卵白を作っている。

牛乳は体に良いと言われているが、しかし酪農は、排出する大量のメタンガスにより、地球温暖化の最大の犯人と呼ばれることもある。Rippleのファウンダーたちはこの問題を解決しようとして、エンドウマメという素朴な食べ物に目をつけた。

Ripple

Rippleの最初のノンミルクミルクはエンドウマメの蛋白質が原料だ。

牛乳に代わるミルク製品はすでにいろいろあるが、その多くが問題を抱えている。たとえば大豆の多くは遺伝子組換え作物であり、農薬を大量に使っている。アーモンドミルクは製造過程で大量の水資源を濫費するし、ココナッツミルクは過敏性腸症候群の人たちに合わない。

しかしエンドウマメは資源量が豊富でビタミンが多く、遺伝子組み換え品種がない。ビタミンとミネラルではとくに、ビタミンK、マンガン、食物繊維、ビタミンB1、銅、ビタミンC、リン、そして葉酸が豊富だ。

Rippleは、これまでのものよりも優れた、牛乳代替製品を作れた、と信じている。原料はエンドウマメだが、豆スープの味や食感はなくて、舌触りは完全にミルクだ。

Rippleは“完全菜食者向き”を謳い、ラクトースやナッツ、グルテンを使用していない。遺伝子組み換え作物を使わず、牛乳やナッツミルク、豆乳などに比べて製造過程における水の使用量は96%少ない。

同社はこれまで1360万ドルの資金を調達し、4月に最初の4種類のノンミルク製品を全国のWhole Foods店で発売した。それらは、オリジナル、オリジナル無糖、ヴァニラ、そしてチョコレートだ。

協同ファウンダーのNeil RenningerとAdam Lowryは共に、Rippleの前にも起業に成功した経験がある。LowryはMethod Soapの創業に加わり、そしてRenninger、再生可能化学製品の企業Amyrisの成長を助け、同社は2012年にIPOした。

私は同社のEmeryvilleの研究所でRenningerとLowryに取材し、同社のミルク代替製品を飲ませていただいた。

上のビデオには、私がRippleを飲んでいるシーンもある。ご覧になれば、同社をより詳しく理解できるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

B2Bの食配サービス、その理想像のひとつをEAT Clubに学ぶ

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1か月前にEAT Clubという企業からPR素材が送られてきたのだけど、正直、それまでの私はこの会社の存在すら知らなかった。そして同社は、資料を送ってくれたPRの人たちにありがとうと言いたいぐらい、学ぶところの多い企業だ。

2010年に創業したEAT Clubは3年ほど前に、消費者企業から企業対象の食配ケータリングに方向転換した。というかEAT Clubのお客は最初から、オフィスで働く会社員なのだが、最初同社は、彼ら個人に直接売っていた。だから一応、“消費者企業”だ。そして3年前に、売る対象を個人からその社員のいる企業に切り替えたのだ。CEO Frank Hanの言葉を借りれば、2013年の秋にEAT Clubは、B2Cのフードビジネスは難しい、と悟った。

今のEAT Clubは、NetflixやTesla、DogVacay(ドッグシッター)、Atlassian、Samsungなどの企業が顧客だ。今EAT Clubが食配している顧客企業は常時700社あまり、今でも売上は急速に増えていて、利益率も良く、個人レベルのリピート率も86%と高い。

EAT Clubの、一人の配送員の一回のデリバリサイズは平均300ドルで、これはB2CのSprigやPostmates、DoorDashなどのおよそ10倍だ。2013年から利益が出ていて、今、一食の貢献利益率は25%だ。貢献利益とはこの場合、売上額から製造コストとデリバリコストを引いた額で、そこからさらに社員の給与などが出て行く。

社員といえば、EAT Clubでは配送員も契約社員などでなく正社員だ。EAT Clubは創業時から、配送のスケジュール厳守と、社員への教育訓練の徹底をモットーにしていた。

“それは、契約社員ではできないからね”、とHanは言う。“誰でもいいから仕事をしたい人が来てくれればいい、とは思わないよ”。

これまで1650万ドルの資金を調達しているEAT Clubは、売上の96%がリピート顧客からだが、売上高は公表していない。しかしHanによると、年商は2500万ドル+αで、今でも急速に成長している。4年前に創業したコンペティタのZeroCaterは、この夏の雑誌記事で年商は1億ドルあまりと言っている〔事業形態がEAT Clubとは相当違う〕。おなじくコンペティタのCater2MeとZestyは、年商額が数千万ドルのオーダーだそうだ。

EAT Clubの今のテリトリはサンフランシスコとパロアルトとサンホセとロサンゼルス。企業は社員福祉の一環として、EAT Clubのお弁当を社員に提供する。企業はEAT Clubに、社員一人あたり100ドルを前払いしてもよいし、あるいは代金を毎週払ってもよい。次の12か月の同社の目標は、企業顧客をもっと増やすことと、市場の拡大だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

完全栄養食を目指すSoylentがバージョン2.0をリリース、今度は最初からドリンク製品で

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食事をそれだけで済ませられる完全栄養ドリンクSoylentが、その製品のニューバージョンを出した。社名と製品名が、人間を原料とする食糧を人間が食べるというSF映画に由来しているが、同社はすでに相当額をVCから投資されている。同社が今朝(米国時間8/3)発表した”Soylent 2.0″は、原料が今回も人間ではなく大豆ベースの菜食食品で、今度は最初からドリンクとして発売された。以前の製品形態は、一食ぶん3ドルの粉末状で、専用のスプーンとかき混ぜ器がついていた。

価格はやや下げられて、400キロカロリー相当が2ドルとなり、月額契約では70ドルだ。炭水化物と各種アミノ酸と蛋白質と各種ビタミンを含む栄養ドリンクと考えればよい。

同社は、スタート時から話題になった。とくに一部の技術者や学生などは、コーディングで忙しいときなどに、食事をこれで済ませることを期待した。

でも同社の製品は、一部の熱心なニッチを超えて一般消費者に広まることはなかった。それは、新奇であるとか、粉末を溶かすのが面倒だからではなく、その、“食べ物をディスラプとする”というマーケティングの姿勢がラジカルすぎたからだ。実際、ファウンダのRob Rhinehart自身も、一ヶ月間Soylentだけを食べて生活したが、その後、ふつうの食品を“食べるレクリエーション(recreational eating)”と称して食事に加えた。今同社の顧客は5万名あまり、と言われており、その中には一回しか買わなかった人たちもいる。

しかし今回、最初からドリンクとして発売されたニューバージョンは、“まったく新しい配合”と称し、体が必要とするビタミンやミネラル、脂肪、炭水化物、蛋白質などを組み合わせている。またターゲットも新たに見なおして、同社のブログによると、食事をファストフードで間に合わせる人たちや、朝食の内容がお粗末な人たちが健康を増進できるための新しい食品、を謳っている。

人間の食事全体をディスラプトする、という最初の姿勢から、お粗末な食事になりがちな人びとのための健康食、という方向転換だ。たしかにこちらは市場も大きいが、ただしEnsure、Boost、Slimfast、Atkins、Special K、Nutrisystemなど、既存のコンペティタも多い。このほか、アスリートのためのプロテインドリンクなど、特殊栄養食とも競合する。

Soylent 2.0は、天然海藻由来の油脂を主なエネルギー源とし、エネルギーの47%が健康的な油脂なのでGI値(血糖値上昇係数)も低い、と主張している。残る33%は消化の遅い炭水化物、20%は蛋白質だそうだ。この配合は、瞬発力よりもむしろ、ゆっくりと持続するエネルギー源をねらっているようだ。

一瓶に人間が一日に必要とする必須ビタミンとミネラルの20%が含まれ、室温で1年もつ。

ただし消費者の手に渡るのはこれからだから、今度の海藻に大きく依存しているニューバージョンのお味はわからない。同社はこれまでにも何度も味や配合を変えており、いちばん最初の粉っぽいような泥っぽいような感じは、なくなっている。初期のテスターたちの反応はまちまちで、いろんな意見がある。Stephen Colbertは、一度試飲したとき、ただちにチョコレートシロップを加えたそうだ。一方The New Yorker誌は、Soylentを”end of food”と呼んだ。

新製品は12パック29ドル(一瓶2ドル42セント)で10月15日に発売される。Ensureはウォルマートで16パック20ドルだから、コンペティタよりも高いが、同社は、砂糖ばっかり多いコンペティタよりも栄養価が高くて健康的だ、と主張している。たしかに、必須栄養素を完備しているコンペティタは、ないようだ。

ただし問題は、今、市販のエナジードリンクなどを飲んでる人たちが、内容に惹かれてSoylentに移行するかどうか、だ。試しに飲んでみる人たちが、どれぐらいいるだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleの「iPhone 6で撮影」キャンペーンに、ユーザー作成ビデオが加わった

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Appleの ‘Shot on iPhone 6’[iPhone 6で撮影]キャンペーンのことは、恐らくみなさんよくご存じだろう。iPhone 6ユーザーが撮った写真を使って作られた広告が、ポスター、紙媒体、車内あらゆるところに遍在しているからだ。しかし、まだあまり目にしていないと思われるのは、今日拡大されたiPhoneワールドギャラリーに載っている、iPhone 6ビデオカメラで(追加のアプリやアクセサリーの助けも借りて)撮影された作品の数々だ。

今、選ばれた7本のビデオがテレビ、劇場、リッチメディアウェブ広告、そしてApple.comのiPhoneワールドギャリーに登場した。それぞれのビデオクリップは短いが、スローモーション、タイムラプス、そして三脚や派手で高価な安定装置がなくてもスムーズなビデオ撮影を可能にするためにAppleが開発した、内蔵ビデオ安定機能等を使って何ができるかが表現されている。


例えばシカゴの「L」鉄道を記録した上の動画のように、InstagramのHyperlapse等のサードパーティーアプリを使って効果を実現しているものもある、スズメが撮影者の手からエサを食べている下のビデオは、スローモーション等iPhone 6内蔵の機能だけを使っている。


InstagramユーザーのCielo de la Pazによるこの作品は、Olloclipアドオンマクロレンズを使用している。これは私も個人的iPhone写真でよく使うツールだ。重要なのは、Apple製ハードウェアだけでなく、それを取り巻くソフトウェアとアクセサリーのエコシステムが、クリエイティブなモバイル撮影を追求するためには不可欠だということだ。


その他のビデオは、6 Plus、iMovie、およびFinal Cut Pro Xを内蔵カメラアプリと組み合わせたもので、様々な物が記録されている。以下で全部を見られる。





このキャンペーン全体が、同デバイスの核となる強味の一つを強調するすばらしい仕事をしているだけでなく、表れる空間を美しく飾り、実際のユーザーが作った高品質な画像とビデオを披露することで、ディスプレイ広告やデジタル広告を悩ませる不可視性と苛立たしさの問題を排除している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook