FBIは銃撃犯のiPhoneをハッキングしたツールの詳細をAppleに開示しない意向

A man walks up the stairs at the Apple Store in Grand Central Station February 25, 2016. 
Apple has been in a legal fight with the government in the San Bernardino case, where the FBI wants the company to help hacking the iPhone of Syed Farook, a US citizen, who gunned down 14 people with his Pakistani wife Tashfeen Malik in the California city in December. / AFP / Timothy A. CLARY        (Photo credit should read TIMOTHY A. CLARY/AFP/Getty Images)

[筆者: Kate Conger]
Wall Street Journalの記事によると、FBIの計画では、San Bernardino銃撃事件の容疑者のiPhoneへのアクセスに用いた方法をAppleに開示しないし、政府による内部的レビューにも提出しない意向だ。

FBIは3月に、Syed Farookが使っていたiPhoneのデータにアクセスできるハッキングツールをサードパーティから購入した、と発表した。Farookと彼の妻はカリフォルニア州San BernardinoのInland Regional Centerにおける銃撃事件で14名を殺した、とされている。FBIが彼のiPhoneに保存されているデータへのアクセスで政府に協力するようAppleに求めて以来、そのデバイスは、今も続いている暗号化をめぐる議論で、やり玉として挙げられるようになった。

Appleは先月のビッグニュースとなった法廷闘争で、捜査官が電話機のパスコードを解読できるような特製のオペレーティングシステムを作れ、というFBIの要求と戦った。しかしFBIがハッキングツールの購入を発表して以来、その衝突は明確な法的裁定がないまま、終了した。

目下FBIは、そのツールの詳細をAppleと共有することを拒否しているが、それがiPhone 5S以降の新機種には使えないことだけを明かした。FBIがどうやってその電話機にアクセスしたのか、その詳細の公開をAppleは公式にはFBIに求めていないが、iPhoneの現在使われている機種にある脆弱性をパッチするためにも、当然、そのツールの仕組みを知りたいだろう。

今月の初めにAppleの弁護士は、Appleは裁判に訴えてまで、政府にSan BernardinoのiPhoneをアンロックした方法の公開を求めることはしない、と述べた。その弁護士によれば、政府が発見した脆弱性が何であれ、それは同社が定期的に行っているセキュリティ改善努力によって修復されるだろう、ということだ。

政府には、セキュリティの問題に関する情報公開を企業に対して行う場合の、ポリシーがいくつかある。しかしVulnerabilities Equities Process〔仮訳: 脆弱性公正化過程〕には守秘原則がある。政府は一般的には脆弱性の公開を支持し、企業が迅速にパッチを当てられるように図るが、悪意あるハッカーに悪用されるおそれのあるものは公開の例外となる。〔参考記事。〕

Wall Street Journalによると、FBIは、ハッキングの方法に関する政府の内部的レビューにおいても、そのツールについて詳しく説明できるほどの知識情報を有していない、と言い張るつもりだ。FBIのディレクターJames Comeyは、彼のお役所がそのツールを入手するために100万ドルあまりを出費した、と明かした。

Apple vs FBI

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

San BernardinoのiPhoneはゼロデイエクスプロイトを使ってハックされた

iphone-5c-e1460519446773

昨年の12月に二人のテロリストが、カリフォルニア州San Bernardinoを襲い14人を殺したとき、一台のiPhone 5cが回収され、それはその後、テロ攻撃と同じぐらい、多くのニュースになった。そのiPhoneには、FBIがぜひ入手したい関係情報があると言われ、そしてWashington Postの今日の記事によると、プロのハッカーたちがそれまで知られていなかったiPhoneのセキュリティの欠陥を利用することによって、情報の入手が実際に可能になった。

FBIがその電話機のハックに成功し、それまで延期されていた、Appleに電話機のアンロックを求める法的手続きが取下げられたことは、すでにみんなが知っている。しかし、どうやってハックに成功したのかは、これまでミステリーだった。Washington Postによると、ハッカーたちはゼロデイエクスプロイト(zero-day exploit)と呼ばれるiPhoneの‘新たな’セキュリティの弱点の利用により、電話機上のデータにアクセスできた。このケースでは、エクスプロイトはiPhone 5cに固有のもののようで、電話機からのデータの取得に使われた攻撃ベクトルは、現世代の機種には無効だった

ハッカーたちは、iPhoneが内蔵しているブルートフォースな(brute-force, 力ずくの)保護をかいくぐる方法を見つけることができた、と信じられている。保護は二種類ある: 第一の保護は、PINをトライする時間間隔を徐々に長くする。自分のiPhoneでそれをやってみるには、まず4桁のPINを3回タイプする。すると1分待たされる。またトライしてだめだったら、今度は5分待たされる。第二のセキュリティ手法は、不正なPINを10回入力したら、デフォルトではデバイスが回復不能に消去される。

このことが重要である理由は、4桁のPINは強力な抑止機能にならないからだ。その組み合わせは10000しかない。毎秒入力できたら3時間以下で電話機を開けられるだろう。ハックはこの過程をやや遅らせて、1つのパスワードを30秒かけて入力し、それが間違いだと分かると、セキュリティがリセットされるのでまたトライする。この方法でも、3日と11時間ですべての組み合わせをトライできる。

このハックによりFBIは、特注した特殊なハードウェアを使って4桁のパスワードのすべての可能性を力ずくで試し、最後には正しいPINを見つけ、それからSan BernardinoのiPhone上のコンテンツにアクセスした、と思われる。

FBIは、セキュリティのエクスプロイトに関する情報を教えた匿名のセキュリティ専門家に、一回かぎりの料金を払った、と言われている。それがどうやら、その電話機をこじ開けるために必要なことの、すべてだったようだ。

 

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プラットフォームを持つ企業こそが、シリコンバレーで最も影響力をもつ

boxing-gloves-businessman

編集部注:本稿を執筆したVivek WadhwaはCrunch Networkのコントリビューターである。彼は学者、起業家、執筆者である。Stanford、Duke、Singularity Universityでの教員の職も兼ねる。

シリコンバレーの企業が学び、ビジネスに戦略的アドバンテージを与える数多くの教訓の一つとは、単なる製品やビジネスモデルを超えた思考だ。そしてそれがプラットフォームを創り出す。

歴史上もっとも早いスピードで成長し、破壊的な力をもつ企業のGoogle、Amazon、Uber、AirBnb、eBayなどの企業は、製品を売ることではなく、プラットフォームを構築することにフォーカスしている。

テック企業だけではない。Walmart、Nike、John Deere、GEなどの企業もまた、それぞれの業界においてプラットフォームを構築しているのだ。

たとえばJohn Deereは、農作物を集積するハブを構築している。すべての情報がデジタル化されて、あらゆるものがIT化し、従来の業界が破壊されている状況下において、プラットフォームは重要なものになりつつある。

オープンかつ包括的で、それ自体が戦略的な意味を持つものを構築するというプラットフォームのコンセプト自体は古くから存在する。道端にある店舗と、ショッピングモールの違いを考えてみるといい。ショッピングモールにはサイズと規模において優位性があり、モール内のすべての店舗は、他の店舗が展開するマーケティングやプロモーションから恩恵を受ける。

彼らはインフラとコストを分かち合うのだ。ショッピングモールのオーナーは、ひとつの大きな店舗を持つこともできたはずだ。だがそれではテナント料を得る機会や、テナント店舗が呼び込んできた大勢の顧客から得られる恩恵を失ってしまう。

プラットフォームビジネスでは生産者と消費者の間で高い価値の取引が行われる。その最も主要な資産が情報と交流だ。

先日発売された「Platform Revolution: How Networked Markets are Transforming the Economy and How to Make Then Work for You」(著:Geoffrey Parker、Marshal Van Alstyne、Sangeet Choudary)では、プラットフォームが持つパワーについて説明されている。この本の中で著者たちは、Appleがどのようにプラットフォームを活用し、iPhoneを展開するモバイル分野において最も収益性の高い存在となったのかを説明している。

つい最近の2007年まで、この業界全体の収益の90%をNokia、Samsung、Motorola、Sony Ericsson、LGが握っていた。そのうちに、美しいデザインをもつiPhoneが、iTunesとApp Storeというマーケットプレイスをひっさげて参入してきた。2015年までに、iPhoneは世界中のモバイル市場全体の収益の92%を獲得し、そして他社はその後塵を拝することとなった。

shutterstock_245957161

Nokiaや他の企業は当時、彼らがもつ伝統的な競争優位性に守られているはずだった。その優位性とは、良く差別化された製品、信頼のあるブランド、時代の先端をいくオペレーションシステム、素晴らしい流通システム、保護規制、巨大なR&D予算、そして彼らが持つ巨大な規模といったものだ。

しかしAppleは、iPhoneとiOSを単なる製品だとかサービスを提供するための手段とは考えていなかった。彼らにとってそれは、アプリ開発者とユーザーという2つのマーケット参加者をつなげるためのものだった。

それは両方のグループにとっての価値を生み出すと同時に、Appleにそれぞれの取引から料金を徴収することを可能にした。開発者が増えれば、ユーザーも増える。生産が消費を増やし、そしてその増えた消費が今度は生産を促して、プラットフォームが生み出す価値が雪だるま式に増えていった。「ネットワーク・エフェクト」を創り出したのだ。

2015年1月までにApp Storeには140万のアプリが存在し、開発者はそこで250億ドルもの価値を生み出してきた。

ショッピングモールが消費者と店舗をつなげてきたように、新聞は長らく購読者と広告主をつなげてきた。これまでと変わったのは、テクノロジーのおかげでインフラと資産を持つ必要がなくなり、デジタル・プラットフォームの構築と拡大のためのコストが著しく下がったことだ。

Parker、Van Alstyne、Choudaryが「パイプライン」とよぶ伝統的なビジネスは、直線的につながったプロセスをコントロールすることによって価値を生み出す。インプット、つまりサプライヤーから提供された原材料はバリューチェーンの片端から投入され、それが何度も形をかえることで付加価値をつける。

shutterstock_238821376

Appleのモバイル端末ビジネスそれ自体は、伝統的なパイプラインである。だが、開発者とユーザーをつなげるマーケットプレイスのApp Storeと端末が組み合わさることで、それはプラットフォームへと変化した。そしてネットワーク・エフェクトのおかげで、そのプラットフォームは加速度的に成長したのだ。

前述した本で著者たちは、パイプラインからプラットフォームへの進化には3つの重要な変化がともなうと語る:

  1. 資源のコントロールから、オーケストレーションへ。パイプラインの世界では、鍵となる資産は鉱山や不動産といった実体的なものだ。プラットフォームでは、知的資源やコミュニティーの中にこそ価値がある。ネットワークは、アイデアやデータといった、デジタル経済において最も価値をもつ資産を生み出す。
  2. 内部の最適化から、外部との交流へ。パイプラインのビジネスは、労働力とプロセスを最適化することによって効率性を手に入れる。プラットフォームでは、生産者と消費者のあいだの交流を最大限促すことが鍵となる。ビジネスの効果と効率性を高めるためには、エコシステムそのものを最適化させなければならない。
  3. 個人よりエコシステムに価値を置く。従来のビジネスのように単一のカスタマーにフォーカスするのではなく、プラットフォームの世界では、循環し、反復可能なフィードバックに基づくプロセスにおいて拡張するエコシステムの全体価値を高めることにフォーカスしている。これはつまり、成功という指標も刷新しなければならないということだ。

Harvard Business Reviewの記事で「transitional business platforms(移り変わるビジネスプラットフォーム)」の説明において、Kellog School of ManagementのRobert Wolcott教授は、Netflix創業者であるReed Hastingsが1997年に同社のプラットフォームを構築する際に抱えていた問題を説明している。

長い間、Hastingsはオンデマンド・ビデオを提供したいと思っていた。しかし、当時はテクノロジー面においてインフラがまだ整っていなかった。そこで彼は、現在のNetflixのプラットフォームの姿を長期戦略として描きながらも、DVDを郵便で届けるビジネスを始めたのだ。

Wolcott氏によれば、Uberには自動運転車を提供するという戦略的な意図があるものの、テクノロジーが発達する間は人間のドライバーによるビジネスを展開しているのだという。テクノロジー、消費者行動、規制の変化と共に爆発的な進化を遂げるプラットフォームを構築している。

プラットフォームの構築にはビジョンが必要だが、将来を予測する必要はない。必要なのは、道端の店舗ではなくショッピングモールを構築する機会を捉えることと、ビジョンまで到達する方法に柔軟性を与えることだ。現在では製品よりビジネスモデルだが、これからはビジネスモデルよりプラットフォームだということを覚えておいてほしい。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉/ Website / Twitter

iOS 9.3でリンクをクリックするとアプリがクラッシュする…Universal Linksのバグが原因

safari-ios

ベータを7回もやったのに…多くのiOSユーザーがAppleのサポートフォーラムで報告しているように、まだバグがある。SafariやChrome, Mail, Messages, Notesなどの上のリンクをクリックすると、そのアプリがフリーズしてクラッシュするのだ。あなたもその一人なら、以下の対策をお読みいただきたい。

この問題は、Universal Linksと関係があるようだ。AppleはiOS 9で、Universal Linksというものを導入した。それは、ネイティブアプリのリンクを扱う、まったく新しい方法だ。アプリのデベロッパー、たとえばYouTubeなどが、ドメインを登録しておくと、Web上のリンクがSafariでページを開かずに、アプリ(YouTubeアプリなど)を開く。

つまりたとえばyoutube.com/somethingsomethingというリンクをクリックすると、iOSはWebページをSafariへロードせずにYouTubeアプリを開く。便利な機能だが、アプリのデベロッパーに濫用されるおそれもある(後述)。

Sergey Roshchinのビデオを見ると、そのバグがよく分かる。快調だった彼のiPadが、Booking.comのアプリをインストールした途端に、Safariがおかしくなる。リンクをクリックすると、ハングし、そしてクラッシュする。

Booking.comは、ありとあらゆるドメインを自分のアプリに結びつける。いいかげんだし、多すぎる。ドメインネームとディープリンクのエントリを対照させたデータが2.4MBもあるので、iOSがリンクをUniversal Linkのデータベースでチェックしようとすると、大きすぎてSafariなどのアプリがクラッシュする。Voyages-SNCFのアプリもiOS 9.3でクラッシュを発生させる、という情報もあったが、Voyages-SNCFはUniversal Linkがないから、それは誤報だ。

しかしBooking.comのアプリがアップデートされたのは3月17日で、iOS 9.3のリリースの前だ。リンクを操作するとアプリがクラッシュするのは、iOS 9.3が原因と見て間違いないだろう。

WebKitのチームは、iOS 9.3とOS X 10.11.4で大規模なアップデートを行った。Safari 9.1にも、そのボンネットの下にはいろんな変更箇所がある。Universal Linkのバグは、WebKitのアップデートと関連があるのかもしれない。…ないのかもしれない。

いずれにしても、Appleはこのバグを次のバグフィックスアップデートで直すだろう。当面は、Booking.comのアプリを削除して、待ちましょう。iOSがUniversal Linksをチェックするたびに、この問題は起きている。でも、問題のアプリを削除すれば、とりあえずiPhoneは使える。

アップデート: Bookingのアプリを削除するだけでは、不十分なようだ。

[ツイート概訳: Booking以外にもクラッシュするアプリはあるから、Appleによるフィックスを待つしかない]
Screen Shot 2016-03-28 at 2.26.04 PM

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BMWがAndroidアプリの統合を発表、最初はiHeartRadio, Pandora, Spotify

spotify-odesza

BMWはそのほかの自動車メーカーとともに2011年にiPhonesとの統合を導入したが、それから5年後の今年、New York International Auto Show(ニューヨーク国際自動車ショー)でついに、BMV AppsがAndroidデバイスと統合する、と発表した。2016年のBMW 7 SeriesのiDriveシステムで動く最初の3つのアプリはすべて音楽系で、iHeartRadioPandora、そしてSpotifyだ。

当面は特定の車種と特定のアプリのみだが、今後はそのほかのBMV車種やMinisにも、さらに多くのAndroidアプリが載る可能性がある。ユーザーはBMWのConnectedアプリをダウンロードして、自分のスマートフォンからiDriveとBluetoothで音楽をストリーミングする必要がある。Pandoraでは指の上げ下げ(好き/嫌い)ができるし、Spotifyの有料や無料のアカウントでプレイリストにアクセスできる。またiHeartRadioではライブのラジオ放送を全国で聞けると同時に、ご自分のFavoritesの曲も楽しめる。

Appleは同社のプラットホーム向けに開発されるアプリを厳しく管理しているから、スマートフォンと車載エンタテイメントシステムを統合した初めてのメーカーの一つであるBMWも、iPhoneアプリならドライブ時の安全性に関して安心できる、と思っている。それに比べるとAndroidのアプリ環境は意図的によりオープンだが、今や多くの見込み客のポケットに入っているデバイスを、BMWとしても無視できなくなった。

BMWが今回選んだ三つの人気アプリはいずれも、運転者が簡単に安全に操作できる。すべてのアプリがiDriveを使用し、プラットホームの違いを超えて、運転時の安全が確保されている(たとえば長いプレイリストを見るときでも路面から目が逸(そ)らされない)、とプレスリリースは述べている。iDriveを使用するアプリに関しては、それらが運転者の注意をあまり奪わないことを、BMWは検証している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

3分で分かるアップル発表:iPhone SEやiPad Pro 9.7型、Watch値下げなど

アップルは米国時間3月21日10時(日本では22日午前2時)からイベントを開催。iPhoneの最新版である「iPhone SE」をはじめとした新製品を発表した。ここでは今回発表された内容を、翻訳記事を中心にまとめてご紹介する。これだけ読んでいればひとまず今回の発表の概要は理解することができるだろう。

新型iPhoneは5/5sサイズに6sのスペックを詰め込んだ「iPhone SE」

0051.jpg

かねてからのうわさ通り、今回発表された「iPhone SE」は、iPhone 5/5sをベースとしたデザインで、4インチ(1136×640ピクセル、326ppi)のスクリーン、12メガピクセルのカメラを持つ。ボディサイズはiPhone 5/5sと同じながら、iPhone 6sとほぼ同等の処理速度を持つ。

3D Touchには対応しないが、写真の撮影前後の動きを保存する「Live Photos」などに対応。カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色。容量は16Gバイトと64Gバイトの2種類。価格は399ドルと499ドル(日本ではそれぞれ5万2800円、6万4800円)。発売は3月31日から。

詳細:お待ちかねのiPhone SEが発表、昔みたいに手に収まる4インチ

9.7インチのiPad Air 2は「iPad Pro」に

2016-03-22-ipadpro97

2014年から「iPad Air 2」として販売されていた9.7インチ(2048×1536ピクセル)のタブレットの後継機種として「iPad Pro」を発表している。これにより、iPad Proは9.7インチと12.9インチの2種類がラインアップされる。

サイズこそ旧製品と同じだが、ディスプレイは光の反射を40%削減。発色も改良したほか、これまでのiPadシリーズで最大の明るさを実現。スピーカーは4基内蔵。LTEやWi-Fiの接続も高速化。4K撮影可能な12メガピクセルのカメラも搭載する。

詳細:iPad Airの後継機は9.7インチiPad Pro―Appleの考えるコンピューターの未来

Apple Watchは価格改定、春モデルの交換用バンドも

0032

スマートウォッチ「Apple Watch」については、38mmケースとスポーツバンドの組み合わせて4万2800円からだった価格を3万6800円からに改定。さらに、今春モデルとして新素材「ウーブンナイロン」製の交換用バンドが発表された。

詳細:Apple、新しいApple Watch用バンドを披露。ウーブンナイロン製も

リユース向けのリサイクルロボット「Liam」

apple-liam-1

イベントのキーノートでは、リユース(再使用)、リデュース(削減)、リサイクル(資源の再利用)への取り組みが紹介されていたが、その取り組みの一環として発表されたのがリサイクルロボットの「Liam」。スクリーンを一瞬にしてはがす様子を動画で紹介する。

詳細:これが古いiPhoneを解体するAppleのリサイクルロボ「Liam」の全貌だ

iOS9.3は本日から利用可能

2016-03-22-ios93

イベントに合わせて、最新版となるOS「iOS 9.3」への無償アップデートもスタートした。アップルのGreg Joswiakによれば「小数点〔現行9.2から9.3へ〕のアップデートとしては過去最大級のリリース」だそう。

ブルーライトカットや色温度の暖色系への変更などを行う「Night Shiftモード」の搭載のほか、メモアプリのパスコード/TouchIDによる保護機能、ニュースや音楽、地図アプリなどさまざまなアップデートが行われている。
詳細:iOS 9.3、今日からダウンロード可能―夜間モード追加、ヘルス、CarPlayなど強化

Apple TVにも新機能。対応アプリは5000個以上に

Apple TVについても発表がされている。フォルダーや音声入力機能が追加されたほか、iCloudフォトライブラリーのLive Photo対応、App StoreのSiri対応などが行われた。Apple CEOのTim Cook氏によると、Apple TVで利用できるアプリの数は5000個以上になっているという。

詳細:Apple TVにフォルダー、音声入力、Live Photo機能がアップデート

【今回のAppleの発表関連記事】

お待ちかねのiPhone SEが発表、昔みたいに手に収まる4インチ
iPad Airの後継機は9.7インチiPad Pro―Appleの考えるコンピューターの未来
iOS 9.3、今日からダウンロード可能―夜間モード追加、ヘルス、CarPlayなど強化
Apple、新しいApple Watch用バンドを披露。ウーブンナイロン製も
これが古いiPhoneを解体するAppleのリサイクルロボ「Liam」の全貌だ
Apple TVにフォルダー、音声入力、Live Photo機能がアップデート
Apple、個人向けヘルスケアアプリ開発の新ツール「CareKit」ローンチ

誰かがあなたのiPhoneをこんなに簡単にハックしてるかもしれない

shutterstock_278913779

FBI vs. Appleの論戦はいよいよ盛り上がっているが、意外にも、iPhoneをハックするのは簡単なのだ。SkycureのCEO Adi Sharabaniが私のiPhoneを取り上げて、それに他人が簡単にアクセスできることを見せてくれた。ただし彼は、自分のスマートフォンのセキュリティを維持するためのコツも、教えてくれた。

 
 

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleから3/22〔日本では3/22〕のプレスイベントの招待状―新iPadと小型iPhoneが発表されるはず

2016-03-11-appleinvitation

さきほどAppleからクパチーノのApple本社で開催が予定されているプレスイベントの招待状が届いた。このイベントは今月の後半、3月21日(月)〔日本時間3月22日(火)〕に開催が予定されている。招待状には例によって謎いめいたひとこと、“Let us loop you in.”だけが書かれていた。

このイベントはすでに数週間前から大きな話題になっている。われわれは何が発表されるかについてもいくつか情報を得ている。ともかく噂によれば、Appleはこのところ新しいiPhoneの開発を行ってきた。新iPhoneはiPhone 5sと同じサイズの4インチのディスプレイを装備するが、チップとカメラは新しいものになるといいう。

iPhone 5se(special editionの頭文字)になるのか、大文字のiPhone SEか、またその他なのか、名称に関してははっきりした情報がない。ただしiPhone 6s/6s Plusのシリーズに加わることはなさそうだ。

iPhoneの次に用意されているのが新iPad Airだ。昨年の秋、AppleはiPad miniをアップデートし、大型のiPad Proを発表した。このときにはiPad Air関連のアップデートはなかった。9.7インチ・ディスプレイのタブレットのアップデートにはもう少し時間がかかるようだった。

ただし注意すべきなのは、今回発表されるはずの新iPadはApple Pencil、キーボード・カバーと連動するスマート・コネクターをサポートするはずだという点だ。つまりiPad Air 3というよりiPad Proの9.7インチ版という性格となるだろう。

そして問題のApple Watchだ。“Let us loop you in”という招待状のメッセージはどうもApple Watchを示唆しているように思える。しかしわれわれの編集長、Matthew Panzarinoは今回はApple Watch 2の発表はないと主張している。Appleは少なくとも、新しい時計バンドは発表できるだろうし、有名なファッション・ハウスとの提携も発表されるだろう。

もうひとつ何かあっただろうか? これはその場にならなければわからない。TechCrunchとしては次回のイベントに取材チームを送りやすくなったのは助かる。Appleはこの種のプレスイベントをいつも火曜日に開催してきたが、3月21日は月曜日だ〔前日が日曜日のため月曜はニュースの本数が少ない〕。Appleが月曜を選んだのは22日の火曜にはApple対FBIの訴訟でf最初の口頭弁論が予定されているからだ。

〔日本版〕プレスイベントが従来通り現地朝の開幕であれば、日本時間では22日の明け方となる。Let us loop you in.は「あなたを内輪のサークルに入れるお手伝いができます」というような意味。ただしloopには文字どおり「輪」という意味もあり、これは手首に巻く腕時計をイメージさせる。ただしPanzarino編集長はリンク先記事にもあるように、このプレスイベントでApple Watchがアップデートされるという可能性には否定的。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleのiPhoneパスワードのアンロック問題でアメリカ人の過半数はFBIを支持(ピュー・リサーチ調べ)

2016-02-24-iphone5c-back-camera

ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)の発表によればAppleとFBIの紛争に関して、51%のアメリカ人が「Appleは容疑者のiPhone 5cのパスワード解除に協力すべきだ」と考えていることが判明した。一方Appleの立場を支持するアメリカ人は38%だった。

2-22-2016-12-07-49-PM

このiPhoneは、サンバーナーディーノでのテロリストによる銃乱射事件で、容疑者の1人が所有していたものだ。FBIがAppleに対して、このiPhoneに格納されているデータにアクセスするためにバックドアを設けるよう要求したことに対し、AppleのCEO、ティム・クックは「この〔裁判所〕命令には従えない」と公開状で抗議した。

「ひとたび〔そうしたテクノロジーが〕生み出されれば、それはあらゆる場合にどんなデバイスに対しても繰り返し用いられる。物理的な世界の比喩でいえば、〔FBIの要求は〕何億ものドアを開けるマスターキーを作れというに等しい」と-クックパッドは最初の公開状に書いている。

それ以後多くの関係者がAppleを支持したが、AppleにFBIの要求に従うよう進める声もあった。ホワイトハウスは「国家的な重要案件だ」と述べ、司法省はAppleに対する要求の理由説明するl申し立てを行った。ビル・ゲイツは「AppleはiPhoneをアンロックすべきだ」と述べた。ドナルド・トランプも同意見だった。

他方、ジャック・ドーシーアーロン・レヴィマーク・ザッカーバーグスンダル・ピチャイマーク・キューバンらはAppleを支持した。

ピュー・リサーチによると、調査結果には民主党支持か共和党支持かなどの政党支持による党派的な偏りはさほど見られなかったという。ただし年齢が上がるにつれてFBI支持が増える傾向があった。Appleはアンロックすべきだという意見は18歳から29歳の層では47%で、反対は43%だったが、
50歳から64歳の層では賛成は51%に上った(27%が反対)。

つまりApple、司法省ともに圧倒的な支持を受けているわけではない。Appleには今週金曜まで態度決定の猶予が設けられているがすでにほとんど意味がなくなっている。Appleと司法省の間にはまだ表に出ていない激しいやりとりがあったことと思われる。Appleが意見の食い違いを公開状という形で表沙汰にしたのが正しい決定だったのかどうか、今後の進展に興味が持たれるところだ。

2-22-2016-12-08-32-PM

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhoneのカメラがプロの道具になりつつあるようだ

screen-shot-2016-02-18-at-9-48-18-pm

食通のためのオンライン雑誌Bon Appétitが、今月号でちょっとした冒険をした。写真家たちは自分のカメラをデスクに置き、43ページの特集記事用の写真をすべて、iPhoneで撮った。それはAppleの企画ではない。Bon Appétitの特集テーマが「文化」だったので、iPhoneを昨今の食べ物文化の一部と見なしたのだ。

編集長のAdam Rapoportはこう言う: “この号の表紙について議論したとき、今の食べ物文化をいちばん象徴する光景が、自分の食事をスマホで撮ることだ、という結論になった。今はそれを、誰もがやってる。そこで考えた。‘ちょい待ち、特集の全体をiPhoneで撮ったらどうだろう’って。読者も、それを期待してるんじゃないか。それに編集者は、いつも、何かおもしろい企画を考えていなければならないからね”。

つまらない企画だ、と思う人もおられるだろう。でも、プロの写真家Cait Oppermannの反応は違った。“私は、とてもおもしろいと思った。写真は自分の仕事だけど、毎日の生活の中で使うカメラは自分のiPhoneだ”、と彼女は語る。“ある意味では、私のいちばん使いやすいカメラだ。でも、仕事でiPhoneを使うのは、ちょっと変な気分だったけどね”。

今プロの写真家たちは、みんな、彼女と同じように感じているだろう。ファッションや食べ物など一部の業界は、モバイルのカメラとInstagramから大きな影響を受けている。食べ物とファッションの、おもしろいトレンドを知りたかったら、Instagramを見る。そして今度は、自分の写真をInstagramにポストする。

だから、食べ物のオンライン雑誌が、スタッフの多くが日常すでに使っているiPhoneを特集のテーマとして取り上げるのは、当然でもある。Rapportは語る: “今は、食べることの好きな人が、今食べてるものを気に入ったら、すぐにそのスナップ写真を撮れる時代なんだ。そしてその料理の美しさやおいしさを、みんなと目で共有できる。それは当然、プロの写真家にもできることだ。うちの写真家たちも全員、Instagramを毎日のように使っている。おもしろいのは、それらの写真の雰囲気が、彼らがプロとして印刷物の雑誌用に撮る写真とは、全然違うことだ”。

その特集はすばらしい。DSLRで撮ったプロフェッショナルな写真ではないから、最初ちょっと戸惑ったけど、確かにそれは、iPhoneの写真だ。

そしてつくづく分かったのは、iPhoneでも十分に、プロらしい深さのある写真を撮れる、ということ。言い換えるとiPhoneのカメラは、クリエイティブのツールとしても優れている。

写真家たちは今でも、コンピュータの上で自分の写真を編集している。iPhoneのカメラには、レンズ交換ができないなどの制約があり、またそれをコンピュータにすぐにテザーして大画面で写真を見ることもできない。しかしそれでも、iPhoneだけで十分できることは多い。

昨年12月に60 Minutesが、AppleのiPhoneのカメラ部門に800名の社員がいることを、すっぱ抜いた。Appleはカメラに大量の人材を注ぎ込み、他のスマホとの重要な差別化要因にしようとしている。iPhoneの、旧機種に対しても。

AppleはiPhoneのカメラを、スマホのおまけ機能として軽視していない。だから今では、DSLRを家に置いてiPhoneだけを持ち歩くプロの写真家が、増えているのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleはiPhoneアンロックの事案で延期を獲得、返答の期限は2月26日に

SAN FRANCISCO, CA - OCTOBER 22:  Apple CEO Tim Cook speaks during an Apple announcement at the Yerba Buena Center for the Arts on October 22, 2013 in San Francisco, California.  The tech giant announced its new iPad Air, a new iPad mini with Retina display, OS X Mavericks and highlighted its Mac Pro.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

FBIのためにiPhoneを改造せよ、という裁判所命令にAppleが答えるべき締め切りの期日が、延期された。最初は火曜日が締め切りだったが、金曜日、2月26日までに延びた、という。

Appleは、iOSの特殊なバージョンを作れというFBIの要求が、負担が大きすぎ、200年の歴史をもつ法律All Writs Actの枠を超えていることを、証明する必要がある。延期のニュースは、さきほどBloombergが報じた

FBIの要求には、三つの要請がある。それはAppleに、間違ったパスワードを何回も入力するとその電話機のデータを消してしまう自動消去機能を無効化またはバイパスすることを求めている。またそれはAppleに、パスワード誤入力の際の遅延を取り去るよう求めている。遅延とは、次のパスワード入力(試し入力)までロックにより数分とか数時間待たされることだ。遅延をなくすことによりFBIは、自分たちによるパスコードの試行を短時間で済ませられる。第三に、いちばん問題なのが、それがAppleに、パスコードの入力をBluetoothやWi-Fiのような無線プロトコルまたはデバイス上の物理的ポートからできるような、新しいバージョンのiOSを作るよう、求めていることだ。

AppleはTim Cookの強い口調の言葉で要求を断ったが、今度は法に従って答えなければならない。そして裁判所が、応諾を強制すべきか否かを決定するだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleは、次期iPhoneチップにSamsungを採用しないかもしれない

7857056934_f896c8fb5e_o

AppleとSamsungは長年にわたる非対称なライバルであり、スマートフォン市場でしのぎを削る一方で、チップに関しては提携関係にある。The Electronic Timesの最新記事によると、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が次期iPhoneで唯一のA10製造業者になる。Samsungは次期iPhoneではAppleと取り引きをしないことになる。

これは一夜のうちの変更ではなく、AppleはこれまでにもTSMCと仕事をしてきている。iPhone 6sおよび6s PlusのA9チップは、現在TSMCとSamsungの両社が製造している。それ以前、TSMCはiPhone 6、6 PlusのA8の単独供給元だった。

複数の製造パートナーを用いることには様々な利点がある。第一に、供給不足の心配がなくなる。Appleが四半期に何千万台ものiPhoneを売ることを考えると、SamsungあるいはTSMCが単独で十分なチップを供給できるかどうかは疑問だ。SamsungとTSMCは他の携帯電話用チップも製造している。

第2に、複数のメーカーと交渉することによって有利な価格を得られる。Samsungの方がTSMCより高いのかどうかはわからないが、AppleはA10が巨大な契約になることから価格を引き下げることができる。

そして、Appleは最も効率のよい設計を選べる。TSMCのA9は、バッテリー寿命に関してわずかに優れていた。このためAppleがTSMCを選んだのにはこの理由もあるかもしれない。

Electronic Timesによると、TSMCは今秋のiPhone 7発売に備えて6月にA10の生産を開始する。設計には10 nmが採用されるかもしれない。A10の詳細を知るにはiPhone 7の分解を待たなくてはならない。

一般ユーザーにとって、iPhoneチップの製造元がTSMCであるかSamsungであるかよる大きな違いはない。どちらの会社もAppleの独自CPU設計を実装している。しかしSamsungのチップ事業は、この契約がなくなると大きな打撃を受けるかもしれない。

Via 9to5mac

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

非正規ショップでiPhoneのホームボタンを修理交換した人は、iOS 9を「絶対に」導入しないこと

iphone-6-touch-id

iPhoneのパーツがおかしくなってしまったような場合、非正規の代理店に持ち込む人もいることだろうと思う。ただしホームボタンが壊れた場合は、絶対に正規店に持ち込む必要があるようだ。ガーディアンの記事によると、Appleの導入したTouch ID保護に関わる「Error 53」というエラーにより、たくさんの人がiPhoneを操作できなくなるという事態になっているそうなのだ。このエラーに遭遇すると、iPhoneではあらゆる操作が行えなくなってしまう。

「Error 53」が発生してしまう原因は、iPhoneのホームボタンを非正規ショップで修理交換したことによるものだ。非正規ショップでホームボタンの修理交換を行なったiOSデバイスにiOS 9を導入すると、デバイスは操作不能となり、それを回復する手立てもないという状況になってしまう。

きっと多くの人は、これはAppleが修理代のマージンを取得するために仕込んだことだと考えてしまうことだろう。実はそうした金儲け主義が理由ではない。正規ショップで修理を行うと269ドルないし329ドルの修理代金がかかるが、それは意味のあることなのだ。

AppleがiPhone 5s向けにTouch IDを導入した際、セキュリティのために新しい仕組み構築する必要があった。すなわち指紋データをAppleのサーバーなどに送らない仕組みを実現する必要があったのだ。もちろんiPhoneのローカルストレージに通常のデータとして保存することもできない。iCloudやiTunesバックアップなどにデータを置いておくことも避けなければならなかったのだ。

そこでAppleが構築した仕組みが「Secure Enclave」という仕組みだ。Secure EnclaveとはAシリーズのプロセッサに組み込まれたコプロセッサで、システムへの不正なアクセスを防ぐように設計されている。Secure Enclaveには独自のUID(固有ID)がセットされていて、システムの他の部分からはもちろん、AppleさえもこのIDを知ることはできないようになっている。システムはデバイスの起動時に一時鍵を生成してUIDと関連付けることにより、情報にアクセスすることができるようになる。すなわちSecure Enclave内の情報にアクセスするには、かならずこの一時鍵を利用して行う必要があるのだ。

そしてここまでに記したセキュリティ効果に実効性をもたせるため、Touch IDのセンサーはSecure Enclaveとペアリングされた状態で動作するようになっている。さもなければ、ホームボタンを改造して自前のTouch IDセンサー動作させることで、Secure Enclave内のデータに不正にアクセスできるようになってしまう。たとえばApple Payなどを不正に利用することができるようになってしまうわけだ。

さらにiOS 9ではTouch IDセンサーとSecure Enclaveの結びつきが一層強化され、Touch IDセンサーを正統なものであると認識できなければ、「エラー53」を表示してiPhoneへのアクセスをブロックするようになったのだ。それで、非正規修理店の修理交換したホームボタンが一切動作しなくなってしまったのだ。正規ショップではSecure Enclaveと、新しいホームボタンのペアリング処理も行うようになっていて、それでホームボタン交換後もきちんとiPhoneを動作させることができるようになっている。

もっともらしい話ではある。ただしちょっとおかしなところもあるのではないだろうか。AppleはSecure Enclaveがメインプロセッサーと分離して動作する仕組みを導入している。それであればTouch IDとのペアリングがおかしくなっているときには、Secure Enclaveのデータが必要となる処理のみをブロックすることも可能だったのではないだろうか。あるいはTouch IDの処理を前提としているものの処理を行えなくするようにしてもよいだろう。

しかしたとえばこれまでに撮影した写真や連絡先情報などにまでアクセスできないようにする必要はないのだ。「エラー53」がシステムへのアクセスを拒否する仕組みはまったくひどいもので、ぜひとも再考をお願いしたい。

また、AppleはiOS 9.0へのアップグレード通知を行う際に、この「エラー53」について詳細な情報もあわせて通知すべきだろう。現在用意されているサポートページ程度では不十分だ。iPhoneの利用者には、自分たちが撮りためてきた写真にすらアクセスできなくなる可能性があることを、事前に知る権利があるはずなのだ。これはAppleのためでもあるはずだ。「エラー53」が出る理由を知った人の多くは、Appleが金儲け主義によりサードパーティーのリペアショップを潰そうとしていると考えるはずだからだ。

冒頭にリンクしたガーディアンの記事では、この問題はiPhone 6とiPhone 6 Plusで確認されているとのこと。iPhone 5sやiPhone 6s、あるいはiPhone 6s PlusでもTouch IDセンサーを使っているわけで、条件が一致すれば同様の問題が出てくるものと思われる。Touch IDセンサーを使っているiOSデバイスでは、いずれも同様の問題に遭遇する危険性があるのだ。

Appleからは以下のようなメッセージを受け取っている。

私たちはセキュリティを非常に重大なものと考えています。そうであってこそ、お客様をさまざまな危険から守ることができると考えているのです。そうした考えから、iOSはiPhoneやiPadに搭載されているTouch IDがオリジナルのものであるのかどうかをチェックしています。もし正しくない方法でTouch IDセンサーが交換されていることを検知した場合、Apple PayなどのTouch ID関連サービスを利用することはできなくなります。Touch IDセンサーを不正に利用するのを防ぐためには、どうしても必要なチェックルーチンであると考えています。「エラー53」に遭遇した利用者の方々には、Apple Supportに連絡していただきたいと考えております。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

iPhone 7の背面カメラには出っぱりがなくなるかもしれない

iphone-6-plus-corner-macro

上の写真に写っている、iPhone 6やiPhone 6sのカメラモジュールの出っぱりは、殆どの人が嫌っていることだろう。iPhone 7のデザインに関する新たな噂(Mac Rumors)によると、次期iPhoneの背面カメラは平坦らしい。背面を横断するアンテナバンドもなくなりそうだ。

iPhone 6の本体はiPhone 5sよりかなり薄い。しかしそこには欠点があった ― 優れたカメラを使いたけれはカメラモジュールを薄くすることができない。現在、カメラモジュールはiPhoneの中でもっとも厚い部分を成している。

それが突起の理由だ。それが殆どのAndroidフォンのカメラの周囲に突起がある理由だ。カバーを使っていれば問題にならないが、もしAppleがこの突起をなくせるものなら、そうするはずだ。

可能性が2つある。カメラモジュールのメーカーは近年大きく進歩しているので、もっと薄いモジュールを作れる。あるいは、Appleが新たな技術を使って同じ写真品質を得られる方法を見つける。

Appleがデュアルカメラシステムの採用を検討しているという最近の噂を考え合わせると、薄型カメラモジュールはそうあり得ない話ではない。

2枚のレンズを使うことでカメラモジュールをスリムにできるかどうかはわからないが、部品を2層に分ける方法はあるかもしれない。

去る12月、テレビ番組の”60 Minutes” は、Appleでは800人がiPhoneカメラに取りかかっていることを明かした。Appleは常にカメラモジュールを小さくする方法を評価しているに違いないが、会社には別の懸念がある ― 利益率と製造だ。

デュアルカメラセンサーに切換えることは、Appleにとって経費が増すことを意味している。iPhoneの利益率を下げるものは何であれ同社の利益を圧迫する。またAppleは四半期にiPhoneを数千万台販売しているので、サプライチェーンへの制約は避けたい。それにしても、このしょうもない突起には本当に頭にくる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、3月15日〔日本時間16日〕にイベントを開催―iPad、小型iPhoneなど発表予定

2016-02-03-appleevent315

1月中旬に私は「新型Apple Watchはいつ出るのだろうか?」という記事をTechCrunchに載せた。現在でもその答えはやはりノーだと思う。 しかし記事ではAppleは3月に関連イベントを開催するかもしれないと書いている。発表されるのはおそらく新世代のiPadと小型のiPhoneだろう。ただし、いくつかの情報源から聞いたところではイベントの中身はまだ流動的だ。これはハードウェアの開発状況次第ということになる、と付け加えている。

さて、情報源によると、イベントの開催日は3月15日で確定したようだ。また4インチのiPhoneと新iPadが発表されるのはほぼ確実になってきた。

今日(米国時間2/2)、9to5MacBuzzfeed NewsもAppleイベントの日付と発表されるであろうプロダクトを報じている。TechCrunch記事で私は「すっかり新しくデザインされたApple Watchのハードウェアは第1四半期のイベントには登場しないだろう。ただし新しいアクセサリーはいくつか発表されるかもしれない」と書いた。 BuzzfeedのJohn Paczkowskiは新しい腕時計バンドがストアに並ぶと書き、 9to5MacのMark Gurmanはミラネーゼ・ループの黒いバンド(これは私も欲しい)、新しいスポーツ・バンドやエルメス・バンドが発表されるだろうとしている。

4インチiPhoneと新iPadについてはだいぶ前から情報が流れており、記事も書かれている。 Intelの最新プロセッサSkylakeを搭載したMacbookの噂も出ているが、まだ発表の日取りを決められるような開発段階にはないと聞いている。これについてはあとしばらく待つ必要があるようだ。

Appleにコンタクトしてみたが、答えはいつも通りの「われわれは噂や推測にはコメントしません」だった。

画像: Sebastian Horndasch/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhone 7はデュアルカメラシステムを搭載してカメラを一挙に高性能化(という噂)

screen-shot-2015-04-14-at-3-42-41-pm

Appleは2016年9月にiPhone 7を披露するらしいが、このところ、カメラに関する新しい噂が話題になっている。KGI SecuritiesのMing-Chi Kuoによると、iPhone 7 Plusにはデュアルレンズシステムのオプションがあり、LinXの技術を利用している。Appleが2015年4月に買収したLinXは、複数レンズのカメラモジュールを作っている。

Appleの予測に関してMing-Chi Kuoは従来から好成績だが、でもiPhone 6とiPhone 6 Plusではカメラモジュールは同じだし、その改良バージョンがiPhone 6sとiPhone 6s Plusで使われている。”iPhone Plus”とその4.7インチ型の、カメラに関する唯一の違いは、大型モデルにはoptical image stabilization(光学式手ぶれ補正機構)があることだ。

iPhone 7 Plusがデュアルカメラシステムになるのなら、Appleはカメラモジュールに関する戦略をこれまでとは変えることになる。でも、サプライチェーンがネックになるのなら、それを一部の機種に限定するのだろう。

それでは一体なぜ、AppleはiPhoneのリアカメラを2基にするのだろう? 考えられるユースケースはいろいろある。LinXは、二つ以上の複数のレンズがシームレスに協働するハードウェアとソフトウェアのソリューションを作った。たとえばデュアルレンズシステムは背景のぼけを改良し、被写界深度を再現するだろう。人びとが低開口のDSLRを好むのも、背景のぼけがその理由の一つだ。

二つのカメラは、暗いところでの撮像能力を高め、色忠実度とHDRパフォーマンスを上げる。あるいは、撮影後に焦点を前景または背景に合わせることができる。あのLytroのように。

二つのレンズでそれぞれ、ズームを変えて撮る使い方もありえる。たとえば3倍ズームで撮りながら同時に全景を撮れるだろう。それが工学式ズームでできれば、Olloclipレンズのようなサードパーティのレンズの代わりになる。

まだはっきりしないのは、デュアルカメラにした場合のカメラのスリム化をどうするか、だ。Appleはつねに、iPhoneのスリム化に努めてきた。同社は今、カメラ用画像センサーを曲面にすることを考えている。それなら、大容量のカメラをスリムにできそうだ。

昨年12月に、60 Minutesが、Appleでは800名がiPhoneのカメラ部門にいる、とすっぱ抜いた。何百万もの人たちがiPhoneで写真やビデオを撮っているのだから、カメラはとても重要な部分だ。デュアルレンズシステムになればいろんなことができるから、クリエイティブの幅が一挙に大きく広がるだろう。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple、Q1のiPhoneは前年比わずか0.4%増の7500万台

A customer tries out the new Apple iPhone 6S at an Apple store on Chicago's Magnificent Mile, Friday, Sept. 25, 2015, in Chicago. (AP Photo/Kiichiro Sato)

Appleは今日(米国時間1/26)のQ1決算発表で、iPhone 7480万台、iPad 1610万台、Mac 530万台を販売したことを報告した。

Appleの第1四半期は2015年12月末締めで、ホリデーシーズンを含んでいる。これは同社にとって年間最高の四半期になるはずであることを意味している。加えて、iPhone 6sとiPhone 6s Plus9月25日に発売されたことから、Appleの次世代旗艦端末が同四半期フルに販売されたことになる。

昨年の同時期、Appleは7500万台近くのiPhoneを売り、対前年比57%の売上成長を示した。今期のiPhone販売7480万台は、年間売上成長でわずか1%、販売台数ではわずか0.4%の成長だった。

対前四半期比でみると、Appleは前期の4800万台より56%多くのiPhoneを販売した。

Appleは第1四半期に7500万台以上のiPhoneを売ると予測されていた。これは四半期中アナリストらが特に注目してきた数字だった。多くの人々は、8年近い連続成長を続けてきた iPhoneがついに下り始めることを恐れていた。

一方、AppleはiPad製品ラインの育成ではさらに苦労している。同社は第1四半期に1610万台のiPadを販売し、対前年比25%減だったが、前四半期からは63%増だった。

ちなみにAppleは新製品のiPad Proを11月11日に発売しており、四半期の約半分の期間販売された。

Appleのタブレット端末の販売は下降が続いている ― 昨年同期、AppleはiPadを2100万台販売しており、対前年比18%の減少だった。

今はPC業界全体が下降を続けているが、Appleも例外ではない。

Macの販売台数は530万台で、前年から4%減少した。

今期のiPhoneは絶好調とは言えなかったが、Appleの財務状況は依然として卓越しており、単一四半期で760億ドルの売上を記録した

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

この2.7メートルのiPhoneケーブルは究極のホリデーギフト、しかもたったの12ドル

anker-pitfall

ベッドから乗り出したり、空港の床に座ったり、その他あらゆる不快な姿勢から友達や家族を解放してあげよう。このAnker 2.7m iPhone/iPad lightningケーブルを買う。通常のケーブルの約3倍の長さだ。

anker-smile

なぜこれが完璧なギフトなのか:

  • 安価だがもらった人は毎日これを大喜びで可愛いがる
  • 通常のiPhoneケーブルは必ず端がほつれて壊れるが、これは超頑丈だ
  • iPhoneケーブルは簡単になくなるので、いくつあっても足りない
  • もし相手がiPhoneを持っていなければ、持っている誰かに再ギフトできる

われわれは皆、電子に中毒している。このケーブルは遠方から注入してくれる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 6SのLive PhotosをGIFやビデオに変えるアプリがまた出ました、その名はLively

lively1

iPhone 6S/6S PlusのLive PhotosをGIFやビデオに変えるアプリが、また現れました。そう、美もアートも、それを共有できなくては無意味であります。

Tiny WhaleのLivelyは、あなたのデバイスに閉じ込められていたLive PhotosをGIFやビデオに変え、GIFは0.5xから2.0xまでの範囲で速さを指定できる。

おっと、まだLive Photosについて知らない人がいるかもしれない。

iPhoneの最新機種iPhone 6SとiPhone 6S Plusには、Live Photosというソフトウェアによる機能がある。この機能を有効にしておくと、カメラはシャッターボタンが押される瞬間の前後各1秒、計2秒あまりを、動画として記録する。

しかし、その動画付き写真はLive Photos機能のあるiPhoneでしか見られないので、iPhoneのそのほかの機種やそのほかのメーカーのデバイスのオーナーと共有できない。

Livelyは、その扉を開こうとしている。

100-LivePhoto

もちろん、ほかにもそれを考えた連中はいる。今週初めにローンチしたLive GIFは、1ドル99セントの有料アプリだ。

一方Livelyは、ダウンロードは無料でGIF/ビデオ変換3つまでは無料(プレビューは無制限)だ。枚数無制限でこのアプリを使いたい人は、アプリ内から1ドル99セントを払う。

Livelyのダウンロードはここから。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple iPhone 6sの今度のテレビコマーシャルは3Dタッチ入門編、上級編も必要だね

AppleがiPhone 6sの新しいTVコマーシャルを開始した。基調は前回と同じで、“何もかも変えたのはiPhoneだけ”(the only thing that’s changed is everything)と言っている。今回はiPhone 6sのもっとも重要な機能のひとつ、3Dタッチ(3D Touch)が主役だ。

時間をかけてpeekジェスチャとpopジェスチャを説明している。軽いプレスで情報をpeek(ちら見)し、強いプレスでそのコンテンツをロードする(pop)。そのデモに使われるのは、Mail、Maps、MessagesなどAppleのアプリと、Instagramなどサードパーティのアプリだ。

Apple Watchや、新型MacBookのトラックパッドではForce Touchと呼ばれる新しい技術が使われている/いたが、3D Touchは物理的には同じものを、ソフトウェアによってまったく別の実装にした。つまり別のジェスチャ集合が実装され、それによってインタフェイスのアクションが速くなった。ぼくは、スマートフォンの使い方そのものが革命的に変わると思っている。

これまでいろんなアプリで3Dタッチを経験したが、ぼくの感想は変わらない。最初は、3Dタッチを導入したばかりのTweetbotだった。本誌の常勤ライターJohn Biggsにいたっては、3DタッチはAppleの秘密兵器だとまで言っている。

それでも、知らない人に3D Touchを説明するのは難しい。iPhone 6sを実際に使ってみるのが、ベストの方法だ。しかしご近所にApple Storeがない人も多いから、今回のコマーシャルはハウツー・ビデオみたいになったのだ。

30秒ですべてを語ることはできないから、登場しない使い方もある: ホーム画面のショートカット、Live Photos、ライブ壁紙、そしてぼくの好きなタッチパッド機能:

[新しいiPhoneの3Dタッチ: プッシュするとタッチパッドになり、カーソルを動かしたりテキストをセレクトできる。世界が変わった。]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。