ディズニー、マーベルとスターウォーズの専用購読サービスを検討中


Disneyは、ブロードバンド購読者にケーブルや衛星の契約なしにコンテンツを提供する、DishのSling TVのようなサービスとの新たなつきあい方を模索している。もっと嬉しいことがある。Disneyの計画には、マーベルコミックスやスターウォーズ専用のプログラムも入っている。これは私の夢を叶えるものであり、これで残りの人生を幸せに暮らすことがてきる。

月間20ドルのSling TV基本パックには、すでにDisneyからの11チャンネルが含まれており、Bob Igerが今日のアナリスト会見で語った内容(via Deadline)から、同社が既にストリーミングの拡大を真剣に考えているが伺われる。Disneyにとってこれはまだ暫定的な試みであるとIgerはクギを刺す。エンターテイメントの巨人は、直接ストリーミングが未来のコンテンツ提供の最先端であるとしても、殆どの消費者にリーチするためには、旧来の放送と有償テレビ配信のしくみが必要であることを重々承知している。

しかし、Sling TVや他の類似サービスは、ケーブル購読させるためには別のインセンティブが必要な若い視聴者への道を開くものだとIger は言う。そして私が推測するに、それは「われわれは視聴者のいる所へ行く」の言い方の一つにすぎず、ネット配信購読者をバンドル購読信者へと変え、パートナー企業を喜ばせることを示唆している。

行間を読めば、Disneyは自社の最も人気のあるブランドを、スーパーファンが高額な料金なしに(かつ海賊行為に走ることなく)見られる専用サービスとして提供することに、大きな価値を見出し、まさにその方向に進もうとしているように見える。そしてDisneyがマーベル(シテマティンク・ユニバースおよびテレビ)とスターウォーズ(アニメーションシリーズ、スピンオフ作品、およびメイン作品群)の両方に持っているコンテンツの量を踏まえると、いずれのブランドに関しても、専用チャンネルの実現は容易だ。

今のところ、Igerのためらう様子を見る限り、近々そのような提供形態が見られる確率は低い。しかし、私にはその確率を知らせないでほしい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Amazon、手持ちの紙書籍をスキャンしてデジタル化するアプリ、Kindle Convertをリリース

愛書家にとって、大量の紙の書籍をいずれKindle版に買い替えなければならないという展望は憂鬱なものだ。そこでAmazonは新しい選択肢を用意した。Windows向けのKindle Convertというソフトは紙の書籍をKindleのフォーマットでデジタル化できる。フォントサイズの調整、手持ちのどのデバイスからでも続きが読めるWhispersync同期機能、Amazonクラウドへの無料バックアップなどの機能が提供される。

ただし、手間はかかる。ソフトの料金はキャンペーン価格で19ドル(定価は49ドル)にすぎないが、手持ちの本をKindleファイルに変換するためにはスキャナーで各ページをスキャンしなければならない。フラットベッド・スキャナーでも一度に最大2ページしかスキャンできない。またThe Ebook Readerによれば、このサービスが提供されるのは当面アメリカのみだという。

幸いなことに、ハードウェアに対する要求は高くない。Kindle Convertは.jpeg、.tiff、.pdf、300-600 DPI、カラーなら24bit、グレースケールなら8bit、あるいは白黒2値 のファイルをサポートする。このフォーマットであれば、オールインワンのプリンターに内蔵されているスキャナーを含め、ほとんどすべての市販のプリンターで対応可能だ。

一生その作業にかかりきりになってもよいという修道院の図書係僧でもないかぎり、Kindle Convertで蔵書をすべてデジタル化しようというユーザーはいないだろう。いくら金の節約になるといっても手間がかかり過ぎる。

しかしそれでもKindle Convertは大いに役立つに違いない。通常ではデジタル化が望めない絶版本や稀覯本のKindle版を製作できるわけだ。またKindle Convertは写真、図版も含めてデジタル化されるので日記その他の個人的な文書や写真をデジタル書籍にするにも便利だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


3Dプリント義手で、少年がギターを弾けるようになった

Diego Corredorはギターを弾きたかったが、生まれつき右手がなかった。義手を使ってコップの水を飲んだり、物を持ち上げることはできるがピックを持ったり弦をつまびくことはできなかった。そこへ登場したのが3D Gluckのメーカーたちだ。

チームはコロンビアに住むCorredorと一緒に、ギターを弾けるカスタム義手を制作した。実験中は手のように見える必要はなく、最終的にカバーを被せて彼の腕に固定し、ピックを把むためのクリップを付けた。チームはCorredorのために、リンキン・パークのロゴで腕を飾った。

「私たちは実用的でDiegoの充生度を高めるものを作りたかった」と3DGluckの共同ファウンダー、Andrea Monroyは言った。

e-Nableを始めとする非営利グループによる3Dプリント義肢は、50ドル以下でプリントできる非常にシンプルな手に力を入れている。Corredorの手もその程度の価格で、10代の若者がカッコいいエレキギターを弾くことができる。

via 3Dprint

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


マイクロファクトリー:製造業へのインターネット適用は第三の産業革命を起こす

編集部: John B. Rogersはマイクロファクトリー方式で自動車を3Dプリントして製造販売するLocal Motorsの共同ファウンダー、CEO。同社はアリゾナ州チャンドラー、テネシー州 ノックスビル、ネバダ州ラスベガスに所在する。

アメリカの製造業に新たな未来を開く動きが始まっている。

MakerBotTechShopKickstarterのようや会社は、伝統的な産業化による製造業と雇用のモデルと、現在広まりつつあるフラットでネットワーク化した世界における製造と雇用モデルとの乖離を埋めるための重要な架け橋の役割を果たそうとしている。

先進国における製造業の未来を考えるにはその財務、資金調達と実際の製造プロセス、双方の新たなモデルを必要とする。その一つがマイクロファクトリーだ。

われわれの会社、Local Motorsでは、「ローカル企業がビッグになるにはそのローカルをビッグにしなければならない」と言い習わしている。世界でもっとも人口密度が高く、購買力も高い地域で大型のハードウェア製造(家電製品や自動車など)を開始すれば、意味のあるレベルの雇用を提供すると同時に、そのコミュニティーのニーズに迅速に反応しつつ、プロダクトの開発速度を大幅にアップできる。

私は中国で3年過ごし、Foxconnが作り上げた巨大工場について詳しくまなんだ。それ自体が都市であるFoxconn工場では靴箱に入る程度の大きさのものであれば、文字通りありとあらゆる電子製品を製造することができる。製造、保管、出荷のプロセスすべてが簡単だ。しかし、靴箱サイズよりずっと大きいプロダクトを大量生産しようとすると、Foxconnのような便利な施設は少ない。ましてそれに必要な資金を得るチャンネルはほとんどないといってよい。製造に必要なツールも部品も高価であり、流通も難しい。すべてが高いコストがかかり、一つのjミスが命取りとなりかねない。

しかし未来に向けて明るい展望も存在する。われわれは「第三の産業革命」ともいうべき新たなエコシステムの確立に向けて起業家の努力が実を結び始めている.

歴史を振り返る

ジェニー紡績機が蒸気機関と結びついて最初の産業革命が始まった。ジェームズ・ハーグリーブズが紡績機械を発明しなかったら衣類の大量生産は不可能だった。20世紀に入るとヘンリー・フォードが流れ作業による製造ラインを備えた巨大工場を完成させ、複雑な機械の大量生産に道を開いた。.蒸気機関はやがて石油を燃料とする内燃機関に置換えられた。この第二の産業革命はトヨタ自動車のカイゼン・プロセス、つまり組織的かつ絶え間ない品質改善の努力によって完成の域に達した。そしてリーン・マニュファクチャーやシックス・シグマなどの高度な品質管理手法を産みだしている。

われわれが第三の産業革命と呼ぶのは、最近登場し始めた「インターネットを適用されたプロダクト」を指している(いささか使い古された感のある「モノのインターネット」より広い概念だ)。ここで「インターネットの適用」と呼ぶのは、「リアルタイムでの情報へのアクセス」、「産業用製造ツールの低価格化」、「有効な法的保護の提供」の3つの側面を意味している。

ローカルの起業家がグルーバルな巨大企業と同じ土俵で戦えるフラットで分散的な経済が第三の産業革命の特長だ。これを可能にするのは、伝統、慣例にとらわれない柔軟な発想と、そうしたイディアを即時に世界的に共有できるプラットフォームの存在だ。

即時かつ広汎な情報へのアクセス

たとえば私がMakerbotのクラウドソース・ライブラリ、ThingiverseからドアのグロメットのSTLファイルをダウンロードすれば、数時間後には3Dプリンターからその実物が出力され、われわれの自動車のドアに組み付けることができる。われわれのコミュニティーでは常に誰かが新しいアイディアを出して、それが共有されている。GE AppliancesはFirstBuildというマイクロファクトリーを建設した。目的は世界中の才能ある人々のアイディアに対して開かれたハードウェア工場だ。

製造ツールの低価格化

マイクロファクトリー方式のメーカーは高価な産業用ツールを低コストで利用できるようになった。TechShopなどを通じて強力なコンピュータ・パワーと産業用3D プリンターを時間借りできる。Cathedral Leasingなどを通じてリースも可能だ。

またアメリカ・エネルギー省のオークリッジ国立研究所ではORNL Manufacturing Demonstration Facilityという野心的プロジェクトで、研究者と民間企業が共同してスーパーコンピュータにアクセスし、最先端の製造でくのロジーを開発、実証する試みが進んでいる。

製造プロセスのクラウドソース化、資金調達のクラウドファンディング化によって、ハードウェア、ソフトウェアを問わず、製造業にに必要な当初資金は大幅に低下しつつある。

有効な法的保護

現在、アメリカではユーザーが生んだ知的所有権に対するさまざまな保護と調整の仕組みが整備されている。Creative CommonsMITGNU のようなオープンソース・ライセンスはマイクロ・ファクトリーが安心して広汎な既存の知的財産を利用し、改良してさらに共有する道を開いた。

マイクロファクトリー

マイクロファクトリーは、その小さいサイズ、高いアクセス性、必要な資金の少なさという重要な意義を備えている。

靴箱より大きいハードウェアをマイクロファクトリー方式で製造するなら、その成功の可能性は高い。なぜならデザインのクラウドソースと3Dプリンターを駆使するマイクロファクトリーはアイディアを形にするスピードが伝統的メーカーより格段に速いからだ。

クラウドソースは、即座に世界中の能力ある人々の知恵を借りることを可能にする。クラウドソーシングを理由すればエンジニアリング上のどんな難問でもきわめて短時間で解決可能だ。3Dプリンターは製造過程を高速化するだけでなく素材の利用効率が高く、結果的に無駄を出さない。これよって製造に必要なスペース、原材料が大幅に削減され、事業立ち上げのための資金も少なくてすむ。

マイクロファクトリーは伝統的製造業に比べて効率的なので環境負荷も低く抑えられる。消費地に接近しているため輸送、流通のコストも小さく、消費者の反応を即座に感じとって製品改良に活かすことができる。.

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Appleストアは、Apple Watchを売るためにジュエリーショップの手法を導入する


AppleがApple Watchを売ることは、iPhoneメーカーにとって大きな変革であり、同社の小売体制は新たなウェアラブルを取扱うために転換しようとしている。先週本誌の週刊AppleCastは、Apple Watchによって小売戦略がどうシフトするかを議論したが、このたび9to5Macは、Appleの物理的小売店舗が最高級のApple Watchをも安全に販売し、潜在顧客が新製品や数多くのオプションを店内でたっぷりと体験できるための具体的変更の数々について報じている。

Apple Watchは、夜間および販売を待つ間カスタムメイドの金庫に保管され、そこにはMagSafe充電器(Apple Watchのために新たに導入された円盤型バージョン)が備えられてる。ユーザーがウェアラブルを近くで見るための新たな陳列テーブルも設置される。さらに、店を訪れた人々がApple Watchのモデル、材質、カラーの様々な選択肢を試用し、店内を歩き回って実際に着けて生活した時の感覚を味わえるように、新たな販売手法が導入される。

もう一つの変更は、小売店舗に秤が導入されることだと9to5Macは言う。その秤は、Apple Watch Editionバージョン(24金を含む貴金属で作られる)が、持ち出された時と同じ量の金を含有していることを確認するために使用される。良くできた偽物とすり替えたり、微量の金属を取り除いてから返品しようとすれば、派手な犯罪を演出することになる。

これらの噂は、Appleが数千ドルに及ぶ幅広い価格帯でウェアラブルをデビューさせるという以前からの情報を裏付ける。金庫や秤は宝石商の必需品であり、それはApple Watchを店頭で消費者に販売するために、今とは大きく異なる接客手法がとられることを意味している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Milk Nannyは、赤ちゃんのミルクを自動的に作ってくれる

私は一人の親として、Milk Nannyのようなガジェットは、親であるための苛酷な不眠実験が5ヵ月経過した頃には忘れられてしまうであろうことを理解できる ― Diaper Genie[オムツ用ゴミ箱]やおしゃぶり禁止ルールと同じように。しかし、ガジェットおたくとして、私はこの製品を実にクールだと思っている。

それはシンプルな装置だ。システムには一定量の粉ミルクと水が保持されている。ミルクが必要になったらボタンを押すだけで、暖められたすぐに飲めるミルクが出てくる。スマートフォンから制御することも可能で、使っている粉ミルクの種類をスマホに入力しておけるので、栄養成分をリアルタイムで記録することができる。こうして親たちは、わが子がいつどれだけ飲んだかを正確に知ることができるので、燃費で頭がいっぱいのホンダ・シビックのオーナーのように、新生児の摂取量を追跡できる。

Kickstarterでの価格は149ドルからで、5月に出荷開始の予定。粉ミルクをとかすことは簡単だが、腕の中で小さな人間が泣き叫ぶ夜明け前の霞の中では簡単ではない。あと何年かすれば、Milk Nannyのような製品が、おしりふきウォーマー(冬には本当に嬉しい)やあの小さなビニール製のキリンと一緒に、欲しい物リストに並ぶようになると私は予想している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoogleのCFO曰く、Glassは「一時停止」と「リセット」が必要なケース


Googleの最高財務責任者(CFO)、Patrick PichetteはGoogle Glassの未来に関してあまり楽観的ではなかった。今日の2014年Q4収支会見で語った。Pichetteは同プロジェクトについて、Googleはたとえ相当な投資をしたテクノロジーであっても、うまくいかない時には一歩退く会社であることを示す一例であると語った。

「チームがハードルを越えられない時、しかしまだ多くの可能性があるとわれわれが考えた時は、一旦停止してから時間をかけて戦略をリセットするよう言い渡すことがある。最近Glassでそうしたように」とPichetteは言った。「そして、プロジェクトが期待したようなインパクトを与えられない時は、苦渋の選択をして中止する。それはみなさんが何度も目にしてきたことだ」

Googleは去る1月19日にGlass Explorerプロジェクトを中止し、Tony Fadellの消費者向ハードウェア部門が引き繋いだ。Googleは引き続きデベロッパーにこのプラットフォームでの開発を薦めており、Fadellの下へ移管されたことはGlassの終焉を意味するものでもないが、今日のPichetteの発言は、Glassプロジェクトの実験結果に対する会社トップによる最も具体的な声明であり、近い時期の消費者向け販売を示唆するものでは決してない。

Glassは何か別の形で生き延びるかもしれないが、Pichetteの今日の意見を聞く限り、いつか再び現れた時の姿にわれわれは気付かないかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


クラウドファンディングで製品ができない大失敗から学んだLockitronが力を抜いた第二打席に賭ける

Y Combinator出身のLockitronが今日(米国時間1/27)ローンチしたBoltは、この前クラウドファンディングでつまづいたキーレスエントリー製品の第二弾で、お値段は99ドルだ。

Lockitronの協同ファウンダCameron Robertsonによると、同社はこの前の失敗から多くを学んだ。特注品の多い独自の部品を40近くも使っていたが、今回は高品質の一般市販品を使って誤作動とコストを減らし(前作は売価が179ドル)、サイズも小さくした。

また、デッドボルトを完全に交換するという最初の設計に復帰した。バックアップとして古いキーも使えるが、いろんなデッドボルトにフィットする普遍性のある製品は目指さないことにした。なぜなら、世の中に出回っている鍵の種類は予想外に多く、“何にでも合う”はずの彼らのソリューションも、同社が“わずか”20分とうたっていたセットアップ時間が実際には1時間もかかる。とにかく、長い。

Robertsonと彼のチームは、Nestを見習ってもうすこし複雑なセットアップでもいける、と確信していた。でも、“誰にでもできる20段階ぐらいの小さな作業でセットアップを終えるためには、元からあるデッドボルトを捨てざるをえなかった”、とRobertsonは語っている。

BoltはBluetooth LEでスマートフォンと接続し、ユーザが自分の家やアパートに近づくとドアをアンロックする。同社の49ドルのWiFiアダプタを買えば、PCやルータからデータを送って、いろんなことができる。たとえば今仕事中でも、自分の家を訪れたお客さんのためにドアを開けてあげられる。

またメールやSMSで鍵にアクセスできるから、友だちや家族もキーレスでお家(うち)に入れる。いつも決まった日時に来るベビーシッターやお掃除の人のために、そのときだけドアを開ける機能も、近く加わる予定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


疲れたらただ寝ればよい…部屋のコントロールをすべて自動化するスマートマットレスカバーLuna

Lunaの協同ファウンダMatteo Franceschettiは、まず、人間が寝るときに何をするかをデモする: ベッドに横になる、明かりと温度(ベッドと室内の両方)と音楽を自分の好みに調整する。これから完全に寝入るときには、もう一度調製して、たぶんすべてをoffにする。

Lunaのスマートマットレスカバーは、その調整作業を自動化する。ここまで読んで、欲しい!と思った人は、Indiegogoへ行って支援しよう。

上のビデオでお分かりのように、Lunaはベッドのマットレスにかぶせるカバーだ。上に人が横たわったこと、そしてその人が寝入ったことを検出して、そのデータをLunaのアプリと、インターネットに接続されたそのほかのデバイスに送る。

LunaのショウルームでFranceschettiが寝たふりをすると、部屋が睡眠モードになる。Nestのスマート温度計をサポートしているが、今同社はそのほかのスマートデバイスとパートナーシップする努力をしている。朝目覚めたらコーヒー沸かし器がonになるぐらいは、すぐに実現しそうだけどね。

“寝るときに人間がやることを、完全に自動化したいんだ”、とFranceschettiは言う。これからはいろんなインターネットデバイスが増えてくるから、このプロダクトがますます便利になるよ”、だと。

Lunaを使うようになると、何がいちばん変わるのか、Franceschettiに聞いてみた。すると:

男の場合は、スマートデバイスのコントロールだね。照明とか、聴きながら見ながら寝てしまうNetflixやSpotifyとか。女性と男性とでは、寝るときの部屋の温度の好みが違う。女性は温かいのが好きだが、男は部屋が冷えてる方が好きだ。でも今のスマートホームデバイスでは、一つの部屋のゾーンコントロールができるから、どっちの要望にもお応えできるね。

だと。デバイス上の個人データの保護については、データはデバイス上にローカルに保存され、Lunaのサーバには、それらが暗号化されて送られるそうだ。

スマートカバーLunaの予価は249ドルだ。でも今Indiegogoで支援すると、179ドルだ

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


QD LED(量子ドットLED)実用化に近づく―大幅に薄く、色再現性が高く、安価になる

デバイスを薄くするのは難事業だ。最近、バッテリーの薄型化が進んでいるが、ディスプレイは依然としてデバイス中で非常に大きな空間を占めている。eインクなどのフラットディスプレイは読書端末を除いては液晶ディスプレイを代替できない。しかし、量子ドット・テクノロジーがこの状況を大きく変えるかもしれない。量子ドット・ディスプレイはナノ結晶を利用して所望の波長の光を高効率で得るテクノロジーだ。

量子ドット・ディスプレイは画期的に薄くなり、かつ標準的なインクジェット方式で「プリント」できる。ソニー、Samsungなどのメーカーは今年のCESでコンセプトの実証モデルとなる製品を発表している。ただしこれらは量子ドット・テクノロジーをバックライトの光源に用いており、ディスプレイそのものを量子ドット化していない。これまで液晶ディスプレイと同様に映像やテキストを表示できる量子ドット・ディスプレイは存在しなかった

しかしイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究グループは、量子ドットのナノ結晶を電磁的インクジェット方式でフィルムに印刷する方式を開発してきた。これはタンパク質などの複雑な物質を合成するために用いられるテクノロジーの応用だという。 研究概要によれば―

この論文では量子ドット(QD)をナノメートルレベルで精密に制御して多層印刷することにより、発光量子ドット(QD LED)が製造できることを実証する。

つまり、量子ドット素材となるナノ結晶を多層印刷することによってほとんどあらゆる素材の表面に発光LED層を形成できるわけだ。さらに発光層を重ね、RGBの各ピクセルの発光を調整することによって極めて薄く、色再現性の高いフルカラーのディスプレイが可能となる

このテクノロジーはあと数年で商用化されるところまで来ている。デバイスの小型化に大きなインパクトを与えるだろう。こちらにさらに詳しい記事がある。

via Spectrum

〔日本版〕電子を極めて微細な領域に閉じ込めると量子的性質が現れる。量子ドットに青色LED光を当てるとナノ結晶が微細なレーザーの役割を果たし、高効率で波長が変換され、所望の色の光が得られる。現在話題になっている量子ドット・ディスプレイは、記事中にもあるように、通常の液晶ディスプレイのバックライトに量子ドットを利用した白色光源を用いるタイプのもの。スペクトルが太陽光に近いため、色再現性が向上し、省エネにも貢献する。上の記事で紹介されているのは、量子ドットそのものを直接ディスプレイに用いるQD LEDテクノロジー。参考 

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


写真プリンターとして機能するスマートフォン用ケースがKickstarterに登場

スマートフォンで撮った写真を直ちに印刷できるケースのことは既にお聞き及びだろうか。Pryntという名前で、いよいよKickstarterのキャンペーンページからプレオーダーできるようになった。早期割引プランは既にすべて予定数に達していて、今は99ドルの価格で手に入れることができるようになっている。

上のビデオにあるように、私たちはCESの会場でPryntを見せてもらった。初期モデルからマウント部を改良し、iPhone 6 PlusやGalaxy Noteなどのような大画面ファブレットにも対応できるようにしたそうだ。ちなみに見せてもらったときにはLightningないしUSBでの接続をサポートしておらず、目標としていた印刷速度である30秒にはまだ到達していないようだった。

夏に予定されている出荷開始の段階では、iPhone 5/s/c/6およびSamsung Galaxy S4/S5をサポートする予定となっている。カメラで撮影した写真を印刷するだけでなく、拡張現実機能をサポートするアプリケーションも用意されている。その件については11月の記事でも触れている。

Pryntアプリで写真を撮ると、シャッターを押す前後のビデオが撮られクラウドに送られる。プリントした写真をアプリのカメラで見ると、写真の上にPlayボタンが現れ、ビデオが再生される。

まるでSnapchatに、ビデオを見るための物理的キーが加わったような感じだ。セキュリティーを高めるために、隠しピクセル等のしかけを使い、写真の写真ではビデオが見えないようにすることも考えている。実際に見ると実に楽しい。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


GoPro、NHLとタイアップして新しい視点からのアイスホッケー中継にチャレンジ

アイスホッケーのファンは、アメリカやカナダに限らず世界中にいると思う。そこに注目したのだろう。GoProはNHLおよびNHLPAと提携し、試合のライブ中継にGoPro映像を加えることとしたようだ。GoProにとって、メジャーなプロスポーツ団体と正式に提携するのはこれが初めてとなる。つい先日発表となったVislinkと共同で開発したLive Broadcast Solutionを用いることになるらしい。

GoProを使ったライブ中継は2015 NHL All-Star Weekendから開始される予定で、実際にプレイヤーにGoProを取り付けてプレイヤー視点のライブHD映像を見ることができる予定だ。GoProは2015年シーズンを通してHD映像を撮影していく予定で、レギュラーシーズンおよびプレイオフについても、これまでと違う視点からみたアイスホッケーを楽しめることとなりそうだ。

今回の話のみならず、スポーツ中継のシーンではこれまで以上に臨場感をもたらすカメラへのニーズが高まっている。ESPNはWinter X Gmaeにドローンを採用したいとアナウンスしているし、またGoPro Professional Broadcast SolutionもWinter X Gameでの可能性をテストしているところだ。スノーモビルのスピード&スタイル部門で優勝したColton MoorがGoProを装着していた。ちなみにNFLでは、しばらく前からワイヤ上を走るリモートコントロールカメラが利用されている。GoProはスノーボードやマウンテンバイク、スケートボードなどで利用される機会が増えており、そうした話題の技術を取り込むことで、NHLとしても若年層の興味を取り込むメリットがあるのだろう。

GoProとしても、より広いマーケットに自社プロダクトの魅力を訴える機会となる。NHLの「オフィシャルパートナー」となり、ブロードキャストやNHL.com、あるいはNHLの運営するソーシャルメディア上での露出を通じて、さまざまな場面にプロダクトの魅力をアピールする機会を得ることとなる。

GoProとしては、「メインストリーム」層への進出を狙って行きたいところだろう。今回のNHLに続いて、他のプロスポーツ組織への働きかけにつながっていくのかもしれない。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Apple Watchのアクティブ使用時間が数時間でも十分な理由


Appleの来たるべきウェアラブル製品は未だに多くの疑問を呼び起こしているが、バッテリー寿命はその中でも最大の関心事だ。9to5Macの最新情報によると、Appleはこのスマートウォッチが、ゲーム等のプロセッサーを多用するアプリを2.5時間、標準的アプリを3.5時間、バックグラウンドのフィットネストラッキングを4時間、それぞれ連続使用できることを目標にしているらしい。殆どの時間表示がオフであるような平均的利用についてのAppleの目標値は19時間だが、初期ハードウェアはまだこの期待に答えていないと、同誌の情報源は言っている。

記事はさらに、Apple Watchチームの当初の期待はもっと高く、それが発売時期が昨年末から今年にずれ込んだ理由の一つだろうとも指摘している。記事にある数字は一見、Appleウォッチャーの間で少々懸念を引き起こしそうに思える。アプリの連続使用3.5時間というのは、例えばiPhoneと比べてもかなりひどい数字だ。

しかし、たとえAppleがこれらの数字をある程度達成できなかったとしても、Apple Watchの商品としての成功に影を落とすことはないと考えられる理由がいくつかある。まず、このデバイスは現実的には、たまに使われるガジェットであり、それはデベロッパーに課した初期の制約からも見てとれる。Appleはデベロッパーに対して、WatchプラットフォームをiPhoneの情報を伝達するための経路であると位置づけ、迅速なアクションのためのデバイスであり、継続的な利用には向いていないことを示している。

Appleにとって、既存製品の能力も有利に働いている ― Android Wear端末のバッテリー寿命は大体同じくらいで、少し良いものも悪いものもある。重要なのは、利用時間は短かく毎日充電するものであることを、消費者が事前に納得していることだ。バッテリー寿命は、Appleが今後の製品世代で同等あるいはそれ以上に保たなければならない指標だが、スタート時点では、現在ウェアラブルに対して消費者が期待する水準を目安にできる ― 他の面の体験が秀でていれば。

これは、次に指摘するAppleの優位性へとつながる。初代iPhoneは「通話、ビデオ、およびブラウジング」をわずか5時間しか約束しなかった。それは競合する当時のスマートフォンBlackBerry等の長いバッテリー寿命と比べて貧弱なものだった。Apple Watchは、記事を見る限り、そこまでひどくはなく、はるかに短時間の利用が想定されているため電源への負担も少ない。

実際、初代iPhoneはバッテリーに関してライバルにかなり遅れをとっていたが、その体験は、毎日携帯を充電するなどという面倒なことをする人はいない、と言っていた否定論者たちを黙らせるに十分だった。もちろん、もっと長いバッテリー時間への期待はあるが、現実にはPebble以外に存在せず、そのPebbleも、Apple Watchがデビューした暁には、ユーザー体験において、かつてのBlackBerryとよく似た立場におかれるだろう。

様々な現行デバイスに対してバッテリーへの不満は多いが、特定のデバイスタイプ、あるいは特定のハードウェアの売れ行きに致命的影響を与えた例は見当たらない。Appleは今回賭けに出ることができるだろう ― それ以外すべての面で、新しいレベルの洗練と機能を提供する限り。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


今日のMicrosoft Windows 10イベントのハイライト

今日(米国時間1/21)はWindowsデイだった。シアトルの本社キャンパスだ開催されたプレスイベントでMicrosoftははWindows 10関連の情報を大量に公開した。最大の驚きはWindows 10へのアップグレードが1年間無料とされたこととHoloLensという拡張現実ヘッドセットとそのソフトウェア、Windows Holographicの発表だった。その他にも多数の重要な発表があったので、9点を以下にまとめておこう。

1. Windows 10のベータテスターは170万人

Windows 10は現在テクニカル・プレビュー版が公開されているが、そのベータテスターは170万人に上るという。ベータテスターの数として多いが、製品版のユーザーが10億人になることを考えるとおドルクにはあたらない。

2. Windows 10へのアップデートは1年間無料

喜べ! Windows 10は無料だ! Windows 7、8.1、Windows Phone 8.1のユーザーがWindows 10へアップグレードする場合、リリース後1年間は無料。おそらく次の次のWindows(11?)以降もリリース後1年は無料になるのだろう。

3. モバイル版Windows 10はデスクトップ版と同期、通話とメッセージでSkypeを統合

スマートフォンとタブレットもWindows 10になる。モバイル版の情報はまだ少ないが、ルック&フィールはWindows 8.1にごく近いものになるようだ。通話、メッセージともSkypeが統合されて利用できるようになる。

4. モバイル版Windows 10には無料でOfficeアプリがバンドル

タッチ操作に最適化されたWord、Excel、PowerPointがWindows Phone(スマートフォン、タブレット)に標準搭載される。

5. Windows 10のXboxアプリはゲームをソーシャル化する

Windows 10でXboxアプリを動作させることにより、Microsoftはゲームのクロスプラットフォーム化を進める。ある意味ではFacebookのような存在になるが、赤ん坊の写真ではなくゲーム・プレイのプラットフォームとなる。

6. Windows 10にはまったく新しいブラウザ、Spartanが搭載される

Windows 10にはIEに並んでまったく新しいSpartanブラウザが搭載される。パフォーマンスとUIが大きく向上し、PDFのマークアップなど新機能が数多く追加される。

7. Xbox OneゲームがWindows 10パソコンにストリーミングされる

Windows 10ではストリーミングによってパソコンや大型タブレット上でXbox Oneのゲームがプレイできる。PS4のリモートプレイと似ているが、Windows 10が作動するすべてのパソコンでプレイできるので実用性はより大きい。

8. Microsoft、Windows上の拡張現実プラットフォーム、Windows Holographicを発表

目の前の現実世界の上にリアルな3DI映像を重ねて表示する拡張現実が提供される。Microsoftはこれに「ホログラム」というブランド名を与えて一般ユーザーへのイメージの浸透を狙っている。NASAと協力して火星探査機をこの拡張現実で操作する計画も発表された。

9. Microsoft HoloLens

MicrosoftはWindows Holographicを表示する独自のヘッドセット、HoloLensを発表した。われわれのWilhelm記者は大いに感銘を受けた。透明なスクリーンにリアルな3Dオブジェクトの映像が重ねて表示され、ユーザーはジェスチャーなどさまざまな方法でこのバーチャル・オブジェクトを操作できる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


NASAとマイクロソフト、ホロレンズを使って火星での遠隔作業を可能に


MicrosoftとNASAが協力して、赤い惑星での遠隔作業を現実にしようとしている。新たに発表されたHoloLensヘッドセットとそれをサポートするWindows Holographicテクノロジーを使用する。このプラットフォームはOnSightと呼ばれ、カリフォルニア州パサディナにあるNASAのジェット推進研究所(JPL)で開発されている。火星探査機キュリオシティーをテレプレゼンス・ロボットのように使い、科学者が比較的快適な地球で作業することを可能にする。

キュリオシティーから送られたデータを使って、OnSightのソフトウェアが火星表面の3Dシミュレーションを行い、科学者はバーチャル環境を物理空間に投影するHoloLensのおかげで、直接調べることができる。その後科学者はキュリオシティーの操作対象を一人称視点から確かめ、今後探査機の作業計画を練ったり、予想される結果のシミュレーションを見たりするることができる。

Microsoftがヘッドセットで使用しているHoloLensとホログラフィック・コンピューティングは、火星の地形を3Dで送ってくるだけではない。画面上に、距離、センサーデータの値、その他補促情報を重ね合わせることによって、使用者が他の端末へ調べに行かなくても、キュリオシティー視点のまで作業を続けることができる。

OnSightは、JPLのロボット制御による宇宙船および探査装置に関する、現在進行中の研究の一環であり、これは人間が現地に出向く前に、火星へのロボット計画がもっと見られるかもしれないことを意味している。キュリオシティーのOnSightテクノロジーを利用した作戦は、年内にスタートする予定であり、2020年火星探査ミッションには、HoloLensおよびMicrosoftのクレイジーな拡張現実イノベーションが入るだろう、とNASAは言っている。

私は小説『火星の人』をまさに読み終えたところなので、これを言わずに記事は終れない。もしHoloLensとOnSightがあの近未来フィクションに存在していれば、マーク・ワトニーの救出にさぞかし役立ったことだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


新しい「ドライ」心電センサーが、ウェアラブル医療機器への道を開く


ノースカロライナ大学の研究者らが、「ドライ」心電センサーを開発した。患者の心臓の状態を高精度で監視し、長時間装着することが可能だ。従来の心電センサーは、患者の皮膚との間に濡れたゲル物質を介在させる必要があり、長時間装着することができなかった。新型のセンサーは皮膚に装着され、情報を携帯デバイスに送信することによって、心臓の挙動をより詳細、高精度に監視する道を開く。

「過去数年間、他にもドライ電極が開発され、中にはウェット電極に対抗する可能性を示すものもあったが、われわれの新しい電極は、既存のドライ電極の殆ど ― あるいはすべて ― よりも信号品質が優れている」と、同大学機械・宇宙工学部准教授のDr. Yon Zhuは語った。「さらに、われわれの電極は頑強であり、それはポリマーの中に細いワイヤーを組み込んでいるからだ」

センサーは現行の心電計と互換性があるが、移動する患者にも利用できるため、ポータブル機に最適だ。価格が安いため貼ったまま忘れてしまってもよい。「センサーの原材料費は既存のウェットセンサーと変わらないが、製造プロセスを改善してさらに全体コストを下げる方法を検討している」とZhuは言った。

これは、ウェアラブルの世界にとって興味深い参入だ。Bluetoth塔載の低電力デバイスを、半恒久的な心電計と接続することによって、運動能力や心臓に障害のある患者が、自分の限界や潜在能力を知る手助けができる。従来のウェット電極と異なり、本当にウェアラブルなので、長時間、就寝中でも着用したままでいられる。本システムは、銀製ナノワイヤーのメッシュをポリマーで包むことによって作られており、大きさは25セント硬貨(約24 mm)くらいだ。

via Eurekalert

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Microsoft、現実世界に重ねて3D映像をホログラム的に表示するヘッドセット、HoloLensを発表

今日(米国時間1/21)、Microsoftはシアトルの本社キャンパスでWindows 10イベントを開催し、Windows 7、8からWindows 10へのアップグレードは無料となると発表したが、同時にWindows 10に新たに追加されたホログラム機能についても時間を割いて詳しく説明した。この中で現実世界とホログラムのバーチャル世界を融合させるヘッドセットを開発していることが発表された。

このヘッドセットはHoloLensと呼ばれ、Microsoftによれば「Windows 10とおおよそ同時期にリリースされる」ということだ。HoloLensヘッドセットはワイヤレスでコンピューターやスマートフォンとペアリングしなくても単独で機能する。ヘッドセットはCPU、GPUに加えて、ホログラフィー処理に特化した独自のHPU(ホログラフィック・プロセッシング・ユニット)を備える。 外観は下の写真のとおりだ。

HoloLenはGoogleのGlassやOculus Rift、またMagic Leapのミステリアスなハードウェア、Sulon Cortexなどとライバル関係になるプロダクトといえるだろう。HoloLensはOculus Riftなどとは異なり、Google Glassと同じく外界が透視できるタイプだ。Sulonも外界にホログラムを重ねて表示するタイプだが、バイザーは完全遮蔽で外界映像はバイザーの上部のカメラから供給される。MicrosoftのテクノロジーはGlassのように直接外界を見ることができ、Sulonのように高度な3Dグラフィックスが重ねて表示されるという「いいとこどり」だ。これによってユーザーのVR体験の現実感は大きく高まりそうだ。

HoloLensヘッドセットはWindows 10のホログラム能力に依存するということだが、デバイスもWindows 10のホログラムもまだ直接テストする機会がない。テストできたらアップデートする。

いずれにせよ、Microsoftが独自のハードウェア開発に一段と力を入れてきたことは確かだ。ただし、プレゼン後の質疑応答によれば、希望するサードパーティーには独自ブランドで製造をライセンスするという。

デモの中でMicrosoftのOS担当執行副社長、Terry Myerson自身がホログラムになり、シェークスピアのハムレットのデンマーク王の亡霊よろしく「私はホログラムだぞ」と宣言した。

HoloLensの最初のユースケースは対話的リモート・プレゼンスだというが、エンジニアリング、サイエンス、デザインなどの分野での研究、開発に巨大な可能性があることはもちろんだ。さらに一般に普及するかどうかはユーザー体験の質が決め手になるだろう。Google Glassも含め、拡張現実はユーザー体験という入り口でつまづきを繰り返している。しかしHoloLensはこの点でこれまでの試みよりも質が高そうで、普及にも期待が持てる。

MicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラはHoloLensを使ってNASAのマーズ・ローバー探査機を一人称視点で操縦するという例を重要なユースケースの例として挙げた。それはたしかにすごい経験になるだろう。さいわい、われわれはこの後、HoloLensの実機をテストするチャンスがあるという。SFがついに現実になるのを体験できそうだ。

それにしてもMinecraftがHoloLensのようなデバイスを開発するとは!

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


今日はGoogle Glassが買える最後の日


GoogleはGoogle Glassの実験を終えようとしている。本日(米国時間1/19)をもってGoogleはこの新奇なデバイスの販売を中止する ― 少なくとも現在のモデルは。Googleは、同製品の開発は継続中であることを明言しており、いずれ新しいバージョンが発売される可能性は極めて高い。

先週のニュースで、Google Glassが市場から引き上げられ、プロジェクトはGoogle Xチームから独立して単独プロジェクトになることが報じられた。今後は、元Apple幹部でNestのファウンダー、Tony Fadellがプロジェクトを率いる。

Glassの未来は、有能な人々の手に託された。

Google Glassは3年前の2012年4月、高らかなファンファーレと共に発表されたが、消費者の心を把むことはなかった。しかしGlassは多くの想像力あふれるアイデアを引きだし、それはGoogleの計画どおりだったのかもしれない。

Googleの広報担当者が先週本誌に話していたように、Glassが開発されたExplorerプログラムの根底にあるアイデアは、そのテクノロジーを人々がどう使うかを知ることだった。十分多くのフィードバックを ― 良否共に ― 受け取った今、Googleは未来バージョンのGlassに集中するためにプログラムを終了することを決めた。

現行バージョンのGoogle Glassは今後も動作し続けるが、公式ソフトウェアアップデートは望めないだろう。今日が公式に入手できる最終日であるが、本稿執筆時点でGoogle GlassはGoogle Playストアでいつも通り入手可能だ

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Xiaomi(小米)副社長Hugo Barraインタビュー―これがスマートフォンを安く製造できる理由だ

そこそこ高いスペックと低価格という組み合わせのおかげでXiaomi(小米)のスマートフォンは昨年、6000万台も売れた。その結果、小米は販売台数ベースでSamsungを抜いて中国でナンバーワン、かつ世界で3位のスマートフォン・メーカーとなった。

小米のフラグシップモデル、Miは市場価格が300ドル前後だ。新製品のMi Note Proはこのシリーズとして初めて500ドルを切った。一方、廉価版のRedmiシリーズは150ドル以下だ。これと比較すると、AppleのフラグシップモデルのiPhoneはキャリヤ契約なしで1000ドル以上、Samsung Note、GalaxySシリーズもほぼ同様の価格帯だ。では小米がこのようなアグレッシブな低価格を実現できる秘密はどこにあるのだろう?

これには「小米はスマートフォンを原価で販売しており、利益は別のサービスから上げている」などさまざまな説が出されてきた。われわれは先週、北京で同社の国際部門担当副社長のHugo Barrae(元Google副社長)にインタビューすることに成功した。そこでBarraはベールの一端をわずかだが開いてくれた。

小米の低価格は品種を絞り込んでいることと、機種ごとの販売期間を長く取ることの組み合わせで支えられている

Barraは「小米の低価格は品種を絞り込んでいることと、機種ごとの販売期間を長く取ることの組み合わせで支えられている」と説明した。

注目すべき点は、小米は新モデルを発表した後も旧モデル(とそれに小改良を加えたモデル)を値引き価格で販売している。

「われわれの製品の販売期間は18ヶ月から24ヶ月だ。ほとんどの製品についてわれわれは発売開始後、3、4回の値下げを行う。Mi2、Mi2sは事実上、同一の製品だ」と Barraは説明した。「Mi2/Mi2sは26ヶ月連続して販売された。Redmi 1が最初に発売されたのは2013年9月で、われわれがRedmi 2を発表したのは今月に入ってからだ。つまり16ヶ月後となる」

これは重要な点だ。販売期間が長くなれば、小米は部品メーカーと再交渉して値引きさせることができる。

「われわれが製品の値下げができるのは、部品調達コストを次第に引き下げることができるからだ。われわれはこれによって利益率を向上させる代わりに製品価格の値下げを行っている。」とBarraは付け加えた。

「われわれのデバイスの部品の大部分は〔新モデルになっても〕同じだ。そこでサプライチェーンに関する限り、われわれはほとんどの部品をRedmi 1と同一契約で調達でき、同じように値引きができる。われわれはさらに調達コストの削減に取り組んでいる。その点で、われわれの製造するモデル数がごく少ないことは極めて重要だ。われわれは年に数機種しか新モデルを発表せず、シリーズも2つだけに抑えている」とバラは語った。

Barraは「この仕組みはごく単純だ」と述べたが、一つのモデルを2年から3年にわたって販売し続けるのは、単に部品調達価格の引き下げだけが目的ではないという。Barraは〔同一機種の長期販売によって〕ソフトウェアのアップデート、修理部品のストック、その他の顧客サービスも長期にわたって同一のまま維持でき、それに関するコストも引き下げられると指摘した。

「ポートフォリオ(製品の品揃え)を厳選することによって、われわれはあらゆる面でコスト削減に成功した」とBrraは言う。

もちろんこれ以外にも、販売を販売をオンラインに限定するというマーケティング戦略や部品調達を中国国内で近くに所在する供給業者に頼るなどの総合的なコスト削減の努力も重要な役割を果たしているが、やはりもっとも重要なのはサプライチェーン管理の成功だろう。今年、

小米はアジア地域から飛び出して世界的に展開する計画だ。これにともなってサプライチェーン管理によるコスト削減の重要性はますます大きくなるだろう。

小米はこれまでほとんどの売上をオンライン販売によっていたが、最近、インドでAirtelと提携するなど、中国以外の市場でパートナーを通じての販売をテストしている。また台湾、マレーシア、シンガポールでもパートナーと提携している。

去年、小米は2015年には1億台を販売できと予測した。2014年後半、同社は販売目標をさらに引き上げたということだが、改定された新たな2015年の目標の数字はまだ発表されていない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ハードウェア薄型化に見るAppleの戦略


新モデルを出すたびにボディーをスリム化するのは、今やAppleの常套手段だ。おかげでマーケティング部門は、より薄くパワフルになった新機種を、新しいスクリーンと共に自慢できる。

もし、次世代MacBook Airに関するが本当なら、Appleはデバイスの厚みを半分にしつつ、画面を11インチから12インチに拡大しようとしている。殆どはベゼルを減らすことによるので全体の大きさは殆ど変わらない。

わずかな隙間に多くを詰め込むためには犠牲も必要だ。厚さ(薄さ)6.9mmのiPhone 6と7.1mmのiPhone 6 Plusは、ベンドゲート[曲れ折がり疑惑]の洗礼を受けた。

そこまで薄くない方がズボンの尻ポケットに入れて何時間か座っても大丈夫だったと思うが、Appleの作ったiPhoneはそうではなかった。

もっともBendgateなど薄型化による最大の苦情に比べれば何でもない。バッテリー寿命だ。物理的制約からバッテリー容量は限られる。これは毎年膨らませることが許されない。

Appleはハードウェアとソフトウェアをやりくりして常に同じ ― 時にはわずかなに改善された ― バッテリー寿命を提供しているが、注目を引くような改善はない。派手に見出しを飾るのは、新しいチップセットやディスプレイの改善、あるいは上に書いた薄いフォームファクターに限られている。

理由のひとつは、バッテリー技術の進歩が他のテクノロジーと比べて緩やかなことだ。しかし、Appleのiデバイス内部に対する外的デザインからの要求によるものでもある。スリムになり続けるガジェットが諦めなてはならないものは、バッテリー寿命の著しい改善だ。

ヘビーユーザーは予備のバッテリーや充電器を持ち歩かなければならない。このため、最も薄く最も魅力あるはずのデバイスが、壁につながれていたりバッテリーパックを引きつれたりしているのは何とも皮肉だ。

かつて、ホームコンピューターがデスクの大部分を占め、「ポータブル」がハンドルのついた重量物を持ち歩くことを意味していた頃を知っている人は、Appleが必死にスリム化しなければならない気持ちを理解できるだろう。

しかし、サイズはもはや問題にならない段階まで来ている。今やスマホやノートパソコンは、ファッションにこだわるガジェットオーナーにとってさえ十分に薄い。それでもAppleは薄くし続ける。

こうした一貫性によって、スリム化が明快な戦略となっている。しかし、Appleのよくできた薄さの背後にある論理は何なのだろう。

ライバルを蹴落とす

最薄のデバイスを作る、あるいは少なくともその方針を示し続けて薄さを支持することによって、ハードウェアデザインに関してAppleのライバルたちにできることは殆ど残されていない。Appleはハード、ソフト両面で最も得意とする技術を駆使し、ライバルは同じことを強要され、あるいは失敗する。

薄さの追究に失敗したライバルのガジェットは,iデバイスとのサイズと重さの戦いにおいては必然的に不利となる。

その一方でAppleはバーを上げ続け、iクローンの先を行く高級感を維持しなければならない。

スリム化は差別化

今やスマートフォンもタブレットも、ノートパソコンでさえもハードウェアによる差別化は終った。コンピューティングデバイスは、殆どがスクリーン、あるいはスクリーン+キーボードだ。決められたレシピの中に差別化できる物理的材料を探すことは困難だ。

今や残された差別化はスリム化だけだ。

カラーも可能性の一つでありAppleも時折そこで戦うこともあるが、大体はフラグシップ以外(iPodやiPhone 5c)のデバイスやアクセサリーだ。
真のハイエンド機は概してカラー化されず、ミニマリストなモノクロームとメタリックに焦点を合わせている。このためAppleがデザインで目立つためには、毎年デバイスを薄くする必要がある。

より厳重な制御

薄いデバイスのもう一つの特質は、ユーザーの選択肢を自然に減らしていることにある ― 物理的入口の数は少なくなっていく。それは塀に囲まれた庭への誘いである。物理的ポートやスロットは最小限に抑えらている。ストレージのユーザー拡張もできない。バッテリーは交換不能だ。

これらすべてが、ユーザーのiOSエコシステムに対してできることを制限し、彼らの行動をより予測可能、制御可能にしている。その結果Appleは、よりアクセスしやすい環境を作り、選択の幅を狭めることによって、シンプルで誰にでも使いやすいインターフェースを提供することができる。

ユーザーが自分でストレージを拡張したり、バッテリーを交換したりできなければ、Appleはユーザーがクラウドストレージを買ったり、新しいiデバイスにアップグレードするよう誘導しやすくなる。すべては、ユーザーをクパチーノ支配下のパイプに送り込むためだ。

こうした制約は、エコシステムへの囲い込み促進にもなる。ユーザーはiOSエコシステムとApple iCloudへの投資が増えれば増えるほど、同社のハードウェアを手離せなくなり、蓄積されたデジタルコンテンツと共に、他のプラットフォームへの移行を難しくする。

つまり、スリムに、小さくなったデバイスは、Appleのビジネスに継続力を与えるエコシステム囲い込みのビジュアル表現なのである。

限られた寿命

より薄いハードウェアを作ることは、iデバイス内で最も消滅しやすいテクノロジーであるバッテリーを、ケースの中に密封することも意味している。ユーザーによるアクセスが不可能になったことで、モバイルデバイスの寿命は、バッテリーの寿命と(文字通り)表裏一体になった。

さらには、バッテリー容量の制約が、バッテリー疲弊を早めるようユーザーの充電パターンを導いているとさえ言える。スマホユーザーは毎晩充電する人が殆どだが、バッテリーの寿命は有限であり、昼間長時間使えば完全に放電することもあるだろう。これはリチウムイオン電池を長持ちさせるうえで必ずしも最良の扱い方ではない…

ともあれ重要なのは、ユーザーがデバイスをアップグレードするとAppleが儲かり、高級な材料から作られた高価なデバイスを販売することが同社のビジネスでありながら、最も多い買い換え理由 ― もちろんApple製モバイル端末に関して ― はバッテリーの寿命にあることだ。こうしてハードウェアの薄さは、Appleの反復する売上を生み、制御するのに役立っている。

次は、Apple Watch

では最後はどうなるのか。Appleはいくらてもiデバイスを薄くし続けられるのか?もちろん原子レベルでは何らかの限界はあるが、そこへ行くまでにはまだ数ミリあるそうだ。ただし、今の製品サイクルが続けば、残された年数は少ない。

その一方でAppleは、新しいウェアラブル端末、Apple Watchの発売を(噂では)3月に控えている。これはAppleにとって新たな領域であり、このスマートウォッチは、戦略上同社の中核コンピューティング機器を補助する位置付けにある。

Apple Watchは、親機たるiOSデバイスのスリムさを維持しつつ、新たな機能とデザインの広がりを付加する補助的デバイスである。

これは既存のiOSユーザーの財布から、さらに金を引き出すという意味でも補助的である。もちろんiOS囲い込みの新たなインセンティブでもある。そして、ウェアラブルが消費者家電としてパッとしない今、Appleはこの壁を打ち破ろうとしている ― 歴史的にそうしてきたように。

Appleには、自社ビジネスとの共食いを辞さない歴史もある ― 例えばiPhoneを作ってiPodの機能を吸収した。最近では、小さなiPadとのオーバーラップが多いにもかかわらず、ファブレットサイズのiPhoneを作った。Apple Watchがこの機能オーバーラップ・スペクトラムのどの辺に位置するかはまだわからない。

いずれにせよAppleのハードウェアビジネスにとっては結構なことだ。Apple WatchはBluetooth経由でiPhoneとつながることによって機能する。Appleにとって最大の関心時は、Apple WatchがiPhoneユーザーにもう一つの買い物をさせるだけの利用価値を提供できるかどうかだ。

Apple Watchの効用の一つは、かばんやポケットの中を探ることなく通知をチェックできることだ。ウォッチに目をくれる必要すらないかもしれない(触覚フィードバックで曲り角を教える等)。そうすればiPhoneをチェックする回数は減るかもしれない。

AppleのBluetooth制御方法にもよるが、Apple Watchは実質的にiPhoneのウェアラブル予備バッテリーとして機能するかもしれない ― 主要モバイル端末の仕事を補助ウェアラブルに十分移行できれば。

もしそうなれば、Appleの2015年の隠し玉は、より薄くなったにもかかわらず一見バッテリー寿命が延びたように見えるiPhoneなのかもしれない ― 同時にそのユーザー基盤からさらに稼ぎながら。

もしAppleにそれができれば、大したトリックだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook